JP2006141756A - ユニットバスの保温構造 - Google Patents

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一暁 中島
Junichiro Otsuka
純一郎 大塚
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正和 首藤
Yoshi Meki
嘉 目木
Akira Ehata
晶 江幡
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Abstract

【課題】フルパン構造の長所を最大限に活用し、保温性、施工性に優れたユニットバスの保温構造を提供する。
【解決手段】防水パンの上に浴槽を設置するユニットバスの保温構造において、上記浴槽裏面を外嵌する内側断熱材と、上記防水パン上に立設された壁パネルを背にして該防水パン上に配設され、上記内側断熱材の、浴槽エプロン裏面を除く部分を囲繞する外側断熱材とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ユニットバスの保温構造に係り、特に防水パンの上に浴槽を設置するフルパン構造のユニットバスの、浴槽内に貯留された湯の保温構造に関する。
ユニットバス或いはシステムバスの構造は、大別するとハーフ構造とフルパン構造とに分けられる。前者は、洗い場付浴槽或いは洗い場一体型浴槽とも謂われ、架台の上に洗い場の床と浴槽とを一体で形成し、浴槽のリム上に壁パネルを立設するものである。後者は、床全面に架台を介して敷設された防水パン上に浴槽を載置し、壁パネルも防水パン外縁上に周設されるものである。
ハーフ構造の場合、例えば戸建て住宅の1階部分に設置されると、浴槽裏面が外気に直接晒されることになり、浴槽内の湯の温度が低下し易い。そこで、従来、浴槽の裏面形状に合わせて成形された複数の保温材を浴槽の裏面側に貼り付けて浴槽内部の湯の温度低下を防止する対策が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、フルパン構造では、浴槽裏面は、防水パン、壁パネル及び浴槽エプロンとともに閉じた空間を形成し外気に直接晒されない。そのためハーフ構造におけるような保温対策は、寒冷地仕様として浴槽裏面への発泡ウレタン吹付等を除いて、特別な対応は採られていなかった。
ところで、今、省資源・省エネルギーの観点から、或いは住宅部品から発生する環境負荷の低減の観点から、様々な対応が検討されるようになった。このような問題の一つである「省エネルギー」に対する取り組みの一つとして、浴槽に溜められた湯の温度低下の防止が挙げられる。これはエネルギーの無駄な放出を抑えるだけでなく、追い焚き等の余分なエネルギー消費を減少させ、家計の光熱費低減にも寄与するものである。
斯かる状況下で、フルパン構造のユニットバスにおいても、浴槽に溜められた湯の温度を下げない保温構造が求められるようになってきた。
特開平9−28599号公報
フルパン構造の保温構造としては、ハーフ構造と同様に、浴槽の裏面形状に合わせて成形された複数の保温材を浴槽の裏面側に貼着する構造がまず考えられる。けれども、フルパン構造では、浴槽を設置する以前に、浴槽の底面側には防水パンが、そして、洗い場側を除く三つの側面側には壁パネルが、それぞれ存在している。これらを利用して、例えば防水パン、壁パネル及び浴槽裏面に囲まれる空間全体に断熱材を満たすことができれば、より高い保温性を得ることが可能になる。
しかしながら、防水パン等に比べて柔軟な断熱材が、浴槽設置前に防水パン上に存在すると、それ自体が破損する、或いは浴槽の設置作業に支障を来す虞がある。また、追い焚きアダプタやこれに接続される配管類と干渉する可能性も存在する。さらに、断熱材に浴槽、溜められた湯、そして入浴者の重量が直接掛かると断熱材がきしむ音が発生しないとも限らない。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、フルパン構造の長所を最大限に活用し、保温性、施工性に優れたユニットバスの保温構造を提供することを目的とするものである。
本発明に係るユニットバスの保温構造は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、防水パンの上に浴槽を設置するユニットバスの保温構造において、上記浴槽裏面を外嵌する内側断熱材と、上記防水パン上に立設された壁パネルを背にして該防水パン上に配設され、上記内側断熱材の、浴槽エプロン裏面を除く部分を囲繞する外側断熱材とを備えるものである。
前記外側断熱材は、好適には、請求項2に記載したように、前記浴槽の浴槽エプロンの反対側略半分を囲繞するものである。
また、上述した課題を解決するために、請求項3に係るユニットバスの保温構造は、防水パンの上に浴槽を設置するユニットバスの保温構造において、前記浴槽の浴槽エプロン側略半分及び底部を外嵌する第1の断熱材と、上記防水パン上に立設された壁パネルを背にして該防水パン上に配設され、前記浴槽の浴槽エプロンの反対側略半分を外嵌する第2の断熱材とを備えるものである。
本発明に係るユニットバスの保温構造によれば、フルパン構造の長所を最大限に活用し、優れた保温性、施工性を得ることができる。
本発明に係るユニットバスの保温構造の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る保温構造を備えるユニットバス1の概要を示す分解斜視図であり、図2は本実施形態に係る保温構造を浴槽短手方向に沿った縦断面で見た図である。
この実施形態に示されたユニットバス1は、図1に示すように、FRP等の樹脂材によって一体的に形成された防水パン2と、この防水パン2の外縁上に周設された壁パネル8及び出入り口を形成する図示しないドアと、同じく図示しない天井パネルと、浴槽9とを主要な要素として構成される。
防水パン2は、洗い場部3と浴槽載置部4とに区画され、その境界には土手部5が立設される。洗い場部3の最も低い位置には洗い場排水口7が、また浴槽載置部4の最も低い位置には浴槽排水口6が設けられ、これらは防水パン裏に取設された図示しない排水トラップに接続される。
壁パネル8は、浴室内に面する表面材が、その裏側に取設された裏打ち材或いはフレーム等により、それ自身で平面を維持できる程度の強さをもった板状に形成され、接続金具等により連結設置される。
浴槽載置部4には、支持脚9aに支持されて浴槽9が載置される。そして、浴槽9の上面には、浴槽非使用時には風呂蓋11が載置される。浴槽9の裏面を断熱構造とする以上、風呂蓋11も断熱性を有することが望ましく、風呂蓋11は、例えば図2に示すように、板状の断熱材11bの上下両面をFRP或いはアルミ板等の表面材11aで挟んだサンドイッチ状の本体の小口を、軟質樹脂で形成された小口材11cで塞いで成形される。
浴槽9の洗い場側リム9b先端と土手部5の天端との間には、浴槽側面を掩蔽する浴槽エプロン10が架設される。この浴槽エプロン10の裏面にもエプロン断熱材14が貼着されている。エプロン断熱材14は、ある程度の押圧力で押されても実質的に変形しない剛性を有し、浴槽エプロン10の裏面に貼着された硬質断熱材16と、押圧されると容易に圧縮変形する柔性を有し、硬質断熱材16の、据付時において浴槽9に対向する面に貼着された軟質断熱材17とから構成される。
軟質断熱材17は、浴槽エプロン10が所定の位置に据え付けられたときに、後述する内側断熱材20と当接する厚さより厚く形成される。したがって、軟質断熱材17の上端から下端まで同一の厚さであってもよいが、浴槽9が膨出する上部よりも退行する下部の方が厚く形成される方が合理的である。軟質断熱材17は、押圧されると圧縮変形して、内側断熱材20とエプロン断熱材14とが干渉することが防止される。
硬質断熱材16は、内側断熱材20と同質の材料、すなわち、発泡ポリプロリレンや発泡スチロールであり、軟質断熱材17は、軟質ウレタンフォームのようなスポンジ状の材料である。
なお、軟質断熱材17は、押圧する物体の形状に追随して圧縮変形するものでなければならないが、取り外されたときに元の形状に復帰する弾性変形でなくても、塑性変形であってもよい。また、ここでいう「硬質」、「軟質」は、両者を比較する相対的なものであり、絶対的な硬度を有することを意味するものではない。
本実施形態に係る保温構造は、上述したエプロン断熱材の他、内側断熱材20と、外側断熱材19とを備える。内側断熱材20は、浴槽9の裏面を、浴槽9の上端が外方へ拡開したリム9b裏面を除く略全面に亘って板状の内側断熱材20によって外嵌する。本実施形態では、内側断熱材20は全体が一体に成形されている。
内側断熱材20は、プラスティック系の材料を発泡成形させた断熱材で形成される。中でも、倍率20〜50倍程度の発泡スチロール(EPS)は、最もポピュラーな発泡プラスティックであり、断熱性に優れ、安価で成形しやすく、浴槽断熱材20の材料として適している。また、発泡ポリプロピレン(EPP)は、粘りがあって容易に割れない等の優れた特性を備えるので、内側断熱材20の材料として好適である。また、油類・有機溶剤・洗剤等に対する耐薬品性も高く、型成型も容易である。
内側断熱材20の表面は、汚れが付着し難いように、研磨、塗装等により平滑に仕上げられ、及び/または、着色料の混入や塗装により、汚れが目立たない色に着色されたものとすることができる。
内側断熱材20の浴槽9裏面に対向する面は、浴槽9の裏面の形状に対応する形に成形される。浴槽9が拡開する上部、特に浴槽9長手方向中央においては、図2に示すように、内側断熱材24は、浴槽エプロン10と干渉しないように、内側断熱材20の厚さが上方に向かうに従って漸減するように形成されている。
本実施形態に係る内側断熱材20は、その頂部がこのエプロン断熱材10aと略同じ高さに設定されているが、図5において波線で示すように、これをリム9b内まで延長させて、保温性をより確実にさせることも可能である。
内側断熱材20の浴槽9裏面に対向する面は、浴槽9の裏面の形状に対応する形に成形される。浴槽9が拡開する上部、特に浴槽9長手方向中央においては、図2に示すように、内側断熱材24は、浴槽エプロン10と干渉しないように、内側断熱材24の厚さが上方に向かうに従って漸減するように形成されている。
本実施形態に係る内側断熱材20は、その頂部がこのエプロン断熱材10aと略同じ高さに設定されているが、これをリム9b内まで延長させて、保温性をより確実にさせることも可能である。
内側断熱材20の底部は、防水パン2と干渉してこすれ音等が発生しないように、一定以上の距離を保って浴槽9底面に貼設される。また、内側断熱材20の底部下面に、図2に示すように、さらに軟質ウレタンフォーム等の軟質断熱材により形成された緩衝材27を貼着する、或いは防水パン2上に敷設してもよい。これにより、内側断熱材20の底部が防水パン2と直接接することが確実に防止され、また、内側断熱材20の底部が浴槽9から剥がれて落下することを防止するとともに、断熱材の厚さが増すことにもなり断熱効果を上げることができる。
内側断熱材20の底部には、浴槽9の支持脚9aが挿通可能な挿通孔20aと、浴槽排水口7との干渉を回避するため挿通孔20bとが設けられる。浴槽9の支持脚9aと挿通孔20a,20bとの間に生じる間隙には、軟質ウレタンフォーム等の軟質断熱材により形成された充填材26が充填される。この軟質断熱材も硬質断熱材とほぼ同等の断熱性能を有している。また、上述したように、内側断熱材20の底部が直接支持脚9aや浴槽排水口7と接触しないので、音鳴り問題も防ぐことができる。
外側断熱材19は、防水パン2の上に立設された壁パネル8を背にして、防水パン2上に配設され、内側断熱材20の四周の内、エプロン裏面側を除く三方を囲繞する。外側断熱材19も、内側断熱材20同様、プラスティック系の材料を発泡成形させた断熱材で形成される。
外側断熱材19は、浴槽エプロン11の反対側の浴槽9の長手方向に位置する長辺部19aと、壁パネル8が直交する部分に位置するコーナー部19b,19bと、浴槽9の背側、足側の両端部側に位置する19c,19cと、土手部5の浴槽載置部4側に位置する土手裏部19dとを備える。
長辺部19aは、浴槽9が膨出する中央部において壁パネル8側から内側断熱材20側までの距離、すなわち断熱材としての厚さが最も小さく、浴槽9が端部側に近づくに従って退行するのに追従してその厚さが増していく。
この厚さはコーナー部19bにおいて最大となるが、局所的に厚くても保温性能の向上に関しては無意味であるので、図1及び図3に示すように、内側断熱材20の下端から上端まで断熱材を除去した中空部19eを設けて、発泡プラスティックの成型を容易にすることができる。なお、この中空部19eに代えて、コーナー部19bの角を切り欠いた切欠部を設けてもよい(図8参照)。
コーナー部19bから浴槽エプロン10側に接続された短辺部19は、浴槽9の端部中央に近づくに従って膨出する追従して、その厚さが小さくなる。しかしながら、この浴槽9の端部中央より浴槽エプロン10側では、浴槽9が退行してもその厚さは追従して大きくならず、浴槽9端部中央における厚さのまま浴槽エプロン10側に延出する。
これは、図3に示すように、外側断熱材19を防水パン上に配設した後、内側断熱材20が貼設された浴槽9を、洗い場部3側から水平に平行移動させて所定の位置に据え付けられるようにするためである。ここで、短辺部19cの浴槽エプロン10側が浴槽9の退行に追従して厚さを増せば、この膨出した部分が障害となって、水平平行移動による浴槽9の据付ができず、一旦浴槽9を外側断熱材19上に持ち上げ、そこから浴槽9を落とし込んで据え付けなければならなくなる。このように短辺部19cを膨出させないことにより、斯かる困難な作業を回避することができる。
両側の短辺部19c,19cの先端下部は、土手裏部19dで接続される。土手裏部19dの高さは、図2に示すように、土手部5上端より高くならないように制限される。
本実施の形態に係るユニットバスの保温構造は上記のように構成されており、以下その取り付けについて説明する。まず、内側断熱材20の浴槽9への取り付けが行われる。図4は、浴槽9端面に接着剤を貼着した状態を示す図であり、図5は、内側断熱材20が貼着された浴槽9の縦断面図である。
内側断熱材20を浴槽9の表面に貼着するには、図4に示すように、接着剤28と小片状の仮接着剤29とを、一定の間隔で浴槽9表面に貼り付ける。接着剤28は、例えばシリコンコーキング剤であり、内側断熱材20の両端部近傍及び中央の3列縦に貼り付けられる。仮接着剤29は、接着剤28が乾燥・硬化するまで内側断熱材20を浴槽表面に保持するものであり、例えば厚みのある両面テープ等が、接着剤28の各条間、上下端に貼り付けられる。浴槽9の側面においても、同様の処置が施される。
また、内側断熱材20の上端と浴槽9との間の間隙は、図5に示すように、シリコンコーキング剤により封止される。これにより、浴槽9と内側断熱材20との間に閉じられた空間ができ、これが暖められた断熱空気層となって、空気の拡散による温度低下を防止する。
この内側断熱材20の上端の小口塞ぎは、シリコンコーキングに代えて、接着剤の付いた薄いテープ状の発泡樹脂、倍率30倍程度の発泡ポリエチレンテープ(厚さ1〜3mm程度)等を用いて封止することもできる。或いは仮接着剤29を内側断熱材20の上端全周に周設して小口を塞いでもよい。
外側断熱材19も、内側断熱材と略同様に、接着剤28及び仮接着剤29を用いて、防水パン2及び/または壁パネル8に貼着される。そして、内側断熱材20が貼着された浴槽9が、上述したように平行移動によって浴槽載置部4の所定の位置に設置される。
最後に、浴槽エプロン10が取り付けられる。軟質断熱材17は、浴槽エプロン10が所定の位置に据え付けられたときに、内側断熱材20と当接押圧されると圧縮変形して、内側断熱材20とエプロン断熱材14とが干渉することが防止され、内側断熱材20とエプロン10との間の空間がエプロン断熱材で満たされる。
このように、硬質断熱材16表面に軟質断熱材17を用いれば、内側断熱材24等がある程度薄くても、内側断熱材24と硬質断熱材16との間のスペースにも断熱材を満たすことができ、十分断熱性を確保することができる。
次に、本発明に係る保温構造の第2の実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。本実施の形態の保温構造は、同図に示すように、外側断熱材19Aが複数の部材に分割されている点で、第1の実施形態におけるものと基本的に相違し、他の構成は第1の実施形態と実質的に同じであり、図示を省略してまたは同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、外側断熱材19Aは、長辺部19Aa、コーナー部19Ab、19Ab、短辺部19Ac,19Ac、土手裏部19Ad,19Adの七つの部分に分割されている。分割の位置、個数はここに示したものに限られず、例えば、背側、足元側、土手裏側の三つの部分に分割してもよい。これにより、狭い浴室内での外側断熱材の取り回しが容易となり、作業性が向上する。
各部材間の接合は、断熱部材の変形や、寸法誤差を吸収するために、図7に示すように、接合する2枚の断熱材の小口部分を互いに板厚の半分ずつを欠き取った相じゃくりに接合されている。短辺部19Acと土手裏部19Adとの接合は水平に、その他の接合は垂直になされる。これにより、断熱部材間に間隙が生じて、この間隙から熱が放散されることが防止される。接合する2枚の断熱材の小口部分の一方を凸,他方を凹に彫って合わせるさねはぎ接合としてもよい。
続いて、本発明に係る保温構造の第3の実施形態について、図8を参照して説明する。本実施の形態の保温構造は、同図に示すように、外側断熱材19Bの短辺部19Bcの浴槽エプロン側が別体で構成されている点で、第1の実施形態におけるものと基本的に相違し、他の構成は第1の実施形態と実質的に同じであり、図示を省略してまたは同じ符号を付して説明を省略する。
別体保温材19gには、取り付け時において追い焚きアダプタが位置するところに凹窩(おうか)19hが、また、追い焚きアダプタに接続される配管が壁パネル8側に引き出される位置には挿通孔19iが設けられる。一方、追い焚きアダプタがこない側の別体保温材19fには、このような凹窩や挿通孔は設けられない。
これにより、追い焚きアダプタが左右どちらにあっても同一の外側断熱材19Bを使用でき、別体保温材19f,19gを選択することにより、追い焚きアダプタがある方には、据付現場で断熱材を切削する等の作業を追加することなく、適切な形状の断熱材を採用することができ、追い焚きアダプタのない方では、断面欠損のない断熱材を使用することができる。
なお、外側断熱材19Bと別体断熱材19f,19gとの接合は上述した例と同様、相じゃくり接合されることが好ましい。また、内側断熱材20にも勿論このような凹窩や挿通孔を設けることができる。
また、本実施形態に係る外側断熱材19Bのコーナー部19Bbの、壁パネル8,8の直交部に対向する部分には、上端から下端まで略三角柱状に切欠された切欠部19jが設けられる。外側断熱材19Bの厚さはコーナー部19Bbにおいて最大となるが、局所的に厚くても保温性能の向上に関しては無意味であるので、切欠部19jを設けて、発泡プラスティックの成型を容易にすることができる。
次に説明する本発明に係る保温構造の第4の実施形態は、図9に示すように、外側断熱材19Cが土手裏部19dを有しない点で、第1の実施形態におけるものと基本的に相違する。土手裏部19dは、その成形が複雑となる割には大きな断熱効果の向上が期待できない部分であるためこの部分をなくしたものである。
図10に示す第5の実施形態は、上述した第3の実施形態に係る外側断熱材19Bと第4の実施形態に係る外側断熱材19Cとを組み合わせたものである。これにより、比較的単純な形状でありながら、保温性能確保に必要な要点はおさえられ、保温性能に完全を期す場合を除けば、十分実用的な保温構造であるといえる。
次に、本発明に係る保温構造の第6の実施形態について、図11及び図12を参照して説明する。本実施の形態の保温構造は、同図に示すように、外側断熱材19Eが複数の単純な板状断熱材により分割構成されている点で、第1の実施形態におけるものと基本的に相違し、他の構成は第1の実施形態と実質的に同じであり、図示を省略してまたは同じ符号を付して説明を省略する。
このような単純な板状断熱材を組み合わせて外側断熱材19Eを構成すれば、成形用の型を個別に作成する必要がないので、保温構造のコストを低減することができる。この場合、図12(a)に示すように、内側断熱材20と外側断熱材19Eの長辺部19Ea等との間に空気層ができるが、当初から外側断熱材19Eの採用を予定して、図19(b)に示すような内側断熱材20Aを作成すれば、このような空気層をなくすことができる。
続いて、本発明に係る保温構造の第7の実施形態について、図13及び図14を参照して説明する。本実施の形態の保温構造は、同図に示すように、内側断熱材20Aが複数の部材に分割されている点で、第1の実施形態におけるものと基本的に相違し、他の構成は第1の実施形態と実質的に同じであり、図示を省略してまたは同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る内側断熱材20Aは、底面断熱材21と側面断熱材22〜25との5つの部分に分割されているが、例えば背側、中央、足側の3つの部分に分割されたものであってもよい。本実施形態では、浴槽排水口7回りは、挿通孔ではなく、切欠部20cとして形成される。これにより、内側断熱材20の製作が容易になり、また内側断熱材20の浴槽9への貼着作業も容易になる。
なお、図14に示すように、側面断熱材22〜25間も、断熱材の変形や寸法誤差を吸収するために、接合する2枚の断熱材の小口部分を互いに板厚の半分ずつ欠き取って相じゃくり接合されている。底面断熱材21と側面断熱材22〜25間も同様である。これにより、側面断熱材22〜25に間隙が生じてそこから熱が放散されることが防がれる。また、接合する2枚の断熱材の小口部分の一方を凸,他方を凹に彫って合わせるさねはぎ接合としてもよい。
最後に、本発明に係る保温構造の第8の実施形態について、図15を参照して説明する。本実施の形態の保温構造は、同図に示すように、内側断熱材20Bの浴槽エプロン10と反対側の略半分が切り離され、その分の厚さが外側断熱材19Fの長辺部19Faやコーナー部19Fbに追加されている点で、第1の実施形態におけるものと基本的に相違し、他の構成は第1の実施形態と実質的に同じであり、図示を省略してまたは同じ符号を付して説明を省略する。
上述した示威し実施形態ではいずれも、浴槽エプロン10と反対側の浴槽9の長手方向には、内側断熱材20と外側断熱材19が存在するが、これらは必ずしも別々である必要はなく、本実施形態におけるように、一体に形成することも可能である。こうすれば、内側断熱材20と外側断熱材19との間に空気層が介在することもなく、より信頼性の高い保温構造を得ることができる。
以上に説明した実施態様は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものによって置換した実施態様を採用することが可能であるが、これらの実施態様も本発明の範囲に含まれる。
本発明に係るユニットバスの保温構造の第1の実施形態の概要を示す分解斜視図。 本実施形態に係る保温構造の浴槽短手方向に沿った縦断面図。 本実施形態に係る保温構造の分解平面図。 浴槽端面の接着剤の状態を示す図。 本実施形態の保温構造に係る断熱材の部材間の縦方向の接合を示す縦断面図。 本発明の保温構造に係る第2の実施形態の概要を示す斜視図。 第2の実施形態の横断面図。 本発明の保温構造に係る第3の実施形態を示す斜視図。 本発明の保温構造に係る第4の実施形態を示す斜視図。 本発明の保温構造に係る第5の実施形態を示す斜視図。 本発明の保温構造に係る第6の実施形態を示す斜視図。 第6の実施形態における内側断熱材と外側断熱材との取り合いを説明する図であり、(a)は間に空気層を有する場合の縦断面図、(b)は間に空気層を有しない場合の縦断面図。 本発明の保温構造に係る第7の実施形態を示す分解図。 第7の実施形態の部材間の横方向の接合を示す横断面図。 本発明の保温構造に係る第8の実施形態の概要を示す分解斜視図。
符号の説明
1 ユニットバス
2 防水パン
3 洗い場部
4 浴槽載置部
5 土手部
6 浴槽排水口
7 洗い場排水口
8 壁パネル
9 浴槽
9a 支持脚
9b リム
10 浴槽エプロン
11 風呂蓋
11a 表面材
11b 板状断熱材
11c 小口材
12 排水トラップ
14 エプロン断熱材
16 硬質断熱材
17 軟質断熱材
19,19A,19B,19C,19D,19E,19F 外側断熱材
19a 長辺部
19b コーナー部
19c 短辺部
19d 土手裏部
19e 中空部
19f,19g 別体保温材
19h 凹窩
19i 挿通孔
19j 切欠部
20,20A,20B 内側断熱材
20a,20b 挿通孔
20c 切欠部
21 底面断熱材
22,23,24,25 側面断熱材
26 充填材
27 緩衝材
28 接着剤
29 仮接着剤

Claims (3)

  1. 防水パンの上に浴槽を設置するユニットバスの保温構造において、上記浴槽裏面を外嵌する内側断熱材と、上記防水パン上に立設された壁パネルを背にして該防水パン上に配設され、上記内側断熱材の、浴槽エプロン裏面を除く部分を囲繞する外側断熱材とを備えることを特徴とするユニットバスの保温構造。
  2. 前記外側断熱材は、前記浴槽の浴槽エプロンの反対側略半分を囲繞することを特徴とする請求項1記載のユニットバスの保温構造。
  3. 防水パンの上に浴槽を設置するユニットバスの保温構造において、前記浴槽の浴槽エプロン側略半分及び底部を外嵌する第1の断熱材と、上記防水パン上に立設された壁パネルを背にして該防水パン上に配設され、前記浴槽の浴槽エプロンの反対側略半分を外嵌する第2の断熱材とを備えることを特徴とするユニットバスの保温構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009201613A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Panasonic Electric Works Bath & Life Co Ltd 浴槽断熱材

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