JP2006136976A - ロッカーアームのローラの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 外径の旋削が不要で、生産性に優れ、転動寿命の面でも有利なロッカーアームのローラの製造方法を提供する。
【解決手段】 この製造方法は、ロッカーアームのカムフォロワとして用いられる円筒状のローラ1を製造する方法である。この製造方法は、素材準備過程I と、この素材Wの少なくとも外周面を冷間で塑性加工する塑性加工過程IIと、熱処理する熱処理過程III と、端面研削過程IVと、この端面研削後の素材Wの外周面および内周面を研削する周面研削過程V とを含む。素材準備過程I は、線材W0をプレス加工で定尺に順次切断して前記素材Wとする過程である。塑性加工過程IIは、複数の冷間鍛造過程IIa〜IIcと、サイジング過程IIdとでなる。
【選択図】 図1
【解決手段】 この製造方法は、ロッカーアームのカムフォロワとして用いられる円筒状のローラ1を製造する方法である。この製造方法は、素材準備過程I と、この素材Wの少なくとも外周面を冷間で塑性加工する塑性加工過程IIと、熱処理する熱処理過程III と、端面研削過程IVと、この端面研削後の素材Wの外周面および内周面を研削する周面研削過程V とを含む。素材準備過程I は、線材W0をプレス加工で定尺に順次切断して前記素材Wとする過程である。塑性加工過程IIは、複数の冷間鍛造過程IIa〜IIcと、サイジング過程IIdとでなる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、内燃機関の動弁機構を構成するロッカーアームのカムフォロワとなるローラを製造するロッカーアームのローラの製造方法に関する。
内燃機関の動弁機構に組み込むロッカーアームは、カムにより揺動駆動されるものであり、カムフォロワとなるローラを有している。このローラは、従来は、パイプ材を所定寸法に切断した素材に、旋削によりチャンファやクラウニング等の外径形状の加工を施し、熱処理、および研削を施して製作している。
素材として、パイプ材を用いる代わりに、中実材を用い、冷間鍛造でリング状とした後に、旋削、熱処理、研削を順次行う方法も提案されている(例えば特許文献1)。
特許3123055号公報
素材として、パイプ材を用いる代わりに、中実材を用い、冷間鍛造でリング状とした後に、旋削、熱処理、研削を順次行う方法も提案されている(例えば特許文献1)。
従来のローラの製造方法は、いずれも外径加工を旋削で行っている。しかし、旋削加工は、プレス加工等に比べて生産効率が悪く、量産されるローラの製造過程のネックとなり、ローラの全体の生産性低下を招いている。このため、素材の準備からローラの完成までの連続した一貫加工の製造過程の構築が難しいものとなっている。また、旋削によると、切粉の発生や、歩留り低下を伴うという問題がある。
また、一般に鋼材では、非金属介在物の繊維の流れであるメタルフローが生じており、ローラの場合、その表面でメタルフローが切断されていると、転動寿命の面で不利となることがある。ローラの外周面を旋削すると、メタルフローが切断されるため、この点でも旋削は好ましくない。
また、一般に鋼材では、非金属介在物の繊維の流れであるメタルフローが生じており、ローラの場合、その表面でメタルフローが切断されていると、転動寿命の面で不利となることがある。ローラの外周面を旋削すると、メタルフローが切断されるため、この点でも旋削は好ましくない。
この発明の目的は、外周面の旋削が不要で、生産性に優れ、精度面、および転動寿命の面でも有利なロッカーアームのローラの製造方法を提供することである。
この発明のローラの製造方法は、ロッカーアームのカムフォロアとなるローラの製造方法であって、前記ローラの1個分の素材を準備する過程と、この素材の少なくとも外周面を冷間で塑性加工する過程と、この塑性加工済みの素材の端面を研削する過程と、この端面研削後の素材の外周面および内周面を研削する過程とを含む方法である。
この方法によると、素材の外周面を冷間の塑性加工で行い、外周面の旋削を行うことなく熱処理後に研削を行うため、加工時間のかかる旋削過程が不要で、ローラを効率の良く生産することができる。旋削が不要なため、素材準備からローラの完成までの過程を一貫加工で行う製造過程の実現に貢献できる。外周面の旋削が不要なことから、切粉の発生がなく、歩留り向上にもつながる。
また、前記研削は、素材の端面の研削の後、外周面および内周面の研削を行うため、精度良く研削を行うことができる。例えば、素材の研削された端面を基準として外周面および内周面を研削することより、効率良くかつ精度の良い研削が行える。
また、塑性加工によると、旋削加工と異なり、素材における非金属介在物の繊維の流れであるメタルフローが切断されることが少なく、転動寿命の面でも有利となる。ロッカーアームのカムフォロワは、内燃機関のピストンの往復速度に対応した高速で動作させられるものであるため、厳しい環境下にある。そのため、旋削を無くしてファイバーフローの切断を少なくしたことによる転動寿命の向上が効果的となる。
また、前記研削は、素材の端面の研削の後、外周面および内周面の研削を行うため、精度良く研削を行うことができる。例えば、素材の研削された端面を基準として外周面および内周面を研削することより、効率良くかつ精度の良い研削が行える。
また、塑性加工によると、旋削加工と異なり、素材における非金属介在物の繊維の流れであるメタルフローが切断されることが少なく、転動寿命の面でも有利となる。ロッカーアームのカムフォロワは、内燃機関のピストンの往復速度に対応した高速で動作させられるものであるため、厳しい環境下にある。そのため、旋削を無くしてファイバーフローの切断を少なくしたことによる転動寿命の向上が効果的となる。
この発明方法において、前記素材を準備する過程は、線材をプレス加工で定尺に切断して前記素材とする過程であっても良い。線材は、例えばコイル材であっても良い。
線材を定尺に切断して素材を得る方法であると、ローラの1個分ずつの素材が効率良く得られる。上記切断をプレス加工で行う場合は、生産性に優れ、またせん断となるので切り屑の発生がなく、歩留りが良い。プレス加工による切断の場合、旋削による切断に比べて綺麗な形状に切断することが難しいが、素材の外周面の加工を塑性加工で行うため、プレス加工により切断した素材の形状が多少異形であっても、精度の良い外周形状が容易に得られる。プレス加工による切断と、外周面を冷間で塑性加工する過程とを組み合わせることで、一貫加工で行う製造過程がより実現性の高いものとなる。
線材を定尺に切断して素材を得る方法であると、ローラの1個分ずつの素材が効率良く得られる。上記切断をプレス加工で行う場合は、生産性に優れ、またせん断となるので切り屑の発生がなく、歩留りが良い。プレス加工による切断の場合、旋削による切断に比べて綺麗な形状に切断することが難しいが、素材の外周面の加工を塑性加工で行うため、プレス加工により切断した素材の形状が多少異形であっても、精度の良い外周形状が容易に得られる。プレス加工による切断と、外周面を冷間で塑性加工する過程とを組み合わせることで、一貫加工で行う製造過程がより実現性の高いものとなる。
素材準備過程で準備する素材は、中実材であっても、また円筒状材であっても良い。中実材の場合は、前記塑性加工として、少なくとも冷間鍛造を行う。冷間鍛造によると、素材形状から大きく変形した形状に成形することが容易である。中実材の場合、前記塑性加工として、前記冷間鍛造の後に、サイジングまたはしごき加工を行うようにしても良い。サイジングまたはしごき加工を加えることで、精度の良い外周形状に成形することができる。
素材が円筒状材である場合も、前記塑性加工として、サイジングまたはしごき加工を行うようにしても良い。素材が円筒状材である場合は、円筒状のローラを製造する場合に、完成品の形状にある程度近い素材形状となるため、サイジングまたはしごき加工で精度,形状を整える程度の塑性加工で済む。これにより、全体が簡素な製造過程で済む。
なお、ここで言う「サイジング」および「しごき加工」は、いずれも精度,形状を整える塑性加工を言う。
素材が円筒状材である場合も、前記塑性加工として、サイジングまたはしごき加工を行うようにしても良い。素材が円筒状材である場合は、円筒状のローラを製造する場合に、完成品の形状にある程度近い素材形状となるため、サイジングまたはしごき加工で精度,形状を整える程度の塑性加工で済む。これにより、全体が簡素な製造過程で済む。
なお、ここで言う「サイジング」および「しごき加工」は、いずれも精度,形状を整える塑性加工を言う。
この発明において、上記熱処理として、高周波焼入れ焼戻しを行うようにしても良い。 高周波焼入れ焼戻しによると、順次生産されるローラを、連続的に焼入れできるため、素材準備からローラの完成までの過程を、連続した一貫加工で行う製造過程がより一層実現され易いものとなる。
この発明方法は、ロッカーアームのカムフォロアとなるローラの製造方法であって、ローラの1個分の素材を準備する過程と、この素材の少なくとも外周面を冷間で塑性加工する過程と、この塑性加工済みの素材の端面を研削する過程と、この端面研削後の素材の外周面および内周面を研削する過程とを含む方法であるため、外周面の旋削が不要で、生産性に優れ、精度面、転動寿命の面でも有利な製造方法となる。
この発明の第1の実施形態を図1と共に説明する。この製造方法は、ロッカーアームのカムフォロワとして用いられる円筒状のローラ1を製造する方法である。
この製造方法は、素材Wを準備する素材準備過程I と、この素材Wの少なくとも外周面を冷間で塑性加工する塑性加工過程IIと、この塑性加工済みの素材を熱処理する熱処理過程III と、この熱処理済みの素材Wの端面を研削する端面研削過程IVと、この端面研削後の素材Wの外周面および内周面を研削する周面研削過程V とを含む。
この製造方法は、素材Wを準備する素材準備過程I と、この素材Wの少なくとも外周面を冷間で塑性加工する塑性加工過程IIと、この塑性加工済みの素材を熱処理する熱処理過程III と、この熱処理済みの素材Wの端面を研削する端面研削過程IVと、この端面研削後の素材Wの外周面および内周面を研削する周面研削過程V とを含む。
素材準備過程I は、線材W0をプレス加工で定尺に順次切断して前記素材Wとする過程である。線材W0は、例えば円形断面の鋼線であり、コイル材等が用いられる。切断された素材Wは、円柱状の形状の中実材となる。前記切断の過程では、線材W0を定寸送りする毎に切断する方法等が採られる。
塑性加工過程IIは、複数の冷間鍛造過程IIa〜IIcと、サイジング過程IIdとでなる。素材準備過程I で準備された円柱状で中実の素材Wは、第1の冷間鍛造過程IIaで、同図に示すように一端の外周にチャンファWaを有し、両端の端面に凹み部Wb,Wcをそれぞれ有する形状に塑性加工される。このとき素材Wの外周面も、完成品のローラ1にある程度沿った形状とされ、クラウニング形状とする場合もこの過程である程度形成する。
第2の冷間鍛造過程IIbでは、図示のように、底壁Wdが残る中空形状に成形され、かつ外周面がさらに成形されて、両端にチャンファWaが形成される。この状態の素材Wの内径は、製品となるローラ1の内径と同程度とされる。
第3の冷間鍛造過程IIcで、上記底壁Wdが打ち抜かれ、素材Wは円筒状となる。
第2の冷間鍛造過程IIbでは、図示のように、底壁Wdが残る中空形状に成形され、かつ外周面がさらに成形されて、両端にチャンファWaが形成される。この状態の素材Wの内径は、製品となるローラ1の内径と同程度とされる。
第3の冷間鍛造過程IIcで、上記底壁Wdが打ち抜かれ、素材Wは円筒状となる。
しごき加工過程IIdでは、上記の円筒状となった素材Wの外周面および内周面のサイジングが行われる。このサイジングにより、素材Wは、外周面および内周面の形状,寸法が完成品のローラ1と略同じとされる。上記サイジングは、しごき加工であっても良い。
熱処理過程III は、素材Wの表面硬化等の処理を行う過程であり、連続炉またはバッチ炉等による雰囲気熱処理、または高周波熱処理とされる。高周波熱処理は、高周波焼入れが行われ、この後、高周波焼き戻しや雰囲気焼き戻しの処理が行われる。熱処理過程III は、AS処理およびサブゼロ処理としても良い。
端面研削過程IVでは、しごき加工の完了した素材Wの端面を研削し、形状,寸法をさらに整えると共に、表面粗さを小さくする。
周面研削過程V では、端面研削の完了した素材Wの外周面および内周面を順次研削し、形状,寸法をさらに整えると共に、表面粗さを小さくする。
これら端面および周面の研削過程IV,V は、それぞれ複数段階行うようにしても良く、その場合に、研磨や超仕上げを含むようにしても良い。特に、周面の研削過程V は、このような研磨や超仕上げを行うことで、品質の向上効果が大きい。また、周面研削過程IVにおける内周面の研削加工は、研削後にホーニング加工を行うようにしても良い。
周面研削過程V では、端面研削の完了した素材Wの外周面および内周面を順次研削し、形状,寸法をさらに整えると共に、表面粗さを小さくする。
これら端面および周面の研削過程IV,V は、それぞれ複数段階行うようにしても良く、その場合に、研磨や超仕上げを含むようにしても良い。特に、周面の研削過程V は、このような研磨や超仕上げを行うことで、品質の向上効果が大きい。また、周面研削過程IVにおける内周面の研削加工は、研削後にホーニング加工を行うようにしても良い。
上記端面研削過程IVは、例えば図2に示すようなスルーフィード方式を用いて研削しても、また図3に示すロータリキャリア方式を用いて研削しても良く、素材Wの径や長さに応じて使い分ける。
図2のスルーフィード方式は、送りベルト(図示せず)により、素材Wを2枚の両側の回転砥石31,31間にフィードさせる方式である。素材Wは、研削中は上下のガイドーバー等の案内部材32により案内される。スルーフィード方式は、最も生産性の高い研削方式である。
図3のロータリキャリア方式は、ロータリキャリア33のポケットに素材Wを入れて、ロータリキャリア33の回転により、素材Wを両側の砥石31,31間に円弧に沿ってフィードさせる。素材Wは、手動または自動で、円周方向の所定の投入位置P1および排出位置P2で投入および排出を行う。この方式は、スルーフィード方式に次いで生産性が高い。
図2のスルーフィード方式は、送りベルト(図示せず)により、素材Wを2枚の両側の回転砥石31,31間にフィードさせる方式である。素材Wは、研削中は上下のガイドーバー等の案内部材32により案内される。スルーフィード方式は、最も生産性の高い研削方式である。
図3のロータリキャリア方式は、ロータリキャリア33のポケットに素材Wを入れて、ロータリキャリア33の回転により、素材Wを両側の砥石31,31間に円弧に沿ってフィードさせる。素材Wは、手動または自動で、円周方向の所定の投入位置P1および排出位置P2で投入および排出を行う。この方式は、スルーフィード方式に次いで生産性が高い。
スルーフィード方式およびロータリキャリア方式のいずれにおいても、ワークWの(外径/幅)の比が約2以上の場合は、一般的に砥石31は図3(A)に回転方向を矢印で示すように正逆回転とされる。上記の比が約2以下の場合は、一般的に砥石31は図3(B)のように正回転のみとされる。正逆回転は、片側の砥石31が正転、もう片側が逆転のことである。正回転のみとは、両側の砥石31がともに正回転のことである。
砥石31の正逆回転の場合、素材Wが回転しないため、直角度が出難い。正々回転の場合は、素材Wが回転するため、直角度が比較的に出易い。
砥石31の正逆回転の場合、素材Wが回転しないため、直角度が出難い。正々回転の場合は、素材Wが回転するため、直角度が比較的に出易い。
図1の周面研削過程V における外周面の研削および内周面の研削は、例えば、それぞれ図4および図5に示すシュータイプの心無し研削とされる。この研削方法は、素材Wを2個のシュー34,34上に置き、マグネチックチャック35のドライブプレート36に端面を密着させた状態で、素材Wを回転させながら、回転砥石37により切り込むことで研削する。ドライブプレート36は、バッキングプレートとも呼ばれる。
マグネチックチャック35の端面は、回転中心に対して直角となっているので、ワークWの周面は研削によって端面に対して直角となり、また素材Wは2つのシュー34で支持されて外周研削と共に滑るため、素材Wの外周面の真円度が次第に正しくなる。
このように、端面基準で外周面および内周面が研削されるため、素材Wの端面が先に研削されることで、精度の良い研削が行われる。
マグネチックチャック35の端面は、回転中心に対して直角となっているので、ワークWの周面は研削によって端面に対して直角となり、また素材Wは2つのシュー34で支持されて外周研削と共に滑るため、素材Wの外周面の真円度が次第に正しくなる。
このように、端面基準で外周面および内周面が研削されるため、素材Wの端面が先に研削されることで、精度の良い研削が行われる。
なお、図示は省略するが、上記研削過程IV,V の後で、素材Wの端面等に、潤滑性向上処理として無数の微細な窪みを施すようにしても良い。この窪みは、ロッカーアームとの滑り接触面となる幅面に潤滑剤が入り易くするものであり、潤滑剤の保持効果が高められることで、順接性が向上する。上記無数の窪みは、素材Wの外周面や内周面に設けても良い。
上記各過程I 〜V を経て、ロッカーアームのカムフォロワ用のローラ1が製造される。
上記各過程I 〜V を経て、ロッカーアームのカムフォロワ用のローラ1が製造される。
この製造方法によると、素材Wの外周面を冷間の塑性加工で行い、そのまま熱処理の後に、研削を行うため、加工時間のかかる旋削過程が不要で、ローラ1を効率良く生産することができる。旋削が不要なため、素材Wの準備からローラ1の完成までの過程を連続した一貫加工で行う製造過程の実現に貢献できる。外周面の旋削が不要なことから、切粉の発生がなく、歩留り向上にもつながる。また、塑性加工によると、旋削加工と異なり、素材における非金属介在物の繊維の流れであるメタルフローF(図1(C))が切断されることが少なく、転動寿命の面でも有利となる。
素材準備過程I が、上記のように線材W0を定尺に切断して素材Wを得る方法である場合は、ローラ1の1個分ずつの素材Wが効率良く得られる。上記切断をプレス加工で行う場合は、生産性に優れ、また切り屑の発生がなくて歩留りが良い。プレス加工による切断の場合、旋削による切断に比べて綺麗な形状に切断することが難しいが、後の外周面の加工を塑性加工で行うため、プレス加工により切断した素材Wの形状が多少異形であっても、精度の良い外周形状が容易に得られる。プレス加工による切断と、外周面を冷間で塑性加工する過程とを組み合わせることで、一貫加工で行う製造過程がより実現性の高いものとなる。
素材準備過程I で準備する素材Wが中実材である場合、前記塑性加工として、第1〜第3の冷間鍛造過程IIa〜IIcに示すように冷間鍛造を行うが、冷間鍛造によると、素材形状から大きく変形した形状に成形することが容易である。この塑性加工の後、サイジング過程IIdを加えることで、精度の良い外周形状に成形することができる。
また、上記熱処理過程III を高周波焼入れで行う場合は、順次生産されるローラ1を、連続的に焼入れできるため、素材準備からローラ1の完成までの過程を、連続した一貫加工で行う製造過程がより一層実現し易いものとなる。
このように製造されるローラ1は、ロッカーアームのカムフォロワとなるものであり、内燃機関のピストンの往復速度に対応した高速で動作させられる厳しい環境下にあるために、旋削を無くしてファイバーフローの切断を少なくしたことによる転動寿命の向上効果が効果的となる。
図6はこの発明における他の実施形態を示す。この実施形態の製造方法では、素材準備過程I で準備する素材Wを円筒状材とし、前記塑性加工過程IIは、サイジング(すなわち矯正)の過程とする。この場合も素材準備過程I は、線材W0をプレス加工で定尺に切断して前記素材Wとする過程としても良い。ただし、線材W0はパイプ材である。
塑性加工過程IIにおけるサイジングは、素材Wの外周面の形状および寸法の精度を高める加工とされる。このサイジングは、チャンファWaを施す加工を含むものであっても良い。また、このサイジングにおいて、素材Wの内周面の形状,寸法の精度を高める加工を加えても良い。塑性加工過程IIは、サイジングの代わりにしごき加工としても良い。
塑性加工過程IIにおけるサイジングは、素材Wの外周面の形状および寸法の精度を高める加工とされる。このサイジングは、チャンファWaを施す加工を含むものであっても良い。また、このサイジングにおいて、素材Wの内周面の形状,寸法の精度を高める加工を加えても良い。塑性加工過程IIは、サイジングの代わりにしごき加工としても良い。
サイジングの完了した素材Wは、熱処理過程III を経て、端面研削過程IVで端面の研削を行い、周面研削加工V で外周面および内周面の研削加工を順に行う。端面研削過程IVおよび周面研削過程V については、図1〜図5に示した第1の実施形態と同様である。また、熱処理過程III についても、第1の実施生態で前述した方法を採用する。
このように、素材Wが円筒状材である場合は、円筒状のローラ1を製造する場合に、完成品の形状にある程度近い素材形状となるため、しごき加工で精度,形状を整える程度の塑性加工で済む。これにより、全体が簡素な製造過程で済む。
なお、上記各実施形態は、旋削を全く含まないようにしたが、ローラ1の幅面の加工については、旋削で行うようにしても良い。
図7および図8は、それぞれ上記実施形態のローラ1を用いたロッカーアームの各例を示す。図7のロッカーアーム10は、エンドピボットタイプのものであり、アーム本体11の一端にピボット部品12が取付けられ、他端にバルブ13に作用するバルブ作用部14が設けられている。アーム本体11は、支持部材15によりピボット部品12を介して揺動自在とされ、ピボット部品12の球心部が揺動中心Pとなる。アーム本体11の長手方向の中央に、カム16に接するカムフォロアとなるロッカーアーム用軸受17が設置される。
ロッカーアーム用軸受17は、アーム本体11の一対の対向壁11a,11a間に掛け渡して固定したローラ支軸18の周囲に、複数のころ19を介して外輪となるローラ1を設けたものであり、針状ころ軸受からなる。このローラ1として、図1または図6のいずれかの実施形態の方法で製造したローラ1が用いられる。
図8のロッカーアーム10Aは、センターピボットタイプのものであり、アーム本体11Aは、長手方向の中央で揺動支軸21回りに揺動自在に支持されている。アーム本体11Aの一端に、バルブ13に使用するバルブ作用部14Aが設けられ、他端にカム16に接するカムフォロアとなるロッカーアーム用軸受17が取付けられている。ロッカーアーム用軸受17は、図7の例と同様であり、その外輪に、図1または図6のいずれかの実施形態の方法で製造したローラ1が用いられる。
1…ローラ
10…ロッカーアーム
16…カム
17…ロッカーアーム用軸受
W…素材
W0…線材
Wa…チャンファ
10…ロッカーアーム
16…カム
17…ロッカーアーム用軸受
W…素材
W0…線材
Wa…チャンファ
Claims (7)
- ロッカーアームのカムフォロアとなるローラの製造方法であって、前記ローラの1個分の素材を準備する過程と、この素材の少なくとも外周面を冷間で塑性加工する過程と、この塑性加工済みの素材を熱処理する過程と、この熱処理済みの素材の端面を研削する過程と、この端面研削後の素材の外周面および内周面を研削する過程とを含むロッカーアームのローラの製造方法。
- 請求項1において、前記素材の外周面および内周面の研削を、研削された素材の端面を基準として行うロッカーアームのローラの製造方法。
- 請求項1または請求項2において、前記素材を準備する過程が、線材をプレス加工で定尺に切断して前記素材とする過程であるロッカーアームのローラの製造方法。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記素材が中実材であり、前記塑性加工として、少なくとも冷間鍛造を行うロッカーアームのローラの製造方法。
- 請求項4において、前記塑性加工として、前記冷間鍛造の後、サイジングまたはしごき加工を行うロッカーアームのローラの製造方法。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記素材が円筒状材であり、前記塑性加工がサイジングまたはしごき加工であるロッカーアームのローラの製造方法。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記熱処理として高周波焼入れを行うロッカーアームのローラの製造方法。
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KR100817044B1 (ko) | 2007-11-01 | 2008-03-26 | (주)성진포머 | 인풋 샤프트 제조방법 및 제조장치 |
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