JP2006143993A - 照明用途向けの、酸化物ベースの蛍光体のナノ結晶性粉末の製造方法 - Google Patents

照明用途向けの、酸化物ベースの蛍光体のナノ結晶性粉末の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】以下の段階を含む、ナノ結晶性酸化物ベースの蛍光体材料の製造方法。(a)少なくとも1種の前駆体材料を溶媒に溶解して溶液を形成する段階、(b)該前駆体材料を含むベシクルのエマルジョンを形成するのに十分な量で、鋳型剤を該溶液に添加する段階、(c)該ベシクルのエマルジョンに凝集剤を添加してベシクルの凝集を生じさせる段階、(d)該ベシクルを単離する段階、(e)該ベシクルを加熱して有機物質を除去し、酸化物前駆体を形成する段階、(f)該酸化物前駆体材料を結晶化温度で加熱してナノ結晶性酸化物ベースの蛍光体材料を形成する段階。このような蛍光体材料は散乱の低下をもたらし、その結果、照明用途に使用したときに効率が高まる。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般に、酸化物ベースの蛍光体材料を調製するための方法に関し、より詳細には、ナノメートル規模の酸化物ベースの蛍光体材料を調製するための、鋳型合成方法に関する。
発光材料は、電磁(EM)スペクトルの、ある領域からの放射線を吸収し、電磁スペクトルの別の領域の放射線を発光するが、この発光は、そのエネルギーが一般に吸収よりも低いものである(即ちストークスシフト)。粉末形態の発光材料を一般に蛍光体と呼ぶが、透明な固形物の形をとる発光材料は、一般にシンチレータと呼ばれる。
2種の広範なクラスの発光材料が、一般に認められている。それらは、自己活性化発光材料と不純物活性化発光材料である。
自己活性化発光材料とは、純粋な結晶性ホスト材料が、高エネルギー光子を吸収することによって電子を励起状態まで上昇させ、そこから光子を発光することによって、電子をより低いエネルギー状態まで戻すものである。自己活性化発光材料は、電子がその励起状態又はより低いエネルギー状態で持つことのできる比較的広範なエネルギーが原因で、通常は広範な発光パターンを有する。そのため、所与の任意の励起された電子は、発光遷移の前後に持つ特定のエネルギーに応じて、その励起状態からより低いエネルギー状態へと遷移する間にかなり広範なエネルギーを発光することができる。
不純物活性化発光材料とは、通常、ある種の活性化剤(即ちドーパント)を含ませることによって非発光ホスト材料に変更を加えたものであり、この活性化剤は、典型的な場合、約200百万分率(ppm)から1千分率の範囲などの比較的低い濃度でホスト材料中に存在するものである。しかし、いくつかの材料は、最適化された光出力のために、数モル%又は数原子%の活性化剤イオンを必要とする。不純物活性化発光材料では、活性化剤イオンが、入射光子を直接吸収することができ、又は格子が入射光子を吸収し、吸収した光子エネルギーを活性化剤イオンに伝達することができる。
発光リン光材料は、水銀(Hg)ガスからのUV発光が蛍光体材料に吸収され且つ可視光として発光される、蛍光照明の応用分野において、広範な用途が見出されている。このような蛍光体材料のその他の用途には、発光ダイオード(LED)によって発光された光の調整が含まれる。そのような調整により、単一タイプのLEDを使用して白色光を発生させることができる。
単一の紫外線(UV)光子から2個の可視(vis)光子への変換であって、発光の量子効率が1(unity)を上回る結果をもたらす変換を、量子分割と呼ぶ。蛍光灯など、照明の応用分野で蛍光体として使用される量子分割材料が、非常に望ましい。適切な量子分割蛍光体は、基本的に全発光出力がより高いので、著しく明るい蛍光光源を生成することができるが、それは、市販の蛍光灯に現在使用されている伝統的な蛍光体によって効率的に吸収されない一部のUV放射を、可視光に変換することができるからである。量子分割は、フッ化物及び酸化物をベースにした材料について、既に実証されている。YFのマトリックス中に0.1%のPr3+を含む材料は、波長185nmの放射線によって励起されると、吸収したUV光子ごとに複数の可視光子を発生させることが示されている。この材料について測定された量子効率は、140%であり、したがって1を大幅に上回る。しかし、フッ化物ベースの化合物は、蛍光灯の蛍光体としての使用を可能にするほど十分な安定性がなく、それはこの化合物が、UV放射をもたらすためにそのような蛍光灯で使用される水銀蒸気と、反応することで知られているからである。そのような反応は、量子分割を示さない材料を形成する可能性がある。さらに、フッ化物ベースの材料の生成では、大量の、反応性が高く有毒なフッ化物ベースの材料を使用するので、実用上大きな難問が提示される。
ハロゲン化リン酸エステル蛍光体における光束維持は、カドミウム(Cd)の添加によって改善されてきた。しかし、Cdを含有する材料に付随した高い毒性のため、そのような蛍光体の使用を除外した法律が制定されている。ZnSiO:Mn2+などの蛍光体の、光束維持及びランプ効率は、AlやYなど、非放射性で安定性が高くバンドギャップの大きい材料でコーティングすることにより、改善されてきた。
より最近になって、蛍光照明の応用分野におけるフッ化物ベースの材料の欠点を克服する、酸化物ベースの量子分割蛍光体が開発されてきた。例えば、A.M.Srivastava他、「Luminescence of Pr3+ in SrAl12O19:
Observation of two photon luminescence in oxide lattice」、J.Luminescence、1997、71、pp.285-290;及び同一出願人による米国特許第5571451号及び第6613248号を参照されたい。そのような材料は、一般に、Pr3+をドープしたアルミン酸塩又はホウ酸塩である。特に良好な量子分割蛍光体材料は、Pr3+で活性化し且つMg2+で電荷補償した、アルミン酸ストロンチウムマグネシウムである。この蛍光体を、SrAl1219:Pr,Mgと略す。
上述の酸化物ベースの量子分割蛍光体は、ハロゲン化物ベースの量子分割蛍光体の制約の多くを克服するが、一般に、254ナノメートル(nm)の放射線を散乱させるのに十分大きい粒径を有しており、それによって、この蛍光体を使用している蛍光灯の効率が低下する可能性がある。
米国特許第5571451号 米国特許第6613248号
上記に鑑みて、クリスタリットのサイズがより小さく(例えば、ナノ結晶)且つコーティングがより薄いために散乱性が低下した蛍光体材料は、特に量子分割性の蛍光体である場合、非常に有益なものと考えられる。
本発明のいくつかの実施形態は、ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料、及びこれを製造する方法を対象とする。典型的な場合、そのような方法は、前駆体をそのような蛍光体材料に変換するための立体閉込め(steric entrapment)経路を含む。
いくつかの実施形態で、ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料は、自己活性化発光材料、不純物活性化(即ちドープされた)発光材料、及びこれらの組合せからなる群から選択される材料である。
いくつかの実施形態でナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料は、量子分割蛍光体、UV発光蛍光体、可視光発光蛍光体、及びこれらの組合せからなる群から選択される蛍光体である。
ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料が量子分割蛍光体であるような実施形態では、そのような蛍光体材料が、1を超える量子効率を示す。この高い効率の結果、そのような蛍光体には、蛍光照明においてかなりの用途がある。
いくつか又はその他の実施形態で、そのようなナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料は、そのナノ結晶性によって散乱性の低下をもたらし、その結果、蛍光又はその他の照明用途で使用した場合に高い効率を示す。そのような本発明の蛍光体材料に関するその他の用途には、発光ダイオード(LED)素子との併用が含まれ、その場合蛍光体は、LEDの発光を調整するのに用いるが、これに限定するものではない。
一般に、ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料を製造する方法は、本発明のいくつかの実施形態によれば、(a)少なくとも1種の前駆体材料の適切量を溶媒に溶解して溶液を形成する段階であって、該前駆体材料が蛍光体材料を形成するのに適切である段階と、(b)前駆体材料を含むベシクルのマイクロエマルジョンを形成するのに十分な量で、鋳型剤を、溶液に添加する段階と、(c)マイクロエマルジョンに凝集剤を添加して、ベシクルの凝集を生じさせる段階と、(d)ベシクルを単離する段階と、(e)ベシクルを加熱して、有機物質を除去し、酸化物前駆体材料を形成する段階と、(f)酸化物前駆体材料を結晶化温度で加熱して、ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料を形成する段階とを含む。
いくつかの実施形態で、この材料の結晶化及びクリスタリットのサイズは、X線回折(XRD)、透過型電子顕微鏡法(TEM)、及び電子エネルギー損失分光法(EELS)を含めるがこれらに限定することのない様々な技法によって、確認することができる。いくつかの実施形態では、発光分光法を使用して、材料の光学的性質を確認する。
前述の事項は、下記の本発明の詳細な記述をより良く理解することができるように、本
発明の特徴の概略をかなり大まかに述べている。本発明の請求項の主題をなす、本発明の追加の特徴及び利点について、以下に述べる。
本発明及びその利点をより完全に理解するために、以下の記述を添付図面と併せて参照する。
以下の記述では、本発明の実施形態が完全に理解されるよう、特定の量やサイズなど、特定の詳細について述べる。しかし本発明は、そのような特定の詳細なしに実施できることが、当業者には明らかであろう。多くの場合、そのような考慮事項などに関する詳細は、本発明の完全な理解を得るのに必要ではなく、また当業者のスキルの範囲内であるので、そのような詳細は省略されてきた。
図面を全体的に参照すると、その例示は、本発明の特定の実施形態を説明するためのものであり、本発明をその例示に限定しようとするものではないことが理解されよう。
本明細書で使用する用語のほとんどは、当業者により理解されるであろうが、それにも関わらず、本発明の理解に役立てるように以下の定義を示す。しかし、明確に定義されない場合、用語は、当業者によって現在受け入れられている意味を持つと解釈すべきであることを理解されたい。
本明細書で定義される「蛍光体」は、1つの波長又は波長範囲で電磁(EM)放射を吸収し、また別の、一般にはより低いエネルギーの波長又は波長範囲で放射線を発光する発光材料である。一般に、蛍光体は、粉末の形、又は融合した粉末の層の形をとる。そのような蛍光体は、本質的に発光性のものでよく、即ち「自己活性化蛍光体」でよく、又は蛍光体は、バルクマトリックス中にドーパント種を存在させることによって発光性にすることができ、即ち「不純物活性化蛍光体」でよい。
本明細書で定義され、また蛍光体材料に関する「量子分割」は、吸収された光子1個につき2個の光子の発光することを指す。したがって、そのような量子分割の挙動を示す蛍光体材料は、極めて高い発光効率を有することができる。そのような量子分割は、当技術分野で「量子切断」とも呼ばれている。
本明細書で定義される「ナノ結晶性」は、一般に、粉末(ばらばらな状態、又は融合状態)や多結晶性材料のような材料を指す、材料の属性であり、それ自体が必ずしもナノ規模の寸法を有する必要はなく、サイズが一般に約500nmよりも小さく、典型的な場合には約100nmよりも小さく、より典型的な場合には約60nmよりも小さい1次クリスタリットを含む。
本明細書で定義され、また蛍光体材料に関する「酸化物ベース」とは、バルクマトリックスが、大部分は金属酸化物組成物である材料を指す。
本明細書で定義される「マイクロエマルジョン」は、ミクロン又はより小さいサイズの量(粒子)の材料を溶媒に懸濁させた懸濁液であり、この材料は、固体又は液体状態にあって、不溶性又は非混和性と見なされるように、溶媒とは十分異なる表面エネルギーを有するものである。典型的な場合、そのようなマイクロエマルジョンは、乳化剤(例えば界面活性剤)により形成され且つ/又は安定化する。多くのマイクロエマルジョンは、比較的無極性の化学種を水中に分散させることによって形成されるが、極性を有する化学種(例えば水)を、無極性溶媒に分散させることもできる。後者のシナリオは、「逆マイクロエマルジョン」として知られている。同様に、「コロイド」又は「コロイド懸濁液」は、懸濁液が光を散乱させないようなマイクロエマルジョンである。界面活性剤を使用して、マイクロエマルジョン又はコロイドを安定させる場合、一般に、「ミセル」、即ち外部の表面エネルギーが内部の表面エネルギーとは異なっている球状アセンブリを形成することによって、安定させる。場合によっては、マイクロエマルジョン又はコロイドは、溶媒及び界面活性剤の化学種のみ含み、それが「ベシクル」へと自己組織化する。
本発明のいくつかの実施形態は、ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料、及びその製造方法を対象とする。典型的な場合、そのような方法は、全気体をそのような蛍光体材料に変換するために、立体閉込め経路を含む。
いくつかの実施形態で、ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料は、自己活性化発光材料、不純物活性化発光材料、及びこれらの組合せからなる群から選択される材料である。
いくつかの実施形態で、ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料は、量子分割蛍光体、UV発光蛍光体、可視光発光蛍光体、及びこれらの組合せからなる群から選択される蛍光体である。
量子分割ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料の例には、LaB:Pr3+;(Gd,Y)B:Pr3+;(Sr,Ca)Al1219:Pr3+;(La,Gd,Y)MgB10:Pr3+;SrB:Pr3+;CaMgAl11.3319:Pr3+;CaMgAl1423:Pr3+;LaB:Pr3+,Pb2+;(Gd,Y)B:Pr3+,Pb2+;(Sr,Ca)Al1219:Pr3+,Pb2+;(La,Gd,Y)MgB10:Pr3+,Pb2+;SrB:Pr3+,Pb2+;CaMgAl11.3319:Pr3+,Pb2+;CaMgAl1423:Pr3+,Pb2+;LaB:Pr3+,Pb2+,Bi3+;(Gd,Y)B:Pr3+,Pb2+,Bi3+;(Sr,Ca)Al1219:Pr3+,Pb2+,Bi3+;(La,Gd,Y)MgB10:Pr3+,Pb2+,Bi3+;SrB:Pr3+,Pb2+,Bi3+;CaMgAl11.3319:Pr3+,Pb2+,Bi3+;CaMgAl1423:Pr3+,Pb2+,Bi3+;及びこれらの組合せが含まれ、このような例示的な化学種をバルク酸化物:ドーパントの形で示すが、これらに限定するものではない。
UV発光ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料の例には、LaPO:Pr3+;LaBO:Pr3+;YBO:Pr3+;GdBO:Pr3+;LuBO:Pr3+;YPO:Pr3+;GdPO:Pr3+;YSiO:Pr3+;YPO:Bi3+;LuPO:Bi3+;LaPO:Pr3+,Pb2+;LaBO:Pr3+,Pb2+;YBO:Pr3+,Pb2+;GdBO:Pr3+,Pb2+;LuBO:Pr3+,Pb2+;YPO:Pr3+,Pb2+;GdPO:Pr3+,Pb2+;YSiO:Pr3+,Pb2+;YPO:Bi3+,Pb2+;LuPO:Bi3+,Pb2+;LaPO:Pr3+,Pb2+,Bi3+;LaBO:Pr3+,Pb2+,Bi3+;YBO:Pr3+,Pb2+,Bi3+;GdBO:Pr3+,Pb2+,Bi3+;LuBO:Pr3+,Pb2+,Bi3+;YPO:Pr3+,Pb2+,Bi3+;GdPO:Pr3+,Pb2+,Bi3+;YSiO:Pr3+,Pb2+,Bi3+;YPO:Pr3+,Bi3+,Pb2+;LuPO:Pr3+,Bi3+,Pb2+;(Ca,Mg,Sr)SO:Pb2+;CaLiSiO:Pb2+;(Ca,Ba,Sr)SiO:Pb2+;Ba(Y,Gd,Lu)B16:Bi3+;YOF:Bi3+;(Gd,Y)OF:Bi3+,Pr3+;(Y,Gd)Al12:Bi3+;及びこれらの組合せが含まれるが、これらに限定するものではない。
可視光発光ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料の例には、BaMgAl1627:Eu2+;CeMgAl1119:Tb3+;Y:Eu3+;(Ba,Sr,Ca)(PO(Cl,F,OH):Eu2+;(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu2+;(Ba,Sr,Ca)BPO:Eu2+;SrAl1425:Eu2+;BaA1813:Eu2+;2SrO・0.84P・0.16B:Eu2+;MgWO;BaTiP;LaPO:Ce3+,Tb3+;GdMgB10:(Ce3+,Tb3+,Mn2+);GdMgB10:(Ce3+,Tb3+);(Tb,Y,Lu,La,Gd)(Al,Ga)12:Ce3+;(Ba,Sr,Ca)(PO(Cl,F,OH):(Eu2+,Mn2+,Sb3+);(Y,Gd,La,Lu,Sc):Eu3+;(Y,Gd,La,In,Lu,Sc)BO:Eu3+;(Y,Gd,La)(Al,Ga)O:Eu3+;(Ba,Sr,Ca)(Y,Gd,La,Lu):Eu3+;(Y,Gd)Al12:Eu3+;単斜晶系Gd:Eu3+;(Gd,Y)(Al,Ga):Eu3+;(Ca,Sr)(Gd,Y)(Ge,Si)Al:Eu3+;GdMgB10:(Ce3+,Mn2+);3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn4+;及びこれらの組合せが含まれるが、これらに限定するものではない。
ある特定の実施形態で、ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料は、式Sr1−XPrAl12−XMg19であって、0<X≦0.20である式を有する化合物である。このような材料は、既知の量子分割蛍光体である。
酸化物ベース量子分割蛍光体材料のナノ結晶性粉末は、直径が一般に約5nmから約500nmの間であり、典型的な場合は約5nmから約100nmの間であり、より典型的な場合は約5nmから約60nmの間である1次クリスタリットを含む。
ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料が量子分割蛍光体である実施形態では、そのような蛍光体材料が、1を超える量子効率を示す。この高い効率の結果、そのような蛍光体は、蛍光照明においてかなりの用途がある。
いくつかの実施形態で、本発明は、酸化物ベース量子分割及び真空紫外(VUV)変換蛍光体組成物を対象とし、そのクリスタリットのサイズは、一般に、少なくとも1つの特定の次元で約100nmよりも小さく、典型的な場合、少なくとも1つの特定の次元におけるクリスタリットのサイズが約80nmよりも小さく、より典型的な場合、少なくとも1つの特定の次元におけるクリスタリットのサイズが約50nmよりも小さい。
いくつかの又はその他の実施形態で、そのようなナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料は、そのサイズによって散乱の低下をもたらし、その結果、蛍光又はその他の照明の用途に使用したときに、より高い効率をもたらす。そのような本発明の蛍光体材料に関するその他の用途には、発光ダイオード(LED)素子との併用が含まれ、蛍光体はLEDの発光を調整するのに役立つが、これらに限定するものではない。
図1を参照すると、本発明のいくつかの実施形態によるナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料を製造する方法は、一般に、(段階1001)少なくとも1種の前駆体材料の適切量を溶媒に溶解して溶液を形成する段階であって、該前駆体材料が蛍光体材料を形成するのに適切である段階と、(段階1002)前駆体材料を含むベシクルのマイクロエマルジョンを形成するのに十分な量で、鋳型剤を、溶液に添加する段階と、(段階1003)マイクロエマルジョンに凝集剤を添加して、ベシクルの凝集を生じさせる段階と、(段階1004)ベシクルを単離する段階と、(段階1005)ベシクルを加熱して、有機物質を除去し、酸化物前駆体材料を形成する段階と、(段階1006)酸化物前駆体材料を結晶化温度で加熱して、ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料を形成する段階とを含む。
いくつかの実施形態で、前駆体材料は、電磁スペクトルの120nmから500nmの領域を吸収し、且つ電磁スペクトルの220nmから750nmの領域を発光する、酸化物ベース蛍光体材料のナノ結晶性粉末が得られるように選択される。
いくつかの実施形態で、前駆体材料は、式Sr1−XPrAl12−XMg19であって、0<X≦20である式を有する酸化物ベース量子分割蛍光体材料のナノ結晶性粉末が得られるように、Al(NO・9HO、Pr(NO・6HO、MgCl、Sr(NO(無水)、Mg(NO・6HO、AlCl(無水)、SrCl・6HO、PrCl・6HO、及びこれらの組合せからなる群から選択される。
適切な溶媒には、水、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、及びこれらの組合せが含まれるが、これらに限定するものではない。いくつかの実施形態で、溶媒混合物は、極性を変化させ/適合させるように、酢酸やギ酸、ホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシドなどのその他の極性の低い溶媒を含むことができる。溶媒の選択は、一般に、前駆体材料及び処理中に用いる鋳型剤に応じて決まる。いくつかの実施形態では、溶媒が水である場合、添加剤及び/又は前駆体材料が、溶液を酸性にする。
典型的な場合、前駆体材料は、1種又は複数の塩の化学種を含む。そのような塩の化学種は、金属のハロゲン化物、リン酸塩、硫酸塩などを介して金属成分を提供することができる。リン酸塩や硫酸塩、硝酸塩などの塩は、酸化物成分も提供することができる。多くのその他の塩の組合せが存在する。いくつかの実施形態で、蛍光体生成物の化学量論は、前駆体材料が適切な量で確実に添加されることにより、段階1001で確立される。
段階1002で使用される適切な鋳型剤は、ベシクルのマイクロエマルジョンが得られるよう、集合させて溶媒中にベシクルを形成することが可能な任意の化学種を含む。一般に、鋳型剤は、両親媒性ポリマー、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの組合せからなる群から選択される。適切な両親媒性ポリマーには、ポリ(ビニルアルコール)が含まれるが、これに限定するものではない。適切なイオン性界面活性剤には、硫酸塩やスルホン酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩などの陰イオン界面活性剤と;アルキルアンモニウム塩やジェミニ型界面活性剤[S.K.Hait他、「Gemini surfactants: A Distinct class of self-assembling
molecules」、Current Science、2002、82、pp.1101-1111]、セチルビペリジニウム塩、ビチェイン(bichain)塩などの陽イオン界面活性剤と;これらの組合せが含まれるが、これらに限定するものではない。適切な非イオン性界面活性剤には、極性非イオン性界面活性剤、無極性非イオン性界面活性剤、及びこれらの組合せが含まれるが、これらに限定するものではない。
いくつかの実施形態で、マイクロエマルジョンは、逆マイクロエマルジョンである。いくつかの又はその他の実施形態で、ベシクルは、ミセル又は逆ミセルである。
段階1003で使用される適切な凝集剤は、ベシクルのマイクロエマルジョンを不安定にすることが可能な任意の化学種を含む。例示的な凝集剤には、NHOH、NAOH、KOH、LiOH、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、及びこれらの組合せが含まれるが、これらに限定するものではない。
一般に、ベシクルの単離(段階1004)では、ベシクルをバルク溶媒から単離する。適切な単離技法には、蒸発、濾過、遠心単離、及びこれらの組合せが含まれるが、これらに限定するものではない。単離技法は、この単離技法を行った後に、前駆体材料と結合したままにすることが可能なものが、適切である。
酸化物前駆体材料を形成するためのベシクルの加熱(段階1005)は、一般に、約100℃から約800℃の間の温度で行う。そのような加熱は、有機物質を除去して酸化物前駆体材料を形成するのに役立つ。有機物の一部は、揮発性である場合、蒸発させることができる。その他の有機物は、空気中でベシクルを加熱することにより(即ち、calcining:か焼)、COとして除去される。
ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料を形成するための、結晶化温度での酸化物前駆体材料の加熱(段階1006)は、一般に、約200℃から約1400℃の間の温度で行う。
いくつかの実施形態では、ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料を形成するために結晶化温度で酸化物前駆体材料を加熱する前に、任意選択のミリング段階を実施する。いくつかのそのような実施形態で、そのようなミリングは、耐火性ミリングボール(例えばAl)を用いて行う。
いくつかの実施形態で、材料のサイズは、X線回折(XRD)、透過型電子顕微鏡法(TEM)、及び電子エネルギー損失分光法(EELS)を含むがこれらに限定することのない様々な技法によって、確認することができる。いくつかの実施形態では、発光分光法を使用して、材料の光学的性質を確認する。
いくつかの実施形態で、本発明は、新規なナノ結晶性コーティング付き蛍光体システムを導入することにより、光出力を改善し、蛍光灯のルーメン低下を減少させる。特に、水銀放電の185nm放射線に曝露された蛍光灯を、最も劇的に改善することができる。この185nm放射線を吸収するが、水銀放電の245nm放射線を透過させる蛍光体粒子のナノ規模のコーティングは、全体的なランプ効率と共に光束維持も同時に改善することができる。これは、185nm入力から変換されたUV又は可視光放射線が、ナノ規模の層によって発光されることにより生ずる。量子分割蛍光体は、この役割を果たすのに理想的な材料であるが、185nm照射を250nm範囲(現行の蛍光体が吸収する)の放射線に効率的に変換する蛍光体も、全体的なランプ効率を改善することができる。しかし、新しい蛍光体コーティングは、ルーメン低下を避けるために、既存の蛍光体により吸収された入射する254nm放射線を、散乱させてはならない。
上述のように、いくつかの特定の実施形態で、本発明は、酸化物ベース量子分割蛍光体の調製方法を対象とし、この方法は、酸化物粒子の立体閉込めのためのポリマーを使用する、鋳型合成を含む。そのような立体閉込め法は、後続の熱分解プロセスで形成されるときに粒子を単離することによって、粒径の制御を行うことができる。慎重に水を蒸発させて有機物をか焼した後、得られた粉末を、所望の量子分割酸化物層を形成するのに必要な様々な温度と時間の組合せで加熱する。
本発明のいくつかの実施形態の処理経路は、酸化物ベースのVUV変換及び量子分割蛍光体の、ナノ結晶性粉末の合成を提供する。上記で述べた、量子分割蛍光体は活性コーティングとして働き、185nm放射線を吸収すると共に、下に在る蛍光体層をさらに励起し又は蛍光灯の可視波長出力を増大させるのに適切な波長の光を発光することになる。コーティングの厚さはナノ規模であるので、254nm放射線の散乱を回避することができ、ルーメン効率を効率的に増大させることができる。
本発明は、少なくともいくつかの実施形態で、酸化物ベースナノ結晶性量子分割蛍光体及びVUV変換蛍光体の、低コストで再現性があり拡大縮小可能な処理を提供する。しかし本発明は、量子分割組成物の、活性ナノ規模コーティングに限定するものではない。そのような方法は、様々なその他の酸化物ベース組成物に使用できることが、当業者に理解されよう。
いくつかの実施形態で、本明細書に記述される蛍光体は、Hg又はXe放電に基づく蛍光灯や、誘電体バリア放電ランプ、冷陰極コンパクト蛍光灯、又は蛍光体の下方変換を使用する発光ダイオード(有機又は無機)など、様々な照明機器に使用することができる。さらに、これらの蛍光体は、陰極線励起を使用するディスプレイの適用分野でも使用することができる。
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を実証するために記載する。当業者なら、下記の実施例に開示された方法は、単に本発明の例示的な実施形態を示すだけであることを理解されたい。しかし当業者なら、本発明の開示に照らし、記述される特定の実施形態に多くの変更を加えることができ、それでもなお本発明の精神及び範囲から逸脱することなく同様の又は類似の結果が得られることを、理解すべきである。
[実施例1]
この実施例は、本発明の少なくともいくつかの実施形態による、酸化物ベース量子分割蛍光体材料(SrAl1219:Pr,Mg)の調製及び特徴付けを例示するのに役立ち、処理後のX線回折(XRD)測定では、この方法により、クリスタリットのサイズが約50nmのナノ結晶性粉末が得られることが実証された。光学的な特徴付けでは、ナノ結晶性粉末に量子分割効果があることが確認された。
SrAl1219:1%Pr,Mgの1回分の処理分量10gを、立体閉込め経路を使用して調製した。化学量論量のSr(NO、Al(NO・9HO、Pr(NO・6HO、及びMgClを、脱イオン水100cmに、1時間絶え間なく撹拌しながら溶解し、その後、5重量%のポリ(ビニルアルコール)(115,000Mw)溶液を続けて添加した。得られた混合溶液は、NHOH(28〜30%)溶液100cmを1滴ずつ添加することによって、沈殿させた。得られた材料を磁器トレイに移し、24時間、赤外線加熱ランプ下に置いた。乾燥した材料を集め、アルミナのるつぼに移し、最初に400℃で4時間、空気の存在下で処理した。サンプルには、このサンプル中に存在する有機物質の不完全な分解が原因で、肉眼で見ることのできる灰色領域が在った。このサンプルを、引き続き450℃、500℃、及び550℃で、同様の時間にわたり且つ同様の雰囲気中で加熱した。肉眼で見ることのできる不均質性は依然として存在するので、このサンプルを取り出し、高密度/高純度Al粉砕媒体を使用してイソプロパノール中で6時間ミリングにかけ、その後、空気中で4時間、600℃でか焼した。この段階が終了すると、この1回分の処理分量は、目に見えるような灰色部分を示さず、完全に白色であった。次いで相形成を最適化するため、少量の一定分量を取り出し、800℃、1000℃、1200℃、及び1400℃で4時間、空気中で処理した。各か焼段階で、少量の一定分量のサンプルを取り出し、粉末X線回折によって特徴付けを行った。
粉末X線回折は、NiフィルタCuKα放射線を利用するBruker D8 Advance X線回折装置と、アパーチャスリット、散乱放射線スリット、及び検出器スリットとしてそれぞれ1mm、1mm、及び0.1mmの固定スリットを備えたシンチレーション検出器とを使用して、選択されるサンプルについて実施した。この機器を、30°〜40°領域内のθ−2θ幾何形状で操作したが、このときのステップサイズは0.02度であり、ステッピング速度は5秒ごとに1ステップであった。NISTで認定された660a LaB標準物質を使用して、ピークの広がりに対するこの機器の寄与率を決定した。平均クリスタリットサイズは、Scherrerの式を使用して得た[例えば、B.D.Cullity、Elements of X-Ray Diffraction、第2版(Boston: Addison-Wesley、1978)、p.102参照]。
最高1000℃程度までの温度で、X線粉末回折は、大部分が非晶質材料であることを示し、痕跡量のナノサイズのAl及びSrCOが存在している(図2参照)。1200℃では、X線粉末回折により、かなりの反応が生じたこと、また所望のSrAl1219:1%Pr,Mg相のものである反射が81nmのクリスタリットサイズで検出されたことが、明らかになった。少量の未反応のSrAl及びAl(図2に、矢印で示す)は、サンプル中に残ったままであった。温度を1400℃に上昇させることによって、SrAl1219:1%Pr,Mg相の比率がかなり上昇し、ほぼ相が純粋(phase−pure)なサンプルが得られた。クリスタリットのサイズは、ごく僅かに89nmまで増大しただけであった。
上記生成された材料について得られた発光スペクトルでは、200nm励起下でのPr3+ 1発光が明らかにされ(4f2→4f5d)、これはPr3+量子分割に関する極めて重要なサインであった(図3)。上述の鋳型剤を使用して生成された粉末の、透過型電子顕微鏡法(TEM)画像、及びそれに関する電子エネルギー損失分光法(EELS)の測定は、厚さが50nmよりも薄いことを示しており、これを図4及び5に示すが、図5は、図4内のより大きく拡大した領域を示す。
一般に、本発明の実施形態は、ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料と、その製造方法を対象とする。典型的な場合、そのような方法は、前駆体をそのような蛍光体材料に変換するための立体閉込め経路を含む。いくつかの実施形態で、ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料は、量子分割蛍光体である。いくつかの又はその他の実施形態で、そのようなナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料は散乱の低下をもたらし、その結果、照明用途で使用したときに効率が高まる。
上述の実施形態に関する上述の構造、機能、及び操作のいくつかは、本発明を実施するのに必ずしも必要ではなく、例示的な実施形態を完全にするためだけにこの記載に含まれることが、理解されよう。さらに、上述の参照特許及び刊行物に記載される特定の構造、機能、及び操作は、本発明と併せて実施することができるが、その実施に必要不可欠ではないことが理解されよう。したがって本発明は、添付の請求項によって定義されるような本発明の精神及び範囲から実際に逸脱することなく、具体的に記述されたものとは異なるものを実施することができると理解すべきである。また、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
本発明のいくつかの実施形態による、ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料を製造する全体的な方法を示す流れ図である。 200℃おきに400℃〜1400℃でか焼したSrAl1219:1%Pr,Mgの、X線粉末回折プロットであり、SrAl及びAl不純物を矢印で示した図である。 本発明の実施形態による、ナノ結晶性酸化物ベース量子分割蛍光体材料に関して得られた発光スペクトルが示され、200nm励起でのPr3+1発光(4f2→4f5d)、即ちPr3+量子分割の決定的サインが明らかな図である。 本発明の実施形態による、ナノ結晶性酸化物ベース量子分割蛍光体材料の、TEM画像である。 図4に示される、ナノ結晶性酸化物ベース量子分割蛍光体材料の、別のTEM画像であり、より高い倍率で獲得した画像である。

Claims (10)

  1. (a)ある量の少なくとも1種の前駆体材料を溶媒に溶解して溶液を形成する段階であって、該前駆体材料が蛍光体材料を形成するのに適切である段階と、
    (b)該前駆体材料を含むベシクルのマイクロエマルジョンを形成するのに十分な量で、鋳型剤を、該溶液に添加する段階と、
    (c)該マイクロエマルジョンに凝集剤を添加して、ベシクルの凝集を生じさせる段階と、
    (d)該ベシクルを単離する段階と、
    (e)該ベシクルを加熱して、有機物質を除去し、酸化物前駆体材料を形成する段階と、
    (f)該酸化物前駆体材料を結晶化温度で加熱して、ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料を形成する段階と
    を含む、ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料を製造する方法。
  2. 前記鋳型剤が、両親媒性ポリマー、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  3. 前記鋳型剤がポリ(ビニルアルコール)である、請求項1記載の方法。
  4. 前記ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料が、量子分割蛍光体、UV発光蛍光体、可視発光蛍光体、及びこれらの組合せからなる群から選択される蛍光体である、請求項1記載の方法。
  5. 前記前駆体材料が、電磁スペクトルの120nm〜500nm領域内で吸収し、且つ電磁スペクトルの220nm〜750nm領域内で発光する酸化物ベース蛍光体材料のナノ結晶性粉末が得られるように選択される、請求項1記載の方法。
  6. 溶液ベースの立体閉込め経路によって製造された、ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料であって、該溶液ベースの立体閉込め経路が、
    (a)ある量の少なくとも1種の前駆体材料を溶媒に溶解して溶液を形成する段階であって、該前駆体材料が蛍光体材料を形成するのに適切である段階と、
    (b)該前駆体材料を含むベシクルのマイクロエマルジョンを形成するのに十分な量で、鋳型剤を、該溶液に添加する段階と、
    (c)該マイクロエマルジョンに凝集剤を添加して、ベシクルの凝集を生じさせる段階と、
    (d)該ベシクルを単離する段階と、
    (e)該ベシクルを加熱して、有機物質を除去し、酸化物前駆体材料を形成する段階と、
    (f)該酸化物前駆体材料を結晶化温度で加熱して、ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料を形成する段階と
    を含む、ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料。
  7. 前記材料が量子分割蛍光体材料である、請求項6記載のナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料。
  8. 前記ナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料が、約5nmから約100nmの間の直径を有するクリスタリットを含む、請求項6記載のナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料。
  9. 前記前駆体材料が、電磁スペクトルの120nm〜500nm領域内を吸収し、且つ電磁スペクトルの220nm〜750nm領域内を発光する酸化物ベース蛍光体材料のナノ結晶性粉末が得られるように選択される、請求項6記載のナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料。
  10. 前記材料が、同様の組成の非ナノ結晶性材料に比べて散乱を低下させる、請求項6記載のナノ結晶性酸化物ベース蛍光体材料。
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