JP3677837B2 - 投影露光装置 - Google Patents

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Control Of Exposure In Printing And Copying (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体集積回路、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、又は薄膜磁気ヘッド等を製造するためのフォトリソグラフィ工程中でマスクパターンを感光基板上に転写する投影露光装置に関し、特にエキシマレーザ光等の酸素に吸収され易い波長帯を有する照明光を使用する場合に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より例えば半導体素子等を製造する際に、マスクとしてのレチクルのパターンを投影光学系を介してフォトレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート)上に転写する投影露光装置(ステッパー等)が使用されている。これらの投影露光装置では、レチクルの微細なパターンを高い解像度でウエハ上に転写するため、更には既にウエハ上に形成されているパターン上に高い重ね合わせ精度でレチクルのパターンを投影するために、投影光学系による投影像の結像特性(倍率誤差を含むディストーション等)を常に高精度に所定の状態に維持することが求められている。
【0003】
ところで、露光に際しては高い照射エネルギーの照明光が照射され、投影光学系の照明光吸収により結像特性が初期状態から次第に変化してしまう場合もある。このため、投影光学系の結像特性を初期の状態に維持するように、投影光学系全体の温度を一定に保つための種々の方法が提案されている。例えば、投影光学系周辺に温調された空気を流して、投影光学系の温度を一定に保つようにする方法が提案されている。また、別の方法として、投影光学系の例えば鏡筒の周囲に温調された液体を流す等の方法も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の技術においては、投影光学系全体は一様に冷却されるため、投影光学系全体の温度はほぼ一定に保たれる。しかし、照明条件の違いや露光しようとするパターンの種類の違い等による投影光学系内部での照明光の光路の違い、投影光学系を構成するレンズの硝材の違いによる透過率の差等によって、投影光学系内部にある程度の温度分布が生ずることは避けられなかった。そして、これに伴う投影光学系の結像性能の変動が、今日の高度集積回路の進展による線幅の微細化に伴って無視できないようになってきた。
【0005】
また、線幅の微細化に伴い、露光用の照明光としては高い解像度が得られる紫外光、更にはArFエキシマレーザ光(波長193nm)のような遠紫外光等の短い波長の照明光が使用されるようになってきている。ところが、これらの短い波長帯には酸素の吸収帯が存在し、本来露光に使うべき照明光の照射エネルギーの一部が空気中の酸素に吸収されてしまうという不都合があった。更に、紫外域以下の短波長の照明光は空気中の酸素をオゾンに変化させる光化学反応を励起する。この光化学反応により発生したオゾンもやはり照明光の照射エネルギーを吸収する。
【0006】
また、紫外域以下の短波長の照明光を使用する場合、例えばレチクルのパターン領域を保護するためのペリクル(防塵膜)が設けられた装置ではペリクル、ペリクル枠、及びレチクルによりほぼ密閉された空間内で照明光によって酸素がオゾンに変化すると共に、その発生したオゾンが拡散することなく蓄積する傾向があった。そのため、次第に照明光の吸収による損失が増大するという不都合もあった。
【0007】
本発明は斯かる点に鑑み、投影光学系の結像性能の変動が少なく、露光用照明光の照射エネルギーの吸収の少ない投影露光装置を提供することを第1の目的とする。更に、本発明はペリクル(防塵膜)が設けられたレチクルを使用する場合に、露光用照明光の照射エネルギーの損失が少ない投影露光装置を提供することを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の発明の実施形態に記載された投影露光装置は、所定の照明光(IL)のもとで、マスク(1)のパターン(PA)を投影光学系(PL)を介して感光性の基板(2)上に転写する投影露光装置において、その投影光学系(PL)は、第1の硝材からなる複数の光学部材と、屈折率に関する温度特性がその第1の硝材と異なる第2の硝材からなる少なくとも一つの光学部材(3b)とを有し、その照明光(IL)のエネルギー吸収の少ない流体の温度を制御し、かつその流体をその第2の硝材からなる少なくとも一つの光学部材の周辺に供給する温度制御手段(5〜7,15,16)を設け、その温度制御手段を介してその第2の硝材からなる少なくとも一つの光学部材(3b)の温度を制御して、その投影光学系(PL)の結像性能(倍率誤差を含むディストーション等)を制御するものである。
斯かる投影露光装置によれば、投影光学系(PL)を構成する複数のレンズの材質の違いによる光学特性の温度特性の違いを利用して、制御対象の光学部材(3b)の温度を制御するだけで、投影光学系(PL)の結像特性の変動を抑えることができる。また、照明光(IL)に対するエネルギー吸収の少ない流体が温度されて供給されるため、温度制御用の流体により照明光の光エネルギーが殆ど吸収されることなく基板(2)上に到達する。
【0009】
また、本願の発明の実施形態に記載された別の投影露光装置は、照明光学系(EL)からの照明光(IL)のもとで、マスク(1)上のパターン(PA)を投影光学系(PL)を介して感光性の基板(2)上に転写する投影露光装置において、その照明光(IL)の波長に対する吸収帯のない流体の温度を制御する温度制御手段(5〜7,15,16)を設け、その温度制御された流体を、その照明光学系(EL)とその基板(2)との間のその照明光(IL)の光路上に供給し、その温度制御された流体を介してその投影光学系(PL)の結像性能を制御するものである。
斯かる投影露光装置によれば、流体の温度を制御するだけで投影光学系(PL)の結像特性を制御することができる。また、照明光(IL)の波長に対する吸収帯がないため、温度制御用の流体により照明光の光エネルギーが吸収されることなく基板(2)上に到達する。
【0010】
また、本発明による投影露光装置は、所定の照明光(IL)のもとで、マスク(1)を照明する照明光学系と、そのマスクのパターン(PA)を感光性の基板(2)上に転写する投影光学系(PL)とを備える投影露光装置において、そのマスク(1)は、そのパターンが形成されたパターン面に、フレーム(32)を介して取り付けられたペリクル(31)と、そのパターン面とそのフレームとそのペリクルとで囲まれた空間に封入され、空気に比べてその照明光のエネルギー吸収の少ない流体とを有し、そのパターン面とそのフレームとそのペリクルとで囲まれた空間に対し、そのフレームに形成された通気孔を介した酸素の混入を防止するために、そのマスクを囲む空間(35)にその流体を供給する流体供給手段(36,37,38)を備えたものである。
斯かる本発明の投影露光装置によれば、防塵膜としてのペリクル(31)によりレチクル(1)への塵埃の付着を防止することができる。また、照明光(IL)の波長に対して空気に比べて吸収の少ない流体が使用されているため、照明光の照射エネルギーの損失が少ない。例えば照明光(IL)としてArFエキシマレーザ光等の紫外域の波長の照明光が使用された場合、照明光の波長に対する空気に比べて吸収の少ない流体としては窒素ガス(N2 )等の空気以外の流体が使用される。
本発明において、そのマスクを囲む空間は、その照明光学系とその投影光学系との間の空間でもよい。
また、上記の本発明の投影露光装置は、そのマスクとその基板とを同期走査して、そのマスクのパターンをその基板上に露光してもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による投影露光装置の実施の形態の一例について図面を参照して説明する。本例は、レチクル上のパターンをウエハ上のショット領域に一括露光するステッパー型の投影露光装置に本発明を適用したものである。
図1は、本例の投影露光装置の概略的な構成を示し、一部を断面図で示している。この図1において、発振波長が193nm付近で狭帯化されたArFエキシマレーザ光源及び照明光のレチクル1上の照度分布を均一化するフライアイレンズ等を含む照明光学系ELからの照明光ILは、レチクル1を照明し、投影光学系PLを介して、レチクル1の下面のパターン領域PAに形成されたパターンをウエハ2上の各ショット領域に縮小投影する。照明光ILとしては、Arエキシマレーザ光以外に例えばKrFエキシマレーザ光、銅蒸気レーザやYAGレーザの高調波、あるいは超高圧水銀ランプの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いてもよい。以下、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で、図1の紙面に平行にX軸を、図1の紙面に垂直にY軸を取って説明する。なお、投影光学系PLの構成については後で詳しく説明する。
【0012】
レチクル1は不図示のレチクルホルダを介してレチクルステージ1a上に載置されている。レチクルステージ1aはX方向、Y方向、回転方向にレチクル1の位置決めを行う。
一方、ウエハ2はウエハホルダ9上に真空吸着され、ウエハホルダ9はウエハステージ8上に固定されている。ウエハステージ8は、ウエハ2をX方向、Y方向に所謂ステップ・アンド・リピート方式で駆動すると共に、投影光学系PLの最良結像面に対し、任意方向にウエハ2の表面を傾斜可能で、且つ光軸AX方向(Z方向)にウエハ2を微動できるように構成されている。また、ウエハステージ8のXY平面内での位置は不図示のレーザ干渉計によって、例えば0.01μm程度の分解能で常時検出されている。ウエハステージ8の位置情報(又は速度情報)は不図示の主制御系に送られ、主制御系はこの位置情報(又は速度情報)に基づいてウエハステージ8の位置を制御する。
【0013】
ここで、投影光学系PLの構成について説明する。本例では、投影光学系PLを構成する複数のレンズ中に焦点距離、屈折率等の光学特性の温度変化による変化量(温度特性)が他のレンズと異なる硝材よりなるレンズ(以下、「制御可能レンズ」という)を1枚又は複数枚組み込み、その制御可能レンズの内で、制御しようとする投影光学系の結像性能が当該レンズの光学特性の変動に伴って変化するようなレンズを選んで制御対象レンズとする。そして、その制御対象レンズの温度をこのレンズに直接接触する流体(以下「制御用流体」という)により制御して例えば屈折率を変化させ、投影光学系PLの結像特性を制御するものである。同時に、この流体として照明光のエネルギーの吸収の少ない物質を選択して照明エネルギーのロスを防止する。本例の投影光学系PLは、石英のレンズ及び蛍石のレンズより構成され、制御対象レンズとして蛍石のレンズを使用し、制御用流体として窒素ガスを使用する。
【0014】
図1において、投影光学系PLのレンズ群はレチクル1に近い方から順にレンズ3a,3b,3c,…,3nから構成されており、それら複数のレンズ3a〜3nは投影光学系PLの外郭を構成する鏡筒4が形成する空間14に配置され、それらレンズ3a〜3nの外周部は不図示のレンズ枠を介して鏡筒4の内側に固定されている。これらのレンズ群は大部分が石英より形成されているが、少なくともレンズ3bは蛍石より形成されている。本例のように遠紫外域の照明光を使用する場合、投影光学系に使用されるレンズの硝材としては石英、及び蛍石等となる。これらの材質の熱膨張率はそれぞれ異なっており、例えば蛍石は石英に比べて屈折率が変化し易く、蛍石よりなるレンズは制御対象レンズとして使用することができる。
【0015】
このレンズ3b、その表面側で隣合うレンズ3a、及び鏡筒4により密閉空間12が形成され、レンズ3b、その裏面側で隣合うレンズ3c、及び鏡筒4により密閉空間13が形成されている。空間12を構成する鏡筒4の一部には外部の温調装置7からの温度調節された窒素(N2 )ガスを導入するための導入口10Aと、空間12中の窒素ガスを排出するための排出口11Aとが設けられている。また、空間13を構成する鏡筒4の一部には、空間12の場合と同様に、外部の温調装置7からの温度調節された窒素ガスを導入するための導入口10Bと、空間13中の窒素ガスを排出するための排出口11Bとが設けられている。空間12,13の温度を調節するための窒素ガスは、外部の温調装置7から供給配管15を介して導入口10A,10Bからそれぞれ空間12,13に供給され、空間12,13の温度を制御した後、排出口11A,11Bからそれぞれ排出され、排出配管16を介して、温調装置7に戻る構成となっている。
【0016】
また、鏡筒4の側壁から空間13の中央に向けて温度センサ5が突き出ており、この温度センサ5により空間13の温度が測定される。なお、温度センサ5の先端は、投影光学系PLの露光領域外に位置するように配置される。温度センサ5の測定信号は外部の温度計測装置6に供給されており、温調装置7は温度計測装置6で計測される温度と目標温度とを比較して、空間12及び空間13に供給する窒素ガスの温度を調節する。
【0017】
本例では、空間12,13に供給される制御用流体として窒素ガスを使用しているが、窒素ガスに限定されるものではなく、以下に説明する条件に適合するものであれば何れのものも使用することができる。即ち、制御用流体は、制御対象のレンズ、即ちレンズ3bの温度を調節するために使用される。従って、制御用流体としては、気体及び液体共に使用することができるが、空間12,13を構成するレンズ及び鏡筒等の材質を腐食せず、不活性で、毒性のない取扱が容易な物質が選定される。更に、本例では特に使用される露光用の照明光に対して光化学的に安定、且つ照明光の波長域の吸収帯のない物質を選択する。
【0018】
図3は、ArFエキシマレーザ光の吸収スペクトルを示し、図3(a)及び図3(b)はそれぞれ空気中及び窒素ガス中における吸収スペクトルの状態を示している。この図3(a),(b)において横軸は波長λ〔nm〕、縦軸はスペクトル強度Iを示す。図3(a)の凹凸線21に示すように、ArFエキシマレーザ光は、波長が約192.8〜193.7nm迄の幅で波長が約193.2nmにほぼ中心をもつスペクトルを有している。この波長帯の中の複数の狭い波長帯には酸素(O2 )の吸収帯(Schumann-Runge帯)が存在する。図3(a)では、波長の長い順番にそれらの吸収帯a1〜a6を示す。
【0019】
また、ArFエキシマレーザ光を使用する場合は、共振器内に帯域フィルターを挿入する等の方法により狭帯化処理を施している。しかし、この狭帯化処理を行う際に、図3(a)に示すように酸素の吸収帯を完全に外す形での狭帯化は極めて困難で、狭帯化された波長域に酸素の吸収帯が重なってしまことは避けられない。従って、制御用流体として酸素を含む空気を使用することは好ましくない。
【0020】
また、空気中のオゾン(O3 )は波長約320nmから短波長にかけて拡がるハートレイ帯と呼ばれる強い吸収帯をもつ。特にこのオゾンは酸素よりも強い吸収力をもつ。そのため、空気中からオゾンを排除するだけでもレーザ光の照射エネルギー量の吸収割合が大きく減少する。従って、制御用流体としてオゾンを除去した空気を使用することによっても、通常の空気を使用する場合に比べてレーザエネルギーの吸収を大きく減らすことができる。
【0021】
一方、本例で使用される窒素ガスは、図3(b)の凹凸曲線22に示すように、ArFエキシマレーザ光の波長域には吸収帯がなく、レーザエネルギーを殆ど吸収しない。また、例えば制御用流体として空気を使用した場合には、如何に清浄にした空気でも僅かに残存するアンモニウムイオン(NH4 +)、硫酸イオン(SO4 2- )、 及び有機シラノール類等の不純物が、レーザエネルギーにより活性化してレンズ表面に曇り物質を生成する危険性がある。しかし、窒素ガスの場合は、それらの不純物を含まず、また反応的に不活性であるため、曇り物質を生成することもなくレンズ表面が清浄に保たれる。窒素ガスは取扱が用意であり、また反応的に不活性であり、特に安全性に優れている。そのために、殆どの種類の照明光に対する制御用流体として好適に使用される。なお、制御用流体としては窒素ガス及びオゾンを除去した空気以外に炭酸ガス(CO2 )等各種の気体の使用が可能である。例えば炭酸ガスは波長190nm及び254nm周辺に吸収帯があり、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)やKrFエキシマレーザ光(波長248nm)を使用する場合は適当ではないが、照明光として水銀ランプのg線(波長436nm)又はi線(波長365nm)が使用される場合は制御用流体としての使用が可能である。
【0022】
以上のように構成された本例の露光装置の動作について以下に説明する。
先ず、予め制御対象のレンズ3bの温度Tと屈折率Rとの関係を求め、屈折率Rを変数とする関数の形で記憶する。ここで、この求められた温度Tを表す関数を関数f(R)とする。また、レンズ3bの屈折率の変化量ΔRに対する投影光学系PLの倍率及びディストーション等の結像特性の変化量ΔM(この場合、倍率とする)の関係を求め、倍率の変化量ΔMを変数とする関数の形で記憶する。この求められた屈折率の変化量ΔRを表す関数をg(ΔM)とする。次に、大気圧、湿度、及び大気温度等の環境データの変動量及び露光中の照明光の照射量の変化量に対する投影光学系PLの結像性能の変化量の関係を調べる。投影光学系PLの結像性能を短時間で計測する手段があるならばそれを利用して、実際の露光時に投影光学系PLの結像性能の変化量を測定するようにしてもよい。
【0023】
次に、実際の露光時における投影光学系PLの結像特性の補正動作について説明する。環境データ及び照明光の照射量から現時点における投影光学系PLの結像特性を算出する。次に、設計時の結像特性との差を求める。そして、この求められた差を相殺するように、レンズ3bの目標温度を決定する。この場合、先に求められた関数g(ΔM)により投影光学系PLの結像特性の変化量に対するレンズ3bの屈折率の変化量ΔRを求め、この屈折率の変化量ΔRに対して関数f(R)によりレンズ3bの目標温度を求める。
【0024】
次に、図1の温調装置7から所定の温度に調節された窒素ガスを空間12,13に循環させ、レンズ3bが目標温度になるように窒素ガスの温度及び流量を制御する。なお、本例ではレンズ3bの温度(平均温度)を直接測定していないが、温度センサ5の測定温度がほぼレンズ3bの目標温度になるようように制御する。但し、更に精密な制御を必要とする場合は、先ず、図1の温度センサ5の温度がレンズ3bの目標温度になるように温調装置7を制御した後、結像特性を測定しながら微調節を行って、投影光学系PLの結像特性が設計値に最も近い状態になるときの温度センサ5の測定温度の値を以後目標値として制御するようにすればよい。
【0025】
以上の動作は、実際の露光時には常に継続される。従って、投影光学系PLの露光工程全体にわたって結像性能が一定に保たれることになる。更に、上記の温度制御を窒素ガスを用いて行うことにより、従来であれば空気が入っていた場所が窒素ガスに置き換えられることになる。このことにより、本例のように、露光用の光源としてArFエキシマレーザ光のような短波長の光を用いる場合に、酸素が光エネルギーを吸収して照射エネルギーが減少する現象を防止することができる。また、空気に変えて窒素等の化学的又光学的に不活性な気体或いは反応性の少ない流体を使用しているので、オゾン発生による弊害は生じない。また、本例のように照明光としてArFエキシマレーザ光を用いる場合だけでなく、各種の照明光に対して、その使用される照明光の波長域に対して吸収帯が存在しない流体を制御用流体として選定するため、どのような照明光が使用される場合でも、照射エネルギーがその流体に吸収されることなくウエハW上に効率的に照射される。
【0026】
次に、本発明の投影露光装置の実施の形態の他の例について図2を参照して説明する。本例は、レチクルの下部にレチクルのパターン面への異物の付着を防止するためのペリクル(防塵膜)を取り付け、そのペリクルとレチクルのパターン面との間に密閉空間を形成して、その密閉空間中に窒素ガスを封入すると共に、更に、照明光学系から投影光学系までの空間を密閉して、その密閉空間に窒素ガスを封入するものである。他の構成は図1の例と同様であり、同様箇所には同一符号を付してその詳細説明を省略する。
【0027】
図2は、本例の投影露光装置の概略構成を示し、この図2において、レチクル1のパターン面に対して所定の間隔でペリクルフレーム32を介してほぼ平行にペリクル31が張設されている。ペリクル31は透明なほぼ正方形の薄膜から構成されており、そのペリクル31、レチクル1、及びペリクルフレーム32によりレチクル1のパターン領域PAの全体を覆う密閉空間33が構成されている。空間33には窒素ガスが封入されている。この密閉された空間33を窒素雰囲気にするためには、ペリクルの貼り付け作業の際に窒素ガス雰囲気中にて行うか、又は、ペリクル膜の強度が十分大きい場合は、一度ペリクルを貼り付けた後に、レチクル、ペリクルフレーム、及びペリクルにより形成される空間を真空に近い状態にして窒素を封入するようにしてもよい。
【0028】
また、照明光学系ELの下部及び投影光学系PLの鏡筒4の上部は共に円筒状のフレーム34に固定されており、照明光学系ELの下面、フレーム34、投影光学系PLの鏡筒4、及び投影光学系PLの最上部のレンズ3aによりほぼ密閉された空間35が形成されている。この空間35にはレチクル1及びレチクルステージ1a等も含まれている。この空間35には温度を調節するための窒素ガスが循環されている。窒素ガスは外部の温調装置36から供給配管37を経て、フレーム34の一部に設けられた導入口35aから空間35に供給され、空間35の内部温度を調節した後、フレーム34の一部に設けられた排出口35bから排出配管38を介して温調装置36に戻る工程となっている。また、フレーム34の一部には、空間35の温度を計測するための温度センサ39が設置されている。温度センサ39の測定値は温度計測装置40に供給されており、温調装置36は温度センサ39の測定値と目標温度とを比較して、空間35に供給する窒素ガスの温度及び流量を制御する。
【0029】
なお、本例ではペリクル31とレチクル1との間の空間33及び照明光学系ELと投影光学系PLとの間の空間35の2つの空間を設けたが、それぞれ単独で構成してもよい。また、図1の例と同様に、空間33及び空間35に封入される物質は、窒素ガスに限定されるものではなく、図1の例と同様に照明光の種類に合わせて種々の成分を選択して使用する。
【0030】
以上のように構成された本例の投影露光装置によれば、照明光学系ELから射出された照明光ILは、空気に接触することなく投影光学系PLに到達する。従って、図1の例で述べた効果に加えて、照明光学系ELからウエハ2上に到達する間に空気中の酸素により吸収されるレーザエネルギーの量が更に減少し、光源からのエネルギーが有効に利用される。また、ペリクル31の空間33に窒素が封入されているため、オゾンが発生することもなく、オゾンの蓄積により照明エネルギーが著しく吸収される等の弊害も生じない。
【0031】
また、空間35の温度が制御されているため、レチクル1の温度も調節される。従って、例えばレチクル1の熱膨張によるパターンの歪み又は結像特性の変化が抑えられる効果もある。
なお、上述のようにペリクル31の空間33を、レチクル1を覆う空間35とは別に単独で設けた場合には、空間33に封入した窒素ガスがArFエキシマレーザ光を吸収しない効果と共に、レーザエネルギーにより例えば曇り物質等の不純物が生成し、パターン面の汚染が発生する現象が抑制される効果がある。
【0032】
また、大気圧の変動に対して、レチクル1、ペリクル31、及びペリクルフレーム32により囲まれた空間33の内圧を調整するために、窒素ガスが封入された空間33にある程度外気が流通するような構造にする、即ちペリクルフレーム32の一部に通気孔を設けることも考えられる。このような構造にした場合は、空間33内に徐々に酸素が混入することになり、効果が低下することも考えられる。このような場合には、本例のようにレチクル1を囲む空間全体を窒素ガス雰囲気にすることにより、初期の目的を達成することができる。また、レチクルを保管する場所が空気に曝された雰囲気である場合には、徐々に酸素が混入することになり、期待する効果が得られない。従って、レチクルを保管する場所も窒素雰囲気とすることが望ましい。
【0033】
なお、本発明はステッパー型の投影露光装置に限らず、レチクルとウエハとを同期走査してレチクルのパターンをウエハ上のショット領域に逐次転写するステップ・アンド・スキャン方式等の走査露光型の投影露光装置にも同様に適用できる。
このように、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
【0034】
【発明の効果】
本願の発明の実施形態に記載された投影露光装置によれば、温度制御された流体を用いて投影光学系中の一部の光学部材の温度を制御することにより、投影光学系の結像特性を補正する。従って、例えば環境条件や照明光の照射量の変化に伴う投影光学系の結像性能の変動を抑制することができる。また、流体として照明光の波長の光に対して吸収の少ない流体を使用するため、照明光の照射エネルギーのロスが低減できる利点がある。
【0035】
また、本願の発明の実施形態に記載された別の投影露光装置によれば、流体の温度を制御するだけで投影光学系の結像特性の変動を抑制することができる。また、照明光の波長に対する吸収帯がないため、温度制御用の流体により照明光の光エネルギーが吸収されることなく基板上に到達する利点がある。
また、本発明の投影露光装置によれば、ペリクル(防塵膜)によりレチクルのパターン面への塵埃の付着を防止することができる。また、空気に比べて照明光に対する吸収の少ない流体を封入しているため、照明光の照射エネルギーの損失が少ない利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投影露光装置の実施の形態の一例を示す一部を断面図とした概略構成図である。
【図2】本発明による投影露光装置の実施の形態の他の例を示す一部を断面図とした概略構成図である。
【図3】(a)は空気中のArFエキシマレーザのスペクトルを示す図、(b)は窒素ガス中のArFエキシマレーザのスペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 レチクル
2 ウエハ
EL 照明光学系
PL 投影光学系
3a〜3c,3n 投影光学系のレンズ
4 鏡筒
5,39 温度センサ
6,40 温度計測装置
7,36 温調装置
8 ウエハステージ
15,37 供給配管
16,38 排出配管
31 ペリクル
32 ペリクルフレーム

Claims (4)

  1. 所定の照明光のもとで、マスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターンを感光性の基板上に転写する投影光学系とを備える投影露光装置において、
    前記マスクは、前記パターンが形成されたパターン面に、フレームを介して取り付けられたペリクルと、前記パターン面と前記フレームと前記ペリクルとで囲まれた空間に封入され、空気に比べて前記照明光のエネルギー吸収の少ない流体とを有し、
    前記パターン面と前記フレームと前記ペリクルとで囲まれた空間に対し、前記フレームに形成された通気孔を介した酸素の混入を防止するために、前記マスクを囲む空間に前記流体を供給する流体供給手段を備えたことを特徴とする投影露光装置。
  2. 前記マスクを囲む空間は、前記照明光学系と前記投影光学系との間の空間であることを特徴とする請求項に記載の投影露光装置。
  3. 前記照明光学系と前記投影光学系との間の空間の温度を計測する温度センサと、
    前記温度センサの計測値と目標温度とを比較して、前記照明光学系と前記投影光学系との間の空間に供給する前記流体の温度を制御する温調装置とを有することを特徴とする請求項に記載の投影露光装置。
  4. 前記マスクと前記基板とを同期走査して、前記マスクのパターンを前記基板上に露光することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の投影露光装置。
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