JP2006145357A - 撮影計画支援装置及びそのためのプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 ラインセンサ及びエリアセンサの各航空センサに対応し、人の主観によらず地形や航空機のゆれなどを考慮した撮影計画を立案できるようにする。
【解決手段】 地形を考慮した有効撮影範囲の概念を用いサイドラップ解析、又はサイドラップ及びオーバーラップの解析を行って撮影計画を立案し、ラインセンサ及びエリアセンサの各航空センサに対応可能な構成としている。さらに、航空機のゆれ、GPSの精度も考慮した構成とした。例えば、気象状況等による航空機のゆれやGPSの誤差を反映し、ある程度の幅を持たせた値により有効サイドラップ(有効オーバーラップ)を解析して、計算したサイドラップ(オーバーラップ)が指定のサイドラップ値(オーバーラップ値)を満たすようにする。指定のサイドラップ値(オーバーラップ値)を満たさない場合は、再度撮影コース(又は主点)の計算を行う。
【選択図】 図5

Description

本発明は、航空写真の撮影計画支援装置及びそのためのプログラムに関し、特に撮影範囲や撮影コース等を解析し事前に撮影計画を立てるのに好適な撮影計画支援装置及びそのためのプログラムに関する。
一般に航空写真測量のために航空写真を実際に撮影する前に、対象領域にわたって全ての部分が少ない撮影機会で効率よく撮影されるようにするにはどの飛行コース(撮影コース)でどのような撮影位置及び撮影間隔等で写真を撮っていけばよいのか予め撮影計画を立て、その撮影計画を基に撮影士に撮影指示を出している。
従来は、紙ベースの地形図に描かれた撮影計画図を基に撮影士が経験によってシャッターを切っていた。近年では、全地球測位システム(GPS;Global Positioning System)を利用したナビゲーションシステムを利用し、事前にカメラのシャッターを切る緯度及び経度を指定しておくことにより、指定した位置で自動的に写真撮影が可能となった。この場合、緯度及び経度の入力は紙ベースの地形図を基に算出するため、座標系の知識を有する者が対応していた。
従来の撮影計画の作成方法として、例えば予め撮影対象内の投影不可領域の数を所望の範囲内とした撮影計画を立て、1回の撮影飛行により航空写真測量のための有効な航空写真を撮ることができ、安価で正確な航空測量を可能とする技術が特許文献1に開示されている。
特開2001−141452号公報
ところで、航空写真のデジタル化により、従来使用しているアナログエリアセンサRC-30の他に、例えばLH Systems社と国立ドイツ航空宇宙研究所で共同開発されたADS40(Airborne Digital Sensor 40)に代表されるラインセンサや、UltraCAM-D(Vexcel社製)に代表される正方形ではないエリアセンサが登場している。従来の航空写真は、23cm×23cmの正方形フィルムに統一されていたので計算が単純であったが、最新技術による航空センサは多種多様であるため、全ての航空センサに対応する撮影計画ツールの作成は困難であり、そのような撮影計画ツールは存在しなかった。
また、従来の撮影計画図は、人の主観により地形図上に撮影コースを線引きし、主点(航空カメラのレンズ中心にあり、撮影位置の特定に用いる)を作成していた。そのため、撮影計画を立てるのには高度な熟練が必要であり、撮影計画を立てられる人物が地形図上の等高線より地形形状の判断ができ、かつ座標系の知識を有するものに限られるという問題があった。例えば、地球を楕円系としてモデル化し、そこから緯度経度情報を計算する場合、座標系について精通していないと地形図を完全に扱うことができなかった。また、技術者が紙ベースの地形図上に撮影計画を描いていたので、その精度や作成までに要する時間が問題となっていた。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、ラインセンサ及びエリアセンサの各航空センサに対応し、人の主観によらず地形や航空機のゆれなどを考慮した撮影計画を立案することを目的とする。
上記課題を解決して目的を達成するため、本発明は、航空写真測量の撮影計画を立案する際に、まず地図データ上で撮影対象領域を決定し、次に撮影手段の焦点距離、撮影画面の大きさ、及び予め設定した写真縮尺、サイドラップ値から算出した進行方向と垂直な方向の撮影幅より各撮影コース間の間隔を算出して、撮影コースを作成し、そして予め設定したサイドラップ許容値、ローリング許容値、及び撮影位置許容値から許容撮影角及び有効撮影幅を算出し、所定標高データ上の地表面と各撮影コースとを結ぶ線分と所定標高の基準面との交点が有効撮影幅内である地点を有効撮影範囲として抽出し、隣接する撮影コースにおける有効撮影範囲から算出したサイドラップ値が予め設定したサイドラップ許容値内である場合に、各撮影コース間の間隔を確定するサイドラップ解析処理を行なうことを特徴とする。
斯かる構成によれば、地形を考慮した有効撮影範囲という概念を用いてサイドラップの解析を行うようにしている。また、ローリング(航空機の揺れ)や撮影位置の精度(例えばGPSの測定精度)も考慮しての解析を行えるようにした。このように、地形形状のみならず、気象状況等による航空機の揺れやGPSなどの測定精度を考慮して、ある程度の幅を持たせた値を指定することにより、有効サイドラップを撮影対象全域で計算できるので、例えばラインセンサ又はエリアセンサにおいてコース上どの写真も指定したサイドラップを満たすことができ、ラップ切れを起こす確率を小さくできる。
また、航空写真測量の撮影計画を立案する際に、まず予め設定したオーバーラップ値、ピッチング許容値、及び撮影位置許容値を基に、撮影コース上の一主点と次主点の重複撮影範囲を算出し、所定の標高データから抽出した前記重複撮影範囲内で最も標高が高い地点と撮影手段の撮影高度との差、予め設定したオーバーラップ値及びピッチング許容値、及び前記位置計測手段の精度を基に前記一主点から前記次主点までの主点間隔を算出して主点を作成し、次に撮影手段の焦点距離、撮影画面の大きさ、予め設定したローリング許容値、及び撮影高度より主点有効撮影幅を算出し、標高データ上の地表面と主点とを結ぶ線分と基準面との交点が主点有効撮影幅内である地点を主点有効撮影範囲として抽出し、隣接する主点における主点有効撮影範囲から算出したオーバーラップ値が予め設定したオーバーラップ許容値内である場合に、主点間隔を確定するオーバーラップ解析処理を行なうことを特徴とする。
斯かる構成によれば、地形を考慮した有効撮影範囲という概念を用いてオーバーラップの解析を行うとともに、航空機の揺れや撮影位置等の精度も考慮しての解析を行うようにしている。したがって、有効オーバーラップを撮影対象全域で計算できるので、エリアセンサにおいてコース上どの写真も指定したオーバーラップを満たすことができ、ラップ切れを起こす確率を小さくできる。これにより、あらゆるエリアセンサの各航空センサに対応した撮影計画が実現できる。
本発明によれば、地形を考慮した有効撮影範囲という概念を用いてサイドラップの解析を行うとともに、航空機の揺れや撮影位置等の精度も考慮した解析を行えるように構成したので、地形形状のみならず、気象状況等による航空機のゆれを考慮した撮影計画を作成することができる。また、ある程度の幅を持たせた値を指定することにより、有効サイドラップを撮影対象全域で計算できるので、例えばラインセンサにおいてコース上のどの写真も指定したサイドラップを満たすことができ、ラップ切れを起こす確率を小さくすることができる効果がある。
さらに、地形を考慮した有効撮影範囲という概念を用いてオーバーラップの解析も行うように構成したので、有効オーバーラップを撮影対象全域で計算でき、上述したラインセンサに加え、エリアセンサにおいてもコース上のどの写真も指定したオーバーラップを満たすよう撮影計画を作成することができ、エリアセンサにおいてもラップ切れを起こす確率を小さくできる。以上によりあらゆるラインセンサ及びエリアセンサの各航空センサに対応した撮影計画が実現できるという効果を奏する。
また、あらゆる座標系を考慮して撮影計画の作成をプログラム化しているので、地形図上の等高線より地形形状の判断ができない者や座標系の知識に乏しい者などでも簡単に撮影計画を実施することが可能となり、どのような地形形状であっても人の主観によらない撮影コースが作成できる。このため、撮影計画の精度が向上するとともに、撮影計画に要する時間を短縮することができるという効果がある。
以下、本発明の一実施の形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。本発明は、地形を考慮した有効撮影範囲の概念を用いサイドラップ及びオーバーラップ解析を行って撮影計画を立案し、ラインセンサ及びエリアセンサの各航空センサに対応した航空写真撮影計画を実現する構成としている。さらに、本例では航空機のゆれ、GPS等による撮影位置計測の精度も考慮した構成としてある。
図1は、本例の航空写真撮影計画を実現する機能ブロック図を示したものである。主に、撮影コース作成部2、基準面設定部3、サイドラップ解析部4、写真縮尺解析部5、主点作成部6、オーバーラップ解析部7から構成される。機能ブロックを構成するこれらの処理部は、航空写真撮影計画を実現するプログラムに従って、入力された各情報を基に所定の処理を行う。各処理部で生成された出力データは、ハードディスクやフラッシュメモリ等、不揮発性メモリに記録される。あるいは所定ファイル形式のレポートとして出力される。
ここで、本例の解析対象であるサイドラップ及びオーバーラップについて、図2を参照して説明する。サイドラップとは、航空機に搭載した航空カメラで一定の高度から撮影した際のコース間の写真の重なりをいい、オーバーラップとは、同じ撮影コース上の隣り合う主点(航空カメラのレンズ中心)にて撮影された写真の重なりを指す。これらの重なりがない、すなわち撮影対象に抜けがあることをラップ切れという。
上述した各処理部は、機体のゆれも考慮してそれぞれの解析を行っている。図2において、Pは主点であり、主点Pを原点として、x軸及びy軸は写真座標系のそれぞれx軸、y軸と平行とし、z軸は右手系になるようにとる。機体のゆれ(カメラ撮影時の傾き)は、x軸、y軸、z軸の正の方向に向かって右回りの回転角をそれぞれω(機体左右;ローリング)、φ(機首上下;ピッチング)、κ(機首左右;ヨウイング)として表される。
図1において、対象範囲(PlanArea)1aとパラメータ2aが撮影コース作成部2に入力され、撮影コース2bが作成される。作成された撮影コース2bの情報は基準面設定部3へ供給される。基準面設定部3は、撮影コース2bとパラメータ3a、及び数値標高モデル8aから各撮影コースの基準面を計算し、基準面設定済み撮影コース3bを出力する。サイドラップ解析部4は、基準面設定済み撮影コース3bとパラメータ4a、そして数値標高モデル8aからサイドラップを解析し、サイドラップ解析結果4cを出力する。また、写真縮尺解析部5は、基準面設定済み撮影コース3bとパラメータ5a、そして数値標高モデル8aから写真縮尺解析結果5cを出力する。また、主点作成部6は、基準面設定済み撮影コース3bとパラメータ6a、そして数値標高モデル8aから主点作成済み撮影コース6bを算出する。算出された主点作成済み撮影コース6bの情報は、オーバーラップ解析部7へ供給される。オーバーラップ解析部7は、主点作成済み撮影コース6bとパラメータ7a、そして数値標高モデル8aからオーバーラップ解析結果7cを出力する。
ここで、情報として各処理部に入力される対象範囲(PlanArea)1a、パラメータ2a,3a,4a,5a,6a,7a、数値標高モデル8aについて説明する。対象範囲(PlanArea)1aとは、航空撮影を行う対象範囲のことであり、数値標高モデル(DEM;Digital Elevation Model)8aとは、地表の標高を一定間隔のグリッドごとに面的に計測したものである。地表を約50m間隔に区切った方眼(メッシュ)中心点の標高を2万5千分の1地形図から計測した数値地図50mメッシュ(標高)などの種類がある。また、パラメータ2a,3a,4a,5a,6a,7aは、それぞれ以下のような情報である。
パラメータ2a([ ]はデジタル仕様)
使用するカメラ :RC-30, UltraCAM-D, ADS40等を指定
写真縮尺 :撮影縮尺1:S [地上解像度GSD(Grand Sample Distance)]
サイドラップ値 :Side(標準値:30%)
パラメータ3a
基準面決定方法 :Decision_Base(平均値、中央値、最大値、最小値の何れか)
パラメータ4a
サイドラップ許容値:ThreSide(標準値:(Side-15)%)
ローリング許容値 :Threω (標準値:3°)
撮影位置許容値 :ThreP (標準値:50m)
パラメータ5a
写真縮尺許容値 :ThreS (標準値:撮影縮尺1:10,000の場合12,500[ThreGSD])
ローリング許容値 :Threω (標準値:3°)
撮影位置許容値 :ThreP (標準値:50m)
パラメータ6a
オーバーラップ値:Over (標準値:56%)
ピッチング許容値:Threφ(標準値:3°)
撮影位置許容値 :ThreP (標準値:50m)
パラメータ7a
サイドラップ許容値 :ThreSide (標準値:(Side-15)%)
オーバーラップ許容値:ThreOver (標準値:(Over-3)%)
ローリング許容値 :Threω (標準値:3°)
ピッチング許容値 :Threφ (標準値:3°)
撮影位置許容値 :ThreP (標準値:50m)
本例においては、主点から撮像面であるフィルムまでの距離を焦点距離としている。また、上述のデジタル仕様とは、デジタルカメラによる撮影を実施した場合の仕様である。デジタルカメラによる撮影は、アナログ(フィルム)による撮影の仕様では表現できないため、アナログ撮影とは異なるパラメータを与える。デジタル仕様の地上解像度とは、撮影した画像上識別可能な地物の大きさで表されるセンサの性能を表すものである。例えば、地上解像度20cmという場合、撮影画像1ピクセルで表される地上の範囲で、1ピクセルが20cmの範囲を表す。
なお、上記パラメータの各入力値は、効率よく撮影できる値の一例であって、この例に限ることなく、諸条件に応じて効率よく撮影できる値に適宜変更することができる。
図3は、本例の有効撮影範囲の概念を説明するための図である。同一撮影コース上の連続する主点から撮影したときの概略を表し、上段は撮影地点を側面から見た状態、下段は撮影した範囲を上面から見た状態の図である。有効撮影範囲は、周辺領域のひずみを考慮することなく有効に利用することができる撮影範囲で、撮影全範囲を埋めることのできる最小の撮影範囲である。中心投影の場合、写真は端になればなるほどひずみが生じるので、写真をつなぎ合わせる際(モザイク処理)に極力中心に近い領域を利用する。ラインセンサにおいても、コース端の写真にはひずみが生じる。このため、本例では有効撮影範囲の概念を導入し、サイドラップ解析、オーバーラップ解析などを実施する。
図3において、連続する主点(1),(2),(3)から撮影したときの撮影範囲をそれぞれ撮影範囲(1),(2),(3)とすると、撮影範囲(1)及び(2)によるオーバーラップは、図示されるようにオーバーラップ(1_2)、同じく撮影範囲(2)及び(3)によるオーバーラップは、オーバーラップ(2_3)となる。図2に示された主点(1),(2),(3)の有効撮影範囲(1),(2),(3)はオーバーラップ値Overにより決定され、本例では、例えばオーバーラップ値が56%の場合、有効撮影範囲は主点を中心に撮影範囲の44%(=100%−56%)の範囲とする。
図3の例ではオーバーラップを考慮した有効撮影範囲について述べたが、サイドラップに係る有効撮影範囲についても、サイドラップ値を利用して同様に算出される。
次に、外部標定要素を考慮した撮影範囲について説明する。外部標定要素とは航空機の位置(X,Y,Z)及び姿勢(ω,φ,κ)の情報であり、外部標定要素を考慮した撮影範囲とは、主点指定した位置と、例えばナビゲーションシステムを利用して得られた実際の主点位置のずれを考慮した撮影範囲である。
図4は、外部標定要素を考慮した撮影範囲の例を示したものである。図4において、P1は主点、P2は主点P1からGPSの精度を考慮した撮影位置許容値ThreP(本例では標準50メートルに設定)だけ離れた主点であり、主点P1及びP2から種々の条件下で撮影対象面16を撮影したときの撮影範囲を表している。11は主点P1から撮影対象面16を撮影した際に外部標定要素を考慮しない撮影範囲、12は主点P1から撮影してピッチング許容値Threφ(本例では標準3°に設定)を考慮した撮影範囲である。また、13は主点P2から撮影対象面16を撮影した際にピッチング許容値Threφと撮影位置許容値ThrePを考慮した撮影範囲である。この場合、航空機は左から右へ、機首をピッチング許容値φだけ上げて飛行しているものとする。
図4に示すように、撮影範囲12は、ピッチングによって外部標定要素を考慮しない撮影範囲11よりも全体的に右方向に移動すると同時に、左の辺が短く、右の辺が長くなる。また、撮影範囲13は、ピッチング及び撮影位置のずれによって、撮影範囲12より全体がさらに右方向に平行移動している。これらピッチング許容値及び撮影位置許容値に加えて、更にローリング許容値を考慮し、これらの撮影範囲のAND領域を最小撮影範囲14で、OR領域を最大撮影範囲15として表す。
なお、外部標定要素としてローリング許容値Threω(本例では標準3°に設定)を考慮した場合の撮影範囲は、上述のピッチングの場合と同様の図を用いて表すことができる。この場合、航空機は図面手前から図面奥行き方向へ、機体をローリング許容値ωだけ左へ傾けて飛行している状態に相当する。
ヨウイングについても同じように外部標定要素を考慮した撮影範囲を計算することができる。ヨウイングの場合は、撮影範囲の大きさはそのままで主点と基準面とを結ぶ垂線を中心に回転した撮影範囲となる。
本例の航空写真撮影計画の手順について説明する。
図5は、本例の航空写真撮影計画を実現するプログラムの全体の流れを示したフローチャートである。本例の航空写真撮影計画は、ベースマップ整備処理(ステップS1)、撮影コース作成処理(ステップS2)、基準面設定処理(ステップS3)サイドラップ解析処理(ステップS4)、写真縮尺解析処理(ステップS5)、主点作成処理(ステップS6)、オーバーラップ解析処理(ステップS7)を経て撮影コース及び主点が決定される。その後、基準点作成処理(ステップS8)、レポート作成処理(ステップS9)を行い航空写真撮影計画のプログラムを終了する。これらのプログラムは、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリに記録され、コンピュータを具備するモジュールによって実行することで、図1に示される各処理部の機能が実現される。
まず、ステップS1において、撮影計画を作成する上で必要となるデータを準備する。次いで、ステップS2において、抽出した撮影対象の地図データ上に撮影コースを作成する。その後、ステップS3において、数値標高モデルから各撮影コースの基準面標高を計算し、基準面設定済み撮影コースを出力する。そして、ステップS4において、作成した基準面設定済み撮影コースからサイドラップ解析を行う。サイドラップ解析では、算出したサイドラップ値と予め設定したサイドラップ許容値を比較し、サイドラップ値が許容値内に収まる場合には、ステップS5へ移行し、写真縮尺解析を行う。サイドラップ値が許容値に収まらない場合、ステップS2に移行し、例えば撮影コース間隔を狭める、あるいは各撮影コースの基準面標高を上げる等により、再度撮影コースの作成を行う。
写真縮尺解析(アナログ撮影では撮影縮尺解析、デジタル撮影では地上解像度解析)では、写真縮尺が最も小さくなる箇所に注目し、解析結果の可否を判断する。所定の写真縮尺を満足していない場合、ステップS2に移行し、再度撮影コースの作成を行う。計算した写真縮尺が所定の写真縮尺を満足する場合には、航空センサがエリアセンサであればステップS6、ラインセンサであればステップS8へそれぞれ移行する。
ステップS5で航空センサがエリアセンサであった場合、ステップS6において、地形を考慮した主点間隔を算出することにより主点を作成する。そして、ステップS7において、算出した主点間隔からオーバーラップ解析を行う。オーバーラップ解析では、算出したオーバーラップ値と予め設定したオーバーラップ許容値を比較する。オーバーラップ値が許容値内に収まる場合には、ステップS8へ移行し、基準点作成を行う。オーバーラップ値が許容値に収まらない場合、ステップS6に移行し、再度主点の作成を行う。
ステップS7のオーバーラップ解析終了後、又はラインセンサの場合はステップS5の写真縮尺解析終了後、ステップS8において、地上の基準点を撮影するための基準点作成を行う。そして最後に、ステップS9において、上述した撮影計画について、撮影コースや主点の座標、数量等が記されたレポートを作成する。そして、そのレポートに基づいて撮影前の見積もりや実際の航空撮影等を行う。各ステップの処理内容については、以降で詳細に説明する。
まず、ステップS1のベースマップ整備処理について説明する。
ベースマップ整備処理では、撮影計画を作成する上で必要なデータを準備する。そのデータとしては、撮影対象(行政界)、地形図、標高データ、国家基準点(三角点、国家水準点、電子基準点)などである。まず、既存の地図データを呼び出し、その地図データから撮影対象を含むデータを切り出して対象範囲を設定する。そして、標高データとして例えば数値標高モデルDEMを利用して標高確認図を作成し、ベースマップ整備処理を終了する。作成された標高確認図は、図1に示した航空撮影の対象範囲(PlanArea)1aとして使用される。
次に、ステップS2の撮影コース作成処理について、図6〜図11を参照して説明する。
撮影コース作成処理は、コース作成、コース編集、コースラベル作成、そしてコースラベル編集の手順から構成され、以下を入力値とする。なお、以下では正方形アナログエリアセンサであるRC-30を例に説明する。
対象範囲:PlanArea
パラメータ2a:使用するカメラ(RC-30、焦点距離f=153.05mm、フィルム幅FW_Side=0.23m)
撮影縮尺 1:S=1:10,000
サイドラップ値Side=30%
撮影コース作成部2において、ベースマップ整備処理にて作成された対象範囲21(図6参照)に対して、撮影縮尺1:S(=1:10,000)、フィルム幅FW_Side(=0.23m)、サイドラップ値Side(=30%)を入力する。次に、その対象範囲21の中心点22(例えば面積重心点)を計算し(図7)、中心点22を基準に対象範囲21全体をメッシュ23で覆う(図8)。本例では、メッシュ23の左右方向の間隔Aは撮影コース間隔の半分、上下方向の間隔Bは任意の間隔としてあり、間隔A及び間隔Bにより小領域ブロックに分割している。
まず、次式により、フィルム幅方向(進行方向と直交する方向)の撮影角FOV_Side及び対地高度Heightを求める。
FOV_Side=((FW_Side/2)/atan(f/1000))*2=73.842°
Height=S*f/1000=1530m
ここで、進行方向の撮影角FOV_OverもFOV_Sideと同様の式で求めることができ、RC-30は正方形エリアセンサであるのでFOV_Over=73.842°となる。
次に、フィルム幅方向撮影幅ScanWidthを求める。
ScanWidth=Height*tan(FOV_Side/2)*2=1530*tan(73.842/2)*2=2300m
撮影コース間隔は、有効撮影範囲ScanPitchとして求められるから、コース幅の半分ScanPitch_Halfは、
ScanPitch=ScanWidth*(1-Side)=2300*(1-0.3)=1610m
ScanPitch_Half=ScanPitch/2=1610/2=805m
として算出される。
そして、図8に示されるメッシュ23から対象範囲21を含んだ必要なメッシュを選択し、対象範囲21の形状に応じたメッシュ24を形成する(図9参照)。このとき、メッシュ23の最小単位の小領域ブロックと対象範囲21が交わる範囲が撮影コースに含まれるよう切断する。撮影コース上での撮影距離は、ラインセンサの場合は始終点とも所定距離、例えば1km撮影延長したものとなる。一方、エリアセンサの場合は後述する主点作成処理の際に始終点とも一モデル撮影延長したものとなる。ここでモデルとは、2枚の写真がオーバーラップする部分である。一モデル撮影延長を行なうのは、対象範囲はオーバーラップする部分によってカバーされなければならないので、コースの始終点において、一モデル増やす(始終点において前後の主点を計算する)必要があるからである。
続いて、作成したメッシュ24を基に対象範囲21を撮影するための撮影コースを作成する。図10の例では、中心点22を通る撮影コース26と、その左右に上述の計算により求めた撮影コース間隔をおいて撮影コース25,27を作成する。そして、作成した撮影コース25,26,27を画面上で確認してメッシュ24を除去し(図11参照)、対象範囲21に対して撮影コース25,26,27からなる撮影コースCourse(図1の撮影コース2b)を作成する。その後、必要に応じてコース編集やコースラベル作成、コースラベル編集等の処理を行い、撮影コース作成処理を終了する。
この時、撮影コースCourseとして、エリアセンサ又はラインセンサについて、それぞれ以下の値を出力する。

エリアセンサの場合:
フィルム幅方向及び進行方向の撮影角FOV_Side, FOV_Over
対地高度Height
撮影方向Direction

ラインセンサの場合:
フィルム幅方向撮影角FOV_Side
対地高度Height
撮影方向Direction
ここで、撮影コースの高度について説明する。撮影高度は対地高度Heightと基準面標高Baseの標高を加算して求まる。対地高度とは、主点から基準面までの距離である。対地高度は要求される撮影緒言により決まり、例えばアナログカメラでは、焦点距離153mmのレンズを用い、撮影縮尺1:10,000の撮影を実施する場合の対地高度は1530mになる。また、基準面標高は以下に述べるように地形によって設定される。基準面標高は撮影コースの平均標高により決定することが多いが、山間部など地形が急激に変化する箇所では、標高が最も低い箇所の撮影縮尺(デジタル撮影の場合は地上解像度)を基準に決定する。撮影コースを自動計算させる際、ベースマップとして標高データを用いて、基準面標高を自動計算させることができる。
次に、ステップS3の基準面設定処理について説明する。
基準面設定処理では、撮影コース作成処理により作成された撮影コースCourse(フィルム幅方向撮影角FOV_Side、対地高度Height)、パラメータ3aである基準面決定方法Decision_Base、及び数値標高モデルDEMを用いて、各撮影コースの基準面を計算しこれを基準面設定済み撮影コースとして出力する。
まず、次式にて基準面決定方法Decision_Baseに基づきフィルム幅方向撮影幅ScanWidthを算出する。
ScanWidth=Height*tan(FOV_Side/2)*2=1530*tan(73.842/2)*2=2300m
例えば、基準面標高を50m間隔で設定する場合(但し実測値を超えない値とする)には、実測値が184.7mの場合に150mとなる。これと合わせて、各撮影コースの平均標高値を元に、各撮影コースの基準面標高を算出する。
基準面決定方法Decision_Baseとして、通常は平均値を指定するが、例えば撮影対象範囲を撮影縮尺以上にすることが必須である場合には、最小値を指定することが好ましい。
以上の処理を各撮影コースに対して行うことにより、基準面設定済み撮影コースCourse_Baseを得る。
なお、写真縮尺を上げるために基準面標高Baseを下げて撮影した場合、ラップ切れを生じてしまうことがあるが、以下では、ラップ切れを生じないよう、各撮影コースの基準面標高Baseを全て300mとした場合を例に説明する。ラップ切れを生じる場合については後述するサイドラップ処理にて別途説明する。
次に、ステップS4のサイドラップ解析処理について説明する。
サイドラップ解析処理は、基準面設定処理により作成された基準面設定済み撮影コースの情報を用いて行われる。コース撮影範囲(基準面)計算、コース有効撮影範囲(基準面)計算、コース撮影範囲(地形)計算、そしてサイドラップ解析の機能を有し、各機能は撮影コース作成後に、撮影コースの概略がわかる見積もり用、実際に撮影する際の撮影指示用などの用途に応じて利用される。従来はコース撮影範囲(基準面)の計算しかできなかったが、本例ではコース有効撮影範囲の概念を導入し、コース撮影範囲(地形)の計算に適用することにより、地形を考慮した上でラップ切れの有無を判断することができる。
はじめに、コース撮影範囲(基準面)の計算について説明する。コース撮影範囲(基準面)の計算では、以下を入力値とする。
基準面設定済み撮影コースCourse_Base:フィルム幅方向撮影角FOV_Side=73.842°
対地高度Height=1530m
基準面標高Base=0m
数値標高モデルDEM
パラメータ4a:サイドラップ許容値ThreSide=0%
ローリング許容値Threω=0°
撮影位置許容値ThreP=0m

図12は、基準面設定部3で作成された基準面設定済み撮影コースCourse_Baseを示し、対象範囲21と撮影コース25,26,27がディスプレイ(図示略)に表示される。
まず、次式により許容する撮影角ThreFOV_Side、及び基準面設定済み撮影コース一本当たりのフィルム幅方向撮影幅ScanWidth_ThreFOV_ThreP_ThreSideを求める。

ThreFOV_Side=FOV_Side-2*Threω=73.842-2*0=73.842°
ScanWidth_ThreFOV_ThreP_ThreSide
=2*(Height*tan(ThreFOV_Side/2)-ThreP)*(1-ThreSide)
=2*(1530*tan(73.842/2)-0)*(1-0)=2300m
図13は、上記撮影幅ScanWidth_ThreFOV_ThreP_ThreSideから作成した撮影コース26の撮影範囲36を示したものである。同様にして、各撮影コースの撮影範囲を計算する。図12の撮影コース25,26,27のそれぞれの撮影範囲35,36,37を、図14に示す。各撮影コースの撮影範囲の計算が終了した後、算出した各撮影コースの撮影範囲を結合する。図15は各撮影コースの撮影範囲を結合したコース撮影範囲38を表す。このようにして、基準面上のコース撮影範囲が算出される。
次に、コース撮影範囲に対しサイドラップ許容値を考慮したコース有効撮影範囲(基準面)の計算について、図16〜図19を参照して説明する。コース有効撮影範囲は、前記コース撮影範囲(基準面)の計算式において、サイドラップ許容値ThreSideを15%に設定することにより求めることができる。

ScanWidth_ThreFOV_ThreP_ThreSide
=2*(Height*tan(ThreFOV_Side/2)-ThreP)*(1-ThreSide)
=2*(1530*tan(73.842/2)-0)*(1-0.15)=1955m

基準面設定部3で作成された基準面設定済み撮影コースCourse_Baseより、図16に示される対象範囲21と撮影コース25,26,27が表示される。
図17は、撮影コース26の有効撮影範囲46を示したものである。同様にして、各撮影コースの有効撮影範囲を計算する。図16の撮影コース25,26,27のそれぞれの撮影範囲45,46,47を、図18に示す。各撮影コースの有効撮影範囲の計算が終了したら、算出した各撮影コースの有効撮影範囲を結合する。図19は各撮影コースの有効撮影範囲を結合したコース有効撮影範囲48を表したものである。このようにして、基準面上のコース有効撮影範囲が算出される。
次に、基準面上のコース有効撮影範囲を反映したコース撮影範囲(地形)の計算について説明する。コース撮影範囲(地形)とは、撮影対象の地形、外部標定要素を考慮したコース撮影範囲である。コース撮影範囲(地形)の計算について、図20〜図23を参照して説明する。このコース撮影範囲(地形)の計算では、以下を入力値とする。
基準面設定済み撮影コースCourse_Base:フィルム幅方向撮影角FOV_Side=73.842°
対地高度Height=1530m
基準面標高Base=300m
数値標高モデルDEM
パラメータ4a:サイドラップ許容値ThreSide=0%
ローリング許容値Threω=3°
撮影位置許容値ThreP=50m
図20は、標高データを備えた地形図上の対象範囲21と撮影コース25,26,27の撮影コースCourse_Baseのデータを示したものである。なお、図20においては標高が判別できる表示例としてグレースケール陰影図としているが、この他にカラー表示等を用いることができる。また、上述した図12及び図16についても同様に表示することが可能である。
図21は撮影時の状態を側面から見た様子を表し、図22の航空機の進行方向(上下)に対して垂直の断面を模式的に表すものである。図21において、50は基準面、50aは山岳地形である。また、51は航空機のゆれとGPSの精度(外部標定要素)を考慮しない撮影範囲であり、これを見込む撮影角をフィルム幅方向撮影角FOV_Sideとする。また、52はGPSの誤差から生じる撮影位置許容値ThrePを考慮した撮影範囲、53rはローリング許容値Threωを考慮した撮影範囲である。
まず、撮影コースCourse_Baseに対し、許容するフィルム幅方向の撮影角ThreFOV_Sideを求める。
ThreFOV_Side
=FOV_Side-2*Threω
=73.842-2*3
=67.842°
である。
したがって許容する撮影幅ScanWidth_ThreFOV_ThreP_ThreSideは、
ScanWidth_ThreFOV_ThreP_ThreSide
=2*(Height*tan(ThreFOV_Side/2)-ThreP)*(1-ThreSide)
=2*(1530*tan(67.842/2)-50)*(1-0)
=1958m
となる。
続いて、算出した許容する撮影幅ScanWidth_ThreFOV_ThreP_ThreSideに基づき、撮影される地点を抽出する。数値標高モデルDEMとコースを結ぶラインが、基準面標高Base=300m上で許容する撮影幅1958m内である地点を、撮影される地点として抽出する。数値標高モデルDEMは、図21の山岳地形50aで表現された地形であり、データはポイント(X,Y,Z座標)で表現されている。コースは厳密にはカメラレンズの中心部を通る。よって、数値標高モデルDEMとコースを結ぶラインは、地形のあるポイント(X,Y,Z座標)とカメラレンズ中心(X,Y,Z座標)を結ぶラインをいう。図22に、撮影される地点を抽出した例を示す。図22において、61は撮影範囲、62は撮影される地点を示す。
そして、撮影コース26について地形を考慮した撮影範囲を計算する。地形を考慮した撮影範囲の例を、図23に示す。撮影範囲61は矩形となっているが、これは基準面(本例300m)を基準とした撮影範囲である。図21より理解できるように、実際に撮影される地点の標高が基準面50の標高より高ければ地形を考慮した撮影範囲は撮影範囲61内に収まる。一方、撮影される地点の標高が基準面標高以下であれば、図22,23に示すように地形を考慮した撮影範囲66が撮影範囲61の矩形の外にはみ出すこととなる。
同様にして、各撮影コースの地形を考慮した撮影範囲を計算する。撮影コース25,26,27のそれぞれの地形を考慮した撮影範囲65,66,67を、図24に示す。各撮影コースの撮影範囲の計算が終了したら、算出した各撮影コースの撮影範囲を結合する。図25は各撮影コースの地形を考慮した撮影範囲を結合したコース撮影範囲68を表す。このようにして、地形を考慮したコース撮影範囲が算出される。
地形を考慮したコース撮影範囲の計算が終了後、次にサイドラップ解析を行う。サイドラップ解析について、図26〜図31を参照して説明する。このサイドラップ解析では、以下を入力値とする。
基準面設定済み撮影コースCourse_Base:フィルム幅方向撮影角FOV_Side=73.842°
対地高度Height=1530m
基準面標高Base=300m
数値標高モデルDEM
パラメータ4a:サイドラップ許容値ThreSide=15%
ローリング許容値Threω=3°
撮影位置許容値ThreP=50m

図26は、標高データを備えた地形図上の対象範囲21と撮影コース25,26,27の撮影コースCourse_Baseのデータを示したものである。
以下、許容するフィルム幅方向撮影角について、図27を参照して説明する。図27は、撮影時の状態を側面から見た様子を表し、図28の航空機の進行方向に対して垂直の断面を模式的に表したものである。図27において、図21に対応する部分には同一符号を付してある。51は航空機のゆれとGPSの精度を考慮しない撮影範囲、52はGPSの誤差から生じる撮影位置許容値ThrePを考慮した撮影範囲、53rはローリング許容値Threωを考慮した撮影範囲、54sはサイドラップ許容値ThreSideを考慮した撮影範囲を表す。フィルム幅方向撮影角FOV_Sideは、51の実線がなす角で表される。
許容する撮影角ThreFOV_Sideを求める。
ThreFOV_Side
=FOV_Side-2*Threω
=73.842-2*3
=67.842°
したがってサイドラップを考慮した有効撮影幅は、
ScanWidth_ThreFOV_ThreP_ThreSide
=2*(Height*tan(ThreFOV_Side/2)-ThreP)*(1-ThreSide)
=2*(1530*tan(67.842/2)-50)*(1-0.15)
=1664m
となる。
続いて、有効に撮影される地点を抽出する。数値標高モデルDEMと撮影コースとを結ぶライン(線分)と基準面(本例では標高300m)との交差する位置が、許容するサイドラップを考慮した有効撮影幅1664m内である地点を、有効に撮影される地点として抽出する。図28に、有効に撮影される地点を抽出した例を示す。図28において、71は有効撮影範囲、72は有効に撮影される地点を示す。
撮影コース26についてサイドラップを考慮した有効撮影範囲を計算する。図29は、サイドラップを考慮した有効撮影範囲の例を示したものである。サイドラップを考慮した有効撮影範囲71を設定することで、有効的に撮影される範囲76は、上述のサイドラップを考慮しない場合に撮影される範囲66(図23参照)よりも狭くなる。同様にして、各撮影コースのサイドラップを考慮した有効撮影範囲を計算する。図26の撮影コース25,26,27のサイドラップを考慮したそれぞれの有効撮影範囲75,76,77を、図30に示す。
各撮影コースの有効撮影範囲の計算が終了したら、算出した各撮影コースの有効撮影範囲を結合する。図31は各撮影コースのサイドラップを考慮した有効撮影範囲を結合したコース有効撮影範囲78を表す。このようにして、地形及びサイドラップを考慮したコース撮影範囲を算出し、サイドラップ解析結果4c(図1参照)として出力する。
そして、算出したコース有効撮影範囲よりサイドラップ値を算出し、指定したサイドラップ値を満たしているかどうかを判定する。指定したサイドラップ値を満たしている場合、ステップS5の写真縮尺解析処理へ移行する。
一方、指定したサイドラップ値を満たしていない場合、ステップS2に移行して撮影コース間隔ScanWidthを狭めるか、あるいは各撮影コースの基準面標高を上げることにより、再度撮影コースの作成を行う。サイドラップ値を満たしていない例を図32に示す。図32において、各撮影コース25,26,27の基準面標高は順に、例えば150m、150m、100mに設定されている。これらの値を用いて算出したサイドラップ値は、指定したサイドラップ許容値を満たすことができず、算出したコース有効撮影範囲79内の撮影コース26,27の2本の撮影コース間においてラップ切れ79aが生じてしまう。これは当該領域の地形が急激に変化していることが原因である。このような場合であっても、例えばステップS2にて各撮影コースの基準面標高を300mに上げて再設定することにより、ラップ切れを回避することができる。なお、指定したサイドラップ値を満たしていない場合は、画面上に表示して利用者に確認を求めることも可能である。
次に、ステップS5の写真縮尺解析処理について、図33〜図38を参照して説明する。実際に撮影される地形の標高が高い場合、撮影範囲は狭くなるが、詳細に見ることができる(撮影縮尺が小さくなる)。一方、撮影される地形の標高が低い場合、撮影範囲は広くなるが、詳細に見ることができない(撮影縮尺が大きくなる)。したがって、撮影範囲が所定の撮影縮尺内に収まるかどうかを調べるために写真縮尺解析を行なう。
本例の写真縮尺解析処理では、以下を入力値とする。
基準面設定済み撮影コースCourse_Base:フィルム幅方向撮影角FOV_Side=73.842°
対地高度Height=1530m
基準面標高Base=300m
数値標高モデルDEM
パラメータ5a:撮影縮尺許容値ThreS=12500
ローリング許容値Threω=3°
撮影位置許容値ThreP=50m

図33は、基準面設定部3で作成された基準面設定済み撮影コースCourse_Baseより、対象範囲21と撮影コース25,26,27を示したものである。
ここで許容するフィルム幅方向撮影角について、図34を参照して説明する。図34は、撮影時の状態を側面から見た様子を表し、図35の航空機の進行方向に対して垂直の断面を模式的に表したものである。図34において、51は航空機のゆれとGPSの精度を考慮しない撮影範囲、52はGPSの誤差から生じる撮影位置許容値ThrePを考慮した撮影範囲、53rはローリング許容値Threωを考慮した撮影範囲である。フィルム幅方向撮影角FOV_Sideは51の実線がなす角である。
まず、許容する撮影角ThreFOV_Sideを計算する。
ThreFOV_Side
=FOV_Side-2*Threω
=73.842-2*3
=67.842°
次に、撮影される地点を抽出する。GPSの精度が反映された撮影位置Pを考慮したコースCourse_Base_ThrePとそのコース上から撮影した際の撮影範囲52(図34参照)に対応する撮影角をAngle_Course_Base_ThreP_DEMとすると、
Angle_Course_Base_ThreP_DEM<ThreFOV
を満たす撮影範囲内の地点を、撮影される地点として抽出する。図35は、撮影される地点62(図22参照)を抽出した例を示す。
そして、抽出した撮影される地点の撮影縮尺(図36参照)及び等撮影縮尺線(図37参照)を計算する。撮影縮尺は、(数値標高モデルDEMと主点を結ぶラインの距離)÷(焦点距離)で計算される。各撮影コース25〜27それぞれの等撮影縮尺線の計算が終了後、算出した各撮影コースの等撮影縮尺線を結合する。図38は各撮影コースの等撮影縮尺線を結合した撮影縮尺線を表している。図中の数字は縮尺を示している。
このように、撮影範囲全域の撮影縮尺を算出し、写真縮尺解析結果5cとして出力する。後工程の図化作業では、撮影縮尺により、地図縮尺(地図情報レベル)が決まる。撮影縮尺の高い画像を用いて図化すると、精度のよい地図の作成をすることができるので、撮影範囲全域の撮影縮尺を計算し、その撮影縮尺を確認することで、地図の精度向上を図ることができる。
このとき写真縮尺解析結果より、算出された撮影縮尺が許容値から外れている場合、ステップS2に移行して対地高度等を変えることにより、再度撮影コースの作成を行う。これに対して、算出された撮影縮尺が許容値内であった場合、撮影に使用する航空カメラがエリアセンサであれば、ステップS6の主点作成処理に移行し、または航空カメラがラインセンサであれば、ステップS8の基準点作成処理に移行する。
次に、ステップS6の主点作成処理について説明する。
この主点作成処理及び後述するオーバーラップ解析処理は、航空センサがエリアセンサの場合に行う処理である。主点作成処理は、主点自動計算(一定間隔)、主点自動計算(地形)、主点ラベル作成、主点ラベル編集の機能を有する。
主点自動計算(一定間隔)では、標高300m等の基準面標高Baseに対する撮影コース上の一定間隔の主点を計算する。一方、主点自動計算(地形)では、地形を考慮して主点間隔を計算する。これらの機能は、用途に応じて実施する。従来は一定間隔の主点作成しかできなかったものを、地形を考慮することによって地形によらずどの写真間のオーバーラップ値も指定した値にすることができるようになる。以下、主点自動計算(地形)について、図39〜図42を参照して説明する。主点自動計算(地形)では、以下を入力値とする。
基準面設定済み撮影コースCourse_Base:進行方向撮影角FOV_Over=73.842°
対地高度Height=1530m
基準面標高Base=300m
撮影方向Direction
数値標高モデルDEM
パラメータ6a:オーバーラップ値Over=56%
ピッチング許容値Threφ=3°
撮影位置許容値ThreP=50m
まず、上記各入力値を入力し、隣り合う主点による重複撮影範囲を計算する。図39は、重複撮影範囲の例を示したものである。図39において、91はある主点P1による撮影範囲、92は主点P1と基準面標高Base上で予め設定された次主点との重複撮影範囲である。航空機のゆれとGPSの精度を考慮した次主点との重複撮影範囲92を、MaxPhotoArea_P1とする。
次に、重複撮影範囲92のうち最も標高の高い箇所P1_1(図40参照)を抽出する。これは、数値標高モデルDEMから取得することができる。最も標高の高い箇所P1_1をMaxElevPoint_MaxPhotoArea_P1(例えば669m)とする。
最も高い標高、すなわち最大標高値において、許容する撮影角ThreFOV_Overを求め、これを元に航空機のゆれとGPSの精度を考慮した次の主点までの間隔AlongPitch_ThreFOV_ThreP_ThreOverを求める。
ThreFOV_Over
=FOV_Over-2*Threφ
=73.842-2*3
=67.842°
AlongPitch_ThreFOV_ThreP_ThreOver
=2*((Base+Height-MaxElevPoint_MaxPhotoArea_P1)*tan(ThreFOV_Over/2)-ThreP)
*(1-ThreOver)
=2*((300+1530+669)*tan(67.842/2)-50)*(1-0.56)
=628m
上記計算により求められた主点間隔AlongPitch_ThreFOV_ThreP_ThreOverから、地形及び外部標定要素を考慮した、主点P1の次の主点P2を求める。図41は、主点P2を示したものである。
そして、算出した主点P2の撮影範囲を求め、撮影範囲の確認を行う。主点P2の最大撮影範囲MaxPhotoArea_P2を、図42に示す。図42において、93は撮影範囲、94は主点P1との重複撮影範囲を示す。重複撮影範囲94は、ピッチング許容値Threφ及び撮影位置許容値ThrePを考慮した分だけ重複撮影範囲92とずれることが分かる。算出した主点は、図1に示した主点作成済み撮影コース6bのデータとして出力される。その後、必要に応じて主点ラベルの作成及び編集を行う。
次に、ステップS7のオーバーラップ解析処理について説明する。
オーバーラップ解析処理は、主点撮影範囲(基準面)計算、主点有効撮影範囲(基準面)計算、主点撮影範囲(地形)計算、オーバーラップ解析の機能を有し、各機能は見積もり用、撮影指示用などの用途に応じて主点ラベル作成・編集後に実施される。従来は基準面での主点撮影範囲しか計算できなかったが、本例では主点有効撮影範囲の概念を導入し、主点撮影範囲(地形)の計算に適用することで、地形を反映したラップ切れの有無を判断するようにしている。
主点撮影範囲(基準面)の計算について、図43〜図46を参照して説明する。主点撮影範囲(基準面)の計算では、以下を入力値とする。
基準面設定済み撮影コースCourse_Base:フィルム幅方向撮影角FOV_Side=73.842°
進行方向撮影角FOV_Over=73.842°
対地高度Height=1530m
基準面標高Base=0m
主点P
数値標高モデルDEM
パラメータ7a:サイドラップ許容値ThreSide=0%
オーバーラップ許容値ThreOver=0%
ローリング許容値Threω=0°
ピッチング許容値Threφ=0°
撮影位置許容値ThreP=0m

図43は、対象範囲21と、主点作成部6にて計算された上述の主点間隔で配置されている各撮影コース25,26,27上の主点群をそれぞれ表示したものである。
まず、図43において、許容する撮影角ThreFOV_Side、ThreFOV_Overを求め、これを元に撮影コース一本当たりのフィルム幅方向撮影幅ScanWidth_ThreFOV_ThreP_ThreSide及び進行方向撮影幅AlongWidth_ThreFOV_ThreP_ThreOverを算出する。
ThreFOV_Side
=ThreSide-2*Threω
=73.842-2*0
=73.842°

ThreFOV_Over
=ThreOver-2*Threφ
=73.842-2*0
=73.842°

ScanWidth_ThreFOV_ThreP_ThreSide
=2*(Height*tan(ThreFOV_Side/2)-ThreP)*(1-ThreSide)
=2*(1530*tan(73.842/2)-0)*(1-0)
=2300m

AlongWidth_ThreFOV_ThreP_ThreOver
=2*(Height*tan(ThreFOV_Over/2)-ThreP)*(1-ThreOver)
=2*(1530*tan(73.842/2)-0)*(1-0)
=2300m
撮影コース26上の任意の主点101の撮影範囲102を、図44に示す。この撮影範囲102の大きさは(フィルム幅方向撮影幅(2300m))×(進行方向撮影幅(2300m))である。同様にして、各主点についての撮影範囲を計算する。図45は、撮影コース25,26,27上の各主点の撮影範囲を表示したものである。各主点の撮影範囲の計算が終了したら、算出した各主点の撮影範囲を結合する。各主点の撮影範囲を結合した主点撮影範囲103を、図46に示す。このようにして、基準面上の主点撮影範囲が算出される。
基準面上の主点撮影範囲の計算が終了後、その主点撮影範囲にサイドラップ許容値及びオーバーラップ許容値を考慮した主点有効撮影範囲(基準面)を計算する。主点有効撮影範囲(基準面)の計算について、図47〜図50を参照して説明する。この主点有効撮影範囲(基準面)の計算では、以下を入力値とする。
基準面設定済み撮影コースCourse_Base:フィルム幅方向撮影角FOV_Side=73.842°
進行方向撮影角FOV_Over=73.842°
対地高度Height=1530m
基準面標高Base=0m
主点P
数値標高モデルDEM
パラメータ7a:サイドラップ許容値ThreSide=15%
オーバーラップ許容値Over=53%
ローリング許容値Threω=0°
ピッチング許容値Threφ=0°
撮影位置許容値ThreP=0m

図47は、対象範囲21と、主点作成部6にて計算された上述の主点間隔で配置されている各撮影コース25,26,27上の主点群をそれぞれ表示したものである。
まず、図47において、上記各入力値を入力し、許容する撮影角ThreFOV_Side、ThreFOV_Overを求め、これを元に撮影コース一本当たりの基準面上のコース有効撮影幅ScanWidth_ThreFOV_ThreP_ThreSide
及び進行方向有効撮影幅AlongWidth_ThreFOV_ThreP_ThreOverを算出する。
ThreFOV_Side
=ThreSide-2*Threω
=73.842-2*0
=73.842°

ThreFOV_Over
=ThreOver-2*Threφ
=73.842-2*0
=73.842°

ScanWidth_ThreFOV_ThreP_ThreSide
=2*(Height*tan(ThreFOV_Side/2)-ThreP)*(1-ThreSide)
=2*(1530*tan(73.842/2)-0)*(1-0.15)
=1955m

AlongWidth_ThreFOV_ThreP_ThreOver
=2*(Height*tan(ThreFOV_Over/2)-ThreP)*(1-ThreOver)
=2*(1530*tan(73.842/2)-0)*(1-0.53)
=1081m
撮影コース26上の任意の主点101の撮影範囲102と有効撮影範囲112を、図48に示す。この有効撮影範囲112はコース有効撮影幅(1955m)×進行方向有効撮影幅(1081m)の矩形である。同様にして、各主点についての有効撮影範囲を計算する。図49は、撮影コース25,26,27上の各主点の有効撮影範囲を表示したものである。各主点の有効撮影範囲の計算が終了したら、算出した各主点の有効撮影範囲を結合する。各主点の有効撮影範囲を結合した主点有効撮影範囲113を図50に示す。有効撮影範囲113は撮影範囲103の内側に位置する。このようにして、基準面上の主点有効撮影範囲が算出される。
基準面上の主点有効撮影範囲の計算が終了後、主点撮影範囲(地形)を計算する。主点撮影範囲(地形)とは、撮影対象の地形を考慮した主点撮影範囲である。主点撮影範囲(地形)の計算について、図51〜図56を参照して説明する。この主点撮影範囲(地形)の計算では、以下を入力値とする。
基準面設定済み撮影コースCourse_Base:フィルム幅方向撮影角FOV_Side=73.842°
進行方向撮影角FOV_Over=73.842°
対地高度Height=1530m
基準面標高Base=300m
主点P
数値標高モデルDEM
パラメータ7a:サイドラップ許容値ThreSide=0%
オーバーラップ許容値Over=0%
ローリング許容値Threω=3°
ピッチング許容値Threφ=3°
撮影位置許容値ThreP=50m

図51は、対象範囲21と、主点作成部6にて計算された上述の主点間隔で配置されている各撮影コース25,26,27上の主点群をそれぞれ表示したものである。
まず、上記各入力値を入力し、許容するフィルム幅方向撮影角ThreFOV_Side及び進行方向撮影角ThreFOV_Overを求め、これを元に撮影コース一本当たりの許容するフィルム幅方向撮影幅ScanWidth_ThreFOV_ThreP_ThreSide及び進行方向撮影幅AlongWidth_ThreFOV_ThreP_ThreOverを算出する。
ここで、許容する撮影角及び撮影幅について、図52を参照して説明する。図52は、撮影時の状態を側面から見た様子を表し、図53の航空機の進行方向に対する断面を模式的に表したものである。図52において、51は航空機のゆれとGPSの精度を考慮しない撮影範囲、52はGPSの誤差から生じた撮影位置許容値ThrePを考慮した撮影範囲、53pはピッチング許容値Threφを考慮した撮影範囲である。フィルム幅方向撮影角FOV_Sideは51の実線がなす角である。なお、航空機の進行方向に垂直な方向に対する断面についての模式図も同様に表すことができ、その場合におけるローリング許容値Threωを考慮した撮影範囲を53rとして括弧内に記した。
ThreFOV_Side
=ThreSide-2*Threω
=73.842-2*3
=67.842°

ThreFOV_Over
=ThreOver-2*Threφ
=73.842-2*3
=67.842°

ScanWidth_ThreFOV_ThreP_ThreSide
=2*(Height*tan(ThreFOV_Side/2)-ThreP)*(1-ThreSide)
=2*(1530*tan(67.842/2)-50)*(1-0)
=1958m

AlongWidth_ThreFOV_ThreP_ThreOver
=2*(Height*tan(ThreFOV_Over/2)-ThreP)*(1-ThreOver)
=2*(1530*tan(67.842/2)-50)*(1-0)
=1958m
続いて、撮影される地点を抽出する。数値標高モデルDEMと主点を結ぶラインが、基準面標高Base=300m上で許容するフィルム幅方向撮影幅(1958m)及び進行方向撮影幅(1958m)内である地点を撮影される地点、すなわち撮影範囲内で実際に写真に撮影される部分として抽出する。抽出された撮影される地点の例を、図53に示す。図53において、102は撮影範囲を、121は撮影される地点を表す。
そして、撮影コース26上の主点101について地形を考慮した撮影範囲を計算する。図54は、地形を考慮に入れた主点101の撮影範囲122を表すものである。地形を考慮した撮影範囲122は上記撮影される地点121の輪郭であり、撮影範囲102と異なり必ずしも直線状にはならない。同様にして、各主点の地形を考慮に入れた撮影範囲を計算する。撮影コース25,26,27上の各主点における地形を考慮した撮影範囲を、図55に示す。各撮影コース上のそれぞれの主点の撮影範囲の計算が終了した後、算出した各主点の撮影範囲を結合する。図56は、各撮影コース上のそれぞれの主点における地形を考慮した撮影範囲を結合した主点撮影範囲123を示している。このようにして、地形を考慮した主点撮影範囲が算出される。
次に、地形を考慮した主点撮影範囲の計算が終了後、オーバーラップ解析を行う。オーバーラップ解析について、図57〜図62を参照して説明する。
このオーバーラップ解析では、以下を入力値とする。
基準面設定済み撮影コースCourse_Base:フィルム幅方向撮影角FOV_Side=73.842°
進行方向撮影角FOV_Over=73.842°
対地高度Height=1530m
基準面標高Base=300m
主点P
数値標高モデルDEM
パラメータ7a:サイドラップ許容値ThreSide=15%
オーバーラップ許容値Over=53%
ローリング許容値Threω=3°
ピッチング許容値Threφ=3°
撮影位置許容値ThreP=50m

図57は、対象範囲21と、主点作成部6にて計算された上述の主点間隔で配置されている各撮影コース25,26,27上の主点群をそれぞれ表示したものである。
まず、上記各入力値を入力し、ローリングを考慮した許容する撮影角ThreFOV_Side、ピッチングを考慮した許容する撮影ThreFOV_Overを求め、これを元に撮影コース一本当たりのサイドラップを考慮したコース有効撮影幅ScanWidth_ThreFOV_ThreP_ThreSide及びオーバーラップを考慮した進行方向有効撮影幅AlongWidth_ThreFOV_ThreP_ThreOverを算出する。
ここで、許容する撮影角及び撮影幅について、図58を参照して説明する。図58は、撮影時の状態を側面から見た様子を表し、図59の航空機の進行方向に対する断面を模式的に表したものである。51は航空機のゆれとGPSの精度を考慮しない撮影範囲、52はGPSの誤差から生じた撮影位置許容値ThrePを考慮した撮影範囲、53pはピッチング許容値Threφを考慮した撮影範囲、54oはオーバーラップ許容値ThreOverを考慮した撮影範囲を表す。フィルム幅方向撮影角FOV_Sideは51の実線がなす角で表される。なお、航空機の進行方向に垂直な断面についての模式図も同様に表すことができ、その場合におけるローリング許容値Threωを考慮した撮影範囲を53r、サイドラップ許容値ThreSideを考慮した撮影範囲を54sとして括弧内に記した。
ThreFOV_Side
=ThreSide-2*Threω
=73.842-2*3
=67.842°

ThreFOV_Over
=ThreOver-2*Threφ
=73.842-2*3
=67.842°

ScanWidth_ThreFOV_ThreP_ThreSide
=2*(Height*tan(ThreFOV_Side/2)-ThreP)*(1-ThreSide)
=2*(1530*tan(67.842/2)-50)*(1-0.15)
=1664m

AlongWidth_ThreFOV_ThreP_ThreOver
=2*(Height*tan(ThreFOV_Over/2)-ThreP)*(1-ThreOver)
=2*(1530*tan(67.842/2)-50)*(1-0.53)
=862m
続いて、有効に撮影される地点を抽出する。数値標高モデルDEMとコースを結ぶ主点が基準面標高Base=300m上で許容する、サイドラップを考慮した有効撮影幅1567mとオーバーラップを考慮した有効撮影幅862m内である地点を、有効に撮影される地点、すなわち有効撮影範囲内で実際に写真に撮影される範囲として抽出する。抽出された撮影される地点の例を、図59に示す。図59において、112は有効撮影範囲を、131は撮影される地点を表している。
そして、撮影コース26上の主点について地形を考慮した有効撮影範囲を計算する。図60は、地形を考慮に入れた主点101の有効撮影範囲132を表すものである。地形を考慮した有効撮影範囲132は上記撮影される地点131の輪郭であり、撮影範囲112と異なり必ずしも直線状にはならない。同様にして、各主点の地形を考慮に入れた有効撮影範囲を計算する。撮影コース25,26,27上の各主点における地形を考慮した有効撮影範囲を、図61に示す。各撮影コース上の各主点の有効撮影範囲の計算が終了した後、算出した各主点の有効撮影範囲を結合する。各主点の有効撮影範囲を結合した主点有効撮影範囲133を、図62に示す。このようにして、地形を考慮した主点有効撮影範囲が算出される。
算出した各主点の有効撮影範囲より、指定したオーバーラップ値を満たしているかどうかを判定し、満たしていない場合、ステップS6に移行して、例えば最も標高が高い点P1_1をその近傍に変更する等により、再度主点作成を行う。他方、指定したオーバーラップ値を満たしている場合、ステップS8の基準点作成処理へ移行する。指定したオーバーラップ値を満たさずラップ切れを起こしている場合は、画面上に表示して確認することも可能である。
なお、上述したステップS6の主点作成処理にて地形を考慮した主点を作成するときには、必ずしもオーバーラップ解析を実施する必要はない。しかし、一定間隔でしか撮影できないエリアセンサもあるので、その場合には、オーバーラップ解析が必要となる。例えば、データ転送の都合上カメラのシャッター間隔が一定となり、等速度の航空機上からは一定間隔の撮影になるエリアセンサなどが該当する。また、GPSによる位置指定撮影を実施するときは、地形を考慮した主点自動計算となるので、必ずしもオーバーラップ解析の必要はないが、確認のために、地形を考慮した主点自動計算後でもオーバーラップ解析をすることで、航空写真撮影計画の精度がより向上する。
上述のオーバーラップ解析処理が終了したら、ステップS8の基準点作成処理では、航空写真撮影において地上との整合性を保つため(写真に対応する地上座標を付加するため)に、撮影対象内に地上での座標がわかる基準点を設ける。基準点としては、主に、国家基準点(三角点、国家水準点、電子基準点)を利用するが、撮影後GPS等を用いて計測することも可能である。基準点作成処理では、上記基準点の作成を行い、その後、基準点ラベル作成を行う。また、必要に応じて基準点ラベルを編集して、基準点作成処理を終了する。
上記基準点作成処理が終了後、ステップS9のレポート作成処理を行う。レポート作成処理は、撮影計画に対して、コースや主点の座標、数量等がわかるレポートを作成する処理であり、データ変換、帳票作成の手順から構成される。データ変換は、主点ライン変換、ベクトルデータを格納するDXF(Data eXchange Format)ファイル等への変換を行う。また、帳票作成では、撮影コースの始点と終点、及びその撮影コース上の主点の位置を示した集計・レポートの作成、並びに地図データ上にその集計・レポートの内容を反映しどの地点で撮影すればよいかが視認できるようにしたレイアウト作成等を行う。撮影計画をレイアウト表示することにより、見積もりや撮影士への撮影指示を適切に行うことができる。なお、見積もりには、航空機のゆれとGPSの精度を考慮しない撮影範囲により作成した撮影計画を使用することもできる。
斯かる本例の構成によれば、地形を考慮した有効撮影範囲という概念を用い、サイドラップ及びオーバーラップの解析を行い、さらにナビゲーションシステムを利用して、航空機の揺れ、GPSの精度も考慮しての解析も行うことができるようにしている。これにより、あらゆるラインセンサ及びエリアセンサの各航空センサに対応することができる。
また、あらゆる座標系を考慮して撮影計画の実施をプログラム化しているので、座標系の知識に乏しい者でも簡単に撮影計画を実施することが可能となり、どのような形状であっても人の主観によらない撮影コースが計画できるため、撮影計画の精度が向上する。例えば、低地では主点間隔を広く、高地では主点間隔を狭くするように自動的に設定することができる。
また、地形形状のみならず、気象状況等による航空機のゆれを考慮して、ある程度の幅を持たせた値により有効サイドラップ(有効オーバーラップ)を撮影対象全域でシミュレーションできるので、コース上どの写真も指定したオーバーラップを満たすことができ、ラップ切れを起こす確率が減少し、再撮影の可能性を抑えることができる。
また、紙ベースの地形図上に撮影される範囲のラインを描くのは、相当熟練した者でも困難であるが、撮影計画に時間を割くと撮影時間が削られる。本例は、撮影計画を自動で行い、その撮影計画結果を所定形式によりデジタル出力し、航空機に搭載のGPS撮影システムに取り込むことができるので、撮影計画から撮影実施までの時間を大幅に短縮することができる。
また、一般に撮影緒言に変化がなければ、撮影縮尺や撮影範囲は地形形状に左右される。地形において、標高が高い箇所や低い箇所、山の尾根や谷が地形の特徴点ということになる。紙ベースの地形図上で撮影される範囲を確認するのは、特徴点のみの計算になってしまいがちであるが、本例では写真縮尺解析処理を行い、指定の撮影縮尺を満足するか判定しているので、撮影範囲全域での撮影縮尺の計算ができる。
なお、上記実施例においては、RC-30を例に正方形アナログエリアセンサについて説明したが、非正方形デジタルエリアセンサ、あるいはデジタルラインセンサにおいても実施することが可能である。
例えば、非正方形デジタルエリアセンサの場合について、UltraCAM-Dを例に説明する。UltraCAM-Dの場合、撮影角FOV及び対置高度Heightは、PW_Side=11500ピクセル、PW_Over=7500ピクセル、P_Size=9μm、f=100mm、GSD=0.08mを以下の式に代入することにより求めることができる。
FOV_Side=((PW_Side*P_Size/2)/atan(f/1000))*2=54.723°
FOV_Over=((PW_Over*P_Size/2)/atan(f/1000))*2=37.299°
Height=(GSD*f/1000)/P_Size=888m
また、デジタルラインセンサの場合について、ADS40を例に説明する。ADS40の場合、撮影角FOV及び対置高度Heightは、PW_Side=12000ピクセル、P_Size=6.5μm、f=62.77mm、GSD=0.20mを以下の式に代入することにより求めることができる。
FOV_Side=((PW_Side*P_Size/2)/atan(f/1000))*2=63.707°
Height=(GSD*f/1000)/P_Size=1931m
これらの値を用いることにより、正方形アナログエリアセンサと同様に、非正方形デジタルエリアセンサやデジタルラインセンサについても同様に本発明を適用することができる。
また、本発明は上述した実施の形態の例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を取り得ることは勿論である。
本発明の一実施の形態による航空写真撮影計画を実現する機能ブロック図である。 飛行機の機体の姿勢(ゆれ)を説明するのに用いられる図である。 本発明の一実施の形態による有効撮影範囲の説明に供する図である。 本発明の一実施の形態による外部標定要素を考慮した撮影範囲の説明に供する図である。 本発明の一実施の形態による航空写真撮影計画の全体の流れを示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態による撮影コース作成の説明に供する図(1)である。 本発明の一実施の形態による撮影コース作成の説明に供する図(2)である。 本発明の一実施の形態による撮影コース作成の説明に供する図(3)である。 本発明の一実施の形態による撮影コース作成の説明に供する図(4)である。 本発明の一実施の形態による撮影コース作成の説明に供する図(5)である。 本発明の一実施の形態による撮影コース作成の説明に供する図(6)である。 本発明の一実施の形態によるコース撮影範囲(基準面)の説明に供する図(1)である。 本発明の一実施の形態によるコース撮影範囲(基準面)の説明に供する図(2)である。 本発明の一実施の形態によるコース撮影範囲(基準面)の説明に供する図(3)である。 本発明の一実施の形態によるコース撮影範囲(基準面)の説明に供する図(4)である。 本発明の一実施の形態によるコース有効撮影範囲(基準面)の説明に供する図(1)である。 本発明の一実施の形態によるコース有効撮影範囲(基準面)の説明に供する図(2)である。 本発明の一実施の形態によるコース有効撮影範囲(基準面)の説明に供する図(3)である。 本発明の一実施の形態によるコース有効撮影範囲(基準面)の説明に供する図(4)である。 本発明の一実施の形態によるコース撮影範囲(地形)の説明に供する図(1)である。 本発明の一実施の形態によるコース撮影範囲(地形)の説明に供する図(2)である。 本発明の一実施の形態によるコース撮影範囲(地形)の説明に供する図(3)である。 本発明の一実施の形態によるコース撮影範囲(地形)の説明に供する図(4)である。 本発明の一実施の形態によるコース撮影範囲(地形)の説明に供する図(5)である。 本発明の一実施の形態によるコース撮影範囲(地形)の説明に供する図(6)である。 本発明の一実施の形態によるサイドラップ解析の説明に供する図(1)である。 本発明の一実施の形態によるサイドラップ解析の説明に供する図(2)である。 本発明の一実施の形態によるサイドラップ解析の説明に供する図(3)である。 本発明の一実施の形態によるサイドラップ解析の説明に供する図(4)である。 本発明の一実施の形態によるサイドラップ解析の説明に供する図(5)である。 本発明の一実施の形態によるサイドラップ解析の説明に供する図(6)である。 本発明の一実施の形態によるサイドラップ解析の説明に供する図(7)である。 本発明の一実施の形態による撮影縮尺解析の説明に供する図(1)である。 本発明の一実施の形態による撮影縮尺解析の説明に供する図(2)である。 本発明の一実施の形態による撮影縮尺解析の説明に供する図(3)である。 本発明の一実施の形態による撮影縮尺解析の説明に供する図(4)である。 本発明の一実施の形態による撮影縮尺解析の説明に供する図(5)である。 本発明の一実施の形態による撮影縮尺解析の説明に供する図(6)である。 本発明の一実施の形態による主点自動計算の説明に供する図(1)である。 本発明の一実施の形態による主点自動計算の説明に供する図(2)である。 本発明の一実施の形態による主点自動計算の説明に供する図(3)である。 本発明の一実施の形態による主点自動計算の説明に供する図(4)である。 本発明の一実施の形態による主点撮影範囲(基準面)の説明に供する図(1)である。 本発明の一実施の形態による主点撮影範囲(基準面)の説明に供する図(2)である。 本発明の一実施の形態による主点撮影範囲(基準面)の説明に供する図(3)である。 本発明の一実施の形態による主点撮影範囲(基準面)の説明に供する図(4)である。 本発明の一実施の形態による主点有効撮影範囲(基準面)の説明に供する図(1)である。 本発明の一実施の形態による主点有効撮影範囲(基準面)の説明に供する図(2)である。 本発明の一実施の形態による主点有効撮影範囲(基準面)の説明に供する図(3)である。 本発明の一実施の形態による主点有効撮影範囲(基準面)の説明に供する図(4)である。 本発明の一実施の形態による主点撮影範囲(地形)の説明に供する図(1)である。 本発明の一実施の形態による主点撮影範囲(地形)の説明に供する図(2)である。 本発明の一実施の形態による主点撮影範囲(地形)の説明に供する図(3)である。 本発明の一実施の形態による主点撮影範囲(地形)の説明に供する図(4)である。 本発明の一実施の形態による主点撮影範囲(地形)の説明に供する図(5)である。 本発明の一実施の形態による主点撮影範囲(地形)の説明に供する図(6)である。 本発明の一実施の形態によるオーバーラップ解析の説明に供する図(1)である。 本発明の一実施の形態によるオーバーラップ解析の説明に供する図(2)である。 本発明の一実施の形態によるオーバーラップ解析の説明に供する図(3)である。 本発明の一実施の形態によるオーバーラップ解析の説明に供する図(4)である。 本発明の一実施の形態によるオーバーラップ解析の説明に供する図(5)である。 本発明の一実施の形態によるオーバーラップ解析の説明に供する図(6)である。
符号の説明
2…撮影コース作成部、3…基準面設定部、4…サイドラップ解析部、5…写真縮尺解析部、6…主点作成部、7…オーバーラップ解析部、8a…数値標高モデル、1…外部評定要素を考慮しない撮影範囲、12…ピッチング許容値を考慮した撮影範囲、13…ピッチング許容値と撮影位置許容値を考慮した撮影範囲、14…外部評定要素を考慮した最小撮影範囲、15…外部評定要素を考慮した最大撮影範囲、21…撮影対象、25,26,27…撮影コース、36…撮影範囲(幅)、46…有効撮影範囲(幅)、61…ローリング許容値と撮影位置許容値を考慮した撮影範囲(幅)、62…撮影される地点、66…撮影範囲(地形)、71…サイドラップを考慮した撮影範囲、72…有効に撮影される地点、76…有効撮影範囲(サイドラップ)、91…撮影範囲、92…重複撮影範囲、93…ピッチング許容値と撮影位置許容値を考慮した撮影範囲、94…重複撮影範囲、101…主点、102…主点撮影範囲、112…主点有効撮影範囲、121…撮影される地点、122…主点撮影範囲(地形)、131…有効に撮影される地点、132…主点有効撮影範囲(オーバーラップ)

Claims (11)

  1. 航空写真測量の撮影計画の立案を支援する撮影計画支援装置であって、
    地図データ上で撮影対象領域を決定する撮影対象領域決定部と、
    撮影手段の焦点距離、撮影画面の大きさ、及び予め設定した写真縮尺、サイドラップ値から算出した進行方向と垂直な方向の撮影幅より各撮影コース間の間隔を算出し、撮影コースを作成する撮影コース作成部と、
    予め設定したサイドラップ許容値、ローリング許容値、及び撮影位置許容値から許容撮影角及び有効撮影幅を算出し、標高データ上の地表面と前記各撮影コースとを結ぶ線分と所定標高の基準面との交点が前記有効撮影幅内である地点を有効撮影範囲として抽出し、隣接する撮影コースにおける前記有効撮影範囲から算出したサイドラップ値が予め設定したサイドラップ許容値内である場合に、前記各撮影コース間の間隔を確定するサイドラップ解析部と
    を有することを特徴とする撮影計画支援装置。
  2. 前記サイドラップ解析部は、隣接する撮影コースにおける前記有効撮影範囲から算出したサイドラップ値が前記サイドラップ許容値内でない場合に、前記サイドラップ値を変更して再度各撮影コース間の間隔を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮影計画支援装置。
  3. 前記撮影計画支援装置は更に写真縮尺解析部を有し、
    前記写真縮尺解析部は、位置計測手段の精度を考慮した撮影位置から前記撮影手段で撮影した際の撮影範囲に対応する撮影角が、前記許容撮影角未満である地点を抽出し、
    前記抽出地点における写真縮尺が予め設定した許容写真縮尺以上である場合に再度撮影コースの間隔を決定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮影計画支援装置。
  4. 前記撮影計画支援装置は更に主点作成部及びオーバーラップ解析部を有し、
    前記主点作成部は、予め設定したオーバーラップ値、ピッチング許容値、及び撮影位置許容値を基に、前記各撮影コース上の一主点と次主点の重複撮影範囲を算出し、
    前記重複撮影範囲内で最も標高が高い地点と前記撮影高度との差、予め設定したオーバーラップ値及びピッチング許容値、及び前記位置計測手段の精度を基に前記一主点から前記次主点までの主点間隔を算出し、
    前記オーバーラップ解析部は、予め設定したサイドラップ許容値、オーバーラップ許容値、ローリング許容値、及びピッチング許容値より主点有効撮影幅を算出し、
    前記標高データ上の地表面と前記主点とを結ぶ線分と前記基準面との交点が前記主点有効撮影幅内である地点を主点有効撮影範囲として抽出し、
    隣接する主点における主点有効撮影範囲から算出したオーバーラップ値が予め設定したオーバーラップ許容値内である場合に前記撮影コースの間隔を確定する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮影計画支援装置。
  5. 前記主点作成部は、前記オーバーラップ解析部において前記算出したオーバーラップ値が前記オーバーラップ許容値内でない場合に、再度主点間隔を算出する
    ことを特徴とする請求項4に記載の撮影計画支援装置。
  6. 航空写真測量の撮影計画の立案を支援する撮影計画支援装置であって、
    予め設定したオーバーラップ値、ピッチング許容値、及び撮影位置許容値を基に、撮影コース上の一主点と次主点の重複撮影範囲を算出し、標高データから抽出した前記重複撮影範囲内で最も標高が高い地点と撮影手段の撮影高度との差、予め設定したオーバーラップ値及びピッチング許容値、及び前記位置計測手段の精度を基に前記一主点から前記次主点までの主点間隔を算出する主点作成部と、
    撮影手段の焦点距離、撮影画面の大きさ、予め設定したローリング許容値、及び前記撮影高度より主点有効撮影幅を算出し、前記標高データ上の地表面と前記主点とを結ぶ線分と前記基準面との交点が前記主点有効撮影幅内である地点を主点有効撮影範囲として抽出し、隣接する主点における主点有効撮影範囲から算出したオーバーラップ値が予め設定したオーバーラップ許容値内である場合に、前記主点間隔を確定するオーバーラップ解析部と
    を有することを特徴とする撮影計画作成支援装置。
  7. 前記主点作成部は、前記オーバーラップ解析部において前記算出したオーバーラップ値が前記オーバーラップ許容値内でない場合に、再度主点間隔を算出する
    ことを特徴とする請求項6に記載の撮影計画支援装置。
  8. 航空写真測量の撮影計画の立案を支援する撮影計画支援プログラムであって、
    地図データ上で撮影対象領域を決定する撮影対象領域決定手順と、
    撮影手段の焦点距離、撮影画面の大きさ、及び予め設定した写真縮尺、サイドラップ値から算出した進行方向と垂直な方向の撮影幅より各撮影コース間の間隔を算出し、撮影コースを作成する撮影コース作成手順と、
    予め設定したサイドラップ許容値、ローリング許容値、及び撮影位置許容値から許容撮影角及び有効撮影幅を算出し、標高データ上の地表面と前記各撮影コースとを結ぶ線分と所定標高の基準面との交点が前記有効撮影幅内である地点を有効撮影範囲として抽出し、隣接する撮影コースにおける前記有効撮影範囲から算出したサイドラップ値が予め設定したサイドラップ許容値内である場合に、前記各撮影コース間の間隔を確定するサイドラップ解析手順と
    をコンピュータに実行させるための撮影計画支援プログラム。
  9. 前記撮影計画支援プログラムは更に写真縮尺解析手順を有し、
    前記写真縮尺解析手順は、位置計測手段の精度を考慮した撮影位置から前記撮影手段で撮影した際の撮影範囲に対応する撮影角が、前記許容撮影角未満である地点を抽出し、
    前記抽出地点における写真縮尺が予め設定した許容写真縮尺以上である場合に再度撮影コースの間隔を決定する
    ことを特徴とする請求項8に記載の撮影計画支援プログラム。
  10. 前記撮影計画支援プログラムは更に主点作成手順及びオーバーラップ解析手順を有し、
    前記主点作成手順は、予め設定したオーバーラップ値、ピッチング許容値、及び撮影位置許容値を基に、前記各撮影コース上の一主点と次主点の重複撮影範囲を算出し、
    前記重複撮影範囲内で最も標高が高い地点と前記撮影高度との差、予め設定したオーバーラップ値及びピッチング許容値、及び前記位置計測手段の精度を基に前記一主点から前記次主点までの主点間隔を算出し、
    前記オーバーラップ解析手順は、予め設定したサイドラップ許容値、オーバーラップ許容値、ローリング許容値、及びピッチング許容値より主点有効撮影幅を算出し、
    前記標高データ上の地表面と前記主点とを結ぶ線分と前記基準面との交点が前記主点有効撮影幅内である地点を主点有効撮影範囲として抽出し、
    隣接する主点における主点有効撮影範囲から算出したオーバーラップ値が予め設定したオーバーラップ許容値内である場合に前記撮影コースの間隔を確定する
    ことを特徴とする請求項8に記載の撮影計画支援プログラム。
  11. 航空写真測量の撮影計画の立案を支援する撮影計画支援プログラムであって、
    予め設定したオーバーラップ値、ピッチング許容値、及び撮影位置許容値を基に、撮影コース上の一主点と次主点の重複撮影範囲を算出し、標高データから抽出した前記重複撮影範囲内で最も標高が高い地点と撮影手段の撮影高度との差、予め設定したオーバーラップ値及びピッチング許容値、及び前記位置計測手段の精度を基に前記一主点から前記次主点までの主点間隔を算出する主点作成手順と、
    撮影手段の焦点距離、撮影画面の大きさ、予め設定したローリング許容値、及び前記撮影高度より主点有効撮影幅を算出し、前記標高データ上の地表面と前記主点とを結ぶ線分と前記基準面との交点が前記主点有効撮影幅内である地点を主点有効撮影範囲として抽出し、隣接する主点における主点有効撮影範囲から算出したオーバーラップ値が予め設定したオーバーラップ許容値内である場合に、前記主点間隔を確定するオーバーラップ解析手順と
    をコンピュータに実行させるための撮影計画支援プログラム。


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