JP2006153038A - 伝動用ベルト - Google Patents

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仁志 羽坂
Yasutsugu Kunihiro
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【課題】圧縮ゴム層において短繊維を使用せずにベルトの寿命を維持した低コストの伝動ベルトを提供することを目的とする。
【解決手段】心線3を埋設した接着ゴム層2に隣接して圧縮ゴム層7と伸張ゴム層6を配し、圧縮ゴム層7がコグ山部9とコグ谷部8を交互に配したコグ部12を有している伝動用ベルト1であり、圧縮ゴム層7にポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維をベルト幅方向に配した経糸14aからなるスダレ13を少なくとも1層埋設した構成からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は伝動用ベルトに係り、スノーモービル、スクーター及び一般産業用のベルトとして使用される高負荷用の変速ベルトに関する。
従来から、スクーター、バギー、雪上車(スノーモービル)または一般産業用の機械分野の駆動系においては、駆動プーリと従動プーリに伝動用ベルトを懸架し、プーリの有効径を変化させて変速させるベルト式変速装置が用いられている。ここで使用されている伝動用ベルトは圧縮ゴム層と伸張ゴム層の両層もしくは圧縮ゴム層のゴム層にコグ山部とコグ谷部を交互に配したコグ部を有し、心線を接着ゴム層内に埋設した構成からなり、ローエッジダブルコグドベルトあるいはローエッジシングルコグドベルトなどのローエッジコグドベルトとして知られている。
上記のローエッジコグドベルトでは、長寿命化に対する要求が厳しさを増してきている。特に、溝幅可変プーリに掛架されてプーリへの巻き掛け径を無段階に変えながら動力を伝達する無段変速ベルトに使用する場合は、プーリから受ける過大な側圧のため、耐側圧性、耐屈曲性、耐磨耗性、そして耐熱性等が要求される。このために、上コグと下コグの形状、寸法なども検討されている。
また、圧縮ゴム層に種々の短繊維とゴムを組み合わせて耐変形性、耐寒性、耐熱性、耐摩耗性、耐久性等を改善することも行われている。例えば、特許文献1では、圧縮ゴム層にポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維をアルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン組成物に混練りしたゴム組成物を使用することが開示されている。
特開2003−294087号公報
しかし、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維は接着しにくく、またカットもしにくいこともあって製造コストが高くなっていた。更には、該繊維を含むゴム組成物の混練り設備や圧延設備への負荷も高くなっていた。
本発明はかかる問題に着目し、鋭意研究した結果、圧縮ゴム層において短繊維を使用せずにベルトの寿命を維持した低コストの伝動ベルトを提供することを目的とする。
上記した目的を達成すべく本願請求項記載の発明は、心線を埋設した接着ゴム層に隣接して圧縮ゴム層と伸張ゴム層を配し、圧縮ゴム層がコグ山部とコグ谷部を交互に配したコグ部を有している伝動用ベルトにおいて、少なくとも上記圧縮ゴム層にポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維(PBO繊維)をベルト幅方向に配した経糸からなるスダレを少なくとも1層埋設した場合、スダレとしてベルト幅方向に配した経糸がPBO繊維からなり、ベルト長手方向に配した綿糸から構成される場合、伸張ゴム層がコグ山部とコグ谷部を交互に配したコグ部を有している場合、そしてスダレが伸張ゴム層にも埋設されている場合を含んでいる。
本発明の伝動用ベルトでは、PBO繊維をベルト幅方向に配した経糸からなるスダレを少なくとも1層埋設したことにより、短繊維を使用しなくても耐変形性、耐寒性、耐熱性、耐摩耗性、耐久性等を改善することができ、しかも低コストなものになる。
以下、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。図1は本発明に係る伝動用ベルトの部分正面図、そして図2は本発明に係る他の伝動用ベルトの部分正面図である。
本発明の伝動用ベルト1は、接着ゴム層2内に繊維コードからなる心線3が埋め込まれ、接着ゴム層2の上部には補強布4とゴム層5を積層した伸張ゴム層6と、また下部には一層のスダレ13がコグ形状に沿うように湾曲状態でゴム層5に埋設し、そして補強布4を積層した圧縮ゴム層7がある。圧縮ゴム層7には、それぞれ一定ピッチでベルト長手方向に沿ってコグ谷部8とコグ山部9とを交互に配した下コグ部12が設けられている。
本実施例では、伸張ゴム層6にはコグ部が存在せず、また両側面はコグ山部9の頂部からコグ谷部8の最底部にかけて逆V形に切断されたカット面にしてもよい。これによりプーリ内の側圧を心線3から圧縮ゴム層7に負担させることができ、心線3上部の伸張ゴム層6の剥離や欠損を遅延させることができる。
更に、本実施例では、ベルトの厚みをHとし、心線3のピッチラインPから圧縮ゴム層7のコグ谷部9の最深部までの間隔をDとしたとき、0.2≦D/H≦0.26を満足している。この値は、ベルトの厚みHに対して心線3のピッチラインPから圧縮ゴム層7のコグ谷部9の最深部までの間隔Dの占める割合を示すものであり、0.20未満では間隔Dが小さくなり過ぎて、ベルトの耐側圧性が低下により早期寿命に至る。一方、0.26を越えると、ベルトの可撓性が低下して耐屈曲性に欠け、早期にコグ谷部の最深部から亀裂が入りやすくなる。
心線3としては、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維が使用され、中でもエチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位とするポリエステル繊維フィラメント群を撚り合わせた総デニール数が4,000〜8,000の接着処理したコードが、ベルトスリップ率を低くでき、ベルト寿命を延長させるために好ましい。このコードの上撚り数は10〜23/10cmであり、また下撚り数は17〜38/10cmである。総デニールが4,000未満の場合には、心線のモジュラス、強力が低くなり過ぎ、また8,000を越えると、ベルトの厚みが厚くなって、屈曲疲労性が悪くなる。
エチレン−2,6−ナフタレートは、通常ナフタレン−2,6−ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を触媒の存在下で適当な条件のもとにエチレングリコールと縮重合させることによって合成させる。このとき、エチレン−2,6−ナフタレートの重合完結前に適当な1種または2種以上の第3成分を添加すれば、共重合体ポリエステルが合成される。
接着処理されたコードは、スピニングピッチ、即ち心線の巻き付けピッチを1.0〜1.3mmにすることで、モジュラスの高いベルトに仕上げることができる。1.0mm未満になると、コードが隣接するコードに乗り上げて巻き付けができず、一方1.3mmを越えると、ベルトのモジュラスが徐々に低くなる。
図2に示す他の伝動用ベルト1では、伸張ゴム層6がコグ山部9とコグ谷部8を交互に配した上コグ部11を有し、二層のスダレ13がコグ形状に沿うように湾曲状態で圧縮ゴム層7に埋設している。また、スダレ13は伸張ゴム層6にも埋設している。これによって、圧縮ゴム層7とともに伸張ゴム層6は、短繊維をベルト幅方向へ埋設しなくても耐側圧性が高まることになる。
上記圧縮ゴム層6および伸張ゴム層7になるゴム組成物は、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、アルキル化クロロスルファン化ポリエチレン(ACSM)、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマー等のゴム材の単独、またはこれらの混合物が使用され、これに通常用いられるカーボンブラック、可塑剤、老化防止剤、加工助剤、粘着剤、加硫促進剤、短繊維等と共に使用することができる。
そして、圧縮ゴム層6に埋設されたスダレ13は、コグ形状に沿うように湾曲した状態になり、少なくともPBO繊維を含む繊維をベルト幅方向に配した経糸14aに、ベルト長手方向に配した緯糸14bに綿糸、ナイロン繊維、アクリル繊維、人絹等の比較的可撓性に富む繊維を用いたスダレであり、1〜3プライ積層される。上記経糸14aにはPBO繊維とともに剛直なアラミド繊維も使用することができる。
経糸14aの密度は30〜60本/5cmであり、30本/5cm未満になるとベルトの耐側圧性が減少し、他方60本/5cmを超えるとベルトの可撓性が低下する。また、緯糸14bの密度は2〜6本/5cmになり、2本/5cm未満になると、スダレがベルト長手方向に伸張しやすく、破損することもある。他方、6本/5cmを超えると、スダレの可撓性が低下する。
PBO繊維は、ジアミノレゾルシノールとテレフタル酸をポリリン酸溶媒中で縮重合したポリマーを紡糸することで得られる。従来の凡用繊維よりもはるかに高い物性値を有し、例えば機械的物性においてはアラミド繊維以上の強度及び弾性率を示す。また、アラミド繊維に比べて耐切創性が高いというのも大きな特徴である。
上記理由からPBO繊維をベルト幅方向に配した経糸に用いたスダレを圧縮ゴム層に埋設すると、高い補強効果及び耐摩耗効果を付与できる。しかしその分子骨格上、官能基をほとんど含有していないことから従来の短繊維と比べてゴムとの接着が困難であり、特殊な接着処理が必要となる。
よって、スダレに使用するPBO繊維は、下記方法によって接着処理されることが好ましい。まず未処理のPBO繊維をフィラメントの状態で、ニトリルゴム変性エポキシ樹脂もしくは/そしてエポキシ樹脂、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、架橋剤、そして溶剤からなる室温設定した処理液に0.5〜30秒間浸漬した後、150〜250°Cに調節したオーブンに1〜5分間通して乾燥される。この処理を行うことで該処理液が短繊維内部まで浸透してフィラメントの接着性が改善される。
尚、作業性の良好さ及び接着効果並びに短繊維の分散性を考慮すると、処理液の固形分濃度は1〜20質量%に調節されることが好ましい。溶剤としてはトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、メチルエチルケトンなどの脂肪族ケトンが用いられる。
ニトリルゴム変性エポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂をニトリルゴムで変性したエポキシプレポリマーであり、ベースのエポキシとしては、グリセリン、プロピレングリコール類とエピクロルヒドリン等のハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物、又はヒドロキノン、ビスフェノールA等の多価フェノールとハロゲン含有エポキシ類との反応生成物が使用される。特に、末端に2個のエポキシ基を持つビスフェノールA型エポキシ樹脂を使用したものが好適である。
アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂は、フェノールあるいはクレゾール、クロロフェノールなどの1価フェノール、又はレゾルシン、カテコールなどの多価フェノールの1種又は2種以上のフェノールと、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの1種又は2種以上のアルデヒドとを酸あるいはアルカリ触媒の存在下で縮合したものである。
上記アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂とニトリルゴム変性エポキシ樹脂もしくは/そしてエポキシ樹脂の質量比は2/10〜10/10が好ましい。2/10未満の場合にはゴムとの接着性が低下し、一方10/10を超えると、ゴムとの接着性が低下すると共に処理剤の可撓性が低下するため短繊維の柔軟性が低下する。
架橋剤としては、3級アミン、イミダゾール、酸無水物などが使用される。特に、3級アミンが好適である。通常、エポキシ樹脂に対し3〜30質量%の範囲で使用される。
尚、場合に応じて以下の後処理を施すことが好ましい。
上記処理液を含浸させたPBO繊維をレゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物とゴムラテックスを混合したRFL液で処理する。この場合、レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比は3/1〜1/3にすることが接着力を高める上で好適である。
また、RFL液はレゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物とゴムラテックスの固形分質量比が1/1〜1/5で、かつRFL液の固形分付着量が3〜10質量%であることがRFL液による接着力の効果を高める上で好ましい。1/1を超えると、短繊維の凝集力が大きくなって分散性が悪くなり、逆に1/5未満になると、ゴムと短繊維との接着力が低下し、引張強さも低下する。更に、RFL液の固形分付着量が10質量%を超えると、処理液が固まって短繊維のフィラメント同士が分割しにくくなり、逆に3質量%未満の場合にはRFL液による分散性及び引張強さの向上効果が期待できない。また、ゴムラテックスとしては、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体、クロロスルフォン化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、エピクロルヒドリン、天然ゴム、SBR、クロロプレンゴム、オレフィン−ビニルエステル共重合体、EPDM、CSM、ACSM等のラテックスが挙げられる。
尚、接着処理を施す際の処理液の温度は5〜40°Cに調節し、また浸漬時間は0.5〜30秒であり、200〜250°Cに調節したオーブンに1〜3分間通して熱処理される。
更に、上記処理に加えオーバーコート処理することも可能である。ゴム配合物をトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、メチルエチルケトンなどの脂肪族ケトンから選ばれた、ゴム配合物の良溶媒となる溶剤に溶かしたゴム糊に浸漬しオーバーコート処理する。浸漬時間は0.5〜30秒であり、80〜200°Cに調節したオーブンに1〜3分間通して熱処理される。
尚、PBO繊維の接着処理方法としては、上記に限ることなく、例えば特公昭60−24131号公報に記載されているカルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスからなるRFL液で処理する方法、特公平5−41525公報、特公平5−41526公報、特公平5−41527公報に記載されているイソシアネート化合物、エポキシ化合物及びシランカップリング剤から選ばれた活性化合物、RFL液及びハロゲン含有重合体を主成分とする接着剤組成物で処理する方法、特公平6−41528公報に記載されているエポキシ化合物あるいはイソシアネート化合物で第1処理した後、RFL液で第2処理し、そしてゴム配合物と塩化ゴムを溶剤に溶かしたゴム糊で第3処理する方法なども用いることができる。
補強布4は綿、ポリエステル繊維、ナイロン等からなり、平織、綾織、朱子織等に製織した布で、経糸と緯糸との交差角が90〜120°程度の広角度帆布でもよい。補強布4はRFL処理した後、ゴム組成物をフィリクション・コーチングしてゴム付帆布とする。RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合物をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリル、NBRなどである。
図3は図2に示す伝動用ベルト1(ダブルコグドベルト)の製造方法の一例であってモールド上で圧縮ゴム層、心線、そして伸張ゴム層からなる成形体の作製状態を示すところである。まず、歯部21と溝部22を交互に有するモールド20を準備する。
更に、図4に示すように1〜数枚の補強布、圧縮ゴム層の一部である未加硫ゴムシート、ベルト幅方向に配した接着処理したPBO繊維(経糸)、ベルト長手方向に配した綿糸(緯糸)から構成されるスダレ、残りの圧縮ゴム層である未加硫ゴムシートを順次積層し、これを別に準備した歯部と溝部とを交互に配した平坦な金型の上に設置し、加圧することによってコグ山部29とコグ谷部28を型付けしたコグパッド30に仕上げる。スダレ13はコグの形状に沿って変形する。
無論、本発明では、上記歯部22と溝部23を交互に有するモールド20に代えて、円周方向に沿って所定の間隔で溝部を設けた内母型を装着したモールドを使用することもできる。
コグパッド30の一方の切断部32は、図4に示すようにコグ山部28の頂部31で角度αが0〜10°に切断され、更にコグパッド30を反転させて他方の切断部33も同様にコグ山部29で逆方向へ傾斜するように切断される。上記コグパッド30をエンドレスにするとき、切断面が良好に密着する。
成形機(図示せず)にモールド20を装着し、モールドの溝部22にコグパッドのコグ山部29を嵌合しながら、所定長さのコグパッド30をモールド20に一周巻き付けてカット端部を面接触させてジョイント部35aを形成した後、接着ゴム層になる未加硫ゴムシート440の積層体を巻き付ける。そして、心線41をスパイラルに巻き付け、その上に1〜数枚の補強布42と伸張ゴム層の未加硫ゴムシート43の積層物を巻き付けてそのカット端部を面接触させて他のジョイント部35bを形成し、成形体25を作製する。
そして、本実施例では、成形機から取り出した溝付きモールド20を支持台上に設置し、円周方向に沿って所定の間隔で設けた凹状部を有する加硫ゴム製の円筒状母型、ジャケット(図示せず)を嵌入する。
最終工程として、成形体を加硫缶へ移して通常の方法で加硫を行う。加硫した後、ジャケット、母型、続いて円筒状のスリーブを溝付きモールド20から抜き取り、スリーブを所定幅に切断して図1に示すようなコグドベルト1に仕上げる。
以下、更に具体的な実験例により本発明の効果を確認する。
実施例1〜3、比較例1
表3に示す経糸と緯糸を用いて所定の密度からなるスダレを用いた。経糸はPBO繊維を表1に示す前処理液に浸漬した後、200°Cで1分間熱処理した。次に表2に示すRFL液に浸漬した後、200°Cで1分間熱処理した。
Figure 2006153038
Figure 2006153038
心線として1,500デニールのアラミド繊維(商品名:トワロン)を上撚り数19.7回/10cm、下撚り数15.8回/10cmで上下逆方向に撚糸して2×3の撚り構成とし、トータルデニール9,000の未処理コードを準備した。次いで、この未処理コードをイソシアネート系接着剤でプレディプした後、約170〜180°Cで乾燥し,RFL液に浸漬した後、200〜240°Cで延伸熱固定処理を行ない処理コードにした。
補強布として、アラミド繊維(商品名:トワロン)とポリエチレンテレフタレート繊維を重量比で50:50の混撚糸を使用したワイドアングルの平織帆布を用いた。これらの帆布をRFL液に浸漬した後、150°Cで2分間熱処理して処理帆布とした。その後、これらの処理帆布にゴム組成物をフリクション・コーチングして、ゴム付帆布とした。
圧縮ゴム層と伸張ゴム層はアラミドの短繊維を含んだクロロプレンゴムからなるゴム組成物を用い、また接着ゴム層は短繊維を含まないクロロプレンゴムからなるゴム組成物を用いた。
コグパッドとして、1枚の補強布、所定厚みの圧縮ゴム層用シート(1層目)、1枚のスダレ、所定厚みの圧縮ゴム層用シート(2層目)との積層物を、歯部と溝部を交互に配した平坦なコグ付き型に設置し、75°Cで加圧することによってコグ部を型付けしたコグパッドに形成した。上記コグパッドの両端をコグ山部の頂部から垂直に切断した。
これらの材料を用意した後、モールドに装着した内母型にコグパッドを巻き付けてジョイントし、更に所定厚みの圧縮ゴム層用シートと接着ゴム用シートと予め積層したシートを他の位置でジョイントした後、心線、平坦な伸張ゴム層、補強布を順次巻き付けて成形体を作製した。続いて、モールドを支持台の所定位置に設置した後、円周方向に沿って所定の間隔で設けた凹状部を有する加硫ゴム製の円筒状母型を挿入した。その後、ジャケットを被せてモールドを加硫缶に設置し、加硫してベルトスリーブを得た。このスリーブをカッターによってV状に切断してダブルコグドベルトである変速ベルト(サイズ:上幅29.8mm、厚さ16.4mm、外周長866mm)に仕上げた。
尚、比較例1では、スダレを使用していない。
得られたベルトのアップダウンサイクル走行試験によるベルト寿命とその故障原因を測定した。その結果を表3に併記する。
アップダウンサイクル走行試験では、上記ベルトを直径167.4mmの駆動プーリと直径133.0mmの従動プーリからなる2軸の横型走行試験機に懸架し、従動プーリに荷重330kgfをかけ、そして駆動プーリの回転を18秒間で1,100から7,000rpmまで増速した後、その後17秒間で1,100rpmまで減速し、これをベルトの寿命まで繰り返し行った。雰囲気温度は110℃であった。
Figure 2006153038
この結果、実施例では比較例に比べて走行寿命もほぼ同じであることが判った。
本発明の伝動ベルトは、スノーモービル、スクーター及び一般産業用の変速ベルトに好適である。
図1は本発明に係る伝動用ベルトの部分正面図である。 図2は本発明に係る他の伝動用ベルトの部分正面図である。 本発明に係る伝動用ベルトをモールド上で成形体を作製する状態を示す図である。 本発明に係る伝動用ベルトの使用するコグパッドの斜視図である。
符号の説明
1 伝動用ベルト
2 接着ゴム層
3 心線
4 補強布
5 ゴム層
6 伸張ゴム層
7 圧縮ゴム層
8 コグ谷部
9 コグ山部
11 上コグ部
12 下コグ部
13 スダレ
14a 経糸
14b 緯糸

Claims (4)

  1. 心線を埋設した接着ゴム層に隣接して圧縮ゴム層と伸張ゴム層を配し、圧縮ゴム層がコグ山部とコグ谷部を交互に配したコグ部を有している伝動用ベルトにおいて、少なくとも圧縮ゴム層にポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維をベルト幅方向に配した経糸からなるスダレを少なくとも1層埋設したことを特徴とする伝動用ベルト。
  2. スダレはベルト幅方向に配した経糸がポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維からなり、ベルト長手方向に配した緯糸が綿糸から構成される請求項1記載の伝動用ベルト。
  3. 伸張ゴム層はコグ山部とコグ谷部を交互に配したコグ部を有している請求項1または2記載の伝動用ベルト。
  4. スダレは伸張ゴム層にも埋設されている請求項1乃至3の何れかに記載の伝動用ベルト。
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