JP2006138246A - コモンレール式燃料噴射装置 - Google Patents

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圭樹 田邊
Shinji Nakayama
真治 中山
Susumu Koketsu
晋 纐纈
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Abstract

【課題】 増圧後の燃料噴射圧が燃料噴射時期の相違に応じて変動する事態を防止し、もって、高い精度で燃料噴射量を制御できるコモンレール式燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】 燃料噴射時期Tij及び目標噴射圧tgtPijに基づき、加圧ポンプの燃料圧送に起因するコモンレール圧の周期的な変動を考慮したレール圧補正量KPを算出し、算出したレール圧補正量KPにより目標レール圧tgtPrailを補正することで、増圧後の噴射圧を噴射時期の相違によらずに一致させる。
【選択図】 図3

Description

本発明はコモンレール式燃料噴射装置に係り、特にコモンレールから供給される高圧燃料を増圧機構により増圧することで燃料の噴射圧波形を制御可能な増圧式のコモンレール式燃料噴射装置に関するものである。
加圧ポンプから圧送される高圧燃料をコモンレールに蓄圧し、エンジンの運転状態に応じた所定時期に燃料噴射弁から機関の筒内に噴射するコモンレール式燃料噴射装置が実用化されている。この種の燃料噴射装置は噴射圧力と噴射時期とを独立制御できることから、車両用ディーゼルエンジンの主流となりつつあるが、例えば噴射圧波形がほぼ矩形であるために初期噴射量が多い等、NOxの低減や燃焼騒音の低減に関しては改善の余地があった。
そこで、噴射圧波形を制御可能な燃料噴射装置として、増圧式のコモンレール式燃料噴射装置が開発されている(例えば、特許分文献1参照)。この種の燃料噴射装置では、コモンレールから供給される燃料を増圧機構により増圧可能に構成し、増圧機構の作動時期を任意に設定することで燃料の噴射圧波形を制御可能としている。
特開2002−364484号公報
ところで、図4のタイムチャートに示すように目標コモンレール圧に対して実際のコモンレール圧は、サプライポンプからの燃料圧送タイミングに同期して僅かではあるが周期的な変動を生じており、このコモンレール圧の変動に対する燃料噴射時期の相違に応じて燃料噴射圧が微妙に変化し、燃料噴射圧の変化は燃料噴射量の誤差に繋がる。コモンレール内の燃料をそのまま噴射する一般的なコモンレール式燃料噴射装置では、燃料噴射圧の変化はコモンレール圧の変動幅ΔP0と対応する比較的小さなもののため、燃料噴射量の誤差も無視できる程度であり、実用上は問題にならない。
しかしながら、上記した増圧式のコモンレール式燃料噴射装置では、コモンレール圧の増圧に伴ってコモンレール圧が有する変動も増幅される現象が生じる。従って、図4に示すようにコモンレール圧の変動に対する増圧開始時期(増圧開始時期は燃料噴射時期に応じて一義的に定まるため、燃料噴射時期と換言できる)の相違に応じて、増圧後の圧力(即ち、燃料噴射圧)には増圧前の圧力(即ち、実コモンレール圧)の変動幅ΔP0より大きい変動幅ΔP(増圧比に相当し、例えば2倍程度)が発生してしまう。上記特許文献1に記載されたコモンレール式燃料噴射装置では、このような現象の対策を何ら講じていないため、燃料の噴射時期の違いにより結果として増圧後の燃料噴射圧に大きな差が生じ、燃料噴射量に大きな誤差を発生させてしまうという問題があった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、増圧後の燃料噴射圧が燃料噴射時期の相違に応じて変動する事態を防止し、もって、高い精度で燃料噴射量を制御することができるコモンレール式燃料噴射装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、加圧ポンプにより加圧された燃料をコモンレールに貯留し、貯留された燃料を燃料噴射弁により機関の筒内に噴射すると共に、コモンレールからの燃料を増圧機構により更に加圧して燃料噴射圧を任意に増圧可能なコモンレール式燃料噴射装置において、機関の運転状態に基づいて燃料噴射弁から噴射される燃料の目標噴射圧を設定する目標噴射圧設定手段と、目標噴射圧設定手段により設定された目標噴射圧に基づいてコモンレールの目標レール圧を設定する目標レール圧設定手段と、目標レール圧設定手段により設定された目標レール圧に基づいて上記コモンレール内の燃料圧を制御するレール圧制御手段と、燃料噴射弁の燃料噴射時期及び目標噴射圧に基づき、加圧ポンプの燃料圧送に起因するコモンレール圧の周期的な変動による噴射圧の増減を補正するためのレール圧補正量を算出し、レール圧補正量に基づいて目標レール圧設定手段により設定された目標レール圧を補正するレール圧補正手段とを備えたものである。
従って、加圧ポンプにより加圧された燃料がコモンレールに貯留され、燃料噴射弁の目標噴射圧から設定された目標レール圧に基づいてコモンレール圧が制御される。そして、コモンレール内の燃料は燃料噴射弁に供給される一方、機関の運転状態等に応じてコモンレールからの燃料が増圧機構により更に加圧されることで燃料噴射圧が任意に増圧されて機関の筒内に噴射される。
ここで、従来の場合は、加圧ポンプからの燃料圧送に起因するコモンレール圧の周期的な変動が増圧機構の増圧に伴って増幅されると、燃料噴射時期の相違に応じて増圧後の燃料噴射圧が大きく変動する現象が発生してしまうが、本発明の場合は、燃料噴射時期及び目標噴射圧に基づいて増加開始時点におけるコモンレール圧力が変化しないように目標レール圧の設定値を補正することが可能となり、このようにして補正されたコモンレール圧により増圧後の燃料噴射が行われるため、燃料噴射時期の相違によって燃料噴射圧が変動することがなくなり、常に目標とする噴射圧と一致させることができる。
請求項2の発明は、請求項1に加えて、レール圧補正手段が、燃料噴射時期及び目標噴射圧に加えて機関の運転状態から求めた目標噴射量に基づいてレール圧補正量を算出するものである。
加圧ポンプからの燃料圧送に起因するコモンレール圧の変動幅は燃料噴射量の影響を受け、燃料噴射量が多いほどコモンレールから流出する燃料量が増大してコモンレール圧の変動が大となる。従って、燃料噴射量をレール圧補正量に反映させることで、更に精度よく増圧開始時点におけるコモンレール圧が変化しないように目標レール圧の設定値を補正することができる。
以上説明したように請求項1の発明のコモンレール式燃料噴射装置によれば、燃料噴射時期及び目標噴射圧に基づくレール圧補正量により目標レール圧を補正するため、燃料噴射時期の相違に応じた増圧後の燃料噴射圧を目標噴射圧に正確に一致させることができ、もって、高い精度で燃料噴射量を制御することができる。
請求項2の発明のコモンレール式燃料噴射装置によれば、請求項1に加えて、燃料噴射時期及び目標噴射圧と共に目標噴射量に基づいてレール圧補正量を算出するため、増圧後の燃料噴射圧を一層確実に一致させることができる。
以下、本発明を車両用エンジンのコモンレール式燃料噴射装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のコモンレール式燃料噴射装置を示す全体構成図である。車両に設置された燃料タンク1はタンク燃料路2を介してフィードポンプ3と接続され、フィードポンプ3はフィルタ4及び電磁式の燃料吸入量調整弁5を備えたフィード燃料路6を介してサプライポンプ7(加圧ポンプ)と接続されている。サプライポンプ7は逆止弁8を備えた一対のサプライ燃料路9を介してコモンレール10と接続されている。図ではフィードポンプ3及びサプライポンプ7を分離して表示しているが、実際のこれらのポンプ3,7は一体化されており、共通の駆動軸11を介して図示しないエンジンにより駆動される。
燃料タンク1内の燃料はフィードポンプ3により汲み上げられてタンク燃料路2及びフィード燃料路6を経てサプライポンプ7に供給され、サプライポンプ7により更に加圧されてサプライ燃料路9を経てコモンレール10に供給される。燃料吸入量調整弁5の開度に応じてサプライポンプ7の燃料吸入量が制限され、それに応じてサプライポンプ7の燃料吐出量が制御されてコモンレール10内の燃料圧が調整される。
コモンレール10にはエンジンの各気筒に設けられた燃料噴射弁21がそれぞれコモンレール燃料路22を介して接続され、燃料噴射弁21は先端(下側)を各気筒の筒内に臨ませた姿勢で配設されている。燃料噴射弁21の構成は、エンジンの筒内への燃料噴射を制御する燃料噴射機構31、及び燃料噴射機構31に供給される燃料を事前に増圧する増圧機構51とに大別される。
まず、燃料噴射機構31の構成を説明すると、燃料噴射弁21のボディ21aには先端側から噴孔部32、燃料溜り33、ばね室34、圧力室35が連続して形成されている。噴孔部32及び燃料溜り33内にはニードル弁36の先端部36aが配設され、ばね室34内にはニードル弁36の鍔部36bが配設され、圧力室35内にはニードル弁36のピストン部36cが配設され、これらの先端部36a、鍔部36b、ピストン部36cはそれぞれが組合わされて形成されている。ばね室34内においてニードル弁36の鍔部36bの上面とばね室34の上壁との間にはばね37が介装され、このばね37の付勢力によりニードル弁36は下方に付勢されている。
上記コモンレール燃料路22は燃料噴射弁21のボディ21a内に形成された燃料供給路38の一端に接続され、燃料供給路38には逆止弁39が設けられている。燃料供給路38の他端は燃料噴射機構31の燃料溜り33に接続され、コモンレール燃料路22からの燃料は燃料供給路38及び燃料溜り33を経て噴孔部32まで導かれている。
燃料供給路38の逆止弁39より下流側(燃料溜り33側)の箇所にはオリフィス40を備えた圧力路41の一端が接続され、圧力路41の他端は上記圧力室35の上部と接続されている。従って、燃料供給路38の燃料圧が圧力路41を経て圧力室35内に位置するニードル弁36のピストン部36cの上面にバックプレッシャとして作用する一方、ニードル弁36には燃料溜り33の箇所において上方への燃料圧が作用している。ニードル弁36のピストン部36cの上面に作用する燃料圧とばね37の付勢力との合力は燃料溜り33に作用する燃料圧を上回るため、ニードル弁36は下方に付勢されて先端部36aを噴孔部32に圧接させた閉弁状態に保持されている。
圧力室35の上部にはオリフィス42を介して電磁式の噴射制御弁43が接続され、噴射制御弁43はリターン路44を介して上記燃料タンク1と接続されている。噴射制御弁43の開弁に伴って圧力室35内の上部の燃料がリターン路44を経て燃料タンク1に回収されて、ニードル弁36のピストン部36cの上面にバックプレッシャとして作用する燃料圧が急減するため、上記燃料圧の大小関係が逆転して、ニードル弁36は上方に付勢されて開弁状態に切換えられる。
一方、増圧機構51は燃料噴射機構31の上側に設けられている。燃料噴射弁21のボディ21aには増圧機構51のシリンダ52が形成され、シリンダ52内には増圧ピストン53が上下動可能に配設されてばね60により上方に付勢されている。増圧ピストン53は上側の大径部53a及び下側の小径部53bからなり、増圧ピストン53の大径部53aによりシリンダ52内は上側シリンダ室52a及び下側シリンダ室52bに区画されると共に、増圧ピストン53の小径部53bの下側には加圧室52cが区画されている。
上記燃料供給路38の逆止弁39より上流側の箇所は、上側供給路54を介して上側シリンダ室52aと接続されると共に、オリフィス55を備えた下側供給路56を介して下部シリンダ室52bと接続され、それぞれのシリンダ52a,52b内に燃料が導入されている。又、燃料供給路38の逆止弁39より下流側の箇所は加圧路57を介して加圧室52cに接続され、加圧室52c内にも燃料が導入されている。増圧ピストン53の大径部53aの下面にバックプレッシャとして作用する燃料圧とばね60の付勢力との合力は大径部53aの上面に作用する燃料圧を上回るため、増圧ピストン53は上方に付勢されて加圧室52cを最大容積に保持している。
増圧機構51の下側シリンダ室52bには電磁式の増圧制御弁58が接続され、増圧制御弁58はリターン路59を介して上記燃料タンク1と接続されている。増圧制御弁58の開弁に伴って下部シリンダ室52b内の燃料がリターン路59を経て燃料タンク1に戻されて、増圧ピストン53の大径部53aの下面にバックプレッシャとして作用する燃料圧が急減するため、上記燃料圧の大小関係が逆転して、増圧ピストン53は下方に付勢されて加圧室52cの容積を縮小する。
一方、車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU91(電子制御ユニット)が設置されている。ECU91の入力側には、コモンレール10内の燃料圧を検出するレール圧センサ92、図示しないアクセル操作量を検出するアクセルセンサ、各気筒を判別するための気筒判別センサ、エンジンの回転に同期したクランク角信号を出力するクランク角センサ等のセンサ類が接続されている。又、ECU91の出力側には、燃料吸入量調整弁5、各気筒の燃料噴射弁21の噴射制御弁43、増圧制御弁58等のデバイス類が接続されている。
そして、ECU91はアクセルセンサにより検出されたアクセル操作量(機関負荷)やクランク角センサからのクランク角信号から算出したエンジン回転速度等のエンジン運転状態に関する各種情報に基づいて、コモンレール圧、燃料噴射量、燃料噴射時期、増圧機構51による燃料増圧の有無、増圧機構51の作動時期等の目標値を設定し、燃料吸入量調整弁5、噴射制御弁43、増圧制御弁58を駆動制御して、エンジンの運転状態に対して最適な噴射圧波形で燃料噴射を実行している。
そこで、このECU91の処理に基づくコモンレール式燃料噴射装置の作動、特に増圧機構51の作動状況について説明する。
エンジンに駆動されるフィードポンプ3により燃料タンク1内の燃料が汲み上げられ、タンク燃料路2及びフィード燃料路6を経てフィルタ4により鉄粉を除去された後にサプライポンプ7に供給され、サプライポンプ7により更に加圧されてサプライ燃料路9を経てコモンレール10に供給される。ECU91は燃料吸入量調整弁5の開度制御によりサプライポンプ7の燃料吸入量を制限して燃料吐出量を調整し、レール圧センサ92により検出された実コモンレール圧をレール圧の目標値にフィードバック制御する。
一方、燃料噴射弁21は噴射制御弁43及び増圧制御弁58の開閉に応じて以下のように作動する。
コモンレール10の燃料はコモンレール燃料路22により各気筒の燃料噴射弁21に供給され、各燃料噴射弁21のボディ21a内で燃料噴射機構31の燃料供給路38及び燃料溜り33を経て噴孔部32まで導かれる一方、圧力路41を経て圧力室35の上部まで導かれている。そして、噴射制御弁43の閉弁時には、ニードル弁36のピストン部36cの上面にバックプレッシャとして作用する燃料圧により、ニードル弁36は下方に付勢されて閉弁状態に保持されている。
又、コモンレール燃料路22からの燃料は上側供給路54を経て増圧機構51の上側シリンダ室52a内に導入されると共に、下側供給路56を経て下側シリンダ室52b内に導入され、加圧路57を介して加圧室52c内にも導入されている。これにより、増圧ピストン53の大径部53aの上面及び下面には燃料圧が作用している。そして、増圧制御弁58の閉弁時には、増圧ピストン53の大径部53aの下面にバックプレッシャとして作用する燃料圧により、増圧ピストン53は上方に付勢されて加圧室52cを最大容積に保持している。
上記状態から噴射制御弁43が開弁されると、圧力室35内の上部の燃料がリターン路44を介して燃料タンク1側に戻されて、ニードル弁36のピストン部36cの上面にバックプレッシャとして作用する燃料圧が急減するため、ニードル弁36が上方に付勢されて開弁状態に切換えられ、噴孔部32から燃料噴射が開始される。その後、噴射制御弁43が閉弁されると、燃料タンク1への燃料流通が中止されてピストン部36cの上部の燃料圧が回復するため、再びニードル弁36が下方に付勢されて閉弁状態に復帰し燃料噴射が中止される。
以上は増圧機構51による燃料増圧を行わずに、コモンレール圧の燃料をそのまま噴射した場合であり、増圧機構51による燃料増圧を実施する場合には、噴射制御弁43の開閉に対して所定のタイミングで増圧制御弁58が開閉駆動される。
例えば図2に実線で示すように、増圧機構51の増圧制御弁58は噴射制御弁43の開弁に先行する所定時期に開弁される。増圧制御弁58の開弁に伴って下部シリンダ室52b内の燃料がリターン路59を経て燃料タンク1に戻され、増圧ピストン53の大径部53aの下面にバックプレッシャとして作用する燃料圧が急減するため、増圧ピストン53は下方に付勢されて加圧室52cの容積を縮小する。即ち、増圧ピストン53の大径部53aに作用する燃料圧を利用して小径部53b側で加圧室52c内の燃料が加圧されることになり、燃料供給路38の逆止弁39より下流側(加圧室52c、燃料供給路38、燃料溜り33、噴孔部32)に存在する燃料が元々のコモンレール圧に相当する燃料圧から更に増加する。
従って、その後に噴射制御弁43が開弁されたときには、噴射圧力が噴射初期から急激に立上がってコモンレール圧より高圧に保持され、その後、噴射制御弁43及び増圧制御弁58が相前後して閉弁されると燃料噴射が中止される。そして、破線や一点鎖線で示すように増圧制御弁58の開弁時期を遅延させる(噴射制御弁43の開弁時期に接近させる)ほど、噴射初期における噴射圧力の増加が緩やかなものとなり、初期噴射を抑制した噴射圧波形が実現される。このような特性を前提として、ECU91ではアクセル操作量やエンジン回転速度等に基づいて増圧制御弁58の開弁時期を制御し、これによりエンジンの運転状態に対して常に最適な噴射圧波形に調整している。
一方、「発明が解決しようとする課題」で述べたように、サプライポンプ7からの燃料圧送タイミングに同期してコモンレール圧は周期的な変動を生じており、図4に示すようにコモンレール圧の変動幅ΔP0は増圧機構51による増圧に伴ってΔPまで増幅されるため、コモンレール圧の変動に対する増圧開始時期(増圧開始時期は燃料噴射時期に応じて一義的に定まるため、燃料噴射時期と換言できる)の相違に応じて燃料噴射量には大きな誤差が生じてしまう。そこで、本実施形態ではコモンレール圧の変動に対する燃料噴射時期Tij(噴射制御弁43の開弁時期)に応じて目標レール圧tgtPrailを補正することで、増圧後の燃料噴射圧を一致させており、以下、この補正処理を含む目標レール圧tgtPrailの設定処理について説明する。
図3は目標コモンレール圧tgtPrailを設定するためにECU91が実行する制御フローを示すブロック図である。まず、目標噴射量tgtQ及びエンジン回転速度Neに基づいて目標噴射圧マップから目標噴射圧tgtPijが算出される(目標噴射圧設定手段)。次いで、増圧制御弁58の開弁時期である増圧時期Tamp1〜Tampn毎に設定された噴射圧−レール圧換算マップから現在の増圧時期Tampと対応するマップが選択され、選択されたマップに基づいて目標噴射圧tgtPij及び目標噴射量tgtQから目標レール圧tgtPrailが算出される(目標レール圧設定手段)。
又、目標噴射量tgtQ1〜tgtQn毎に設定された目標レール圧補正マップから現在の目標噴射量tgtQと対応するマップが選択され、選択されたマップに基づいて目標噴射圧tgtPij及び噴射時期Tijからレール圧補正量KPが算出される。
尚、上記目標噴射量tgtQ、噴射時期Tij、増圧時期Tampは、アクセルセンサにより検出されたアクセル操作量及びクランク角センサからのクランク角信号から算出したエンジン回転速度Neに基づき、それぞれ図示しないマップから算出されたものである。
その後、上記した目標レール圧tgtPrailにレール圧補正量KPが加算されて最終的な目標レール圧tgtPrailが求められ(レール圧補正手段)、この目標レール圧tgtPrailに基づいてレール圧センサ92により検出された実コモンレール圧がフィードバック制御される(レール圧制御手段)。
一方、以上の目標レール圧tgtPrailの設定、及び目標レール圧tgtPrailに基づくコモンレール圧制御と並行して、図示しない制御フローに従って噴射制御弁43及び増圧制御弁58が開閉駆動されて燃料噴射が実施される。具体的には、目標燃料噴射量Q、実コモンレール圧、増圧時期Tampから図示しないマップに基づいて噴射制御弁21の開弁期間である目標噴射期間が設定され、この目標噴射期間と上記噴射時期Tij及び増圧時期Tampとに基づき、噴射制御弁43及び増圧制御弁58が開閉駆動される。
ここで、図3の制御フロー中の目標レール圧補正マップの特性は、コモンレール圧の周期的な変動に起因する増圧後の燃料噴射圧の変化を抑制可能なレール圧補正量KPが算出されるように設定されている。
具体的には、コモンレール圧の周期的な変動により増圧後の燃料噴射圧が低めとなる噴射時期Tijでは、予め高めのレール圧補正量KPが設定されて目標レール圧tgtPrailが高めに補正され、この目標レール圧tgtPrailによりコモンレール圧が高めの値に制御される。逆に増圧後の燃料噴射圧が高めとなる噴射時期Tijでは、予め低めのレール圧補正量KPが設定されて目標レール圧tgtPrailが低めに補正され、この目標レール圧tgtPrailによりコモンレール圧が低めの値に制御される。
結果として増圧後の燃料噴射圧は燃料噴射時期Tijの相違に応じて変化することなく常に目標噴射圧tgtPijに対して正確に一致し、ひいては実噴射量を目標噴射量tgtQに高い精度で制御することができる。
一方、目標レール圧補正マップでは、噴射時期Tijと共に目標噴射圧tgtPij及び目標噴射量tgtQがレール圧補正量KPの算出処理に適用されている。上記のように燃料噴射時期Tijに応じて増圧後の燃料噴射圧は変化するが、その変動幅は同一燃料噴射時期Tijであっても燃料噴射圧や噴射量の影響を受けて増減するため、それらの影響を排除するために目標噴射圧tgtPij及び目標噴射量tgtQを考慮しているのである。
具体的には、燃料噴射量が多いほどコモンレールから多量の燃料が流出してコモンレール圧はより大きく低下するため、噴射時期Tijの相違に応じたコモンレール圧の変動幅が増大する。そこで、目標レール圧補正マップでは、目標噴射量tgtQが大きいほど、噴射時期Tijに対してレール圧補正量KPをより大きく増減させている。
このように目標噴射圧tgtPij及び目標噴射量tgtQを考慮することでより適切なレール圧補正量KPを算出できるため、増圧後の噴射圧力を一層確実に一致させ、もって、燃料噴射制御の精度を更に向上させることができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、車両用エンジンのコモンレール式燃料噴射装置に具体化したが、適用対象は車両用のエンジンに限ることはなく、例えば定置型エンジンに適用してもよい。
又、上記実施形態では、レール圧補正量KPの算出処理に噴射時期Tij及び目標噴射圧tgtPijに加えて目標噴射量tgtQも適用しているが、必ずしも目標噴射量tgtQをレール圧補正量KPに反映させる必要はなく、噴射時期Tij及び目標噴射圧tgtPijのみに基づいてレール圧補正量KPを算出してもよい。
実施形態のコモンレール式燃料噴射装置を示す全体構成図である。 増圧機構の作動時期と噴射圧波形との関係を示す図である。 目標コモンレール圧を設定するためにECUが実行する制御フローを示すブロック図である。 燃料噴射時期に応じた増圧後の燃料噴射圧の変動状況を示すタイムチャートである。
符号の説明
7 サプライポンプ
10 コモンレール
21 燃料噴射弁
51 増圧機構
91 ECU(目標噴射圧設定手段、目標レール圧設定手段、レール圧制御手段、レー ル圧補正手段)

Claims (2)

  1. 加圧ポンプにより加圧された燃料をコモンレールに貯留し、該貯留された燃料を燃料噴射弁により機関の筒内に噴射すると共に、上記コモンレールからの燃料を増圧機構により更に加圧して燃料噴射圧を任意に増圧可能なコモンレール式燃料噴射装置において、
    上記機関の運転状態に基づいて上記燃料噴射弁から噴射される燃料の目標噴射圧を設定する目標噴射圧設定手段と、
    上記目標噴射圧設定手段により設定された目標噴射圧に基づいて上記コモンレールの目標レール圧を設定する目標レール圧設定手段と、
    上記目標レール圧設定手段により設定された目標レール圧に基づいて上記コモンレール内の燃料圧を制御するレール圧制御手段と、
    上記燃料噴射弁の燃料噴射時期及び上記目標噴射圧に基づき、上記加圧ポンプの燃料圧送に起因する上記コモンレール圧の周期的な変動による噴射圧の増減を補正するためのレール圧補正量を算出し、該レール圧補正量に基づいて上記目標レール圧設定手段により設定された目標レール圧を補正するレール圧補正手段と
    を備えたことを特徴とするコモンレール式燃料噴射装置。
  2. 上記レール圧補正手段は、上記燃料噴射時期及び目標噴射圧に加えて上記機関の運転状態から求めた目標噴射量に基づいて上記レール圧補正量を算出することを特徴とする請求項1記載のコモンレール式燃料噴射装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012233487A (ja) * 2006-08-18 2012-11-29 Robert Bosch Gmbh 蓄圧器圧力目標値を決定するための方法、および、内燃機関の制御装置、および、コンピュータプログラム
CN111022232A (zh) * 2019-12-31 2020-04-17 南岳电控(衡阳)工业技术股份有限公司 一种柴油发动机用共轨燃油喷射系统及其控制方法

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