JP2006153497A - グルコースセンシング膜用塗布液の調製方法および光学式グルコースセンサチップの製造方法 - Google Patents

グルコースセンシング膜用塗布液の調製方法および光学式グルコースセンサチップの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酵素等の活性が維持され、各成分が均一に溶解されたグルコースセンシング膜用塗布液を簡単な操作で調製セル方法を提供する。
【解決手段】グルコースの酸化酵素または還元酵素、この酵素による生成物と反応して発色剤を発色させる物質を発生する試薬、発色剤、および膜形成高分子化合物を含むグルコースセンシング膜用塗布液を調製するにあたり、
前記酵素および試薬を緩衝液で溶解した第1溶液を保存する工程と、
前記発色剤のアルコール溶液および膜形成高分子化合物溶液を混合した第2溶液を保存する工程と、
使用時に前記第1溶液と前記第2溶液とを混合する工程と
を含むことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、グルコースセンシング膜用塗布液の調製方法および光学式グルコースセンサチップの製造方法に関する。
光学式グルコースセンサチップは、例えば特許文献1に開示されているようにガラス基板と、この基板主面に形成され、その基板内に光を入射、放出させるための一対のグレーティングと、これらグレーティング間の前記基板主面に形成された分子認識機能および情報変換機能を有するグルコースセンシング膜とを備えた構造を有する。このグルコースセンシング膜は、グルコースの酸化酵素または還元酵素、発色剤と反応する物質を発生する試薬、発色剤、および膜形成高分子化合物などからなるセンシング膜用塗布液を前記光導波路層上に塗布し、乾燥する方法等によって形成される。
ところで、前記グルコースセンサチップのグルコースセンシング膜塗布液は、従来、所望濃度の発色剤(例えばテトラメチルベンジジン)のイソプロピルアルコール溶液を作る第1工程と、この溶液にイソプロピルアルコールを添加する第2工程と、このイソプロピルアルコール希釈溶液に純水を添加する第3工程と、この混合溶液に緩衝剤(例えばリン酸バッファ)を添加する第4工程と、この工程で作られた溶液に発色剤と反応する物質を発生する試薬(例えばペルオキシダーゼ)の水溶液を添加する第5工程と、この工程で作られた溶液にグルコース酸化酵素(例えばグルコースオキシダーゼ)の水溶液を添加する第6工程と、この工程で作られた溶液を転倒混和する第7工程と、転倒混和の溶液に膜形成高分子化合物(例えばカルボキシメチルセルロース)の水溶液を添加する第8工程と、この混合溶液を十分に撹拌混合する第9工程とを経て調製することが行われていた。
しかしながら、従来のグルコースセンシング膜用塗布液の調製においては多数の工程を必要とし、かつ前記グルコースセンサチップを製造する毎に行われるため、不可避的にロット間の性能ばらつきを生じる問題があった。
このようなことから、グルコースセンシング膜用塗布液を予め大量に調製し、ロット間の性能ばらつきを回避することが試みられている。しかしながら、大量生産されたグルコースセンシング膜用塗布液は保存時にその塗布液成分であるグルコース酸化酵素(例えばグルコースオキシダーゼ)および発色剤と反応する物質を発生する試薬(例えばペルオキシダーゼ)の活性が低下する問題があった。
特開平9−61346号公報
本発明者らは、センシング膜用塗布液の大量生産、保存時の酵素等の活性低下を防ぐために種々研究を重ね、調製後の前記塗布液をその溶媒の融点未満の温度で保存し、その酵素等の活性を維持することを試みた。
しかしながら、前記溶媒の融点未満の温度にした時に塗布液の成分である発色剤が析出し、かつ酵素等がアルコールの共存下で白濁、沈殿して塗付液の均一溶解性が損なわれることを究明した。
このようなことから、本発明者らはさらに鋭意研究を重ねた結果、活性低下を招くグルコース酸化酵素(または還元酵素)および発色剤と反応する物質を発生する試薬を緩衝液で溶解した溶液群とこれ以外の発色剤、膜形成高分子化合物などの成分をアルコールおよび純水で溶解した溶液群とに分けて調製し、前者の溶液(第1溶液)および後者の溶液(第2溶液)を別々に保存し、使用時に前記第1溶液と前記第2溶液と混合することによって、酵素等の活性が維持され、かつ各成分が均一に溶解されたグルコースセンシング膜用塗布液を簡単な操作で調製できることを見出し、本発明を完成した。
本発明によると、グルコースの酸化酵素または還元酵素、この酵素による生成物と反応して発色剤を発色させる物質を発生する試薬、発色剤、および膜形成高分子化合物を含むグルコースセンシング膜用塗布液を調製するにあたり、
前記酵素および試薬を緩衝液で溶解した第1溶液を保存する工程と、
前記発色剤のアルコール溶液および膜形成高分子化合物溶液を混合した第2溶液を保存する工程と、
使用時に前記第1溶液と前記第2溶液とを混合する工程と
を含むことを特徴とするグルコースセンシング膜用塗布液の調製方法が提供される。
また本発明によると、ガラス基板に、その基板内に光を入射、出射させるための一対のグレーティングを形成する工程と、
前記方法で調製されたグルコースセンシング膜用塗布液を前記グレーティング間の前記基板領域上に塗布、乾燥してグルコースセンシング膜を形成する工程と
を含むことを特徴とする光学式グルコースセンサチップの製造方法が提供される。
本発明によれば、単純な操作で長期保存および品質の安定化を可能にし、光学式グルコースセンサチップの量産に適したグルコースセンシング膜用塗布液の調製が可能になる。
以下、本発明に係るグルコースセンシング膜用塗布液の調製方法および光学式グルコースセンサチップの製造方法を詳細に説明する。
(第1実施形態)
この第1実施形態では、グルコースの酸化酵素または還元酵素、この酵素による生成物と反応して発色剤を発色させる物質を発生する試薬、発色剤、および膜形成高分子化合物を含むグルコースセンシング膜用塗布液の調製方法を説明する。
(第1工程)
前記酵素および前記試薬を緩衝液で溶解した第1溶液を保存する。また、前記発色剤のアルコール溶液および膜形成高分子化合物溶液を混合した第2溶液を保存する。
前記酸化酵素、試薬および発色剤は、例えば下記表1に示す組み合わせで用いられる。
Figure 2006153497
前記第1溶液中の酸化酵素(または還元酵素)および試薬は、pH等の影響で分解されやすい性質を有することから、溶媒としてpH等の影響を緩和する緩衝液が用いられる。この緩衝液としては、リン酸緩衝液が好ましいが、これ以外にトリス緩衝液を用いることができる。
前記第1溶液は、その溶液中の溶媒の融点未満の温度で保存することが好ましい。前記第1溶液の保存時の温度がその溶媒の融点を超えると、その溶液中の酵素等の活性が低下する虞がある。
前記第2溶液中のアルコールとしては、例えばイソプロピルアルコールを挙げることができる。
前記第2溶液中の膜形成高分子化合物としては、例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシセルロース等のセルロース系高分子化合物を挙げることができる。第2溶液中の膜形成高分子化合物の濃度は、第1溶液との混合を容易にする目的で0.5重量%以下にしてその第2溶液の粘度を下げることが好ましい。
前記第2溶液は、液安定性を目的として例えばリン緩衝液をさらに含有することを許容する。
前記第2溶液は、4〜10℃の温度で保存することが好ましい。第2溶液の保存時の温度を4℃未満にすると、その溶液中の発色剤が析出する虞がある。
前記第2溶液は、保存時にその成分の一つである発色剤が紫外光で劣化する虞があるため、紫外光を遮断した状態、例えば暗所または褐色ガラス容器内で保存することが好ましい。
前記塗付液の成分としてさらにグルコースセンシング膜の透水性を向上する目的で、多孔質化のための有機化合物を含むことを許容する。この有機化合物としては、例えばエチレングリコールを挙げることができる。この有機化合物(例えばエチレングリコール)は、例えばイソプロピルアルコールのようなアルコールに溶解して前記塗付液中に含有される。このアルコール溶解エチレングリコールを前記第1溶液に配分させると、前記第1溶液の保存時においてその成分である酸化酵素(または還元酵素)および試薬がアルコールの存在下で白濁、沈殿してそれら成分の均一溶解性を阻害する。このため、アルコール溶解エチレングリコールは前記第2溶液(イソプロピルアルコールのようなアルコールを発色剤の溶媒として含む)に配分する。
前記第2溶液は、例えば前記膜形成高分子化合物を純水、および必要に応じて加えられる緩衝液、イソプロピルアルコールのようなアルコールに溶解し、予め攪拌混合して粘度を下げた後に前記発色剤のアルコール溶液を添加して混合することにより作ることが好ましい。また、択一的に第2溶液は、予め攪拌混合して粘度を下げた膜形成高分子化合物を含む第3溶液と発色剤のアルコール溶液からなる第4溶液との状態にして保存することを許容する。
(第2工程)
使用時に前記第1溶液と前記第2溶液とを混合することによりグルコースセンシング膜用塗布液を調製する。このとき、前記第1溶液がその溶液中の溶媒の融点未満の温度で保存される場合には第1溶液を前記第2溶液の温度に近似した温度まで解凍し、前記第2溶液と混合する。
前記第1溶液および第2溶液の混合は、例えば回転攪拌機で攪拌混合することにより行うことが可能である。この回転攪拌機は、例えばATR(Appropriate Technical Resouroes)社製のRLVSDを用いることができる。
(第2実施形態)
この第2実施形態では、光学式グルコースセンサチップの製造方法を図1を参照して説明する。
まず、図1の(A)に示すように例えば屈折率1.52の無アルカリガラスからなる基板1の主面にこの基板1より高い屈折率(2.2〜2.4)を有する酸化チタン膜2をスパッタリングにより成膜する。つづいて、図1の(B)に示すように酸化チタン膜2に上にレジストの塗付、乾燥、リソグラフィーによりレジストパターン3を形成する。ひきつづき、図1の(C)に示すようにレジストパターン3をマスクとしてリアクティブイオンエッチング(RIE)のようなドライエッチングにより酸化チタン膜を選択的に除去してグレーティング4を形成した後、レジストパターンをアッシング等により除去する(図1の(D)図示)。
次いで、前記基板1を例えば酸素RIE等によりドライ洗浄し、スピンコートによりアミノシラン等によりカップリング処理を施した後、図1の(E)に示すように例えばフッ素系樹脂のような低屈折率で、かつ試薬と反応しない材料をスクリーン印刷によりグレーティング4に保護膜5を形成する。つづいて、この基板1をダイシングにより裁断してチップ状とする。この時、グレーティング4の間に位置するセンシング膜形成領域の表面はフッ素系樹脂などの不純物が存在するため、例えば波長172nmのエキシマ紫外光を照射した後、酸溶液に浸漬し、純水で洗浄した。ひきつづき、前記第1実施形態で説明した第1溶液を第2溶液の温度に近似した温度まで解凍し、前記第2溶液と混合することによりグルコースセンシング膜用塗布液を調製し、この塗布液を前記基板1のセンシング膜形成領域の表面に滴下し、不活性ガスのパージ、真空乾燥などにより乾燥させグルコースセンシング膜6を形成し、図1の(F)に示す光学式グルコースセンサチップを製造する。
なお、製造したチップはグルコースセンシング膜が気体以外とは接触しない状態で、湿度が低い状態を保つために不活性ガスを満たした遮光性の袋等に密閉した状態で保管する。
このような構造の光学式グルコースセンサチップにおいて、図示しない光源(例えば波長650nmの半導体レーザ)および受光素子をそれぞれ図1の(F)に示すグルコースセンサチップの基板1の裏面左側および右側に配置する。基板1表面のグルコースセンシング膜6に例えば検体(人体の皮膚下)のグルコースを接触させると、グルコースセンシング膜6を構成する酸化酵素(または還元酵素)、試薬および発色剤の組み合わせが前記表1に示すにグルコースオキシターゼ(GOD)、ペルオキシターゼ(POD)および3,3’、5,5’−テトラメチルベンジジン(TMBZ)である場合、GODによりグルコースを分解して過酸化水素を発生し、PODによりこの過酸化水素を分解して活性な酸素を放出し、この活性な酸素によりTMBZを発色させる。つまり、グルコース量に応じてTMBZの発色度合が変化する。このような状態で、前記光源からレーザ光を偏光フィルタを通して前記基板1裏面側に入射することにより、そのレーザ光を基板1と左側のグレーティング4の界面で屈折し、基板1の表面近傍の発色した発色剤を含むグルコースセンシング膜6部分を伝播し、右側のグレーティング4と基板1の界面での屈折により伝播したレーザ光を受光素子で受光する。前記グルコースセンシング膜6でのグルコース量に応じた発色に伴ってグルコースセンシング膜6部分を伝播するエバネッセント波が吸収されるため、受光したレーザ光強度は非発色時に受光した光強度(初期強度)に比べて低下した値になり、その低下率からグルコース量を検出することが可能になる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
(実施例1)
この実施例1では、約1000回分のグルコースセンシング膜の形成に必要な量の第1溶液、第2溶液を調製した。
<第1溶液の保存>
下記組成の第1溶液を作り、この第1溶液を−20℃で冷凍保存した。
[第1溶液組成]
・8mg/mL濃度のグルコースオキシダーゼ(GOD)溶液(0.01モル/Lのリン酸緩衝液(pH:6.0)に溶解)5mL、
・2mg/mL濃度のペルオキシターゼ(POD)溶液(0.01モル/Lのリン酸緩衝液(pH:6.0)に溶解)10mL。
<第2溶液の保存>
2重量%濃度のカルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液80mLと、1重量%濃度のエチレングリコールのイソプロピルアルコール溶液100mLと、イソプロピルアルコール(IPA)90mLと、0.01モル/Lのリン酸緩衝液(pH:6.0)105mLとを攪拌混合した後、IPAに3,3’、5,5’−テトラメチルベンジジン(TMBZ)を1mg/mLの濃度で溶解させたTMBZ溶液100mLを添加し、混合して下記組成の第2溶液を作り、この第2溶液を4℃で保存した。なお、この第2溶液中のCMC濃度は、緩衝液、IPAの添加により0.5重量%になり、低粘度化された。
[第2溶液組成]
・1mg/mL濃度のTMBZ溶液(IPAに溶解)100mL、
・IPA90mL、
・0.01モル/Lのリン酸緩衝液(pH:6.0)105mL、
・2重量%濃度のカルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液80mL、
・1重量%濃度のエチレングリコール溶液(IPAに溶解)100mL。
<光学式グルコースセンサチップの製造>
まず、屈折率1.52の無アルカリガラス基板の主面に屈折率2.2〜2.4、厚さ50nmの酸化チタン膜をスパッタリングにより成膜した。つづいて、この酸化チタン膜に上にレジストの塗付、乾燥、リソグラフィーによりレジストパターンを形成した。ひきつづき、レジストパターンをマスクとしてリアクティブイオンエッチングにより酸化チタン膜を選択的に除去してグレーティングを形成した後、レジストパターンをアッシングにより除去した。
次いで、前記基板を酸素RIEによりドライ洗浄し、スピンコートによりアミノシランでカップリング処理を施した後、グレーティングにフッ素系樹脂溶液をスクリーン印刷して保護膜を形成した。つづいて、この基板をダイシングにより17mm×6.5mmの寸法に裁断してチップ形状にした。波長172nmのエキシマ紫外光を照射した後、酸溶液に浸漬し、純水で洗浄することによりグレーティングの間に位置するセンシング膜形成領域の表面のフッ素系樹脂などの不純物を除去した。
次いで、4週間保存した前記第1溶液15μLを解凍して4℃とし、この解凍第1溶液を同4週間保存した前記第2溶液385μLに加え、回転攪拌機[ATR(Appropriate Technical Resouroes)社製のRLVSD]を用いて10rpmの回転速度で、10分間攪拌混合して4℃から室温まで戻して1回目のグルコースセンシング膜用塗布液400μLを調製した。つづいて、この塗布液10μLを前記基板1のセンシング膜形成領域の表面を滴下し、不活性ガスのパージ、真空乾燥により乾燥させて多孔質(透水性)で厚さ0.5〜1.5μmのグルコースセンシング膜を形成し、前述した図1の(F)に示す光学式グルコースセンサチップを製造した。
同様な方法により4つの光学式グルコースセンサチップ(合計5つ)を製造した。
また、前記4週間保存した前記第1溶液および前記第2溶液から同様な方法で2回目のグルコースセンシング膜用塗布液の調製を行い、この塗付液を用いて同様な方法により前述した図1の(F)に示す5つの光学式グルコースセンサチップを製造した。
なお、製造した各チップはグルコースセンシング膜が気体以外とは接触しない状態で、湿度が低い状態を保つために窒素ガスを満たした遮光性の袋に密閉した状態で保管した。
(比較例1)
1mg/mL濃度のTMBZ溶液(IPAに溶解)100μLを作り、この溶液にIPA110μLを添加した。このIPA希釈溶液に純水5μLを添加した後、この混合溶液に0.01mol/Lのリン酸緩衝液(pH:6.0)50μLを添加した。つづいて、この溶液に2mg/mL濃度のペルオキシターゼ(POD)水溶液5μLを添加し、さらに2mg/mL濃度のグルコースオキシダーゼ(GOD)水溶液40μLを添加した。ひきつづき、この溶液に1重量%濃度のエチレングリコール(IPAに溶解)10μLを添加した後、転倒混和した。次いで、この溶液に2重量%濃度のカルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液80μLを添加した後、ピペッティングを約150回繰り返して混合することによりグルコースセンシング膜用塗布液を調製した。
次いで、前記グルコースセンシング膜用塗布液を用いて実施例1と同様な方法により多孔質(透水性)で厚さ0.5〜1.5μmのグルコースセンシング膜を形成し、前述した図1の(F)に示す5つの光学式グルコースセンサチップを製造した。
なお、製造した各チップはグルコースセンシング膜が気体以外とは接触しない状態で、湿度が低い状態を保つために窒素ガスを満たした遮光性の袋に密閉した状態で保管した。
得られた実施例1および比較例1の各光学式グルコースセンサチップでグルコースの検出を以下の方法により行った。
光源(例えば波長650nmの半導体レーザ)および受光素子をそれぞれ図1の(F)に示すグルコースセンサチップの基板1の裏面左側および右側に配置する。基板1表面のグルコースセンシング膜6にグルコース溶液を滴下せずに、前記光源からレーザ光を偏光フィルタを通して前記基板1裏面側に入射することにより、そのレーザ光を基板1と左側のグレーティング4の界面で屈折させ、基板1の表面近傍のグルコースセンシング膜6部分を伝播させ、右側のグレーティング4と基板1の界面での屈折により伝播したレーザ光を受光素子で受光し、その強度(初期強度)を検出した。
また、グルコースセンサチップのグルコースセンシング膜6にグルコース水溶液を0.5mg/dLの量で滴下し、同様な方法により基板1の表面近傍のグルコースセンシング膜6部分を伝播した後のレーザ光強度(測定強度)を検出した。
得られた各グルコースセンサチップの初期強度に対する測定強度の低下率(感度)、低下率の平均値(5つのチップの平均値)、および低下率のCV(変動係数)を下記表2に示す。なお、CV(%)は次の式(1)から算出され、その値が大きいほど測定値がばらついていることを意味する。
CV(%)=(標準偏差/平均値)×100 …(1)
ここで式(1)中の標準偏差(s)は、下記数1の式(2)から算出される。
Figure 2006153497
Figure 2006153497
前記表2から明らかなように実施例1の塗付液を用いてグルコーシセンシング膜を形成したグルコースセンサチップは低下率が7%前後、CVが0.8%前後と比較例1の塗付液を用いてグルコーシセンシング膜を形成したグルコースセンサチップと同等の高い感度、低い感度ばらつきを示すことがわかる。
また、実施例1において1回目に調製した塗付液と2回目に調製した塗付液とを用いてグルコーシセンシング膜を形成したグルコースセンサチップ(各5つ)間での低下率およびCVが近似し、ロット間ばらつきも小さいことがわかる。
なお、比較例1で調製した塗付液を4℃前後の温度で4週間程度保存し、保存後の塗付液を用いてグルコーシセンシング膜を形成したグルコースセンサチップを製造した場合には前記グルコースの検出時に感度低下を招くことが予想される。これは、保存時に前述したように塗付液の成分であるGOD,PODの活性が低下すると共に、GOD,PODがイソプロピルアルコールの共存下で白濁、沈殿して均一溶解性が損なわれることに起因する。
本発明の第2実施形態に係わる光学式グルコースセンサチップの製造工程を示す断面図。
符号の説明
1…ガラス基板、2…酸化チタン膜、3…レジストパターン、4…グレーディング、5…保護膜、6…グルコースセンシング膜。

Claims (7)

  1. グルコースの酸化酵素または還元酵素、この酵素による生成物と反応して発色剤を発色させる物質を発生する試薬、発色剤、および膜形成高分子化合物を含むグルコースセンシング膜用塗布液を調製するにあたり、
    前記酵素および試薬を緩衝液で溶解した第1溶液を保存する工程と、
    前記発色剤のアルコール溶液および膜形成高分子化合物溶液を混合した第2溶液を保存する工程と、
    使用時に前記第1溶液と前記第2溶液とを混合する工程と
    を含むことを特徴とするグルコースセンシング膜用塗布液の調製方法。
  2. 前記第1溶液は、その溶液中の溶媒の融点未満の温度で保存し、前記第2溶液は4〜10℃の温度で保存することを特徴とする請求項1記載のグルコースセンシング膜用塗布液の調製方法。
  3. 前記酸化酵素は、グルコースオキシターゼ、前記試薬はペルオキシターゼ、前記発色剤は3,3,5,5−テトラメチルベンジジン、である請求項1または記載のグルコースセンシング膜用塗布液の調製方法。
  4. 前記膜形成高分子化合物は、セルロース系高分子化合物である請求項1〜3いずれか記載のグルコースセンシング膜用塗布液の調製方法。
  5. 前記第2溶液は、さらに多孔質化のための有機化合物を含むことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のグルコースセンシング膜用塗布液の調製方法。
  6. ガラス基板に、その基板内に光を入射、出射させるための一対のグレーティングを形成する工程と、
    請求項1〜5いずれか記載の方法で調製されたグルコースセンシング膜用塗布液を前記グレーティング間の前記基板領域上に塗布、乾燥してグルコースセンシング膜を形成する工程と
    を含むことを特徴とする光学式グルコースセンサチップの製造方法。
  7. 前記グルコースセンシング膜用塗布液を前記グレーティング間の前記基板領域上に塗布する前に、エキシマ紫外光を用いたドライ洗浄と酸溶液による湿式処理によって表面処理を施すことを特徴とする請求項6記載の光学式グルコースセンサチップの製造方法。
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