JP2006145107A - 酸素富加機能付き空調システム - Google Patents

酸素富加機能付き空調システム Download PDF

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Abstract

【課題】酸素濃度を高めて爽快感を向上させると共に、空気汚染のない空質環境状態をつくる空調システムの提供。
【解決手段】室内空間5への外気空気導入を行なう空気導入手段7と、室内空間5の内部または空気導入口6に配置された炭化水素などを検知する半導体方式のガスセンサ8と、室内空間5に酸素濃度を高めたガスを供給させる高酸素濃度供給手段9と、センサ出力が予め記憶させた閾値を超えたかを判断するガス濃度判断手段10と、この判断により空気導入手段6からの外気空気導入停止を指令する外気空気導入制御手段11と、高酸素濃度供給手段9からの高酸素濃度ガスの供給開始を指令する高酸素供給制御手段12を備えている。これによって酸素濃度が高まり爽快感を向上させた綺麗な空気が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、人が乗席する車両や居住する建物の室内空間に、酸素濃度を高めて爽快感を向上させた綺麗な空気を供給する機能を備えた酸素富加機能付き空調システムに関する。
最近、空気中の酸素濃度を高めると、爽快感が向上することが知られつつあり、酸素濃度を高めた種々の空調システムが提案されている。従来、この種の空調システムは、図14に示す様に、自動車1の車室2に喫煙を検知する喫煙検知センサ3を設け、この喫煙検知センサ3が喫煙を検知したときには、タバコの喫煙による煙臭さを低減することを目的として、酸素富加装置4が車室2に供給する酸素供給量を低下させる様に制御し、車室2の酸素濃度を低下させている(例えば、特許文献1参照)。
また、車室内に酸素濃度を検知する酸素センサを設け、この酸素センサを用いて所定の酸素濃度になる様に、酸素富加装置が車室内に供給する酸素供給量を制御するものがある。(例えば、特許文献2参照) さらに、車室内に炭酸ガス濃度を検知する炭酸ガスセンサを設け、この炭酸ガスセンサを用いて所定の炭酸ガス濃度以下になるように、酸素富加装置が車室内に供給する酸素供給量を制御するものがある(例えば、特許文献3参照)。
一方、空質を検知するガスセンサは種々の方式が有るが、半導体方式のガスセンサはその組成を最適化すると、炭化水素ガスや一酸化炭素ガス、さらには窒素酸化物ガスや有機性揮発物質ガスそして硫黄化合物のガスなどの各種ガスを、選択的に識別できることが知られている。また、酸素センサは、種々のタイプが有るが、特に、両面に電極を形成した酸素イオン導電性固体電解質の片側に酸素拡散孔を設けた構造の限界電流式酸素センサは、空気中の炭酸ガスや水分の影響を受けにくいので、精度良く酸素濃度を検知することが知られている。そして、この限界電流式酸素センサに用いる電極は、白金などの貴金属が一般的であることが知られている。
特開昭63−43816号公報 特開昭63−43812号公報 実開昭61−73418号公報
しかしながら、従来の空調システムは、車室2の空質を外気空気の汚染状態との関係で総合的に処理していないため、車室2は綺麗な空気が得られにくいといった課題があった。例えば、交通量の多い都心部の空気には、自動車から排出される炭化水素ガスや一酸化炭素ガス、さらに窒素酸化物ガスや硫黄化合物などが高濃度で存在する。そのため、自動車が交通量の多い都心部を走行すると、車室2にこれら高濃度のガスがいつまでも流入し、乗車している人はこれらのガスを吸引することとなる。この状態で、酸素富加装置4を作動させて車室2内の酸素濃度を増加させても、車室2にはこれら汚染ガスが外気からいつまでも流入して、綺麗な空気が得られにくくなる。また例えば、室内空間で喫煙する場合も同じことであり、タバコ臭のする状態で、酸素富加装置4を作動させて車室2内の酸素濃度を増加させても、車室2にはタバコ臭がいつまでも残存して、綺麗な空気が得られにくくなる。
一方、従来例に記載されたガスセンサは、上記文献に記載されているように、喫煙検知センサや酸素センサ、さらには炭酸ガスセンサであり、いずれも自動車から排出され外気空気やタバコなどに多く存在する炭化水素ガスや一酸化炭素ガス、さらには窒素酸化物ガスを検出できない。そこで、これらのガスを検出できるガスセンサとして、組成を最適化した半導体方式ガスセンサを用いることが考えられるが、この半導体方式ガスセンサは、空気中の水分の影響を受け、相対湿度によりセンサ出力が大きく変化する問題が有るため、検出精度が悪い課題があった。ガスセンサの検出精度が悪いと、室内が汚染されているにも関わらず汚染されていないと判断されることとなり、汚染ガスがいつまでも残存して綺麗な空気が得られにくくなる。
また、従来の代表的な酸素センサである限界電流式酸素センサは、その動作電圧が低いと空気中の水分の影響を受けにくいが、耐久性確保の観点からその動作電圧を高くししかも高温多湿環境下で使用すると、水分の電気分解によって発生した酸素までも検出するため、水分の影響を受け易くなり、検出精度が悪くなる問題が起こる。この高温多湿環境下における検出精度が悪い状態で限界電流式酸素センサを使用すると、酸素濃度の僅かな減少が検出できないため、酸素濃度が減少しているのも関わらず酸素富加装置が作動せず、酸素濃度が高くならない課題があった。
本発明は、前記課題を解決するもので、空気汚染状態を精度良く検知することによって綺麗な空気の室内空間を実現するとともに、室内空間の酸素濃度を高めて快適性を高めた空調システムを提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の酸素富加機能付き空調システムは、室内空間へ外気空気の導入を行なう空気導入口と、空気導入口の開閉を行う空気導入手段と、室内空間の内部または空気導入口に配置された半導体方式のガスセンサと、ガスセンサに接続されガス検知によるセンサ出力が予め記憶させた閾値を超えたかを判断するガス濃度判断手段と、センサ出力が閾値を超えたと判断されると、空気導入手段からの外気導入を停止する外気導入制御手段と、室内空間に酸素濃度を高めた空気を供給する高酸素濃度供給手段と、高酸素濃度供給手段からの高酸素濃度ガスの供給開始を指令する高酸素供給制御手段を有している。そして、ガスセンサを、炭化水素もしくは一酸化炭素もしくは有機性揮発物質もしくは窒素酸化物のいずれかのガスを検知する酸化スズ、窒素酸化物のガスを検知する酸化チタン、有機性揮発物質ガスを検知する酸化タングステン、硫黄化合物のガスを検知する酸化亜鉛、のいずれかを主成分とした感応材を有するとした。
本発明で使用するガスセンサは、酸化スズ、酸化チタン、酸化タングステン、酸化亜鉛を主成分とした感応材を有する半導体方式ガスセンサであり、炭化水素、一酸化炭素、有機性揮発物質、窒素酸化物、硫黄化合物のいずれかのガスを検知するタイプとしている。これらガスは、自動車の排気ガスに含まれており人体に好ましくないガスである。本発明は、これらを選択的に識別できる理由より半導体方式ガスセンサを採用しているが、半導体方式ガスセンサの空気中水分の影響を受けてセンサ出力が大きく変化して検出精度が悪くなる課題を、高酸素濃度供給手段によってガスセンサの周囲に存在する酸素濃度を高めることで解決しているので、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する割合が低減し、炭化水素などのこれらガスを精度良く検知できる様にしている。一方、ガスセンサが、炭化水素などのガスを検知しそのセンサ出力が予め記憶させた閾値を超えるということは、外気空気にこれらガスが多く存在し、これにともない室内空間もこれらガスが多く存在することを意味する。本発明は、この様な場合には自動的に、外気空気の導入を停止し、室内空間に高濃度の酸素を供給する。そのため、室内空間は、酸素濃度が高くなるとともに、この高濃度の酸素供給によりこれら汚染ガスが室内空間の外に排出されてその濃度が減少し、爽快感が高まった空気が得られる。
また、本発明の酸素富加機能付き空調システムは、室内空間の空気浄化を行なう空気浄化手段と、室内空間に配置された半導体方式のガスセンサと、ガスセンサに接続されておりガス検知によるセンサ出力が予め記憶させた閾値を超えたかを判断するガス濃度判断手段と、センサ出力が閾値を超えたと判断されると空気浄化手段の空気浄化を指令する空気浄化制御手段と、室内空間に酸素濃度を高めたガスを供給する高酸素濃度供給手段と、高酸素濃度供給手段からの高酸素濃度ガスの供給開始を指令する高酸素供給制御手段を有し、ガスセンサは、炭化水素もしくは一酸化炭素もしくは有機性揮発物質もしくは窒素酸化物のいずれかのガスを検知する酸化スズ、窒素酸化物のガスを検知する酸化チタン、有機性揮発物質のガスを検知する酸化タングステン、硫黄化合物のガスを検知する酸化亜鉛、のいずれかを主成分とした感応材とするとした。
本発明で使用するガスセンサは、酸化スズ、酸化チタン、酸化タングステン、酸化亜鉛を主成分とした感応材を有する半導体方式ガスセンサであり、炭化水素、一酸化炭素、有機性揮発物質、窒素酸化物、硫黄化合物のいずれかのガスを検知するタイプとしている。これらガスは、自動車の排気ガスに含まれており人体に好ましくないガスである。本発明は、これらを選択的に識別できる理由より半導体方式ガスセンサを採用しているが、半導体方式ガスセンサの空気中水分の影響を受けてセンサ出力が大きく変化して検出精度が悪くなる課題を、高酸素濃度供給手段によってガスセンサの周囲に存在する酸素濃度を高めることで解決しているので、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する割合が低減し、炭化水素などのこれらガスを精度良く検知できる様にしている。一方、ガスセンサが、炭化水素などのガスを検知しそのセンサ出力が予め記憶させた閾値を超えるということは、外気空気にこれらガスが多く存在し、これにともない室内空間もこれらガスが多く存在することを意味する。本発明は、この様な場合には自動的に、空気浄化手段が作動し、室内空間に高濃度の酸素を供給する。そのため、室内空間は、酸素濃度が多くなるとともに、これら汚染ガスが空気浄化されてその濃度が減少し、綺麗で健康に良い空気が得られる。
また、本発明の酸素富加機能付き空調システムは、室内空間に配置された限界電流式酸素センサと、室内空間に酸素濃度を高めたガスを供給する酸素富加膜方式、または酸素ポンピング方式、もしくはゼオライトを使用した圧力スイング吸着方式のいずれかで有る高酸素濃度供給手段とを少なくとも備え、限界電流式酸素センサは、酸素イオン導電性固体電解質と、その両側に形成された一対の電極と、電極の片側に配置された拡散抵抗体の中に形成された酸素拡散孔を有する構造であり、電極は、ペロブスカイト型構造または酸素イオン導電性のいずれかである金属酸化物と、貴金属を少なくとも含むとした。
高酸素濃度供給手段によって限界電流式酸素センサの周囲に存在する酸素濃度を高めるとともに、限界電流式酸素センサの電極としてペロブスカイト型構造または酸素イオン導電性のいずれかである金属酸化物と貴金属を少なくとも含む材料を使用すると、耐久性確保の観点からその動作電圧を高くししかも高温多湿環境下で使用しても、水分の電気分解によって発生する酸素が大幅に低減するため水分の影響を受けにくくなり、検出精度が向上する。このため、この高温多湿環境下において限界電流式酸素センサを使用しても、酸素濃度の僅かな減少を充分に検出でき、酸素濃度が減少すると直ちに酸素富加装置が作動して、室内空間に高濃度の酸素を供給して酸素濃度を高くできる。そのため、室内空間は、酸素濃度が多くなり健康に良い空気が得られる。
本発明は、高酸素濃度供給手段によってガスセンサの周囲に存在する酸素濃度を間欠的高めているため、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する度合いが低減し、炭化水素などのガスを精度良く検知できる空調システムが得られる。また、外気空気などの汚れに応じて、外気空気の導入を停止したり室内空気の浄化を行ったりし、しかも室内空間に高濃度の酸素を供給するため、室内空間は、酸素濃度が高くなるとともにこの高濃度の酸素供給により、これら汚染ガスが室内空間の外に排出されてその濃度が減少し、綺麗な空気が得られて健康に良い。
第1の発明の酸素富加機能付き空調システムは、室内空間へ外気空気の導入を行なう空気導入口と、空気導入口の開閉を行う空気導入手段と、室内空間の内部または空気導入口に配置された半導体方式のガスセンサと、ガスセンサに接続されガス検知によるセンサ出力が予め記憶させた閾値を超えたかを判断するガス濃度判断手段と、センサ出力が閾値を超えたと判断されると、空気導入手段からの外気導入を停止する外気導入制御手段と、室内空間に酸素濃度を高めた空気を供給する高酸素濃度供給手段と、高酸素濃度供給手段からの高酸素濃度ガスの供給開始を指令する高酸素供給制御手段を有し、ガスセンサを、炭化水素もしくは一酸化炭素もしくは有機性揮発物質もしくは窒素酸化物のいずれかのガスを検知する酸化スズ、窒素酸化物のガスを検知する酸化チタン、有機性揮発物質ガスを検知する酸化タングステン、硫黄化合物のガスを検知する酸化亜鉛、のいずれかを主成分とした感応材とするとした。
本発明は、炭化水素などのガスを選択的に識別できる理由より半導体方式ガスセンサを採用しているが、半導体方式ガスセンサの空気中水分の影響を受けてセンサ出力が大きく変化して検出精度が悪くなる課題を、高酸素濃度供給手段によってガスセンサの周囲に存在する酸素濃度を間欠的に高めることで解決しているので、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する割合が低減し、炭化水素などのガスを精度良く検知できる様にしている。一方、ガスセンサが、炭化水素などのガスを検知しそのセンサ出力が予め記憶させた閾値を超えるということは、外気空気にこれらガスが多く存在し、これにともない室内空間もこれらガスが多く存在することを意味する。本発明は、この様な場合には自動的に、外気空気の導入を停止し、室内空間に高濃度の酸素を供給する。そのため、室内空間は、酸素濃度が高くなるとともにこの高濃度の酸素供給により、これらガスが室内空間の外に排出されてその濃度が減少し、綺麗な空気が得られる。
第2の発明の酸素富加機能付き空調システムは、室内空間の空気浄化を行なう空気浄化手段と、室内空間に配置された半導体方式のガスセンサと、ガスセンサに接続されておりガス検知によるセンサ出力が予め記憶させた閾値を超えたかを判断するガス濃度判断手段と、センサ出力が閾値を超えたと判断されると空気浄化手段の空気浄化を指令する空気浄化制御手段と、室内空間に酸素濃度を高めたガスを供給する高酸素濃度供給手段と、高酸素濃度供給手段からの高酸素濃度ガスの供給開始を指令する高酸素供給制御手段を有し、ガスセンサは、炭化水素もしくは一酸化炭素もしくは有機性揮発物質もしくは窒素酸化物のいずれかのガスを検知する酸化スズ、窒素酸化物のガスを検知する酸化チタン、有機性揮発物質のガスを検知する酸化タングステン、硫黄化合物のガスを検知する酸化亜鉛、のいずれかを主成分とした感応材とするとした。
本発明は、炭化水素などのガスを選択的に識別できる理由より半導体方式ガスセンサを採用しているが、半導体方式ガスセンサの空気中水分の影響を受けてセンサ出力が大きく変化して検出精度が悪くなる課題を、高酸素濃度供給手段によってガスセンサの周囲に存在する酸素濃度を間欠的に高めることで解決しているので、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する割合が低減し、炭化水素などのガスを精度良く検知できる様にしている。一方、ガスセンサが、炭化水素などのガスを検知しそのセンサ出力が予め記憶させた閾値を超えるということは、外気空気にこれらガスが多く存在し、これにともない室内空間もこれらガスが多く存在することを意味する。本発明は、この様な場合には自動的に、空気浄化手段が作動し、室内空間に高濃度の酸素を供給する。そのため、室内空間は、酸素濃度が多くなるとともに、これらガスが空気浄化されてその濃度が減少し、綺麗な空気が得られる。
第3の発明の酸素富加機能付き空調システムは、室内空間に配置された限界電流式酸素センサと、前記室内空間に酸素濃度を高めたガスを供給する酸素富加膜方式、または酸素ポンピング方式、もしくはゼオライトを使用した圧力スイング吸着方式のいずれかで有る高酸素濃度供給手段とを少なくとも備え、前記限界電流式酸素センサは、酸素イオン導電性固体電解質と、その両側に形成された一対の電極と、電極の片側に配置された拡散抵抗体の中に形成された酸素拡散孔を有する構造であり、前記電極は、ペロブスカイト型構造または酸素イオン導電性のいずれかである金属酸化物と、貴金属を少なくとも含むとした。
高酸素濃度供給手段によって限界電流式酸素センサの周囲に存在する酸素濃度を高めるとともに、限界電流式酸素センサの電極としてペロブスカイト型構造または酸素イオン導電性のいずれかである金属酸化物と貴金属を少なくとも含む材料を使用すると、耐久性確保の観点からその動作電圧を高くししかも高温多湿環境下で使用しても、水分の電気分解によって発生する酸素が大幅に低減するため水分の影響を受けにくくなり、検出精度が向上する。このため、この高温多湿環境下において限界電流式酸素センサを使用しても、酸素濃度の僅かな減少を充分に検出でき、酸素濃度が減少すると直ちに酸素富加装置が作動して、室内空間に高濃度の酸素を供給して酸素濃度を高くできる。そのため、室内空間は、酸素濃度が多くなり健康に良い空気が得られる。
第4の発明の酸素富加機能付き空調システムは、特に、第1もしくは第2の発明で用いる炭化水素や一酸化炭素のガスを検知するガスセンサは、酸化スズを主成分とし少なくとも酸化バナジウムとパラジウムを含有した感応材を有するとした。この組成物にすると、自動車の排気ガスに含まれる低濃度の炭化水素や一酸化炭素を精度良く検出することが出来る。
第5の発明の酸素富加機能付き空調システムは、特に、第4の発明で用いる炭化水素や一酸化炭素のガスを検知するガスセンサの感応材は、酸化スズを主成分であり、酸化バナジウムが0.2〜5wt%と、パラジウムが0.05〜4wt%を含有するとした。このことで、一層これらガスを低濃度で精度良く検出できた。
第6の発明の酸素富加機能付き空調システムは、特に、第1もしくは第2の発明で用いる窒素酸化物のガスを検知するガスセンサは、酸化スズを主成分とし少なくとも酸化第ニ鉄を含有する感応材を有するとした。この組成物にすると、自動車の排気ガスに含まれる低濃度の窒素酸化物を精度良く検出することが出来る。
第7の発明の酸素富加機能付き空調システムは、特に、第6の発明で用いる窒素酸化物のガスを検知するガスセンサの感応材は、酸化スズを主成分であり、酸化第ニ鉄が、0.2〜5wt%含有するとした。このことで、一層これらガスを低濃度で精度良く検出できた。
第8の発明の酸素富加機能付き空調システムは、特に、第1もしくは第2の発明で用いる窒素酸化物のガスを検知するガスセンサは、酸化チタンを主成分とし少なくとも酸化バナジウムを含有した感応材を有するとした。この組成物にすると、自動車の排気ガスに含まれる低濃度の窒素酸化物を精度良く検出することが出来る。
第9の発明の酸素富加機能付き空調システムは、特に、第8の発明で用いる窒素酸化物のガスを検知するガスセンサの感応材は、酸化チタンを主成分とし、酸化バナジウムが0.2〜5wt%含有するとした。このことで、一層これらガスを低濃度で精度良く検出できた。
第10の発明の酸素富加機能付き空調システムは、特に、第1もしくは第2の発明で用いる有機性揮発物質ガスを検知するガスセンサは、酸化スズを主成分とし少なくとも酸化亜鉛を含有する感応膜を有するとした。この組成物にすると、自動車の排気ガスに含まれる低濃度の有機性揮発物質ガスを精度良く検出することが出来る。
第11の発明の酸素富加機能付き空調システムは、特に、第10の発明で用いる有機性揮発物質ガスを検知するガスセンサの感応材は、酸化スズを主成分とし、酸化亜鉛が0.1〜5wt%含有するとした。このことで、一層これらガスを低濃度で精度良く検出できた。
第12の発明の酸素富加機能付き空調システムは、特に、第1の発明で用いるガスセンサは、空気導入口に配置されており、その場所は室内空間から0〜2m離れた位置であるとした。この配置にすると、自動車の排気ガスに含まれる炭化水素などの各種ガスを精度良く検出することが出来る。
第13の発明の酸素富加機能付き空調システムは、特に、第3の発明で用いる限界電流式酸素センサの電極は、貴金属と酸化ビスマスの混合物、もしくは、ペロブスカイト型構造の酸化物とその上部に積層した貴金属の積層物を少なくとも含有しているとした。この材料組成の電極とすると、耐久性確保の観点からその動作電圧を高くししかも高温多湿環境下で使用しても、水分の電気分解によって発生する酸素が大幅に低減するため水分の影響を受けにくくなり、検出精度が一層向上する。このため、この高温多湿環境下において限界電流式酸素センサを使用しても、酸素濃度の僅かな減少を一層充分に検出でき、酸素濃度が減少すると直ちに酸素富加装置が作動して、室内空間に高濃度の酸素を供給して酸素濃度を高くできる。そのため、室内空間は、酸素濃度が多くなり健康に良い空気が得られる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1であり、(a)は酸素富加機能付き空調システムの構成図、(b)は半導体方式のガスセンサの構成図を示す。この空調システムは、図1(a)に示すように、人が居住する室内空間5と、室内空間5へ外気空気導入を行なうための空気導入口6と、空気導入口6に設けてその開閉で空気の取り入れが任意に行えるダンパーなどの空気導入手段7と、室内空間5の内部に配置された半導体方式のガスセンサ8と、室内空間5に酸素濃度を高めたガスを供給させる高酸素濃度供給手段9で構成される。一方、半導体方式のガスセンサ8には、ガス検知によりセンサ出力が予め記憶させた閾値を超えたかを判断するガス濃度判断手段10が併設されている。そして、センサ出力が閾値を超えたと判断されると、併設した外気空気導入制御手段11が動作して、ルーバなどの空気導入手段7を動作させて、空気導入口6からの外気空気の導入を停止させる。必要に応じて、ガス濃度判断手段10に高酸素供給制御手段12を併設し、高酸素濃度供給手段9を動作させる指令を発して、室内空間5に高酸素濃度ガスの供給を開始させるようにした。なお、ガスセンサ8は、空気導入口6に配置しても良い。
ガスセンサは、図1(b)に示すように、アルミナなどの耐熱絶縁基板14の表面に、ガスを感受する感応材13とその電気信号を取り出す1対の電極15、16を形成し、耐熱絶縁基板14の裏面には、加熱するためのヒータ17が形成された構成となっている。そして、これらは金網等のケース18に収納されている。ガスを検知する感応材13は、炭化水素もしくは一酸化炭素もしくは有機性揮発物質もしくは窒素酸化物のいずれかのガスを検知する酸化スズ、窒素酸化物のガスを検知する酸化チタン、有機性揮発物質ガスなどの炭化水素を検知する酸化タングステン、硫黄化合物のガスを検知する酸化亜鉛、のいずれかを主成分としている。
図2は、本発明の制御流れ図である。プログラムがスタートし、自動運転が選択された後からの制御流れを説明する。自動運転が選択されると、自動運転に纏わる制御回路に電源が入ってスタンバイ状態となり、ルーバなどの外気空気導入手段7が開いて空気導入口6から外気空気が導入されるとともに、ガスセンサ8が動作を開始する。そして、ガスセンサ8がガスを検知し、ガス濃度判断手段10によってセンサ出力が閾値を超えると判断されると、外気空気導入制御手段11が働いてルーバなどの外気空気導入手段7を流路閉塞するように作動させて、空気導入口6からの外気空気導入を停止させる。また、必要に応じて、高酸素供給制御手段12が働いて高酸素濃度供給手段9によって室内空間5への高酸素濃度ガスの供給が開始される。この外気空気の導入停止と室内空間への高酸素濃度ガス供給は、システム機器の停止信号が有るまで継続して行われ、システム機器の停止信号が有ると機器は停止してプログラムがストップする。一方、プログラムのスタート直後に、自動運転が選択されずに手動運転となった場合、自動運転に纏わる制御回路に電源が入らず、外気空気導入手段7の開閉および外気空気の導入は任意となり、ガスセンサ8は動作しない。そして、高酸素濃度供給手段9の手動による運転スイッチが押された時のみ、室内空間5への高酸素濃度ガスの供給が開始される。
図3は、本発明の効果特性図であり、図3(a)は、センサ出力の過渡特性、図3(b)は酸素濃度の過渡特性、図3(c)はガス濃度の過渡特性である。図3より、時間とともに室内空間のガス濃度が増加してセンサ出力が大きくなり、時間tにおいてセンサ出力が閾値を超えると、室内に高濃度の酸素が供給されるため、室内酸素濃度が徐々に上昇し、この高酸素の供給に伴い室内のガス濃度は徐々に減少してくることがわかる。
図4は、本発明で用いるガスセンサに関する、センサ出力検出回路とその特性図である。図4(a)はガスセンサを動作させそのセンサ出力を検出する回路、図4(b)はガス濃度とセンサ出力の関係を示す特性図、図4(c)は相対湿度とセンサ出力の関係を示す特性図、図4(d)は酸素濃度とセンサ出力の関係を示す特性図である。
図4(a)に示すように、ガスを感受する感応材13は、電極15、16を介して直列に直流電源と数kΩ程度の抵抗を接続して閉回路を構成しており、抵抗の両端電圧を測定することでセンサ出力が得られるようにしている。そのため、ガスを感受する感応材13の抵抗が大きくなるとセンサ出力が小さくなり、逆に、感応材13の抵抗が小さくなるとセンサ出力が大きくなる挙動を示す。そのため、図4(b)に示すように、ガスセンサは、ガス濃度が変化するとセンサ出力も変化するため、センサ出力からガス濃度が判明する。
酸化スズ、酸化チタン、酸化タングステン、酸化亜鉛を主成分とする感応材13を有する半導体方式のガスセンサは、酸素イオンが不足し金属イオンが過剰に存在するn型半導体であり、電子が移動担体となっている。そのため例えば、酸化スズを主成分とする感応材13を用いると、一酸化炭素などの電子供与性ガスが、感応材13に電子を与えて正電荷吸着するため、その濃度が高いと抵抗が減少し、これに伴いセンサ出力が大きくなる挙動を示す。また、酸化タングステンを主成分とする感応材13を用いると、有機性揮発物質ガスなどの炭化水素(所謂、VOCガス)などの電子供与性ガスが、感応材13に電子を与えて正電荷吸着するため、その濃度が高いと抵抗が減少し、これに伴いセンサ出力が大きくなる挙動を示す。一方、酸化チタンを主成分とする感応材13を用いると、窒素酸化物などの電子受容性ガスが、感応材13から電子を奪って負荷吸着するため、その濃度が高いと抵抗が増加し、これに伴いセンサ出力が小さくなる挙動を示す。また、酸化亜鉛を主成分とする感応材13を用いると、硫黄化合物ガスなどの電子受容性ガスが、感応材13から電子を奪って負荷吸着するため、その濃度が高いと抵抗が増加し、これに伴いセンサ出力が小さくなる挙動を示す。このように、ガス濃度とセンサ出力の関係は、ガスの電子供与性や電子受容性と感応材13の材質に応じた特性が得られる。
一方、空気中の水分は、図4(c)に示すように、電子供与性であり感応材13に電子を与えて正電荷吸着し、相対湿度が多いと抵抗が減少してセンサ出力が大きくなり、相対湿度が小さいと抵抗が増大してセンサ出力が小さくなる挙動を示す。また、空気中の酸素は、図4(d) に示すように、電子受容性ガスであり感応材13から電子を奪って負荷吸着するため、酸素濃度が高いと抵抗が増加してセンサ出力が小さくなり、酸素濃度が低いと抵抗が減少してセンサ出力が大きくなる挙動を示す。これらのことより、これら半導体方式のガスセンサは、大気濃度一定下で使用すると水分の影響を受け易く、相対湿度の大小によりセンサ出力が大きく変化して検出精度が悪くなることがわかる。また、酸素濃度が変化すると、センサ出力も変化することもわかる。
本発明の効果確認を行った。効果の確認は、1畳の室内空間5の中央に、酸化スズを主成分とする感応材13を有するガスセンサ8を配置した空調システムで行った。この空調システムの空気導入口6から一酸化炭素を約0.5時間(以下、時間tと称す)流入させて、その濃度が50ppmとなるようにし、この時間tの後は一酸化炭素の流入を停止させ、この一酸化炭素の流入停止状態が1.5時間保持するようにした。一酸化炭素の濃度計測は、ガスセンサ8の横に配置した高精度型の赤外吸収分析計で行った。そして、この分析計で50ppmとなった際のセンサ出力と、予め作成した標準状態におけるガス濃度とセンサ出力の関係式から得られる50ppmでのセンサ出力とを対比させ、両者の誤差をセンサ精度として扱い、効果の大小を判定した。
本発明は、一酸化炭素の濃度が50ppmとなると、空気導入口6からの一酸化炭素の流入を停止すると同時に、高酸素濃度供給手段9から高酸素濃度ガスの供給開始を行う空調システムとしている。室内空間5の中央に配置されたガスセンサ8は、最初の0.5時間は大気酸素濃度20.5〜20.9%の雰囲気に晒されており、その後1.5時間は酸素濃度が大気濃度より徐々に増加して最後は25%になる雰囲気に晒されている。従来例は、一酸化炭素の濃度が50ppmとなると、空気導入手段6からの一酸化炭素の流入を停止させるだけの空調システムである。室内空間5の中央に配置されたガスセンサ8は、2時間とも大気酸素濃度20.5〜20.9%の雰囲気に晒されている。参考例は、酸素ボンベを用いて酸素濃度を常時25%に調整した室内雰囲気において、一酸化炭素の濃度が50ppmとなると、空気導入口6からの一酸化炭素の流入を停止させる空調システムである。これら空調システムの運転は、毎日朝夕1回づつ7日間行い、センサ精度のバラツキを求めた。その結果を(表1)に示す。
Figure 2006145107
本発明は、室内空間の酸素濃度が、全実験時間のうち前半4分の1は大気濃度20.5〜20.9%で、後半4分の3は大気濃度から25%と酸素濃度を増加させた雰囲気で実験を行っている。そのため、ガスセンサ8は分析精度の値が小さく優れた精度でガスの検出が行える。これは、高酸素濃度供給手段9によってガスセンサ7の周囲に存在する酸素濃度を大気より徐々に高めているため、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する度合いが低減し、一酸化炭素を精度良く検知できる利点が得られると思われる。また、室内に残存する一酸化炭素の濃度は、実験終了時は0ppmとなり綺麗な空気が得られている。
従来例は、大気酸素濃度20.5〜20.9%で常時実験を行っているため、ガスセンサ8は分析精度の値が大きく悪い精度でガスの検出を行っている。これは、ガスセンサ8の周囲に存在する酸素濃度を大気とほぼ同じであるため、センサ出力が空気中の水分の影響を受け、一酸化炭素を精度良く検知できないためと思われる。室内に残存する一酸化炭素の濃度は、実験終了時は10ppmであり綺麗な空気が得られていない。
参考例は、室内空間の酸素濃度が常時25%と、ほぼ一定の高酸素濃度雰囲気で実験を行っているため、ガスセンサ8は分析精度の値がやや大きく中程度の精度でガスの検出を行っている。これは、ガスセンサ8の周囲に存在する酸素濃度が大気より高いがその濃度がほぼ同じであるため、センサ出力が空気中の酸素濃度の影響を大きく受け、一酸化炭素を中程度の精度でしか検知できるためと思われる。室内に残存する一酸化炭素の濃度は、実験終了時は0ppmとなり綺麗な空気が得られている。
本発明が一酸化炭素などのガスを精度良く検知できる利点が得られる理由を考察する。例えば、酸化スズを主成分とする感応材を有する半導体方式ガスセンサは、酸素イオンよりも金属イオンが過剰に存在して伝導電子を供給するn型半導体である。大気中において、酸素分子の濃度は、ほとんど同じの20.9%であり、空気中の酸素分子は、感応材の表面に負電荷として吸着している。一方、空気中の水分子は、感応材の表面に正電荷として吸着し、その量が多いほど感応材の抵抗を減少させ、これにともないセンサ出力は増加する。しかしながら、水分は、時刻ごとに大きく変化し、晴天時と雨天時はでは最大0.3%も濃度が変化する。このため、感応材の抵抗は、水分の影響を大きく受け、水分子の多い雨の時は、感応材は吸着した水分子より多くの電子をもらって電気抵抗が減少し、逆に、水分子の少ない晴れた時は、感応材は吸着水分子が少ないので電気抵抗が増加する。酸素分子は、感応材の表面に負電荷として吸着する性質が有るため、酸素濃度を徐々に高めると、感応材の表面に正電荷として予め吸着していた水分を電気的に中和して、感応材の電気抵抗を本来の値に戻す作用を示す。そのため、本発明は、一酸化炭素などのガスを精度良く検知できる利点が得られると思われる。
このように、本発明の酸素富加機能付き空調システムを使用すると、ガスセンサ8の周囲に存在する酸素濃度が徐々に高まり、感応材の表面に正電荷として予め吸着していた水分を、負電荷を持つ高濃度の供給酸素分子が電気的に中和して、感応材の電気抵抗を本来の値に戻す効果が生じる。その結果、ガスセンサ8は、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する度合いが低減し、一酸化炭素などのガスを精度良く検知できる利点が得られると思われる。一方、従来例のように高酸素濃度供給手段9が無いと、感応材の表面に正電荷として吸着する水分を、電気的に中和する高濃度の酸素分子の供給が無いため、感応材の抵抗は、吸着する水分の量の影響を大きく受けて、センサ精度が大きく変化する課題があった。また、参考例のように、連続して高濃度の酸素分子の供給を行なうと、感応材の表面は酸素分子が多量吸着して負の電荷を多量に帯びた状態となり、この高濃度の影響により、正電荷を持つ一酸化炭素などの検知対象ガスが感応材の表面に吸着しにくくなって、これらガスを精度良く検知できない。これらのことより、一酸化炭素などのガスを精度良く検知させるには、酸素濃度を間欠的に高める本方式は優れた方式であることがわかる。
なお、本発明の効果確認は、酸化スズを主成分とする感応材13の半導体方式ガスセンサ8を用い、ガスとして一酸化炭素を流入した系で行ったが、酸化チタンや酸化タングステンさらに酸化亜鉛を主成分とする感応材13の半導体方式ガスセンサ8を用いて、炭化水素、窒素酸化物、硫黄化合物、揮発性有機物質のガスを流入した系でも、同様な効果が得られることは言うまでもない。
高酸素濃度供給手段9として酸素富加膜方式を使用した装置を説明する。装置本体は、空気吸入部に設けて空気中の塵埃や窒素酸化物さらに硫黄化合物などを除去するフィルターと、その下流側に設けた酸素濃度を高める酸素富加膜ユニットと、さらに下流側に設けた空気流れを発生させる搬送手段とで、構成される。酸素富加膜ユニットは、有機シリコーンなどの高分子の平膜より構成され、膜を通過する分子の溶解速度の差を利用するもので有る。空気内部の窒素に比べ酸素をよく通すため、比較的酸素濃度が高い酸素富加空気が得られ、通常の空気において酸素濃度は約21%(窒素約79%)であるが、この高分子膜を使用すると通過後の酸素濃度が約30%(窒素約70%)となる。搬送手段は、空気を多量に吸引して酸素富加空気を大風量で吐出する高圧力ダイヤフラム式のポンプ部と、これを制御して運転状態や回転数を変更できるインバータモータ搭載の電動機部で構成されている。なお、高圧力ダイヤフラム式のポンプ部は、減圧真空ポンプを使用しても良い。
高酸素濃度供給手段9として酸素ポンピング方法を使用した装置を説明する。装置は、安定化ジルコニアやペロブスカイト型金属酸化物などの酸素イオン導電性固体電解質体の両面に、白金やニッケルなどの金属やペロブスカイト構造の酸素イオン導電性金属酸化物からなる電極を形成したものであり、併設した加熱用ヒータで600〜700℃に加熱して使用する。そして、両側の電極に直流1V前後の電圧を印加することで、酸素分子が陰極側電極から酸素イオン導電性固体電解質体に酸素イオンとして進入して移動し、陽極側電極で再び酸素分子となって放出することで、酸素が移動する原理である。このため、陰極側電極を室内空間5とは反対側に配置し、陽極側電極を室内空間5の側に配置することで、室内空間5に高濃度の酸素が供給される。
高酸素濃度供給手段9は、ゼオライトを使用した圧力スイング吸着方式を用いても良い。
ガスセンサは、空気導入口に配置されており、その場所は室内空間から多くても2m離れた位置である。
高酸素濃度供給手段9の方式の最適化をおこなった。その結果、高酸素濃度供給手段9が酸素富加膜方式もしくは酸素イオンポンピング方法であるとすると、ガスセンサ8は、空気中の水分の影響が一層受けにくくなり、炭化水素などのガスを低濃度まで精度良く検知できた。これは、この高酸素濃度供給方式は、ガスセンサ8の感応材13に吸着した正電荷の水分を電気的に充分に中和できる、酸素分子が充分に供給出来るためと思われる。一方、ゼオライトを使用した圧力スイング吸着方式で高濃度酸素を供給すると、水分の影響を幾分か受けて低濃度ガスの検知精度が幾分低下した。これは、この高酸素濃度供給方式は、ガスセンサ8の感応材に吸着した正電荷の水分を電気的に充分に中和することができる、酸素分子が充分に供給できにくいためと思われる。
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2の構成図であり、実施の形態1との相違点のみ説明する。酸素富加機能付き空調システムは、室内空間5に空気浄化を行なう空気浄化手段19が配置されており、ガスセンサ8が室内空間5に滞留するガスの濃度増加を検知し、ガス濃度判断手段10がガスセンサ8のセンサ出力が閾値を超えたと判断すると、空気浄化制御手段20が空気浄化手段19での空気浄化を指令する。また、高酸素供給制御手段12が高酸素濃度供給手段9による室内空間5への高酸素濃度空気の供給を指令する。空気浄化手段19は、空気中の埃や有害悪臭ガスを浄化する機器もしくは材料と、これら機器や材料に空気を送る送風器で、主に構成される。埃やタバコの煙などを除去する電気集塵器や除塵フィルター、炭化水素や一酸化炭素さらに窒素酸化物そして硫黄化合物などのガス成分を除去する触媒や浄化材が、それぞれの用途に応じて最適な組成と構成で使用される。これら機器や材料を通過させることで、室内空間5の空気浄化が行なわる。
図6はその制御流れ図であり、実施の形態1との相違点のみ説明する。プログラムがスタートし、自動運転が選択された後からの制御流れを説明する。自動運転が選択されると、自動運転に纏わる制御回路に電源が入ってスタンバイ状態となり、ガスセンサ8が動作を開始する。そして、ガスセンサ8がガスを検知し、ガス濃度判断手段10によってセンサ出力が閾値を超えると判断されると、空気浄化制御手段20が作動して、空気中の埃や有害悪臭ガスを浄化し始める。また、必要に応じて、高酸素供給制御手段12が働いて高酸素濃度供給手段9によって室内空間5への高酸素濃度ガスの供給が開始される。この外気空気の導入停止と室内空間への高酸素濃度ガス供給は、システム機器の停止信号が有るまで継続して行われ、システム機器の停止信号が有ると機器は停止してプログラムがストップする。一方、プログラムのスタート直後に、自動運転が選択されずに手動運転となった場合、自動運転に纏わる制御回路に電源が入らず、空気浄化制御手段20の動作は任意となり、ガスセンサ8は動作しない。そして、高酸素濃度供給手段9の手動による運転スイッチが押された時のみ、室内空間5への高酸素濃度ガスの供給が開始される。また、空気浄化制御手段20の手動による運転スイッチが押された時のみ、室内空間5の空気浄化が開始される。
図7は、本発明の実施の形態2の効果特性図であり、図7(a)は、センサ出力の過渡特性、図7(b)は酸素濃度の過渡特性、図7(c)はガス濃度の過渡特性である。図7より、時間とともに室内空間のガス濃度が増加してセンサ出力が大きくなり、時間tでセンサ出力が閾値を超えると、空気浄化手段12が動作して空気浄化されると同時に、高酸素濃度供給手段9が動作して室内空間に高濃度の酸素が供給される。同時にすると、室内のガス濃度が徐々に減少してくるとともに、室内空間に高濃度の酸素が供給されて室内酸素濃度が徐々に上昇することがわかる。
本発明の効果確認を行った。効果の確認は、1畳の室内空間5の中央に、酸化スズを主成分とする感応材13を有するガスセンサ8を配置した空調システムで行った。この空調システムの中央に外部から一酸化炭素を約0.5時間(以下、時間tと称す)流入させてその濃度が50ppmとし、この時間tの後は一酸化炭素の流入を停止させ、この一酸化炭素の流入停止状態が1.5時間保持するようにした。一酸化炭素の濃度計測は、ガスセンサ8の横に配置した高精度型の赤外吸収分析計で行った。そして、この分析計で50ppmとなった際のセンサ出力と、予め作成した標準状態におけるガス濃度とセンサ出力の関係式から得られる50ppmでのセンサ出力とを対比させ、両者の誤差をセンサ精度として扱い、効果の大小を判定した。
本発明は、一酸化炭素の濃度が50ppmとなると、450℃に加熱した白金触媒を内部に充填した空気浄化手段19を作動させ、室内空間5の一酸化炭素を白金触媒で二酸化炭素に酸素して浄化低減させ始めた。これと同時に、高酸素濃度供給手段9を作動させ、室内に高酸素濃度空気の供給を開始し始めた。室内空間5の中央に配置されたガスセンサ8は、最初の0.5時間は大気酸素濃度20.5〜20.9%の雰囲気に晒されており、その後1.5時間は酸素濃度が大気濃度より徐々に増加して最後は25%になる雰囲気に晒されている。従来例は、一酸化炭素の濃度が50ppmとなると、空気浄化手段19を作動させるだけの空調システムであるため、ガスセンサ8は、2時間とも大気酸素濃度20.5〜20.9%の雰囲気に晒される。参考例は、酸素ボンベを用いて酸素濃度を常時25%に調整した室内雰囲気において、一酸化炭素の濃度が50ppmとなると、空気浄化手段19を作動させるだけの空調システムである。これら空調システムの運転は、毎日朝夕1回づつ7日間行い、センサ精度のバラツキを求めた。
その結果を(表2)に示す。
Figure 2006145107
本発明は、室内空間の酸素濃度が、全実験時間のうち前半4分の1は大気濃度20.5〜20.9%で、後半4分の3は大気濃度から25%と酸素濃度を増加させた雰囲気で実験を行っている。そのため、ガスセンサ8は分析精度の値が小さく優れた精度でガスの検出が行える。これは、高酸素濃度供給手段9によってガスセンサ7の周囲に存在する酸素濃度を大気より徐々に高めているため、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する度合いが低減し、一酸化炭素を精度良く検知できる利点が得られると思われる。また、室内に残存する一酸化炭素の濃度は実験終了時は0ppmとなり、綺麗な空気が得られている。
従来例は、大気酸素濃度20.5〜20.9%で常時実験を行っているため、ガスセンサ8は分析精度の値が大きく悪い精度でガスの検出を行っている。これは、ガスセンサ8の周囲に存在する酸素濃度を大気とほぼ同じであるため、センサ出力が空気中の水分の影響を受け、一酸化炭素を精度良く検知できないためと思われる。室内に残存する一酸化炭素の濃度は実験終了時は10ppmであり、綺麗な空気が得られていない。
参考例は、室内空間の酸素濃度が常時25%と、ほぼ一定の高酸素濃度雰囲気で実験を行っているため、ガスセンサ8は分析精度の値がやや大きく中程度の精度でガスの検出を行っている。これは、ガスセンサ8の周囲に存在する酸素濃度が大気より高いがその濃度がほぼ同じであるため、センサ出力が空気中の酸素濃度の影響を大きく受け、一酸化炭素を中程度の精度でしか検知できるためと思われる。室内に残存する一酸化炭素の濃度は実験終了時は0ppmとなり、綺麗な空気が得られている。
このように、本発明の酸素富加機能付き空調システムを使用すると、ガスセンサ8の周囲に存在する酸素濃度が徐々に高まり、感応材の表面に正電荷として予め吸着していた水分を、負電荷を持つ高濃度の供給酸素分子が電気的に中和して、感応材の電気抵抗を本来の値に戻す効果が生じる。その結果、ガスセンサ8は、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する度合いが低減し、一酸化炭素などのガスを精度良く検知できる利点が得られると思われる。一方、従来例のように高酸素濃度供給手段9が無いと、感応材の表面に正電荷として吸着する水分を、電気的に中和する高濃度の酸素分子の供給が無いため、感応材の抵抗は、吸着する水分の量の影響を大きく受けて、センサ出力が大きく変化する課題があった。また、参考例のように、連続して高濃度の酸素分子の供給を行なうと、感応材の表面は酸素分子が多量吸着して負の電荷を多量に帯びた状態となり、この高濃度の影響により、正電荷を持つ一酸化炭素などの検知対象ガスが感応材の表面に吸着しにくくなって、これらガスを精度良く検知できない課題があった。これらのことより、一酸化炭素などのガスを精度良く検知させるには、酸素濃度を間欠的に高める本方式は優れた方式であることがわかる。
なお、本発明の効果確認は、酸化スズを主成分とする感応材13の半導体方式ガスセンサ8を用い、ガスとして一酸化炭素を流入した系で行ったが、酸化チタンや酸化タングステンさらに酸化亜鉛を主成分とする感応材13の半導体方式ガスセンサ8を用いて、炭化水素、窒素酸化物、硫黄化合物、揮発性有機物質のガスを流入した系でも、同様な効果が得られることは言うまでもない。
半導体方式のガスセンサ8は、一般空気内部で使用すると空気中の水分の影響を受けやすく、相対湿度の大小によりセンサ出力が大きく変化して検出精度が悪くなる性質が有る。しかしながら、本発明の様に、高酸素濃度供給手段9によってガスセンサ8の周囲に存在する酸素濃度を高めると、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する度合いが低減し、炭化水素などのガスを精度良く検知できる利点が得られる。また、ガスセンサ8が、炭化水素などのガスを検知しそのセンサ出力が予め記憶させた閾値を超えるということは、外気空気にこれらガスが多く存在し、これにともない室内空間もこれらガスが多く存在することを意味する。本発明は、この様な場合には自動的に、空気浄化手段19が空気浄化を開始するとともに、高酸素濃度供給手段9が稼動して室内空間に高濃度の酸素を供給する。そのため、室内空間は、酸素濃度が高くなるとともに、これらガスが浄化されてその濃度が減少し、綺麗な空気が得られる。
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3であり、(a)は酸素富加機能付き空調システムの構成図、(b)は限界電流式酸素センサの構成図を示す。酸素富加機能付き空調システムは、図8(a)で示すように、特定材料の電極を使用した限界電流式酸素センサ21と、酸素濃度を高めた空気を供給する高酸素濃度供給手段9が、室内空間5に配置された構成である。高酸素濃度供給手段9は、酸素富加膜方式、酸素ポンピング方式、ゼオライトを使用した圧力スイング吸着方式のいずれかで有る。
限界電流式酸素センサ21は、図8(b)で示すように、酸素イオン導電性固体電解質22と、その両側に形成された一対の電極23、24と、電極23の片側に配置された拡散抵抗体25の中に酸素拡散孔26を有する構造であり、電極23、14は、ペロブスカイト型構造または酸素イオン導電性のいずれかである金属酸化物27と、貴金属28を少なくとも含む。拡散抵抗体25は、シール板29と、硝子製の接合材30とで構成されており、接合材30を酸素イオン導電性固体電解質22の上で螺旋型に形成し、その上にシール板29を積層している。接合材30を螺旋型形状とすることで、螺旋型構造の酸素拡散孔26が形成される。シール板29には、ヒータ(記載せず)が形成されており、限界電流式酸素センサの加熱に使用される。
電極23、24には、ペロブスカイト型構造または酸素イオン導電性のいずれかを有する金属酸化物27と、貴金属28が少なくとも存在する。ペロブスカイト型構造の金属酸化物は、ABO(A、B:金属元素)で表示される構造体であり、LaGaO 、(La0.8Sr0.2)(Ga0.8Mg0.15 Co0.05)O3−δ 、(BaSryLa0.5In5+δ 、(Ba、Sr、La)(In1−X、(La、Sr)CoO3−δ、La1−XMnO3±δなどである。酸素イオン導電性の金属酸化物は、ジルコニア(ZrO)にイットリア(Y)や酸化カルシウム(CaO)などの添加剤を少量混合して酸素イオン導電性を付与した安定化ジルコニアまたは部分安定化ジルコニア、酸化ビスマス(Bi)単独もしくはイットリア(Y)などの添加剤を少量混合した酸化ビスマス系酸化物、稀土類元素をドープしたセリア(Ce1−x2―d、R:稀土類元素)系酸化物、LaZrやGdZrやGd(Zr0.3Ti0.69Ta0.01などのパイロクロア構造型酸化物である。貴金属28は、白金、金、パラジウム、銀である。
本発明は、電極23、24として、ペロブスカイト型構造または酸素イオン導電性のいずれかである金属酸化物27と、貴金属28を少なくとも含む材料の限界電流式酸素センサ21を使用している。これら材料を使用した電極の限界電流式酸素センサは、酸素濃度を高めた高温多湿環境の室内空間5で使用しても、水分の影響を受けることなく精度良く酸素濃度の計測ができる利点が有る。この理由を説明する。限界電流式酸素センサ21は、電極23、24に直流電圧を印加した際に流れる電流をセンサ出力として検出する方式のガスセンサであり、流れる電流が酸素拡散孔26によって制限されるため、酸素濃度と電流が概略比例する性質が有る。しかしながら、高酸素濃度供給手段9の存在しない調理場などの高温多湿環境の室内空間5で、限界電流式酸素センサ21を使用すると、空気に含まれる水分が電極23、24の表面で酸素と水素に電気分解し、分解生成した酸素までを同時に検出してしまうため、検出精度が悪い課題が有った。本発明のように、高酸素濃度供給手段9で酸素濃度を高めた室内空間5で、ペロブスカイト型構造または酸素イオン導電性のいずれかである金属酸化物27と貴金属28が存在する電極23、24を有する限界電流式酸素センサ21を使用すると、水分の電気分解が起こりにくくなるため生成した酸素が検出しにくくなる効果が生じる。これは、室内空間5に存在する高酸素濃度供給手段9からの高濃度酸素と、この材料の電極23、24との相乗効果によるものである。
本発明の効果確認を行った。効果の確認は、40℃で相対湿度80%に調整した1畳の室内空間5の中央に、前述の特定材料の電極23、24を有する限界電流式酸素センサ21を配置した空調システムで行った。この空調システムに酸素ガスを徐々に流入させ、水分の影響を受けない他方式である磁気式の酸素分析計で酸素濃度を分析して、酸素濃度とセンサ出力の関係式を求めた。そして、予め作成した除湿環境(25℃、相対湿度0%)における酸素濃度とセンサ出力の関係式から得られるセンサ出力とを対比させ、両者の誤差をセンサ精度として扱い、効果の大小を判定した。その結果を(表3)に示す。
Figure 2006145107
本発明は、室内空間の酸素濃度が、最初は大気濃度20.9%で最後は25%と、酸素濃度を徐々に増加させた雰囲気で実験を行っている。前述の特定材料の電極23、24を有する限界電流式酸素センサ21は、分析精度の値が小さく優れた精度で酸素濃度の検出が行なえることがわかる。これは、高酸素濃度供給手段9によってガスセンサ7の周囲に存在する酸素濃度を大気より徐々に高めているため、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する度合いが低減し、酸素濃度を精度良く検知できる利点が得られると思われる。
従来例は、室内空間の酸素濃度が、全実験時間とも大気濃度20.9%で常時実験を行っている。前述の特定材料の電極23、24を有する限界電流式酸素センサ21は、分析精度の値が大きく悪い精度でガスの検出を行っている。これは、限界電流式酸素センサ21の周囲に存在する酸素濃度を大気とほぼ同じであるため、センサ出力が空気中の水分の影響を受け、酸素濃度を精度良く検知できなかった。
参考例は、室内空間の酸素濃度が、最初は大気濃度20.9%で最後は25%と、酸素濃度を徐々に増加させた雰囲気で実験を行っている。貴金属である白金だけを使用した電極を有する限界電流式酸素センサ21は、分析精度の値がやや大きく中程度の精度でガスの検出を行っている。これは、限界電流式酸素センサ21の周囲に存在する酸素濃度が大気より高いがその濃度がほぼ同じであるため、センサ出力が空気中の酸素濃度の影響を大きく受け、中程度の精度でしか検知できなかった。
(実施の形態4)
実施の形態4は、実施の形態1および2で用いる炭化水素や一酸化炭素のガスを検知するガスセンサ8の、酸化スズ系の感応材13の材料組成について検討したものである。酸化スズを主成分とし少なくとも酸化バナジウムとパラジウムを含有した感応材13とすると、炭化水素や一酸化炭素のガスを検知できるガスセンサ8となり、酸素富加機能付きの空調システムに応用すると、ガスセンサ8の周囲に存在する酸素濃度が徐々に高まり、炭化水素や一酸化炭素のガスを精度良く検知できる利点が生じる。これは、この材料組成の感応材13とすると、感応材13の表面に正電荷として予め吸着していた空気中の水分を、負電荷を持つ高濃度の供給酸素分子が効果的に中和して、感応材13の電気抵抗を本来の値に戻す効果が強烈に生じるためである。このため、ガスセンサ8は、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する度合いが一層低減し、これらガスを精度良く検知できる。
(実施の形態5)
実施の形態5は、実施の形態4で検討した酸化スズを主成分とし少なくとも酸化バナジウムとパラジウムを含有した感応材13の材料組成について詳細に検討したものである。効果の判定は、1畳の室内空間5の中央に、この材料組成の感応材13を有するガスセンサ8を配置した図1記載の空調システムで行った。この空調システムの空気導入口6から一酸化炭素を約0.5時間流入させてその濃度が50ppmとなるようにし、その後は一酸化炭素の流入を停止させその後は高酸素濃度を供給した。この一酸化炭素の流入停止状態と高酸素濃度の供給が1.5時間保持するようにした。一酸化炭素の濃度計測は、ガスセンサ8の横に配置した高精度型の赤外吸収分析計で行った。そして、この分析計で50ppmとなった際のセンサ出力と、予め作成した標準状態におけるガス濃度とセンサ出力の関係式から得られる50ppmでのセンサ出力とを対比させ、両者の誤差をセンサ精度として扱い、効果の大小を判定した。その検討結果を図9に示す。
この検討結果は、上記の試験を7回繰り返した際の結果となる。
図9に記載したように、酸化スズを主成分として、酸化バナジウムが0.2〜5wt%と、パラジウムが0.05〜4wt%含有するようにすると、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する度合いが一層低減し、一酸化炭素のガスを精度良く検知できることがわかる。これは、この組成系が一酸化炭素の検出に最も有効であるためであり、この組成系より酸化バナジウムやパラジウムの量が少ないと低濃度検出に難が生じ、逆に量が多いとセンサ内部抵抗が大きくなって外乱ノイズの影響を受けガスの検出に難が生じたためと思われる。
(実施の形態6)
実施の形態6は、実施の形態1および2で用いる窒素酸化物のガスを検知するガスセンサ8の、酸化スズ系の感応材13の材料組成について検討したものである。酸化スズを主成分とし少なくとも酸化第ニ鉄を含有した感応材13とすると、窒素酸化物のガスを検知できるガスセンサ8となり、酸素富加機能付きの空調システムに応用すると、ガスセンサ8の周囲に存在する酸素濃度が徐々に高まり、窒素酸化物のガスを精度良く検知できる利点が生じる。これは、この材料組成の感応材13とすると、感応材13の表面に正電荷として予め吸着していた空気中の水分を、負電荷を持つ高濃度の供給酸素分子が効果的に中和して、感応材13の電気抵抗を本来の値に戻す効果が強烈に生じるためである。このため、ガスセンサ8は、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する度合いが一層低減し、窒素酸化物のガスを精度良く検知できる。
(実施の形態7)
実施の形態7は、実施の形態7で検討した酸化スズを主成分とし少なくとも酸化第ニ鉄を含有した感応材13の材料組成について詳細に検討したものである。効果の判定は、1畳の室内空間5の中央に、この材料組成の感応材13を有するガスセンサ8を配置した図1記載の空調システムで行った。この空調システムの空気導入口6から窒素酸化物を約0.5時間流入させてその濃度が1ppmとなるようにし、その後は窒素酸化物の流入を停止させその後は高酸素濃度を供給した。この窒素酸化物の流入停止状態と高酸素濃度の供給が1.5時間保持するようにした。窒素酸化物の濃度計測は、ガスセンサ8の横に配置した高精度型の化学発光式分析計で行った。そして、この分析計で1ppmとなった際のセンサ出力と、予め作成した標準状態におけるガス濃度とセンサ出力の関係式から得られる1ppmでのセンサ出力とを対比させ、両者の誤差をセンサ精度として扱い、効果の大小を判定した。その検討結果を図10に示す。
この検討結果は、上記の試験を7回繰り返した際の結果となる。
図10に記載したように、感応材は、酸化スズを主成分であり、酸化第ニ鉄が、0.2〜5wt%含有するようにすると、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する度合いが一層低減し、窒素酸化物のガスを精度良く検知できることがわかる。これは、この組成系が窒素酸化物の検出に最も有効であるためであり、この組成系より酸化第ニ鉄の量が少ないと低濃度検出に難が生じ、逆に量が多いとセンサ内部抵抗が大きくなって外乱ノイズの影響を受けガスの検出に難が生じたためと思われる。
(実施の形態8)
実施の形態8は、実施の形態1および2で用いる窒素酸化物のガスを検知するガスセンサ8の、酸化チタン系の感応材13の材料組成について検討したものである。酸化チタンを主成分とし少なくとも酸化バナジウムを含有した感応材13とすると、窒素酸化物のガスを検知できるガスセンサ8となり、酸素富加機能付きの空調システムに応用すると、ガスセンサ8の周囲に存在する酸素濃度が徐々に高まり、窒素酸化物のガスを精度良く検知できる利点が生じる。これは、この材料組成の感応材13とすると、感応材13の表面に正電荷として予め吸着していた空気中の水分を、負電荷を持つ高濃度の供給酸素分子が効果的に中和して、感応材13の電気抵抗を本来の値に戻す効果が強烈に生じるためである。このため、ガスセンサ8は、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する度合いが一層低減し、窒素酸化物のガスを精度良く検知できる。
(実施の形態9)
実施の形態9は、実施の形態8で検討した酸化チタンを主成分とし少なくとも酸化バナジウムを含有した感応材13の材料組成について詳細に検討したものである。効果の判定は、1畳の室内空間5の中央に、この材料組成の感応材13を有するガスセンサ8を配置した図1記載の空調システムで行った。この空調システムの空気導入口6から窒素酸化物を約0.5時間流入させてその濃度が1ppmとなるようにし、その後は窒素酸化物の流入を停止させその後は高酸素濃度を供給した。この窒素酸化物の流入停止状態と高酸素濃度の供給が1.5時間保持するようにした。窒素酸化物の濃度計測は、ガスセンサ8の横に配置した高精度型の化学発光式分析計で行った。そして、この分析計で1ppmとなった際のセンサ出力と、予め作成した標準状態におけるガス濃度とセンサ出力の関係式から得られる1ppmでのセンサ出力とを対比させ、両者の誤差をセンサ精度として扱い、効果の大小を判定した。その検討結果を図11に示す。
この検討結果は、上記の試験を7回繰り返した際の結果となる。
図11に記載したように、感応材は、酸化チタンを主成分とし、酸化バナジウムが0.2〜5wt%含有するようにすると、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する度合いが一層低減し、窒素酸化物のガスを精度良く検知できることがわかる。これは、この組成系が窒素酸化物の検出に最も有効であるためであり、この組成系より酸化バナジウムの量が少ないと低濃度検出に難が生じ、逆に量が多いとセンサ内部抵抗が大きくなって外乱ノイズの影響を受けガスの検出に難が生じたためと思われる。
(実施の形態10)
実施の形態10は、実施の形態1および2で用いる有機性揮発物質ガスを検知するガスセンサ8の、酸化錫系の感応材13の材料組成について検討したものである。酸化スズを主成分とし少なくとも酸化亜鉛を含有する感応材13とすると、有機性揮発物質ガスを検知できるガスセンサ8となり、酸素富加機能付きの空調システムに応用すると、ガスセンサ8の周囲に存在する酸素濃度が徐々に高まり、有機性揮発物質ガスを精度良く検知できる利点が生じる。これは、この材料組成の感応材13とすると、感応材13の表面に正電荷として予め吸着していた空気中の水分を、負電荷を持つ高濃度の供給酸素分子が効果的に中和して、感応材13の電気抵抗を本来の値に戻す効果が強烈に生じるためである。このため、ガスセンサ8は、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する度合いが一層低減し、有機性揮発物質ガスを精度良く検知できる。
(実施の形態11)
実施の形態11は、実施の形態10で検討した酸化スズを主成分とし少なくとも酸化亜鉛を含有する感応膜16の材料組成について詳細に検討したものである。効果の判定は、1畳の室内空間5の中央に、この材料組成の感応材13を有するガスセンサ8を配置した空調システムで行った。この空調システムの空気導入口6から有機性揮発物質ガスを約0.5時間流入させてその濃度が10ppmとなるようにし、その後は有機性揮発物質ガスの流入を停止させその後は高酸素濃度を供給した。この有機性揮発物質ガスの流入停止状態と高酸素濃度の供給が1.5時間保持するようにした。有機性揮発物質ガスの濃度計測は、ガスセンサ8の横に配置した高精度型の分析計で行った。そして、この分析計で10ppmとなった際のセンサ出力と、予め作成した標準状態におけるガス濃度とセンサ出力の関係式から得られる10ppmでのセンサ出力とを対比させ、両者の誤差をセンサ精度として扱い、効果の大小を判定した。その検討結果を図12に示す。
この検討結果は、上記の試験を7回繰り返した際の結果となる。
図12に記載したように、感応材は、酸化スズを主成分とし、酸化亜鉛が0.1〜5wt%含有するようにすると、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する度合いが一層低減し、有機性揮発物質ガスを精度良く検知できることがわかる。これは、この組成系が有機性揮発物質ガスの検出に最も有効であるためであり、この組成系より亜鉛の量が少ないと低濃度検出に難が生じ、逆に量が多いとセンサ内部抵抗が大きくなって外乱ノイズの影響を受けガスの検出に難が生じたためと思われる。
(実施の形態12)
実施の形態12は、実施の形態1および2で検討したガスセンサ8の、空気導入口6における配置場所の最適化検討を行なった。
効果の判定は、1畳の室内空間5の側面からせり出している空気導入口6に、酸化スズ系の感応材13を有するガスセンサ8を配置した図1記載の空調システムで行った。この空調システムの空気導入口6から一酸化炭素のガスを約0.5時間流入させて濃度が50ppmとなるようにし、その後は一酸化炭素ガスの流入を停止させその後は高酸素濃度を供給した。この一酸化炭素ガスの流入停止状態と高酸素濃度の供給が1.5時間保持するようにした。一酸化炭素ガスの濃度計測は、ガスセンサ8の横に配置した高精度型の分析計で行った。そして、この分析計で50ppmとなった際のセンサ出力と、予め作成した標準状態におけるガス濃度とセンサ出力の関係式から得られる50ppmでのセンサ出力とを対比させ、両者の誤差をセンサ精度として扱い、効果の大小を判定した。その検討結果を図13に示す。
図13に記載したように、ガスセンサ8が空気導入口に配置されており、その場所は室内空間から多くても2m離れた位置であると、センサ出力が空気中の水分の影響によって変化する度合いが一層低減し、一酸化炭素ガスを精度良く検知できることがわかる。これは、ガスセンサ8を室内空間5に隣接した距離2m以下に配置することで人の呼吸する息などに含まれる多量の水分の影響を受けにくくしたことと、高酸素濃度供給方式から供給させる酸素分子が充分に供給出来るため、ガスセンサ8の感応材に吸着した正電荷の水分を電気的に充分に中和できるためと思われる。一方、ガスセンサ8を室内空間から2m以上離れた位置に配置すると、高酸素濃度供給方式からの酸素分子が充分に供給できないため、外気に混入されている水分の影響を大いに受けて、低濃度ガスの検知精度が低下した。
(実施の形態13)
実施の形態13は、実施の形態3で検討した限界電流式酸素センサの電極の最適化検討を行なった。その結果を前述の(表3)に示す。限界電流式酸素センサの電極は、貴金属と酸化ビスマスの混合物、または、ペロブスカイト型構造の複合酸化物とその上部に積層した貴金属の積層物とすると、耐久性確保の観点からその動作電圧を高くししかも高温多湿環境下で使用しても、水分の電気分解によって発生する酸素が大幅に低減するため水分の影響を受けにくくなり、検出精度が一層向上した。この材料の中で特に、主成分である白金に酸素イオン導電性である酸化ビスマスを1〜5wt%混合した電極は、450℃という低温で動作できる利点が有るため、水分の電気分解によって発生する酸素が大幅に低減して水分の影響を受けにくく、検出精度が一層向上した。また、コバルト系のペロブスカイト型構造複合酸化物を下層としその上層に金を積層した電極は、500℃という低温で動作できる利点が有り、特に、上層の電極を白金もしくは金に酸素イオン導電性である酸化ビスマスを1〜7wt%混合した電極にすると400℃というさらに低温で動作できる利点が有るため、水分の電気分解によって発生する酸素が大幅に低減して水分の影響を受けにくく、検出精度が一層向上した。このため、この高温多湿環境下において限界電流式酸素センサを使用しても、酸素濃度の僅かな減少を一層充分に検出でき、酸素濃度が減少すると直ちに酸素富加装置が作動して、室内空間に高濃度の酸素を供給して酸素濃度を高くできる。そのため、室内空間は、酸素濃度が多くなり健康に良い空気が得られる。
以上の様に、本発明は、人が乗席する車両や居住する建物の室内空間に、酸素濃度を高めて爽快感を向上させた綺麗な空気を供給するので、自動車や建物の空調システムに応用ができる。
(a)本発明の実施の形態1である酸素富加機能付き空調システムの構成図(b)同空調システムに用いるガスセンサの構成図 同空調システムの制御流れ図 (a)同空調システムに用いるガスセンサのセンサ出力の過渡特性図(b)同空調システムにおける酸素濃度の過渡特性図(c)同空調システムにおけるガス濃度の過渡特性図 (a)同空調システムに用いるガスセンサのセンサ出力を検出する回路図(b)同空調システムに用いるガスセンサのガス濃度とセンサ出力の特性図(c)同空調システムに用いるガスセンサの相対湿度とセンサ出力の特性図(d)同空調システムに用いるガスセンサの酸素濃度とセンサ出力の特性図 本発明の実施の形態2である酸素富加機能付き空調システムの構成図 同空調システムの制御流れ図 (a)同空調システムに用いるガスセンサのセンサ出力の過渡特性図(b)同空調システムにおける酸素濃度の過渡特性図(c)同空調システムにおけるガス濃度の過渡特性図 (a)本発明の実施の形態3である酸素富加機能付き空調システムの構成図(b)同空調システムに用いる限界電流式酸素センサの構成図 (a)本発明の実施の形態5に用いるガスセンサの酸化バナジウム組成と精度に関する特性図(b)同ガスセンサのパラジウム組成と精度に関する特性図 本発明の実施の形態7に用いるガスセンサの組成に関する特性図 本発明の実施の形態9に用いるガスセンサの組成に関する特性図 本発明の実施の形態11に用いるガスセンサの組成に関する特性図 本発明の実施の形態12に用いるガスセンサの配置場所に関する特性図 従来の酸素富加機能付き車両の構成図
符号の説明
5 室内空間
6 空気導入口
7 外気空気導入手段
8 ガスセンサ
9 高酸素濃度供給手段
10 ガス濃度判断手段
11 外気空気導入制御手段
12 高酸素供給制御手段
13 感応材
19 空気浄化手段
20 空気浄化制御手段
21 限界電流式酸素センサ
22 酸素イオン導電性固体電解質
23、24 電極
25 拡散抵抗体
26 酸素拡散孔
27 金属酸化物
28 貴金属

Claims (13)

  1. 室内空間へ外気空気の導入を行なう空気導入口と、前記空気導入口の開閉を行う空気導入手段と、前記室内空間の内部または前記空気導入口に配置された半導体方式のガスセンサと、前記ガスセンサに接続されガス検知によるセンサ出力が予め記憶させた閾値を超えたかを判断するガス濃度判断手段と、センサ出力が閾値を超えたと判断されると、前記空気導入手段からの外気導入を停止する外気導入制御手段と、前記室内空間に酸素濃度を高めた空気を供給する高酸素濃度供給手段と、前記高酸素濃度供給手段からの高酸素濃度ガスの供給開始を指令する高酸素供給制御手段を有し、前記ガスセンサは、炭化水素もしくは一酸化炭素もしくは有機性揮発物質もしくは窒素酸化物のいずれかのガスを検知する酸化スズ、窒素酸化物のガスを検知する酸化チタン、有機性揮発物質ガスを検知する酸化タングステン、硫黄化合物のガスを検知する酸化亜鉛のいずれかを主成分とした感応材とする酸素富加機能付き空調システム。
  2. 室内空間の空気浄化を行なう空気浄化手段と、前記室内空間に配置された半導体方式のガスセンサと、前記ガスセンサに接続されておりガス検知によるセンサ出力が予め記憶させた閾値を超えたかを判断するガス濃度判断手段と、前記センサ出力が閾値を超えたと判断されると前記空気浄化手段の空気浄化を指令する空気浄化制御手段と、前記室内空間に酸素濃度を高めたガスを供給する高酸素濃度供給手段と、前記高酸素濃度供給手段からの高酸素濃度ガスの供給開始を指令する高酸素供給制御手段を有し、前記ガスセンサは、炭化水素もしくは一酸化炭素もしくは有機性揮発物質もしくは窒素酸化物のいずれかのガスを検知する酸化スズ、窒素酸化物のガスを検知する酸化チタン、有機性揮発物質のガスを検知する酸化タングステン、硫黄化合物のガスを検知する酸化亜鉛のいずれかを主成分とした感応材とする酸素富加機能付き空調システム。
  3. 室内空間に配置された限界電流式酸素センサと、前記室内空間に酸素濃度を高めたガスを供給する酸素富加膜方式、または酸素ポンピング方式、もしくはゼオライトを使用した圧力スイング吸着方式のいずれかで有る高酸素濃度供給手段とを少なくとも備え、前記限界電流式酸素センサは、酸素イオン導電性固体電解質と、その両側に形成された一対の電極と、電極の片側に配置された拡散抵抗体の中に形成された酸素拡散孔を有する構造であり、前記電極は、ペロブスカイト型構造または酸素イオン導電性のいずれかである金属酸化物と、貴金属を少なくとも含むとした酸素富加機能付き空調システム。
  4. 炭化水素や一酸化炭素のガスを検知するガスセンサは、酸化スズを主成分とし少なくとも酸化バナジウムとパラジウムを含有した感応材を有する請求項1または2記載の酸素富加機能付き空調システム。
  5. 感応材は、酸化スズを主成分であり、酸化バナジウムが0.2〜5wt%と、パラジウムが0.05〜4wt%を含有する請求項4記載の酸素富加機能付き空調システム。
  6. 窒素酸化物のガスを検知するガスセンサは、酸化スズを主成分とし少なくとも酸化第ニ鉄を含有する感応材を有する請求項1または2記載の酸素富加機能付き空調システム。
  7. 感応材は、酸化スズを主成分であり、酸化第ニ鉄が、0.2〜5wt%含有する請求項6記載の酸素富加機能付き空調システム。
  8. 窒素酸化物のガスを検知するガスセンサは、酸化チタンを主成分とし少なくとも酸化バナジウムを含有した感応材を有する請求項1または2記載の酸素富加機能付き空調システム。
  9. 感応材は、酸化チタンを主成分とし、酸化バナジウムが0.2〜5wt%含有する請求項8記載の酸素富加機能付き空調システム。
  10. 有機性揮発物質ガスを検知するガスセンサは、酸化スズを主成分とし少なくとも酸化亜鉛を含有する感応膜を有する請求項1または2記載の酸素富加機能付き空調システム。
  11. 感応材は、酸化スズを主成分とし、酸化亜鉛が0.1〜5wt%含有する請求項10記載の酸素富加機能付き空調システム。
  12. ガスセンサは、空気導入口に配置されており、その配置場所は室内空間から0〜2m離れた位置である請求項1記載の酸素富加機能付き空調システム。
  13. 限界電流式酸素センサの電極は、貴金属と酸化ビスマスの混合物、もしくは、ペロブスカイト型構造の酸化物とその上部に積層した貴金属の積層物を少なくとも含有している請求項3記載の酸素富加機能付き空調システム。
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