(1) 遊技媒体(たとえば、遊技球、コイン)を用いて遊技が可能であり、遊技により払出条件が成立(たとえば、遊技領域に設けられている入賞口53a,53b,54a,54b,58aや特別可変入賞球装置48へ入賞)したことに基づいて景品として景品遊技媒体を払出す遊技機(弾球遊技機、パチンコ遊技機、コイン遊技機、スロットマシン)であって、
遊技の進行を制御するための遊技制御処理(たとえば、ステップS1〜ステップS35、初期設定処理(ステップS1〜S4、S7等),ソフトウェア遅延処理(ステップS81〜S86),払出起動コマンドの送信処理(ステップS5),初期化処理(ステップS10〜S13),復旧処理(ステップS91〜S94),および遊技装置制御処理(ステップS15〜S35)等を含む)を実行し、遊技機に設けられている演出用の演出装置(たとえば、飾り図柄表示装置44b、モータ950、遊技効果ランプ13a,13b,13c,16a,16b,17a,17b、装飾ランプ32a,32b、スピーカ12a,12b等)を制御させるための演出制御コマンド(たとえば、演出制御コマンドを構成する演出制御信号と演出制御INT信号)を送信する遊技制御用マイクロコンピュータ(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ99)と、
前記景品遊技媒体の払出を行なう払出手段(たとえば、玉払出装置154)と、
前記払出手段を制御するための払出制御処理(たとえば、ステップS701〜ステップS760、初期設定処理(ステップS701〜S705、S708、およびS720),主基板120から払出起動コマンドが送信されてくるのを待つ処理(ステップS721等),初期化処理(ステップS712),復旧処理(ステップS711),および賞球REQ割込処理(ステップS541〜S548)を含む払出装置等制御処理(ステップS716〜S760)等,を含む)を実行する払出制御用マイクロコンピュータ(たとえば、払出制御用マイクロコンピュータ660)と、
前記遊技制御用マイクロコンピュータから出力される前記演出制御コマンドに基づき、前記演出装置を制御するための演出制御処理(たとえば、ステップS771〜ステップS784)を実行する演出制御用マイクロコンピュータ(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ118)と、
操作に応じて初期化信号(たとえば、クリア信号)を出力する初期化操作手段(たとえば、クリアスイッチ921)と、
前記遊技制御用マイクロコンピュータからの前記演出制御コマンドを中継して前記演出制御用マイクロコンピュータへ出力する中継基板(たとえば、周辺コマンド中継基板57)と、を備え、
前記遊技制御用マイクロコンピュータは、
遊技の進行状態を示す遊技状態データ(たとえば、特別図柄プロセスフラグ、賞球加算値等)を記憶し(たとえば、ステップS221,S222の処理)、遊技機への電力供給が停止しても少なくとも所定期間は前記遊技状態データを保持する遊技制御用記憶手段(たとえば、バックアップ電源によって電源バックアップされたRAM111)と、
前記払出条件の成立に基づき、払出すべき景品遊技媒体の数を指定する払出数信号(たとえば、賞球制御信号、賞球個数信号)と該払出数信号の取り込みを指示する取込信号(たとえば、賞球REQ信号)とを前記払出制御用マイクロコンピュータに出力する払出数信号出力手段(たとえば、ステップS243,S251〜S255,S203の処理を実行する部分)と、
遊技機への電力供給が開始されたことを条件として、前記払出制御用マイクロコンピュータに起動信号(たとえば、払出起動コマンド)と該起動信号の取り込みを指示する取込信号(たとえば、賞球REQ信号)とを出力する起動信号出力手段(たとえば、ステップS5の処理を実行する部分)と、
該起動信号出力手段が前記起動信号を出力した後(たとえば、ステップS5の処理において払出起動コマンドを出力した後)に、前記初期化操作手段から前記初期化信号が出力されているか否かを確認する遊技制御用初期化信号確認手段(たとえば、ステップS7の処理を実行する部分)と、
遊技機への電力供給が開始され、前記遊技制御用初期化信号確認手段により前記初期化信号が出力されていないことが確認された(たとえば、ステップS7の処理においてNOと判断された)ことを条件に、前記遊技制御用記憶手段に保存されている前記遊技状態データに基づいて遊技の進行状態を復旧させる遊技制御側復旧処理を実行する遊技制御側復旧手段(たとえば、ステップS91〜S94の処理を実行する部分)と、
遊技機への電力供給が開始され、前記遊技制御用初期化信号確認手段により前記初期化信号が出力されていることが確認された(たとえば、ステップS7の処理においてYESと判断された)ときに、前記遊技制御用記憶手段に保存されている前記遊技状態データを初期化させる遊技制御側初期化処理を実行する遊技制御側初期化手段(たとえば、ステップS10〜S13の処理を実行する部分)と、を含み、
前記払出制御用マイクロコンピュータは、前記払出数信号出力手段から出力される前記払出数信号により指定された景品遊技媒体の払出数のうち未だ払出されていない未払出の景品遊技媒体の数を示す未払出数データ(たとえば、賞球未払出個数カウンタ)を記憶し(たとえば、ステップS545bの処理)、遊技機への電力供給が停止しても少なくとも所定期間は前記未払出数データを保持する払出制御用記憶手段(たとえば、電源バックアップされている払出制御用マイクロコンピュータ660に搭載されているRAM)を含み、
前記遊技制御用マイクロコンピュータは、前記遊技制御側復旧手段により前記遊技制御側復旧処理が行なわれたときに、その旨を報知させるための復旧コマンド(たとえば、復旧コマンド、図78参照)を前記演出制御コマンドとして出力する復旧コマンド出力手段(たとえば、ステップS94の処理を実行する部分)をさらに含み、
前記演出制御用マイクロコンピュータは、前記復旧コマンド出力手段により出力された前記復旧コマンドに基づいて(たとえば、ステップS773の処理においてYESと判断されたとき)、前記遊技制御側復旧処理が実行されることを報知する復旧報知手段(たとえば、ステップS774の処理を実行する部分)を含み、
前記払出制御用マイクロコンピュータは、
前記遊技制御用マイクロコンピュータから前記取込信号が入力されたことを条件として、特定レジスタ(たとえば外部割込要求レジスタ)の値を所定値(たとえば80(H))に更新するレジスタ値更新手段(たとえば、払出制御用CPU659の内部機構によって行なわれる外部割込要求レジスタのビットのセット)と、
該レジスタ値更新手段により前記特定レジスタの値が所定値に更新されたことを条件に、割込処理(たとえば、賞球REQ割込処理)を実行する割込処理実行手段(たとえば、払出制御用CPU659の内部機構と、払出制御手段のうち賞球REQ割込処理を実行する部分とで実現される)と、
前記割込処理実行手段による割込処理の実行を禁止する割込禁止状態に移行する割込禁止手段(たとえば、プログラムによる割込禁止命令の実行(たとえばステップS701)に基づいて割込の発生を禁止する払出制御用CPU659の内部機構)と、
前記レジスタ値更新手段により前記特定レジスタの値が所定値であるか否かを確認するレジスタ値確認手段(たとえば、ステップS721の処理を実行する部分、払出制御用CPU659の内部機構)と、
遊技機への電力供給に応じて、前記割込禁止手段により前記割込禁止状態に移行し、かつ、前記起動信号の取込信号の出力に基づいて前記レジスタ値更新手段により前記特定レジスタの値が更新され、前記レジスタ値確認手段により前記特定レジスタの値が所定値であることが確認されたとき(たとえば、ステップS721の処理においてYESと判断されたとき)に、前記起動信号出力手段から出力された前記起動信号を受信する起動信号受信手段(たとえば、ステップS725の処理を実行する部分)と、
該起動信号受信手段が前記起動信号を受信したこと(たとえば、ステップS726の処理においてYESと判断されること)を条件に、前記初期化操作手段から前記初期化信号が出力されているか否かを確認する払出制御用初期化信号確認手段(たとえば、ステップS708の処理を実行する部分)と、
該払出制御用初期化信号確認手段により前記初期化信号が出力されていないことが確認された(たとえば、ステップS708の処理においてNOと判断された)ことを条件に、前記払出制御用記憶手段に保存されている未払出数データに基づいて払出を可能にする払出制御側復旧処理を実行する払出制御側復旧手段(たとえば、ステップS711の処理を実行する部分)と、
前記払出制御用初期化信号確認手段により前記初期化信号が出力されていることが確認された(たとえば、ステップS708の処理においてYESと判断された)ときに、前記払出制御用記憶手段に保存されている未払出数データを初期化させる払出制御側初期化処理を実行する払出制御側初期化手段(たとえば、ステップS712の処理を実行する部分)と、
前記払出制御側復旧手段により前記払出制御側復旧処理が行なわれた後、または前記払出制御側初期化手段により前記払出制御側初期化処理が行なわれた後に、前記割込処理の実行を許可する割込許可状態に制御する割込許可手段(たとえば、ステップS717の処理を実行する部分)と、
該割込許可手段により前記割込許可状態に制御され、前記払出数信号の取込信号の出力に基づいて実行される前記割込処理において、前記払出数信号出力手段により出力された前記払出数信号を受信する払出数信号受信手段(たとえば、ステップS545aの処理を実行する部分)と、
該払出数信号受信手段が受信した払出数信号によって指定された景品遊技媒体の払出数を前記払出制御用記憶手段に記憶された未払出数データに加算する未払出数データ加算手段(たとえば、ステップS545bの処理を実行する部分)と、
前記未払出数データによって示されている未払出の景品遊技媒体を前記払出手段に払出させる制御を行なう景品遊技媒体払出制御手段(たとえば払出制御手段におけるステップS756の処理を実行する部分)と、をさらに含む。
このような構成によれば、遊技機に対する電力供給が開始されたときにおいて、遊技制御用初期化信号確認手段による確認が行なわれる前に、払出制御用マイクロコンピュータに起動信号と取込信号とが入力される。そして、割込禁止状態中に起動信号を受信したことを条件として、払出制御用初期化信号確認手段による確認が行なわれる。これにより、遊技制御用初期化信号確認手段による確認が行なわれるタイミングと払出制御用初期化信号確認手段による確認が行なわれるタイミングとが同期するため、遊技制御側復旧処理が行なわれたときに払出制御側復旧処理を行なうことができ、遊技制御側初期化処理が行なわれたときに払出制御側初期化処理を行なうことができる。よって、たとえば、一方のマイクロコンピュータにおける記憶手段の内容が初期化されたにも関わらず他方のマイクロコンピュータにおける記憶手段の内容が初期化されないという状況の発生を防止でき、初期化操作手段の操作に基づいて遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータにおける各記憶手段の内容を確実に初期化できる。同様に、一方のマイクロコンピュータにおける記憶手段の内容が復旧されたにも関わらず他方のマイクロコンピュータにおける記憶手段の内容が復旧されないという状況の発生を防止でき、遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータにおける各記憶手段の内容を確実に復旧できる。
また、起動信号は、割込禁止状態中に、特定レジスタの値が所定値であることが確認されたときに受信される。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータにおける復旧処理または初期化処理が行なわれる前の処理を確実に実行することができる。起動信号を受信するための割込処理に起因して遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータにおける復旧処理または初期化処理が実行されるまでの処理が正常に実行されないという不具合も生じない。
また、遊技制御用マイクロコンピュータは、遊技制御側復旧処理が行なわれたときに、復旧コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに出力し、復旧処理が行なわれた旨を報知させることができる。これにより、遊技者や遊技場管理者等は、復旧処理が行なわれた旨を容易に認識することができる。
(2) 前記遊技制御用マイクロコンピュータは、前記起動信号出力手段により前記起動信号の取込信号が出力される前に所定時間(たとえば、(初期化ウェイト回数指定値1)×(初期化ウェイト回数指定値2)×(ステップS83,S84の処理時間)等)の経過を計測するための遊技制御側時間計測手段(たとえば、ステップS81〜S86の処理を実行する部分)をさらに含み、
前記起動信号出力手段は、前記遊技制御側時間計測手段により所定時間を経過したことが計測された後に前記起動信号の取込信号を出力する(たとえば、ステップS86においてYESと判断された後にステップS5の処理を実行する)。
このような構成によれば、遊技制御側時間計測手段により所定時間を経過したことが計測された後に起動信号の取込信号が出力されるため、起動信号受信手段により起動信号を確実に受信することができる。たとえば、払出制御用マイクロコンピュータが立ち上がる前に起動信号および取込信号が出力され、当該信号を受信できないといった不都合の発生を防止することができる。
(3) 前記レジスタ値確認手段は、前記割込禁止手段により前記割込禁止状態に移行しているときに、前記起動信号の取込信号の出力に基づいて前記レジスタ値更新手段により前記特定レジスタの値が更新されるまで(たとえば、ステップS721の処理においてYESと判断されるまで)、前記特定レジスタの値が所定値であるか否かを繰り返し確認する(たとえば、ステップS723の処理においてNOと判断されS721が繰り返し実行される)。
(4) 前記払出制御用マイクロコンピュータは、前記割込禁止手段により前記割込禁止状態に移行しているときに、前記レジスタ値確認手段により前記特定レジスタの値が所定値でないことが確認された(たとえば、S721の処理においてNOと判断され、S723の処理においてYESと判断された)ことを条件として、前記起動信号の取込信号が出力されていない旨を報知する未確認時報知手段(たとえば、ステップS724、S714、S715、S759)をさらに含む。
(5) 前記演出制御用マイクロコンピュータから前記遊技制御用マイクロコンピュータへの信号入力を阻止する信号入力阻止手段(たとえば、単方向性回路57a)をさらに備える。
このような構成によれば、演出制御用マイクロコンピュータから遊技制御用マイクロコンピュータに信号が入力されることがないため、演出制御用マイクロコンピュータから不正信号等を遊技制御用マイクロコンピュータに入力するような不正行為を防止することができる。
このような構成によれば、演出制御用マイクロコンピュータに入力される遊技用操作信号が遊技制御用マイクロコンピュータに入力されることがないため、遊技用操作信号を利用した不正行為を防止することができる。また、遊技用操作手段の操作に応じた演出を行なうことができるため、遊技への介入度合いを向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 前記演出装置の種別(前面扉枠4に搭載されている遊技効果ランプ13a,13b,13c,16a,16b,17a,17bや、遊技盤40に搭載されている装飾ランプ32a,32b等の光を発する種別、前面枠3に搭載されているスピーカ12a,12b等の音を発する種別等)に応じた制御を行なう制御回路が搭載された周辺基板(たとえば、音声枠ランプ基板92やランプドライバ基板93等)をさらに備え、
前記演出制御用マイクロコンピュータは、前記制御回路との双方向通信によって、前記制御回路に接続された演出装置の種別に応じて、当該演出装置を制御させるためのコマンド(たとえば、ランプ制御信号や音声制御信号)を当該制御回路に出力する(図79参照)。
このような構成によれば、演出制御用マイクロコンピュータに入力される周辺基板からの信号が遊技制御用マイクロコンピュータに入力されることがないため、周辺基板からの信号を利用した不正行為を防止することができる。
このような構成によれば、演出制御用マイクロコンピュータに入力される検出信号が遊技制御用マイクロコンピュータに入力されることがないため、位置検出手段の検出結果を示す検出信号を利用した不正行為を防止することができる。また、位置判定手段により可動部材の位置が判定されるため、可動部材の動作を正確に制御することができる。
(9) 前記払出制御用マイクロコンピュータは、前記起動信号受信手段により前記起動信号を受信する前に所定時間(たとえば、(取込ウェイト指定値)×(ステップS721b,S721cの処理時間)等)の経過を計測するための払出制御側時間計測手段(たとえば、ステップS721a〜S721cの処理を実行する部分)をさらに含み、
前記起動信号受信手段は、前記払出制御側時間計測手段により所定時間を経過したことが計測された後に、前記起動信号出力手段から出力された前記起動信号を受信する(たとえば、ステップS721cにおいてYESと判断された後にステップS725の処理を実行する)。
このような構成によれば、特定レジスタの値が所定値であることが確認されてから、払出制御側時間計測手段により所定時間を経過したことが計測された後に起動信号が受信されるため、取込信号は出力されているが未だ起動信号が出力されていないために、その後に出力された起動信号を受信できない不都合の発生を未然に防止することができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施の形態においては、遊技機の一例として弾球遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機およびスロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技媒体を用いて遊技が可能であり、遊技により払出条件が成立したことに基づいて景品として景品遊技媒体を払出す遊技機であればどのような遊技機にも適用可能である。なお、以下の説明においては、弾球遊技機1の遊技者側を表,表面,前面,前方で表わし、弾球遊技機1を挟んで遊技者と反対側を裏,裏面,後面,後方,奥,背面で示す。まず、図1および図2を参照して実施形態に係る弾球遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る弾球遊技機1の正面図であり、図2は、弾球遊技機1の背面図である。
弾球遊技機1は、図1および図2に示すように、縦長な方形状に枠組み形成される外枠2と、該外枠2の一側に開閉自在に軸支され且つ弾球遊技機1の主要構成部のほぼすべてが集約して設けられる前面枠3と、該前面枠3の前面上部に開閉自在に設けられる前面扉枠(ガラス枠)4と、前面枠3の前面下部に開閉自在に設けられる上皿開閉枠11と、から構成されている。また、前面枠3に設けられる主要構成部としては、上記した前面扉枠4、遊技盤40、下皿27、灰皿ユニット29、操作ハンドル30、機構板140、打球発射装置130がある。なお、図示はしていないが、弾球遊技機1の側方に遊技者に遊技球を貸し出す(球貸しする)ためのカードユニット装置731(図23参照)が付設される。
前面扉枠4には、図3を用いて後述する遊技盤40の遊技領域41をほぼ透視し得る遊技開口としての円形透視窓5が開設され、該円形透視窓5の裏面から複層ガラス板が装着されるようになっている。この円形透視窓5および複層ガラス板は、いずれも縦長な円形状に形成されるものである。前面扉枠4は、ガタつきを防止するために、後方に向かって補強周枠リブ199が外周に沿って立設された金属製の枠基体4a(図10等参照)に種々の部材が装着されて構成されている。枠基体4aには、円形透視窓5用の開口が開設されており、当該開口に沿って、上部に装飾部材としての上部装飾ユニット22が、左側方に被覆部材としての左装飾ユニット23aが、右側方に被覆部材としての右装飾ユニット24aが、下部に装飾カバー部材としての下部装飾カバー部材31が装着される。上部装飾ユニット22の内部に、発光部材としての遊技効果ランプ13a,13b,13cが臨むように前面扉枠4の前面側に備えられ、左装飾ユニット23aおよび右装飾ユニット24aの内部に、それぞれ発光部材としての遊技効果ランプ16aおよび遊技効果ランプ17aが臨むように前面扉枠4の前面側に備えられている。この遊技効果ランプ13a,13b,13c,16a,17aは、遊技状態に応じて点灯又は点滅されるものであり、特別の遊技状態の発生時や継続時を遊技者に報知すると共に遊技の雰囲気を盛り上げるものである。なお、前面扉枠4の透視窓5の下方に位置する上皿開閉枠11には、前面枠扉4と上皿開閉枠11とを閉じた状態にしたときに、左装飾ユニット23aと連なる下方位置に左装飾ユニット23bが、右装飾ユニット24aと連なる下方位置に右装飾ユニット24bが、左右側方に設けられている。左装飾ユニット23bおよび右装飾ユニット24bの内部に、それぞれ発光部材としての遊技効果ランプ16bおよび遊技効果ランプ17bが臨むように上皿開閉枠11の前面側に備えられ、遊技状態に応じて点灯又は点滅させ、特別の遊技状態の発生時や継続時を遊技者に報知すると共に遊技の雰囲気を盛り上げることができる。
また、上部装飾ユニット22の左右に、遊技の進行に応じた効果音(音声なども含む)を発生するスピーカ12a,12bが前面扉枠4に設けられている。なお、スピーカ12a,12bは、玉の貸出異常が生じたとき、あるいは玉の貸出時(例えば、100円相当の玉が払出される毎)に、その旨を報知する報知音も発生するようにしてもよい。また、左装飾ユニット23aの上部右側方に、入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球が払出されたことを報知する遊技関連情報発光部材としての賞球LED10(なお、賞球未払出分がある場合に報知するものでもよい。具体的には、賞球未払出があるときは点灯し、賞球未払出がないときは消灯するなど)が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられ、右装飾ユニット24aの上部左側方に、払出すべく賞球が不足したこと(後述する球切れスイッチ157により球切れを検出したとき)を報知する遊技関連情報発光部材としての球切れLED9が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられている。この賞球LED10および球切れLED9は、弾球遊技機1において行なわれる遊技演出とは別に遊技に関する情報に関連して発光する遊技関連情報発光部材であり、遊技効果ランプとは別に設けられるものであり、前面枠3の前面側に設けられている。また、円形透視窓5の下方外周に沿って設けられている下部装飾カバー部材31の右側方には、遊技盤40に貼付される証紙を視認するための透視窓18が設けられている。
上記した遊技効果ランプ13a,13b,13c,16a,16b,17a,17b,球切れLED9,および賞球LED10は、図12,図14,図15,および図17を用いて後述するように、それぞれプリント配線基板で構成されるランプ基板191a,191b,191c,192a,192b,193a,193b、球切れLED基板197、賞球LED基板198に実装されている。そして、ランプ基板191a,191b,191c,192a,192b,193a,193bは、図10等を用いて後述するように、前面扉枠4に取り付けられ、球切れLED基板197、賞球LED基板198は、図15等を用いて後述するように、前面枠3の前面側に取り付けられる。なお、遊技効果ランプ13a,13b,16a,17aは、各プリント基板にそれぞれ複数個ずつ実装され、遊技効果ランプ13c,16b,17b,球切れLED9,および賞球LED10は、各プリント基板にそれぞれ1個ずつ実装されている。そして、ランプ基板191a,191b,191c,192a,192b,193a,193bおよびスピーカ12a,12bは、後述する音声枠ランプ基板92(図23参照)に接続されている。球切れLED基板197、賞球LED基板198は、後述する払出制御基板98(図23参照)に接続されている。
次に、上皿開閉枠11に形成された上皿19の構成について説明すると、上皿19は、複数の合成樹脂製部材を組み合わせた皿部材を固着することにより構成されている。上皿19の開放側の上方には、球抜き操作レバー21が設けられている。この球抜き操作レバー21は、左右方向に移動可能に設けられ、スプリングの付勢力に抗して一方向に移動させることにより、上皿19に貯留されていた球を裏面側に形成される球抜き路(図示しない)および球抜き穴444を流下させて下皿27に誘導するものである。
上記した上皿19について、さらに詳細に説明すると、上皿19は、その上流側に形成される賞球払出口20から払出された賞球を貯留し、且つ発射位置に球を供給するものである。また、上皿19には、弾球遊技機1に隣接して設けられるカードユニット装置731(図23参照)を介して玉を借り受ける際に操作する操作部と、遊技の進行中に遊技者が操作可能な操作ボタン19aとが設けられている。
操作部は、球貸スイッチと返却スイッチと各表示LEDが実装される残高表示基板104(図23参照)からなり、該残高表示基板104が上皿19の上面に臨むように設けられている。なお、上皿19に設けられて上記した残高表示基板104から延びる上皿配線は、前面枠3の軸支側の下部に形成される配線通し開口332(図15参照)から前面枠3の裏側に引き出され、機構板140の裏面下部に取り付けられるインターフェース基板103を経由して後述する払出制御基板98に接続されている。
また、操作ボタン19aは、押圧式の検出スイッチからなり、操作ボタン19aが操作(押下)されると、図3を用いて後述するように飾り図柄表示装置44bの左方に設けられている可動部材としてのハンマ951が動作する。なお、本実施の形態においては、操作手段として押圧式の検出スイッチを説明するが、これに限らず、左右上下方向に指示可能な十字キー等、遊技者からの操作を受付けて、受付けた操作に応じた信号を出力するものであればよい。なお、操作ボタン19aは、押下されると、演出制御基板90に検出信号が入力されるように構成されている。また、上皿19の右側方には、前面扉枠4を前面枠3に対して施錠し且つ前面枠3を外枠2に対して施錠する施錠装置128を操作するためのシリンダー錠26が臨んでいる。
また、前面枠3の下部に取り付けられる下皿27は、前記上皿19から溢れた賞球であって機構板140の裏面下部に形成される余剰玉通路および接続樋等を介して排出される余剰球を貯留する余剰球貯留皿(余剰球受皿)であり、その下皿27の下方には、球抜き操作レバー28がスライド可能に取り付けられるようになっている。この球抜き操作レバー28を操作することにより、下皿27に貯留されていた玉(賞球)を下方に球抜きして持ち運び可能な球箱に移し替えることができる。また、下皿27の左側には、灰皿ユニット29が設けられ、右側には、操作ハンドル30が設けられている。操作ハンドル30は、図19に示す打球発射装置130の発射モータ601の駆動を停止させるための単発発射スイッチ109(ストップスイッチ)およびタッチリング110(タッチセンサ)に接続されるタッチ配線(図示しない)が組み付けられていると共に、弾発力を調節するものである。なお、タッチ配線は、単発発射スイッチ109からの配線と共に束ねられる。なお、図1におけるA−Aでの概略断面図は、図20に示しており、以下の説明において適時参照する。なお、図20における概略断面図は遊技盤40付近の断面図である。
弾球遊技機1に隣接して設置されるカードユニット装置731は、前記上皿19の上面に設けられる前述した球貸スイッチや返却スイッチ等の操作部を操作することにより作動されるものである。しかして、カードユニット装置731の表面側には、使用可能状態であるか否かを表示する使用可能表示器(図示しない)と、当該カードユニット装置731がいずれの側の弾球遊技機1に対応しているか否かを表示する連結台方向表示器(図示しない)と、記録媒体としての磁気カードを挿入するカード挿入口(図示しない)とが設けられている。そして、このように構成されるカードユニット装置731は、独自の制御回路によって制御されるものであるが、後述するインターフェース基板103とカードユニット配線を介して接続され、このカードユニット配線からインターフェース基板103を経由して払出制御基板98に接続されている。なお、カードユニット装置731の機能を弾球遊技機1に内蔵しても良いし、カードユニット装置731を付設せず、カードによる球貸し機能を有しない弾球遊技機でもよい。また、本実施形態においては、遊技者に玉を貸し出す(球貸しする)ためのユニット装置としてカードユニット装置を例示したが、例えば、紙幣等を挿入し得るユニット装置であっても良い。
一方、弾球遊技機1の背面には、図2に示すように、入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球を払出すための各種の機構を装備した機構板140が設けられると共に、前記操作ハンドル30に対応する裏面には、発射モータ601および打球槌600(図19参照)を有する打球発射装置130が固着され、その打球発射装置130の側方には、機構板140の余剰玉通路を流下する賞球を前記下皿27に誘導する接続樋392(図2参照)が固着されている。また、外枠2に対する前面枠3の開放側裏面には、外枠2の掛止片に対する前面枠3の施錠および前面枠3に対する前面扉枠4の施錠を行なう金属製の施錠装置128が設けられている。
上記した構成のうち、打球発射装置130には、発射制御基板107が付設されており、この発射制御基板107によって打球発射装置130が駆動制御されるようになっている。発射制御基板107は、基板ボックス640内に収容されると共に、プラ枠中継基板108を介して払出制御基板98と接続されており、所定の状態(例えば、カードユニット未接続、下皿満タン、球切れ時などのとき)となったときに払出制御基板98から払出停止信号をうけて打球の発射を行なえないようになっている。
以上で、弾球遊技機1の全体の概略構成を説明したが、以下、弾球遊技機1を構成する要素のうち、遊技盤40と、機構板140の詳細な構成について順次説明する。まず、図2,図3および図4を参照して遊技盤40について説明する。図3は、遊技盤40の拡大正面図であり、図4は、遊技盤40の拡大背面図である。
遊技盤40は、前面枠3の裏面側に一体的に形成される遊技盤収納枠部393(図16参照)に収容固定されるべく、ほぼ正方形状の合板により形成されている。合板は、導電部分としてのたとえば導電性合成樹脂による導電性板40aを含む複数の板を積層することにより形成されている(図20参照)。
遊技盤40の表面には、ステンレス鋼板を円弧状に形成した誘導レール42a,42bが取り付けられている。これにより、打球発射装置130から発射された金属製の玉は、該誘導レール42a,42b各々により形成される円形状の遊技領域41内に導かれる。誘導レール42a,42bは、金属製のレール取付金具43(図20参照)を遊技盤40に打ち込むことにより、取り付けられる。レール取付金具43は、遊技盤40を構成する導電性板40aに接するように打ち込まれる。このため、誘導レール42aと誘導レール42bとは、導電性板40aを介して、電気的に接続させることができる。なお、誘導レール42aは、遊技領域41の左下部分から右上部分までを区画形成し、誘導レール42bは、遊技領域41の右上部分から左上部分までを区画形成する。
遊技領域41には、図示の場合、特別図柄表示装置44a、飾り図柄表示装置44b、特別可変入賞球装置48、普通可変入賞球装置58、普通図柄表示装置63等が設けられると共に、単に打球を入賞とする入賞口、打球の流下方向,速度を変化せしめる風車又は多数の障害釘37a(図20参照)が設けられ、また、遊技領域41の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない打球が取り込まれるアウト口69が設けられている。なお、多数の障害釘37aは、遊技盤40を構成する導電性板40aに接するように打ち込まれる。このため、多数の障害釘37aは、導電性板40aを介して、互いに電気的に接続させることができる(図20参照)。
遊技領域41の構成をより詳細に説明すると、飾り図柄表示装置44bの左側方には、ゲートスイッチ62が内蔵された通過ゲート61が設けられている。このゲートスイッチ62は、該ゲートスイッチ62内を通過する打球を検出すると、その検出信号に基づいて特別可変入賞球装置48の右側方に備えられた普通図柄表示装置63で普通図柄を変動表示(具体的には上下2箇所で「○」「×」を交互に点灯させる)して表示結果を導出する(上下2箇所でそれぞれ「○」「×」のいずれか一方を点灯させる)。即ち、普通図柄表示装置63で「×」が点灯した場合には、普通図柄表示装置63がハズレの表示結果を導出したことになる。一方、普通図柄表示装置63で「○」が点灯した場合には、普通図柄表示装置63が当りの表示結果を導出したことになり、普通可変入賞球装置58が所定時間開放される。また、普通図柄表示装置63の変動時間は、特別図柄表示装置44aにおける大当り図柄の出現確率が高くなる確率変動モードのときに相対的に短く(例えば、3〜5秒)、確率変動モードのときと比較し特別図柄表示装置44aにおける大当り図柄の出現確率が低くなる通常確率モードのときに相対的に長く(例えば、30秒)設定されている。また、特別可変入賞球装置48の左側方には、普通図柄表示装置63の変動表示中にゲートスイッチ62を通過した打球数を記憶表示する普通図柄始動記憶LED68(最高4個まで記憶表示する)が設けられている。
また、特別図柄始動記憶LED67には、特別図柄の変動動作中に後述する始動口スイッチ60によって検出された球数を記憶表示する(最高4個まで記憶表示する)。なお、特別図柄始動記憶LED67においては、始動記憶数の上限値を一定の4個としているが、これに限らず、予め定めた所定条件の成立に伴って始動記憶数の上限値を変更可能(例えば、確変大当りした場合には、20個に増加する等)に構成してもよい。
普通可変入賞球装置58は、遊技領域41のほぼ中央に配置される飾り図柄表示装置44bと、アウト口69の上方に配置される特別可変入賞球装置48との間に配置され、ソレノイド59によって開閉駆動される電動チューリップタイプの可変入賞球装置である。そして、普通可変入賞球装置58には、始動口スイッチ60が内蔵され、開放中又は閉成中に受け入れた入賞球を検出するようになっている。しかして、打球が始動口スイッチ60によって検出されると特別図柄表示装置44aにおいて特別図柄が、飾り図柄表示装置44bにおいて飾り図柄が変動開始する。なお、普通可変入賞球装置58の開放時間は、通常確率モードのときに相対的に短く(例えば、0.5秒)、確率変動モードのときに相対的に長く(例えば、2秒)設定されている。また、普通可変入賞球装置58が開放していない場合でも、普通可変入賞球装置58の上部に設けられている始動口58aから打球を受け入れるようになっている。
特別図柄表示装置44aは、「0」〜「9」の特別図柄を変動表示する7セグメントLEDを備えた表示器である。そして、特別図柄表示装置44aの変動停止時における特別図柄が予め定めた大当り図柄(たとえば、「3」または「7」)である場合に、所定の遊技価値の付与として特定遊技状態を発生して、特別可変入賞球装置48を次に説明する所定の表示態様で開閉駆動するものである。但し、大当り図柄の一部(たとえば、「7」)は、確率変動図柄として設定され、この確率変動図柄で特定遊技状態となったときには、その特定遊技状態終了後における前記普通図柄表示装置63での普通図柄の変動時間の短縮や当り(当りの点灯)の出現確率や特別図柄表示装置44aにおける大当り図柄の出現確率が高くなる確率変動モードとなるように設定されている。
飾り図柄表示装置44bは、「0」〜「9」の飾り図柄を左・中・右において個々に変動表示する変動表示領域を備えた表示領域80が形成された液晶タイプの表示器である。この飾り図柄表示装置44bの左側には、遊技演出に用いられる可動部材としてのハンマ951が設けられている。ハンマ951は、上皿19に設けられている操作ボタン19aが操作されると、可動部951aを支点として右方向に倒れ、表示領域80に表示される飾り図柄のうち最も左側の飾り図柄を叩くような演出を行なうことができる。
飾り図柄表示装置44bで変動表示される飾り図柄とは、特別図柄表示装置44aにおける特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄をいう。所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始される関係や、特別図柄の変動表示が終了し表示結果が表示されたときに飾り図柄の変動表示が終了し表示結果が表示される関係等が含まれる。特別図柄表示装置44aの表示結果が大当り図柄の場合には、飾り図柄表示装置44bの表示結果も大当りが発生する予め定めた大当り図柄の組合せ(例えば、同一の図柄が当りラインのいずれかに揃った場合)となるように制御され、両表示結果の整合性が保たれるように制御される。なお、本実施の形態において、特別図柄始動記憶LED67、特別図柄表示装置44a、および、飾り図柄表示装置44bを含む外周には、装飾部材66が設けられる。装飾部材66の外周部は、導電性部材で形成されており、遊技盤40を構成する導電性板40aに接するように、取付ネジ66a(図20参照)により取り付けられる。このため、装飾部材66の外周部は、導電性板40aと電気的に導通される。
また、装飾部材66の上端から右側端に亘る部分には、飾り図柄表示装置44b側への玉の侵入を防止する規制フランジ部75が延設されており、該規制フランジ部75と遊技領域41の右上端から右側端を区画形成する誘導レール42bとの間には、誘導通路76が形成されている。また、遊技領域41の右上部分には、緩衝部材70(例えば、ゴム等)が設けられており、該緩衝部材70への玉の衝突によって誘導通路76内を通過する玉の勢いを弱めるようになっている。
特定遊技状態となったときに駆動制御される特別可変入賞球装置48は、ソレノイド65によって開閉駆動される開閉板49を有し、その開閉板49に受け入れられた打球を検出するカウントスイッチ52が設けられている。また、特別可変入賞球装置48内(開閉板49の内側)には、打球の検出(V入賞検出)に伴って特定遊技状態の継続権を成立させる特定球検出器51が設けられており、該特定球検出器51の上方には、一旦V入賞検出があると次に開閉板49を開放するまでは打球が特定球検出器51を通過しないようにするVシャッター(図示しない)が設けられている。このVシャッターは、ソレノイド50によって開閉駆動が行なわれる。しかして、特定遊技状態となった場合には、一定時間(例えば、28秒)が経過するまで又はその一定時間内に所定個数(例えば、10個)の入賞球が入賞するまで開閉板49を開放(以下、この開放を開放サイクルという)し、その開放サイクル中に受け入れられた打球が特定球検出器51によって検出されたときに継続権が成立して、再度上記した開放サイクルが実行され、各開放サイクルにおいて継続権が成立していることを条件に最高16回の開放サイクルを繰り返すことができるようになっている。
なお、本発明の特定遊技状態は、上記に限らず以下に示す(1)〜(5)の制御のうちいずれか1つの制御又は組み合わせた制御を実行する状態であればよい。
(1) 打球の入賞を容易にする第一の状態と、打球が入賞できない又は入賞し難い第二の状態と、に変化可能な可変入賞球装置に対して所定時間連続的又は間欠的に第一の状態にする制御
(2) 特定の入賞又は通過領域での打球の検出を介在させ、打球の入賞を容易にする第一の状態と、打球が入賞できない又は入賞し難い第二の状態と、に変化可能な可変入賞球装置に対して所定時間連続的又は間欠的に第一の状態にする制御
(3) 打球の入賞に関わらず所定数の景品球を直接排出する制御
(4) 有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御
(5) 得点があることに基づいて遊技可能な弾球遊技機に対して得点を付与する制御
また、特別可変入賞球装置48の左右には、入賞球検出器56a,56bを内蔵する通常入賞口54a,54bが設けられ、該通常入賞口54a,54b各々の外側上方には、それぞれ入賞球検出器55a,55bを内蔵する通常入賞口53a,53bが設けられている。
上記したように、打球が入賞するすべての入賞口および入賞装置には、入賞球を検出する入賞球検出器としての各スイッチ51,52,55a,55b,56a,56b,60が設けられているが、これは、これらの検出信号に基づいて所定個数の賞球を払出すために使用されるものである。なお、入賞球を検出するが、賞球を払出さないゲートスイッチ62も設けられている。しかして、これらのスイッチ(入賞球検出器)51,52,55a,55b,56a,56bは、図23に示すように、次に説明するスイッチ中継基板95を介して主基板120に接続され、主基板120では、これらの検出器からの検出信号に対応した賞球制御信号を払出制御基板98に導出する。そして、払出制御基板98は、その賞球制御信号に対応した個数を未払出数として加算し、順次賞球を払出すように後述する玉払出装置154を駆動制御するようになっている。なお、スイッチ(特定球検出器)51は、継続権の成立を検出する機能を兼用しており、スイッチ(入賞球個数検出器)52は、開閉板49の開放を規制するための計数機能を兼用している。
また、スイッチ(始動球検出器)60は、図23に示すように主基板120に直接接続されている。(ただし、他の入賞球検出器51,52,55a,55b,56a,56bによって導出される賞球制御信号は、相対的に多い個数、例えば、7個であるのに対し、始動口スイッチ60に基づく賞球制御信号は、相対的に少ない個数、例えば、4個である)これは、始動口スイッチ60からの配線を直接主基板120に接続することにより、その途中に不正な回路基板を組み込んだ配線(ぶら下がり基板等と称されている)が接続されているか否かの発見を容易にするためである。そして、前述したスイッチの場合と同様に、所定個数の賞球を払出す制御が行なわれる。また、始動口スイッチ60と主基板120とを直接接続する配線は、他の配線の色と明らかに異なる色(本実施形態の場合には、ピンクと黄の蛍光色)としたので、この点からも始動口スイッチ60からの配線に不正が行なわれているか否かを見分け易い。さらに、その始動口スイッチ60と主基板120とを接続する配線を遊技機裏面側から見て視認できるようにしているので、より不正を発見し易い。なお、スイッチ(始動球検出器)60は、特別図柄表示装置44aおよび飾り図柄表示装置44bにおいて変動表示をさせるための始動機能を兼用している。また、遊技盤40には、装飾効果を高めるための装飾ランプ32a,32bが複数備えられている。
遊技盤40には、上記したようにスイッチやソレノイド、あるいは装飾ランプ等が多数設けられるが、これらは、音声枠ランプ基板92および演出制御基板90や、あるいはスイッチ中継基板95を介して主基板120に接続されるようになっている。即ち、図23に示すように、遊技盤40に設けられる各スイッチ51,52,55a,55b,56a,56b,62および各ソレノイド50,59,65は、スイッチ中継基板95を介して主基板120に接続され、遊技盤40に設けられる装飾ランプ32a,32bは、ランプドライバ基板93,音声枠ランプ基板92および演出制御基板90を介して主基板120に接続されている。
一方、遊技盤40の裏面には、図4に示すように、遊技盤40の裏面側の中央部分には、裏パック81aが取り付けられている。裏パック81aの中央には、飾り図柄表示装置44bが臨む開口(図示しない)が形成されており、この裏パック81aに対して、飾り図柄表示装置44bと、当該飾り図柄表示装置44bを収容するための液晶ボックス81bとが取り付けられている。本実施の形態における飾り図柄表示装置44bは、インバータ基板88と、液晶中継基板91a,91bとを含むように構成されている。液晶中継基板91aは、演出制御基板90から液晶中継基板91bおよびインバータ基板88へ送信される信号を中継する。液晶中継基板91bは、液晶中継基板91aから飾り図柄表示装置44bへ送信される信号を中継する。インバータ基板88は、液晶中継基板91aからの情報信号の種類に応じて、飾り図柄表示装置44bに備えられたバックライトを制御するものである。
また、液晶ボックス81bの後面には、演出制御基板ボックス125が直接取り付けられる。この演出制御基板ボックス125内には、ランプドライバ基板93と、音声枠ランプ基板92と、演出制御基板90とが収容して取り付けられている。液晶ボックス81bの後面には、演出制御基板ボックス125に形成された係合片(図示しない)が係合するスライド穴(図示しない)と、演出制御基板ボックス125を固定するための係止片125aとが形成されている。しかして、演出制御基板ボックス125の係合片をスライド穴に挿入させた後、演出制御基板ボックス125を下方にスライドさせることにより、係止片125aが演出制御基板ボックス125の上面に係止され、これによって、演出制御基板ボックス125が液晶ボックス81bの後面に止着される。なお、係止片125aを撓ませて、演出制御基板ボックス125を上方にスライドさせることにより、取り外すことができる。なお、玉払出装置154の構造については、図6および図7を参照して後述する。
ランプドライバ基板93は、遊技盤40に設けられる装飾ランプ32a,32bの点灯状態を制御するためのランプ中継基板89と音声枠ランプ基板92との接続を中継するものである。音声枠ランプ基板92は、遊技盤40に設けられる装飾ランプ32a,32b、および前面枠3や前面扉枠4等に設けられる遊技効果ランプ13a,13b,13c,16a,16b,17a,17b、スピーカ12a,12b等を主基板120からの情報信号に応じて一括して駆動制御するものである。また、音声枠ランプ基板92には、音量を切り替える音量切替スイッチ127が設けられている。
演出制御基板90は、飾り図柄表示装置44bの変動表示動作を主基板120からの情報信号の種類に応じて駆動制御するものであり、さらに、音声枠ランプ基板92との情報信号のやり取りを行なうものである。
演出制御基板ボックス125のカバー表面には、凹部が形成されている。凹部には周辺電源中継基板47と周辺コマンド中継基板57とが収容され、その上からカバー部材125bが取り付けられている。なお、カバー部材125bを取り付けたときには、当該カバー部材125bの面と演出制御基板ボックス125のカバーの面とが揃うように形成されている。周辺電源中継基板47は、音声枠ランプ基板92へ供給する電力を中継するものである。周辺コマンド中継基板57は、演出制御基板90へ出力する情報信号を中継するものである。
また、裏パック81aの下方には、遊技盤40に設けられる各入賞口から入賞した入賞球を誘導する入賞球誘導路(図示しない)がその前面に形成される入賞球誘導カバー体82が取り付けられている。
入賞球誘導カバー体82の後面には、図柄基板ボックス126が取り付けられる。この図柄基板ボックス126内には、特別図柄および特別図柄記憶基板85、普通図柄基板86、普通図柄記憶基板87、図柄中継基板84、ランプ中継基板89、および、スイッチ中継基板95とが収容して取り付けられている。
特別図柄および特別図柄記憶基板85は、主基板120からの情報信号に応じて、特別図柄表示装置44aの表示状態と、特別図柄始動記憶LED67を制御するためのものである。
普通図柄基板86は、主基板120からの情報信号に応じて、普通図柄表示装置63の表示状態を制御するためのものである。普通図柄記憶基板87は、主基板120からの情報信号に応じて、普通図柄始動記憶LED68を制御するためのものである。
図柄中継基板84は、主基板120から特別図柄および特別図柄記憶基板85、普通図柄基板86、および、普通図柄記憶基板87へ送信される信号を中継する。ランプ中継基板89は、ランプドライバ基板93から装飾ランプ32a,32bへ送信される信号を中継する。
スイッチ中継基板95は、前述したように、遊技盤40に設けられる各スイッチ51,52,55a,55b,56a,56b,62および各ソレノイド50,59,65と主基板120との接続を中継するものである。
図柄基板ボックス126の後面には、左側でヒンジ結合され、開閉自在となるように主基板取付ベース135が設けられており、当該主基板取付ベース135に主基板ボックス136が取り付けられている。このように構成したため、主基板ボックス136を開閉することができ、入賞球誘導カバー体82内に設けられている特別可変入賞球装置48等のメンテナンスを行ないやすくすることができる。主基板ボックス136内には、主基板120が収容して取り付けられている。本実施の形態においては、主基板120が、遊技盤40に取り付けられているため、新しい遊技盤に取り替えるときに、遊技盤自体を取り替えることにより、併せて主基板120を取り替えることができる。
ここで、主基板ボックス136の構造について説明する。主基板ボックス136は、主基板120を取り付けるための主基板ボックスベース136aと、主基板ボックスカバー136bと、主基板ボックスベース136aに主基板ボックスカバー136bを固く密着させるカシメネジ136cと、カシメキャップ136dとから構成されている。主基板ボックス136は、主基板ボックスベース136aに主基板ボックスカバー136bを被せて、左右に設けられたカシメ部136eにカシメネジ136cを差し込み螺着し、その上からカシメキャップ136dで封止することにより、カシメ部136eを切断しない限り、開封できないように構成されている。これにより、カシメ部136eが切断されているか否かにより、主基板ボックス136が開封されたか否かを容易に判断することができる。
裏パック81aの右上方には、中継基板取付ボックス383が取り付けられている。中継基板取付ボックス383内には、枠ランプ中継基板99aが収容して取り付けられている。中継基板取付ボックス383の後面には、盤用外部端子板96が取り付けられている。この盤用外部端子板96は、弾球遊技機1の営業管理上必要な遊技情報(例えば、大当り遊技状態中である旨を報知する大当り1情報、確率変動図柄で大当り遊技状態となり、その大当り状態中およびその大当りによる確率変動中である旨を報知する大当り2情報(大当り中と確率変動中に出力され続ける信号)、確率変動図柄による大当り状態終了後の確率変動中である旨を報知する確率変動情報、始動球検出器をONした打球の数を報知する始動口情報、特別変動表示装置の変動動作回数を報知する図柄確定回数1情報、普通変動表示装置の変動動作回数を報知する図柄確定回数2情報、および普通可変入賞球装置の開閉回数を報知する役物回数2情報等)を遊技場に設置される管理コンピュータに出力するための外部接続端子(図示しない)を有し、これらの情報が主基板120から与えられるようになっている。更に、どの図柄で大当りしたか、どの図柄で停止したか等の情報を出力するようにしてもよい。
以上、遊技盤40の構成について詳細に説明してきたが、上記のように構成される遊技盤40は、図16に示すように、前面枠3の裏面側に形成される遊技盤収納枠部393に収納固定されるようになっている。遊技盤収納枠部393は、周知のように、ほぼ正方形状に構成される遊技盤40を収容するように前面枠3の裏面に段差状に形成され、収容した遊技盤40の裏面を押圧固定するための遊技盤係止レバー366が遊技盤収納枠部393の左側方および右側方各々に2箇所ずつ取り付けられている。なお、遊技盤係止レバー366の取付位置は、このような位置に限られるものではなく、適宜箇所に設けられるものであればよい。また、遊技盤収納枠部393の下方部は、平板状の支持板となって遊技盤40の下辺を載置するようになっており、その支持板のほぼ中央にアウト球を誘導するアウト球連通口333が形成されている。また、遊技盤40を遊技盤係止レバー366によって収容固定した状態においては、その裏面から機構板140が被覆されることとなるが、その機構板140は、遊技盤収納枠部393の一側側面上下に固定されるプラ枠ヒンジ金具314の上に突設される軸ピン315に機構板140の一側に固定される補強ヒンジ部材176の掛止穴177a(図5参照)を係止することにより、開閉自在に軸支され、また、遊技盤収納枠部393の適宜位置に植立される機構板固定用突起364を、機構板140に設けられる機構板係止用部材167の貫通孔に通して、当該機構板係止用部材167をスライドさせることにより、機構板140を閉じた状態で保持することができるようになっている。このように、本実施の形態においては、機構板係止用部材167を設けてスライド式を採用したため、機構板係止用部材167が外枠2の内壁に接触することがない。これにより、たとえば、機構板係止レバーを設けたレバー式を採用した従来のものと比較し、機構板140を閉じるときに、機構板係止用部材167が破損する不都合を未然に防止することができる。なお、機構板140は、前面枠3に対して固定されて開閉できないものであってもよい。
次に、弾球遊技機1の背面に設けられる機構板140の構成について図2および図5を参照して説明する。図5は、機構板140の分解斜視図である。図2および図5において、機構板140は、主として賞球を貯留する賞球タンク147と該賞球タンク147に貯留された賞球を下流側に整列しながら誘導する玉整列レール部材148が設けられる上部構成部と、カーブレール部を有しカーブレール部からの球を誘導する玉通路カバー部材156と入賞に基づく賞球を払出す玉払出装置154(本実施形態では、貸球も払出すが、賞球のみ払出すものでもよい)とが設けられる中間構成部と、主として遊技盤40に打ち込まれた入賞球を含む打球を処理するための構成、および賞球を上皿19および下皿27に導くための構成が設けられる下部構成部と、が開口窓146を構成するように機構板主体141上に一体的に形成されている。機構板主体141は、機構板主体141のそれぞれ上部および右側部(弾球遊技機1の背面側から見て),左側部(弾球遊技機1の背面側から見て),および下部をそれぞれ構成する上部板142,左側板143および下部板144を取付ネジ141aによって連結することにより構成されている。本実施の形態における上部板142,左側板143および下部板144は、耐磨耗性を向上させるために、緑色の顔料がねり込まれた緑色透明のポリカーボネート樹脂で成形されている。透明色を緑色透明としているが、着色しない透明の場合、黄ばんだ透明色になってしまい美観が損なわれるため(タバコのヤニなどで汚れたような感じになってしまう)、緑色透明とすることでその点を解消している。
また、機構板140の強度を高めるために開口窓146の軸支側に上部構成部と下部構成部とに亘って取り付けられる補強ヒンジ部材176が取付ネジ176aによって取り付けられている。補強ヒンジ部材176は、金属からなると共に、その上下両端に折曲形成された取付片177の掛止穴177aにプラ枠ヒンジ金具314の軸ピン315(図16参照)が係止されることで、機構板140を前面枠3に対して開閉自在に軸支するようになっている。
本実施の形態においては、補強ヒンジ部材176が接地線を介して接地される。たとえば、補強ヒンジ部材176が、遊技場に設けられている接地コンセントに接地線を介して接地される構成であってもよい。また、一般に、カードユニット装置731は接地線を介して接地されているので、カードユニット装置731のFG(フレームグラウンド)端子に接地線を介して接続する構成であってもよい。以下、説明するように、遊技機に取り付けられている各種導電性機器は、補強ヒンジ部材176に電気的に接続されることにより、接地される。
次に、機構板140の構成について、各構成部毎に説明する。まず、上部構成部には、多量の賞球を貯留する賞球タンク147と、該賞球タンク147から供給される賞球を仕切壁178によって複数列(本実施形態の場合、2列)に整列して流下させる玉整列レール部材148と、該玉整列レール部材148によって誘導された賞球を後述する玉払出装置154に向けて左右方向から上下方向へ方向転換するカーブレール部の上方に設けられた枠用外部端子板102とがそれぞれ上部板142の所定の位置に設けられている。
賞球タンク147は、その左右両側に突設された取付片164によって上部板142の上端側に突設された取付ボス179に取付ネジ164aで取り付けられるようになっている。また、賞球タンク147は、カーボンを8重量%含有したABS樹脂(導電性合成樹脂)により上面が開放したボックス状に形成されると共に、傾斜して底面165が形成されている。賞球タンク147は、補強ヒンジ部材176と配線接続されており、接地される。遊技店において、玉は遊技機設置島に設けられている補給路を通ってから遊技機の賞球タンク147に補給されるので、賞球タンク147に補給される前に既に玉が帯電していることが多い。しかし、賞球タンク147が、カーボンを含有する導電性合成樹脂で形成され、かつ、補強ヒンジ部材176を介して接地されているので、賞球タンク147に貯留された玉の電荷はアース側に逃げ帯電が解消される。
賞球タンク147の下流側に配置される玉整列レール部材148は、上部構成部の一端から他端に向けて傾斜状に取付ボス180に取付ネジ148aで取り付けられ、その内部中央に仕切壁178が立設されている。この仕切壁178は、賞球タンク147の落下口から流出した賞球を下流に向かうにしたがって確実に2列に整列させるために徐々に高く形成されている。玉整列レール部材148は、カーボンを8重量%含有したABS樹脂により形成されている。また、玉整列レール部材148の上方中央には、接続孔148bが設けられており、前述した賞球タンク147の右下方に設けられた取付片147aを間に挟み込み、取付ネジ148cで取り付けられるように構成されている。これにより、玉整列レール部材148と賞球タンク147とは、玉整列レール部材148の接続孔148bと賞球タンク147の取付片147aとが直接接触することにより、電気的に導通させることができる。
また、玉整列レール部材148の下流側上部には、球ならし部材149が取付ボス181を支点として取付ネジ149aによって揺動自在に垂下され、玉整列レール部材148上を上下2段となって流下する球を球ならし部材149に埋設される重錘(符号なし)の作用によって1段とするようになっている。
上記した玉整列レール部材148の下流側上部には、外部との信号線が接続される外部接続端子を有する枠用外部端子板102が取り付けられる。枠用外部端子板102の取付部分は、凹んでおり、ハンダ面の突出部分が接触しないように形成されている。枠用外部端子板102に設けられる外部接続端子としては、外部(例えば、管理コンピュータ)と弾球遊技機1との間の信号線を接続するコネクタとして、賞球数を出力するためのコネクタと、第1・第2ドア開放スイッチ111,112からの信号を出力するためのコネクタとが設けられている。また、枠用外部端子板102の側方には、枠用外部端子板102が接続される外部の情報を記す外部情報シール183が貼付して設けられている。
上部板142に位置する上部構成部には、上記した構成以外に、上記した賞球タンク147の左上部および枠用外部端子板102の上部に対応する位置の取付ボス184に機構板係止用部材167が取付ネジ167aによって左右方向にスライド自在に支持されて設けられている。機構板係止用部材167には、前記遊技盤収納枠部393の所定の位置に植立固定される機構板固定用突起364の先端部が通る貫通孔が形成されており、この貫通孔と機構板固定用突起364との係合を解除するようにスライドさせることにより、機構板140の遊技盤収納枠部393への固定状態を解除することができる。なお、機構板係止用部材167は、賞球タンク147の左上部および枠用外部端子板102の上部に設けられているため、機構板140の遊技盤収納枠部393への固定状態を堅固に安定化させることができるようになっている。なお、機構板係止用部材167は、下部構成部の開放端部にもう一つあり、計3つ設けられている。
また、賞球タンク147の左上部および枠用外部端子板102の右上部の機構板140の裏面には、それぞれ、第1ドア開放スイッチ111と、第2ドア開放スイッチ112とが、取付ネジ111a,112aにより設けられている。本実施の形態における第1ドア開放スイッチ111は、前面扉枠4と前面枠3とが開放したこと、および、機構板140と前面枠3とが開放したことを検出する。第2ドア開放スイッチ112は、前面枠3と外枠2とが開放したことを検出する。第1ドア開放スイッチ111および第2ドア開放スイッチ112は、枠用外部端子板102に接続されている。このように、第1ドア開放スイッチ111および第2ドア開放スイッチ112が備えられているため、外枠2,前面枠3および前面扉枠4の開放状態を外部装置等によって確認することができる。なお、この第1ドア開放スイッチ111および第2ドア開放スイッチ112の配線は、枠ランプ中継基板99aに接続された後、音声枠ランプ基板92に接続され、演出制御基板90を経由して主基板120に接続するようにし、そして、主基板120からの情報信号に基づいて音声枠ランプ基板92によって遊技効果ランプ等を点灯制御することにより外枠2,前面枠3および前面扉枠4の開放状態を報知するようにしてもよい。
次に、上部板142に位置する中間構成部の構成について説明する。中間構成部は、その側方に垂直状に突設される中間部補強リブ185a,185bが形成されている。また、中間構成部の表面側には、通路カバー186が取付ネジ186aによって取り付けられることにより、球が通過する球抜き通路(図示しない)が形成されている。この球抜き通路は、後述する球抜き通路下流部と連通しており、玉整列レール部材148および賞球タンク147に待機する球を誘導して弾球遊技機1の外側(弾球遊技機1を設置する島の回収樋)に導くものである。この球抜き通路への球の誘導は、玉通路カバー部材156に設けられる球抜きストッパー151を解除することにより行なわれる。この球抜きストッパー151は、球抜きレバー151aを回転させることにより、通路カバー186の上部に突設した取付ボス700を支点として回転可能に取付ネジ151bによって取り付けられている。本実施の形態においては、球抜きレバー151aを時計回りに90度回転させることにより、球抜きストッパー151を解除することができる。球抜きストッパー151が解除されると、揺動自在に取り付けられている球抜き弁152が解除され、球抜き弁152の下方から球抜き通路内へ球が誘導される。一方、球抜きレバー151aを反時計回りに90度回転させることにより、球抜きストッパー151を固定することができる。球抜きストッパー151が固定されると、球抜き弁152が固定され、球が球抜き通路に導入されない。なお、玉整列レール部材148の下流側の上部で後述する玉通路カバー部材156に突設される球ならし片161は、球ならしするためのものである。
また、中間構成部の上部には、上記した玉整列レール部材148の下流側に接続されるカーブレール部および玉通路部を有する玉通路カバー部材156が、取付ボス156aに取付ネジ156bで取り付けられる。玉通路カバー部材156のカーブレール部は、玉整列レール部材148から流下する球を前記球抜き通路あるいは、玉払出装置154に玉を誘導する玉通路188,189のいずれかに分岐するものである。カーブレール部の下流側には、玉払出装置154が配置されている。
玉通路カバー部材156は、カーボンを8重量%含有したABS樹脂により形成されている。また、玉通路カバー部材156の左上方には、取付片156cが設けられており、前述した玉整列レール部材148の右下方に設けられた取付片148dを間に挟み込み、取付ネジ156dで取り付けられるように構成されている。これにより、玉通路カバー部材156と玉整列レール部材148とは、玉通路カバー部材156の取付片156cと玉整列レール部材148の取付片148dとが直接接触することにより、電気的に導通させることができる。
玉通路カバー部材156の下流側には、球切れスイッチ157が、玉払出装置154までの間に27〜28個の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止片によって着脱自在に装着されている。この球切れスイッチ157は、サンパック中継基板101に接続されるようになっている(図2参照)。そして、球切れスイッチ157は、球を検出しなくなったときに、サンパック中継基板101を介して払出制御基板98および主基板120に信号を入力し、後に説明する玉払出装置154の払出モータ115の作動を停止して賞球の払出を不能動化させるようになっている。
また、玉通路カバー部材156の下部には、取付ネジ159aによって玉ストッパー部材159が取り付けられている。玉ストッパー部材159の構造について図8を参照して後述する。
玉ストッパー部材159は、ステンレス鋼により形成されている。これにより、玉ストッパー部材159と玉通路カバー部材156とは、直接接触することにより、電気的に導通させることができる。
また、玉通路カバー部材156には、後述する払出装置カバー168の係合穴169と係合する係止爪706が設けられている。また、係止爪706の下方両側方には、払出装置カバー168の軸支穴707が挿通される軸支突起162が突設されている。払出装置カバー168は、軸支穴707がカーブレール部材150の軸支突起162に回動自在に軸支して取り付けられ、払出装置カバー168の上方には、前記係止爪706との係合によって払出装置カバー168の開放状態を保持する係合穴169が形成されている。払出装置カバー168の下側外壁面には、玉払出装置154のケース155の取り外し作業における説明事項を記したシール187が貼付されている。
上記した玉通路カバー部材156の下方には、玉払出装置154を取り付けるための玉払出装置取付部154aが形成されている。玉払出装置取付部154aには、玉払出装置154を内部に収容するほぼ直方体形状をなすケース155に形成された係合片(図示しない)が係合するスライド穴154bと、ケース155を固定するための係止片154cとが形成されている。しかして、ケース155の係合片をスライド穴154bに挿入した後、ケース155を左側にスライドさせることにより、係止片154cがケース155の側面に係止され、これによって、ケース155が玉払出装置取付部154aに止着される。なお、係止片154cを撓ませることにより、ケース155を取り外すことができる。玉払出装置154の構造については、図6および図7を参照して後述する。
以上で、機構板140の中間構成部についての説明を終了し、次に、機構板140の下部構成部(下部板144)について説明すると、下部構成部は、図2に示すように、背面から見てその右側部分に払出制御基板98を収容する払出制御基板ボックス123が取り付けられ、背面から見てその左側部分に電源基板910を収容する電源基板ボックス122が取り付けられている。なお、払出制御基板ボックス123も、前述した主基板ボックス136の構造と同様に構成されている。すなわち、払出制御基板ボックス123は、払出制御基板ボックスベースに払出制御基板ボックスカバーを被せて、左右に設けられたカシメ部にカシメネジを差し込み螺着し、その上からカシメキャップで封止することにより、カシメ部を切断しない限り、開封できないように構成されている(いずれも図示しない)。これにより、カシメ部が切断されているか否かにより、払出制御基板ボックス123が開封されたか否かを容易に判断することができる。
払出制御基板ボックス123が取り付けられる下部構成部の前面側(機構板主体141の遊技盤40と対面する内側)には、入賞球を誘導する入賞球誘導通路(図示しない)とアウト球を誘導するアウト玉通路(図示しない)とが形成され、下部構成部の背面側(機構板主体141の外側)には、賞球通路709、連絡通路710、余剰玉通路711が形成されると共に球抜き通路下流部712も形成されている。
球抜き通路下流部712の右側方には、サンパック中継基板101を取り付ける基板取付部718が、サンパック中継基板101を囲むように形成されており、サンパック中継基板101は、この基板取付部718の内側に突設された取付ボス719に取付ネジ101aによって取り付けられる。
なお、払出制御基板ボックス123には、払出制御基板98に備えられたエラー解除スイッチ665(図24参照)のエラー内容を記したエラー表示シール735と、払出制御基板ボックス123を開封した履歴を記載するための開封履歴シール736とが貼付され、電源基板ボックス122には、電源基板910に備えられる電源部品の名称を記した部品名称シールおよびバックアップのクリア方法の手順を記した手順シール737が貼付されている。
次に、機構板140の下部構成部の背面から見て右側部分(以下、右側下部構成部という)の構成について説明する。機構板140の右側下部構成部の一側上部に賞球通路709が形成され、該賞球通路709の下端に上皿連通口713が形成されている。この上皿連通口713は、弾球遊技機1の前面に設けられる上皿19に賞球を導くものである。上皿連通口713の一側側方には、連絡通路710が形成され、その連絡通路710の下流に余剰玉通路711が接続されている。
しかして、入賞に基づく賞球が多数払出されて上皿19が賞球で満杯となり、遂には上皿連通口713に到達してさらに賞球が払出続けられたときには、賞球は、連絡通路710を介して余剰玉通路711に導かれ、その後、前記接続樋392を介して下皿27に排出される。そして、さらに賞球が払出続けられたときには、下皿27も満杯になるが、余剰玉通路711の一側側壁に設けられた満タン検知レバー714部分にまで到達すると、満タン検知レバー714が押圧されて満タンスイッチ158がONされ、玉払出装置154の払出モータ115の駆動を停止して賞球および貸球の払出動作を不能動化する。このとき、打球発射装置130の発射モータ601の駆動も停止するが、停止しないものであってもよい。満タン検知レバー714は、その上端が軸突起に軸支されて揺動自在に設けられ、その満タン検知レバー714の後方に満タンスイッチ158のアクチュエータを位置させて満タン検知レバー714の揺動動作を検出するものである。満タンスイッチ158は、その上部の止着穴715によって機構板140側の取付ボス716に取付ネジ158a止めされる。
また、上記した賞球通路709、球抜き通路下流部712、および余剰玉通路711の後面は、機構板主体141の取付ボス717に取付ネジ170a止めされる下部通路カバー体170によって覆われている。そして、満タンスイッチ158は、下部通路カバー体170に形成される開口171から挿入されて所定の位置に取付ネジ158aで固定し得るようになっている。
下部通路カバー体170の右上方には、インターフェース基板103を収容するインターフェース基板ボックス103aが、下部通路カバー体170に突設された取付ボス722に取付ネジ103bによって取り付けられている。インターフェース基板ボックス103aの下方には、インターフェース基板103と接続される配線を収容する通路である配線通路721bが形成されている。この配線通路721bの側方には、配線を押えるための配線押え721cが、下部通路カバー体170に突設された取付ボス721dに取付ネジ721eによって取り付けられている。
このインターフェース基板ボックス103aの上部には、段差部が形成されており、この段差部の前面側には、取付ネジ723aによって誘導突起部材723が取り付けられている。この誘導突起部材723は、前記上皿連通口713に臨むものである。
下部板144の余剰玉通路711の左側には、払出制御基板ボックス123に形成された係合孔123aと係合する係合片と、電源基板ボックス122に形成された係合孔(図示しない)と係合する係合片と、を有する取付レバー126が上下にスライド可能に取り付けられている。しかして、取付レバー126の上側の係合片を払出制御基板ボックス123の係合孔123aに挿入し、取付レバー126の下側の係合片を電源基板ボックス122の係合孔に挿入した後、取付レバー126を下方向にスライドさせる。これにより、払出制御基板ボックス123を下部通路カバー体170の背面側、即ち、機構板140の下部一側に止着される。また、電源基板ボックス122を下部板144左方の背面側に止着される。なお、取付レバー126を上方向にスライドさせることにより、払出制御基板ボックス123および電源基板ボックス122を取り外すことができる。なお、本実施の形態においては、電源基板ボックス122と下部板144との間に、シールド板金部材121が設けられている。これにより、電源基板ボックス122と、電源基板ボックス122の前面側に設けられている発射制御基板107や発射モータ601との間を遮ることができる。すなわち、電源基板910の電源をONにしたときに発生する磁界により、その前面側に配置される発射制御基板107や発射モータ601等が影響を受け、誤動作することや破壊することを未然に防止することができる。
電源基板ボックス122は、内部に複数の電圧の異なる電源を生成する電源基板910を収容するものである。電源基板910には、弾球遊技機1全体の電源をON・OFFするための電源スイッチ、弾球遊技機1のすべての動作をクリアするためのクリアスイッチ921(図26参照)および管ヒューズ等が実装されている。また、電源基板910は、電源コード117が接続される電源コネクタが実装されている。電源コネクタに接続される電源コード117は、前記枠用外部端子板102の側方に形成される配線通し開口166から機構板主体141の前面側に形成される配線通しに沿って左側板143側を通って機構板140の下部まで引き通され、機構板主体141に設けられる開口から機構板主体141の裏側に引き出されて電源コネクタに接続される。電源コード117によって供給される電圧は、AC24Vの電圧であり、電源基板910で生成される複数の電圧は、DC30V、DC24V、DC12V、DC5Vの4種類である。(但し、他の基板に対してAC24Vも供給する。)また、電源基板910は、主基板120および払出制御基板98の各CPUに駆動電源が供給されていない間、各基板120,98のRAMの記憶内容をバックアップ(保持)するために各基板120,98にバックアップ電源を供給するようになっている。なお、電源基板910から電源断信号が出力されることによって主基板120は、バックアップをするための処理を行なうようになっている。なお、払出制御基板98においても同様にバックアップする処理が行なわれる。主基板120および払出制御基板98におけるバックアップ処理に関しては、後で詳細に説明する。
右側下部構成部の機構板主体141の前面側(遊技盤40に当接する側)には、入賞球を誘導する入賞球誘導通路(図示しない)とアウト球を誘導するアウト玉通路(図示しない)とが形成されている。入賞球誘導通路の上方は、入賞球落下入口740となっており、前記入賞球誘導カバー体82から放出される入賞球を受け入れるようになっており、その受け入れた入賞球を入賞球誘導通路が一側側方に向かって誘導し、機構板主体141に形成された連通口(図示しない)から機構板主体141の背面側に導き、さらにその連通口から前記球抜き通路下流部712に導くようになっている。前記球抜き通路下流部712は、右側下部構成部の外周縁に沿って逆L字状に屈曲され、下部構成部のほぼ中央背面側に形成される前記余剰玉通路711の右側方に形成される合流排出通路741に最終的に合流するようになっている。したがって、入賞球落下入口740から受け入れられた入賞球は、入賞球誘導通路、連通口、球抜き通路下流部712、および合流排出通路741を介して弾球遊技機1の外部に誘導されるようになっている。なお、入賞球誘導通路は、その背面を機構板主体141で構成しているが、その前面は、前面枠3に取り付けられた後述する閉塞板386で構成されている。
また、アウト玉通路は、前記入賞球落下入口740の側方に形成される凹部742の下方に入賞球誘導通路と上下方向に重複するように形成され、その流下端の機構板主体141に連通口が開設されて下部板144の背面側に形成される合流排出通路741に連通するようになっている。なお、上記した凹部742は、遊技盤40の下部を裏面から固定するために遊技盤収納枠部393の下部ほぼ中央に取り付けられる遊技盤係止レバー366を収容するためのものである。
しかして、遊技盤40のアウト口69から取り込まれたアウト球が遊技盤40の裏面に刻設されるアウト球排出通路(図示しない)に導かれ、さらに遊技盤収納枠部393の下部の板状部分に形成されるアウト球連通口333(図16参照)を経由して上記したアウト玉通路に導かれ、連通口、合流排出通路741を通って弾球遊技機1の外部に導かれる。つまり、上記した合流排出通路741は、球抜き通路下流部712からの抜き球、アウト玉通路からのアウト球、入賞球誘導通路からの入賞球をすべて合流して弾球遊技機1の外部に誘導するものである。
次に、図6および図7を用いて、玉払出装置154の構造を説明する。図6は、玉払出装置154の斜視図であり、図7は、玉払出装置154の分解斜視図である。
玉払出装置154のケース155は、左外側のケース155aと、右外側のケース155cと、ケース155aとケース155cとの間のケース155bと、をケース155c側から取付ネジ71により組み付けられて一体となるように構成されている。これらケース155a,155b,155cは、耐磨耗性を向上させるために、ポリカーボネート樹脂で成形されている。
ケース155aと、ケース155bとの間には、カーボンを8重量%含有したABS樹脂(導電性合成樹脂)から形成された仕切板72と、シャフト73を回転軸として回転することにより玉を払出す玉払出部材74(スクリューやスプロケット等のモータによって駆動される回転部材)と、玉払出部材74が回転することにより払出された玉を検出するための払出個数カウントスイッチ116と、払出中継基板113とが設けられている。
ケース155aおよびケース155bの内側には、玉通路カバー部材156により誘導された玉を玉払出部材74まで誘導する玉供給通路部材77a,77bとが立設されている。玉供給通路部材77a,77bおよびケース155a,155bの内壁により、玉を玉払出部材74まで誘導する玉供給通路が形成されている。また、玉供給通路には、仕切板72が設けられており、左右2列の玉通路188,189各々に対応して2条の通路が形成されている。これにより、仕切板72と玉供給通路内の玉とを電気的に導通させることができる。仕切板72は、ケース155aとケース155bとを組み付けたときに、当該ケースの上部において突起した部分が形成されるように、突起部72aが設けられている。玉払出部材74は、玉供給通路から供給される玉を1個づつ区切って払出す。本実施の形態における玉払出部材74は、円盤部が形成され、該円盤部の両側面には、それぞれ玉を受け入れる間隔を保持して突設される複数(3つ)の突出部が形成されることで、各突出部の間は、玉を受け入れ誘導するための凹部として形成されている。
ケース155aおよびケース155bの内側には、さらに、玉払出部材74により払出された玉を玉排出口84まで誘導する玉誘導通路部材84a,84bが立設されている。玉誘導通路部材84a,84bおよびケース155a,155bの内壁により、玉を玉排出口84まで誘導する玉払出通路が形成されている。玉払出通路は、仕切板72は設けられず、左右2列分の幅の玉通路が中央に傾斜し、1列分の幅(玉1個が流下する幅)となる。
払出個数カウントスイッチ116は、玉排出口84に設けられており、玉払出部材74により払出される玉を検出する。これにより、払出個数カウントスイッチ116からの検出信号に基づき、玉払出装置154から実際に排出された玉の数をカウントすることができる。なお、本実施の形態における玉排出口84は、1つの排出口からなり、玉払出装置154から排出する球を貸球として払出す貸球排出口と景品球として払出す景品球排出口とを兼用した形で構成されている。払出中継基板113は、取付ネジ113aにより、ケース155bに取り付けられる。ケース155aには、払出中継基板113と配線とを接続するためのコネクタ貫通開口が形成される接続用凹部が形成されている。
次に、ケース155bと、ケース155cとの間には、玉払出部材74を回転駆動させるための払出モータ115と、当該払出モータ115からの動力を玉払出部材74に伝達するための歯車79と、玉払出装置154内の玉供給通路と払出モータ115との間に設けられた絶縁材料から形成された絶縁カバー83と、払出センサ基板114とが設けられている。
払出モータ115は、取付板115aと一体となるように構成されている。取付板115aには、取付孔115bが形成されている。ケース155bには、払出モータ115が臨む開口と、取付部115cとが形成されている。払出モータ115は、取付板115に設けられている取付孔115bに、ケース155bに設けられている取付部115cを挿入して、ケース155b内に取り付けられる。
絶縁カバー83は、玉供給通路と払出モータ115との間を遮蔽する遮蔽部83aと、払出モータ115の回転軸が臨む開口とケース155bに設けられている取付部115cに対応する取付孔とが形成された取付部83bとから構成されている。絶縁カバー83は、払出モータ115の取付板115aの上から、取付部83bに設けられている取付孔に、ケース155bに設けられている取付部115cを挿入して、ケース155b内に取り付けられる。
歯車79は、その中心に形成されている嵌合孔79aに、玉払出部材74の回転軸の一端部を嵌入させて、払出モータ115の回転軸に取り付けられている歯車と噛み合うように取り付けられる。これにより、払出モータ115からの動力を、歯車79を介して、玉払出部材74に伝達することができる。よって、払出モータ115を駆動することにより、玉払出部材74を回転させることができる。なお、歯車79の一側面には、外周に沿って複数の検出突片79bが突設されている。本実施の形態における検出突片79bは、歯車79の一側面に6個突設されている。
払出センサ基板114は、取付ネジ114aにより、ケース155cに取り付けられる。払出センサ基板114は、ケース155cに取り付けられた状態で、払出センサ基板114に備えられたモータ位置センサにより、玉の払出動作を確実に行なうために払出モータ115の停止位置(正確には、回転部材としての玉払出部材74の停止位置)を検出することができる。モータ位置センサは、歯車79の一側面に突設されている複数の検出突片79bが横切ることにより、玉払出部材74の回転位置を検出するようになっている。
なお、本実施の形態における玉払出装置154は、2条を1条に変換するようにしているが、2条(複数条)を2条(複数条)のまま払出すようにしてもよいし、2条を1条にした後に再び2条とするものでもよい。但し、本実施形態では、2条で受けるのは、払出スピードを向上するのが目的で、それを1条にするのは、カウントスイッチの数を少なくしてコストダウンを図るためである。
また、本実施の形態における玉払出装置154のケース155cの側面には、払出モータ115の回転軸が挿通する回転軸挿通穴155dが形成されている。これにより、手動で払出モータ115の回転軸を回転させることができる。よって、玉払出部材74に残存している玉を、手動で払出モータ115の回転軸を回転させることにより、取り出すことができる。
図8は、玉払出装置154を玉払出装置取付部154aに取り付ける前の状態と取り付けた後の状態とを説明するための、図2におけるB−Bでの概略断面図である。なお、図8における概略断面図は、弾球遊技機1の正面から見て左側からの玉払出装置取付部154a付近の断面図である。
玉通路カバー部材156の下流に取り付けられた玉ストッパー部材159は、玉通路188,189各々に対応して玉通路カバー部材156に穿設される挿通穴156eに挿入し玉の流下をストップさせる2つのストッパー片と玉払出装置154のケース155に当接する当接部とが一体的に形成されたストッパー部材159bと、ストッパー片が挿通穴156eに挿入する状態となるようにストッパー部材159bを付勢するバネ(図示しない)と、当該ストッパー部材159bを玉通路カバー部材156に取り付けるための取付部材159cとから構成されている。
図8(a)は、玉払出装置154を玉払出装置取付部154aに取り付ける前の状態を説明するためのB−Bでの概略断面図である。玉払出装置154を玉払出装置取付部154aに取り付けていないときには、図8(a)に示すようにストッパー部材159bのストッパー片がバネの弾性力により挿通穴156eに挿入し、流下する玉をストップさせる状態になる。すなわち、玉払出装置154の玉供給通路に玉を供給しない状態になる。
図8(b)は、玉払出装置154を玉払出装置取付部154aに取り付けているときの状態を説明するためのB−Bでの概略断面図である。玉払出装置154を玉払出装置取付部154aに取り付けているときには、図8(b)に示すように玉払出装置154の仕切板72に設けられている突起部72aに玉ストッパー部材159bの当接部が接し、バネの弾性力に反して上方に押し上げられることにより、一体に形成されている玉ストッパー部材159bのストッパー片が挿通穴から退避して、玉通路188,189を玉が流下できる状態になる。すなわち、玉払出装置154の玉供給通路に玉を供給できる状態になる。
このような玉ストッパー部材159を玉通路カバー部材156の下流に取り付けたことにより、玉払出装置154を玉払出装置取付部154aから取り外したときであっても、挿通穴156eより上流に位置する玉が零れ出ることがない。このため、たとえば、玉払出装置154を交換する場合に、球抜き操作を行ない賞球タンク147や玉整列レール部材148に貯留されている玉を全て抜きとる手間を省くことができる。
一方、玉払出装置154を玉払出装置取付部154aに取り付けたときには、玉ストッパー部材159bのストッパー片が挿通穴から退避して玉通路188,189を玉が流下できる状態になるとともに、玉ストッパー部材159と仕切板72の突起部72aとが接するため、仕切板72と玉ストッパー部材159とを電気的に導通させることができる。
図9は、機構板140に取り付けられている補強ヒンジ部材176、賞球タンク147、玉整列レール部材148、玉通路カバー部材156、玉ストッパー部材159、および、仕切板72の結線図である。
仕切板72は、カーボンを8重量%含有したABS樹脂から形成されている。玉払出装置154を玉払出装置取付部154aに取り付けたとき、図8(b)で示したように、仕切板72は、突起部72aとストッパー部材159bとが直接接触することにより、玉ストッパー部材159と電気的に接続される。
玉ストッパー部材159は、ステンレス鋼により形成されている。玉ストッパー部材159は、玉通路カバー部材156の下部に取付ネジ159aによって取り付けられるため、玉通路カバー部材156と電気的に接続される。
玉通路カバー部材156は、カーボンを8重量%含有したABS樹脂により形成されている。玉通路カバー部材156は、取付片156cと取付片148dとが直接接触することにより、玉整列レール部材148と電気的に接続される。
玉整列レール部材148は、カーボンを8重量%含有したABS樹脂により形成されている。玉整列レール部材148は、接続孔148bと取付片147aとが直接接触することにより、賞球タンク147と電気的に接続される。
賞球タンク147は、前述したように補強ヒンジ部材176と配線接続されており接地されている。
したがって、補強ヒンジ部材176、賞球タンク147、玉整列レール部材148、玉通路カバー部材156、玉ストッパー部材159、および、仕切板72の電位は、すべて同じとなり、接地レベルである。これにより、賞球タンク147、玉整列レール部材148、玉通路カバー部材156、および、仕切板72に接する玉の帯電を防止することができる。
図9に明示されているように、金属製の玉と接触可能な位置(上記の例では、賞球タンク147、玉整列レール部材148、玉通路カバー部材156、仕切板72)に導電性のABS樹脂が用いられ、間接的に接地されている。従来の静電気ノイズ対策として、玉と接触する位置に金属製のアース板を設ける方法があったが、そのような方法によると、帯電した玉がアース板と接触する際に急激に放電して、遊技機に設置されている制御基板内の電子回路に対して静電気ノイズとしての電磁妨害を与える可能性があった。しかし、上記の実施の形態のように、玉と接触可能な位置に導電性のABS樹脂を配置するように構成すれば、急激な放電の発生が緩和され、制御基板内の電子回路に対して電磁妨害を与える可能性がなくなる。例えば、カーボン含有合成樹脂の比抵抗は105〜107Ω・cm程度と金属に比べて大きいので、急激な放電が発生することはない。
次に、前面扉枠4の構成および該前面扉枠4に取り付けられる各種構成部材について、図10〜図14を参照して説明する。図10は、背面からの前面扉枠4の分解斜視図であり、図11は、背面からの枠基体4aの斜視図であり、図12は、背面からの上部装飾ユニット22の分解斜視図であり、図13は、背面からの左装飾ユニット23aおよび右装飾ユニット24aの分解斜視図であり、図14は、前面からの左装飾ユニット23aに対応して設けられる左装飾ランプ部材33,および右装飾ユニット24aに対応して設けられる右装飾ランプ部材34の分解斜視図である。
図10を参照して、前面扉枠4の構成を説明する。前面扉枠4は、金属製の枠基体4aの前面側と背面側とに種々の部材が装着されて構成されている。枠基体4aの前面側には、その上部に上部装飾ユニット22が、左側方に左装飾ユニット23aが、右側方に右装飾ユニット24aが、下部に透視窓18の前面側を被覆する透視窓被覆部材が取り付けられた下部装飾カバー部材31が、それぞれ取付ネジで取り付けられている。また、枠基体4aの背面側には、その上部左右に配線押え部材が取り付けられた上部配線カバー部材35a,35bが、左側方に左装飾ランプ部材33が、右側方に右装飾ランプ部材34が、下部に配線押え部材が取り付けられた下部配線カバー部材35cが、それぞれ取付ネジで取り付けられている。
図11を参照して、枠基体4aについて説明する。枠基体4aは、金属製の略矩形平板の外周辺を、後方に折り返して補強周枠リブ199が形成されており、ガタつきを防止できる構造になっている。
また、枠基体4aの中央には、円形透視窓5用の略円形の開口部5aが形成されている。また、枠基体4aの上部には、上部装飾ユニット22が装着可能となるように、その内部に設けられているランプ基板191a,191b,191c等の後部が挿通する後部挿通穴5bが形成されている。また、枠基体4aの上部左右には、スピーカ12a,12bが臨む開口5dが形成されており、スピーカ12a,12bから発せられる音声を前面側に通すことができるように構成されている。また、開口5dの下方には、ランプ基板191a,191b,191cからの配線を後面側に通すための配線通し穴5cが形成されている。配線通し穴5cから後面側に通された配線は、上部配線カバー部材35a,35bに取り付けられている配線押え部材により枠基体4aの左側方上部に通される。また、配線通し穴5cから内側の位置には、球切れLED9または賞球LED10が臨む開口5gが形成されており、球切れLED9または賞球LED10から発せられる光をそれぞれ前面側に通すことができるように構成されている。
また、枠基体4aの左右側方には、左装飾ランプ部材33および右装飾ランプ部材34に取り付けられている遊技効果ランプ16a,17aが臨む開口5eが形成されており、遊技効果ランプ16a,17aから発せられる光を前面側に通すことができるように構成されている。さらに、枠基体4aの下部には、下部装飾カバー部材31に形成されている透視窓18から遊技盤40に貼付された証紙を視認可能にするための証紙確認穴5fが形成されている。
また、枠基体4aには、上部装飾ユニット22、左装飾ユニット23a、右装飾ユニット24a、下部装飾カバー部材31、上部配線カバー部材35a,35b、左装飾ランプ部材33、右装飾ランプ部材34、下部配線カバー部材35cを取り付けるための取付ネジを挿通するための穴が複数形成されている。
なお、枠基体4aの軸支側の上方および下方には、前述した前面枠3の前面上部に開閉自在に装着するための、上部ヒンジ金具45と、下部ヒンジ金具46とが取り付けられる。上部ヒンジ金具45は、L字型に形成された軸支ピン45aと、軸支ピン45aの一端が挿通可能な挿通穴が設けられた軸押部材45bと、軸支ピン45aの他端を上方に付勢するスプリング45cと、軸押部材45bを枠基体4aに取り付けるための取付ネジ45dとから構成されている。そして、上部ヒンジ金具45は、通常時に、スプリング45dの付勢力により、軸支ピン45aの一端が軸押部材45bに設けられた挿通穴を貫通し、軸押部材45bの上部から突出する状態となるように、枠基体4aに取り付けられる。挿通穴から突出した軸支ピン45aの端部は、後述する枠基体上部ヒンジ311の水平部分の下面先端に穿設されている挿通穴312aに挿通される(図16参照)。下部ヒンジ金具46は、リベット46bにより枠基体4aに取り付けられる。下部ヒンジ金具46には、軸支穴46aが設けられている。そして、下部ヒンジ金具46の軸支穴46aには、後述する枠下部ヒンジ318の軸支ピン319が挿通される(図16参照)。このように、本実施の形態においては、挿通穴から突出した軸支ピン45aの端部が枠基体上部ヒンジ311の挿通穴312aに挿通され、下部ヒンジ金具46の軸支穴46aに枠下部ヒンジ318の軸支ピン319が挿通されることにより、枠基体4aは、枠基体上部ヒンジ311の挿通穴312aと枠下部ヒンジ318の軸支ピン319とを中心に、前面枠3に対して開閉自在に軸支される。
また、枠基体4a右側の上方および下方には、後述する施錠装置128の開閉枠用フック部382と係合し得る係合片を備える係合部材64が、リベット64aにより取り付けられる。これにより、シリンダー錠26を一方向に回動させることにより、開閉枠用フック部382を下動せしめて枠基体4aの裏面開放側上下に取り付けられる係合部材64の係合片との係合を解除して前面扉枠4を前面枠3から開放することができる。
次に、図12を参照して、上部装飾ユニット22について説明する。上部装飾ユニット22は、主として、ランプ基板191a,191b,191cと、ランプ基板191a,191b,191cが取り付けられる上部装飾ユニットベース22aと、ランプ基板191a,191b,191cに設けられた遊技効果ランプ13aからの光を前面側に反射する反射部材270と、遊技効果ランプ13a,13b,13cおよび反射部材270を被覆する保護カバー271と、から構成されている。
まず、反射部材270について説明する。反射部材270は、遊技効果ランプ13aが臨むランプ凹部が形成されている主領域270aと、遊技効果ランプ13b,13cやスピーカ12a,12bが臨む副領域270bとから構成されている。
主領域270aは、遊技効果ランプ13aからの光を前面側に反射し易くするために、前面側の表面全体に亘って銀メッキが施されている。また、主領域270aは、前面側の表面全体が複雑な凹凸形状をなして形成されている。表面には、半球状となるランプ凹部が遊技効果ランプ13aの個数分形成されている。そして、それぞれのランプ凹部の中央には、ランプ穴275aが穿設されており、遊技効果ランプ13aが臨むようになっている。主領域270aには、遊技効果ランプ13aが臨むランプ凹部を取り囲むように、湾曲部280が形成されている。また、この湾曲部280の左方および右方に副領域270bが形成されている。
副領域270bには、スピーカ12a,12bが臨むスピーカ穴275cが設けられており、さらに、当該スピーカ穴275cを間に挟むように遊技効果ランプ13b,13cが臨むランプ穴275bが設けられている。
次に、保護カバー271について説明する。保護カバー271は、反射部材270の主領域270aの前面をカバーする主領域カバー271aと、反射部材270の副領域270bの前面をカバーする副領域カバー271bと、副領域カバー271bを後面側に取り付けるカバーであって反射部材270を間に挟み上部装飾ユニットベース22aに取り付けるための取付カバー271cとから構成されている。
まず、主領域カバー271aは、主領域270aを視認可能な無色透明(たとえば、うすく着色したものであってもよい)で透光性を有する合成樹脂により形成されると共に、主領域270a全体を被覆する形状になっている。そして、湾曲部280に嵌め合わせる湾曲部分に取付ボス260が形成されており、湾曲部280の後面側から取付ネジ261で取り付けることができるように形成されている。主領域カバー271aの内面には、遊技効果ランプ13aからの光を前面側に拡散するための光拡散処理が施されている。本実施の形態における光拡散処理は、たとえば、主領域カバー271aの内面に施されたローレット加工あるいは、主領域カバー271aの内面に貼付された光拡散シート等である。
次に、副領域カバー271bと、取付カバー271cとについて説明する。副領域カバー271bは、副領域270bを視認可能な無色透明で透光性を有する合成樹脂により形成されている。また、副領域カバー271bは、スピーカ12a,12bから発せられる音声を前面側に通すことができるように開口部が網目状に形成された領域と、遊技効果ランプ13b,13cからの光を前面側に拡散するための光拡散処理が施されている領域とから形成されている。また、副領域カバー271bには、取付カバー271cの後面側への取付に用いる取付ネジ263が挿通する挿通穴262が形成されている。取付ネジ263を挿通穴262に挿通させて螺着することにより、副領域カバー271bは、取付カバー271cの後面側に取り付けられる。
取付カバー271cは、有色(たとえば、白色等)の合成樹脂により形成されている。取付カバー271cの後面側には、副領域カバー271bを取り付けるための取付ボス264と、当該取付カバー271cを上部装飾ユニットベース22aの前面側に取り付けるために用いられる取付ボス265と、上部装飾ユニット22を枠基体4aの前面側に取り付けるために用いられる取付ボス266とが形成されている。
次に、上部装飾ユニットベース22aについて説明する。上部装飾ユニットベース22aは、反射部材270に形成されているランプ穴275a,275b,スピーカ穴275cのそれぞれに対応する位置にランプ穴275a’,275b’,スピーカ穴275c’が形成されている。また、上部装飾ユニットベース22aの後面側には、ランプ基板191a,191b,191cを取付ネジ267により取り付けるための取付ボス268や、取付ネジ269を挿通させて取付カバー271cの取付ボス265に螺着させるための挿通穴265aが形成されている。なお、反射部材270には、取付カバー271cの取付ボス265が貫通する貫通穴265bが形成されている。
まず、上部装飾ユニットベース22aの前面側における取り付け構成について説明する。反射部材270の前面側に主領域カバー271aを取付ネジ261で取り付ける。また、取付カバー271cの後面側に副領域カバー271bを取付ネジ263で取り付ける。そして、上部装飾ユニットベース22aの前面側に、反射部材270の貫通穴265bを貫通させた取付カバー271cの取付ボス265に、取付ネジ269で螺着して組み付けられる。なお、反射部材270の後面側と、上部装飾ユニットベース22aの前面側との間に、ランプシール281が挟みこまれる。
次に、上部装飾ユニットベース22aの後面側における取り付け構成について説明する。上部装飾ユニットベース22aに形成されたランプ穴275a’,275b’に、遊技効果ランプ13a,13b,13cが挿入されるように、ランプ基板191a,191b,191cが、取付ネジ267により螺着して組み付けられる。なお、ランプ基板191aの後面側においては、当該ランプ基板191aの後部が挿通する穴が形成された基板シート282も、取付ネジ267により取り付けられる。
図13を参照して、左装飾ユニット23aおよび右装飾ユニット24aについて説明する。なお、左装飾ユニット23aおよび右装飾ユニット24aは、互いにほぼ左右対称形状であるため、左装飾ユニット23aを代表に説明する。
左装飾ユニット23aは、ベース部材となる左装飾ユニットベース231と、ランプ基板192aに設けられた遊技効果ランプ16aおよび賞球LED10からの光を前面側に反射する左反射部材232と、遊技効果ランプ16aからの光を前面側に拡散するための左光拡散部材233と、左光拡散部材233を被覆する左保護カバー234と、から構成されている。
まず、左反射部材232について説明する。左反射部材232は、遊技効果ランプ16aが臨むランプ凹部が形成されている左遊技効果ランプ領域232aと、賞球LED10が臨む賞球LED領域232bとから構成されている。
左遊技効果ランプ領域232aは、遊技効果ランプ16aからの光を前面側に反射し易くするために、前面側の表面全体に亘って銀メッキが施されている。また、左遊技効果ランプ領域232aは、前面側の表面全体が複雑な凹凸形状をなして形成されている。表面には、半球状となるランプ凹部が遊技効果ランプ16aの個数分形成されている。そして、それぞれのランプ凹部の中央には、ランプ穴232cが設けられており、遊技効果ランプ16aが臨むようになっている。一方、賞球LED領域232bには、賞球LED10が臨むランプ穴232dが設けられている。
次に、左光拡散部材233と左保護カバー234とについて説明する。左光拡散部材233および左保護カバー234は、左反射部材232を視認可能な無色透明で透光性を有する合成樹脂により形成されると共に、左遊技効果ランプ領域232aと賞球LED領域232bとを被覆する形状になっている。さらに、左光拡散部材233の表面には、遊技効果ランプ16aからの光を前面側に拡散するための光拡散処理が施されている。左保護カバー234の後面側には、当該左保護カバー234を左装飾ユニットベース231の前面側に取り付けるために用いられる取付ボス234aが形成されている。
次に、左装飾ユニットベース231について説明する。左装飾ユニットベース231は、左反射部材232に形成されているランプ穴232c,232dのそれぞれに対応する位置にランプ穴232c’,232d’が形成されている。また、左装飾ユニットベース231の後面側には、取付ネジ231aを挿通させて左保護カバー234の取付ボス234aに螺着させるための挿通穴231bや、左装飾ユニットベース231を枠基体4aの前面側に取り付けるために用いられる取付ボス231cが形成されている。なお、左反射部材232には、左装飾ユニットベース231の挿通穴231bと同様の、挿通穴231b’が形成されている。また、左光拡散部材233には、左保護カバー234の取付ボス234aが貫通する貫通穴233aが形成されている。
まず、左装飾ユニットベース231の前面側における取り付け構成について説明する。まず、左保護カバー234の取付ボス234aに左光拡散部材233の貫通穴233aを嵌め込み、さらに、左反射部材232の挿通穴231b’が合致するように、左保護カバー234と左反射部材232との間に、左光拡散部材233を挟み込み組み合わせる。そして、左装飾ユニットベース231の前面側に、左保護カバー234の取付ボス234aに、取付ネジ231aで螺着して組み付けられる。
次に、図14を参照して、左装飾ランプ部材33および右装飾ランプ部材34について説明する。なお、左装飾ランプ部材33および右装飾ランプ部材34は、互いにほぼ左右対称形状であるため、左装飾ランプ部材33を代表に説明する。
左装飾ランプ部材33は、ランプ基板192aと、ランプ基板192aの前面側に取り付けられる左基板シート194と、ランプ基板192aの後面側を保護する左基板保護カバー195と、から構成されている。
左基板保護カバー195には、ランプ基板192aの後部が挿通する後部挿通穴195aや、下方位置には取付ボス195bが設けられている。ランプ基板192aと左基板シート194との下方位置には、取付ネジ194aを挿通するための挿通穴192c,194bがそれぞれ設けられている。また、左基板シート194には、ランプ基板192aに搭載されている遊技効果ランプ16aが挿通する穴が形成されている。左装飾ランプ部材33は、左基板保護カバー195の前面側に、ランプ基板192aと左基板シート194とを入れ込んで、取付ネジ194aにより取り付けられる。一体に組み付けられた左装飾ランプ部材33は、遊技効果ランプ16aがそれぞれ対応する左装飾ユニット23aのランプ穴232cに嵌め合わせて入れ込み、後面側から取付ネジにより枠基体4aに取り付けられる。
次に、前面枠3の構成および該前面枠3に取り付けられる各種構成部材について、図15、図16を参照して説明する。図15は、前面枠3の正面からの分解斜視図であり、図16は、前面枠3の背面からの分解斜視図である。
前面枠3は、合成樹脂によって一体成型されるものであり、図15に示すように、上部の前面扉枠4に対応する透明板保持枠対応板部300と、下皿27、灰皿ユニット29、および操作ハンドル30に対応する下皿対応板部301と、から構成されている。透明板保持枠対応板部300と下皿対応板部301とは、僅かな段差をもって形成されており、また、透明板保持枠対応板部300のほぼ中央には、遊技盤40の遊技領域41が臨む開口302が開設されている。
開口302は、ほぼ円形に形成されるが、その下部一側には、遊技盤40の下部側方に貼付される各種団体の証明用の証紙が臨むための証紙用開口303となっている。また、透明板保持枠対応板部300の左上方には、スピーカ12aを取り付けるためのスピーカ取付部248aが、透明板保持枠対応板部300の右上方には、スピーカ12bを取り付けるためのスピーカ取付部248bが形成されており、このスピーカ取付部248a,248bの中央には、前面枠3の表面から裏面に向かって凹状のスピーカ開口が形成されており、表面側から取付ネジ209によってスピーカ12a,12bが取り付けられるようになっている。
前面枠3の表面側のスピーカ取付部248aの下方には、賞球LED10が実装された賞球LED基板198が取り付けられる賞球LED基板取付部219が設けられている。賞球LED基板198は、賞球基板カバー219aの筒部に賞球LED10が合致するように組み合わせて、取付ネジ198aにより賞球LED基板取付部219に取り付けられる。なお、賞球基板カバー219aには、突設した取付ボスが形成されており、配線を押えるための配線押え219bが取付ネジ219cによって取り付けられている。
また、前面枠3の表面側のスピーカ取付部248bの下方には、球切れLED9が実装された球切れLED基板197が取り付けられる球切れLED基板取付部218が形成されている。球切れLED基板197は、球切れ基板カバー218aの筒部に球切れLED9が合致するように組み合わせて、取付ネジ197aにより球切れLED基板取付部218に取り付けられる。
前板中継基板100は、スピーカ12aの右側方に位置しており、前面枠3の表面側上部に突設された基板取付ボス247に対して、取付ネジ100aによって取り付けられ、配線押え258は、下部右側方に取付ネジ258aによって取り付けられている。
また、透明板保持枠対応板部300の一側下方には、枠下部ヒンジ318を取り付けるための枠下部ヒンジ取付面317が、更に、この枠下部ヒンジ取付面317の下方には、下皿枠ヒンジ322を取り付けるための下皿枠ヒンジ取付面321が形成されている。
枠下部ヒンジ取付面317には、枠下部ヒンジ318が取り付けられる他に、枠下部ヒンジ318の後面側に枠下部ヒンジ押え318aが取付ネジ320によって取り付けられる。下皿枠ヒンジ322は、取付ネジ324によって下皿枠ヒンジ取付面321に取り付けられる。
枠下部ヒンジ318は、L字形状に折り曲げられて形成され、折り曲げられて形成された水平部分の先端には、軸支ピン319が挿通されており、この軸支ピン319には、前面扉枠4に備えられた下部ヒンジ金具46の軸支穴46aに挿通される。この軸支ピン319と、後述する金属製の枠基体上部ヒンジ311に穿設された挿通穴312aとを中心に前面扉枠4が前面枠3に対して開閉自在に軸支される。また、この軸支ピン319と、下皿枠ヒンジ322に穿設された挿通穴322aとを中心に上皿開閉枠11が前面枠3に対して開閉自在に軸支される。
一方、透明板保持枠対応板部300の下辺を除く外周には、防犯溝487が刻設されている。この防犯溝487は、前面扉枠4の補強防犯金具の防犯立片が挿入されるものであり、前面扉枠4を閉じたときに、防犯立片を防犯溝487に侵入せしめることにより、前面扉枠4と前面枠3との境目からピアノ線等の細い針金を差し込む不正を防止することができるものである。
また、開放側の防犯溝487に隣接する上下部には、フック連通穴(図示しない)が形成されている。フック連通穴は、後述する施錠装置128の開閉枠用フック部が貫通するものであり、フック連通穴から前方に突出した開閉枠用フック部が前面扉枠4の後述する係合片と係脱し得るものである。
また、開放側の透明板保持枠対応板部300の下方は、シリンダー錠装飾部材32が取り付けられる装飾部材取付面757が形成されている。装飾部材取付面757には、シリンダー錠装飾部材32を取り付けるための取付ネジ356が挿通される取付穴355が形成され、上方の取付穴355の右方には、シリンダー錠26が挿通されるシリンダー錠穴758が穿設されている。また、装飾部材取付面757に取り付けられるシリンダー錠装飾部材32にもシリンダー錠穴354が穿設されている。
ところで、上記透明板保持枠対応板部300の奥側の部分には、凹んだ状態の板状の支持板部326が形成されており、その支持板部326の一側上部に上皿流出用開口325が形成され、該上皿流出用開口325の下部前方に誘導ボックス部材342が取着されている。
また、上皿流出用開口325の上部には、防犯用リブ329aが立設され、さらに、防犯用リブ329aの手前に防犯カバー329bが取付ネジ329cにより取り付けられる。この防犯用リブ329aおよび防犯カバー329bによって囲まれた空間には、前面扉枠4が閉じた状態で前面扉枠4の賞球払出口20の裏面に止着される賞球接続樋253の後端部が侵入し得るようになっており、賞球接続樋の後端と上皿流出用開口325との間からピアノ線等の不正具を挿入させないようにしている。なお、上皿流出用開口325の後端上面には、後方に伸びる突出片部331が突設され、この突出片部331が機構板140の前記上皿連通口713内に侵入して、賞球払出口20から侵入せしめられるピアノ線等の不正具が前面枠3と機構板140との隙間から侵入しないように防止している。
一方、上皿流出用開口325の反対側の支持板部326の上部にも防犯用リブ329aが前方に向かって延設されている。この防犯用リブ329aも前面扉枠4と前面枠3の側部からの不正具の侵入を阻止するためのものである。
前面枠3の左側に立設された防犯用リブ329aの上部には、遊技盤40を前面枠3に取り付けたときに、当該遊技盤40に取り付けられている誘導レール42aと接するレール接続部材327aを取り付けるための取付孔323aが穿設されている。レール接続部材327aは、細長いステンレス鋼板をL字型にしその両先端を互いに同じ向きに折り返して形成されている。そして、レール接続部材327aは、L字の内側に折り返された側を取付孔323aに挿入して取り付けられる(図20参照)。
前面枠3の右側に立設された防犯用リブ329aの上部にも、同様に、遊技盤40を前面枠3に取り付けたときに、当該遊技盤40に取り付けられている誘導レール42bと接するレール接続部材327bを取り付けるための取付孔323bが穿設されている。レール接続部材327bは、細長いステンレス鋼板をL字型にしその両先端を互いに同じ向きに折り返して形成されている。そして、レール接続部材327bは、L字の内側に折り返された側を取付孔323bに挿入して取り付けられる(図20参照)。
また、支持板部326の前面には、誘導ボックス部材342および発射レール345がそれぞれ支持板部326に穿設された各取付穴336a,336bに取付ネジ344,351で取り付けられている。発射レール345は、前記上皿19から供給された打玉であって玉送り部材から1個ずつ供給される打球をその下流端の発射位置に載置し、打球発射装置130の打球槌600によって打ち出された打玉を遊技盤40の誘導レール42aに導くものである。なお、発射レール345の上流端と遊技盤40の誘導レール42aの下流端との間は、ファウル球口399となっており、遊技領域41に到達することなく誘導レール42を逆走した打玉が誘導ボックス部材342に導かれるようになっている。
上記した発射レール345は、玉の発射位置を形成するレール部材346と、上皿19から供給された玉を発射位置に誘導する誘導片347と、が取付基板348に取り付けられて構成されている。取付基板348には、レール部材346をビス止めするための取付ボスと、誘導片347をビス止めするための取付穴(いずれも図示しない)と、取付基板348を前記支持板部326に取付ネジ351止めするための取付穴350と、が形成されている。レール部材346は、くノ字状に折曲形成されたステンレス鋼(SUS304BA、SUS301、3/4Hなど)からなる。また、レール部材346のくノ字状の折曲部分には、打球発射装置130の打球槌600を挿通するための挿通穴(図示しない)が穿設され、その部分が球の発射位置を形成するようになっている。なお、ステンレス鋼からなるレール部材346の肉厚を薄くしてその表面に硬質クロムメッキの処理を施すようにしてもよい。こうした場合には、材料(ステンレス鋼)を薄くすることができ、コストダウンが招来できる。一方、誘導片347は、合成樹脂で形成されており、これによって供給時の球の衝撃を和らげて球を発射位置に安定させるようになっている。
また、誘導ボックス部材342は、前面扉枠4を開放したときに前記上皿流出用開口325から溢れ落ちる賞球が受け入れられる溢れ球入口397と、前記ファウル球口399と、上皿19から球抜きされた球を受け入れる抜き玉流入口398と、を有し、それぞれの入口から流入してきた球を支持板部326に形成される排出口335に取り込み、前面枠3の裏面下部に止着される接続樋392を介して下皿27に誘導するものである。なお、誘導ボックス部材342の上辺一側には、発射球誘導板343が突設され、遊技盤40の誘導レール42下流端を走行する打球が複層ガラス板に衝突しないように案内している。
また、支持板部326には、上記した誘導ボックス部材342の側方に配線通し開口332が開設されている。この配線通し開口332には、上皿19内に設けられる残高表示基板104に実装される電気部品等からの配線、および前面扉枠4に設けられる電気部品からの配線をまとめて前面枠3の裏側に導くものである。
また、支持板部326の右側方には、上皿ロック板352が取付ネジ353によって取り付けられている。この上皿ロック板352は、上皿開閉枠11を閉塞した際に、上皿ロックの係止片が係止されるものである。
また、支持板部326の上端辺は、遊技盤40を載置し得るように遊技盤40とほぼ同じ幅を有するように形成されるが、そのほぼ中央には、アウト球連通口333が形成されている。
前面枠3の透明板保持枠対応板部300の構造は、概ね上記した通りであるが、下皿対応板部301においては、そのほぼ中央に余剰球排出口338が開設され、軸支側に灰皿用凹部337が形成されている。余剰球排出口338は、下皿27に余剰の賞球を払出すための開口であり、灰皿用凹部337は、灰皿ユニット29の回動動作が行なえるようにするためのものである。なお、下皿対応板部301には、下皿を取り付けるための下皿取付穴339も多数形成されている。
一方、前面枠3の裏面構造においては、図16に示すように、遊技盤収納枠部393が合成樹脂によって一体的に成型されている。しかして、遊技盤収納枠部393は、遊技盤40を内側に収納支持し且つ固定するものであるため、遊技盤40を支持する構造および遊技盤40を正確に固定するための部品を有する。また、遊技盤収納枠部393は、遊技盤40の裏面に設けられて所定個数の景品球を払出すための各種の機構が設けられる機構板140を正確に取り付けるための部品も有する。
前面枠3の裏面の一側上方には、枠基体上部ヒンジ311を取り付けるための枠上部ヒンジ取付面305が形成されている。枠基体上部ヒンジ311は、前面枠3の裏面側から枠上部ヒンジ取付面305に取付ネジ313で螺着することにより取り付ける。
枠基体上部ヒンジ311は、コの字形状に折り曲げられて形成され、折り曲げられて形成された上側の水平部分の先端には挿通穴312が穿設されており、この挿通穴312には、外枠2の上部ヒンジ金具の軸支ピンが挿通されるものである。また、下側の水平部分の先端には挿通穴312aが穿設されており、この挿通穴312aには、前面扉枠4の上部ヒンジ金具45の軸支ピン45aが挿通されるものである。
また、前面枠3の裏面の一側下端には、取付ボス370に対し取付ネジ379によって前面枠下部ヒンジ377が取り付けられている。この前面枠下部ヒンジ377は、上記した枠基体上部ヒンジ311と共に、前面枠3を外枠2に対して開閉自在に軸支するためのものである。枠基体上部ヒンジ311の上面および前面枠下部ヒンジ377の下面が前方に突出していてその突出部に挿通穴312,378がそれぞれ形成され、その挿通穴312,378に外枠2に固着される軸支金具の軸支ピンが貫通して前面枠3が外枠2に開閉自在に軸支されるものである。
また、遊技盤収納枠部393の一側上下には、機構板140を開閉自在に軸支するためのプラ枠ヒンジ金具314が取付ボス369に取付ネジ316で強固に止着されている。なお、上方のプラ枠ヒンジ金具314は、補強金具接続部材314aの上から取付ネジ316により共締めされる。補強金具接続部材314aは、細長いステンレス鋼板をL字型にし一方の先端を外側に折り返して形成されている。
また、前面枠3の裏面の軸支側には、ガタつきを防止するために、プラ枠補強金具371a,371bが取付ネジ372a,372bで止着されるようになっている。プラ枠補強金具371aは、その上方が枠基体上部ヒンジ311と接触するように、枠基体上部ヒンジ311の上から取付ネジ372aで止着される。さらにプラ枠補強金具371aは、取付孔323aの裏側から突出しているレール接続部材327a、および、補強金具接続部材314aと接触するように、取り付けられている(図20参照)。これにより、上方のプラ枠ヒンジ金具314は、補強金具接続部材314aを介して、プラ枠補強金具371aと電気的に接続される。
前面枠3の裏面の開放側には、施錠装置128が取付ネジ391で取付ボス363に固着される。また、下方には、打球発射装置130を取り付けたときに当該打球発射装置130と接する発射装置接触部材373を取り付けるための取付部374が形成されている。発射装置接触部材373は、細長いステンレス鋼板の両先端を互いに折り返して形成されている。そして、発射装置接触部材373は、取付部374に取り付けられる。施錠装置128は、取付孔323bの裏側から突出しているレール接続部材327b、および、発射装置接触部材373と接触するように、取り付けられている。これにより、レール接続部材327bは、施錠装置128を介して、発射装置接触部材373と電気的に接続される。
なお、上記した施錠装置128は、従来から使用されているもので、シリンダー錠26を一方向に回動させることにより、前面枠用フック389を上動せしめて外枠2の側板内側上下に止着される掛止片との係合を解除して前面枠3を外枠2から開放でき、シリンダー錠26を他方向に回動させることにより、開閉枠用フック部382を下動せしめて前面扉枠4の裏面開放側上下に取り付けられる係合片との係合を解除して前面扉枠4を前面枠3から開放することができるものである。なお、施錠装置128には、外枠2に対して前面枠3を開放した状態で開閉枠用フック部の係合を解除するためのガラス枠開放レバー390がその中程に設けられている。
遊技盤収納構造においては、遊技盤40の下部は、前記支持板部326の上面に載置されると共に位置決め突起358によって位置決めされ、左右を遊技盤収納枠部393および内側当接段部752(リブ)とによって規制されることによって当接位置決めすることにより遊技盤40を正確な位置に収納されるようになっている。なお、上部位置には、外枠当接リブ362が突設されているが、この外枠当接リブ362は、外枠2と前面枠3の内側との間隔を狭くして、前面枠3の上動範囲を小さくするものであり、これによって前面枠3を外枠2に対して閉じたときにガタ付きのないようしている。
また、遊技盤40を固定するための部品として複数(4個)の遊技盤係止レバー366,753がある。遊技盤係止レバー366は、遊技盤40を遊技盤収納枠部393に隣接した位置に形成されるレバー取付穴360に装着した状態で回動することにより遊技盤40の裏面から押圧して遊技盤40を遊技盤収納枠部393内に堅固に収納支持固定するものである。一方、遊技盤係止レバー753は、前記支持板部326の押え部材取付凹部357に突設される取付ボス334に取付ネジ367で固着されるものである。押え部材取付凹部357には、遊技盤40の裏面下部を遊技盤収納枠部393に収納して支持板部326の上辺に載置した際に押圧固定するための遊技盤係止レバー366を取り付ける取付ボス334が突設形成されている。
また、機構板140を取り付けるための部品として複数(3個)の機構板固定用突起364がある。しかして、1つの機構板固定用突起364は、前記支持板部326の裏面を被覆する閉塞板386の左側方上部であって前面枠3の開放側に取付ネジ365で着脱自在に取り付けられるものである。また、他の2つの機構板固定用突起364は、開放側の上部と軸支側の上辺とに取付ネジ365で着脱自在に取り付けられる。
開放側の上部の機構板固定用突起364の右側方には、前面枠3および前面扉枠4の開閉状態に応じて第1ドア開放スイッチ111を検出させるための第1ドア開放スイッチ検出機構が設けられている。
第1ドア開放スイッチ検出機構は、前面枠3を前後方向に貫通した貫通孔376と、貫通孔376に組み合わせて挿入可能なバネ380およびスイッチ棒部材375と、カバー部材381とから構成されている。スイッチ棒部材375には、バネ380が通り抜けないようにするためのバネ止め部が形成されている。カバー部材381の中央には、スイッチ棒部材375が挿入可能な穴が形成されている。
第1ドア開放スイッチ検出機構は、貫通孔376に、バネ380、スイッチ棒部材375の順に挿入されて構成される。そして、スイッチ棒部材375をカバー部材381に形成された穴から突出させて取付ネジ384により止着される。スイッチ棒部材375は、前面枠3に対して機構板140が固定され前面枠3に対して前面扉枠4が開状態であるときに前面側に突出するように、また、前面枠3に対して前面扉枠4が閉状態であるときに後面側に突出するように、構成されている。このように構成することにより、前面枠3に対して機構板140が固定されているときであっても、前面扉枠4が開状態であるときには、第1ドア開放スイッチ111がオン状態とならない。また、前面枠3に対して前面扉枠4が閉状態であるときであっても、機構板140が前面枠3に対して固定されていないときには、第1ドア開放スイッチ111がオン状態とならない。すなわち、前面枠3に対して前面扉枠4が閉状態であり、かつ、機構板140が前面枠3に対して固定されているときにのみ、第1ドア開放スイッチ111がオン状態となるように構成されている。
なお、アウト球連絡通路359の右側方には、前面枠球抜き通路394が形成されている。前面枠球抜き通路394は、その上部が機構板140の球抜き通路に連通されると共に、その下部は、閉塞板386に形成されるアウト球出口388に連通している。
閉塞板386は、取付穴387に係止片368を係止することにより止着される。前記アウト球誘導リブが形成される部分に対応する閉塞板386には、アウト球出口388が形成されている。また、閉塞板386の右側方には、前記前面枠球抜き通路394と対応する部分に通路カバー部395が突出して形成されており、通路カバー部395の下方には、アウト球出口388に連通するように形成されている。
前面枠3の裏面構造において、上記した以外の構成として、下皿対応板部301の裏面に接続樋392(図2参照)、打球発射装置130、中継基板取付ボックス383が固着又は装着されている。
また、接続樋392は、機構板140の余剰玉通路711の下流端に臨む賞球受開口(図示しない)と、前記誘導ボックス部材342に誘導された球が排出される排出口756の裏側を覆う誘導樋部(図示しない)とが前後方向に重複状に設けられて構成されるものである。そして、余剰玉通路711に流出した余剰の賞球、および誘導ボックス部材342に受け入れられた溢れ球、ファール球、球抜き球を下皿27に誘導するものである。また、中継基板取付ボックス383は、プラ枠中継基板108を収容し、取付ネジ383aにより止着されている。
次に、上皿開閉枠11について図17を参照して説明する。図17は、上皿開閉枠11の正面からの分解斜視図である。上皿開閉枠11は、主として上皿開閉枠11のベースとなる上皿装飾部材400と、上皿装飾部材400に取り付けられる上皿19とから構成されている。上皿19は、主として有色の合成樹脂製の上皿カバー体409と有色の合成樹脂製の上皿本体420とを取付ネジ413で取り付けることにより構成されると共に、上皿装飾部材400に対して取付ネジ448で取り付けられている。
上皿本体420は、上皿装飾部材400の左側上部に形成される賞球払出口20と上皿装飾部材400の右側下部に形成される球送り部材用開口446とを連絡するように貯留部482と整列部481とを有して形成されている。また、上皿カバー体409には、その開放側の上部に球抜きレバー用開口445が開設され、この球抜きレバー用開口445から球抜き操作レバー21が臨むように取り付けられるようになっている。この球抜き操作レバー21は、レバーベース464に取り付けられる。
本実施の形態における球抜き機構は、主に、球抜き操作レバー21と、レバーベース464と、後述する整列部481の流下端底面を開閉自在に閉塞する球抜きシャッター423と、球抜き操作レバー21が押下されたときに球抜きシャッター423をスライドさせ開状態にする球抜きリンク427と、球抜き操作レバー21を上方へ付勢するスプリング466とから構成されている。そして、球抜きシャッター423は、シャッターカバー468により挟み込むようにしてレバーベース464に取り付けられる。シャッターカバー468には、球抜きシャッター423のシャッター部の一端が入り込む溝が形成されている。球抜きシャッター423は、シャッターカバー468に形成された溝に沿って、左右にスライド可能となるように構成されている。また、球抜きリンク427の一端には、球抜き軸ピン469が挿通する挿通穴427aが形成されている。そして、球抜きリンク427は、挿通穴427aに挿通された球抜き軸ピン469を回転軸として回転可能な状態で、リンクカバー467によりレバーベース464に取り付けられる。
球抜き機構は、遊技者が球抜き操作レバー21をスプリング466の付勢力に抗して押下することにより、球抜き軸ピン469を回転軸として球抜きリンク427の他端が反時計回りに回転し、球抜きリンク427に当接する球抜きシャッター423が左方向にスライドし、整列部481の流下端底面が開状態となり、球抜きされるように構成されている。一方、遊技者が球抜き操作レバー21を押下していないときには、スプリング466により、球抜き軸ピン469を回転軸として球抜きリンク427の他端が右方向に回転し、球抜きシャッター423が右方向にスライドし、整列部481の流下端底面が閉状態となるように構成されている。なお、球抜きされた球は、整列部481から上皿本体420の内部に形成される球抜き路(図示しない)を流下させ、上皿装飾部材400の下部中央に穿設される球抜き穴444から抜き玉流入口398を介して排出口335から接続樋392を介して下皿27に誘導するものである。
上記した賞球払出口20の裏面には、賞球接続樋455が取り付けられている。この賞球接続樋455は、賞球払出口20の左右外側に突設される取付ボス(図示しない)に左右の取付片456に対応させて取付ネジ459で止着するものである。
また、上記した球送り部材用開口446には、揺動部材472を有する球送り部材470が臨むようになっている。この球送り部材470は、その左右部に一体的に形成される嵌合取付ボス471を上皿本体420の下流端に形成される取付ボス421に嵌合させて取り付け、球送り部材用開口446の近傍に突設される取付ボス(図示しない)に取付ネジ475によって揺動自在に止着される止め金473によってその背面が押圧されて脱落しないように取り付けられるものである。しかして、球送り部材470は、整列部481から供給される打球を受け入れ、後に詳述する打球発射装置130の打球槌600の往復動作に連動して揺動する揺動部材472の動作に応じて打球を1個ずつ発射レール345の発射位置に供給するものである。
また、前述したように、上皿装飾部材400の左側方に被覆部材としての左装飾ユニット23bが、右側方に被覆部材としての右装飾ユニット24bが、装着される。そして、左装飾ユニット23bおよび右装飾ユニット24bの内部に、それぞれ発光部材としての遊技効果ランプ16bおよび遊技効果ランプ17bが臨むように上皿装飾部材400の前面側に備えられている。
左装飾ユニット23bは、ランプ基板192bに設けられた遊技効果ランプ16bからの光を前面側に反射する左反射部材443aと、遊技効果ランプ16bからの光を前面側に拡散するための左光拡散部材440aと、左光拡散部材440aを被覆する左保護カバー438aと、灰皿ユニット29の上部を構成する上部耐熱板439aから構成されている。
まず、左反射部材443aについて説明する。左反射部材443aは、遊技効果ランプ16bが臨むランプ凹部が形成されている左遊技効果ランプ領域432bから構成されている。左遊技効果ランプ領域432bは、遊技効果ランプ16bからの光を前面側に反射し易くするために、前面側の表面全体に亘って銀メッキが施されている。また、左遊技効果ランプ領域432bは、前面側の表面全体が複雑な凹凸形状をなして形成されている。表面には、半球状となるランプ凹部が形成されている。そして、ランプ凹部の中央には、ランプ穴432cが設けられており、遊技効果ランプ16bが臨むようになっている。
次に、左光拡散部材440aと左保護カバー438aとについて説明する。左光拡散部材440aおよび左保護カバー438aは、左反射部材443aを視認可能な無色透明で透光性を有する合成樹脂により形成されると共に、左遊技効果ランプ領域432bを被覆する形状になっている。さらに、左光拡散部材440aの表面には、遊技効果ランプ16bからの光を前面側に拡散するための光拡散処理が施されている。左保護カバー438aの後面側には、当該左保護カバー438aを上皿装飾部材400の前面側に取り付けるために用いられる取付ボスが形成されている。なお、左保護カバー438aの下方には、耐熱板439aを取り付けるための取付凹部438bが形成されている。また、左光拡散部材440aの下方には、左保護カバー438aの取付凹部438bが入り込む窓口440bが形成されている。耐熱板439aの後面側には、取付ボス439bが形成されている。また、左保護カバー438aの取付凹部438bには、耐熱板439aの取付ボス439bが挿通する挿通穴が形成されている。
次に、左装飾ユニット23bが取り付けられる上皿装飾部材400の取付部について説明する。上皿装飾部材400の取付部には、左反射部材443aに形成されているランプ穴432cに対応する位置にランプ穴432c’が形成されている。また、左装飾ユニット23bが取り付けられる上皿装飾部材400の後面側には、取付ネジ431aを挿通させて左保護カバー438aの取付ボスおよび耐熱板439aの取付ボス439bに螺着させるための挿通穴431bが形成されている。また、上皿装飾部材400の取付部の後面側には、ランプ基板192bを取付ネジ431bにより取り付けるための取付ボスが形成されている。なお、左反射部材443aには、上皿装飾部材400の取付部の挿通穴431bと同様の、挿通穴が形成されている。
以上、左装飾ユニット23bについて説明したが、右装飾ユニット24bについては、右反射部材441aにより形成される右遊技効果ランプ領域441bを被覆する部材が、左装飾ユニット23bで説明した左光拡散部材440aと左保護カバー438aとを一体的に形成した部材441cから構成されていることを除き、互いにほぼ左右対称形状であるため、説明を省略する。
また、上皿装飾部材400の軸支側の裏面には、上皿装飾部材400を前面枠3に対して開閉自在に軸支するための上皿ヒンジ451が取付ネジ454によって取り付けられている。上皿ヒンジ451は、上部が前面側に向けて直角に折り曲げられると共に、その先端には、挿通穴452が穿設されている。また、下部には、L字形のヒンジピン453が備えられている。挿通穴452には、前面枠3の枠下部ヒンジ318の軸支ピン319が挿通され、ヒンジピン453は、同じく前面枠3の下皿枠ヒンジ322の挿通穴323に挿通されるものである。この軸支ピン319およびヒンジピン453を中心に上皿装飾部材400が前面枠3に対して開閉自在に軸支される。なお、上皿ヒンジ451の前面側には、目隠しカバー498が取り付けられるようになっている。
また、上皿装飾部材400の開閉側の裏面には、上皿開閉枠11を前面枠3に対して開閉するための上皿ロック460が取付ネジ463によって取り付けられている。上皿ロック460には、前面枠3の上皿ロック板352に係止される係止片462と、上皿開閉枠11を開閉する際に下方に押すことにより上皿ロック板352と係止片462との係止が解除される操作片461が備えられている。
次に、上皿19を構成する上皿本体420について説明する。上皿本体420は、賞球を貯留する貯留部482と該貯留部482に連通して賞球を一列に整列して発射位置に導く整列部481とが合成樹脂によって一体的に形成されたものである。整列部481の底面には、流下する球によって底面が摩耗しないように金属製の補強板(アース板)425が取り付けられている。なお、補強板425は、上皿装飾部材400の裏面に突設される取付ボス(図示しない)に取付ネジ477,478で止着された金属製の球抜き用カバー476を介して上皿ヒンジ451に接続され、上皿ヒンジ451が補強ヒンジ部材176に接続されることで、整列部481に整列される遊技球の静電気を放電するようになっている。即ち、補強板425は、アース板としても作用するようになっている。
また、上皿本体420の上部縁に沿って係合凹部483が形成され、上皿カバー体409を組み付けたときに上皿カバー体409の上端縁に沿って形成される係合凸部484が嵌合されるようになっている。更に、上皿本体420の前面側には、球抜きされた球を後述する誘導ボックス部材342の抜き球転動面に導くための球抜き路(図示しない)が形成されている。また、上皿カバー体409の裏面側には、当該上皿カバー体409を上皿装飾部材400に取り付けるための取付ボス411が突設されている。
また、上皿本体420を組み付けたときの前記整列部481に対応する部分の上皿カバー体409の上面には、操作ボタン19aを取り付けるための取付開口416と、残高表示基板104を取り付けるための取付開口410とが開設されている。
操作ボタン19aは、透光性のある透明合成樹脂からなり遊技者により直接押圧操作されるボタン19bと、ボタンの名称(たとえば、「CHANCE!」等)が記載された名称シート19cと、ボタン19bを一定の範囲で上下に移動可能にするボタンベース19dと、ボタン19bを上方を付勢する圧縮バネ19eと、圧縮バネ19eを間に挟みボタンベース19dを収容するボタンケース19fと、ボタン19bが操作されたか否かを検出する検出スイッチ19gと、から構成されている。操作ボタン19aが操作されると、検出スイッチ19gから検出信号が、演出制御基板90に出力される。
取付開口410には、透光性のある半透明合成樹脂(スモーク)で形成される透視レンズ板414が装着されるようになっている。透視レンズ板414には、その周辺に周辺鍔部415が段差状に形成されている。周辺鍔部415は、透視レンズ板414を上皿カバー体409の内側から前記取付開口410に嵌め込むように装着したときに取付開口410の開口縁と当接するものである。
ところで、透視レンズ板414は、その裏面側に残高表示基板104が取り付けられるようになっている。即ち、透視レンズ板414の裏面には、一対の基板取付ボス(図示しない)が垂下され、この基板取付ボスの下端に残高表示基板104が取付ネジ104aによって止着されている。残高表示基板104には、その上面に球貸スイッチ36(図24に符号のみ記載)、返却スイッチ37(図24に符号のみ記載)、度数表示LED105(図24に符号のみ記載)、球貸可表示LED106(図24に符号のみ記載)が実装されていると共にその裏面に配線がコネクタ接続されている。これらの球貸スイッチ36、返却スイッチ37、度数表示LED105、球貸可表示LED106は、弾球遊技機1に隣接して設けられる前記カードユニット装置731を介して遊技球を借り受ける際に操作する操作部を構成するものである。球貸スイッチ36は、球貸可表示LED106が点灯しているときにカードユニット装置731によって遊技球を借り受ける際に操作するものであり、返却スイッチ37は、遊技終了の際にカードユニット装置731のカード挿入口に差し込まれたカードを返却するためのものである。また、度数表示LED105は、カードユニット装置731のカード挿入口に差し込まれたカードの残額が表示されるものである。
また、透視レンズ板414には、前記球貸スイッチ36および返却スイッチ37に対応する位置に操作ボタン取付用凹部が形成されており、さらに当該操作ボタン取付用凹部に操作ボタン用開口417が形成され、この開口417に球貸ボタン418aと返却ボタン418bとがそれぞれバネ419a,419bを介して摺動可能に取り付けられ、各ボタン418a,418bの裏面中央に突設される押圧突起によって各スイッチ36,37を押圧するようになっている。なお、カードユニット装置731が隣接しない弾球遊技機にこの構造の上皿19を適用する場合には、その裏面側に残高表示基板104の取付をせず、操作ボタン用開口417に予備ボタンを埋め込んだ透視レンズ板を使用しても良いし、あるいは開口417および基板取付ボスのない透視レンズ板を使用しても良い。また、上皿19を取り付けた状態で前記貯留部482に対応する部分には、流下する打球によって前面扉枠4の前面側が摩耗しないように摩耗防止部材437(ナイロンシート)が取り付けられるようになっている。なお、その前面ほぼ中央に合成樹脂製のネーム装飾板404を取り付けるための取付凹部403が形成されている。ネーム装飾板404には、製造元のロゴが表示され、取付凹部403に貼付するようになっている。
次に、下皿27、灰皿ユニット29、および操作ハンドル30について図18を参照して説明する。図18は、下皿27、灰皿ユニット29、および操作ハンドル30の正面からの分解斜視図である。前面枠3の下方には、図15で説明したように、下皿27、灰皿ユニット29、および操作ハンドル30に対応する下皿対応板部301が構成されている。この下皿対応板部301の前面側には、そのほぼ全域を被覆する下皿27が取り付けられる。
下皿27は、図18に示すように、下皿セット板534と、該下皿セット板534の前面側に取り付けられる下皿本体519と、該下皿本体519の左右を覆う左下皿カバー部材528aおよび右下皿カバー部材528bと、該下皿本体519の前面側および下面を被覆する下皿カバー体490と、から構成されている。
下皿セット板534は、有色の樹脂材料によって形成されるものであり、そのほぼ中央に賞球出口541が形成され、その賞球出口541の後方に賞球誘導筒部547が後方に突出されている。この賞球誘導筒部547は、前述したように下皿対応板部301のほぼ中央に開設される余剰球排出口338を貫通して前記接続樋392に接続されるものであり、賞球誘導筒部547の両側には、接続樋392の位置決めピン(図示しない)を差し込んで位置決めを行う位置決め穴(図示しない)が形成されている。また、賞球出口541の下方および両側には、差し込み穴548が形成されており、この差し込み穴548に下皿本体519に形成された挿入片558が挿入されて下皿本体519を下皿セット板534に対して位置決めするようになっている。なお、下皿本体519の挿入片558の先端には、取付ボスが形成されており、下皿セット板534の後面側から取付ネジ524をで止着することにより、下皿本体519を下皿セット板534に組み付けられる。
また、差し込み穴548の側方に差し込み溝548aが形成されており、この差し込み溝548aに左下皿カバー部材528aおよび右下皿カバー部材528bに形成された挿入片558aが挿入されて左下皿カバー部材528aおよび右下皿カバー部材528bを下皿セット板534に対して位置決めするようになっている。また、取付ボス543は、下皿カバー体490の取付ボス496と対応させ、取付ネジ531で裏面から止着することにより、下皿セット板534と下皿カバー体490とを組み付けるものである。
上記した下皿セット板534の前方に取り付けられる下皿本体519は、賞球出口541から流出する賞球を貯留する貯留部を有するように後方が開放された凹状に形成されている。また、下皿本体519の貯留部底面には、円形状の球抜き穴519aが開設され、その球抜き穴519aを下皿本体519の裏面に取り付けられる球抜き弁505によって開閉自在に閉塞されている。したがって、下皿本体519の底面の裏側には、球抜き弁505のスライド動作を案内する(球抜き弁505が水平移動し易いようにその上面と摺動する)ための球抜き弁案内リブ(図示しない)と、球抜き弁505を収納する球抜き弁収納箱508を取り付けるための取付ボス(図示しない)とが突設形成されている。球抜き弁505に係る構造については、次に説明する。また、下皿本体519の上端前面には、当接鍔部520が前方に向かって突設され、下皿本体519を組み付けたときに下皿カバー体490の後述する当接載置部515下方に嵌入されるようになっている。
次に、上記した下皿本体519の底面の裏側に取り付けられる球抜き弁505について説明すると、球抜き弁505は、長方形状の球抜き弁収納箱508内にスライド可能に収納されている。具体的には、球抜き弁収納箱508には、その一側に前記球抜き穴に対応する開口509が開設され、その四隅に前記取付ボス522が嵌合する嵌合穴510が形成されている。一方、球抜き弁505は、球抜き弁収納箱508の長手方向の側壁内側に当接しながらスライドするように構成され、球抜き弁収納箱508の他側中央に突設されるスプリング係合突起511と球抜き弁505の裏面に形成されるスプリング係合部(図示しない)との間に差し渡されるスプリング507によって常に球抜き弁505が前記球抜き穴を閉塞する方向に付勢されている。また、球抜き弁505には、球抜き弁収納箱508の外側に突出する係合片506が一体的に形成されている。
しかして、上記のように球抜き弁505が収納された球抜き弁収納箱508を下皿本体519の下部裏面から嵌合穴510が取付ボスに嵌合するように取り付け、その後、裏面側から取付ネジ512を螺着することにより、球抜き弁505を下皿本体519の底面裏側に取り付けることができる。そして、取り付けた状態では、球抜き弁505は、スプリング507の付勢力により球抜き穴を閉塞するようになっているが、係合片506をスプリング507の付勢力に抗して移動させることにより、球抜き穴を開放して下皿本体519の貯留部に貯留される賞球を下方に球抜きすることができる。なお、係合片506を移動させる機構は、次に説明する下皿カバー体490に組み付けられている。
上記のように球抜き弁505が装着された下皿本体519は、下皿カバー体490に組み付けられるものである。下皿カバー体490は、前方中央部分が膨出状に突出すると共に、両サイドが前記下皿対応板部301と対応するように平板状に有色(たとえば、白色)の合成樹脂材料によって形成されている。前方中央部分は、下方に向けて湾曲して形成されている。また、膨出状に突出した部分の先端には、球抜き操作レバー28が取り付けられるレバー開閉口492が形成されている。また、膨出状に突出した部分の下方には、前記球抜き弁収納箱508が貫通される長方形状の開口555が形成されている。また、下皿カバー体490の左側方には、灰皿ユニット29が取り付けられる灰皿取付部495が形成されている。また、下皿カバー体490の右側方には、操作ハンドル30が取り付けられるハンドル固定穴493が形成されている。
次に、前記球抜き操作レバー28の取付構造について説明する。球抜き操作レバー28は、遊技者が操作する指掛部500と操作レバー28の基体となるレバー基体501とから構成されている。指掛部500は、遊技者が指掛部500を左方に移動させ易いように左半分が操作部分として突出して形成され、この操作部分の右側面がほぼ平面状に形成されている。また、指掛部500の裏面側には、レバー基体501の後述する挿入穴557に挿入される挿入片556が突設されている。また、レバー基体501は、下皿カバー体490の前面部に沿った円弧状に形成され、その前面中央には、指掛部500の挿入片556が挿入される挿入穴557が形成されている。この挿入穴557の裏面側において、指掛部500の挿入片556は、球抜き弁505の係合片506と係合する。指掛部500の挿入片556を下皿カバー体490の前面側からレバー開閉口492に挿入し、挿入片556に対して下皿カバー体490の裏面側からレバー基体501の挿入穴557を嵌合させる。この状態で取付ネジ504により指掛部500とレバー基体501を固定することにより、球抜き操作レバー28が組み立てられると同時に下皿カバー体490に対して取り付けられる。
上記のようにして予め球抜き操作レバー28を下皿カバー体490の膨出部に装着した状態において、下皿本体519を斜め上方から球抜き弁収納箱508が開口555に貫通するように入れ組み付ける。この組み付け状態においては、球抜き弁505の係合片506が球抜き操作レバー28の係合片502の図18に示す左側に位置して当接した状態となっているので、球抜き操作レバー28の指掛部500に指を掛けて図18の左側方向にスライドさせることにより、係合片502と係合片506とが係合して球抜き弁505をスプリング507の付勢力に抗して移動させ球抜き穴を開放する。一方、指掛部500から指を離すとスプリング507の付勢力により球抜き弁505が球抜き穴を閉塞すると共に球抜き操作レバー28を右側に移動させる。
しかして、下皿本体519を下皿カバー体490に組み付けた後に、下皿セット板534を後方からあてがって取付ボス543,496を一致させて下皿セット板534の後方から取付ネジ531を取付ボス496に螺着することにより、下皿27が組み立てられる。
ところで、下皿カバー体490の両サイドには、前記灰皿ユニット29と操作ハンドル30とが組み付けられるようになっている。そこで、まず、灰皿ユニット29の取付構造について説明すると、下皿カバー体490の正面から見て左側には、上記したように、下皿27を組み付けるための凹状の灰皿取付部495が形成されている。一方、灰皿ユニット29は、灰皿本体29aと、灰皿本体29aの外周をカバーするカバー部材29bと、灰皿本体29aの向きを上方から下方に変更するときの回転軸となる灰皿シャフト部材29cと、当該灰皿シャフト部材29cを下皿カバー体490の後面側において軸支するための軸支カバー29dとから構成されている。カバー部材29bは、灰皿本体29aが入り込む凹部が形成されている。灰皿本体29aは、カバー部材29bの凹部に入り込ませた状態で下方より取付ネジ29eにより止着される。このとき、灰皿シャフト部材29cの一端は、灰皿本体29aとカバー部材29bとの間に挟み込まれる。そして、灰皿シャフト部材29cの他端は、軸支カバー29dにより軸支される。これにより、灰皿シャフト部材29cを中心として手前側に回転させることにより、灰皿本体29aの向きを上方から下方に変更することができる。なお、灰皿ユニット29が取り付けられる下皿カバー体490の前面側には、下部耐熱板439cが下皿カバー体490の後面側から取付ネジ439dにより止着される。
一方、下皿カバー体490の正面から見て右側には、操作ハンドル30を取り付けるためのハンドル固定穴493が形成されている。このハンドル固定穴493は、後述する回転軸571およびスイッチ配線591だけが貫通する貫通孔が形成された有底穴であり、その底部分に形成される取付穴(図示しない)と有底面に当接する後握持部材584の端部肉厚内に形成される取付穴559とを合致させて取付ネジ497で止着することにより、操作ハンドル30をハンドル固定穴493に固定する。ただし、操作ハンドル30の固定位置は、後握持部材584の端部面に突設される位置決め凹部588を有底面に形成される位置決め突起588aに係合させることにより行われる。
また、前記ハンドル固定穴493に装着される操作ハンドル30は、図18に示すように、ハンドル固定穴493に固着される後握持部材584と、該後握持部材584前面側の取付ボス589に取付ネジ577で止着され且つその外周にタッチリング110が周設固定されるタッチリング周設部材576と、同じく後握持部材584の前方に突設される連結ボス585の後方から取付ネジ569で止着される前握持部材560と、タッチリング周設部材576と前握持部材560とに挟持されて回転自在に設けられる回動操作部材570と、該回動操作部材570に付勢力を与えるスプリング567と、から構成されている。回動操作部材570には、回転軸571の前端が係合しているが、その係合状態は、回転軸571の片面だけを切り欠いたいわゆるD型カット面572である。これに対し、回転軸571の後端は、後握持部材584の後端から外部に飛び出し且つ前面枠3の下皿対応板部301に開設されるハンドル軸貫通穴341を貫通するが、その端部には、回転軸571の両端面を切り欠いた両側カット面573となっており、この両側カット面573が後述する打球発射装置130の主動ローラ632に係合するようになっている。なお、回転軸571は、後握持部材584の内部後端に嵌入される軸受部材575によってその中程を支持されている。該軸受部材575は、回転軸571に取り付けられた止め輪574によって取り付け位置が規制されている。また、単発発射スイッチ109に接続される配線と前記タッチリング110に接続されるタッチ配線(図示しない)とが、スイッチ配線591を構成し、このスイッチ配線591が前面枠3の下皿対応板部301に開設される配線通し穴340を貫通して打球発射装置130に設けられる発射制御基板107に接続されるようになっている。タッチリング110には、タッチ配線が接続された接続端子579が取付ボス590に取付ネジ580止めされる。
上記のように構成される操作ハンドル30においては、回動操作部材570を回動操作することにより、回転軸571の回転動作が打球発射装置130の主動ローラ632を回転せしめて弾発力を調節する。また、遊技者が回動操作部材570を操作しているときには、遊技者の指がタッチリング110に接触するので、その接触信号も導出される。その接触信号によりタッチ回路がON状態となり、且つ単発発射スイッチ109がOFFになって打球発射されると共に、その回動量によって発射強さが調節される。なお、単発発射スイッチ109をON、OFFするには揺動部材581(ストップボタン)を押圧操作することで行える。また、上記した単発発射スイッチ109および揺動部材581は、それぞれ後握持部材584の前方に突設された取付ボス587,586に取付ネジ583,582で取り付けられている。
次に、操作ハンドル30が操作されたときに駆動する打球発射装置130について図19を参照して説明する。図19(a)は、打球発射装置130の斜視図であり、図19(b)は、打球発射装置130の正面からの分解斜視図であり、図19(c)は、打球発射装置130の背面からの分解斜視図である。
打球発射装置130は、図19に示すように、パチンコ玉を打撃して発射する打球槌600と、該打球槌600の駆動源をなすステッピングモータ(発射装置電動機)601を取り付けるためのコの字状に形成された取付台601aと、パチンコ玉の発射毎に玉送り部材の揺動部材を揺動させて順次パチンコ玉を打球発射装置130に送り込ませる昇降杵602と、打球槌600によるパチンコ玉の打球力を調整する発射強度調整部603と、該発射強度調整部603に前記操作ハンドル30の回転操作力を伝達する操作伝達部604と、が金属製の取付基板606に取り付けられて構成されている。なお、取付台601aには、前述した発射モータ601と、発射モータ601の駆動を制御する発射制御部605(発射制御基板107とこれを収容する基板ボックス640とから構成される)と、が取り付けられて構成されている。
取付基板606の周縁部には、打球発射装置130を前面枠3の裏面側に取付ネジで取り付けるためのネジ止め穴607が4箇所に穿設されている。また、取付基板606には、各種構成部材を取り付けるための取付穴が複数穿設されると共に、発射強度調整部603を構成する各種部材を取り付けるための円筒突起(図示しない)が形成されている。該円筒突起の内部は、取付基板606の一側面と他側面の両側を連通する連通穴として形成され、該連通穴を貫通する駆動軸609が軸受けにより回転自在に支持されている。また、取付基板606の後面側には、取付台601aを取り付けるための取付ボス606aが立設されている。
打球槌600は、アーム形状をなし、その一端には、パチンコ玉を打撃する槌部がスプリング611によって形成されている。そして、打球槌600は、その軸穴600aに駆動軸609の一端部が挿通された状態でワッシャ651を介してナット608によって固着されることにより、駆動軸609を回動中心として回動自在に取付基板606に取り付けられる。また、このような打球槌600の取り付けにおいて、先端部分に回動自在なアームローラ612aを取り付けたヒットアーム612が打球槌600と共に駆動軸609に固着され、そのヒットアーム612が打球槌600と一体的に駆動軸609を回動中心として回動するようになっている。なお、打球槌600の回転は、杵受ゴム613a,613bによって規制されるようになっている。該杵受ゴム613aは、ゴムホルダー614aを介して取付基板606にボルト615aおよびナット653aで固着されている。また、該杵受ゴム613bは、ゴムホルダー614bを介して取付基板606にボルト615bおよびナット653bで固着されている。
発射モータ601は、取付片部616を取付台601aに取付ネジ617止めすることで、出力軸が取付台601aを貫通した状態で取付台601aに取り付けられる。出力軸には、発射モータ601の駆動力をヒットアーム612(アームローラ612a)を介して打球槌600に伝達する駆動カム(図示しない)が一体的に取り付けられている。
昇降杵602は、取付基板606の中央上部に設けられた取付穴に対し、ワッシャ619を介して、取付ネジ623で一端部を螺着することによって、他端部が回転自在に取り付けられる。回転自在の昇降杵602の端部は、後述する保持キャップ627の突起部603a上面に載置される。そして、回転自在の昇降杵602の端部は、打球槌600が図19(a)中における時計方向に回転した場合、後述する保持キャップ627の突起部603aにより押し上げられ、玉送り部材の揺動部材を作動させる。これにより、玉を、上皿19から発射レール345上に送り込むことができる。なお、回転自在の昇降杵602の端部が最上部に上がった状態が打球槌600による球の打ち込み待機状態となる。つまり、回転自在の昇降杵602の端部が一旦上昇してから下降することで球が発射レール345上に供給されると共に、打球槌600が発射方向と反対方向に回動した状態から発射方向に回動することで、発射レール345上の球が発射され、誘導レール42に沿って遊技盤40の遊技領域に打ち込まれるわけである。
発射強度調整部603は、外周の一部にギア部625aが形成された回動リング625、ねじれ量によって打球の発射強度を調整するコイル状の強度調整バネ626、突起部627aを有する保持キャップ627、ラチェットカバー628、ラチェットアーム(図示しない)、等から構成されている。回動リング625には、強度調整バネ626の端部が係止される強度調整溝639が複数箇所形成されており、強度調整バネ626の端部をいずれの強度調整溝639にするかによって杵の戻る力が変化し、これにより打球の発射強度を調整することができる。回動リング625のギア部625aの端には、取付基板606に突設された規制突起630が当接され、これによって回動リング625の回転が規制されるようになっている。また、保持キャップ627およびラチェットカバー628は、ワンウェイネジ631によって一体的に組み付けられると共に、駆動軸609の回動に合わせて一体的に回動するようになっている。すなわち、打球槌600が図19(a)中における時計方向に回転した場合、駆動軸609も時計方向に回転する。これにより、保持キャップ627の突起部603a上面に載置される回転自在の昇降杵602の端部は、保持キャップ627の突起部603aにより押し上げられる。なお、ワンウェイネジ631は、ネジ締め方向にしか回らない特殊なネジであり、一旦締め付けると取り外すことができないようになっている。
また、ラチェットカバー628には、エンドキャップ(図示しない)が嵌合して取り付けられ、そのエンドキャップによって発射強度調整部603の内部空間(ラチェットアームの操作溝(発射強度を調整するための溝)が収容される空間)が封止状態に被覆されるようになっている。このため、エンドキャップやラチェットカバー628を破壊してラチェットカバー628からエンドキャップを取り外さない限り、発射強度調整部603の内部空間は開放できないようになっている。つまり、発射強度を調整すべく、操作溝によって回動操作できないようになっている。また、エンドキャップは、不透明な黒色の合成樹脂からなり、エンドキャップをラチェットカバー628に取り付けた状態では、発射強度調整部603の内部空間が外部から視認できないようになっている。つまり、操作溝が視認できないようになる。このため、発射強度調整部603の操作部(操作溝)が覆われていることが分らなくなるので、発射強度調整部603の操作部を不正に操作しようと試みたときにはその不正を行ない難くすることができる。
操作伝達部604は、外周の一部にギア部635aが形成された回動リング635、バネ634等から構成されている。回動リング635には、バネ634の端部が係止される溝633が形成されている。回動リング635は、取付ネジ658止めすることで、ギア部635aが発射強度調整部603のギア部625aと歯合するように、取付基板606に取り付けられる。バネ634は、一端部が回動リング635の溝633に係止され、他端部が取付基板606に立設されているバネ止め部材657に係止される。さらに、回動リング635は、前記操作ハンドル30の回転軸に一体的に取り付けられる。これにより、操作ハンドル30を回動操作させれば、その回動が回動リング635を介して回動リング625に伝達され、回動リング625を回動変位させることができる。そして、このように回動変位した回動リング625は、その回動によって強度調整バネ626のねじれ量を調節する。
発射制御部605は、各種電子部品(CPUを搭載するものでも、搭載しないものでもよい)および複数のコネクタ(図示しない)を実装してなる発射制御基板107、該発射制御基板107を収容する基板ボックス640、から構成されている。複数のコネクタには、プラ枠中継基板108からの配線、発射モータ601からの配線、単発発射スイッチ109からの配線、操作ハンドル30のタッチリング110からのスイッチ配線等が接続される。
上記した発射制御基板107を収容する基板ボックス640は、図19に示すように、前記取付基板606に取付ネジ638止めされるボックス主体641と、該ボックス主体641に取り付けられてボックス主体641との間で発射制御基板107を挟持するカバー体642と、を備えている。ボックス主体641およびカバー体642は、それぞれ収容する発射制御基板107を外部から視認可能なように透明な合成樹脂で形成されている。ボックス主体641の上端右方および下端左右2箇所には、それぞれ脚部643が立設されており、該脚部643の先端部分には、ボックス主体641を取付台601aに取付ネジ638止めするための取付穴644が穿設されている。なお、取付台601a側には、これらの取付穴644と個々に対応した位置に取付穴が穿設されている。また、脚部643はそれぞれ円筒形状をなし、その円筒内に取付ネジ638を挿入することで、ボックス主体641側から取付基板606に取付ネジ638止めを行なうようになっている。このため、本実施形態のように取付面部を打球発射装置130の取付台601aから構成するような場合でも、取付台601aを弾球遊技機1から取り外すことなく、基板ボックス640の取り外しを行なうことができる。
そして、ボックス主体641(基板ボックス640)は、前記発射モータ601を取り付けた取付台601aの一側面に脚部643を介して取り付け固定される。このため、基板ボックス640内に収容される発射制御基板107は、取付台601aの基板面(取付面)から所定の間隔(脚部643の高さ)を置いた状態(浮いた状態)で取り付けられることになる。従って、発射モータ601周りの空気の流動性が向上でき、発射モータ601の発熱が低減できると共に、発射モータ601からのノイズや熱による悪影響を発射制御基板107が受け難くすることができる。また、このような取り付け構造によれば、取付台601aにそのまま発射制御基板107の大きさの取付スペースを設ける必要がないので、発射制御基板107の配置設計において省スペース化を招来することができる。なお、基板ボックス640を取り付ける取付面部は、打球発射装置の取付台および取付基板に限定せず、打球発射装置に関わらない弾球遊技機の裏面部分であってもよい。なお、本実施の形態における発射モータ601の天板に放熱シート601cが貼付され、さらに、その上から発射モータ放熱カバー601bが取り付けられる。従って、発射モータ601が駆動することにより発生する熱を効率的に放熱することができるように構成されている。
以上、打球発射装置130の構成について説明したが、打球発射装置130による打球の発射動作は以下に示すように行なわれる。即ち、遊技者が操作ハンドル30を操作するとこれに伴って発射モータ601が駆動し、駆動カムが回転する。次に、駆動カムの回転によってヒットアーム612並びに打球槌600が回転し、発射強度調整部603の強度調整バネ626をさらにねじれ変化させることになる。その後、駆動カムがさらに回転して駆動カムがヒットアーム612(アームローラ612a)から離脱すると、ヒットアーム612並びに打球槌600は、強度調整バネ626の復原力によって駆動軸609と共に反時計方向に回転する。そして、反時計方向に回転した打球槌600は、昇降杵602の作動によって玉送り部材の揺動部材から送り込まれた球を槌部(スプリング611)で打撃して遊技領域に発射させる。また、このとき、操作ハンドル30の操作によって発射強度調整部603の回動リング625を回動させれば、打球槌600の後退駆動(時計方向への回転)に伴う強度調整バネ626のねじれ量を調節することができる。つまり、打球槌600の打撃力(発射力)を調節することができる。
図21は、機構板140に取り付けられている補強ヒンジ部材176、前面枠3に取り付けられている打球発射装置130,施錠装置128,プラ枠補強金具371a,プラ枠ヒンジ金具314、遊技盤40に取り付けられている導電性板40a,誘導レール42a,42b,レール接続部材327a,障害釘37a等の結線図である。
まず、打球発射装置130は、金属製の取付基板606とステンレス鋼板の発射装置接触部材373とを介して、金属製の施錠装置128と電気的に接続される。施錠装置128は、ステンレス鋼板のレール接続部材327bを介して、ステンレス鋼板の誘導レール42bと電気的に接続される。
誘導レール42bは、導電性合成樹脂により形成された導電性板40aを介して、ステンレス鋼板の誘導レール42aおよび遊技領域41に設けられている障害釘37aや装飾部材66等の導電性部材と電気的に接続される。誘導レール42aは、ステンレス鋼板のレール接続部材327aを介して、プラ枠補強金具371aと電気的に接続される。
プラ枠補強金具371aは、ステンレス鋼板の補強金具接続部材314aを介して、プラ枠ヒンジ金具314と電気的に接続される。プラ枠ヒンジ金具314は、軸ピン315に掛止穴177a(図5参照)を係止することにより、補強ヒンジ部材176と接続されており接地されている。
したがって、機構板140に取り付けられている補強ヒンジ部材176、前面枠3に取り付けられている打球発射装置130,施錠装置128,プラ枠補強金具371a,プラ枠ヒンジ金具314、遊技盤40に取り付けられている導電性板40a,誘導レール42a,42b,障害釘37a等の電位は、すべて同じとなり、接地レベルである。
なお、前面扉枠4および上皿開閉枠11の裏面の構造について前述したが、前面扉枠4の上部ヒンジ金具45は、前面扉枠4の金属製の枠基体4aを介して、下部ヒンジ金具46と電気的に接続される。また、前面扉枠4を前面枠3に対して閉じた状態においては、前面扉枠4の上部ヒンジ金具45は、さらに、前面扉枠4の枠基体4aおよび上皿開閉枠11の金属製の球抜き用カバー476を介して、発射レール345および補強板425と、電気的に接続される。そして、前面扉枠4の上部ヒンジ金具45は、金属製の枠基体上部ヒンジ311を介して、プラ枠補強金具371aと電気的に接続される。すなわち、前面扉枠4の上部ヒンジ金具45は、補強ヒンジ部材176と接続され接地される。これにより、前面扉枠4の上部ヒンジ金具45、下部ヒンジ金具46、上皿開閉枠11用の球抜き用カバー476、発射レール345、および、補強板425等の電位は、すべて同じとなり、接地レベルにすることができる。
図22は、飾り図柄表示装置44bの左方に設けられているハンマ951の駆動装置の構造を示す斜視図である。ハンマ951は、駆動源となるモータ950によって駆動される。モータ950の回転力は、モータ950の回転軸に嵌合しているギア952に伝えられ、さらに、ギア952と噛み合うギア953に伝えられる。ギア953が嵌合している回転軸957には、切欠部956aが設けられた平板956が嵌合されている。また、回転軸957の端部には、ギア953の回転方向と同じ方向にハンマ951が回転するように、回転軸957の軸方向に対して直交する方向に、ハンマ951のアーム958が嵌合部材959を用いて嵌合されている。
モータ950の回転力によって、図22(A)に示す矢印方向にギア952が回転すると、回転力が伝えられるギア953が嵌合している回転軸957の回転に応じて平板956およびハンマ951が回転する。そして、ハンマ951が、図22(A)に示す位置から図22(B)に示す位置まで移動される。平板956に形成されている切欠部956aは、ハンマ951が図22(A)に示す位置であるときはセンサ954によって感知され、ハンマ951が図22(B)に示す位置であるときはセンサ955によって感知される。
すなわち、センサ954,955は、ハンマ951の位置を検出して検出結果を検出信号として出力する位置検出手段の一例である。センサ954,955は、それぞれ、ハンマ951の回転可能範囲の両端を検知可能な位置に設置される。ハンマ951の回転可能範囲は、たとえば90度である。
以上、弾球遊技機1の構成について説明してきたが、次に、配線接続される回路構成について、図23を参照して説明する。図23は、主基板120と各種制御基板および電気部品との関係を示すブロック図である。
主基板120には、プログラムに従って弾球遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ99が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ99(遊技制御手段ともいう)は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM100、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM111、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU112、および演出制御基板90等に制御信号(コマンド)を送信するI/Oポート部114を含む。この実施の形態では、ROM100,RAM111はCPU112に内蔵されている。すなわち、CPU112は、1チップマイクロコンピュータである。また、この実施の形態で用いられているCPU112は、ソフトウェアで割込禁止に設定できないマスク不能割込(NMI)を発生させるために使用されるマスク不能割込端子(NMI端子)と、CPU112の外部から割込(外部割込;ソフトウェアで割込禁止にできるマスク可能割込)を発生させるために使用される割込端子(INT端子)とを有する。しかし、この実施の形態では、マスク不能割込および外部割込を使用しない。そこで、NMI端子およびINT端子を、抵抗を介してVCC(+5V)にプルアップしておく。従って、NMI端子およびINT端子の入力レベルは常にハイレベルになり、端子オープン状態に場合に比べて、ノイズ等によってNMI端子およびINT端子の入力レベルがハイレベルからローレベルに立ち下がって割込発生状態になる可能性が低減する。なお、CPU112は、ROM100に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU112が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU112がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板120以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ99とは、主基板120に搭載されるCPU112、ROM100、RAM111、I/Oポート部114、等の周辺回路のことである。
また、RAM111は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM111の一部または全部の内容は保存される。少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ99の制御状態に応じたデータ(たとえば、特別図柄プロセスフラグ、賞球加算値等)がバックアップRAMに保存される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ99の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、この実施の形態では、RAM111の全部が、電源バックアップされているとする。
主基板120には、電源基板910から、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチ921が操作されたことを示すクリア信号、電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号、および遊技制御用マイクロコンピュータ99に対する遊技制御用許容信号(CPUを動作可能状態にさせるための信号)として用いられるリセット信号が入力される。
主基板120には、遊技盤40に設けられる各スイッチ51,52,55a,55b,56a,56b,62からの信号がスイッチ中継基板95を介して入力され、また満タンスイッチ158および球切れスイッチ157からの信号が払出制御基板98を介して入力される。なお、球切れスイッチ157からの信号は、主基板120に入力されないように構成してもよい。また、満タンスイッチ158からの信号についても同様に、主基板120に入力されないように構成してもよい。更に、主基板120には、払出制御基板98を介して玉払出装置154に搭載されている払出個数カウントスイッチ(図示しない)からの信号が入力される。
また、主基板120には、始動口スイッチ60からの信号も入力される。さらに、主基板120には、特別図柄表示装置44aの変動表示について大当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるための大当り判定用のランダムカウンタを構成する乱数発生回路60aが接続されている。乱数発生回路60aは、始動口スイッチ60からの信号が入力されると、その時点におけるカウント値を主基板120に入力する。主基板120は、乱数発生回路60aから入力されたカウント値を、RAM111に設けられている記憶バッファにラッチし、実際に始動入賞があったと判断したときに、当該ラッチしているカウント値を読み出す処理を行なう。
上記した入力信号のうち、遊技盤40に設けられる各スイッチ51,52,55a,55b,56a,56b,62からの入力信号に基づいて主基板120は、遊技盤40に設けられるソレノイド50,59,65を駆動制御すると共に、遊技状態に応じた電飾信号および効果音信号を周辺コマンド中継基板57および演出制御基板90を介して音声枠ランプ基板92に出力し、更に、飾り図柄表示装置44bの表示状態を制御するための演出制御コマンドを図柄中継基板84および演出制御基板90に出力し、盤用外部端子板96に各種の遊技情報を出力する。演出制御基板90は、飾り図柄表示装置44bの変動表示動作を主基板120からの情報信号の種類に応じて駆動制御するものであり、さらに、音声枠ランプ基板92との情報信号のやり取りを行なうものである。周辺コマンド中継基板57は、演出制御基板90へ出力する情報信号を中継するものである。
音声枠ランプ基板92は、主基板120から入力される電飾信号の種類に応じて、前面扉枠4に取り付けられている遊技効果ランプ13a〜13c,16a,16b,17a,17bの点灯制御を行なう。また、音声枠ランプ基板92は、主基板120から入力される効果音信号の種類に応じて、スピーカ12a,12bを制御する。さらに、音声枠ランプ基板92は、主基板120から入力される電飾信号の種類に応じて、ランプドライバ基板93を介して、遊技盤40に取り付けられている装飾ランプ32a,32bの点灯制御を行なう。音声枠ランプ基板92は、遊技状態(変動パターン、通常遊技状態または確率変動状態であるか、変動表示中であるか等の遊技状態)に応じて、各種遊技効果ランプの点灯制御を行なうとともに、スピーカからの遊技音の駆動制御を行なう。ランプドライバ基板93は、遊技盤40に設けられる装飾ランプの点灯状態を制御するための音声枠ランプ基板92との接続を中継するものである。
主基板120は、図柄中継基板84を介して表示制御信号(駆動信号)を、特別図柄表示装置44aおよび特別図柄始動記憶LED67が搭載された特別図柄および特別図柄記憶基板85に入力し、特別図柄表示装置44aにおける特別図柄の表示制御を行なうとともに、特別図柄始動記憶LED67の点灯制御を行なう。これにより、主基板120と特別図柄表示装置44aとの間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示装置用の制御基板等を設け、主基板120からの表示制御信号(駆動信号)に基づき制御基板等により特別図柄表示装置44aの表示制御を行なう場合と比較して、大当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
また、主基板120は、図柄中継基板84を介して表示制御信号(駆動信号)を、普通図柄表示装置63が搭載された普通図柄基板86に入力し、普通図柄表示装置63における普通図柄の表示制御を行なう。さらに、主基板120は、図柄中継基板84を介して表示制御信号(駆動信号)を、普通図柄始動記憶LED68が搭載された普通図柄記憶基板87に入力し、普通図柄始動記憶LED68の点灯制御を行なう。
演出制御基板90には、CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路から構成される演出制御用マイクロコンピュータ118(電気部品制御用マイクロコンピュータの一例、図25参照、演出制御手段ともいう)が搭載されており、主基板120から入力される演出制御コマンドの種類に応じて、飾り図柄表示装置44bにおける飾り図柄の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ118は、ROMに格納されたプログラムに従って動作し、主基板120から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに従って受信したコマンドに応じた飾り図柄表示装置44bの表示制御を行なう。具体的には、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有するVDP119(図25参照)により変動表示部の表示制御を行なう。演出制御用マイクロコンピュータ118は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、飾り図柄表示装置44bに表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形または記号等を予め格納しておくためのものである。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ118は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP119に出力する。VDP119は、演出制御用マイクロコンピュータ118からデータが入力されたことに基づいて動作する。この実施の形態では、飾り図柄表示装置44bの表示制御を行なうVDP119が演出制御基板90に搭載されている。また、VDP119は、それぞれ、演出制御用マイクロコンピュータ118とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにマッピングしている。
VDP119はキャラクタ画像データに従って受信したコマンドに応じた飾り図柄表示装置44bに表示するための画像データを生成し、VDP119はVRAMに展開する。RAMはVDP119によって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。
演出制御基板90には、さらに、操作ボタン19aと、飾り図柄表示装置44bの左側に設けられている可動部材としてのハンマ951を動作させるためのモータ950と、ハンマ951の動作位置を確認するためのセンサ954,955とが接続されている。演出制御用マイクロコンピュータ118は、操作ボタン19aから入力される信号に基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ118に搭載されているROMに記憶されているデータを読出し、当該読み出したデータにしたがってモータ950を駆動制御する。これにより、操作ボタン19aが操作されることにより、ハンマ951を動作させることができる。また、演出制御用マイクロコンピュータ118は、ハンマ951の位置を判断して、モータ950を駆動制御することができる。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ118は、センサ954からの検出信号が入力されるとハンマ951が図5(A)に示す位置であると判断し、また、センサ955からの検出信号が入力されるとハンマ951が図5(B)に示す位置であると判断し、それぞれモータ950を反転させる制御や、停止させる制御を行なう。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ118は、操作ボタン19aから入力される信号に基づいて読み出したデータに基づき、音声枠ランプ基板92に対応する情報信号を入力する。そして、音声枠ランプ基板92は、当該入力された情報信号に基づき、装飾ランプ、遊技効果ランプ、スピーカ等を駆動制御する。
次に、払出制御基板98は、満タンスイッチ158からの満タン信号に基づいて払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータ115の駆動を停止させる。また、満タンスイッチ158からの満タン信号は、払出制御基板98を介して主基板120に入力される。なお、満タンスイッチ158からの満タン信号が主基板120に入力されたときには、主基板120から音声枠ランプ基板92に満タン信号を出力して所定のランプ又はLEDを表示駆動してその旨を報知するようにしてもよい。また、満タンスイッチ158からの満タン信号を払出制御基板98に出力するので、例えば、該払出制御基板98上のエラー表示器等でその旨を報知するようにしてもよい。
また、遊技盤40に設けられるゲートスイッチ62を除く各スイッチ51,52,55a,55b,60,56a,56bからの入力信号に基づいて主基板120は、払出制御基板98に賞球制御信号を出力する。払出制御基板98は、その賞球制御信号に基づく賞球数を未払出数に加算し、玉払出装置154を駆動して未払出数分の賞球を払出す。また、払出個数カウントスイッチ116からの入力信号に基づいて払出制御基板98は、払出した数を未払出数から減算する。また、払出制御基板98は、その賞球制御信号の入力に基づいて、賞球LED10を表示駆動してその旨を報知する。
更に、球切れスイッチ157からの球切れスイッチ信号に基づいて払出制御基板98は、払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータ115の駆動を停止させる。そのとき、払出制御基板98は、球切れLED9を所定の態様で表示駆動する。
なお、満タンスイッチ158または球切れスイッチ157のいずれかがONすることで払出停止信号(払出停止コマンド)を払出制御基板98から出力して賞球等の払出が行なわれないようにし、いずれのスイッチ158,157ともOFFであれば払出可能信号(払出停止解除コマンド)を出力するというものでもよい。また、賞球LED10に換えて未払出がある場合、点灯する未払出報知ランプなどを設けてもよい。
主基板120には、遊技動作を制御するためのスイッチ入力、賞球の払出動作を制御するためのスイッチ入力しか入力されず、主基板120と払出制御基板98を除く他の制御基板との関係においては、主基板120から他の制御基板に向かって一方向の通信関係となる。このため、他の制御基板に不法な処理プログラムを組み込んで主基板120で不正な処理を施そうとしても実行することができないという利点があり、また、主基板120の制御の一部を他の制御基板で担当しているので、主基板120の負担が軽減されると共に、主基板120の検査の容易化を図ることも可能である。
また、払出制御基板98には、玉払出装置154に搭載された払出センサ基板114,払出モータ115,および払出個数カウントスイッチ116からの信号や、前述したように満タンスイッチ158からの満タン信号や、球切れスイッチ157からの球切れ信号が入力される。さらに、払出制御基板98には、カードユニット装置731および残高表示基板104からの信号を中継するインターフェース基板103が接続されており、残高表示基板104に搭載されている球貸スイッチ36および返却スイッチ37からの信号およびカードユニット装置731から各種の情報が入力されている。更に、前述したように、払出制御基板98には、主基板120から賞球制御信号が入力される。上記した入力信号のうち、払出センサ基板114からの入力信号に基づいて払出制御基板98は、貸球および賞球の払出動作において払出モータ115の停止位置、即ち玉払出装置154の玉払出部材の停止位置を正確に制御すると共に玉払出部材が動作しているか否かを検出できる。また、払出個数カウントスイッチ116からの入力信号に基づいて払出制御基板98は、貸球および賞球の正確な払出数を払出すように払出モータ115を駆動制御すると共に、枠用外部端子板102に貸球数情報(100円分の球25個で1パルス)を出力する。なお、貸球は、払出制御基板98と、カードユニット装置731との間で、インターフェース基板103を経由して各種信号の送受信が行なわれ、玉払出装置154が駆動されることにより行なわれる。なお、払出制御基板98と、カードユニット装置731との間で、送受信される各種信号については、図24を用いて後述する。更に、主基板120からの賞球制御信号や、スイッチから直接入力される球切れ信号および満タン信号等に基づいて払出制御基板98は、賞球の払出動作を実行せしめたり、発射制御基板107に発射モータ601の停止信号を出力したりする。なお、枠用外部端子板に接続される球切れスイッチ157および満タンスイッチ158からの入力信号は、球切れ情報または満タン情報として外部のホール用管理コンピュータ等に出力される。
図24は、払出制御基板98および玉払出装置154などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図24に示すように、払出制御基板98には、払出制御用CPU659を含む払出制御用マイクロコンピュータ660(電気部品制御用マイクロコンピュータの一例、払出制御手段ともいう)が搭載されている。この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくとも未払出数を記憶するRAMが内蔵されている。払出制御用マイクロコンピュータ660、RAM(図示せず)、払出制御用プログラムを格納したROM(図示せず)およびI/Oポート等は、払出制御手段を構成する。すなわち、払出制御手段は、払出制御用マイクロコンピュータ660、RAMおよびROMを有する払出制御用マイクロコンピュータ660と、I/Oポートとで実現される。また、I/Oポートは、払出制御用マイクロコンピュータ660に内蔵されていてもよい。払出制御用マイクロコンピュータ660におけるRAMの少なくとも一部は、電源基板910に搭載されているバックアップ電源によって電源バックアップされている。この実施の形態では、全てのRAM領域が電源バックアップされているとする。よって、遊技機に対して電力供給がなされていないときにも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAMの記憶内容は保存される。
球切れスイッチ157および満タンスイッチ158からの検出信号は、サンパック中継基板101を介して払出制御基板98のI/Oポート661dに入力される。また、サンパック中継基板101は、枠用外部端子板102とコネクタで接続されている。枠用外部端子板102には、外部(例えば、管理コンピュータ)と弾球遊技機1との間の信号線を接続するコネクタとして、賞球数を出力するためのコネクタと、第1・第2ドア開放スイッチ111,112からの信号を出力するためのコネクタとが外部接続端子として設けられている。
玉払出装置154に搭載された払出個数カウントスイッチ116および払出センサ基板114からの検出信号は、払出中継基板113を介して払出制御基板98のI/Oポート661cに入力される。払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出個数カウントスイッチ116からの検出信号に基づき、RAMに記憶されている未払出数を減算する処理を行なう。払出制御用マイクロコンピュータ660は、未払出数があるときに、払出中継基板113を介して払出モータ115を駆動させるための信号を出力する。また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、I/Oポート661bに球切れまたは満タンを示す信号が入力されたときに、払出停止信号をI/Oポート661cから払出中継基板113に出力する。払出中継基板113は、当該払出停止信号を受信すると、払出モータ115の駆動を停止させる。
操作ハンドル30に搭載された単発発射スイッチ109およびタッチリング110からの検出信号は、発射制御基板107に入力される。発射制御基板107は、単発発射スイッチ109およびタッチリング110からの検出信号に基づき、発射モータ601を駆動させるための信号を出力する。払出制御用マイクロコンピュータ660は、I/Oポート661dに球切れを示す信号が入力されたときに、I/Oポート661bを介して球切れ信号をプラ枠中継基板108に出力する。プラ枠中継基板108は、球切れ信号に基づき、球切れLED9を点灯させる制御を行なう。また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出個数カウントスイッチ116からの検出信号に基づき、I/Oポート661bを介して賞球信号をプラ枠中継基板108に出力する。プラ枠中継基板108は、賞球信号に基づき、賞球LED10を点灯させる制御を行なう。なお、払出制御用マイクロコンピュータ660は、I/Oポート661dに球切れまたは満タンを示す信号が入力されたときに、I/Oポート661bを介して発射停止信号をプラ枠中継基板108に出力するようにしてもよい。この場合、プラ枠中継基板108は、発射制御基板107に、発射モータ不能動化信号を出力し、発射モータ601が駆動できないように制御するようにしてもよい。
また、入賞口への遊技球の入賞があると、主基板120の出力回路662から、払出すべき賞球個数を示す賞球制御信号が出力される(オン状態になる)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ99が立ち上がったとき(動作を開始したとき)に、払出起動コマンド(払出起動指令)が出力される。そして、賞球制御信号または払出起動指令の取り込みを指示するための賞球REQ信号(賞球リクエスト信号)が出力される(オン状態になる)。
この実施の形態では、賞球制御信号と払出起動指令とは同じ信号線で伝達される。賞球制御信号および払出起動指令は、5ビットのデータ(2進5桁のデータ)によって構成され、5本の信号線によって出力される。なお、信号のオン状態すなわち出力状態は、信号が有意である状態であり、オン状態になることは、信号を受ける側に対してその信号に基づく何らかの処理を開始することを指令することを意味する。例えば、賞球個数を示す賞球制御信号および賞球REQ信号がオン状態になるということは、払出制御手段に対して、賞球制御信号が示す払出数を認識するように指令することを意味する。
賞球制御信号および払出起動指令は、入力回路663Aを介してI/Oポート661gに入力される。また、賞球REQ信号は、払出制御用CPU659のマスク可能割込端子(以下、単に割込端子ともいう。)に入力される。払出制御用CPU659は、割込端子に賞球REQ信号が入力されたことに基づく割込処理で、I/Oポート661gを介して賞球制御信号を入力し、賞球制御信号が示す個数の遊技球を払出すために玉払出装置154を駆動する制御を行なう。なお、主基板120の出力回路662からは、主基板120が接続されていることを示す接続確認信号も出力される。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660が払出指令信号を受付けたときには、主基板120に対して指令受付信号を送信する。指令受付信号は、払出制御基板98の出力ポート662hおよび出力回路663Bを介して主基板120に送信される。そして、主基板120において、入力回路666およびI/Oポート114を介して遊技制御用マイクロコンピュータ99に入力される。なお、この実施の形態では、賞球BUSY信号がオン状態になることによって、指令受付信号が送信されたことになる。
また、払出制御基板98には、電源基板910から、電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号、RAMの内容をクリアするためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号、および払出制御用マイクロコンピュータ660に対する払出制御用許容信号(CPUを動作可能状態にさせるための信号)として用いられるリセット信号が、入力ポート661aに入力される。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、出力ポート661fを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED664にエラー信号を出力する。なお、払出制御基板98の入力ポート661eには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ665からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ665は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
弾球遊技機1に隣接して設置されているカードユニット装置731には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット装置731には、使用可表示ランプ、連結台方向表示器、カード投入表示ランプおよびカード挿入口が設けられている。インターフェース基板103には、上皿19の近傍に設けられている度数表示LED105、球貸可表示LED106、球貸スイッチ36および返却スイッチ37が接続される。
インターフェース基板103からカードユニット装置731には、遊技者の操作に応じて、球貸スイッチ36が操作されたことを示す球貸しスイッチ信号および返却スイッチ37が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット装置731からインターフェース基板103には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット装置731と払出制御基板98の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート661iおよび出力ポート661jを介して送受信される。カードユニット装置731と払出制御基板98の間には、インターフェース基板103が介在している。よって、接続信号(VL信号)等の信号は、図24に示すように、インターフェース基板103を介してカードユニット装置731と払出制御基板98の間で送受信されることになる。
弾球遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板98に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ660は、カードユニット装置731にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、電源が投入されると、VL信号を出力する。払出制御用マイクロコンピュータ660は、VL信号の入力状態によってカードユニット装置731の接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット装置731においてカードが受付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板98にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板98にBRQ信号を出力する。
そして、払出制御用マイクロコンピュータ660は、カードユニット装置731に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット装置731からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ115を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払出す。そして、払出が完了したら、払出制御用マイクロコンピュータ660は、カードユニット装置731に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット装置731からのBRDY信号がオン状態でないことを条件に、遊技制御手段から払出指令信号を受けると賞球払出制御を実行する。
カードユニット装置731で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板98から供給される。すなわち、カードユニット装置731に対する電源基板910からの電力供給は、払出制御基板98およびインターフェース基板103を介して行なわれる。この例では、インターフェース基板103内に配されているカードユニット装置731に対するAC24Vの電源供給ラインに、カードユニット装置731を保護するためのヒューズが設けられ、カードユニット装置731に所定電圧以上の電圧が供給されることが防止される。
なお、この実施の形態で用いられている払出制御用CPU659は、マスク不能割込(NMI)を発生させるために使用されるマスク不能割込端子(NMI端子)と、マスク可能割込を発生させるために使用される割込端子(INT端子)とを有する。しかし、この実施の形態では、マスク不能割込および外部割込を使用しない。そこで、NMI端子およびINT端子を、抵抗を介してVCC(+5V)にプルアップしておく。なお、マスク可能割込とは、ソフトウェアで割込が発生しないように制御することができる割込である。また、割込端子への信号入力に基づく割込を外部割込ともいう。
図25は、演出制御基板90および音声枠ランプ基板92の回路構成例を示すブロック図である。演出制御基板90において、演出制御用マイクロコンピュータ118における演出制御用CPU118aは、ROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、周辺コマンド中継基板57を介して主基板120から送信される取込信号(演出制御INT信号)に応じて、周辺コマンド中継基板57、入力ドライバ667および入力ポート668を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ118は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)119に、LCDを用いた飾り図柄表示装置44bの表示制御を行なわせる。VDP119は、GCL(グラフィックコントローラLSI)と呼ばれることもある。
周辺コマンド中継基板57には、主基板120から入力された信号(演出制御コマンドを構成する演出制御信号と演出制御INT信号)を演出制御基板90に向かう方向にしか信号を通過させない(演出制御基板90から主基板120への方向には信号を通過させない)信号入力阻止手段としての単方向性回路57aが搭載されている。単方向性回路57aとして、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図25には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路57aは、周辺コマンド中継基板57を通過する信号線それぞれに設けられる。演出制御基板90からの信号、演出制御基板90に入力される信号(操作ボタン19aの操作に応じた操作信号およびセンサ954,955の検出信号)、および演出制御基板90に接続される音声枠ランプ基板92(主基板120に接続されない基板を周辺基板ともいう。)からの信号は、周辺コマンド中継基板57の存在によって、主基板120の遊技制御用マイクロコンピュータ99に伝達されない。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ99に対する外部からの信号入力経路が限定され、遊技制御用マイクロコンピュータ99に対して不正信号を送り込む不正行為がなされる可能性を低減できる。また、さらに、周辺コマンド中継基板57を、その裏面が視認可能となる態様で取り付けた場合、周辺コマンド中継基板57の裏面を容易に視認することができるため、周辺コマンド中継基板57から遊技制御用マイクロコンピュータ99へ不正に信号を入力させるようにする不正行為が行なわれたことを容易に発見することができる。
なお、本実施の形態においては、単方向性回路57aを周辺コマンド中継基板57に設けた例について説明したが、これに限らず、単方向性回路57aは、主基板120に設けてもよく、また演出制御基板90に設けてもよい。すなわち、単方向性回路57aは、遊技制御用マイクロコンピュータ99に対して不正信号が入力されることを防止できる場所に設けられている構成であればよい。
演出制御用マイクロコンピュータ118には、入力ポート669を介して、遊技者によって操作される操作ボタン19aからの操作信号、およびセンサ954,955からの検出信号が入力される。また、演出制御用マイクロコンピュータ118は、出力ポート670を介して、ハンマ951を駆動するモータ950に駆動信号を与える。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ118は、入出力ポート671を介して音声枠ランプ基板92に対して、スピーカ12a,12bから発せられる音声を制御するための音声制御コマンドと、遊技効果ランプ13a〜13c,16a,16b,17a,17b、装飾ランプ32a,32bの点灯状態を制御するためのランプ制御コマンドとを出力する。
音声枠ランプ基板92において、CPU、ROMおよびRAMを含む音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ92aは、音声制御コマンドに応じたROMに格納されている制御データに基づいて音声ドライバ回路673を介し、スピーカ12a,12bを制御する。また、音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ92aは、ランプ制御コマンドに応じたROMに格納されている制御データに基づいて枠ランプドライバ回路672を介し、遊技効果ランプ13a〜13c,16a,16b,17a,17bを制御する。さらに、音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ92aは、ランプ制御コマンドに応じたROMに格納されている制御データに基づいてバスドライバ674を介し、装飾ランプ32a,32bを制御するための駆動信号を、ランプドライバ基板93に出力する。
ランプドライバ基板93では、バスドライバ675から入力された音声枠ランプ基板92から出力された駆動信号に基づき、出力ポート676および装飾ランプドライバ回路677を介し、装飾ランプ32a,32bが制御される。なお、ランプドライバ基板93には、さらに、拡張ポート678が搭載されており、他の演出装置を駆動させることができるように構成されている。
本実施の形態におけるランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ118と音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ92aとの間で、双方向通信(コマンド受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。これについては、図79等を用いて後述する。
また、図26を用いて後述するように、電源監視回路920からのリセット信号は、音声枠ランプ基板92に搭載された音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ92aに入力される。また、電源監視回路920からのリセット信号は、音声枠ランプ基板92を経由し、さらに演出制御基板90に搭載された入出力ポート671を介して、演出制御用マイクロコンピュータ118に入力される。
次に、電源基板910の構成を図26のブロック図を参照して説明する。電源基板910には、遊技機内の各電気部品制御基板や機構部品への電力供給を実行または遮断するための電源スイッチ914が設けられている。なお、電源スイッチ914は、遊技機において、電源基板910の外に設けられていてもよい。電源スイッチ914が閉状態(オン状態)では、交流電源(AC24V)がトランス911の入力側(一次側)に印加される。トランス911は、交流電源(AC24V)と電源基板910の内部とを電気的に絶縁するためのものであるが、その出力電圧もAC24Vである。また、トランス911の入力側には、過電圧保護回路としてのバリスタ918が設置されている。
電源基板910は、電気部品制御基板(主基板120、払出制御基板98および演出制御基板90等)と独立して設置され、遊技機内の各基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、VLP(DC+24V)、VDD(DC+12V)およびVCC(DC+5V)を生成する。また、バックアップ電源(VBB)すなわちバックアップRAMに記憶内容を保持させるための記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5V(VCC)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。また、+5Vラインとバックアップ+5V(VBB)ラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、VSLは、整流平滑回路915において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源となる。また、VLPは、ランプ点灯用の電圧であって、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流することによって生成される。
電源電圧生成手段としてのDC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のレギュレータIC(図26では2つのレギュレータIC924A,924Bを示す)を有し、VSLに基づいてVDDおよびVCCを生成する。レギュレータIC(スイッチングレギュレータ)924A,924Bの入力側には、比較的大容量のコンデンサ923A,923Bが接続されている。従って、外部からの遊技機に対する電力供給が停止したときに、VSL、VDD、VCC等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。
図26に示すように、トランス911から出力されたAC24Vは、そのままコネクタ922Bに供給される。また、VLPは、コネクタ922Cに供給される。VCC、VDDおよびVSLは、コネクタ922A,922B,922Cに供給される。
コネクタ922Aに接続されるケーブルは、主基板120に接続される。また、コネクタ922Bに接続されるケーブルは、払出制御基板98に接続される。従って、コネクタ922A,922Bには、VBBも供給されている。たとえば、コネクタ922Cに接続されるケーブルは、音声枠ランプ基板92に接続される。なお、演出制御基板90およびランプドライバ基板93には、音声枠ランプ基板92を経由して各電圧が供給される。
また、電源基板910には、押しボタン構造のクリアスイッチ921が搭載されている。クリアスイッチ921が押下されるとローレベル(オン状態)のクリア信号が出力され、コネクタ922Aおよびコネクタ922Bを介して主基板120および払出制御基板98に送信される。また、クリアスイッチ921が押下されていなければハイレベル(オフ状態)の信号が出力される。なお、クリアスイッチ921は、押しボタン構造以外の他の構成であってもよい。また、クリアスイッチ921は、遊技機において、電源基板910以外に設けられていてもよい。
さらに、電源基板910には、電気部品制御基板に搭載されているマイクロコンピュータに対するリセット信号を作成するとともに、電源断信号を出力する電源監視回路920と、電源監視回路920からのリセット信号を増幅してコネクタ922A,922B,922Cに出力するとともに、電源断信号を増幅してコネクタ922Aおよびコネクタ922Bに出力する出力ドライバ回路925が搭載されている。なお、本実施の形態においては、音声枠ランプ基板92を経由したリセット信号が、演出制御用マイクロコンピュータ118に入力される。しかし、演出制御用マイクロコンピュータ118へのリセット信号の入力パターンとしてはこれに限るものではない。たとえば、主基板120や払出制御基板98を経由したリセット信号が入力される入力パターンであってもよい。
電源監視回路920は、電源断信号を出力する電圧低下監視手段とリセット信号を生成するリセット信号生成手段とを実現する回路である。なお、電圧低下監視手段とリセット信号生成手段とは、各々、別の回路により構成してもよい。電源監視回路920として、市販の停電監視リセットモジュールICを使用することができる。電源監視回路920は、遊技機において用いられる所定電圧(たとえば+24V)が所定値(たとえば+5V)以下になった期間が、あらかじめ決められている時間(たとえば56ms)以上継続すると電源断信号を出力する。具体的には、電源断信号をオン状態(ローレベル)にする。また、電源監視回路920は、たとえば、VCCが+4.5V以下になると、リセット信号をローレベルにする。
なお、電源監視回路920としては、電圧が所定値以下になった期間が所定時間以上継続したか否かを判断することにより、電圧が所定値以下になったか否かを判断するものに限らず、たとえば、ダイオード回路から構成される一般的な全波整流回路を用いて得られるパルスを検出することにより、電圧が所定値以下になったか否かを判断するようにしてもよい。たとえば、全波整流回路により交流波を全波整流して得られるパルスのうち、振幅が所定値以上のパルスをカウントするものであって、所定期間カウントされなかったときに電圧が所定値以下となったと判断するものであってもよい。
電源監視回路920は、遊技機に対する電力供給が停止する際には、電源断信号を出力(ローレベルにする)してから所定期間が経過したことを条件にリセット信号をローレベルにする。所定期間は、主基板120に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ99および払出制御基板98に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ660が、後述する電源断処理を実行するのに十分な時間である。すなわち、電源監視回路920は、電圧低下信号としての電源断信号を出力した後、遊技制御用マイクロコンピュータ99および払出制御用マイクロコンピュータ660が、電源断処理を実行完了した後に、動作停止信号(リセット信号のローレベル)を出力する。また、遊技機に対する電力供給が開始され、VCCがたとえば+4.5Vを越えるとリセット信号をハイレベルにするのであるが、その場合に、電源断信号が出力されなくなってから(ハイレベルにしてから)所定期間が経過したことを条件にリセット信号をハイレベルにする。従って、リセット信号がハイレベルになったことに応じて各電気部品制御基板(主基板120を含む)に搭載されているマイクロコンピュータがプログラムに従って制御を開始するときに、電源断信号は必ずオフ状態になっている。
電源監視回路920からの電源断信号は、払出制御基板98において、入力ポート661aを介して払出制御用マイクロコンピュータ660に入力される(図24参照)。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ660は、入力ポート661aの入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。また、主基板120において、電源監視回路920からの電源断信号は、入出力ポート114を介して遊技制御用マイクロコンピュータ99に入力される(図23参照)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、入出力ポート114の入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。
一方、電源監視回路920からのリセット信号は、払出制御用マイクロコンピュータ660のリセット端子に入力される(図24参照)。従って、払出制御用マイクロコンピュータ660は、リセット端子の入力状態を監視することによって、払出制御動作の実行状態とするタイミングおよび払出制御動作の停止状態とするタイミングを確認することができる。また、電源監視回路920からのリセット信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ99のリセット端子に入力される(図23参照)。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、リセット端子の入力状態を監視することによって、遊技制御動作の実行状態とするタイミングおよび遊技制御動作の停止状態とするタイミングを確認することができる。
なお、この実施の形態では、電源監視回路920が所定電位の電源の出力を監視し、外部から遊技機に供給される電力の供給停止に関わる検出条件として、遊技機の外部からの電圧(この実施の形態ではAC24V)から作成された所定の直流電圧が所定値以下になったことを用いたが、検出条件は、それに限られず、外部のからの電力が途絶えたことを検出できるのであれば、他の条件を用いてもよい。たとえば、交流波そのものを監視して交流波が途絶えたことを検出条件としてもよいし、交流波をディジタル化した信号を監視して、ディジタル信号が平坦になったことをもって交流波が途絶えたことを検出条件としてもよい。
次に、遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ99およびI/Oポート)の動作を説明する。図27および図28は、遊技制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図27に示すように、出力ポート0は払出制御基板98に送信される賞球制御信号(CD0〜CD4)の出力ポートである。また、演出制御基板90に送信される演出制御コマンドの8ビットのデータ(CD0〜CD7)は出力ポート1から出力される。なお、図27および図28に示された「論理」(たとえば1がオン状態)と逆の論理(たとえば0がオン状態)を用いてもよいが、特に、接続確認信号については、主基板120と払出制御基板98との間の信号線において断線が生じた場合やケーブル外れの場合(ケーブル未接続を含む)等に、払出制御用マイクロコンピュータ660では必ずオフ状態と検知されるように「論理」が定められる。具体的には、一般に、断線やケーブル外れが生ずると信号の受信側ではハイレベルが検知されるので、主基板120と払出制御基板98との間の信号線でのハイレベルが、遊技制御手段における出力ポートにおいてオフ状態になるように「論理」が定められる。従って、必要であれば、主基板120において出力ポートの外側に、信号を論理反転させる出力バッファ回路が設置される。
また、出力ポート2から、大入賞口を開閉する特別可変入賞球装置48を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉用ソレノイド)65、特定球検出器51を通過しないようにするためのソレノイド(Vシャッター用ソレノイド)50および普通可変入賞球装置58を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)59に対する駆動信号が出力される。さらに、演出制御基板90に送信される演出制御コマンドについての演出制御INT信号(取込信号)も出力される。演出制御INT信号は、演出制御コマンドの8ビットのデータを取り込む(受信する)ことを演出制御手段に指令するための信号である。
そして、出力ポート3,4から、盤用外部端子板96やターミナル基板160に至る各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報の出力データが出力される。
図29は、遊技制御手段における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図29に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、特定球検出器51、カウントスイッチ52、ゲートスイッチ62、入賞球検出器55a,55b,56a,56b、始動口スイッチ60の検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット0〜3には、それぞれ、電源基板910からの電源断信号、電源基板910からのクリアスイッチ921のクリア信号、払出制御基板98からの賞球BUSY信号、電源基板910からのリセット信号が入力される。さらに、入力ポート1のビット4には、遊技機においてエラーが発生している旨を示す遊技機エラー状態信号が、払出制御用マイクロコンピュータ660から入力される。
次に遊技機の動作について説明する。図30および図31は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ99へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ99が実行するメイン処理を示すフローチャートである。電源基板910からのリセット信号の入力レベルがハイレベル(オフ状態)になると、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理である初期設定処理の一部を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。
次いで、後述する払出起動コマンドの送信処理(ステップS5)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行する。具体的には、まず、ウェイトカウンタ1に、初期化ウェイト回数指定値1をセットする(ステップS81)。また、ウェイトカウンタ2に、初期化ウェイト回数指定値2をセットする(ステップS82)。なお、ウェイトカウンタ1,2として、遊技制御用マイクロコンピュータ99が内蔵する汎用のレジスタ(HLレジスタやBCレジスタ)が用いられる。そして、ウェイトカウンタ2の値が0になるま
でウェイトカウンタ2の値を1ずつ減算する(ステップS83,S84)。ウェイトカウンタ2の値が0になったらウェイトカウンタ1の値を1減算し(ステップS85)、ウェイトカウンタ1の値が0になっていなければ(ステップS86)、ステップS82に戻る。ウェイトカウンタ1の値が0になっていれば、ソフトウェア遅延処理を終了する。
以上のようなソフトウェア遅延処理によって、ほぼ、[(初期化ウェイト回数指定値1)×(初期化ウェイト回数指定値2)×(ステップS83,S84の処理時間)]だけ、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、払出起動コマンドの送信処理(ステップS5)の開始タイミングを遅延させることができる。換言すれば、所望の時間だけ払出起動コマンドの送信処理(ステップS5)の開始タイミングを遅延させることができるように、初期化ウェイト回数指定値1,2の値が決定される。なお、初期化ウェイト回数指定値1,2の値は、ROM100に設定されている。また、ここで説明したソフトウェア遅延処理は一例であって、他の方法によってソフトウェア遅延処理を実現してもよい。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ99は、(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)として、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
ソフトウェア遅延処理を終了すると、内蔵デバイスレジスタの初期化(内蔵デバイスの入出力割り当てなどの設定)を行なうとともに、内蔵デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化を行なう(ステップS4)。PIOの初期化とは、たとえば、出力ポートの全ビットにオフ状態の値を設定することである。CTCの初期化とは、タイマのモード設定等のことである。
この実施の形態で用いられている遊技制御用マイクロコンピュータ99には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
割込モード0:割込要求を行なった内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)を遊技制御用マイクロコンピュータ99の内部データバス上に送出する。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、遊技制御用マイクロコンピュータ99は自動的に割込モード0になる。よって、割込モード1または割込モード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込モード1または割込モード2に設定するための処理を行なう必要がある。
割込モード1:割込が受付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
割込モード2:遊技制御用マイクロコンピュータ99の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行なうときに割込ベクタを送出する機能を有している。
よって、割込モード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施の形態では、初期設定処理のステップS2において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は割込モード2に設定される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、払出起動指令(払出起動コマンド)を払出制御基板98に送信する払出起動コマンド送信処理を実行した後(ステップS5)、RAM111をアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、入力ポート1を介して入力されるクリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。クリアスイッチ921からのクリア信号がオン状態である場合(押下されている場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力されている。なお、入力ポート1では、クリアスイッチ信号のオン状態はハイレベルである。また、たとえば、遊技店員は、クリアスイッチ921を押下しながら遊技機に対する電力供給を開始する(たとえば電源スイッチ914をオンする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行なうことができる。
クリアスイッチ921からのクリア信号がオン状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような保護処理が行なわれていたことを確認した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ99はバックアップありと判定する。そのような保護処理が行なわれていないことを確認した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ99は初期化処理を実行する。
保護処理が行なわれていたか否かは、後述する電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、バックアップRAM領域のデータ保護処理を実行したことに応じた値(たとえば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域にデータ保護処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したらバックアップありと判定してもよい。
バックアップありと判定したら、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムとする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S15の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。具体的には、ROM100に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM111内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、ROM100に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板90に、電力供給が復旧した旨を示す復旧コマンドが送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、まず、RAMクリア処理を行なう(ステップS10)。なお、RAM111の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。たとえば、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータをそのままにした場合には、不正な手段によって初期化処理が実行される状態になったとしても、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が大当り判定値に一致するタイミングを狙うことは困難である。また、ROM100に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。また、出力ポートバッファにおける接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセット(接続確認信号のオン状態に対応)される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、ROM100に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定する(ステップS13)。
そして、ステップS15において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ99に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(ステップS19)。なお、表示用乱数とは、特別図柄表示装置44a,普通図柄表示装置63に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述するステップS23の乱数更新処理において、大当り判定用乱数発生カウンタの値が1ずつ+1されるが、大当り判定用乱数発生カウンタの値が1周(大当り決定用乱数発生カウンタの取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17,S18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17,S18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
図32は、ステップS5の払出起動コマンド送信処理を示すフローチャートである。払出起動コマンド送信処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、出力ポート0(図27参照)の下位5ビットに[1,0,0,0,0](「1」の位置がビット4)を出力する(ステップS51)。すなわち、5ビット構成の賞球制御信号として、払出起動コマンドを出力ポート0に出力する。次いで、出力ポート0のビット6を「0」にする(ステップS52)。すなわち、賞球REQ信号をオン状態にする。そして、ソフトウェアで賞球REQ信号のオン時間を設定するための遅延処理を行なう(ステップS53)。ここでの遅延処理は、たとえば、汎用のレジスタ(HLレジスタやBCレジスタ)に遅延時間に相当する値を設定し、レジスタの値を−1する処理を繰り返し実行し、レジスタの値が0になったら処理終了とするような処理である。また、遅延時間は、割込端子に賞球REQ信号が入力されたことを払出制御用CPU659が認識するのに十分な時間に設定される。
そして、出力ポート0のビット6を「1」にする(ステップS54)。すなわち、賞球REQ信号をオフ状態にする。その後、出力ポート0の下位5ビットを[0,0,0,0,0]にしておく(ステップS55)。すなわち、賞球制御信号としてオール0が出力されている状態にしておく。
図33は、遊技機に対して電力供給が開始されたとき、および電力供給が停止したときのマイクロコンピュータの動作の様子を示すタイミング図である。遊技機に対して電力供給が開始されDC+24V電源の電圧が所定値を越えると、電源断信号がオフ状態になる。また、VCCの値が所定値を越えるとリセット信号がハイレベルになる。なお、上述したように、電源監視回路920は、電源断信号をオフ状態にしてからリセット信号をハイレベルにする。リセット信号は、主基板120,払出制御基板98,および音声枠ランプ基板92に入力される。また、リセット信号は、音声枠ランプ基板92を介して演出制御基板90に入力する。そして、主基板120に搭載されているCPU112,払出制御基板98に搭載されている払出制御用CPU659,および演出制御基板90に搭載されている演出制御用CPU118aのリセット端子に入力される。
主基板120に入力されたリセット信号が遊技制御用マイクロコンピュータ99のリセット端子に入力すると(リセット端子の入力レベルがハイレベルになると)、遊技制御用マイクロコンピュータ99が動作可能状態(マイクロコンピュータがリセットされてプログラムを実行する状態になること)になるが、動作可能状態になると、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、まず、初期設定処理の一部(ステップS1〜S3)を実行する。そして、初期設定処理の一部を終了すると、ソフトウェア遅延処理(ステップS81〜S86)を行なう。その後、払出起動コマンドの送信処理(ステップS5)を実行し、次いで、初期設定処理の一部としてのクリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態のチェック処理(ステップS7)を行ない、初期化処理(ステップS10〜S13)または復旧処理(ステップS91〜S94)を行なった後に、遊技装置制御処理(ステップS15〜S35)を開始する。なお、クリアスイッチ921からのクリア信号がオン状態を示していたら、RAMクリア処理等を行なう。
払出制御用CPU659は、リセット信号がハイレベルになると動作可能状態になる。動作可能状態になると、まず、初期設定処理の一部(図52のステップS701〜S705およびS720)を実行する。その後、主基板120から払出起動コマンドが送信されてくるのを待ち(ステップS721等)、払出起動コマンドを受信できたら、クリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態のチェック処理(ステップS708)を行ない、初期化処理(ステップS712)または復旧処理(ステップS711)を行なった後に、発射モータ601や払出モータ115等の制御を行なう払出装置等制御処理(ステップS716〜S760)を開始する。なお、クリアスイッチ921からのクリア信号がオン状態を示していたら、RAMクリア処理等を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ99は、クリアスイッチ921の出力信号の状態のチェック処理を行なう直前に払出起動コマンドを送信し、払出制御用CPU659は、払出起動コマンドを確認したらクリアスイッチ921の出力信号の状態のチェック処理を行なう。また、初期設定処理の一部およびソフトウェア遅延処理の実行によって、遊技制御用マイクロコンピュータ99が払出起動コマンド送信処理を開始する時点では、払出制御用CPU659は、払出起動コマンドが送信されてくるのを待つ状態になっている。
よって、たとえば、払出制御用CPU659はクリアスイッチ921の出力信号の状態のチェック処理を行なったにもかかわらず、遊技制御用マイクロコンピュータ99がクリアスイッチ921の出力信号の状態のチェック処理を行なわないという状況が生ずることが防止される。逆に、遊技制御用マイクロコンピュータ99はクリアスイッチ921の出力信号の状態のチェック処理を行なったにもかかわらず、払出制御用CPU659がクリアスイッチ921の出力信号の状態のチェック処理を行なわないという状況が生ずることが防止される。すなわち、操作手段の操作に基づいて遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータの双方における各記憶手段の内容を確実に初期化できる。
遊技機に対する電力供給が停止すると、DC+24V電源の電圧も徐々に低下するのであるが、電源監視回路920は、DC+24V電源の電圧が所定値を下回ると、電源断信号を出力する(ローレベルにする)。電源断信号は、主基板120および払出制御基板98に入力されている。主基板120に搭載されている遊技制御手段および払出制御基板98に搭載されている払出制御手段は、電源断信号が出力されたことに応じて、電力供給停止時処理(電源断時制御処理ともいう。)を実行する。そして、電源監視回路920は、VCCが所定値を下回ると、リセット信号をローレベルにする。主基板120に搭載されている遊技制御手段および払出制御基板98に搭載されている払出制御手段は、リセット信号がローレベルになったことに応じてシステムリセットされる。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ99および払出制御用CPU659は、動作しない状態になる。なお、電源監視回路920は、電源電圧が低下していくときに、電源断信号を出力した時点から、所定時間が経過すると、リセット信号をローレベルにする。
次に、ステップS21以降の遊技装置制御処理について説明する。図34は、タイマ割込処理のプログラムを説明するためのフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS16〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理においてステップS21以降の遊技装置制御処理を実行する。タイマ割込処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、まず、ステップS21においては、電源断処理が行なわれる。電源断処理では、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する。
ステップS22においては、スイッチ処理が行なわれる。スイッチ処理では、ゲートスイッチ62、始動口スイッチ60、カウントスイッチ52、入賞球検出器55a,55b,56a,56b、および特定球検出器51等のスイッチの状態を入力し、それらの検出状態を判定する処理が行なわれる。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
ステップS22aにおいては、表示制御処理が行なわれる。表示制御処理では、特別図柄表示装置44aおよび普通図柄表示装置63の表示状態を制御するための駆動信号や、特別図柄始動記憶LED67および特別図柄始動記憶LED68の点灯状態を制御するための駆動信号を出力する処理が行なわれる。
ステップS22bにおいては、異常入賞報知処理が行なわれる。異常入賞報知処理では、特別可変入賞球装置48が開放していないにもかかわらず、特別可変入賞球装置48内に設けられているカウントスイッチ52がオン状態にセットされているときに、異常入賞していることを報知するための異常入賞報知コマンドをセットする処理が行なわれる。
ステップS23においては、乱数更新処理が行なわれる。乱数更新処理においては、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう。
ステップS24およびステップS25においては、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう。
ステップS26において、特別図柄プロセス処理が行なわれる。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて弾球遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグの値に従って、該当する処理を選び出して実行する処理が行なわれる。特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中において更新される。また、本実施の形態における特別図柄プロセス処理においては、払出制御用マイクロコンピュータ660から遊技機エラー状態信号が入力されたときに、エラー発生により払出禁止状態である旨を示す払出禁止コマンドをセットする処理が行なわれる。
ステップS27においては、普通図柄プロセス処理が行なわれる。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示装置63の点灯を所定態様で制御するための普通図柄プロセスフラグの値に従って、該当する処理を選び出して実行する処理が行なわれる。普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中において更新される。
ステップS28においては、演出図柄コマンド制御処理が行なわれる。演出図柄コマンド制御処理では、ステップS26等でセットされたコマンド(払出禁止コマンドを含む)を演出制御用マイクロコンピュータ118に出力する処理が行なわれる。
ステップS30においては、情報出力処理が行なわれる。情報出力処理では、弾球遊技機1の営業管理上必要な遊技情報(例えば、大当り遊技状態中である旨を報知する大当り1情報、確率変動図柄で大当り遊技状態となり、その大当り状態中およびその大当りによる確率変動中である旨を報知する大当り2情報(大当り中と確率変動中に出力され続ける信号)、確率変動図柄による大当り状態終了後の確率変動中である旨を報知する確率変動情報、始動口スイッチ60をオン状態にした打球の数を報知する始動口情報、特別図柄表示装置44aの変動動作回数を報知する図柄確定回数1情報、普通図柄表示装置63の変動動作回数を報知する図柄確定回数2情報、および普通可変入賞球装置58の開閉回数を報知する役物回数2情報等)を遊技場に設置されるホール用管理コンピュータに出力するための処理が行なわれる。
ステップS31においては、賞球処理が行なわれる。賞球処理では、各入賞口への入賞を検出するためのスイッチの検出信号に基づいて、賞球数の設定等が行なわれる。たとえば、入賞検出に応じて払出制御基板98に賞球個数を示す賞球制御信号が出力される。払出制御基板98に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す賞球制御信号の受信に応じて玉払出装置154を駆動する。
ステップS31aにおいては、試験端子処理が行なわれる。試験端子処理では、特別図柄変動中の設定、特別図柄当り、特別可変入賞球装置48作動中の設定、普通可変入賞球装置58作動中の設定、確率変動状態の設定、普通図柄変動中の設定等の各信号を出力する処理が実行される。
ステップS31bにおいては、出力処理が行なわれる。出力処理では、所定の条件が成立したときに対応するソレノイドを駆動させるための駆動信号を出力する出力処理が行なわれる。出力処理において出力された駆動信号に基づき、ソレノイドが駆動され、対応する装置が開状態または閉状態等に制御される。
ステップS32においては、記憶処理が行なわれる。記憶処理では、特別図柄始動記憶LED67および普通図柄始動記憶LED68の点灯状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。
ステップS33においては、特別図柄表示制御処理が行なわれる。特別図柄表示制御処理では、特別図柄表示装置44aの表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。ステップS34においては、普通図柄表示制御処理が行なわれる。普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示装置63の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。
ステップS34aにおいては、状態表示灯表示処理が行なわれる。状態表示灯表示処理では、状態表示灯を制御するための状態表示灯表示処理が行なわれる。本実施の形態における状態表示灯表示処理においては、遊技状態が確率変動状態または変動時間短縮状態であるときに、状態表示灯タイマの更新、状態表示灯の点滅設定、および、状態表示灯の点滅速度等を設定する処理が行なわれる。ステップS35においては、割込許可状態に設定する処理が行なわれる。これにより、タイマ割込処理のすべてが実行されるまでは、割込許可状態とはされないので、他の割込または次回のタイマ割込が発生することはなく、タイマ割込処理中のすべての各処理が確実に実行完了することができる。
以上の制御によって、この実施の形態では、ステップS21以降の遊技装置制御処理は定期的(たとえば2ms毎)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理でステップS21以降の遊技装置制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、ステップS21以降の遊技装置制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。また、ステップS1〜S35の処理が、遊技の進行を制御する遊技制御処理に相当する。
図35および図36は、ステップS20の電源断処理の一例を示すフローチャートである。電源断処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、まず、電源断信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS450)。オン状態でなければ、RAM111に形成されているバックアップ監視タイマの値を0クリアする(ステップS451)。オン状態であれば、バックアップ監視タイマの値を1増やす(ステップS452)。そして、バックアップ監視タイマの値が判定値(たとえば2)と一致すれば(ステップS453)、ステップS454以降の電力供給停止時処理すなわち電力の供給停止のための準備処理を実行する。つまり、遊技の進行を制御する状態から遊技状態を保存させるための電力供給停止時処理(電源断時制御処理)を実行する状態に移行する。なお、「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
バックアップ監視タイマと判定値とを用いることによって、判定値に相当する時間だけ電源断信号のオン状態が継続したら、電力供給停止時処理が開始される。すなわち、ノイズ等で一瞬電源断信号のオン状態が発生しても、誤って電力供給停止時処理が開始されるようなことはない。なお、バックアップ監視タイマの値は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間はバックアップ電源によって保存される。従って、メイン処理におけるステップS8では、バックアップ監視タイマの値が判定値と同じ値になっていることによって、電力供給停止時処理の処理結果が保存されていることを確認できる。
電力供給停止時処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、パリティデータを作成する(ステップS454〜S463)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS454)、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の先頭アドレスに相当するチェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS455)。また、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の最終アドレスに相当するチェックサム算出回数をセットする(ステップS456)。
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS457)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS458)、ポインタの値を1増やし(ステップS459)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS460)。そして、ステップS457〜S460の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(ステップS461)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS462)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS463)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS471)。以後、内蔵RAM111のアクセスができなくなる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、ROM100に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS472)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ99は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(ステップS473)。また、ポインタの値を1増やし(ステップS474)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(ステップS475)。さらに、ポインタの値を1増やし(ステップS476)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(ステップS477)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(ステップS478)。その後、処理数を1減らし(ステップS479)、処理数が0でなければステップS474に戻る。処理数が0であれば、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止し(ステップS481)、ループ処理に入る。
ループ処理では、電源断信号がオフ状態になったか否かを監視する(ステップS482)。電源断信号がオフ状態になった場合には復帰アドレスとして、電源投入時実行アドレス(ステップS1のアドレス)を設定してリターン命令を実行し(ステップS483)、RETI(Return from interrupt)によりタイマ割込処理を終了し、メイン処理に戻る。具体的には、遊技機に設けられている遊技用の装置を制御(自身で制御することと、他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信することの双方を含む概念)する状態に戻る。
また、ループ処理では、リセット信号がローレベルのオン状態となったか否かを監視する(ステップS484)。リセット信号がオン状態になった場合、すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ99によりリセット信号がオン状態となったことが確認された場合に、当該遊技制御用マイクロコンピュータ99がシステムリセット状態となる(システムリセットされる)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、始動の状態である動作停止状態に戻される(ステップS485)。本実施の形態におけるリセット信号をオン状態とするための検出電圧の電圧レベルは、前述したように遊技制御用マイクロコンピュータ99の駆動電圧(たとえば4V)よりも高い+4.5Vに設定されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、駆動電圧よりも高い電圧が未だ供給されているときであっても、積極的に動作停止状態となる。
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、ステップS454〜S481の電力供給停止時処理が実行され、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータ(バックアップあり指定値およびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、ステップS21以降の遊技装置制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
この実施の形態では、RAM111がバックアップ電源によって電源バックアップ(遊技機への電力供給が停止しても所定期間はRAM111の内容が保存されこと)されている。この例では、ステップS452〜S479の処理によって、バックアップ監視タイマの値とともに、電源断信号が出力されたときのRAM111の内容に基づくチェックサムもRAM111のバックアップ領域に保存される。遊技機への電力供給が停止した後、遊技制御手段は、上述したステップS91〜S94の処理によって、RAM111に保存されているデータ(電力供給が停止した直前の遊技制御手段による制御状態である遊技状態を示すデータ(たとえば、プロセスフラグの状態、大当り中フラグの状態、確変フラグの状態、出力ポートの出力状態等)を含む)に従って、遊技状態を、電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、電力供給停止の期間が所定期間を越えたらバックアップ監視タイマの値とチェックサムとが正規の値とは異なるはずであるから、その場合には、ステップS10〜S14の初期化処理が実行される。
以上のように、電力供給停止時処理(電力の供給停止のための準備処理)によって、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータが確実に遊技制御用記憶手段(この例ではRAM111の一部の領域)に保存される。よって、停電等による電源断が生じても、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。
また、電源断信号がオフ状態になった場合には、ステップS1に戻る。その場合、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータが設定されているので、ステップS91〜S94の遊技状態復旧処理が実行される。よって、電力供給停止時処理を実行した後に払出制御基板98からの電源断信号がオフ状態になったときには、遊技の進行を制御する状態に戻る。従って、電源瞬断等が生じても、遊技制御処理が停止してしまうようなことはなく、自動的に、遊技制御処理が続行される。
なお、払出制御基板98に対して送信される接続確認信号は、出力ポートをクリアする処理によってオフ状態に設定される。また、ステップS92およびS12の作業領域の設定では、接続確認信号に対応した出力ポートバッファの内容が、接続確認信号のオン状態に対応した値に設定される。そして、ステップS31の賞球処理が実行されると、出力ポートバッファの内容が出力ポートに出力されるので、払出制御基板98への接続確認信号がオン状態になる。従って、接続確認信号は、主基板120の立ち上がり時に出力される(オン状態になる)ことになる。なお、電源瞬断等から復帰した場合も、接続確認信号が出力される。
次に、メイン処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定されスイッチオンに対応した処理が開始される。図37は、スイッチ処理で使用されるRAM111に形成される各1バイトのバッファを示す説明図である。前回ポートバッファは、前回(たとえば2ms前)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。ポートバッファは、今回入力したポート0の内容が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合に対応ビットが1に設定され、スイッチのオフが検出された場合に対応ビットが0に設定されるバッファである。
図38は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、まず、入力ポート0(図29参照)に入力されているデータを入力し(ステップS101)、入力したデータをポートバッファにセットする(ステップS102)。次いで、RAM111に形成されるウェイトカウンタの初期値をセットし(ステップS103)、ウェイトカウンタの値が0になるまで、ウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS104,S105)。
ウェイトカウンタの値が0になると、再度、入力ポート0のデータを入力し(ステップS106)、入力したデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS107)。そして、論理積の演算結果を、ポートバッファにセットする(ステップS108)。ステップS103〜S108の処理によって、ほぼ[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS104,S105の処理時間)]の時間間隔を置いて入力ポート0から入力した2回の入力データのうち、2回とも「1」になっているビットのみが、ポートバッファにおいて「1」になる。つまり、所定期間としての[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS104,S105の処理時間)]だけスイッチの検出信号のオン状態が継続すると、ポートバッファにおける対応するビットが「1」になる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、前回ポートバッファにセットされているデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に排他的論理和をとる(ステップS119)。排他的論理和の演算結果において、前回(たとえば2ms前)のスイッチオン/オフの判定結果と、今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビットが「1」になる。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、さらに、排他的論理和の演算結果と、ポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS110)。この結果、前回のスイッチオン/オフの判定結果と今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビット(排他的論理和演算結果による)のうち、今回オンと判定されたスイッチに対応したビット(論理積演算による)のみが「1」として残る。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、ステップS110における論理積の演算結果をスイッチオンバッファにセットし(ステップS111)、ステップS108における演算結果がセットされているポートバッファの内容を前回ポートバッファにセットする(ステップS112)。
以上の処理によって、所定期間継続してオン状態であったスイッチのうち、前回(たとえば2ms前)のスイッチオン/オフの判定結果がオフであったスイッチ、すなわち、オフ状態からオン状態に変化したスイッチに対応したビットが、スイッチオンバッファにおいて「1」になっている。
次に、主基板120と払出制御基板98との間で送受信される制御信号について説明する。図39は、遊技制御手段から払出制御手段に対して出力される制御信号の内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御等に関する各種の制御を行なうために、主基板120と払出制御基板98との間で複数種類の制御信号が送受信される。図39に示すように、接続確認信号は、主基板120の立ち上がり時(遊技制御手段が遊技制御処理を開始したとき)に出力され、払出制御基板98に対して主基板120が立ち上がったことを通知するための信号(主基板120の接続確認信号)である。また、接続確認信号は、賞球払出が可能な状態であることを示す。なお、この実施の形態では、遊技制御手段が図30のステップS6以降の遊技制御処理を開始する前に払出起動コマンドを送信するので、接続確認信号を使用しなくてもよい。接続確認信号を使用しない場合には、払出起動コマンドが、賞球払出が可能な状態であることを示す信号を兼ねる。
賞球REQ信号は、賞球の払出要求時または払出起動コマンドの送信時に出力状態(=オン状態)になる信号である。また、賞球REQ信号は、払出制御手段から賞球BUSY信号がオン状態になった後にオフ状態になると、停止状態(オフ状態=オール0の状態)になる。賞球制御信号は、払出要求を行なう遊技球の個数(1〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド、賞球個数信号)として使用される。
賞球BUSY信号は、払出制御手段が賞球の払出要求時の賞球REQ信号のオン状態を確認するとオン状態にされ、あらかじめ決められている所定期間後にオフ状態になる信号である。すなわち、賞球REQ信号に対する受付確認信号に相当する。従って、賞球BUSY信号がオフである状態は、賞球個数コマンド受信待ちの状態に相当する。
図40は、図39に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図40に示すように、接続確認信号、賞球REQ信号、および賞球制御信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ99によって出力回路662を介して出力され、入力回路663Aを介して払出制御用CPU659に入力される。また、賞球BUSY信号は、払出制御用CPU659によって出力回路663Bを介して出力され、入力回路666を介して遊技制御用マイクロコンピュータ99に入力される。接続確認信号、賞球REQ信号、および賞球BUSY信号は、それぞれ1ビットのデータであり、1本の信号線によって送信される。賞球制御信号は、1個〜15個の賞球払出を指定するとともに、さらに払出起動指令としても使用されるので、5ビットのデータで構成され5本の信号線によって送信される。なお、前述したように、本実施の形態における主基板120および払出制御基板98には、電源基板910からクリア信号,電源断信号,およびリセット信号が入力される。また、電源基板910からバックアップ電源等も供給される。
図41は、賞球制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図41に示すように、遊技制御手段は、遊技機に対して電力供給が開始されたことに関連して、払出起動コマンド(払出起動指令)を払出制御手段に送信する。具体的には、賞球制御信号として10(H)を出力するとともに、賞球REQ信号をオン状態にする。
また、遊技球の入賞を検出すると、遊技制御手段は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球制御信号の出力状態を、入賞に応じて払出される賞球数に応じた状態にする。なお、この実施の形態では、始動口スイッチ60で遊技球が検出されると4個の賞球払出を行ない、入賞球検出器55a,55b,56a,56bのいずれかで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行ない、特定球検出器51またはカウントスイッチ52で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行なう。また、上述したように、賞球制御信号は5ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数コマンドのうち、下位の5ビットが賞球制御信号によって主基板120から払出制御基板98に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球制御信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球制御信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の5ビットに相当する。なお、賞球制御信号が、入賞に応じて払出される賞球数を伝達するために使用される場合には、その最上位ビット(ビット4)は0である。
図42は、ステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、賞球個数加算処理(ステップS201)と賞球制御処理(ステップS202)とを実行する。そして、RAM111に形成されるポート0バッファの内容をポート0に出力する(ステップS203)。なお、ポート0バッファの内容は、賞球制御処理において更新される。
賞球個数加算処理では、図43に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM100に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「7」)が設定され、その後に、スイッチオンバッファの下位アドレス、入賞により賞球を払出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図29参照)。また、スイッチオンバッファの上位アドレスは固定的な値(たとえば7F(H))である。また、賞球個数テーブルにおいて、7つのスイッチオンバッファの下位アドレスのそれぞれには、同じデータが設定されている。
図44は、賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS211)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS212)。次に、スイッチオンバッファの上位アドレス(8ビット)を2バイトのチェックポインタの上位1バイトにセットする(ステップS213)。
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS214)、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチオンバッファの下位アドレス)をチェックポインタの下位1バイトにセットした後(ステップS215)、ポインタの値を1増やす(ステップS216)。次いで、チェックポインタが指すアドレスのデータ、すなわちスイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(ステップS217)、ロードした内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(ステップS218)。この結果、スイッチオンバッファの内容がロードされたレジスタには、検査対象としているスイッチの検出信号に対応したビット以外の7ビットが0になる。そして、ポインタの値を1増やす(ステップS219)。
ステップS218における演算結果が0でなれば、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS220,S221)、賞球加算値を、RAM111に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS222)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS223,224)。
ステップS225では処理数を1減らし、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS214に戻る(ステップS226)。また、ステップS220において、ステップS218における演算結果が0であること、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオフ状態であることを確認したら、ステップS225に移行する。
図45は、ステップS201の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、賞球プロセスコードの値に応じて、ステップS231〜S234のいずれかの処理を実行する。
図46は、賞球プロセスコードの値が0の場合に実行される賞球待ち処理1(ステップS231)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、賞球待ち処理1において、賞球BUSY信号がオン状態になっていないか否か確認する(ステップS241)。この段階では賞球BUSY信号はオン状態になっていないはずであるから、賞球BUSY信号がオン状態になっている場合には、賞球異常状態出力値(40(H))をポート0バッファにセットして処理を終了する(ステップS242)。なお、賞球異常状態出力値がポート0バッファにセットされると、ステップS203(図42参照)においてポート0バッファの内容がポート0に出力されることによって、賞球REQ信号、接続確認信号および賞球制御信号の全てがオフ状態になる(図27参照)。
賞球BUSY信号がオフ状態であれば、賞球待機中出力値(60(H))をポート0バッファにセットする(ステップS243)。なお、賞球待機中出力値がポート0バッファにセットされると、ステップS203においてポート0バッファの内容がポート0に出力されることによって、賞球REQ信号がオフ状態になり、接続確認信号のオン状態が維持される(図27参照)。また、賞球制御信号が無効コマンド(00(H))を出力する状態になる。次いで、賞球タイマが0であるか否か確認する(ステップS244)。賞球タイマが0でなければ、賞球タイマの値を1減らして(ステップS245)、処理を終了する。賞球タイマは賞球処理において必要となる時間を計測するためのタイマであるが、この段階で賞球タイマの値が0でないということは、前回の払出処理が完了した後、次に賞球REQ信号をオン状態にするまでの待ち時間(連続して賞球払出が実行される場合に複数の賞球REQ信号のオン期間の間に間隔を設けるための時間、図41に示す00(H)の賞球制御信号が出力されている期間)が終了していないことを意味する。なお、賞球タイマは、後述する賞球待ち処理3のステップS275でセットされる。また、ステップS243〜S245の処理は、ステップS234の賞球待ち処理3の実行が完了して前回の払出処理が完了した後に、賞球REQ信号をオフ状態にするとともに、賞球制御信号として無効コマンド(00(H))を出力するための処理である。
賞球タイマの値が0であれば、次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS247)。その値が0であれば処理を終了し、0でなければ、賞球プロセスコードの値を1にした後(ステップS248)、処理を終了する。
図47は、賞球プロセスコードの値が1の場合に実行される賞球送信処理(ステップS232)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、賞球送信処理において、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS251)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS252)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS253)。
その後、賞球REQ中出力値(20(H))を出力ポート0バッファにセットする(ステップS254)。なお、賞球REQ中出力値が出力ポート0バッファにセットされると、ステップS203において出力ポート0バッファの内容がポート0に出力されることによって、賞球REQ信号がオン状態になり、接続確認信号のオン状態が維持される(図27参照)。また、賞球個数バッファの内容を出力ポート0バッファの下位4ビットにセットする(ステップS255)。その後、賞球プロセスコードの値を2にして(ステップS256)、処理を終了する。
この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。従って、最大で「15」の払出数を指定する賞球制御信号が払出制御基板98に送信される。
図48は、賞球プロセスコードの値が2の場合に実行される賞球待ち処理2(ステップS233)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、賞球待ち処理2において、賞球REQがオン状態になったことに応じて払出制御手段が出力する(オン状態にする)賞球BUSY信号がオン状態になったか否か確認する(ステップS261)。オン状態にならないときには、賞球タイマにBUSY開始判定時間値(たとえば2)をセットする(ステップS262)。BUSY開始判定時間値は、遊技制御手段が、その値が示す時間だけ賞球BUSY信号のオン状態が継続したら、確かに賞球BUSY信号が出力された(オンした)と確認するための値である。
従って、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、賞球BUSY信号がオン状態になったら賞球タイマの値を確認し(ステップS263)、その値が0でなければ賞球タイマの値を1減らして(ステップS264)、処理を終了する。賞球タイマの値が0になったら、確かに賞球BUSY信号がオンしたとして、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS265)。そして、賞球プロセスコードの値を3にして(ステップS266)、処理を終了する。
なお、図47に示した賞球送信処理および図48に示した賞球待ち処理2において、遊技制御手段は、賞球制御信号を送信した後所定期間内に払出制御手段からの賞球BUSY信号を受信しなかったときには、遊技の進行を停止するための制御を行なうように構成されていてもよい。具体的には、図47に示した賞球送信処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、賞球REQ信号をオン状態にした後に(ステップS255)、賞球BUSYオン監視値を監視タイマ(ここで、監視タイマは、通信異常の発生を検出するためのタイマであり、賞球BUSYオン監視値は、払出制御手段および通信線が正常である場合に賞球BUSY信号がオン状態になるまでの時間に余裕を持たせた時間に相当する値である)にセットする。そして、図48に示した賞球待ち処理2において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、賞球BUSY信号がオン状態になったか否かを確認し(ステップS261)、オン状態にならないときには、監視タイマの値を1減算する。監視タイマの値が0になった場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、払出制御手段との間の通信の異常が発生したとして、具体的には、賞球BUSY信号がオン状態にならなかったとして、遊技の進行を停止するための制御を行なう。
遊技制御手段は、遊技の進行を停止する前に、現在の制御状態、たとえば出力ポートの出力状態をRAM111に保存した後、出力ポートの出力状態をクリアする。そして、払出制御手段との間の通信の異常が解消されるまで遊技の進行を停止する。すなわち、新たな事象(遊技球の入賞等)が生じても、それに応じた処理を行なわず、たとえば新たに生じた事象を記憶しておく。なお、遊技制御手段は、遊技の進行を停止する前に、飾り図柄表示装置44b等を用いて通信異常の発生を報知するために通信エラー表示コマンドを演出制御基板90の演出制御手段に送信するように構成されている。遊技制御手段は、通信異常が解消されると、RAM111に保存されている制御状態に基づいて出力ポートを復元することができる。
図49は、賞球プロセスコードの値が3の場合に実行される賞球待ち処理3(ステップS234)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、賞球待ち処理3において、賞球BUSY信号がオフ状態になったか否か確認する(ステップS271)。オフ状態にならないときには、賞球タイマにBUSY終了判定時間値(たとえば3)をセットする(ステップS272)。BUSY終了判定時間値は、賞球BUSY信号がオフ状態になってから、賞球REQ信号をオフ状態にするまでの時間を設定するための値である。
従って、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、賞球BUSY信号がオフ状態になったら賞球タイマの値を確認し(ステップS273)、その値が0でなければ賞球タイマの値を1減らして(ステップS274)、処理を終了する。賞球タイマの値が0になったら、賞球REQ待ち時間を賞球タイマにセットする(ステップS275)。なお、賞球REQ信号は、賞球待ち処理1のステップS243でオフ状態にされる。そして、賞球プロセスコードの値を0にして(ステップS276)、処理を終了する。なお、賞球REQ待ち時間は、次に賞球REQ信号をオン状態にするまでの待ち時間(連続して賞球払出が実行される場合に、複数の賞球REQ信号のオン期間の間に間隔を設けるための時間)である。
以上の処理によって、遊技制御手段は、払出条件の成立に基づいて払出される賞球としての遊技球の総数を特定可能に総賞球数格納バッファに記憶する。総賞球数格納バッファは、遊技機への電力供給が停止した場合に変動データ保存手段としてのバックアップ電源により記憶内容を少なくとも所定期間保存する景品遊技媒体数記憶手段に相当する。また、遊技制御手段は、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数に基づいて払出制御手段に対して所定数の賞球の払出数を指定する払出指令信号を送信する。ここで、所定数は、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数が15個以上であれば15であり、15個未満であれば、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数である。そして、所定の条件が成立すると総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数から払出指令信号で指定した払出数を減算する減算処理を行なう。
この実施の形態では、減算処理を実行するための所定の条件は、払出制御手段から指令受付信号を受信したとき、具体的には、賞球BUSY信号がオンしたときである。なお、賞球BUSY信号がオンしたときには、払出制御手段は、払出指令信号で指令された個数の賞球払出をまだ行なっていない。賞球払出が完了したときに総賞球数格納バッファの減算処理を行なうように構成すると、賞球払出中に不正に遊技機の電力供給を停止させた後に電力供給を復旧させるような不正行為によって、不正に多数の賞球払出が行なわれてしまう。たとえば、払出指令信号で15個の賞球払出が指令された場合に、10個の賞球払出がなされた時点で、不正に遊技機の電力供給を停止させた後に電力供給を復旧させると、総賞球数格納バッファの内容はなんら減算されていないので、実際には10個の賞球払出はなされているにも関わらず、その10個の賞球払出はなされていないものとして、賞球制御を続行してしまう。
しかし、この実施の形態では、賞球BUSY信号がオンしたときに、すなわち、払出制御手段が払出指令信号を受付けて指令受付信号を送信したときに総賞球数格納バッファの減算処理が実行されるので、上記の不正行為を防止することができる。
ただし、遊技制御手段は、賞球制御信号の出力状態を入賞に応じて払出される賞球数に応じた状態にしたときに、具体的には賞球制御信号を出力ポート0に出力したときに、より具体的には賞球個数バッファの内容を出力ポート0バッファの下位4ビットにセットしたときに、総賞球数格納バッファの減算処理を実行してもよい。
なお、この実施の形態では、払出条件の成立に基づいて払出される景品遊技媒体の総数を特定可能に記憶する景品遊技媒体数記憶手段として、総数そのものを記憶する総賞球数格納バッファが例示されたが、景品遊技媒体の総数を特定可能に記憶する景品遊技媒体数記憶手段は、各入賞領域への入賞数を記憶したり、賞球数が同じである入賞領域毎の入賞数(たとえば4個の賞球数に対応した始動口58a、7個の賞球数に対応した入賞口53a,53b,54a,54b、15個の賞球数に対応した大入賞口への入賞数であって、未だ賞球払出が終了していない入賞数)を記憶するものであってもよい。
次に、払出制御手段(払出制御用マイクロコンピュータ660およびI/Oポート)の動作を説明する。図50は、払出制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図50に示すように、出力ポート0は、ステッピングモータによる発射モータ601に供給される各相の信号と、ステッピングモータによる払出モータ115に供給される各相の信号とを出力するための出力ポートである。また、出力ポート1は、球切れLED9、および賞球LED10と、遊技機外部に出力される賞球中信号、賞球情報、球貸し情報および遊技機エラー状態信号を出力するための出力ポートである。出力ポート2は、7セグメントLEDによるエラー表示用LED664の各セグメント出力の出力ポートである。なお、払出制御基板98には、図50には示されていないが、主基板120への賞球BUSY信号を出力するための出力ポートや、カードユニット装置731へのEXS信号およびPRDY信号を出力するための出力ポートも設けられている。
図51は、払出制御手段における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図51に示すように、入力ポート0のビット0〜4には、5ビットの賞球制御信号が入力され、ビット5〜7には、それぞれ、主基板120からの接続確認信号、主基板120から賞球REQ信号、払出センサ基板114からの検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット0〜3には、それぞれ、タッチリング110からのタッチセンサ信号(発射制御信号)、払出個数カウントスイッチ116の検出信号、エラー解除スイッチ665からの操作信号、満タンスイッチ158の検出信号が入力される。入力ポート1のビット4〜7には、それぞれ、カードユニット装置731からのVL信号、BRDY信号、BRQ信号と、球切れスイッチ157の検出信号が入力される。入力ポート2には、電源基板910からのクリアスイッチ921からの出力信号,リセット信号,および電源断信号が入力される。
次に、払出制御手段の動作について説明する。図52は、払出制御手段が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電力供給が開始され、リセット信号がハイレベルになると、払出制御用マイクロコンピュータ660は、メイン処理を開始する。メイン処理では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、まず、必要な初期設定を行なう。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ660は、まず、割込禁止に設定する(ステップS701)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS702)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS703)。また、払出制御用CPU659は、内蔵デバイスレジスタの初期化を行ない(ステップS704)、CTCおよびPIOの初期化を行なう(ステップS705)。
この実施の形態では、内蔵CTCのうちの一つのチャネルがタイマモードで使用される。従って、ステップS704の内蔵デバイスレジスタの設定処理およびステップS705の処理において、使用するチャネルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行なわれる。そして、そのチャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タイマ割込をたとえば2ms毎に発生させたい場合は、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
なお、タイマモードに設定されたチャネル(この実施の形態ではチャネル3)に設定される割込ベクタは、タイマ割込処理の先頭アドレスに相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでタイマ割込処理の先頭アドレスが特定される。タイマ割込処理では、払出手段等を制御するためのステップS749以降の払出装置等制御処理(少なくとも主基板からの賞球払出に関する指令信号に応じて玉払出装置154を駆動する処理を含み、球貸し要求に応じて玉払出装置154を駆動する処理が含まれていてもよい。)が実行される。
この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ660でも割込モード2が設定される。従って、内蔵CTCのカウントアップに基づく割込処理を使用することができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた割込処理開始アドレスを設定することができる。
CTCのチャネル3(CH3)のカウントアップに基づく割込は、CPUの内部クロック(システムクロック)をカウントダウンしてレジスタ値が「0」になったら発生する割込であり、タイマ割込として用いられる。具体的には、CPU659の動作クロックを分周したクロックがCTCに与えられ、クロックの入力によってレジスタの値が減算され、レジスタの値が0になるとタイマ割込が発生する。なお、ここまでの処理が、図33に示された初期設定処理の一部に相当する。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ660は、主基板120から払出起動コマンドが送信されたことを確認するための監視時間に相当する値を汎用のレジスタ(HLレジスタやBCレジスタ)にセットする(ステップS720)。
払出制御用マイクロコンピュータ660に含まれる払出制御用CPU659は、割込端子に割込を生じさせるようなレベル(この例ではローレベル)の信号が入力されると、その状態を反映するレジスタであって特定レジスタの一つである外部割込要求レジスタを有するCPUである。この実施の形態では、割込端子に割込を生じさせるようなレベルの信号が入力されると、外部割込要求レジスタのビット7が「1」にセットされるとする。すなわち、外部割込要求レジスタの値が80(H)に更新される。なお、外部割込要求レジスタのビットのセット/リセットは、ソフトウェアで実行できるものではなく、CPUの内部機構によって行なわれる。また、外部割込要求レジスタのビット0〜6は常に0であるとする。また、割込禁止状態に設定されているか否かに関わらず、割込端子に割込を生じさせるようなレベルが入力されると、外部割込要求レジスタのビット7が「1」にセットされる。
払出制御用CPU659は、汎用のレジスタの値を−1しつつ、外部割込要求レジスタのビット7が「1」にセットされたか否かを確認する(ステップS721〜S723)。汎用のレジスタの値が0になる前に、すなわち、監視時間が経過する前に、外部割込要求レジスタのビット7がセットされた場合には、ステップS721aに移行する。また、外部割込要求レジスタのビット7がセットされる前に監視時間が経過したら、起動不能フラグとして使用する所定の汎用レジスタの所定ビット(任意に定めうる)をセットした後(ステップS724)、ステップS706に移行する。この実施の形態では、主基板120からの賞球REQ信号は払出制御用CPU659の割込端子に入力される。従って、外部割込要求レジスタのビット7がセットされる前に監視時間が経過したということは、所定の監視時間内に遊技制御手段が払出起動コマンドを送信したことを確認できなかったことを意味する。そこで、そのことを示す起動不能フラグをセットする。
監視時間が経過する前に、外部割込要求レジスタのビット7がセットされたということは、賞球REQ信号がオン状態になったことを意味する。つまり、主基板120の遊技制御手段が、賞球制御信号によって払出起動コマンドを送信するために賞球REQ信号をオン状態にしたことを意味する。
本実施の形態においては、ステップS721において、外部割込要求レジスタのビット7が「1」にセットされていることが確認されたときには、賞球制御信号を入力する(取込)タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行する。具体的には、まず、ウェイトカウンタ3に、取込ウェイト指定値をセットする(ステップS721a)。なお、ウェイトカウンタ3として、払出制御用マイクロコンピュータ660が内蔵する汎用のレジスタ(HLレジスタやBCレジスタ)が用いられる。そして、ウェイトカウンタ3の値が0になるまでウェイトカウンタ3の値を1ずつ減算する(ステップS721b,S721c)。ウェイトカウンタ3の値が0になっていれば、ソフトウェア遅延処理を終了する。
以上のようなソフトウェア遅延処理によって、ほぼ、[(取込ウェイト指定値)×(ステップS721b,S721cの処理時間)]だけ、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、賞球制御信号を取込むタイミングを遅延させることができる。換言すれば、所望の時間だけ賞球制御信号を取込むタイミングを遅延させることができるように、取込ウェイト指定値の値が決定される。なお、取込ウェイト指定値の値は、払出制御用マイクロコンピュータ660に内蔵されているROMに予め設定されている。また、ここで説明したソフトウェア遅延処理は一例であって、他の方法によってソフトウェア遅延処理を実現してもよい。
ステップS721cにおいてウェイトカウンタ3の値が0であると確認され、ソフトウェア遅延処理を終了した後に、払出制御用CPU659は、入力ポート0のビット0〜4を介して賞球制御信号を入力し(ステップS725)、入力した賞球制御信号が、払出起動コマンドとして定められている10(H)であるか否か確認する(ステップS726)。10(H)であれば、払出起動コマンドを受信したとして、ステップS706に移行する。10(H)でなければ、起動不能フラグとして使用する所定の汎用レジスタの所定ビットをセットした後(ステップS724)、ステップS706に移行する。
ステップS706では、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS706)。また、賞球未払出個数カウンタ初期値として0000(H)をセットする(ステップS707)。次いで、起動不能フラグ(ステップS724参照)がセットされていなければ(ステップS727)、入力ポート2を介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS708)。その確認においてオンを検出した場合には、払出制御用CPU659は、初期化処理を実行する(ステップS712〜ステップS715)。クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(ステップS709)。保護処理が行なわれていたか否かは、後述する電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、バックアップRAM領域のデータ保護処理を実行したことに応じた値(たとえば10)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域にデータ保護処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS709において、そのフラグがセットされていることを確認したらバックアップありと判定してもよい。
なお、遊技機に対して電力供給が開始されるとメイン処理が実行開始されるので、この実施の形態では、電力供給の開始時にクリアスイッチ921が押下されて検出信号(主基板120への検出信号と同じ信号)が出力されていれば直ちに初期化処理を実行するが、主基板120から接続確認信号を受信したときにクリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態を確認し、そのときにクリアスイッチ921が押下されていたら初期化処理を実行するようにしてもよい。そのように構成するには、ステップS708の処理の実行前に、接続確認信号の受信を所定時間(電力供給開始後に遊技制御手段が遊技制御処理を開始して接続確認信号を出力できるようになるまでの時間)待つ処理を挿入し、所定時間内に接続確認信号を受信したらステップS708の処理を実行し、所定時間内に接続確認信号を受信しなかったら、ステップS709の処理を実行するようにすればよい。
バックアップありと判定したら、払出制御用CPU659は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(ステップS710)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムとする。
後述する電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS710では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、払出制御側復旧処理を実行せず、初期化処理(ステップ
S712〜S715の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、払出制御用CPU659は、払出制御側復旧処理を行なう。具体的には、賞球未払出個数カウンタ初期値として、バックアップRAMに形成されている賞球未払出個数カウンタの値をセットする(ステップS711)。そして、ステップS713以降の処理を実行する。
初期化処理では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、まず、RAMクリア処理を行なう(ステップS712)。また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、RAM領域のフラグやカウンタなどに初期値を設定する(ステップS713)。ステップS713の処理には、賞球未払出個数カウンタ初期値を賞球未払出個数カウンタにセットする処理が含まれる。従って、払出制御側復旧処理(ステップS711)が実行された場合には、バックアップRAMに保存されていた賞球未払出個数カウンタの値が、あらためて賞球未払出個数カウンタにセットされる。換言すれば、バックアップRAMに保存されていた賞球未払出個数カウンタの値がそのまま使用される。また、払出制御側初期化処理(ステップS712)が実行された場合には、ROMに格納されている初期値をRAM領域に設定する。
そして、ステップS724の処理において起動不能フラグがセットされていた場合には、RAMに形成されているエラーフラグにおける起動エラービットをセットする(ステップS714,S715)。次に、定期的にタイマ割込がかかるように払出制御用CPU659に設けられているCTCのレジスタの設定を行なう(ステップS716)。すなわち、初期値としてタイマ割込発生間隔に相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。そして、初期設定処理のステップS701において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS717)。その後、タイマ割込の発生を監視するループ処理に入る。
以上のように、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、ステップS5の払出起動コマンド送信処理において払出起動コマンドを送信した後に、ステップS7においてクリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態のチェック処理を実行する。一方、払出制御用マイクロコンピュータ660は、ステップS721において外部割込要求レジスタのビット7が「1」であると判断されたときに、ステップS721a〜S721cのソフトウェア遅延処理を実行した後、ステップS725において払出起動コマンドを受信し、ステップS708においてクリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態のチェック処理を実行する。従って、遊技制御手段のクリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態のチェックタイミングと払出制御手段のクリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態のチェックタイミングとは、ほぼ同時になる。
上記のように、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ660の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。そして、タイマ割込が発生すると、払出制御用マイクロコンピュータ660は、タイマ割込処理を実行する。
図53は、払出制御手段が実行するタイマ割込処理の例を示すフローチャートである。タイマ割込処理にて、払出制御用マイクロコンピュータ660は、電源断信号が出力された否かを監視する電源断処理を実行する(ステップS749)。その後、ステップS750以降の払出装置等制御処理を実行する。払出制御用マイクロコンピュータ660は、まず、発射モータ601に対する励磁パターンの出力処理(発射モータφ1〜φ4のパターンの出力ポート0への出力)を行なう(ステップS750)。なお、ステップS752の発射モータ制御処理において、励磁パターンがRAM領域である励磁パターンバッファに格納され、ステップS750では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、励磁パターンバッファの内容を出力ポート0の下位4ビットに出力する処理を行なう。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ660は、入力判定処理を行なう(ステップS751)。入力判定処理は、入力ポート0のビット5,6および入力ポート1のビット3〜7(図51参照)の状態を検出して検出結果をRAMの所定の1バイト(入力状態フラグと呼ぶ。)に反映する処理である。なお、払出装置等制御処理において、入力ポート0のビット5,6および入力ポート1のビット3〜7の状態に基づいて制御を行なう場合には、直接入力ポートの状態をチェックするのではなく、入力状態フラグの状態をチェックする。さらに、入力判定処理は、入力ポート1のビット0,1,2の状態チェック、すなわち発射制御信号、払出個数カウントスイッチおよびエラー解除スイッチの検出信号の状態チェックを行なう処理を含む。具体的には、それらのそれぞれに対応したスイッチタイマ(発射制御信号タイマ、払出個数カウントスイッチタイマ、エラー解除スイッチタイマ)がRAMに形成され、スイッチチェック処理において、それらがオン状態であることを検出したら対応するスイッチタイマの値を+1し、オフ状態であることを検出したら対応するスイッチタイマの値をクリアする。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ660は、発射モータ制御処理を実行する(ステップS752)。発射モータ制御処理では、発射モータφ1〜φ4のパターンを励磁パターンバッファに格納する。また、発射モータ601を不能動化すべきときには、発射モータ601を回転させない発射モータφ1〜φ4のパターンを励磁パターンバッファに格納する。また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出モータ制御処理を実行する(ステップS753)。払出モータ制御処理では、払出モータ115を駆動すべきときには、払出モータφ1〜φ4のパターンを出力ポート0に出力するための処理を行なう。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、カードユニット装置731と通信を行なうプリペイドカードユニット制御処理を実行する(ステップS754)。次いで、払出制御用マイクロコンピュータ660は、主基板120の遊技制御手段と通信を行なう主制御通信処理を実行する(ステップS755)。さらに、カードユニット装置731からの球貸し要求に応じて貸し球を払出す制御を行ない、また、主基板からの賞球制御信号が示す個数の賞球を払出す制御を行なう賞球球貸し制御処理を実行する(ステップS756)。
そして、払出制御用マイクロコンピュータ660は、各種のエラーを検出するエラー処理を実行する(ステップS757)。また、遊技機外部に出力される賞球情報や球貸し情報を出力するための情報出力処理を実行する(ステップS758)。また、エラー処理の結果に応じてエラー表示用LED664に所定の表示を行なうとともに、賞球LED10および球切れLED9を点灯するための表示制御処理を実行する(ステップS759)。なお、払出制御用マイクロコンピュータ660は、表示制御処理において、賞球払出を行なっている状態であるときに、賞球LED10を点灯するための制御を行なう。また、賞球払出を終了したら、賞球LED10を消灯するための制御を行なう。
また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファ、出力ポート2バッファ)が設けられているのであるが、払出制御用マイクロコンピュータ660は、出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファおよび出力ポート2バッファの内容を出力ポートに出力する(ステップS760:出力処理)。ただし、出力ポート0の下位4ビット(発射モータφ1〜φ4)については、ステップS750で実行されているので、出力処理では、出力ポート0の下位4ビットについての出力を行なわない。出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファおよび出力ポート2バッファ
は、払出モータ制御処理(ステップS753)、プリペイドカード制御処理(ステップS754)、主制御通信処理(ステップS755)、情報出力処理(ステップS758)および表示制御処理(ステップS759)で更新される。なお、ステップS701〜ステップS760の処理が、払出手段を制御するための払出制御処理に相当する。
図54および図55は、ステップS749の電源断処理の一例を示すフローチャートである。電源断処理において、払出制御用マイクロコンピュータ660は、まず、電源断信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS901)。オン状態でなければ、払出制御基板98が備えるRAMに形成されるバックアップ監視タイマの値を0クリアする(ステップS902)。オン状態であれば、RAMに形成されるバックアップ監視タイマの値を1増やす(ステップS903)。そして、バックアップ監視タイマの値が判定値(たとえば2)と一致すれば(ステップS904)、ステップS905以降の電力供給停止時処理を実行する。つまり、払出制御を実行する状態から払出制御の制御状態を保存させるための電力供給停止時処理(電源断時制御処理)を実行する状態に移行する。
バックアップ監視タイマと判定値とを用いることによって、判定値に相当する時間だけ電源断信号のオン状態が継続したら、電力供給停止時処理が開始される。すなわち、ノイズ等で一瞬電源断信号のオン状態が発生しても、誤って電力供給停止時処理が開始されるようなことはない。なお、バックアップ監視タイマの値は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間はバックアップ電源によって保存される。従って、メイン処理におけるステップS709では、バックアップ監視タイマの値が判定値と同じ値になっていることによって、電力供給停止時処理の処理結果が保存されていることを確認できる。
電力供給停止時処理において、払出制御用マイクロコンピュータ660は、電力供給停止時処理待機時間を待機時間タイマに設定し(ステップS905)、遊技制御手段からの賞球制御信号を所定期間(電力供給停止時処理待機時間)受付ける待機時間中賞球受付処理を行なう(ステップS906〜S909)。なお、待機時間タイマは、RAMに格納されている。
電力供給停止時処理待機時間は、電源断信号を出力してから、電源断信号の入力に応じた主基板120での電力供給停止時処理が開始されるまでの期間としてあらかじめ定められた時間である。なお、電力供給停止時処理待機時間は、少なくとも、待機時間中賞球受付処理が終了する前に主基板120での電力供給停止時処理が開始されるような時間が定められる。
待機時間中賞球受付処理において、払出制御用マイクロコンピュータ660は、賞球REQ信号がオン状態であれば(ステップS906)、賞球制御信号が示す個数を賞球未払出個数カウンタに加算する(ステップS909)。賞球REQ信号がオン状態でなければ、払出制御用マイクロコンピュータ660は、待機時間タイマを1減算し(ステップS907)、待機時間タイマが0でなければステップS906の処理に戻る(ステップS908)。すなわち、電力供給停止時処理待機時間が経過するまで、待機時間中賞球受付処理を実行する。そして、待機時間タイマが0であれば、待機時間中賞球受付処理を終了し、ステップS911の処理に移行する。
ここで、従来の遊技機の一例について説明する。従来の遊技機には、電源断信号が遊技制御基板と払出制御基板とに入力される従来の遊技機のうち、電源断信号が同じタイミングで遊技制御基板と払出制御基板とに入力されるものと、電源断信号が異なるタイミングで遊技制御基板と払出制御基板とに入力されるものとがあった。そして、電源断信号が同じタイミングで遊技制御基板と払出制御基板とに入力される前者の遊技機において、電源断信号が入力されると、遊技制御側および払出制御側において電力供給停止時処理が同じタイミングで実行されるため、電力供給停止時処理実行開始以降は、遊技制御基板と払出制御基板との間でコマンドが送受信されることがなかった。
しかし、電源断信号が異なるタイミングで遊技制御基板と払出制御基板とに入力される後者の遊技機では、遊技制御側と払出制御側とにおいて電力供給停止時処理が異なるタイミングで実行されるため、電力供給停止時処理実行開始以降であっても、遊技制御基板と払出制御基板との間でコマンドが送受信される可能性があり、当該コマンドを取りこぼし、遊技に反映できないといった不都合の生じる虞があった。特に、遊技制御側よりも先に払出制御側において電力供給停止時処理が実行される場合にあっては、払出制御側において電力供給停止時処理が実行開始された後に入賞口への入賞等の払出条件が成立したときに、遊技制御側から出力される賞球REQ信号等を取りこぼし、入賞による賞球が正確に払出されないといった不都合の生じる虞があった。
このような不都合の生じる虞を極力回避するために、本実施の形態においては、前述したように、ステップS905において電源断信号がオン状態となったと判断された後であっても、ステップS908において待機時間タイマが0でなければ、賞球REQ信号がオン状態となりステップS906でYESと判断されると、ステップS909において賞球制御信号が示す個数を賞球未払出個数カウンタに確実に加算することができるようにし、電源断信号が払出制御基板に入力されたときであっても電力供給が停止する直前(待機時間中)に発生した入賞に基づく賞球の払出を確実に行なうことができるように構成している。
また図54の説明に戻り、待機時間中賞球受付処理を終了すると、払出制御用マイクロコンピュータ660は、パリティデータを作成する(ステップS911〜S920)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS911)、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の先頭アドレスに相当するチェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS912)。また、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の最終アドレスに相当するチェックサム算出回数をセットする(ステップS913)。
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS914)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS915)、ポインタの値を1増やし(ステップS916)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS917)。そして、ステップS914〜S917の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(ステップS918)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、払出制御用マイクロコンピュータ660は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS919)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS920)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS921)。以後、内蔵RAM111のアクセスができなくなる。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ660は、ROM100に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS922)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
払出制御用マイクロコンピュータ660は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(ステップS923)。また、ポインタの値を1増やし(ステップS924)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(ステップS925)。さらに、ポインタの値を1増やし(ステップS926)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(ステップS927)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(ステップS928)。その後、処理数を1減らし(ステップS929)、処理数が0でなければステップS924に戻る(ステップS930)。処理数が0であれば(ステップS930のY)、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止し(ステップS931)、ループ処理に入る。
ループ処理では、電源断信号がオフ状態になったか否かを監視する(ステップS932)。電源断信号がオフ状態になった場合には、復帰アドレスとして、電源投入時実行アドレス(ステップS701のアドレス)を設定してリターン命令を実行し(ステップS934)、RETIによりタイマ割込処理を終了し、メイン処理に戻る。具体的には、遊技機に設けられている遊技用の装置(玉払出装置154など)を制御する状態に戻る。
また、ループ処理では、リセット信号がローレベルのオン状態となったか否かを監視する(ステップS935)。リセット信号がオン状態になった場合には、払出制御用マイクロコンピュータ660がシステムリセット状態となる(システムリセットされる)。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ660は、始動の状態である動作停止状態に戻される(ステップS937)。この例では、払出制御用マイクロコンピュータ660が、その駆動電圧(たとえば4V)よりも高い電圧が未だ供給されているときに積極的に動作停止状態となるように、リセット信号をオン状態とするための検出電圧の電圧レベルが設定される。
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、待機時間中賞球受付処理と、ステップS911〜S931の電力供給停止時処理とが実行され、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータ(バックアップあり指定値およびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、ステップS749以降の払出装置等制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
待機時間中賞球受付処理を実行することによって、電力供給停止直前に遊技制御用マイクロコンピュータ99が払出数データとしての賞球制御信号を送信したときでも、払出制御用マイクロコンピュータ660が確実に払出数データを受信して保存することができ、遊技者に不利益を与えないようにすることができる。
払出制御用マイクロコンピュータ660が確実に賞球制御信号を受信できるようにするために、払出制御用マイクロコンピュータ660に電源断信号が入力されるタイミングを遅らせて、払出制御用マイクロコンピュータ660が電力供給停止時処理を開始するタイミングを遅らせるような構成にしてもよい。しかし、そのように構成する場合には、ハードウェアによる遅延回路等を設ける必要がある。ハードウェアによる遅延回路等を設けない場合には、払出制御用マイクロコンピュータ660に電源断信号が入力される直前に遊技制御用マイクロコンピュータ99が賞球制御信号の出力を開始するおそれや、払出制御用マイクロコンピュータ660に電源断信号が入力された後に(電源断信号の遊技制御用マイクロコンピュータ99への伝達が遅れたような場合)、遊技制御用マイクロコンピュータ99が賞球制御信号の出力を開始するおそれがある。その場合、払出制御用マイクロコンピュータ660が電源断信号に応じて直ちに電力供給停止時処理を開始すると、払出制御用マイクロコンピュータ660は、賞球制御信号が送信されたことを認識しない可能性がある。しかし、この実施の形態では、待機時間中賞球受付処理を実行することによって、払出制御用マイクロコンピュータ660は、確実に賞球制御信号を取り込むことができる。
また、この実施の形態では、払出制御基板98が備えるRAMの全領域がバックアップ電源によって電源バックアップ(遊技機への電力供給が停止しても所定期間はRAMの内容が保存されること)されている。従って、ステップS905〜S931の処理によって、バックアップ監視タイマの値とともに、電源断信号が出力されたときのRAMの内容に基づくチェックサムもRAMに保存される。遊技機への電力供給が停止した後、所定期間内に電力供給が復旧したら、払出制御手段は、上述したステップS711の処理によって、RAMに保存されているデータ(電力供給が停止した直前の払出制御手段による制御状態である払出状態を示すデータ(たとえば、賞球未払出個数カウンタの値等)を含む)に従って、払出状態を、電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、電力供給停止の期間が所定期間を越えたらバックアップ監視タイマの値とチェックサムとが正規の値とは異なるはずであるから、その場合には、ステップS712の初期化処理が実行される。
以上のように、電力供給停止時処理(電力の供給停止のための準備処理)によって、払出制御状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータが確実に払出制御用記憶手段(この例では払出制御基板98が備えるRAMの全領域)に保存される。よって、停電等による電源断が生じても、所定期間内に電源が復旧すれば、払出制御状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、払出制御基板98が備えるRAMの全領域が電源バックアップされるのではなく、払出制御状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータを記憶する領域のみが電源バックアップされるようにしてもよい。
また、電源断信号がオフ状態になった場合には、ステップS701に戻る。その場合、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータが設定されているので、ステップS711の払出制御側復旧処理が実行される。よって、電力供給停止時処理を実行した後に電圧低下監視手段からの電源断信号がオフ状態になったときには、メイン処理のステップ701を実行する状態に戻る。従って、電源瞬断等が生じても、払出制御処理が停止してしまうようなことはなく、自動的に、払出制御処理が続行される。
さらに電源電圧が低下し、払出制御用マイクロコンピュータ660および遊技制御用マイクロコンピュータ99での電力供給停止時処理が完了したあと、電源監視回路920によって監視されているVCCが+4.5V以下になると、リセット信号がローレベルにされ、払出制御用マイクロコンピュータ660および遊技制御用マイクロコンピュータ99にローレベルのリセット信号が、各々入力されて動作停止状態となる。
図56は、ステップS752の発射モータ制御処理を示すフローチャートである。発射モータ制御処理において、払出制御用CPU659は、エラーフラグにおけるエラービット(主制御未接続エラービット、賞球REQ信号エラービットまたは起動エラービット)がオンしている場合には、以降の処理を実行せずに処理を終了する(ステップS510)。ステップS510では、エラーフラグ中の3つのビットのうち1つでもセットされていたら、エラービットがセットされていると判断する。いずれのエラービットもセットされていない場合には、カードユニット装置731からのVL信号がオフ状態である場合(プリペイドカード未接続)、または満タンスイッチ158がオン状態である場合(下皿満タン)には、ステップS518に移行する(ステップS511,S513)。プリペイドカード未接続でなく、下皿満タンでもない場合にはステップS514に移行する。ステップS514では、払出制御用CPU659は、タッチリング110からのタッチセンサ信号(発射制御信号)がオン状態になっているか否か確認する。オン状態になっていればステップS515に移行し、オン状態になっていなければステップS518に移行する。
ステップS515では、払出制御用CPU659は、発射モータ励磁パターンカウンタを+1する。そして、ROMに格納されている発射モータ励磁パターンテーブルから、励磁パターンカウンタの値に応じたデータを読み出す(ステップS516)。さらに、読み出したデータを、発射モータ励磁パターンバッファにセットする(ステップS517)。上述したように、発射モータ励磁パターンバッファの内容は、ステップS760において出力ポートに出力される。なお、発射モータ励磁パターンテーブルには、発射モータ601を回転させるための各ステップの励磁パターン(発射モータφ1〜φ4)のデータが順次設定されている。
ステップS518では、未回転データ(発射モータ601を回転させないための励磁パターン)を発射モータ励磁パターンバッファにセットする。
以上のように、プリペイドカード未接続または下皿満タンが生じているときに発射モータ601が不能動化されるので、それらが発生しているにも関わらず遊技が進行してしまうことはない。さらに、主基板未接続エラーの通信エラー(接続確認信号のオフ状態)や、不正なタイミングで賞球REQ信号がオンまたはオフした賞球REQ信号エラーが発生した場合、および遊技制御手段から払出起動コマンドを受信しなかった場合にも、発射モータ601を不能動化するようにして、遊技球の遊技領域7への発射ができない状態にする。
図57は、ステップS753の払出モータ制御処理を示すフローチャートである。払出モータ制御処理において、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出モータ制御コードの値に応じて、ステップS521〜S526のいずれかの処理を実行する。
払出モータ制御コードの値が0の場合に実行される払出モータ通常処理(ステップS521)では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、ポインタを、ROMに格納されているテーブルの先頭アドレスにセットする。払出モータ通常処理設定テーブルには、球払出時の払出モータ115を回転させるための各ステップの励磁パターン(払出モータφ1〜φ4)のデータが順次設定されている払出モータ励磁パターンテーブルが格納されている。
払出モータ制御コードの値が1の場合に実行される払出モータ起動準備処理(ステップS522)では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に励磁パターンの初期値を設定する等の処理を行なう。
払出モータ制御コードの値が2の場合に実行される払出モータスローアップ処理(ステップS523)では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出モータ115を滑らかに回転開始させるために、定速処理の場合よりも長い間隔で、かつ、徐々に定速処理の場合の時間間隔に近づくような時間間隔で、払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に設定する。読み出しに際して、ポインタが指すアドレスの払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出すとともに、ポインタの値を+1する。
払出モータ制御コードの値が3の場合に実行される払出モータ定速処理(ステップS524)では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、定期的に払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に設定する。
払出モータ制御コードの値が4の場合に実行される払出モータブレーキ処理(ステップS525)では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出モータ115を滑らかに停止させるために、定速処理の場合よりも長い間隔で、かつ、徐々に定速処理の場合の時間間隔から遠ざかるような時間間隔で、払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に設定する。
払出モータ制御コードの値が5の場合に実行される球噛み時払出モータブレーキ処理(ステップS526)では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、球噛みを解除するための回転の場合に、払出モータ115を滑らかに停止させるために、球噛みを解除するための払出モータ115の回転の場合よりも長い間隔で、かつ、徐々に定速処理の場合の時間間隔から遠ざかるような時間間隔で、払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に設定する。
図58は、ステップS755の主制御通信処理を示すフローチャートである。主制御通信処理では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、主制御通信制御コードの値に応じて、ステップS531〜S532のいずれかの処理を実行する。なお、主制御通信制御コードの値が0である場合(賞球制御信号の受信を待っている状態)では、ステップS531またはS532に移行せずに処理を終了する。
図59は、払出装置等制御処理が実行されているときに、割込端子に導入されている主基板120からの賞球REQ信号がオン状態(ローレベル)になったことに応じて起動される賞球REQ割込処理を示すフローチャートである。この賞球REQ割込処理は、払出装置等制御処理に含まれる。賞球REQ割込処理において、払出制御用CPU659は、エラービットがオンしている場合には、以降の処理を実行せずに処理を終了する(ステップS541)。
また、払出制御用CPU659は、BRDY信号がオン状態であれば、以降の処理を実行せずに処理を終了する(ステップS542)。BRDY信号がオン状態であるということは、カードユニット装置731から球貸し要求が発生していることまたは球貸し処理中であることを意味する。すなわち、球貸し要求が発生しているときまたは球貸し処理中であるときには、主基板120の遊技制御手段との通信(賞球払出に関する通信)が進行しない。つまり、賞球REQ信号がオン状態になっても、賞球BUSY信号をオン状態にしない。
ステップS541〜S542の条件が成立せず、接続確認信号がオン状態である場合(ステップS543の処理においてYES)には、払出制御用CPU659は、入力ポート0を介して賞球制御信号を入力し(ステップS545a)、賞球制御信号が示す賞球数を賞球未払出個数カウンタの内容に加算し(ステップS545b)、賞球BUSY信号をオン状態にするための処理を行なう(ステップS546)。具体的には、出力ポート1の出力状態に対応した出力ポート1バッファにおける賞球BUSY信号に対応したビットをオン状態に設定する。そして、主制御通信制御タイマに賞球BUSY信号出力時間(この例では10)をセットし(ステップS547)、主制御通信制御コードの値を1にして(ステップS548)、処理を終了する。主制御通信制御タイマは、主基板120の遊技制御手段との通信に関わる時間の監視等に使用されるタイマであるが、この段階では、賞球BUSY信号をオフするタイミングを設定するための賞球BUSY信号出力時間がセットされる。なお、賞球未払出個数カウンタは、不揮発性(この例では電源バックアップされている)のRAM領域に形成されている。また、この実施の形態では、賞球REQ信号が送信された(オン状態になった)場合に、賞球制御信号が示す賞球数が賞球未払出個数カウンタの内容に加算された後、賞球BUSY信号が送信される(オン状態になる)が、賞球未払出個数カウンタに対する加算処理と賞球BUSY信号の送信処理との実行順序は逆であってもよい。以上のようにして、割込処理によって、主基板120から送信された賞球制御信号が受信される。
図60は、主制御通信制御コードの値が1の場合に実行される主制御通信中処理(ステップS531)を示すフローチャートである。主制御通信中処理において、払出制御用CPU659は、接続確認信号がオン状態であれば(ステップS551)、賞球REQ信号の状態を確認する(ステップS552)。賞球REQ信号がオフ状態になっていたら、エラーフラグのうち賞球REQ信号エラービットをセットする(ステップS553)。
次いで、払出制御用CPU659は、主制御通信制御タイマの値を確認し(ステップS554)、0になっていなければ主制御通信制御タイマの値を1減算して(ステップS555)処理を終了する。主制御通信制御タイマの値が0になっていたら、賞球BUSY信号をオフ状態にするための処理を行なう。具体的には、出力ポート1の出力状態に対応した出力ポート1バッファにおける賞球BUSY信号に対応したビットをオフ状態に設定する(ステップS556)。また、主制御通信制御タイマに賞球REQ信号オフ監視時間(たとえば24)をセットする(ステップS557)。そして、主制御通信制御コードの値を2にして(ステップS558)、処理を終了する。
図61は、主制御通信制御コードの値が2の場合に実行される主制御通信終了処理(ステップS532)を示すフローチャートである。主制御通信中処理において、払出制御用CPU659は、エラービット(主制御未接続エラービット、賞球REQ信号エラービットまたは起動エラービット)がオンしている場合には、ステップS567に移行する(ステップS561)。また、接続確認信号がオフ状態である場合にもステップS567に移行する(ステップS562)。エラービットがともにオフ状態であって接続確認信号がオン状態である場合には、賞球REQ信号がオフ状態になったか否かを確認する(ステップS563)。オフ状態になったらステップS567に移行する。
賞球REQ信号がオフ状態になっていない場合には、主制御通信制御タイマの値を確認する(ステップS564)。主制御通信制御タイマの値が0になっていなければ主制御通信制御タイマの値を−1する(ステップS565)。主制御通信制御タイマの値が0になっていたら、監視時間内に賞球REQ信号がオフしなかったとして、エラーフラグのうち賞球REQ信号エラービットをセットし(ステップS566)、ステップS567に移行する。ステップS567では、主制御通信制御コードの値を0にして、処理を終了する。
図62は、ステップS756の賞球球貸し制御処理を示すフローチャートである。賞球球貸し制御処理において、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出個数カウントスイッチ116の検出信号がオン状態になったことを確認したら(ステップS601)、球貸し中であれば球貸し未払出個数カウンタの値を1減らし(ステップS602,S604)、球貸し中でなければ賞球未払出個数カウンタの値を1減らす(ステップS602,S603)。次に、RAMに形成されている払出制御状態フラグの払出球検知ビットをセットする(ステップS605)。払出球検知ビットは、払出通過待ち処理において、1回の賞球払出処理(最大15個)または1回の球貸し処理において(25個の払出)、払出モータ115を駆動したにもかかわらず遊技球が1個も払出個数カウントスイッチ116を通過しなかったことを検知するために用いられる。その後、払出制御コードの値に応じてステップS610〜S612のいずれかの処理を実行する。
賞球球貸し制御処理において、払出個数カウントスイッチ116の検出信号の確認や未払出個数カウンタの減算処理を行なうときには、エラービットのチェックは実行されない。従って、遊技球の払出しに関わるエラー状態であっても、払出個数カウントスイッチ116によって遊技球の払出しが検出される毎に、払出された遊技球が貸し球であれば球貸し未払出個数カウンタの値を1減算し、賞球であれば賞球未払出個数カウンタの値を1減算する処理を実行する。よって、払出しに関わるエラーが発生しても、未払出の遊技球数を正確に管理することができる。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ660がエラーの発生を検出する前に玉払出装置154から払出された遊技球は、払出された時点からやや遅れて払出個数カウントスイッチ116によって検出されるのであるが、払出制御用マイクロコンピュータ660は、玉払出装置154から遊技球が払出された後、その遊技球が払出個数カウントスイッチ116によって検出される前にエラーの発生を検出したような場合に、エラーの発生を検出する前に玉払出装置154から払出された遊技球を、賞球未払出個数カウンタまたは球貸し未払出個数カウンタに反映できる。
図63は、払出制御コードが0の場合に実行される払出開始待ち処理(ステップS610)を示すフローチャートである。払出開始待ち処理において、払出制御用マイクロコンピュータ660は、エラービットがセットされていたら、以降の処理を実行しない(ステップS621)。エラービットがセットされていないということは、遊技制御手段において遊技の進行を制御可能な状態であるので、遊技の進行に応じた賞球の払出制御が実行可能であることを意味する。一方、エラービットがセットされているということは、遊技制御手段において遊技の進行が不能な状態であるので、遊技の進行に応じた賞球の払出制御が実行不可能であることを意味する。よって、払出制御用マイクロコンピュータ660は、エラーのビットセットされているときには、賞球の払出制御を停止する。
また、BRDY信号がオン状態でなければ、ステップS631以降の賞球払出のための処理を実行する。BRDY信号がオン状態であって、さらに、球貸し要求信号であるBRQ信号がオン状態になっていたら球貸し動作中フラグをセットする(ステップS623,S624)。そして、球貸し未払出個数カウンタに「25」をセットし(ステップS625)、払出モータ回転回数バッファに「25」をセットする(ステップS626)。
払出モータ回転回数バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)において参照される。すなわち、払出モータ制御処理では、払出モータ回転回数バッファにセットされた値に対応した回転数分だけ払出モータ115を回転させる制御が実行される。
その後、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出モータ制御処理で実行される処理を選択するための払出モータ制御コードに、払出モータ起動準備処理(ステップS522)に応じた値(具体的は「1」)をセットし(ステップS627)、払出制御コードの値を1にして(ステップS628)、処理を終了する。
ステップS631では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、賞球未払出個数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS631)。0であれば処理を終了する。賞球未払出個数カウンタには、主制御通信通常処理におけるステップS546において、すなわち、主基板120の遊技制御手段から賞球REQ信号を受けたときに、0でない値(賞球制御信号が示す数)が加算されている。賞球未払出個数カウンタの値が0でない場合には、15以上であるか否か確認する(ステップS632)。15未満であれば、払出モータ回転回数バッファに賞球未払出個数カウンタの値をセットし(ステップS633)、15以上であれば、払出モータ回転回数バッファに「15」をセットする。そして、賞球動作中フラグをセットし(ステップS635)、ステップS627に移行する。
図64は、払出制御コードが1の場合に実行される払出モータ停止待ち処理(ステップS611)を示すフローチャートである。払出モータ停止待ち処理において、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出動作が終了したか否か確認する(ステップS641)。払出制御用マイクロコンピュータ660は、たとえば、払出モータ制御処理における払出モータブレーキ処理(ステップS525)が終了するときにその旨のフラグをセットし、ステップS641においてそのフラグを確認することによって払出動作が終了したか否かを確認することができる。
払出動作が終了した場合には、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出制御監視タイマに払出通過監視時間をセットする(ステップS642)。払出通過監視時間は、最後の払出球が払出モータ115によって払出されてから払出個数カウントスイッチ116を通過するまでの時間に、余裕を持たせた時間である。そして、払出制御コードの値を2にして(ステップS643)、処理を終了する。
図65〜図67は、払出制御コードの値が2の場合に実行される払出通過待ち処理(ステップS612)を示すフローチャートである。払出通過待ち処理では、賞球払出が行なわれているときには、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていれば正常に払出が完了したと判定される。賞球未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラー状態でなければ、1個の遊技球の再払出動作を、2回を上限として試みる。再払出動作において払出個数カウントスイッチ116によって遊技球が実際に払出されたことが検出されたら正常に払出が完了したと判定される。なお、この実施の形態では、1回の賞球払出動作で払出される遊技球数は最大15個であり、また、賞球払出中に賞球制御信号を受信したら賞球未払出個数カウンタの値が増加するので、正常に払出が完了した場合でも、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていないことがある。
また、球貸し払出が行なわれているときには、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていれば正常に払出が完了したと判定される。球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラー状態でなければ、1個の遊技球または球貸し残数(球貸し未払出個数カウンタの値に相当)の再払出動作を試みる。なお、この実施の形態では、1回の球貸し払出動作で払出される遊技球数は25個(固定値)であり、25個の遊技球が払出されるように払出モータ115を回転させたのであるから、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、正常に払出が完了していないことになる。
払出通過待ち処理において、払出制御用マイクロコンピュータ660は、まず、払出制御タイマの値を確認し、その値が0になっていればステップS653に移行する(ステップS650)。払出制御タイマの値が0でなければ、払出制御タイマの値を−1する(ステップS651)。そして、払出制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS652)、すなわち払出制御タイマがタイムアウトしていなければ処理を終了する。なお、ステップS650の処理は、後述する遊技球払出のリトライ動作が開始されたときのことを考慮した処理である。後述するステップS807の処理が実行された場合には、ステップS650からS653に移行するルートを経てリトライ動作が開始される。
払出制御タイマがタイムアウトしていれば(ステップS652)、球貸し払出処理(球貸し動作)を実行していたか否か確認する(ステップS653)。球貸し動作を実行していたか否かは、RAMに形成されている払出制御状態フラグにおける球貸し動作中ビットがセットされているか否かによって確認される。球貸し動作を実行していない場合、すなわち、賞球払出処理(賞球動作)を実行していた場合には、払出制御用マイクロコンピュータ660は、賞球未払出個数カウンタの値を確認する(ステップS654)。賞球未払出個数カウンタの値が0になっている場合には、正常に賞球払出処理が完了したとして、払出制御状態フラグにおける払出球検知ビット、再払出動作中1ビット、再払出動作中2ビット、賞球動作中フラグおよび球貸し動作中ビットをリセットし(ステップS655)、払出制御コードを0にして(ステップS656)、処理を終了する、なお、払出球検知ビットは、払出個数カウントスイッチ116がオンしたときにセットされるビットであり、払出動作中に払出個数カウントスイッチ116が少なくとも1個の遊技球を検出したことを示すビットである。また、再払出動作中1ビットおよび再払出動作中2ビットは、2回の再払出動作からなる再払出処理を実行する際に用いられる制御ビットである。
払出制御用マイクロコンピュータ660は、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラーフラグ(具体的には、払出スイッチ異常検知エラー1ビット、払出スイッチ異常検知エラー2ビットおよび払出ケースエラービットのうちのいずれか1ビットまたは複数ビット)がセットされていないことを条件として(ステップS659)、また、払出球検知ビットがセットされていないことを条件として(ステップS661)、再払出動作を実行する。なお、エラーフラグがセットされている場合には、再払出動作を実行しない。
上述したように、この実施の形態では、正常に払出が完了した場合でも、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていないことがある。そこで、払出球検知ビットがセットされていれば、すなわち払出個数カウントスイッチ116が賞球払出処理中に少なくとも1個の遊技球の払出を検出していたら、正常に賞球払出処理が完了したとして、ステップS655に移行する。なお、たとえば、1回の賞球払出処理で15個の遊技球を払出すべきところ、実際には14個の遊技球しか払出されなかった場合(払出個数カウントスイッチ116が14個の遊技球しか検出しなかった場合)にも、払出球検知ビットがセットされるので正常に賞球払出処理が完了したとみなされるが、その場合には、賞球未払出個数カウンタの値は14しか減算されていないはずであり、不足分は次回の賞球払出処理で払出されるので、遊技者に不利益を与えることはない。
再払出処理を実行するために、払出制御用マイクロコンピュータ660は、まず、再払出動作中2ビットがセットされているか否か確認する(ステップS662)。セットされていなければ、再払出動作中1ビットがセットされているか否か確認する(ステップS663)。再払出動作中1ビットもセットされていなければ、初回の再払出動作を実行するために、再払出動作個数として1をセットし(ステップS664)、再払出動作中1ビットをセットし(ステップS665)、払出モータ回転回数バッファに再払出動作個数または球貸し未払出数個数カウンタの値をセットする(ステップS666)。払出モータ回転回数バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)において参照される。すなわち、払出モータ制御処理では、払出モータ回転回数バッファにセットされた値に対応した回転数分だけ払出モータ115を回転させる制御が実行される。なお、ステップS666において、球貸し未払出数個数カウンタの値も取り扱われるのは、球貸し払出処理における再払出処理でもステップS666が用いられるからである。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ660は、ステップS666において、賞球払出処理における再払出処理では再払出動作個数をセットし、球貸し払出処理における再払出処理では球貸し未払出数個数カウンタの値をセットする。その後、払出制御コードを1にして(ステップS667)、処理を終了する。
ステップS663において、再払出動作中1ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用マイクロコンピュータ660は、2回目の再払出を実行するために、再払出動作個数として1をセットし(ステップS668)、再払出動作中1ビットをリセットし(ステップS669)、再払出動作中2ビットをセットする(ステップS670)。そして、ステップS666に移行する。
ステップS662において、再払出動作中2ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用マイクロコンピュータ660は、2回の再払出処理を実行しても遊技球が払出されなかった(払出個数カウントスイッチ116が遊技球を検出しなかった)として、エラーフラグにおける払出ケースエラービットをセットする(ステップS672)。その際に、再払出動作中2ビットをリセットしておく(ステップS671)。そして、処理を終了する。
以上のように、再払出処理(補正払出処理)において2回の再払出動作を行なっても遊技球が1個も払出されない場合には、遊技球の払出動作不良として、払出個数カウントスイッチ未通過エラービット(払出ケースエラービット)がセットされる。
従って、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ660における景品遊技媒体払出制御手段は、払出検出手段としての払出個数カウントスイッチ116からの検出信号に基づいて、景品遊技媒体の払出しが行なわれなかったことを検出したときに、あらかじめ決められた所定回(この例では2回)を限度として、払出手段に1個の景品遊技媒体の払出しを行なわせるように制御を行なう。なお、この実施の形態では、景品遊技媒体を払出すためのリトライ動作を2回行なっても景品遊技媒体の払出しが行なわれなかった場合には、払出ケースエラービットをセットしてエラー発生中状態になるが(ステップS672)、景品遊技媒体の払出しが行なわれなかったことを初めて検知したときに払出ケースエラービットをセットしてもよい。なお、「リトライ動作(あるいは「リトライ」、「リトライ動作処理」)」とは、所定数の遊技球の払出しを行なうための通常の払出処理を実行したのにもかかわらず、実際の払出し数が少ない場合に実行させる動作であって、通常の払出処理とは別に、未払出の遊技球を払出すために払出処理を再度実行させるための動作を意味する。
賞球球貸し制御処理において、払出動作(1回の賞球払出または1回の球貸し)を行なうか否か判定するためにエラービットがチェックされるのは、図63に示された払出開始待ち処理においてのみである。図64に示された払出モータ停止待ち処理および図65等に示された払出通過待ち処理では、エラービットはチェックされない。なお、払出通過待ち処理におけるステップS659等でもエラービットがチェックされているが、そのチェックは再払出動作を行なうか否かを判断するためであって、払出動作(1回の賞球払出または1回の球貸し)を開始するか否か判定するためではない。従って、ステップS626、S633またはステップS634の処理が行なわれて遊技球の払出処理が開始された後では、エラーが発生しても払出処理は中断されない。すなわち、エラーが発生すると、遊技球の払出処理は、切りのよい時点(1回の賞球払出または1回の球貸しが終了した時点)まで継続される。なお、ステップS621でチェックされるエラーフラグにおけるエラービットの中には、主基板120からの接続確認信号がオフ状態になったことを示すエラービットが含まれている。よって、接続確認信号がオフ状態になったときにも、遊技球の払出処理は、切りのよい時点で停止される。
ステップS653で球貸し払出処理(球貸し動作)を実行していたことを確認すると、払出制御用マイクロコンピュータ660は、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっているか否か確認する(ステップS657)。0になっていれば、正常に球貸し払出処理が完了したとしてステップS655に移行する。
ステップS657で、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていなければ、エラーフラグ(具体的には、払出スイッチ異常検知エラー1ビット、払出スイッチ異常検知エラー2ビットおよび払出ケースエラービットのうちのいずれか1ビットまたは複数ビット)がセットされていないことを条件として(ステップS675)、再払出処理を実行する。なお、エラーフラグがセットされている場合には、再払出処理を実行しない。
再払出処理を実行するために、払出制御用マイクロコンピュータ660は、まず、再払出動作中2ビットがセットされているか否か確認する(ステップS676)。セットされていなければ、再払出動作中1ビットがセットされているか否か確認する(ステップS677)。再払出動作中1ビットもセットされていなければ、初回の再払出動作を実行するために、再払出動作個数として1をセットし(ステップS678)、再払出動作中1ビットをセットし(ステップS679)、さらに払出球検知ビットをリセットした後(ステップS680)、ステップS666に移行する。
ステップS677において、再払出動作中1ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用マイクロコンピュータ660は、再払出動作を再度実行するための処理を行なう。具体的には、再払出動作中1ビットをリセットする(ステップS681)。そして、払出球検知ビットがセットされていたら、すなわち、最初の再払出動作で遊技球が払出されていたら、ステップS683に移行する。払出球検知ビットがセットされていなかったら、2回目の再払出動作を実行するためにステップS684に移行する。
ステップS683では払出球検知ビットをリセットし、その後、ステップS666に移行する。従って、この場合には、再払出動作中1ビットがセットされたままになっているので、再度、初回(最初)の再払出動作が行なわれる。ステップS684では、再払出動作個数として1をセットし(ステップS684)、再払出動作中2ビットをセットし(ステップS685)、ステップS666に移行する。
ステップS676において、再払出動作中2ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用マイクロコンピュータ660は、再払出動作中2ビットをリセットし(ステップS686)、払出球検知ビットがセットされていたら、すなわち、再払出動作で遊技球が払出されていたらステップS683に移行して残りの未払出を分を解消することを試みる。払出球検知ビットがセットされていなかったら、2回の再払出処理を実行しても遊技球が払出されなかった(払出個数カウントスイッチ116が遊技球を検出しなかった)として、エラーフラグにおける払出ケースエラービットをセットする(ステップS688)。そして、処理を終了する。
以上のように、球貸し処理に係る再払出処理(補正払出処理)において連続して2回の再払出動作を行なっても遊技球が1個も払出されない場合には、遊技球の払出動作不良として、払出個数カウントスイッチ未通過エラービット(払出ケースエラービット)がセットされる。
図68は、払出モータ制御処理(ステップS768)において実行される球噛み検出処理を説明するためのタイミング図である。払出モータ制御処理における払出モータ定速処理(ステップS524)では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出センサ基板114からの検出信号を監視している。払出センサ基板114からの検出信号は、たとえば、払出モータ115と連動して回転する歯車79の一側面に6個突設されている検出突片79bが横切ることによりオン状態になる(図7参照)。よって、払出センサ基板114からの検出信号は、歯車79が1回転する毎に検出信号が6回出力される。
従って、払出制御用マイクロコンピュータ660は、たとえば、払出モータ115に対して歯車79を1/6回転以上させるステップ数の励磁パターンを与えたにもかかわらず、払出センサ基板114からの検出信号がオン状態にならない場合には、実際には、玉払出部材74等にごみなどの異物が付着して遊技球が詰まった(球噛みが生じた)こと等に起因して、歯車79および払出モータ115が回転していないと判断することができる。
この実施の形態では、払出モータ115は、16ステップ(1ステップあたり2.087ms)分の励磁パターンを受けると1回転する。歯車79は、払出モータ115が1回転したときに、1/6回転し、1個の遊技球を払出す。そして、払出制御用マイクロコンピュータ660は、たとえば、図73に示すように、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出モータ115に対して16ステップ分の励磁パターンを与える毎に払出センサ基板114からの検出信号を確認して、払出モータ115が回転しているか否か判定する。そして、5回連続して同一状態(払出センサ基板114からの検出信号がオフ状態が5回連続、またはオン状態が5回連続)であったら、球噛みが生じたとして、払出モータ制御処理において球噛み解除処理を実行する。
払出制御用マイクロコンピュータ660は、球噛み解除処理において、図69に示すように、払出モータ115を高速回転させる処理と低速回転させる処理とを所定回(たとえば9回)繰り返す。そして、払出モータ115に対して16ステップ分の励磁パターンを与える毎に払出センサ基板114から検出信号が出力されたか否かを確認して、払出モータ115が回転しているか否か判定する。検出信号によって払出モータ115の回転が復旧したと判断される場合には、球噛み解除処理を終了して、通常の球払出処理に戻る。
高速回転させる処理と低速回転させる処理とを所定回実行しても払出センサ基板114から検出信号が出力されない場合には、エラーフラグのうち、球噛みエラービット(払出ケースエラービット)をセットする。なお、払出ケースエラービットがセットされている場合には、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出モータ115を駆動しない。また、払出ケースエラービットがリセットされると(図71におけるステップS807参照)、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出モータ115を駆動できる状態に戻る。
このように、払出制御手段は、払出手段の動作状態を監視する駆動状態監視手段と、駆動状態監視手段が払出手段の動作不良を検出したときに払出手段の駆動を停止させる駆動停止手段とを含む。
次に、エラー処理について説明する。図70は、エラービットがセットされているときのエラーの種類とエラー表示用LED664の表示との関係等を示す説明図である。図70に示すように、主基板120からの接続確認信号がオフ状態になった場合には、払出制御用マイクロコンピュータ660は、主基板未接続エラーとして、エラー表示用LED664に「1」を表示する制御を行なう。従って、賞球BUSY信号の入力状態の確認中に賞球BUSY信号がオフ状態となると、エラー表示用LED664に「1」が表示されることになる。
払出個数カウントスイッチ116の断線または払出個数カウントスイッチ116の部分において球詰まりが発生した場合には、払出スイッチ異常検知エラー1として、エラー表示用LED664に「2」を表示する制御を行なう。なお、払出個数カウントスイッチ116の断線または払出個数カウントスイッチ116の部分において球詰まりが発生したことは、払出個数カウントスイッチ116の検出信号がオフ状態にならなかったことによって判定される。
遊技球の払出動作中でないにも関わらず払出個数カウントスイッチ116の検出信号がオン状態になった場合には、払出スイッチ異常検知エラー2として、エラー表示用LED664に「3」を表示する制御を行なう。払出モータ115の回転異常または遊技球が払出されたにも関わらず払出個数カウントスイッチ116の検出信号がオン状態にならない場合には、払出ケースエラーとして、エラー表示用LED664に「4」を表示する制御を行なう。払出個数カウントスイッチ116の検出信号がオン状態にならないことの具体的な検出方法は既に説明したとおりである。不正なタイミングで賞球REQ信号がオン状態になった場合、または不正なタイミングで賞球REQ信号がオフ状態になった場合には、賞球REQ信号エラーとして、エラー表示用LED664に「5」を表示する制御を行なう。不正なタイミングで賞球REQ信号がオン状態またはオフ状態になったことの具体的な検出方法は既に説明したとおりである。
また、下皿満タン状態すなわち満タンスイッチ158がオン状態になった場合には、満タンエラーとして、エラー表示用LED664に「6」を表示する制御を行なう。補給球の不足状態すなわち球切れスイッチ157がオン状態になった場合には、球切れエラーとして、エラー表示用LED664に「7」を表示する制御を行なう。
さらに、カードユニット装置731からのVL信号がオフ状態になった場合には、プリペイドカードユニット未接続エラーとして、エラー表示用LED664に「8」を表示する制御を行なう。不正なタイミングでカードユニット装置731と通信がなされた場合には、プリペイドカードユニット通信エラーとして、エラー表示用LED664に「9」を表示する制御を行なう。なお、プリペイドカードユニット通信エラーは、プリペイドカードユニット制御処理(ステップS754)において検出される。
また、電力供給開始時において主基板120から払出起動コマンドを受信しなかったことに起因してセットされた起動エラービットがセットされた場合には、エラー表示用LED664に「A」を表示する制御を行なう。
以上のエラーのうち、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラー、賞球REQ信号エラーまたは起動エラーが発生した後、エラー解除スイッチ665が操作されエラー解除スイッチ665から操作信号が出力されたら(オン状態になったら)、払出制御手段は、エラーが発生する前の状態に復帰する。なお、起動エラーについては、エラー解除スイッチ665から操作信号が出力されても、エラーが発生する前の状態に復帰しないように構成してもよい。
図71および図72は、ステップS757のエラー処理を示すフローチャートである。エラー処理において、払出制御用マイクロコンピュータ660は、エラーフラグをチェックし、そのうちのセットされているビットが、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラー、賞球REQ信号エラーまたは起動エラービットのみ(4つのうちのいずれかのビットのみ、4つのうちの2ビットのみ、4つのうちの3ビットのみ、またはそれら4ビットのみ)であるか否か確認する(ステップS801)。セットされているビットがそれらのみである場合には、エラー解除スイッチ665から操作信号がオン状態になったか否か確認する(ステップS802)。なお、払出制御用CPU659は、払出ケースモータエラーのエラービットがセットされているエラー状態において、払出個数カウントスイッチ116が遊技球の払出を検出したとしても、エラー解除スイッチ665からの操作信号がオン状態にならない限り、払出ケースモータエラーのエラービットをリセットしない(ステップS803〜S807参照)。すなわち、払出検出手段が未だ払出されていない景品遊技媒体の払出を検出してもエラー状態を継続させる。操作信号がオン状態になったら、エラー復帰時間をエラー復帰前タイマにセットする(ステップS803)。エラー復帰時間は、エラー解除スイッチ665が操作されてから、実際にエラー状態から通常状態に復帰するまでの時間である。
エラー解除スイッチ665から操作信号がオン状態でない場合には、エラー復帰前タイマの値を確認する(ステップS804)。エラー復帰前タイマの値が0であれば、すなわち、エラー復帰前タイマがセットされていなければ、ステップS808に移行する。エラー復帰前タイマがセットされていれば、エラー復帰前タイマの値を−1し(ステップS805)、エラー復帰前タイマの値が0になったら(ステップS806)、エラーフラグのうちの、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのビットをリセットし(ステップS807)、ステップS808に移行する。
なお、ステップS807の処理が実行されるときに、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのビットのうちには、セット状態ではないエラービットがある場合もあるが、セット状態にないエラービットをリセットしても何ら問題はない。以上のように、この実施の形態では、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーまたは賞球REQ信号エラーのビットをセットする原因になったエラー(図70参照)が発生した場合には、エラー解除スイッチ665が押下されることによってエラー解除される。
ステップS807の処理が実行されて払出ケースエラービットがリセットされた場合には、払出制御コードが「2」(図65〜図67に示す払出通過待ち処理の実行に対応)であって、賞球未払出個数カウンタの値または球貸し未払出個数カウンタの値が0でないときには、遊技球払出のリトライ動作が開始される。つまり、次にステップS756の賞球球貸し制御処理が実行されるときにステップS612の払出通過待ち処理が実行されると、再び、再払出処理が行なわれる。たとえば、賞球払出処理が行なわれていた場合には、賞球未払出個数カウンタの値が0でないときには、ステップS654からステップS659に移行し、ステップS659においてエラービットがリセット状態であることが確認されるので、ステップS662以降の再払出処理を開始するための処理が再度実行され、再払出処理が実行される。なお、エラー解除スイッチ665が押下されることによってリセットされた払出ケースエラービットに関して、そのビットがセットされたときには(ステップS672が実行されたとき)、払出制御タイマは既にタイムアップしている。従って、ステップS807の処理が実行されて払出ケースエラービットがリセットされた場合には、次に払出通過待ち処理が実行されるときには、ステップS650の判断において払出制御タイマ=0と判定される。また、払出ケースエラービットがセットされたときには払出球検知ビットは0である(ステップS661の判断で払出球検知ビットは0でないとステップS672が実行されないので)。従って、ステップS659においてエラービットがリセット状態であることが確認されると、必ずステップS662が実行される。つまり、必ず、再払出処理が実行される。
以上のように、払出制御手段は、玉払出装置154が遊技球の払出しを行なったにもかかわらず払出個数カウントスイッチ116が1個も遊技球を検出しなかったときには遊技球を払出すためのリトライ動作をあらかじめ決められた所定回(たとえば2回)を限度として玉払出装置154に実行させる補正払出制御を行なった後、払出個数カウントスイッチ116が1個も遊技球を検出しなかったことが検出されたときには(図66のステップS661以降を参照)、払出しに関わる制御状態をエラー状態に移行させ、エラー状態においてエラー解除スイッチ665からエラー解除信号が出力されたことを条件に再度補正払出制御を行なわせる補正払出制御再起動処理を実行する。
さらに、エラー状態における再払出処理の実行中(具体的には払出ケースエラーをセットする前の再払出処理中およびエラー解除スイッチ665押下後の再払出処理中)でも、図62に示すステップS601〜S604の処理は実行されている。すなわち、払出しに関わるエラーが生じているときでも、遊技球が払出個数カウントスイッチ116を通過すれば、賞球未払出個数カウンタや球貸し未払出個数カウンタの値が減算される。従って、エラー状態から復帰したときの賞球未払出個数カウンタや球貸し未払出個数カウンタの値は、実際に払出された遊技球数を反映した値になっている。すなわち、払出しに関わるエラーが発生しても、実際に払出した遊技球数を正確に管理することができる。
また、図65〜図67に示された払出通過待ち処理において、再払出処理が実行された結果、遊技球が払出されたことが確認されたときでも、払出ケースエラーのビットはリセットされない。払出ケースエラーのビットがリセットされるのは、あくまでも、エラー解除スイッチ665が操作されたとき(具体的は、操作後エラー復帰時間が経過したとき)である(ステップS802,S807)。すなわち、遊技球が払出個数カウントスイッチ116を通過したこと等に基づいて自動的に払出ケースエラー(払出不足エラー)の状態が解除されるということはなく、人為的な操作を経ないと払出ケースエラーは解除されない。従って、遊技店員等は、確実に払出不足が発生したことを認識することができる。
エラー解除スイッチ665が操作されたことによってハードウェア的にリセット(払出制御用マイクロコンピュータ660に対するリセット)がかかるように構成されている場合には、エラー解除スイッチ665が操作されたことによってたとえば賞球未払出個数カウンタの値もクリアされてしまう。しかし、この実施の形態では、払出制御手段が、エラー解除スイッチ665が操作されたことによって再払出動作を再び行なうように構成されているので、確実に払出処理が実行され、遊技者に不利益を与えないようにすることができる。
ステップS808では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、満タンスイッチ158の検出信号を確認する。満タンスイッチ158の検出信号が出力されていれば(オン状態であれば)、エラーフラグのうちの満タンエラービットをセットする(ステップS809)。遊技制御用満タンスイッチ158の検出信号がオフ状態であれば、満タンエラービットをリセットする(ステップS810)。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、球切れスイッチ157の検出信号を確認する(ステップS811)。球切れスイッチ157の検出信号が出力されていれば(オン状態であれば)、エラーフラグのうちの球切れエラービットをセットする(ステップS812)。球切れスイッチ157の検出信号がオフ状態であれば、球切れエラービットをリセットする(ステップS813)。なお、球切れエラービットをセットされているときには、ステップS759の表示制御処理において、出力ポート1バッファにおける球切れLED9に対応したビットを点灯状態に対応した値にする。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ660は、主基板120からの接続確認信号の状態を確認し(ステップS815)、接続確認信号が出力されていなければ(オフ状態であれば)、主基板未接続エラービットをセットする(ステップS816)。また、接続確認信号が出力されていれば(オン状態であれば)、主基板未接続エラービットをリセットする(ステップS817)。なお、ステップS815等の処理を実行することによって通信に関わる異常を検出する通信異常検出手段は払出制御手段に含まれるので、払出制御基板98に搭載されていることになる。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、各スイッチの検出信号の状態が設定される各スイッチタイマのうち払出個数カウントスイッチ116に対応したスイッチタイマの値を確認し、その値がスイッチオン最大時間(たとえば「240」)を越えていたら(ステップS818)、エラーフラグのうち払出スイッチ異常検知エラー1のビットをセットする(ステップS819)。また、払出個数カウントスイッチ116に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン最大時間以下であれば、払出スイッチ異常検知エラー1のビットをリセットする(ステップS820)。なお、各スイッチタイマの値は、ステップS751の入力判定処理において、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がスイッチオン状態であれば+1され、オフ状態であれば0クリアされる。従って、払出個数カウントスイッチ116に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン最大時間を越えていたということは、スイッチオン最大時間を越えて払出個数カウントスイッチ116がオン状態になっていることを意味し、払出個数カウントスイッチ116の断線または払出個数カウントスイッチ116の部分で遊技球が詰まっていると判断される。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出個数カウントスイッチ116に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン判定値(たとえば「2」)になった場合に(ステップS821)、球貸し動作中フラグおよび賞球動作中フラグがともにリセット状態であれば、払出動作中でないのに払出個数カウントスイッチ116を遊技球が通過したとして、エラーフラグのうち払出スイッチ異常検知エラー2のビットをセットする(ステップS822,S823)。また、球貸し動作中フラグまたは賞球動作中フラグがセットされていれば、払出スイッチ異常検知エラー2のビットをリセットする(ステップS824)。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ660は、カードユニット装置731からのVL信号の入力状態を確認し(ステップS825)、VL信号が入力されていなければ(オフ状態であれば)、エラーフラグのうちプリペイドカードユニット未接続エラービットをセットする(ステップS826)。また、VL信号が入力されていれば(オン状態であれば)、プリペイドカードユニット未接続エラービットをリセットする(ステップS827)。
次に、エラービットがセットされているか否かを確認し(ステップS828)、エラービットがセットされているときには遊技機エラー状態信号を遊技制御用マイクロコンピュータ99に出力する(ステップ829)。なお、本実施の形態においては、遊技制御用マイクロコンピュータ99に遊技機エラー状態信号が入力されると、前述したように、遊技制御用マイクロコンピュータ99から演出制御用マイクロコンピュータ118へ、払出禁止コマンドが出力される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ118は、払出禁止コマンドを受信すると、後述するように、飾り図柄表示装置44bにおいて弾球遊技機1が払出禁止状態である旨の報知表示を行なう。
なお、本実施の形態においては、たとえば、ステップS809において満タンエラービットがセットされているときであっても、ステップS812において球切れエラービットがセットされているときであっても、ステップS829において同じ遊技機エラー状態信号を、遊技制御用マイクロコンピュータ99に出力する例について説明したが、これに限らず、エラービットの種類に応じて異なるエラー状態信号を遊技制御用マイクロコンピュータ99に出力するようにしてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ99からは、受信したエラー状態信号に応じた払出禁止コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ118に出力し、エラービットの種類に応じた報知表示を行なうようにしてもよい。
また、この実施の形態では、主基板未接続エラーは接続確認信号がオン状態になると自動的に解消されるが(ステップS815,S817参照)、さらにエラー解除スイッチ665が操作されたという条件を加えて、エラー状態が解消されるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、通信エラーが、カードユニット装置731との間の通信エラー(プリペイドカードユニット未接続エラーおよびプリペイドカードユニット通信エラー)やその他のエラーと区別可能に報知される(図70参照)。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ99と払出制御用マイクロコンピュータ660との間の通信エラーが容易に特定される。
図73(A)は、払出ケースエラー(払出不足エラー)の発生の様子を示すタイミング図であり、図73(B)は、エラー解除スイッチ665の操作時の様子を示すタイミング図である。
図73(A)に示すように、所定個の遊技球を払出すために払出モータ115を回転させ、回転停止後、最後に払出されたはずの遊技球が払出個数カウントスイッチ116を通過した後に(この例では402.087ms後に)、未払出の遊技球があるか否かが確認され(ステップS654の判定に相当)、未払出の遊技球があれば、再払出動作が実行される。図73(A)には、2回の再払出動作が実行された例が示されている。そして、2回の再払出動作が実行された場合に、払出ケースエラーと判定され(ステップS672の判定に相当)、ステップS771の表示制御処理によってエラー表示用LED664に「4」が表示される(図70参照)。
また、図73(B)に示すように、エラー解除スイッチ665が操作されると、エラー解除時間の経過後に、再び、再払出動作が開始される。なお、図73(B)に示すように、再び再払出動作が開始されるときに、エラー表示用LED664における「4」の表示が消去される。すなわち、エラー解除スイッチ665の操作後に補正払出制御が行なわれているときには払出不足のエラーを示す報知は行なわれていない。
図74および図75は、表示制御処理(ステップS759)を示すフローチャートである。表示制御処理において、払出制御用マイクロコンピュータ660は、RAMに形成されている1バイトの点滅タイマの値を1加算する(ステップS571)。そして、エラーフラグのうち球切れエラービットがセットされていたら(ステップS572)、出力ポート1バッファにおける球切れLED出力ビットをセットする(ステップS573)。球切れエラービットがセットされていなかったら、出力ポート1バッファにおける球切れLED出力ビットをリセットする(ステップS574)。なお、出力ポート1バッファの内容は、ステップS772の出力処理において出力ポート1に出力される。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、主制御未接続エラービットがセットされていない場合には(ステップS575)、賞球払出中(払出制御状態フラグにおける賞球動作中フラグがセット)であれば(ステップS576)、出力ポート1バッファにおける賞球LED出力ビットをセットする(ステップS577)。賞球払出中でなければ、出力ポート1バッファにおける賞球LED出力ビットをリセットする(ステップS578)。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ660は、エラーフラグにおいて、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラー、賞球REQ信号エラーおよび起動エラー(エラー解除スイッチ665によって解除可能エラー)の各ビット以外のビットがセットされている場合には、ステップS585に移行する。エラーフラグにおいてセットされているビットが払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのうちのいずれかまたは複数である場合に、点滅タイマのビット7が「1」であれば(ステップS580)、出力ポート1バッファにおける賞球LED出力ビットをセットする(ステップS581)。点滅タイマのビット7が「1」でなければ、出力ポート1バッファにおける賞球LED出力ビットをリセットする(ステップS582)。ステップS579〜S581の処理によって、人為的な操作によってエラー解除可能なエラーが発生しているときには、その旨が遊技者等から視認可能に報知される。この実施の形態では、賞球LED10の点滅によって報知される。従って、遊技者や遊技店員は、人為的な操作によってエラーを解除して遊技機を通常の状態に戻せるようなエラーが発生していることを容易に認識できる。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、エラーフラグをロードし(ステップS585)、エラーフラグにおけるエラービットに応じたエラーコード(7SEG表示コード;図75参照)を決定し(ステップS586)、決定したエラーコードを、出力ポート2出力バッファにセットする(ステップS587)。
なお、この実施の形態では、払出しに関わるエラーが発生したことを、遊技機裏面に設置されている払出制御基板98に搭載されているエラー表示用LED664によって報知するようにしたが、遊技機裏面の他の箇所(たとえば玉払出装置154等が集中配置された払出ユニット)に報知手段を搭載してもよい。さらに、遊技機の表側に設置されている表示器(たとえば賞球LED10)によって報知するようにしてもよい。また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、表示制御処理において、賞球REQ信号がオン状態であるときに、賞球LED10を点灯するための制御を行ない、賞球REQ信号がオフ状態になったら、賞球LED10を消灯するための制御を行なう。払出しに関わるエラーが発生した場合には、たとえば、賞球LED10を点滅させることによって、払出しに関わるエラーが発生したことを報知する。遊技機の表側に設置されている表示器によってエラー報知すれば、遊技店員等がより容易にエラーの発生を認識できる。また、エラー表示用LED664による報知と遊技機の表側に設置されている表示器による報知とを併用してもよい。
さらに、この実施の形態では、エラー表示用LED664によって視覚的にエラー報知を行なうようにしたが、報知の態様は視覚的なものに限られない。たとえば、払出制御基板98にブザー等の音発生手段を搭載したり、払出制御基板98と電気的に接続されブザー等を搭載したブザー基板を設け、ブザー等によってエラー報知を行なうようにしてもよい。また、スピーカ等の音声出力手段を用いて、音声によってエラーが発生したこととエラーの種類とを報知するようにしてもよい。
次に、主基板120から演出制御基板90に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図76に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンド(具体的には、演出制御コマンドを構成する演出制御信号)は2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図77に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御信号は、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板90に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ118は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御手段から見ると、演出制御INT信号は、演出制御信号の取り込みの契機となる取込信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ118が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、たとえば演出制御信号の1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図77に示された極性と逆極性であってもよい。
図78は、演出制御基板90に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図78に示す例において、コマンド80XX(H)(XXは変動パターンの種類に対応)は、特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示(変動)を行なう飾り図柄表示装置44bにおける変動パターンを指定する演出制御コマンドである。なお、変動パターンを指定するコマンド(変動パターンコマンド)は変動開始指示も兼ねている。また、演出制御コマンドは、表示制御を指示するための表示制御コマンドに相当するとともに、ランプ制御および音声制御を指示するためのランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドの機能も兼ねている。
コマンドA000(H)は、飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。
コマンドD001(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される復旧コマンドである(図31におけるステップS94参照)。バックアップRAMの保存されていたデータに基づいて復旧処理が実行されるときには、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、D001(H)の演出制御コマンドを送信する(ステップS14)。
演出制御用マイクロコンピュータ118は、コマンドD001(H)を受信すると、飾り図柄表示装置44bに、復旧処理が実行されたことを報知するための画面を表示する。なお、本実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ118は、遊技機に対する電源供給が開始されてから所定期間内にコマンドD001(H)を受信しなかった場合に、初期化処理が行なわれたものと判断し、飾り図柄表示装置44bに初期画面(たとえば、デモンストレーション画面)を表示する。
演出制御用マイクロコンピュータ118は、コマンドB001(H)を受信すると、飾り図柄表示装置44bに、払出禁止状態であることを報知するための画面を表示する。なお、前述したように、遊技制御用マイクロコンピュータ99にエラービットの種類に応じた異なるエラー状態信号が入力された場合にはエラー状態信号に応じた払出禁止コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ118に入力されるようにしてもよい。これにより、エラービットの種類に応じた報知表示を行なうことができる。
次に、演出制御基板90から音声枠ランプ基板92に対する制御コマンドの送出方式について説明する。演出制御用マイクロコンピュータ118は、主基板120から演出制御コマンドを受信すると、ランプおよびスピーカによって、飾り図柄表示装置44bによる演出に同期した演出を行なわせるために、音声枠ランプ基板92に対してランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドを送信する。
図79に例示するように、演出制御基板90から音声枠ランプ基板92にランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドが伝達されるときに、演出制御用マイクロコンピュータ118と音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ92aとは、双方通信を行なう。図79に示す例では、演出制御用マイクロコンピュータ118は、たとえば8本の信号線で伝達される1バイトのランプ制御信号(または音声制御信号)を出力するとともに、ランプ制御REQ信号(または音声制御REQ信号)をオン状態にする。音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ92aは、ランプ制御信号(または音声制御信号)を取り込むと、1パルスのランプ制御応答信号(または音声制御応答信号)を出力する。演出制御用マイクロコンピュータ118は、ランプ制御応答信号(または音声制御応答信号)がオン状態になった後オフ状態になったことを検出すると、ランプ制御REQ信号(または音声制御REQ信号)をオフ状態にする。なお、このような制御コマンドの送出方式は一例であって、双方向通信によって演出制御基板90から音声枠ランプ基板92にランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドが伝達されるのであれば、他の送出方式を用いてもよい。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ118の動作を説明する。図80は、演出制御用マイクロコンピュータ118が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電力供給が開始され、リセット信号がハイレベルになると、演出制御用マイクロコンピュータ118は、メイン処理を開始する。メイン処理では、演出制御用マイクロコンピュータ118は、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(ステップS771)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ118は、所定期間内にコマンドD001(H)を受信したか否かにより、復旧処理が行なわれたか、初期化処理が行なわれたかのいずれかを報知する処理を実行する。
具体的には、まず、ウェイトカウンタ4に、復旧ウェイト指定値をセットする(ステップS772)。なお、ウェイトカウンタ4として、演出制御用マイクロコンピュータ118が内蔵する汎用のレジスタ(HLレジスタやBCレジスタ)が用いられる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ118は、復旧コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS773)。復旧コマンドを受信していると判断したときには、復旧処理が行なわれた旨の報知表示(たとえば、飾り図柄表示装置44bにおいて「復旧しました」等を表示)を行なう(ステップS774)。一方、復旧コマンドを受信していないと判断したときには、ウェイトカウンタ4の値を1減算し(ステップS775)、ウェイトカウンタ4の値が0となったか否かを判断する(ステップS776)。ステップS776においてウェイトカウンタ4の値が0となっていないと判断したときには、再度ステップS773に移行される。ステップS776においてウェイトカウンタ4の値が0となっていないと判断したときには、初期化処理が行なわれた旨の報知表示(たとえば、飾り図柄表示装置44bにおいて「初期化しました」等を表示)を行なう。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ118は、ウエイトカウンタ4の値が0になるまで、復旧コマンドを受信したか否かの判断を行ない、ウエイトカウンタ4の値が0になっても復旧コマンドを受信しなかった場合には、初期化処理が行なわれたものと判断する。
なお、本実施の形態における復旧ウェイト指定値は、前述した初期化ウェイト回数指定値1と初期化ウェイト回数指定値2との合計値よりも大きな値が予め設定されている。よって、遊技機に対して電源供給が開始されてから、遊技制御用マイクロコンピュータ99において前述したソフトウェア遅延処理を終了しておらず図31のステップS94の処理が実行されていないときに、演出制御用マイクロコンピュータ118において復旧コマンドを受信したか否かの最終判断がなされる不都合を防止することができる。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ99において復旧処理が行なわれ復旧コマンドが送信されたにもかかわらず、それよりも前のタイミングで演出制御用マイクロコンピュータ118において復旧コマンドを受信したか否かの最終判断がなされてしまい、復旧コマンドを受信していないことにより初期化処理が行なわれた旨の報知表示が行なわれるような不都合を防止することができる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ118により、タイマ割込フラグの監視が行なわれる(ステップS778)。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ118は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグの値として「1」がセットされる。ステップS778において、タイマ割込フラグの値として「1」がセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ118は、タイマ割込フラグの値をクリアし(ステップS779)、以下の演出制御処理を実行する。
タイマ割込は、たとえば2ms毎に発生する。すなわち、演出制御処理は、たとえば2ms毎に起動される。また、この実施の形態におけるタイマ割込処理では、タイマ割込フラグの値として「1」をセットする処理のみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ118は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS780)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ118は、演出制御プロセス処理を行なう(ステップS781)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して飾り図柄表示装置44bの表示制御を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ118は、モータ駆動信号出力処理を行なう(ステップS782)。モータ駆動信号出力処理では、ハンマ951を動作させるために、モータ950に対して駆動信号を出力する処理を実行する。
また、操作ボタン19aからの操作信号やセンサ954,955からの検出信号を入力ポート669を介して入力し、さらに、図79を用いて説明した音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ92aからの応答信号(ランプ制御応答信号、音声制御応答信号等)を入出力ポート671を介して入力するデータ入力処理を実行する(ステップS783)。本実施の形態において、主基板120と演出制御基板90との間の信号経路上に設置されている周辺コマンド中継基板57には、単方向性回路が設けられている。従って、演出制御基板90からの信号、演出制御基板90に入力される信号(操作ボタン19aの操作信号およびセンサ954,955の検出信号)、および演出制御基板90に接続される音声枠ランプ基板92(主基板120に接続されない基板を周辺基板等)からの信号は、周辺コマンド中継基板57の存在によって、主基板120の遊技制御用マイクロコンピュータ99に伝達されない。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ99に対する外部からの信号入力経路が限定され、遊技制御用マイクロコンピュータ99に対して不正信号を送り込む不正行為がなされる可能性を低減できる。
そして、乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS784)。その後、ステップS778のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。主基板120からの演出制御用のINT信号は、演出制御用マイクロコンピュータ118の割込端子に入力されている。たとえば、主基板120からのINT信号がオン状態になると、演出制御用マイクロコンピュータ118においてタイマ割込が発生する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ118は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用マイクロコンピュータ118は、受信した演出制御コマンドデータをコマンド受信バッファに格納する。
図81は、図80に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS781)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ118は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S805のうちのいずれかの処理を実行する。各処理において、以下のような処理が実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。たとえば、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことを確認したら、演出制御プロセスフラグの値をステップS801に応じた値に更新する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):変動パターンコマンドに応じて複数定められている飾り図柄の変動パターンから、実際に使用する変動パターンと飾り図柄の停止図柄の組合せを決定する。また。飾り図柄表示装置44bにおける飾り図柄(左中右の図柄)の変動を開始させる。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS802に応じた値に更新する。
図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度等)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS803に応じた値に更新する。
飾り図柄停止処理(ステップS803):変動時間が経過して全図柄停止を指示する演出制御コマンド(飾り図柄停止の演出制御コマンド:確定コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS804に応じた値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS805に応じた値に更新する。
大当たり遊技中処理(ステップS805):大当たり遊技中の制御を行なう。たとえば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS800に応じた値に更新する。
図82は、図81に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ118は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS871)。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ118は、飾り図柄の変動パターンの少なくとも一部を独自に決定する。たとえば、あらかじめ用意された複数種類の飾り図柄の変動パターンのうち、変動パターンコマンドのEXTデータによって特定される変動時間および遊技制御用マイクロコンピュータ99による事前判定結果(大当り、はずれ、リーチなど)に合致する複数種類の飾り図柄の変動パターンの中から、実行する変動パターンを選択する。
つまり、演出制御用マイクロコンピュータ118は、たとえば、飾り図柄の演出内容(たとえば、どのキャラクタを用いて演出するかなど)、予告演出の実行の有無や演出内容など、飾り図柄の変動態様の少なくとも一部を独自に決定する。なお、ステップS871で、演出制御用マイクロコンピュータ118は、可動部材としてのハンマ951と飾り図柄とを共動させた演出の実行の有無や演出内容など、可動部材の動作態様や可動部材に連動した飾り図柄の変動態様の少なくとも一部を独自に決定する。また、飾り図柄の変動期間に応じた変動時間タイマをスタートさせ、飾り図柄表示装置44bにおいて左中右の飾り図柄の変動が開始されるようにVDP119に対して指示を与える(ステップS872)。その後、演出制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に応じた値に更新する(ステップS873)。
図83は、図81に示されたモータ駆動信号出力処理(ステップS782)を示すフローチャートである。モータ駆動信号出力処理において、演出制御用マイクロコンピュータ118は、前述したステップS871で決定された変動パターンがハンマ951と飾り図柄とを共動させた演出が実行される変動パターンであって、現在当該変動パターンで予め定められた操作可能タイミングであるか否かを判断する(ステップS875)。操作可能タイミングとは、飾り図柄表示装置44bにボタン誘導表示が行なわれているタイミングであってもよい。
操作可能タイミングであると判断されたときには、回転フラグがオン状態にセットされているか否かを判断する(ステップS876)。回転フラグとは、ハンマ951を回転させるモータ950を駆動させることを示すフラグであって、正回転フラグがセットされているときにはモータ950に対して正回転用の駆動信号を出力し、逆回転フラグがセットされているときにはモータ950に対して逆回転用の駆動信号を出力する。回転フラグがオン状態にセットされていないと判断されたときには、操作ボタン19aからの操作信号が入力されたか否かを判断する(ステップS877)。すなわち、ステップS783のデータ入力処理において、操作信号が入力されたか否かを判断する。操作ボタン19aからの操作信号が入力されていると判断されたときには、モータ950に対して正回転用の駆動信号を出力するための、正回転フラグをセットする(ステップS878)。
なお、ステップS875またはS877においてNOと判断されたとき、または、ステップS876においてYESと判断されたときには、ステップS878における処理を行なうことなく、ステップS879へ移行する。
ステップS879においては、正回転フラグがオン状態にセットされているか否かを判断する。正回転フラグがオン状態であると判断されたときには、センサ955からの検出信号が入力されたか否かを判断する(ステップS880)。すなわち、ステップS783のデータ入力処理において、検出信号が入力されたか否かを判断する。センサ955からの検出信号が入力されていないと判断されたときには、モータ950を正回転させるための正回転駆動信号を出力し(ステップS882)、ステップS883に移行する。これにより、モータ950が正回転され、ハンマ951が振り下ろされる。一方、センサ955からの検出信号が入力されていると判断されたときには、正回転フラグをオフ状態にし、モータ950に対して逆回転用の駆動信号を出力するための、逆回転フラグをセットし(ステップS881)、ステップS883に移行する。なお、ステップS879でNOと判断されたときには、ステップS883に移行する。
ステップS883においては、逆回転フラグがオン状態にセットされているか否かを判断する。逆回転フラグがオン状態であると判断されたときには、センサ954からの検出信号が入力されたか否かを判断する(ステップS884)。すなわち、ステップS783のデータ入力処理において、検出信号が入力されたか否かを判断する。センサ954からの検出信号が入力されていないと判断されたときには、モータ950を逆回転させるための逆回転駆動信号を出力し(ステップS886)、モータ駆動信号出力処理を終了する。これにより、モータ950が逆回転され、ハンマ951により元の位置に戻る動作が行なわれる。一方、センサ954からの検出信号が入力されていると判断されたときには、逆回転フラグをオフ状態にし、モータ950に対して出力していた逆回転駆動信号を停止し(ステップS885)、モータ駆動信号出力処理を終了する。なお、ステップS883でNOと判断されたときには、モータ駆動信号出力処理を終了する。
これにより、操作可能タイミングに操作ボタン19aが操作されると、センサ955の検出信号がオン状態を示すまでハンマ951を正回転させることができる。また、センサ955の検出信号がオン状態を示すと、センサ954の検出信号がオン状態を示すまで、ハンマ951を逆回転させることができる。
次に、ハンマ951を用いた遊技演出の具体例について説明する。図84は、飾り図柄表示装置44bの表示状態とハンマ951の動作状態との関係の一例を示す説明図である。変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の変動パターンを決定すると、演出制御用マイクロコンピュータ118は、飾り図柄表示装置44bにて飾り図柄の変動表示を開始する(図84(A)参照)。ここでは、ステップS871で、飾り図柄の変動パターンとして、可動部材としてのハンマ951を用いた演出パターンが決定されたとする。
飾り図柄の変動表示を開始したあと所定期間が経過すると、演出制御用マイクロコンピュータ118は、飾り図柄表示装置44bの表示領域H1において左中右図柄を仮停止状態(最終停止ではないが停止表示されている状態)にさせるとともに、操作ボタン19aの押下を遊技者に促すためのボタン誘導表示を表示領域H2に表示する制御を行なう(図84(B)参照)。たとえば、ボタン誘導表示として、「ボタンを押せ!」という表示が行なわれる。
ボタン誘導表示が実行されている期間中に、遊技者によって操作ボタン19aが押下されると(図84(C))、演出制御用マイクロコンピュータ118は、ボタン誘導表示を終了するとともに、モータ950に対して正回転用の駆動信号を出力する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ118は、ボタン誘導表示が実行されていない期間では、操作ボタン19aが押下されて操作信号が出力されてもそれを無視する。従って、遊技の進行中に遊技者が操作可能な操作手段としての操作ボタン19aは、実際には、遊技の進行中に演出制御用マイクロコンピュータ118が設定する操作可能期間において操作可能である。
モータ950に対して正回転用の駆動信号が出力されると、ハンマ951は、正回転(時計回り方向)に振り下ろされるような動作を行なう(図84(D)参照)。また、演出制御用マイクロコンピュータ118は、操作ボタン19aからの信号の入力タイミングに応じてハンマ951が振り下ろされるタイミングを判定し、その判定タイミングに同期させて仮停止状態にしている飾り図柄のうちの飾り図柄の左図柄の変動表示を開始し、再変動表示を開始する。この実施の形態では、ハンマ951は、振り下ろされたときに左図柄の表示位置を通過するように設置されている。よって、飾り図柄表示装置44bの表示とハンマ951の動作によって、仮停止状態とされている飾り図柄のうちの左図柄が、ハンマ951によって打撃されたことにより変動を再開したかのような演出が実行される。
左図柄の再変動表示を開始すると、演出制御用マイクロコンピュータ118は、モータ950に対して逆回転用の駆動信号を出力する。モータ950に対して逆回転用の駆動信号が出力されると、ハンマ951は、逆方向(反時計回り方向)に移動して元の位置に戻されるような動作を行なう(図84(E)、図84(F)参照)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ118は、飾り図柄の変動時間が経過すると、決定されている停止図柄となるように左図柄を停止する。すなわち、大当り図柄とすることに決定されているときは、可変表示の表示結果として大当り図柄を停止表示し(図84(E)参照)、はずれ図柄とすることに決定されているときは、可変表示の表示結果としてはずれ図柄を停止表示する(図84(F)参照)。
図85は、飾り図柄表示装置44bの表示状態とハンマ951の動作状態との関係の他の例を示す説明図である。図85に示すように、ボタン誘導表示が実行されている期間中に、遊技者によって操作ボタン19aが押下されなかった場合には、演出制御用マイクロコンピュータ118は、所定時間経過後に、再変動表示を開始する(図85(C)参照)。その他の表示制御は、図84に示された表示制御と同様である。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ118は、飾り図柄の変動時間が経過すると、決定されている停止図柄となるように左図柄を停止する。大当り図柄とすることに決定されているときは、可変表示の表示結果として大当り図柄を停止表示し(図85(D)参照)、はずれ図柄とすることに決定されているときは、可変表示の表示結果としてはずれ図柄を停止表示する(図85(E)参照)。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
前述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に対する電力供給が開始されたときに払出制御用マイクロコンピュータに対して払出起動コマンドを送信してから(ステップS5)、クリアスイッチ921の検出信号のチェック処理を行ない(ステップS7)、払出制御用マイクロコンピュータは、遊技制御用マイクロコンピュータから払出起動コマンドを受信したときにクリアスイッチ921の検出信号のチェック処理を行なうので(ステップS726,S727,S708)、遊技制御用マイクロコンピュータと払出制御用マイクロコンピュータとは、ほぼ同時にクリアスイッチ921の検出信号のチェック処理を行なうことになる。よって、一方のマイクロコンピュータがクリアスイッチ921の検出信号のチェック処理を行なったにも関わらず、他方のマイクロコンピュータがクリアスイッチ921の検出信号のチェック処理を行なわず、一方のマイクロコンピュータにおけるバックアップ記憶内容はクリアされたにも関わらず、他方のマイクロコンピュータにおけるバックアップ記憶内容はクリアされないという状況が発生することが防止される。
また、払出制御用マイクロコンピュータは、払出起動コマンドの取り込みを指示する取込信号(上記の実施の形態では賞球REQ信号)を払出制御用マイクロコンピュータのマスク可能割込端子に導入し、遊技制御用マイクロコンピュータから払出起動コマンドが送信されたことを確認しているとき(初期設定処理中である。)には割込禁止状態にして外部割込要求レジスタのビットを確認することによって取込信号の入力を確認する(ステップS701,S721)。よって、取込信号を割込端子に導入するように構成しても、割込の発生によって初期設定処理が正しく行なわれないという可能性がなくなる。なお、初期設定処理中に割込の発生を許容するように構成すると、割込処理において払出制御用マイクロコンピュータの内部状態が変わり、初期設定処理が正しく行なわれないおそれがある。
前述した実施の形態では、球切れエラービットや、満タンエラービット等がセットされたことに応じて賞球の払出を停止することができる。これにより、球切れまたは下皿満タンにより、球の払出ができない払出可能状態でないときに、払出を禁止することができる(ステップS809、S812、S621等)。また、球切れエラービットや、満タンエラービット等がセットされたことに応じて、払出制御用マイクロコンピュータから遊技制御用マイクロコンピュータに遊技機エラー状態信号を出力し、さらに、遊技制御用マイクロコンピュータから演出制御用マイクロコンピュータに払出禁止状態である旨を示す払出禁止コマンドを出力することができる(ステップS829)。さらに、演出制御用マイクロコンピュータは、当該払出禁止コマンドに基づいて、飾り図柄表示装置44b等により、払出禁止状態である旨を報知することができる(ステップS28)。このため、払出禁止状態であることを遊技者や遊技場管理者等に容易に認識させることができる。
前述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ99により、遊技制御側復旧処理が行なわれたときに、その旨を報知させるための復旧コマンドを演出制御コマンドとして演出制御用マイクロコンピュータ118に出力するように構成されている(ステップS94)。そして、飾り図柄表示装置44bにおいて復旧処理が行なわれた旨の報知表示が行なわれる(ステップS774)。このため、遊技制御側復旧処理が行なわれたことを遊技者や遊技場管理者等に容易に認識させることができる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ118側において、電力供給が開始されてから、予め定められた復旧ウェイト指定値分が減算され0となるまでに(ステップS775、S776)、復旧コマンドを受信しないときには、ステップS777において初期化処理が行なわれた旨の報知表示が行なわれる(ステップS777)。これにより、遊技制御側初期化処理が行なわれた旨を示すコマンドを送信することなく、遊技制御側初期化処理が行なわれたことを遊技者や遊技場管理者等に容易に認識させることができる。
前述した実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータは、ソフトウェア遅延処理(ステップS81〜S86)を実行するため、払出制御用マイクロコンピュータが立ち上がる前に払出起動コマンドと賞球REQ信号とが出力されることを防止でき、払出起動コマンドと賞球REQ信号とを受信できないといった不都合の発生を防止することができる。
前述した実施の形態における払出制御用マイクロコンピュータは、ステップS721の処理においてYESと判断されるまで、S721の処理を繰り返し実行するため、払出起動コマンドと賞球REQ信号とを確実に受信することができる。
前述した実施の形態における払出制御用マイクロコンピュータは、ステップS722の処理において1減算された結果、ステップS723においてレジスタの値が0であると判断されたときに、ステップS724で起動不能フラグをセットし、ステップS715において起動エラービットがセットされ、S759の表示制御処理において払出起動コマンドを取込むための賞球REQ信号が出力されていない旨がエラー表示用LED664により報知される。これにより、遊技場管理者は、エラー表示用LED664による報知表示を確認することにより、外部から賞球REQ信号が出力されていないことを容易に認識することができる。
前述した実施の形態では、周辺コマンド中継基板57に設けられている単方向性回路57aにより、たとえば、操作ボタン19aが操作されたときの操作信号や、音声枠ランプ基板92からの信号や、センサ954,955からの検出信号等、演出制御用マイクロコンピュータ118に入力される信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ99に入力されることがないため、演出制御用マイクロコンピュータ118から遊技制御用マイクロコンピュータ99に不正信号等が入力されるような不正行為を防止することができる。また、操作ボタン19aの操作に応じた演出(図85参照)を行なうことができるため、遊技への介入度合いを向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、センサ954,955からの検出信号に基づいてハンマ951の状態を確認することができるため、ハンマ951の動作を正確に制御することができる。
前述した実施の形態における払出制御用マイクロコンピュータは、S721において外部割込要求レジスタのビット7がセットされていると判断したときであっても、ステップS721a〜S721cの処理を実行した後に、S725において払出起動コマンド(賞球制御信号)を取込むため、賞球REQ信号は遊技制御用マイクロコンピュータから出力されているが未だ払出起動コマンドが出力されていないために、その後に出力された払出起動コマンドを受信できない不都合の発生を未然に防止することができる。
そして、払出制御用マイクロコンピュータは、初期設定処理および初期化処理を実行した後に実行するステップS749以降の払出装置等制御処理では、マスク可能割込端子への取込信号の入力に基づく割込処理で賞球払出個数を示す賞球制御信号を受信するので(図59参照)、賞球制御信号に基づく賞球払出個数を迅速に、かつ、正確に受信することができる。
前述した実施の形態では、ステップS756の賞球球貸し制御処理でエラーフラグの状態を参照せず、エラー状態となっていても処理が続行されることから、エラー状態であっても賞球の払出しが検出されるとステップS603で賞球未払出個数カウンタの減算処理が実行される。これにより、エラー状態が発生しても遊技球払出数を正確に管理することができる。
前述した実施の形態では、電力供給が停止する直前に入賞口への入賞が発生したときでも、払出制御用マイクロコンピュータにおけるステップS906、S909の処理により確実に賞球数を賞球未払出個数カウンタに加算して保存することができる。また、バックアップ機能を簡素なハード構成で実現することができる。
前述した実施形態においては、玉払出装置154に流入した玉は、補強ヒンジ部材176、賞球タンク147、玉整列レール部材148、および、玉通路カバー部材156を介して接地されている玉ストッパー部材159のストッパー部材159bと接触している仕切板72に接する。これにより、玉払出装置154に帯電した玉が流入したときであっても、仕切板72に接することにより、玉の電位が接地レベルとなるので、払出モータ115に静電気ノイズが流入することを防止でき、払出モータ115が誤動作することや壊れてしまうことを未然に防止することができる。
前述した実施形態においては、補強ヒンジ部材176を、機構板140を前面枠3に対して開閉自在となるように取り付ける部材と、賞球タンク147、玉整列レール部材148、玉通路カバー部材156、玉ストッパー部材159、仕切板72、打球発射装置130,施錠装置128,プラ枠補強金具371a,プラ枠ヒンジ金具314、導電性板40a,誘導レール42a,42b,障害釘37a、前面扉枠4の上部ヒンジ金具、前面扉枠4用の補強金具、下部ヒンジ金具、上皿開閉枠11用の補強金具、発射レール345、および、上皿金具等の複数の部材を接地可能となるように接続する部材とに兼用することができる。このため、複数の部材を接地できるように弾球遊技機1を構成したときであっても、実装する部品個数を極力削減することができる。また、帯電した玉を接地できる範囲を広げることができるため、静電気ノイズの影響を受けて、弾球遊技機1に搭載された各種機器が誤動作または壊れる危険性を極力低減することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、払出起動コマンド(払出起動指令)と賞球制御信号とは同じ信号線で伝達されたが、それらを伝達する信号線を分けてもよい。また、前述した実施の形態では、払出制御手段は賞球制御信号の受信に応じて賞球BUSY信号を送信しているが、すなわち、賞球制御信号については双方向通信が行なわれているが、賞球制御信号を、単方向通信(遊技制御手段は払出制御手段から応答をとらない。)によって伝達するようにしてもよい。さらに、前述した実施の形態において用いられていた払出起動コマンドおよび賞球制御信号の形態を他の形態にしてもよい。たとえば、1バイトまたは2バイトのコマンドとし、8ビットの信号線で伝達するようにしてもよい。なお、2バイトのコマンドとした場合には、各バイトについて取込信号が送信される。
(2) 前述した実施の形態では、電源基板910から主基板120および払出制御基板98に、電源断信号、リセット信号、およびクリア信号を、出力する例について説明したが、これに限るものではない。たとえば、電源基板910から払出制御基板98に、電源断信号、リセット信号、およびクリア信号を出力し、払出制御基板98を経由して主基板120に入力するものであってもよい。これにより、電源監視回路920からの電源断信号、リセット信号、およびクリア信号が、払出制御基板98を介して主基板31に入力されるので、配線を簡略化して、遊技機のコストを低減させることができる。なお、この場合、払出制御基板98から電源断信号、リセット信号、クリア信号を出力されるタイミングを調整するものであってもよい。たとえば、払出制御用マイクロコンピュータ660により主基板120に出力するタイミングを遅延する処理を行なうようなものであってもよい。また、払出制御用マイクロコンピュータ660により所定の条件が成立したと判断されたときに、主基板120に出力する処理を行なうようなものであってもよい。
前述した実施の形態では、電源基板910に電源監視回路920が搭載されている例について説明したが、これに限るものではない。たとえば、電源監視回路920を払出制御基板98に搭載するものであってもよい。これにより、電源基板から払出制御基板に対して、少なくとも電源断信号を伝達するための信号線(ケーブル)を設ける必要はない。よって、電源基板から電気部品制御基板への信号線数をさらに減らすことができる。さらに、電源断信号を伝達する信号線の基板間での全体的な長さが短くなるので、電源断信号のノイズが乗る可能性を低減することができる。
前述した実施の形態では、電源基板910から主基板120および払出制御基板98に、直流電力を供給する例について説明したが、これに限るものではない。たとえば、電源基板910から主基板120に供給される直流電力を、払出制御基板98を経由させるようにしてもよい。さらに、払出制御基板98を経由して演出制御基板90等の他のサブ基板にも伝達・供給されるようにしてもよい。このような構成によれば、電源基板910から主基板120および払出制御基板98に電力を供給するための電源ケーブルを1本(複数種類の電源ラインを含む。)だけ敷設すればよい。電源断信号、リセット信号、クリア信号を伝達する信号線の設置位置は、電源からのノイズが乗らないように、電源ケーブルの設置位置から離れていることが好ましいのであるが、電源基板910から1本の電源ケーブルを引き出せばよいことから、電源断信号、リセット信号、クリア信号を伝達する信号線と電源ケーブルとを分離しやすくなる。
(3) 前述した実施の形態において、ソフトウェアにより遊技制御用マイクロコンピュータ99の立ち上げを遅延する例について説明したが、これに限らず、遅延回路等を介するなどして、ハード的に遅延(ハードウェア回路による遅延)するようにしてもよい。遅延回路を用いる場合には、予め設定した遅延量で決まる期間だけ、遊技制御用マイクロコンピュータ99の立ち上げを遅延することになる。具体的には、電源監視回路920からのリセット信号を、払出制御用マイクロコンピュータ660と、遅延回路との双方に入力し、遅延量で決まる期間が経過した後に、遅延回路から遊技制御用マイクロコンピュータ99にリセット信号を入力するように構成してもよい。なお、遅延回路は、電源基板910に設けてもよく、払出制御基板98に設けてもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、電源監視回路920からの電源断信号が払出制御用マイクロコンピュータ660と、遊技制御用マイクロコンピュータ99との双方にほぼ同タイミングで入力され、電源断信号が入力されると同時に電力供給停止時処理を遊技制御側と払出制御側とで実行される例について説明した。しかし、これに限らず、遊技制御側において電力供給停止時処理が開始されるタイミングが、払出制御側において電力供給停止時処理が開始されるタイミングよりも、先になるように制御を行なうようにしてもよい。これにより、電源断時において、払出制御側において電力供給停止時処理が開始されるタイミングが遅延するため、遊技制御用マイクロコンピュータ99からの制御信号の取りこぼし等による遊技者の不利益を防止することができる。具体的な手段としては、前述したソフトウェア遅延処理を実行することにより、または、遅延回路を設けることにより、電源監視回路920からの電源断信号を払出制御用マイクロコンピュータ660に入力されるタイミングを遅延させるようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、賞球REQ信号によって払出要求を行ない、賞球制御信号によって払出数が指定されたが、賞球制御信号によって払出要求および払出数の指定を行なうように構成してもよい。その場合、払出制御手段は、賞球制御信号が出力されているときは、同時に払出要求がなされていると判定すればよい。そのような構成によれば、賞球REQ信号を用いる必要はない。
(6) 前述した実施の形態においては、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出モータ115が払出予定数分回転したことを検出したら賞球払出の終了と決定したが、払出センサ基板114による検出回数が払出予定数に達したら賞球払出の終了と決定してもよい。すなわち、払出制御手段は、払出手段の動作量(この例では、払出モータ115の回転量または払出センサ基板114による検出回数)を検出することによって払出しが完了したか否かを判定するように構成されていてもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、払出制御用マイクロコンピュータ660は、主基板120の遊技制御手段からの賞球制御信号の受信をタイマ割込処理内の主制御通信処理(ステップS755)で受信していたが、賞球REQ信号を主基板120からのストローブ信号(払出制御INT信号)とし、外部割込に基づく割込処理で賞球制御信号を受信するようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態においては、カードユニット装置731(記録媒体処理装置)で使用される記録媒体が磁気カード(プリペイドカード)であったが、磁気カードに限られず、非接触型あるいは接触型のICカードであってもよい。また、記録媒体処理装置が識別符号に基づいて記録情報を特定できる構成とされている場合には、記録媒体は、記録情報を特定可能な識別符号などの情報を少なくとも記録媒体処理装置が読み取り可能に記録できるようなものであってもよい。さらに、記録媒体は、たとえばバーコードなどの所定の情報記録シンボル等が読み取り可能にプリントされたものであってもよい。また、記録媒体の形状は、カード状のものに限られず、たとえば円盤形状や球状、あるいはチップ形状など、どのような形状とされていてもよい。
(9) 前述した実施の形態における弾球遊技機は、主として、始動入賞に基づいて特別図柄表示装置44a等に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞に基づいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞に基づいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であってもよい。さらに、遊技媒体が遊技球であるパチンコ遊技機に限られず、遊技媒体がコイン(メダル)等のスロット機等においても、遊技媒体の払出を行なう電気部品が備えられているものであってもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、各種の信号のやりとりに関し、送信/受信や出力/入力という異なる表現を用いているが、送信と出力あるいは受信と入力は、ほぼ同じ意味で用いており、これらの表現は相互に入替可能であることは言うまでもない。なお、制御コマンドなどの多くの意味を持つ信号のやりとりについて送信/受信とするとともに、オン/オフの切り替えによって情報を伝達するための信号のやりとりについて出力/入力として、送信/受信と出力/入力とを使い分けしている場合もある。この場合においても、それらの表現は相互に入替可能である。
(11) 前述した実施の形態においては、信号のオン/オフ状態は、ハイレベル状態/ローレベル状態であってもよく、逆に、ローレベル状態/ハイレベル状態であってもよい。また、信号のオン/オフ状態は、信号出力状態/信号出力停止状態であってもよく、逆に、信号出力停止状態/信号出力状態であってもよい。
(12) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 弾球遊技機、3 前面枠、4 前面扉枠、19a 操作ボタン、40 遊技盤、57 周辺コマンド中継基板、90 演出制御基板、98 払出制御基板、99 遊技制御用マイクロコンピュータ、120 主基板、154 玉払出装置、660 払出制御用マイクロコンピュータ、910 電源基板、954,955 センサ。