JP2006148414A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】種々の条件下でVライン傷を目立たなくすることができる技術を提供する。
【解決手段】撮像センサの垂直CCDにおける欠陥に起因して撮影画像上にライン性の高輝度の傷(Vライン傷)が発生することがある。このような問題に対して、本撮影前に、撮影者がコマ送り・ズームスイッチを操作することで、Vライン傷を補正するオフセットによる傷補正方法および画素補間による傷補正方法を含む複数種類の傷補正方法のうち一のVライン傷の傷補正方法を指定する。そうすると、本撮影時には、設定された一のVライン傷の補正方法が選択的に実行される。
【選択図】図23

Description

本発明は、撮像装置に関する。
デジタルカメラに用いられるCCD撮像素子については、小型化および高画素化が進んでおり、それに伴い、画素欠陥も増加する傾向にある。
この画素欠陥については、画素欠陥の番地データを記憶しておき、画素欠陥の場所を特定する技術が開示されている(特許文献1)。
このような技術に関する先行技術文献としては、以下のようなものがある。
特開平7−162757号公報
しかしながら、CCD撮像素子の画素欠陥は、信号電荷を転送する垂直転送ラインにも発生してきており、その結果として、撮影画像においてライン性の高輝度の傷(Vライン傷)が生じる。また、Vライン傷の発生には温度依存性があるとともに、Vライン傷の存在は撮影画像に対する画像処理において色々な悪影響を及ぼす。このような問題点に対して、画素欠陥の位置を特定して画素補間を行う従来型の補間処理では、対応することができない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、種々の条件下でVライン傷を目立たなくすることができる技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、撮像装置であって、撮像素子を有し、被写体に係る画像を取得する撮像手段と、前記撮像素子の電荷転送ラインにおける欠陥に起因して前記画像において発生する線状傷の位置を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された線状傷の位置を参照することで前記線状傷を補正する複数種類の傷補正方法のうち、撮影条件に応じて一の傷補正方法を選択的に実行する補正手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の撮像装置であって、前記複数種類の傷補正方法が、(a)前記欠陥に起因して発生する線状傷のレベルを検出して、当該線状傷のレベルを用いたオフセットを行う第1の傷補正方法と、(b)前記画像を構成する複数の画素のうちの前記欠陥の位置に対応する欠陥画素に対し、前記欠陥画素周辺の画素に係る画素値を用いて算出した画素値を付与する第2の傷補正方法と、を含むことを特徴とする。
また、請求項3の発明は、撮像装置であって、複数種類の色成分に対応するエリアが配列された撮像素子を有し、被写体に係る画像を取得する撮像手段と、前記撮像素子の電荷転送ラインにおける欠陥に起因して前記画像において発生する線状傷の位置を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された線状傷の位置を参照することで前記線状傷を補正する傷補正手段と、前記傷補正手段によって前記線状傷が補正された補正済画像を対象として、特定色成分の画素値が存在しない補間対象画素に対し、前記補間対象画素の周辺における前記特定色成分に対応する所定数の周辺画素に係る画素値に応じて算出される補間画素値を付与する色補間手段とを備え、前記色補間手段が、前記所定数の周辺画素に係る画素値を用いて、所定の複数方向についての画素値の変化を示す変化パラメータをそれぞれ算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された複数の変化パラメータを参照することで、前記所定数の周辺画素のうちの複数の補間用画素を指定する指定手段と、前記指定手段によって指定された複数の補間用画素に係る画素値に基づいて算出される画素値を前記補間対象画素に対して付与する付与手段とを有し、前記指定手段が、前記複数の変化パラメータを参照する際に、当該複数の変化パラメータのうち、前記線状傷に対応する画素値を用いて算出された変化パラメータについては、他の変化パラメータよりも参照レベルを相対的に低くすることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の撮像装置であって、前記傷補正手段が、(a)前記欠陥に起因して発生する線状傷のレベルを検出して、当該線状傷のレベルを用いたオフセットを行う第1の傷補正方法と、(b)前記画像を構成する複数の画素のうちの前記欠陥の位置に対応する欠陥画素に対し、前記欠陥画素周辺の画素に係る画素値を用いて算出した画素値を付与する第2の傷補正方法と、を含む複数種類の傷補正方法のうち、撮影条件に応じて一の傷補正方法を選択的に実行し、前記指定手段が、前記第1の傷補正方法が実行された場合よりも前記第2の傷補正方法が実行された場合の方が、前記線状傷に対応する画素値を用いて算出された変化パラメータの参照レベルを相対的に小さくすることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、撮像装置であって、複数種類の色成分に対応するエリアが配列された撮像素子を有し、被写体に係る画像を取得する撮像手段と、前記撮像素子の電荷転送ラインにおける欠陥に起因して前記画像において発生する線状傷の位置を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された線状傷の位置を参照することで前記線状傷を補正する傷補正手段と、前記傷補正手段によって前記線状傷が補正された補正済画像を対象として、輪郭強調処理を行う輪郭強調手段とを備え、前記輪郭強調手段が前記補正済画像を構成する複数の画素に係る画素値のうちの前記線状傷に対応する画素値の影響が他の画素値の影響よりも相対的に小さくなる輪郭強調処理を行うことを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の撮像装置であって、前記輪郭強調手段が、前記線状傷に対応する画素の近傍画素については、前記線状傷に対応する画素値の影響がその他の画素値の影響よりも相対的に小さくなるようなフィルタによって強調信号を抽出する第1の輪郭強調方法、および、前記線状傷に対応する画素の近傍画素については、その他の画素についてよりも強調信号の増幅率を相対的に低下させる第2の輪郭強調方法、のうちの少なくとも一方の輪郭強調方法を採用することを特徴する。
また、請求項7の発明は、請求項5または請求項6の撮像装置であって、前記傷補正手段が、(a)前記欠陥に起因して発生する線状傷のレベルを検出して、当該線状傷のレベルを用いたオフセットを行う第1の傷補正方法と、(b)前記画像を構成する複数の画素のうちの前記欠陥の位置に対応する欠陥画素に対し、前記欠陥画素周辺の画素に係る画素値を用いて算出した画素値を付与する第2の傷補正方法と、を含む複数種類の傷補正方法のうち、撮影条件に応じて一の傷補正方法を選択的に実行し、前記輪郭強調手段が、前記第1の傷補正方法が実行された場合よりも前記第2の傷補正方法が実行された場合の方が、前記線状傷に対応する画素の近傍における輪郭強調の度合いを相対的に小さくすることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、撮像素子の電荷転送ラインにおける欠陥に起因して発生する画像上の線状傷を補正する複数種類の傷補正方法のうち、撮影条件に応じて一の傷補正方法を選択的に実行するため、撮影条件に応じた適正な線状傷の補正を行うことができる。すなわち、種々の条件下で線状傷を目立たなくすることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、電荷転送ラインにおける欠陥に起因して発生する線状傷のレベルを検出して当該線状傷のレベルを用いたオフセットを行う第1の傷補正方法と、欠陥の位置に対応する欠陥画素に対し、欠陥画素周辺の画素に係る画素値を用いて算出した画素値を付与する第2の傷補正方法と、を含む複数種類の傷補正方法のうち、撮影条件に応じて一の傷補正方法を選択的に実行するような構成により、例えば、線状傷のレベルを検出して反映することで線状傷の温度依存性に対処可能な第1の傷補正方法と、線状傷のレベルの検出が特に必要でなく演算量が少ない第2の傷補正方法とのうち、温度条件などといった撮影条件に応じて適宜一の傷補正方法を選択的に実行することで、線状傷を目立たなくすることができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、線状傷の補正後に色補間を行う際、線状傷に対応する画素値を用いて算出された画素値の変化を示すパラメータについては参照レベルを相対的に低減するため、色補間の際に線状傷の補正の誤差に起因する偽の濃度パターンを検知することによって生じる色補間後の画像上の被写体と実際の被写体とが乖離してしまうといった現象を抑制することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、電荷転送ラインにおける欠陥に起因して発生する線状傷のレベルを検出して当該線状傷のレベルを用いたオフセットを行う第1の傷補正方法が実行される場合よりも、欠陥の位置に対応する欠陥画素に対し、欠陥画素周辺の画素に係る画素値を用いて算出した画素値を付与する第2の傷補正方法が実行される場合の方が、線状傷に対応する画素値を用いて算出された画素値の変化を示すパラメータの参照レベルが相対的に小さくなるため、画像における被写体の再現性が第1の傷補正方法を実行した場合の方が第2の傷補正方法を実行した場合よりも相対的に高いといった実状に即した色補間処理を行うことができる。その結果、画像における被写体の再現性が向上する。
また、請求項5に記載の発明によれば、線状傷の補正後に輪郭強調処理を行う際、線状傷に対応する画素値の影響が他の画素値の影響よりも小さくなるように輪郭強調処理を行うため、線状傷の補正における誤差を強調しないようにすることができ、その結果として、線状傷を目立たなくすることができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、線状傷の補正後に輪郭強調処理を行う際、線状傷に対応する画素の近傍画素については線状傷に対応する画素値の影響がその他の画素値の影響よりも相対的に小さくなるようなフィルタによって強調信号を抽出する手法、および線状傷に対応する画素の近傍画素についてはその他の画素についてよりも強調信号の増幅率を相対的に低下させる手法のうちの少なくとも一方の手法を採用することで、線状傷の補正における誤差を強調しないようにすることができる。
また、請求項7に記載の発明によれば、電荷転送ラインにおける欠陥に起因して発生する線状傷のレベルを検出して当該線状傷のレベルを用いたオフセットを行う第1の傷補正方法が実行される場合よりも、欠陥の位置に対応する欠陥画素に対し、欠陥画素周辺の画素に係る画素値を用いて算出した画素値を付与する第2の傷補正方法が実行される場合の方が、線状傷に対応する画素の近傍における輪郭強調レベルが相対的に小さくなるため、画像における被写体の再現性が第1の傷補正方法を実行した場合の方が第2の傷補正方法を実行した場合よりも相対的に高いといった実状に即した輪郭強調処理を行うことができる。その結果、画像における被写体の再現性が向上する。
<(1)撮像装置の要部構成>
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置1の要部構成を示す図である。ここで、図1(a)〜(c)は、それぞれ撮像装置1の正面図、背面図および上面図に相当している。
撮像装置1は、デジタルカメラとして構成されており、撮影レンズ10を備えている。
撮像装置1は、その上面にモード切替スイッチ12とシャッターボタン13とが設けられている。
モード切替スイッチ12は、被写体を撮像してその静止画を記録する静止画撮影モード(RECモード)と、動画撮影を行う動画モード(MOVEモード)と、メモリカード9(図2参照)に記録された画像を再生する再生モード(PLAYモード)とを切替えるためのスイッチである。
シャッターボタン13は、半押し状態(S1オン)と、さらに押し込まれた全押し状態(S2オン)とを検出可能な2段階スイッチになっている。上記の静止画撮影モードにおいてシャッターボタン13が半押しされると、ズーム・フォーカスモータドライバ47(図2参照)が駆動されて、合焦位置に撮影レンズ10を移動させる動作が行われる。一方、静止画撮影モードにおいてシャッターボタン13が全押しされると、本撮影動作、つまり記録用の撮影動作が行われる。
撮像装置1の背面には、撮影された画像などを表示するLCD(Liquid Crystal Display)モニタ42と、電子ビューファインダー(EVF)43と、コマ送り・ズームスイッチ15とが設けられている。
コマ送り・ズームスイッチ15は、4つのボタンで構成され、再生モードにおける記録画像のコマ送りや、撮影時のズーミングを指示するためのスイッチである。このコマ送り・ズームスイッチ15の操作により、図2のズーム・フォーカスモータドライバ47が駆動されて、撮影レンズ10に関する焦点距離を変更できる。また、静止画撮影モードに設定されている場合には、コマ送り・ズームスイッチ15の左右方向のボタンの押下操作により、後述するVライン傷の補正方法(「傷補正方法」とも言う)を切り換えることができる。
図2は、撮像装置1の機能ブロックを示す図である。
撮像装置1は、撮像センサ16と、撮像センサ16にデータ伝送可能に接続する信号処理部2と、信号処理部2に接続する画像処理部3と、画像処理部3に接続するカメラ制御部40とを備えている。
撮像センサ16は、複数種類の色成分であるR(赤)、G(緑)、B(青)の原色透過フィルターがピクセル単位に市松状に配列(ベイヤー配列)されたエリアセンサ(撮像素子)として構成されており、全画素読み出しタイプである。この撮像センサ16の温度については、撮像装置1の筐体内の温度を測定する温度センサ49により検出が可能となっている。
撮像センサ16において露光によって電荷の蓄積が完了すると、光電変換された電荷信号は、遮光された撮像センサ16内の垂直・水平転送路へとシフトされ、ここからバッファを介し画像信号として出力される。つまり、撮像センサ16は、被写体に係る画像信号(画像)を取得する撮像手段として機能する。
信号処理部2は、CDS21とAGC22とA/D変換部23とを有しており、いわゆるアナログフロントエンドとして機能する。
撮像センサ16から出力されたアナログ画像信号は、CDS21でサンプリングされノイズが除去された後、AGC22により撮影感度に相当するアナログゲインが乗算されて感度補正が行われる。
A/D変換部23は、14ビットの変換器として構成されており、AGC22で正規化されたアナログ信号をデジタル化する。デジタル変換された画像信号は、画像処理部3で所定の画像処理が施されて画像ファイルが生成される。
画像処理部3は、点欠陥補正部51とVライン傷検出部52とVライン傷補正部53とを備えている。また、画像処理部3は、デジタル処理部3pと画像圧縮部36とビデオエンコーダ38とメモリカードドライバ39とを備えている。
画像処理部3に入力された画像データについては、まず点欠陥補正部51において予め記憶されている点欠陥アドレスに基づき欠陥が存在する画素データが補正データに置換される。そして、Vライン傷検出部52およびVライン傷補正部53において、撮像センサ16の垂直転送ライン(垂直CCD)の欠陥箇所に起因して画像上で生じるライン性の傷(「線状傷」とも言い、以下では「Vライン傷」と称する)を検知して補正する(後で詳述)。なお、Vライン傷検出部52で検出された傷のアドレス(すなわち傷の位置)は、傷アドレスメモリ54に格納されることとなる。
デジタル処理部3pは、画素補間部31とホワイトバランス制御部32とガンマ補正部33と輪郭強調部34と解像度変換部35とを有している。
デジタル処理部3pに入力される画像データは、撮像センサ16の読出しに同期し画像メモリ41に書込みまれる。以後は、この画像メモリ41に格納された画像データにアクセスし、デジタル処理部3pで各種の処理が行われる。
画像メモリ41内の画像データは、まずホワイトバランス制御部32によりRGB各画素が独立にゲイン補正され、RGBのホワイトバランス補正が行われる。このホワイトバランス補正では、撮影被写体から本来白色となる部分を輝度や彩度データ等から推測し、その部分のR、G、Bそれぞれの平均値とG/R比およびG/B比とを求め、これらの情報に基づいてRおよびBの補正ゲインとして制御される。
画素補間部31では、RGB各画素をそれぞれのフィルターパターンでマスキングした後、高帯域まで画素値を有するG画素については、例えば、注目画素に対する周辺12画素のコントラストパターンに基づき画素値の空間的な変化を推定し、周囲4画素のデータに基づき被写体のパターンに最適な画素値を算出して割り当てる。一方、R画素およびB画素に関しては、周囲の8画素の同色画素値に基づいて補間する。なお、当該補間処理の手法は、Vライン傷の存在に応じて種々変更されるが、この点については後述する。
画素補間された画像データは、ガンマ補正部33で各出力機器に合った非線形変換、具体的にはガンマ補正およびオフセット調整が行われ、画像メモリ41に格納される。
輪郭強調部34は、画像データに応じたハイパスフィルタ等によって輪郭を際立たせるエッジ強調処理を行う。
そして、画像メモリ41に格納された画像データは、解像度変換部35で設定された画素数に水平垂直の縮小または間引きが行われ、画像圧縮部36で圧縮処理を行った後、メモリカードドライバ39にセットされるメモリカード9に記録される。この画像記録時には、指定された解像度の撮影画像が記録される。また、解像度変換部35では、画像表示時についても画素間引きを行って、LCDモニタ42やEVF43に表示するための低解像度画像を作成する。プレビュー時には、画像メモリ41から読出された640×240画素の低解像度画像がビデオエンコーダ38でNTSC/PALにエンコードされ、これをフィールド画像としてLCDモニタ42やEVF43で画像再生が行われる。
カメラ制御部40は、CPUおよびメモリを備え、撮像装置1の各部を統括的に制御する部位である。具体的には、上記のモード切替スイッチ12やシャッターボタン13やコマ送り・ズームスイッチ15などを有するカメラ操作スイッチ50に対して撮影者が行う操作入力を処理する。また、カメラ制御部40は、撮影者によるモード切替スイッチ12の操作により、被写体を撮像してその画像データを記録する静止画撮影モードや動画モード、再生モードへの切替えを行う。更に、撮影者によるコマ送り・ズームスイッチ15の操作に応答して、後述する2つのVライン傷の補正方法のうちの一方を指定して、本撮影時に行うVライン傷の補正方法として設定する。
撮像装置1は、本撮影前の撮影準備状態において被写体を動画的態様でLCDモニタ42に表示するプレビュー表示(ライブビュー表示)時には、絞り44の光学絞りが絞りドライバ45によって開放固定となる。また、シャッタースピード(SS)に相当する撮像センサ16の電荷蓄積時間(露光時間)に関しては、撮像センサ16で取得したライブビュー画像に基づき、カメラ制御部40が露出制御データを演算する。そして、算出された露出制御データに基づいて予め設定されたプログラム線図により、撮像センサ16の露光時間が適正となるようにタイミングジェネレーターセンサドライバ46に対するフィードバック制御が行われる。
そして、本撮影時では、ライブビュー時に測光された光量データに基づいて予め設定されたプログラム線図によって絞りドライバ45とタイミングジェネレータセンサードライバ46とで撮像センサ16への露光量が制御される。
以上の構成を有する撮像装置については、撮像センサ16で取得された画像データにおいてVライン傷の検出・補正を行えるが、これらについて以下で説明する。
<(2)Vライン傷の検出について>
図3は、撮像センサ16の構成を示す図である。
撮像センサ16においては、各フォトダイオード161で光電変換され蓄積された電荷が各垂直転送ライン毎に設けられた垂直CCD(以下では「VCCD」ともいう)162に読み出され、1水平期間の周期で最下段の水平CCD163に転送される。そして、水平CCD163に転送された電荷は、画素クロックに基づき読み出されることで水平画素方向の読み出しが行われる。なお、VCCD162や水平CCD163などといった電荷を転送するラインを総称して「電荷転送ライン」とも言う。
このような撮像センサ16の動作により、2次元的に配列されたフォトダイオード161で取得した2次元画像に対して水平ライン毎にスキャン読み出しが行われることとなる。
ここで、フォトダイオード161に欠陥がある場合には、この欠陥によって発生する電荷が信号電荷に加算されるため、撮影画像において点欠陥として再現されることとなる。この点欠陥については、点欠陥補正部51において、欠陥に起因して発生する電荷に相当する画素レベルが減算される補正が行われる。
一方、垂直転送ラインの一部に同様の欠陥箇所(傷)Fpが存在する場合には、欠陥箇所Fpに電荷が読み出されるフォトダイオードとX方向のアドレスが等しいフォトダイオードからの電荷は、欠陥箇所Fpが存在する垂直CCD16fを通って撮像センサ16から出力されることとなる。このため、欠陥箇所Fpに対して電荷転送方向Haの上流から転送される信号電荷群Faに電荷が加算されることとなり、図4に示すように撮影画像G1おいて明度の高いライン性の傷(Vライン傷)Gaとして再現される。
上述した点欠陥の場合には撮影画像に与える劣化要因は少ないものの、図4に示すようなVライン傷Gaの場合には画質に対する影響が非常に大きくなるため、その検出が重要となるが、以下では、この検出方法を説明する。
図5および図6は、Vライン傷の検出原理を説明するための図である。
Vライン傷Ga(図4)については、上述したように図3に示す垂直CCD162の欠陥箇所Fpを通って読み出される信号電荷群Faに起因して画像上で生じるライン性の明度傷として発生する。
そこで、図5に示すように垂直CCD162の転送を一定期間(例えば200水平期間)停止することにより欠陥箇所Fpで発生する電荷量を増大させた後に、フォトダイオードからの電荷をVCCDに転送することなく画像読み出しを行うこととする。これにより、垂直CCD162上の欠陥箇所Fpに信号電荷が読み出されるフォトダイオードDpの画素データを強調して撮像センサ16から出力できることとなる。
このように欠陥箇所Fpが強調され撮像センサ16から出力された画像G2では、図6に示すように、Vライン傷Gaのうち欠陥箇所Fpに電荷が読み出されるフォトダイオードDp(図5)の位置に対応したB画素Gpの画素レベルが垂直CCD162の転送停止期間に正比例して強調されることとなる。
以上のような画像G2が読み出された後に、画像G2から明度の高い輝点となる画素Gpのアドレスを検出することで、Vライン傷の下端に対応する欠陥箇所の位置(アドレス)を検知できることとなる。以下では、撮像装置1によるVライン傷の検出について具体的に説明する。
図7は、撮像装置1におけるVライン傷の検出動作を示すフローチャートである。
まず、シャッターに相当する絞り44を閉じた(ステップST1)後に、VCCD162において電荷の高速はき出しが設定される(ステップST2)。
ステップST3では、上述したように、VCCD162での転送を200水平転送期間停止する。これにより、VCCD162の欠陥箇所で電荷が増幅されることとなる。
ステップST4では、撮像センサ16からフォトダイオードからの電荷をVCCDに転送することなく画素データを順次に読み出す。
ステップST5では、ステップST4で読み出されたレベルを1/200倍で正規化した画素レベルが、予め定められた傷レベルリファレンス(閾値)Vrefより大きいかを判定する。ここで、傷レベルリファレンスVrefより大きい場合には、ステップST6に進み、傷レベルリファレンスVref以下の場合には、ステップST7に進む。
ステップST6では、傷レベルリファレンスVrefより大きい欠陥画素(傷)に関して画像上のアドレス(H,V)を、傷アドレスメモリ54に登録する。この際には、傷レベル(画素値)も登録する。
ステップST7では、撮像センサ16からの画像読み出しが完了したかを判定する。ここで、画像読み出しが完了した場合には、ステップST8に進み、未完の場合には、ステップST4に戻る。
ステップST8では、傷アドレスメモリ54に格納されている傷のアドレスを並び替える。この場合には、例えば傷レベルの大きい順に、つまり昇順に傷アドレスの順番が変更される。
ステップST9では、ステップST8で並び替えられた傷アドレスに基づき、傷レベルが上位40以内に入る傷アドレスと傷レベルとを、傷アドレスメモリ54に再登録する。この傷レベルについては、200水平転送期間停止して得られた画素データに関して1/200倍で正規化したレベルが登録されることとなる。
以上のような撮像装置1の動作により、Vライン傷の検出を適切に行えることとなるが、この検出動作は、例えば撮像装置1の工場出荷前に管理された所定の温度にて行われ、工場出荷時には、傷アドレスメモリ54に必要な情報がデフォルトのデータとして格納されている状態にする。
なお、上記のステップST8の動作については、Vライン傷の傷レベルに基づき並べ替えるだけでなく、Vライン傷の範囲も考慮して並べ替えるようにしても良い。例えば、(傷レベル)×(Vライン傷の範囲)から得られる情報に基づき、並べ替えを行う。これにより、画像全体に与える各Vライン傷の影響を考慮した並べ替えが可能となる。
撮像センサ16のVライン傷は、温度依存性を有しているが、この特性について、以下で説明する。
図8は、撮像センサ16におけるVライン傷の温度依存性を説明するための図である。図8(a)〜(c)は、常温時(例えば20度)、30度および40度の高温時における撮像センサ16の状態の一例と、撮像センサ16から出力された画像Gtとを表している。
常温時の撮像センサ16においては、図8(a)に示すように傷として認識される垂直CCDの欠陥箇所は1箇所Fp1のみであり、撮像センサ16から出力される画像Gtで生じるVライン傷も1本Ga1だけとなる。
30度の高温時の撮像センサ16においては、常温時に比べて顕在化されるVライン傷の箇所が温度に依存して1つ増加する。すなわち、図8(b)に示すように傷として認識される垂直CCDの欠陥箇所は2箇所Fp1、Fp2となり、撮像センサ16から出力される画像GtにおけるVライン傷も2本Ga1、Ga2となる。
40度の高温時の撮像センサ16においては、30度の高温時に比べて顕在化されるVライン傷が温度に依存してさらに1つ増加する。すなわち、図8(c)に示すように傷として認識される垂直CCDの欠陥箇所は3箇所Fp1〜Fp3となり、撮像センサ16から出力される画像GtにおけるVライン傷が3本Ga1〜Ga3となる。
このように撮像センサ16においては、Vライン傷が温度依存性を有しているため、上述したVライン傷の検出は、各温度ごとに検出することが好ましい。
<(3)Vライン傷の補正について>
撮像装置1のVライン傷補正部53においては、検出されたVライン傷に対して(3-1)オフセットによる補正と、(3-2)画素補間による補正とを選択的に行えるようになっている。これら2種類の補正方法について以下で説明する。
(3-1)オフセットによる補正:
図9は、オフセットによるVライン傷の補正を説明するための図である。
オフセットによるVライン傷の補正では、まず撮像センサ16から出力された画像G3においてVライン傷Gaに起因するオフセット成分Loを検出する。そして、このオフセット成分(Vライン傷のレベル)Loを画像G3におけるVライン傷Gaの画素レベルから減算することで、画像ノイズとしての傷が消去された補正画像G4を生成する。
このようなオフセットによる補正方法では、上述のように撮像装置1の工場出荷時に傷アドレスメモリ54に格納されるデフォルトのVライン傷データに基づき傷レベル(オフセット成分Lo)を推定して補正しても良いが、温度依存性が大きいVライン傷の特性を考慮すると、撮影時にリアルタイムでオフセット量(補正量)を求めるのが好ましい。このオフセット量の検出方法について説明する。
撮像センサ16は、図10に示すように黒レベルを検出するためのオプチカル・ブラック部(以下「OB部」という)16ba、16bbを有している。ここで、各OB部から垂直CCD162に読み出された電荷は、下段のOB部16baの方が先に水平CCD163に転送され、上段のOB部16bbの方が後で転送されることとなる。以下では、垂直CCD162に2つの欠陥箇所Fp1、Fp2が存在するケースについてのオフセット量の検出を説明する。
図11に示すように撮像センサ16から出力された画像G5においては、上段のOB部16bbから読み出され垂直CCD162の欠陥箇所Fp1を通過してその影響を受けた画素Gb2は、下段のOB部16baから読み出され欠陥箇所Fp1を通過せずその影響を受けていない画素Gb1より上記のオフセット量だけ画素レベルが大きくなっている。同様に、上段のOB部16bbから読み出され垂直CCD162の欠陥箇所Fp2を通過した画素Gb4は、欠陥箇所Fp2を通過しない画素Gb3より上記のオフセット量だけ画素レベルが増加している。
したがって、図11に示すVライン傷Ga1の傷レベル(オフセット量)は、画素Gb2のレベルから画素Gb1のレベルを減算することにより得られ、Vライン傷Ga2のオフセット量は、画素Gb4のレベルから画素Gb3のレベルを減算することにより得られることとなる。
次に、撮像装置1における上記のオフセット量(傷レベル)の検出動作について説明する。
図12は、撮像装置1におけるVライン傷の傷レベルの検出動作を示すフローチャートである。
ステップST11では、レリーズして露光を行う。すなわち、撮影者によりシャッターボタン13が全押し(S2オン)されて、被写体を撮影する動作が行われる。
ステップST12では、撮像センサ16から画素データを順次に読み出す。
ステップST13では、ステップST12で撮像センサ16から読み出された画素データをキャプチャーする処理を行う。
ステップST14では、ステップST12で読み出された画素のアドレスが、傷アドレスメモリ54に登録されているVライン傷のアドレスに該当するかを判定する。ここで、登録アドレスに該当する場合には、ステップST15に進み、該当しない場合には、ステップST18に進む。
ステップST15では、ステップST12で読み出された画素が転送された垂直CCD162の両端にあるOB部16ba、16bb(図10)の黒レベルを検出し、これらの黒レベルの差分を求めて、傷レベルを検出する。
ステップST16では、ステップST15で検出された傷レベルが、傷レベルリファレンスVrefより大きいかを判定する。ここで、傷レベルリファレンスVrefより大きい場合には、ステップST17に進み、傷レベルリファレンスVref以下の場合には、ステップST18に進む。
ステップST17では、ステップST16において傷レベルリファレンスVrefより大きい欠陥画素(傷)に関して画像上のアドレス(H,V)を、傷アドレスメモリ54に登録する。この際には、傷レベルも登録する。
ステップST18およびステップST19では、図7に示すステップST7およびステップST8と同様の動作を行う。
ステップST20では、ステップST19で並び替えられた傷アドレスに基づき、傷レベルが上位20以内に入る傷アドレスと傷レベルとを、傷アドレスメモリ54に再登録する。
以上のような撮像装置1の動作により、撮影中に傷レベルの検出が可能となり、オフセットによるVライン傷の補正を適切に行えることとなる。
なお、予め決められた温度範囲内で工場出荷時等に検出されたVライン傷の情報を傷アドレスメモリ54に記録しておけば、この情報を利用してVライン傷の補正を行えるため、より高速な補正処理が可能となる。
(3-2)画素補間による補正:
図13は、画素補間によるVライン傷の補正を説明するための図である。
画素補間によるVライン傷の補正では、Vライン傷の周辺に位置する画素ラインのデータに基づき置換データを作成し、この置換データでVライン傷の画素データを置換する処理を行う。
例えば、画像G6において、Vライン傷Gaの左右に配置される同色の画素ラインJ1、J2を検出し、これらの画素ラインJ1、J2に関する画素レベルの平均値でVライン傷Gaの画素データを置換する。これにより、傷が消去された補正画像G7が生成される。
このような画素補間による補正方法では、オフセットによるVライン傷の補正に比べて精度が低くなるものの、Vライン傷の箇所(アドレス)が既知である場合には、傷レベルの検出が不要となる。そして、画素補間による補正方法においては、Vライン傷のオフセット値が温度特性を有する事に対する考慮が基本的に不要である。
<(4)Vライン傷の補正後の画像処理における問題点と対応策>
以上のようにして、(3-1)オフセットによる補正、或いは(3-2)画素補間による補正とによってVライン傷をある程度の抑制することができる。しかしながら、Vライン傷の検出精度や、温度条件等といった撮影環境等により補正に誤差が生じる事がある。例えば、図8(a)に示すようなVライン傷Ga1が検出されてVライン傷の補正が行われる場合、Vライン傷の補正が誤差によって過小等となると、画像にライン性の傷が薄く残る。そして、これが後工程における所謂インターポレーションや輪郭強調等といった画像処理において、更なる誤差(エラー)を招いたり、ライン性の傷が強調される可能性がある。このような問題点に対し、本実施形態に係る撮像装置1では、Vライン傷に応じたインターポレーションや、輪郭強調処理を行う。以下、これらの2種類の画像処理の詳細について説明する。
(4-1)インターポレーション:
Vライン傷の補正後のデータは、ベイヤー配列に対応するRGBの画素データによって構成されているため、画素補間部31において、RGB各々のフィルターパターンでマスキングして、RGB面順次に画素補間(「色補間」とも言う)を行う。
この色補間では、例えば、Vライン傷の補正後の画像(「傷補正済画像」とも言う)を対象として、傷補正済画像を構成する複数の画素のうちの特定色成分であるG色成分の画素値が存在しない画素(「補間対象画素」とも言う)を順次指定する。そして、当該補間対象画素に対し、補間対象画素周辺におけるG色成分に対応する所定数の画素(周辺G画素)に係る画素値に応じて算出される画素値(補間画素値)を付与する。なお、R,G色成分についても同様な手法によって色補間が実行される。この色補間処理がインターポレーションと呼ばれる。
例えば、G色画素については、図14に示すように補正すべき注目画素(補間対象画素)ICを中心とした5×5の画素が配列されたエリアに含まれるG色画素の濃度パターンを検知して補間画素の値を推定する。
具体的には、[i]まず、補間対象画素ICを中心とした5×5画素のエリア(補間参照エリア)に含まれる所定数のG画素を対象として、縦、横、斜め方向などといった所定の複数方向についてのG色の濃度変化(画素値の変化、「濃度変化パラメータ」とも称する)を検出することで、G色の濃度パターンを検知し、[ii]検出されたG色の濃度パターン(実際には、複数方向に係る濃度変化パラメータ)に応じて、補間対象画素ICと隣接する周囲8画素に含まれる所定数のG色画素(周辺G色画素)のうち、どの複数の画素(「補間用画素」とも称する)の画素値を用いて画素補間をするのかを指定し、[iii]指定された画素の画素値を用いた平均補間を行う。例えば、縦方向の濃度変化が比較的小さく、横方向の濃度変化が比較的大きな場合には、補間対象画素ICの上下に位置するG色画素の画素値を加算して2で除した値を、補間対象画素ICの画素値として与える。なお、R、B色画素についても、同様に、補間対象画素を中心とした5×5画素の補間参照エリアのRまたはB画素の濃度パターンを検知して補間対象画素の画素値を推定する。
ここで、インターポレーションを行う際、図15に示すように、Vライン傷の補正後の画像(傷補正済画像)G8にライン性の傷(「残存Vライン傷」とも言う)Ga11が残っていると、残存Vライン傷Ga11の周囲では、実際の被写体には濃度変化がほとんど無いにも拘わらず、残存Vライン傷Ga11の存在により、誤った濃度パターンを検出してしまう。そして、誤って検出した濃度パターンに基づいて補間対象画素に係る画素値を算出すると、インターポレーション後の画像上の被写体と実際の被写体とが乖離してしまう。なお、以下では、画像上の被写体と実際の被写体とが乖離してしまうことを「画像上における被写体の再現性が低い」等とも表現する。
そこで、本実施形態に係る撮像装置1では、残存Vライン傷周辺の画素が補間対象画素である場合には、補間参照エリアについて濃度変化(濃度変化パラメータ)を検出する際、残存Vライン傷を構成する画素を含む方向の濃度変化(濃度変化パラメータ)に対して例えば0.7の係数を乗ずる。つまり、残存Vライン傷に属する画素値(すなわちVライン傷に対応する画素値)を用いて算出された濃度変化パラメータについての参照レベルを他の濃度変化パラメータについての参照レベルよりも低減するのである。そうすることで、残存Vライン傷に対応する画素値の参照ウエイトを下げ、結果として、インターポレーションを行う際のエラーの発生度合いを軽減する。なお、ここでは、上述したVライン傷の検出方法によって検出されるVライン傷に属する画素のアドレスを、残存Vライン傷に属する画素のアドレスとして認識することができる。
例えば、補間対象画素ICが画素IC1(図15)である場合には、図16(a)で示すように、残存Vライン傷に含まれるG画素(斜線部)の画素値の参照ウエイトを相対的に低減するパターン(参照パターン)が採用される。また、補間対象画素ICが画素IC2(図15)である場合には、図16(b)で示すように、残存Vライン傷に含まれるG画素(斜線部)の画素値の参照ウエイトを相対的に低減する参照パターンが採用される。さらに、補間対象画素ICが画素IC3(図15)である場合には、図16(c)で示すように、残存Vライン傷に含まれるG画素(斜線部)の画素値の参照ウエイトを相対的に低減する参照パターンが採用される。
このように、図16に示す各参照パターンが採用される場合には、各参照パターンの斜線が付されたG画素の画素値を用いて算出されるG画素の濃度変化(濃度変化パラメータ)については、参照する度合い(参照レベル)を低減しつつ、G色の濃度パターンを検出する。具体的には、残存Vライン傷に含まれるG画素の画素値を用いて算出される濃度変化パラメータについては例えば0.7の係数を掛ける重み付けを行うことで、残存Vライン傷に含まれる画素値のインターポレーションにおける反映度合いを低く抑える。
ここでは、G画素についてのインターポレーションを例にとって説明したが、R、B画素についても同様な手法によって、残存Vライン傷に含まれる画素値のインターポレーションに対する反映度合いを低く抑える。
図17は、インターポレーションの動作フローを例示するフローチャートである。ここでは、R,G,B画素について順次に図17に示すインターポレーションの動作が行われる。
ステップST31では、Vライン傷が補正された画像データを画像メモリ41から読出す。
ステップST32では、インターポレーションの対象となる補間対象画素を指定する。
ステップST33では、ステップS32で指定された補間対象画素についての補間参照エリア内にVライン傷(すなわち残存Vライン傷)に属する画素が存在するか否か判定する。ここでは、Vライン傷に属する画素が存在する場合にはステップST34に進み、存在しない場合にはステップST35に進む。
ステップST34では、Vライン傷(すなわち残存Vライン傷)に属する画素に係る参照ウエイトを下げた参照パターン(例えば、図16(a)〜(c)参照)を指定する。
ステップST35では、通常の参照パターン(図14)を指定する。
ステップST36では、ステップST34またはST35で指定された参照パターンを用いた画素補間(色補間)を行う。
ステップST37では、特定色成分(R,G,B画素のうちの一つの色成分)について、補間対象画素を全て指定したか否か判定する。ここでは、補間対象画素が全て指定されていなければ、ステップST32に戻り、次の補間対象画素を指定して(ステップST32)、画素補間を行う。一方、補間対象画素が全て指定されていれば図17に示す動作フローを終了する。
(4-2)輪郭強調処理:
インターポレーション後の画像データは被写体の輪郭が明確でない場合が多い為、輪郭強調部34によって輪郭強調処理が施される。
輪郭強調処理では、例えばG画素のみについて注目した1フレーム分の全画素を対象として、[i]図18に示すような3×3画素分の輪郭抽出用の一般的なハイパスフィルタ(以下「通常フィルタ」)HPFを用いて、ナイキスト付近の高周波成分の信号(強調信号)を抽出し、[ii]当該強調信号を元の画像データに加算する。同様な処理をR,B画素についても行うことで、輪郭が強調された画像データを生成することができる。なお、ここでは、RGB面順次に輪郭強調処理を行っても良いし、一旦Y信号(明度信号)を生成してからこのY信号について輪郭強調処理を行うようにしても良い。
図18に示すハイパスフィルタHPFについて簡単に説明すると、1フレーム分の画像データを構成する画素のうちの、ある注目画素(「強調対象画素」とも言う)を対象として、注目画素の画素値に対しては4を係数として乗じ、当該注目画素の上下左右の隣接画素(合計4画素)についてはそれぞれ−1を係数として乗じて、その合計を算出することで注目画素についての強調信号を抽出することができる。
ここで、輪郭強調を行う際、図19に示すように、Vライン傷が補正された画像(傷補正済画像)G9にライン性の濃度変調すなわち傷(残存Vライン傷)Ga21が残っている場合には、残存Vライン傷Ga21が偽の輪郭(以下「偽輪郭」とも言う)として他の輪郭と同様に強調されてしまう。その結果として、ライン性の傷がより目立つ画像が最終的に生成されてしまう。
そこで、本実施形態に係る撮像装置1では、強調対象画素の上下左右の隣接画素が残存Vライン傷に属する場合、または強調対象画素が残存Vライン傷に属する場合には、残存Vライン傷に起因するコントラスト(すなわち偽輪郭)を極力抽出しないようなハイパスフィルタを用いる。なお、ここでも、上述したVライン傷の検出方法によって検出されるVライン傷に属する画素のアドレスを、残存Vライン傷に属する画素のアドレスとして認識することができる。
例えば、強調対象画素が画素EH(図19)である場合には、強調対象画素EHの上下左右の隣接画素が残存Vライン傷には属さないため、図18に示す通常フィルタHPFが採用される。
また、強調対象画素が画素EH1(図19)である場合には、強調対象画素EH1自体は残存Vライン傷に属さないが、強調対象画素EH1の図中右方の隣接画素が残存Vライン傷に属する。このため、強調対象画素を基準として横方向の隣接画素の画素値の影響が縦方向の隣接画素の画素値の影響よりも相対的に小さくなるように、図20(a)に示すハイパスフィルタHPF1が採用される。
また、強調対象画素が画素EH3(図19)である場合には、強調対象画素EH3自体は残存Vライン傷に属さないが、強調対象画素EH3の図中左方の隣接画素が残存Vライン傷に属する。このため、強調対象画素を基準として横方向の隣接画素の画素値の影響が縦方向の隣接画素の画素値の影響よりも相対的に小さくなるように、図20(a)に示すハイパスフィルタHPF3が採用される。
更に、強調対象画素が画素EHV(図19)である場合には、強調対象画素EHV自体は残存Vライン傷に属さないが、強調対象画素EHVの図中上方の隣接画素が残存Vライン傷に属する。このため、強調対象画素を基準として縦方向の隣接画素の画素値の影響が横方向の隣接画素の画素値の影響よりも相対的に小さくなるように、図20(c)に示すハイパスフィルタHPFVが採用される。つまり、残存Vライン傷に対応する画素値の影響が他の画素値の影響よりも小さくなるハイパスフィルタを用いて輪郭強調処理が行われる。
但し、強調対象画素が画素EH2(図19)である場合には、強調対象画素EH2自体が残存Vライン傷に属し、強調対象画素EH2の図中上下方向の隣接画素も残存Vライン傷に属する。このような場合には、残存Vライン傷に起因する偽輪郭から強調信号を抽出しないように、強調対象画素を基準として図中左右方向の隣接画素の画素値の影響が縦方向の隣接画素の画素値の影響よりも相対的に小さくなるように、図20(b)に示すハイパスフィルタHPF2が採用される。
図21は、輪郭強調処理の動作フローを例示するフローチャートである。ここでは、RGB面順次に輪郭強調処理が行われる場合には、図21に示す動作フローが各色成分毎に行われる。一方、Y信号について輪郭強調処理が行われる場合には、図21に示す動作フローがY信号について実施される。
ステップST41では、インターポレーションが施された画像データを画像メモリ41から読出す。
ステップST42では、輪郭強調処理の注目画素となる強調対象画素を指定する。
ステップST43では、ステップST42で指定された強調対象画素の上下左右の隣接画素がVライン傷(すなわち残存Vライン傷)に属するか否か判定する。ここでは、Vライン傷に属する画素が存在する場合にはステップST44に進み、存在しない場合にはステップST45に進む。
ステップST44では、Vライン傷(すなわち残存Vライン傷)の位置に応じたハイパスフィルタで輪郭成分(強調信号)を抽出する。
ステップST45では、通常ハイパスフィルタHPFで輪郭成分を抽出する。
ステップST46では、ステップST41で読出された画像データについて、ノイズを除去する処理(ベースクリップ処理)が行われる。
ステップST47では、ステップST44またはST45で抽出された輪郭成分(強調信号)を、ステップST46でベースクリップ処理が施された画像データに対して加算する。
ステップST48では、1フレーム分の画像を構成する全ての画素を強調対象画素として指定したか否かを判定する。なお、ここでは、輪郭強調処理がRGB面順次に行われる場合には、各色成分のフレーム画像を構成する全画素を強調対象画素として指定したか否かを判定する。一方、Y信号について輪郭強調処理が行われる場合には、単に、1フレーム分の画像を構成する全画素を強調対象画素として指定したか否かを判定する。このステップST48では、全画素が強調対象画素として指定されていなければ、ステップST42に戻り、次の画素を強調対象画素として指定して(ステップST42)、輪郭加算等を行う。一方、全画素が強調対象画素として指定されていれば図21に示す動作フローを終了する。
なお、上述した輪郭強調処理では、強調対象画素の上下左右の隣接画素が残存Vライン傷に属する場合、または強調対象画素が残存Vライン傷に属する場合には、残存Vライン傷に起因する偽輪郭を強調信号としてを極力抽出しないようなハイパスフィルタを用いたが、これに限られず、強調信号を抽出するハイパスフィルタとしては通常ハイパスフィルタのみを使用しつつ、Vライン傷近傍の画素(「近傍画素」とも称する)については抽出される強調信号を低下させた後に画像データに加算するようにすることで、残存Vライン傷に起因する偽輪郭を強調しないようにすることもできる。以下、図22に示す輪郭強調処理の動作フローを示すフローチャートを参照しつつ、強調信号を低下させて画像データに加算する輪郭強調処理について説明する。
ステップSP41では、インターポレーションが施された画像データを画像メモリ41から読出す。
ステップSP42では、輪郭強調処理の注目画素となる強調対象画素を指定する。
ステップSP43では、ステップSP42で指定された強調対象画素の上下左右の隣接画素がVライン傷(すなわち残存Vライン傷)に属するか否か判定する。ここでは、Vライン傷に属する画素が存在する場合にはステップSP44に進み、存在しない場合にはステップSP45に進む。
ステップSP44およびSP46では、ともに通常ハイパスフィルタHPFで輪郭成分(強調信号)を抽出する。
ステップSP45では、ステップSP44において抽出された強調信号に対して所定の通常レベルのゲインよりも小さなゲインを乗じる。
ステップSP47では、ステップSP46において抽出された強調信号に対して所定の通常レベルのゲインを乗じる。
ステップSP48では、ステップSP41で読出された画像データについて、ノイズを除去する処理(ベースクリップ処理)が行われる。
ステップSP49では、ステップSP45またはSP47でゲインが乗じられた輪郭成分(強調信号)を、ステップSP48でベースクリップ処理が施された画像データに対して加算する。
ステップSP50では、上述したステップST50と同様に、全画素が強調対象画素として指定されていなければ、ステップSP42に戻り、次の画素を強調対象画素として指定して(ステップSP42)、輪郭加算等を行う。一方、全画素が強調対象画素として指定されていれば図22に示す動作フローを終了する。
なお、図19に示すように、傷補正済画像G9に残存Vライン傷Ga21が残っている場合には、強調対象画素が画素EH1,EH3である場合には、強調対象画素EH1,EH3の上下左右の隣接画素のうち、残存Vライン傷Ga21に属する隣接画素は1つである。一方、強調対象画素が画素EH2である場合には、強調対象画素EH2が残存Vライン傷Ga21に属するのに対して、強調対象画素EH2の左右の隣接画素が残存Vライン傷Ga21に属さない。
よって、通常ハイパスフィルタHPFを用いて輪郭成分を抽出する際に、強調対象画素と上下左右の隣接画素との間で、残存Vライン傷Ga21に起因するコントラストが検出される箇所は、強調対象画素EH1,EH3については1箇所であり、強調対象画素EH2については2箇所となる。その結果として、強調対象画素EH2について抽出される輪郭成分の方が、強調対象画素EH1,EH3について抽出される輪郭成分よりも相対的に大きくなる傾向にある。
そこで、ステップSP45で乗じられるゲイン(増幅率)は、強調対象画素が残存Vライン傷上にはないが残存Vライン傷に隣接した画素である場合のゲインをGain1とし、強調対象画素が残存Vライン傷上にある場合のゲインをGain2とすると、Gain2>Gain1の関係を満足させることで、偽輪郭の近傍における輪郭強調処理において偽輪郭の影響をほぼ均等に低減することができる。このとき、ステップSP46で乗じられる所定の通常レベルのゲインをGainSとすれば、GainS>Gain2>Gain1の関係が成立する。
また、残存Vライン傷に起因する偽輪郭を全く強調しないといった観点からすれば、上述したステップSP45で乗じられるゲインは0であっても良い。
<(5)撮影動作における画像処理全体について>
以上では、Vライン傷の補正方法、インターポレーション、および輪郭強調処理などといった個々の画像処理について説明したが、以下では、上述した個々の画像処理を含む撮影動作全体に係る動作フローについて説明する。
ここで、画素補間によるVライン傷の補正が施された補正済画像では、Vライン傷が補正された付近では、同色成分の画素値が3列同様となってしまい、例えば被写体の輪郭が歪んだ像となるなど、実際の被写体における濃度変化とは乖離してしまう傾向にある。
そこで、ここでは、Vライン傷(実際には残存Vライン傷)の周辺におけるインターポレーションについては、例えばG色の補間対象画素に対して上下左右の隣接するG画素の画素値の平均値を付与するなど、補間対象画素の周囲の画素値の平均値で補間する処理(平均画素補間)を行う。なお、R,B色については、補間対象画素を中心とした5×5の画素エリアに含まれる同色の画素値の平均値を補間対象画素に対して付与することで平均画素補間を実施することができる。
また、Vライン傷(実際には残存Vライン傷)の近傍における輪郭強調処理については、歪んだ像が強調されないように、輪郭強調レベルの低減する。つまり、オフセットによるVライン補正時よりも、画素補間によるVライン補正時の方が、Vライン傷が存在していた画素の近傍における輪郭強調の度合いが相対的に小さくなるように調整する。詳細については後述する。
図23は、撮像装置1の撮影動作フローを例示するフローチャートである。
ステップST51では、レリーズして露光を行う。すなわち、撮影者によりシャッターボタン13が全押し(S2オン)されて、被写体を撮影する動作が行われる。
ステップST52では、撮像センサ16から画素データを順次に読み出してキャプチャーする処理を行う。
ステップST53では、撮影者によるコマ送り・ズームスイッチ15の操作に応答して設定されたVライン傷の補正方法の設定状態を認識する。
ステップST54では、ステップST53で認識されたVライン傷の補正方法に従って、Vライン傷の補正が実施される。ここでは、撮影条件に含まれるVライン傷の補正方法の設定状態に応じて、2つのVライン傷の補正方法のうちの一方のVライン傷の補正方法を選択的に実行する。なお、ここでは、Vライン傷の補正方法がオフセットによる補正方法である場合、Vライン傷の位置およびレベルの検出が行われた後に、オフセットによるVライン傷の補正が実行される。
ステップST55では、Vライン傷が補正された画像データを画像メモリ41から読出す。
ステップST56では、ステップST54で実施されたVライン傷の補正方法がオフセットによる補正方法であったか否か判定する。ここでは、オフセットによる補正方法であったと判定される場合にはステップST57に進み、オフセットによる補正方法ではなかったと判定される場合にはステップST60に進む。
ステップST57では、図17で示したように、補間対象画素と残存Vライン傷との位置関係に応じて画素補間の参照パターンを適宜変更しつつインターポレーション(色補間)を行う。
ステップST58では、図21で示したように、Vライン傷の近傍の画素、すなわち強調対象画素の上下左右の隣接画素が残存Vライン傷に属する場合、または強調対象画素が残存Vライン傷に属する場合には、適宜ハイパスフィルターを変更する輪郭強調処理を行う。
ステップST59では、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、および解像度変換などといったその他の画像処理が行われて、メモリカード9に画像データが格納されて、図23に示す撮影動作フローが終了する。
一方、ステップST60では、Vライン傷の周辺では平均画素補間を行うインターポレーションを実施する。具体的には、図17で示した動作フローのうちステップST34において平均画素補間を行うようにしたインターポレーションの動作フローを実施する。
ステップST61では、Vライン傷の近傍では強調レベルを低減する輪郭強調処理を行う。具体的には、図22で示した動作フローを行う。このとき、例えば、ステップSP45におけるゲインを0に近い値とすることが好ましい。このように、例えば、ゲインを0に近い値とすることで、オフセットによるVライン補正時よりも、画素補間によるVライン補正時の方が、Vライン傷が存在していた画素の近傍における輪郭強調の度合いが相対的に小さくなるように調整することができる。
ステップST62では、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、および解像度変換などといったその他の画像処理が行われ、メモリカード9に画像データが格納されて、図23に示す撮影動作フローが終了する。
以上のように、本発明の実施形態に係る撮像装置1では、撮像センサ16の垂直CCD162における欠陥に起因して発生する画像上のVライン傷を補正する複数種類の方法(ここでは、オフセットおよび画素補間による補正方法)のうち、Vライン傷の補正方法の設定状態などといった撮影条件に応じて一の傷補正方法を選択的に実行する。その結果、例えば、Vライン傷の画素レベルを検出して補正に反映することでVライン傷の温度依存性に対処可能なオフセットによる補正方法と、Vライン傷の画素レベルの検出が特に必要でなく演算量が少ない画素補間による補正方法とのうち、撮影条件に応じて適宜一の傷補正方法を選択的に実行することで、種々の条件下で線状傷を目立たなくすることができる。
また、オフセットによる補正では被写体の再現性が高いが、オフセット量を間違えるとVライン傷を薄く残ってしまう。一方、画素補間による補正ではVライン傷が目立つことはないが、被写体の再現性が低い。このような両Vライン傷の補正方法の得失点を考慮して上手く使い分けることで、線状傷を目立たなくすることができる。
また、Vライン傷の補正後に色補間を行う際、Vライン傷に対応する画素値を用いて算出された画素値の変化を示す濃度変化パラメータについては参照レベルを相対的に低減する。その結果、色補間の際にVライン傷の補正の誤差に起因する偽の濃度パターンを検知することで色補間後の画像上の被写体と実際の被写体とが乖離してしまう現象を抑制することができる。
また、Vライン傷が補正された補正済画像を対象として輪郭強調処理を行う際、Vライン傷に対応する画素値の影響が他の画素値の影響よりも小さくなるように輪郭強調処理を行う。このような構成により、線状傷の補正における誤差を強調しないようにすることができ、その結果として、線状傷を目立たなくすることができる。
また、Vライン傷が補正された補正済画像を対象として輪郭強調処理を行う際、Vライン傷に対応する画素の近傍画素については、Vライン傷に対応する画素値の影響がその他の画素値の影響よりも相対的に小さくなるようなハイパスフィルタによって強調信号を抽出するか、又はその他の画素についてよりも強調信号の増幅率を相対的に低下させる。その結果、Vライン傷の補正における誤差を強調しないようにすることができる。
また、Vライン傷の画素レベルを検出して当該画素レベルを用いたオフセットによるVライン傷の補正方法が実行される場合よりも、画素補間によるVライン傷の補正方法が実行される場合の方が、Vライン傷に対応する画素の近傍における輪郭強調レベルが相対的に小さくなる。このような構成により、画像における被写体の再現性がオフセットによるVライン傷の補正方法の方が、画素補間によるVライン傷の補正方法よりも相対的に高いといった実状に即した輪郭強調処理を行うことができる。そして、その結果、画像における被写体の再現性が向上する。
<変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
◎例えば、上記の実施形態では、Vライン傷を補正する複数の補正方法のうち、Vライン傷の補正方法の設定状態などに応じて一の傷補正方法を選択的に実行したが、これに限られず、温度センサ49によって検出される温度条件などその他の撮影条件に応じて、Vライン傷を補正する複数の補正方法のうちの一の傷補正方法を選択的に実行するようにしても良い。
◎また、上記の実施形態では、補正済画像を対象として輪郭強調処理を行う際に、Vライン傷に対応する画素の近傍画素については、Vライン傷に対応する画素値の影響がその他の画素値の影響よりも相対的に小さくなるようなハイパスフィルタによって強調信号を抽出するか、又はその他の画素についてよりも強調信号の増幅率を相対的に低下させた。しかしながら、これに限られず、Vライン傷に対応する画素値の影響がその他の画素値の影響よりも相対的に小さくなるようなハイパスフィルタによって強調信号を抽出する方式と、強調信号の増幅率を相対的に低下させる方式とを併せて実施するようにして、上記の実施形態と同様な効果を得るようにしても良い。つまり、上記両方式のうちの少なくとも一方の手法を採用することで、Vライン傷の補正における誤差を強調しないようにすることができる。
◎また、上記の実施形態では、画素補間によるVライン傷の補正時には、残存Vライン傷周辺では平均画素補間によってインターポレーションを行ったが、これに限られず、例えば、オフセットによるVライン傷の補正時のインターポレーションと同様な方式を採用しても良い。
但し、上述した2つのVライン傷の補正方法については、画素補間によるVライン傷の補正の方が、オフセットによるVライン傷の補正よりも精度が低く、被写体をより正しく画像上に再現することができない。これは、画素補間によるVライン傷の補正は基本的に異なる画素値を用いて補間するためである。この点を踏まえれば、Vライン傷(すなわち残存Vライン傷)に含まれる画素に係る参照ウエイトは、オフセットによるVライン傷の補正時の方が、画素補間によるVライン傷の補正時よりも相対的に大きくする方が好ましいと言える。換言すれば、オフセットによるVライン傷の補正時よりも、画素補間によるVライン傷の補正時の方が、残存Vライン傷に属する画素値を用いて算出された濃度変化パラメータについての参照レベルが相対的に小さくなるようにすることが好ましい。
すなわち、オフセットによるVライン傷の補正時と、画素補間によるVライン傷の補正時とで、適宜参照ウエイトの低減度合いを調整することが好ましい。更に、画素補間によるVライン傷の補正における被写体の再現性が極めて低いとみなして、画素補間によるVライン傷の補正を採用する場合には、Vライン傷(すなわち残存Vライン傷)に含まれる画素に係る参照ウエイトを0とするなど極端に低くしても良い。
このような構成により、画像における被写体の再現性がオフセットによる補正の方が画素補間による補正よりも相対的に高いといった実状に即した色補間処理を行うことができる。そして、その結果、画像における被写体の再現性が向上する。
◎上記の実施形態における撮影時の傷レベル(オフセット量)検出については、工場出荷時に行う傷レベル検出(図7)に類似した方法により行っても良い。この検出方法について説明する。
図24は、本発明の変形例に係る傷レベルの検出動作を示すフローチャートである。
ステップSP1およびステップSP2では、図12に示すステップST11およびステップST13と同様の動作を行う。
ステップSP3では、キャプチャー処理が完了したかを判定する。ここで、キャプチャー処理が完了した場合には、ステップSP4に進み、完了していない場合には、ステップSP2の動作を繰り返す。
ステップSP4〜SP7では、図7に示すステップST1〜ST4と同様の動作を行う。
ステップSP8では、図12に示すステップST14と同様の動作を行う。
ステップSP9では、傷レベルの検出を行う。具体的には、200水平転送期間停止して得られた画素データに関して1/200倍で正規化したレベルを、傷レベルとして検出する。
ステップSP10〜SP14では、図12に示すステップST16〜ST20と同様の動作を行う。
以上のような動作によっても、撮影時においてVライン傷の傷レベルを適切に検出できることとなる。
◎また、上記の実施形態は、全画素読出しのCCDの例で示してあるが、複数フィールド読出しのCCDでもかまわない。その時はいったん1フレームにならべ変えてから補正を行うと、上記の実施形態と同じ補正ができる。
本発明の実施形態に係る撮像装置1の要部構成を示す図である。 撮像装置1の機能ブロックを示す図である。 撮像センサ16の構成を示す図である。 Vライン傷を説明するための図である。 Vライン傷の検出原理を説明するための図である。 Vライン傷の検出原理を説明するための図である。 撮像装置1におけるVライン傷の検出動作を示すフローチャートである。 撮像センサ16におけるVライン傷の温度依存性を説明するための図である。 オフセットによるVライン傷の補正を説明するための図である。 オフセットによるVライン傷の補正を説明するための図である。 オフセットによるVライン傷の補正を説明するための図である。 撮像装置1におけるVライン傷の傷レベルの検出動作を示すフローチャートである。 画素補間によるVライン傷の補正を説明するための図である。 インターポレーションでのG用のマスクパターンを例示する図である。 インターポレーションを説明するための図である。 インターポレーションにおける参照ウエイトを説明するための図である。 インターポレーションの動作フローを例示するフローチャートである。 輪郭強調に用いるハイパスフィルターのパターンを例示する図である。 ハイパスフィルターの切り替えを説明するための図である。 ハイパスフィルターのパターンを例示する図である。 輪郭強調の動作フローを例示するフローチャートである。 輪郭強調の動作フローを例示するフローチャートである。 撮像装置1の撮影動作フローを例示するフローチャートである。 本発明の変形例に係る傷レベルの検出動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 撮像装置
3 画像処理部
3p デジタル処理部
16 撮像センサ
16ba、16bb オプチカル・ブラック(OB)部
31 画素補間部
34 輪郭強調部
40 カメラ制御部
49 温度センサ
51 点欠陥補正部
52 Vライン傷検出部
53 Vライン傷補正部
54 傷アドレスメモリ
161 フォトダイオード
162 垂直CCD
163 水平CCD
Fp、Fp1、Fp2、Fp3 垂直CCD上の欠陥箇所
Ga、Ga1、Ga2、Ga3 Vライン傷
Ga11、Ga21 残存Vライン傷
IC、IC1、IC2、IC3 補間対象画素
EH、EH1、EH2、EH3、EHV 強調対象画素

Claims (7)

  1. 撮像装置であって、
    撮像素子を有し、被写体に係る画像を取得する撮像手段と、
    前記撮像素子の電荷転送ラインにおける欠陥に起因して前記画像において発生する線状傷の位置を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された線状傷の位置を参照することで前記線状傷を補正する複数種類の傷補正方法のうち、撮影条件に応じて一の傷補正方法を選択的に実行する補正手段と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1に記載の撮像装置であって、
    前記複数種類の傷補正方法が、
    (a)前記欠陥に起因して発生する線状傷のレベルを検出して、当該線状傷のレベルを用いたオフセットを行う第1の傷補正方法と、(b)前記画像を構成する複数の画素のうちの前記欠陥の位置に対応する欠陥画素に対し、前記欠陥画素周辺の画素に係る画素値を用いて算出した画素値を付与する第2の傷補正方法と、を含むことを特徴とする撮像装置。
  3. 撮像装置であって、
    複数種類の色成分に対応するエリアが配列された撮像素子を有し、被写体に係る画像を取得する撮像手段と、
    前記撮像素子の電荷転送ラインにおける欠陥に起因して前記画像において発生する線状傷の位置を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された線状傷の位置を参照することで前記線状傷を補正する傷補正手段と、
    前記傷補正手段によって前記線状傷が補正された補正済画像を対象として、特定色成分の画素値が存在しない補間対象画素に対し、前記補間対象画素の周辺における前記特定色成分に対応する所定数の周辺画素に係る画素値に応じて算出される補間画素値を付与する色補間手段と、
    を備え、
    前記色補間手段が、
    前記所定数の周辺画素に係る画素値を用いて、所定の複数方向についての画素値の変化を示す変化パラメータをそれぞれ算出する算出手段と、
    前記算出手段によって算出された複数の変化パラメータを参照することで、前記所定数の周辺画素のうちの複数の補間用画素を指定する指定手段と、
    前記指定手段によって指定された複数の補間用画素に係る画素値に基づいて算出される画素値を前記補間対象画素に対して付与する付与手段と、
    を有し、
    前記指定手段が、
    前記複数の変化パラメータを参照する際に、当該複数の変化パラメータのうち、前記線状傷に対応する画素値を用いて算出された変化パラメータについては、他の変化パラメータよりも参照レベルを相対的に低くすることを特徴とする撮像装置。
  4. 請求項3に記載の撮像装置であって、
    前記傷補正手段が、
    (a)前記欠陥に起因して発生する線状傷のレベルを検出して、当該線状傷のレベルを用いたオフセットを行う第1の傷補正方法と、(b)前記画像を構成する複数の画素のうちの前記欠陥の位置に対応する欠陥画素に対し、前記欠陥画素周辺の画素に係る画素値を用いて算出した画素値を付与する第2の傷補正方法と、を含む複数種類の傷補正方法のうち、撮影条件に応じて一の傷補正方法を選択的に実行し、
    前記指定手段が、
    前記第1の傷補正方法が実行された場合よりも前記第2の傷補正方法が実行された場合の方が、前記線状傷に対応する画素値を用いて算出された変化パラメータの参照レベルを相対的に小さくすることを特徴とする撮像装置。
  5. 撮像装置であって、
    複数種類の色成分に対応するエリアが配列された撮像素子を有し、被写体に係る画像を取得する撮像手段と、
    前記撮像素子の電荷転送ラインにおける欠陥に起因して前記画像において発生する線状傷の位置を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された線状傷の位置を参照することで前記線状傷を補正する傷補正手段と、
    前記傷補正手段によって前記線状傷が補正された補正済画像を対象として、輪郭強調処理を行う輪郭強調手段と、
    を備え、
    前記輪郭強調手段が
    前記補正済画像を構成する複数の画素に係る画素値のうちの前記線状傷に対応する画素値の影響が他の画素値の影響よりも相対的に小さくなる輪郭強調処理を行うことを特徴とする撮像装置。
  6. 請求項5に記載の撮像装置であって、
    前記輪郭強調手段が、
    前記線状傷に対応する画素の近傍画素については、前記線状傷に対応する画素値の影響がその他の画素値の影響よりも相対的に小さくなるようなフィルタによって強調信号を抽出する第1の輪郭強調方法、および、前記線状傷に対応する画素の近傍画素については、その他の画素についてよりも強調信号の増幅率を相対的に低下させる第2の輪郭強調方法、のうちの少なくとも一方の輪郭強調方法を採用することを特徴する撮像装置。
  7. 請求項5または請求項6の撮像装置であって、
    前記傷補正手段が、
    (a)前記欠陥に起因して発生する線状傷のレベルを検出して、当該線状傷のレベルを用いたオフセットを行う第1の傷補正方法と、(b)前記画像を構成する複数の画素のうちの前記欠陥の位置に対応する欠陥画素に対し、前記欠陥画素周辺の画素に係る画素値を用いて算出した画素値を付与する第2の傷補正方法と、を含む複数種類の傷補正方法のうち、撮影条件に応じて一の傷補正方法を選択的に実行し、
    前記輪郭強調手段が、
    前記第1の傷補正方法が実行された場合よりも前記第2の傷補正方法が実行された場合の方が、前記線状傷に対応する画素の近傍における輪郭強調の度合いを相対的に小さくすることを特徴とする撮像装置。
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