JP2006137813A - 硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水を発泡剤とし、低密度であって収縮が効果的に防止されており、しかもフォームにクラックが発生することがないポリオール組成物並びに硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
【解決手段】発泡剤は水であり、高沸点水溶性有機溶剤を含み、シュークロースを開始剤として含有する脂肪族ポリエーテルポリオール30〜50重量部、芳香族アミンポリオール30〜50重量部、及びTEAポリオール10〜30重量部を含み、整泡剤は、(a)環状ジアルキルポリシロキサン、(b)(R)Si(OR,(RSi(OR,(RSi(OR)からなる群から選択される少なくとも1種とSi(ORとの共加水分解縮合物であるシリコーン重合体、(c)ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレングリコールのグラフト共重合体の3種を含むポリオール組成物とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、水を発泡とする硬質ポリウレタンフォーム用のポリオール組成物並びに該ポリオール組成物を使用した硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関するものである。
硬質ポリウレタンフォームは、断熱材、軽量構造材等として周知の材料である。係る硬質ポリウレタンフォームは、ポリオール化合物、発泡剤を必須成分として含有するポリオール組成物とポリイソシアネート成分とを混合し、発泡、硬化させることにより形成される。発泡剤としては、古くはCFC−11等のフロン化合物が使用されていたが、CFC化合物がオゾン層の破壊を引き起こすことから禁止され、HCFC−141bに切り換えられ、さらに2004年からはオゾン層破壊係数がゼロであるHFC化合物への切り換えが行われているが、HFC化合物はGWP(地球温暖化係数)が大きく、また現状では高価であるという問題を有する。
HFC化合物等のハロゲン化炭化水素化合物に代えて、低コストの発泡剤としてn−ペンタン、iso−ペンタン、シクロペンタン等のペンタン類を使用する技術が公知であるが、ペンタン類は可燃性が高く、火災防止のための設備に多大の費用が必要であるという問題を有する。
作業環境においても地球環境においても問題がなく、しかも低コストの発泡剤として水が知られており、発泡剤として水を使用した硬質ポリウレタンフォームは公知であるが、低密度の水発泡の硬質ポリウレタンフォームは、寸法変化が大きいという問題を有する。係る問題を解決する技術として特定のシリコーン化合物を使用する技術が公知である(特許文献1)。
特許第2722952号公報
しかし、特許文献1に記載の技術によれば、収縮が抑制された硬質ポリウレタンフォームを得ることができるが、高い寸法精度を要求される用途の硬質ポリウレタンフォームに対してはまだ改善の余地があるものであり、また面材との接着性は十分ではなく、さらにはポリオール組成物の貯蔵安定性が十分ではなく、長期間放置するとシリコーン化合物が分離し、係るポリオール組成物を使用した硬質ポリウレタンフォームに不良が発生するという問題を有し、改善が求められている。
本発明は、水を発泡剤とし、低密度であって収縮が効果的に防止されており、しかも面材との接着強度に優れ、ポリオール組成物の貯蔵安定性にも優れた硬質ポリウレタンフォーム用のポリオール組成物並びに該ポリオール組成物を使用した硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、 ポリオール化合物、発泡剤及び整泡剤を含み、ポリイソシアネート成分と混合・反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成する硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物であって、
前記発泡剤は水であり、
酢酸ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、重合度が2〜10のポリオキシエチレングリコールジアルキルエーテル、ε−カプロラクトンからなる群から選択される少なくとも1種の高沸点水溶性有機溶剤を1〜10重量部を含み、
前記ポリオール化合物の全量を100重量部としたときに、平均官能基数が5〜8、水酸基価350〜550mgKOH/gのシュークロースを開始剤として含有する脂肪族ポリエーテルポリオール30〜50重量部、水酸基価350〜550mgKOH/gの芳香族ジアミンを開始剤として含有するポリオール化合物(芳香族アミンポリオール)30〜50重量部、及び水酸基価300〜500mgKOH/gのトリエタノールアミンを開始剤とするポリオール(TEAポリオール)10〜30重量部を含み、
前記整泡剤は、(a)Si−O結合を4〜5個含む環状ジアルキルポリシロキサン、(b)(R)Si(OR,(RSi(OR,(RSi(OR)からなる群から選択される少なくとも1種とSi(ORとの共加水分解縮合物であるシリコーン重合体(Rは炭素数1又は2のアルキル基又はフェニル基、Rは炭素数1又は2のアルキル基、R、Rは同じであってもよく、異なってもよい。)、(c)ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレングリコールのグラフト共重合体である共重合シリコーン化合物の3種を含むことを特徴とする。
係る組成のポリオール組成物を使用した硬質ポリウレタンフォームは、水を発泡剤とし、低密度であって収縮が効果的に防止されており、しかも面材との接着強度に優れ、しかもポリオール組成物の貯蔵安定性が優れているので製造時の品質が安定した硬質ポリウレタンフォームである。
上記組成にてフォームの収縮が防止される理由は明らかではないが、特定組成のポリオール及び高沸点水溶性有機溶剤の使用と、特に環状ジアルキルポリシロキサン(a)とシリコーン重合体(b)の使用により、フォームを形成するポリウレタンの気泡に微細な孔が形成され、断熱性を損なうことなく気泡内の炭酸ガスの拡散による圧力低下に起因する収縮が防止されるものと推測される。また高沸点水溶性有機溶剤は、化学的理由は不明であるがポリオール化合物との相溶性がよくない(a)環状ジアルキルポリシロキサンと(b)シリコーン重合体とポリオール化合物との相溶性改善効果を有し、その結果ポリオール組成物の耐収縮性と貯蔵安定性改善にも寄与しているものと考えられる。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの密度は15〜35kg/mであることが好ましい。

密度が35kg/mを超える高密度フォームは用途が限定される一方で収縮が余り問題にならないものであり、15kg/m未満のフォームは強度が小さく、製造が難しい。
上記発明においては、前記(c)共重合シリコーン化合物は、Si含有率が10〜40重量%であることが好ましい。
使用する共重合シリコーン化合物のSi含有率が低すぎると整泡剤としての活性が高く、(a),(b)成分の添加効果が十分に発揮されずに硬質ポリウレタンフォームの耐収縮性が低下し、Si含有率が高すぎると整泡剤全体の活性が低くなり過ぎて良好なフォームが得られない。
本発明は、ポリオール化合物、発泡剤及び整泡剤を含むポリオール組成物とポリイソシアネート成分とを混合・反応させて硬質ポリウレタンフォームとする硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、
前記発泡剤は水であり、
酢酸ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、重合度が2〜10のポリオキシエチレングリコールジアルキルエーテル、ε−カプロラクトンからなる群から選択される少なくとも1種の高沸点水溶性有機溶剤を1〜10重量部を含み、
前記ポリオール化合物の全量を100重量部としたときに、平均官能基数が5〜8、水酸基価350〜550mgKOH/gのシュークロースを開始剤として含有する脂肪族ポリエーテルポリオール30〜50重量部、水酸基価350〜550mgKOH/gの芳香族ジアミンを開始剤として含有するポリオール化合物(芳香族アミンポリオール)30〜50重量部、及び水酸基価300〜500mgKOH/gのトリエタノールアミンを開始剤とするポリオール(TEAポリオール)10〜30重量部を含み、
前記整泡剤は、(a)Si−O結合を4〜5個含む環状ジアルキルポリシロキサン、(b)(R)Si(OR,(RSi(OR,(RSi(OR)からなる群から選択される少なくとも1種とSi(ORとの共加水分解縮合物であるシリコーン重合体(Rは炭素数1又は2のアルキル基又はフェニル基、Rは炭素数1又は2のアルキル基、R、Rは同じであってもよく、異なってもよい。)、(c)ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレングリコールのグラフト共重合体である共重合シリコーン化合物の3種を含むことを特徴とする。
係る構成の製造方法によって、水を発泡剤とし、低密度であって収縮が効果的に防止されると共に保存安定性に優れており、しかも面材との接着強度に優れ、ポリオール組成物の貯蔵安定性が優れているので製造時の品質が安定した硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。
また上記の硬質ポリウレタンフォームの製造方法においては、前記整泡剤は、(a)環状ジアルキルポリシロキサン、(b)シリコーン重合体及び(c)共重合シリコーン化合物の3成分を予め混合して他のポリオール組成物構成成分と混合することが好ましい。
係る構成によってポリオール組成物の貯蔵安定性が向上し、安定した品質の硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。特に(a)環状ジアルキルポリシロキサンと(b)シリコーン重合体とを先に混合溶解し、その後(c)共重合シリコーン化合物と混合することが短時間で混合液を製造でき、好ましい。
また上述の硬質ポリウレタンフォームの製造方法においては、前記(c)共重合シリコーン化合物は、Si含有率が10〜40重量%であることが好ましい。
本発明のポリオール組成物には、平均官能基数が5〜8、水酸基価350〜550mgKOH/gのシュークロースを開始剤として含有する脂肪族ポリエーテルポリオール、水酸基価350〜550mgKOH/gの芳香族ジアミンを開始剤として含有するポリオール化合物(芳香族アミンポリオール)、及び水酸基価300〜500mgKOH/gのトリエタノールアミンを開始剤とするポリオール(TEAポリオール)を使用する。
脂肪族ポリエーテルポリオールは、シュークロースのみ、もしくはシュークロースと他の脂肪族多官能アルコールの混合物を開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化合物、好ましくはプロピレンオキサイドのみ、もしくはプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドを開環付加させたポリオール化合物である。
芳香族アミンポリオールは、芳香族ジアミンを開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化合物、好ましくはプロピレンオキサイドのみ、もしくはプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドを開環付加させた4官能のポリオール化合物である。開始剤である芳香族ジアミンとしては、公知の芳香族ジアミンを限定なく使用することができる。具体的には2,4−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、ナフタレンジアミン等が例示される。これらの中でも得られる硬質ポリウレタンフォームの断熱性と強度などの特性が優れている点でトルエンジアミン(2,4−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン又はこれらの混合物)の使用が特に好ましい。
TEAポリオールは、トリエタノールアミンを開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化合物、好ましくはプロピレンオキサイドのみ、もしくはプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドを開環付加させた3官能のポリオール化合物である。
上述の脂肪族ポリエーテルポリオール、芳香族アミンポリオール、TEAポリオール化合物において、ポリオール化合物の合成に使用する環状エーテルとしてプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとを使用する場合、エチレンオキサイドの使用量は、環状エーテル中5〜40%であることが好ましく、5〜20%であることがより好ましい。
本発明においては、上記のポリオール化合物に加えて、本発明の特徴を損なわない範囲で他のポリオール化合物、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミンを開始剤としたアルキレンジアミン系ポリエーテルポリオールや、ヒドロキノン、ビスフェノールA、キシリレングリコール等の芳香族化合物を開始剤とした芳香族ポリエーテルポリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の脂肪族多官能アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化合物、好ましくはプロピレンオキサイドのみ、もしくはプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドを開環付加させた脂肪族ポリエーテルポリオールを添加してもよい。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を構成する成分として架橋剤を使用してもよい。架橋剤としてはポリウレタンの技術分野において使用される低分子量多価アルコールが使用可能である。具体的には、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリエタノールアミン等が例示される。
高沸点水溶性有機溶剤は、酢酸ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、重合度が2〜10のポリオキシエチレングリコールジアルキルエーテル、ε−カプロラクトンからなる群から少なくとも1種が選択使用される。酢酸ジエチレングリコールモノアルキルエーテル並びにポリオキシエチレングリコールジアルキルエーテルにおけるアルキル基は、メチル基又はエチル基であることが好ましい。これらの中でも、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル(EDGAC)の使用が好ましい。
本発明において整泡剤成分として使用する(b)シリコーン重合体は、(R)Si(OR,(RSi(OR,(RSi(OR)からなる群から選択される少なくとも1種とSi(ORとを水と触媒とを使用して共加水分解縮合してポリシロキサン結合を形成することにより製造することができる。R,Rは、同一であっても異なっていてもよく、メチル基又はエチル基であることが好ましい。また(a)環状ジアルキルポリシロキサンも公知の方法で製造することができ、環状ジメチルシロキサンであることが好ましい。
(c)共重合シリコーン化合物は、ポリウレタンフォームの技術分野において整泡剤として使用される化合物である。本発明においては、これらの公知の整泡剤の中でも、Si含有率が10〜40重量%のもの、即ち共重合しているポリオキシアルキレングリコールの含有率が小さいく、一般的に活性が低いとされる整泡剤を使用することが好ましい。具体的には、SH−193(Si=30wt%;東レダウコーニングシリコン)、S−824−02(Si=25wt%;日本ユニカー)、SZ−1704(Si=25wt%;日本ユニカー)、F501(Si=25wt%;信越化学工業)等の整泡剤を使用することができる。ポリオキシアルキレングリコールを有する整泡剤(共重合シリコーン化合物)は、2種以上を使用してもよく、(a)環状ジアルキルポリシロキサンを含有したものであってもよい。
上記(a),(b),(c)のシリコーン化合物としては市販品を使用することができ、具体的には(a)と(b)を含有する組成物としてF701(信越化学工業)が例示され、使用に好適である。上述のように、(a)環状ジアルキルポリシロキサン、(b)シリコーン重合体及び(c)共重合シリコーン化合物である整泡剤を予め混合して整泡剤組成物としてポリオール組成物の製造に使用することが好ましい。
(a)環状ジアルキルポリシロキサンと(b)シリコーン重合体との混合比は、重量比にて1/9〜8/2であることが好ましい。また(a)環状ジアルキルポリシロキサンと(b)シリコーン重合体との合計量と(c)共重合シリコーン化合物との混合比は、重量比にて(a)+(b)/(c)=1/9〜8/2であることが好ましい。
ポリオール組成物と混合、反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するポリイソシアネート化合物としては、取扱の容易性、反応の速さ、得られる硬質ポリウレタンフォームの物理特性が優れていること、低コストであることなどから、液状MDIを使用する。液状MDIとしては、クルードMDI(c−MDI)(スミジュール44V−10,スミジュール44V−20等(住化バイエルウレタン社製)、ミリオネートMR−200(日本ポリウレタン工業))、ウレトンイミン含有MDI(ミリオネートMTL;日本ポリウレタン工業製)等が使用される。液状MDIに加えて、他のポリイソシアネート化合物を併用してもよい。併用するポリイソシアネート化合物としては、ポリウレタンの技術分野において公知のポリイソシアネート化合物は限定なく使用可能である。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造においては、イソシアネート基と活性水素基の当量比(NCO index)は、1.0〜1.7、より好ましくは1.1〜1.5である。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造に際しては、上記成分の他に、当業者に周知の触媒、難燃剤、着色剤、酸化防止剤等が使用可能である。
触媒としては、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンやN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン(カオライザーNo.1)等のN−アルキルポリアルキレンポリアミン類、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(ポリキャット−8)、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等の第3級アミン類を使用することが好ましい。
ポリウレタン分子の構造において難燃性向上に寄与するイソシアヌレート結合を形成する触媒の使用も好ましく、例えば酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、第4級アンモニウム塩触媒(特開平9−104734号公報に開示)が例示できる。上述の第3級アミン触媒の中にもイソシアヌレート環形成反応をも促進するものがある。イソシアヌレート結合生成を促進する触媒とウレタン結合生成を促進する触媒を併用してもかまわない。
本発明においては、さらに難燃剤を添加することも好ましい態様であり、好適な難燃剤としては、ハロゲン含有化合物、有機リン酸エステル類、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム等の金属化合物が例示される。
ただし、三酸化アンチモン等の粉末状の難燃剤を過剰に添加するとフォームの発泡挙動に影響が表れるなどの問題を生じる場合が有り、その添加量はかかる問題を生じない範囲に制限される。
有機リン酸エステル類は、可塑剤としての作用も有し、従って硬質ポリウレタンフォームの脆性改良の効果も奏することから、好適な添加剤である。またポリオール組成物の粘度低下効果も有する。かかる有機リン酸エステル類としては、リン酸のハロゲン化アルキルエステル、アルキルリン酸エステルやアリールリン酸エステル、ホスホン酸エステル等が使用可能であり、具体的にはトリス(β−クロロエチル)ホスフェート(CLP、大八化学製)、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート(TMCPP、大八化学製)、トリブトキシエチルホスフェート(TBXP,大八化学製)、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート等が例示でき、これらの1種以上が使用可能である。有機リン酸エステル類の添加量はポリオール化合物の合計100重量部に対して40重量部以下であり、5〜40重量部であることが好ましい。この範囲を越えると可塑化効果、難燃効果が十分に得られなかったり、フォームの機械的特性が低下するなどの問題が生じる場合が発生する。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法としては、射出成形法や連続生産法などの、公知のサンドイッチパネルの製造方法が使用可能である。
(ポリオール組成物)
表1の上段に記載した組成にてポリオール組成物を調製した。使用した原料の内容、特性は以下の通りである。
a)ポリオール1
シュークロースを含む開始剤にプロピレンオキサイドを開環付加させたポリオールポリオール化合物;
水酸基価=450mgKOH/g、粘度=6000mPa・sec(25℃)
b)ポリオール2
トルエンジアミンにプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドを開環付加したポリオール化合物;
水酸基価=400mgKOH/g、粘度=6000mPa・sec(25℃)
c)ポリオール3
トリエタノールアミンにプロピレンオキサイド付加したポリオール化合物;
水酸基価=345mgKOH/g、粘度=300mPa・sec(25℃)
d)TMCPP:リン系難燃剤(可塑剤)(大八化学工業)
e)触媒
カオライザーNo.1(Kao−No.1),カオライザーNo.3(Kao.−No.3)(花王)
f)整泡剤組成物
(a)環状ジアルキルポリシロキサンと(b)シリコーン重合体の1:1(重量比)混合物F701(信越化学工業)とポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレングリコールの共重合体である共重合シリコーン化合物を含むF501(信越化学工業)との重量比にてF701:F501=1:1混合物と、(c)共重合シリコーン化合物:SH−193(Si含有率=30wt%,ポリオキシアルキレングリコール=ポリオキシエチレングリコール、東レダウコーニングシリコン)を(F701+F501):SH−193=3:2(重量比)にて混合して整泡剤組成物として使用した。
g)ポリイソシアネート成分:スミジュール44V−20(住化バイエルウレタン)。
(実施例、比較例)
実施例、比較例については表1の上段に記載した配合にて常法により硬質ポリウレタンフォームを作製した。ポリオール組成物は、まず水と整泡剤組成物を除く成分を撹拌混合し、次いで整泡剤組成物を添加して十分に混合し、最後に整泡剤組成物を添加・混合することにより調製した。高沸点水溶性有機溶剤としては、EDGAC(ダイセル化学工業)を使用した。また ポリオール組成物とポリイソシアネート成分の混合におけるイソシアネートインデックス(NCO/OH当量比)は、1.33とした。以下に記載の評価を行い、結果を表1の下段に示した。
(評価)
1)フォーム密度(kg/m
200mm×200mm,深さ200mmのモールドを使用して自由発泡させ、得られた硬質ポリウレタンフォームよりスキン層を除いたコア層から100mm×100mm,厚さ100mmのフォームサンプルを切り出し、重量測定を行って密度を算出した。
2)耐収縮性
[イ]自由発泡フォームのコアの寸法安定性:上記のフォーム密度の測定に使用したフォームサンプルを高温高湿条件(温度70℃、相対湿度95%)において48時間放置し、発泡垂直方向の寸法変化率を測定した。
[ロ]モールドフォームのコアの寸法安定性:長さ800mm,幅400mm,深さ50mmのモールドを使用し、密度が33kg/mとなるようにして硬質ポリウレタンフォームパネルを作製した。この硬質ポリウレタンフォームパネルから100×100mm,厚さ25mmの測定サンプルを、中央部から3個、両端部からそれぞれ3個の計9個を切り出し上記[イ]と同じ条件にて放置し、発泡垂直方法の寸法変化率を測定し、最大値を求めた。
3)面材接着性
長さ800mm,幅400mm,深さ50mmのモールドを使用し、下面にクラフト紙を敷いて密度が33kg/mとなるようにして面材付きの硬質ポリウレタンフォームパネルを作製した。作製した硬質ポリウレタンフォームパネルについて図1に示した方法にて剥離試験を行い、接着強度を求めた。測定は面材に幅5cmの切欠きを入れ、W方向に引っ張り、剥離荷重を求めることにより面材接着性の評価を行った。
4)ポリオール組成物の貯蔵安定性
ポリオール組成物を密封状態にて40℃の温度条件下で1カ月放置し、自由発泡フォームを作製してコアの寸法変化率(上記2)[イ])の測定を行った。
Figure 2006137813
上記の結果より本願発明の範囲内においては、フォームのコア部の寸法変化率にて表される耐収縮性、面材との接着性、ポリオール組成物のいずれについても良好であった。これに対してEDGACの添加量が本発明の範囲を逸脱するものは、いずれも耐収縮性において満足すべきものではなかった。
紙面材と硬質ポリウレタンフォームの接着強度の測定方法を示した図

Claims (5)

  1. ポリオール化合物、発泡剤及び整泡剤を含み、ポリイソシアネート成分と混合・反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するポリオール組成物であって、
    前記発泡剤は水であり、
    酢酸ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、重合度が2〜10のポリオキシエチレングリコールジアルキルエーテル、ε−カプロラクトンからなる群から選択される少なくとも1種の高沸点水溶性有機溶剤を1〜10重量部を含み、
    前記ポリオール化合物の全量を100重量部としたときに、平均官能基数が5〜8、水酸基価350〜550mgKOH/gのシュークロースを開始剤として含有する脂肪族ポリエーテルポリオール30〜50重量部、水酸基価350〜550mgKOH/gの芳香族ジアミンを開始剤として含有するポリオール化合物(芳香族アミンポリオール)30〜50重量部、及び水酸基価300〜500mgKOH/gのトリエタノールアミンを開始剤とするポリオール(TEAポリオール)10〜30重量部を含み、
    前記整泡剤は、(a)Si−O結合を4〜5個含む環状ジアルキルポリシロキサン、(b)(R)Si(OR,(RSi(OR,(RSi(OR)からなる群から選択される少なくとも1種とSi(ORとの共加水分解縮合物であるシリコーン重合体(Rは炭素数1又は2のアルキル基又はフェニル基、Rは炭素数1又は2のアルキル基、R、Rは同じであってもよく、異なってもよい。)、(c)ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレングリコールのグラフト共重合体である共重合シリコーン化合物の3種を含むことを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
  2. 前記(c)共重合シリコーン化合物は、Si含有率が10〜40重量%であることを特徴とする請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
  3. ポリオール化合物、発泡剤及び整泡剤を含むポリオール組成物とポリイソシアネート成分とを混合・反応させて硬質ポリウレタンフォームとする硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、
    前記発泡剤は水であり、
    酢酸ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、重合度が2〜10のポリオキシエチレングリコールジアルキルエーテル、ε−カプロラクトンからなる群から選択される少なくとも1種の高沸点水溶性有機溶剤を1〜10重量部を含み、
    前記ポリオール化合物の全量を100重量部としたときに、平均官能基数が5〜8、水酸基価350〜550mgKOH/gのシュークロースを開始剤として含有する脂肪族ポリエーテルポリオール30〜50重量部、水酸基価350〜550mgKOH/gの芳香族ジアミンを開始剤として含有するポリオール化合物(芳香族アミンポリオール)30〜50重量部、及び水酸基価300〜500mgKOH/gのトリエタノールアミンを開始剤とするポリオール(TEAポリオール)10〜30重量部を含み、
    前記整泡剤は、(a)Si−O結合を4〜5個含む環状ジアルキルポリシロキサン、(b)(R)Si(OR,(RSi(OR,(RSi(OR)からなる群から選択される少なくとも1種とSi(ORとの共加水分解縮合物であるシリコーン重合体(Rは炭素数1又は2のアルキル基又はフェニル基、Rは炭素数1又は2のアルキル基、R、Rは同じであってもよく、異なってもよい。)、(c)ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレングリコールのグラフト共重合体である共重合シリコーン化合物の3種を含むことを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  4. 前記整泡剤は、(a)環状ジアルキルポリシロキサン、(b)シリコーン重合体及び(c)共重合シリコーン化合物の3成分を予め混合して他のポリオール組成物構成成分と混合することを特徴とする請求項3に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  5. 前記(c)共重合シリコーン化合物は、Si含有率が**〜**重量%であることを特徴とする請求項3又は4に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。


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JP2008138042A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 発泡硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物及び発泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法

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