JP2006140234A - 半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡易に製造可能であり、光の高利用効率化と素子の低動作電圧化とを両立させることが可能なGaN系半導体を用いた発光素子を提供する。
【解決手段】 p型クラッド層14とp側反射電極17との間に、それぞれこれらよりも低い屈折率を有する第1の透明導電膜15Aおよび第2の透明導電膜15Bを設ける。また、これら透明導電膜の膜厚の合計d1を、活性層13から発せられた光の波長に対して1/4×(2n+1)倍(n:自然数)の光学距離となるように設定する。p側反射電極17での反射率を増加させ、より多くの光を透明基板11側へ導くので、光の利用効率が向上する。また、第1の透明導電膜15Aを、遷移金属酸化物により構成する。p型クラッド層14と第2の透明導電膜15Bとの界面での接触抵抗を緩和するので、より低電圧で発光することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガリウム(Ga)を含有する窒化物半導体により構成された半導体発光素子およびその製造方法に関する。
近年、窒化ガリウム(GaN)系半導体を用いた発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)では、光の高利用効率化を図るため、いわゆる裏面発光型(フリップチップ構造)LEDが主流となっている。この裏面発光型LEDとは、透明基板と反射電極との間に、活性層を含む半導体積層構造を配置したものであり、これにより活性層から発せられた光を裏面、つまり透明基板側から出射させるようになっている。
このような構成の裏面発光型LEDでは、反射電極での反射率を高め、光の高利用効率化を図るため、一般に反射電極としては、可視光に対して高反射率特性を有する銀(Ag)電極が用いられている。ここで、積層構造をなす半導体層と反射電極との界面に対して、光が垂直入射したときの反射率R1は、以下の式(1)のように表される。
Figure 2006140234
ところが、半導体層としてGaN系半導体を用い、このGaN系半導体による積層構造上に反射電極としてのAg電極を直接配置した場合、Agの小さな仕事関数(約4.3eV)に起因して、これらの界面での接触抵抗が大きくなってしまうため、素子を発光させるのに必要な動作電圧も非常に高くなってしまうという問題があった。
そこで、例えば非特許文献1には、GaN系半導体による積層構造とAgよりなる反射電極との間に、その厚さが活性層から発せられた光の波長に対して1/4倍の光学距離となるように設定された高屈折率の誘電体膜を設けることで、反射電極での反射率を向上させるようにした技術(ODR(Omni Directional Reflector)構造)が開示されている。同文献によれば、このようなODR構造を有するLEDにおいては、反射電極における反射率R2は、以下の式(2)のように表される。
Figure 2006140234
また、非特許文献2には、図5(A)に示したように、GaN系半導体層114とAg電極117との間に、上記誘電体膜として、導電性をなす透明材料であるITO(Indium Tin Oxide;酸化インジウムスズ)層115Aを設けたODR構造のGaN系半導体LED101が開示されている。なお、このITO層115Aの膜厚d101は、上記のように活性層から発せられた光の波長に対して1/4倍の光学距離となるように設定されている。
また、非特許文献3には、図5(B)に示したように、GaN系半導体層114とAg電極117との間に、上記誘電体膜として、絶縁性をなす透明材料である酸化ケイ素(SiO2)層115Cを設けると共に、このSiO2層115CとGaN系半導体層114との間に、これらの接触抵抗を緩和する酸化ルテニウム(RuO2)層115Bを設け、SiO2層115Cの一部を加工することでAg電極117と電気的に接続させるようにしたODR構造のGaN系半導体LED102が開示されている。なお、この場合の誘電体層の膜厚d102は、これらRuO2層115BおよびSiO2層115Cの膜厚の合計からなっている。
ゲスマン(Th.Gessmann)、他1名,「ハイ−エフィシェンシー・AlGaInP・ライト−エミッティング・ダイオード・フォア・ソリッド−ステート・ライティング・アプリケーション(High-efficiency AlGaInP light-emitting diodes for solid-state lighting applications)」,ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス(Journal of Applied Physics),アメリカン・インスティテュート・オブ・フィジクス(American Institute of Physics),2004年3月1日,第95巻,第5号,p.2203−2216 ゲスマン(Th.Gessmann)、他4名,「GaInN・ライト−エミッティング・ダイオード・ウィズ・オムニ・ディレクショナル・リフレクタ(GaInN light-emitting diodes with omni directional reflectors)」,プロシィーディング・オブ・エス・ピー・アイ・イー(Proc. of SPIE),2003年,第4996巻,p.139−144 キム(Jong Kyu Kim)、他3名,「GaInN・ライト−エミッティング・ダイオード・ウィズ・RuO2/SiO2/Ag・オムニ−ディレクショナル・リフレクタ(GaInN light-emitting diodes with RuO2/SiO2/Ag omni directional reflectors)」,アプライド・フィジクス・レター(Applied Physics Letters),アメリカン・インスティテュート・オブ・フィジクス(American Institute of Physics),2004年5月31日,第84巻,第22号,p.4508−4510
上記非特許文献2の技術では、上記非特許文献1に開示されているODR構造を採用することで、光の利用効率を向上させることが可能である。しかしながら、ITO層115AとGaN系半導体層114との界面での接触抵抗が大きく、やはり素子の動作電圧が非常に高くなってしまうこととなる。
また、上記非特許文献3の技術では、RuO2層115Bを設けると共にこれをAg電極117と電気的に接続させることで、SiO2層115CとGaN系半導体層114との間の接触抵抗を緩和し、素子の動作電圧を下げることが可能である。しかしながら、SiO2層115Cの一部を加工し、Ag電極117を形成するような構造にしたことで、例えば図5(B)の発光光線L102のように、これらの界面に対して斜方から入射した光がAg電極117と多重反射する場合が生じてしまい、反射率が減少し、結果的に光の利用効率が落ちてしまうこととなる。また、このような構造の形成が必要になることから、製造工程が複雑化してしまうことにもなる。
このように、従来の技術では、光の高利用効率化と素子の低動作電圧化とを両立させることが可能なGaN系半導体LEDを簡易に製造するのが困難であった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、簡易に製造可能であり、光の高利用効率化と素子の低動作電圧化とを両立させることが可能なGaN系半導体を用いた発光素子およびその製造方法を提供することにある。
本発明の半導体発光素子は、透明基板上に形成されると共に、ガリウム(Ga)を含有する窒化物半導体よりそれぞれなる一対のクラッド層およびこれらの間に位置する活性層を含む半導体積層構造と、一対のクラッド層のうちの上部クラッド層を介して活性層へ電流を供給すると共にこの活性層から発せられた光を反射して透明基板側へ導く反射電極とを備えたものであって、半導体積層構造と反射電極との間に、それぞれこれらよりも低い屈折率を有する第1の透明導電膜および第2の透明導電膜が半導体積層構造側からこの順に設けられると共に、この第1の透明導電膜が遷移金属酸化物により構成され、かつこれら透明導電膜の膜厚の合計が活性層から発せられた光の波長に対して1/4×(2n+1)倍(n:自然数)の光学距離となるように設定されているものである。
本発明の半導体発光素子では、半導体積層構造と反射電極との間に、屈折率および合計の膜厚が所定の要件を満たす第1の透明導電膜および第2の透明導電膜を設けたことで、反射電極で反射された光と、半導体積層構造および第1の透明導電膜の界面で反射された光とが互いに干渉し、強め合う。すなわち、活性層から反射電極側に発せられた光の反射率が増加し、より多くの光が透明基板側へ導かれる。また、第1の透明導電膜を所定の酸化物により構成したことで、半導体積層構造と第2の透明導電膜との間の接触抵抗が緩和される。
本発明の半導体発光素子の製造方法は、透明基板上に、下部クラッド層、活性層および上部クラッド層をそれぞれこの順に積層させることにより、ガリウム(Ga)を含有する窒化物半導体よりなる半導体積層構造を形成する工程と、この半導体積層構造上に、第1の透明導電膜を遷移金属酸化物により形成する工程と、この第1の透明導電膜上に、第2の透明導電膜を形成する工程と、この第2の透明導電膜上に、上部クラッド層を介して活性層へ電流を供給すると共にこの活性層から発せられた光を反射して透明基板側へ導く反射電極を形成する工程とを含み、第1の透明導電膜および第2の透明導電膜の屈折率をそれぞれ、半導体積層構造および反射電極のいずれの屈折率よりも低くなるように設定すると共に、これら透明導電膜の膜厚の合計を、活性層から発せられた光の波長に対して1/4×(2n+1)倍(n:自然数)の光学距離となるように設定するものである。
本発明の半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法によれば、半導体積層構造と反射電極との間に、屈折率および合計の膜厚が所定の要件を満たす第1の透明導電膜および第2の透明導電膜を設けるようにしたので、活性層から反射電極側へ発せられた光を干渉させることで反射率を増加させ、より多くの光を透明基板側へ導くことで、光の利用効率を向上させることが可能となる。また、第1の透明導電膜を所定の酸化物により構成するようにしたので、半導体積層構造と第2の透明導電膜との間の接触抵抗を緩和し、より低電圧で発光させることが可能となる。さらに、第1の透明導電膜および第2の透明導電膜を形成する際に、複雑な形状および構成とする必要がないので、簡易に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る半導体発光素子の断面構造を表すものである。この半導体発光素子1は、透明基板11の表面に、n型クラッド層12、活性層13、p型クラッド層14および透明導電膜15が順次積層された積層構造を有している。また、透明導電膜15の表面およびn型クラッド層12の表面の一部にはそれぞれ、p側反射電極17およびn側電極16が形成されている。この半導体発光素子1は、活性層13から発せられた発光光線(例えば、発光光線L1〜L3)を、最終的に裏面側から出射(発光光線L)するようになっており、裏面発光型の発光素子である。
ここで、n型クラッド層12およびp型クラッド層14は、本発明における「一対のクラッド層」の一具体例に対応するものであると共に、それぞれ、「下部クラッド層」および「上部クラッド層」の一具体例に対応するものである。また、n型クラッド層12、活性層13およびp型クラッド層14は、本発明における「半導体積層構造」の一具体例に対応するものであり、p側反射電極17は、本発明における「反射電極」の一具体例に対応するものである。
透明基板11は、上記積層構造を形成するための基板であり、例えばサファイア基板またはガラス基板などにより構成される。活性層13は、不純物が添加されていない半導体材料により構成され、供給された電流により光を発する発光領域として機能する。また、n型クラッド層12およびp型クラッド層14はそれぞれ、n型およびp型の半導体多層膜により構成され、活性層13に対して電子および正孔を供給するものである。これらn型クラッド層12、活性層13およびp型クラッド層14は、GaN系半導体材料により構成されている。このGaN系半導体材料としては、具体的には、例えばGaN系、GaInN系、またはGaInNAs系などの半導体材料が挙げられる。
n側電極16およびp側反射電極17は、活性層13に対して電流を供給するためのものであり、具体的には、n側電極16が−電極、p側反射電極17が+電極となるように、図示しない直流電源が接続されるようになっている。p側反射電極17はまた、活性層13から発せられた光のうち、p側反射電極17側に出射されたものを反射し、透明基板11側へ導く(例えば、発光光線L2)反射電極としても機能する。n側電極16は、例えばチタン(Ti)などの仕事関数の小さな金属により構成され、p側反射電極17は、反射率が高いもの、例えば、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、ロジウム(Rh)またはAg合金などにより構成される。
透明導電膜15は、活性層13から発せられた光のうち、p側反射電極17側に出射されたもの(例えば、発光光線L2,L3)を高い反射率で反射し、透明基板11側へ導くと共に、p型クラッド層14とp側反射電極17との界面での接触抵抗を緩和させるためのものである。この透明導電膜15は、第1の透明導電膜15Aおよび第2の透明導電膜15Bから構成され、これらの屈折率はいずれも、p型クラッド層14およびp側反射電極17の屈折率よりも低くなるように設定されている。
第2の透明導電膜15Bは、上記のようにp側反射電極17側への出射光を高い反射率で反射させると共に、p型クラッド層14とp側反射電極17との界面での接触抵抗を緩和させるためのものである。この第2の透明導電膜15Bにより、p側反射電極17との界面での接触抵抗が緩和される。第2の透明導電膜15Bは、例えば、ITO(屈折率が、波長450nmの光に対して、約2.0程度)により構成される。
第1の透明導電膜15Aは、上記のようにp側反射電極17側への出射光を高い反射率で反射させると共に、p型クラッド層14と第2の透明導電膜15Bとの界面での接触抵抗を緩和させるためのものである。第1の透明導電膜15Aは遷移金属酸化物(屈折率が、波長450nmの光に対して、約2.0程度)により構成され、具体的には例えば、イリジウム(Ir)酸化物またはルテニウム(Ru)酸化物などにより構成される。この第1の透明導電膜15Aが、p型クラッド層14と第2の透明導電膜15Bとの界面での接触抵抗の緩和を可能とするのは、構成する遷移金属酸化物の仕事関数が大きく(約5.0eV以上)、ショットキーバリアが小さくなるためである。このようにして、透明導電膜15全体として、上記のようにp型クラッド層14とp側反射電極17との界面での接触抵抗を緩和するようになっている。なお、詳細は後述するが、この第1の透明導電膜15Aは、遷移金属よりなる層に対して所定の酸化処理を施すことで形成されるようになっている。
ここで、これら第1の透明導電膜15Aおよび第2の透明導電膜15Bの膜厚の合計、すなわち透明導電膜15の膜厚d1は、活性層13から発せられた光(例えば、発光光線L1〜L3)の波長に対して、1/4×(2n+1)倍(n:自然数)の光学距離となるように設定されている。言い換えれば、例えばp側反射電極17により反射された発光光線L2の光路長と、p型クラッド層14と第1の透明導電膜15Aとの界面で反射された発光光線L3の光路長との差(光路差)は、これらの波長の1/2×(2n+1)倍となっており、互いに位相が180°ずれていることになる。
また、前述のように第1の透明導電膜15Aおよび第2の透明導電膜15Bの屈折率はいずれも、p型クラッド層14およびp側反射電極17の屈折率層よりも低くなるように設定されていることから、発光光線L2は、p側反射電極17により反射される際にその位相が180°変化する一方、発光光線L3は、p型クラッド層14と第1の透明導電膜15Aとの界面で反射される際にその位相が変化しないことになる。
したがって、例えば図中の地点P1では、発光光線L2と発光光線L3との位相差が、180°+180°=360°、すなわち位相差がないこととなり、これらの光は互いに干渉して強め合うことになる。このようにして、透明導電膜15の膜厚d1および屈折率を適切に設定することで、前述のように、活性層13から発せられた光のうちp側反射電極17側に出射されたものを、高い反射率で反射し、透明基板11側へ導くことが可能となる。
なお、透明導電膜15全体に占める第1の透明導電膜15Aおよび第2の透明導電膜15Bの膜厚の比率は、それぞれ任意に設定することが可能であるが、第1の透明導電膜15Aの膜厚の比率を小さくすることが好ましい。第1の透明導電膜15Aを構成する遷移金属酸化物は光吸収性を有するため、膜厚が大きくなると、光の利用効率が低下してしまうからである。また、この点を考慮すると、透明導電膜15の膜厚d1はより小さいことが好ましく、活性層13から発せられた光の波長に対して1/4倍(n=1の場合)の光学距離となるように設定することが最も好ましい。さらに、これら第1の透明導電膜15Aおよび第2の透明導電膜15Bは、互いにほぼ等しい屈折率を有するようにすることが好ましい。これらの屈折率の差が大きくなると、界面において反射もしくは屈折される光の割合が増加し、光の利用効率が低下してしまうからである。
次に、このような構成の半導体発光素子1の製造方法の一例について、図2および図3を参照して説明する。
まず、図2(A)に示したように、前述した材料よりなる透明基板11の表面に、n型クラッド層12、活性層13およびp型クラッド層14を、例えば有機金属化学気相成長(MOCVD;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により順次エピタキシャル成長させ、半導体積層構造を形成する。
続いて、図2(B)に示したように、p型クラッド層14上に、前述した材料(遷移金属)よりなる遷移金属層10を、例えばスパッタリング法により、例えば1〜10nmの厚さで形成する。
続いて、図2(C)に示したように、遷移金属層10に対して酸化処理を施すことで、前述した遷移金属酸化物よりなる第1の透明導電膜15Aを形成する。この酸化処理は、遷移金属層10に対して、酸素含有雰囲気中において、300〜800℃の温度で1〜10分間加熱処理することにより行うことが好ましい。加熱処理の際の温度および時間を、300〜800℃および1〜10分間に設定するのは、遷移金属酸化物をより高純度で形成するためである。
続いて、図3(A)に示したように、第1の透明導電膜15A上に、前述した材料よりなる第2の透明導電膜15Bを、例えばスパッタリング法により形成する。その際、これら第1の透明導電膜15Aおよび第2の透明導電膜15Bの膜厚の合計(透明導電膜15の膜厚d1)を、前述のように、活性層13から発せられた光の波長に対して1/4×(2n+1)倍の光学距離となるように設定する。
続いて、図3(B)に示したように、n型クラッド層12上にn側電極16を形成する位置を確保するため、活性層13、p型クラッド層14、第1の透明導電膜15Aおよび第2の透明導電膜15Bの一部を、所定の形状に加工する。この所定の形状への加工は、例えばリアクティブイオン加工(RIE;Reactive Ion Etching)または収束イオンビーム加工(FIB;Focused Ion Beam etching)などにより行う。
最後に、図3(C)に示したように、n型クラッド層12上の一部にn側電極16を、そして第2の透明導電膜15B上にp側反射電極17を、それぞれ例えば蒸着法により形成することで、図1に示した半導体発光素子1が製造される。
この半導体発光素子1では、n側電極16とp側反射電極17との間に所定の電圧が印加されると、それぞれ、n型クラッド層12、ならびに透明導電膜15およびp型クラッド層14を介して、活性層13へ電流が注入される。活性層13では、注入された電流により電子−正孔再結合が起こり、発光する。この光のうち、透明基板11側への出射光(例えば、発光光線L1)は、そのまま透明基板11を介して出射する。一方、p側反射電極17側への出射光(例えば、発光光線L2,L3)は、p側反射電極17により(例えば、発光光線L2)、またはp型クラッド層14と第1の透明導電膜15Aとの界面により(発光光線L3)反射され、透明基板11側へ導かれて出射する。このようにして、活性層13から発せられた光は、最終的に発光光線Lとして、透明基板11側、すなわち裏面から出射する。
ここで、第1の透明導電膜15Aおよび第2の透明導電膜15Bの膜厚の合計(透明導電膜15の膜厚d1)は、この活性層13から発せられた光の波長に対して1/4×(2n+1)倍の光学距離となるように設定されていることで、例えば発光光線L2と発光光線L3とでは、互いに位相が180°ずれる。また、これら第1の透明導電膜15Aおよび第2の透明導電膜15Bの屈折率は、いずれもp型クラッド層14およびp側反射電極17の屈折率層よりも低くなるように設定されていることで、例えば発光光線L2は反射の際にその位相が180°変化する一方、発光光線L3は反射の際にその位相が変化しない。したがって、例えば地点P1では発光光線L2と発光光線L3との位相差がなくなり、これらの光は互いに干渉し、強め合う。すなわち、活性層13からp側反射電極17側に発せられた光の反射率が増加し、より多くの光が透明基板11側へ導かれる。
また、第1の透明導電膜15Aが、仕事関数の大きな遷移金属酸化物により構成されていることで、ショットキーバリアが小さくなり、p型クラッド層14と第2の透明導電膜15Bとの界面での接触抵抗が緩和される。したがって、第1の透明導電膜15Aおよび第2の透明導電膜15Bを設けたことで、p型クラッド層14とp側反射電極17との界面での接触抵抗が緩和される。
以上のように、本実施の形態では、p型クラッド層14とp側反射電極17との間に、それぞれこれらよりも低い屈折率を有する第1の透明導電膜15Aおよび第2の透明導電膜15Bを設けると共に、これら透明導電膜の膜厚の合計d1を、活性層13から発せられた光の波長に対して1/4×(2n+1)倍の光学距離となるように設定したので、p側反射電極17での反射率を増加させ、より多くの光を透明基板11側へ導くことができ、光の利用効率を向上させることが可能となる。
また、第1の透明導電膜15Aを遷移金属酸化物により構成し、p型クラッド層14と第2の透明導電膜15Bとの界面での接触抵抗を緩和するようにしたので、より低電圧で発光させることが可能となる。
また、第1の透明導電膜15Aおよび第2の透明導電膜15Bを形成する際に、複雑な形状および構成とする必要がないので、簡易に製造することができる。また、これら第1の透明導電膜15Aおよび第2の透明導電膜15Bが、複雑な形状および構成ではないことから、例えば多重反射等に起因した光の利用効率の低下を防止することが可能となる。
また、遷移金属酸化物を形成する際の酸化処理を、適切な条件で施すようにしたので、遷移金属酸化物をより高純度で形成することが可能となる。
また、透明導電膜15全体に占める第1の透明導電膜15Aの膜厚の比率が小さくするように設定した場合や、透明導電膜15全体の膜厚d1がより小さくなるように、例えば、活性層13から発せられた光の波長に対して1/4倍(n=1の場合)の光学距離となるように設定した場合には、第1の透明導電膜15Aでの光吸収を抑制し、光の利用効率をより向上させることが可能となる。
さらに、第1の透明導電膜15Aおよび第2の透明導電膜15Bの屈折率が、互いにほぼ等しくなるように設定した場合にも、界面において反射もしくは屈折される光の割合を抑制し、光の利用効率をより向上させることが可能となる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、図4に示したように、半導体発光素子1のn型クラッド層12、p型クラッド層14および電極の構成を逆にし、電極についてはp側電極18およびn側反射電極19により構成するようにしてもよい。このように構成した場合でも、上記実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施の形態において説明した各構成要素の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、また他の成膜方法および成膜条件としてもよい。
さらに、上記実施の形態では、半導体発光素子の構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、また、他の層を備えていてもよい。
本発明の一実施の形態に係る半導体発光素子の構成を表す断面図である。 半導体発光素子の製造方法を説明するための工程図である。 図2に続く工程図である。 半導体発光素子の他の構成例を表す断面図である。 従来の半導体発光素子の構成例を表す断面図である。
符号の説明
1…半導体発光素子、10…遷移金属、11…透明基板、12…n型クラッド層、13…活性層、14…p型クラッド層、15…透明導電膜、15A…第1の透明導電膜、15B…第2の透明導電膜、16…n側電極、17…p側反射電極、18…p側電極、19…n側反射電極、L,L1〜L3…発光光線、d1…透明導電膜の膜厚。

Claims (13)

  1. 透明基板上に形成されると共に、ガリウム(Ga)を含有する窒化物半導体よりそれぞれなる一対のクラッド層およびこれらの間に位置する活性層を含む半導体積層構造と、前記一対のクラッド層のうちの上部クラッド層を介して前記活性層へ電流を供給すると共にこの活性層から発せられた光を反射して前記透明基板側へ導く反射電極とを備えた半導体発光素子であって、
    前記半導体積層構造と前記反射電極との間に、それぞれこれらよりも低い屈折率を有する第1の透明導電膜および第2の透明導電膜が半導体積層構造側からこの順に設けられると共に、この第1の透明導電膜が遷移金属酸化物により構成され、かつこれら透明導電膜の膜厚の合計が前記活性層から発せられた光の波長に対して1/4×(2n+1)倍(n:自然数)の光学距離となるように設定されている
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記膜厚の合計が、前記活性層から発せられた光の波長に対して1/4倍の光学距離となるように設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記第1の透明導電膜および前記第2の透明導電膜は、互いにほぼ等しい屈折率を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  4. 前記反射電極は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、ロジウム(Rh)またはAg合金により構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  5. 前記第2の透明導電膜は、インジウムスズ酸化物(ITO)により構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  6. 前記遷移金属酸化物は、イリジウム(Ir)酸化物またはルテニウム(Ru)酸化物である
    ことを特徴とする請求項5に記載の半導体発光素子。
  7. 透明基板上に、下部クラッド層、活性層および上部クラッド層をそれぞれこの順に積層させることにより、ガリウム(Ga)を含有する窒化物半導体よりなる半導体積層構造を形成する工程と、
    前記半導体積層構造上に、第1の透明導電膜を遷移金属酸化物により形成する工程と、
    前記第1の透明導電膜上に、第2の透明導電膜を形成する工程と、
    前記第2の透明導電膜上に、前記上部クラッド層を介して前記活性層へ電流を供給すると共にこの活性層から発せられた光を反射して前記透明基板側へ導く反射電極を形成する工程とを含み、
    前記第1の透明導電膜および前記第2の透明導電膜の屈折率をそれぞれ、前記半導体積層構造および前記反射電極のいずれの屈折率よりも低くなるように設定すると共に、これら透明導電膜の膜厚の合計を、前記活性層から発せられた光の波長に対して1/4×(2n+1)倍(n:自然数)の光学距離となるように設定する
    ことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  8. 前記第1の透明導電膜を遷移金属酸化物により形成する工程は、
    前記半導体積層構造上に、遷移金属層を形成する工程と、
    前記遷移金属層に対して、酸素含有雰囲気中において300〜800℃の温度で1〜10分間加熱処理し、酸化させる工程と
    を含むことを特徴とする請求項7に記載の半導体発光素子の製造方法。
  9. 前記遷移金属酸化物を、イリジウム(Ir)酸化物またはルテニウム(Ru)酸化物とする
    ことを特徴とする請求項8に記載の半導体発光素子の製造方法。
  10. 前記膜厚の合計を、前記活性層から発せられた光の波長に対して1/4倍の光学距離となるように設定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の半導体発光素子の製造方法。
  11. 前記第1の透明導電膜および前記第2の透明導電膜の屈折率を、互いにほぼ等しくなるように設定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の半導体発光素子の製造方法。
  12. 前記反射電極を、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、ロジウム(Rh)またはAg合金により形成する
    ことを特徴とする請求項7に記載の半導体発光素子の製造方法。
  13. 前記第2の透明導電膜を、インジウムスズ酸化物(ITO)により形成する
    ことを特徴とする請求項7に記載の半導体発光素子の製造方法。

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