JP2006137784A - ポリアセタール樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】元来ポリアセタール樹脂がもつ機械的特性を有していながら熱安定性に優れ、かつホルムアルデヒドの発生を抑制している樹脂組成物およびその成形品を提供する。
【解決手段】ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、アミノ系シランまたはアミノ系チタンのカップリング剤(B)0.01〜5質量部を配合してなるポリアセタール樹脂組成物。窒素気流下、220℃、90分間で加熱した時のホルムアルデヒド発生速度が、2〜10分、10分〜30分、50分〜90分それぞれにおいて5ppm/min以下であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明はポリアセタール樹脂にアミノ系シランまたはアミノ系チタン化合物を配合してなる、熱安定性に優れ、かつ樹脂組成物およびその成形品から発生するホルムアルデヒドを低減したポリアセタール樹脂組成物およびその成形品に関する。
ポリアセタール樹脂は機械的強度、耐薬品性及び摺動性のバランスに優れ、且つその加工性が容易であることから、代表的エンジニアリングプラスチックスとして、電気機器や電気機器の機構部品、自動車部品及びその他の機構部品を中心に広範囲に亘って用いられている。近年、ポリアセタール樹脂の成形品を使用するにあたり、環境的な問題として、ポリアセタール樹脂を成形、加工する際に樹脂の熱劣化によって発生した刺激臭のあるホルムアルデヒドが発生、成形品に残留し、徐々に使用雰囲気に放出されることが問題となっている。さらにこの成形品に残留するホルムアルデヒドは、徐々にギ酸に酸化され、成形品と接触する金属等その他の部品を汚染、劣化させる問題がある。
上記問題を解決するために、ポリアセタール樹脂に対してホルムアルデヒド吸着成分を添加、発生そのものを抑制する試みがなされている。例えば、ベンゾグアナミンの添加(特許文献1)、ペレット表面に多価アルコール化合物の脂肪酸部分エステルを付着させる方法(特許文献2)、モノN置換尿素の添加する方法(特許文献3)、Pkaが3.6以上のカルボキシル基含有化合物の添加する方法(特許文献4)、ヒドラジド化合物の添加する方法(特許文献5)、ヒダントイン又はイミダゾールの添加する方法(特許文献6)をあげることができる。その他、ポリアセタール樹脂に酸化防止剤や特定のアミン化合物、マグネシウムまたはカルシウムの酸化物または炭酸塩を配合する方法(特許文献7)やポリアセタール樹脂にシラン化合物を配合する方法(特許文献8および9)等によって発生するホルムアルデヒドがギ酸に酸化されるのを抑制することも試みられている。
しかしながら、上記の方法では、樹脂組成物や成形品から発生するホルムアルデヒドの放出に効果が見られるものの、近年の自動車業界等におけるホルムアルデヒド放出抑制の要求を十分に満足するにはいたっていない。また、ホルムアルデヒド吸着成分が成形品表面や成形金型に付着して連続成形の際に障害となったり、成形品の外観を損ねる等の問題があった。さらに吸着成分やその他の添加剤を添加することによるポリアセタール樹脂の機械的特性の低下をまねく問題が生じる場合があり、元来ポリアセタール樹脂の持つ機械的物性を保持しながら、さらに熱安定性に優れ、樹脂組成物およびその成形品から発生するホルムアルデヒドをより低減したポリアセタール樹脂組成物が望まれていた。
特開昭62−190248号公報 特開平6−107900号公報 特開平11−335519号公報 特開2000−239484号公報 特開平4−345648号公報 特許第3310467号公報 特開平7−62199号公報 特開平9−2235446号公報 特開平10−316834号公報
本発明は、ポリアセタール樹脂にアミノ系シランまたはアミノ系チタン化合物を配合してなる、元来ポリアセタール樹脂のもつ機械的特性を維持しつつも、熱安定性に優れ、かつ樹脂組成物およびその成形品から発生するホルムアルデヒドを低減したポリアセタール樹脂組成物およびその成形品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリアセタール樹脂にアミノ系シランまたはアミノ系チタン化合物を配合することによって、元来ポリアセタール樹脂のもつ機械的特性を維持しつつも、熱安定性に優れ、かつ樹脂組成物およびその成形品から発生するホルムアルデヒドを低減することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、アミノ系シランまたはアミノ系チタンのカップリング剤(B)0.01〜5質量部を配合してなるポリアセタール樹脂組成物、
(2)窒素気流下、220℃、90分間で加熱した時のホルムアルデヒド発生速度が、2〜10分、10分〜30分、50分〜90分それぞれにおいて5ppm/min以下であることを特徴とする上記(1)記載のポリセタール樹脂組成物、
(3)カップリング剤(B)が、アミノ系シランカップリング剤であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のポリアセタール樹脂組成物、
(4)カップリング剤(B)が、下記一般式で表されることを特徴とする上記(1)から(3)いずれか記載のポリアセタール樹脂組成物
(RO)SiR2mNHCNH
または (RO)SiR2mNH
およびこれらの重縮合体
(ここで、l+m=3、l、m、は0から3から選ばれる数であり、R、Rは水素または、飽和、不飽和の炭化水素基であり、炭化水素基には官能基が導入されていも良い。)、
(5)上記(1)から(4)のいずれかによって得れる樹脂組成物による成形品、
である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は元来ポリアセタール樹脂のもつ機械的特性を維持しつつも、熱安定性に優れ、かつ樹脂組成物およびその成形品から発生するホルムアルデヒドを低減する効果を有する。
以下、本願発明について具体的に説明する。
本発明で用いられるポリアセタール樹脂(A)は、公知のポリアセタール樹脂であって特に限定されるものではない。例えば、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーを単独重合して得られる実質上オキシメチレン単位のみから成るポリアセタールホモポリマーや、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソランや1,4−ブタンジオールホルマールなどのグリコールやジグリコールの環状ホルマール等の環状エーテル、環状ホルマールとを共重合させて得られたポリアセタールコポリマーを挙げることができる。ここで、ポリアセタールコポリマーのうち、より剛性、靭性、耐熱性のバランスに優れるといった観点から、好ましい1,3−ジオキソラン等のコモノマーの添加量は、トリオキサン1molに対して0.1〜60mol%であり、より好ましくは0.1〜20mol%であり、もっとも好ましくは0.15〜10mol%である。
また、ポリアセタールコポリマーとして、単官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる分岐を有する分岐型ポリアセタールコポリマーや、多官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる架橋構造を有する架橋型ポリアセタールコポリマーも用いることができる。さらに、両末端または片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えばポリアルキレングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はホルムアルデヒドの環状オリゴマーを重合して得られるブロック成分を有するブロック型ポリアセタールホモポリマーや、同じく両末端または片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えば水素添加ポリブタジエングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと環状エーテルや環状ホルマールとを共重合させて得られるブロック成分を有するブロック型ポリアセタールコポリマーも用いることができる。本発明において、上記ポリアセタール樹脂は一種類、もしくは二種類以上の混合物で用いても差し支えない。
上記ポリアセタール樹脂のうち、剛性、靭性、熱安定性のバランスに優れるといった観点から、ポリアセタール樹脂(A)としては、コモノマー成分がランダムに結合したランダム型、ブロック型、分岐型または架橋型のポリアセタールコポリマーおよびこれらの混合物が好ましく、さらにコストの観点からランダム型、ブロック型のポリアセタールコポリマーがより好ましい。
本発明において、ポリアセタール樹脂(A)の製造方法は公知のポリアセタール樹脂の製造方法をとることができ、特に限定されるものではない。例えば、前記ポリアセタールホモポリマーの場合、高純度のホルムアルデヒドを有機アミン、有機あるいは無機の錫化合物、金属水酸化物のような塩基性重合触媒を含有する有機溶媒中に導入して重合し、重合体を濾別した後、無水酢酸中、酢酸ナトリウムの存在下で加熱してポリマー末端をアセチル化して製造する方法をあげることができる。また、前記ポリアセタールコポリマーの場合、高純度のトリオキサンおよび、エチレンオキシドや1,3−ジオキソランなどの共重合成分、分子量調整用の連鎖移動剤をシクロヘキサンのような有機溶媒中に導入し、三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯体のようなルイス酸等の重合触媒を用いてカチオン重合した後、触媒の失活と末端基の安定化をおこなうことによる製造法、あるいは溶媒を全く使用せずに、コニーダー、2軸スクリュー式連続押出混錬機、2軸パドル型連続混合機等のセルフクリーニング型押出混錬機の中へトリオキサン、共重合成分、分子量調整用の連鎖移動剤および触媒を導入して塊状重合した後さらに水酸化コリン蟻酸塩等の第4級アンモニウム化合物を添加して不安定末端を分解除去して製造する方法等をあげることができる。
上記ポリアセタール樹脂のメルトフローインデックスMFI(ASTM−D1238で測定)は特に限定されるものではないが、加工性の観点から、好ましくは0.1g/10分〜150g/10分、さらに好ましくは0.5g/10分〜130g/10分、最も好ましくは1g/10分〜100g/10分である。
本発明で用いられるカップリング剤(B)は、アミノ系シランカップリング剤またはアミノ系チタンカップリング剤である。
上記アミノ系シランカップリング剤としては、化合物中に第一級または第二級、第三級アミンのいずれか一つを含むものであれば特に限定されるものではなく、例えば、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどをあげることができる。これらのシランカップリング剤は、結合の一部が加水分解、脱水縮合して2個以上の重縮合体であってもよい。また2種類以上のものを併用、重縮合させて用いても差し支えない。
また、下記一般式で表されるシラン化合物を共脱水縮合成分として添加して使用しても差し支えない。
(RO)SiR4n
(ここで、m+n=4であり、R、Rは、第一級または第二級、第三級アミンを含有しない飽和炭化水素基またはフェニル基である。)
前記炭化水素基としては炭素数1〜10を有するものが好ましく、1〜6を有するものがより好ましい。
このような化合物としては例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等をあげることができる。
上記アミノ系チタンカップリング剤としては、化合物中に第一級または第二級、第三級アミンのいずれか一つを含むものであれば特に限定されるものではなく、例えば、イソプロポキシチタントリN−エチルアミノエチルアミナトやジn−ブトキシビストリエタノールアミナトチタンをあげることができる。これらのシランカップリング剤は、結合の一部が加水分解、脱水縮合して2個以上の重縮合体であってもよい。また2種類以上のものを併用、重縮合させて用いても差し支えない。
また、下記一般式で表されるチタン化合物を共脱水縮合成分として添加して使用しても差し支えない。
(RO)TiR6n
(ここで、m+n=4であり、R、Rは、第一級または第二級、第三級アミンを含有しない飽和炭化水素基またはフェニル基である。)
前記炭化水素基としては、炭素数1〜10を有するものが好ましく、炭素数1〜6を有するものがより好ましい。
このような化合物としては例えば、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン等をあげることができる。
また、上記アミノ系シランカップリング剤とアミノ系チタンカップリング剤は併用して用いても差し支えない。
上記カップリング剤(B)において、コスト的な観点から好ましいカップリング剤(B)としては、アミノ系シランカップリング剤が好ましく、熱安定性により優れるといった観点から、さらに好ましくは下記一般式で表されるアミノ系シランカップリング剤である。
(RO)SiR2mNHCNH
または (RO)SiR2mNH
およびこれらの重縮合体
(ここで、l+m=3、l、m、は0から3から選ばれる数であり、R、Rは水素または、飽和、不飽和の炭化水素基であり、炭化水素基には官能基が導入されていも良い。)
前記炭化水素基としては炭素数1〜10を有するものが好ましく、1〜6を有するものがより好ましい。
なかでも最も好ましいカップリング剤としては、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランである。
本発明で用いられるポリアセタール樹脂(A)とカップリング剤(B)の量比はポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、カップリング剤(B)0.01〜5質量部であるが、得られる樹脂組成物の熱安定性、ホルムアルデヒド発生の抑制効果、機械的物性、さらに成形性の観点から、好ましくはポリアセタール樹脂(A)100質量部に対してカップリング剤(B)0.03〜3質量部であり、さらに好ましくは0.05〜2質量部であり、最も好ましくは0.10〜1.5質量部である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリアセタール樹脂(A)のモノマーとカップリング剤(B)を混合したのちに、ポリアセタール樹脂の重合を行なう方法、ポリアセタール樹脂(A)を溶媒に溶解させた後にカップリング剤(B)を添加、混合し、溶媒を除去する方法、ポリアセタール樹脂(A)の加熱溶融物にカップリング剤(B)を添加、混合する方法、予め作成したカップリング剤(B)のマスターバッチとを添加する方法、またはこれらを組み合わせた方法などをあげることができる。ここで、本発明で用いられるカップリング剤(B)は、無機充填剤や顔料の表面処理剤として用いて、カップリング剤(B)処理済無機充填材または顔料をポリアセタール樹脂(A)に加える方法であっても差し支えない。
これらのうち、生産性に優れる観点から好ましい製造方法としてはポリアセタール樹脂の加熱溶融物にカップリング剤(B)を添加、混合する方法、すなわち溶融混錬法をあげることができる。
上記溶融混練により製造する場合、その装置としては、一般に実用されている混練機が適用できる。例えば、一軸又は多軸混練押出機、ロール、バンバリーミキサー等を用いればよい。中でも、減圧装置、及びサイドフィーダー設備を装備した2軸押出機が最も好ましい。溶融混練の方法は、全成分を同時に混練する方法、あらかじめ予備混練したブレンド物を用いて混練する方法、更に押出機の途中から逐次、各成分をフィードし、混練する方法などをあげることができる。また、カップリング剤(B)をあらかじめ溶媒に分散させ、このスラリー状態で添加することも可能である。その場合、液体添加ポンプを用いてフィードすることも可能である。
ここで、溶融混練の条件は、特に制限されるものではないが、減圧度に関しては、0〜0.07Mpaが好ましい。混練の温度は、JISK7121に準じた示差走査熱量(DSC)測定で求まる融点又は軟化点より1〜100℃高い温度が好ましい。より具体的には180度から240度である。混練機での剪断速度は100(SEC-1)以上であることが好ましく、混練時の平均滞留時間は、1〜15分が好ましい。樹脂組成物中の溶媒は1質量%以下であることが好ましい。上記範囲内であれば、生産性に優れ、得られるポリアセタール樹脂組成物の変色を抑える傾向にあり、熱安定性に優れた樹脂組成物を得ることができる。
ここで、本発明のポリアセタール樹脂組成物およびその成形品において、ホルムアルデヒドの発生がより抑制された好ましい樹脂組成物およびその成形品として、窒素気流下、220℃、90分間で加熱した時のホルムアルデヒド発生速度が、2〜10分、10分〜30分、50分〜90分それぞれにおいて5ppm/min以下である樹脂組成物をあげることができ、さらに好ましくはそれぞれにおいて3ppm/min.であり、最も好ましくは1ppm/min.以下である。
ここで、上記ホルムアルデヒド発生速度の測定を具体的に記すと、窒素気流下(50NL/hr)において、ポリアセタール樹脂組成物を220℃に加熱溶融し、発生するホルムアルデヒドを水に吸収した後、亜硫酸ソーダ法により滴定する。その際、加熱開始から2分後までのホルムアルデヒド発生量(ppm)をT、同10分をT10、同30分をT30、同50分をT50、同90分をT90としたときに、ホルムアルデヒド発生速度は2〜10分において、(T10−T)/8(ppm/min.)、同10分〜30分において(T30−T10)/20(ppm/min.)、同50分〜90分において(T90−T50)/40(ppm/min.)であらわすことができる。これら各時間におけるホルムアルデヒド発生速度は、ポリアセタール樹脂組成物に付着したホルムアルデヒド起因、ポリアセタール樹脂の末端分解によって生じるホルムアルデヒド起因、ポリアセタール樹脂の主鎖分解によって生じるホルムアルデヒド起因とされており、これらの値が小さいことは、熱安定性に優れることを示し、また、発生するホルムアルデヒドが低減されていることを示す。
本発明において、本発明の目的を損なわない範囲で、更に適当な公知の添加剤を必要に応じて配合することができる。具体的には、酸化防止剤、熱安定剤、耐侯(光)安定剤、離型(潤滑)剤、結晶核剤、無機充填材、導電材、熱可塑性樹脂、および熱可塑性エラストマー、顔料などをあげることができる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、元来ポリアセタール樹脂のもつ機械的特性を維持しつつも、熱安定性に優れ、かつホルムアルデヒドの発生が抑制さているため、様々な用途の成形品に使用することが可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例、比較例において記載した評価は、以下の方法により実施した。
(1)樹脂組成物の物性
射出成形機(住友重機械工業(株)製SH―75)を用いて、シリンダー温度200℃、金型温度70℃に設定し、射出15秒、冷却25秒の射出成形条件で評価用ダンベル片、短冊片を得た。
(1−1)曲げ弾性率(GPa)および曲げ強度(MPa)
ASTM D790に準じて行った。
(1−2)ノッチ付きIzod衝撃強度
ASTM D256に準じて行った。
(1−3)荷重たわみ温度(℃)
ASTM D648に準じて行った。
(2)ホルムアルデヒド発生速度(ppm/min.)の測定
窒素気流下(50NL/hr)において、ポリアセタール樹脂組成物のペレット3gを220℃に加熱溶融し、発生するホルムアルデヒドを水に吸収した後、亜硫酸ソーダ法により滴定した。その際、加熱開始から2分後までのホルムアルデヒド発生量(ppm)をT、同10分をT10、同30分をT30、同50分をT50、同90分をT90としたときに、
2〜10分の発生速度(T10−T)/8(ppm/min.)
10分〜30分の発生速度(T30−T10)/20(ppm/min.)
50分〜90分の発生速度(T90−T50)/40(ppm/min.)
として算出した。
(3)連続成形性評価
射出成形機(住友重機械工業(株)製SH―75)を用いて、シリンダー温度220℃、金型温度70℃に設定し、射出15秒、冷却25秒の射出成形条件で評価用ダンベル片、短冊片を連続して40ショット成形した後に金型に付着したモールドデポジット(MD)、35〜40ショットの成形品を目視にて観察した。基準は以下の通りである。
○ 金型にMDの付着がほとんどなく、成形品もきれいである場合。
△ 金型の一部にややMDの付着が見られるが、成形品はきれいである場合。
× 金型の一部にMDの付着が見られ、成形品の外観が不良である場合。

また、実施例、比較例には下記成分を用いた。
<樹脂>
(a−1)旭化成ケミカルズ(株)ポリアセタール樹脂 テナック(登録商標)4520
(a−2)旭化成ケミカルズ(株)ポリアセタール樹脂 テナック(登録商標)HC450
<処理剤>
シランカップリング剤
(b−1)信越シリコーン(株)KBM−603 N−2(アミノメチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン
(b−2)信越シリコーン(株)KBM−403 3−グリジドキシプロピルトリエトキシシラン
(b−3)信越シリコーン(株)KBM−503 3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
その他のホルムアルデヒド吸着成分
(b−4)日産化学(株)メラミン
[実施例1〜6および比較例1〜4]
表1に示した割合で、各成分を計量、混合し、二軸押し出し機(池貝(株)製PCM−30)を用いて、押出機のトップから添加して溶融混練し、それぞれポリアセタール樹脂組成物を得た。その際、溶融混錬条件は温度200度、回転数150rpmで行った。評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように本発明のポリアセタール樹脂組成物は、元来ポリアセタール樹脂が持つ機械的特性を有していながら、熱安定性にすぐれ、かつホルムアルデヒドの発生を抑制していることがわかる。
本発明で得られるポリアセタール樹脂組成物およびその成形品は、元来ポリアセタール樹脂がもつ機械的特性を有していながら熱安定性に優れ、かつホルムアルデヒドの発生を抑制しているため、自動車、電気電子、その他工業などの分野で好適に利用できる。

Claims (5)

  1. ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、アミノ系シランまたはアミノ系チタンのカップリング剤(B)0.01〜5質量部を配合してなるポリアセタール樹脂組成物。
  2. 窒素気流下、220℃、90分間で加熱した時のホルムアルデヒド発生速度が、2〜10分、10分〜30分、50分〜90分それぞれにおいて5ppm/min以下であることを特徴とする請求項1記載のポリセタール樹脂組成物。
  3. カップリング剤(B)が、アミノ系シランカップリング剤であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. カップリング剤(B)が、下記一般式で表されることを特徴とする請求項1から3いずれか記載のポリアセタール樹脂組成物。
    (RO)SiR2mNHCNH
    または (RO)SiR2mNH
    およびこれらの重縮合体
    (ここで、l+m=3、l、m、は0から3から選ばれる数であり、R、Rは水素または、飽和、不飽和の炭化水素基であり、炭化水素基には官能基が導入されていも良い。)
  5. 請求項1から4のいずれかによって得られる樹脂組成物による成形品。
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