JP2006145385A - コンクリートの品質管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】施工現場においていつ、どの場所に、どのようなコンクリートが打設されたかを容易に把握して、コンクリートの品質管理を行う。
【解決手段】施工現場で打設されるコンクリートの品質管理を行うにあたって、打設時におけるコンクリートの性状に関するデータを計測し、このデータを記録媒体2に記録し、この記録媒体2をコンクリートに混入し、打設する。つまり、コンクリートに関するデータが硬化したコンクリート中に残ることになる。そして、硬化したコンクリート中の記録媒体2のデータを読み取って、将来にわたって、施工現場において、どの場所にどのようなコンクリートが打設されたかを把握する。例えば、硬化したコンクリートに変状があった場合には、その原因を推定すること容易になる。さらに、データを計測し、記録媒体に記録し、記録媒体を混入する一連の作業を自動的に行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、施工現場に打設されるコンクリートの品質管理方法に関する。
従来、施工現場で打設される生コンクリートは、水、セメント、砂(細骨材)、砕石(粗骨材)等の量を設定し、供試体を製作し養生後に強度試験などを行って品質管理を行い、それぞれの配合量を決定している。また、打設時にはそのように配合された生コンクリートを現地でミキサー車から取り出して供試体を作成し強度試験などを行って、また打設時の温度、単位水量等を記録して品質管理を行っている。
ここで、RFICタグ及び該タグを備えるコンクリート試験片とその製造方法並びにコンクリート品質管理用RFIDシステムが提案されている。これは、キャッピングコンクリートを流し込んでコンクリート試験片を形成することにより、コンクリート試験片上部の所定の位置にタグを埋設して、コンクリート試験片を確実に識別しようとするためのものである(例えば、特許文献1参照。)。
また、生コン車毎の生コンクリート全量の単位水量と、連続型水分量測定装置によって測定された所定の基準単位水量とをそれぞれ比較することによって、生コンクリートの品質を各生コン車毎に作業現場で評価し管理する方法が考えられている(例えば、特許文献2参照。)。
また、ミキサー車により打設現場に搬送されたフレッシュコンクリートを、ポンプ車のホッパー内に受入れる際に、粘性と含水率とをポンプ車のホッパーに設けた品質管理装置により測定し、予め把握しておいたスランプ値と粘性及び含水率の関係を比較し、評価する方法が考えられている。(例えば、特許文献3参照。)
特開2004−109002号公報 特開2002−307423号公報 特開2001−228143号公報
しかしながら、従来の方法では、1日に多量のコンクリートを打設するような場合には、供試体の数が多くなるとともに、打設範囲が広範になるため、どの場所にどのようなコンクリートが打設されたのかを、後で知るのは困難となっている。具体的には、例えば、1日のうちのある時間帯に、水量の多い、あるいは打設時温度の高いコンクリートが打設され、その一部に何らかの原因でひび割れが生じたり、変状が発生したりした場合には、それらの原因の把握が困難となっている。また、どの場所にどのようなコンクリートがどのような順番で打設されたのかも把握できない。
本発明の課題は、施工現場においていつ、どの場所に、どのようなコンクリートが打設されたかを容易に把握して、コンクリートの品質管理を行うことである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明のコンクリートの品質管理方法は、例えば図1、2に示すように、施工現場で打設されるコンクリート(生コンクリート1)に関するデータを記録媒体2に記録し、この記録媒体2を前記コンクリートに混入することを特徴とする。
ここで、コンクリートに関するデータとして記録する内容は、コンクリートの性状に関するデータ、コンクリートの施工に関するデータ、構造物に関するデータなどである。コンクリートの性状に関するデータは、製造工場において製造時に得られるデータ、施工現場において打設時に得られるデータ、これらのデータから計算等によって間接的に求められる推定データなどがある。以上のデータとして、例えば、製造者、施工者、工事名、打設場所、構造物名、打設日時、配合、出荷時温度、打設時温度、気温、単位水量、細骨材の表面水率、塩分濃度、空気量などが挙げられる。
記録媒体2は、ICタグまたは電磁気類による記録媒体2であり、打設されるコンクリート中に混入されても壊れないもので、硬化したコンクリート中においても電磁気的な読み取り動作等の反応が可能なものである。
このように、コンクリートに関するデータを記録媒体2に記録し、この記録媒体2をコンクリートに混入し、このコンクリートを施工現場で打設することにより、コンクリートに関するデータが硬化したコンクリート中に残ることになる。硬化したコンクリート中の記録媒体2のデータを読み取って、将来にわたって、施工現場において、いつ、どの場所に、どのようなコンクリートが打設されたのかを容易に把握して、コンクリートの品質管理を行うことができる。
例えば、構築された構造物にコンクリートの品質に関する記録を残せば、硬化したコンクリートに変状があった場合に、その原因を推定することが容易になる。この原因の推定は、構築された構造物の部材毎に、また部材における部分毎に行うことが可能である。さらに、部材の場所ごとにコンクリートの打設時刻を記録することによって、コンクリートの打設順序や打設の時間差がわかり、適切な打設の施工管理を行っていたかも把握することができる。
また、構造物に関するデータを残せば、構造物が解体された場合に、解体されたコンクリート塊中に記録媒体2が残り、いつ、どこで作られたコンクリートなのかが明確になるため、不法投棄対策ともなる。さらに、発注者、設計者、施工者、竣工年月日、設計図、設計計算書等も残せば、所有者が保持すべき記録の保管が不十分でも、また保管していなくても構造物のデータを知ることができる。
請求項2に記載の発明は、例えば図1,2に示すように、請求項1に記載のコンクリートの品質管理方法において、打設時におけるコンクリートの性状に関する打設時データを計測し、この打設時データを含む前記データを記録媒体2に記録することを特徴とする。
このように、打設時におけるコンクリートの性状に関する打設時データを記録媒体2に記録し、この記録媒体2をコンクリートに混入し、このコンクリートを施工現場で打設することにより、打設時のコンクリートの性状に関するデータが硬化したコンクリート中に残ることになる。硬化したコンクリート中の記録媒体2のデータを読み取って、将来にわたって、施工現場において、コンクリートが打設時にどのような性状であったのかを容易に把握することができる。そして、硬化したコンクリートに変状があった場合には、その原因を推定することがさらに容易になる。
請求項3に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項2に記載のコンクリートの品質管理方法において、前記計測し、記録し、混入する一連の作業を自動的に行うことを特徴とする。
このように、コンクリートの性状に関する打設時データを計測し、記録媒体2に記録し、コンクリートに混入する一連の作業を自動的に行うことにより、そのデータが自動的にコンクリート中に埋め込まれるため、データの人為的な操作が不可能となる。そして、この記録媒体2は回収不可能であるため、打設前に所定の品質のコンクリートでないことがわかった時点で、そのコンクリートの打設を中止せざるを得ず、結果的にコンクリートの品質管理が厳しく行われ、その品質の信頼性を高めることができる。
本発明によれば、施工現場で打設されるコンクリートの品質管理を行うにあたって、コンクリートに関するデータを記録媒体に記録し、この記録媒体をコンクリートに混入するので、コンクリートに関するデータが硬化したコンクリート中に残ることになる。そして、硬化したコンクリート中の記録媒体のデータを読み取って、将来にわたって、施工現場において、いつ、どの場所に、どのようなコンクリートが打設されたかを把握することが容易になる。
そして、打設時におけるコンクリートの性状に関する打設時データを計測し、この打設時データを含むデータを記録媒体に記録すれば、コンクリートが打設時にどのような性状であったかを把握することが容易になる。そして、硬化したコンクリートに変状があった場合には、その原因を推定することが容易になる。
さらに、打設時におけるコンクリートの性状に関する打設時データを計測し、記録媒体に記録し、記録媒体を混入する一連の作業を自動的に行えば、データの人為的な操作が不可能となるともに、この記録媒体は回収不可能であるため、打設前に所定の品質のコンクリートでないことがわかった時点で、そのコンクリートの打設を中止せざるを得ず、結果的にコンクリートの品質管理が厳しく行われ、その品質の信頼性が高まる。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、いわゆる生コン工場で製造された生コンクリート(レディーミクストコンクリートともいう。)を、ミキサー車3によって施工現場に搬入した状況を示している。
このミキサー車3には、生コンクリートの性状を自動的に計測するための自動品質計測装置4と、計測したデータを記録媒体2へ自動的に記録する自動記録装置5と、記録された記録媒体2をミキサー車3のホッパー3a内に自動的に投入する自動投入装置6とが備えられている。生コンクリートの自動計測を開始すると、各装置による計測、記録及び混入の一連の作業が自動的に行われるようになっている。なお、自動品質計測装置4と自動記録装置5との間のデータの送受信は、有線によるものでも無線によるものでもよい。
記録媒体2は、ICタグ等であり、硬化したコンクリート中においても電磁気的な読み取り動作等の反応が可能なものである。また、ミキサー車3のタンク内で生コンクリートとの攪拌混合されても壊れないものである。そのために、例えば、記録媒体2をカプセル状の防護容器に入れ、短時間で硬化し骨材(砕石)と同等の強度がでる材料を封入したものである。また、硬化したコンクリート内で記録媒体がコンクリート表面近くに埋設されるように、カプセル中に空気や軽い材料を封入し、混練り中、打設中に浮き上がるようにしてもよい。
生コンクリート1の打設準備が整った後、施工現場において、自動品質計測装置4により生コンクリート1の性状に関する打設時データが計測される。次に、計測されたデータが自動記録装置5に送信され複数の記録媒体に記録される。次に、データが記録された複数の記録媒体2が自動投入装置6に搬送されミキサー車3のホッパー3a内に投入される。
これにより、複数の記録媒体がミキサー車3のタンク内で生コンクリート1内に混入される。その後、ミキサー車3からポンプ車などを介して生コンクリート1が所定箇所に打設され、コンクリートが硬化することにより、コンクリート中に埋め込まれる。
そして、打設時の生コンクリート1の性状に関するデータが硬化したコンクリート中に残ることになるため、硬化したコンクリート中の記録媒体2のデータを読み取って、将来にわたって、施工現場において、生コンクリート1が打設時にどのような性状であったのかを容易に把握して、コンクリートの品質管理を行うことができる。例えば、1日に多量のコンクリートを打設するような場合に、供試体の数が多くなるとともに打設範囲が広範になったとしても、いつ、どの場所に、どのようなコンクリートが打設されたのかを把握することが容易にできる。
このような複数の記録媒体2を混入した生コンクリート1の打設を、打設箇所、ミキサー車毎に行って、硬化したコンクリートに変状があった場合には、その原因の推定を、構築された構造物の部材毎に、また部材における部分毎に、容易に行うことができる。さらに、生コンクリート1の打設時刻を部材の場所ごとに記録すれば、生コンクリート1の打設順序や打設の時間差がわかり、生コンクリート1の打設が適切に管理されていたかどうかも把握することができる。具体的には、同一部材内で生コンクリート1の打ち継ぎを行う場合どの程度の時間差があったのかがわかる他、どのように生コンクリート1を打設していったかの記録にもなる。このことは、生コンクリート1にひびわれ等の変状が生じた際の原因の推定に利用できる。
また、生コンクリート1の性状に関する打設時データが計測され、記録媒体2に記録され、生コンクリート1に混入される一連の作業が自動的に行われて、そのデータが自動的にコンクリート中に埋め込まれる。データの人為的な操作が不可能となるとともに、この記録媒体2は回収不可能であるため、打設前に所定の品質の生コンクリート1でないことがわかった時点で、その生コンクリート1の打設を中止せざるを得ず、結果的にコンクリートの品質管理が厳しく行われる。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、第1の実施の形態とは違って、自動的に計測、記録および投入を行わず、作業員7の手によって行っているものである。ただし、いずれかの作業を自動的に行ってもよい。記録媒体2については第1の実施の形態と同様のものを用いることができる。
図2に示すように、ミキサー車3によって施工現場に搬入された生コンクリート1の一部を作業員7が容器8に詰め、品質測定装置により生コンクリート1の性状に関する打設時データを計測する。次に、計測したデータを作業員7が記録装置10に入力して複数の記録媒体2に記録する。次に、データを記録した複数の記録媒体2を作業員7がミキサー車3のホッパー3a内に投入する。
これにより、第1の実施の形態と同様に、複数の記録媒体2がミキサー車3のタンク内で生コンクリート1内に混入される。その後、ミキサー車3からポンプ車などを介して生コンクリート1が所定箇所に打設され、コンクリートが硬化することにより、コンクリート中に埋め込まれる。なお、記録媒体2を混入する時期は、データを速やかに計測、記録した後、コンクリートが現場で打設される直前とする。
なお、以上の実施の形態においては、施工現場で打設されるコンクリートを、いわゆる生コン工場で製造されミキサー車によって運搬される生コンクリート(レディーミクストコンクリートともいう。)としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、施工現場で製造される現場練りコンクリートでもよい。
また、記録媒体2に記録する内容としては、打設時に計測したコンクリートの性状に関する打設時データのみならず、打設時以外のコンクリートの性状に関するデータ、コンクリートの施工に関するデータ、構造物に関するデータなどであってもよい。なお、生コンクリート1の性状に関するデータとしては、例えば、生コンクリート1の製造時、荷卸し時及び施工時の品質検査(JIS A 5308、JASS 5、コンクリート標準示方書などの規定に基づくもの)によって得られるものなどが考えられる。
また、構造物に関するデータを残せば、構造物が解体された場合に、解体されたコンクリート壊中に記録媒体2が残り、いつ、どこで作られたコンクリートのかが明確になるため、不法投棄対策ともなる。さらに、発注者、設計者、施工者、竣工年月日、設計図、設計計算書等も残せば、所有者が保持すべき記録の保管が不十分でも、また保管していなくても構造物のデータを知ることができる。なお、それぞれのデータは、各データが得られた時毎に記録媒体2に記録してもよく、打設時データを記録する際に同時に行ってもよい。
また、記録媒体2を防護するもの方法として、カプセル状の防護容器8に入れるようにしたが、それ以外でも、生コンクリート1との攪拌混合時に機能が損傷されなければ、チップ状のものを被膜で覆ったものでもよく、またチップ状のものの材質が強固なものであれば、防護材がなくてもよい。
また、第1の実施の形態において、各装置をミキサー車3に搭載したが、これらの装置をポンプ車などコンクリートを打設する機械に設けるようにしてもよい。第2の実施の形態において、記録媒体2をミキサー車3に投入することとしたが、打設現場でポンプ車の受取口に投入したり、打設中のコンクリート部材に直接埋め込むか、投入、散布するようにしてもよい。その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
本発明を適用した第1の実施の形態のコンクリートの品質管理方法を説明するための図である。 本発明を適用した第2の実施の形態のコンクリートの品質管理方法を説明するための図である。
符号の説明
1 生コンクリート
2 記録媒体
3 ミキサー車
3a ホッパー
4 自動品質計測装置
5 自動記録装置
6 自動投入装置
7 作業員
8 容器
9 品質計測装置
10 記録装置

Claims (3)

  1. 施工現場で打設されるコンクリートに関するデータを記録媒体に記録し、この記録媒体を前記コンクリートに混入することを特徴とするコンクリートの品質管理方法。
  2. 打設時におけるコンクリートの性状に関する打設時データを計測し、この打設時データを含む前記データを記録媒体に記録することを特徴とする請求項1に記載のコンクリートの品質管理方法。
  3. 前記計測し、記録し、混入する一連の作業を自動的に行うことを特徴とする請求項2に記載のコンクリートの品質管理方法。
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