JP2006139172A - 非磁性一成分現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

非磁性一成分現像剤及び画像形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006139172A
JP2006139172A JP2004330254A JP2004330254A JP2006139172A JP 2006139172 A JP2006139172 A JP 2006139172A JP 2004330254 A JP2004330254 A JP 2004330254A JP 2004330254 A JP2004330254 A JP 2004330254A JP 2006139172 A JP2006139172 A JP 2006139172A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
magnetic
component developer
image
image forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004330254A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4355645B2 (ja
JP2006139172A5 (ja
Inventor
Kiyokazu Suzuki
喜予和 鈴木
Koji Inaba
功二 稲葉
Yasushi Katsuta
恭史 勝田
Yasuhiro Hashimoto
康弘 橋本
Nobuhisa Abe
展久 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2004330254A priority Critical patent/JP4355645B2/ja
Publication of JP2006139172A publication Critical patent/JP2006139172A/ja
Publication of JP2006139172A5 publication Critical patent/JP2006139172A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4355645B2 publication Critical patent/JP4355645B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Developing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】
耐久劣化による現像スジ、トナー飛散、低温低湿下での濃色薄、高温高湿下でのかぶりを起こさない非磁性一成分現像剤や画像形成方法を提供する。
【解決手段】
結着樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナー粒子と無機微粒子とを有し、トナー粒子は開始剤として下記一般式(I)(R1〜R4はアルキル基である)で表される低分子量のパーオキシエステル系化合物を使って重合法により作成され、トナー粒子1個に4.9×10-4Nの荷重をかけたときの塑性変位量/粒径×100をX、弾性量/粒径×100をYとしたときに1.5≦X/Y≦2.5、10.0≦X+Y≦20.0の両方の関係式を満たす。
Figure 2006139172

【選択図】なし

Description

本発明は電子写真法、静電記録法等を利用した記録方法に用いられる非磁性一成分現像剤及び画像形成方法に関するものである。詳しくは、予め静電潜像担持体上に現像剤像を形成後、転写材上に転写させて画像形成する複写機、プリンター、ファックス等の画像形成装置に用いられる非磁性一成分現像剤及び画像形成方法に関する。
近年、電子写真法を用いた機器は、従来の複写機に加え、例えば、プリンターやファックスのごとき装置や、更にその複合機にも適用されている。
そしてこれら機器に用いられる現像方式としては、一成分現像方式と二成分現像方式に大別されるが、近年は小型化に有利な一成分現像方式が多くなってきている。一成分現像方式は、一成分現像剤(以下「トナー」とも呼ぶ)を使用し、層厚規制部材(以下「ブレード」とも呼ぶ)とトナー粒子の摩擦、及び現像剤担持体(以下「現像ローラ」とも呼ぶ)とトナー粒子の摩擦によりトナー粒子に電荷を与えると同時に現像ローラ上に薄く均一に塗布し、現像ローラと静電潜像担持体(以下「ドラム」とも呼ぶ)とが対向した現像領域にトナーを搬送してドラム上の静電潜像を現像し、トナー画像として顕像化する。
この一成分現像方式は、ガラスビーズや鉄粉、フェライト等のキャリア粒子が必要な二成分現像方式とは異なり、キャリア粒子が不要のため、現像装置自体を小型化、軽量化できる。さらに二成分現像方式は、現像剤中のトナー濃度を一定に保つ必要があるため、トナー濃度を検知し必要量のトナーを補給する装置が必要であり、現像装置の大型化、重量化を招く。この点においても一成分現像方式は小型化、軽量化に有利である。また、一成分現像方式の中も磁性一成分現像方式と非磁性一成分現像方式に分けられるが、フルカラー化においてはカラー現像剤の磁性粉の使用が困難な事から、トナーとしては非磁性トナーが使用されるようになってきた。
また、一成分現像装置に関してはドラムと現像ローラを接触させて現像する接触現像と、一定間隔を空け、現像ローラからドラム上の静電潜像にトナーを静電的に飛翔させることにより現像を行うジャンピング現像があるが、ジャンピング現像の方がドラムと現像ローラとの接触が無い為にトナーの劣化防止に有利であり、このことは耐久試験後半の画像劣化によるカブリやがさつき等を防止するのに非常に有効である。
しかしながら、このジャンピング現像は現像における適正帯電領域が非常に狭い為、高温高湿下や低温低湿下、使用初期やトナーが無くなりかけた時でトナーの帯電性が変化するとさまざまな弊害が起こる事が分かっている。
具体的には、画像ボソ、トナー飛散、低温低湿下での濃度薄、高温高湿下でのカブリや耐久試験後半での現像スジがある。
また、近年の高画質化においては、写真画像などの画像表面の光沢(以下グロスと呼ぶ)も重要な画像品質となってきている。この品質を出す為に、熱ローラーによる画像の定着を行う方法や印刷スピードを遅くして定着時のスピードを遅くする事によりグロスを出す方法が考えられているが、熱ローラーを使うと消費電力が大きくなるばかりか、熱ローラーが暖まるまでの間は画像が出せないという弊害があり、定着時のスピードを遅くする方法は画像を出すまでの時間がかかってしまう上にカブリが悪化するという弊害がある。
この弊害を改善する為に、トナーを適度に柔らかい構成としてグロスを出すことが提案されているが(例えば特許文献1参照)、トナー飛散や、低温低湿下での濃度薄、高温高
湿下でのカブリに関しては改善されていなかった。また、外添剤を改良する事によって環境安定性を改良したもの(例えば特許文献2参照)も開示されているが、高グロストナーの様な柔らかい設計のトナーでは外添剤の改良だけでは耐久安定性が劣ってしまう恐れもある。これを装置側からの設定も含めて調整し、環境安定性や転写性を改善したもの(例えば、特許文献3参照)も開示されているが、高グロストナーでのトナー劣化やトナー飛散に関しては改善される事は無かった。同様に、黒トナーの着色剤を変更して重合トナーを作成する事で4色のバランスを取って環境安定性を改善したもの(例えば特許文献4参照)も開示されているが、高グロストナーでのトナー劣化やトナー飛散に関しては改善される事は無かった。
特開2000−172015号公報 特開平8−202079号公報 特開平8−278673号公報 特開2000−169337号公報
本発明は、非磁性一成分ジャンピング現像方式における非磁性一成分現像剤及び画像形成方法において、トナーの耐久劣化による現像スジ、トナー飛散、画像ボソ、低温低湿下での濃色薄、高温高湿下でのかぶりを改善した非磁性一成分現像剤及び画像形成方法を提供することを目的とする。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。
すなわち本発明は、ドラム上に形成された静電潜像を、前記ドラムと一定間隔を保った現像ローラに直流電圧を重畳した交流電圧を印加することによって、該現像ローラ上のトナー(非磁性一成分現像剤)により現像する画像形成方法に使用されるトナーであって、該トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナー粒子と無機微粒子とを少なくとも有し、該トナー粒子は開始剤として、下記一般式(I)(R1〜R4は炭素数1
〜6のアルキル基であり、お互いに同じであっても異なっていても良い)で表される低分
子量のパーオキシエステル系化合物のうち1種又はそれ以上を使って重合法により作成されたものであり、トナー粒子1個に4.9×10-4Nの荷重をかけたときの塑性変位量/粒径×100をX、弾性量/粒径×100をYとしたときに1.5≦X/Y≦2.5、10.0≦X+Y≦20.0の両方の
関係式を満たす事を特徴とするトナーや少なくとも1つは上記トナーを使用することを特徴とする画像形成方法によって達成される。
Figure 2006139172
本発明によると、フルカラーの非磁性一成分現像剤を用いたジャンピング現像の系において、高グロスの画像を出すときに発生し易いトナーの耐久劣化による現像スジ、トナー飛散、画像ボソ、低温低湿下での濃色薄、高温高湿下でのかぶり等の画像欠陥を改善する
ことが出来る。
本発明者が鋭意検討を行った結果、ドラム上に形成された静電潜像を、前記ドラムと一定間隔を保った現像ローラに直流電圧を重畳した交流電圧を印加することによって、該現像ローラ上の非磁性一成分現像剤により現像する画像形成方法に使用される非磁性一成分現像剤であって、該非磁性一成分現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナー粒子と無機微粒子とを少なくとも有し、該トナー粒子は開始剤として下記一般式(I)(R1〜R4は炭素数1〜6のアルキル基であり、お互いに同じであっても異なっていても良い)で表される低分子量のパーオキシエステル系化合物のうち1種又はそれ以上を使って重合法により作成されたものであり、トナー粒子1個に4.9×10-4Nの荷重をかけた
ときの塑性変位量/粒径×100をX、弾性量/粒径×100をYとしたときに1.5≦X/Y≦2.5
、10.0≦X+Y≦20.0の両方の関係式を満たす事を特徴とする非磁性一成分現像剤や少なく
とも1つは上記非磁性一成分現像剤を使用することを特徴とする画像形成方法を用いることにより、トナーの耐久劣化による現像スジ、トナー飛散、画像ボソ、低温低湿下での濃色薄、高温高湿下でのかぶり等の画像欠陥を改善することが出来ることを見出し、本発明に至った。
Figure 2006139172
以下に詳細を説明する。
<本発明の非磁性一成分現像剤(以下、本発明のトナーともいう)>
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナー粒子と無機微粒子とを少なくとも有し、該トナー粒子は開始剤として下記一般式(I)で表される化合物(R1〜R4は炭素数1〜6のアルキル基であり、お互いに同じであっても異なっていても良い)のうち1種又はそれ以上を使って重合法により作成されたものであり、トナー粒子1個に4.9×10-4Nの荷重をかけたときの塑性変位量/粒径×100をX、弾性変位量/粒径×100をYとしたときに1.5≦X/Y≦2.5、10.0≦X+Y≦20.0の両方の関係式を満たす事を特徴
とする。
Figure 2006139172
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナー粒子の外添剤として無機微粒子をトナー表面に含有させることが可能である。無機微粒子としては珪素、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ジルコニウム、マンガン、セリウム、ストロンチウム等の酸化物粉体及びチタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウ
ム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複合金属酸化物粉体等、ホウ素、珪素、チタニウム、バナジウム、ジルコニウム、モリブデン、タングステン等の炭化物、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の炭酸塩、硫酸塩、燐酸塩等を挙げることが出来る。この中でも流動性向上のためにはシリカ粉体が好ましく(特にシリカ微粒子が好ましい)、これをトナー表面に含有させることが好ましい。
尚、シリカ微粒子のうち特に好ましいものは、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両方が使用可能であるが表面及びシリカ微粒子の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O,SO3 2-等の製造残査のない乾式シリカの方が好ましい。
又、乾式シリカにおいては製造工程において例えば、塩化アルミニウム、又は塩化チタンなど他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粒子を得ることも可能であり、それらも包含する。
本発明に用いられるシリカ微粒子は、必要に応じて、疎水化、摩擦帯電性の制御などの目的のために、シランカップリング剤、有機ケイ素化合物等の処理剤で表面処理されていても良く、その方法も公知の方法が用いられ、シリカ粒子と反応あるいは物理吸着する処理剤で表面処理される。
そのような処理剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、卜リメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
本発明のトナーに用いられる無機微粒子は、シリコーンオイルによって表面処理されたものを用いても良い。シリコーンオイルの表面処理法は公知のものが用いられるが、例えば無機微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合しても良いし、ベースとなる微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法を用いても良い。
或いは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解或いは分散させた後、無機微粉体を加えて混合し、溶剤を除去する方法でも良い。また、本発明に使用されるシリコーンオイルとしては公知のものが用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロムフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が用いられる。
本発明のトナーには、同様の目的で有機粒子や複合粒子を添加することもできる。このような有機粒子や複合粒子としては、例えばポリアミド樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、ウレタン粒子、メラミン−ホルムアルデヒド粒子、アクリル粒子等の樹脂粒子;ゴム、ワックス、脂肪酸系化合物、樹脂等と金属、金属酸化物、金属塩、カーボンブラック等の無機粒子とからなる複合粒子;ポリフッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;フッ化カーボン等のフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステル等の脂肪酸誘導体;硫化モリブデン、アミノ酸及びアミ
ノ酸誘導体等が挙げられる。
なお上記無機微粒子等は外添剤として使用することが可能であり、トナー粒子の製造後における任意の時点で外添することができる。例えばトナー粒子の分級や球形化を行う工程でトナー粒子に外添することもできる。
これら上記外添剤の使用量としては、トナー粒子100質量部に対して外添剤が0.1〜5.0質量部であり、好ましくは0.5〜3.0質量部であることが好ましい。
本発明のトナーの製造法は、特に限定されないが、粒径分布の制御が容易で、尚且つ球形トナーが得やすい、いわゆる懸濁重合法により製造されたトナーが好適に用いられる。
本発明のトナーの製造方法について上記懸濁重合法を例に挙げ、以下説明を加える。
まず重合性単量体中に、離型剤としてのワックス、極性樹脂、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤、その他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均一に溶解または分散せしめた単量体系を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモジナイザー、ホモミキサー等により分散せしめる。この際、好ましくは単量体液滴が所望の現像剤粒子のサイズを有するように、撹拌速度、時間を調整し造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行なえばよい。重合温度は40℃以上、一般的には50℃〜90℃の温度に設定して行なうのがよい。また、重合反応後半に昇温してもよく、さらに、現像剤定着時の臭いの原因等になる未反応重合性単量体、副生成物等を除去するために、反応後半または反応終了時に一部水系媒体を留去してもよい。反応終了後、生成した現像剤粒子を洗浄、濾過により回収し乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100質量部に対して水300質量部〜3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。
トナーの粒度分布制御や粒径の制御は、造粒時の系のpH調整、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用をする分散剤の種類や添加量を変える方法や、機械的装置条件、例えばローターの周速、パス回数、撹拌羽根形状等の撹拌条件や、容器形状または水溶液中での固形分濃度等を制御することにより行なえる。
本発明に用いられる結着樹脂を形成する重合性単量体としては、スチレン、o−(m−、p−)メチルスチレン、m−(p−)エチレンスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキサン、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸アミド等の単量体が好ましく用いられる。
また重合時に添加する極性樹脂としては、スチレン(メタ)アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
上記極性樹脂は、使用しなくても構わないが、使用するときは結着樹脂成分100質量部
に対して極性樹脂が0.1〜30質量部であり、好ましくは1〜20質量部であることが好ましい。
更に、本発明のトナーには硫黄原子が含まれる事が好ましく、製法としては硫黄原子を有する樹脂またはその単体を添加することが、トナーの作り易さや帯電の安定性等の性能面から好ましい。
本発明のトナーにおいては、後述のX線光電子分光分析によりトナー粒子表面に存在す
る硫黄原子量の好適な範囲を規定することが可能である。具体的には、X線光電子分光分析により測定されるトナー表面に存在する炭素元素の含有量(A)に対する結合エネルギー166〜172eVにピークトップを有する硫黄元素の含有量(E)の比(E/A)が0.0003〜0.0050の範囲が好ましく、用いられる酸化鉄の平均粒径や、結着樹脂中に含まれる硫黄原子量、用いられる硫黄原子を有する重合体量により好適な範囲に制御することが可能である。0.0003未満では十分な帯電量を得られない傾向が強まり、0.0050を超えると帯電量の湿度依存性が得られにくくなる。
トナー粒子表面に存在する炭素元素の含有量(A)に対する硫黄元素の含有量(E)の比(E/A)は、以下のようにESCA(X線光電子分光分析)により表面組成分析を行うことにより測定できる。
本発明における、ESCAの装置および測定条件は、下記の通りである。
使用装置:PHI社製 1600S型 X線光電子分光装置
測定条件:X線源 MgKα(400W)
分光領域 800μmφ
本発明では、測定された各元素のピーク強度から、PHI社提供の相対感度因子を用いて表面原子濃度を算出した。
本測定はトナーを超音波洗浄し、トナー粒子表面に付着している外添剤を除去した後、磁気力にて分離し、乾燥し測定することが好ましい。
本発明のトナーに用いられる硫黄原子を有する樹脂を製造するための含硫黄単量体としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸等或いは、下記構造を有するマレイン酸アミド誘導体、マレイミド誘導体、スチレン誘導体がある。
Figure 2006139172
本発明のトナーに用いられる硫黄原子を有する樹脂は、上記単量体の単重合体であっても構わないが、上記単量体と他の単量体との共重合体であっても構わない。上記単量体と共重合体をなす単量体としては、ビニル系重合性単量体があり、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。
本発明のトナーはその円形度を得る上では、上記単量体のうちスルホン酸を有する共重合体が好ましく、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミドがより好ましい。
本発明のトナーでは、定着オフセット防止のために、離型剤としてワックスを添加することが可能である。使用されるワックスとしては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロプッシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、エステルワックス及びこれらの誘導体、またはこれらのグラフト/ブロック化合物等が好ましく用いられる。これらのワックスは、定着時の離型性の向上を達成するために、トナー粒子中に一般的に、結着樹脂成分100質量部に対して1〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部が使用される。
本発明のトナーの製造で使用される重合開始剤としてはパーオキシエステル系の過酸化物系重合開始剤が用いられる。具体的には下記一般式(I)で表される開始剤が用いられる(R1〜R4は炭素数1〜6のアルキル基であり、お互いに同じであっても異なっていても良い)。
Figure 2006139172
上記重合開始剤としては、例えばt−ヘキシルパーオキシピバレート、t-ブチルパー
オキシピバレート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。
重合開始剤が上述のもので無い場合、内部に分散させた色材や離型剤等の分散状態や樹脂の分子量分布、重合末端による帯電性や開始剤残渣が異なる為、カブリやトナー飛散、現像スジの改善効果が現れない恐れがあるばかりか、画像ボソや濃度薄が悪化する恐れもある。
該重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが一般的には重合性単量体に対して0.5質量部以上20.0質量部以下の添加量で用いられる。重合開始剤の種類は重合法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に単独または複数種類を混合し利用される。また、そのときの重合反応温度も使用する開始剤や目的とする重合度により適宜調整する事が望ましい。
本発明のトナーの製造で、懸濁重合を利用する場合に用いる分散剤としては、例えば無機系酸化物として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ、磁性体、フェライト等が挙げられる。また有機系化合物としては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等が水相に分散させて使用される。
これらの分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜2.0質量部を使用するのが好ましい。
これらの分散剤は市販のものをそのまま用いてもよいが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒中にて高速撹拌下にて該無機化合物を生成させて得ることもできる。例えばリン酸カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合法に好ましい分散剤を得ることができる。
またこれらの分散剤の微細化のために、分散媒に対して0.001〜0.1質量部の界面活性剤を併用してもよい。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が使用でき、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
本発明のトナーには、着色剤としてカーボンブラック、マグネタイト等の黒色着色剤の他に、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤等あらゆる顔料及び/又は染料を用いることができる。例えば本発明に係るトナーをフルカラー用トナーとして使用する場合
には、次の様なものが挙げられる。
本発明のトナーに用いるマゼンタ用着色顔料としてはC.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15, 16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,163,202,206,207,209;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35が挙げられる。顔料単独使用でもかまわないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
本発明のトナーに用いるマゼンタ用染料としては例えば、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27;C.I.ディスパースバイオレット1などの油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40;C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28の如き塩基性染料が挙げられる。
本発明のトナーに用いるシアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,16,17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45又は下記構造式(1)で示される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料が挙げられる。
本発明のトナーに用いるイエロー用着色顔料としてはC.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,15,16,17,23,65,73,83;C.I.バットイエロー1,3,20等が挙げられる。
これら着色剤は、単独で、あるいは組み合わせて使用することができ、通常、電子写真特性的観点、及び透過性の観点から、結着樹脂成分100質量部に対して、0.1〜30
質量部、好ましくは1.0〜20質量部で使用される。
本発明のトナーにはトナーの帯電量を制御する為に荷電制御剤を使用することが可能である。荷電制御剤としては、例えばトナーを正帯電性に制御する場合は、脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩;アミン及びポリアミン系化合物;高級脂肪酸の金属塩;アセチルアセトン金属錯体;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート等を添加する。また、負帯電性に制御する場合は、有機金属錯体、キレート化合物が有効で、サリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸、それらの誘導体の金属化合物、スルホン酸を側鎖に持つ高分子化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、珪素化合物、カリックスアレンやモノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体を用いることができる。
前記荷電制御剤の使用量は、結着樹脂成分100質量部に対して0.1〜15.0質量部であり、好ましくは0.1〜10.0質量部である。
本発明のトナーには、弾性変位量と塑性変位量を調整する為にゴム成分や熱可塑性エラストマーを添加する事が可能である。これらは例えばスチレン/ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ニトリル/ブタジエンゴム(NBR)、ニトリル/イソプレンゴム(NIR)、クロロプレンゴム(CR)などのジエン系ゴム;ブチルゴム(IRR)、エチレン/プロピレンゴム(EPM、EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)などのオレフィン系ゴム;エピクロルヒドリンゴム(CHR、CHC)などのエーテル系ゴム;その他シリコーンゴム、弗素ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム更にはスチレン系、オレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、弗素系、塩素化ポリエチレン系などの熱可塑性エラストマーなどのエラストマー材料があり、これらを任意に分散、添加することが可能である。但し、添加する物やその分散状態、添加法などによって変わるので一概には言えないが、多量の添加は弾性増加に繋がる為、トナー劣化には有利になるが定着画像のグロスが出なくなる事から好ましくない。
上記ゴム成分や熱可塑性エラストマーの使用量は、結着樹脂成分100質量部に対して0.01〜50質量部であり、好ましくは0.05〜30質量部である。
また、上記と同様の理由により本発明のトナーには、架橋剤を添加することも可能である。架橋剤としては2官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200,#400,#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートにかえたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としてペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ、ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルアソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート等が挙げられる。これらに関しても多量の添加は塑性変位量減少に繋がる為、トナー劣化には有利になるが定着画像のグロスが出なくなる事から好ましくない。上記架橋剤は使用しなくても構わないが、使用するときには結着樹脂成分100質量部に対して0.01〜20質量部であり、好ましくは0.1〜10質量
部である。
本発明のトナーは、トナー粒子1個に4.9×10-4Nの荷重をかけたときの塑性変位量/粒
径×100をX、弾性変位量/粒径×100をYとしたときに1.5≦X/Y≦2.5、10.0≦X+Y≦20.0の両方の関係式を満たす事を特徴とする。
本発明のトナーにおいて、上記X/Yの値はトナーの弾性を表し、数値が小さい程弾性が
あることを表す。X/Yの値が1.5未満の場合、弾性が強い為に連続印刷によるトナー劣化には非常に強いが、記録材上に定着させたときにグロスが出にくく、数値が小さすぎる場合には記録材上に定着が出来なくなってしまう。X/Yの値が2.5より大きいときには記録材上のグロスが出やすく、より低い温度で定着出来るというメリットがあるが、連続印刷によるトナー劣化がし易くなって、現像スジやカブリ、オフセットが発生しやすくなる。上記X/Yの値のより好ましい範囲は1.7以上2.3以下である。
更に、本発明のトナーにおいて、上記X+Yの値はトナーの軟らかさを表し、数値が大き
いほど軟らかいことを表す。X+Yの値が10.0未満の場合、トナー粒子が硬いためにトナー
劣化は抑制されるが、記録材上のグロスが出にくく、トナー割れによるトナー飛散やカブリが悪化し易い。数値が小さすぎる場合には記録材上に定着が出来なくなってしまう。反対にX+Yの値が20より大きい場合、記録材上のグロスが出やすく、より低い温度で定着出
来るというメリットがあるが、連続印刷によるトナー劣化がし易くなって、現像スジやカブリ、オフセットが発生しやすくなる。上記X+Yの値のより好ましい範囲は11以上16未満
である。そして、これらX/Y、X+Yは双方とも上記条件を満たす必要があり、これを満たさない場合は高グロスを確保しつつトナー劣化を抑制する事が難しくなってしまう。
該X/Yの値およびX+Yの値はトナーを構成する樹脂の分子量や添加するゴム成分や熱可塑性エラストマーの添加量、架橋剤の添加量などを適宜調整する事によって上記範囲内に調整することが可能である。
上記塑性変位量、弾性変位量は(株)エリオニクス社製の超微小硬度計や(株)島津製作所社の微小圧縮試験機等での測定が可能である。
本発明において、トナーの塑性変位量、弾性変位量の測定は(株)エリオニクス社製 超微小硬度計ENT1100を用いて測定した。使用圧子は100μm×100μm四方の平圧子を用い、測定環境は27℃,湿度60%で測定した。最大荷重4.9×10-4Nに対し、0.98×10-5N/secのスピードで荷重を掛ける。最大荷重に到達後、0.1secの間、その荷重で放置する。その時に変位している量を最大変位量とし、さらに最大荷重を経て0.98×10-5N/secのスピードで除荷し、荷重が0になったときの変位量を塑性変位量とした。弾性変位量は最大変位量から塑性変位量を引いた値とした。
実際の測定はセラミックセル上にトナーを塗し、トナーがセル上に分散するように微小なエアーを吹き付ける。そのセルを装置にセットして測定する。
測定は装置付帯の顕微鏡を覗きながら測定用写真画面(横幅:160μm 縦幅:120μm)にトナーが1粒で存在しているもの選択する。変位量の誤差を極力無くすため、トナー粒径が7μm前後のものを選択して測定する。なお、測定に際しては測定用写真画面から任意のトナーを選択するが、トナー粒径の測定手段は超微小硬度計ENT1100付帯のソフトを用いて測定した。測定データに関しては任意の粒子100個を選んで測定し、測定結果の最大値、最小値のものそれぞれ10個は除いて残り80個をデータとして使用し、その80個の平均から塑性変位量、弾性変位量を求めた。
本発明のトナーは、平均円形度が0.960〜0.995であることを特徴とする。
本発明のトナーにおいて、該トナーの平均円形度は0.960〜0.995の範囲が好ましい。トナーの平均円形度が0.960未満であるとカブリやトナー飛散、画像濃度薄が劣る。逆にトナーの平均円形度が0.995より大きくなると帯電部材汚染やクリーニング不良、トナー飛散が悪くなり好ましくない。トナーの平均円形度に関しては0.970以上0.990以下が上記弊害に対して、より好適に用いられる。
尚、該トナーの平均円形度は、トナーの製造方法、トナーの機械的又は熱的球形化処理等によって調整することができる。
本発明において平均円形度とは、フロー式粒子像測定装置で計測されるトナー粒子の個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて計測されるものであり、本発明では「FPIA−1000型」(東亜医用電子社製)を用いて測定を行った。
該平均円形度は、トナー粒子の粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、頻度をfciとすると、次式(II)から算出される。
Figure 2006139172
また、上記式における円形度は、下記(式III)を用いて算出した。
(式III)円形度=粒子像と同じ投影面積を持つ円周長/粒子投影像の周囲長
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは前記トナー像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。円形度はトナーの凹凸の度合いを示す指標であり、トナーが完全な球形の場合に1.00を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
また、トナーの円相当径は下記(式IV)から算出される。
(式IV)円相当径=(粒子投影面積/π)1/2×2
具体的な平均円形度の測定方法としては、容器中に予め不純固形物等を除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「UH−50型」(エスエムテー社製)に振動子として5Φのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならないように適宜冷却する。
トナーの形状測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、遊離した外添剤の影響を除く為、3μm以下の粒子を除いたデー
タを用いてトナーの平均円形度を求める。
<本発明のフルカラーの画像形成方法(以下、本発明の方法ともいう)>
本発明の方法は、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記静電潜像担持体と一定間隔を保った現像剤担持体に直流電圧を重畳した交流電圧を印加することによって、該現像剤担持体上の非磁性一成分現像剤により現像する画像形成方法であって、本発明のトナーを少なくとも1つを使用することを特徴とする。
また、本発明の方法は上記非磁性一成分現像剤において、少なくとも1色以上の現像剤に硫黄原子を有する結着樹脂が含有されていることを特徴とする。
本発明の方法には、ジャンピング現像法を用いることが可能である。ジャンピング現像法とは現像ローラとドラムとの現像領域で、現像ローラとドラムとの間に印加された直流バイアスを重畳した交流バイアス電圧によりトナーが現像ローラとドラムとの間を往復運動し、最終的に潜像パターンに応じて選択的にトナーがドラム表面に移行付着し、顕像化されるものである。このジャンピング現像法は現像ローラとドラムの間にトナーを飛翔させる現像法である為に、接触現像法と比較してトナーの粒度や帯電性の分布が広かったり、トナーの帯電性が低湿下や高湿下、連続通紙後で変動すると画像ボソやトナー飛散、カブリ、濃度薄等の弊害を引き起こしやすい。
上記ジャンピング現像においては、現像位置における現像ローラとドラムとの間にはギャップ(以下、「SDギャップ」という)を有している。SDギャップは現像ローラ軸に回転可能に支持されたドラム突き当てコロによって、100〜500μmに設定されることが好ましく、より好ましくは300μm以下である。SDギャップが100μm未満で
あると電界が現像剤担持体から潜像保持体へリークし易くなり、潜像を現像することが難しくなる。また、500μm以上であるとトナーがドラムに飛翔し難くなり、画像濃度薄やトナー飛散、掃き寄せが悪化しやすくなる傾向がある。
本発明の方法において、画像形成ユニットに用いられる現像ローラとしては、使用されるトナーの種類等に応じて適切な形態のものを用いれば良いが、例えばアルミに高硬度な樹脂をコートしたものや、金属ローラの表面を高分子弾性体でコーティングしたり、金属芯金に高分子弾性体を一体成型したりして形成されている現像ローラが好ましく、中でも高分子弾性体を使用したものはトナーの劣化が抑えられるために好ましく、アルミに樹脂コートをしたものも品質の安定性やコストに優れるので好適に用いられる。
前記現像ローラにおける高分子弾性体としては、弾性を有する様々な高分子組成物が用いられ、例えばEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、ウレタン、シリコーンゴム、ニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムなどから選択された樹脂や、それら樹脂に電気抵抗調整材料として導電性微粒子、例えばカーボン、酸化チタン等を分散混合した物や、上述した樹脂にイオン性導電材料、例えば過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウム、塩化ナトリウム等の無機イオン性導電物質を用いた電気的抵抗調整樹脂が用いられる。
また、アルミに樹脂コートしたものは、フェノール樹脂中にカーボン、グラファイトを分散してスリーブに必要な導電性を維持しつつ硬度を上げたものであり、アルミ素管に樹脂を吹き付け法にて10〜20μm程度塗布する事により作成される。これらの現像ローラの表面の粗さ(JIS B0601−1994)はRz(μm)=1〜8、又はRa(μm)=0.1〜1.2であることが望ましい。該現像ローラの表面粗度は、例えばコートする樹脂に粗粒子を入れたり、アルミ素管をブラスト処理する事により調整することが可能である。
本発明の方法に用いる画像形成ユニットは、上記現像ローラと、該現像ローラに直接又は間接的に接触して現像ローラ上のトナー層の層厚を規制するブレードとを有する。該ブレードについても、その形態については特に限定されないが、現像ローラに接触して設けられ現像ローラに担持されるトナーを規制して現像ローラ上におけるトナーコート量を制御するブレードであることが好ましい。このようなブレードとしては、可撓性の板状部材や、SUS、リン青銅等の金属板等、公知のブレードが用いられる。
本発明の方法において、画像形成ユニットに用いられるドラムはSe系でもアモルファスシリコン系でも使用可能であるが、フィルミングやドラム削れ等の高画質化や安全性の関係から有機感光体を使用することが好ましい。
有機感光体を形成する樹脂としては各種ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテルアクリル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ジアリールフタレート樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニール樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂等などを用いることが出来るが、ドラム表面層に用いられる結着樹脂の主成分としては、ポリカーボネート樹脂かポリアリレート樹脂がより好ましい。その理由として、ポリカーボネート樹脂やポリアリレート樹脂は構造上、他の電子写真感光体の表面層に使われる一般的な樹脂と比較して、機械的強度が高いことが考えられる。加えて、トナーや放電生成物との親和性も低く抑えられ、融着防止にも有効である。
本発明の方法において用いられる画像形成ユニットはこれらの構成からなり、具体的にはドラムと現像ローラが図1のように配置されているものであり、尚且つ本発明のトナー
が現像ローラに供給可能な状態であることを指し、ドラムや現像ローラがそれぞれ着脱可能でも、一体構成でも、現像時に前記のように配置されていれば良い。
本発明のトナーおよび画像形成方法は、上記要件を満たしている画像形成ユニット(装置)であれば様々な形態において使用可能であり、複写機やプリンター、FAX等の本体に一体化されている現像装置でも、ドラムとクリーナー、現像ローラ、トナー貯蔵容器が一体化されたプロセスカートリッジでも、現像ローラとトナー貯蔵容器を一体化したプロセスカートリッジとドラムユニットが別々になっている現像装置等、本発明を満足する現像装置であればいずれでも使用可能である。
本発明のトナーおよび画像形成方法に用いられる画像形成ユニットの一例を図1に示す
。ドラム25と、該ドラムに接触する不図示のローラ状帯電付与部材を有し、該ローラ状部材に直流電圧を印加することにより前記ドラム25表面を一定電位に帯電処理する帯電手段と、帯電処理された前記ドラムに静電潜像を記録する露光手段(不図示)と、前記ドラム25上の静電潜像を、前記ドラム25と一定間隔α(SDギャップ)を保った現像ローラ24に直流電圧を含む交流電圧(バイアス)26を印加することによって、該現像ローラ24上のトナーにより現像処理する現像手段とを有する。トナー容器21には非磁性一成分トナーTが充填されていて、トナー供給ローラ22によって現像ローラにトナーを供給し、ブレード23によって均一に帯電され、現像ローラ24に薄く均一にコートされて現像に供される構成になっている。そして現像ローラ上の現像残トナーはトナー供給ローラ22によって剥ぎ取られ、新規に現像ローラにトナーが供給されるようになっている。
このような画像形成ユニットはブラック単色のみの画像形成装置にも使用可能であるが、非磁性トナーということもあり、フルカラーのマシンに好適に用いる事ができる。このとき、画像形成装置はタンデム型のような、画像形成ユニットが直列に配置されたものでも、ドラムを1つだけ使用するロータリー型でも、中間転写を用いるものでも、本発明に
おける非磁性一成分ジャンピング現像を実現できる構成のものであれば好適に使用する事が可能である。
本発明の方法において用いられる画像形成ユニットは、コロナ放電の様に非接触でドラム表面を帯電させる非接触帯電方式のものと、ローラ状部材等をドラムに接触させ、これに電圧を印加してドラム表面を帯電させる接触帯電方式ものに分かれるが、本発明の方法には接触してドラム表面を帯電させる帯電部材を有することが好ましい。このような構成によれば、放電によってドラム表面を帯電させる際のオゾンの発生を防止することができ、またより低い電圧でのドラム表面の帯電が可能であることから、環境面及び省電力化及びドラムの劣化防止の観点から好ましい。
このような帯電部材としては、例えば芯金と、この芯金周面に形成される導電性の弾性層とを有する帯電ローラや、導電性スリーブと、この導電性スリーブ周面に磁力を発生させるマグネットロール等の磁力発生手段と、導電性スリーブ上に担持される導電性の磁性粒子とを有する磁気ブラシ帯電部材等の、公知の接触帯電部材が用いられる。
また、本発明の方法において用いられる画像形成ユニットには、前記ドラムや後述する現像装置のほかにも、様々な手段や部材等の構成要素を有することが可能である。例えば、本発明の方法において用いられる画像形成装置は、クリーナーレスシステムにも好適に用いることが可能であるが、ドラムに接触して設けられドラム上の転写残トナーを除去するクリーニング部材を有することも可能である。このような構成によれば、一つの画像形成プロセスが終了し、次の画像形成プロセスが始まる前に、ドラム表面をクリーニングすることができ、帯電不良や潜像形成の阻害等に伴う画像不良を防止する上で好ましい。
このようなクリーニング部材としては、例えばゴム等の弾性ブレードや、回転自在なロール状のブラシ部材、弾性層によって表面が形成されるロール部材等、公知のクリーニング部材が用いられる。クリーニング部材は、一般に、ドラムに向けて開口する廃トナー容器の開口部に設けられ、除去した転写残トナーを廃トナー容器内に収容する。
本発明の方法において用いられる画像形成ユニットのトナー供給部材は、ブレードの現像ローラ表面との当接部に対し現像ローラの回転方向上流側に当接され、かつ回転可能に支持されている。この構造としては、発泡骨格状スポンジ構造や芯金上にレーヨン、ナイロン等の繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、現像ローラへのトナーの供給および未現像トナーの剥ぎ取りの点から好ましく、その中でも材質としてはシリコーンゴム、ウレタンゴム、SBRゴム等のゴム部材やポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のプラスチック
からなる基材を発泡させ、導電性を付与した発泡弾性体によるトナー供給ローラ等が好適に用いられる。このトナー供給ローラの現像ローラに対する当接幅としては、1〜8mmが好ましく、また現像ローラに対してその当接部において相対速度を持たせることがより好ましい。
本発明の方法において用いられる画像形成ユニットのトナーを収容する容器に関しては、攪拌装置やトナー供給ローラを具備したものであっても、後からトナーの補給が可能となっている構成のものでも、公知のものが使用可能である。
次に、本発明の構成と解決する課題との関係について詳細に説明する。
耐久後半の「現像スジ」に関しては、本発明者は以下のように考えている。これは文字通り画像を多量に印刷したときに、トナーが劣化する為に発生する現像スジである。トナーの劣化とは主にトナー表面に付着している外添剤がトナー粒子に埋め込まれることによって起こるもので、この事によってトナー粒子の帯電性や流動性が落ち、トナーがブレードに融着し易くなる事により発生すると考えられる。
「トナー飛散」に関しては、トナー飛散は通常の接触現像でも発生するが、特にジャンピング現像においては、もともとトナーを飛翔させて現像する方式である事や、交流電界が現像時に働く為に、トナー飛散が非常に発生し易い。また、ジャンピング現像はトナーを飛翔させる為、トナーの帯電分布や粒度分布が均一であることが必要であり、更に、環境変化や現像初期と末期でのトナーの帯電量変化が少ない事も必要である。
「画像ボソ」に関しては、これは画像上にトナーが均一に載っていない事によって画像がぼそぼそに見えるものであり、ベタ画像であれば画像表面のグロスが低下したり、ハーフトーン画像であれば所々トナーが抜けて下地が見えるような状態の事である。この原因としては、ドラム上の画像を記録材に転写するときに抜けてしまうものや、転写後から定着迄の間でトナーが飛散してしまうものがある。
低温低湿時の「濃度薄」に関しては、これは画像を出していくにつれてトナーの帯電量が増加する事により、同じ電荷量で現像していても、それに使われるトナー量が少なくなる為に濃度が出なくなっていく、いわゆるチャージアップ現象である。これは環境湿度が低いと顕著になる。
高温高湿時の「カブリ」に関しては、高湿時は湿度の関係でトナーの帯電量が低くなり、十分に帯電されないトナーが増加する事により悪化するカブリである。
これらの弊害に対して本発明は、開始剤として下記一般式(I)で表される低分子量のパーオキシエステル系化合物(R1〜R4は炭素数1〜6のアルキル基であり、お互いに同じであっても異なっていても良い)のうち1種又はそれ以上を使って重合法により作成された
ものであり、トナー粒子1個に4.9×10-4Nの荷重をかけたときの塑性変位量/粒径×100をX、弾性変位量/粒径×100をYとしたときに1.5≦X/Y≦2.5、10.0≦X+Y≦20.0の両方の
関係式を満たす事によって改良した。
Figure 2006139172
上記構成にて弊害が抑制された理由は定かではないが、比較的低分子量のパーオキシエステル系開始剤を使用することで可塑化効果や開始剤の極性によりトナー粒子内のワックスや色材の分散性が向上し、より均一に近い分散状態でトナーが作成できることと、更に上記開始剤を使用すれば、比較的低温で反応が進められるために色材の再凝集やワックス等の局在化が抑制されるために好適な分散状態が維持され、個々のトナー粒子の帯電が均一のなるものと思われる。そして、上記トナーには、上記の良好な分散性が維持される事から懸濁重合によるトナーが好適に用いられる。更に、荷電制御樹脂の様なものも好適に分散され、それが維持される為に通常に使用されるより有効に作用すると思われる。
また、これらの均一分散やそれによるトナー粒子の均一帯電は、ジャンピング現像における画像ボソやトナー飛散、カブリ、濃度薄を防止するのに非常に有効であり、更に、トナー母粒子での改良である為に、トナー劣化や環境変動による帯電性変化に対しても一定の均一帯電を維持するので有効である。但し、接触現像法に対しては、もともとの接触現像法におけるトナー帯電量変動の許容範囲が広い為、本発明の現像剤設計では均一帯電による上記弊害の抑制効果が現れない可能性もある。
そして本発明のトナーはトナー粒子1個に4.9×10-4Nの荷重をかけたときの塑性変位量
/粒径×100をX、弾性変位量/粒径×100をYとしたときに、1.5≦X/Y≦2.5かつ10.0≦X+Y≦20.0の関係式双方を満たす事によって高グロスを保ちつつ耐久劣化を抑える事が可能になった。この値はトナー粒子内部の分散状態にも大きく影響される為、開始剤を変えるだけでも、トナー内部に対する分散、可塑化効果が変わる為に大きく変動することもあり、また、反応温度や反応条件でもこの値のバランスが崩れるときもある。
以下、本発明を製造例及び実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。なお、以下の配合における部数は全て質量部である。
(極性重合体の製造例)
還流管,撹拌機,温度計,窒素導入管,滴下装置及び減圧装置を備えた加圧可能な反応容器に、溶媒としてメタノール250質量部、2−ブタノン150質量部及び2−プロパノール100質量部、モノマーとしてスチレン82質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル10質量部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸8質量部を添加して撹拌しながら還流温度まで加熱した。重合開始剤であるt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート1質量部を2−ブタノン20質量部で希釈した溶液を30分かけて滴下して5時間撹拌を継続し、更にt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート1質量部を2−ブタノン20質量部で希釈した溶液を30分かけて滴下して、更に5時間撹拌して重合を終了した。さらに、温度を維持したまま脱イオン水を500質量部添加し、有機
層と水層の界面が乱れないように毎分80〜100回転で2時間撹拌した後に、30分静置し分層した後に、水層を廃棄し有機層に無水硫酸ナトリウムを添加し、脱水した。
次に、重合溶媒を減圧留去した後に得られた重合体を150メッシュのスクリーンを装着したカッターミル(奈良機械製作所製)を用いて100μm以下に粗粉砕した。得られた極性重合体はガラス転移点(Tg)約75℃であった。上述ガラス転移点は、公知の示差走査熱量計(DSC)によって測定することができる。より具体的には、示差走査熱量計DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いて、温度速度10℃/minでASTM(D3418−82)の温度設定パターンに準じて測定することができる。
(トナーA製造例)
イオン交換水400質量部に、0.1M−Na3PO4水溶液450質量部を投入し、50℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液68質量部を添加し、リン酸カルシ
ウム塩を含む水系媒体を得た。
一方、
スチレン 80質量部
n−ブチルアクリレート 19質量部
C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部
極性重合体 1質量部
飽和ポリエステル 10質量部
(酸価10mgKOH/g,GPCにより測定されるピーク分子量(Mp)11,000)
エステルワックス(DSCのメインピーク=66℃) 12質量部
サリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
(ボントロンE−88:オリエント化学社製)
ジビニルベンゼン(以下、DVBともいう) 0.05質量部
ポリスチレン-ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック共重合体
(以下、SEPともいう)(セプトン2003:クラレ社製)
0.05質量部
上記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、5000rpmにて均一に溶解・分散した。これに、重合開始剤t-ブチルパーオキシピバレー
ト5.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃(反応温度1),N2雰囲気下において、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)にて10000rpmで撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。
その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、5時間経過時に昇温速度40℃/Hrで80℃に昇温し5時間反応させた(反応温度2)。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去
し、冷却後、塩酸を加えpHを1.4にし、6時間撹拌することで燐酸カルシウム塩を溶解した。
この後、ろ過、イオン交換水による水洗、乾燥をして、トナー粒子aを得た。このトナー粒子100質量部に対し、疎水性シリカ微粉体(アエロジル社製R972)1.5質量部、酸化チタン(平均一次粒径0.27μm、ルチル型)0.1質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で5分間乾式混合して、本発明のトナーAとした。表1にトナーの
物性値を示す。
(トナーP製造例)
スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(開始剤:t-ブチルパーオキシピバレート)
(重量平均分子量(Mw):10万 数平均分子量(Mn):6000
St/BA:80/20 融点(Tm):125℃)
100質量部
C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部
ステアリン酸ステアリルワックス(DSCのメインピーク=60℃) 10質量部
サリチル酸アルミニウム化合物 2質量部
(ボントロンE−88:オリエント化学社製)
極性重合体 1質量部
ポリスチレン-ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック共重合体(SEP)
(セプトン2003:クラレ社製) 0.05質量部
上記材料を予備混合した後に、130℃に設定した二軸混練押し出し機(東洋精機製作所製)によって溶融混練を行った。混練物を冷却後、粗粉砕をし、ジェット気流を用いた粉砕機(ホソカワミクロン社製)によって微粉砕をし、更にDS分級機(日本ニューマチック社製)を用いて分級し、最後にハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)で8分間の球形化処理を行い、トナー母体を作った。このトナー母体100質量部に対し、疎水性シリカ微粉体(アエロジル社製R972)1.5質量部、酸化チタン(平均一次粒径0.27μm、ルチル型)0.1質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で5分間乾式混合して、トナーPを得た。トナーPの物性については表1に示す。
<実施例1>
評価機として、LBP−2510(キヤノン社製)を以下のように改造したものを使用した。評価機の現像器構成に関してはオリジナルのカートリッジに対して図1のように、現像ローラ24上に装着されている帯電補助ローラ(不図示)を外し、トナーAを200g充填した。また、現像ローラの左右についているコロの直径を大きいものに変更し、現像ローラとドラム間のSDギャップを270μmとした。更に、現像ローラには直流と交流の重畳電圧をかけ、ジャンピング現像を行った。また、そのときの交番電界はピーク間の電圧で1800V、周波数3000Hzで行った。また現像ローラは、十点平均表面粗さRz(μm)=7.5、中心線表面粗さRa(μm)=0.5(JIS B0601−1994)の、アルミ素管に樹脂コートしたものを使用した。
尚、試験評価時のイエロートナーは、トナーAの製造例における着色剤をC.I.ピグメントイエロー17に代えたものを用い、マゼンタトナーはトナーAの製造例における着色剤をC.I.ピグメントレッド122に代えたもの、ブラックトナーはトナーAの製造例における着色剤をカーボンブラック(デグサ社:Printex L6)に代えたものをトナーAの製造例におけるシアントナーAと同様に作製し、同時に評価した。以下、トナーB以降も同様に色材を変更して4色作製して同時評価を行った。
試験環境に関しては、高温高湿環境(30℃、80%RH)および低温低湿環境(15℃、10%RH)、常温常湿環境(23℃、60%RH)の3環境下にて2%の印字比率の画像を10000枚までプリントアウトし、その際、1000枚ごとにベタ白、ベタ黒、ハーフトーン画像及びそれらの複合画像を出力し、低温低湿環境下におけるその画像上の画像濃度薄、画像ボソの評価を行った。また、常温常湿環境下では現像スジ、グロス、トナー飛散の評価を、高温高湿環境下における画像ではかぶりの評価を行った。
結果を表2に示す。
尚、画像の評価は以下のように判断した。
(1)画像ボソ
A:非常に良好 全く発生せず
B:良好 ぼそぼそ感は認められるものの、目視で違和感の無いもの
C:やや難あり 見れば分かるもの
D:使用不可 画像がまだら状のもの
(2)現像スジ
A:非常に良好 全く発生せず
B:良好 目視でかすかなスジ状ムラがあるもの
C:やや難あり 目視で1〜2本の軽微なスジがあるもの
D:使用不可 数本の濃いスジがあったり、軽微ではあっても多数のスジがあるもの
(3)トナー飛散
A:非常に良好 全く飛散せず
B:良好 少し飛散している(見にくいレベル)
C:やや難あり トナーが飛散しているのが直ぐに確認できるレベル
D:使用不可 現像カートリッジ周辺にトナーが飛散している
(4)画像カブリ
「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度(反射率Ds(%))と転写紙の白色度(平均反射率Dr(%))の差から、カブリ濃度(%)(=Dr(%)−Ds(%))を算出し、耐久評価終了時の画像カブリを評価した。フィルターは、シアンの場合はアンバーライト、イエローの場合はブルー、マゼンタ及びブラックではグリーンフィルターを用いた。
A:非常に良好 0.5%未満
B:良好 0.5%以上、1.5%未満
C:やや難あり 1.5%以上、3.0%未満
D:問題あり 3.0%以上
(5)画像濃度薄
通常の複写機用普通紙(75g/m2)の転写材を用いて、画出し試験においてベタ画
像を出力し、その濃度を5点平均で測定することにより評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。
A:非常に良好 1.40以上
B:良好 1.30以上、1.40未満
C:やや難あり 1.10以上、1.30未満
D:使用不可 1.10未満
(6)グロス
通常の複写機用普通紙(75g/m2)の転写材を用いて、画出し試験においてベタ画
像を出力し、その濃度を5点平均で測定することにより評価した。尚、本発明においてグロスの程度を表す光沢度は、JIS Z 8741(鏡面光沢度測定方法)、JIS K 7105(プラスチックの光学的特性試験方法)に記載されている規定に基づいて、ハンディ光沢計グロスメータPG−3D(日本電色工業製)を用いて光の入射角75度の条件で測定した値である。
A:非常に良好 40以上、55未満
B:良好 25以上、40未満
C:やや難あり 10以上、25未満
D:問題あり 10未満
本発明では、Bランク以上を許容範囲とした。
<実施例2>
ジビニルベンゼン(DVB)を0.1質量部にし、SEPを添加しなかった事以外は実施例1と同様にしてトナーBを作成し、実施例1と同様に評価した。結果は表2に示す。
<実施例3>
反応温度1の反応温度を63℃にしたこと以外は実施例1と同様にしてトナーCを作成し
、実施例1と同様に評価した。結果は表2に示す。
<実施例4>
SEPを0.1質量部にしたこと以外は実施例1と同様にしてトナーDを作成し、実施例1と同様に評価した。結果は表2に示す。
<実施例5>
反応温度1の反応温度を63℃にしたこと以外は実施例4と同様にしてトナーEを作成し、実施例1と同様に評価した。結果は表2に示す。
<実施例6>
トナー粒子aをスプレードライヤーで200℃の気相中に分散させることより形状を調整したこと以外は実施例1と同様にしてトナーFを作成し、実施例1と同様に評価した。結果は表2に示す。
<実施例7>
硫黄原子を含有する結着樹脂を使用しなかったこと以外は実施例2と同様にしてトナーGを作成し、実施例1と同様に評価した。結果は表2に示す。
<実施例8>
重合開始剤としてt-ヘキシルパーオキサイドを使用したこと以外は実施例2と同様にしてトナーHを作成し、実施例1と同様に評価した。結果は表2に示す。
<実施例9>
トナーGのブラックトナーとトナーAのイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナ
ーの4色で評価した事以外は実施例1と同様にして評価した。結果は表2に示す。
<実施例10>
トナーHのブラックトナーとトナーGのイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーの4色で評価した事以外は実施例1と同様にして評価した。結果は表2に示す。
<比較例1>
重合開始剤としてt-ブチルパーオキシネオデカネートを使用し、反応温度1の反応温度を55℃にしたこと以外は実施例1と同様にしてトナーIを作成し、実施例1と同様に評価
した。結果は表2に示す。
<比較例2>
重合開始剤としてt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエートを使用し、反応温度1
の反応温度を81℃にしたこと以外は実施例1と同様にしてトナーJを作成し、実施例1と
同様に評価した。結果は表2に示す。
<比較例3>
重合開始剤として2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を使用したこと以外
は実施例1と同様にしてトナーKを作成し、実施例1と同様に評価した。結果は表2に示す
<比較例4>
SEPを1質量部使用したこと以外は実施例1と同様にしてトナーLを作成し、実施例1
と同様に評価した。結果は表2に示す。
<比較例5>
ジビニルベンゼンを0.5質量部使用したこと以外は実施例1と同様にしてトナーMを作成し、実施例1と同様に評価した。結果は表2に示す。
<比較例6>
SEPとジビニルベンゼンを共に使用せず、反応温度1の反応温度を65℃にしたこと
以外は実施例1と同様にしてトナーNを作成し、実施例1と同様に評価した。結果は表2に
示す。
<比較例7>
トナーPを使用したこと以外は実施例1と同様にして評価した。結果は表2に示す。
Figure 2006139172
Figure 2006139172
本発明に用いられる現像ユニットの一例を示すものである。
符号の説明
T:トナー
21:トナー容器
22:トナー供給ローラ
23:ブレード
24:現像ローラ
25:ドラム
26:直流電圧を含む交流電圧(バイアス)
α:SDギャップ


Claims (4)

  1. 静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記静電潜像担持体と一定間隔を保った現像剤担持体に直流電圧を重畳した交流電圧を印加することによって、該現像剤担持体上の非磁性一成分現像剤により現像する画像形成方法に使用される非磁性一成分現像剤であって、該非磁性一成分現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナー粒子と無機微粒子とを少なくとも有し、該トナー粒子は開始剤として下記一般式(I)で表される化合物(R1〜R4は炭素数1〜6のアルキル基であり、お互いに同じであっても異なっていても良い)のうち1種又はそれ以上を使って重合法により作成されたものであり、ト
    ナー粒子1個に4.9×10-4Nの荷重をかけたときの塑性変位量/粒径×100をX、弾性変位量/粒径×100をYとしたときに以下の関係式を満たす事を特徴とする非磁性一成分現像剤

    Figure 2006139172
    Figure 2006139172
  2. 前記現像剤の平均円形度が0.960〜0.995であることを特徴とする請求項1に記載の非磁性一成分現像剤。
  3. 静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記静電潜像担持体と一定間隔を保った現像剤担持体に直流電圧を重畳した交流電圧を印加することによって、該現像剤担持体上の非磁性一成分現像剤により現像する画像形成方法であって、前記非磁性一成分現像剤に、請求項1または2に記載の非磁性一成分現像剤を少なくとも1つを使用することを特徴としたフルカラーの画像形成方法。
  4. 前記非磁性一成分現像剤において、少なくとも1色以上の現像剤に硫黄原子を有する結着樹脂が含有されていることを特徴とする、請求項3に記載のフルカラーの画像形成方法。
JP2004330254A 2004-11-15 2004-11-15 非磁性一成分現像剤及び画像形成方法 Expired - Fee Related JP4355645B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004330254A JP4355645B2 (ja) 2004-11-15 2004-11-15 非磁性一成分現像剤及び画像形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004330254A JP4355645B2 (ja) 2004-11-15 2004-11-15 非磁性一成分現像剤及び画像形成方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006139172A true JP2006139172A (ja) 2006-06-01
JP2006139172A5 JP2006139172A5 (ja) 2007-12-13
JP4355645B2 JP4355645B2 (ja) 2009-11-04

Family

ID=36620029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004330254A Expired - Fee Related JP4355645B2 (ja) 2004-11-15 2004-11-15 非磁性一成分現像剤及び画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4355645B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009093044A (ja) * 2007-10-11 2009-04-30 Canon Inc トナー及び現像方法
WO2020045664A1 (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 日本ゼオン株式会社 静電荷像現像用トナー

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009093044A (ja) * 2007-10-11 2009-04-30 Canon Inc トナー及び現像方法
WO2020045664A1 (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 日本ゼオン株式会社 静電荷像現像用トナー
JPWO2020045664A1 (ja) * 2018-08-31 2021-08-12 日本ゼオン株式会社 静電荷像現像用トナー
US11789375B2 (en) 2018-08-31 2023-10-17 Zeon Corporation Electrostatic charge image development toner

Also Published As

Publication number Publication date
JP4355645B2 (ja) 2009-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100338202B1 (ko) 토너 및 화상 형성 방법
JP2005062807A (ja) トナー
JP2007206171A (ja) フルカラー画像形成装置
JP2002296829A (ja) 画像形成方法及びトナー
JP4810183B2 (ja) トナーの製造方法
JP4508519B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP4077986B2 (ja) トナー、画像形成方法及び装置ユニット
JP4481788B2 (ja) トナーおよび画像形成方法
JP2006301091A (ja) 画像形成方法及び現像装置
JP2006030263A (ja) トナー及び画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP4864475B2 (ja) 静電潜像現像用トナー、画像形成方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2006301483A (ja) 非磁性一成分現像剤及び画像形成方法
JP3975679B2 (ja) 画像形成方法
JP2004126005A (ja) 非磁性一成分現像剤、現像ユニット、プロセスカートリッジ及び画像形成方法
JP2009069851A (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP4370422B2 (ja) 画像形成方法
JP4355645B2 (ja) 非磁性一成分現像剤及び画像形成方法
JP5335333B2 (ja) 画像形成方法
JP4280623B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成ユニット
JP2007017486A (ja) 非磁性一成分補給系電子写真用トナー
JP2004212520A (ja) トナー及び画像形成方法
JP4769607B2 (ja) トナー、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2007065428A (ja) 画像形成装置
JP2005164875A (ja) 非磁性一成分現像剤及び画像形成方法
EP1688800B1 (en) Electrostatic image developing toner and image forming method using the same

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071026

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090721

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090728

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090803

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4355645

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120807

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120807

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130807

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees