JP2006138471A - 応答型スナッバ - Google Patents

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Abstract

【課題】 組込時の調整を簡略化できるスナッバを提供する。
【解決手段】 チェーンのための応答型スナッバ11であって、スナッバ本体部12を有し、スナッバ本体部12が、チェーンと接触する凸面状の接触面13と、接触面13の背面側に形成され、スナッバ本体部12に沿って延びる応答性キャビティ18とを備えており、チェーンからの力が作用したときに、接触面13が応答性キャビティ18の側に変形するようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、チェーンの分野に関する。より詳細には、本発明は、チェーンスパンの共振をなくすためのスナッバに関する。
スナッバは、スパン共振に起因したチェーンスパンの動きをなくすために用いられている。スナッバは、チェーンの振動を防止しまたは制限している。1980年3月18日に発行されたホーマーらによる「タイミングチェーンスナッバ」という名称の米国特許第 4,193,314号においては、チェーンスパンの内方への動きを防止するために、スナッバがチェーンの内側面に当接している。
1999年11月23日に発行されたカプッチによる「調整可能なスナッバ付テンショナ」という名称の米国特許第 5,989,138号においては、スナッバがチェーンテンショナと合体しており、チェーンスパンの外方への動きを防止するために、チェーンの外側面に当接している。
従来のスナッバ装置は、典型的には、金属製ブラケットに接着されたエラストマー材料からなる面を有している。この金属製ブラケットの設計には、2つの大きな問題があった。第1に、スナッバの性能が取付孔の位置の寸法公差によって大きな影響を受けるということである。その影響は非常に大きいので、装置への組込時には、最適な性能を得るためのいくつかの調整が必要になる。
2003年4月29日に発行されたヤング・ジュニアらによる「締付具のないチェーンテンショナ」という名称の米国特許第 6,554,728号は、このような問題について取り組んでおり、スナッバに取付孔が設けられていない。スナッバ本体はプラスチック製であるが、強化のための鋼製プレートを含んでいる。スナッバは、チェーンハウジングに形成された2つの装着溝に取り付けられる2つのアームを有している。
従来の金属製ブラケットの設計における第2の問題は、スナッバをチェーンシステムのケースから効果的に分離しておらず、チェーンスパンの振動がそのまま車両に伝達されているということである。
したがって、当該業界には、組立中に何ら調整を必要とせず、さらには、チェーンの振動を車両の他の部分から効果的に分離することができる応答型スナッバについての強い要請がある。
米国特許第4,193,314号明細書 米国特許第5,989,138号明細書 米国特許第6,554,728号明細書
本発明は、組込時の調整を簡略化できるスナッバを提供しようとしている。
請求項1の発明は、チェーンのための応答型スナッバであって、スナッバ本体部を有し、スナッバ本体部が、チェーンと接触する凸面状の接触面と、接触面の背面側に配置され、スナッバ本体部に沿って延びる応答性キャビティとを備えており、チェーンからの力が作用したときに、接触面が応答性キャビティの側に変形するようになっている。
請求項2の発明では、応答性キャビティが細長い形状を有している。
請求項3の発明では、応答性キャビティ内に配置され、接触面の側に付勢力を及ぼす板ばねをさらに備えている。
請求項4の発明では、スナッバ本体部がエラストマー製である。
請求項5の発明では、スナッバ本体部が第1のエラストマーから製作されており、接触面が第2のエラストマーから製作されている。
請求項6の発明では、第2のエラストマーが第1のエラストマーよりも堅くなっている。
請求項7の発明では、スナッバが、当該スナッバをアプリケーション用のケースに取り付けるための取付部を有している。
請求項8の発明では、取付部が、スナッバ本体部を貫通する少なくとも2つの孔を有しており、応答性キャビティが、孔と接触面との間に配置されている。
請求項9の発明では、スナッバ本体部が第1の材料から製作されており、応答性キャビティが、第1の材料よりも低いばね定数を有する第2の材料で充填されている。
請求項10の発明では、スナッバが、スナッバ本体部から応答性キャビティ内に延びかつ対向する複数の歯をさらに有している。
請求項11の発明では、歯は、応答性キャビティの長さ方向に沿って形成されるとともに、スナッバが可変ばね定数を有するように、オフセットされている。
本発明によれば、チェーンのための応答型スナッバが提供されている。スナッバは、好ましくは、エラストマー製の本体部および金属製ブシュを有している。
応答性は、スナッバの過剰な表面摩耗に帰着することになる過剰な表面荷重を作用させることなく、チェーンの背面側にマイナスのクリアランスをもってスナッバを配置するのを許容しており、これにより、アプリケーションにおけるスナッバの効果を向上させている。応答型スナッバは、スナッバの製作およびチェーンシステム内へのスナッバの組込みに関連したコストを低減するというさらなる利点を有している。
チェーンのための応答型スナッバは、チェーンと接触する凸状接触面を有するスナッバ本体部と、凸状接触面に隣接して配置され、スナッバ本体部に沿って延びる応答性キャビティとを備えている。応答性キャビティは、好ましくは、横長の形状を有している。本発明の一実施例においては、板ばねが応答性キャビティ内に配置されており、接触面の方向に付勢力を作用させている。
スナッバ本体部は、好ましくは、エラストマーから製作されている。いくつかの実施例においては、スナッバ本体部が第1のエラストマーから製作されており、接触面が第2のエラストマーから製作されている。第2のエラストマーは第1のエラストマーよりも堅い。好ましい一実施例においては、スナッバがさらに、スナッバをアプリケーションのケースに取り付けるための取付部を有している。
好ましい他の実施例においては、取付部が、スナッバ本体を挿通して延びる少なくとも2つの孔を有している。応答性キャビティは、孔と接触面との間に配置されている。本発明の他の実施例においては、スナッバ本体部が第1の材料から製作されており、応答性キャビティが、第1の材料よりもばね定数が低い第2の材料で充填されている。
また、他の実施例においては、スナッバがさらに、スナッバ本体部から応答性キャビティ内に延びかつ対向する複数の歯を有している。歯は、好ましくは、応答性キャビティの長さ方向に沿って形成されており、スナッバが可変のばね定数を有するように、オフセットされている。
本発明に係る応答型スナッバによれば、チェーンとの接触面の背面側に応答性キャビティを設け、チェーンからの押付力の作用時に接触面が応答性キャビティの側に変形し得るようにしたので、チェーンに対するクリアランスがゼロもしくはマイナスの状態で組み込むことが可能になり、これにより、チェーンに対するクリアランスを正確にゼロに調整することが不要になって、組込時の調整を簡略化できるようになる。
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
本発明によるスナッバは、共振状態を伴うチェーンの横方向の運動を防止している。本発明によるスナッバの応答性接触面は、チェーンの背面側に対して理想的なゼロクリアランスを維持しつつ、それほど正確でない状態でスナッバを配置するのを許容している。
このことは、チェーン張力が増加したときチェーンが接触面を容易に移動するのを許容することによって、達成される。このような特徴は、取付孔位置の許容範囲を増加させるとともに、チェーンシステム内への組込時における正確な調整を不要にすることによって、コストを低減させる。
完全にエラストマー的な設計はまた、チェーンシステムによって生成される振動を従来のスナッバよりも多く吸収し、これにより、チェーンシステムのNVH性能を向上させている。エラストマー材料は、ここでは、引っ張られたときに高い引張応力の作用下ですぐに伸びるとともに、応力を除去するとすぐに縮退して元の大きさに戻るような弾性を有する重合体材料として定義されている。
スナッバは、好ましくは、チェーンの外側面、つまりチェーンの背面側と一般に呼ばれる面と接触する。スナッバは、チェーンの逆方向の動きを直接制限することはできない。スナッバは、スナッバがチェーンの内側と接触してチェーンの内方への動きを制限する場合には、チェーンの内側に配置することも可能である。
しかしながら、この場合には、サイレントチェーンの歯がエラストマー材料と接触することになるため、スナッバ材料の摩耗が増加することになる。このため、スナッバは、通常、チェーンの外側に配置される。
本発明による設計手法は、従来の金属製ブラケットよりも、スナッバをアプリケーションのケースから良好に分離させる。エラストマー材料の損失係数は、金属製ブラケットが通常製作される材料であるアルミニウムの損失係数よりも大きいので、本発明のスナッバに入力される全エネルギのわずかな部分しかケースには実際に伝達されない。
全エネルギの残りの部分は熱となって消失する。スナッバの応答性という特徴部分もまた、いくらかのエネルギを吸収する。或るばね力を有する応答面は、いくらかのエネルギの移動を要求する。その結果、スナッバ本体部を通ってアプリケーションケース内に伝達されるエネルギがほとんどないということになる。
図1に示すように、本発明による応答型スナッバ11は、チェーンと接触する接触面13を有するスナッバ本体部12を備えている。スナッバ11は、ブシュ16,17が装着された取付孔14,15を介してエンジン側に取り付けられている。スナッバ11はまた、接触面13の背面側に形成された応答性キャビティ18を有している。
ここでは、スナッバ11が取付孔14,15を介して取り付けられた状態が示されているが、本発明の任意の実施例において、その他の取付機構を用いることが可能である。例えば、スナッバは、ブラケットのないスナッバのように、アプリケーションケース内において類似の装置(蟻継ぎ結合など)に連結する装置内に成形されていてもよい。
スナッバ本体部12は、好ましくは、エラストマー材料から製作されている。スナッバ本体部12を構成する材料としては、振動減衰装置に用いられるエラストマー性のポリマーと同様の損失係数を有する任意の材料が用いられる。
これらの材料は、以下のものを含むが、これらには限定されない。アクリロニトリルブタジエン(NBR)、水素処理されたニトリル(HNBR)、エチレンアクリレート共重合体(EAR)。スナッバ11の接触面13を構成する好ましい材料としては、NBR材料に比べて向上した摩耗抵抗を有する、カルボキシル化されたニトリル(COX−NBR)である。
ブチルのようなその他のエラストマーポリマーを使用することも可能である。しかしながら、材料を選択する際の制限要因の一つは、オイルを含む高温の環境下で機能できる材料であることである。
スナッバ材料として重要な他の特性の一つは、チェーンが走行するときの摩耗抵抗である。スナッバ材料と接触するリンクの表面は、スナッバ材料を浸食して、チェーンおよびスナッバ間のクリアランスを変化させ、その結果、チェーンの動きを制御する際のスナッバの性能を低下させる。
接触面13は応答性を有しており、チェーンから作用する荷重により移動し得る。応答性を有する面は、組立時に大きな許容範囲を許容しており、スナッバがチェーンの背面側に対してマイナスのクリアランスをもって(つまりチェーンに対して圧接した状態で)配置されるのを許容する。
スナッバの応答性は、チェーンの共振に抵抗するほど十分に堅いものであるとともに、接触面に作用する力を最小限に抑えるほど十分な応答性を有するものであるように設計されている。この実施例では、応答性は、スナッバ本体部12の材料の剛性と、接触面背面側の応答性キャビティ18の大きさおよび形状とによって制御されている。
任意の材料において、スナッバ11の接触面13を変位させるのに必要な力は、スナッバ11の形状により変化する。例えば、接触面13が薄ければ、それにより生じる変形は、その薄い領域に集中する。もしスナッバ11の端部が接触面13よりもさらに薄ければ、変形は、接触面13の特定の領域から離れてスナッバ11の端部に向かい、その結果、接触面13全体の変位に帰着することになる。
このような設計はいずれも、異なるばね力、または変形−力の異なる性能特性を潜在的に有することになる。同様に、与えられた任意の幾何学的形状に対して、変形−力の性能特性は、材料の剛性特性を変えることによって変化する。
キャビティ18の形状は、いろいろな意味で重要である。キャビティの高さは、設計内に組み込まれた応答量を決定する。これはまた、設計によって許容されたチェーンの横方向の動きに直接影響を与える。キャビティの端部の形状は、応力分布に影響を与えており、好ましくは、疲労寿命を最大にするように最適化されている。
キャビティの全体形状は、変形の位置およびばね力に影響を与える。このことは、スナッバがいかにうまくチェーンスパンの共振を減衰させるかということと、スナッバの接触面のいかに多くの部分がチェーン背面側と接触するかということに大きな影響を与えている。
キャビティは、好ましくは、細長い形状(長方形状または楕円状を含む)を有している。ここで、細長い形状とは、一方の寸法(例えば長さ)が他方の寸法(例えば高さ)よりもかなり大きいというような横長の形状を有するものとして限定されている。
他の実施例においては、キャビティが、低いばね定数を有する低弾性材料で充填されている。例えば、スポーツシューズで用いられるジェルや発泡体のような低硬度のエラストマー材料が好ましい。材料は、これらのアプリケーションで用いられるオイルおよび高温に対して適合できるものでなければならない。接触面のばね力を増加させるために、金属またはプラスチックのブラケットのようなその他の充填材も用いられ得る。
キャビティを埋めるのに用いられる好ましい材料の一つは、熱可塑性ポリエステルエラストマーである、デュポン社のハイトレル(登録商標)(Hytrel(R))である。この材料は、良好な化学的温度抵抗を提供しており、スナッバのキャビティ内に射出成形される。この材料はまた、低い剛性がスナッバのキャビティ内でエネルギを吸収するのに用いられるような硬度の範囲で利用可能である。
図2には、図1の応答型スナッバの2−2線断面が示されている。スナッバ本体部12の取付孔14には、スナッバ11を取り付けるためのブシュ16が挿入されている。同図には、応答性キャビティ18の断面もまた示されている。
本発明の他の実施例においては、接触面を保持するために、スナッバが、薄い金属製の板ばねを応答性キャビティ内に有している。これにより、重量を軽減し、梱包状態を改善するとともに、スナッバの接触面の形状保持および耐久性を向上させる。
接触面を保持するのに、プラスチックのような他の材料も用いられ得る。他のタイプのスプリングもまた用いられ得る。例えば、局所的な保持を提供するために、コイルスプリングが用いられ得るが、板ばねは、さらに大きな領域を保持する。
図3に示すように、本発明による応答型スナッバ31は、チェーンと接触する接触面33を有するスナッバ本体部32を備えている。スナッバ31は、ブシュ36,37が装着された取付孔34,35を介してエンジン側に取り付けられている。スナッバ31はまた、接触面33の背面側に形成された応答性キャビティ38を有している。
接触面33は応答性を有しており、チェーンから作用する荷重により移動し得る。応答性を有する面は、組立時に大きな許容範囲を許容し、スナッバがチェーンの背面側に対してマイナスのクリアランスをもって配置されるのを許容する。
スナッバの応答性は、チェーンの共振に抵抗するほど十分に堅いものであるとともに、接触面に作用する力を最小限に抑えるほど十分な応答性を有するものであるように設計されている。この実施例では、応答性は、スナッバ本体部32の材料の剛性と、接触面背面側の応答性キャビティ38の大きさおよび形状と、接触面背面側の板ばね39とによって制御されている。
図4には、図3の応答型スナッバの4−4線断面が示されている。スナッバ本体部32の取付孔34には、スナッバ31を取り付けるためのブシュ36が挿入されている。同図には、応答性キャビティ38および板ばね39の断面もまた示されている。
本発明のさらに他の実施例においては、スナッバが異なる2つのエラストマーから製作されており、各エラストマーが、異なる硬度または剛性を有している。図5に示すように、本発明による応答型スナッバ51は、チェーンと接触する接触面53を有するスナッバ本体部52を備えている。スナッバ51は、ブシュ56,57が装着された取付孔54,55を介してエンジン側に取り付けられている。スナッバ51はまた、接触面53の背面側に形成された応答性キャビティ58を有している。
接触面53は応答性を有しており、チェーンから作用する荷重により移し得る。この実施例では、スナッバ51は、2つのエラストマー材料から製作されている。応答性を有する面は、組立時に大きな許容範囲を許容し、スナッバがチェーンの背面側に対してマイナスのクリアランスをもって配置されるのを許容する。
スナッバ51は、第1のエラストマー材59からなる帯状片を接触面53に沿って有している。スナッバ51は、第1のエラストマー材59よりも低硬度の第2のエラストマー材60をスナッバ本体部52の残りの部分に有している。
スナッバの応答性は、チェーンの共振に抵抗するほど十分に堅いものであるとともに、接触面に作用する力を最小限に抑えるほど十分な応答性を有するものであるように設計されている。この実施例では、応答性は、スナッバ本体部52の材料60の剛性と、接触面背面側の応答性キャビティ58の大きさおよび形状と、接触面53の材料59の厚みおよび剛性とによって制御されている。
スナッバ本体部52の材料特性は、減衰作用が最大限に評価されるとともに、耐摩耗性がそれほど重要でないのが好ましい。したがって、損失係数は高くあるべきである。この実施例においては、スナッバ本体部52の材料は、低硬度のニトリルおよびエチレンアクリレート共重合体(EAR)材料を含むが、これらには限定されない。
接触面材料の特性は、摩耗抵抗が高い優先順位を与えられるとともに、減衰特性がそれほど重要でないというようなものであるべきである。この実施例において、接触面の材料は、高硬度のアクリロニトリルブタジエン(NBR)、水素処理されたニトリル(HNBR)、およびカルボキシル化されたニトリル(COX−NBR)を含むが、これらには限定されない。
材料の剛性は、接触面が高剛性材料に典型的な耐摩耗性を提供するとともに、スナッバ本体部が低剛性材料に典型的な高エネルギ吸収を有するというように、選択されている。好ましい実施例においては、高剛性エラストマーは、接触面の50%の厚みまで延びている。
図6には、図5の応答型スナッバの6−6線断面が示されている。スナッバ本体部52の取付孔54には、スナッバ51を取り付けるためのブシュ56が挿入されている。同図には、応答性キャビティ58および第1のエラストマー材59の断面もまた示されている。
本発明の他の実施例は、異なる剛性の2つの異なるエラストマーを含むスナッバ本体部と、板ばねとを有している。スナッバは、第1のエラストマー材からなる帯状片を接触面に沿って有している。スナッバは、第1のエラストマーよりも低硬度の第2のエラストマー材をスナッバ本体部の残りの部分に有している。
好ましい実施例においては、キャビティがオフセット歯を有していることを特徴としている。この特徴部分は、応答性に可変ばね力を追加している。スナッバが圧縮されたとき、各歯は互いに接触する。一実施例においては、歯は平坦面を有しており、一点で接触する。他の実施例においては、歯は凸状湾曲面を有している。より大きな力が作用したとき、歯は、最初とは異なる度合いで変形する。
図7には、歯を備えた本発明の好ましい実施例が示されている。この実施例においては、応答型スナッバ71は、チェーンと接触する接触面73を有するスナッバ本体部72を備えている。スナッバ71は、ブシュ76,77が装着された取付孔74,75を介してエンジン側に取り付けられている。スナッバ71はまた、接触面73の背面側に形成された応答性キャビティ78を有している。
接触面73は応答性を有しており、チェーンから作用する荷重により移動し得る。キャビティ78は、応答性キャビティ78の圧縮により変形する歯79を有している。応答性を有する面は、組立時に大きな許容範囲を許容し、スナッバがチェーンの背面側に対してマイナスのクリアランスをもって配置されるのを許容する。
スナッバの応答性は、チェーンの共振に抵抗するほど十分に堅いものであるとともに、接触面に作用する力を最小限に抑えるほど十分な応答性を有するものであるように設計されている。この実施例では、応答性は、スナッバ本体部72の材料の剛性と、応答性キャビティ78の大きさおよび形状と、応答性キャビティ78内の歯79の大きさ、形状、配置および枚数とによって制御されている。
図8には、応答性キャビティ85内に延びる歯84を備えたスナッバ83の接触面82と接触するチェーン81の一部が示されている。チェーンの張力は、スナッバ71の接触面73の曲率が小さくなるように、スナッバ71を変形させる。応答性キャビティ85は、上側列の歯および下側列の歯が接触点86で接触するように、圧縮される。
図8に示す状態から、接触面73への押付力がさらに増加すると、各列の歯が相互に作用し始め、上側の列の歯が下側の列の歯にますます圧接して、接触面73の変形に抵抗する。このようにして、各歯からなる構成は、チェーンからの押圧力が応答性キャビティを歯−歯接触の点を越えて変形させるとき、スナッバに対して次第に増加するばね力を提供し、これにより、スナッバは可変ばね力を提供する。
ここで述べられた本発明の実施例が本発明の原理を採用する単なる例示であるということが理解されるべきである。本発明に本質的であるとみなされる特徴部分を説明している実施例の詳細にここで言及することは、特許請求の範囲を限定する意図ではない。
本発明の第1の実施例によるスナッバの正面概略図である。 図1の2−2線断面図である。 板ばねを備えた本発明の第2の実施例によるスナッバの正面概略図である。 図3の4−4線断面図である。 第2のエラストマーからなる接触面を備えた本発明の第3の実施例によるスナッバの正面概略図である。 図5の6−6線断面図である。 歯付応答性キャビティを備えた本発明の第4の実施例によるスナッバの正面概略図である。 図7のスナッバがチェーンと接触している状態を示す図である。
符号の説明
11:(応答型)スナッバ
12: スナッバ本体部
13: 接触面
18:(応答性)キャビティ
81: チェーン

Claims (11)

  1. チェーンのための応答型スナッバであって、
    スナッバ本体部を有し、
    スナッバ本体部が、
    チェーンと接触する凸面状の接触面と、
    接触面の背面側に配置され、スナッバ本体部に沿って延びる応答性キャビティとを備えており、
    チェーンからの力が作用したときに、接触面が応答性キャビティの側に変形するようになっている、
    ことを特徴とする応答型スナッバ。
  2. 請求項1において、
    応答性キャビティが細長い形状を有している、
    ことを特徴とする応答型スナッバ。
  3. 請求項1において、
    応答性キャビティ内に配置され、接触面の側に付勢力を及ぼす板ばねをさらに備えている、
    ことを特徴とする応答型スナッバ。
  4. 請求項1において、
    スナッバ本体部がエラストマー製である、
    ことを特徴とする応答型スナッバ。
  5. 請求項1において、
    スナッバ本体部が第1のエラストマーから製作されており、接触面が第2のエラストマーから製作されている、
    ことを特徴とする応答型スナッバ。
  6. 請求項5において、
    第2のエラストマーが第1のエラストマーよりも堅くなっている、
    ことを特徴とする応答型スナッバ。
  7. 請求項1において、
    スナッバが、当該スナッバをアプリケーション用のケースに取り付けるための取付部を有している、
    ことを特徴とする応答型スナッバ。
  8. 請求項7において、
    取付部が、スナッバ本体部を貫通する少なくとも2つの孔を有しており、応答性キャビティが、孔と接触面との間に配置されている、
    ことを特徴とする応答型スナッバ。
  9. 請求項1において、
    スナッバ本体部が第1の材料から製作されており、応答性キャビティが、第1の材料よりも低いばね定数を有する第2の材料で充填されている、
    ことを特徴とする応答型スナッバ。
  10. 請求項1において、
    スナッバが、スナッバ本体部から応答性キャビティ内に延びかつ対向する複数の歯をさらに有している、
    ことを特徴とする応答型スナッバ。
  11. 請求項10において、
    歯は、応答性キャビティの長さ方向に沿って形成されるとともに、スナッバが可変ばね定数を有するように、オフセットされている、
    ことを特徴とする応答型スナッバ。
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