JP2006144619A - 蒸発燃料処理系のリーク判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】誤検知を回避して判定精度を向上させることができる蒸発燃料処理系のリーク判定装置を提供すること。
【解決手段】本発明によるリーク判定装置は、蒸発燃料処理装置と、アイドリング時において内燃機関の停止および始動を自動的に制御するアイドル停止制御手段と、を備える。そして、このリーク判定装置は、アイドル停止制御手段による内燃機関の停止状態の継続時間を積算する第1の積算手段と、イグニッションスイッチによる内燃機関の停止を検出する検出手段と、イグニッションスイッチによる内燃機関の停止が検出されたとき、パージ制御弁を閉弁し、閉弁後の所定時間における蒸発燃料処理装置内の圧力変化に基づいて、蒸発燃料処理装置のリークを判定する判定手段と、停止状態の継続時間が第1の判定時間より大きいとき、判定手段によるリークの判定を禁止する禁止手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、停車時にアイドリング運転を自動的に停止するアイドル停止システムを有する車両において、内燃機関の蒸発燃料処理系にリークがあるか否かを判定する装置に関する。
内燃機関停止後において、該内燃機関の蒸発燃料処理系のリーク(漏れ)の有無を判定する手法が提案されている。たとえば、特許文献1には、内燃機関の停止後において蒸発燃料処理系のバルブを閉じて閉回路とし、このときのタンク内圧の上昇勾配の変化および下降勾配の変化に基づいて、蒸発燃料処理系からのリークの有無を判定する方法が開示されている。
また、リークの検知手法において、タンク内圧の推移の2階微分値を求め、これに基づいてリークの有無を判定する手法(タンク内圧Pの2階微分値に基づいて判定するため、ΔΔP法と呼ぶ)が存在する。これは、リークのない蒸発燃料処理系においてベーパーが発生しているとき、閉回路のタンク内圧は時間に比例して直線的に増加することに基づく。すなわち、蒸発燃料処理系にリークがないとき、タンク内圧の時間による2階微分値がゼロになることに基づいて、リークの有無を判定することができる。
特開2003−328866号公報
リークの検知において上述のΔΔP法を利用するには、タンク内圧を直線的に増加させるだけの所定量のベーパー発生が前提となる。ベーパーは、内燃機関などの熱源によりタンク内が熱せられることによって発生する。よって、リークの検知は、内燃機関が熱源となるべく内燃機関の運転後に行われる。しかしながら、アイドル停止制御により長時間エンジン停止した後では燃料タンクの受熱量より放熱量が多いため燃料温度が低くなる。このように、燃料温度が低いときは、所定量のベーパーが発生しないことから、燃料タンクの内圧が高くなっていることを前提としたΔΔP法でリーク判定を行うと誤判定を起こす可能性がある。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、誤判定を回避して判定精度を向上させることができる蒸発燃料処理系のリーク判定装置を提供することを目的とする。
本発明のリーク判定装置は、発明の一形態(請求項1)によると、燃料タンクと、前記燃料タンク内で発生する蒸発燃料を吸着する吸着剤を有するキャニスタと、該キャニスタと前記燃料タンクとを連通させるチャージ通路と、前記キャニスタと内燃機関の吸気系とを接続するパージ通路と、該パージ通路に設けられたパージ制御弁とを備える蒸発燃料処理装置と、アイドリング時において前記内燃機関の停止および始動を自動的に制御するアイドル停止制御手段と、を備えた蒸発燃料処理装置のリークを判定するリーク判定装置である。このリーク判定装置は、前記アイドル停止制御手段による前記内燃機関の停止状態の継続時間を積算する第1の積算手段と、イグニッションスイッチによる内燃機関の停止を検出する検出手段と、前記イグニッションスイッチによる前記内燃機関の停止が検出されたとき、前記パージ制御弁を閉弁し、該閉弁後の所定時間における前記蒸発燃料処理装置内の圧力変化に基づいて、該蒸発燃料処理装置のリークを判定する判定手段と、前記停止状態の継続時間が第1の判定時間より大きいとき、前記判定手段によるリークの判定を禁止する禁止手段と、を備える。
これによると、アイドル停止制御手段を有する車両において、長時間のアイドル停止を行ったときはリーク判定を禁止するので、燃料タンクの温度が下がっておりベーパーの発生量が少ないことを原因とする誤判定を回避することができる。
また、この発明のもう一つの形態(請求項2)によるリーク判定装置において、前記内燃機関は車両に搭載され、前記内燃機関の運転時間を積算する第2の積算手段と、前記車両の車速が所定の車速以上である時間を積算する第3の積算手段と、をさらに備え、前記禁止手段が、さらに、前記第2の積算手段による積算時間が第2の判定時間未満のとき、または前記第3の積算手段による積算時間が第3の判定時間未満であるとき、前記蒸発燃料処理装置のリークの判定を禁止する。
これによると、エンジンの運転時間が所定の時間よりも短いとき、または所定の車速以上での走行時間が所定の時間よりも短いときはリークの判定を禁止するので、燃料タンクの温度が低くベーパー発生量が少ないことを原因とする誤判定を回避することができる。
また、この発明のもう一つの形態(請求項3)によるリーク判定装置において、前記第2の判定時間および第3の判定時間は、前記停止状態の継続時間または前記燃料タンクに与えられる熱量に基づいて変更される。
これによると、燃料タンクに与えられる熱量に応じてそれぞれの判定時間を変更するので、より適切に誤判定を回避することができる。
また、この発明のもう一つの形態(請求項4)によるリーク判定装置において、前記熱量は触媒温度または燃料温度に基づいて変更される。
次に図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の実施形態に従う、内燃機関(エンジン)およびその制御装置の全体構成図である。
電子制御ユニット(以下、「ECU」)という)100は、車両の各部から送られてくるデータを受け入れる入力インターフェース100a、車両の各部の制御を行うための演算を実行するCPU100b、読み取り専用メモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)を有するメモリ100c、および車両の各部に制御信号を送る出力インターフェース100dを備えている。メモリ100cのROMには、車両の各部の制御を行うためのプログラム、テーブル、およびマップなどの各種のデータが格納されている。この発明に従うアイドル停止判定のためのプログラム、運転時間等をカウントアップするプログラム、リークの判定許可のためのプログラム、リーク判定を実施するためのプログラム、および該プログラムの実行の際に用いるデータは、このROMに格納されている。よって、ECU100が、これらのプログラムを実行することにより、後述の機関停止検出部、バルブ制御部、判定禁止部、アイドル停止制御部、第1の積算部、第2の積算部、第3の積算部、および判定部を実現する。ROMは、EPROMのような書き換え可能なROMでもよい。RAMには、CPU100bによる演算のための作業領域が設けられる。車両の各部から送られてくるデータおよび車両の各部に送り出す制御信号は、RAMに一時的に記憶される。
各種センサからの入力信号はECU100の入力インターフェース100aに渡される。入力インターフェース100aは、受け取ったアナログ信号をデジタル信号に変換する。CPU100bは、変換されたデジタル信号を処理し、メモリ100cに格納されているプログラムに従って演算を実行し、車の各部のアクチュエータに送る制御信号を作り出す。この制御信号は出力インターフェース100dに送られ、出力インターフェース100dは、燃料噴射弁106、パージ制御弁134、バイパス弁136、ベントシャット弁138、および点火装置120に制御信号を送る。
エンジン101は、例えば4気筒を備えるエンジンであり、吸気管102が連結されている。吸気管102の上流側にはスロットル弁103が配されており、スロットル弁103に連結されたスロットル弁開度センサ(θTH)104は、スロットル弁103の開度に応じた電気信号を出力してECU100に供給する。
本実施形態におけるエンジン101は、アイドル停止制御装置を備えたエンジンである。アイドル停止制御装置は、アイドリング中における無駄な燃料消費および排気ガスの排出を無くすべく、所定の条件が揃ったときに自動的にエンジンの運転を停止させる装置である。本実施形態では、ドライブレンジがニュートラルであり、ブレーキが踏まれており、かつアクセルが踏まれていないという条件が揃ったときに、アイドル停止制御装置が自動的に点火装置120の点火および燃料噴射弁106の動作を停止し、アイドル停止すなわちエンジンの一時的な停止を行う。ただし、このうちの一つの条件でも揃わなくなると(例えばアクセルが踏まれるなど)、クランキングを行い自動的にエンジンを始動させる。本実施形態において、このアイドル停止制御装置は、ECU100によって実現される。
吸気管圧力(PB)センサ113および吸気温(TA)センサ114は、スロットル弁103の下流側に装着されており、それぞれ吸気管圧力PBおよび吸気温TAを検出し、それをECU100に送る。
エンジン101には、クランク角センサ117が設けられている。クランク角センサ117は、クランクシャフト(図示せず)の回転に伴い、パルス信号であるCRK信号およびTDC信号をECU100に出力する。CRK信号は、所定のクランク角(たとえば、30度)で出力されるパルス信号である。ECU100は、該CRK信号に応じ、エンジン101の回転数NEを算出する。TDC信号は、ピストン(図示せず)のTDC位置に関連したクランク角度で出力されるパルス信号である。
エンジン101には排気管112が接続され、排気管112の途中に設けられた排気ガス浄化装置である三元触媒141を介して排気する。
上述の三元触媒141には、触媒温度を計測するための温度計140が取り付けられており、触媒温度を検出しこれをECU100に送る。また、燃料温度センサ142が燃料タンク109に取り付けられている。そして、計測した燃料温度をECU100に送る。これらの送られた触媒温度および燃料温度はメモリ100cの所定の位置にそれぞれ格納される。
本実施形態で使用される変速装置のシフトノブには、シフトの位置を検知するシフト位置センサ(SP)126が取り付けられている。そして、このシフト位置を示す信号はECU100へと送られ、このシフト位置を示す情報に基づいて、所定のフラグに値が設定される。本実施形態において、シフト位置がニュートラルになると、ニュートラルフラグF_Nに値1が設定される。
アクセルペダルには、アクセルが踏まれていることを検知するセンサ(AP)125が取り付けられており、アクセルペダルが踏まれているか否かの信号がECU100に送られる。そして、アクセルペダルが踏まれているとき、アクセルフラグF_ATOKに1が設定される。
ブレーキペダルには、ブレーキが踏まれたときにこれを検知するブレーキセンサ(Brk)124が取り付けられており、ブレーキが踏まれているか否かの信号がECU100に送られる。そして、ブレーキが踏まれているとき、ブレーキフラグF_BKSWに1が設定される。
イグニッションスイッチ(IGSW)121がECU100に接続されており。イグニッションスイッチ121の切換信号は、ECU100に送られる。この切り替え信号は、本発明の一実施形態において、運転者のイグニッション操作によるエンジン停止指示を示す信号として用いられ、後述する機関停止の検出で使用される。
車速(VP)センサ122および大気圧(PA)センサ123がECU100に接続されており、それぞれ、車両の速度VPおよび大気圧PAを検出し、それをECU100に送る。これら、現在の車速VPおよび大気圧PAは、メモリ100cの所定の位置に格納される。
エンジン101には、たとえば5段階変速の変速機(図示せず)が連結されており、該変速機は、選択された変速比に従い、エンジン101の駆動力を車両の駆動輪に伝達する。本実施形態では、周知のオートマチックトランスミッションを使用することとして説明する。
燃料噴射弁106は、エンジン101とスロットル弁103の間に気筒毎に設けられ、ECU100からの制御信号によって開弁時間が制御される。燃料供給管107は、燃料噴射弁106および燃料タンク109を接続し、その途中に設けられた燃料ポンプ108が、燃料を燃料タンク109から燃料噴射弁106に供給する。図示しないレギュレータが、ポンプ108と燃料噴射弁106の間に設けられ、吸気管102から取り込まれる空気の圧力と、燃料供給管107を介して供給される燃料の圧力との間の差圧を一定にするよう動作して、燃料の圧力が高すぎるときは図示しないリターン管を通して余分な燃料を燃料タンク109に戻す。こうして、スロットル弁103を介して取り込まれた空気は、吸気管102を通り、燃料噴射弁106から噴射される燃料と混合してエンジン101のシリンダ(図示せず)に供給される。
次に、蒸発燃料処理系150について説明する。燃料タンク109は、チャージ通路131を介してキャニスタ133に接続され、燃料タンク109からの蒸発燃料が、キャニスタ133に移動できるようになっている。チャージ通路131には、機械式の二方向弁135が設けられている。二方向弁135は、タンク内圧が大気圧より第1の所定圧(たとえば、2.7kPa)以上高いときに開く正圧弁と、タンク内圧がキャニスタ133の圧力より第2の所定圧以上低いとき開く負圧弁を備える。
二方向弁をバイパスするバイパス通路131aが設けられている。バイパス通路131aには、電磁弁であるバイパス弁136が設けられる。バイパス弁136は、通常は閉弁状態にあり、ECU100からの制御信号に従って開弁する。
圧力センサ115は、二方向弁135と燃料タンク109との間に設けられており、その検出信号はECU100に送られる。圧力センサ115の出力PTANKは、キャニスタ133および燃料タンク109内の圧力が安定している定常状態では、燃料タンク内の圧力に等しくなる。一方、圧力センサ115の出力PTANKは、キャニスタ133または燃料タンク109内の圧力が変化しているときは、実際のタンク内圧とは異なる圧力を示す。圧力センサ115の出力を、以下「タンク内圧PTANK」と呼ぶ。
キャニスタ133は、燃料蒸気を吸着する活性炭を内蔵し、通路137を介して大気に連通する吸気口(図示せず)を持つ。通路137の途中には、ベントシャット弁138が設けられる。ベントシャット弁138は、通常は開弁状態にあり、ECU100からの制御信号に従って閉弁する。
キャニスタ133は、パージ通路132を介して吸気管102のスロットル弁103の下流側に接続される。パージ通路132の途中には電磁弁であるパージ制御弁134が設けられ、キャニスタ133に吸着された燃料が、パージ制御弁134を介してエンジンの吸気系に適宜パージされる。パージ制御弁134は、ECU100からの制御信号に基づいて、オン−オフデューティ比を変更することにより、パージ流量を連続的に制御する。
この実施形態によると、イグニッションスイッチ121がオフされても、リーク判定を実施する期間中は、ECU100、バイパス弁136、およびベントシャット弁138には電気が供給される。パージ制御弁134は、イグニッションスイッチ121がオフされると電気が供給されなくなり、閉弁状態を維持する。よって、イグニッションスイッチ121のオフ後は、ベントシャット弁138に信号を送り、強制的に閉弁することにより蒸発燃料処理系150を閉じた状態にすることができる。
その他、エンジン101を運転するために必要な図示しないセンサ類(エンジン水温センサ(TW)118、LAFセンサ(広域空燃比センサ)119)が取り付けられている。
図2は、本願発明の一実施形態に従う、蒸発燃料処理系150のリークを判定する装置のブロック図である。各機能ブロックは、メモリ100cに記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
機関停止検出部200は、イグニッションスイッチからの信号を取得し、イグニッションスイッチの操作によるエンジン101の停止または始動の要求を検出する。
バルブ制御部207は、イグニッションスイッチのオフに応じて、ベントシャット弁138およびバイパス弁136を開き、蒸発燃料処理系150を大気に開放する。該大気開放処理は、所定時間にわたって実行される。その後、ベントシャット弁138およびバイパス弁136を閉じ、ベントシャット弁を閉じたことを示すフラグを立てる機能を有する。
判定禁止部201は、後述する第1の積算部204、第2の積算部205、および第3の積算部206によるカウント時間に基づいて、後述するリーク故障の判定を禁止する。一実施形態において、第1の積算部204によって積算されたアイドル停止時間が所定の時間(第1の判定時間)より長いとき、エンジンの停止により燃料タンク内の温度が下がり、所定量のベーパーが発生せずリーク判定について誤判定を起こす場合があるので、リークの発生の有無の判定を禁止する。また、別の実施形態において、さらに、第2の積算部205によって積算されたエンジンの運転時間が所定時間(第2の判定時間)よりも短いとき、所定量のベーパーが発生せず誤判定を起こしやすいので、リーク判定を禁止する。同様に、第3の積算部206によって積算された所定車速以上の走行時間が所定時間(第3の判定時間)より短いときも、燃料タンク内の温度が低く誤判定を発生させやすいので、リーク判定を禁止する。また、判定禁止部201は、アイドル停止時間が第1の判定時間より大きいとき、第2の積算部205によって積算されたエンジンの運転時間、および第3の積算部206によって積算された所定車速以上での走行時間を0にリセットする機能を有する。
アイドル停止制御部211は、シフトノブの操作によってシフト位置208がニュートラルに入れられ、ブレーキ209が踏まれ、およびアクセルペダル210が踏まれていないという、アイドル停止のための条件が揃っているか否かを判定し、エンジン101をアイドル停止すべきか否かを判定する。そして、アイドル停止フラグを設定し、このフラグの値によってエンジンのアイドル停止または始動を制御する。本実施形態において、アイドル停止制御部211は、1つの条件としてシフト位置208がニュートラルに入れられているか否かを判定しているが、3速または5速のドライブに入っている状態を条件として加えることもできる。
第1の積算部204は、アイドル停止制御部211がエンジン101をアイドル停止状態に制御しているとき、アイドル停止フラグの値が1であることを検知してアイドル停止状態の継続時間を積算する。
第2の積算部205は、エンジンの運転時間を積算する。すなわち、イグニッションスイッチによるエンジン始動から、エンジンの運転時間の積算が開始させられる。第3の積算部206は、所定車速以上の運転時間を積算する。よって、所定車速未満の走行となると、次回所定車速以上になったときから積算を再開する。
リーク判定部202は、リーク判定を行う機能を有する。本発明の一実施形態において、リーク判定は、燃料タンク内の圧力変化に基づいてリークの有無を判定している。
リーク判定は、任意の手法で行うことができる。本願発明の一実施形態によると、判定部202は、タンク内圧PTANKの2階微分値に基づいて、蒸発燃料処理系150にリークがあるか否かを判定する。
図3〜図6を参照して、本実施形態におけるリーク判定を説明する。
図3は、タンク内圧PTANKの推移を示すタイムチャートの一例である。具体的には、図3は、大気開放処理の後にベントシャット弁138を閉じた時刻t0からのタンク内圧PTANKの推移を示す。図3(a)は、蒸発燃料処理系150が正常な(すなわちリーク無しの)場合を示し、図3(b)は、蒸発燃料処理系150にリークがある場合を示す。蒸発燃料処理系150が正常なときは、タンク内圧PTANKはほぼ直線的に増加する。蒸発燃料処理系150にリークがあるときは、タンク内圧PTANKは、比較的大きな変化率で上昇した後、徐々に変化率が減少する。したがって、タンク内圧PTANKの変化率の推移を観測することにより、リークがあるかどうかを判定することができる。
この発明の一実施形態では、リークがあるか否かを判定するための判定パラメータの算出に、タンク内圧PTANKの2階微分値を用いる。蒸発燃料処理系150が正常ならば、該タンク内圧PTANKの2階微分値はほぼゼロとなる。蒸発燃料処理系150にリークがあれば、該2階微分値は負の値となる。
図4(a)は、一定時間毎にサンプリングされたタンク内圧PTANKの実測値の一例を示す。今回のサンプリングサイクルで検出されたタンク内圧をPTANK(k)で表すと、タンク内圧の変化量DPは、式(1)で表される。

DP=PTANK(k)-PTANK(K-1) (1)

図4(b)は、変化量DPの推移を示すタイムチャートである。変化量DPが徐々に減少する傾向があることが、示されている。本願発明の一実施形態では、最小二乗法により、変化量DPの推移を示す回帰直線L1を求め、この傾きEDDPLSQA(傾きパラメータと呼ぶ)を算出する。傾きパラメータは、タンク内圧PTANKの2階微分値を表している。
燃料タンク109内で発生する蒸発燃料の量が多く、かつベントシャット弁138を閉じた後の圧力変化率が大きいときは、蒸発燃料処理系150が正常であっても、変化量DPは徐々に減少する傾向を示すことが、実験的に確認されている。このような状態においてもリークがあるかどうかをより正確に判定するため、本願発明の一実施形態では、図5に示すように、ベントシャット弁138を閉じた時刻t0から、判定時間TMDDPTLが経過するまでの期間における、タンク内圧の最大値DPEOMAXを検出する。蒸発燃料処理系150にリークがあれば、最大値DPEOMAXに対する傾きEDDPLSQAの割合が大きくなる。該割合を調べることにより、リークがあるかどうかを判定することができる。該割合は式(2)により算出され、これを判定パラメータEODDPJUDとする。

EODDPJUD=|EDDPLSQA|/DPEOMAX (2)

図6は、判定パラメータEODDPJUDを縦軸とし、最大圧力DPEOMAXを横軸とした座標平面上に、蒸発燃料処理系150にリークが無い(すなわち、正常)場合のデータを黒丸としてプロットし、リークがある場合のデータを白丸としてプロットしている。この図から明らかなように、しきい値DDPJUDを適切な値に設定することにより、リークがあるかどうかを正確に判定することができる。
次に、本発明の一実施形態における実行プロセスについて説明する。本実施形態において、以下のプロセスの演算周期は10(msec)の周期で実行される。
図7は、アイドル停止判定のプロセスのフローチャートである。アイドル停止判定プロセスは、アイドル停止を行うための条件が整っているとき、アイドル停止フラグF_IDLSTPに1を設定する。本実施形態において、アイドル停止フラグF_IDLSTPに1が設定される条件は、シフトノブがニュートラルに入っていること、ブレーキが踏まれていること、およびアクセルが踏まれていないことの3つの条件が揃ったときである。
メインプログラムより、アイドル停止判定プロセスが呼び出されると、ECU100は、ニュートラルレンジフラグF_Nを参照して、シフト位置がニュートラルであるか否かについて判定する(S701)。ニュートラルに入っていないとき、ECU100は、アイドル停止フラグF_IDLSTPに値0を設定する(S705)。前述の通り、ニュートラルレンジフラグF_Nは、シフトノブがニュートラルに入れられるとセンサによってこれが検知され、値1が設定される。ニュートラル以外のとき、ニュートラルレンジフラグF_Nには、値0が設定される。
一方、S701において、シフトノブがニュートラルに入っていると判定したとき、ECU100は、ブレーキフラグF_BKSWが1であるか否かについて判定する(S702)。前述の通り、ブレーキフラグF_BKSWは、ブレーキが踏まれるとセンサによってこれが検知され、値1が設定され、ブレーキが踏まれていないときは値0が設定される。S702において、ブレーキフラグF_BKSWが1でないとき、ECU100は、プロセスS705を実行する。
S702において、ブレーキフラグF_BKSWが1であるとき、ECU100は、アクセルフラグF_ATOKが1か否かを判定する(S703)。ここで、アクセルフラグF_ATOKは、アクセルが踏まれると、センサによってこれが検知され、値1が設定され、アクセルが踏まれていないときは、値0が設定される。S703において、アクセルフラグF_ATOKが1ではないとき、ECU100は、アイドル停止フラグF_IDLSTPに値1を設定する(S704)。一方、アクセルフラグF_ATOKが1であるとき、アイドル停止フラグF_IDLSTPに0を設定する(S705)。そして、本プロセスを終了する。
アイドル停止フラグF_IDLSTPに1が設定されると、ECU100が、アイドル停止を制御するプログラムにおいて、燃料噴射弁における燃料噴射および点火装置における点火を禁止してアイドル停止を行う。ここで、アイドル停止とは、運転者のイグニッションスイッチのオフによるエンジン停止ではなく、停車状態において無駄なアイドリングを無くすためにECU100が自動的に行うエンジンの停止である。
次に、メインプログラムからカウントプロセス(図8)が呼び出される。カウントプロセスは、リーク判定を禁止するかどうかを判定するために使用されるアイドル停止時間、エンジン運転時間、および所定車速以上での運転時間をカウントする。
カウントプロセスが呼び出されると、ECU100は、アイドル停止フラグF_IDLSTPに値1が設定されているか否かについて判定する(S801)。アイドル停止フラグF_IDLSTPに値1が設定されていないとき、エンジンはアイドル停止状態ではないので、ECU100は、アイドル停止時間カウンタCISTIMEに値0を設定(すなわちリセット)する(S803)。そして、プロセスをS804へと進める。
一方、S801において、アイドル停止フラグF_IDLSTPに1が設定されているとき、エンジンはアイドル停止状態であるので、ECU100は、アイドル停止時間カウンタに1を加算してカウントアップを行う(S802)。
次に、ECU100は、アイドル停止時間カウンタCISTIMEが所定のアイドル停止時間しきい値CISEONV(ここでは、アイドル停止時間しきい値を5分に等しい値とする)よりも大きいか否かについて判定する(S804)。アイドル停止時間カウンタCISTIMEがアイドル停止時間しきい値CISEONVよりも大きいとき、ECU100は、運転時間カウンタCDCTIMEに0を設定(すなわちリセット)し(S809)、所定車速運転時間カウンタCVPEOTMに0を設定(すなわちリセット)する(S810)。
一方、S804において、アイドル停止時間カウンタCISTIMEがアイドル停止時間しきい値CISEONVより大きくないとき、ECU100は、始動モードフラグF_FENGSTが1であるか否かについて判定する(S805)。ここで、始動モードフラグF_FENGSTは、イグニッションをオンにすることによるエンジンの始動中のときに1に設定されるフラグである。始動モードフラグが1のとき、イグニッション操作による始動であり、アイドル停止制御部が行う始動ではないので、運転時間カウンタCDCTIMEおよび所定車速運転時間カウンタCVPEOTMのカウントアップは行わず、ECU100は本プロセスを終了させる。
一方、S805において、始動モードフラグF_FENGSTが1ではないとき、ECU100は、運転時間カウンタCDCTIMEに1を加算してカウントアップを行う(S806)。そして、車速VPを取得し、現在の車速VPが車速しきい値VPEONVL(本実施形態において時速20km/hとする)以上であるか否かについて判定する(S807)。ここで、車速VPが車速しきい値VPEONVL以上でないとき、ECU100は、本プロセスを終了する。
一方、S807において、車速VPが車速しきい値VPONVL以上のとき、ECU100は、所定車速運転カウンタCVPEOTMに1を加算しカウントアップを行う(S808)。そして、本プロセスを終了する。
本プロセスは、メインプログラムから再び呼び出されることになるが、上述のプロセスを経ることによって、所定の条件下で運転時間カウンタCDCTIMEおよび所定車速運転時間カウンタCVPEOTMが積算される。そして、次の判定許可プロセス(図9)において、これらのカウンタ値に基づいてリーク判定許可フラグF_EOSTCONDに値が設定される。
メインプログラムから判定許可プロセスが呼び出されると、ECU100は、メモリに格納された所定車速運転時間しきい値マップを参照して、アイドル停止時間カウンタCISTIMEの値に基づいて所定車速運転時間しきい値CTVPEOTMを設定する(S901)。ここで、所定車速運転時間しきい値マップは、例えば図14に示すような特性を表しており、アイドル停止時間が長いほど、運転時間しきい値が大きく設定されるようになっている。
また、燃料タンク109に取り付けられた温度センサ142から燃料温度を取得し、この燃料温度に基づいて所定車速運転時間しきい値CTVPEOTMを設定することもできる。このとき、燃料温度が低いほど所定車速運転時間しきい値CTVPEOTMが大きくなる特性を有する所定車速運転時間しきい値マップが参照され、該しきい値が設定される。
同様に、三元触媒141に取り付けられた温度計140から触媒温度を取得し、触媒温度に基づいて所定車速運転時間しきい値CTVPEOTMを設定することもできる。このとき、触媒温度が低いほど所定車速運転時間しきい値CTVPEOTMが大きくなる特性を有する所定車速運転時間しきい値マップが参照され、該しきい値が設定される。
次に、ECU100は、メモリに格納された運転時間しきい値マップを参照して、アイドル停止時間カウンタCISTIMEに基づいて運転時間しきい値TMJDEONVを設定する(S902)。ここで、運転時間しきい値マップは、例えば図15に示すアイドル停止時間が長いほど運転時間しきい値が大きく設定されるようになっている。
また、燃料タンク109に取り付けられた温度センサ142から燃料温度を取得し、この燃料温度に基づいて運転時間しきい値TMJDEONVを設定することもできる。このとき、燃料温度が低いほど運転時間しきい値TMJDEONVが大きくなる特性を有する運転時間しきい値マップが参照され、該しきい値が設定される。
同様に、三元触媒141に取り付けられた温度計140から触媒温度を取得し、この触媒温度に基づいて運転時間しきい値TMJDEONVを設定することもできる。このとき、触媒温度が低いほど運転時間しきい値TMJDEONVが大きくなる特性を有する運転時間しきい値マップが参照され、該しきい値が設定される。
本実施形態において、所定車速運転時間しきい値CTVPEOTMおよび運転時間しきい値TMJDEONVは、アイドル停止時間カウンタCISTIMEの値(または、燃料温度、触媒温度)に応じて所定のマップを参照して変化するようになっているが、別の実施形態として、それぞれ所定の固定値を使用することもできる。このとき、所定車速運転時間しきい値CTVPEOTMは、5分に等しい値に設定され、運転時間しきい値TMJDEONVは、20分に等しい値に設定される。
次に、ECU100は、所定車速運転時間カウンタCVPEOTMが所定車速運転時間しきい値CTVPEOTM以上であるか否かについて判定する(S903)。所定車速運転時間カウンタCVPEOTMが所定車速運転時間しきい値CTVPEOTM以上ではないとき、ECU100は、リーク判定許可フラグF_EOSTCONDに値0を設定する(S906)。一方、所定車速運転時間カウンタCVPEOTMが所定車速運転時間しきい値CTVPEOTM以上であるとき、ECU100は、運転時間カウンタCDCTIMEが運転時間しきい値TMJDEONV以上であるか否かについて判定する(S904)。
運転時間カウンタCDCTIMEが運転時間しきい値TIMJDEONV以上ではないとき、ECU100は、リーク判定許可フラグF_EOSTCONDに値0を設定する(S906)。一方、運転時間カウンタCDCTIMEが運転時間しきい値TIMJDEONV以上であるとき、リーク判定許可フラグF_EOSTCONDに値1を設定する(S905)。そして、この判定許可プロセスを終了する。ここで、後述するようにリーク判定許可フラグF_EOSTCONDに値0が設定されると、後のリーク判定のプロセスにおいてリーク判定が禁止される。一方、リーク判定許可フラグF_EOSTCONDに値1が設定されると、後のリーク判定のプロセスにおいてリーク判定が実行される。
このようにすることで、所定車速運転時間および運転時間がともにそれぞれの所定の時間を経過しているときにのみリーク判定を実行することとなる。すなわち、これら所定車速運転時間または運転時間のいずれかが短いとき、燃料タンクが暖まっておらずベーパーが所定量発生しない事による誤判定のおそれがあるためリーク検知を行わない。
図10および図11は、リーク判定のプロセスのフローチャートである。
メインプログラムからリーク判定プロセスが呼び出されると、S1001において、ECU100は、リーク判定許可フラグF_EOSTCONDの値が0であるか否かを判定する。前述したように、該フラグは、イグニッションによるエンジンオフ前に、アイドル停止時間が長時間にわたったとき、エンジン運転時間が短時間のとき、または、所定車速以上の運転時間が短いときに値0を持ち、リーク判定を禁止するフラグである。
S1001において、リーク判定許可フラグF_EOSTCONDの値が0でないときは、プロセスをS1006へと進める。S1006においてECU100は、傾きパラメータEDDPLSQAを算出する際に使用されるパラメータCEDDPCAL、ESIGMAX、ESIGMAX2、ESIGMAXY、ESIGMAY、およびTDDPTLにゼロをセットする。そしてさらにステップをS1007へと進め、ECU100は、カウンタCEOPSMPに10を、平滑化したタンク内圧の前回値PEONVAVEZに平滑化したタンク内圧PEONVAVEを、そしてタンク内圧の最大値DPEOMAXに平滑化したタンク内圧PEONVAVEをセットする。
一方、S1001においてリーク判定許可フラグF_EOSTCONDが0のとき、エンジンオフ前に燃料タンクの温度が低くなるようなエンジンの運転を行っている。このとき、ECU100は、圧力急降下フラグF_QICKPDWNが1であるか否かを判定する。圧力急降下フラグF_QICKDWNは、タンク内圧の推移が他のルーチンによって監視され、圧力降下幅が所定の値よりも大きいときに1がセットされるフラグである。ここで、圧力急降下フラグに1がセットされているとき、ECU100は、プロセスをS1006へと進める。一方、圧力急降下フラグに1がセットされていないときは、ECU100は、プロセスをS1003へと進める。
S1003において、タイマTDDPTLの値が、判定時間TMDDPTL以下か否かを判定する。最初にこのステップを実行するとき、所定の時間まで経過しておらず、答えがYesであるので、ECU100は、S1004においてカウンタCEOPSMPが1以下か否かについて判定する。ここでカウンタCEOPSMPが1以下でないときは、S1005においてカウンタCEOPSMPを減算する。一方、カウンタCEOPSMPが1以下であるときは、ステップS1101〜S1110を実行する(図11)。
S1101において、時間パラメータCEDDPCALを1だけ増分する。S1102において、タンク内圧PEONVAVEからPEONVAVEの前回値PEONVAVEZを減算することにより、単位時間あたりの圧力変化量DPEONVを算出する。
S1103において、式(3)により、時間パラメータCEDDPCALの積算値ESIGMAXを算出する。

ESIGMAXの今回値=ESIGMAXの前回値+CEDDPCAL (3)

S1104において、式(4)により、時間パラメータCEDDPCALを2乗した値の積算値ESIGMAX2を算出する。

ESIGMAX2の今回値=ESIGMAX2の前回値+CEDDPCAL×CEDDPCAL (4)

S1105において、式(5)により、時間パラメータCEDDPCALと、圧力変化量DPEONVの積の積算値ESIGMAXYを算出する。

ESIGMAXYの今回値=ESIGMAXYの前回値+CEDDPCAL×DPEONV (5)

S1106において、式(6)により、圧力変化量DPEONVの積算値ESIGMAYを算出する。

ESIGMAYの今回値=ESIGMAYの前回値+DPEONV (6)

S1107において、S1101、S1103〜S1106で算出される時間パラメータCEDDPCAL、積算値ESIGMAX、ESIGMAX2、ESIGMAXY、およびESIGMAYを用い、式(7)に従って傾きパラメータEDDPLSQAを算出する。
Figure 2006144619
S1108において、最大圧力DPEOMAXと、タンク内圧PEONVAVEの大きい方を選択し、選択した大きい方を最大圧力DPEOMAXに代入する。
そして、S1109において、平滑化したタンク内圧PEONVAVEを平滑化したタンク内圧の前回値としてPEONVAVEZに代入する。そして、カウンタCEOPSMPに10をセットして(S1110)判定プロセスを終了する。
S1003においてタイマTDDPTLの値が判定時間TMDDPTLに達すると、ECU100は、プロセスをS1201(図12)へと進め、最大圧力DPEOMAXが、所定圧PDDPMIN以上であるか否かを判定する。その答えがNoであるならば、タンク内圧PTANKの上昇が不十分であることを示す。この場合、正確な判定はできないので、判定終了フラグFEONVDDPJUDをゼロに設定する(S1212)。
S1201においてDPEOMAX≧PDDPMINならば、前述した式(2)により判定パラメータEODDPJUDを算出する(S1202)。
S1203において、大気圧PAに基づいて図13に示すKEOP1JDXテーブルを参照し、補正係数KEOP1JDXを算出する。KEOP1JDXテーブルは、大気圧PAが低下するほど、補正係数KEOP1JDXが減少するように設定されている。図のPA1、PA2およびPA3は、たとえば、77kPa(580mmHg)、84kPa(630mmHg)、および99kPa(740mmHg)に設定され、KX1およびKX2は、たとえば、それぞれ0.75および0.84に設定される。
S1204およびS1205において、補正係数KEOP1JDXを用い、式(8)および式(9)に従ってOK判定用しきい値DDPJUDOKおよびNG判定用しきい値DDPJUDNGを算出する。

DDPJUDOK=EODDPJDOK×KEOP1JDX (8)
DDPJUDNG=EODDPJDNG×KEOP1JDX (9)

ここで、EODDPJDOKおよびEODDPJDNGは、それぞれ、OK判定用のしきい値およびNG判定用の所定のしきい値であり、前者は、後者より小さい値に設定される。
S1206において、判定パラメータEODDPJUDが、OK判定用しきい値DDPJUDOK以下かどうかを判断する。その答えがYesならば、蒸発燃料処理系150は正常であると判定し、第1の漏れ判定フラグFDDPLKをゼロに設定する(S1208)。
S1206においてEODDPJUD>DDPJUDOKならば、判定パラメータEODDPJUDがNG判定用のしきい値DDPJUDNGより大きいかどうかを判断する(S1207)。この答えがYesならば、蒸発燃料処理系150にリークがあると判定し、漏れ判定フラグFDDPLKを値1に設定する(S1209)。S1207において答えがNoならば、すなわちDDPJUDOK<EODDPJUD≦DDPJUDNGならば、判定を保留し、保留フラグFDDPJDHDを値1に設定する(S1210)。
ステップS1211において、判定終了フラグFEONVDDPJUDを値1に設定し、判定が終了したことを示す。
この判定手法に従えば、タンク内圧PEONVAVEの時間についての2回微分値に相当する傾きパラメータEDDPLSQAが算出される。さらに、傾きパラメータEDDPLSQAを最大圧力DPEOMAXで除算することにより、判定パラメータEODDJUDが算出される。判定パラメータがOK判定用しきい値DDPJUDOK以下ならば、蒸発燃料処理系150は正常と判定され、NG判定用しきい値DDPJUDNGより大きければ、リークがあると判定される。こうして、図6を参照して説明した判定が実現される。
そして、上述のアイドル停止によるエンジン停止時間が長いときは、リーク判定を禁止するので、燃料タンクの温度が下がっており、ベーパー発生量が少ないことを原因とする誤判定を回避することができる。また、イグニッションオフによるエンジンの停止時においてエンジンから与えられる熱量が小さく、燃料タンク内の燃料温度が十分に上昇していない可能性があるときは、蒸発燃料処理系のリーク判定を禁止する。これにより、誤判定を回避でき、リーク判定精度をより向上させることができる。
この発明の一実施形態に従う、エンジンおよびその制御装置の概略図。 この発明の一実施形態に従う、リーク判定装置の機能ブロック図。 この発明の一実施形態に従う、リーク判定を実行しているときのタンク内圧の推移を示す図。 この発明の一実施例に従う、タンク内圧の実測データを示すタイムチャート、および該実測データに基づいて算出される回帰直線を示す図。 この発明の一実施例に従う、リーク判定を実行する期間における最大圧力を説明するための図。 この発明の一実施例に従う、リーク判定手法を説明するための図。 この発明の一実施例に従う、アイドル停止判定のプロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、カウントプロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、判定許可プロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、リーク判定を実行するプロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、リーク判定を実行するプロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、リーク判定を実行するプロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、図12において使用されるテーブルの一例を示す図。 この発明の一実施例に従う、所定車速運転時間しきい値マップを示す図。 この発明の一実施例に従う、運転時間しきい値マップを示す図。
符号の説明
100 内燃機関
101 ECU
150 蒸発燃料処理系

Claims (4)

  1. 燃料タンクと、前記燃料タンク内で発生する蒸発燃料を吸着する吸着剤を有するキャニスタと、該キャニスタと前記燃料タンクとを連通させるチャージ通路と、前記キャニスタと内燃機関の吸気系とを接続するパージ通路と、該パージ通路に設けられたパージ制御弁とを備える蒸発燃料処理装置と、アイドリング時において前記内燃機関の停止および始動を自動的に制御するアイドル停止制御手段と、を備えた蒸発燃料処理装置のリークを判定するリーク判定装置において、
    前記アイドル停止制御手段による前記内燃機関の停止状態の継続時間を積算する第1の積算手段と、
    イグニッションスイッチによる内燃機関の停止を検出する検出手段と、
    前記イグニッションスイッチによる前記内燃機関の停止が検出されたとき、前記パージ制御弁を閉弁し、該閉弁後の所定時間における前記蒸発燃料処理装置内の圧力変化に基づいて、該蒸発燃料処理装置のリークを判定する判定手段と、
    前記停止状態の継続時間が第1の判定時間より大きいとき、前記判定手段によるリークの判定を禁止する禁止手段と、
    を備えるリーク判定装置。
  2. 前記内燃機関は車両に搭載され、
    前記内燃機関の運転時間を積算する第2の積算手段と、
    前記車両の車速が所定の車速以上である時間を積算する第3の積算手段と、をさらに備え、
    前記禁止手段が、さらに、前記第2の積算手段による積算時間が第2の判定時間未満のとき、または前記第3の積算手段による積算時間が第3の判定時間未満であるとき、前記蒸発燃料処理装置のリークの判定を禁止する、請求項1に記載のリーク判定装置。
  3. 前記第2の判定時間および第3の判定時間は、前記停止状態の継続時間または前記燃料タンクに与えられる熱量に基づいて変更される、請求項2に記載のリーク判定装置。
  4. 前記熱量は触媒温度または燃料温度に基づいて変更される、請求項3記載のリーク判定装置。
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