JP2006148484A - 通信装置及び送信電力制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 受信状態が急激に劣化しても送信電力を意図通りに制御するとともに、送信電力制御の異常動作によりシステムに支障をきたすことを防ぐこと。
【解決手段】 移動速度推定部103は、パイロット信号を用いて通信相手の移動速度を推定する。送信電力制御部104は、総送信電力に対する個別チャネルの送信電力比がしきい値未満である場合には、受信状態が急激に変動する可能性が高いものと判断する。そして、送信電力制御部104は、送信電力制御コマンドを送信するチャネルの送信電力を、受信した送信電力制御コマンドに基づいて設定した送信電力よりも高く設定する。送信電力設定部106は、送信電力を設定して送信電力制御コマンドを送信する。
【選択図】 図1
【解決手段】 移動速度推定部103は、パイロット信号を用いて通信相手の移動速度を推定する。送信電力制御部104は、総送信電力に対する個別チャネルの送信電力比がしきい値未満である場合には、受信状態が急激に変動する可能性が高いものと判断する。そして、送信電力制御部104は、送信電力制御コマンドを送信するチャネルの送信電力を、受信した送信電力制御コマンドに基づいて設定した送信電力よりも高く設定する。送信電力設定部106は、送信電力を設定して送信電力制御コマンドを送信する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えばW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)システムにおける通信装置及び送信電力制御方法に関する。
従来、CDMA移動通信システムにおいては、移動による伝搬路変動が原因で生じる受信品質の変動を抑え、また同時にシステム容量を高めるため、送信電力制御が行われている(例えば、特許文献1)。例えば、W−CDMAシステムにおける基地局から端末への通信の場合には、端末において受信品質を測定し、目標となる受信品質に到達しない場合は送信電力を上げ、目標となる受信品質よりも高い品質すなわち過剰品質の場合は送信電力を下げるようなコマンドを基地局への上り送信データに重畳して送信する。基地局では受信した送信電力制御コマンドを復調し、コマンドに応じて送信電力を制御する。このような制御により、常に受信品質が必要最低限で一定になるように保持され、かつシステム容量の高い通信システムとなる。
このような送信電力制御コマンドによる短い周期の送信電力制御をインナーループ送信電力制御と呼ぶ。例えば、W−CDMAシステムにおいては、1スロット(約0.7ms)に1dB単位で送信電力が制御できるため、ある程度の速度におけるフェージング変動に追従し、目標となる受信品質を常に一定に保つことが可能である。
また、受信データの誤り率を測定し、目標受信品質自体をより長い周期で制御するアウターループ送信電力制御がある。例えば、W−CDMAシステムにおける端末の動作においては、目標の誤り率となるように、誤りが生じた場合は目標受信品質を上げ、誤りが生じなかった場合は目標受信品質を下げる方法がある。目標の誤り率を達成するための受信品質は、移動速度、到来パス数または接続基地局数等によって変化することから、アウターループ送信電力制御による目標受信品質の制御により、それら伝搬環境の変化に追随し、受信データ誤り率を一定に保つことが可能である。これらの送信電力制御は、前述したような基地局から端末への下り送信電力だけでなく、端末から基地局への上り送信電力についても同様に行われる。
特開平8−32515号公報
しかしながら、従来の装置においては、通信端末装置が見通しで基地局に近い場合、送信電力制御により、送信電力制御コマンドが重畳されている通信端末装置の例えば個別チャネル等の特定のチャネルの送信電力は非常に小さくなる。特に、下りの送信においては、基地局から通信端末装置へのチャネルはユーザ毎に全て直交しているため干渉電力とならず、また見通しの場合は直近の基地局に対する他基地局送信電力比も小さくなるため、個別チャネルの送信電力が十分小さくても、目標となる受信品質を満たすことができるためである。
この状態において、通信端末装置が移動したときに受信状態が急激に劣化し、送信電力制御コマンドが正しく受信できないことにより、送信電力が意図どおりに制御されない場合が生じるという問題がある。例えば、下りの通信においては、通信端末装置が移動することによって基地局との間に障害物が現れ、いままでの見通しの伝搬経路で通信端末装置に到来する信号の受信電力が急激に低下すると、通信端末装置においては、他の伝搬経路あるいは他基地局からの経路の受信信号電力の比率が高まる。これらは干渉電力となるため、受信状態が急激に劣化する。
従来のアウターループ送信電力制御は、伝搬環境の変動に応じて目標となる受信品質自体を制御することで、ある程度の変動には追従できるが、前述したような急激な変動を吸収することはできないので、アウターループ送信電力制御によっても送信電力が意図どおりに制御されない場合が生じるという問題がある。また目標受信品質自体の追従速度が速すぎると、通常時に過剰な制御となり、安定した通信が行えなくなるという問題がある。
一方、インナーループ送信電力制御は、急激な変動に対応するために短い周期で送信電力制御を行うことが可能であるが、送信電力制御コマンドが正しく受信されることが前提であるので、インナーループ送信電力コマンドの誤り率自体が劣化するような急激な受信状態の劣化がおこる場合は、下り個別チャネルに埋め込まれる送信電力コマンド自体に誤りが生じ、本来意図する電力制御が行われないという問題がある。その結果、通信端末装置の上りの送信において異常な送信電力制御が行われるため、基地局における上り受信自体も不安定になるという問題がある。さらに、同様の急激な受信品質劣化は基地局側でも生じるため、送信電力制御が異常動作し、システムに支障をきたす可能性があるという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、受信状態が急激に劣化しても送信電力を意図通りに制御することができるとともに、送信電力制御の異常動作によりシステムに支障をきたすことを防ぐことができる通信装置及び送信電力制御方法を提供することを目的とする。
本発明の通信装置は、受信信号より通信相手の移動速度を推定する移動速度推定手段と、前記移動速度推定手段にて推定された移動速度、受信信号に含まれる第一送信電力制御コマンド及び前記通信相手との伝搬路品質に基づいて送信電力を設定する送信電力制御手段と、前記通信相手にて送信電力を設定するための第二送信電力制御コマンドを前記送信電力制御手段にて設定された送信電力にて送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
また、本発明の通信装置は、自分の移動速度を推定する移動速度推定手段と、前記移動速度推定手段にて推定された移動速度、受信信号に含まれる送信電力制御コマンド及び前記通信相手との伝搬路品質に基づいて送信電力を設定する送信電力制御手段と、前記送信電力制御手段にて設定された送信電力にて送信信号を送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
また、本発明の通信装置は、受信信号より通信相手の移動速度を推定する移動速度推定手段と、前記移動速度推定手段にて推定された移動速度及び前記通信相手との伝搬路品質に基づいて前記通信相手にて送信電力を設定するための送信電力制御コマンドを生成する送信電力コマンド生成手段と、前記送信電力コマンド生成手段にて生成された前記送信電力制御コマンドを所定の送信電力にて送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
本発明の通信装置は、自分の移動速度を推定する移動速度推定手段と、前記移動速度推定手段にて推定された移動速度及び前記通信相手との伝搬路品質に基づいて前記通信相手にて送信電力を設定するための送信電力制御コマンドを生成する送信電力コマンド生成手段と、前記送信電力制御コマンド生成手段にて生成された前記送信電力制御コマンドを所定の送信電力にて送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
本発明の送信電力制御方法は、受信信号より通信相手の移動速度を推定するステップと、推定された移動速度、受信信号に含まれる第一送信電力制御コマンド及び前記通信相手との伝搬路品質に基づいて送信電力を設定するステップと、を具備するようにした。
また、本発明の送信電力制御方法は、自分の移動速度を推定するステップと、推定された移動速度、受信信号に含まれる送信電力制御コマンド及び前記通信相手との伝搬路品質に基づいて送信電力を設定するステップと、を具備するようにした。
また、本発明の送信電力制御方法は、受信信号より通信相手の移動速度を推定するステップと、推定された移動速度及び前記通信相手との伝搬路品質に基づいて前記通信相手にて送信電力を設定するための送信電力制御コマンドを生成するステップと、生成された前記送信電力制御コマンドを所定の送信電力にて前記通信相手に送信するステップと、前記送信電力制御コマンドにて指示された送信電力を前記通信相手にて設定するステップと、を具備するようにした。
また、本発明の送信電力制御方法は、自分の移動速度を推定するステップと、推定された移動速度及び前記通信相手との伝搬路品質に基づいて前記通信相手にて送信電力を設定するための送信電力制御コマンドを生成するステップと、生成された前記送信電力制御コマンドを所定の送信電力にて送信するステップと、前記送信電力制御コマンドにて指示された送信電力を前記通信相手にて設定するステップと、を具備するようにした。
本発明によれば、受信状態が急激に劣化しても送信電力を意図通りに制御することができるとともに、送信電力制御の異常動作によりシステムに支障をきたすことを防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る通信装置100の構成を示すブロック図である。通信装置100は、例えば基地局装置に適用することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る通信装置100の構成を示すブロック図である。通信装置100は、例えば基地局装置に適用することができる。
アンテナ101は、信号を受信して受信部102へ出力する。またアンテナ101は、送信電力設定部106から入力した送信信号を送信する。
受信部102は、アンテナ101にて受信した受信信号を無線周波数からベースバンド周波数へダウンコンバートするとともに復調する。そして、受信部102は、復調した受信データを出力するとともに、復調した受信データから送信電力制御コマンド(第一送信電力制御コマンド)を抽出して送信電力制御部104へ出力する。また、受信部102は、復調した受信データからパイロット信号を抽出して移動速度推定部103へ出力する。なお、抽出する信号はパイロット信号に限らず、通信装置100にて速度推定可能な信号であれば何でも良い。
移動速度推定部103は、受信部102から入力したパイロット信号を用いて、伝搬路での位相変動速度または受信レベルの変動等を求めることにより、通信相手の移動速度を推定する。そして、移動速度推定部103は、推定した移動速度の情報を送信電力制御部104へ出力する。なお、移動速度を推定する方法は、パイロット信号の変動に基づいて算出する場合に限らず、例えばGPS(Global Positioning System)を用いる等の他の速度検出方法を用いても良い。
送信電力制御部104は、受信部102から入力した送信電力制御コマンドに基づき、現在の個別チャネルの送信電力に対して電力制御を行って、所定の送信電力を設定するように送信電力設定部106に指示する。これは、インナーループ送信電力制御である。続いて、送信電力制御部104は、移動速度推定部103から入力した移動速度の情報、及び後述する送信電力比測定部107から入力した、同一セル内の他の通信端末装置の全てのチャネルの総送信電力に対する個別チャネルの送信電力比(以下、「個別チャネル送信電力比」と記載する)の情報に基づいて、再び送信電力制御を行って、個別チャネルに対して所定の送信電力を設定するように送信電力設定部106に指示する。なお、送信電力制御方法については後述する。
送信部105は、入力した送信データと、通信相手にて送信電力を設定するための図示しない送信電力制御コマンド(第二送信電力制御コマンド)とを多重して、ベースバンド周波数から無線周波数へアップコンバートして送信電力設定部106へ出力する。
送信電力設定部106は、送信部105から入力した個別チャネルの送信信号に対して、送信電力制御部104により指示された送信電力にてアンテナ101へ出力する。
送信電力比測定部107は、送信電力設定部106から入力した各チャネルの送信電力の情報を用いて、個別チャネル送信電力比を測定する。そして、送信電力比測定部107は、測定した個別チャネル送信電力比の情報を送信電力制御部104へ出力する。ここで、個別チャネルには、送信電力制御コマンドが重畳されている。
次に、送信電力制御方法について、図2を用いて説明する。図2は、送信電力制御方法を示すフロー図である。
最初に、受信部102は受信信号から送信電力制御コマンドを抽出し、送信電力制御部104は送信電力制御コマンドに基づいてインナーループ送信電力制御を行う(ステップST201)。例えば、送信電力制御部104は、送信電力制御コマンドがUpの場合は、+ΔdBだけ送信電力を上げ、送信電力制御コマンドがDownの場合は、−ΔdBだけ送信電力を下げる。
次に、移動速度推定部103は受信信号より移動速度を推定するとともに、送信電力比測定部107は個別チャネル送信電力比を測定する。そして、送信電力制御部104は、移動速度がしきい値X以上であるか否かを判定する(ステップST202)。移動速度がしきい値X以上である場合には、送信電力制御部104は個別チャネル送信電力比がしきい値Y未満であるか否かを判定する(ステップST203)。個別チャネル送信電力比がしきい値Y未満である場合には、送信電力制御部104は、インナーループ送信電力制御の結果の個別チャネル送信電力比がAdB未満であるか否かを判定し、個別チャネル送信電力比がAdB未満である場合には、送信電力がAdBになるように再び送信電力制御を行って送信電力AdBを設定する(ステップST204)。
一方、ステップST202において、移動速度がしきい値X以上ではない場合には、送信電力制御部104は、受信部102にて抽出した送信電力制御コマンドに基づいて設定した送信電力を維持する。また、ステップST203において、個別チャネル送信電力比がしきい値Y未満ではない場合には、送信電力制御部104は、受信部102にて抽出した送信電力制御コマンドに基づいて設定した送信電力を維持する。
図3において、通信装置100は、例えば基地局装置であり、移動せずに多数の通信相手311と通信を行うものである。また、通信相手311は、例えば通信端末装置であり、移動しながら通信装置100と通信を行うものである。なお、図3の通信装置100は図1と同一構成である。ここで、通信相手311が送信電力を設定するために用いる送信電力制御コマンドを、上り回線用の送信電力制御コマンドとし、通信装置100が送信電力を設定するために用いる送信電力制御コマンドを、下り回線用の送信電力制御コマンドとする。上り回線用の送信電力制御コマンドは、通信装置100にて生成して通信装置100から送信されるものであり、下り回線用の送信電力制御コマンドは、通信相手311にて生成して通信相手311から送信されるものである。
図3より、通信相手311がF1の場所にて通信装置100と通信を行う場合は、通信装置100からの見通し経路#301で信号が到来するため、通信装置100における総送信電力に対する通信相手311の個別チャネル送信電力の割合が非常に小さくても、通信相手311は誤りなく上り回線用の送信電力制御コマンドを受信することができる。したがって、通信相手311が上り回線用の送信電力制御コマンドに基づいて設定した適切な送信電力で、下り回線用の送信電力制御コマンドを送信することができる。その結果、通信装置100は、下り回線用の送信電力制御コマンドを誤りなく受信可能である。図4は、通信装置100が送信する個別チャネルの信号の送信電力比を示す図である。通信相手311が送信電力P1にて通信装置100と通信を行っている場合の個別チャネル送信電力比#401において、通信相手311の個別チャネルの送信電力P2は非常に小さくなっている。
一方、通信相手311がF1からF2の場所に移動してF2にて通信装置100と通信を行う場合は、見通し経路#302は障害物R1に遮断されるため、通信装置100より障害物R2にて反射されて到達する経路#303による干渉となる電力が大きくなる。したがって、F1からF2への移動が高速に行われた場合、通信相手311は、上り回線用の送信電力制御コマンドを正しく受信することができなくなる。このような場合、通信相手311が上り回線用の送信電力制御コマンドに基づいて設定した下り回線用の送信電力制御コマンドの送信電力は、適切な送信電力を設定することができなくなる。その結果、通信装置100は、下り回線用の送信電力制御コマンドを誤って受信する可能性が高くなる。つまり、本来F2の場所では、下り個別チャネルの送信電力比#402のように、通信相手311は送信電力P3が必要になる。しかし、F1からF2へ移動する通信相手311の速度が速い場合は、送信電力P2から送信電力P3への遷移が間に合わず、送信電力制御に誤りが生じる。この時、通信相手311の移動速度が速く、通信相手311がF1からF2に移動する可能性が高い場合には、通信相手311の個別チャネルの送信電力を、上り回線用の送信電力制御コマンドに基づいて送信電力制御されて設定された送信電力よりも高い送信電力を設定する。即ち、通信相手311がF1にて通信装置100と通信を行っている場合であっても、通信相手311が高速に移動する場合は、個別チャネル送信電力比#402において、通信装置100の個別チャネルの送信電力を、上り回線用の送信電力制御コマンドに基づいて設定された送信電力P2よりも高いP3に設定することで、通信相手311がF2の場所に移動した場合でも、下り回線用の送信電力制御コマンドに誤りが生じないため、安定した電力制御が可能である。
このように、本実施の形態1によれば、移動速度が所定の値以上で、かつ個別チャネル送信電力比が所定の値未満である場合には、送信電力制御コマンドに基づいて設定した送信電力よりも高い送信電力を設定するので、基地局と通信端末装置との見通し経路が障害物により遮られる等により、受信状態が急激に劣化しても送信電力を意図通りに制御することができるとともに、送信電力制御の異常動作によりシステムに支障をきたすことを防ぐことができる。また、本実施の形態1によれば、前述のような送信電力制御コマンドに誤りが生じるのは、通信相手が高速に移動し、かつ通信装置と通信相手との距離が近く通信装置からの個別チャネルの送信電力比が小さい場合であるので、この条件に当てはまらない場合、即ち通信装置と通信相手との距離が遠い場合、または通信相手の移動速度が遅い場合等においては、送信電力制御コマンドに基づいて設定した送信電力を維持する制御を行うことにより、インナーループ送信電力制御またはアウターループ送信電力制御のみで適切な送信電力を設定することができ、相対的に通信容量が大きく変化しない運用にすることができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る通信装置500の構成を示すブロック図である。通信装置500は、例えば通信端末装置に適用することができる。
図5は、本発明の実施の形態2に係る通信装置500の構成を示すブロック図である。通信装置500は、例えば通信端末装置に適用することができる。
本実施の形態2に係る通信装置500は、図1に示す実施の形態1に係る通信装置100において、図5に示すように、送信電力比測定部107を除き、制御データ復号部501を追加する。なお、図5においては、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
受信部102は、アンテナ101にて受信した受信信号を無線周波数からベースバンド周波数へダウンコンバートするとともに復調する。そして、受信部102は、復調した受信データを出力するとともに移動速度推定部103及び制御データ復号部501へ出力する。
移動速度推定部103は、受信データに基づいて、自分の移動速度を推定する。そして、移動速度推定部103は、推定した移動速度の情報を送信電力制御部104へ出力する。
制御データ復号部501は、受信部102から入力した受信データより、個別チャネル送信電力比の情報を抽出して送信電力制御部104へ出力する。
送信電力制御部104は、受信部102から入力した送信電力制御コマンドに基づき、現在の個別チャネルの送信電力に対して電力制御を行って、所定の送信電力を設定するように送信電力設定部106に指示する。これは、インナーループ送信電力制御である。続いて、送信電力制御部104は、移動速度推定部103から入力した移動速度の情報、及び制御データ復号部501から入力した個別チャネル送信電力比の情報に基づいて、再び送信電力制御を行って、個別チャネルに対して所定の送信電力を設定するように送信電力設定部106に指示する。なお、送信電力制御方法は図2と同一であるのでその説明は省略する。
このように、本実施の形態2によれば、移動速度が所定の値以上で、かつ個別チャネル送信電力比が所定の値未満である場合には、送信電力制御コマンドに基づいて設定した送信電力よりも高い送信電力を設定するので、基地局と通信端末装置との見通し経路が障害物により遮られる等により、受信状態が急激に劣化しても送信電力を意図通りに制御することができるとともに、送信電力制御の異常動作によりシステムに支障をきたすことを防ぐことができる。また、本実施の形態2によれば、前述のような送信電力制御コマンドに誤りが生じるのは、自分が高速に移動し、かつ通信装置と通信相手との距離が近く通信相手からの個別チャネルの送信電力比が小さい場合であるので、この条件に当てはまらない場合、即ち通信装置と通信相手との距離が遠い場合、または自分の移動速度が遅い場合等においては、送信電力制御コマンドに基づいて設定した送信電力を維持する制御を行うことにより、インナーループ送信電力制御またはアウターループ送信電力制御のみで適切な送信電力を設定することができ、相対的に通信容量が大きく変化しない運用にすることができる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3に係る通信装置600の構成を示すブロック図である。通信装置600は、例えば通信端末装置に適用することができる。
図6は、本発明の実施の形態3に係る通信装置600の構成を示すブロック図である。通信装置600は、例えば通信端末装置に適用することができる。
本実施の形態3に係る通信装置600は、図1に示す実施の形態1に係る通信装置100において、図6に示すように、送信電力比測定部107を除き、受信品質測定部601及び受信電力比測定部602を追加する。なお、図6においては、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
受信部102は、アンテナ101にて受信した受信信号を無線周波数からベースバンド周波数へダウンコンバートするとともに復調する。そして、受信部102は、復調した受信データを出力するとともに、復調した受信データから送信電力制御コマンドを抽出して送信電力制御部104へ出力する。また、受信部102は、復調した受信データを移動速度推定部103、受信品質測定部601及び受信電力比測定部602へ出力する。
受信品質測定部601は、受信部102から入力した受信データに含まれるパイロット信号のSIR等の受信品質を測定し、測定値を送信電力制御部104へ出力する。
受信電力比測定部602は、受信部102から入力した受信データに含まれるパイロット信号から、個別チャネルの総受信電力に対する個別チャネルの受信電力比(以下「個別チャネル受信電力比」と記載する)を求め、求めた個別チャネル受信電力比の情報を送信電力制御部104へ出力する。
送信電力制御部104は、受信部102から入力した送信電力制御コマンドに基づき、現在の個別チャネルの送信電力に対して電力制御を行って、所定の送信電力を設定するように送信電力設定部106に指示する。これは、インナーループ送信電力制御である。続いて、送信電力制御部104は、移動速度推定部103から入力した通信相手の移動速度の情報、受信品質測定部601から入力した受信品質の測定結果及び受信電力比測定部602から入力した個別チャネル受信電力比の情報に基づいて、再び送信電力制御を行って、個別チャネルに対して所定の送信電力を設定するように送信電力設定部106に指示する。
次に、送信電力制御方法について、図7を用いて説明する。図7は、送信電力制御方法を示すフロー図である。
最初に、受信部102は受信信号から送信電力制御コマンドを抽出して、送信電力制御部104は送信電力制御コマンドに基づいてインナーループ送信電力制御を行う(ステップST701)。例えば、送信電力制御部104は、送信電力制御コマンドがUpの場合は、+ΔdBだけ送信電力を上げ、送信電力制御コマンドがDownの場合は、−ΔdBだけ送信電力を下げる。
次に、移動速度推定部103は受信信号より自分の移動速度を推定し、受信品質測定部601は受信品質を測定するとともに、受信電力比測定部602は個別チャネル受信電力比を測定する。
次に、送信電力制御部104は、自分の移動速度がしきい値X以上であるか否かを判定する(ステップST702)。移動速度がしきい値X以上である場合には、送信電力制御部104は、受信品質の測定値と目標品質との差がしきい値W未満であるか否かを判定する(ステップST703)。受信品質の測定値と目標品質との差がしきい値W未満である場合には、送信電力制御部104は、個別チャネル受信電力比がしきい値Y未満であるか否かを判定する(ステップST704)。個別チャネル受信電力比がしきい値Y未満である場合には、送信電力制御部104は、インナーループ送信電力制御の結果の個別チャネル受信電力比がAdB未満であるか否かを判定し、個別チャネル受信電力比がAdB未満である場合には、送信電力がAdBになるように再び送信電力制御を行って送信電力AdBを設定する(ステップST705)。
一方、ステップST702において、自分の移動速度がしきい値X以上ではない場合には、送信電力制御部104は、受信部102にて抽出した送信電力制御コマンドに基づいて設定した送信電力を維持する。また、ステップST703において、受信品質の測定値と目標品質との差がしきい値W未満ではない場合には、送信電力制御部104は、受信部102にて抽出した送信電力制御コマンドに基づいて設定した送信電力を維持する。また、ステップST704において、個別チャネル受信電力比がしきい値Y未満ではない場合には、送信電力制御部104は、受信部102にて抽出した送信電力制御コマンドに基づいて設定した送信電力を維持する。
因みに、総受信電力中には、現在通信を行っている通信相手からの送信信号以外にも他の通信装置からの信号等の干渉信号が含まれる。したがって、個別チャネル受信電力比は、必ずしも通信相手の個別チャネル送信電力比と一致しない。しかし、個別チャネルがインナーループ送信電力制御により、常に要求受信品質を満たすように制御されている間において、個別チャネル受信電力比が小さい場合には、受信電力における干渉信号のレベルは小さいと考えられる。つまり、インナーループ送信電力制御により要求品質を満たしているということは、例えばSIR値が保たれている。したがって、個別チャネルの受信電力が小さいときは、干渉信号のレベルも小さくなるはずである。その場合、受信した総受信電力において、干渉信号、すなわち他の通信装置からの信号はほとんど含まれず、現在通信を行っている通信相手の送信電力がほとんどを占める。したがって、測定した受信品質が目標受信品質とほぼ同じである場合、即ちインナーループ送信電力制御が正常に動作している場合は、個別チャネル受信電力比は個別チャネル送信電力比と置き換えることができる。
このように、本実施の形態3によれば、移動速度が所定の値以上であるとともに受信品質の測定値と目標品質との差が所定の値未満で、かつ個別チャネル受信電力比が所定の値未満である場合には、送信電力制御コマンドに基づいて設定した送信電力よりも高い送信電力を設定するので、基地局と通信端末装置との見通し経路が障害物により遮られる等により、受信状態が急激に劣化しても送信電力を意図通りに制御することができるとともに、送信電力制御の異常動作によりシステムに支障をきたすことを防ぐことができる。また、本実施の形態3によれば、前述のような送信電力制御コマンドに誤りが生じるのは、自分が高速に移動し、かつ通信装置と通信相手との距離が近く通信装置からの個別チャネルの送信電力比が小さい場合であるので、この条件に当てはまらない場合、即ち通信装置と通信相手との距離が遠い場合、または自分の移動速度が遅い場合等においては、送信電力制御コマンドに基づいて設定した送信電力を維持する制御を行うことにより、インナーループ送信電力制御またはアウターループ送信電力制御のみで適切な送信電力を設定することができ、総体的に通信容量が大きく変化しない運用にすることができる。また、本実施の形態3によれば、個別チャネル受信電力比を用いて送信電力を設定するので、受信側の測定のみで送信電力を設定することができることにより、送信側の回路規模を小さくすることができるとともに送信信号の処理を速くすることができる。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4に係る通信装置800の構成を示すブロック図である。通信装置800は、例えば基地局装置に適用することができる。
図8は、本発明の実施の形態4に係る通信装置800の構成を示すブロック図である。通信装置800は、例えば基地局装置に適用することができる。
本実施の形態4に係る通信装置800は、図1に示す実施の形態1に係る通信端末装置100において、図8に示すように、送信電力コマンド生成部802を追加し、送信電力制御部104の代わりに送信電力制御部801を有する。なお、図8においては、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
受信部102は、アンテナ101にて受信した受信信号を無線周波数からベースバンド周波数へダウンコンバートするとともに復調する。そして、受信部102は、復調した受信データを出力するとともに、復調した受信データから送信電力制御コマンドを抽出して送信電力制御部801へ出力する。また、受信部102は、復調した受信データからパイロット信号を抽出して移動速度推定部103へ出力する。
送信電力制御部801は、受信部102から入力した送信電力制御コマンドに基づき、現在の個別チャネルの送信電力に対して電力制御を行って、個別チャネルに対して所定の送信電力を設定するように送信電力設定部106に指示する。これは、インナーループ送信電力制御である。
移動速度推定部103は、受信部102から入力したパイロット信号を用いて、伝搬路での位相変動速度または受信レベルの変動等を求めることにより通信相手の移動速度を推定する。そして、移動速度推定部103は、推定した通信相手の移動速度の情報を送信電力コマンド生成部802へ出力する。
送信電力コマンド生成部802は、移動速度推定部103から入力した移動速度の情報、及び送信電力比測定部107から入力した個別チャネル送信電力比の情報に基づいて、現在の目標受信品質が所定レベルだけ高くなるように目標受信品質を再設定し、再設定した目標受信品質を満たすような送信電力制御コマンドを生成する。そして、送信電力コマンド生成部802は、生成した送信電力制御コマンドを送信部105へ出力する。
送信部105は、入力した送信データと送信電力コマンド生成部802から入力した送信電力制御コマンドを多重して、ベースバンド周波数から無線周波数へアップコンバートして送信電力設定部106へ出力する。
送信電力設定部106は、送信部105から入力した送信電力制御コマンドを含む個別チャネルの送信信号に対して、送信電力制御部801により指示された送信電力にてアンテナ101へ出力する。
送信電力比測定部107は、送信電力設定部106から入力した各チャネルの送信電力の情報を用いて、個別チャネル送信電力比を測定する。そして、送信電力比測定部107は、測定した個別チャネル送信電力比の情報を送信電力コマンド生成部802へ出力する。
次に、送信電力制御方法について、図9を用いて説明する。図9は、送信電力制御方法を示すフロー図である。
最初に、移動速度推定部103は受信信号より通信相手の移動速度を推定するとともに、送信電力比測定部107は個別チャネル送信電力比を測定する。そして、送信電力コマンド生成部802は、通信相手の移動速度がしきい値X以上であるか否かを判定する(ステップST901)。移動速度がしきい値X以上である場合には、送信電力コマンド生成部802は個別チャネル送信電力比がしきい値Y未満であるか否かを判定する(ステップST902)。個別チャネル送信電力比がしきい値Y未満である場合には、送信電力コマンド生成部802は、現在の目標受信品質を高くするように目標受信品質を再設定する(ステップST903)。次に、再設定した目標受信品質を満たすような送信電力制御コマンドを生成する(ステップST904)。
一方、ステップST901において、通信相手の移動速度がしきい値X以上ではない場合には、送信電力コマンド生成部802は、現在の目標受信品質を満たすような送信電力制御コマンドを生成する(ステップST904)。また、ステップST902において、個別チャネル送信電力比がしきい値Y未満ではない場合には、送信電力コマンド生成部802は、現在の目標受信品質を満たすような送信電力制御コマンドを生成する(ステップST904)。次に、通信端末装置800は、生成した送信電力制御コマンドを送信する(ステップST905)。
このように、本実施の形態4によれば、通信相手の移動速度が所定の値以上で、かつ個別チャネル送信電力比が所定の値未満である場合には、現在の目標受信品質を高くした目標受信品質を再設定して再設定した目標受信品質を満たすような送信電力制御コマンドを生成することにより、通信装置と通信相手との見通し経路が障害物により遮られる可能性等を考慮した送信電力制御コマンドをあらかじめ生成することができるので、受信状態が急激に劣化しても送信電力を意図通りに制御することができるとともに、送信電力制御の異常動作によりシステムに支障をきたすことを防ぐことができる。また、本実施の形態4によれば、前述のような送信電力制御コマンドに誤りが生じるのは、通信相手が高速に移動し、かつ通信装置と通信相手との距離が近く通信装置からの個別チャネルの送信電力比が小さい場合であるので、この条件に当てはまらない場合、即ち通信装置と通信相手との距離が遠い場合、または通信相手の移動速度が遅い場合等においては、上り回線用の送信電力制御コマンドに基づいて設定した送信電力を維持する制御を行うことにより、インナーループ送信電力制御またはアウターループ送信電力制御のみで適切な送信電力を設定することができ、総体的に通信容量が大きく変化しない運用にすることができる。また、本実施の形態4によれば、通信装置が通信相手へ送信する送信電力制御コマンドによって、通信装置が受信する送信電力制御コマンドの受信品質を保証することができることにより、通信相手にて受信品質を保証するための演算等の処理を行わなくても良いので、通信相手における処理を速くすることができる。
(実施の形態5)
図10は、本発明の実施の形態5に係る通信装置1000の構成を示すブロック図である。通信装置1000は、例えば通信端末装置に適用することができる。
図10は、本発明の実施の形態5に係る通信装置1000の構成を示すブロック図である。通信装置1000は、例えば通信端末装置に適用することができる。
本実施の形態5に係る通信装置1000は、図1に示す実施の形態1に係る通信端末装置100において、図10に示すように、送信電力比測定部107を除き、制御データ復号部1002及び送信電力コマンド生成部1003を追加し、送信電力制御部104の代わりに送信電力制御部1001を有する。なお、図10においては、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
受信部102は、アンテナ101にて受信した受信信号を無線周波数からベースバンド周波数へダウンコンバートするとともに復調する。そして、受信部102は、復調した受信データを出力するとともに移動速度推定部103及び制御データ復号部1002へ出力し、復調した受信データから送信電力制御コマンドを抽出して送信電力制御部1001へ出力する。
移動速度推定部103は、受信データに基づいて、自分の移動速度を推定する。そして、移動速度推定部103は、推定した移動速度の情報を送信電力コマンド生成部1003へ出力する。
移動速度推定部103は、受信部102から入力した受信データに含まれるパイロット信号を用いて、伝搬路での位相変動速度または受信レベルの変動等を求めることにより自分の移動速度を推定する。そして、移動速度推定部103は、推定した自分の移動速度の情報を送信電力コマンド生成部1003へ出力する。
送信電力制御部1001は、受信部102から入力した送信電力制御コマンドに基づき、現在の個別チャネルの送信電力に対して電力制御を行って、個別チャネルに対して所定の送信電力を設定するように送信電力設定部106に指示する。これは、インナーループ送信電力制御である。
制御データ復号部1002は、受信部102から入力した受信データより、個別チャネル送信電力比の情報を抽出して送信電力コマンド生成部1003へ出力する。
送信電力コマンド生成部1003は、移動速度推定部103から入力した移動速度の情報及び制御データ復号部1002から入力した個別チャネル送信電力比の情報に基づいて、現在の目標受信品質が所定レベルだけ高くなるように目標受信品質を再設定し、再設定した目標受信品質を満たすような送信電力制御コマンドを生成する。そして、送信電力コマンド生成部1003は、生成した送信電力制御コマンドを送信部105へ出力する。
送信部105は、入力した送信データと送信電力コマンド生成部1003から入力した下り回線用の送信電力制御コマンドを多重して、ベースバンド周波数から無線周波数へアップコンバートして送信電力設定部106へ出力する。
送信電力設定部106は、送信部105から入力した下り回線用の送信電力制御コマンドを含む個別チャネルの送信信号に対して、送信電力制御部1001により指示された送信電力にてアンテナ101へ出力する。なお、送信電力制御方法は図9と同一であるのでその説明は省略する。
このように、本実施の形態5によれば、自分の移動速度が所定の値以上で、かつ個別チャネル送信電力比が所定の値未満である場合には、現在の目標受信品質を高くした目標受信品質を再設定して再設定した目標受信品質を満たすような送信電力制御コマンドを生成することにより、通信装置と通信相手との見通し経路が障害物により遮られる可能性等を考慮した送信電力制御コマンドをあらかじめ生成することができるので、受信状態が急激に劣化しても送信電力を意図通りに制御することができるとともに、送信電力制御の異常動作によりシステムに支障をきたすことを防ぐことができる。また、本実施の形態5によれば、前述のような送信電力制御コマンドに誤りが生じるのは、自分が高速に移動し、かつ通信装置と通信相手との距離が近く通信装置からの個別チャネルの送信電力比が小さい場合であるので、この条件に当てはまらない場合、即ち通信装置と通信相手との距離が遠い場合、または自分の移動速度が遅い場合等においては、送信電力制御コマンドに基づいて設定した送信電力を維持する制御を行うことにより、インナーループ送信電力制御またはアウターループ送信電力制御のみで適切な送信電力を設定することができ、総体的に通信容量が大きく変化しない運用にすることができる。また、本実施の形態5によれば、通信装置が通信相手へ送信する送信電力制御コマンドによって、通信装置が受信する送信電力制御コマンドの受信品質を保証することができることにより、通信相手にて受信品質を保証するための演算等の処理を行わなくても良いので、通信相手における処理を速くすることができる。
(実施の形態6)
図11は、本発明の実施の形態6に係る通信装置1100の構成を示すブロック図である。通信装置1100は、例えば通信端末装置に適用することができる。
図11は、本発明の実施の形態6に係る通信装置1100の構成を示すブロック図である。通信装置1100は、例えば通信端末装置に適用することができる。
本実施の形態6に係る通信装置1100は、図1に示す実施の形態1に係る通信装置100において、図11に示すように、送信電力比測定部107を除き、受信品質測定部1102、受信電力比測定部1103及び送信電力コマンド生成部1104を追加し、送信電力制御部104の代わりに送信電力制御部1101を有する。なお、図11においては、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
受信部102は、アンテナ101にて受信した受信信号を無線周波数からベースバンド周波数へダウンコンバートするとともに復調する。そして、受信部102は、復調した受信データを出力するとともに、復調した受信データから送信電力制御コマンドを抽出して送信電力制御部1101へ出力する。また、受信部102は、復調した受信データを移動速度推定部103、受信品質測定部1102及び受信電力比測定部1103へ出力する。
移動速度推定部103は、受信部102から入力した受信データより自分の移動速度を推定する。そして、移動速度推定部103は、推定した自分の移動速度の情報を送信電力コマンド生成部1104へ出力する。
送信電力制御部1101は、受信部102から入力した送信電力制御コマンドに基づき、現在の個別チャネルの送信電力に対して電力制御を行って、個別チャネルに対して所定の送信電力を設定するように送信電力設定部106に指示する。これは、インナーループ送信電力制御である。
受信品質測定部1102は、受信部102から入力した受信データに含まれるパイロット信号のSIR等の受信品質を測定し、測定値を送信電力コマンド生成部1104へ出力する。
受信電力比測定部1103は、受信部102から入力した受信データに含まれるパイロット信号から個別チャネル受信電力比を求め、求めた個別チャネル受信電力比の情報を送信電力コマンド生成部1104へ出力する。
送信電力コマンド生成部1104は、移動速度推定部103から入力した移動速度の情報、受信品質測定部1102から入力した受信品質の測定値及び受信電力比測定部1103から入力した個別チャネル受信電力比の情報に基づいて、現在の目標受信品質が所定レベルだけ高くなるように目標受信品質を再設定し、再設定した目標受信品質を満たすような送信電力制御コマンドを生成する。そして、送信電力コマンド生成部1104は、生成した送信電力制御コマンドを送信部105へ出力する。
送信部105は、入力した送信データと送信電力コマンド生成部1104から入力した下り回線用の送信電力制御コマンドを多重して、ベースバンド周波数から無線周波数へアップコンバートして送信電力設定部106へ出力する。
次に、送信電力制御方法について、図12を用いて説明する。図12は、送信電力制御方法を示すフロー図である。
最初に、移動速度推定部103は受信信号より自分の移動速度を推定するとともに、受信電力比測定部1103は個別チャネル受信電力比を測定する。そして、送信電力コマンド生成部1104は、自分の移動速度がしきい値X以上であるか否かを判定する(ステップST1201)。移動速度がしきい値X以上である場合には、送信電力コマンド生成部1104は、受信品質の測定値と目標品質との差がしきい値W未満であるか否かを判定する(ステップST1202)。受信品質の測定値と目標品質との差がしきい値W未満である場合には、送信電力コマンド生成部1104は個別チャネル受信電力比がしきい値Y未満であるか否かを判定する(ステップST1203)。個別チャネル受信電力比がしきい値Y未満である場合には、送信電力コマンド生成部1104は、現在の目標受信品質を高くするように目標受信品質を再設定する(ステップST1204)。次に、送信電力コマンド生成部1104は、再設定した目標受信品質を満たすような送信電力制御コマンドを生成する(ステップST1205)。
一方、ステップST1201において、自分の移動速度がしきい値X以上ではない場合には、送信電力コマンド生成部1104は、現在の目標受信品質を満たすような送信電力制御コマンドを生成する(ステップST1205)。また、ステップST1202において、受信品質の測定値と目標品質との差がしきい値W未満ではない場合には、送信電力コマンド生成部1104は、現在の目標受信品質を満たすような送信電力制御コマンドを生成する(ステップST1205)。また、ステップST1203において、個別チャネル受信電力比がしきい値Y未満ではない場合には、送信電力コマンド生成部1104は、現在の目標受信品質を満たすような送信電力制御コマンドを生成する(ステップST1205)。次に、通信装置1100は、生成した送信電力制御コマンドを送信する(ステップST1206)。
このように、本実施の形態6によれば、移動速度が所定の値以上で、かつ個別チャネル送信電力比が所定の値未満である場合には、現在の目標受信品質を高くした目標受信品質を再設定して再設定した目標受信品質を満たすような送信電力制御コマンドを生成するので、通信装置と通信相手との見通し経路が障害物により遮られる等により、受信状態が急激に劣化しても送信電力を意図通りに制御することができるとともに、送信電力制御の異常動作によりシステムに支障をきたすことを防ぐことができる。また、本実施の形態6によれば、前述のような送信電力制御コマンドに誤りが生じるのは、自分が高速に移動し、かつ通信装置と通信相手との距離が近く通信装置からの個別チャネルの送信電力比が小さい場合であるので、この条件に当てはまらない場合、即ち通信装置と通信相手との距離が遠い場合、または自分の移動速度が遅い場合等においては、送信電力制御コマンドに基づいて設定した送信電力を維持する制御を行うことにより、インナーループ送信電力制御またはアウターループ送信電力制御のみで適切な送信電力を設定することができ、総体的に通信容量が大きく変化しない運用にすることができる。また、本実施の形態6によれば、通信装置が通信相手へ送信する送信電力制御コマンドによって、通信装置が受信する送信電力制御コマンドの受信品質を保証することができることにより、通信相手にて受信品質を保証するための演算等の処理を行わなくても良いので、通信相手における処理を速くすることができる。また、本実施の形態6によれば、個別チャネル受信電力比を用いて送信電力を設定するので、受信側の測定のみで送信電力を設定することができることにより、送信側の回路規模を小さくすることができるとともに送信信号の処理を速くすることができる。
なお、上記実施の形態1〜実施の形態6において、送信電力制御コマンドが重畳されている個別チャネル全体の送信電力比を高くすることにしたが、これに限らず、個別チャネルの送信電力制御コマンドの送信電力のみを高くするようにしても良い。この場合は、個別チャネル全体の送信電力比を制御する場合と比較して、他ユーザへの干渉を抑える効果がある。
本発明にかかる通信装置及び送信電力制御方法は、受信状態が急激に劣化しても送信電力を意図通りに制御することができるとともに、送信電力制御の異常動作によりシステムに支障をきたすことを防ぐ効果を有し、送信電力制御するのに有用である。
100 通信装置
102 受信部
103 移動速度推定部
104 送信電力制御部
105 送信部
106 送信電力設定部
107 送信電力比測定部
102 受信部
103 移動速度推定部
104 送信電力制御部
105 送信部
106 送信電力設定部
107 送信電力比測定部
Claims (20)
- 受信信号より通信相手の移動速度を推定する移動速度推定手段と、
前記移動速度推定手段にて推定された移動速度、受信信号に含まれる第一送信電力制御コマンド及び前記通信相手との伝搬路品質に基づいて送信電力を設定する送信電力制御手段と、
前記通信相手にて送信電力を設定するための第二送信電力制御コマンドを前記送信電力制御手段にて設定された送信電力にて送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする通信装置。 - 前記送信電力制御手段は、前記移動速度推定手段にて推定された移動速度、前記第一送信電力制御コマンド及び前記伝搬路品質である総送信電力に対する前記第二送信電力制御コマンドを送信するチャネルの送信電力の割合に基づいて送信電力を設定することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
- 前記送信電力制御手段は、前記移動速度推定手段にて推定された移動速度が第一しきい値以上で、かつ前記割合が第二しきい値未満の場合には前記第一送信電力制御コマンドにより設定する送信電力よりも高い送信電力を設定することを特徴とする請求項2記載の通信装置。
- 自分の移動速度を推定する移動速度推定手段と、
前記移動速度推定手段にて推定された移動速度、受信信号に含まれる送信電力制御コマンド及び前記通信相手との伝搬路品質に基づいて送信電力を設定する送信電力制御手段と、
前記送信電力制御手段にて設定された送信電力にて送信信号を送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする通信装置。 - 通信相手における総送信電力に対する前記送信電力制御コマンドを送信するチャネルの送信電力の割合の情報を受信する受信手段を具備し、
前記送信電力制御手段は、前記移動速度、前記送信電力制御コマンド及び前記伝搬路品質を示す前記割合の情報に基づいて送信電力を設定することを特徴とする請求項4記載の通信装置。 - 受信信号より受信品質を測定する受信品質測定手段と、
総受信電力に対する前記送信電力制御コマンドを受信したチャネルの受信電力の割合を求める受信電力比測定手段とを具備し、
前記送信電力制御手段は、前記移動速度、前記送信電力制御コマンド、前記伝搬路品質を示す前記受信品質及び前記伝搬路品質を示す前記割合に基づいて送信電力を設定することを特徴とする請求項4または請求項5記載の通信装置。 - 受信信号より通信相手の移動速度を推定する移動速度推定手段と、
前記移動速度推定手段にて推定された移動速度及び前記通信相手との伝搬路品質に基づいて前記通信相手にて送信電力を設定するための送信電力制御コマンドを生成する送信電力コマンド生成手段と、
前記送信電力コマンド生成手段にて生成された前記送信電力制御コマンドを所定の送信電力にて送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする通信装置。 - 自分の移動速度を推定する移動速度推定手段と、
前記移動速度推定手段にて推定された移動速度及び前記通信相手との伝搬路品質に基づいて前記通信相手にて送信電力を設定するための送信電力制御コマンドを生成する送信電力コマンド生成手段と、
前記送信電力制御コマンド生成手段にて生成された前記送信電力制御コマンドを所定の送信電力にて送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする通信装置。 - 通信相手における総送信電力に対する前記送信電力制御コマンドを送信するチャネルの送信電力の割合の情報を受信する受信手段を具備し、
前記送信電力制御コマンド生成手段は、前記移動速度及び前記伝搬路品質を示す前記割合の情報に基づいて前記送信電力制御コマンドを生成することを特徴とする請求項8記載の通信装置。 - 受信信号より受信品質を測定する受信品質測定手段と、
総受信電力に対する前記送信電力制御コマンドを受信したチャネルの受信電力の割合を求める受信電力比測定手段とを具備し、
前記送信電力制御コマンド生成手段は、前記移動速度、前記伝搬路品質を示す前記受信品質及び前記伝搬路品質を示す前記割合に基づいて前記送信電力制御コマンドを生成することを特徴とする請求項8または請求項9記載の通信装置。 - 受信信号より通信相手の移動速度を推定するステップと、
推定された移動速度、受信信号に含まれる第一送信電力制御コマンド及び前記通信相手との伝搬路品質に基づいて送信電力を設定するステップと、
を具備することを特徴とする送信電力制御方法。 - 推定された移動速度、前記第一送信電力制御コマンド及び前記伝搬路品質である総送信電力に対する前記第二送信電力制御コマンドを送信するチャネルの送信電力の割合に基づいて送信電力を設定することを特徴とする請求項11記載の送信電力制御方法。
- 推定された移動速度が第一しきい値以上で、かつ前記割合が第二しきい値未満の場合には前記第一送信電力制御コマンドにより設定する送信電力よりも高い送信電力を設定することを特徴とする請求項12記載の送信電力制御方法。
- 自分の移動速度を推定するステップと、
推定された移動速度、受信信号に含まれる送信電力制御コマンド及び前記通信相手との伝搬路品質に基づいて送信電力を設定するステップと、
を具備することを特徴とする送信電力制御方法。 - 通信相手における総送信電力に対する前記送信電力制御コマンドを送信するチャネルの送信電力の割合の情報を受信するステップを具備し、
前記移動速度、前記送信電力制御コマンド及び前記伝搬路品質を示す前記割合の情報に基づいて送信電力を設定することを特徴とする請求項14記載の送信電力制御方法。 - 受信信号より受信品質を測定するステップと、
総受信電力に対する前記送信電力制御コマンドを受信したチャネルの受信電力の割合を求めるステップとを具備し、
前記移動速度、前記送信電力制御コマンド、前記伝搬路品質を示す前記受信品質及び前記伝搬路品質を示す前記割合に基づいて送信電力を設定することを特徴とする請求項14または請求項15記載の送信電力制御方法。 - 受信信号より通信相手の移動速度を推定するステップと、
推定された移動速度及び前記通信相手との伝搬路品質に基づいて前記通信相手にて送信電力を設定するための送信電力制御コマンドを生成するステップと、
生成された前記送信電力制御コマンドを所定の送信電力にて前記通信相手に送信するステップと、
前記送信電力制御コマンドにて指示された送信電力を前記通信相手にて設定するステップと、
を具備することを特徴とする送信電力制御方法。 - 自分の移動速度を推定するステップと、
推定された移動速度及び前記通信相手との伝搬路品質に基づいて前記通信相手にて送信電力を設定するための送信電力制御コマンドを生成するステップと、
生成された前記送信電力制御コマンドを所定の送信電力にて送信するステップと、
前記送信電力制御コマンドにて指示された送信電力を前記通信相手にて設定するステップと、
を具備することを特徴とする送信電力制御方法。 - 通信相手における総送信電力に対する前記送信電力制御コマンドを送信するチャネルの送信電力の割合の情報を受信するステップを具備し、
前記移動速度及び前記伝搬路品質を示す前記割合の情報に基づいて前記送信電力制御コマンドを生成することを特徴とする請求項18記載の送信電力制御方法。 - 受信信号より受信品質を測定するステップと、
総受信電力に対する前記送信電力制御コマンドを受信したチャネルの受信電力の割合を求めるステップとを具備し、
前記移動速度、前記伝搬路品質を示す前記受信品質及び前記伝搬路品質を示す前記割合に基づいて前記送信電力制御コマンドを生成することを特徴とする請求項18または請求項19記載の送信電力制御方法。
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