JP2006152213A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合し、凝固、乾燥してなる変性天然ゴムを含むゴム組成物をトレッドゴムに用いた空気入りタイヤ。
Description
まず、本発明の空気入りタイヤを構成するゴム組成物に含まれる変性天然ゴムについて説明する。
(1)アニリノスチレン、β−フェニル−p−アニリノスチレン、β−シアノ−p−アニリノスチレン、β−シアノ−β−メチル−p−アニリノスチレン、β−クロロ−p−アニリノスチレン、β−カルボキシ−p−アニリノスチレン、β−メトキシカルボニル−p−アニリノスチレン、β−(2−ヒドロキシエトキシ)カルボニル−p−アニリノスチレン、β−ホルミル−p−アニリノスチレン、β−ホルミル−β−メチル−p−アニリノスチレン、α−カルボキシ−β−カルボキシ−β−フェニル−p−アニリノスチレン等のようなアニリノスチレン類
(2)アニリノフェニルブタジエン、1−アニリノフェニル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−3−メチル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−3−クロロ−1,3−ブタジエン、3−アニリノフェニル−2−メチル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−3−メチル−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−3−クロロ−1,3−ブタジエン等のアニリノフェニルブタジエン類
(3)N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド等のN−モノ置換(メタ)アクリルアミド類
等が挙げられる。
次に本発明に係るゴム組成物のゴム成分として好適に用いられる変性共役ジエン系重合体について説明する。この変性共役ジエン系重合体は、次の要件を満たすことが好ましい。
(2) 前記窒素を含む官能基が、下記式(I):
で表される置換アミノ基、及び下記式(II):
で表される環状アミノ基からなる群から選択される。
(3) 前記変性共役ジエン系重合体が、下記式(III):
R3 aZXb ・・・ (III)
[式中、R3は、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数7〜20のアラルキル基からなる群から選択され;Zは、スズ又はケイ素であり;Xは、それぞれ独立して塩素又は臭素であり;aは0〜3で、bは1〜4で、但し、a+b=4である]
又は下記式(IV):
R3 cZdXe ・・・ (IV)
[式中、R3、Z及びXは、上記と同義であり;cは0〜2(d+1)−1で、dは2以
上で、eは1〜2(d+1)で、但し、c+e=2(d+1)である]
で表されるカップリング剤から誘導される少なくとも一種のスズ−炭素結合又はケイ素−炭素結合を有する。
(4) 活性末端を有するジエン系重合体の該末端に、分子中に酸無水物基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させてなり、該分子中に酸無水物基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物が、下記式(V):
で表される構造を有する。
(5) 前記共役ジエン系重合体が、1,3-ブタジエンとビニル芳香族化合物との共重合体又は1,3-ブタジエンの単独重合体である。
(6) 前記ビニル芳香族化合物がスチレンである。
(7) 重量平均分子量(Mw)が5万以上70万未満である。
(8) ガラス転移点(Tg)が0℃以下である。
(9) 前記共役ジエン系重合体が、有機アルカリ金属化合物又は希土類金属化合物を用いて重合したものである。
(10) 前記有機アルカリ金属化合物がアルキルリチウムである。
本発明に係るゴム組成物のゴム成分は、その100重量部中に前記変性天然ゴムを10重量部以上含むことが好ましく、特に前記変性天然ゴムを20〜80重量部、前記変性共役ジエン系重合体を80〜20重量部で合計100重量部、とりわけ前記変性天然ゴムを40〜60重量部、前記変性共役ジエン系重合体を60〜40重量部で合計100重量部含むことが好ましい。この配合よりも変性天然ゴムの含有量が少なく、変性共役ジエン系重合体が多いと、この変性天然ゴムを配合したことによるカーボンブラックの分散性改良効果を十分に得ることができず、変性天然ゴムが多く、変性共役ジエン系重合体が少ないとグリップ性能、耐摩耗性等の共役ジエンに由来する性能が低下する。
次に本発明に係るゴム組成物に配合されるフィラーについて説明する。
本発明に係るゴム組成物は、フィラーとして、カーボンブラック或いはカーボンブラックとシリカ及び/又は無機充填材とを含有することが好ましい。
本発明においては、ゴム組成物中に更にシランカップリング剤を含むことが好ましく、シランカップリング剤の配合によりシリカの分散向上という効果を得ることができる。
本発明に係るゴム組成物には、上述のゴム成分、カーボンブラック、シリカ及び/又は無機充填材、シランカップリング剤の他、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、酸化亜鉛、ステアリン酸等のゴム業界で通常使用される配合剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択し配合することができる。これら配合剤は、市販品を好適に使用することができる。なお、上記ゴム組成物は、ゴム成分に、カーボンブラック及びシリカ等と共に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明の空気入りタイヤは、上述のゴム組成物をトレッドゴムに用いたことを特徴とする。
(1)天然ゴムラテックスの変性反応工程
フィールドラテックスをラテックスセパレーター(斎藤遠心工業製)を用いて回転数7500rpmで遠心分離して乾燥ゴム濃度60%の濃縮ラテックスを得た。この濃縮ラテックス1000gを、撹拌機、温調ジャケットを備えたステンレス製反応容器に投入し、予め10mlの水と90mgの乳化剤(エマルゲン1108,花王株式会社製)を4−ビニルピリジン3.0gに加えて乳化したものを990mlの水とともに添加し、これらを窒素置換しながら30分間撹拌した。次いで、重合開始剤としてtert−ブチルヒドロパーオキサイド1.2gとテトラエチレンペンタミン1.2gとを添加し、40℃で30分間反応させることにより、変性天然ゴムラテックスを得た。
次いで、ギ酸を添加してpHを4.7に調整することにより、変性天然ゴムラテックスを凝固させた。このようにして得た固形物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化し、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥して変性天然ゴムAを得た。このようにして得た変性天然ゴムAの重量から極性基含有単量体としての4−ビニルピリジンの転化率は100%であることが確認された。また、該変性天然ゴムを石油エーテルで抽出し、さらにアセトンとメタノールの2:1混合溶媒で抽出することによりホモポリマーの分離を行ったところ、抽出物の分析からホモポリマーは検出されず、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることを確認した。
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3-ブタジエン40g、スチレン10gと共に、ジテトラヒドロフリルプロパン0.2mmol及びヘキサメチレンイミン(HMI)0.48mmolを加え、更にn-ブチルリチウム(n-BuLi)0.48mmolを加えた後、50℃で1.5時間重合反応を行った。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。次に、重合反応系に、変性剤として四塩化スズ0.12mmolを速やかに加え、更に50℃で30分間変性反応を行った。その後、重合反応系に、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液(BHT濃度:5質量%)0.5mLを加えて、重合反応を停止させ、更に常法に従って乾燥して変性共役ジエン系重合体を得た。
(1) 数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー製HLC−8020、カラム:東ソー製GMH−XL(2本直列)、検出器:示差屈折率計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として、各重合体のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を求めた。
(2) 結合スチレン含有量
重合体の結合スチレン含有量を1H-NMRスペクトルの積分比より求めた。
(3) ガラス転移点
パーキンエルマー社製の示差熱分析機(DSC)7型装置を用い、各重合体を-100℃まで冷却した後に10℃/minの昇温速度で昇温して、各重合体のガラス転移点を測定した。
表1に示す配合のゴム組成物について、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
また、評価結果はいずれも比較例3の場合を100として相対値で示した。
[使用材料]
スチレン−ブタジエンゴム:JSR SL563
天然ゴム:RSS3
変性天然ゴム:製造例1で製造した4−ビニルピリジン0.5%変性天然ゴム
変性共役ジエン系重合体:製造例2で製造した変性共役ジエン系重合体
シリカ:東ソーシリカ社製「ニプシルAQ」
カーボンブラック:N234degussa社製「N234」
シランカップリング剤:Degussa社製シランカップリング剤Si69(ビス(3
−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
老化防止剤:6PPD N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェ
ニレンジアミン
加硫促進剤A:TBBS
加硫促進剤B:DPG
[評価]
[1] 加工性:ムーニー粘度から算出された指数(大が良)
[2] 転がり抵抗:上島製作所製粘弾性試験機 測定TANδ 50HZから算出された
指数(大が良) 1%歪 60゜
[3] 耐摩耗性:ランボーン試験機から算出された指数(大が良)
[4] WETスキッド性:タイヤ トレーラーμ 195/65R15から算出された指
数(大が良)
Claims (13)
- 天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合し、凝固、乾燥してなる変性天然ゴムを含むゴム組成物をトレッドゴムに用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
- 請求項1において、前記ゴム組成物中に、前記変性天然ゴムを全ゴム成分の10重量%以上含有することを特徴とする空気入りタイヤ。
- 請求項1又は2において、前記極性基が、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基、含酸素複素環基、アルコキシシリル基及びスズ含有基から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする空気入りタイヤ。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記極性基含有単量体のグラフト量が天然ゴムラテックスのゴム分に対し0.01〜5.0重量%であることを特徴とする空気入りタイヤ。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記ゴム組成物中に変性共役ジエン系重合体を含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
- 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記ゴム組成物中にカーボンブラックを含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
- 請求項1ないし6のいずれか1項において、前記ゴム組成物中にシリカ及び/又は無機充填材を含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
- 請求項1ないし7のいずれか1項において、前記ゴム組成物中にシランカップリング剤を含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
- 請求項6ないし8のいずれか1項において、前記カーボンブラックが、HAF、ISAF、及びSAFよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする空気入りタイヤ。
- 請求項7ないし9のいずれか1項において、前記シリカが表面改質シリカであることを特徴とする空気入りタイヤ。
- 請求項5ないし10のいずれか1項において、前記ゴム組成物がゴム成分として前記変性天然ゴム20〜80重量部と前記変性共役ジエン系重合体80〜20重量部とを合計で100重量部含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
- 請求項7ないし11のいずれか1項において、前記ゴム組成物中のカーボンブラックとシリカ及び/又は無機充填材との合計の含有量がゴム成分100重量部に対して30〜120重量部であり、カーボンブラックとシリカ及び/又は無機充填材との合計に占めるカーボンブラックの割合が20重量%以上であることを特徴とする空気入りタイヤ。
- 請求項8ないし12のいずれか1項において、前記ゴム組成物中のシランカップリング剤の含有量が前記シリカ及び/又は無機充填材の重量に対して1〜20重量%であることを特徴とする空気入りタイヤ。
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