JP2006141342A - 核酸の解析法 - Google Patents

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Abstract

【課題】正規直交化配列を用いた遺伝子検出方法を提供すること。
【解決手段】簡便に標的核酸分子を人為的な正規直交化配列に符号化(変換)し、この遺伝子に対応する識別符号を表す人為的な正規直交化配列を検出する際に、標的核酸分子を担体に固定することによる簡便かつ定量性のよいシステムができ上がることを見いだした。標的核酸に相補的な配列の領域と正規直交化配列とを有するプローブ核酸を使用して核酸配列を検出する方法であって、前記標的核酸を担体に結合させる工程と、試料中に含まれる前記標的核酸に、前記プローブ核酸をハイブリダイズさせる工程と、前記標的核酸にハイブリダイズしたプローブ核酸の正規直交化配列を検出することによって前記標的核酸を検出する工程とを含む方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、核酸の解析方法に関する。
遺伝情報の解析、例えば遺伝子の突然変異の解析、疾病の予知や診断、ウイルスのタイピング等を行うための、核酸解析技術が近年大幅に進歩している。例えば、数百個乃至数万個のDNAプローブを格子状に2次元的に配列させ、試料溶液中の核酸をこのアレイ上でハイブリダイズさせることで、または、種類の異なった蛍光ビーズに別々のDNAプローブを固相化し、試料溶液中の核酸を液相中で、ハイブリダイズさせることによって、複数の遺伝子の情報を一括して検出するDNAアレイと呼ばれるシステムが普及し始めている。
しかし、従来のマイクロアレイには、プローブが固定される各スポット上のプローブ固定量の測定が困難であるなどの問題があった。
また、複数のターゲット核酸において共通するプライマー配列などの共通配列を両端に備えたターゲット核酸を検出するときには、次のような問題があった。
1.共通配列がプローブ配列にあるとすべてのプローブにターゲット核酸がハイブリダイズすることになり、特定のターゲット核酸を特異的に検出することができない。
2.ターゲット核酸は比較的長いために比較的安定な分子内2次構造を形成する。このためターゲット核酸とプローブ間にハイブリダイズが形成されにくく、すなわち偽陰性データが出やすかった。
3.ターゲット核酸が比較的長く構造をとりやすい割に、ターゲット核酸の中央の特異配列の長さが短くハイブリダイズの安定性が低いため検出感度が上げられない。この安定性の低さのために非特異吸着物の洗浄の段階を穏やかな条件で行う必要があり、偽陽性データが出やすかった。
こうした方法を解決するために、正規直交化配列を用いたDNAの突然変異やmRNAのコピー数の増減を検出する方法がある。また、非特許文献1Intelligent DNA chips: logical operation of gene expression profiles on DNA compμters. Genome Inform Ser Workshop Genome Inform. 2000; 11: 33-42. (Sakakibara Y, and Suyama A.)には、正規直交化配列を用いた遺伝子発現頻度解析について記載されている。
この、従来の方法では、検出の特異性を上げるために、以下の方法が用いられている。プローブをビオチン標識した標的核酸特異的部位の一部に相補的な配列を持ったプローブと、それに続いて現れる標的核酸特異的部位の一部と相補的な配列部位と当該部位に対して一種類のみ対応させた正規直交化配列をもったプローブの二つを用い、この2種類のプローブは、2つのプローブに分断された標的核酸特異的部位の塩基間がライゲーション反応で連結できるように、少なくとも一方のプローブの末端がリン酸化されている。2つのプローブが確実にハイブリダイズした場合に、連続した塩基が形成され、ライゲーション反応によって結合し、5’末端のBiotinと磁性粒子表面のストレプトアビジンとを特異的に結合させ,未反応物を除去することで、先のライゲーション反応で連結された(つまり,ターゲット配列が正規直交化配列(DCN)へと変換された)ものだけが回収されることによりB/F分離を行っている。また、B/F分離後の試料を正規直交化配列を用いたPCRによってリニア増幅を行い、増幅産物を正規直交化配列によるハイブリダイゼーションによって検出する。
こうした正規直交化配列を用いた従来のDNAの突然変異やmRNAのコピー数の増減を検出する方法では、特異性を向上させるため、ライゲーション反応を用いている。しかしながら、ライゲーション反応は、反応を安定に生じさせるためには、ライゲーションプローブの設計に工夫が必要であり、また、反応を行うためには時間がかかった。
また、確実にB/F分離を行うために、マグネットビーズによる洗浄工程を用いていたが、工程が複雑になり、これを自動的に行うためには、専用の洗浄工程装置が必要になり、使用する試薬のコストもかかっていた。
一方、こうした正規直交化配列のマイクロアレイを用いた検出は、マイクロアレイの反応装置やマイクロアレイスキャナーなどのシグナルの検出装置や、シグナルの解析装置を必要とし、それらの装置は非常に高価なものであった。
たとえば、50〜100以上の多項目の正規直交化配列を解析する場合には、マイクロアレイなどの多項目同時解析法が有効だと考えられるが、それ以下の場合、マイクロアレイよりもむしろ、簡便かつ正確な検出法が望まれている。
さらに、一般的にも核酸配列を高感度に検出することが望まれている。免疫分析などの分野では、高感度な検出を行う場合、酵素と発色や発光基質を用いているが、こうした系は、抗原抗体反応など、非常に特異性の高い反応でなければ、高感度化によって非特異的なシグナルを増幅してしまう可能性がある。よって、通常の核酸配列を高感度に検出することは難しかった。
Buckley CDら、RGD peptides induce apoptosis by direct caspase-3 activation.、"Nature"、(ΜK)、1999年、397(6719)巻、p.534-9
従って、本発明は、これらの問題点を克服し、ライゲーションによるビオチン標識やマグネットビーズによるB/F分離を行わず、反応を簡素化することによって、遺伝子解析に伴う情報処理を効率よく行え、更に定量性の向上した正規直交化配列を用いた遺伝子検出方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記の問題点を念頭に、鋭意研究した結果、簡便に標的核酸分子を人為的な正規直交化配列に符号化(変換)し、この遺伝子に対応する識別符号を表す人為的な正規直交化配列を検出する際に、標的核酸分子を担体に固定することによって従来技術の問題が解決され、簡便かつ定量性のよい画期的なシステムができ上がることを見いだし、本発明を完成するに至った。
また、本発明らは、これらの正規直交化配列の検出方法を改良し、標識プライマーによる正規直交化配列の標識や増幅、およびマイクロアレイ上での検出を行わずに、これらの配列をマイクロタイタープレートやキュベットなどのウェル内で検出できるように検出反応を簡素化し、尚且つ外見出反応を正規直交化配列を用いることと組み合わせることによって、通常の核酸配列において検出される非特異的なシグナルの増幅を減少し、遺伝子解析に伴う情報処理を効率良く行え、更にシグナルの増感を簡便に行え、低コストかつ高感度に正規直交化配列を検出できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の側面において、本発明は、標的核酸に相補的な配列の領域と正規直交化配列とを有するプローブ核酸を使用して核酸配列を検出する方法であって、標的核酸を担体に結合させる工程と、試料中に含まれる標的核酸に、プローブ核酸をハイブリダイズさせる工程と、標的核酸にハイブリダイズしたプローブ核酸の正規直交化配列を検出することによって標的核酸を検出する工程とを含む方法を提供する。
また、本発明は、上記方法であって、検出対称核酸にハイブリダイズしたプローブ核酸を、該ハイブリッドから分離する工程をさらに含み、該分離されたプローブ核酸の正規直交化配列を検出することによって標的核酸を検出することを特徴とする方法を提供する。
さらに、本発明は、上記方法であって、ハイブリッドから分離されたプローブ核酸を増幅する工程をさらに含む方法を提供する。
本発明の第2の側面において、本発明は、正規直交化核酸(正規直交化配列を有する標的核酸)を検出するための方法であって、前記標的核酸に、前記正規直交化核酸の正規直交化部位の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有し、かつ標的核酸とは異なる種類の核酸からなる異種核酸プローブをハイブリダイズさせて、ハイブリッド二本鎖核酸を形成させる工程と、前記ハイブリッド二本鎖核酸に、前記異種核酸プローブがハイブリダイズする領域とは異なった正規直交化配列の領域の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有し、かつ担体に固相化された捕捉プローブをハイブリダイズさせて、固相化担体に捕捉させる工程と、前記ハイブリッド二本鎖核酸に対して親和性を有するハイブリッド二本鎖核酸認識分子を、前記ハイブリッド二本鎖核酸と反応させて、前記正規直交化核酸、前記異種核酸プローブ、および前記ハイブリッド二本鎖核酸認識分子を含む複合体を形成させる工程と、前記複合体を形成しなかった前記正規直交化核酸、前記異種核酸プローブ、および前記ハイブリッド二本鎖核酸認識分子を、前記複合体から分離する工程と、前記複合体に含まれるハイブリッド二本鎖核酸認識分子を検出する工程と、
を含むことを特徴とする方法を提供する。
さらに、本発明は、正規直交化核酸を検出するための方法であって、前記正規直交化核酸に、前記正規直交化核酸の正規直交化部位の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有し、かつ正規直交化核酸とは異なる種類の核酸からなる異種核酸プローブをハイブリダイズさせて、ハイブリッド二本鎖核酸を形成させる工程と、担体に固相化され、かつ前記ハイブリッド二本鎖核酸に対して親和性を有するハイブリッド二本鎖核酸認識分子を、前記ハイブリッド二本鎖核酸と反応させて、前記正規直交化核酸を固相化担体に捕捉させる工程と、前記複合体を形成しなかった前記正規直交化核酸、前記異種核酸プローブ、および前記ハイブリッド二本鎖核酸認識分子を、前記複合体から分離する工程と、前記複合体に含まれるハイブリッド二本鎖核酸認識分子を検出する工程とを含むことを特徴とする方法を提供する。
さらに、本発明は、正規直交化核酸を検出するための方法であって、前記正規直交化核酸に、前記正規直交化核酸の正規直交化部位の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有する核酸プローブをハイブリダイズさせる工程と、前記ハイブリダイズした正規直交化核酸に、前記核酸プローブがハイブリダイズする領域とは異なった正規直交化配列の領域の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有し、かつ担体に固相化された捕捉プローブをハイブリダイズさせて固相化担体に捕捉し、捕捉複合体を形成させる工程と、捕捉されなかった前記正規直交化核酸および前記核酸プローブを分離する工程と、前記複合体に含まれる核酸プローブを検出する工程とを含むことを特徴とする方法を提供する。
さらに、本発明は、正規直交化核酸を検出するための方法であって、前記正規直交化核酸に、前記正規直交化核酸の正規直交化部位の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有する核酸プローブをハイブリダイズさせる工程と、担体に固相化された、前記ハイブリッド二本鎖核酸に対して親和性を有する複数個のハイブリッド二本鎖核酸認識分子を、前記ハイブリッド二本鎖核酸と反応させて、前記正規直交化核酸を固相化担体に捕捉させ、凝集反応を起こさせる工程と、前記凝集反応を検出する工程とを含むことを特徴とする方法を提供する。
さらに、本発明は、正規直交化核酸を検出するための方法であって、前記正規直交化核酸の正規直交化部位の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有し、かつ担体に複数個固相化された第1の核酸プローブと、前記第1の核酸プローブがハイブリダイズする領域とは異なった正規直交化配列の領域の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有し、かつ前記第1のプローブと同じ担体に複数個固相化された第2の核酸プローブを、正規直交化核酸にハイブリダイズさせ、凝集反応を起こさせる工程と、前記凝集反応を検出する工程とを含むことを特徴とする方法を提供する。
さらに、本発明は、上記記載の標的核酸に相補的な配列の領域と正規直交化配列とを有するプローブ核酸を使用して核酸配列を検出する方法であって、プローブ核酸の正規直交化配列の検出は、上記記載の正規直交化核酸を検出するための方法によって行われることを特徴とする方法を提供する。
図1〜図3は、本発明の第1の側面にかかる検出方法の一態様として、正規直交化配列を用いて構成された本発明の解析方法(即ち遺伝子検出方法)を示す。本発明のマイクロアレイチップの利用方法をエンコード(符号化)(図1)、増幅工程(図2)、および検出工程(図3)にわけて説明する。
まず正規直交化配列とは、核酸分子の配列であって、そのTm値が均一であるもの、即ちTm値が一定範囲内に揃うように設計された配列であって、核酸分子自身が分子内(intramolecular)で構造化して、相補的な配列とのハイブリッド形成を阻害することのない配列であり、尚且つこれに相補的な塩基配列以外とは安定したハイブリッドを形成しない塩基配列を意味する。すなわち、1つの正規直交化配列群に含まれる配列は、所望の組み合わせ以外の配列間および自己配列内において反応が生じ難いか、または反応が生じない。また、正規直交化配列は、PCRにおいて増幅させると、たとえば上述のクロスハイブリダイゼーションのような問題に影響されずに、当該正規直交化配列を有する核酸分子の初期量に応じた量の核酸分子が定量的に増幅される性質を有している。上記のような正規直交化配列は、H. Yshida and A. Suyama, "Solution to 3-SAT by breadth first search", DIMACS Vol.54 9-20(2000)および特願2003-108126に詳細が記載されている。これらの文献に記載の方法を使用して正規直交化配列を設計することができる。簡単には、予め無作為に塩基配列を複数作出することと、それらの融解温度の平均値を求めることと、その平均値の±t℃で制限される閾値を基に候補配列を得ることと、独立して反応する配列であるか否かを指標に得られた候補配列から正規直交化配列群を得ることを具備する方法によって作製することができる。
以下、図1に示した工程図を参照して、本発明の方法を説明する。
本発明の方法は、試料中の標的核酸1を含む核酸分子を担体に結合させ、複合体3を形成させる工程を含む(図1)。
上記工程においては、まず試料中に核酸分子(標的核酸1)を含む溶液を調製しておく。ここで、本明細書において使用する「核酸」とは、CDNA、ゲノムDNA、合成DNA、mRNA、全RNA、hnRNA、および合成RNAを含む全てのDNAおよびRNA、並びにペプチド核酸、モルホリノ核酸、メチルフォスフォネート核酸、およびS-オリゴ核酸などの人工合成核酸を含む。また、本明細書において「核酸」、「核酸分子」および「分子」とは交換可能に使用され得る。
上記工程は、上記調製された標的核酸を担体に結合させることを含む。標的核酸1を結合させる担体2は、たとえば粒子または膜などの形状であってもよい。粒子とは、種々の形態のものが含まれ、ビーズ、多孔質ビーズ、粒子、微粒子であってもよい。また、形状は、球形でもよく、棒状、立方体、直方体、楕円体およびその他複雑な形状のものも含まれる。特に、担体としては、多孔質ビーズまたはメンブレンフィルター2などを使用することができる。また、上記複合体3の標的核酸1と担体2の結合力は、後の工程で得られる核酸のハイブリダイゼーションによる複合体5を形成する時の水素結合の結合力よりも有意に強くされていることが必要である。以下の工程においてB/F分離を行う際に、このような結合力が重要となる。担体と標的核酸の結合は、たとえば、共有結合、水素結合、またはイオン結合であってもよい。また、担体表面に、あらかじめ核酸のいずれかの部位と化学結合をする機能を有する表面処理を行っておくことにより、該化学結合を介して標的核酸を担体に容易に結合させることができる。たとえば、担体の表面にオリゴdTを固相化しておくことにより、容易に標的核酸に結合させることができる。本発明の方法は、上記の通り標的核酸を担体に結合させることにより、B/F分離が容易になされ、遺伝子解析に伴う情報処理を効率良く行うことができる。
また、本発明の方法は、試料中に含まれる標的核酸に、プローブ核酸をハイブリダイズさせる工程を含む。すなわち、この標的核酸を検出するために、該標的核酸に含まれる遺伝子の特定部分を、該標的核酸に相補的な配列の領域と正規直交化配列とを有するプローブ核酸に変換する操作が行われる(エンコード工程)。ここで、本明細書において使用される「塩基配列」および「配列」の語は共に、特定の核酸を構成する塩基の並びを示すものである。上記操作は、増幅時の定量性が必ずしも保証されない試料中の核酸分子を、増幅時の定量性が必ず保証される正規直交化配列を有する分子に変換するものであり、この正規直交化配列を標的核酸分子のかわりに後の解析で使用することにより、マイクロアレイチップ上でのハイブリダイゼーション時にクロスハイブリダイゼーションが生じず、システム全体の定量性が有意に向上する。
まず、正規直交化配列7を有するプローブ核酸6を用意する(図1を参照)。この正規直交化タグを有するプローブ核酸6は、標的核酸1の領域4中の一部に対して相補的な配列を、その一方の末端側に有し、この末端に引き続いて、その反対の末端に人為的な正規直交化配列であるDCN配列(DCN:DNA CodED Number)が連結されている。図2には、上記プローブ核酸の一態様を示してある。この正規直交化配列には、その一方の末端側にSD(Starting Digit)配列を、もう一方の末端側にED(Ending Digit)配列を有し、その間に、当該標的核酸分子と1:1の対応関係にあり、尚且つ当該DCN固有のCD(Coding Digit)配列7を有している。
また、上記プローブ核酸のうちの標的核酸に相補的な配列の領域は、標的核酸1の配列中において、その核酸分子特有の配列(即ちこれに相補的な配列が他の遺伝子中には実質的に存在しないような配列)を有する領域4を選択することが好ましく、これにより複合体5の形成における配列特異性を高めることができる。
上記の通り担体に結合した標的核酸1と、正規直交化配列7を有するプローブ核酸6を、領域4の配列に適した条件下でそれぞれハイブリダイズして、複合体5を形成させる。
上記標的核酸を担体に結合させる工程と、試料中に含まれる標的核酸に、前記プローブ核酸をハイブリダイズさせる工程は、いずれを先に行ってもよい。
次に、ハイブリッドが安定に形成された後、標的核酸とハイブリダイズしなかった正規直交化タグを有するプローブ核酸(図1ではプローブ核酸8、9)を除去し、B/F分離を行う。続いて、標的核酸とハイブリダイズしている正規直交化タグを有するプローブ核酸6を抽出する。
上記操作により、正規直交化配列へのエンコード(コード化、即ち標的核酸分子から人為的な正規直交化配列への変換)が終了される。
次に、本発明の方法は、上記標的核酸にハイブリダイズしたプローブ核酸の正規直交化配列を検出することによって、標的核酸を検出する工程を含む。
たとえば、プローブ核酸の正規直交化配列の検出は、以下に記載した本発明の第2の側面に示した方法を使用して検出することができる。
また、プローブ核酸の正規直交化配列の検出は、ハイブリッドから分離されたプローブ核酸を、正規直交化配列に相補的な配列を有する検出用プローブ核酸によって検出することができる。たとえば、図3に示したように、正規直交化配列としてCD1〜4を有するプローブ核酸を、該CD1〜4に相補的な配列を有するrCD1〜4を検出用プローブ核酸として使用することができる。また、検出用プローブ核酸をアレイ化することにより、容易にプローブ核酸を検出することができるであろう。特に、上記アレイは、多孔質膜構造を有することが好ましいであろう。
また、プローブ核酸をFITC蛍光標識などの標識物質によって予め標識しておくことにより、検出を容易にすることができる。正規直交化配列に変換する際に使用するプローブ核酸や変換されて正規直交化配列を増幅する際に使用するプライマーの標識は当業者であれば、上記以外の方法によっても、容易にプローブ核酸の存在を検出することができるであろう。
また、正規直交化配列をPCRなどにより増幅し、増幅された正規直交化配列を検出してもよい。図2は、図1で標的核酸1から変換されたプローブ核酸の正規直交化配列をPCRにより増幅するための増幅工程を示している。この工程においては、通常のPCR法により正規直交化配列の増幅が行われている。この正規直交化配列は、上述のようにSD配列、CD配列、およびED配列からなるが、ここで各試料に固有の配列はCD配列のみであり、SD配列およびED配列はすべての正規直交化配列に共通のものとすることが好ましい。即ち、複数の試料核酸があった場合に、それぞれの正規直交化配列は、CD配列の部分において異なっており、SD配列およびED配列は、何れの試料についても同じである。各試料について共通のSD配列およびED配列を使用するのは、何れの正規直交化配列(CD配列)についてもSD配列又はED配列に基づく、共通の配列を有するプライマーを利用してPCRにより増幅することを可能にするためである。
正規直交化配列を、PCRにて増幅する際には、プライマーとして、5'末端に標識(図2においてはFITIC蛍光標識)を有し、SD配列と同一のSD配列を有するものと、EDに相補的なrED配列を有するものを利用することが好ましい。このプライマーセットを利用して増幅を行うと、5'末端に蛍光標識を有しているセンス鎖およびアンチセンス鎖の正規直交化配列が得られる。この増幅産物を、熱変性させ、マイクロアレイチップでの遺伝子解析に利用することができる。正規直交化配列に変換する際に使用するプローブ核酸や変換されて正規直交化配列を増幅する際に使用するプライマーの標識は、FITC標識の例を挙げたが、これの代わりにビオチン標識などを使用することもできる。
図3は、特にこうした増幅産物がハイブリダイズしたマイクロアレイの例を示してある。増幅された正規直交化配列に対して、センス鎖配列CD配列とアンチセンス鎖配列rCD配列に相補的なプローブが、マイクロアレイ上に固相化されており、正規直交化試料が当該プローブとハイブリッドを形成している様子を示している(検出工程)。尚、本発明のマイクロアレイチップの製造においては、固定化するプローブおよびその固定位置(配置)以外のものは、通常のマイクロアレイチップの製造と本質的に同じものとすることができる。
上記ように正規直交化配列にエンコードされた試料を用いることにより、検出の正確性が著しく向上する。特に、本発明の方法によれば、標的核酸分子を担体に固定する工程を含むことにより、従来技術の問題が解決され、簡便かつ定量性のよい画期的な方法が提供される。
また、本発明の第2の側面において、正規直交化配列を有する核酸(本明細書において、正規直交化核酸と呼ぶ)を検出するための方法を示す(図4〜図9)。
本発明の検出方法のいくつかの態様を、ウェル内に捕捉用プローブを固相化した方法で抗ハイブリッド核酸抗体によるハイブリッドの検出法を示したもの(図4)、ウェル内に捕捉用抗ハイブリッド核酸抗体を固相化した方法で抗ハイブリッド核酸抗体によるハイブリッドの検出法を示したもの(図5)、ウェル内に捕捉用プローブを固相化した方法で核酸プローブによる正規直交化核酸の検出法を示したもの(図6)、捕捉用抗ハイブリッド核酸抗体を固相化したラテックスビーズを用いた方法で凝集反応によるハイブリッドの検出法を示したもの(図7)、捕捉用プローブ配列1と捕捉用プローブ配列2の両方を固相化したラテックスビーズを用いた方法で凝集反応によるハイブリッドの検出法を示したもの(図8、9)にわけて説明する。
まず上述したように、正規直交化配列を有する核酸(正規直交化核酸)は、配列中の一部に人為的な正規直交化配列であるDCN配列(DCN:DNA CodED Number)をもっている。この正規直交化配列は、その一方の末端側にSD(Starting Digit)配列を、もう一方の末端側にED(Ending Digit)配列を有し、その間に、当該標的核酸分子と1:1の対応関係にあり、尚且つ当該DCN固有のCD(Coding Digit)配列を有している。また、正規直交化核酸は、上記DCN配列、ED配列、およびSD配列以外の配列を含んでいてもよい。たとえば、図2にその模式図を示してあるが、図中の標的核酸特異的配列を有することは必ずしも必要ではない。
図4を参照し、正規直交化核酸を検出するための方法の1つの態様について説明する。まず、正規直交化核酸に、該正規直交化核酸の正規直交化部位の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有し、かつ正規直交化核酸とは異なる種類の核酸からなる異種核酸プローブをハイブリダイズさせて、ハイブリッド二本鎖核酸を形成させる工程を含む。
上記のとおり、異種核酸プローブは、該正規直交化核酸の正規直交化部位の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有する必要があるが、正規直交化核酸にハイブリダイズすることができる長さであれば、どのような長さであってもよい。ただし、以下の工程において捕捉プローブが正規直交化核酸にハイブリダイズできるように、正規直交化核酸の全体とハイブリダイズしないことが好ましい。異種核酸プローブの例としては、たとえば図4に示した異種核酸プローブなどのように、正規直交化核酸のCD部分の一部およびSD部分の一部に相補的な配列を有するものがあげられる。異種核酸プローブは、正規直交化核酸とは異なる種類の核酸からなることが必要である。異なる種類の核酸としては、たとえば、正規直交化核酸がDNAである場合には、異種核酸プローブは、RNA、並びにペプチド核酸、モルホリノ核酸、メチルフォスフォネート核酸、およびS-オリゴ核酸などの人工合成核酸などを含む。
また、本方法は、上記ハイブリッド二本鎖核酸に、異種核酸プローブがハイブリダイズする領域とは異なった正規直交化配列の領域の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有し、かつ担体に固相化された捕捉プローブをハイブリダイズさせて、固相化担体に捕捉させる工程を含む。上記のとおり、捕捉プローブは、異種核酸プローブがハイブリダイズする領域とは異なった正規直交化配列の領域の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有することが必要であるが、正規直交化核酸にハイブリダイズすることができる長さであれば、どのような長さであってもよい。捕捉プローブとしては、たとえば正規直交化核酸のCD部分の一部およびSD部分の一部に相補的な配列を有する核酸を異種核酸プローブを使用した場合、正規直交化核酸のrED部分の一部に相補的な配列を有する核酸があげられる。また、捕捉プローブを固相化するための担体としては、上述した担体を使用することができ、たとえば、多孔質ビーズ、メンブレンフィルター、特に、図4のようにマイクロタイタープレートを使用することができるが、いずれの担体を使用してもよい。核酸を担体に固定化する方法は、当業者に既知のいずれの方法を使用して行うこともでき、たとえば、共有結合、水素結合、またはイオン結合によるものであってもよい。また、担体表面に、あらかじめ核酸のいずれかの部位と化学結合をする機能を有する表面処理を行っておくことにより、該化学結合を介して標的核酸を担体に容易に結合させることができる。たとえば、担体の表面にオリゴdTを固相化しておくことにより、容易に標的核酸に結合させることができる。また、上記工程におけるハイブリダイゼーションに適したバッファー、時間、および温度などの条件は、当業者であれば容易に選択することができるであろうが、たとえば以下の実施例に示した条件などを使用することができる。
また、本方法は、ハイブリッド二本鎖核酸に対して親和性を有するハイブリッド二本鎖核酸認識分子を、ハイブリッド二本鎖核酸と反応させて、正規直交化核酸、異種核酸プローブ、およびハイブリッド二本鎖核酸認識分子を含む複合体を形成させる工程を含む。本工程に使用されるハイブリッド二本鎖核酸に対して親和性を有するハイブリッド二本鎖核酸認識分子は、たとえば正規直交化核酸としてDNAを使用し、異種核酸プローブとしてRNAを使用した場合であれば、DNA/RNAハイブリッド核酸特異的な抗体を使用することができる。このような抗体として、市販のDNA/RNAハイブリッド核酸特異的抗体を使用することができ、たとえばATCC(American typing culture collection)からハイブリドーマを入手することができ、このハイブリドーマから抗DNA/RNAハイブリッド核酸特異的な抗体を生成して使用することができる。その他、正規直交化核酸/異種核酸プローブのハイブリッド核酸の種類に応じて、適切な抗体を作製することもできる。このようなハイブリッド核酸に対する抗体は、該ハイブリッド核酸を抗原として用い、当業者に既知の方法を使用して容易に作成することができるであろう。その他、ハイブリッド二本鎖核酸認識分子として、たとえば抗DNA/PNAハイブリッド核酸抗体、抗臭化エチジウム結合DNA/DNAハイブリッド核酸抗体を使用することができる。また、ハイブリッド二本鎖核酸認識分子とハイブリッド二本鎖核酸との反応の条件は、使用するハイブリッド二本鎖核酸認識分子に応じて、当業者であれば容易に選択することができるであろう。たとえば、以下の実施例に示した条件を使用することができる。
上記工程は、どのような順番で行うこともでき、また同時に行ってもよい。
次いで、本方法は、複合体を形成しなかった正規直交化核酸、異種核酸プローブ、およびハイブリッド二本鎖核酸認識分子を、複合体から分離する工程を含む。分離は、通常のB/F分離として既知のいずれの方法を使用して行ってもよい。たとえば、図4のようにマイクロタイタープレートのウェル内で反応を行う場合、1×SSPEで2回洗浄することによって分離することができる。
最後に、本方法は、複合体に含まれるハイブリッド二本鎖核酸認識分子を検出する工程を含む。ハイブリッド二本鎖核酸認識分子の検出は、酵素による酵素反応の生成物を検出することを媒介して行うことができ、たとえばハイブリッド二本鎖核酸認識分子としてビオチン標識されたものを使用し、複合体に含まれる該ビオチンにストレプトアビジン−西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼを反応させ、次いで基質となるルミノールを含有する溶液を添加し、西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼによる化学発光を検出することによって行うことができる。たとえば、形成されるハイブリッドがDNA/RNAハイブリッドの場合には、市販のDNA/RNAハイブリッド核酸特異的抗体をビオチン標識したものを使用することができる。このような化学発光の検出は、上述した核酸配列を検出方法の蛍光の検出工程と同様の方法を使用して行うことができる。また、ハイブリッド二本鎖核酸認識分子の検出条件は、使用する検出反応に応じて、当業者であれば容易に選択することができるであろう。上記の通り、西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼによる化学発光を利用して検出するのであれば、以下の実施例に示した条件を使用することができる。その結果、化学発光が検出されれば、異種核酸プローブに対応する配列を有する正規直交化配列が存在することとなる。
次に、図5を参照し、もう1つの態様について説明する。図4に記載した方法では、捕捉プローブを使用したが、本方法では、捕捉プローブを使用せずに、代わりにハイブリッド二本鎖核酸認識分子によって捕捉を行う。
本方法は、正規直交化核酸に、該正規直交化核酸の正規直交化部位の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有し、かつ標的核酸とは異なる種類の核酸からなる異種核酸プローブをハイブリダイズさせて、ハイブリッド二本鎖核酸を形成させる工程を含む。異種核酸プローブは、上述したものを使用することができる。また、上記工程におけるハイブリダイゼーションに適したバッファー、時間、および温度などの条件は、当業者であれば容易に選択することができるであろうが、たとえば以下の実施例に示した条件などを使用することができる。
また、担体に固相化され、かつハイブリッド二本鎖核酸に対して親和性を有するハイブリッド二本鎖核酸認識分子を、ハイブリッド二本鎖核酸と反応させて、正規直交化核酸を固相化担体に捕捉させる工程を含む。本工程で使用するハイブリッド二本鎖核酸認識分子は、上記工程に使用するハイブリッド二本鎖核酸認識分子と同じであってもよく、または異なっていてもよい。また、ハイブリッド二本鎖核酸認識分子を固相化する担体は、たとえば、図4に示した方法で核酸を固定化したものと同様のもの、特に図5のようにマイクロタイタープレートを使用することができるが、いずれの担体を使用してもよい。また、ハイブリッド二本鎖核酸認識分子を担体に固定化する方法は、当業者に既知のいずれの方法を使用して行うこともでき、たとえば、React-Bind Protein A Coated 96 well plate(ピアス社)を使用して行うことができる。また、ハイブリッド二本鎖核酸認識分子とハイブリッド二本鎖核酸との反応の条件は、使用するハイブリッド二本鎖核酸認識分子に応じて、当業者であれば容易に選択することができるであろう。たとえば、以下の実施例に示した条件を使用することができる。
上記工程は、どのような順番で行うこともでき、また同時に行ってもよい。
次いで、本方法は、複合体を形成しなかった正規直交化核酸、異種核酸プローブ、およびハイブリッド二本鎖核酸認識分子を、複合体から分離する工程を含む。分離は、通常のB/F分離として既知のいずれの方法を使用して行ってもよい。たとえば、図5のようにマイクロタイタープレートのウェル内で反応を行う場合、1×SSPEで2回洗浄することによって分離することができる。
最後に、本方法は、複合体に含まれるハイブリッド二本鎖核酸認識分子を検出する工程を含む。ハイブリッド二本鎖核酸認識分子の検出は、上述の通りに行うことができる。
本方法の場合、図4に示した方法とは異なり、各核酸配列に応じた捕捉プローブを準備する必要はない。
次に、図6を参照し、もう1つの態様について説明する。図4および5に記載した方法では、最終的に複合体に含まれるハイブリッド二本鎖核酸認識分子を検出したが、図6に示した方法では、複合体に含まれる核酸プローブを検出する。
本方法は、正規直交化核酸に、正規直交化核酸の正規直交化部位の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有する核酸プローブをハイブリダイズさせる工程を含む。核酸プローブは、上述した異種核酸プローブと同種のものであってもよいが、任意の核酸を使用することができる。また、核酸プローブは、以下の検出工程において便利なように、ビオチンまたは蛍光物質などで標識しておくことが好ましい。
次いで、本方法は、ハイブリダイズした正規直交化核酸に、核酸プローブがハイブリダイズする領域とは異なった正規直交化配列の領域の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有し、かつ担体に固相化された捕捉プローブをハイブリダイズさせて固相化担体に捕捉し、捕捉複合体を形成させる工程を含む。また、上記工程におけるハイブリダイゼーションに適したバッファー、時間、および温度などの条件、並びに捕捉プローブを固定化するための方法は、上述したとおりである。
次いで、本方法は、捕捉されなかった正規直交化核酸および核酸プローブを分離する工程を含む。分離は、通常のB/F分離として既知のいずれの方法を使用して行ってもよい。たとえば、図6のようにマイクロタイタープレートのウェル内で反応を行う場合、1×SSPEで2回洗浄することによって分離することができる。
最後に、本方法は、複合体に含まれる核酸プローブを検出する工程を含む。たとえば、上述の通りに核酸プローブをビオチンで標識しておくことにより、図4に示した方法のハイブリッド二本鎖核酸認識分子の検出と同様の方法によって核酸プローブを検出することができる。また、核酸プローブを蛍光物質で標識しておくことにより、該蛍光を直接検出することもできるであろう。その他、該複合体に、インターカレーターなどを使用して、2本鎖核酸を直接検出することもできるであろう。
本方法の場合、図4および5に示した方法とは異なり、ハイブリッド二本鎖核酸認識分子を準備する必要がない。
次に、図7を参照し、もう1つの態様について説明する。図4〜6に記載した方法では、最終的に複合体に含まれるハイブリッド二本鎖核酸認識分子や核酸プローブを直接的または間接的に検出したが、図7に示した方法では、複合体を凝集させてその凝集を検出することによって正規直交化核酸を検出する。
本方法は、正規直交化核酸に、正規直交化核酸の正規直交化部位の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有する異種核酸プローブをハイブリダイズさせる工程を含む。本工程は上述した方法と同様に行えばよい。本工程において、異種核酸プローブに相補的な塩基配列を有する正規直交化核酸が存在する場合には、これらの核酸から構成されるハイブリッド二本鎖核酸が形成されることとなる。
次いで、本方法は、担体に固相化された、ハイブリッド二本鎖核酸に対して親和性を有する複数個のハイブリッド二本鎖核酸認識分子を、ハイブリッド二本鎖核酸と反応させて、正規直交化核酸を固相化担体に捕捉させ、凝集反応を起こさせるる工程を含む。従って、ハイブリッド二本鎖核酸認識分子を予め担体に固相化しておく必要がある。また、担体は、凝集反応が生じるように溶液中で拡散できることが必要であるため、ポリスチレンスビーズやラテックスビーズなどのビーズ状の担体を使用することが好ましく、図4〜6のようにマイクロタイタープレートなどを、ハイブリッド二本鎖核酸認識分子の固相化に使用することはできない。たとえば、上記工程で形成されるハイブリッドがDNA/RNAハイブリッドの場合には、DNA/RNAハイブリッド核酸特異的抗体をビーズに固定したものを使用してDNA/RNAハイブリッドを該担体に捕捉すればよい。このとき、1本のDNA/RNAハイブリッドが複数の担体に捕捉されることとなり、図7に示したように、複数のDNA/RNAハイブリッドおよび担体が凝集することとなる。
次いで、本方法は、凝集反応を検出する工程を含む。上記のような凝集反応が生じると、その反応溶液の濁度が変化する。従って、濁度の変化を測定することによって凝集反応を検出することができる。たとえば、比濁測定できるプレートリーダーを使用して950nmにおける吸光度を測定し、吸光度が増大した場合に凝集反応が生じていることを検出することができる。
本方法の場合、図4〜6に示した方法とは異なり、B/F分離などによって、捕捉されなかった正規直交化核酸および核酸プローブを分離する工程を含む必要がない。
次に、図8を参照し、もう1つの態様について説明する。図7に示した方法では、ハイブリッド二本鎖核酸認識分子を介してハイブリッド二本鎖核酸を凝集させて、その凝集を検出することによって正規直交化核酸を検出したが、図8に示した方法では、ハイブリッド二本鎖核酸認識分子の代わりに核酸プローブを介して正規直交化核酸を凝集させて、その凝集を検出する。
本方法は、正規直交化核酸の正規直交化部位の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有し、かつ担体に複数個固相化された第1の核酸プローブと、前記第1の核酸プローブがハイブリダイズする領域とは異なった正規直交化配列の領域の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有し、かつ前記第1のプローブと同じ担体に複数個固相化された第2の核酸プローブを、正規直交化核酸にハイブリダイズさせる工程を含む。図7に示した方法では、ハイブリッド二本鎖核酸認識分子をビーズなどに固定化したが、本方法では、正規直交化部位の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有する第1の核酸プローブと、第1の核酸プローブがハイブリダイズする領域とは異なった正規直交化配列の領域の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有する第2の核酸プローブを予めビーズなどの担体に固相化しておく必要がある。使用する担体および固定化方法などは、上述したものと同様にすることができる。本工程において、固定化された第1の核酸プローブおよび第2の核酸プローブに相補的な塩基配列を有する正規直交化核酸が存在する場合には、それぞれの核酸プローブ正規直交化核酸から構成される二本鎖核酸が形成されることとなる。また、このとき第1の核酸プローブおよび第2の核酸プローブは、同じ担体に複数個が固定されているため、複数の担体を正規直交化核酸が架橋することによって、図8に示したように、複数の正規直交化核酸および担体が凝集することとなる。
次いで、本方法は、正規直交化核酸に、捕捉プローブをハイブリダイズさせて固相化担体に捕捉させ、凝集反応を起こさせる工程を含む。
次いで、本方法は、凝集反応を検出する工程を含む。凝集反応は、上述の通りに濁度を測定することによって検出することができる。一方、第1の核酸プローブおよび第2の核酸プローブに相補的な塩基配列を有する正規直交化核酸が存在しない場合には、正規直交化配列による架橋が生じないため、凝集反応は検出されない(図9)。また、図8および図9の実施例には、一つのビーズに対して2種類の正規直交化配列を固相化したビーズを使用しているが、一つのビーズに対して一種類の正規直交化配列を固相化したビーズを2種類、すなわち一方の正規直交化配列を固相化したビーズともう一方の正規直交化配列を用いたビーズの2つの使用してもよい。また、、凝集に用いる正規直交化配列は、同時に3種類以上使用してもよい。
さらに、凝集反応において正規直交化配列を検出する際に、正規直交化配列のみを用いるのではなく、正規直交化配列とビオチンなどの標識を組み合わせて利用することも可能である。すなわち、一方は、正規直交化配列を検出するプローブを固相化したビーズと、もう一方は、正規直交化配列を検出するプローブを固相化する代わりにアビジンコートビーズなどを使用して凝集反応を生じさせることができる。
このような改良された正規直交化配列の検出方法によれば、マイクロアレイでの検出を行わずとも、マイクロタイタープレートやキュベットなどのウェル内で容易に正規直交化配列を検出できるようになり、また、マイクロアレイではでは十分でなかったシグナルの増感操作が簡便に行えるようになり、検出感度を上げることができる。
以下、本発明の方法の具体的な態様について、実施例により説明する。
本発明の方法を使用して、細胞間の遺伝子発現頻度解析の実験を行った。ヒト大腸癌細胞株;COLO320DMは、DNA ploidyの変化や各種染色体構造異常を有するが、中でも特にdouble minutesの形成に伴うc-mycの遺伝子増幅が核学的特性として挙げられる。したがって、c-mycの発現量は、正常細胞と比較して上昇傾向にあることが期待される。このヒト培養細胞株を用いたモデル実験により、PamChip(登録商標)マイクロアレイを用いる遺伝子発現解析の技術的評価を行った。
ヒト大腸癌細胞株;COLO320DMのmRNAと比較対照細胞株(コントロール)としてヒト胎児肺由来線維芽細胞;TIG-1のmRNAを利用した。各培養細胞株集団より、全RNAの抽出を行った。全RNA抽出は、RNA抽出キットISOGEN (ニッポンジーン)を用いてその説明書に従って行った。培養後の細胞集団を、3mLのIsogen (4M チオシアン酸グアニジウム、25mM シアン酸ナトリウム、 0.5% サルコシルサルコシル、 0.1M β-メルカプトエタノール、pH7.0)に溶解させた。20Gカテラン注射針付2.5 mL注射器で20〜30回吸出操作を行った。CHCl3 を0.6 mL(Isogenの1/5量)加えて、ミキサーで15秒間混合させた後、室温で2〜3分間静置させた。4℃で15,000 rpm、15分間遠心を行った。上清を新しいチューブに移し、Ethachinmate (ニッポンジーン)3μL、イソプロパノール1.5 mL(Isogenの1/2量)を加え、転倒混和して室温で10分間静置させた。4℃で15,000rpm、15分間遠心を行い、沈殿物に75% エタノール3 mL(Isogenの等量)を加え、15,000 rpm、4℃で5分間遠心した。沈殿物を風乾もしくは2〜3分間真空乾燥させた。RNase-free蒸留水加えて各2μg/μlの濃度となるようにtotal RNAとなるように試料調整を行った。
次に、16μl(32μg) のtotal RNAに4μlの 5x Fragmentation buffer (4mls. 1M tris acetate pH=8.1、0.64g. Magnesuim actetate、0.98 g. Potassium Acetate、20ml. Final Volume with water) を添加し混和後スピンダウンする。70℃で15 min.インキュベートした。その後、Stop Solutionを2μl加え氷冷した。さらにミクロコンYM−30で精製およびD.W.へのバッファー交換を行い、全量を20μlとした。
フィルター状の酸化アルミニウム基板の表面をポリ-L-リジンでコートしたものをウェル形状のハウジングに装着し、フィルターカセットを作成した。ハウジングは、PamChip(オリンパス)のものを流用した。このフィルターカセットを、マイクロアレイシステムFD10(オリンパス)にセットし、このフィルターカセットにフラグメンテーションしたRNA添加し、室温で、50回フィルターの中を通過させ、オリゴに結合させ、乾燥させた。結合しなかったRNAは、DWを50回フィルターの中を通過させ洗浄した。
こうして、COLO320DM由来の総RNAを結合させたフィルターと、TIG-1由来の総RNAを結合させたフィルターをそれぞれ調整した。
この各フィルターに5'末端に遺伝子(GAPDH、c-myc、beta-actin、lambda DNA)を検出するための特異的な配列を持ち、3'末端に正規直交化配列を持つ、各合成オリゴDNAプローブ(配列番号1、2、3、4)を混合し、最終濃度3×SSPE、1% SDS、最終容量50μlに調整しFD10上で、42℃、25μl/sec、100サイクルでハイブリダイズさせた。なお、プローブ配列は以下のとおりである。
GAPDHプローブ(5’末端1-60bp: GAPDH特異的配列、61〜85bp: 正規直交化フォワードプライマー配列、86〜110bp: 正規直交化プローブ配列1、111〜135bp: 正規直交化リバースプライマー相補鎖配列)
AGTTGAGGTC AATGAAGGGG TCATTGATGG CAACAATATC CACTTTACCA GAGTTAAAAG TTGTGAGGGGAAGGCAGTTAACCAAAGCCATCGCATTTATATTTGCTCCCAACAGTCAAAGGCACACGACGAATC (配列番号1)
ACTBプローブ(5’末端1〜60: ACTB特異的配列、61〜85: 正規直交化フォワードプライマー配列、86-110: 正規直交化プローブ配列2、111〜135: 正規直交化リバースプライマー相補鎖配列)
TTAGGATGGC AAGGGACTTC CTGTAACAAC GCATCTCATA TTTGGAATGA CTATTAAAAA TTGTGAGGGGAAGGCAGTTAACCAATTAATCACCGACTGTCTTCGTTGCCAACAGTCAAAGGCACACGACGAATC (配列番号2)
C-MYCプローブ(5’末端1〜60: C-MYC特異的配列、61〜85: 正規直交化フォワードプライマー配列、86〜110: 正規直交化プローブ配列3、111〜135: 正規直交化リバースプライマー相補鎖配列)
TGTAACTGCT ATAAACGTTT TATTAAAGTT ATTTACATTT AATGGCAATA TTTACAGAGA TTGTGAGGGGAAGGCAGTTAACCAATTAGCCACTCCAAAGCGGAACTTCAAACAGTCAAAGGCACACGACGAATC (配列番号3)
LAMDAプローブ(5’末端1〜60: LAMDA特異的配列、61〜85: 正規直交化フォワードプライマー配列、86〜110: 正規直交化プローブ配列4、111〜135: 正規直交化リバースプライマー相補鎖配列)
CTTTAGTGAT GAAGGGTAAA GTTAAACGAT GCTGATTGCC GTTCCGGCAA ACGCGGTCCG TTGTGAGGGGAAGGCAGTTAACCAAAACCTCCCATTCACCATTGTCAGAGAACAGTCAAAGGCACACGACGAATC (配列番号4)
ハイブリダイゼーション後、ハイブリダイゼーション溶液を除去し、50μlの3×SSPEを投入して、50℃で1cycleの洗浄を行った。
洗浄液を除去し、50μlの3×SSPEを投入して、洗浄を繰り返した。(洗浄回数:合計3回)。温度を65℃に設定し、DWを添加し、20サイクルの洗浄を行い、洗浄液を回収した。比較する各試料が固相化されたフィルターより、回収したDNAのうち、20μlを用い、全量で100μlになるように、下記のように反応液を調整した。
プライマーには、5'末端FITC標識 正規直交化フォワードプライマー配列番号5TTGTGAGGGGAAGGCAGTTAACCAA (配列番号5)およびFITC標識 正規直交化リバースプライマー配列番号6GATTCGTCGTGTGCCTTTGACTGTT(配列番号6)を用いた。
添加の量
10×EX Taq Bμffer 10μl
2.5mM dNTP Mix 8μl
5U/ml EX Taq 0.5μl
1μM FITC標識primer 各0.5μl
Template DNA 20μl
滅菌蒸留水 60.5μl
Total 100μl
《Cycleプログラム:GeneAmp9600》
94℃, 1min → 55℃, 2min → 72℃, 1min :45cycles→ 4℃, Forever
続いて、増幅産物を下記のようにハイブリダイゼーションによって検出した。マイクロアレイは以下のように作成した。GAPDH、c-myc、beta-actin、lamda DNA遺伝子を検出するためのプローブ核酸(配列番号7〜14)を合成し、多孔質の構造を有する基板上に固相化した。Negative controlとしてlamda DNAを、Positive controlとしてGAPDH, beta-actinを、更に評価遺伝子としてc-mycを解析に用いた。それぞれに特異的な60merオリゴDNAプローブがダブルスポットで固相化されているPamChipを使用した。PamChipマイクロアレイに配列番号7〜14のプローブを図10のようにスポットした。
正規直交化プローブ配列1 sense鎖相同配列 AGCCATCGCATTTATATTTGCTCCC(配列番号7)
正規直交化プローブ配列1 anti-sense GGGAGCAAATATAAATGCGATGGCT(配列番号8)
正規直交化プローブ配列2 sense TTAATCACCGACTGTCTTCGTTGCC(配列番号9)
正規直交化プローブ配2 anti-sense GGCAACGAAGACAGTCGGTGATTAA(配列番号10)
正規直交化プローブ配列3 sense TTAGCCACTCCAAAGCGGAACTTCA(配列番号11)
正規直交化プローブ配3 anti-sense TGAAGTTCCGCTTTGGAGTGGCTAA(配列番号12)
正規直交化プローブ配列4 sense AACCTCCCATTCACCATTGTCAGAG(配列番号13)
正規直交化プローブ配列4anti-sense CTCTGACAATGGTGAATGGGAGGTT(配列番号14)。
各増幅産物のハイブリダイゼーションによる分析は、オリンパス(株)製のPAM マイクロアレイシステム:FD10によって行った。
ハイブリダイゼーションは以下のように行った。PCR後の試料反応溶液(0.2ml PCR tube内)をThermal Cyclerで95℃・3min、4℃・急冷し、熱変性操作を行った。システムにマイクロアレイをセットし、1テストサイトあたり50μlの0.1% Tween 20洗浄液を投入した。50℃で1cycleの前洗浄(溶液駆動確認)を行った。洗浄液を除去し、試料反応溶液40μlを投入し、さらに、5 × SSPE 10μlを添加した。その後、50℃で30cycleのハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション溶液を除去し、50μlの1× SSPEを投入して、2cycleの洗浄を行った。洗浄液を除去し、30μlの1× SSPEを投入して、500msでハイブリダイゼーション画像を取得し、この画像を解析した。
各試料のinternal control spot (IC)としてGAPDHを用い、比較する各スポット輝度を補正後、各遺伝子の発現比を算出した。結果を図11に示す。期待された通り、TIG-1を固相化したフィルターにハイブリダイズしたc-mycプローブを増幅させたものを検出するスポットに対して、COLO320DMでは約3倍程度の発現上昇が認められた。一方beta-actin(ACTB)プローブの増幅産物を検出するスポットでは、約0.5倍といった発現の低下が認められた。Negative controlのlamda DNAプローブの増幅産物を検出するスポット輝度は検出されず、実験の妥当性が示された。
次に、細胞間の染色体構造変異解析の実験を行った。実施例1に続いて、ヒト大腸癌細胞株;COLO320DMをもちいた。前記のとおり、この細胞株は、double minutesの形成に伴うc-mycの遺伝子増幅が見られる。このヒト培養細胞株を用いたモデル実験により、PamChip(登録商標)マイクロアレイを用いる染色体構造変異解析の技術的評価を行った。
ヒト大腸癌細胞株;COLO320DMのGenomic DNAと比較対照細胞株(コントロール)としてヒト胎児肺由来線維芽細胞;TIG-1のGenomic DNAを利用した。各培養細胞株集団より、Genomic DNAの抽出を行った。0.2μg/mlのプロテアーゼK(Wako社製)と、0.1%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を含有するPBS中に懸濁した。試料の入った細胞溶解液を37℃で30分間反応させた後、95℃で30分間熱処理を行い、プロテアーゼKを失活させた。反応後の試料を1.5mlのエッペンドルフチューブに移し、12000X2分間の遠心分離を行って、溶解しなかった細胞片を沈殿させた。この遠心分離の上清を核酸の抽出液として用いた。
この抽出液を新しいチューブに移し、Ethachinmate (ニッポンジーン)3μL、イソプロパノール1.5 mL(Isogenの1/2量)を加え、転倒混和して室温で10分間静置させた。4℃で15,000rpm、15分間遠心を行い、沈殿物に75% エタノール3 mL(Isogenの等量)を加え、15,000 rpm、4℃で5分間遠心した。沈殿物を風乾させた。RNase-free蒸留水加えて各2 μg/μlの濃度となるようにGenomic DNAの試料調整を行った。
次に、5μl(10 μg) のGenomic DNAに制限酵素DpnII 5Μを添加し、バッファーとD.W.で全量を20μlにし、2時間、37℃で反応させた。65℃で20分間の反応を行い、酵素を失活させた。その後、Stop Solutionを10μl加え氷冷した。さらにミクロコンYM−30で精製およびD.W.へのバッファー交換を行い、全量を100μlとした。
フィルター状の酸化アルミニウム基板の表面をポリ-L-リジンでコートしたものをウェル形状のハウジングに装着し、フィルターカセットを作成した。ハウジングは、PamChip(オリンパス)のものを流用した。このフィルターカセットを、マイクロアレイシステムFD10(オリンパス)にセットし、このフィルターカセットに断片化したDNA添加し、室温で、50回フィルターの中を通過させ、オリゴに結合させ、乾燥させた。結合しなかったDNAは、DWを50回フィルターの中を通過させ洗浄した。こうして、COLO320DM由来DNAを結合させたフィルターと、TIG-1由来DNAを結合させたフィルターをそれぞれ調整した。
この各フィルターに5'末端に遺伝子(GAPDH、c-myc、beta-actin、lambda DNA)を検出するための特異的な配列を持ち、3'末端に正規直交化配列を持つ、各合成オリゴDNAプローブ(配列番号1、2、3、4)を混合し、最終濃度3×SSPE、1% SDS、最終容量50μlに調整しFD10上で、42℃、25μl/sec、100サイクルでハイブリダイズさせた。
なお、プローブ配列は以下のとおりである。
配列番号15.GAPDH probe (5’末端FITC標識 1-60bp: GAPDH特異的配列、61-85bp:正規直交化プローブ配列1)
AGTTGAGGTC AATGAAGGGG TCATTGATGG CAACAATATC CACTTTACCA GAGTTAAAAG AGCCATCGCATTTATATTTGCTCCC (配列番号15)
配列番号16.ACTB probe (5’末端FITC標識 1〜60: ACTB特異的配列、61〜85:正規直交化プローブ配列2)
TTAGGATGGC AAGGGACTTC CTGTAACAAC GCATCTCATA TTTGGAATGA CTATTAAAAA TTAATCACCGACTGTCTTCGTTGCC (配列番号16)
配列番号17.C-MYC probe (5’末端FITC標識 1-60: C-MYC特異的配列、61-85: 正規直交化プローブ配列3)
TGTAACTGCT ATAAACGTTT TATTAAAGTT ATTTACATTT AATGGCAATA TTTACAGAGA TTAGCCACTCCAAAGCGGAACTTCA (配列番号17)
配列番号18.LAMDA probe(5’末端FITC標識 1〜60: LAMDA特異的配列、61〜85: 正規直交化プローブ配列4)
CTTTAGTGAT GAAGGGTAAA GTTAAACGAT GCTGATTGCC GTTCCGGCAA ACGCGGTCCG AACCTCCCATTCACCATTGTCAGAG (配列番号18)
ハイブリダイゼーション後、ハイブリダイゼーション溶液を除去し、50μlの3×SSPEを投入して、50℃で1cycleの洗浄を行った。洗浄液を除去し、50μlの3×SSPEを投入して、洗浄を繰り返した。(洗浄回数:合計3回)。温度を65℃に設定し、DWを添加し、20サイクルの洗浄を行い、洗浄液を回収した。比較する各試料が固相化されたフィルターより、回収したDNAを下記のようにハイブリダイゼーションによって検出した。
マイクロアレイは以下のように作成した。GAPDH、c-myc、beta-actin、lamda DNA遺伝子を検出するためのプローブ核酸(配列番号7〜14)を合成し、多孔質の構造を有する基板上に固相化した。Negative controlとしてlamda DNAを、Positive controlとしてGAPDH, beta-actinを、更に評価遺伝子としてc-mycを解析に用いた。それぞれに特異的な60merオリゴDNAプローブがダブルスポットで固相化されているPamChipを使用した。PamChip microarray に配列番号7〜14のプローブを図のようにスポットした。
正規直交化プローブ配列1 anti-sense 配列番号8 GGGAGCAAATATAAATGCGATGGCT
正規直交化プローブ配2 anti-sense 配列番号10 GGCAACGAAGACAGTCGGTGATTAA
正規直交化プローブ配3 anti-sense 配列番号12 TGAAGTTCCGCTTTGGAGTGGCTAA
正規直交化プローブ配列4 anti-sense 配列番号14 CTCTGACAATGGTGAATGGGAGGTT。
各増幅産物のハイブリダイゼーションによる分析は、オリンパス(株)製のPAM マイクロアレイシステム:FD10によって行った。
ハイブリダイゼーションは以下のように行った。PCR後の試料反応溶液(0.2ml PCR tμbe内)をThermal Cyclerで95℃で3分間、4℃において急冷し、熱変性操作を行った。システムにマイクロアレイをセットし、1テストサイトあたり50μlの0.1% Tween 20洗浄液を投入した。50℃で1cycleの前洗浄(溶液駆動確認)を行った。洗浄液を除去し、試料反応溶液40μlを投入し、さらに、5× SSPE 10μlを添加した。その後、50℃で30サイクルのハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション溶液を除去し、50μlの1 × SSPEを投入して、2cycleの洗浄を行った。洗浄液を除去し、30μlの1×SSPEを投入して、500msでハイブリダイゼーション画像を取得し、この画像を解析した。
各試料のinternal control spot (IC)としてGAPDHを用い、比較する各スポット輝度を補正後、各遺伝子の発現比を算出した。この場合も、期待された通り、TIG-1を固相化したフィルターにハイブリダイズしたc-mycプローブを増幅させたものを検出するスポットに対して、COLO320DMでは約倍程度の発現上昇が認められた。一方β−アクチンプローブの増幅産物を検出するスポットでは、約0.5倍といった発現の低下が認められた。Negative controlのlamda DNAプローブの増幅産物を検出するスポット輝度は検出されず、実験の妥当性が示された。
正規直交化配列を持つRNAプローブと、担体に固相化された正規直交化DNAプローブと、正規直交化核酸とRNAプローブとのハイブリッド二本鎖に対して親和性を有するハイブリッド二本鎖核酸認識分子とを用いる正規直交化核酸の検出方法(図4の方法に対応する)の例を説明する。
5'末端に遺伝子(GAPDH、c-myc、beta-actin)を検出するための特異的な配列を持ち、3' 末端に正規直交化配列を持つ、DNA配列の相補鎖をもつ合成オリゴDNAプローブ(配列番号19、20、21)1×SSPEに100nMづつ混合し、正規直交化配列をもつ混合試料を500μl作成した。これを94℃で3分間処理し、65℃で10分、37℃で10分、25℃で10分間徐々に冷やし、2本鎖鎖を形成させた。
なお、プローブ配列は以下のとおりである。
probe1 (5’末端1〜25bp: 正規直交化リバースプライマー配列、26〜50bp: 正規直交化プローブ相補鎖配列1、51〜75bp: 正規直交化フォワードプライマー相補鎖配列)
GATTCGTCGTGTGCCTTTGA CTGTT GGGAGCAAATATAAATGCGATGGCT TTGGTTAACTGCCTTCCCCTCACAA(配列番号19)
probe2 (5’末端1〜25bp: 正規直交化リバースプライマー配列、26〜50bp: 正規直交化プローブ相補鎖配列1、51〜75bp: 正規直交化フォワードプライマー相補鎖配列)
GATTCGTCGTGTGCCTTTGA CTGTT GGCAACGAAGACAGTCGGTGATTAA TTGGT TAACTGCCTTCCCCTCACAA(配列番号20)
probe3 (5’末端1〜25bp: 正規直交化リバースプライマー配列、26〜50bp: 正規直交化プローブ相補鎖配列1、51〜75bp: 正規直交化フォワードプライマー相補鎖配列)
GATTCGTCGTGTGCCTTTGA CTGTT TGAAGTTCCGCTTTGGAGTGGCTAA TTGGT TAACTGCCTTCCCCTCACAA(配列番号21)
(下線はCD配列相補的であることを示す)
まず、マイクロタイタープレートのウェル1には、Probe1を捕獲するための正規直交化DNAプローブ(ACCAAAGCCATCGCATTT:配列番号22)を固相化した。ウェル2には、Probe2を捕獲するための正規直交化DNAプローブ(ACCAATTAATCACCGACT:配列番号23)を固相化した。ウェル3には、Probe3を捕獲するための正規直交化DNAプローブ(ACCAATTAGCCACTCCAA:配列番号24)を固相化した。ウェル4には、Probe4を捕獲するための正規直交化DNAプローブ(ACCAAAACCTCCCATTCA:配列番号25)を固相化した。
また、ウェル1には、Probe1を検出するための2μlの100nM 正規直交化RNAプローブ(AUAUUUGCUCCCAACAG:配列番号26)、ウェル2には、Probe2を検出するための2μlの100nM 正規直交化RNAプローブ(GUCUUCGUUGCCAACAG:配列番号27)、ウェル3には、Probe3を検出するための2μlの100nM 正規直交化RNAプローブ(AGCGGAACUUCAAACAG:配列番号28)、ウェル4には、Probe1、2、3以外のプローブを検出するための2μlの100nM 正規直交化RNAプローブ(CCAUUGUCAGAGAACAG:配列番号29)が添加してあり、これらの各ウェルに6μlの混合試料溶液と、90μlの1.1×SSPE、ビオチンラベルした2μlの1pgの抗DNA/RNAハイブリッド抗体を37℃で混合し、標的核酸の捕捉とRNAプローブとのハイブリダイゼーションおよび、DNA/RNAハイブリッド領域への抗体の結合反応を行った。
各ウェル中で複合体を形成しなかった標的核酸および、異種核酸プローブおよび、抗DNA/RNAハイブリッド抗体とを1xSSPEにて2回洗浄しB/F分離を行った。
B/F分離後、複合体に含まれるビオチン標識した抗DNA/RNAハイブリッド抗体に対して、5μlのストレプトアビジン−西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼ溶液と、90μlの1mM過酸化水素を含有する10mMリン酸緩衝液を添加し、さらに、0.16mMフェノールおよび10mMルミノールを含有する105μlの1×SSPEを添加し、攪拌混合した。
混合液を化学発光測定装置(コロナ電気(株)社製、MLR-100)を用いて、5分後の化学発光量を測定した。その結果、ウェル1、2、3にはルミノールの反応による化学発光が観察され(図12)、ウェル4にはこの化学発光が観察されなかった。よって、この実施例により、正規直交化配列の存在が簡便な装置のみで正確に判定できた。
正規直交化配列を持つRNAプローブと、マイクロプレートに固相化された抗DNA/RNAハイブリッド抗体と、ビオチン標識された抗DNA/RNAハイブリッド抗体を用いる正規直交化核酸の検出方法(図5の方法に対応する)の例を説明する。
実施例3と同じ試料を用いた。また、各マイクロタイタープレートには、抗DNA/RNA抗体が固相化されている。
マイクロタイタープレートのウェル5に、Probe1を検出するための2μlの100nM 正規直交化RNAプローブ(ACCAAAGCCAUCGCAUUUAUAUUUGCUCCCAACAG:配列番号30)、ウェル6に、Probe2を検出するための2μlの100nM 正規直交化RNAプローブ(ACCAAUUAAUCACCGACUGUCUUCGUUGCCAACAG:配列番号31)、ウェル7に、Probe3を検出するための2μlの100nM 正規直交化RNAプローブ(ACCAAUUAGCCACUCCAAAGCGGAACUUCAAACAG:配列番号32)、ウェル8に、Probe4を検出するための2μlの100nM 正規直交化RNAプローブ(ACCAAAACCUCCCAUUCACCAUUGUCAGAGAACAG:配列番号33)が添加してあり、これらの各ウェルに6μlの混合試料溶液と、90μlの1.1xSSPE、ビオチン標識した2μlの1pgの抗DNA/RNA抗体を37℃で混合し、標的核酸のRNAプローブとのハイブリダイゼーションとDNA/RNAハイブリッド領域への抗体による捕捉および、標識抗体の結合反応を行った。
各ウェル中で複合体を形成しなかった標的核酸、異種核酸プローブおよび、ビオチン標識抗DNA/RNAハイブリッド抗体とをB/F分離し、ルミノールによる化学発光を検出した。
その結果、この実施例でも、ウェル6、7、8にはルミノールの反応による化学発光が観察され(図13)、ウェル4にはこの化学発光が観察されなかった。よって、この実施例により、正規直交化配列の存在が簡便な装置のみで正確に判定できた。
正規直交化配列を持つビオチン標識DNAプローブと、担体に固相化された正規直交化DNAプローブを用いる正規直交化核酸の検出方法(図6の方法に対応する)の例を説明する。
実施例3で用いたマイクロタイタープレートを使用した。
ウェル1には、Probe1を検出するための2μlの100nM ビオチン標識正規直交化DNAプローブ(ATATTTGCTCCCAACAG:配列番号26)、ウェル2には、Probe2を検出するための2μlの100nM ビオチン標識正規直交化DNAプローブ(GTCTTCGTTGCCAACAG:配列番号27)、ウェル3には、Probe3を検出するための2μlの100nM ビオチン標識正規直交化DNAプローブ(AGCGGAACTTCAAACAG:配列番号28)、ウェル4には、Probe4を検出するための2μlの100nM ビオチン標識正規直交化DNAプローブ(CCATTGTCAGAGAACAG:配列番号29)が添加してあり、これらの各ウェルに6μlの混合試料溶液と、90μlの1.1×SSPEを37℃で混合し、標的核酸の捕捉とビオチン標識プローブとのハイブリダイゼーション反応を行った。
各ウェル中で複合体を形成しなかった標的核酸、ビオチン標識核酸プローブとをB/F分離し、ルミノールによる化学発光を検出したその結果、この実施例でも、ウェル1、2、3には、ルミノールの反応による化学発光が観察され(図14)、ウェル4にはこの化学発光が観察されなかった。よって、この実施例により、正規直交化配列の存在が簡便な装置のみで正確に判定できた。
正規直交化配列を持つRNAプローブと、エポキシ基コートポリスチレンビーズに固相化された抗DNA/RNAハイブリッド抗体を用いる正規直交化核酸の検出方法(図7の方法に対応する)の例を説明する。
実施例3と同じ試料を用いた。
マイクロタイタープレートのウェル9に、Probe1を検出するための2μlの100nM 正規直交化RNAプローブ(ACCAAAGCCAUCGCAUUUAUAUUUGCUCCCAACAG:配列番号30)、ウェル10に、Probe2を検出するための2μlの100nM 正規直交化RNAプローブ(ACCAAUUAAUCACCGACUGUCUUCGUUGCCAACAG:配列番号31)、ウェル11に、Probe3を検出するための2μlの100nM 正規直交化RNAプローブ(ACCAAUUAGCCACUCCAAAGCGGAACUUCAAACAG:配列番号32)、ウェル12に、Probe4を検出するための2μlの100nM 正規直交化RNAプローブ(ACCAAAACCUCCCAUUCACCAUUGUCAGAGAACAG:配列番号33)が添加してあり、これらの各ウェルに6μlの混合試料溶液と、90μlの1.1×SSPEを添加した。また、ポリスチレンビーズの表面をエポキシ基でコートしたものと、抗DNA/RNA抗体を反応させ、表面に複数の抗DNA/RNA抗体が結合したビーズを作成したものを2μlの添加した。各ウェルを37℃で混合し、標的核酸のRNAプローブとのハイブリダイゼーションとDNA/RNAハイブリッド領域への抗体による捕捉および、凝集反応を行った。
この凝集反応を比濁測定できるプレートリーダーで、950nmの比濁度を計測した。
その結果、凝集はウェル1、2、3で観察され、ウェル4では、凝集は観察されなかった(図15)。この実施例により、正規直交化配列の存在が簡便な装置のみで正確に判定できた。
2種類の正規直交化配列DNAプローブが固相化されたビーズを用いた正規直交化核酸の検出方法(図8の方法に対応する)の例を説明する。
実施例3と同じ試料を用いた。
また、ポリスチレンビーズの表面をマレイミド基でコートしたものと、5'末端をチオール標識したSD配列を検出するための2μlの100nM 正規直交化SD配列プローブ(TTGTGAGGGGAAGGCAGTTAACCAA:配列番号34)とProbe1のCD配列を検出するための2μlの100nM 正規直交化CD配列プローブ(AGCCATCGCATTTATATTTGCTCCC:配列番号35)を反応させ、表面に複数の配列番号34のプローブおよび配列番号35のプローブを有したビーズ1を作成した。同様に、SD配列を検出するための配列番号34のプローブとProbe2のCD配列を検出するための2μlの100nM 正規直交化CD配列プローブ(TTAATCACCGACTGTCTTCGTTGCC:配列番号36)を有したビーズ2と、SD配列を検出するための配列番号34のプローブとProbe3のCD配列を検出するための2μlの100nM 正規直交化CD配列プローブ(TTAGCCACTCCAAAGCGGAACTTCA:配列番号37)を有したビーズ3と、SD配列を検出するための配列番号17のプローブとProbe4のCD配列を検出するための2μlの100nM 正規直交化CD配列プローブ(AACCTCCCATTCACCATTGTCAGAG:配列番号36)を有したビーズ4を作成した。
マイクロタイタープレートのウェル13にビーズ1を、ウェル14にビーズ2を、ウェル15にビーズ3を、ウェル16にビーズ4を添加し、これらの各ウェルに6μlの混合試料溶液と、90μlの1.1xSSPEを添加した。
各ウェルを37℃で混合し、標的核酸の各正規直交化プローブとのハイブリダイゼーションと凝集反応を行った。
この凝集反応を比濁測定できるプレートリーダーで、950nmの比濁度を計測した。その結果、凝集はウェル13、14、15で観察され、ウェル16では、凝集は観察されなかった(図16)。この実施例により、正規直交化配列の存在が簡便な装置のみで正確に判定できた。
これらの正規直交化配列検出の実施例は、合成した一本鎖DNAを使用しているが、通常の二本鎖DNAであっても、熱変性処理によって、一本鎖にすることによって、同様に応用できる。
本発明の解析方法の一態様の工程を示す模式図。 本発明の解析方法に使用される、標的核酸に相補的な配列の領域と正規直交化配列とを有するプローブ核酸の一態様を示す図。 アレイによる本発明のプローブ核酸の検出の一態様を示す模式図。 本発明の正規直交化配列の検出方法の一態様を示す図。 本発明の正規直交化配列の検出方法の一態様を示す図。 本発明の正規直交化配列の検出方法の一態様を示す図。 本発明の正規直交化配列の検出方法の一態様を示す図。 本発明の正規直交化配列の検出方法の一態様を示す図。 本発明の正規直交化配列の検出方法の一態様を示す図。 本発明のプローブ核酸の検出のためのアレイの一態様を示す模式図。 本発明の核酸配列の検出方法によって核酸を解析した結果を示す図。 本発明の正規直交化配列の検出方法によって核酸を解析した結果を示す図。 本発明の正規直交化配列の検出方法によって核酸を解析した結果を示す図。 本発明の正規直交化配列の検出方法によって核酸を解析した結果を示す図。 本発明の正規直交化配列の検出方法によって核酸を解析した結果を示す図。 本発明の正規直交化配列の検出方法によって核酸を解析した結果を示す図。
符号の説明
1・・・標的核酸、2・・・担体、3・・・標的核酸と担体の複合体、4・・・標的核酸の領域、5・・・プローブ核酸と標的核酸の複合体、6・・・プローブ核酸、7・・・正規直交化配列、8・・・プローブ核酸、9・・・プローブ核酸、10・・・異種核酸プローブ、11・・・捕捉プローブ、12・・・ハイブリッド二本鎖核酸認識分子、13・・・複合体、14・・・固定化ハイブリッド二本鎖核酸認識分子、15・・・核酸プローブ、16・・・担体固定化ハイブリッド二本鎖核酸認識分子、17・・・ED、18・・・CD、19・・・rED、20・・・rCD、21・・・ビーズ、22・・・CDとは異なる配列

Claims (27)

  1. 標的核酸に相補的な配列の領域と正規直交化配列とを有するプローブ核酸を使用して核酸配列を検出する方法であって、
    前記標的核酸を担体に結合させる工程と、
    試料中に含まれる前記標的核酸に、前記プローブ核酸をハイブリダイズさせる工程と、
    前記標的核酸にハイブリダイズしたプローブ核酸の正規直交化配列を検出することによって前記標的核酸を検出する工程と、
    を含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記検出対称核酸にハイブリダイズしたプローブ核酸を、該ハイブリッドから分離する工程をさらに含み、該分離されたプローブ核酸の正規直交化配列を検出することによって前記標的核酸を検出することを特徴とする方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、前記ハイブリッドから分離されたプローブ核酸を増幅する工程をさらに含む方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、前記プローブ核酸の担体への結合は、共有結合、水素結合、またはイオン結合によって行われることを含むことを特徴とする方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、前記担体は、粒子であることを特徴とする方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法の方法であって、前記担体は、膜であることを特徴とする方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法の方法であって、前記担体は、核酸のいずれかの部位と化学結合をする機能を有する表面処理がなされていることにより、前記標的核酸が該化学結合を介して結合されることを特徴とする方法。
  8. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、前記担体は、オリゴdTが固相化されていることを特徴とする方法。
  9. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法あって、前記プローブ核酸として複数のプローブ核酸群を使用することにより、複数の標的核酸を検出することができることを特徴とする方法。
  10. 請求項2または3のいずれか1項に記載の方法であって、前記プローブ核酸の正規直交化配列の検出は、前記ハイブリッドから分離されたプローブ核酸を、前記正規直交化配列に相補的な配列を有するアレイ化された検出用プローブ核酸によって検出することを特徴とする方法。
  11. 請求項10に記載の方法であって、前記アレイが多孔質膜構造を含むことを特徴とする方法。
  12. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法あって、前記プローブ核酸の正規直交化配列の検出は、前記プローブ核酸を直接的または間接的に標識し、該標識を検出することによって検出することを特徴とする方法。
  13. 正規直交化核酸(正規直交化配列を有する標的核酸)を検出するための方法であって、
    前記標的核酸に、前記正規直交化核酸の正規直交化部位の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有し、かつ標的核酸とは異なる種類の核酸からなる異種核酸プローブをハイブリダイズさせて、ハイブリッド二本鎖核酸を形成させる工程と、
    前記ハイブリッド二本鎖核酸に、前記異種核酸プローブがハイブリダイズする領域とは異なった正規直交化配列の領域の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有し、かつ担体に固相化された捕捉プローブをハイブリダイズさせて、固相化担体に捕捉させる工程と、
    前記ハイブリッド二本鎖核酸に対して親和性を有するハイブリッド二本鎖核酸認識分子を、前記ハイブリッド二本鎖核酸と反応させて、前記正規直交化核酸、前記異種核酸プローブ、および前記ハイブリッド二本鎖核酸認識分子を含む複合体を形成させる工程と、
    前記複合体を形成しなかった前記正規直交化核酸、前記異種核酸プローブ、および前記ハイブリッド二本鎖核酸認識分子を、前記複合体から分離する工程と、
    前記複合体に含まれるハイブリッド二本鎖核酸認識分子を検出する工程と、
    を含むことを特徴とする方法。
  14. 正規直交化核酸を検出するための方法であって、
    前記正規直交化核酸に、前記正規直交化核酸の正規直交化部位の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有し、かつ正規直交化核酸とは異なる種類の核酸からなる異種核酸プローブをハイブリダイズさせて、ハイブリッド二本鎖核酸を形成させる工程と、
    担体に固相化され、かつ前記ハイブリッド二本鎖核酸に対して親和性を有するハイブリッド二本鎖核酸認識分子を、前記ハイブリッド二本鎖核酸と反応させて、前記正規直交化核酸を固相化担体に捕捉させる工程と、
    前記複合体を形成しなかった前記正規直交化核酸、前記異種核酸プローブ、および前記ハイブリッド二本鎖核酸認識分子を、前記複合体から分離する工程と、
    前記複合体に含まれるハイブリッド二本鎖核酸認識分子を検出する工程と、
    を含むことを特徴とする方法。
  15. 正規直交化核酸を検出するための方法であって、
    前記正規直交化核酸に、前記正規直交化核酸の正規直交化部位の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有する核酸プローブをハイブリダイズさせる工程と、
    前記ハイブリダイズした正規直交化核酸に、前記核酸プローブがハイブリダイズする領域とは異なった正規直交化配列の領域の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有し、かつ担体に固相化された捕捉プローブをハイブリダイズさせて固相化担体に捕捉し、捕捉複合体を形成させる工程と、
    捕捉されなかった前記正規直交化核酸および前記核酸プローブを分離する工程と、
    前記複合体に含まれる核酸プローブを検出する工程と、
    を含むことを特徴とする方法。
  16. 前記ハイブリッド二本鎖核酸に対して親和性を有するハイブリッド二本鎖核酸認識分子が、前記ハイブリッド二本鎖核酸のリガンドまたは前記ハイブリッド二本鎖核酸に対する抗体であることを特徴とする、請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記複合体に含まれるハイブリッド二本鎖核酸認識分子または核酸プローブを検出する工程が、前記ハイブリッド二本鎖核酸認識分子または核酸プローブを予め標識物質で標識しておくことにより、該標識を検出することによって行われることを特徴とする、請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記標識物質が、タンパク質、ペプチド、糖鎖、および低分子化合物から選択されることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  19. 前記標識物質の検出が、酵素による酵素反応の生成物を検出することを媒介して行われることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
  20. 正規直交化核酸を検出するための方法であって、
    前記正規直交化核酸に、前記正規直交化核酸の正規直交化部位の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有する核酸プローブをハイブリダイズさせる工程と、
    担体に固相化された、前記ハイブリッド二本鎖核酸に対して親和性を有する複数個のハイブリッド二本鎖核酸認識分子を、前記ハイブリッド二本鎖核酸と反応させて、前記正規直交化核酸を固相化担体に捕捉させ、凝集反応を起こさせる工程と、
    前記凝集反応を検出する工程と、
    を含むことを特徴とする方法。
  21. 正規直交化核酸を検出するための方法であって、
    前記正規直交化核酸の正規直交化部位の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有し、かつ担体に複数個固相化された第1の核酸プローブと、前記第1の核酸プローブがハイブリダイズする領域とは異なった正規直交化配列の領域の少なくとも一部に相補的な塩基配列を有し、かつ前記第1のプローブと同じ担体に複数個固相化された第2の核酸プローブを、正規直交化核酸にハイブリダイズさせ、凝集反応を起こさせる工程と、
    前記凝集反応を検出する工程と、
    を含むことを特徴とする方法。
  22. 前記担体がビーズであることを特徴とする、請求項13〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記ハイブリッド二本鎖核酸認識分子または二本鎖捕捉分子が、抗体であることを特徴とする、請求項13〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 一定温度で全ての反応を行うことを特徴とする、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記温度が20℃〜60℃の範囲であることを特徴とする、請求項24に記載の核酸の検出方法。
  26. 前記工程がキュベット内またはマイクロタイタープレート上で行われることを特徴とする、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法であって、前記プローブ核酸の正規直交化配列の検出は、請求項13〜15、20、または21のいずれか1項に記載の方法によって行われることを特徴とする方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015109860A (ja) * 2008-04-17 2015-06-18 キアジェン ゲイサーズバーグ インコーポレイテッド 標的核酸の存在を判別するための合成プローブを用いた組成物、方法、およびキット

Cited By (1)

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JP2015109860A (ja) * 2008-04-17 2015-06-18 キアジェン ゲイサーズバーグ インコーポレイテッド 標的核酸の存在を判別するための合成プローブを用いた組成物、方法、およびキット

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