JP2006153105A - ガスケット - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のプレートが積層されて構成されたガスケットにおいて、シリンダボアが激しく揺動したとしても、低コストにてシリンダブロックに当接するプレートの変形、及びビード切れの発生を防止することができ、シリンダブロックとのシール性を確保できるガスケットを提供する。
【解決手段】複数のプレート51,52,53が積層されて構成され、エンジンのシリンダブロック1とシリンダヘッド9との間に挟持されるガスケット50において、複数のプレート51,52,53の内、シリンダブロック1に当接する第1のプレート51は、シリンダブロック1のシリンダボア3eに対応して開口するシリンダ開口部51kの近傍に、シリンダボア3eの動きに追従する追従孔51mを有することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数のプレートが積層されて構成され、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に挟持されるガスケットに関する。
周知のように、ガスケット、例えばステンレス製のメタルガスケットは、エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に、双方に挟まれるように配設されており、シリンダブロックとシリンダヘッドとの接合面のわずかな凹凸や組み付け誤差を吸収することにより、シリンダブロックのシリンダボアの開口部をシリンダヘッドに密着させ、さらに双方の接合面から冷却水やオイル等が漏れるのを防止している。
メタルガスケットのシリンダブロック及びシリンダヘッドに当接する面に、面圧を高めるためのビード及びシール材が形成されており、該シール材がシリンダブロック及びシリンダヘッドの当接面に、例えばボルトの締め付けにより押し付けられることにより、ビートにより面圧を高められて、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間を気密に保つようになっているのである。
ところで、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に熱変形等により相対的な歪み等が発生した場合、もしくはメタルガスケットを固定する際のボルトの締め付け等において、メタルガスケットに変形が生じる場合がある。
詳しくは、例えば、シリンダブロックが鋳鉄材、シリンダヘッドがアルミ材から形成されている場合、エンジンを駆動した際、シリンダヘッドを構成するアルミ材の熱膨張係数が、シリンダブロックを構成する鋳鉄よりも大きいことに起因して、シリンダヘッドは熱歪みを生じ変形する。
シリンダヘッドに変形が生じると、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に配設されたメタルガスケットに過度の力が作用するため、メタルガスケットが変形したり、当接面へのビードの食い込みによるビード切れが生じたりしてしまい、その結果、メタルガスケットのビードによるシール効果の低下を招いてしまうといった問題があった。
このような問題に鑑み、例えば特許文献1では、メタルガスケットの少なくとも片面、例えばシリンダブロックへの当接面に、二硫化モリブデン及び黒鉛からなる減摩層を形成することにより、該当接面を減摩処理したメタルガスケットが提案されている。
このように、当接面を減摩処理することにより、メタルガスケットにシリンダブロックまたはシリンダヘッドから過度の力が作用したとしても、シリンダブロックまたはシリンダヘッドは、メタルガスケットの減摩処理をした面で滑り、上記過度の力を逃がすことができるため、メタルガスケットが変形したり、ビード切れが生じたりするのを防止することができる。
特開昭60−125462号公報
ところで、エンジンを駆動した際、ピストンは、シリンダボア内を軸方向に往復移動するが、特にピストンの薄型化による軽量化、またはエンジンの燃焼圧向上等によってエンジン性能向上を図ると、燃焼時に作用する荷重により、ピストンは、該ピストンを軸支するピストンピンを支点としてずれる方向(以下、シリンダのスラスト方向、反スラスト方向と称す)に、例えば10ミクロン単位で揺動する。その結果、シリンダボア内に、筒内圧が発生する。
シリンダボア内に筒内圧が発生すると、シリンダボアは、スラスト方向、または反スラスト方向に激しく揺動し、メタルガスケットとシリンダブロックとの双方の当接面に、大きな摩擦力が発生する。
このように大きな摩擦力が発生した場合は、メタルガスケットのシリンダブロックへの当接面に、上述した特許文献1に示したような減摩層を形成すると、該減摩層が摩耗してしまう虞があった。
メタルガスケットのシリンダブロックへの当接面に形成した減摩層が摩耗してしまうと、メタルガスケットにシリンダブロックから過度の力が作用した際、該メタルガスケットの当接面の滑りが悪くなってしまうため、メタルガスケットが変形したり、ビード切れが生じたりしてしまう場合がある。また、メタルガスケットの当接面に減摩層を別途形成するため、製造コストが高くなってしまうといった問題もある。
さらに、近年、メタルガスケットにおける形状に自由度を持たせる目的、または厚み調整の目的、シール性の向上の目的で、メタルガスケットを、複数枚のステンレス製のプレートを積層することにより構成することも行われているが、この場合であっても、複数枚のステンレス製のプレートの内、シリンダブロックに当接するプレートの当接面に形成した減摩層が摩耗してしまうと、シリンダブロックに当接するプレートが変形したり、ビード切れが生じたりしてしまう場合がある。
本発明の目的は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のプレートが積層されて構成されたガスケットにおいて、シリンダボアが激しく揺動したとしても、低コストにてシリンダブロックに当接するプレートの変形、及びビード切れの発生を防止することができ、シリンダブロックとのシール性を確保できるガスケットを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によるガスケットは、複数のプレートが積層されて構成され、エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に挟持されるガスケットにおいて、上記複数のプレートの内、上記シリンダブロックに当接する第1のプレートは、上記シリンダブロックのシリンダボアに対応して開口するシリンダ開口部の近傍に、上記シリンダボアの動きに追従する追従孔を有することを特徴とする。
本発明のガスケットによれば、複数のプレートが積層されて構成されたガスケットにおいて、シリンダボアが激しく揺動したとしても、低コストにてシリンダブロックに当接するプレートの変形、及びビード切れの発生を防止することができ、シリンダブロックとのシール性を確保できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。尚、本実施の形態においては、ガスケットが配設されるエンジンは、水平対向型の4気筒エンジンを例に挙げて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示すガスケットが配設されたエンジンの部分断面図、図2は、図1中のシリンダブロックをシリンダヘッド側からみた平面図である。
図1に示すように、エンジン100のシリンダブロック1は、図示しないクランクシャフトを中心として左右2つのバンクに分割されている。シリンダブロック1は、各バンクに、シリンダヘッド9側が開口したオープンデッキ型の形状を有しており、例えばアルミニウム合金でダイキャスト鋳造され、鉄系の材料からなるシリンダライナ2が、各シリンダ3に鋳込まれている。そして、各シリンダ3に、鋳込まれたシリンダライナ2の内周面によって、シリンダボア3eが形成されている。尚、図1,図2においては、一方のバンクの2気筒の形状を示すが、他方のバンクについても本質的には同じ形状である。
シリンダライナ2を保持する各シリンダ3は、互いのシリンダ3が隣接する位置において連結されたサイアミーズ型のシリンダであり、該シリンダ3の外壁部とシリンダブロック1の外壁部4との間に、エンジン100を冷却する冷却水が通過するウォータジャケット5が形成されている。
ウォータジャケット5は、図2に示すように、各シリンダ3の連結部3aを間に挟んで対向する2箇所の部位において、水平に配列された気筒の上半分と下半分とで分離されている。これは、本実施の形態のエンジン100が、横置きに配列された気筒の上半分と下半分とで分離した冷却水経路を有しているためである。
また、シリンダ3内に、シリンダライナ2が配設された範囲内においてシリンダボア3eを往復移動するピストン32が配設されている。ピストン32は、基端であるクランクシャフト側がピストンピン35を介して既知のコネクティングロッド40に接続されている。さらに、シリンダ3内のピストン32の先端面と後述するシリンダヘッド9との間に、燃焼室13が形成されている。
また、シリンダブロック1の端面に、ガスケット50を介してシリンダヘッド9が接続され固定されている。詳しくは、シリンダヘッド9は、図2に示すように、シリンダブロック1のシリンダヘッド9側の面(以下、当接面と称す)1mのシリンダ3の開口部近傍に形成された、例えば6つのねじ穴4hに、ガスケット50とともにボルト等で固定されることによりシリンダブロック1に接続されている。
シリンダヘッド9は、例えばアルミニウム合金でダイキャスト鋳造されることにより形成されており、シリンダヘッド9に、各気筒の燃焼室13にそれぞれ対応する吸気ポート10と排気ポート11とが形成されている。また、各吸気ポート10に吸気弁20が取り付けられており、さらに各排気ポート11に排気弁21が取り付けられている。さらに、シリンダヘッド9に、シリンダブロック1のウォータジャケット5に連通するウォータジャケット18が形成されている。
ガスケット50は、シリンダブロック1とシリンダヘッド9との間に、双方に挟まれるように配設されており、シリンダブロック1とシリンダヘッド9との接合面のわずかな凹凸や組み付け誤差を吸収することにより、シリンダボア3eの開口部をシリンダヘッド9に密着させ、さらに双方の接合面から冷却水やオイル等が漏れるのを防止している。
次に、ガスケット50の構成について詳細に説明する。図3は、図1のガスケットの構成及び配設位置を示す部分拡大断面図である。
図3に示すように、本実施の形態のガスケット50は、ステンレス等から構成された複数枚のプレート、例えば3枚の第1のプレート51,第2のプレート52,第3のプレート53から構成されており、3枚のプレート51,52,53は、例えば積層されて互いにかしめられることにより連結されている。
ガスケット50に、シリンダブロック1のウォータジャケット5とシリンダヘッド9のウォータジャケット18とを連通する、エンジン100を冷却する連通孔50tが形成されている。具体的には、連通孔50tは、3枚のプレート51,52,53にそれぞれ開口する連通孔51t,52t,53tによって形成されている。
また、ガスケット50に、シリンダブロック1のシリンダボア3eのボア径と略同径を有し、シリンダボア3eに対応して開口するシリンダ開口部50kが形成されている。具体的には、シリンダ開口部50kは、3枚のプレート51,52,53に、それぞれ開口するシリンダ開口部51k,52k,53kによって形成されている。
さらに、ガスケット50に、シリンダブロック1とシリンダヘッド9との間に挟持された際、シリンダブロック1の6つのねじ穴4hに螺合されるボルトが挿通される挿通孔50hが形成されている。該挿通孔50hにより、ガスケット50は、シリンダブロック1とシリンダヘッド9との間に位置決めされる。また、挿通孔50hは、図示しないが、3枚のプレート51,52,53にそれぞれ形成されている。尚、説明上、後述する図4にのみ、プレート51に形成された挿通孔51hが図示されている。
尚、ガスケット50を構成する3枚のプレート51,52,53に、その他、オイル供給用孔、オイル戻り孔、センサ識別孔、エア抜き孔等が形成されているが、周知であるため、符号を付しての説明は省略する。
第1のプレート51は、バネ性を有するステンレスから構成されており、シリンダブロック側の面(以下、当接面と称す)51sは、後述するシール材70a,70bを介してシリンダブロック1の当接面1mに、緊密に当接されている。
また、当接面51s上であって、第1のプレート51のシリンダ開口部51kの近傍及び第1のプレート51の外周近傍に、シリンダヘッド9側に突出するビード51bが、例えばプレス加工により形成されている。
当接面51sの裏面から突出したビード51bは、第2のプレート52の第1のプレート側の面52sの一部を押圧している。このことにより、第1のプレート51の当接面51sのシリンダブロック1の当接面1mへの面圧が高められている。尚、第1のプレート51の当接面51sの構成は、後に図4を用いて詳細に説明する。
第2のプレート52は、バネ性を有さない剛性のあるステンレスから構成されており、第1のプレート側の面52sが、第1のプレート51の当接面51sの裏面に当接されている。
また、第2のプレート52のシリンダ開口部52kの近傍に、第2のプレート52の端部が折り返され潰されることにより形成された厚みを持った折り曲げ部52uが環状に形成されている。該折り曲げ部52uが、第1のプレート51の当接面51sの裏面のシリンダ開口部51kの外周近傍を押圧することにより、第1のプレート51の当接面51sのシリンダブロック1の当接面1mへの面圧が高められている。
さらに、第2のプレート52の第1のプレート側の面52sは、例えばグラファイトが塗布されることにより鏡面加工が施されている、または鏡面仕上げがなされている。尚、第2のプレート52の第1のプレート側の面52sの粗さは、第1のプレート51の当接面51sの裏面の粗さの約1/10程度となっている。
第3のプレート53は、バネ性を有するステンレスから構成されており、第3のプレートのシリンダヘッド側の面53s(以下、当接面と称す)は、シール材70a,70bを介してシリンダヘッド9の当接面9mに、緊密に当接されている。
また、当接面53s上であって、シリンダ開口部53kの近傍及び第3のプレート53の外周近傍に、シリンダブロック1側に突出する周状のビード53bが、例えばプレス加工により形成されている。当接面53sの裏面から突出したビード53bは、第2のプレート52の第1のプレート側の面52sの裏面の一部を押圧している。このことにより、第3のプレート53の当接面53sのシリンダヘッド9の当接面9mへの面圧が高められている。
次に、第1のプレート51の当接面51sの形状について図4を参照にして説明する。図4は、図3中の第1のプレートの拡大正面図である。
同図に示すように、第1のプレート51の中央であって、該プレート51の図中右半部及び左半部の対称位置に、シリンダボア3eに対応して開口する、円形の2つのシリンダ開口部51kが形成されている。さらに、第1のプレート51の2つのシリンダ開口部51kの近傍に、上述したボルトの挿通孔51hが、6つ形成されている。
また、当接面51s上であって、2つのシリンダ開口部51kの近傍に、上述したビード51bがそれぞれ環状に形成されている。さらに、当接面51s上であって、第1のプレート51の外周近傍かつ2つのシリンダ開口部51kを囲繞する位置にも、ビード51bが周状に形成されている。
2つのシリンダ開口部51kの近傍であって、ビード51bを含む第1のプレート51の当接面51sに、例えばフッ素ゴムにより構成された帯の第1のシール材であるシール材70aが、スクリーニング等により、例えば25ミクロンの厚みとなるよう環状に形成されている。
また、周状のビード51bを含む第1のプレート51の外周近傍であって、当接面51s上のシール材70aを囲繞する位置にも、例えばフッ素ゴムにより構成された帯状の第2のシール材であるシール材70bが、スクリーニング等により、例えば25ミクロンの厚みとなるよう周状に形成されている。尚、シール材70bは、6つの挿通孔51hの外周縁の近傍を覆うようにも形成されている。
シール材70a,70bは、ガスケット50がシリンダブロック1とシリンダヘッド9との間に挟持された際、シリンダブロック1の当接面1mに密着し、第1のプレート51と、シリンダブロック1との間の気密を保つようになっている。
また、第1のプレート51の当接面51sであって、シール材70aと、シール材70bとの間の領域51rにおける、少なくともシリンダ3のスラスト方向または反スラスト方向に対応する位置に、上述した連通孔51tが、例えば4つ形成されている。
第1のプレート51に形成された連通孔51tは、第2のプレート52及び第3のプレート53に形成された連通孔52t,53tよりも大きく形成されている。これは、連通孔51tは、後に説明する追従孔51mと一体に形成されているためである。言い換えると、本実施の形態においては、第1のプレート51に形成される追従孔51mは、連通孔の機能を有している。
追従孔51mは、第1のプレート51の当接面51s上の領域51rに形成されており、少なくともシリンダ3のスラスト方向または反スラスト方向に対応する位置に形成されている。
追従孔51mは、ピストン32がシリンダ3のスラスト方向、反スラスト方向に揺動した結果、シリンダ3内に開口するシリンダボア3eが、シリンダ3のスラスト方向、または反スラスト方向に揺動した際、シリンダボア3eの揺動に追従し、第1のプレート51のシリンダ開口部51kの近傍部が一体的に変形することを許容する孔である。
詳しくは、シリンダブロック1の当接面1mに緊密に当接している第1のプレート51を、第2のプレート52の鏡面加工がなされた第1のプレート側の面52s上において、上記スラスト方向または反スラスト方向に滑らせてシリンダボア3eの揺動を吸収する孔である。よって、以下、第1のプレート側の面52sを滑走面52sと称す。
尚、追従孔51mを領域51rの少なくともシリンダ3のスラスト方向または反スラスト方向に対応する位置に形成したのは、ピストン32は、ピストンピン35により、シリンダ3のスラスト方向、反スラスト方向にのみしか揺動しないよう軸支されているためである。
また、本実施の形態においては、追従孔51mは、連通孔51tと一体に形成されているが、追従孔51mは、連通孔の機能を有さずに、連通孔51tと別体に構成されていても良い。
さらに、追従孔51mは、上述した条件に加え、6つの挿通孔51hとシリンダ開口部51kとの間を回避する領域にそれぞれ形成された6つの領域(肉厚部)51n以外の位置に形成することが好ましい。
これは、肉厚部51nは、シリンダボア3eの揺動が終了した後、シリンダボア3eの揺動に追従して移動した第1のプレート51を、滑る前の位置、即ち自然状態の位置に復元力により戻しやすくするため機能するからである。
さらに、追従孔51mは、上述した条件の範囲内において、出来るだけ大きく形成することが好ましい。これは、追従孔51mが小さ過ぎると、領域51rにおいて残された肉厚により、シリンダボア3eが揺動した際、該揺動に第1のプレート51が追従し難くなり、領域51rに形成した追従孔51mからクラックが発生し易くなってしまうためである。このことから、本実施の形態においては、追従孔51mと連通孔51tとを連通して、追従孔51mを大きく形成したのである。
次に、このように構成された本実施の形態の作用を、上述した図3、図4及び図5を用いて説明する。図5は、ガスケット及びシリンダヘッドがシリンダボアの揺動に追従して図3に示す位置から移動した状態を示す断面図である。
エンジン100が停止している状態では、ガスケット50は、図3に示すように、シリンダブロック1と、シリンダヘッド9との間に、挿通孔50hにより位置決めされて挟持されている。
この状態において、エンジン100が駆動されると、ピストン32がシリンダボア3e内において、該シリンダ3の軸方向に対し往復移動を始める。このとき、例えばエンジン100の出力が大きい場合には、燃焼時に作用する荷重により、ピストン32は、シリンダ3のスラスト方向、または反スラスト方向に、例えば10ミクロン単位で揺動する。その結果、図5に示すように、シリンダボア3e内に筒内圧が発生する。
シリンダボア3e内に筒内圧が発生すると、シリンダボア3eは、スラスト方向、または反スラスト方向に激しく揺動する。このとき、シリンダブロック1の当接面1mに密着して当接している第1のプレート51は、追従孔51mにより、図5に示すように、当接面51sが当接面1mと当接した状態において、シリンダボア3eの揺動に追従して、第2のプレート52の滑走面52s上をスラスト方向または反スラスト方向に、滑りながら移動する。
この際、第2プレート52の滑走面52sは、鏡面加工が施されている、または鏡面処理がなされているため、第1のプレート51は、第2のプレート52の滑走面52s上を、スムーズに移動する。
その後、エンジン100が停止されると、ピストン32は停止するため、該ピストン32のシリンダ3のスラスト方向、または反スラスト方向への揺動は停止する。このとき、互いの当接面51s,1mにおいて密着して当接している第1のプレート51とシリンダブロック1とは、第1のプレート51の6つの肉厚部51nの復元力により、図3に示す移動前の位置に戻る。
この際も、第2プレート52の滑走面52sは、鏡面加工が施されている、または鏡面処理がなされているため、第1のプレート51は、第2のプレート52の滑走面52s上を、スムーズに移動して元の位置に戻る。
このように、本発明の一実施の形態を示すガスケットにおいては、ガスケット50を構成する3枚のプレート51,52,53の内、シリンダブロック1に当接する第1のプレート51の領域51rのみに、追従孔51mを形成した。
このことにより、シリンダボア3e内に、シリンダ3のスラスト方向、または反スラスト方向への揺動が発生したとしても、第1のプレート51とシリンダブロック1とは、互いの当接面51s,1mにおいて当接したままで、追従孔51mにより、シリンダボア3aの揺動に追従して第2のプレート52の滑走面52s上を滑り移動する。
尚、この際、追従孔51mは連通孔51tと連通して形成されているため、追従孔51mの面積が、領域51rにおいて大きく形成されているので、より追従性が良くなった状態で、第1のプレート51とシリンダブロック1とは、互いの当接面51s,1mにおいて当接したままで、第2のプレート52の第1のプレート側の面52s上を滑り移動する。
よって、第1のプレート51の当接面51sと、シリンダブロック1の当接面1mとの間において、摩擦力が発生する、即ち、当接面51sと当接面1mとが擦れることが低減出来るため、第1のプレート51が変形したり、第1のプレート51の当接面51sに形成されたシール材70a,70bが摩耗したり、第1のプレート51に形成されたビード51bが摩滅したりすることを低減できる。
このことから、シール材70a,70bのシール性を低下させることなく、ピストン32の薄型化による軽量化、またはエンジン100の燃焼圧向上することにより発生するシリンダボア3eの揺動に対処したガスケット50を提供することができる。
また、第1のプレート51に、6つの肉厚部51nを形成したため、エンジン100が停止した際は、第1のプレート51とシリンダブロック1とは、互いの当接面51s,1mにおいて密着したままで、6つの肉厚部51nの復元力により、移動前の位置に戻りやすくなるので、第1のプレートが揺動により、位置決めされた位置からずれてしまうことを防止することができる。
さらに、ガスケット50の変形防止及びビード切れの防止に、減摩剤等を使用する必要がないため、低コストにて、ピストン32の薄型化による軽量化、またはエンジン100の燃焼圧向上することにより発生するシリンダボア3eの揺動に対処したガスケット50を提供することができる。
以下、変形例を示す。本実施の形態においては、エンジン100は、水平対向型の4気筒エンジンを例に挙げて示したが、これに限らず、例えば直列型またはV型の4気筒エンジンに適用しても本実施の形態と同様の効果を得ることができるということは勿論である。
また、上述の各種エンジンの気筒数も4気筒に限定されるものではなく、例えば6気筒のエンジンに適用しても本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施の形態においては、第1のプレート51の当接面51sとシリンダブロック1の当接面1mとの密着性を高めるため、第2のプレート52の第1の滑走面52sのシリンダ開口部52kの近傍に、折り曲げ部52uが形成されていると示した。
これに限らず、第2のプレート52の端部に折り曲げ部52uを形成させず、第3のプレート52の当接面53sの裏面に、第1のプレート側に突出する周状の部材を設けても同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態においては、ガスケット50は、3つのプレート51,52,53から構成されていると示したが、これに限らず、複数枚であれば、何枚であっても本実施の形態を適用できる。
さらに、本実施の形態は、ピストン32の揺動に起因するシリンダボア3eの揺動に限らず、シリンダブロック1、シリンダライナ2、シリンダヘッド9が熱膨張により一時的に変形した際にも適用できる。
本発明の一実施の形態を示すガスケットが配設されたエンジンの部分断面図。 図1中のシリンダブロックをシリンダヘッド側からみた平面図。 図1のガスケットの構成及び配設位置を示す部分拡大断面図。 図3中の第1のプレートの拡大正面図。 ガスケット及びシリンダヘッドがシリンダボアの揺動に追従して図3に示す位置から移動した状態を示す断面図。
符号の説明
1…シリンダブロック、2…シリンダライナ、3a…シリンダボア、9…シリンダヘッド、32…ピストン、35…ピストンピン、50…ガスケット、51…第1のプレート、51k…シリンダ開口部、51m…追従孔、51n…肉厚部、51s…当接面、51t…連通孔、52…第2のプレート、52k…シリンダ開口部、52s…当接面、53…第3のプレート、53k…シリンダ開口部、70a…第1のシール材、70b…第2のシール材、100…エンジン。
代理人 弁理士 伊藤 進

Claims (6)

  1. 複数のプレートが積層されて構成され、エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に挟持されるガスケットにおいて、
    上記複数のプレートの内、上記シリンダブロックに当接する第1のプレートは、上記シリンダブロックのシリンダボアに対応して開口するシリンダ開口部の近傍に、上記シリンダボアの動きに追従する追従孔を有することを特徴とするガスケット。
  2. 上記第1のプレートは、上記シリンダブロックとの当接面に、上記シリンダ開口部を囲繞する第1のシール材と、該第1のシール材を囲繞する第2のシール材とを有し、
    上記追従孔は、上記第1のシール材と上記第2のシール材との間の領域に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガスケット。
  3. 上記追従孔は、上記シリンダボア内を摺動するピストンがピストンピンを支点として揺動する方向に少なくとも形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のガスケット。
  4. 上記第1のプレートは、上記シリンダブロックに開口するウォータジャケットと上記シリンダヘッドに開口するウォータジャケットとを連通する連通孔を有し、
    上記追従孔は、上記連通孔と一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスケット。
  5. 上記第1のプレートは、上記シリンダブロックに上記シリンダヘッドを組み付けるボルトを挿通するボルト孔を有し、
    上記追従孔は、上記ボルト孔と上記シリンダ開口部との間を回避する領域に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガスケット。
  6. 上記複数のプレートの内、上記第1のプレートに当接する第2のプレートの当接面に、鏡面処理が施されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスケット。
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