JP2006143805A - オルガノシロキサン防食塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉛化合物やクロム酸化合物と同等又はそれ以上の防食性能を有する重金属を含有しない無公害防錆顔料を配合し、素地との密着性が良好なオルガノシロキサン防食塗料を提供する。
【解決手段】組成が、カルシウム成分とりん成分とからなり、かつその両成分中のカルシウムとりんとの原子比率(Ca/P=m)が0.50<m<1.00である単一物又は混合物を、180〜350℃で焼成してなる縮合りん酸カルシウムを含み、重金属を含まない無公害防錆顔料と、一般式、
Si(OR4−n
〔式中、Rは、炭素数1〜8の有機基であり、Rは、炭素数1〜6のアルキル基であり、nは、0〜2の整数である。〕で示されるオルガノシランの部分加水分解縮合物(A)と、硬化触媒(B)を含有することを特徴とするオルガノシロキサン防食塗料組成物
【選択図】なし

Description

本発明は、無公害であり、鉛やクロム等の重金属を含有しない、オルガノシロキサン防食塗料組成物に関するものである。
従来、防錆顔料として鉛化合物、クロム酸化合物が広範囲に使用されてきた(非特許文献1、2)。これらは優れた防錆効果を有する反面、その毒性が問題となり、無公害防錆顔料の開発が盛んに行われている。しかしながら、鉛化合物やクロム酸化合物と同等の耐久性を有する無公害防錆顔料の開発は充分ではない。
一方、耐久性の良好なオルガノシロキサン樹脂は下地素材との密着性が充分とは言えず、その改良が望まれていた。
従って、本発明の課題は、鉛やクロムを使うことなく防食性と下地素材との密着性の両方を兼ねたオルガノシロキサン防食塗料組成物を提供することである。
JIS K5623 JIS K5625
本発明の課題は、鉛化合物やクロム酸化合物と同等又はそれ以上の防食性能を有する重金属を含有しない無公害防錆顔料を配合し、素地との密着性が良好なオルガノシロキサン防食塗料を提供することである。
本発明は、カルシウム成分とりん成分とからなり、かつその両成分中のカルシウムとりんとの原子比率(Ca/P=m)が0.50<m<1.00である単一物又は混合物を、180〜350℃で焼成してなる縮合りん酸カルシウムを含み、重金属を含まない無公害防錆顔料と、一般式、
Si(OR4−n
〔式中、Rは、炭素数1〜8の有機基であり、Rは、炭素数1〜6のアルキル基であり、nは、0〜2の整数である。〕で示されるオルガノシランの部分加水分解縮合物(A)と、硬化触媒(B)を含有することを特徴とするオルガノシロキサン防食塗料組成物である。
本発明によれば、鉛やクロムを使うことなく防食性と下地素材との密着性の両方を兼ねたオルガノシロキサン防食塗料組成物が可能になった。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いる無公害防錆顔料における縮合りん酸カルシウムの防錆作用に関する詳細な機構は不明であるが、縮合りん酸カルシウムが、腐食雰囲気下において水にわずかに溶解し、生じた縮合りん酸イオンが金属に対するキレート力が非常に強いため、鉄表面に不動態皮膜を形成し、錆の発生を防止するものと考えられる。
本発明で使用される縮合りん酸カルシウムは、カルシウム成分とりん成分とからなり、かつその両成分中のカルシウムとりんとの原子比率(Ca/P=m)が、0.50<m<1.00の範囲にある単一物又は混合物を用いることが必要であり、好ましくは、混合物中のカルシウムとりんとの原子比率mが、0.60<m<0.80の範囲にある単一物又は混合物を用いることが望ましい。
単一物又は混合物中のカルシウムとりんとの原子比率(Ca/P=m)が、m≦0.50の場合には、縮合りん酸イオンの溶出量が過剰となり、塗膜のふくれが生じ、防錆効果を低下させるため、好ましくない。また、その原子比率mが、m≧1.00の場合には、不動態皮膜形成に必要な縮合りん酸イオンの溶出量が低すぎ、また縮合りん酸カルシウムを製造しにくくなるため、好ましくない。
本発明に用いられる縮合りん酸カルシウムは、下記式(1)、
Caxy(Pn3n+1z (1)
(式中、xは、1〜4の実数であり、yは、0〜2の実数であり、zは、1〜2の実数であり、nは、2〜6の整数であり、かつ、2x+y=(n+2)zである。)
で表される化合物であることが望ましい。
ただし、式(1)の縮合りん酸カルシウムは、任意の数の結晶水を持つ化合物も含む。
式(1)で表される縮合りん酸カルシウムとしては、CaH227や、Ca227、Ca32(P272、Ca42(P3102、Ca4619などが代表的なものであり、これら単一又はそれらの混合物であることが望ましい。
このような式(1)で表される縮合りん酸カルシウムは、主にX線回折法を用いて決定することができる。
本発明に用いられる縮合りん酸カルシウムは、単一の結晶状態であっても、種々の結晶状態(非晶質も含む)の混合物であってもさしつかえない。
本発明に用いる無公害防錆顔料の構成成分である縮合りん酸カルシウムは、前述のカルシウム成分とりん成分との混合物を、180〜350℃の温度で焼成し、好ましくは、200〜290℃の温度で焼成することが望ましい。焼成温度が180℃より低いと、りん酸の縮合が起こらず、縮合りん酸カルシウムは得られない。また、焼成温度が350℃より高いと、生成した縮合りん酸カルシウムの多くがメタりん酸カルシウムに転じてしまうため、防錆性を有する縮合りん酸カルシウムは得られない。
カルシウム成分とりん成分との混合物の焼成時間は、特に制限はないが、例えば、1〜30時間が好ましい。また、焼成後の縮合りん酸カルシウムは、用途等に応じて粉砕や分級などの操作を行ってもよい。
りん成分としては、例えば、正りん酸や、ポリりん酸、亜りん酸、五酸化二燐等が好適に挙げられる。また、カルシウム成分としては、例えば、カルシウム単体や、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、りん酸一水素カルシウム、りん酸二水素カルシウム、りん酸三カルシウム、ピロりん酸カルシウム、ピロりん酸二水素カルシウム等が好適に挙げられる。なお、硝酸カルシウムや、酢酸カルシウム、塩化カルシウムは、焼成物中に水可溶性のイオンが残存し、顔料の防錆性が低下する傾向にある。
次に、本発明者は、亜鉛を含まない無公害防錆顔料を開発するため、縮合りん酸カルシウムと組み合わせる固体塩基の探索を行った結果、アルカリ土類金属化合物が良好な防錆性を向上させる効果を示すことを見出した。アルカリ土類金属化合物としては、カルシウムや、マグネシウム、ストロンチウム等の酸化物や、水酸化物、ケイ酸塩、炭酸塩などが挙げられ、いずれも良好な防錆性を示すが、特にマグネシウムの化合物を用いるのが望ましい。
アルカリ土類金属化合物の量は、無公害防錆顔料全体に対して、0〜90質量%、より好ましくは、0.1〜60質量%である。従って、この場合、縮合りん酸カルシウムの量は、無公害防錆顔料全体に対して、10〜100質量%、より好ましくは、40〜99.9質量%である。特にアルカリ土類金属化合物として塩基性の強い酸化物や、水酸化物を用いる場合は、無公害防錆顔料全体に対して、アルカリ土類金属化合物は、0.5〜20質量%であることが望ましい。また、このアルカリ土類金属化合物は、1種又は2種以上で使用してもよい。
縮合りん酸カルシウムの混合比率が、上記範囲より少ないときは、防錆作用を発揮する要因となる縮合りん酸イオンの溶出量が少なくなり、防錆効果が十分ではなく、またその比率が上記範囲より多くなると、アルカリ土類金属化合物の減少により、縮合りん酸カルシウムが有する固体酸性を中性化することができなくなるため、縮合りん酸カルシウムに基づく防錆効果が低下する傾向にある。
アルカリ土類金属化合物は、縮合りん酸カルシウムと混合して、又はその混合物を焼成して、使用することができる。
また、本発明に用いる無公害防錆顔料は、上述の縮合りん酸カルシウム及び、それとアルカリ土類金属化合物との混合物に、更にケイ素化合物を混合してもよい。ケイ素化合物を混合すると、素地金属の腐食生成物を固定化でき、防錆効果の向上のため好ましい。ケイ素化合物としては、一般にコロイダルシリカ、湿式法や気相法で合成されたシリカ、又、二酸化ケイ素の形でシリカを含有する天然鉱物なども使用可能であり、特に限定されない。使用するケイ素化合物の量は、無公害防錆顔料全体に対して、一般に、0〜80質量%、好ましくは、0.5〜50質量%である。
本発明に用いる無公害防錆顔料は、上述の縮合りん酸カルシウムの単独使用、又はアルカリ土類金属化合物との併用で十分な防錆効果を発揮するものであるが、更にキレート能を有する有機ホスホン酸又はカルボン酸、及び/又はそれらの中和塩を含有させると相乗効果が現れ、防錆効果は更に優れたものになる。
本発明に用いる無公害防錆顔料に使用されるキレート能を有する有機ホスホン酸として、例えば、ニトリロトリスメチレンホスホン酸や、ニトリロトリスエチレンホスホン酸、ニトリロトリスプロピレンホスホン酸、ニトリロトリスジエチルメチレンホスホン酸等のアミノアルキレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラエチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラプロピレンホスホン酸等のエチレンジアミンテトラアルキレンホスホン酸、メタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、プロパン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸等のアルキル−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、2−ヒドキシホスホノ酢酸等が挙げられる。また、キレート能を有するカルボン酸として、例えば、クエン酸や、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、イタコン酸、マレイン酸、グリコール酸、メルカプト酢酸、チオグリコール酸、サリチル酸、スルフォサリチル酸、アントラニル酸、N−メチルアントラニル酸、3−アミノ−2−ナフトエ酸、1−アミノ−2−ナフトエ酸、2−アミノ−1−ナフトエ酸、1−アミノアントラキノン−2−カルボン酸、タンニン酸、没食子酸等が挙げられる。
また、それら有機ホスホン酸又はカルボン酸の中和塩としては、上記化合物のアルカリ金属や、アルカリ土類金属、アルミニウム、アンモニウムイオン、又はアミノ基等で全部又は一部中和されたものが挙げられる。
なお、キレート能を有する有機ホスホン酸又はカルボン酸及び/又はそれらの中和塩の量は、特に限定されないが、好ましくは、無公害防錆顔料全体に対して、一般に0〜20質量%、好ましくは、2〜15質量%である。
上記縮合りん酸カルシウムと、アルカリ土類金属化合物、有機ホスホン酸又はカルボン酸及び/又はその中和塩との混合に際しては、乾式混合や、湿式混合のいずれも採用することができる。特に、無公害防錆顔料を防錆塗料に適用する場合、アルカリ土類金属化合物によるアルカリ成分が樹脂と反応し、ゲル化や増粘するおそれがあるときには、湿式混合法でこれらの成分をあらかじめ湿式反応させておき、その乾燥物を焼成あるいは粉砕等により使用しても良い。
本発明に用いる無公害防錆顔料は、顔料粒子の分散性あるいは防錆塗料に適用する場合のビヒクルとの混和性を考慮して、必要に応じ表面処理を施してもよい。表面処理方法は、前記目的を達成するために行われる常法を用いることができ、例えば、高級脂肪酸若しくはその誘導体、酸性りん酸エステル若しくはその誘導体、ロジン酸若しくはその誘導体、又はシランカップリング剤から選ばれた1種又は2種以上で表面処理されたものであってもよい。
高級脂肪酸若しくはその誘導体としては、例えば、カプリン酸や、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸若しくはそれらの金属塩又はアミド等、酸性りん酸エステル若しくはその誘導体としては、例えば、モノメチルアシドホスフェート、ジメチルアシドホスフェート、ジエチルアシドホスフェート、メチルエチルアシドホスフェート、n−プロピルアシドホスフェート、イソプロピルアシドホスフェート、n−ブチルアシドホスフェート、イソブチルアシドホスフェート等、ロジン酸若しくはその誘導体としては、例えば、ロジン酸、天然ロジン又はその金属塩又はアミド等、シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニル・トリス(β−メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。
次に本発明のオルガノシロキサン樹脂について説明する。
オルガノシロキサン樹脂は、オルガノシランの部分加水分解縮合物であり、使用されるオルガノシランは、一般式
Si(OR4−n
〔式中、Rは、炭素数1〜8の有機基であり、Rは、炭素数1〜6のアルキル基であり、nは、0〜2の整数である。〕で示される。上記一般式において、Rは、炭素数1〜8の有機基であり、例えば、アルキル基や、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基等を含む。
アルキル基としては、分岐したものでもよい。具体的には、このようなアルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基が挙げられる。好ましいアルキル基は、炭素数が、1〜4個のものである。シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基や、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が好適に挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。これらの各官能基は、任意に置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子や、臭素原子、ふっ素原子等)や、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、脂環式基等が挙げられる。Rとしてのアルキル基は、直鎖でも分岐したものでもよい。
アルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等が挙げられ、好ましいアルキル基は、炭素数が、1〜2個のものである。アルキル基は、分岐を有するものであってもよい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基などのアルキル基、そのほかγ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、フェニル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−アミノプロピル基などが挙げられる。
前記式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基であり、分岐を有していてもよい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられる。
このようなオルガノシランの具体例としては、テトラメチルシリケートや、テトラエチルシリケート、テトラ−n−プロピルシリケート、テトラ−i−プロピルシリケート、テトラ−n−ブチルシリケートなどのnが0の場合のオルガノシラン;メチルトリメトキシシランや、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシランなどのnが1の場合のオルガノシラン;ジメチルジメトキシシランや、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどのnが2の場合のオルガノシラン等が代表的なものとして挙げられる。これらオルガノシランの部分加水分解縮合物は、塗装作業性等の観点から縮合度が、例えば、30以下、好ましくは、10以下のものが好ましい。
硬化触媒(B)としては、従来から通常使用されているものが特に制限なく利用可能である。このような硬化触媒(B)としては、具体的には、例えば、ジブチルスズジラウレートや、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレエート、ジオクチルスズマレエート、オクチル酸スズなどの有機スズ化合物;りん酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジデシルホスフェートなどのりん酸又はりん酸エステル;ジイソプロポキシビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタニウムなどの有機チタネート化合物;トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物;テトラブチルジルコネート、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトライソブチルジルコネート、ブトキシトリス(アセチルアセトナート)ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合物等が代表的なものとして挙げられる。
硬化触媒の配合量は、オルガノシランの部分加水分解物(A)100質量部に対して、例えば、0.1〜10質量部、好ましくは、0.5〜6質量部である。この範囲内において、良好な硬化性が得られ、良好な塗料安定性が得られる。
本発明の無公害防錆顔料から溶出する縮合りん酸イオンは金属素材とキレート化して密着性の良い塗膜を形成するため、オルガノシロキサン樹脂の欠点と言われた素材との密着性を大きく改良する。この機能は他の防錆顔料には存在しない機能である。
更に、金属素材との密着性を向上させることを目的としてシランカップリング剤を配合すると良い。
配合されるシランカップリング剤としては、例えば、γ−クロロピルトリメトキシシランや、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル・トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン等が代表的なものとして挙げられる。
その配合量は、オルガノシランの部分加水分解縮合物(A)100質量部に対して、例えば、1.0〜20質量部、好ましくは、3.0〜15質量部で添加するのが好ましい。この範囲内での配合によって、良好な塗料の貯蔵安定性が得られる。
本発明のオルガノシロキサン樹脂固形分100質量部に対して、一般的には3〜50質量部の前記防錆顔料を配合する。本発明のオルガノシロキサン防錆顔料組成物は、前記防錆顔料及び前記バインダーを必須成分とし、更に必要に応じて一般の防錆塗料に使用される各種の着色顔料、体質顔料、溶剤、防錆顔料等を添加しても良い。
以下、本発明を実施例及び比較例により、具体的に説明する。但し、本発明の範囲は、これらの実施例及び比較例により何ら限定されるものではない。
[1.縮合りん酸カルシウムAの合成]
炭酸カルシウム100gと、市販の85%りん酸173gと(Ca/Pの原子比率は、0.67)をフラスコに採り、攪拌しながら80℃で3時間反応させた。この反応液を放冷後、温度を250℃に設定した乾燥機にて、30時間焼成し、縮合りん酸カルシウムAを合成した。この縮合りん酸カルシウムAは、CaH227やCa42(P3102等の混合物である。
[2.縮合りん酸カルシウムBの合成]
炭酸カルシウム100gと、市販の85%りん酸154gと(Ca/Pの原子比率は0.75)をフラスコに採り、攪拌しながら80℃で3時間反応させた。この反応液を放冷後、温度を250℃に設定した乾燥機にて、30時間焼成し、縮合りん酸カルシウムBを合成した。この縮合りん酸カルシウムBは、CaH227や、Ca32(P272、Ca42(P3102等の混合物である。
[3.縮合りん酸カルシウムCの合成]
炭酸カルシウム100gと、ポリりん酸113.7gと(Ca/Pの原子比率は0.74)をフラスコに採り、攪拌しながら80℃で3時間反応させた。この反応液を放冷後、温度を230℃に設定した乾燥機で、30時間焼成し、縮合りん酸カルシウムCを合成した。この縮合りん酸カルシウムCは、Ca227や、CaH227等の混合物である。
[4.オルガノシランの部分加水分解縮合物Dの合成]
メチルトリメトキシシラン(信越シリコン社製商品名;KBM13)45.0g、フェニルトリメトキシシラン(信越シリコン社製商品名;KBM103)25.0g、フェニルトリプロポキシシランの部分加水分解縮合物(東芝ダウコーニング社製商品名;SH6018)25.0g及びアルミニウムキレート化剤(川研フアインケミカル社製商品名;アルミキレートD)4.6gを60℃、3時間撹拌反応して得られた縮合物溶液D(固形分90%)を得た。
[5.オルガノシランの部分加水分解縮合物Eの合成]
オルガノシラン部分加水分解縮合物(東レダウコーニング社製商品名;DC3037)52.5g、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(東レダウコーニング社製商品名;SR2402)18.5g、フェニルトリメトキシシラン(信越シリコン社製商品名;KBM103)25.0g、テトラメチルシリケート(信越シリコン社製商品名;KBE04)5.0g及び「アルミキレートD」1.2gを60℃、3時間撹拌反応して得られた縮合物溶液E(固形分93%)を得た。
〔実施例1〜7および比較例1〜3〕
無公害防錆顔料、オルガノシランの部分加水分解縮合物およびシランカップリング剤を表1に示すよう配合し、ジルコニアビーズ(φ1.5mm)とともにサンドミルを用いて30分間分散させて塗料化した。
Figure 2006143805
[試験片の作製]
脱脂・研磨した冷間圧延鋼板鋼板JIS G3141 SPCC−SB(0.8t×70×150mm)に上記塗料を乾燥膜厚が120μmとなるようエアースプレー塗装し、室温にて1週間乾燥させて試験片を得た。
[試験片の評価]
(1)塩水噴霧試験
試験片の下半分に、カッターナイフを用いて素地に達するクロスカットを入れ、
JIS Z 2371に準じて塩水噴霧試験を行った。試験を1000時間実施
後クロスカット部の片側ふくれ・さび幅を判定基準とした。
◎:全く異常なし、○:片側2mm以内のふくれ・さび
△:片側3mm以内のふくれ・さび、×:片側3mm以上のふくれ・さび
(2)密着性試験
試験片に、カッターナイフを用いて2mm間隔の碁盤目を25ヶ入れ、セロハン
テーにて剥離試験を行った。セロハンテープ剥離試験後の存在した碁盤目の数で
密着性を価した。判定基準は下記のとおり。
◎:25/25、○:20/25〜24/25
△:15/25〜19/25、×:14/25以下
(3)屋外暴露試験
試験片の下半分にカッターナイフを用いて素地に達するクロスカットを入れ、沖
縄県に1年間暴露した。1年後に試験片を回収し、クロスカット部をセロハンテ
ープにて剥離試験した。判定基準は下記のとおり。
◎:全く剥離なし、○:片側2mm以下の剥離、
△:片側3〜15mmの剥離、×:セロハンテープ幅の剥離
Figure 2006143805
表2の結果からも明らかなとおり、本発明の実施例においては、良好な防食性と良好な密着性を有していた。
一方、無公害防錆顔料を配合しない比較例1、トリポリりん酸アルミニウムを用いた比較例2、特定の無公害防錆顔料でなく市販の防錆顔料を配合した比較例3は、防食性および密着性とも不充分であった。

Claims (5)

  1. 組成が、カルシウム成分とりん成分とからなり、かつその両成分中のカルシウムとりんとの原子比率(Ca/P=m)が0.50<m<1.00である単一物又は混合物を、180〜350℃で焼成してなる縮合りん酸カルシウムを含み、重金属を含まない無公害防錆顔料と、一般式、
    Si(OR4−n
    〔式中、Rは、炭素数1〜8の有機基であり、Rは、炭素数1〜6のアルキル基であり、nは、0〜2の整数である。〕で示されるオルガノシランの部分加水分解縮合物(A)と、硬化触媒(B)を含有することを特徴とするオルガノシロキサン防食塗料組成物。
  2. 前記縮合りん酸カルシウムが、下記式(1)、
    Caxy(Pn3n+1z (1)
    (式中、xは、1〜4の実数であり、yは、0〜2の実数であり、zは、1〜2の実数であり、nは、2〜6の整数であり、かつ、2x+y=(n+2)zである。)
    で表される化合物である請求項1に記載のオルガノシロキサン防食塗料組成物。
  3. 前記無公害防錆顔料が、更に、アルカリ土類金属化合物を含む請求項1〜2のいずれかに記載のオルガノシロキサン防食塗料組成物。
  4. 前記無公害防錆顔料が、更に、キレート能を有する有機ホスホン酸もしくはカルボン酸、又はそれらの中和塩を含む請求項1〜3のいずれかに記載のオルガノシロキサン防食塗料組成物。
  5. 前記無公害防錆顔料が、更に、シランカップリング剤を含む請求項1〜4のいずれかに記載のオルガノシロキサン防食塗料組成物。
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