JP2006151510A - 密封容器、容器及び密封容器の製造方法 - Google Patents

密封容器、容器及び密封容器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
容器本体の開口部に蓋材をヒートシールしてなる密封容器において、容器内の圧力が上昇するなどしても蓋材が剥離してしまわないように、容器本体と蓋材とのシール強度を高めるとともに、シール強度のばらつきを抑えることによって、高い密封性を安定して得ることができる密封容器、容器及び密封容器の製造方法を提供する。
【解決手段】
フランジ23の天面231に形成された突起部4を溶融押圧して変形せしめ、フランジ23の天面231に密着した状態で樹脂片41を形成することにより、その形状や、大きさを規制しつつ、形状再現性よく樹脂片41を形成し、この樹脂片41を蓋材3のシーラント層31に接合させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、容器本体の開口部に蓋材をヒートシールしてなる密封容器において、容器本体と蓋材とのシール強度のばらつきを抑え、高い密封性が安定して得られる密封容器、容器及び密封容器の製造方法に関する。
従来、カップ状又はトレイ状などの所定の容器形状に成形された容器本体に、シーラント層を備えた蓋材をヒートシールすることで、食品類などの内容物を密封収容する密封容器が広く用いられているが、この種の密封容器にあっては、内容物を密封収容した後の加熱殺菌処理や、落下衝撃による内圧上昇によっても、蓋材が剥がれてしまわないように、ヒートシール部での高いシール強度が要求される。
このため、例えば、特許文献1では、上向きに凸の湾曲シール面を有するフランジ部に蓋材をヒートシールする際に、シール面にはみ出し部を形成し、このはみ出し部を蓋材と一体にしたヒートシール容器が提案されている。
このように構成されたヒートシール容器は、はみ出し部の付け根部分が破断されてからシール面における剥離が進行するものであるため、初期の密封破壊強度が、はみ出し部の破壊強度まで高められ、ヒートシール部での高いシール強度を実現するものである。
一方、特許文献1において提案されたものは、はみ出し部がシール面の外周側にも形成され、蓋材の易開封性という観点からは好ましくないため、例えば、非対称の断面形状を有する突起部をフランジ部に形成するなどして、特許文献1におけるはみ出し部と同様に機能する樹脂溜まり片が、ヒートシール時に、シール面の内周側に選択的に形成されるようにした容器も各種提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3又は特許文献4等)。
これらの容器は、容器外方から内方に向かって蓋材を剥離(開封)しようとする力に対しては、蓋材のシーラント層とフランジ部との界面剥離、又はシーラント層の凝集破壊により、人力によって容易に開封がなされるようにして易開封性を確保する一方で、容器内部から外方への剥離力に対しては、樹脂溜まり片の立ち上がりによってヒートシール部の剥離を防止し、これによって高いシール強度を実現しようとするものである。
特開昭62−28355号公報 特開平9−99933号公報 特開平11−292140号公報 実開平6−44767号公報
しかしながら、前述したような従来の技術にあっては、はみ出し部や樹脂溜まり片は、その形状や大きさを制御することができず、ヒートシール条件や、環境温度などによって、形状や大きさにばらつきが生じ易い。このため、安定したシール強度を確保することができず、容器毎のみならず、一つの容器のヒートシール部の部位ごとにも、シール強度にばらつきが発生してしまうという問題があった。シール強度は、容器の密封性や、開封性に大きく影響するものであり、シール強度がばらついてしまうと、これに伴って、容器の密封性や開封性にもばらつきが生じてしまうという問題がある。
さらに、シール強度が弱くなる方へのばらつきが大きいと、シール漏れを防ぐために、シール強度が最も弱くなる場合を想定してヒートシール条件を設定しなければならず、必要以上にシール強度が高くなって開封性を犠牲にしてしまうという問題もある。
このように、従来の技術は、高い密封性を備えた密封容器を安定して供給するには、未だ改善の余地を残すものであった。
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、容器内の圧力が上昇するなどしても蓋材が剥離してしまわないように、容器本体と蓋材とのシール強度を高めるとともに、シール強度のばらつきを抑えることによって、高い密封性を安定して得ることができる密封容器、容器及び密封容器の製造方法の提供を目的とする。
本発明に係る密封容器は、開口周縁部の天面に突起部が形成された容器本体に、シーラント層を内面に備えた蓋材を、前記突起部と前記シーラント層とを対向させてヒートシールしてなる密封容器であって、前記容器本体に前記蓋材をヒートシールする際に前記突起部が溶融押圧されて変形し、前記開口周縁部の天面に実質的に密接した状態で容器内方に突出形成された樹脂片を少なくとも備え、前記樹脂片が前記蓋材のシーラント層と接合している構成としてある。
このような構成とすることにより、蓋材のシーラント層と接合させてシール強度の向上を図る樹脂片の形状や、大きさを規制することができ、これによって容器内方からのシール強度を高めると同時にシール強度のばらつきを抑え、ひいては容器外方からの剥離開封性のばらつきが少ない、高い密封性を備えた密封容器が安定して得られる。
また、本発明に係る密封容器は、前記突起部よりも容器外方側における前記開口周縁部の天面が、前記突起部よりも容器内方側における前記開口周縁部の天面に対して下方に形成され、前記容器本体に前記蓋材をヒートシールする際に溶融押圧されて変形する前記突起部の容器外方側には、樹脂溜まりが形成されている構成とすることができ、この場合、前記開口周縁部と前記蓋材のシーラント層とが、易開封性のヒートシール強度で接合されているのが好ましい。
このような構成とすることにより、容器外方側に形成される樹脂溜まりは、容器内方に突出形成される樹脂片のようには立ち上がらず、蓋材のシーラント層と、開口周縁部との接合を易開封性のヒートシール強度に適宜調整すれば容器外方からは易剥離開封性が確保され、高い密封性と易開封性とを兼ね備えた密封容器となる。
また、本発明に係る密封容器は、前記樹脂片と実質的に密接する前記開口周縁部の少なくとも容器内方側の天面に、融着阻害処理が施されている構成とすることができる。
このような構成とすることにより、樹脂片が開口周縁部の天面に融着し、その立ち上がりが妨げられてしまうことによって、十分なシール強度が確保できなかったり、シール強度にばらつきが生じてしまったりするなどの不具合を有効に回避することができる。
また、本発明に係る密封容器は、前記樹脂片が先細り状に形成されている構成とすることができる。
このような構成とすることにより、樹脂片の付け根は厚く強固にできると同時に、樹脂片の容器内方側をより確実に蓋材とともに立ち上がらせることができ、容器内方からはシール強度を高める効果と、シール強度のばらつき抑制の効果が向上する。更に、樹脂片が立ち上がり易い分、蓋材のシーラント層と樹脂片との接合が弱くてもよく、高い密封性を保持したまま容器外方からの易剥離開封性を高めることが可能となる。
また、本発明に係る容器は、シーラント層を備えた蓋材を開口周縁部にヒートシールすることにより、開口部が密封される容器であって、前記開口周縁部の天面に突起部を形成し、前記突起部を溶融押圧して変形させることにより、前記開口周縁部の天面に実質的に密接した状態で容器内方に突出形成された樹脂片を少なくとも備えている構成としてある。
このような構成とすることにより、本容器に蓋材をヒートシールするだけで、容器内方からのシール強度を高めるとともにシール強度のばらつきが少ない、高い密封性を備えた密封容器を、容易に、かつ、安定して得ることができる。
また、本発明に係る容器は、前記樹脂片よりも容器外方側における前記開口周縁部の天面が、前記樹脂片が実質的に密接している容器内方側における前記開口周縁部の天面に対して下方に形成され、前記樹脂片の容器外方側には、樹脂溜まりが形成されている構成とすることができる。
このような構成とすることにより、本容器に易開封性のヒートシール強度で蓋材をヒートシールするだけで、高い密封性と容器外方からの易剥離開封性とを兼ね備えた密封容器を、容易に、かつ、安定して得ることができる。
また、本発明に係る容器は、前記樹脂片と実質的に密接する前記開口周縁部の少なくとも容器内方側の天面に、融着阻害処理が施されている構成とすることができる。
このような構成とすることにより、本容器に蓋材をヒートシールする際に、樹脂片が開口周縁部の天面に融着し、その立ち上がりが妨げられてしまうことによって、十分なシール強度が確保できなかったり、シール強度にばらつきが生じてしまったりする不具合を有効に回避することができる。
また、本発明に係る容器においても、前述した本発明に係る密封容器と同様に、樹脂片の容器内方側が、ヒートシールされた蓋材とともに確実に立ち上がるようにするために、前記樹脂片を先細り状に形成することができる。
また、本発明に係る他の容器は、開口周縁部の天面に突起部が形成され、シーラント層を内面に備えた蓋材が、前記突起部と前記シーラント層とを対向させてヒートシールされる容器であって、前記開口周縁部の天面が、前記突起部の基部から容器内方に向かって斜め上方に傾斜するテーパー面を備えている構成としてある。
このような構成とすることにより、蓋材をヒートシールする際にヒートシールヘッドにより溶融押圧された突起部が、テーパー面に沿って開口周縁部の天面に実質的に密接した状態で変形し、容器内方に先細り状に突出する樹脂片を、その形状や、大きさを規制しつつ形成することができる。このため、本容器に蓋材をヒートシールするだけで、容器内方からのシール強度を高めるとともにシール強度のばらつきが少ない、高い密封性を備えた密封容器が安定して得られる。
また、本発明に係る他の容器は、前記突起部よりも容器外方側における前記開口周縁部の天面が、前記突起部よりも容器内方側における前記開口周縁部の天面に対して下方に形成されている構成とすることができる。
このような構成とすることにより、蓋材をヒートシールする際に溶融押圧されて変形する突起部の容器外方側には、樹脂溜まりが形成され、この樹脂溜まりは、容器内方に突出形成される樹脂片のようには立ち上がらず、蓋材のシーラント層と、樹脂溜まりとの接合を易開封性のヒートシール強度に適宜調整すれば、高い密封性と容器外方からの易剥離開封性とを兼ね備えた密封容器を得ることができる。
また、本発明に係る他の容器は、少なくとも前記突起部よりも容器内方側における前記開口周縁部の天面に、融着阻害処理が施されている構成とすることができる。
このような構成とすることにより、蓋材をヒートシールする際に溶融押圧されて変形する突起部が開口周縁部の天面に融着し、形成された樹脂片の立ち上がりが妨げられてしまうことによって生じる不具合を有効に回避することができる。
また、本発明に係る密封容器の製造方法は、開口周縁部の天面に突起部が形成された容器本体に、シーラント層を内面に備えた蓋材を、前記突起部と前記シーラント層とを対向させて、シールヘッドでシール部を加熱加圧してヒートシールする密封容器の製造方法であって、前記シールヘッドにより前記突起部を溶融押圧し、前記突起部を、前記開口周縁部の天面に沿って、前記開口周縁部の天面に実質的に密接した状態で変形させることにより、少なくとも、容器内方に突出する樹脂片を形成するとともに、前記樹脂片を前記蓋材のシーラント層と接合させる方法としてある。
このような方法とすることにより、開口周縁部の天面に沿って、開口周縁部の天面に実質的に密接した状態で突起部が変形するため、形成される樹脂片の形状や、大きさを規制することができ、これによって容器内方からのシール強度を高めると同時にシール強度のばらつきを抑え、引いては容器外方からの剥離開封性のばらつきが少ない、高い密封性を備えた密封容器を安定して製造することができる。
また、本発明に係る密封容器の製造方法は、前記容器本体の前記突起部よりも容器外方側における前記開口周縁部の天面を、前記容器本体の前記突起部よりも容器内方側における前記開口周縁部の天面に対して下方に形成し、前記容器本体に前記蓋材をヒートシールする際に溶融押圧されて変形する前記突起部の容器外方側に、樹脂溜まりを形成する方法とすることができ、この場合、前記開口周縁部と前記蓋材のシーラント層とを、易開封性のヒートシール強度で接合させるのが好ましい。
このような方法とすることにより、容器外方側に形成される樹脂溜まりは、容器内方に突出形成される樹脂片のようには立ち上がらず、蓋材のシーラント層と、開口周縁部との接合を易開封性のヒートシール強度に適宜調整すれば容器外方からの易開封性が確保され、高い密封性と易開封性とを兼ね備えた密封容器を製造することができる。
また、本発明に係る密封容器の製造方法にあっては、蓋材を容器本体の開口周縁部にヒートシールするに先だって、前記開口周縁部の天面に形成された突起部を加熱溶融しつつ、押圧手段により押圧することにより、樹脂片を形成することができる。
すなわち、本発明に係る密封容器の製造方法は、容器本体の開口周縁部に、シーラント層を内面に備えた蓋材を、前記開口周縁部と前記シーラント層とを対向させてヒートシールする密封容器の製造方法であって、前記開口周縁部の天面に形成された突起部を加熱溶融しつつ、押圧手段により押圧し、前記突起部を、前記開口周縁部の天面に沿って、前記開口周縁部の天面に実質的に密接した状態で変形させることにより、少なくとも、容器内方に突出する樹脂片を形成し、しかる後に、前記蓋材を前記開口周縁部にヒートシールして、前記樹脂片を前記蓋材のシーラント層と接合させる方法としてもよい。
また、本発明に係る密封容器の製造方法は、前記容器本体の前記突起部よりも容器外方側における前記開口周縁部の天面を、前記容器本体の前記突起部よりも容器内方側における前記開口周縁部の天面に対して下方に形成し、前記突起部を前記押圧手段により押圧変形させる際に、前記突起部の容器外方側に、樹脂溜まりを形成する方法としてもよく、この場合、前述したのと同様に、前記開口周縁部と前記蓋材のシーラント層とを、易開封性のヒートシール強度で接合させるのが好ましい。
また、本発明に係る密封容器の製造方法は、前記突起部の容器外方側を切り欠いて、前記樹脂溜まりの形状及び/又は大きさを制御する方法とすることができる。
このような方法とすることにより、形成される樹脂溜まりの形状や大きさを制御して、得られる密封容器の易開封性を適宜調製することができる。
また、本発明に係る密封容器の製造方法は、前記容器本体の前記開口周縁部の天面に、前記突起部の基部から容器内方に向かって斜め上方に傾斜するテーパー面を設け、加熱溶融された前記突起部を前記シールヘッド又は前記押圧手段によって、前記テーパー面に沿って変形させることにより、前記樹脂片を先細り状に形成する方法とすることができる。
このような方法とすることにより、テーパー面に沿って開口周縁部の天面に実質的に密接した状態で突起部を変形することで、その形状や、大きさを規制しつつ、容器内方に先細り状に突出する樹脂片を形成することができ、樹脂片の付け根は厚く、先端に向かって先細り状に形成することで、樹脂片をより確実に蓋材とともに立ち上がらせることができ、容器内方からのシール強度を高める効果と、シール強度のばらつき抑制の効果が向上する。更に、樹脂片が立ち上がり易い分、蓋材のシーラント層と樹脂片との接合が弱くてもよく、高い密封性が得られると同時に、易開封性を高めることが可能となる。
また、本発明に係る密封容器の製造方法は、前記シールヘッド又は前記押圧手段に段部を設け、前記段部により前記樹脂片の形状及び/又は大きさを制御する方法とすることができる。
このような方法とすることにより、容器毎や一つの容器内においてヒートシール条件や、押圧手段により突起部を押圧変形させる際の条件などに多少の変動があったとしても、樹脂片の厚さや突出長さを規制し、より形状再現性よく樹脂片を形成することができるようになる。
また、本発明に係る密封容器の製造方法は、少なくとも前記突起部よりも容器内方側における前記開口周縁部の天面に、融着阻害処理を施しておく方法とすることができる。
このような方法とすることにより、溶融押圧されて変形する突起部が開口周縁部の天面に融着し難くすることができる。
本発明によれば、容器本体の開口周縁部の天面に形成した突起部を溶融押圧して変形せしめ、開口周縁部の天面に実質的に密接した状態で樹脂片を形成することにより、その形状や、大きさを規制しつつ、形状再現性よく樹脂片を形成することができる。そして、この樹脂片を蓋材のシーラント層に接合させることで、容器内方からのシール強度が高められ、同時にシール強度や開封性のばらつきが少ない、高い密封性を備えた密封容器を安定して得ることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第一実施形態]
図1(a)は、本発明に係る密封容器の第一実施形態を概略的に示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。
図1に示す例において、密封容器1は、容器本体2と、容器本体2に内容物を収容した後に、容器本体2の開口部にヒートシールされる蓋材3とからなっている。
容器本体2は、胴部21、胴部21の下端に連なる底部22、及び胴部21の上端に連なるフランジ23を有している。
フランジ23は、容器本体2の開口部の周縁に沿って水平に張り出すように形成されており、容器本体2の開口周縁部をなしている。フランジ23の天面231には、シーラント層31を内面に備えた蓋材3がヒートシールされ、これによって容器本体2の開口部が密封される。
蓋材3がヒートシールされる前のフランジ23の天面231には、図2(a)に示すような台形状の断面形状を有する突起部4が形成されている。
ヒートシールは、フランジ23の天面231に蓋材3のシーラント層31を当接させた状態で、フランジ23を受け台に載置し、ヒートシールバー、高周波誘導加熱ヒートシールヘッド、誘電加熱ヒートシールヘッド、超音波ヒートシールヘッドなどにより、ヒートシール部を加熱加圧することにより行われる。
このとき、フランジ23の天面231に形成された突起部4は、シールヘッドからの熱により溶融するとともに、シールヘッドに押圧されて変形し、図2(b)に示すようなフランジ23の天面231に密接する樹脂片41,42を形成する。
なお、図2(a)及び(b)のそれぞれは、蓋材3をヒートシールする前の容器本体2及び蓋材3がヒートシールされた密封容器1における、図1(a)のB−B断面に相当する部位を示す断面図である。
蓋材3を容器本体2にヒートシールするにあたり、そのヒートシール条件は、フランジ23の天面231に密接した状態で樹脂片41,42が形成されるように突起部4が変形するとともに、蓋材3が容器本体2に確実にシールされるように適宜設定されるが、蓋材3の材料構成やシーラント層31を構成するシーラント樹脂、及び容器本体2のヒートシール部を構成するシーラント樹脂、さらには、充填シール機でのヒートシール方法や密封速度によっても異なり、これに限定されるわけではないが、通常は、180〜250℃のヒートシール温度で行う。また、シールヘッドの押圧力は、容器本体2の大きさ、突起部4の形状や大きさなどによって異なるが、通常、1容器当たり50〜300kgf程度であり、ヒートシール時間は、通常、0.5〜3秒程度である。
本実施形態にあっては、蓋材3をフランジ23の天面231にヒートシールするに際して、溶融した突起部4をシールヘッドにより押圧し、フランジ23の天面231に密着した状態で樹脂片41,42を形成しているが、これにより、樹脂片41,42の形状や、大きさを規制することができる。
すなわち、フランジ23の天面231と、形成される樹脂片41,42との間に隙間があると、突起部4は、なりゆきまかせで変形してしまい、樹脂片の41,42の形状や、大きさを制御するのが困難となり、ヒートシール条件や、環境温度などによって、樹脂片41,42の形状や大きさにばらつきが生じてしまうが、フランジ23の天面231に密着した状態で樹脂片41、42が形成されるようにすれば、上方からはシールヘッドに押圧された蓋材3が、下方はフランジ23の天面231が、それぞれ変形の過程にある突起部4を挟み込むようにして上下方向への変形を規制しつつ、容器内方又は容器外方に突出するように突起部4が変形して樹脂片41,42が形成されるため、樹脂片41,42の形状や、大きさの制御が容易になる。
なお、上下の位置関係については、密封容器1又は容器本体2の開口部側を上方、底部22側を下方とする。
したがって、本実施形態のように、フランジ23の天面231に密接した状態で突出形成された樹脂片41,42は、その形状や大きさにばらつきが少なく、形状再現性よく形成されたものとなる。
このとき、例えば、図2(b)に破線で示すように、ヒートシールに用いるシールヘッド5の樹脂片41の先端に相当する部位に段部51を設けたり、特に図示しないが、樹脂片41,42のいずれか一方の先端に相当する部位に段部を設けたりしておけば、樹脂片41,42の厚さや突出長さを規制することもできる。また、樹脂片41,42の厚さや突出長さを規制するには、このような段部をシールヘッドに熱伝導性の低い材料で設けるのも、段部でのヒートシールによる熱影響を小さくする点で有効である。
本実施形態では、これらの手段を併用してもよく、これによって、ヒートシール条件の適正範囲が広がり、より形状再現性よく樹脂片41,42が形成されるようにすることができる。
そして、このような樹脂片41,42を、蓋材3のシーラント層31と接合させることにより、例えば、容器内の圧力が高くなるなどして、図3に示すように、容器内方から外方へ向けて(図中矢印Zで示す方向に)蓋材3を剥がそうとする力が働くと、容器内方に突出して形成された樹脂片41が、蓋材3とともに立ち上がるようになる。
このとき、蓋材3のシーラント層31と、樹脂片41との界面では、図中矢印Y,Xで示す方向に剪断剥離力が発生し、蓋材3に働く引き剥がし力は、樹脂片41の立ち上がりによって剪断剥離力に変換される。剪断剥離強度は十分に強いため、蓋材3が樹脂片41から剥離することがなく、さらに、蓋材3のヒートシールエッジに作用する応力は、この場合、樹脂片41の付け根の点Pに作用するため、樹脂片41の補強効果により、蓋材3のヒートシールエッジでの破壊も効果的に防止される。
このため、蓋材3の剥離は、図4に示すように、樹脂片41がフランジ23から引き裂かれるなどの材料破断によってなされるようになり、ヒートシール部におけるシール強度を高くすることができる。
樹脂片41とシーラント層31とは、少なくとも蓋材6とともに樹脂片41が立ち上がることができる程度に接合されていればよいが、突起部4がシールヘッドにより溶融押圧されて樹脂片41に変形する際に、シーラント層32の樹脂が溶融流動して樹脂片41とフランジ23の天面231との間に入り込み、当該樹脂により樹脂片41が覆われるようにして、樹脂片41とシーラント層31とを接合させるのが、接合強度を高める上で好ましい。
この場合、厳密にいえば、樹脂片41は、直接にはフランジ23の天面231に密接していないことになるが、実質的に密接した状態にあることに違いはなく、本発明の趣旨を逸脱するものではない。
また、これに関連し、突起部4が変形して樹脂片41が形成される際に、樹脂片41の根本部分とフランジ23の天面231との間に空隙が形成されることもあるが、そのような場合でも、樹脂片41のその他の部分が、フランジ23の天面231に密接した状態にあればよい。
ところで、前述したように樹脂片41を形成して、ヒートシール部のシール強度を高くするにあたり、樹脂片41の付け根部分の厚みが十分でないと、樹脂片41がフランジ23から引き裂かれ易くなってしまい、シール強度が低下してしまう。
このため、樹脂片41が形状再現性よく形成されておらず、その形状や、大きさにばらつきが生じ、樹脂片41の付け根部分が一定の厚みで形成されないと、樹脂片41の付け根部分が薄く形成された場合と、厚く形成された場合とで、シール強度にばらつきが生じてしまう。
すなわち、樹脂片41をフランジ23から引き裂くのに必要な力は、樹脂片41の付け根部分の厚みによって異なってくるため、樹脂片41の付け根部分の厚みにばらつきがあると、シール強度もばらついてしまう。
また、樹脂片41の付け根部分が一定の厚みで形成されていたとしても、それ以外の部分の形状や大きさが一定に形成されていなければ、樹脂片41の立ち上がりにもばらつきが生じてしまい、例えば、樹脂片41が立ち上がり難い形状に形成されていると、前述したような効果が得られず、これによってもシール強度のばらつきが生じてしまう。
なお、以上の説明では、容器内方から外方へ向けて蓋材3を剥がそうとする力が働いた場合の例を挙げたが、後述するように、容器外方から内方に向かって蓋材3を引き剥がし開封する場合も同様であり、樹脂片42が形状再現性よく形成されていなければ、開封性にもばらつきが生じてしまう。
本実施形態では、前述したように、フランジ23の天面231に密接した状態で樹脂片41,42を形成することにより、樹脂片41,42の形状や、大きさのばらつきを抑え、形状再現性よく樹脂片41,42が形成されている。
したがって、フランジ23の天面231に密接した状態で突出形成された樹脂片41,42を備えた本実施形態に係る密封容器1は、単に、シール強度が高くなっているだけではなく、シール強度(密封性)のばらつきが少ない、安定した製品特性を備えたものとなる。
特に、シール強度が弱くなる方にばらつくと、シール漏れが発生し、製品の信頼性を著しく損ねるが、本実施形態では、シール強度が弱くなる方へのばらつきが格段に少なくなる。したがって、本実施形態にあっては、シール強度が弱い方にばらついてしまうのを考慮して、シール漏れが生じないように必要以上にシール強度を高く設定する必要がなく、これによって容器外方からの剥離開封性が阻害されてしまうこともない。
図2に示した例では、容器外方からも同様に高いシール強度が得られ、容易には引き剥がし開封できないので、蓋材3を開口機能付きオーバキャップやストローなどで開封する場合、いたずら防止機能が高まり有効である。
しかし、容器本体2の材料に、ポリエチレンテレフタレート系の熱可塑性樹脂を用いた場合、そのガラス転移点(Tg)より低い温度環境下では、形成された樹脂片41,42が脆く、内圧や落下衝撃、容器外方からの引き剥がし力が作用したときに樹脂片41,42の付け根に応力が集中して樹脂片41,42が破壊されてしまうことがある。
このため、十分な密封性を得るためには、樹脂片41,42の付け根部分を厚く形成する必要があるが、本実施形態では、樹脂片41,42の付け根部分の厚さの制御が容易であり、これによって樹脂片41,42の付け根部分の破壊強度をコントロールして、高い密封性を安定して得ることができる。
樹脂片41,42の形状や大きさによっても異なるが、一般に樹脂片41,42は厚く、短い程、立ち上がり難く、これに伴い十分な密封強度を得るために蓋材3のシーラント層31と樹脂片41,42との接合は強くする必要がある。反対に、樹脂片41,42は薄く、長い程、立ち上がり易く、蓋材3のシーラント層31と樹脂片41,42との接合を弱くすることができる。
本発明においては、求められる容器内方からのシール強度(密封性)と容器外方からの剥離開封性とを考慮して、樹脂片41,42の形状や大きさを適宜調整する。なお、一般に高い易剥離開封性が求められるときには、容器外方から測定される蓋材3と容器本体2との接合強度は5〜20N/15mm幅であることが好ましい。
ここで、本実施形態において、容器の内方に突出して形成された樹脂片41の長さLは、0.5〜5mmであるのが好ましく、より好ましくは、1〜3mmである。
上記範囲に満たないと、樹脂片41の長さが不十分となって、蓋材3とともに樹脂片41が立ち上がらなくなり、蓋材3のシーラント層31と、樹脂片41との界面剥離、又はシーラント層31の凝集剥離が生じてしまい、十分なシール強度が得られなくなってしまう。さらには、容器毎や一つの容器内でのシール強度(密封性)のばらつきが大きくなり、シール漏れを防ぐために、シール強度が最も弱くなる場合を想定してヒートシール条件を設定しなければならず、必要以上にシール強度が高くなって開封性を犠牲にしなければならないという不具合も生じてしまう。
逆に、上記範囲を超えて樹脂片41が長くなってしまうと、樹脂片41が薄くなり破壊強度が弱くなるという不具合が生じてしまう。また、樹脂片41を厚くするためには、突起部4を大きくするとともに、ヒートシール条件を現実的な条件範囲を逸脱するほどに高い温度、長い時間、高い圧力で行わなければならないという不具合を生じる。
また、樹脂片41の厚みは、使用する材料や、要求されるヒートシール強度にもよるが、少なくとも樹脂片41の付け根部分の厚みtが、0.01〜1mmであるのが好ましく、より好ましくは、0.03〜0.5mmである。
上記範囲に満たないと、樹脂片41の強度が不十分となり、樹脂片41がフランジ32から引き裂かれ易く、十分なシール強度が得られなくなってしまう。
逆に、上記範囲を超えると、樹脂片41が変形し難くなり、樹脂片41の立ち上がりに支障をきたしてしまう。また、立ち上がりに支障をきたさないように樹脂片41を長くすることも原理的には可能ではあるが、樹脂片41を形成するに足る十分な樹脂量を得るために突起を大きくしなければならなくなり、ヒートシール条件も現実的な条件範囲を逸脱するほどに高い温度、長い時間、高い圧力で行わなければならないという不具合も生じてしまう。
一方、容器外方に突出形成された樹脂片42の長さや厚みは、樹脂片41と同様の範囲に設定することもできるが、易開封性を考慮して、樹脂片42を立ち上がり難い形状とし、蓋材3のシーラント層31と、樹脂片42との界面剥離、又はシーラント層31の凝集剥離が生じ易くなるように設定したり、樹脂片42がフランジ32から引き裂かれ易くなるように薄くしたり、小さくしたり設定したりすることもできる。
また、図2(a)には、容器本体2に形成される突起部4として、台形状の断面形状を有する例を示したが、突起部4の断面形状は、樹脂片41,42が、所望の形状、大きさに形状再現性よく形成できるものであれば、図示する例には限定されない。例えば、半円形状、三角形状等としてもよく、少なくとも、樹脂片41,42が所望の形状、大きさに形成されるのに必要な樹脂量を備えていればよい。
また、図示する突起部4は、容器の外方側と内方側とで対称となる断面形状としているが、非対称とすることもできる。例えば、容器外方から内方に向けて厚肉となるような傾斜面を備えたほぼ三角形状の断面形状とするなどして、容器内方に突出する樹脂片41が優先的に形成されるようにすれば、易開封性を確保しつつ、容器内方から外方へ向けて蓋材3を剥がそうとする力に対しては、高いシール強度が発揮されるようにすることも可能である。
以上のように、突起部4の形状や大きさは、樹脂片41,42が所望の形状、大きさになるように適宜設定すればよく、限定するわけではないが、図2(a)に例示される突起の場合、一般に、厚みは0.1〜2mm、容器径方向の幅は0.5〜3mmであることが好ましい。
このように、本実施形態にあっては、蓋材3をヒートシールする際に、容器本体2に形成された突起部4をシールヘッドにより溶融押圧し、フランジ23の天面231に沿って突起部4を変形させることにより、天面231に実質的に密接した状態にある樹脂片41,42を形成しているが、このとき、加熱溶融された樹脂片41,42(突起部4)が天面231に貼りついてしまうことが考えられる。このような貼りつきが生じてしまうと、樹脂片41,42の立ち上がりが妨げられてしまい、これによって、十分なシール強度が確保できなかったり、シール強度にばらつきが生じてしまったりするなどの不具合が生じるおそれがある。
このため、本実施形態では、樹脂片41,42と実質的に密接するフランジ23の天面231に、融着阻害処理を施しておくのが好ましい。これにより、樹脂片41,42の立ち上がりが妨げられないようにして、上記不具合を有効に回避することができる。
このような融着阻害処理としては、例えば、フランジ23の天面231に凹凸加工を施して粗面にしたり、フッ素系樹脂やシリコン系樹脂などのような非貼着性の材料を塗工したりすることができる。凹凸加工の例としては、フランジ23を射出成形や圧縮成形により形成する容器では、天面231に接する成形用金型面に予めサンドブラストなどにより凹凸を形成させ、この凹凸を転写させることにより容易に形成される。また、シートを熱成形して得られる容器の場合には、成形時や成形後に凹凸を形成させた金型を必要箇所に圧着することにより形成できる。
また、フランジ23が、ポリエチレンテレフタレート系樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂により形成されている場合には、例えば、赤外線や炭酸ガスレーザーなどを加熱手段として用い、そのスポット径、出力、照射時間などを適宜調整し、天面231を部分的に加熱して熱結晶化させることにより、樹脂片41,42との融着が生じ難くするようにしてもよい。
これらの融着阻害処理は、適宜組み合わせてもよく、また、天面231の全面ではなく、樹脂片41,42と実質的に密接する範囲にのみ、融着阻害処理を選択的に施すようにしてもよい。
ここで、天面231に施す融着阻害処理は、樹脂片41,42と天面231との融着を完全に生じなくすることまでは要求されない。樹脂片41,42が、天面231に融着してしまったとしても、融着による樹脂片41,42と天面231との接着強度が、蓋体3のヒートシール層31と樹脂片41,42との接着強度よりも低くなっていればよい。
すなわち、蓋体3を剥がそうとする力が働いたときに、融着された樹脂片41,42と天面231との剥離が優先してなされ、樹脂片41,42と蓋体3との間で剥離が生じることがないように、樹脂片41,42と天面231との接着強度が、蓋体3のヒートシール層31と樹脂片41,42との接着強度よりも相対的に低い接着状態にあればよい。
また、本実施形態において、天面231に融着阻害処理を施すにあたっては、少なくとも容器内方側の天面231aに融着阻害処理が施されていればよい。
例えば、図2に示す例において、容器内方側の天面231aにのみ融着阻害処理を施しておくとともに、ヒートシール条件を適宜設定して、意図的に樹脂片42を天面231bに融着させることにより、樹脂片41の立ち上がりを確保する一方で、樹脂片42が立ち上がらないようにすることができる。これにより、容器外方から内方に向かって蓋材3を剥がす際には、蓋材3の剥離は、蓋材3のシーラント層31と、樹脂片42との界面剥離、又はシーラント層31の凝集剥離によってなされるようになる。
したがって、蓋材3のシーラント層31と、樹脂溜まり44との接合を、易開封性のヒートシール強度に適宜調整することにより、密封容器1の易開封性を確保しつつ、容器内方から外方へ向けて蓋材3を剥がそうとする力に対しては、ばらつきの少ない高いシール強度が安定して得られるというように、高いシール強度と易開封性とを同時に備えるものとすることができる。
本実施形態において、容器本体2を形成する材料は、少なくともフランジ23の天面231に形成される突起部4が、蓋材3をヒートシールする際に溶融し押圧変形しつつ、蓋材3のシーラント層31に接合可能となるような、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂から形成されていれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂を用いることができ、これらの熱可塑性樹脂には各種添加剤を配合することもできる。
さらに、容器本体2は、これらの熱可塑性樹脂からなる層に、ガスバリアー層、酸素吸収性樹脂層などの他の層を適宜積層した多層構造とすることにより、各種機能を付与することもできる。
また、蓋材3は、可撓性と密封性とを有し、内面にシーラント層31を備えたものであれば、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、アルミ箔、スズ箔、鋼箔、ブリキ箔等の金属箔、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニリデン樹脂、ナイロン樹脂等の高酸素バリヤー性樹脂フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、ポリカーボネートフィルム等の熱可塑性樹脂フィルム、各種紙、又はこれらの積層体などを基材とし、このような基材の内面に、フランジ23の天面231に形成された突起部4(樹脂片41,42)とのヒートシール性を考慮して、例えば、ポリオレフィン系樹脂、又はポリエステル系樹脂などから適宜選択されたヒートシール性樹脂からなるシーラント層31を備えたものとすることができる。シーラント層31は、各種改質剤を配合することにより、易開封性のヒートシール強度に調整することもできる。
[第二実施形態]
次に、本発明に係る密封容器の第二実施形態について説明する。図5(a)は、本実施形態において、蓋材3がヒートシールされる前の容器本体2におけるフランジ23の断面形状を示している。また、図5(b)は、容器本体2に蓋材3をヒートシールした後の密封容器1におけるフランジ23の断面形状を示している。
なお、図5(a)及び(b)のそれぞれは、前述の第一実施形態における図2(a)及び(b)と同様に、蓋材3をヒートシールする前の容器本体2及び蓋材3がヒートシールされた密封容器1における、図1(a)のB−B断面に相当する部位を示す断面図である。
本実施形態が、前述の第一実施形態と異なるのは、容器本体2のフランジ23の肉厚を、その天面231に形成される突起部4を境に、容器外方と内方とで異ならせている点にある。
すなわち、前述の第一実施形態では、容器本体2のフランジ23の肉厚を一定とし、突起部4よりも容器内方側のフランジ23の天面231と、突起部4よりも容器外方側のフランジ23の天面231とが、同一平面上にあるようにしているが、本実施形態では、突起部4よりも容器外方側のフランジ23の肉厚を薄くすることで、突起部4よりも容器内方側のフランジ23の天面231aに対して、突起部4よりも容器外方側のフランジ23の天面231bが相対的に下方に形成されるようにしている。
このため、本実施形態では、蓋材3を容器本体2にヒートシールするに際して、シールヘッドに溶融押圧されて変形した突起部4により、容器内方側には、前述の第一実施形態における樹脂片41と同様に、フランジ23の天面231aに密接した状態で、容器に内方に突出する樹脂片43が形成されるが、容器外方側には、前述の第一実施形態における樹脂片42のような樹脂片は形成されず、代わりに樹脂溜まり44が形成される。
このようにして形成される樹脂溜まり44は、容器内方から外方へ向けて蓋材3を剥がそうとしたときに、前述の第一実施形態における樹脂片42のようには立ち上がらない。このため、蓋材3の剥離は、蓋材3のシーラント層31と、樹脂溜まり44との界面剥離、又はシーラント層31の凝集剥離によってなされるようになり、蓋材3のシーラント層31と、樹脂溜まり44との接合を、易開封性のヒートシール強度に適宜調整すれば、密封容器1の易開封性を確保することができる。
本実施形態において、突起部4よりも容器内方側のフランジ23の天面231aに対し、突起部4よりも容器外方側のフランジ23の天面231bを、どの程度下方に形成するか、すなわち、天面231aと天面231bとのギャップGをどの程度にするかは、使用する材料などを考慮して、形成される樹脂溜まり44が立ち上がり困難に形成されるように適宜設定することができるが、通常は、0.05〜3mmであるのが好ましく、より好ましくは、0.1〜2mmである。
上記範囲に満たないと、形成される樹脂溜まり44が立ち上がり困難とはならず、易開封性を確保できなくなってしまう。
逆に、上記範囲を超えると、フランジ23の肉厚が確保できなくなり、フランジ23の強度が低下してしまう。また、フランジ23の突起4よりも容器外方側の強度が十分となるようにフランジを厚くすることも可能ではあるが、樹脂の使用量が増加するという不具合や、シートから成形したものでは、例えば射出成形法や圧縮成形法により肉盛りしなければならないという不具合も生じてしまう。
なお、天面231aと天面231bとのギャップGは、天面231aの最も上方に位置する部位と、天面231bの突起部4の基部側の部位との高さの差をいうものとする。また、突起4よりも容器外方側にフランジを設けない形態とすることもできる。
また、図5(a)に示すように、突起部4の容器外方側の上縁部をテーパー状に切り欠いて、形成される樹脂溜まり44の大きさを制御することもできる。
なお、図示する例では、突起部4の容器外方側の上縁部をテーパー状に切り欠いているが、突起部4の容器外方側を切り欠くことで、樹脂溜まり44の大きさを制御できれば、その切り欠く態様は特に限定されない。
ここで、ポリエチレンテレフタレート系の熱可塑性樹脂を材料に用いた場合、前述したように、ポリエチレンテレフタレート系の熱可塑性樹脂は脆いという特性を有しているため、樹脂溜まり44は大きな塊状に形成されるようにして、内圧や落下衝撃が作用したとき破壊されないようにするのが好ましい。
これに対し、ポリプロピレン系の熱可塑性樹脂などの、比較的柔軟な材料を用いた場合には、樹脂溜まり44の立ち上がりを有効に回避することは困難なため、樹脂溜まり44がなるべく小さく形成されるようにして、樹脂溜まり44を付け根で切断し易くするのが好ましく、突起部4の容器外方側の上縁部をテーパー状に切り欠く態様は、この場合に特に好適である。
一方、本実施形態における樹脂片43は、前述した第一実施形態における樹脂片41と同様に、フランジ23の天面231aに密接した状態で、容器内方に突出して形成されており、このため、その形状や大きさのばらつきが抑えられ、形状再現性よく形成されたものとなっている。
本実施形態において、樹脂片43は、前述した第一実施形態における樹脂片41と同様の作用効果を奏し、また、容器外方側に樹脂溜まり44が形成されるように構成した以外は、前述した第一実施形態と共通するため、これらについての詳細な説明は省略する。
このような本実施形態に係る密封容器1は、フランジ23の天面231aに密接した状態で、容器の内方側に突出して形成された樹脂片43を備えることにより、容器内方から外方へ向けて蓋材3を剥がそうとする力に対しては、前述した第一実施形態に係る密封容器1と同様に、ばらつきの少ない高いシール強度が安定して得られるとともに、容器外方から内方に向かって蓋材3を剥がす際には、蓋材3を容易に剥離することができるというように、高いシール強度と易開封性とを同時に備えるものとなる。
なお、本実施形態では、フランジ23の全周にわたって、天面231aと天面231bとにギャップGを設けたり、突起部4の容器外方側の上縁部をテーパー状に切り欠いたりしてもよいが、例えば、蓋材3の開封開始部にのみ、このような構成を部分的に採用して易開封性とするなどしてもよく、天面231aと天面231bとのギャップGや、突起部4の容器外方側の上縁部を切り欠くテーパーの角度や、その切り欠く大きさは、開封性を阻害しない範囲で場所ごとに異ならせることもできる。特に、こうした例は、特定の一部の箇所のみを剥離開封する場合に好適に適用される。
[第三実施形態]
次に、本発明に係る密封容器の第三実施形態について説明する。図6(a)は、本実施形態において、蓋材3がヒートシールされる前の容器本体2におけるフランジ23の断面形状を示している。また、図6(b)は、容器本体2に蓋材3をヒートシールした後の密封容器1におけるフランジ23の断面形状を示している。
なお、図6(a)及び(b)のそれぞれは、前述の第一実施形態における図2(a)及び(b)と同様に、蓋材3をヒートシールする前の容器本体2及び蓋材3がヒートシールされた密封容器1における、図1(a)のB−B断面に相当する部位を示す断面図である。
本実施形態が、前述の第一実施形態や第二実施形態と異なるのは、容器本体2の突起部4よりも容器内方側のフランジ23の天面231aに、突起部4の基部から容器内方に向かって斜め上方に傾斜するテーパー面を設け、蓋材3をヒートシールする際に溶融押圧された突起部4が、このテーパー面に沿ってフランジ23の天面231aに密着した状態で変形することにより、形成される樹脂片45が先細り状となるようにした点にある。
これにより、樹脂片45の突出長さを規制しつつ、樹脂片45の形状や大きさにばらつきが生じないように、形状再現性よく樹脂片45が形成されるようにすることができるとともに、限られた樹脂量の範囲内で樹脂片45の付け根は厚く強固とし、先細り状に形成することで、樹脂片45の容器内方側をより確実に蓋材3とともに立ち上がらせることができる。
このため、本実施形態にあっては、前述した第一実施形態における樹脂片41や、前述した第二実施形態における樹脂片43に比べ、シール強度を高める効果とシール強度のばらつき抑制の効果がより向上する。さらに、樹脂片45が立ち上がり易い分、蓋材3のシーラント層31と樹脂片45との接合が弱くてもよく、高い密封性を保持したまま容器外方からの易剥離開封性を高めることが可能となる。
また、図6に示す例にあっては、天面231aの全面をテーパー面としているが、本実施形態では、図7(a)に示すように、天面231aの突起部4の基部に沿った部位を溝状に切り欠いて、突起部4の基部から容器内方に向かって斜め上方に傾斜するテーパー面が形成されるようにすることもできる。
この場合、形成される樹脂片45の先端部分は、例えば、図7(b)に示すように、ほぼ一定の肉厚に形成されたものとなることもあるが、樹脂片45の先端側の部分が、付け根部分の肉厚よりも薄くなって、樹脂片45の立ち上がりが容易になっていればよい。
すなわち、樹脂片45が蓋材3に追従して変形し易くなるのであれば、樹脂片45は付け根部分より順次先端に向かって薄くなっていなければならないということではない。すなわち、先端に近い部分に薄くなった部分があり、樹脂片45が蓋材3に追従して変形し易くなっているのであれば、支障を来さない範囲で、樹脂片45の更に先端近い部分に厚い部分があってもよい。
また、図6に示す例にあっては、天面231aの全面のテーパー面とヒートシールヘッド先端のフラット面(図示せず)とで形成される空間を利用して、先細り状の樹脂片45を形成するが、ヒートシールヘッド先端にテーパー面を設けるなどの工夫をして先細り状の樹脂片45を形成してもよい。
なお、本実施形態では、前述した第二実施形態と同様に、フランジ部23の天面231aと天面231bとにギャップGを設け、蓋材3を容器本体2にヒートシールするに際して、容器外方側に樹脂溜まり46が形成されるようにしているが、樹脂溜まり46は、前述した第二実施形態における樹脂溜まり44と同様の作用効果を奏するものであり、また、樹脂片45が先細り状に形成されるように構成した以外は、前述した第二実施形態と共通するため、これらについての詳細な説明は省略する
[第四実施形態]
次に、本発明に係る密封容器の第四実施形態について説明する。図8、図9、図10、図11のそれぞれは、前述の第一、第二、第三実施形態を示す図2、図5、図6、図7に対応させて、本実施形態における例を示しており、各図の(a)は、押圧部材5aにより突起部4を押圧変形させる前の容器本体2におけるフランジ23の断面形状を示している。また、各図の(b)は、押圧部材5aにより突起部4を押圧変形させた後の容器本体2におけるフランジ23の断面形状を示している。
なお、各図に示す断面は、図2、図5、図6、図7と同様に、図1(a)のB−B断面に相当する部位を示している。
本実施形態が、前述の第一、第二、第三実施形態と異なるのは、これらの実施形態では、容器本体2に蓋材3をヒートシールする際に、シールヘッドにより突起部4を押圧変形させることにより、ヒートシールと同時に、樹脂片41,42,43,45が形成されるようにしてあるが、本実施形態では、容器本体2に蓋材3をヒートシールするに先だって、突起部4を加熱溶融しつつ、押圧手段5aにより押圧することにより、予め、樹脂片41,42,43,45を形成しておく点にある。
このため、本実施形態によれば、蓋材3を容器本体2にヒートシールする際のヒートシール条件を設定するにあたり、突起部4を押圧変形させ、樹脂片41,42,43,45が形成されるようにするための加熱条件や、押圧条件などを考慮する必要がなくなる。
したがって、例えば、容器本体2を製造供給する者と、蓋材3を容器本体2にヒートシールしてなる容器1に内容物を密封充填する者とが異なる場合に、内容物を密封充填する者は、供給された容器本体2に蓋材をヒートシールするだけで、シール強度のばらつきが少ない、高い密封性を備えた密封容器を、容易に、かつ、安定して得ることができ、このような信頼性の高い密封容器に内容物を密封充填し、これを市場に流通させることができる。
本実施形態において、突起部4を押圧変形して、樹脂片41,42,43,45を形成するには、例えば、加熱手段を備えた押圧部材5aにより、前述の第一実施形態で例示した、蓋材3を容器本体2にヒートシールするときと同様の温度条件、押圧条件で、突起部4を加熱溶融しながら押圧することにより、フランジ23の天面231に沿って突起部4を変形させ、樹脂片41,42,43,45が形成されるようにすればよい。また、押圧部材5aとは別に加熱手段を設け、先に加熱手段により加熱溶融された突起部4に対し、押圧部材5aを押圧して加樹脂片41,42,43,45を形成するようにしてもよい。
このとき、前述の実施性と同様に、少なくとも突起部4よりも容器内方側におけるフランジ23の天面231には、融着阻害処理を施しておくこともできる。
本実施形態において、押圧部材5aにより突起部4を押圧変形するに際しては、押圧部材5aの押圧面にフッ素系樹脂などにより離型層を形成しておくか、押圧部材5aと突起部4との間に離型フィルムを介在させるなどして、押圧部材5aへの突起部4の貼りつきを防止しておくのが好ましい。
また、押圧部材5aには、前述したシールヘッド5と同様に、樹脂片41,42,43の先端に相当する部位に段部51aを設けるなどして、樹脂片41,42,43の厚さや突出長さを規制することもできる。
なお、図10に示す例では、押圧部材5aに段部51aを設けなくとも、フランジ23の容器内方側の天面231aの内周縁が押圧部材5aに当接するため、これによって樹脂片45の厚さや突出長さを規制することができる。
このように、本実施形態では、予め、樹脂片41,42,43,45が形成された容器本体2に、蓋材3をヒートシールすることによって密封容器1を得るが、容器本体2に形成しておく突起部4や、フランジ23の形状などは、前述の第一、第二、第三実施形態と同様に構成することができる。
すなわち、前述の第一、第二、第三実施形態を説明する図2、図5、図6、図7に対応させて、本実施形態における例を説明する図8、図9、図10、図11に示すようにすることができる。
このとき、前述の第二、第三実施形態と同様に、突起部4よりも容器外方側のフランジ23の肉厚を薄くして、容器外方側に樹脂溜まり44,46が形成されるようにすることができ、このとき、突起部4の容器外方側を切り欠いて、形成される樹脂溜まり44,46の形状や、大きさを制御することもできる(図9、図10、図11参照)。
また、前述の第三実施形態と同様に、突起部4よりも容器内方側のフランジ23の天面231aにテーパー面を設け、樹脂片45が先細り状となるようにすることもでき(図10、図11参照)、天面231aに設けるテーパー面は、天面231aの突起部4の基部に沿った部位を溝状に切り欠くことにより形成されるようにしてよいのも前述の第三実施形態と同様である(図11参照)。
このように、容器本体2に蓋材3をヒートシールするに先だって、突起部4を加熱溶融しつつ、押圧手段5aにより押圧することにより、予め、樹脂片41,42,43,45が形成されるように構成した以外は、前述した第一、第二、第三実施形態と共通するため、詳細な説明は省略する。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、シートからなる成形品、射出成形や圧縮成形による成形品、さらには、これらの成形品をプリフォームとして熱成形した成形品など、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
また、前述した実施形態では、カップ状の容器形状のものを一例として挙げたが、トレイ状、ボトル状又はチューブ状など、その他の形状を有する容器にも適用することがきる。
さらに、前述した実施形態では、開口部の周縁に沿ってヒートシール用のフランジが形成されたものを例に挙げたが、フランジが形成されていない容器にも、本発明は適用可能である。
すなわち、開口部の周縁に沿ってフランジが形成されているか否かにかかわらず、容器本体の開口周縁部の天面に形成された突起部が、蓋材をヒートシールするに際して変形し、開口周縁部の天面に実質的に密着した状態にある樹脂片が、容器内方に突出して形成されるように構成されていればよい。
具体的には、図12に示すような広口ビン6にも、本発明を適用することができる。図12に示す広口ビン6は、開口周縁部の天面231に、内蓋としてのインナーシール材3をヒートシールし、さらに、開口部に蓋体(図示せず)が螺着されるように構成したものである。
このような広口ビン6に本発明を適用するには、例えば、図13(a)に示すように、広口ビン6の開口周縁部の天面231に突起部4を形成しておき、インナーシール材3を開口周縁部の天面231にヒートシールするに際して突起部4を変形せしめ、図13(b)に示すように、開口周縁部の天面231に密着した状態で、樹脂片47が容器内方に突出して形成されるようにすればよい。また、この場合において、図14(b)に示すように、インナーシール材3をヒートシールするに先だって、突起部4を加熱溶融しつつ、押圧手段5aにより押圧することにより、予め、樹脂片47を形成しておくができるのは、前述した実施形態と同様である。
なお、図13(a)、図14(a)に示す例では、樹脂片47が容器内方に形成し易くするため、突起部4が容器内方に倒れた形態としている。こうした形態は、射出成形や圧縮成形で形成することができ、また、開口周縁部の天面231に、例えば熱せられた非粘着性の工具を押圧するなどの後加工を施すことによっても形成できる。
この他にも、ヒートシール蓋や、インナーシール材により開口部を密封するボトル、チューブ、スパウト付きパウチなどにも同様に、本発明を適用することができる。
以上説明したように、本発明は、安定した密封性を備えた密封容器として、食品類などの内容物を密封収容する密封容器に広く利用することができる。
本発明に係る密封容器の概略を示す図である。 本発明に係る密封容器の第一実施形態におけるフランジの断面形状を示す断面図である。 容器内方から蓋材を剥がそうとする力が作用した状態を概念的に示す説明図である。 樹脂片が破断される状態を概略的に示す説明図である。 本発明に係る密封容器の第二実施形態におけるフランジの断面形状を示す断面図である。 本発明に係る密封容器の第三実施形態におけるフランジの断面形状を示す断面図である。 本発明に係る密封容器の第三実施形態におけるフランジの断面形状の他の例示す断面図である。 本発明に係る密封容器の第四実施形態における第一実施形態に対応する例のフランジの断面形状を示す断面図である。 本発明に係る密封容器の第四実施形態における第二実施形態に対応する例のフランジの断面形状を示す断面図である。 本発明に係る密封容器の第四実施形態における第三実施形態に対応する例のフランジの断面形状を示す断面図である。 本発明に係る密封容器の第四実施形態における第三実施形態に対応する他の例のフランジの断面形状の他の例示す断面図である。 広口ビンの概略を示す平面図である。 本発明の他の実施形態の一例における開口周縁部の断面形状を示す断面図である。 本発明の他の実施形態の他の例における開口周縁部の断面形状を示す断面図である。
符号の説明
1 密封容器
2 容器本体
23 フランジ(開口周縁部)
231(231a,231b) 天面
3 蓋材
31 シーラント層
4 突起部
41,42,43,45,47 樹脂片
44,46 樹脂溜まり
G 突起部より内方の天面と外方の天面とのギャップ

Claims (21)

  1. 開口周縁部の天面に突起部が形成された容器本体に、シーラント層を内面に備えた蓋材を、前記突起部と前記シーラント層とを対向させてヒートシールしてなる密封容器であって、
    前記容器本体に前記蓋材をヒートシールする際に前記突起部が溶融押圧されて変形し、前記開口周縁部の天面に実質的に密接した状態で容器内方に突出形成された樹脂片を少なくとも備え、
    前記樹脂片が前記蓋材のシーラント層と接合していることを特徴とする密封容器。
  2. 前記突起部よりも容器外方側における前記開口周縁部の天面が、前記突起部よりも容器内方側における前記開口周縁部の天面に対して下方に形成され、
    前記容器本体に前記蓋材をヒートシールする際に溶融押圧されて変形する前記突起部の容器外方側には、樹脂溜まりが形成されている請求項1に記載の密封容器。
  3. 前記開口周縁部と前記蓋材のシーラント層とが、易開封性のヒートシール強度で接合されている請求項2に記載の密封容器。
  4. 前記樹脂片と実質的に密接する前記開口周縁部の少なくとも容器内方側の天面に、融着阻害処理が施されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の密封容器。
  5. 前記樹脂片が先細り状に形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の密封容器。
  6. シーラント層を備えた蓋材を開口周縁部にヒートシールすることにより、開口部が密封される容器であって、
    前記開口周縁部の天面に突起部を形成し、前記突起部を溶融押圧して変形させることにより、前記開口周縁部の天面に実質的に密接した状態で容器内方に突出形成された樹脂片を少なくとも備えていることを特徴とする容器。
  7. 前記樹脂片よりも容器外方側における前記開口周縁部の天面が、前記樹脂片が実質的に密接している容器内方側における前記開口周縁部の天面に対して下方に形成され、
    前記樹脂片の容器外方側には、樹脂溜まりが形成されている請求項6に記載の容器。
  8. 前記樹脂片と実質的に密接する前記開口周縁部の少なくとも容器内方側の天面に、融着阻害処理が施されている請求項6〜7のいずれか1項に記載の容器。
  9. 前記樹脂片が先細り状に形成されている請求項6〜8のいずれか1項に記載の容器。
  10. 開口周縁部の天面に突起部が形成され、シーラント層を内面に備えた蓋材が、前記突起部と前記シーラント層とを対向させてヒートシールされる容器であって、
    前記開口周縁部の天面が、前記突起部の基部から容器内方に向かって斜め上方に傾斜するテーパー面を備えていることを特徴とする容器。
  11. 前記突起部よりも容器外方側における前記開口周縁部の天面が、前記突起部よりも容器内方側における前記開口周縁部の天面に対して下方に形成されている請求項10に記載の容器。
  12. 少なくとも前記突起部よりも容器内方側における前記開口周縁部の天面に、融着阻害処理が施されている請求項10〜11のいずれか1項に記載の容器。
  13. 開口周縁部の天面に突起部が形成された容器本体に、シーラント層を内面に備えた蓋材を、前記突起部と前記シーラント層とを対向させて、シールヘッドでシール部を加熱加圧してヒートシールする密封容器の製造方法であって、
    前記シールヘッドにより前記突起部を溶融押圧し、
    前記突起部を、前記開口周縁部の天面に沿って、前記開口周縁部の天面に実質的に密接した状態で変形させることにより、少なくとも、容器内方に突出する樹脂片を形成するとともに、
    前記樹脂片を前記蓋材のシーラント層と接合させることを特徴とする密封容器の製造方法。
  14. 前記容器本体の前記突起部よりも容器外方側における前記開口周縁部の天面を、前記容器本体の前記突起部よりも容器内方側における前記開口周縁部の天面に対して下方に形成し、
    前記容器本体に前記蓋材をヒートシールする際に溶融押圧されて変形する前記突起部の容器外方側に、樹脂溜まりを形成する請求項13に記載の密封容器の製造方法。
  15. 容器本体の開口周縁部に、シーラント層を内面に備えた蓋材を、前記開口周縁部と前記シーラント層とを対向させてヒートシールする密封容器の製造方法であって、
    前記開口周縁部の天面に形成された突起部を加熱溶融しつつ、押圧手段により押圧し、
    前記突起部を、前記開口周縁部の天面に沿って、前記開口周縁部の天面に実質的に密接した状態で変形させることにより、少なくとも、容器内方に突出する樹脂片を形成し、
    しかる後に、前記蓋材を前記開口周縁部にヒートシールして、前記樹脂片を前記蓋材のシーラント層と接合させることを特徴とする密封容器の製造方法。
  16. 前記容器本体の前記突起部よりも容器外方側における前記開口周縁部の天面を、前記容器本体の前記突起部よりも容器内方側における前記開口周縁部の天面に対して下方に形成し、
    前記突起部を前記押圧手段により押圧変形させる際に、前記突起部の容器外方側に、樹脂溜まりを形成する請求項15に記載の密封容器の製造方法。
  17. 前記開口周縁部と前記蓋材のシーラント層とを、易開封性のヒートシール強度で接合させる請求項14、又は16に記載の密封容器の製造方法。
  18. 前記突起部の容器外方側を切り欠いて、前記樹脂溜まりの形状及び/又は大きさを制御する請求項14、16、又は17に記載の密封容器の製造方法。
  19. 前記容器本体の前記開口周縁部の天面に、前記突起部の基部から容器内方に向かって斜め上方に傾斜するテーパー面を設け、加熱溶融された前記突起部を前記シールヘッド又は前記押圧手段によって、前記テーパー面に沿って変形させることにより、前記樹脂片を先細り状に形成する請求項13〜18のいずれか1項に記載の密封容器の製造方法。
  20. 前記シールヘッド又は前記押圧手段に段部を設け、前記段部により前記樹脂片の形状及び/又は大きさを制御する請求項13〜19のいずれか1項に記載の密封容器の製造方法。
  21. 少なくとも前記突起部よりも容器内方側における前記開口周縁部の天面に、融着阻害処理を施しておく請求項13〜20のいずれか1項に記載の密封容器の製造方法。
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