JP2006147803A - 露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 投影光学系の汚染を十分に抑制することが可能な露光装置を提供する。
【解決手段】 容器5と、容器5内で光のパターンを感光性基板10に投影する投影光学系52と、容器5の内外を連通する第一管路80と、第一管路80を介して容器5内のガスを容器5の外に排出させる送風機92と、を備え、第一管路80の開口81が投影光学系52と感光性基板10との間に設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】 容器5と、容器5内で光のパターンを感光性基板10に投影する投影光学系52と、容器5の内外を連通する第一管路80と、第一管路80を介して容器5内のガスを容器5の外に排出させる送風機92と、を備え、第一管路80の開口81が投影光学系52と感光性基板10との間に設けられている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、感光性基板に対して光のパターンを投影する露光装置に関する。
従来より、レジスト等の感光性基板に対して光のパターンを投影し感光性基板に潜像のパターンを形成させる露光装置が知られている。
このような露光装置は、例えば、特許文献1に記載されているように、感光性基板を支持する感光性基板ステージと、この感光性基板ステージ上の感光性基板に対して光のパターンを投影する投影光学系と、これら感光性基板ステージ及び投影光学系を収容する容器と、を有している。容器内のガスは、通常、不活性雰囲気や減圧雰囲気等に維持される。
このような露光装置を用いて感光性基板の露光を続けると、容器内で光化学反応等により生成した生成物等によって投影光学系に曇り等の汚染が起り、鮮明な潜像のパターンを得られにくくなる場合がある。
これを解消する手段として、例えば、特許文献1に開示されているように、投影光学系と感光性基板との間に不活性ガスを吹き込む装置が知られている。
特開2002−158154号公報
しかしながら、上述の装置では、投影光学系の汚染を十分に抑制することが困難であった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、投影光学系の汚染を十分に抑制することが可能な露光装置を提供することを目的とする。
本発明者が鋭意検討したところ、投影光学系の汚染は次のような機構により起っていることを見出した。すなわち、感光性基板に対して光を照射すると、受光した光に応じて感光性基板中で反応がおきる。このとき、感光性基板から酸等の分子状汚染物質(Molecular Contaminants)が発生する場合がある。また、感光性基板から、有機溶媒等の感光性基板の構成成分が分子状汚染物質として放出される場合もある。さらに、このような感光性基板から発生した分子状汚染物質が、投影光学系から照射される光、例えば紫外線等によって雰囲気中の極微量のアルカリ分子や有機物等と反応し、さらなる分子状汚染物質が生成する場合もある。
そして、発明者は、感光性基板から発生する分子状汚染物質を迅速に容器内から除去することによって投影光学系の汚染を効率よく低減することができることを明らかにした。
すなわち、本発明にかかる露光装置は、容器と、この容器内で光のパターンを感光性基板に投影する投影光学系と、容器の内外を連通する第一管路と、第一管路を介して容器内のガスを容器の外に排出させる送風機と、を備えている。そして、この第一管路の開口は、投影光学系と感光性基板との間に設けられている。
本発明によれば、感光性基板と投影光学系との間のガスが容器外に排出される。したがって、感光性基板から発生した分子状汚染物質が容器内の他の部分、例えば、投影光学系の近傍に移動する前にこれを容器外に迅速に排出させることができる。これにより、感光性基板から発生した分子状汚染物質による投影光学系の汚染が抑制される。
また、容器内において感光性基板から発生した分子状汚染物質が蓄積しにくい。したがって、感光性基板から発生した分子状汚染物質同士、あるいは、感光性基板から発生した分子状汚染物質と雰囲気中の極微量のアルカリ分子や有機物等との光化学反応等により生成する分子状汚染物質の発生も抑制される。したがって、投影光学系等の分子状汚染物質による曇り等の汚染が一層効率よく抑制される。
ここで、第一管路に、ガス中の分子状汚染物質を除去するケミカルフィルタが設けられルことが好ましい。
これによれば、第一管路においてガスから分子状汚染物質が除去できるので、排出ガスの処理が容易である。
この場合、ケミカルフィルタを通過したガスを容器内に戻す第二管路をさらに備えることが好ましい。
これによれば、第一管路によって容器内から排出され、分子状汚染物質が除去された清浄なガスが容器内に戻るので、温湿度の等しいガス等を容器内に補充する必要なくなるので好ましい。また、主成分と温湿度がほぼ同じガスが容器内に戻るので、ガスの屈折率の変動等も少なくて好ましい。
また、本発明に係る他の露光装置は、容器と、容器内で光のパターンを感光性基板に投影する投影光学系と、一方の開口が投影光学系と感光性基板との間に設けられた第一管路と、第一管路に接続されガス中の分子状汚染物質を除去するケミカルフィルタと、容器内のガスを第一管路の開口から吸引して第一管路内を介してケミカルフィルタに供給する送風機と、を備える。
本発明によれば、第一管路の開口から感光性基板と投影光学系との間のガスが吸引されてケミカルフィルタに送られる。したがって、感光性基板から発生した分子状汚染物質が容器内の他の部分、例えば、投影光学系の近傍に移動する前にこれを迅速に除去することができる。これにより、感光性基板から発生した分子状汚染物質による投影光学系の汚染が抑制される。
また、容器内において感光性基板から発生した分子状汚染物質が蓄積しにくい。したがって、感光性基板から発生した分子状汚染物質同士、あるいは、感光性基板から発生した分子状汚染物質と雰囲気中の極微量のアルカリ分子や有機物等との光化学反応等により生成する分子状汚染物質の発生も抑制される。したがって、投影光学系等の分子状汚染物質による曇り等の汚染が一層効率よく抑制される。
ここで、上記発明においてケミカルフィルタを通過したガスを容器内に放出する第二管路をさらに備えることが好ましい。
これによれば、第一管路を通って分子状汚染物質が除去された清浄なガスが容器内に放出されるので、温湿度の等しいガス等を容器内に補充する必要なくなるので好ましい。また、主成分と温湿度がほぼ同じガスが容器内に戻るので、ガスの屈折率の変動等も少なくて好ましい。
ここで、上述の2つの露光装置において、第二管路の開口が投影光学系と感光性基板との間に設けられていることが好ましい。
これによれば、分子状汚染物質が除去された清浄なガスが、投影光学系と感光性基板との間に供給される。したがって、感光性基板から発生する分子状汚染物質が投影光学系へより到達しづらくなるので投影光学系の汚染をより確実に抑制できる。
特に、第一管路の開口と第二管路の開口とが、感光性基板の表面と平行な方向に離間して互いに対向し、これらの第一管路の開口及び第二管路の開口との間から投影光学系が感光性基板に光のパターンを投影することが好ましい。
これによれば、一方の開口から放出されたガスが他方の開口に流れ込むことによって、投影光学系と感光性基板とを隔てるガスのカーテンが形成される。したがって、感光性基板から発生する分子状汚染物質が投影光学系に到達するのをより一層妨げることができる。
また、投影光学系が感光性基板の一部に対してパターンを投影するごとに、感光性基板を感光性基板の表面に平行な方向に移動させる感光性基板移動部をさらに備え、第一管路の開口と第二管路の開口との距離PWは、感光性基板に投影されるパターンにおける移動方向の幅よりも大きく当該幅の3倍よりも小さいことが好ましい。
このような露光装置においては、感光性基板上にパターンを複数回露光する場合が多い。そして、2つの開口間の幅をパターンの幅よりも小さくすると、投影されるパターンに対して第一管路や第二管路が影を形成させる等の影響を及ぼす恐れがある一方、2つの開口間の幅をパターンの幅の3倍よりも大きくすると、感光性基板から発生する分子状汚染物質の排出性能が低下する傾向がある。また、このような装置においては、感光性基板と投影光学系との距離等を測定すべく感光性基板の内の露光エリアにセンシングビームが照射される場合が多いが、2つの開口間の幅をパターンの幅よりも大きくすれば、第一管路や第二管路がこのセンシングビーム及びその反射光を遮らないようにすることが容易である。
また、投影光学系と感光性基板とを隔てる分離板をさらに備え、分離板には、投影光学系から感光性基板に投影されるパターンを透過させる開口が形成され、第一管路の開口と第二管路の開口とは、分離板の開口の縁に互いに対向配置されていることが好ましい。
これによれば、より一層感光性基板からの分子状汚染物質が投影光学系に到達し難くなる。
ケミカルフィルタとしては、酸性ガスを除去するイオン交換樹脂及び有機ガスを除去する活性炭の少なくとも一つをフィルタ材料として含むものが挙げられる。
また、第一管路の容器内の端部は黒色とされていることが好ましい。
これによれば、第一管路によって、余計な光の反射や散乱等が起り難くなり、第一管路を設けても潜像パターンを高精度に形成できる。
投影光学系としては、例えば、フォトマスクに形成されたパターンを感光性基板に投影するものが挙げられる。
本発明によれば、投影光学系の汚染を十分に抑制することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
第1実施形態にかかる露光装置1は、主として、感光性基板10を支持する感光性基板ステージ20、感光性基板ステージ20を駆動する感光性基板ステージ駆動部22、フォトマスク30を支持するマスクステージ40、マスクステージ40を駆動するマスクステージ駆動部42、フォトマスク30に対して光を照射する照明光学系50、フォトマスクを透過した光を集光して感光性基板10に対して投影する投影光学系52、これらを収容する容器5、コントローラ86、容器5の内外を連通する第一管路80、第一管路80に接続されたケミカルフィルタ90、ケミカルフィルタ90と容器5とを連通する第二管路82、及び、第一管路80に接続された送風機92を備えている。
容器5は、密閉容器であり容器内の雰囲気を維持するものである。この容器5には、送風機11、フィルタ12、恒温ユニット13及び恒湿ユニット14が接続された循環ラインL13が設けられている。フィルタ12としては、容器5内の雰囲気を粒子状汚染物の少ない状態に維持する粒子フィルタ、及び、容器5内のアルカリガス等を除去するケミカルフィルタの組み合わせ等が採用できる。恒温ユニット13及び恒湿ユニット14は、容器5内の温度及び湿度をそれぞれ所定の値に維持する。
感光性基板ステージ20は、感光性基板10を上面に載置するものである。感光性基板としては、感光性材料が塗布された種々の基板が利用でき、例えば、感光性レジスト材料が塗布された感光性基板を好適に利用できる。感光性レジスト材料としては、ノボラック樹脂と感光剤との混合物、保護基を付与されたポリヒドロキシスチレンと酸発生剤との混合物等の公知の材料を任意好適に利用できる。
感光性基板ステージ駆動部22は、コントローラ86からの指示に従って、感光性基板ステージ20を移動する。感光性基板ステージ20の移動方向は、水平方向に限られず、垂直方向にも移動可能である。感光性基板10を水平方向、すなわち、感光性基板表面と平行に移動させることにより、同じ光のパターンを感光性基板10の異なる部分に露光させることができる。また、感光性基板10の垂直位置を調節することにより、投影される光のパターンのフォーカス等を好適に調節することができる。
ここで、感光性基板ステージ20及び感光性基板ステージ駆動部22が感光性基板移動部24を構成する。
マスクステージ40は、感光性基板10に投影すべきパターンが形成されたフォトマスク30を載置するものである。フォトマスク30としては、ガラス基板上にパターニングされた金属薄膜等を有する公知のものを利用できる。
マスクステージ駆動部42は、コントローラ86からの指示に従って、マスクステージ40を移動し、所望のフォトマスクに基づく光のパターンが感光性基板10に投影されるようにする。感光性基板ステージ20の移動方向は、水平方向に限られず、垂直方向にも移動可能である。
照明光学系50は、図示しない光源やレンズ等を含むものであり、フォトマスク30に対して光を照射する。光源は特に限定されないが、可視光線、紫外線、X線等の光源が挙げられる。この照明光学系50は、コントローラ86によりon/off等が制御される。なお、この照明光学系50は、容器5の外に設けられていても良い。
投影光学系52は、照明光学系50から出射された後フォトマスク30を透過した光を集光し、感光性基板10上に所望の縮小率とした光のパターンを投影する。これにより、図2に示すように、フォトマスク30のパターンに対応する光のパターンPが感光性基板10に対して投影され、感光性基板10に所望のパターンPの潜像が形成される。投影光学系52の構成は特に限定されないが、例えば、複数のレンズ等を含むものが採用される。
また、図1に示すように、容器5内には、感光性基板10に対してレーザ光等のセンシング光を照射する発光器60と、感光性基板10に到達したセンシング光の反射光を受光する受光器62とを備えている。発光器60及び受光器62は、コントローラ86に接続されており、コントローラ86は、受光器62が受光した光に基づいて、感光性基板10と投影光学系52との距離や、感光性基板10の表面の傾き等を測定し、これを補正する。
コントローラ86は、いわゆるコンピュータであり、照明光学系50、マスクステージ駆動部42、発光器60、受光器62、感光性基板ステージ駆動部22を制御する。コントローラ86は、これらを制御することにより、例えば、フォトマスク30の所望のパターンを感光性基板10上の一部の領域に投影する工程と、感光性基板10を水平に動かす工程とを繰り返して、感光性基板10上に所定のパターンの潜像を繰り返し形成する。
そして、本実施形態の露光装置1は、特に、容器5の内外を連通する第一管路80及び第二管路82と、ケミカルフィルタ90と、送風機92と、を備えている。
ケミカルフィルタ90は、入り口から流入したガス中の分子状汚染物質、例えば、酸性ガス、アルカリガス、有機溶媒等を除去して出口側に排出するフィルタである。具体的には、酸性ガスやアルカリガスを除去するケミカルフィルタとしては、イオン交換樹脂糸等をフィルタ材料とするものを利用でき、また、有機溶媒を除去するケミカルフィルタとしては、活性炭等の吸着剤をフィルタ材料とするものを利用できる。また、イオン交換樹脂糸や活性炭を組み合わせたフィルタを用いても良い。
第一管路80は容器5の内外を連通するものである。第一管路80の容器の内側の開口81は投影光学系52と感光性基板10との間に設けられている。第一管路80の容器の外側の端部はケミカルフィルタ90の入り口側に接続されている。
第二管路82も容器5の内外を連通するものである。第二管路82の容器の内側の開口83は、投影光学系52と感光性基板10との間に設けられている。第二管路82の容器の外側の端部はケミカルフィルタ90の出口側に接続されている。
なお、各開口81,83は、少なくとも投影光学系52が光のパターンを感光性基板10に投影する際に感光性基板10と投影光学系52との間にあればよい。ここで、例えば、開口81,83は高さH1、幅W1の矩形形状とすることができる(図2参照)。
第一管路80の開口81と、第二管路82の開口83とは、感光性基板10の表面と平行な方向に離間して互いに対向配置されている。また、投影光学系52からの光のパターンが、第一管路80の開口81と第二管路82の開口83との間を介して感光性基板10に投影されるように、各開口81,83が配置されている。
さらに、図2及び図3に示すように、投影光学系52と感光性基板10との間には分離板84が水平方向に、すなわち、感光性基板10の表面と平行に配置されている。分離板84には、投影光学系52から感光性基板10に向けて投影されるパターンPを通過させるべく、開口85が形成されている。
そして、第一管路80及び第二管路82は、第一管路80の開口81と第二管路82の開口83とが、分離板84の開口85の縁上に互いに対向して配置されるように、分離板84上にそれぞれ固定されている。なお、本実施形態では、投影光学系52や第一管路80、第二管路82、分離板84は容器5に対して固定されている。
第一管路80及び第二管路82の容器5内の部分と、分離板84とは、それぞれ表面がアルミニウム処理等によって黒色化されている。
図2に示すように、開口81と開口83との距離W2は、繰り返し露光時におけるパターンPの移動方向の幅(距離)PWよりも大きく、幅PWの3倍よりも小さくされている。
第一管路80及び第二管路82の各開口の下端と、感光性基板10との間隔L(図3参照)は小さいことが好ましく、例えば、投影光学系52と感光性基板10との間隔の1/2以下とすることが好ましい。
図1に戻って、送風機92は、第一管路80に接続されており、第一管路80の開口81から容器5内の雰囲気ガスを吸引し、ケミカルフィルタ90を介して第二管路82の開口83から容器5内に戻す。
続いて、本実施形態にかかる露光装置1による作用について説明する。
あらかじめ感光性基板10を感光性基板ステージ20上にセットし、フォトマスク30をマスクステージ40上にセットする。コントローラ86は、マスクステージ40を移動させてフォトマスク30における所望のパターンが照明光学系50の光路に位置するようにし、さらに、感光性基板ステージ20を移動させて投影光学系52の直下に感光性基板10の所望の部分を配置させる。
そして、コントローラ86は、発光器60及び受光器62を用いて感光性基板10の位置を微調整した後、照明光学系50からの光をフォトマスク30に対して照射させる。フォトマスク30を透過した光のパターンは、投影光学系52によって所定の大きさの光のパターンPとして感光性基板10に投影される。これによって、感光性基板10に潜像のパターンPが形成される。一つの潜像のパターンPが形成される毎に、コントローラ86は、投影光学系52の下に感光性基板10の未照射部分が配置されるように感光性基板ステージ20をパターンの幅PW方向に移動させる。これによって、感光性基板10に、所定の光のパターンPの潜像が行列状に多数形成される。
ここで、感光性基板10の感光性材料、例えば、フォトレジスト等に対して光が照射されると、受光した光に応じて感光性材料中で反応がおきるので、感光性基板から酸等の分子状汚染物質が放出される場合がある。また、感光性基板から有機溶媒等の感光性材料の構成成分が分子状汚染物質として放出される場合もある。さらに、このような分子状汚染物質は、投影光学系52から照射される光、例えば紫外線等によってさらに雰囲気中の極微量のアルカリ分子や有機物等と反応し、さらなる分子状汚染物質が生成する場合もある。
ところが、本実施形態では、感光性基板10と投影光学系52との間のガスが、感光性基板10と投影光学系52との間に配置された第一管路80の開口81から吸い出される容器5の外に排出される。したがって、感光性基板10から発生した分子状汚染物質が容器5内の他の部分、例えば、投影光学系52の近傍に移動しにくい。これにより、感光性基板10から発生した分子状汚染物質による投影光学系52等の曇り等の汚染を効率よく抑制できる。
さらに、感光性基板10から発生した分子状汚染物質が容器外に排出されるので、容器5内において分子状汚染物質が蓄積しにくい。したがって、感光性基板10から発生した分子状汚染物質同士の光化学反応や、感光性基板10から発生した分子状汚染物質と雰囲気中の酸素や水分との光化学反応等により生成する分子状汚染物質の発生も抑制される。したがって、投影光学系52、フォトマスク30、発光器60、受光器62、照明光学系50等の分子状汚染物質による曇り等の汚染が一層効率よく抑制される。
したがって、露光装置1によって、光のパターンの鮮明さを維持しつつ感光性基板10を多数回にわたって露光することができ、投影光学系52等のメンテナンスコストを低下できる。
また、第一管路80に、ガス中の分子状汚染物質を除去するケミカルフィルタ90が設けられているので、排出ガスの処理や再利用が容易となる。特に、本実施形態では、ケミカルフィルタ90を通過したガスを容器5内に戻す第二管路82を備えているので、第一管路80によって容器5内から排出され、その後分子状汚染物質が除去されることにより清浄となったガスが容器5内に戻る。これによって、容器5からのガスの排出に対応して他の不活性ガス等を容器5内に補充する必要なくなるので好ましい。また、温湿度のほぼ同じガスが容器5内に戻るので、容器内において屈折率の変動等が殆ど起らず、パターンの鮮明性を維持しやすい。
また、第二管路82の開口が投影光学系52と感光性基板10との間に設けられているので、分子状汚染物質が除去された清浄なガスが、投影光学系52と感光性基板10との間に供給される。したがって、感光性基板10から発生する分子状汚染物質が投影光学系52により到達しづらくなるので投影光学系52の汚染をより確実に抑制できる。
特に、第一管路80の開口81と第二管路82の開口83とが、感光性基板10の表面と平行な方向に離間して互いに対向し、これらの第一管路80の開口81及び第二管路82の開口83との間から投影光学系52が感光性基板10に光のパターンを投影しているので、開口83から放出されたガスが感光性基板10と平行に流れて開口81に流れ込み、これによって、投影光学系52と感光性基板10とを隔てる清浄なガスのカーテンが形成される。したがって、感光性基板10から発生する分子状汚染物質が投影光学系52に到達するのをより一層妨げることができる。
また、投影光学系52が感光性基板10の一部に対して光のパターンを投影するごとに、感光性基板ステージ20及び感光性基板ステージ駆動部22は、感光性基板10を感光性基板の表面に平行な方向に移動させ、第一管路80の開口81と第二管路82の開口83との距離W2は、感光性基板10に投影されるパターンPにおける移動方向の幅PWよりも大きく当該幅PWの3倍よりも小さい。
ここで、2つの開口81,83間の幅をパターンPの幅PWよりも小さくすると、第一管路80や第二管路82が投影されるパターンPに対して影を形成させる等の影響を及ぼす恐れがある一方、2つの開口81、83間の幅W2をパターンPの幅PWの3倍よりも大きくすると、感光性基板10から発生する分子状汚染物質の排出性能が低下する傾向がある。また、このような装置においては、感光性基板10と投影光学系52との距離等を測定すべく感光性基板10の内の露光エリアにセンシングビームが照射される場合が多いが、2つの開口間の幅W2をパターンPの幅PWよりも大きくすれば、第一管路80や第二管路82がこのセンシングビーム及びその反射光を遮らないようにすることが容易である。
また、投影光学系52と感光性基板10とを隔てる分離板84をさらに備え、分離板84には、投影光学系52から感光性基板10に投影されるパターンPを透過させる開口85が形成され、第一管路80の開口81と第二管路82の開口83とは、分離板84の開口85の縁に互いに対向配置されている。
これにより、一層感光性基板10からの分子状汚染物質が投影光学系52に到達し難くなる。
また、第一管路80や第二管路82の容器5内の端部が黒色とされているので、第一管路80や第二管路82によって余計な光の反射や散乱等が起り難くなり、これらの第一管路80や第二管路82潜像パターンの精度に殆ど影響を及ぼさない。
これに対して、感光性基板10と投影光学系52との間に不活性ガスを供給するだけでは、容器5内に感光性基板10から発生する分子状汚染物質が蓄積し、さらに、これらの分子状汚染物質の光化学反応による他の分子状汚染物質の生成も促進され、投影光学系52、フォトマスク30、と照明光学系50等の汚染が十分に抑制できない。
<第2実施形態>
つづいて、本発明の第2実施形態の露光装置について図4を参照して説明する。本実施形態に係る露光装置2が上述の露光装置1と異なる点は、第一管路80、送風機92、ケミカルフィルタ90、及び、第二管路82が全て容器5内に設けられている点である。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、感光性基板10と投影光学系52との間のガスは、感光性基板10と投影光学系52との間に配置された第一管路80の開口81から吸い出され、ガス中の分子状汚染物質がケミカルフィルタ90によって除去される。したがって、第1実施形態と同様にして、投影光学系52、フォトマスク30、発光器60、受光器62、照明光学系50等の分子状汚染物質による曇り等の汚染が一層効率よく抑制される。
また、ケミカルフィルタ90を通過したガスを第二管路82で容器5内に放出しており、第一管路80を通って分子状汚染物質が除去された清浄なガスが容器5内に放出されることとなる。したがって、第1実施形態と同様に、温湿度の等しいガス等を容器5内に補充する必要がなくなるので好ましい。また、主成分と温湿度がほぼ同じガスが容器5内に戻るので、ガスの屈折率の変動等も少なくて好ましい。したがって、パターンの鮮明性を維持しやすい。
また、これ以外の作用効果も第一実施形態と同様である。
なお、本実施形態は、上述の実施例に限定されず、様々な変形態様が可能である。
例えば、上記実施形態では、開口81,83の形状は矩形であるが、これに限定されず円形等も可能である。
また、投影光学系52として、フォトマスクに形成されたパターンを感光性基板10に投影するものを採用しているが、例えば、DMD等を投影光学系として用いたフォトマスクレス露光装置等にも採用可能である。
また、第二管路82の開口83が、投影光学系52と感光性基板10との間に無くても動作は可能である。
また、図1及び図3に点線で示すように、第二管路82に、恒温ユニット13及び恒湿ユニット14が接続されていてもよい。
さらに、ラインL13、送風機11、フィルタ12、恒温ユニット13及び恒湿ユニット14の全部又は一部が容器5内にあっても良い。
さらに、第一実施形態において、図1の点線Aに示すように、ケミカルフィルタ90や第二管路82を用いず、第一管路80を介して送風機92で吸い出したガスをそのまま容器5外に捨てても動作は可能である。
また、第一実施形態において、図1の点線Bに示すように、ケミカルフィルタ90を通したガスを容器5に戻さずに容器5外に捨てても動作は可能である。
また、第二実施形態において、図4の点線Bに示すように、ケミカルフィルタ90を通したガスを第二管路82によって投影光学系52と感光性基板10との間に戻さずに容器5内に排出しても動作は可能である。
また、第二実施形態において、図4の点線Cに示すように、第一管路80を介して送風機92で吸い出したガスを容器5の外へ捨てても動作は可能である。
また、第二実施形態において、図4の点線Dに示すように、ケミカルフィルタ90を通したガスを容器5外に捨てても動作は可能である。
上述の図1の如き露光装置を用いて実施例1、2及び比較例1、2の露光を行い、本発明の効果を確認した。各実施例及び比較例において、露光装置として、DUVステッパー(Nikon NSR-EX14D)を用いた。露光にはλ=248nmの光を用い、露光強度は300mW/cm2とした。パターンを1ショット(22×22mm)露光する毎に感光性基板を水平に移動させ、6インチの感光性基板に多数の潜像のパターンを形成した。
フィルタ12としてはアルカリガス除去ケミカルフィルタを使用した。ケミカルフィルタ90としては、酸性ガス除去フィルタ(近藤工業(株)、CBM−A−F)及び有機ガス除去フィルタ(近藤工業(株)、CBM−C−F)を直列に接続したものを用いた。
実施例1,2では、第一管路の開口及び第二管路の開口を感光性基板と投影光学系との間に設けて多数回の露光を行った。比較例1では、第一管路及び第二管路を設けないで露光を多数回行った。比較例2では、第一管路の開口及び第二管路の開口を、感光性基板ステージ上ではあるが感光性基板と投影光学系との間にならない位置に設けて露光を多数回行った。
各実施例及び比較例において、第一管路80の開口と第二管路82の開口との距離W2、各開口の幅W1、各開口の高さH1、感光性基板10から各管路までの距離をL(図2、図3参照)をそれぞれ図4の如く設定した。実施例2では、開口間の距離W2がパターンの幅PW=22mmより大かつ3PW=66mmよりも小となるようにした。また、開口間に流速1m/sのガスカーテンが形成されるように送風機92の風量を設定した。
そして、各実施例及び各比較例について、光源であるKrFエキシマレーザの発振回数で2×108回分の露光を行い、露光後の投影光学系が投影するパターンの照度ムラの発生量を調べた。結果を図4に示す。
実施例によれば、照度ムラの発生量が著しく小さくなることが判明した。
1、2…露光装置、5…容器、10…感光性基板、24…感光性基板移動部、30…フォトマスク、52…投影光学系、80…第一管路、81…第一管路の開口、82…第二管路、83…第二管路の開口、84…分離板、85…分離板の開口、90…ケミカルフィルタ、92…送風機、P…パターン、PW…パターンの移動方向における幅。
Claims (12)
- 容器と、
前記容器内で光のパターンを感光性基板に投影する投影光学系と、
前記容器の内外を連通する第一管路と、
前記第一管路を介して前記容器内のガスを前記容器の外に排出させる送風機と、を備え、
前記第一管路の開口が前記投影光学系と前記感光性基板との間に設けられている露光装置。 - 前記第一管路にガス中の分子状汚染物質を除去するケミカルフィルタが接続された請求項1に記載の露光装置。
- 前記ケミカルフィルタを通過したガスを前記容器内に戻す第二管路をさらに備える請求項2に記載の露光装置。
- 容器と、
前記容器内で光のパターンを感光性基板に投影する投影光学系と、
一方の開口が前記投影光学系と前記感光性基板との間に設けられた第一管路と、
前記第一管路に接続されガス中の分子状汚染物質を除去するケミカルフィルタと、
前記容器内のガスを前記第一管路の開口から吸引して前記第一管路内を介して前記ケミカルフィルタに供給する送風機と、を備える露光装置。 - 前記ケミカルフィルタを通過したガスを前記容器内に放出する第二管路をさらに備える請求項4に記載の露光装置。
- 前記第二管路の開口は前記投影光学系と前記感光性基板との間に設けられている請求項3又は5に記載の露光装置。
- 前記第一管路の開口と前記第二管路の開口とは、前記感光性基板の表面に平行な方向に離間して互いに対向し、前記第一管路の開口及び前記循環路の開口の間を介して前記投影光学系が前記感光性基板に前記光のパターンを投影する請求項6に記載の露光装置。
- 前記投影光学系が前記感光性基板の一部に対して前記パターンを投影するごとに、前記感光性基板を前記感光性基板の表面に平行な方向に移動させる感光性基板移動部をさらに備え、
前記第一管路の開口と前記第二管路の開口との距離PWは、前記感光性基板に投影されるパターンにおける前記移動方向の幅よりも大きく当該幅の3倍よりも小さい請求項7に記載の露光装置。 - 前記投影光学系と前記感光性基板とを隔てる分離板をさらに備え、
前記分離板には、前記投影光学系から前記感光性基板に投影されるパターンを通過させる開口が形成され、
前記第一管路の開口と前記第二管路の開口は、前記分離板の開口の縁に互いに対向して配置されている請求項7又は8に記載の露光装置。 - 前記ケミカルフィルタは、イオン交換樹脂及び活性炭の少なくとも一つを含む請求項2〜9の何れかに記載の露光装置。
- 前記第一管路の前記容器内の端部は黒色とされている請求項1〜10のいずれかに記載の露光装置。
- 前記投影光学系は、フォトマスクに形成されたパターンを前記感光性基板に投影する請求項1〜11のいずれかに記載の露光装置。
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