JP2002253233A - 生化学センサ及びこれを用いた生化学検査装置 - Google Patents

生化学センサ及びこれを用いた生化学検査装置

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JP2002253233A
JP2002253233A JP2001167608A JP2001167608A JP2002253233A JP 2002253233 A JP2002253233 A JP 2002253233A JP 2001167608 A JP2001167608 A JP 2001167608A JP 2001167608 A JP2001167608 A JP 2001167608A JP 2002253233 A JP2002253233 A JP 2002253233A
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biochemical sensor
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JP2001167608A
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Michael Hinuruhausu
ミヒャエル ヒヌルハウス
Noritaka Uchida
憲孝 内田
Hiroyuki Takei
弘之 竹井
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各区画に均一にプローブが捕捉された生化学
センサを提供する。 【解決手段】 検査対象物質の検出に用いるプローブを
予め微粒子3に捕捉し,微粒子を基板1の上に表面化学
的なパターニング方法を用いて格子状に形成される各区
画2に固定する。各区画にプローブを捕捉した微粒子が
単層で最密状態に固定される。固定された微粒子,微粒
子による光散乱を利用する,又は予め微粒子を蛍光体で
標識することにより,基板上に固定された微粒子の量を
測定でき,個々の生化学センサの各区画に捕捉されたプ
ローブの数を計測できる。 【効果】 プローブ数を計測でき検査対象物質を高い精
度で検出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,抗体,抗原,1本
鎖DNA,レセプタ,リガンド,酵素等の検査対象物質
の存在を,複数の生化学試料について同時に検査する生
化学センサチップに関し,特に,DNAチップ,DNA
アレーと呼ばれる生化学センサチップに関する。
【0002】
【従来の技術】生化学センサチップとして,複数の検査
対象物質を一度に検出する際に使用されるDNAチップ
がある。DNAチップはガラス等の基板上に複数の異な
るDNAをプローブとして固定した生化学センサチップ
である。ここで言うプローブは,検査対象分子を特異的
に識別する分子又は物質である。
【0003】DNAチップの作成方法としては,DNA
プローブを基板上で合成する第1の方法(従来技術1:
Science Vol.251,767−773(1
991)),予め合成したDNAプローブを基板上に一
点ずつスポットする第2の方法(従来技術2:Scie
nce Vol.270,467−470(199
5))がある。
【0004】第1の方法では,シリコン,ガラス等の基
板の上に,光リソグラフィーと光化学反応の技術を利用
して,多数の複数領域に異なる数10merのDNAを
結合している。例えば,第1の領域には第1の種類のD
NAが結合され,また第2の領域には第2の種類のDN
Aが結合されている。
【0005】検査対象物質の検出に際し,先ず,検査対
象である遺伝子を数10merの短い断片にして,各断
片を蛍光色素で修飾した試料をDNAチップの表面に加
える。DNAチップ上に合成されているDNAと相補的
関係にあるDNA断片(例えば,cDNA断片)が試料
の中に存在すると,このDNA断片はDNAチップ上の
DNAと結合する。
【0006】DNAチップ上のDNAと結合しない他の
DNA断片を洗い流した後,共焦点顕微鏡等の高感度な
光検出方法によりDNAチップを観測すると,DNAチ
ップの特定領域に結合したDNA断片に結合されている
蛍光色素からの蛍光信号が検出される。DNAチップの
各領域に結合されているDNAは予め知られているの
で,DNAチップの各領域から検出された蛍光信号によ
りDNA断片が同定される。
【0007】第2の方法では,DNAプローブを各区画
に一つ一つスポットする方法で,DNAを吸着しやすい
ように,ガラス,シリコン,高分子等の基板の表面をポ
リLリジン等によってコーディングする。次に,微少量
のDNA懸濁液の一定量を基板上に微量ピペット,針等
を利用して滴下し,乾燥させることにより,多数の互い
に異なるDNAプローブのスポットを形成する。このよ
うにして各区画2に固定されたDNAプローブと,上述
と同様に蛍光体で修飾された検査対象である遺伝子とを
反応させ,共焦点顕微鏡や市販のDNAマイクロアレー
スキャナーを使用して,反応した遺伝子を検出する。
【0008】本発明に関する以下の従来技術がある。
【0009】従来技術3(特開平11−243997号
公報):微粒子に保持したプローブの種類を,微粒子自
身の形状(例えば,粒径),誘電的性質,または色によ
り識別する方法が開示される。試料と反応済みのプロー
ブ付き微粒子が2次元配列されるプローブアレイに光を
照射して,プローブアレイの透明な支持台を透過した光
をCCDカメラにより検出された信号をデータ処理装置
に入力し,各粒子は重なり合わないことを確認して,粒
子(ビーズ)の形状を計測する。
【0010】従来技術4(特開平2000−05592
0号公報):DNA,抗原,抗体,レセプタ,リガン
ド,酵素などの生体分子で既に修飾された高分子微小球
または金属粒子を,基板の上に配置することの提案があ
る。表面に金薄膜が蒸着により形成されている基板を用
意し,基板の上に複数の仕切りが形成されたテンプレー
トを置き,次いで,各仕切りの中に濃度1から50mM
のカルボジイミド液に懸濁されたポリスチレン微粒子を
流し込み,領域毎に異なるポリスチレン微粒子を1層吸
着した基板を形成できる,との記載がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来技術のDNAチッ
プでは,基板上に形成又は固定されるプローブの均一性
に問題があった。即ち,従来技術1,2の何れの方法に
於いても,分子の吸着は必ずしも均一ではない。非破壊
的な手段により分子の吸着状態を確認することが容易に
できず,基板上に形成又は固定されるプローブの均一性
を計測して評価することは殆ど不可能であった。
【0012】また,DNAチップ上のDNAプローブと
検査対象物質とを反応させて,DNAチップ上のDNA
プローブと結合した検査対象物質を検出するが,これら
の過程の間で,DNAチップから脱落した基板上のDN
Aプローブの数を見積もる方法は知られていない。この
結果,DNAチップの各領域から検出されたシグナルの
強度が,実際に存在する検査対象物質の量を正確に反映
しないという問題があった。
【0013】更に,表面積の小さい微小領域にプローブ
を固定するので,十分な強度のシグナルを得るのに必要
な量のプローブを固定できないという問題点があった。
【0014】本発明の目的は,プローブが捕捉された微
粒子が各区画に均一に固定され,固定された微粒子の数
を計測することができ,プローブを捕捉する領域の表面
積を増大させて感度向上が可能な生化学センサを提供す
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の生化学センサで
は,検査対象物質の検出に用いるプローブを予め捕捉し
た微粒子を,表面化学的なパターニング方法を用いて基
板上に格子状に配置して形成された各区画に吸着させて
固定する。各区画にプローブを捕捉した微粒子が単層で
最密状態で固定される。各区画に固定される微粒子には
各々異なる種類のプローブが捕捉されており,各区画で
検査試料に含まれる異なる種類の検査対象分子を検出す
る。各区画に微粒子が固定されるので,各区画での見か
け上の単位面積当たりの表面積が増大する。
【0016】プローブを捕捉した微粒子を,1つの反応
容器で予め大量に調製しておくことにより,各微粒子上
にほぼ同数のプローブがほぼ均一に捕捉される。
【0017】本発明の生化学センサでは,基板の各区画
に固定された微粒子の数を,微粒子によ光散乱を測定す
る,又は,予め微粒子を蛍光標識しておき蛍光標識から
の蛍光を測定することにより,各区画で機能するプロー
ブの数を計測することができる。生化学センサが使用さ
れる各工程に置いて,個々の生化学センサの各区画で機
能するプローブの品質を保証することにより,検査対象
物質を高い精度で検出できる。
【0018】本発明の生化学センサは,試料中の検査対
象物質と選択的に結合するほぼ同じ数のプローブが表面
に捕捉された複数の微粒子と,相互に分離された複数の
区画が設けられた平面状の基板とを具備し,(1)各区
画での単位面積当たりの微粒子の個数がほぼ同じとなる
ように,各区画に微粒子が固定されること,(2)各区
画に1層の複数の微粒子が固定されること,に特徴があ
る。
【0019】本発明の生化学センサの製造方法は,試料
中の検査対象物質と選択的に結合するほぼ同じ数のプロ
ーブが表面に捕捉された複数の微粒子を,プローブの種
類毎に異なる容器内で作成する工程を有し,平面状の基
板に設けられた相互に分離された複数の区画をもつ生化
学センサの各区間毎に,(1)異なる種類のプローブが
捕捉された複数の微粒子を,各区画での単位面積当たり
の微粒子の個数がほぼ同じとなるように固定する工程を
有すること,(2)異なる種類のプローブが捕捉された
1層の複数の微粒子を固定する工程を有すること,に特
徴がある。また,各区画での単位面積当たりに固定され
た微粒子の個数は,微粒子が固定された各区画の領域に
光を照射して非破壊的に計測されることに特徴がある。
【0020】従来技術1〜4には,上記した特徴につい
ては何も言及がない。本発明に於ける,プローブの代表
的な例は1本鎖DNAであり,微粒子の代表的な例はポ
リスチレン微粒子のような高分子微粒子,ガラス微粒子
である。
【0021】なお,以上の説明で,「ほぼ同じ数のプロ
ーブが表面に捕捉された微粒子」とは,微粒子(i=
1,2,…,N)の表面に捕捉されているプローブの数
をそれぞれX=X,X,…,Xとし,X=X
,X,…,Xの平均値をXavとする時,95%
の統計確率で,平均値Xavの±50%以内のプローブ
の数(即ち,0.5Xavから1.5Xavの範囲にあ
るプローブの数)が捕捉された微粒子として定義され
る。即ち,微粒子iに捕捉されたプローブの数Xが,
0.5Xavから1.5Xavの範囲にあれば,微粒子
iは,ほぼ同じ数のプローブが表面に捕捉された微粒子
と見做すことにする。
【0022】また,以上の説明で,「各区画での単位面
積当たりの微粒子の個数がほぼ同じである」ことは,区
画(i=1,2,…,M)に固定されている単位面積当
たりの微粒子の数をそれぞれY=Y,Y,…,Y
とし,Y=Y,Y,…,Yの平均値をYav
とする時,95%の統計確率で,平均値Yavの±50
%以内の微粒子の数(即ち,0.5Yavから1.5Y
avの範囲にある微粒子の数)が固定された区画として
定義される。即ち,区画iに固定された微粒子の数Y
が,0.5Yavから1.5Yavの範囲にあれば,区
画iは,ほぼ同じ数の微粒子が固定された区画と見做す
ことにする。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施例では,生化学セン
サの製造の前又は後に,試料中の検査対象物質と選択的
に結合するほぼ同じ数のプローブが表面に捕捉された複
数の微粒子が,プローブの種類毎に異なる容器内で大量
に作成される。
【0024】本発明の実施例の生化学センサの製造で
は,先ず,金以外の金属蒸着膜の領域を平面状の基板の
表面に格子状に形成する。次いで,金属蒸着膜の領域を
含む基板の表面に金蒸着膜を形成する。金以外の金蒸着
膜と金属蒸着膜とが重なって形成されていない領域に,
又は,金以外の金蒸着膜と金属蒸着膜とが重なって形成
されている領域に,相互に分離された複数の区画を形成
する。試料中の検査対象物質と選択的に結合する,ほぼ
同じ数のプローブが表面に捕捉された複数の微粒子を,
各区画に固定する。各区画での単位面積当たりに固定さ
れた微粒子の個数は,各区画の領域に光を照射して非破
壊的に計測される。
【0025】金属蒸着膜がTi,Cu,Coの何れかで
形成される場合には,金蒸着膜と金属蒸着膜とが重なっ
て形成されていない領域に,複数の区画が形成され,金
属蒸着膜がAg又はCrで形成される場合には,金蒸着
膜と金属蒸着膜とが重なって形成されている領域に,複
数の区画が形成される。
【0026】複数の微粒子は,各区画での単位面積当た
りの微粒子の個数がほぼ同じとなるように固定され,複
数の微粒子が1層に固定される。微粒子としてポリスチ
レン微粒子が使用される場合には,ポリスチレン微粒子
を基板の表面に熱溶着より各区画に固定される。
【0027】本発明の生化学センサが検出する検査対象
物質の例としては,抗体,抗原,1本鎖DNA,レセプ
タ,リガンド,酵素等がある。以下の説明では,検査対
象物質を1本鎖DNAとする例をとり,以下,図を参照
して詳細に説明する。 (第1の実施例)第1の実施例では,プローブとなるD
NA(DNAプローブ)を用いた生化学センサ(DNA
マイクロアレー)の製作手順,及び,生化学センサを用
いた多数の発現遺伝子の同時検出について説明する。即
ち,DNAプローブが捕捉された微粒子を,基板上に格
子状に形成され複数の区画の各区画に固定して,生体試
料から作製したcDNAを各区画に固定された微粒子に
捕捉されたDNAプローブとハイブリダイゼーションさ
せることにより,発現遺伝子を検出する。
【0028】一般に,同時に多数の発現遺伝子を検出す
る場合には,従来,プローブとなるDNA(DNAプロ
ーブ)をナイロン膜,スライドグラス,シリコン等の基
板上に固定した,DNAチップ又はDNAマイクロアレ
ーと呼ばれているセンサが使用されている。生体試料か
ら精製したmRNAから,蛍光体等により標識したcD
NAを合成して,基板上のDNAプローブとcDNAと
の間でのハイブリダイゼーション反応により,発現遺伝
子を測定する方法が知られている(従来技術5:例え
ば,蛋白質核酸酵素,vol.43,NO.13,pp
2004−2011(1998),「DNAチップ技術
とその応用」を参照)。
【0029】図1は,本発明の第1の実施例の生化学セ
ンサの構成を説明する図である。図1(A)は生化学セ
ンサの平面図,図1(B)はAA’断面図を示す。図1
に示すように,DNAプローブが捕捉された微粒子3
は,スライドグラス,ガラス,シリコン,高分子等の基
板1上に格子状に形成された複数の区画2の各区画に固
定されている。図1に示す例では,矩形の基板1を使用
しているが,基板1として,正方形の基板を使用しても
よい。
【0030】各区画2には,DNAプローブが捕捉され
た微粒子3が,捕捉されたDNAプローブの種類毎に,
固定されている。図1(A)に示す全ての区画2に,同
じ種類のDNAプローブが捕捉された微粒子3を固定し
てもよいし,また,図1(A)に示す第i行の区画2
に,第iの種類のDNAプローブが捕捉された微粒子3
を固定してもよい(i=1,2,…,N)。
【0031】図1に示す基板1として,例えば,透明石
英製の大きさ,76mm×26mm,厚さ0.9mmの
スライドガラスを使用する。図1には,簡単のために少
数の正方形の区画2を示している。区画2の大きさは,
20μm〜200μmの長さの辺をもつ正方形又は矩
形,あるいは,20μm〜200μmの長さの辺をもつ
円形とすることができる。区画2の間隔を20μm〜2
00μmとする。
【0032】微粒子3として,例えば,球の直径が5n
mから100μmのポリスチレン微粒子を使用すること
ができる。50nmから200nmのポリスチレン微粒
子を使用すると,各区画の表面に微粒子を保持できる点
で好適である。各ポリスチレン微粒子3には,約400
〜約6000分子のDNAプローブが捕捉されている。
【0033】なお,正方形の区画2の一辺をd,球の微
粒子3の半径をrとし,区画2の表面に微粒子3が正方
格子に配列し,微粒子3の表面に捕捉されているDNA
プローブの濃度を,n分子/cmと仮定する。この
時,区画2には,(d/(2r))個の微粒子3が固
定されるので,合計,(d/(2r))×4πr
=πdn分子のDNAプローブが,区画2に捕捉され
ることになる。
【0034】一方,同じ濃度(n分子/cm)で,直
接に区画2にDNAプローブを固定する場合,dn分
子のDNAプローブが区画2に固定される。従って,D
NAプローブが捕捉されている微粒子3を区画2に固定
すると,直接に区画2にDNAプローブを固定する場合
よりも,π倍のDNAプローブ分子を区画2に捕捉でき
る。
【0035】ここで,基板1として,76mm×26m
m,厚さ0.9mmのスライドガラス上で20mm×5
0mmの範囲を使用し,区画2の大きさを100μmの
長さの辺をもつ正方形とし,区画2の間隔を100μm
とし,球の直径が100nmのポリスチレン微粒子を使
用する時,スライドガラスには25000個の区画2を
形成することができ,各区画2には,約10個のポリ
スチレン微粒子3が捕捉される。即ち,各区画2の表面
には,10個のポリスチレン微粒子3が,約1010
個/cmの濃度で固定される。
【0036】ここで,例えば,各ポリスチレン微粒子3
に捕捉されるDNAプローブの分子数の平均値が,約1
600分子とすると,各区画2には,合計,約1.6×
10 分子のDNAプローブが捕捉されることになる。
【0037】図2は,第1の実施例で使用される,DN
Aプローブが表面に捕捉された微粒子,及び,DNAプ
ローブと検査対象物質の反応を説明するための,斜視
図,部分拡大図である。図2の点線の円の部分の部分拡
大図に示すように,DNAプローブ4が捕捉された微粒
子3を準備する。微粒子の表面5に,DNA鎖と共有結
合又は水素結合が容易に生じるように,例えば,シリレ
ン化又はシラン化等の修飾を行なう。
【0038】プローブとなるDNA(DNAプローブ)
の合成について説明する。プローブとなるDNA領域を
カバーするセンス側のプライマーの5’末端に,リンカ
ーを付加したアミノ基を導入し,アンチセンス側は通常
のプライマーを用いる。これらのプライマー,及びプロ
ーブとなる領域を含む鋳型DNAを用いてPCRにより
増幅反応を行なう。増幅したDNAは市販のPCR増幅
断片の精製キット(例えば,QUIGEN社の精製キッ
ト)を用いて精製し,増幅したDNAを260nmの吸
光度からDNA量を定量する。
【0039】DNAプローブを捕捉する担体となる微粒
子は表面修飾を施した市販の微粒子を用いる。例えば,
表面に活性アルデヒド基を有する微粒子(Polybe
adPolyacrolein Microspher
es(Polyscience Inc.の商品名であ
り,日本国内ではフナコシが販売している)を使用する
場合には,末端にアミノ基を導入したDNAプローブを
結合させる。逆に,表面にアミノ基を有する微粒子を使
用する場合には,末端をアルデヒド基で修飾したDNA
プローブを用いる。
【0040】末端にアミノ基を導入したDNAプローブ
を,表面に活性アルデヒド基を有する微粒子に捕捉する
操作について説明する。DNAプローブを0.5mg/
mL(ミリリットル)の濃度になるように,3×SSC
溶液(ここで,1×SSCは,NaCl(0.15
M),クエン酸3ナトリウム(15mM,pH7.0)
の混合溶液を示す。3×SSCは1×SSCの3倍濃度
溶液を示す。)中に,微粒子を懸濁して4時間室温で放
置する。微粒子を0.2%のSDSで洗い,更に,微粒
子を蒸留水で3回洗った後,水素化ホウ素ナトリウム液
(1gの水素化ホウ素ナトリウムを300mLのリン酸
バッファーと100mLのエタノールに溶かした溶液)
に,微粒子を懸濁して,5分間放置し,続いて,微粒子
を2分間95°Cの蒸留水に浸す。再び,0.2%のS
DS溶液に微粒子を懸濁して1分間放置した後に,微粒
子を蒸留水で3回洗浄した後,微粒子を乾燥して冷暗所
に保管する。
【0041】また,微粒子の表面へのDNAプローブの
捕捉方法としては,他にビオチンとアビジンを介する周
知の方法,金とSH基の反応を利用して捕捉する周知の
方法(従来技術6:Analytical Chemi
stry,Vol,69,4939−4947(199
7))があり,これらの周知の方法も第1の実施例に使
用可能である。金とSH基の反応を利用して捕捉する周
知の方法を使用する場合には,微粒子の表面を予め金コ
ートしておく。
【0042】図2に示すように,微粒子の表面5に,D
NAプローブの捕捉のためのリンカー6を介してDNA
プローブ4が捕捉される。検査対象物質を検出する標識
9が結合された検査対象物質8とDNAプローブ4とが
相補鎖結合により結合する。標識9としては,試料毎に
異なる種類の蛍光体等が使用される。
【0043】以下,DNAプローブが捕捉された微粒子
を格子状に配列される各区画に吸着する第1の方法を図
3を参照して説明する。
【0044】図3は,第1の実施例の生化学センサの製
作方法,及び,構成を説明する図である。先に説明した
方法により作成されたDNAプローブが捕捉された微粒
子を,図3に示す格子状に配列される複数の区画の各区
画13(2)に固定する。図3(A)の平面図に示すよ
うに,基板1上に,正方形の形状をもつマスクパターン
10を格子状に塗布,形成する。図3(B)は,図3
(A)のAA’断面図である。図3(C)の断面図に示
すように,基板1のマスクパターン10が形成されない
領域に,金以外の金属を1nmから100nmの厚さに
蒸着して,金属薄膜12を形成する。
【0045】次に,基板1に形成されマスクパターン1
0を除去する。
【0046】次に,図3(D)の断面図に示すように,
金を5nmから100nmの厚さで蒸着して,基板1上
に金薄膜63のみが格子状に形成される金薄膜領域13
と,金属薄膜12と金薄膜63の2層膜が形成された2
層膜領域14が得られる。
【0047】次に,DNAプローブが捕捉された微粒子
の懸濁液(重量比が0.1%から10%である)の1m
L当たりに,0.1mgから10mgのカルボジイミド
を加えた混合液を,金薄膜領域13と2層膜領域14と
が形成された基板上に添加する。この時,混合液の添加
量は,基板面積1cmにつき,最低10μL(マイク
ロリットル)とする。混合液が乾燥しない条件下で,1
分から1時間の間室温でインキュベートし,純水により
洗浄して乾燥する。
【0048】金属薄膜12がチタン,銅,コバルト等の
場合には,図3(D)の断面図(図3(E)のBB’断
面図),図3(E)の平面図に示すように,2層膜領域
14には微粒子が吸着せず,金薄膜63のみが格子状に
形成されされる金薄膜領域13に微粒子3が吸着する。
この結果,格子状に配置される金薄膜領域13に,DN
Aプローブが捕捉された微粒子3が固定される区画2が
形成される。
【0049】図3では簡単のために,正方形の基板1に
9個の区画を形成する例をとり説明したが,基板1の形
状は正方形に限定されず,区画の数も9個に限定される
ものではない。
【0050】以下,DNAプローブが捕捉された微粒子
を格子状に配列される各区画に吸着する第2の方法を図
4を参照して説明する。
【0051】図4は,第1の実施例の生化学センサの製
作方法,及び,構成を説明する図である。先に説明した
方法により作成されたDNAプローブが捕捉された微粒
子を,図4に示す格子状に配列される複数の区画の各区
画14(2)に固定する。図4(A)の平面図,図4
(B)の断面図に示すように,物理的に穴82が格子状
に形成されたコンタクトマスク80を基板1上に設置
し,金以外の金属12を1nmから100nmの厚さに
蒸着する。図4(C)の断面図に示すように,コンタク
トマスク80の穴82と同じパターンを有する金属薄膜
12’が,基板1の表面に形成される。
【0052】次に,図4(D)の断面図に示すように,
金を5nmから100nm蒸着して,基板1上に金薄膜
63のみが形成された金薄膜領域13と,金属薄膜1
2’と金薄膜63の2層膜が形成された2層膜領域14
が得られる。
【0053】次に,DNAプローブが捕捉された微粒子
の懸濁液(重量比が0.1%から10%である)の1m
L当たりに,0.1mgから10mgのカルボジイミド
を加えた混合液を,金薄膜領域13と2層膜領域14と
が形成された基板上に添加する。この時,混合液の添加
量は,基板面積1cmにつき,最低10μL(マイク
ロリットル)とする。混合液が乾燥しない条件下で,1
分から1時間の間室温でインキュベートし,純水により
洗浄して乾燥する。
【0054】金属薄膜12’が銀,クロム等の場合に
は,図4(E)の断面図(図4(F)のBB’断面
図),図4(F)の平面図に示すように,金属薄膜1
2’と金薄膜63の2層膜が形成された2層膜領域14
に微粒子が吸着するため,コンタクトマスク80の穴8
2と同じパターンで微粒子3が基板に吸着される。この
結果,格子状に配置される2層膜領域14に,DNAプ
ローブが捕捉された微粒子3が固定される区画2が形成
される。
【0055】図4では簡単のために,正方形の基板1に
4個の区画を形成する例をとり説明したが,基板1の形
状は正方形に限定されず,区画の数も4個に限定される
ものではない。
【0056】なお,図3,図4で説明した微粒子が選択
的に吸着されるプロセスは,カルボジイミド濃度,金膜
と金以外の金属膜の厚さの比に依存することから,微粒
子を吸着させる各区画2の形状,複数の区画2が示すパ
ターンを所望のパターンとする制御ができる。
【0057】基板1上に格子状に塗布,形成される正方
形のマスクパターン10(図3(A)),あるいは,正
方形の穴82が格子状に配列するコンタクトマスク80
(図4(A))を使用することにより,微粒子を捕捉す
る格子状の複数の区画を形成できる。格子状に形成され
微粒子が固定される各区画(領域)に対して,異なる種
類のDNAプローブが捕捉された微粒子を添加し,吸着
操作を行なうことにより,各区画毎に異なった種類のD
NAプローブを捕捉した生化学センサを作製できる。
【0058】DNAプローブの懸濁液の代わりに,DN
Aプローブが捕捉された微粒子の懸濁液を使用し,市販
のDNAマイクロアレーのスポッターを用いて,異なる
種類のDNAプローブを捕捉した微粒子を定まった各区
画に添加することができる。市販のスポッターを用いる
と,最小で,約100μmの円形の形状で,DNAプロ
ーブを捕捉した微粒子を各区画に添加できる。
【0059】図5は,第1の実施例に於ける複数の生化
学センサの製作方法を説明する図である。微粒子にDN
A,RNA,蛋白質等の生体物質を検出するための生体
物質検出用プローブを捕捉する場合には,生体物質検出
用プローブを微粒子に捕捉する反応を,生体物質検出用
プローブの種類毎に別々の容器チューブ71,72,7
3内で行ない大量のバッチの微粒子(生体物質検出用プ
ローブが捕捉された微粒子)を予め準備しておく。生体
物質検出用プローブの代表例は,DNA分子と結合する
DNAプローブである。
【0060】大量のバッチとして,生体物質検出用プロ
ーブが捕捉された微粒子を調製するので,各微粒子に捕
捉された生体物質検出用プローブの分子数は,ほぼ同じ
となる。ここで,「ほぼ同じ分子数のプローブが捕捉さ
れた微粒子」とは,先に説明したように,微粒子(i=
1,2,…,N)の表面に捕捉されているプローブの数
をそれぞれX=X,X,…,Xとし,X=X
,X,…,Xの平均値をXavとする時,95%
の統計確率で,平均値Xavの±50%以内のプローブ
の数(即ち,0.5Xavから1.5Xavの範囲にあ
るプローブの数)が捕捉された微粒子として定義され
る。即ち,微粒子iに捕捉されたプローブの数Xが,
0.5Xavから1.5Xavの範囲にあれば,微粒子
iは,ほぼ同じ数のプローブが表面に捕捉された微粒子
と見做すことにする。
【0061】生体物質検出用プローブに結合可能であり
蛍光標識され複数種類の既知濃度の基準となる基準検体
を,生体物質検出用プローブに結合させた後に,計測し
た蛍光標識からの蛍光強度と,微粒子を含む懸濁液の単
位体積に含まれる微粒子の数とから,各微粒子に捕捉さ
れた生体物質検出用プローブの分子数の平均値を計測す
ることができる。
【0062】複数の生化学センサの個々の基板上に同じ
バッチの微粒子を固定する。具体的な例をとって以下説
明する。以下の説明では,3種類のDNAプローブが捕
捉された微粒子を,DNAプローブの種類毎に3枚以上
の基板(スライドグラス)に,順次,スポットする例を
とる。
【0063】相互に異なる種類のDNAプローブをDN
Aプローブ−1,−2,−3とする。DNAプローブ−
1の溶液21を収納する反応容器71でDNAプローブ
−1を微粒子に捕捉させる反応を行なう。DNAプロー
ブ−1の溶液22を収納する反応容器72でDNAプロ
ーブ−2を微粒子に捕捉させる反応を行なう。DNAプ
ローブ−1の溶液23を収納する反応容器73でDNA
プローブ−3を微粒子に捕捉させる反応を行なう。上記
で説明した方法により,反応容器71,72,73の各
反応容器内の微粒子に捕捉された生体物質検出用プロー
ブの分子数の平均値を求める。
【0064】各反応容器71,72,73内の反応によ
り,DNAプローブが捕捉された微粒子は,市販のマイ
クロアレー製造装置(例えば,日立ソフト社製のSPB
IO),又は,ピペット等を用いて,順次,スライドガ
ラス24,25,26の上にスポットされる。
【0065】図5(A)に示すように,DNAプローブ
−1を捕捉した微粒子を含む懸濁液はスライドガラス2
4,25,26に,順次,スポットされ,DNAプロー
ブ−1を捕捉した微粒子によるスポット27,28,2
9が形成される。
【0066】図5(B)に示すように,DNAプローブ
−2を捕捉した微粒子を含む懸濁液はスライドガラス2
4,25,26に順次,スポットされ,DNAプローブ
−2を捕捉した微粒子によるスポット30,31,32
が形成される。
【0067】図5(C)に示すように,DNAプローブ
−3を捕捉した微粒子を含む懸濁液はスライドガラス2
4,25,26に順次,スポットされ,DNAプローブ
−3を捕捉した微粒子によるスポット33,34,35
が形成される。
【0068】以上のようにして,同一反応容器内で予め
DNAプローブが捕捉された微粒子を大量に調製するこ
とにより,スライドガラス24,25,26のように異
なる生化学センサの基板上に,ほぼ同様の反応性を持っ
た微粒子を供給して,各生化学センサの基板の格子状の
各区画に微粒子を捕捉できる。
【0069】図5では,3種類のDNAプローブが捕捉
された微粒子を,DNAプローブの種類毎に3枚以上の
基板(スライドグラス)に,順次,スポットする例をと
り説明したが,DNAプローブの種類は3種類に限定さ
れるものではなく,任意の種類の数でもよいことは言う
までもない。
【0070】次に,検査対象分子であるRNA又はDN
Aの作製について説明する。検査対象分子はその増幅の
際に,例えば,Cy3又はCy5等の蛍光色素で標識さ
れたdUTPを用いて,増幅され蛍光標識された検査対
象分子が用いられる。
【0071】解析する細胞から一般に知られている方法
(従来技術7:例えば,Molecular Clon
ing second edition (Cold
Spring Habor Laboratory P
ress(1989))により,全RNAを抽出し,更
に,ポリA−RNAを調製する。次に,ポリA−RNA
から蛍光標識されたcDNAを合成する。例えば,ポリ
A−RNA1μg,スーパースクリプトII(Gibc
o BRL)反応バッファー8μL,オリゴdTプライ
マー1μg,10mMのdNTP4μL,Cy3(アマ
シャムファルマシア商品コードPA53022),又
は,Cy5(アマシャムファルマシア商品コードPA5
50022))で標識されたdUTP4μL,0.1M
のDTT4μL,に蒸留水を加えて38μLとする。こ
の液を70°Cで10分間保持した後,氷上で急冷す
る。急冷された溶液にスーパースクリプトII(Gib
coBRL)2μLを加えて穏やかに撹拌した後,25
°Cで10分,42°Cで40分,72°Cで10分保
持した後,室温まで冷却する。反応液を分子量カットフ
ィルター,例えば,Microcon30(ミリポア
社)を用いて20μLまで濃縮し,更に,蒸留水を40
0μL加えて10μLまで濃縮する。この操作で未反応
のdUTP,dNTPが除去される。10μLまで濃縮
した溶液に,20×SSC溶液(1×SSCの20倍濃
度溶液)を4μL,蒸留水を6μL加えて100°Cの
湯浴中で3分間保持した後,氷上で急冷する。急冷した
溶液に10%のSDSを200μL加えて検査対象物質
を含む試料溶液が調製される。
【0072】調製された試料溶液と,生化学センサの基
板の各区画に固定された微粒子に捕捉されたDNAプロ
ーブとの反応と,反応生成物の検出について説明する。
微粒子に捕捉されたDNAプローブと試料溶液とを接触
させて,密閉容器中に生化学センサをおいて,65°C
で10時間から24時間,反応を行なう。
【0073】反応が終了した生化学センサの基板は,
0.1%のSDSを含む2×SSC溶液(1×SSCの
2倍濃度溶液)で5分間3回洗浄した後,0.1%のS
DSを含む0.2×SSC溶液(1×SSCの0.2倍
濃度溶液)で5分間3回洗浄し,0.2×SSC溶液で
軽くすすいだ後に室温で乾燥させる。次に,市販のスキ
ャナー(例えば,ScanArray5000 GSI
Lumonics社)を使用して,既存のDNAマイク
ロアレーと同様に各スポットからの蛍光強度を測定す
る。
【0074】以上説明したように,DNAプローブを表
面に捕捉した微粒子を,格子状に形成された区画に固定
した生化学センサを用いて,一度に多数の種類のDAN
プローブにより検査対象物質を含む試料を検査解析で
き,試料作成,ハイブリダイゼーション反応,反応生成
物の検出は,これまでに確立されている方法をそのまま
利用できるという利点がある。 (第2の実施例)図6は,本発明の第2の実施例であ
り,DNAプローブが捕捉された微粒子を,基板上に格
子状に形成された複数の円形の区画の各区画に固定して
作成した生化学センサ(第1の実施例)を評価する方法
を説明する図である。即ち,各区画に固定された微粒子
が均一であるか否かの評価,各区画に固定された微粒子
の数の計測を行なう。以下の説明では,円形の区画を例
にとり説明するが,区画の形状は円形に限らず,正方
形,矩形でもよい。
【0075】図6(A)は,生化学センサの基板上に吸
着している微粒子の分布の均一性を評価するための装置
である。半導体レーザ40からのレーザ光線41を走査
型鏡42を介して基板1上に照射する。基板1の各区画
の微粒子からの散乱光は,半導体レーザからの正反射光
が到達しない位置に配置された集光レンズ,光検出器4
4により検出される。走査型鏡42を駆動することによ
り,微粒子が吸着された領域45をレーザ光線41によ
り走査する。光検出器44の出力信号は,演算処理装置
90に入力され,光検出器44の出力信号の加算処理,
平均処理,平滑化処理,規格化処理等が行なわれ,処理
結果は表示装置91に表示される。粒径が50nmから
100μmの微粒子は高効率でレーザ光を散乱し,その
散乱光強度は微粒子の濃度に依存する。
【0076】従って,図6(B)に示すように,微粒子
が吸着された領域45の面積の10分の1以下の面積に
集光されたレーザ光47により,微粒子が吸着された領
域45を,x方向,x方向に直交するy方向で2次元的
に走査しながら,散乱光強度をモニタすることにより,
微粒子が吸着された領域45内に於ける微粒子の分布の
均一性を評価できる。
【0077】図6(C),図6(D)は,微粒子が吸着
された領域45内に於ける微粒子の分布の均一性の評価
を説明する図である。図6(C)に示すように,微粒子
が基板に均一に吸着している領域46では,散乱光強度
49はレーザ光47の走査中ほぼ一定である。しかし,
図6(D)に示すように,不均一に微粒子が吸着してい
る領域50では,散乱光強度51がレーザ光47の走査
中に変化する。
【0078】なお,図6(C),図6(D)に於いて,
横軸は基板上でのレーザ光47の走査位置(図6(A)
に示す,円形の区画のほぼ中心をそれぞれ通る走査方向
(x)49’,51’に於けるレーザ光の位置)を示
し,縦軸は領域45内での散乱光強度の最大値を100
とする散乱光強度(I)を示す。領域45内に於ける微
粒子の分布の均一性の評価は,散乱光強度Iの位置
(x,y)による変化I(x,y)を計測した後,領域
45内でのI(x,y)の最大値を100とする規格化
を行なって,例えば,標準偏差を求め,この標準偏差が
所定の値以下であれば,微粒子の分布が均一であると判
断する。
【0079】生化学センサの基板上に吸着している微粒
子の分布の均一性を,図6(E),図6(F)に示す半
導体レーザ光の照射により評価することも可能である。
図6(E)に示すように,微粒子が吸着された領域のサ
イズに相当する長さをx方向に直交するy方向にもつ線
状の光スポット52を,微粒子が吸着された領域45で
x方向に走査しながら,微粒子からの散乱光強度をモニ
タすることにより,微粒子が吸着された領域45内に於
ける微粒子の分布の均一性を評価できる。
【0080】領域45内に於ける微粒子の分布の均一性
の評価は,散乱光強度Iの位置(x)による変化I
(x)を計測した後,領域45内でのI(x)の最大値
を100とする規格化を行なって,例えば,標準偏差を
求め,この標準偏差が所定の値以下であれば,微粒子の
分布が均一であると判断する。
【0081】また,図6(F)に示すように,微粒子が
吸着された領域45の面積に相当する面積をもつ光スポ
ット(斜線で示す)54として照射して,微粒子からの
散乱光強度をモニタすることにより,微粒子が吸着され
た領域45内に於ける微粒子の分布の均一性を簡便に評
価できる。
【0082】領域45内に於ける微粒子の分布の均一性
の評価は,複数の領域45で散乱光強度Iを計測した
後,複数の領域45内でのIの最大値を100とする規
格化を行なって,例えば,所定の閾値を越える散乱光強
度Iをもつ領域45が微粒子の分布が均一であると判断
する。
【0083】以上説明したように,微粒子による光散乱
を用いて生化学センサの基板の各区画に固定されている
微粒子の分布の均一性が測定できる。
【0084】更に,生化学センサの基板の各区画に固定
されている微粒子の数を以下の方法により計測すること
ができる。
【0085】検査対象物質の検出に使用していない蛍光
体を用いて,微粒子を蛍光標識し,蛍光標識からの蛍光
強度を検出することにより,各区画に固定された微粒子
の数を計測することができる。例えば,ポリスチレン微
粒子をフルオロセインを含む50%メタノール溶液に浸
し,乾燥することによりポリスチレン微粒子がフルオロ
セインにより標識される。
【0086】第1の実施例で説明した方法により,生化
学センサの基板の各区画にDNAプローブを微粒子に捕
捉し,図5に示すように,順次,DNAプローブが捕捉
された微粒子をスライドガラスにスポットする。この
時,スライドガラス毎に固定されるポリスチレン微粒子
の数がばらついたり,その後のハイブリダイゼーション
工程や生化学センサの基板の洗浄工程でポリスチレン微
粒子が脱落することがある。しかし,このような場合で
も,各区画に捕捉されたDNAプローブと,蛍光体で修
飾された検査対象である遺伝子とを反応させた後に,共
焦点顕微鏡や市販のDNAマイクロアレースキャナーを
使用して反応した遺伝子を検出する前の時点で,各区画
のフルオロセインの蛍光強度を測定することにより,各
スライドガラス上の各区画のポリスチレン微粒子の数を
算出できる。
【0087】以上説明した各方法により,生化学センサ
の基板の各区画に固定された微粒子の数を計測でき,各
微粒子に捕捉されたDNAプローブの分子数の平均値
は,予め,求めておくことができるので,反応した遺伝
子を検出する前の時点で,各区画に於けるDNAプロー
ブの分子数を求めることが可能である。
【0088】従って,個々の生化学センサの各区画に於
けるDNAプローブの分子数を測定できるので,検査対
象物質を高い精度で検出できる。即ち,第1の実施例で
説明した方法により作成された生化学センサは,この生
化学センサが使用される各工程で必要に応じて,その品
質を確認することができる。
【0089】以上の説明で,蛍光体としてはJoe,T
amura,Rox(アプライドバイオシステムズ社)
を用いても良い。 (第3の実施例)図7は,本発明の第3の実施例であ
り,電界を利用したハイブリダイゼーション反応を行な
うための生化学センサの構成を説明する図である。第3
の実施例で使用する生化学センサは,金以外の金属蒸着
膜により生化学センサの基板の表面に格子状に形成され
区画と,格子状に形成され区画及び基板の表面に形成さ
れた金蒸着膜とを有し,金蒸着膜と金属蒸着膜とが重な
って形成されていない領域に,相互に分離された複数の
区画が形成された平面状の基板により構成される。
【0090】試料中の検査対象物質と選択的に結合する
DNAプローブが表面に捕捉された微粒子が,DNAプ
ローブの種類毎に各区画に固定される。基板の表面に形
成された金蒸着膜を一方の電極として,この金蒸着膜の
面と平行に他方の電極基板を配置して,電気的なハイブ
リダイゼーション反応を実行する(従来技術8:Nat
ureBiotechnology Vol.16,5
41−546(1998))。
【0091】第3の実施例では,生化学センサを用いて
核酸を検出する例について説明する。先ず,図3に示す
正画角センサの製作方法と同様にして,シリコン基板6
4の上に,正方形,矩形,円形の何れかの形状をもつ,
チタンの薄膜65(図3(C)に示す金属薄膜12に対
応する)の区画を格子状に形成する。更に,チタンの薄
膜65を含むシリコン基板64の面に,チタンの薄膜と
ほぼ同じの厚さの金薄膜63を形成する。微粒子3は,
金蒸着膜63とチタンの薄膜65とが重なって形成され
ていない領域であり,相互に分離された複数の区画に固
定される。
【0092】第1の実施例で説明した方法により,DN
Aプローブを微粒子3の表面に捕捉する。この時,解析
に必要な種類の微粒子を第1の実施例と同様の方法によ
り作成して用意する。微粒子はカルボジイミドを加えた
懸濁液として調製し,チタンの薄膜65と金薄膜63が
重なっていない領域を単層で覆い尽くすのに十分な微粒
子を含む懸濁液を滴下する。
【0093】この時,チタンと金が重なっていない隣の
領域に懸濁液が広がらないような液量を滴下する。液の
滴下は微小なピペットを用いて手作業で行なっても良い
が,第1の実施例で説明したように,市販のマイクロア
レー製造装置を用いて,微粒子の懸濁液を各区画にスポ
ットしても良い。
【0094】スポットが終了した後,流水で洗浄して各
区画毎に異なる種類のDNAプローブで修飾された微粒
子3が固定されたマイクロアレーが完成する。
【0095】微粒子が固定された部分を覆い尽くす大き
さのプラス極金属基板61を,微粒子を固定した基板の
微粒子の側の平行な位置に設置する。プラス極金属基板
61と微粒子が固定された金蒸着膜63の間隙は,0.
1mmから1mm程度とする。プラス極金属基板61と
微粒子が固定された金蒸着膜63の間隙に,第1の実施
例で説明した方法で,Cy3又はCy5等の蛍光色素で
標識された試料を含むハイブリダイゼーション反応液6
6を満たし,プラス極金属基板61がプラス極,金蒸着
膜63がマイナス極になるようにして,反応液66に直
流電界を印加しながら65°Cに保ち,通常のハイブリ
ダイゼーション反応を行なった後,生化学センサの基板
の洗浄を行なって,DNAプローブと反応したDNAを
検出する。
【0096】また,ハイブリダイゼーションの過程を観
察する必要がある場合には,プラス極である金属基板6
1の代わりに,メッシュ状の金属線を電極として用いる
ことも可能である。
【0097】DNAプローブと反応したDNAの検出
は,第2の実施例と同様に,マイクロアレースキャナー
を使用して行なう。
【0098】以上の各実施例の説明では,検査対象物質
として1本鎖DNAを例にとって,DNAプローブが捕
捉された微粒子を生化学センサの各区画に固定した場合
について説明した。検査対象物質として,抗体,抗原,
レセプタ,リガンド,酵素を対象とする場合には,生体
分子(プローブ)としてそれぞれ,抗原,抗体,リガン
ド,レセプタ,基質を捕捉した微粒子を生化学センサの
各区画に固定した構成にすれば良い。
【0099】従って,生化学センサの各区画に捕捉する
生体物質(生化学物質)検出用のプローブの種類を変更
することにより,本発明の生化学センサを用いた各種の
生化学物質の検出が可能な生化学検査装置が実現でき
る。
【0100】(第4の実施例)以下,各実施例で説明し
た本発明の生化学センサの販売方法について説明する。
各実施例で説明した,本発明の複数の生化学センサは,
以下の態様で販売される。本発明の生化学センサは,試
料中の検査対象物質と選択的に結合するほぼ同じ数のプ
ローブが表面に捕捉された複数の微粒子と,相互に分離
された複数の区画が設けられた平面状の基板とを具備し
ており,(1)各生化学センサの各区画での単位面積当
たりの微粒子の個数がほぼ同じである生化学センサを,
各区画での単位面積当たりに固定された微粒子の個数の
データを記憶した電子媒体と共に販売される。(2)各
生化学センサの各区画に1層の複数の微粒子が固定され
た生化学センサを,各区画での単位面積当たりに固定さ
れた微粒子の個数のデータを記憶した電子媒体と共に販
売される。(3)各生化学センサの各区画に微粒子が固
定された生化学センサを,各区画での単位面積当たりに
固定された微粒子の個数のデータを記憶した電子媒体と
共に販売される。
【0101】電子媒体には,各生化学センサの各区画の
形状及び大きさも記憶される。更に,電子媒体には,各
生化学センサの各区画に固定された微粒子に捕捉された
生体物質(生化学物質)検出用のプローブ(DNAプロ
ーブ等)の分子数の平均値も記憶される。微粒子に捕捉
された生体物質(生化学物質)検出用のプローブの分子
数の平均値は,第1,第2の実施例で説明したように,
予め,求めておくことができる。
【0102】電子媒体として,例えば,安価な周知のフ
ロッピー(登録商標)ディスクが使用され,フロッピー
ディスクが添付された生化学センサが販売される。
【0103】各生化学センサの各区画に固定された微粒
子に捕捉された検出用のプローブの分子数の平均値を電
子媒体に記憶して,個々の生化学センサの品質を保証し
て販売するので,ユーザは,検出用のプローブと反応し
た検査対象物質を検出する前の時点で,各区画に固定さ
れた微粒子の数(電子媒体に記憶された値,又は,ユー
ザによる計測値)と,微粒子に捕捉された検出用のプロ
ーブの分子数の平均値とから,各区画に於ける検出用の
プローブの分子数を求めることが可能であり,検査対象
物質を高い精度で検出できる生化学センサをユーザに提
供することができる。
【0104】従来技術では,DNAチップ上のDNAプ
ローブと検査対象物質とを結合させて,DNAプローブ
と結合した検査対象物質を検出する過程で,DNAチッ
プから脱落したDNAプローブの数を見積もる方法は知
られていなかった。また,基板上の各区画に形成又は固
定されるDNAプローブの均一性を計測,評価して,個
々のDNAチップの品質を保証して販売する方法はなさ
れていなかった。この結果,DNAチップを使用する分
析に於いて,DNAチップの各区画から検出された信号
強度が,実際に存在する検査対象物質の量を正確に反映
しないという実用上での重大な問題があった。本発明の
生化学センサの販売方法では,これら従来技術の問題を
解決することが可能となる。
【0105】
【発明の効果】本発明により,試料中の検査対象物質の
有無を多数の試料に関して,同時に高感度で検出できる
簡便な生化学センサ,及びこれを用いる生化学検査装置
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の生化学センサの構成を
説明する図。
【図2】本発明の第1の実施例で使用される,DNAプ
ローブが表面に捕捉された微粒子,及び,DNAプロー
ブと検査対象物質の反応を説明する図。
【図3】本発明の第1の実施例の生化学センサの製作方
法,及び,構成を説明する図。
【図4】本発明の第1の実施例の生化学センサの製作方
法,及び,構成を説明する図。
【図5】本発明の第1の実施例に於ける複数の生化学セ
ンサの製作方法を説明する図。
【図6】本発明の第2の実施例であり,第1の実施例の
生化学センサを評価する方法を説明する図。
【図7】本発明の第3の実施例であり,電界を利用した
ハイブリダイゼーション反応を行なうための生化学セン
サの構成を説明する図。
【符号の説明】
1…基板,2…微粒子が固定された区画,3…微粒子,
4…DNAプローブ,5…微粒子の表面,6…DNAプ
ローブを捕捉するためのリンカー,8…DNAプローブ
と結合した検査対象物質,9…検査対象物質を検出する
標識,12,12’…金属薄膜領域,13…金薄膜領
域,14…2層膜領域,21…DNAプローブ−1の溶
液,22…DNAプローブ−2の溶液,23…DNAプ
ローブ−3の溶液,24,25,26…スライドガラ
ス,27,28,29…DNAプローブ−1を捕捉した
微粒子によるスポット,30,31,32…DNAプロ
ーブ−2を捕捉した微粒子によるスポット,33,3
4,35…DNAプローブ−3を捕捉した微粒子による
スポット,40…半導体レーザ,41…レーザ光線,4
2…走査型鏡,44…光検出器,45…微粒子が吸着さ
れた領域,46…微粒子が基板に均一に吸着している領
域,47…微粒子が吸着された領域の面積よりも10分
の1以下の面積に集光されたレーザ光,49,51…散
乱光強度,49’,51’…レーザ光の走査方向,50
…不均一に微粒子が吸着している領域,52…長軸方向
が微粒子が吸着された領域のサイズに相当する光スポッ
ト,54…微粒子が吸着された領域の面積に相当する光
スポット,61…プラス極金属基板,63…金薄膜,6
4…シリコン基板,65…チタン薄膜,66…ハイブリ
ダイゼーション反応液,71,72,73…反応容器,
80…コンタクトマスク,82…コンタクトマスクの
穴,90…演算処理装置,91…表示装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G01N 37/00 102 C12N 15/00 F (72)発明者 竹井 弘之 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所ライフサイエンス推進 事業部内 Fターム(参考) 2G045 AA35 BB14 BB29 BB46 BB48 BB51 DA13 FA11 FB02 FB07 FB12 FB15 4B024 AA20 CA02 CA09 CA11 HA12 HA19 4B029 AA07 FA12 4B063 QA01 QA18 QQ42 QR32 QR56 QR66 QR83 QR84 QS03 QS25 QS34 QS36 QX02

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料中の検査対象物質と選択的に結合する
    ほぼ同じ数のプローブが表面に捕捉された複数の微粒子
    と,相互に分離された複数の区画が設けられた平面状の
    基板とを具備し,前記各区画に前記微粒子が固定され,
    前記各区画での単位面積当たりの前記微粒子の個数がほ
    ぼ同じであることを特徴とする生化学センサ。
  2. 【請求項2】試料中の検査対象物質と選択的に結合する
    ほぼ同じ数のプローブが表面に捕捉された複数の微粒子
    と,相互に分離された複数の区画が設けられた平面状の
    基板とを具備し,前記各区画に1層の前記複数の微粒子
    が固定されたことを特徴とする生化学センサ。
  3. 【請求項3】試料中の検査対象物質と選択的に結合する
    プローブが表面に捕捉された複数の微粒子と,平面状の
    基板の表面に格子状に形成された,金以外の金属蒸着膜
    の領域と,前記金属蒸着膜の領域を含む前記基板の表面
    に形成された金蒸着膜とを有し,前記金蒸着膜と前記金
    属蒸着膜とが重なって形成されていない領域に,又は,
    前記金蒸着膜と前記金属蒸着膜とが重なって形成されて
    いる領域に,相互に分離された複数の区画が形成された
    前記基板とを具備し,前記各区画に前記微粒子が固定さ
    れることを特徴とする生化学センサ。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の生化学センサに於いて,
    前記金属蒸着膜がTi,Cu,Coの何れかで形成さ
    れ,前記金蒸着膜と前記金属蒸着膜とが重なって形成さ
    れていない前記領域に,前記複数の区画が形成されるこ
    とを特徴とする生化学センサ。
  5. 【請求項5】請求項3に記載の生化学センサに於いて,
    前記金属蒸着膜がAg又はCrで形成され,前記金蒸着
    膜と前記金属蒸着膜とが重なって形成されている前記領
    域に,前記複数の区画が形成されることを特徴とする生
    化学センサ。
  6. 【請求項6】請求項3に記載の生化学センサに於いて,
    前記各区画での単位面積当たりの前記微粒子の個数がほ
    ぼ同じであることを特徴とする生化学センサ。
  7. 【請求項7】請求項3に記載の生化学センサに於いて,
    前記各区画に1層の前記複数の微粒子が固定されたこと
    を特徴とする生化学センサ。
  8. 【請求項8】請求項3に記載の生化学センサに於いて,
    前記各区画毎に異なる種類の前記プローブが捕捉され前
    記複数の微粒子が固定されたことを特徴とする生化学セ
    ンサ。
  9. 【請求項9】請求項3に記載の生化学センサを用いた生
    化学検査装置。
  10. 【請求項10】試料中の検査対象物質と選択的に結合す
    るほほ同じ数のプローブが表面に捕捉された複数の微粒
    子を,前記プローブの種類毎に異なる容器内で作成する
    工程と,平面状の基板に設けられた相互に分離された複
    数の区画をもつ生化学センサの各区間毎に,異なる種類
    の前記プローブが捕捉された前記複数の微粒子を,前記
    各区画での単位面積当たりの前記微粒子の個数がほぼ同
    じとなるように固定する工程と,前記各区画の領域に光
    を照射して,前記各区画での単位面積当たりに固定され
    た前記微粒子の個数を非破壊的に計測する工程とを有す
    ることを特徴とする生化学センサの製造方法。
  11. 【請求項11】試料中の検査対象物質と選択的に結合す
    るほほ同じ数のプローブが表面に捕捉された複数の微粒
    子を,前記プローブの種類毎に異なる容器内で作成する
    工程と,平面状の基板に設けられた相互に分離された複
    数の区画をもつ生化学センサの各区間毎に,異なる種類
    の前記プローブが捕捉された1層の前記複数の微粒子を
    固定する工程と,前記各区画の領域に光を照射して,前
    記各区画での単位面積当たりに固定された前記微粒子の
    個数を非破壊的に計測する工程とを有することを特徴と
    する生化学センサの製造方法。
  12. 【請求項12】試料中の検査対象物質と選択的に結合す
    るプローブが表面に捕捉された複数の微粒子を,前記プ
    ローブの種類毎に異なる容器内で作成する工程と,平面
    状の基板の表面に格子状に形成された,金以外の金属蒸
    着膜の領域と,前記金属蒸着膜の領域を含む前記基板の
    表面に形成された金蒸着膜とを有し,前記金蒸着膜と前
    記金属蒸着膜とが重なって形成されていない領域に,又
    は,前記金蒸着膜と前記金属蒸着膜とが重なって形成さ
    れている領域に,相互に分離された複数の区画が形成さ
    れた生化学センサの前記各区画毎に,異なる種類の前記
    プローブが捕捉された前記複数の微粒子を固定する工程
    と,前記各区画の領域に光を照射して,前記各区画での
    単位面積当たりに固定された前記微粒子の個数を非破壊
    的に計測する工程とを有することを特徴とする生化学セ
    ンサの製造方法。
  13. 【請求項13】請求項12に記載の生化学センサの製造
    方法に於いて,前記金属蒸着膜がTi,Cu,Coの何
    れかで形成され,前記金蒸着膜と前記金属蒸着膜とが重
    なって形成されていない前記領域に,前記複数の区画が
    形成されることを特徴とする生化学センサの製造方法。
  14. 【請求項14】請求項12に記載の生化学センサの製造
    方法に於いて,前記金属蒸着膜がAg又はCrで形成さ
    れ,前記金蒸着膜と前記金属蒸着膜とが重なって形成さ
    れている前記領域に,前記複数の区画が形成されること
    を特徴とする生化学センサの製造方法。
  15. 【請求項15】請求項12に記載の生化学センサの製造
    方法に於いて,前記複数の微粒子を,前記各区画での単
    位面積当たりの前記微粒子の個数がほぼ同じとなるよう
    に固定することを特徴とする生化学センサの製造方法。
  16. 【請求項16】請求項12に記載の生化学センサの製造
    方法に於いて,1層の前記複数の微粒子を固定すること
    を特徴とする生化学センサの製造方法。
  17. 【請求項17】請求項12に記載の生化学センサの製造
    方法に於いて,前記微粒子がポリスチレン微粒子であ
    り,前記ポリスチレン微粒子を前記基板の表面に熱溶着
    より固定する工程を有することを特徴とする生化学セン
    サの製造方法。
  18. 【請求項18】試料中の検査対象物質と選択的に結合す
    るほぼ同じ数のプローブが表面に捕捉された複数の微粒
    子と,相互に分離された複数の区画が設けられた平面状
    の基板とを具備し,前記各区画に前記微粒子が固定さ
    れ,前記各区画での単位面積当たりの前記微粒子の個数
    がほぼ同じである生化学センサを,前記各区画での単位
    面積当たりに固定された前記微粒子の個数のデータを記
    憶した電子媒体と共に販売することを特徴とする生化学
    センサの販売方法。
  19. 【請求項19】試料中の検査対象物質と選択的に結合す
    るほぼ同じ数のプローブが表面に捕捉された複数の微粒
    子と,相互に分離された複数の区画が設けられた平面状
    の基板とを具備し,前記各区画に1層の前記複数の微粒
    子が固定された生化学センサを,前記各区画での単位面
    積当たりに固定された前記微粒子の個数のデータを記憶
    した電子媒体と共に販売することを特徴とする生化学セ
    ンサの販売方法。
  20. 【請求項20】試料中の検査対象物質と選択的に結合す
    るほぼ同じ数のプローブが表面に捕捉された複数の微粒
    子と,平面状の基板の表面に格子状に形成された,金以
    外の金属蒸着膜の領域と,前記金属蒸着膜の領域を含む
    前記基板の表面に形成された金蒸着膜とを有し,前記金
    蒸着膜と前記金属蒸着膜とが重なって形成されていない
    領域に,又は,前記金蒸着膜と前記金属蒸着膜とが重な
    って形成されている領域に,相互に分離された複数の区
    画が形成された前記基板とを具備し,前記各区画に前記
    微粒子が固定された生化学センサを,前記各区画での単
    位面積当たりに固定された前記微粒子の個数のデータを
    記憶した電子媒体と共に販売することを特徴とする生化
    学センサの販売方法。
  21. 【請求項21】試料中の検査対象物質と選択的に結合す
    るほぼ同じ数のプローブが表面に捕捉された複数の微粒
    子と,平面状の基板の表面に格子状に形成された,金以
    外の金属蒸着膜の領域と,前記金属蒸着膜の領域を含む
    前記基板の表面に形成された金蒸着膜とを有し,前記金
    蒸着膜と前記金属蒸着膜とが重なって形成されていない
    領域に,又は,前記金蒸着膜と前記金属蒸着膜とが重な
    って形成されている領域に,相互に分離された複数の区
    画が形成された前記基板とを具備し,前記各区画に前記
    微粒子が固定され,前記各区画での単位面積当たりの前
    記微粒子の個数がほぼ同じである生化学センサを,前記
    各区画での単位面積当たりに固定された前記微粒子の個
    数のデータを記憶した電子媒体と共に販売することを特
    徴とする生化学センサの販売方法。
  22. 【請求項22】試料中の検査対象物質と選択的に結合す
    るほぼ同じ数のプローブが表面に捕捉された複数の微粒
    子と,平面状の基板の表面に格子状に形成された,金以
    外の金属蒸着膜の領域と,前記金属蒸着膜の領域を含む
    前記基板の表面に形成された金蒸着膜とを有し,前記金
    蒸着膜と前記金属蒸着膜とが重なって形成されていない
    領域に,又は,前記金蒸着膜と前記金属蒸着膜とが重な
    って形成されている領域に,相互に分離された複数の区
    画が形成された前記基板とを具備し,前記各区画に1層
    の前記複数の微粒子が固定された生化学センサを,前記
    各区画での単位面積当たりに固定された前記微粒子の個
    数のデータを記憶した電子媒体と共に販売することを特
    徴とする生化学センサの販売方法。
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JP2007212446A (ja) * 2006-01-12 2007-08-23 Toray Ind Inc 選択結合性物質固定化担体
JP2011145110A (ja) * 2010-01-12 2011-07-28 Institute Of Physical & Chemical Research プローブの固定量の推定方法、及びその利用

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