JP2006152213A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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【課題】耐摩耗性や耐破壊特性等を損なうことなく、加工性、低燃費性、WETグリップ性能が改善された空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合し、凝固、乾燥してなる変性天然ゴムを含むゴム組成物をトレッドゴムに用いた空気入りタイヤ。

Description

本発明は、耐摩耗性や耐破壊特性等を損なうことなく、加工性、低燃費性、WETグリップ性能が改善された空気入りタイヤに関する。
近年、各種産業分野では、社会の要求として省資源化・排出ガス規制などが問われており、空気入りタイヤにも低燃費化が必要とされている。また、安全性の面からはWETグリップ性能が必要となっており、これらのニーズに応える開発が進められている。
従来、空気入りタイヤのトレッドゴムには、天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとをブレンドしてなるゴム成分にカーボンブラックを配合してなるゴム組成物が用いられている。このようなゴム組成物においてスチレン−ブタジエンゴムとしてスズ変性スチレン−ブタジエンゴムの適用、カーボンブラックの配合量の低減、天然ゴムのブレンド等により、要求性能のバランスを図る工夫がなされてきたが十分な効果は得られていない。また、シリカ用シラン変性SBRの適用によりシリカの配合を容易としたものも提案されているが、耐破壊性において十分でないために、天然ゴムのブレンド系において、加工性、WETスキッド性能などを満足することは困難であった。
本発明は、上記従来の問題点を解決し、耐摩耗性や耐破壊特性等を損なうことなく、加工性、低燃費性、WETグリップ性能が改善された空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の空気入りタイヤは、天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合し、凝固、乾燥してなる変性天然ゴムを含むゴム組成物をトレッドゴムに用いたことを特徴とする。
請求項2の空気入りタイヤは、請求項1において、前記ゴム組成物中に、前記変性天然ゴムを全ゴム成分の10重量%以上含有することを特徴とする。
請求項3の空気入りタイヤは、請求項1又は2において、前記極性基が、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基、含酸素複素環基、アルコキシシリル基及びスズ含有基から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする。
請求項4の空気入りタイヤは、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記極性基含有単量体のグラフト量が天然ゴムラテックスのゴム分に対し0.01〜5.0重量%であることを特徴とする。
請求項5の空気入りタイヤは、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記ゴム組成物中に変性共役ジエン系重合体を含むことを特徴とする。
請求項6の空気入りタイヤは、請求項1ないし5のいずれか1項において、前記ゴム組成物中にカーボンブラックを含むことを特徴とする。
請求項7の空気入りタイヤは、請求項1ないし6のいずれか1項において、前記ゴム組成物中にシリカ及び/又は無機充填材を含むことを特徴とする。
請求項8の空気入りタイヤは、請求項1ないし7のいずれか1項において、前記ゴム組成物中にシランカップリング剤を含むことを特徴とする。
請求項9の空気入りタイヤは、請求項6ないし8のいずれか1項において、前記カーボンブラックが、HAF、ISAF、及びSAFよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする。
請求項10の空気入りタイヤは、請求項7ないし9のいずれか1項において、前記シリカが表面改質シリカであることを特徴とする。
請求項11の空気入りタイヤは、請求項5ないし10のいずれか1項において、前記ゴム組成物がゴム成分として前記変性天然ゴム20〜80重量部と前記変性共役ジエン系重合体80〜20重量部とを合計で100重量部含むことを特徴とする。
請求項12の空気入りタイヤは、請求項7ないし11のいずれか1項において、前記ゴム組成物中のカーボンブラックとシリカ及び/又は無機充填材との合計の含有量がゴム成分100重量部に対して30〜120重量部であり、カーボンブラックとシリカ及び/又は無機充填材との合計に占めるカーボンブラックの割合が20重量%以上であることを特徴とする。
請求項13の空気入りタイヤは、請求項8ないし12のいずれか1項において、前記ゴム組成物中のシランカップリング剤の含有量が前記シリカ及び/又は無機充填材の重量に対して1〜20重量%であることを特徴とする。
本発明によれば、ゴム成分として、天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合し、凝固、乾燥してなる変性天然ゴムを用いることにより、スチレン−ブタジエンゴムと天然ゴムとのブレンド系においてフィラー、特にシリカの分散性を改良して、加工性、低燃費性を改良することができる。更に、シリカ分散を改良できる両ポリマーが適用できることにより配合設計自由度が高くなる。また、改質シリカ適用により更に耐摩耗、低燃費化を実現できる。また、燃費同等で従来より多くのシリカを使用することもできるため、WETグリップ性能を改良することができる。
このようなことから、本発明によれば、耐摩耗性や耐破壊特性等を損なうことなく、加工性、低燃費性、WETグリップ性能が改善された空気入りタイヤを提供することができる。
以下に本発明の空気入りタイヤの実施の形態を詳細に説明する。
[変性天然ゴム]
まず、本発明の空気入りタイヤを構成するゴム組成物に含まれる変性天然ゴムについて説明する。
本発明に係る変性天然ゴムは、天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合し、凝固、乾燥してなるものである。
本発明に用いる天然ゴムラテックスは通常のものであって、フィールドラテックス、アンモニア処理ラテックス、遠心分離濃縮ラテックス、界面活性剤や酵素で処理した脱蛋白ラテックス及びこれらを組合せたもの等を挙げることができる。
本発明に用いる極性基含有単量体としては、分子内に少なくとも一つの極性基を有する単量体であれば特に制限されない。この極性基含有単量体が有する極性基の具体例としては、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基及び含酸素複素環基、アルコキシシリル基及びスズ含有基等を挙げることができる。これらの極性基を含有する単量体は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。極性基含有単量体は、これらの極性基の1種のみを含有していても良く、2種以上を含有していても良い。
以下に、極性基含有単量体の具体例を挙げる。
アミノ基含有単量体としては、1分子中に第1級、第2級及び第3級アミノ基から選ばれる少なくとも1つのアミノ基を有する重合性単量体がある。その中でも、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等のような第3級アミノ基含有単量体が特に好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
第1級アミノ基含有単量体としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、4−ビニルアニリン、アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
第2級アミノ基含有単量体としては、例えば、
(1)アニリノスチレン、β−フェニル−p−アニリノスチレン、β−シアノ−p−アニリノスチレン、β−シアノ−β−メチル−p−アニリノスチレン、β−クロロ−p−アニリノスチレン、β−カルボキシ−p−アニリノスチレン、β−メトキシカルボニル−p−アニリノスチレン、β−(2−ヒドロキシエトキシ)カルボニル−p−アニリノスチレン、β−ホルミル−p−アニリノスチレン、β−ホルミル−β−メチル−p−アニリノスチレン、α−カルボキシ−β−カルボキシ−β−フェニル−p−アニリノスチレン等のようなアニリノスチレン類
(2)アニリノフェニルブタジエン、1−アニリノフェニル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−3−メチル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−3−クロロ−1,3−ブタジエン、3−アニリノフェニル−2−メチル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−3−メチル−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−3−クロロ−1,3−ブタジエン等のアニリノフェニルブタジエン類
(3)N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド等のN−モノ置換(メタ)アクリルアミド類
等が挙げられる。
第3級アミノ基含有単量体としては、N,N−ジ置換アミノアルキルアクリレート、N,N−ジ置換アミノアルキルアクリルアミド、ピリジル基を有するビニル化合物等が挙げられる。
上記のN,N−ジ置換アミノアルキルアクリレートとしては、例えばN,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジヘキシルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジオクチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン等のアクリル酸又はメタクリル酸のエステル等が挙げられる。特に、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジオクルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が好ましい。
また、N,N−ジ置換アミノアルキルアクリルアミドとしては、例えばN,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド化合物又はメタクリルアミド化合物等が挙げられる。これらのうち、特に、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が好ましい。
また、アミノ基の代わりに含窒素複素環基を有するものであっても良く、含窒素複素環としては、例えばピロール、ヒスチジン、イミダゾール、トリアゾリジン、トリアゾール、トリアジン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、キノリン、プリン、フェナジン、プテリジン、メラミン等が挙げられる。含窒素複素環は、他のヘテロ原子を環中に含んでいても良い。
また、ピリジル基を有するビニル化合物としては、例えば、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、5−メチル−2−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン等が挙げられる。これらのうち特に、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等が好ましい。
ニトリル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデン等が挙げられる。
ヒドロキシル基含有単量体としては、1分子中に少なくとも1つの第1級、第2級及び第3級ヒドロキシル基を有する重合性単量体が挙げられる。かかる単量体としては、例えばヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体、ヒドロキシル基含有ビニルエーテル系単量体、ヒドロキシル基含有ビニルケトン系単量体等がある。このようなヒドロキシル基含有単量体の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のようなポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数が、例えば2〜23である。)のモノ(メタ)アクリレート類;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有不飽和アミド類;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、m−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルアルコール等のヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物類;(メタ)アクリレート類がある。これらの中で、ヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物が好ましく、特にヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体が好ましい。ヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のエステル、アミド、無水物等の誘導体であり、特にアクリル酸、メタクリル酸等のエステル化合物が好ましい。
カルボキシル基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラコン酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸類;又はフタル酸、琥珀酸、アジピン酸等の非重合性多価カルボン酸と、(メタ)アリルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和化合物とのモノエステルのような遊離カルボキシル基含有エステル類及びその塩等が挙げられる。これらの中で、不飽和カルボン酸類が特に好ましい。
エポキシ基含有単量体としては、(メタ)アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−オキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルコキシシリル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリプロポキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジプロポキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルフェノキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジベンジロキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルベンジロキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、6−トリメトキシシリル−1,2−ヘキセン、p−トリメトキシシリルスチレン等を挙げることができる。
本発明に用いるスズ含有単量体としては、アリルトリ−n−ブチルスズ、アリルトリメチルスズ、アリルトリフェニルスズ、アリルトリ−n−オクチルスズ、(メタ)アクリルオキシ−n−ブチルスズ、(メタ)アクリルオキシトリメチルスズ、(メタ)アクリルオキシトリフェニルスズ、(メタ)アクリルオキシ−n−オクチルスズ、ビニルトリ−n−ブチルスズ、ビニルトリメチルスズ、ビニルトリフェニルスズ、ビニルトリ−n−オクチルスズ等を挙げることができる。
本発明に係る変性天然ゴムは、例えば天然ゴムラテックスに極性基含有単量体を添加し、さらにグラフト重合用の開始剤を加えた後、乳化重合を行い、次いで生成重合物を凝固、乾燥することにより得ることができる。
グラフト重合用の開始剤としては、特に限定はなく種々の開始剤、例えば乳化重合用の開始剤を用いることができ、その添加方法についても特に限定はない。一般に用いられる開始剤の例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、クメンヒドロパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロライド、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。なお、重合温度を低減させるためには、レドックス系の重合開始剤を用いるのが好ましい。かかるレドックス系重合開始剤に用いる過酸化物と組合せる還元剤としては、例えばテトラエチレンペンタミン、メルカプタン類、酸性亜硫酸ナトリウム、還元性金属イオン、アスコルビン酸等が挙げられる。特に、tert−ブチルヒドロパーオキサイドとテトラエチレンペンタミンとの組合せがレドックス系重合開始剤として好ましい。
本発明で行うグラフト重合は、前述の極性基含有単量体を天然ゴムラテックス中に添加し、所定の温度で撹拌しながら重合する一般的な乳化重合で良い。ここで、予め極性基含有単量体に水と乳化剤を加え、十分に乳化させたものを天然ゴムラテックス中に添加しても良いし、極性基含有単量体を直接天然ゴムラテックス中に添加し、必要に応じて単量体の添加前又は添加後に乳化剤を添加しても良い。
乳化剤としては、特に限定されず、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のようなノニオン系の界面活性剤が挙げられる。
ゴム組成物にカーボンブラックやシリカと配合した際の加工性を低下させることなく、本発明の効果を有効に発揮させることを考慮すると、天然ゴムの分子に対し万遍なく少量の極性基を導入することが重要であり、このために重合開始剤の添加量は極性基含有単量体100モルに対し1〜100モル%が好ましく、10〜100モル%がより好ましい。
本発明に係る変性天然ゴムは、上述した各成分を反応容器に仕込み、30〜80℃で10分〜7時間反応させてグラフト重合を行うことにより、変性天然ゴムラテックスを得、この変性天然ゴムラテックスを凝固し、洗浄後、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー等の乾燥機を用いて乾燥することにより得ることができる。
本発明に係る変性天然ゴムにおいて、極性基含有単量体のグラフト量は天然ゴムラテックスのゴム分に対し0.01〜5.0重量%が好ましく、0.1〜3.0重量%がより好ましく、0.2〜1.0重量%が特に好ましい。極性基含有単量体のグラフト量が0.01重量%未満の場合、この変性天然ゴムを用いることによる本発明の効果を十分に得ることができず、5.0重量%を超えると、粘弾性、S−S特性(引張試験機における応力−歪曲線)等の天然ゴム本来の優れた特性が損なわれると共に、加工性が低下するおそれがある。
[変性共役ジエン系重合体]
次に本発明に係るゴム組成物のゴム成分として好適に用いられる変性共役ジエン系重合体について説明する。この変性共役ジエン系重合体は、次の要件を満たすことが好ましい。
(1) 分子中に窒素を含む官能基を2つ以上、好ましくは、5つ以上有する。
(2) 前記窒素を含む官能基が、下記式(I):
Figure 2006152213
[式中、R1は、それぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基である]
で表される置換アミノ基、及び下記式(II):
Figure 2006152213
[式中、R2は、3〜16のメチレン基を有するアルキレン基、置換アルキレン基、オキシアルキレン基又はN-アルキルアミノ-アルキレン基を示す]
で表される環状アミノ基からなる群から選択される。
(3) 前記変性共役ジエン系重合体が、下記式(III):
3 aZXb ・・・ (III)
[式中、R3は、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数7〜20のアラルキル基からなる群から選択され;Zは、スズ又はケイ素であり;Xは、それぞれ独立して塩素又は臭素であり;aは0〜3で、bは1〜4で、但し、a+b=4である]
又は下記式(IV):
3 cde ・・・ (IV)
[式中、R3、Z及びXは、上記と同義であり;cは0〜2(d+1)−1で、dは2以
上で、eは1〜2(d+1)で、但し、c+e=2(d+1)である]
で表されるカップリング剤から誘導される少なくとも一種のスズ−炭素結合又はケイ素−炭素結合を有する。
(4) 活性末端を有するジエン系重合体の該末端に、分子中に酸無水物基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させてなり、該分子中に酸無水物基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物が、下記式(V):
Figure 2006152213
[式中、A1は炭素数1〜20の二価の炭化水素基、R4〜R6は、それぞれ独立して炭素数1〜12の一価の炭化水素基、R7は水素原子又は炭素数1〜12の一価の炭化水素基を示し、R6とR7はたがいに結合して環構造を形成していてもよく、nは2又は3であり、各R4Oは互いに同一でも異なっていてもよい]
で表される構造を有する。
(5) 前記共役ジエン系重合体が、1,3-ブタジエンとビニル芳香族化合物との共重合体又は1,3-ブタジエンの単独重合体である。
(6) 前記ビニル芳香族化合物がスチレンである。
(7) 重量平均分子量(Mw)が5万以上70万未満である。
(8) ガラス転移点(Tg)が0℃以下である。
(9) 前記共役ジエン系重合体が、有機アルカリ金属化合物又は希土類金属化合物を用いて重合したものである。
(10) 前記有機アルカリ金属化合物がアルキルリチウムである。
以下に、この変性共役ジエン系重合体についてより詳細に説明する。
この変性共役ジエン系重合体は、分子中に窒素を含む官能基を2つ以上有するものが好ましく、窒素を含む官能基を5つ以上有するのがより好ましく、6つ以上有するのが更に好ましい。窒素を含む官能基の数が5つ以上の場合、充填剤の分散性を改良する効果が大きく、ゴム組成物の破壊特性、耐摩耗性及び低発熱性を大きく向上させることができる。また、窒素を含む官能基としては、前記式(I)の置換アミノ基及び前記式(II)の環状アミノ基が好ましい。
窒素を含む官能基を2つ以上有する変性共役ジエン系重合体は、例えば、有機アルカリ金属化合物と二級アミンとから生成させたアルカリ金属アミド化合物を重合開始剤として用いてアニオン重合を行い、重合開始末端に窒素含有官能基を有し、他方の末端が重合活性部位(活性末端)である共役ジエン系重合体を製造し、次に、重合活性部位をカップリング剤でカップリングするか、変性剤として含窒素化合物を用いて重合活性部位を変性することで得られる。
ここで、有機アルカリ金属化合物としては、有機リチウム化合物が好ましい。なお、重合開始剤としての有機アルカリ金属化合物の使用量は、単量体100g当り0.2〜20mmolの範囲が好ましい。また、二級アミンは、有機アルカリ金属化合物と当量用いるのが好ましい。また、アルカリ金属アミド化合物は、有機アルカリ金属化合物と二級アミンから予備調製して重合反応に用いてもよいが、重合系中で生成させてもよい。
上記有機リチウム化合物と二級アミンとから、式:Li−AM[式中、AMは、前記式(I)で表される置換アミノ基又は式(II)で表される環状アミノ基である]で表されるリチウムアミド化合物を生成させ、該リチウムアミド化合物を重合開始剤として用いることで、式(I)で表される置換アミノ基及び式(II)で表される環状アミノ基からなる群から選択される少なくとも一種の窒素を含む官能基が重合開始末端に導入された変性共役ジエン系重合体が得られる。
式(I)において、R1は、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、3-フェニル-1-プロピル基及びイソブチル基等が好適に挙げられる。なお、R1は、それぞれ同じでも異なってもよい。
また、式(II)において、R2は、3〜16個のメチレン基を有するアルキレン基、置換アルキレン基、オキシアルキレン基又はN-アルキルアミノ-アルキレン基である。ここで、置換アルキレン基には、一置換から八置換のアルキレン基が含まれ、置換基としては、炭素数1〜12の鎖状若しくは分枝状アルキル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基が挙げられる。また、R2として、具体的には、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オキシジエチレン基、N-アルキルアザジエチレン基、ドデカメチレン基及びヘキサデカメチレン基等が好ましい。
上記有機リチウム化合物としては、エチルリチウム、n-プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-オクチルリチウム、n-デシルリチウム、フェニルリチウム、2-ナフチルリチウム、2-ブチル-フェニルリチウム、4-フェニル-ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物等が挙げられ、これらの中でも、エチルリチウム、n-プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-オクチルリチウム、n-デシルリチウム等のアルキルリチウムが好ましく、n-ブチルリチウムが特に好ましい。
一方、二級アミンとしては、式(I)の置換アミノ基を重合開始末端に導入する場合は、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジアリルアミン、ブチルイソプロピルアミン、ジベンジルアミン、メチルベンジルアミン、メチルヘキシルアミン、エチルヘキシルアミン等を用いるのが好ましく、式(II)の環状アミノ基を重合開始末端に導入する場合は、アザシクロヘプタン(即ち、ヘキサメチレンイミン)、2-(2-エチルヘキシル)ピロリジン、3-(2-プロピル)ピロリジン、3,5-ビス(2-エチルヘキシル)ピペリジン、4-フェニルピペリジン、7-デシル-1-アザシクロトリデカン、3,3-ジメチル-1-アザシクロテトラデカン、4-ドデシル-1-アザシクロオクタン、4-(2-フェニルブチル)-1-アザシクロオクタン、3-エチル-5-シクロヘキシル-1-アザシクロヘプタン、4-ヘキシル-1-アザシクロヘプタン、9-イソアミル-1-アザシクロヘプタデカン、2-メチル-1-アザシクロヘプタデセ-9-エン、3-イソブチル-1-アザシクロドデカン、2-メチル-7-t-ブチル-1-アザシクロドデカン、5-ノニル-1-アザシクロドデカン、8-(4'-メチルフェニル)-5-ペンチル-3-アザビシクロ[5.4.0]ウンデカン、1-ブチル-6-アザビシクロ[3.2.1]オクタン、8-エチル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1-プロピル-3-アザビシクロ[3.2.2]ノナン、3-(t-ブチル)-7-アザビシクロ[4.3.0]ノナン、1,5,5-トリメチル-3-アザビシクロ[4.4.0]デカン等の環状アミンを用いるのが好ましい。
上記有機リチウム化合物と二級アミンとから生成させるリチウムアミド化合物として、具体的には、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジヘキシルアミド、リチウムジヘプチルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチムジ-2-エチルヘキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム-N-メチルピペラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムメチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド等が挙げられ、これらの中でも、リチウムヘキサメチレンイミドが好ましい。
また、窒素を含む官能基を2つ以上有する変性共役ジエン系重合体において、共役ジエン系重合体としては、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体、及び共役ジエン化合物の単独重合体が好ましく、1,3-ブタジエンとビニル芳香族化合物との共重合体、及び1,3-ブタジエンの単独重合体が特に好ましい。
単量体としての上記共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられ、これらの中でも、1,3-ブタジエンが特に好ましい。これら共役ジエン化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。一方、単量体としての上記ビニル芳香族化合物としては、スチレン、α-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、3-ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4-シクロヘキシルスチレン及び2,4,6-トリメチルスチレン等が挙げられ、これらの中でもスチレンが好ましい。これらビニル芳香族化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記有機アルカリ金属化合物及び二級アミンを用いて、アニオン重合により共役ジエン系重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、例えば、重合反応に不活性な炭化水素溶媒中で、共役ジエン化合物単独で、又は共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との混合物を重合させることで共役ジエン系重合体を製造することができる。ここで、重合反応に不活性な炭化水素溶媒としては、プロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1-ブテン、イソブテン、トランス-2-ブテン、シス-2-ブテン、1-ペンテン、2-ペンテン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
上記アニオン重合は、ランダマイザーの存在下で実施してもよい。該ランダマイザーは、共役ジエン化合物のミクロ構造を制御することができ、例えば、単量体としてブタジエンを用いた重合体のブタジエン単位の1,2-結合含量を制御したり、単量体としてスチレンとブタジエンを用いた共重合体のブタジエン単位とスチレン単位とをランダム化する等の作用を有する。上記ランダマイザーとしては、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン、1,2-ジピペリジノエタン、カリウム-t-アミレート、カリウム-t-ブトキシド、ナトリウム-t-アミレート等が挙げられる。これらランダマイザーの使用量は、重合開始剤の有機アルカリ金属化合物1モル当り0.01〜100モル当量の範囲が好ましい。
上記アニオン重合は、溶液重合、気相重合、バルク重合のいずれで実施してもよいが、溶液重合の場合、溶液中の上記単量体の濃度は、5〜50質量%の範囲が好ましく、10〜30質量%の範囲が更に好ましい。なお、単量体として、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物を併用する場合、単量体混合物中のビニル芳香族化合物の含有率は、3〜50質量%の範囲が好ましく、4〜45質量%の範囲が更に好ましい。また、重合形式は特に限定されず、回分式でも連続式でもよい。
上記アニオン重合の重合温度は、0〜150℃の範囲が好ましく、20〜130℃の範囲が更に好ましい。また、該重合は、発生圧力下で実施できるが、通常は、使用する単量体を実質的に液相に保つのに十分な圧力下で行うのが好ましい。ここで、重合反応を発生圧力より高い圧力下で実施する場合、反応系を不活性ガスで加圧するのが好ましい。また、重合に使用する単量体、重合開始剤、溶媒等の原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を予め除去したものを用いるのが好ましい。
また、本発明で用いる変性共役ジエン系重合体は、希土類金属化合物を用いて配位重合で製造してもよい。ここで、重合開始剤としては、下記(A)成分、(B)成分、(C)成分を組み合わせて用いるのが好ましい。
上記配位重合に用いる(A)成分は、希土類金属化合物、及び希土類金属化合物とルイス塩基との錯化合物等から選択される。ここで、希土類金属化合物としては、希土類元素のカルボン酸塩、アルコキサイド、β-ジケトン錯体、リン酸塩及び亜リン酸塩等が挙げられ、ルイス塩基としては、アセチルアセトン、テトラヒドロフラン、ピリジン、N,N-ジメチルホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエーテル、トリエチルアミン、有機リン化合物、1価又は2価のアルコール等が挙げられる。上記希土類金属化合物の希土類元素としては、ランタン、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウムが好ましく、これらの中でも、ネオジムが特に好ましい。また、(A)成分として、具体的には、ネオジムトリ-2-エチルヘキサノエート,それとアセチルアセトンとの錯化合物,ネオジムトリネオデカノエート,それとアセチルアセトンとの錯化合物,ネオジムトリn-ブトキシド等が挙げられる。これら(A)成分は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
上記配位重合に用いる(B)成分は、有機アルミニウム化合物から選択される。該有機アルミニウム化合物として、具体的には、式:R3Alで表されるトリヒドロカルビルアルミニウム化合物、式:R2AlH又はRAlH2で表されるヒドロカルビルアルミニウム水素化物(式中、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜30の炭化水素基である)、炭素数1〜30の炭化水素基をもつヒドロカルビルアルミノキサン化合物等が挙げられる。該有機アルミニウム化合物として、具体的には、トリアルキルアルミニウム,ジアルキルアルミニウムヒドリド,アルキルアルミニウムジヒドリド,アルキルアルミノキサン等が挙げられる。これらの化合物は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。なお、(B)成分としては、アルミノキサンと他の有機アルミニウム化合物とを併用するのが好ましい。
上記配位重合に用いる(C)成分は、加水分解可能なハロゲンを有する化合物又はこれらとルイス塩基の錯化合物;三級アルキルハライド、ベンジルハライド又はアリルハライドを有する有機ハロゲン化物;非配位性アニオン及び対カチオンからなるイオン性化合物等から選択される。かかる(C)成分として、具体的には、アルキルアルミニウム二塩化物、ジアルキルアルミニウム塩化物、四塩化ケイ素、四塩化スズ、塩化亜鉛とアルコール等のルイス塩基との錯体、塩化マグネシウムとアルコール等のルイス塩基との錯体、塩化ベンジル,塩化t-ブチル,臭化ベンジル,臭化t-ブチル、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。これら(C)成分は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
上記重合開始剤は、上記の(A),(B),(C)成分以外に、必要に応じて、重合用単量体と同じ共役ジエン化合物及び/又は非共役ジエン化合物を用いて予備的に調製してもよい。また、(A)成分又は(C)成分の一部又は全部を不活性な固体上に担持して用いてもよい。上記各成分の使用量は、適宜設定することができるが、通常、(A)成分は単量体100g当たり0.001〜0.5mmolである。また、モル比で(B)成分/(A)成分は5〜1000、(C)成分/(A)成分は0.5〜10が好ましい。
上記希土類金属化合物を用いた配位重合における重合温度は、-80〜150℃の範囲が好ましく、-20〜120℃の範囲が更に好ましい。また、使用する重合溶媒としては、上述のアニオン重合で例示した反応に不活性な炭化水素溶媒を用いることができ、反応溶液中の単量体の濃度もアニオン重合の場合と同様である。更に、配位重合における反応圧力もアニオン重合の場合と同様であり、反応に使用する原材料も、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を実質的に除去したものが望ましい。
上記重合活性部位(活性末端)を有する共役ジエン系重合体をカップリングするのに用いるカップリング剤としては、前記式(III)又は前記式(IV)で表されるカップリング剤が好ましい。式(III)又は式(IV)のカップリング剤で変性した共役ジエン系重合体は、少なくとも一種のスズ−炭素結合又はケイ素−炭素結合を有する。式(III)及び式(IV)において、R3は、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であり、該R3として、具体的には、メチル基、エチル基、n-ブチル基、ネオフィル基、シクロヘキシル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基等が挙げられる。また、Zは、スズ又はケイ素であり、Xは、それぞれ独立して塩素又は臭素である。
式(III)において、aは0〜3の整数で、bは1〜4の整数であり、但し、a+b=4である。式(III)のカップリング剤として、具体的には、四塩化スズ、R3SnCl3、R3 2SnCl2、R3 3SnCl、四塩化ケイ素、R3SiCl3、R3 2SiCl2、R3 3SiCl等が好ましく、四塩化スズ及び四塩化ケイ素が特に好ましい。一方、式(IV)において、cは0〜2(d+1)−1の整数で、dは2以上の整数で、eは1〜2(d+1)の整数で、但し、c+e=2(d+1)である。式(IV)のカップリング剤として、具体的には、Si2Cl6、Si3Cl8、R3Si2Cl5、R3 2Si2Cl4、R3 3Si2Cl3等が挙げられ、Si2Cl6が特に好ましい。
前記式(III)又は式(IV)のカップリング剤を用いることで、該カップリング剤中のXの数(即ち、b又はe)と同数の活性末端を有する共役ジエン系重合体をカップリングすることができる。従って、分子中に窒素を含む官能基を2つ以上有する変性共役ジエン系重合体を製造するためには、式(III)のb及び式(IV)のeは2以上であるのが好ましく、5つ以上有する変性共役ジエン系重合体を製造するためには、式(IV)で表され、eが5以上のカップリング剤を用いるのが好ましい。
一方、重合開始末端に窒素含有官能基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体を変性剤で変性して、窒素含有官能基を複数有する変性共役ジエン系重合体を得るにあたって、該変性剤としては、N,N'-ジエチルアミノベンゾフェノン、ジメチルイミダゾリジノン、N-メチルピロリドン、4-ジメチルアミノベンジリデンアニリン等の窒素含有化合物を用いることができる。また、変性剤として、窒素を含む官能基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物を用いることもでき、具体的には、イミノ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物、イミン(アミジン)基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物、イソシアネート基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物等が挙げられる。
上記イミノ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、N-(1,3-ジメチルブチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-(1-メチルエチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-エチリデン-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-(1-メチルプロピリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-(4-N,N-ジメチルアミノベンジリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン,N-(シクロヘキシリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン及びこれらのトリエトキシシリル化合物に対応するトリメトキシシリル化合物,メチルジエトキシシリル化合物,エチルジエトキシシリル化合物,メチルジメトキシシリル化合物,エチルジメトキシシリル化合物等を挙げることができ、これらの中でも、N-(1,3-ジメチルブチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミンが特に好ましい。
また、上記イミン(アミジン)基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、1-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-4,5-ジヒドロイミダゾール,1-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-4,5-ジヒドロイミダゾール,N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール,N-(3-イソプロポキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール,N-(3-メチルジエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール等が挙げられ、これらの中でも、N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾールが好ましい。
更に、上記イソシアネート基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリイソプロポキシシラン等が挙げられる。
また、重合開始末端に窒素含有官能基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体を変性剤で変性して、窒素含有官能基を複数有する変性共役ジエン系重合体を得るにあたって、該変性剤として、分子中に酸無水物基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物を用いることもでき、具体的には、前記式(V)で表される構造を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物を用いることができる。この場合、ヒドロカルビルオキシシラン化合物の残基がカップリングすることで、窒素含有官能基を複数有する変性共役ジエン系重合体が得られる。
式(V)において、A1で示される炭素数1〜20の二価の炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、炭素数7〜20のアラルキレン基等が挙げられ、これらの中でも、炭素数1〜20のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基は、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれでもよいが、直鎖状のものが特に好ましい。該直鎖状のアルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基等が挙げられる。
また、R4〜R6で示される炭素数1〜12の一価の炭化水素基及びR7のうちの炭素数1〜12の一価の炭化水素基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基等が挙げられる。ここで、上記アルキル基及びアルケニル基は、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれでもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビニル基、プロペニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。また、上記アリール基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。更に、上記アラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。R4〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、また、R6とR7は、互いに結合して環構造を形成していてもよい。即ち、酸無水物基は、非環状酸無水物基及び環状酸無水物基のいずれでもよい。また更に、nは2又は3であり、即ち、式(V)の化合物は、ヒドロカルビルオキシ基を2個又は3個有することになる。なお、複数の各R4Oは、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記式(V)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物において、非環状酸無水物基を有するものとしては、3-トリエトキシシリルプロピル無水酢酸、3-トリフェノキシシリルプロピル無水酢酸、3-トリメトキシシリルプロピル無水酢酸、3-ジエトキシ(メチル)シリルプロピル無水酢酸、3-ジメトキシ(メチル)シリルプロピル無水酢酸等が挙げられ、一方、環状酸無水物基を有するものとしては、3-トリエトキシシリルプロピル無水コハク酸、3-トリフェノキシシリルプロピル無水コハク酸、3-トリメトキシシリルプロピル無水コハク酸、3-ジエトキシ(メチル)シリルプロピル無水コハク酸、3-ジメトキシ(メチル)シリルプロピル無水コハク酸等が挙げられる。これらの中でも、環状酸無水物基を有するものが好ましく、環状酸無水物基を有するものの中でも、充填剤の分散効果及び補強効果等の観点から、3-トリエトキシシリルプロピル無水コハク酸が好適である。なお、変性剤の使用量は、重合開始剤の有機アルカリ金属化合物1molに対し、通常0.1〜3.0molの範囲であり、0.3〜1.5molの範囲が好ましい。
上記変性剤による変性反応は、溶液反応で行うのが好ましく、該溶液中には、重合時に使用した単量体が含まれていてもよい。また、変性反応の反応形式は特に制限されず、バッチ式でも連続式でもよい。更に、変性反応の反応温度は、反応が進行する限り特に限定されず、重合反応の反応温度をそのまま採用してもよい。
上記変性共役ジエン系重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が5万以上70万未満であるのが好ましい。変性共役ジエン系重合体の重量平均分子量が5万未満では、耐破壊特性及び耐摩耗性に劣り、70万以上では、加工性が著しく悪化する。
また、上記変性共役ジエン系重合体は、示差走査熱量分析計(DSC)で測定したガラス転移点(Tg)が0℃以下であるのが好ましい。変性共役ジエン系重合体のガラス転移点が0℃を超えると、低温でのゴム特性が著しく悪化する。
[ゴム成分]
本発明に係るゴム組成物のゴム成分は、その100重量部中に前記変性天然ゴムを10重量部以上含むことが好ましく、特に前記変性天然ゴムを20〜80重量部、前記変性共役ジエン系重合体を80〜20重量部で合計100重量部、とりわけ前記変性天然ゴムを40〜60重量部、前記変性共役ジエン系重合体を60〜40重量部で合計100重量部含むことが好ましい。この配合よりも変性天然ゴムの含有量が少なく、変性共役ジエン系重合体が多いと、この変性天然ゴムを配合したことによるカーボンブラックの分散性改良効果を十分に得ることができず、変性天然ゴムが多く、変性共役ジエン系重合体が少ないとグリップ性能、耐摩耗性等の共役ジエンに由来する性能が低下する。
本発明に係るゴム成分は、前記変性天然ゴム及び変性共役ジエン系重合体の他、更に、この変性天然ゴム及び変性共役ジエン系重合体以外の他のゴム成分を含有していても良い。この場合、他のゴム成分としては、通常の天然ゴム及びジエン系合成ゴムが挙げられる。ジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。これらの他のゴム成分は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。ただし、これらの他のゴム成分は、全ゴム成分100重量部中60重量部以下であることが好ましい。
[フィラー]
次に本発明に係るゴム組成物に配合されるフィラーについて説明する。
本発明に係るゴム組成物は、フィラーとして、カーボンブラック或いはカーボンブラックとシリカ及び/又は無機充填材とを含有することが好ましい。
カーボンブラックとしては、市販のあらゆるものが使用でき、なかでもSAF,ISAF,HAF,FEF,GPFグレードのカーボンブラック、特にHAF,ISAF,SAFグレードのカーボンブラックを用いるのが好ましい。カーボンブラックは、特にDBP吸収量が110×10−5/kg以上で、窒素吸着比表面積が140×10/kg以上のものが好ましい。
シリカとしては、市販のあらゆるものが使用でき、なかでも湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカを用いるのが好ましい。シリカのBET比表面積としては150m/g以上のものが好ましく、より好ましくは170m/g以上、特に好ましくは190m/g以上である。このようなシリカとしては東ソーシリカ社製「ニプシルAQ」、「ニプシルKQ」などの市販品を用いることができる。
シリカは特に、表面改質シリカを用いるのが好ましい。
無機充填材とは、カーボンブラック、シリカ以外の無機充填材であり、アルミナ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
カーボンブラックについても、シリカについても、無機充填材についても、いずれも1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
本発明に係るゴム組成物のカーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対して0〜100重量部、特に0〜20重量部であり、シリカ及び/又は無機充填材を併用する場合、シリカはゴム成分100重量部に対して30〜80重量部、特に50〜70重量部であり、カーボンブラックとシリカ及び/又は無機充填材との合計でゴム成分100重量部に対して30〜120重量部、特に50〜80重量部、カーボンブラックとシリカ及び/又は無機充填材との合計に占めるカーボンブラックの割合は10重量%以上、特に10〜50重量%であることが好ましい。カーボンブラックの配合量がこの範囲よりも少ないと、低発熱性が向上するものの、耐摩耗性が低下する。一方、カーボンブラックの配合量がこの範囲よりも多いと耐摩耗性が十分となるものの、低発熱性、その他の物性が低下することがある。
また、シリカ及び/又は無機充填材の配合量がこの範囲よりも少ないと、ゴムの補強性の向上が十分でなく、多いと、耐摩耗性が低下する。
[シランカップリング剤]
本発明においては、ゴム組成物中に更にシランカップリング剤を含むことが好ましく、シランカップリング剤の配合によりシリカの分散向上という効果を得ることができる。
シランカップリング剤としては、空気入りタイヤ用ゴム組成物に配合される通常のもの、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド等の1種又は2種以上を好適に用いることができる。
シランカップリング剤の配合量は、ゴム組成物中のシリカ及び/又は無機充填材の重量に対して1〜20重量%、特に6〜16重量%であることが好ましい。シランカップリング剤の配合量がこの範囲よりも少ないと、十分な配合効果を得ることができず、この範囲よりも多いと未反応物が増えて、反応効率が著しく落ちる。
[その他の成分]
本発明に係るゴム組成物には、上述のゴム成分、カーボンブラック、シリカ及び/又は無機充填材、シランカップリング剤の他、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、酸化亜鉛、ステアリン酸等のゴム業界で通常使用される配合剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択し配合することができる。これら配合剤は、市販品を好適に使用することができる。なお、上記ゴム組成物は、ゴム成分に、カーボンブラック及びシリカ等と共に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
[空気入りタイヤ]
本発明の空気入りタイヤは、上述のゴム組成物をトレッドゴムに用いたことを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤは、トレッドゴムが上述のゴム組成物で構成されること以外は従来の空気入りタイヤと同様の構成とすることができ、その製造方法にも特に制限はなく常法に従って製造される。
このような本発明の空気入りタイヤは、バス、トラック、飛行機といった重荷重用空気入りタイヤから、乗用車、モータースポーツ(MS)等のレース用車空気入りタイヤ等、各種の空気入りタイヤに有効に適用される。
以下に製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
製造例1:変性天然ゴムの製造方法
(1)天然ゴムラテックスの変性反応工程
フィールドラテックスをラテックスセパレーター(斎藤遠心工業製)を用いて回転数7500rpmで遠心分離して乾燥ゴム濃度60%の濃縮ラテックスを得た。この濃縮ラテックス1000gを、撹拌機、温調ジャケットを備えたステンレス製反応容器に投入し、予め10mlの水と90mgの乳化剤(エマルゲン1108,花王株式会社製)を4−ビニルピリジン3.0gに加えて乳化したものを990mlの水とともに添加し、これらを窒素置換しながら30分間撹拌した。次いで、重合開始剤としてtert−ブチルヒドロパーオキサイド1.2gとテトラエチレンペンタミン1.2gとを添加し、40℃で30分間反応させることにより、変性天然ゴムラテックスを得た。
(2)凝固、乾燥工程
次いで、ギ酸を添加してpHを4.7に調整することにより、変性天然ゴムラテックスを凝固させた。このようにして得た固形物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化し、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥して変性天然ゴムAを得た。このようにして得た変性天然ゴムAの重量から極性基含有単量体としての4−ビニルピリジンの転化率は100%であることが確認された。また、該変性天然ゴムを石油エーテルで抽出し、さらにアセトンとメタノールの2:1混合溶媒で抽出することによりホモポリマーの分離を行ったところ、抽出物の分析からホモポリマーは検出されず、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることを確認した。
製造例2:変性共役ジエン系重合体の製造方法
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3-ブタジエン40g、スチレン10gと共に、ジテトラヒドロフリルプロパン0.2mmol及びヘキサメチレンイミン(HMI)0.48mmolを加え、更にn-ブチルリチウム(n-BuLi)0.48mmolを加えた後、50℃で1.5時間重合反応を行った。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。次に、重合反応系に、変性剤として四塩化スズ0.12mmolを速やかに加え、更に50℃で30分間変性反応を行った。その後、重合反応系に、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液(BHT濃度:5質量%)0.5mLを加えて、重合反応を停止させ、更に常法に従って乾燥して変性共役ジエン系重合体を得た。
上記のようにして製造した変性共役ジエン系重合体の変性反応前数平均分子量(Mn)は2.21×103、変性反応後変性共役ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は662×103、結合スチレン含有量は20%、ガラス転移点は-38℃であった。
なお、各々の物性値の測定方法は次の通りである。
(1) 数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー製HLC−8020、カラム:東ソー製GMH−XL(2本直列)、検出器:示差屈折率計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として、各重合体のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を求めた。
(2) 結合スチレン含有量
重合体の結合スチレン含有量を1H-NMRスペクトルの積分比より求めた。
(3) ガラス転移点
パーキンエルマー社製の示差熱分析機(DSC)7型装置を用い、各重合体を-100℃まで冷却した後に10℃/minの昇温速度で昇温して、各重合体のガラス転移点を測定した。
実施例1、比較例1〜3
表1に示す配合のゴム組成物について、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
なお、表1において用いた各材料は次の通りである。
また、評価結果はいずれも比較例3の場合を100として相対値で示した。
[使用材料]
スチレン−ブタジエンゴム:JSR SL563
天然ゴム:RSS3
変性天然ゴム:製造例1で製造した4−ビニルピリジン0.5%変性天然ゴム
変性共役ジエン系重合体:製造例2で製造した変性共役ジエン系重合体
シリカ:東ソーシリカ社製「ニプシルAQ」
カーボンブラック:N234degussa社製「N234」
シランカップリング剤:Degussa社製シランカップリング剤Si69(ビス(3
−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
老化防止剤:6PPD N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェ
ニレンジアミン
加硫促進剤A:TBBS
加硫促進剤B:DPG
[評価]
[1] 加工性:ムーニー粘度から算出された指数(大が良)
[2] 転がり抵抗:上島製作所製粘弾性試験機 測定TANδ 50HZから算出された
指数(大が良) 1%歪 60゜
[3] 耐摩耗性:ランボーン試験機から算出された指数(大が良)
[4] WETスキッド性:タイヤ トレーラーμ 195/65R15から算出された指
数(大が良)
Figure 2006152213
表1より、本発明によれば、加工性、低燃費性、耐摩耗性、WETスキッド性能に優れる空気入りタイヤが提供されることが分かる。

Claims (13)

  1. 天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合し、凝固、乾燥してなる変性天然ゴムを含むゴム組成物をトレッドゴムに用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 請求項1において、前記ゴム組成物中に、前記変性天然ゴムを全ゴム成分の10重量%以上含有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 請求項1又は2において、前記極性基が、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基、含酸素複素環基、アルコキシシリル基及びスズ含有基から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記極性基含有単量体のグラフト量が天然ゴムラテックスのゴム分に対し0.01〜5.0重量%であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記ゴム組成物中に変性共役ジエン系重合体を含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記ゴム組成物中にカーボンブラックを含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、前記ゴム組成物中にシリカ及び/又は無機充填材を含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項において、前記ゴム組成物中にシランカップリング剤を含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
  9. 請求項6ないし8のいずれか1項において、前記カーボンブラックが、HAF、ISAF、及びSAFよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  10. 請求項7ないし9のいずれか1項において、前記シリカが表面改質シリカであることを特徴とする空気入りタイヤ。
  11. 請求項5ないし10のいずれか1項において、前記ゴム組成物がゴム成分として前記変性天然ゴム20〜80重量部と前記変性共役ジエン系重合体80〜20重量部とを合計で100重量部含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
  12. 請求項7ないし11のいずれか1項において、前記ゴム組成物中のカーボンブラックとシリカ及び/又は無機充填材との合計の含有量がゴム成分100重量部に対して30〜120重量部であり、カーボンブラックとシリカ及び/又は無機充填材との合計に占めるカーボンブラックの割合が20重量%以上であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  13. 請求項8ないし12のいずれか1項において、前記ゴム組成物中のシランカップリング剤の含有量が前記シリカ及び/又は無機充填材の重量に対して1〜20重量%であることを特徴とする空気入りタイヤ。
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