JP2004081701A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】払出制御用マイクロコンピュータ371Aは、遊技制御用マイクロコンピュータ56Aから指定された景品遊技媒体の払出数の景品遊技媒体を払出手段97Aを制御して払い出させる景品遊技媒体払出制御処理371aと、景品遊技媒体払出制御処理371aに関わる信号を遊技制御用マイクロコンピュータ56Aに送信する信号送信処理371bと、遊技制御用マイクロコンピュータ56Aとの間の信号の通信に関する異常を検出する通信異常検出処理371cと、発射手段94Aに供給される駆動信号を制御するとともに、通信異常検出処理371cによって異常が検出されると発射手段94Aの動作を停止させるための制御を行う発射停止処理371dとを実行する。
【選択図】 図55
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技媒体を用いて遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、遊技により払出条件が成立したことにもとづいて景品としての景品遊技媒体を払い出すパチンコ遊技機やスロット機等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、表示状態が変化可能な可変表示部が設けられ、可変表示部の表示結果があらかじめ定められた特定表示態様となった場合に所定の遊技価値を遊技者に与えるように構成されたものがある。
【0003】
なお、遊技価値とは、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態となるための権利を発生させたりすることや、賞球払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
【0004】
パチンコ遊技機では、特別図柄を表示する可変表示部の表示結果があらかじめ定められた特定表示態様の組合せとなることを、通常、「大当り」という。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。
【0005】
遊技機における遊技進行は、マイクロコンピュータ等による遊技制御手段によって制御される。賞球払出の制御を行う払出制御手段が、遊技制御手段が搭載されている主基板とは別の払出制御基板に搭載されている場合、遊技の進行は主基板に搭載された遊技制御手段によって制御されるので、入賞にもとづく賞球個数は遊技制御手段によって決定され、賞球個数を示す制御信号が単方向通信によって払出制御基板に送信される。そして、払出制御手段は、遊技制御手段からの制御信号にもとづいて、入賞にもとづく個数の賞球を払い出す処理を行う。一方、遊技媒体の貸し出しは、遊技の進行とは無関係であるから、一般に、遊技制御手段を介さず払出制御手段によって制御される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
遊技制御手段と払出制御手段との間でやりとりされる賞球個数を示す制御信号の通信が払い出しの完了に関わらずに実行されるように構成されている場合には、賞球個数を示す制御信号が単方向通信によって払出制御基板に送信されることから、払出制御手段において信号の取りこぼしや誤認識が生じ、入賞にもとづく個数の賞球が正確に払い出されない可能性がある。また、遊技制御手段および払出制御手段におけるRAMがそれぞれ電源バックアップされ、遊技機への電力供給が停止しても電源バックアップされているRAMに賞球の未払出数を示す情報が保存されている場合には、電力供給が復旧したときにその情報にもとづいて賞球を払い出す処理を続行するように構成されることもあるが、そのように構成された場合には、遊技制御手段におけるRAMに保存される賞球の未払出数を示す情報と、払出制御手段におけるRAMに保存される賞球の未払出数を示す情報とが食い違う可能性がある。さらに、遊技制御手段と払出制御手段との双方を電源バックアップする必要があるとともに、遊技制御手段と払出制御手段との双方において賞球の未払出数を示す情報を記憶する必要があることから、遊技機のコストが上昇するという問題もある。
【0007】
また、発射装置を制御するための制御手段が必要であることも遊技機のコストを上昇させる。さらには、払出制御手段においてエラーが検出され、遊技媒体の払出ができないと認識された場合には、遊技を停止させるために発射装置を不能動化することが好ましい。しかし、払出制御手段においてエラーが検出された場合に発射装置を制御するための制御手段が発射装置を不能動化するように構成すると、それらの制御手段の間のインタフェースが増えるので、構成が複雑になるとともにコストも上がる。さらに、遊技制御手段と払出制御手段との間の通信に障害が生じている場合には正確な賞球払い出しができないことがあるが、遊技媒体の発射を制御する部分は、そのことを認識するのは困難である。その結果、正常な賞球払い出しができない状態であるにも関わらず遊技が続行されてしまう可能性があるという問題もある。
【0008】
そこで、本発明は、遊技機のコストを低減しつつ、景品遊技媒体の未払出数を確実に管理することができるとともに、正確な景品遊技媒体払い出しができない可能性がある場合には遊技を中断させて、正常な賞球払い出しができない状態であるにも関わらず遊技が続行されてしまうことを確実に防止できる遊技機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、遊技領域に発射される遊技媒体を用いて遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、遊技により払出条件が成立した(例えば遊技球が入賞領域に入賞した)ことにもとづいて景品として景品遊技媒体を払い出す遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(CPU56を含むマイクロコンピュータ)と、遊技媒体を遊技領域に向けて発射する発射手段(例えば打球発射装置)と、発射手段を駆動する電気的駆動源(例えば発射モータ94)と、景品遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば球払出装置97)と、払出手段を制御する払出制御用マイクロコンピュータ(例えば払出制御用CPU371を含むマイクロコンピュータ)と、遊技制御用マイクロコンピュータと払出制御用マイクロコンピュータとの間の信号の通信に関する異常を検出する通信異常検出手段(例えば払出制御手段における電源確認信号のオフを検出する部分(ステップS685)や不正なタイミングで賞球REQ信号がオフまたはオンしたことを検出する部分)とを備え、遊技制御用マイクロコンピュータが、払出条件の成立にもとづいて、景品遊技媒体の払出数を指定する払出指令信号(例えば払出個数信号)を送信する払出指令信号送信処理(例えばステップS232の賞球送信処理を実行する部分)を実行し、払出制御用マイクロコンピュータが、遊技制御用マイクロコンピュータからの払出指令信号により指定された払出数の景品遊技媒体を、払出手段を制御して払い出させる景品遊技媒体払出制御処理(例えばステップS546およびステップS756の払出制御処理)と、景品遊技媒体払出制御処理に関わる信号(例えば払出BUSY信号)を遊技制御用マイクロコンピュータに送信する信号送信処理(例えばステップS547)と、通信異常検出手段が異常を検出すると発射手段の動作を停止させるため電気的駆動源に供給される駆動信号を制御する発射手段制御処理(例えばステップS750およびS752)とを実行することを特徴とする。
【0010】
通信異常検出手段は、例えば、払出制御用マイクロコンピュータが通信に関する異常を検出する通信異常検出処理(例えばステップS685)を実行することにより実現される。
【0011】
遊技制御用マイクロコンピュータが、電力供給の開始により遊技の進行を制御可能な状態となったときに接続確認信号(例えば電源確認信号)を払出制御用マイクロコンピュータに送信し、通信異常検出手段が、接続確認信号の状態を監視し、遊技制御用マイクロコンピュータと払出制御用マイクロコンピュータとの間の信号の通信に関して異常が発生したことを検出する(例えばステップS685)ように構成されていてもよい。
【0012】
通信異常検出手段が異常を検出したとき、その旨を報知する報知手段(例えば「1」を表示するエラー表示用LED374、ブザー、スピーカ)を備えていてもよい。
【0013】
遊技機は記録媒体に記録されている情報により特定される価値を遊技機での遊技に使用できる遊技使用価値に変換するための処理を行う記録媒体処理装置(例えばカードユニット50)と通信可能に接続され、記録媒体処理装置と遊技機との間の通信に関する異常を検出する外部機器異常検出手段(例えば払出制御手段におけるステップS695を実行する部分、プリペイドカードユニット制御処理におけるプリペイドカードユニット通信エラーを検知する部分)を備え、報知手段が、通信異常検出手段が検出した異常と外部機器異常検出手段が検出した異常とを区別可能に報知する(例えば通信異常検出手段が検出した異常について「1」を表示、外部機器異常検出手段が検出した異常について「8」や「9」を表示、図51)ように構成されていてもよい。
【0014】
遊技者が遊技機に設けられた操作手段(例えば打球操作ハンドル(操作ノブ))に触れているか否かを検出するためのタッチセンサ回路が、払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている払出制御基板と異なる基板(例えばタッチセンサ基板91)に搭載され、タッチセンサ回路が搭載される基板が、払出制御基板より操作手段に近い位置に配置され、払出制御用マイクロコンピュータが、タッチセンサ回路からの信号により遊技者が操作手段に触れていることが検出されたときに発射手段を能動化するように構成される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0016】
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
【0017】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
【0018】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
【0019】
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(特別図柄表示装置)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。また、可変表示装置9には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(始動記憶表示エリア)18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、表示色が変化する(例えば青色表示から赤色表示に変化)始動記憶表示エリアを1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶数表示エリアを1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。この例では、図柄表示エリアと始動記憶表示エリアとが区分けされて設けられているので、可変表示中も始動記憶数が表示された状態にすることができる。なお、始動記憶表示エリアを図柄表示エリアの一部に設けるようにしてもよ。また、可変表示中は始動記憶数の表示を中断するようにしてもよい。また、この例では、始動記憶表示エリアが可変表示装置9に設けられているが、始動記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けてもよい。
【0020】
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0021】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。
【0022】
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に右側のランプが点灯すれば当たりとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
【0023】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
【0024】
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、カードユニットという。)50も示されている。
【0025】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0026】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
【0027】
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0028】
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
【0029】
遊技球がゲート32に入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
【0030】
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3および図4を参照して説明する。図3は、遊技機を裏面から見た背面図である。図4は、各種部材が取り付けられた機構板を遊技機背面側から見た背面図である。
【0031】
図3に示すように、遊技機裏面側では、可変表示装置9を制御する演出制御手段が搭載された演出制御基板80を含む可変表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。なお、演出制御手段は、遊技盤6に設けられている可変表示装置9、各種装飾LED、普通図柄始動記憶表示器41、装飾ランプ25、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cを点灯制御するとともに、スピーカ27からの音発生を制御する。
【0032】
演出制御手段は、演出制御基板80に搭載されている1つの演出制御用マイクロコンピュータで実現されるが、遊技盤6に設けられている各種装飾LED、普通図柄始動記憶表示器41、装飾ランプ25、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cを駆動するための駆動回路は、演出制御基板80と電気的に接続されているランプドライバ基板に搭載されている。また、スピーカ27を駆動する駆動回路等は、演出制御基板80と電気的に接続されている音声出力基板に搭載されている。
【0033】
さらに、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91が設けられている。電源基板910は、大部分が主基板31と重なっているが、主基板31に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分がある。この露出部分には、遊技機1の各電気部品制御基板(主基板31、演出制御基板80、払出制御基板37)や遊技機に設けられている各電気部品への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ914と、主基板31に含まれる記憶内容保持手段(例えば、電力供給停止時にもその内容を保持可能なバックアップRAM)に記憶されたバックアップデータをクリアするための操作手段としてのクリアスイッチ921とが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチ914の内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
【0034】
遊技機裏面において、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)34が設置されている。
【0035】
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール39を通り、図4に示されるように、カーブ樋186を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レール39における上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
【0036】
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払い出されて打球供給皿3が満杯になり、ついには遊技球が連絡口45に到達した後さらに遊技球が払い出されると、遊技球は、余剰球通路46を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払い出されると、感知レバー47が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ48を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ48がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
【0037】
図4に示すように、球払出装置の側方には、カーブ樋186から遊技機下部の排出口192に至る球抜き通路191が形成されている。球抜き通路191の上部には球抜きレバー193が設けられ、球抜きレバー193が遊技店員等によって操作されると、誘導レール39から球抜き通路191への遊技球通路が形成され、貯留タンク38内に貯留されている遊技球は、排出口192から遊技機外に排出される。
【0038】
図5は、払出ケース40Aで覆われた球払出装置97を示す正面図(図5(A))および断面図(図5(B))である。図4に示すように、球払出装置97は、球切れスイッチ187と球払出装置97との間に設置されている通路体184の下部に固定されている。通路体184は、カーブ樋186によって流下方向が左右方向に変換された2列の遊技球を流下させる球通路188a,188bを有する。球通路188a,188bの上流側には、球切れスイッチ187が設置されている。なお、実際には、それぞれの球通路188a,188bに球切れスイッチが設置されている。球切れスイッチ187は、球通路188a,188b内の遊技球の有無を検出するものであって、球切れスイッチ187が遊技球を検出しなくなると球払出装置97における払出モータ(図5において図示せず)の回転を停止して遊技球の払出が不動化される。
【0039】
また、球切れスイッチ187は、球通路188a,188bに27〜28個の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止片によって係止されている。
【0040】
球払出装置97において、ステッピングモータによる払出モータ(図示せず)が例えばカムを回転させることによって、賞球または球貸し要求にもとづく遊技球を1個ずつ払い出す。また、球払出装置97の下方には、例えば近接スイッチによる払出カウントスイッチ301が設けられている。球払出装置97から1個の遊技球が落下する毎に、払出カウントスイッチ301がオンする。すなわち、払出カウントスイッチ301は、球払出装置97から実際に払い出された遊技球を検出する。従って、払出制御手段は、払出カウントスイッチ301の検出信号によって、実際に払い出された遊技球の数を計数することができる。
【0041】
図6は、球払出装置97の構成例を示す分解斜視図である。この例では、払出ケース40Aとしての3つのケース140,141,142の内部に球払出装置97が形成されている。ケース140,141の上部には、球切れスイッチ187の下部の球通路188a,188bと連通する穴170,171が設けられ、遊技球は、穴170,171から球払出装置97に流入する。
【0042】
球払出装置97は駆動源となる払出モータ(例えばステッピングモータ)289を含む。払出モータ289の回転力は、払出モータ289の回転軸に嵌合しているギア290に伝えられ、さらに、ギア290と噛み合うギア291に伝えられる。ギア291の中心軸には、球載置部を有するカム292が嵌合している。穴170,171から流入した遊技球は、カム292の球載置部によって、カム292の下方の球通路293に1個ずつ落下させられる。
【0043】
また、球払出装置97において、発光素子(LED)と受光素子とによる払出モータ位置センサ295が設けられている。払出モータ位置センサ295は、払出モータ289の回転位置を検出するためのセンサであり、遊技球が詰まったこと、すなわちいわゆる球噛みを検出するために用いられる。
【0044】
なお、この実施の形態では、球払出装置97は、賞球払出と球貸しとを共に行うように構成されているが、賞球払出を行う球払出装置と球貸しを行う球払出装置が別個に設けられていてもよい。別個に設けられている場合には、賞球払出を行う球払出装置と球貸しを行う球払出装置とで払出手段が構成される。さらに、例えば、カムまたはスプロケットの回転方向を変えて賞球払出と球貸しとを分けるように構成されていてもよいし、本実施の形態において例示する球払出装置97(モータによってカムを回転させる構成)以外のどのような構造の球払出装置を用いても、本発明を適用することができる。
【0045】
図7は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図7には、払出制御基板37および演出制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、およびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
【0046】
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの各スイッチは、入賞検出手段でもある。なお、入賞検出手段は、複数の入賞口に別個に入賞したそれぞれの遊技球をまとめて検出するものであってもよい。また、ゲートスイッチ32aのような通過ゲートであっても、賞球の払い出しが行われるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。さらに、この実施の形態では、V入賞領域に入賞した遊技球はV入賞スイッチ22で検出されるとともにカウントスイッチ23でも検出されるが、V入賞スイッチ22のみで検出されるようにしてもよい。V入賞領域に入賞した遊技球がV入賞スイッチ22のみで検出される場合には、大入賞口に入賞した遊技球数は、V入賞スイッチ22による検出数とカウントスイッチ23による検出数との和になる。
【0047】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
【0048】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
【0049】
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。なお、遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
【0050】
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は払出制御基板37上の回路によって制御される発射モータ94を含み、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。発射モータ94を駆動するための駆動信号は、タッチセンサ基板91を介して発射モータ94に伝達される。そして、遊技者が操作ノブ(打球ハンドル)5に触れていることはタッチセンサで検出され、タッチセンサからの信号がタッチセンサ基板91に搭載されているタッチセンサ回路(遊技者が操作ノブ5に触れているか否かを検出するための検出回路等を含む回路)を介して払出制御基板37に伝達される。払出制御基板37上の回路は、タッチセンサ回路からの信号がオフ状態を示している場合には、発射モータ94の駆動を停止する。なお、操作ノブ5には、弾発力を調節するものであり、発射モータ94の駆動を停止させるための単発発射スイッチ、および遊技者が接触する部分であるタッチリングが組み付けられている。タッチセンサ基板91は、遊技機において、タッチリングと払出制御基板37との間に配置され、かつ、タッチリングの近傍に配置されている。具体的には、タッチリングとタッチセンサ基板91との間の配線長は、タッチセンサ基板91と払出制御基板37との間の配線長よりも短い。
【0051】
なお、この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、遊技盤6に設けられている普通図柄始動記憶表示器41および装飾ランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cの表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段は、特別図柄を可変表示する可変表示装置9および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御も行う。
【0052】
図8は、払出制御基板37および球払出装置97などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図8に示すように、払出制御基板37には、払出制御用CPU371が搭載されている。この実施の形態では、払出制御用CPU371は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。また、RAMは、主基板31におけるRAM55とは異なり、電源バックアップされていない。払出制御用CPU371、RAM、払出制御用プログラムを格納したROM(図示せず)およびI/Oポート等は、払出制御手段を構成する。
【0053】
満タンスイッチ48および払出カウントスイッチ301からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372fに入力される。また、球切れスイッチ187および払出モータ位置センサ295からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372eに入力される。払出制御基板37の払出制御用CPU371は、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示していたり、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、球払出処理を停止する。さらに、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、打球発射装置からの球発射を停止させる。
【0054】
入賞があると、主基板31の出力回路67から、払出指令信号として、賞球の払出要求を行うための賞球REQ信号(賞球リクエスト信号)および払い出すべき賞球個数を示す払出個数信号が出力される。払出個数信号は、4ビットのデータ(2進4桁のデータ)によって構成され、4本の信号線によって出力される。払出個数信号は、入力回路373Aを介してI/Oポート372eに入力される。払出制御用CPU371は、I/Oポート372eを介して賞球REQ信号および払出個数信号が入力すると、払出個数信号が示す個数の遊技球を払い出すために球払出装置97を駆動する制御を行う。なお、主基板31の出力回路67からは、主基板31が接続されていることを示す電源確認信号(接続確認信号)も出力される。また、賞球REQ信号および払出個数信号は、払出数を指定する払出指令信号に相当する。
【0055】
また、払出制御手段が払出指令信号を受け付けたときには主基板31に対して指令受付信号を送信する。指令受付信号は、払出制御基板37の出力ポート372bおよび出力回路373Bを介して主基板31に送信される。そして、主基板31において、入力回路68およびI/Oポート57を介してCPU56に入力される。さらに、払出制御手段が賞球の払出処理を実行しているときには、払出制御手段は、出力ポート372bおよび出力回路373Bを介して払出処理中であることを示す払出BUSY信号(賞球払出中信号)を送信する。なお、この実施の形態では、払出BUSY信号がオン状態になることによって、指令受付信号が送信されたことになる。
【0056】
払出制御用CPU371は、出力ポート372bを介して、賞球払出数を示す賞球情報信号および貸し球数を示す球貸し個数信号をターミナル基板(枠用外部端子基板と盤用外部端子基板とを含む)160に出力する。なお、出力ポート372bの外側に、ドライバ回路が設置されているが、図7では記載省略されている。また、ターミナル基板160(枠用外部端子基板)には、ドア開放情報スイッチ161A,161Bが接続されている。
【0057】
また、払出制御用CPU371は、出力ポート372cを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED374にエラー信号を出力する。さらに、出力ポート372bを介して、点灯/消灯を指示するための信号を賞球LED51および球切れLED52に出力する。なお、払出制御基板37の入力ポート372fには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ375からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ375は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
【0058】
さらに、払出制御基板37からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372aおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に伝えられる。なお、出力ポート372aの外側に、ドライバ回路(モータ駆動回路)が設置されているが、図7では記載省略されている。また、払出制御基板37からの発射モータ94への駆動信号は、出力ポート372aおよびタッチセンサ基板91を介して発射モータ94に伝えられる。
【0059】
カードユニット50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット50には、使用可表示ランプ151、連結台方向表示器153、カード投入表示ランプ154およびカード挿入口155が設けられている(図1参照)。インタフェース基板(中継基板)66には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED60、球貸し可LED61、球貸しスイッチ62および返却スイッチ63が接続される。
【0060】
インタフェース基板66からカードユニット50には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ62が操作されたことを示す球貸しスイッチ信号および返却スイッチ63が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット50からインタフェース基板66には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート372fおよび出力ポート372dを介して送受信される。カードユニット50と払出制御基板37の間には、インタフェース基板66が介在している。よって、接続信号(VL信号)等の信号は、図8に示すように、インタフェース基板66を介してカードユニット50と払出制御基板37の間で送受信されることになる。
【0061】
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、電源が投入されると、VL信号を出力する。払出制御用CPU371は、VL信号の入力状態によってカードユニット50の接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力する。
【0062】
そして、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出が完了したら、払出制御用CPU371は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット50からのBRDY信号がオン状態でないことを条件に、遊技制御手段から払出指令信号を受けると賞球払出制御を実行する。なお、カードユニット50で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板37から供給される。
【0063】
カードユニット50に対する電源基板910からの電力供給は、払出制御基板37およびインタフェース基板66を介して行われる。この例では、インタフェース基板66内に配されているカードユニット50に対するAC24Vの電源供給ラインに、カードユニット50を保護するためのヒューズが設けられ、カードユニット50に所定電圧以上の電圧が供給されることが防止される。
【0064】
なお、この実施の形態では、カードユニット50が遊技機とは別体として遊技機に隣接して設置されている場合を例にするが、カードユニット50は遊技機と一体化されていてもよい。また、コイン投入に応じてその金額に応じた遊技球が貸し出されるような場合でも本発明を適用できる。
【0065】
図9は、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、ROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、出力ポート104およびLCD駆動回路106を介してLCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行うとともに、出力ポート104およびランプ駆動回路107を介して普通図柄表示器10の表示制御を行う。
【0066】
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート104および出力ドライバ110を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。また、演出制御用CPU101に入出力するバス(アドレスバス、データバス、および書込/読出信号等の制御信号ラインを含む)はバスドライバ105を介してランプドライバ基板35まで延長されている。
【0067】
ランプドライバ基板35において、演出制御用CPU101に入出力するバスは、バスレシーバ351を介して出力ポート352および拡張ポート353に接続される。出力ポート352から出力される各ランプを駆動する信号は、ランプドライバ354で増幅され各ランプに供給される。また、出力ポート352から出力される各LEDを駆動する信号は、LED駆動回路355で増幅され各LEDに供給される。そして、演出用駆動手段61を駆動する信号は、駆動回路356で増幅され演出用駆動手段61に供給される。
【0068】
この実施の形態では、遊技機に設けられているランプ・LEDおよび演出用駆動手段は、演出制御基板80に搭載されている演出用CPU101を含む演出制御手段によって制御される。また、可変表示装置9、普通図柄表示器10およびランプ・LED等を制御するためのデータがROMに格納されている。演出用CPU101は、ROMに格納されているデータにもとづいて可変表示装置9、普通図柄表示器10およびランプ・LED等を制御する。そして、ランプドライバ基板35に搭載されている出力ポート352および各駆動回路を介して、ランプ・LEDおよび演出用駆動手段が駆動される。従って、機種変更を行う際に、ランプドライバ基板35についてポート数を変更する等の設計変更を行う必要はあるが、演出制御基板80については、プログラムを格納するROMを交換するだけでよく回路の設計変更を行う必要はない。
【0069】
なお、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70は独立した基板であるが、それらは、例えば、遊技機裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置される。また、拡張ポート353は、機種変更を行う場合に、ランプ・LED等の数が増加した場合を考慮して設置されるが、設置されていなくてもよい。演出用の可動部材等が存在しない場合には駆動回路356は設けられなくてもよいが、機種変更を行う場合に、演出用の可動部材等が設置された場合を考慮すると、演出用の可動部材等が存在しない場合にも設けられていることが好ましい。
【0070】
音声出力基板70において、演出制御基板80からの音番号データは、入力ドライバ702を介して、例えばデジタルシグナルプロセッサによる音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
【0071】
音声データROM704に格納されている音番号データに応じたデータは、所定期間(例えば特別図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。音声合成用IC703は、音番号データを入力すると、音声データROM704内の対応するデータに従って音出力制御を行う。対応するデータに従った音出力制御は、次の音番号データを入力するまで継続される。そして、音声合成用IC703は、次の音番号データを入力すると、新た入力した音番号データに対応した音声データROM704内のデータに従って音出力制御を行う。
【0072】
この実施の形態では、スピーカ27から出力される音声や効果音は演出制御用CPU101を含む演出制御手段によって制御されるのであるが、演出制御手段は、音声出力基板70に音番号データを出力する。音声出力基板70において、音声データROM704には、遊技の進行に伴って出現しうる音声や効果音を実現するための多数のデータが格納され、それらのデータは音番号データに対応付けられている。従って、演出制御手段は、音番号データを出力するだけで音出力制御を実現することができる。なお、音番号データは例えば1バイトデータであり、シリアル信号線またはパラレル信号線によって音声出力基板70に転送される。
【0073】
次に、電源基板910の構成を図10および図11のブロック図を参照して説明する。図10は、電源基板910における直流電圧作成部分を示すブロック図である。電源基板910には、遊技機内の各電気部品制御基板や機構部品への電力供給を実行または遮断するための電源スイッチ914が設けられている。なお、電源スイッチ914は、遊技機において、電源基板910の外に設けられていてもよい。電源スイッチ914が閉状態(オン状態)では、交流電源(AC24V)がトランス911の入力側(一次側)に印加される。トランス911は、交流電源(AC24V)と電源基板910の内部とを電気的に絶縁するためのものであるが、その出力電圧もAC24Vである。また、トランス911の入力側には、過電圧保護回路としてのバリスタ918が設置されている。
【0074】
電源基板910は、電気部品制御基板(主基板31、払出制御基板37および演出制御基板80)と独立して設置され、遊技機内の各電気部品制御基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、VLP(DC+24V)、VDD(DC+12V)およびVCC(DC+5V)を生成する。また、バックアップ電源(VBB)すなわちバックアップRAMに記憶内容を保持させるための記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5V(VCC)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。また、+5Vラインとバックアップ+5V(VBB)ラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、VSLは、整流平滑回路914において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源となる。また、VLPは、ランプ点灯用の電圧であって、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流することによって生成される。
【0075】
電源電圧生成手段としてのDC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のレギュレータIC(図10では2つのレギュレータIC924A,924Bを示す。)を有し、VSLにもとづいてVDDおよびVCCを生成する。レギュレータIC(スイッチングレギュレータ)924A,924Bの入力側には、比較的大容量のコンデンサ923A,923Bが接続されている。従って、外部からの遊技機に対する電力供給が停止したときに、VSL、VDD、VCC等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。
【0076】
図11に示すように、トランス911から出力されたAC24Vは、そのままコネクタ922Aに供給される。また、VLPは、過電流の供給を防止する過電流防止手段としてのヒューズF01を介してコネクタ922Bに供給される。また、ヒューズF01のコネクタ922B側とグラウンド(接地電位)との間には、LED(LD01)と抵抗(R01)の直列体が接続されている。
【0077】
VSLは、ヒューズF02を介してコネクタ922Aに供給される。ヒューズF02のコネクタ922A側とグラウンドとの間には、LED(LD02)と抵抗(R02)の直列体が接続されている。また、VSLは、ヒューズF03を介してコネクタ922Bに供給される。ヒューズF03のコネクタ922B側とグラウンドとの間には、LED(LD03)と抵抗(R03)の直列体が接続されている。さらに、VSLは、ヒューズF04を介してコネクタ922Cに供給される。ヒューズF04のコネクタ922C側とグラウンドとの間には、LED(LD04)と抵抗(R04)の直列体が接続されている。
【0078】
VDDは、ヒューズF05を介してコネクタ922Aに供給される。ヒューズF05のコネクタ922A側とグラウンドとの間には、LED(LD05)と抵抗(R05)の直列体が接続されている。また、VDDは、ヒューズF06を介してコネクタ922Bに供給される。ヒューズF06のコネクタ922B側とグラウンドとの間には、LED(LD06)と抵抗(R06)の直列体が接続されている。さらに、VDDは、ヒューズF07を介してコネクタ922Cに供給される。ヒューズF07のコネクタ922C側とグラウンドとの間には、LED(LD07)と抵抗(R07)の直列体が接続されている。
【0079】
VCCは、ヒューズF08を介してコネクタ922Aに供給される。ヒューズF08のコネクタ922A側とグラウンドとの間には、LED(LD08)と抵抗(R08)の直列体が接続されている。また、VCCは、ヒューズF09を介してコネクタ922Bに供給される。ヒューズF09のコネクタ922B側とグラウンドとの間には、LED(LD09)と抵抗(R09)の直列体が接続されている。さらに、VCCは、ヒューズF10を介してコネクタ922Cに供給される。ヒューズF10のコネクタ922C側とグラウンドとの間には、LED(LD10)と抵抗(R10)の直列体が接続されている。
【0080】
なお、コネクタ922Aに接続されるケーブルは、払出制御基板37に接続される。また、コネクタ922Bに接続されるケーブルは、演出制御基板80に接続される。そして、コネクタ922Cに接続されるケーブルは、主基板31に接続される。従って、コネクタ922Cには、VBBも供給されている。
【0081】
また、電源基板910には、押しボタン構造のクリアスイッチ921が搭載されている。クリアスイッチ921が押下されるとローレベル(オン状態)のクリアスイッチ信号が出力され、コネクタ922Cを介して主基板31に送信される。また、クリアスイッチ921が押下されていなければハイレベル(オフ状態)の信号が出力される。なお、クリアスイッチ921は、押しボタン構造以外の他の構成であってもよい。また、クリアスイッチ921は、遊技機において、電源基板910以外に設けられていてもよい。
【0082】
また、ヒューズF01〜F10は、取り外しが可能(交換可能)なタイプのものではなく、電源基板910に固定されているタイプのものである。すなわち、交換不能に基板(この例では電源基板910)に設置されている。ヒューズF01〜F10が交換可能なタイプのものである場合には、電源基板910や電気部品制御基板において短絡故障等のような不具合が発生したときにヒューズ交換がなされ、真の不具合原因が不明なまま遊技機が稼働状態に戻されてしまうおそれがある。その場合、不具合が直ぐに再発することが予想される。しかし、ヒューズF01〜F10を交換不可能なタイプのものにしておけば、電源基板910において不具合が発生したときに、真の不具合原因を探す行為に誘導される。
【0083】
電源基板910において、図11に示されたようなLED(LD01〜LD10)が設けられている場合、電源基板910および各電気部品制御基板において短絡故障等のような不具合が発生していなければ、各LED(LD01〜LD10)は点灯状態である。換言すれば、各LED(LD01〜LD10)が点灯状態であれば、電源基板910および各電気部品制御基板において短絡故障等のような不具合が発生していないことがわかる。
【0084】
図12は、主基板31におけるCPU56、リセット回路および電源監視回路を示すブロック図である。図12に示すように、電源監視回路(電源監視手段)920からの電源断信号すなわち電源監視手段からの検出信号が、反転回路943および入力ポート572を介してCPU56に入力される。従って、CPU56は、入力ポート572の入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。
【0085】
電源監視回路920は主基板31に搭載されているので、電源断信号が入力されるCPU56の近くに電源監視手段を設置することができ、電力供給の停止を遊技制御手段に確実に認識させることができるようになる。
【0086】
電源監視回路920は電源監視用IC902を含む。電源監視用IC902は、VSL電圧を導入し、VSL電圧を監視することによって遊技機への電力供給停止の発生を検出する。具体的には、VSL電圧が所定値(この例では+22V)以下になったら、電力供給の停止が生ずるとして電源断信号を出力する。なお、監視対象の電源電圧は、各電気部品制御基板に搭載されている回路素子の電源電圧(この例では+5V)よりも高い電圧であることが好ましい。この例では、交流から直流に変換された直後の電圧であるVSLが用いられている。
【0087】
電源監視用IC902が電力供給の停止を検知するための所定値は、通常時の電圧より低いが、CPU56が暫くの間、動作しうる程度の電圧である。また、電源監視用IC902が、CPU56等の回路素子を駆動するための電圧(この例では+5V)よりも高いので、CPUが必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができる。従って、より精密な監視を行うことができる。さらに、監視電圧としてVSL(+30V)を用いる場合には、遊技機の各種スイッチに供給される電圧が+12Vであることから、電源瞬断時のスイッチオン誤検出の防止も期待できる。すなわち、+30V電源の電圧を監視すると、+30V作成の以降に作られる+12Vが落ち始める以前の段階でそれの低下を検出できる。
【0088】
+12V電源の電圧が低下するとスイッチ出力がオン状態を呈するようになるが、+12Vより早く低下する+30V電源電圧を監視して電力供給の停止を認識すれば、スイッチ出力がオン状態を呈する前に電力供給回復待ちの状態に入ってスイッチ出力を検出しない状態となることができる。
【0089】
リセット回路65はリセットIC651を含む。リセットIC651は、電源投入時に、外付けのコンデンサの容量で決まる所定時間だけ出力をローレベルとし、所定時間が経過すると出力をハイレベルにする。すなわち、リセット信号(システムリセット信号)をハイレベルに立ち上げてCPU56を動作可能状態にする。なお、リセット信号は、反転回路942,941を介してCPU56のリセット端子に入力される。
【0090】
また、リセットIC651は、電源監視回路920が監視する電源電圧と等しい電源電圧であるVSLの電源電圧を監視して電圧値が所定値(電源監視回路が電源断信号を出力する電源電圧値よりも低い値)以下になると出力をローレベルにする。従って、CPU56は、電源監視回路920からの電源断信号に応じて所定の電力供給停止時処理を行った後、システムリセットされる。すなわち、完全に動作を止める状態になる。従って、リセット回路65は、電源監視手段が検出信号を出力するタイミングよりも遅いタイミングで検出信号を出力する第2の電源監視手段に相当する。この例では、第2の電源監視手段が検出信号を出力する状態は、リセット信号をローレベルにする状態である。
【0091】
この実施の形態で用いられているCPU56は、マスク不能割込(NMI)を発生させるために使用されるマスク不能割込端子(NMI端子)と、CPU56の外部から割込(外部割込;マスク可能割込)を発生させるために使用される割込端子(INT端子)とを有する。NMI端子に入力される信号がローレベルに立ち下がると、マスク不能割込が発生する。すなわち、CPU56のプログラムカウンタが、マスク不能割込処理の開始アドレスに変更され、CPU56は、マスク不能割込処理の開始アドレスに設定されている命令を実行する状態になる。
【0092】
また、INT端子に入力される信号がローレベルに立ち下がると、外部割込が発生する。すなわち、CPU56のプログラムカウンタが、外部割込処理の開始アドレスに変更され、CPU56は、外部割込処理の開始アドレスに設定されている命令を実行する状態になる。
【0093】
この実施の形態では、マスク不能割込および外部割込を使用しない。そこで、NMI端子およびINT端子を、抵抗を介してVcc(+5V)にプルアップしておく。従って、NMI端子およびINT端子の入力レベルは常にハイレベルになり、端子オープン状態に場合に比べて、ノイズ等によってNMI端子およびINT端子の入力レベルが立ち下がって割込発生状態になる可能性が低減する。
【0094】
図13および図14は、遊技制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図13に示すように、出力ポート0は払出制御基板37に送信される払出制御信号、および演出制御基板80に送信される演出制御コマンドについての演出制御INT信号(ストローブ信号)の出力ポートである。また、演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの8ビットのデータは出力ポート1から出力される。演出制御INT信号は、演出制御コマンドの8ビットのデータを取り込むことを演出制御手段に指令するための信号である。
【0095】
また、出力ポート2から、大入賞口の開閉板2を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド(大入賞口内誘導板ソレノイド)21Aおよび可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)16に対する駆動信号が出力される。そして、出力ポート3から、情報出力回路64を介して情報端子板34やターミナル基板160に至る各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報の出力データが出力される。
【0096】
図15は、遊技制御手段におけるにおける入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図15に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、入賞口スイッチ33a、24a,29a,30a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、V入賞スイッチ22、ゲートスイッチ32aの検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット0〜2には、それぞれ、電源監視回路920からの電源断信号、払出制御基板37からの払出BUSY信号、電源基板910からのクリアスイッチ921の検出信号が入力される。なお、各スイッチからの検出信号は、スイッチ回路58において論理反転されている。
【0097】
次に遊技機の動作について説明する。図16は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0098】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
【0099】
この実施の形態で用いられるCPU56は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
【0100】
この実施の形態で用いられているCPU56には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0101】
割込モード0:割込要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPU56は自動的に割込モード0になる。よって、割込モード1または割込モード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込モード1または割込モード2に設定するための処理を行う必要がある。
【0102】
割込モード1:割込が受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0103】
割込モード2:CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出する機能を有している。
【0104】
よって、割込モード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施の形態では、初期設定処理のステップS2において、CPU56は割込モード2に設定される。
【0105】
次いで、CPU56は、入力ポート1を介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS15)。クリアスイッチ921がオンである場合(押下されている場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力されている。なお、入力ポート1では、クリアスイッチ信号のオン状態はハイレベルである。また、例えば、遊技店員は、クリアスイッチ921をオン状態にしながら遊技機に対する電力供給を開始する(例えば電源スイッチ914をオンする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行うことができる。
【0106】
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような保護処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56はバックアップありと判定する。そのような保護処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
【0107】
バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。例えば、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
【0108】
バックアップありと判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムとする。
【0109】
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S15の処理)を実行する。
【0110】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS81)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS82)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS81およびS82の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)や未払出賞球数を示すデータが設定されている部分である。
【0111】
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS83)、その内容に従ってサブ基板(払出制御基板37および演出制御基板80)に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンドが送信されるように制御する(ステップS84)。そして、ステップS15に移行する。
【0112】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。なお、RAMの全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。例えば、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータをそのままにした場合には、不正な手段によって初期化処理が実行される状態になったとしても、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が大当り判定値に一致するタイミングを狙うことは困難である。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
【0113】
また、CPU56は、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
【0114】
そして、ステップS15において、CPU56は、例えば2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
【0115】
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。CPU56は、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(ステップS19)。なお、表示用乱数とは、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0116】
なお、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17,S18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17,S18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0117】
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図17に示すステップS20〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。次いで、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
【0118】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS22)。CPU56は、さらに、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23,S24)。
【0119】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0120】
次いで、CPU56は、特別図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
【0121】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0122】
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出個数信号等の払出制御信号を出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、賞球個数を示す払出個数信号等の払出制御信号に応じて球払出装置97を駆動する。
【0123】
そして、CPU56は、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS31)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。また、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられ、CPU56は、そのRAM領域の内容を出力ポートに出力する(ステップS33:出力処理)。なお、出力ポートバッファの内容は、ステップS25〜S30,S31の処理で更新される。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
【0124】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は定期的(例えば2ms毎)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0125】
図18および図19は、ステップS20の電源断検出処理の一例を示すフローチャートである。電源断検出処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS450)。オン状態であれば、ステップS452以降の電力供給停止時処理を実行する。すなわち、遊技の進行を制御する状態から遊技状態を保存させるための電力供給停止時処理を実行する状態に移行する。
【0126】
電力供給停止時処理において、CPU56は、バックアップあり指定値(この例では「55H」)をバックアップフラグにストアする(ステップS452)。バックアップフラグはバックアップRAM領域に形成されている。次いで、パリティデータを作成する(ステップS453〜S461)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS453)、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS454)。また、チェックサム算出回数をセットする(ステップS455)。
【0127】
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS456)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS457)、ポインタの値を1増やし(ステップS458)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS459)。そして、ステップS456〜S459の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(ステップS460)。
【0128】
チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS461)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS462)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS471)。以後、内蔵RAM55のアクセスができなくなる。
【0129】
さらに、CPU56は、ROM54に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS472)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
【0130】
CPU56は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(ステップS473)。また、ポインタの値を1増やし(ステップS474)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(ステップS475)。さらに、ポインタの値を1増やし(ステップS476)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(ステップS477)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(ステップS478)。その後、処理数を1減らし(ステップS479)、処理数が0でなければステップS474に戻る。処理数が0であれば、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止し(ステップS481)、ループ処理に入る。
【0131】
ループ処理では、電源断信号がオフ状態になったか否かを監視する(ステップS482)。電源断信号がオフ状態になった場合には復帰アドレスとして、電源投入時実行アドレス(ステップS1のアドレス)を設定してリターン命令を実行する(ステップS483)。
【0132】
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、ステップS452〜S481の電力供給停止時処理が実行されて、電力供給が実行されたことを示すデータ(バックアップあり指定値およびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、遊技制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
【0133】
また、電源断信号がオフ状態になった場合には、ステップS1に戻る。その場合、電力供給が実行されたことを示すデータが設定されているので、ステップS81〜S84の遊技状態復旧処理が実行される。よって、電力供給停止時処理を実行した後に電源監視手段からの検出信号がオフ状態になったときには、遊技の進行を制御する状態に戻る。従って、電源瞬断等が生じても、遊技制御処理が停止してしまうようなことはなく、自動的に、遊技制御処理が続行される。
【0134】
なお、払出制御基板37に対して送信される電源確認信号は、出力ポートをクリアする処理によってオフ状態に設定される。また、ステップ82およびS12の作業領域の設定では、電源確認信号に対応した出力ポートバッファの内容が、電源確認信号のオン状態に対応した値に設定される。そして、ステップS33の出力処理が実行されると、出力ポートバッファの内容が出力ポートに出力されるので、払出制御基板37への電源確認信号がオン状態になる。従って、電源確認信号は、主基板31の立ち上がり時に出力される(オン状態になる)ことになる。なお、電源瞬断等から復帰した場合も、電源確認信号が出力される。
【0135】
次に、メイン処理におけるスイッチ処理(ステップS21)の具体例を説明する。この実施の形態では、各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定されスイッチオンに対応した処理が開始される。所定時間を計測するために、スイッチタイマが用いられる。スイッチタイマは、バックアップRAM領域に形成された1バイトのカウンタであり、検出信号がオン状態を示している場合に2ms毎に+1される。図20に示すように、スイッチタイマは検出信号の数nだけ設けられている。また、RAM55において、各スイッチタイマのアドレスは、入力ポートのビット配列順と同じ順序で並んでいる。
【0136】
図21は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、CPU56は、まず、入力ポート0に入力されているデータを入力する(ステップS101)。次いで、処理数として「8」を設定し(ステップS102)、入賞口スイッチ33aのためのスイッチタイマのアドレスをポインタにセットする(ステップS103)。そして、スイッチチェック処理サブルーチンをコールする(ステップS104)。
【0137】
図22は、スイッチチェック処理サブルーチンを示すフローチャートである。スイッチチェック処理サブルーチンにおいて、CPU56は、ポート入力データ、この場合には入力ポート0からの入力データを「比較値」として設定する(ステップS121)。また、クリアデータ(00)をセットする(ステップS122)。そして、ポインタ(スイッチタイマのアドレスが設定されている)が指すスイッチタイマをロードするとともに(ステップS123)、比較値を右(上位ビットから下位ビットへの方向)にシフトする(ステップS124)。比較値には入力ポート0のデータ設定されている。そして、この場合には、入賞口スイッチ33aの検出信号がキャリーフラグに押し出される。
【0138】
キャリーフラグの値が「1」であれば(ステップS125)、すなわち入賞口スイッチ33aの検出信号がオン状態であれば、スイッチタイマの値を1加算する(ステップS127)。加算後の値が0でなければ加算値をスイッチタイマに戻す(ステップS128,S129)。加算後の値が0になった場合には加算値をスイッチタイマに戻さない。すなわち、スイッチタイマの値が既に最大値(255)に達している場合には、それよりも値を増やさない。
【0139】
キャリーフラグの値が「0」であれば、すなわち入賞口スイッチ33aの検出信号がオフ状態であれば、スイッチタイマにクリアデータをセットする(ステップS126)。すなわち、スイッチがオフ状態であれば、スイッチタイマの値が0に戻る。
【0140】
その後、CPU56は、ポインタ(スイッチタイマのアドレス)を1加算するとともに(ステップS130)、処理数を1減算する(ステップS131)。処理数が0になっていなければステップS122に戻る。そして、ステップS122〜S132の処理が繰り返される。
【0141】
ステップS122〜S132の処理は、処理数分すなわち8回繰り返され、その間に、入力ポート0の8ビットに入力されるスイッチの検出信号について、順次、オン状態かオフ状態か否かのチェック処理が行われ、オン状態であれば、対応するスイッチタイマの値が1増やされる。
【0142】
なお、この実施の形態では、遊技制御処理が2ms毎に起動されるので、スイッチ処理も2msに1回実行される。従って、スイッチタイマは、2ms毎に+1される。
【0143】
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受される払出制御信号について説明する。図23は、遊技制御手段から払出制御手段に対して出力される制御信号および遊技制御手段に払出制御手段から入力される払出制御信号の内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御等に関する各種の制御を行うために、主基板31と払出制御基板37との間で複数種類の制御信号がやりとりされる。図23に示すように、電源確認信号は、主基板31の立ち上がり時に出力され、払出制御基板37に対して主基板31が立ち上がったことを通知するための信号(主基板31の接続確認信号)である。また、上述したように、電源確認信号は、電源断検出時にオフ状態にされ、払出制御基板37に対して主基板31で電源断検出がなされたことを通知するための信号としても用いられる。
【0144】
賞球REQ信号は、賞球の払出要求時にローレベル(出力状態=オン状態)になり、払出要求の終了時にハイレベル(停止状態=オフ状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。また、賞球REQ信号は、賞球の払い出しを強制的に停止させるときにハイレベル(停止状態)になり、賞球払出の強制停止指示を行う強制停止停止信号としても用いられる。払出個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(1〜15個)を指定するために出力される信号である。
【0145】
払出BUSY信号(賞球払出中信号)は、主基板31が払出制御基板37での動作状態を確認するために用いられる信号である。なお、各制御信号は、出力状態またはオン状態と停止状態またはオフ状態とが識別可能に構成されていればよく、上記の論理の正負が逆であってもよい。
【0146】
図24は、図23に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図24に示すように、電源確認信号、賞球REQ信号、および払出個数信号は、CPU56によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用CPU371に入力される。また、払出BUSY信号は、払出制御用CPU371によって出力回路373Bを介して出力され、入力回路68を介してCPU56に入力される。電源確認信号、賞球REQ信号、および払出BUSY信号は、それぞれ1ビットのデータであり、1本の信号線によって送信される。払出個数信号は、1個〜15個を指定するので、4ビットのデータで構成され4本の信号線によって送信される。
【0147】
図25は、ステップS30の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、COU56は、賞球個数加算処理(ステップS201)と賞球制御処理(ステップS202)とを実行する。
【0148】
賞球個数加算処理では、図26に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「6」)が設定され、その後に、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチタイマ(図20参照)の下位アドレスと賞球数とが対で順次設定されている。
【0149】
図27は、賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、CPU56は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS211)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS212)。次に、スイッチタイマの上位アドレス(8ビット)をチェックポインタにセットする(ステップS213)。なお、全てのスイッチタイマの上位アドレスは同じである。
【0150】
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS214)、チェックポインタにセットされているデータとポインタが指すアドレスのデータ(スイッチタイマの下位アドレス)とにもとづいてスイッチタイマのアドレスを得て、そのアドレスからスイッチタイマの値をロードする(ステップS215)。なお、最初にロードされる値は、入賞口スイッチ33aに対応したスイッチタイマの値である(図26参照)。また、ここで、ポインタの値を+1しておく(ステップS216)。
【0151】
次に、CPU56は、ロードしたスイッチタイマの値とオン判定値(例えば「2」)とを比較し(ステップS217)、一致していればステップS218に移行し、一致していなければステップS222に移行する。スイッチタイマの値は、ステップS21のスイッチ処理でスイッチがオンしていることが確認されたら+1されている。スイッチ処理は2ms毎に起動されるので、結局、スイッチが4ms継続してオンしていたら、スイッチタイマの値が「2」になる。すなわち、オン判定値が「2」である場合には、スイッチが4ms継続してオンしていたら、スイッチタイマの値がオン判定値に一致する。
【0152】
ステップS218では、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には賞球数)をロードし、ロードした値を賞球加算値に設定する。また、賞球加算値を、16ビットのRAM領域である総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS219)。なお、総賞球数格納バッファは、バックアップRAMに形成されている。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS220,221)。
【0153】
ステップS221では処理数を1減らし、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS214に戻る(ステップS223)。
【0154】
図28は、ステップS201の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、CPU56は、賞球プロセスコードの値に応じて、ステップS231〜S234のいずれかの処理を実行する。
【0155】
図29は、賞球プロセスコードの値が0の場合に実行される賞球待ち処理1(ステップS231)を示すフローチャートである。CPU56は、賞球待ち処理1において、払出BUSY信号がオン状態になっていないか否か確認する(ステップS241)。この段階では払出BUSY信号はオン状態になっていないはずであるから、払出BUSY信号がオン状態になっている場合には、異常状態コードを出力して処理を終了する。なお、異常状態コードはRAM55に形成される内部フラグである。
【0156】
払出BUSY信号がオフ状態であれば、賞球REQ信号をオフ状態にするとともに払出個数信号の出力を0クリアする(ステップS243,S244)。なお、ステップS243の処理は、ステップS234の賞球処理3の実行が完了して前回の払出処理が完了した後に賞球REQ信号をオフ状態にするための処理である。また、賞球タイマが0であるか否か確認する(ステップS245)。賞球タイマが0でなければ、賞球タイマの値を1減らして(ステップS246)、処理を終了する。賞球タイマは賞球処理において必要となる時間を計測するためのタイマであるが、この段階で賞球タイマの値が0でないということは、前回の払出処理が完了した後、次に賞球REQ信号をオン状態にするまでの待ち時間(連続して賞球払出が実行される場合に、複数の賞球REQ信号のオン期間の間に間隔を設けるための時間)が終了していないことを意味する。
【0157】
賞球タイマの値が0であれば、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS247)。その値が0であれば処理を終了し、0でなければ、賞球プロセスコードの値を1にした後(ステップS248)、処理を終了する。
【0158】
図30は、賞球プロセスコードの値が1の場合に実行される賞球送信処理(ステップS232)を示すフローチャートである。CPU56は、賞球送信処理において、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS251)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS252)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS253)。
【0159】
その後、賞球個数バッファに設定された数の払出数を指定する払出個数信号を出力し(ステップS254)、賞球REQをオン状態にし(ステップS255)、賞球プロセスコードの値を2にして(ステップS256)、処理を終了する。
【0160】
この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。従って、最大で「15」の払出数を指定する払出個数信号が払出制御基板37に送信される。
【0161】
図31は、賞球プロセスコードの値が2の場合に実行される賞球待ち処理2(ステップS233)を示すフローチャートである。CPU56は、賞球待ち処理2において、賞球REQがオン状態になったことに応じて払出制御手段が出力する(オン状態にする)払出BUSY信号がオン状態になったか否か確認する(ステップS261)。オン状態にならないときには、賞球タイマにBUSY開始判定時間値をセットする(ステップS262)。BUSY開始判定時間値は、遊技制御手段が、その値が示す時間だけ払出BUSY信号のオン状態が継続したら、確かに払出BUSY信号が出力された(オンした)と確認するための値である。
【0162】
従って、CPU56は、払出BUSY信号がオン状態になったら賞球タイマの値を確認し(ステップS263)、その値が0でなければ賞球タイマの値を1減らして(ステップS264)、処理を終了する。賞球タイマの値が0になったら、確かに払出BUSY信号がオンしたとして、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS265)。そして、賞球プロセスコードの値を3にして(ステップS266)、処理を終了する。
【0163】
図32は、賞球プロセスコードの値が3の場合に実行される賞球待ち処理3(ステップS234)を示すフローチャートである。CPU56は、賞球待ち処理4において、払出BUSY信号がオフ状態になったか否か確認する(ステップS271)。オフ状態にならないときには、賞球タイマにBUSY終了判定時間値をセットする(ステップS272)。BUSY終了判定時間値は、遊技制御手段が、その値が示す時間だけ払出BUSY信号のオフ状態が継続したら、確かに払出BUSY信号が出力されなくなった(オフした)と確認するための値である。
【0164】
従って、CPU56は、払出BUSY信号がオフ状態になったら賞球タイマの値を確認し(ステップS273)、その値が0でなければ賞球タイマの値を1減らして(ステップS274)、処理を終了する。賞球タイマの値が0になったら、確かに払出BUSY信号がオフしたとして、賞球REQ待ち時間を賞球タイマにセットする(ステップS275)。そして、賞球プロセスコードの値を0にして(ステップS276)、処理を終了する。上述したように、賞球REQ待ち時間は、次に賞球REQ信号をオン状態にするまでの待ち時間(連続して賞球払出が実行される場合に、複数の賞球REQ信号のオン期間の間に間隔を設けるための時間)である。
【0165】
以上の処理によって、遊技制御手段は、払出条件の成立にもとづいて払い出される賞球としての遊技球の総数を特定可能に総賞球数格納バッファに記憶する。総賞球数格納バッファは、遊技機への電力供給が停止した場合に変動データ保存手段としてのバックアップ電源により記憶内容を少なくとも所定期間保存する景品遊技媒体数記憶手段に相当する。また、遊技制御手段は、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数にもとづいて払出制御手段に対して所定数の賞球の払出数を指定する払出指令信号を送信する。ここで、所定数は、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数が15個以上であれば15であり、15個未満であれば、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数である。そして、所定の条件が成立すると総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数から払出指令信号で指定した払出数を減算する減算処理を行う。
【0166】
この実施の形態では、減算処理を実行するための所定の条件は、払出制御手段から指令受付信号を受信したとき、具体的には、払出BUSY信号がオンしたときである。なお、払出BUSY信号がオンしたときには、払出制御手段は、払出指令信号で指令された個数の賞球払出をまだ行っていない。賞球払出が完了したときに総賞球数格納バッファの減算処理を行うように構成すると、賞球払出中に不正に遊技機の電力供給を停止させた後に電力供給を復旧させるような不正行為によって、不正に多数の賞球払出が行われてしまう。例えば、払出指令信号で15個の賞球払出が指令された場合に、10個の賞球払出がなされた時点で、不正に遊技機の電力供給を停止させた後に電力供給を復旧させると、総賞球数格納バッファの内容はなんら減算されていないので、実際には10個の賞球払出はなされているにも関わらず、その10個の賞球払出はなされていないものとして、賞球制御を続行してしまう。
【0167】
しかし、この実施の形態では、払出BUSY信号がオンしたときに、すなわち、払出制御手段が払出指令信号を受け付けて指令受付信号を送信したときに総賞球数格納バッファの減算処理が実行されるので、上記の不正行為を防止することができる。
【0168】
なお、この実施の形態では、払出条件の成立にもとづいて払い出される景品遊技媒体の総数を特定可能に記憶する景品遊技媒体数記憶手段として、総数そのものを記憶する総賞球数格納バッファが例示されたが、景品遊技媒体の総数を特定可能に記憶する景品遊技媒体数記憶手段は、各入賞領域への入賞数を記憶したり、賞球数が同じである入賞領域毎の入賞数(例えば6個の賞球数に対応した入賞口14、10個の賞球数に対応した入賞口33,39,29,30、15個の賞球数に対応した大入賞口への入賞数であって、未だ賞球払出が終了していない入賞数)を記憶するものであってもよい。
【0169】
図33は、払出制御信号の出力の状態の例を示すタイミング図である。ここでは、入賞を検出するスイッチ(例えば、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23)で、6個の入賞が検出されたあと15個の入賞が検出された場合について説明する。上述したように、入賞が検出されると、賞球個数加算処理において、総賞球数格納バッファに入賞に応じた賞球数が加算される。
【0170】
図33に示すように、6個の入賞が検出されると、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容が0でなくなったことにもとづいて、賞球REQ信号を出力状態(オン状態:ローレベル)にするとともに、6個を示す払出個数信号を出力状態にする(ステップS254,S255参照)。払出制御用CPU371は、賞球REQ信号を受信すると、賞球の払出処理中であることを示す払出BUSY信号をオン状態とするとともに、払出モータ289を駆動して払出個数信号が示す6個の賞球の払出処理を実行する。6個分の賞球の払出処理を終了すると、払出制御用CPU371は、払出BUSY信号をオフ状態にする。払出BUSY信号のオン状態からオフ状態への変化は、払出完了信号がオンしたことも示す。CPU56は、払出完了信号にもとづいて6個分の賞球が払い出されたことを確認すると、賞球REQ信号を停止状態(オフ状態:ハイレベル)にするとともに、払出個数信号の出力を停止状態にする(ステップS271,S243,S244参照)。
【0171】
6個の入賞にもとづく払出処理を終了すると、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容が0でないことにもとづいて、賞球REQ信号を出力状態にするとともに、15個を示す払出個数信号を出力状態にする。払出制御用CPU371は、賞球REQ信号を受信すると、賞球の払出処理中であることを示す払出BUSY信号をオン状態とするとともに、払出モータ289を駆動して払出個数信号が示す15個の賞球の払出処理を実行する。15個分の賞球の払出処理を終了すると、払出制御用CPU371は、払出BUSY信号をオフ状態にする。CPU56は、払出完了信号にもとづいて15個分の賞球が払い出されたことを確認すると、賞球REQ信号を停止状態にするとともに、払出個数信号の出力を停止状態にする。
【0172】
この実施の形態では、図33に示すように、後に発生した15個の入賞にもとづく払出処理は、6個の入賞にもとづく払出処理が終了するまで待たされる。すなわち、連続して複数の入賞が発生した場合には、CPU56は、先の入賞にもとづく賞球の払い出しが払出完了信号によって確認されるまで、後の入賞にもとづく賞球の払出要求の送出を待つ。換言すれば、遊技制御手段における払出指令信号送信手段は、景品遊技媒体数記憶数減算手段による減算処理の後に景品遊技媒体数記憶手段(この例では総賞球数格納バッファ)に未払出の景品遊技媒体数が記憶されていたときには、払出指令信号で指定した払出数の景品遊技媒体の払出処理が終了した後に次の払出指令信号を出力する。
【0173】
次に、払出制御手段(払出制御用CPU371およびROM,RAM等の周辺回路)の動作を説明する。図34は、払出制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図34に示すように、出力ポート0は、ステッピングモータによる発射モータ94に供給される各相の信号と、ステッピングモータによる払出モータ289に供給される各相の信号とを出力するための出力ポートである。また、出力ポート1は、球切れLED52、賞球LED51および払出BUSY信号と、遊技機外部に出力される賞球情報、球貸し情報および遊技機エラー信号を出力するための出力ポートである。
【0174】
出力ポート2は、7セグメントLEDによるエラー表示LED374の各セグメント出力の出力ポートである。出力ポート3は、カードユニット50へのEXS信号およびPRDY信号を出力するための出力ポートである。
【0175】
図35は、払出制御手段における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図35に示すように、入力ポート0のビット0〜3には、4ビットの払出個数信号が入力され、ビット4〜7には、それぞれ、電源監視回路920からの電源確認信号(電源断信号)、主基板31からの賞球REQ信号、球切れスイッチ187の検出信号、払出モータ位置センサ295の検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット0〜4には、それぞれ、払出カウントスイッチ301の検出信号、エラー解除スイッチ375からの操作信号、単発発射スイッチからの信号、タッチセンサからのタッチセンサ信号、満タンスイッチ48の検出信号が入力される。入力ポート1のビット5〜7には、それぞれ、カードユニット50からのVL信号、BRDY信号、BRQ信号が入力される。
【0176】
図36は、遊技機の払出制御手段とカードユニット50との間の通信を説明するためのタイミング図である。払出制御手段は、遊技機への電力供給が開始され、払出動作が可能なときにはPRDY信号をオン状態にする。カードユニット50は、電力供給が開始されると、接続信号としてのVL信号をオン状態にする。カードユニット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット50は、払出制御手段にBRDY信号を出力する。すなわち、BRDY信号をオン状態にする。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット50は、払出制御手段にBRQ信号を出力する。すなわち、BRQ信号をオン状態にする。
【0177】
そして、払出制御手段は、カードユニット50に対するEXS信号をオン状態にし、カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がり(オフ)を検出すると、払出モータ289を駆動し、所定個(例えば25個)の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出が完了したら、払出制御手段は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち下げる。すなわちEXS信号をオフ状態にする。
【0178】
次に、払出制御手段の動作について説明する。図37は、払出制御手段が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、払出制御用CPU371は、まず、必要な初期設定を行う。すなわち、払出制御用CPU371は、まず、割込禁止に設定する(ステップS701)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS702)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS703)。また、払出制御用CPU371は、内蔵デバイスレジスタの初期化を行い(ステップS704)、CTCおよびPIOの初期化(ステップS705)を行った後に、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS706)。
【0179】
この実施の形態では、内蔵CTCのうちの一つのチャネルがタイマモードで使用される。従って、ステップS704の内蔵デバイスレジスタの設定処理およびステップS705の処理において、使用するチャネルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行われる。そして、そのチャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タイマ割込を例えば2ms毎に発生させたい場合は、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0180】
なお、タイマモードに設定されたチャネル(この実施の形態ではチャネル3)に設定される割込ベクタは、タイマ割込処理の先頭アドレスに相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでタイマ割込処理の先頭アドレスが特定される。タイマ割込処理では、払出制御処理が実行される。
【0181】
この実施の形態では、払出制御用CPU371でも割込モード2が設定される。従って、内蔵CTCのカウントアップにもとづく割込処理を使用することができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた割込処理開始アドレスを設定することができる。
【0182】
CTCのチャネル3(CH3)のカウントアップにもとづく割込は、CPUの内部クロック(システムクロック)をカウントダウンしてレジスタ値が「0」になったら発生する割込であり、タイマ割込として用いられる。具体的には、CPU371の動作クロックを分周したクロックがCTCに与えられ、クロックの入力によってレジスタの値が減算され、レジスタの値が0になるとタイマ割込が発生する。例えば、CH3のレジスタ値はシステムクロックの1/256周期で減算される。分周したクロックにもとづいて減算が行われるので、レジスタの初期値は大きくならない。
【0183】
次いで、払出制御用CPU371は、通常の初期化処理を実行する(ステップS711〜ステップS713)。初期化処理では、払出制御用CPU371は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS711)。また、RAM領域のフラグやカウンタなどに初期値を設定する。そして、定期的にタイマ割込がかかるように払出制御用CPU371に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS712)。すなわち、初期値としてタイマ割込発生間隔に相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。そして、初期設定処理のステップS701において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS713)。その後、ループ処理に入る。
【0184】
上記のように、この実施の形態では、払出制御用CPU371の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。そして、タイマ割込が発生すると、タイマ割込処理において払出制御処理(ステップS750〜S760)が実行される。
【0185】
払出制御処理において、払出制御用CPU371は、まず、発射モータ94に対する励磁パターンの出力処理(発射モータφ1〜φ4のパターンの出力ポート0への出力)を行う(ステップS750)。なお、ステップS752の発射モータ制御処理において、励磁パターンがRAM領域である励磁パターンバッファに格納され、ステップS750では、払出制御用CPU371は、励磁パターンバッファの内容を出力ポート0の下位4ビットに出力する処理を行う。
【0186】
次に、払出制御用CPU371は、スイッチ処理を実行する(ステップS751)。スイッチ処理は、遊技制御手段におけるスイッチ処理と同様の処理であり、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
【0187】
次に、払出制御用CPU371は、発射モータ制御処理を実行する(ステップS752)。発射モータ制御処理では、発射モータφ1〜φ4のパターンを励磁パターンバッファに格納する。また、発射モータ94を不能動化すべきときには、発射モータ94を回転させない発射モータφ1〜φ4のパターンを励磁パターンバッファに格納する。また、払出制御用CPU371は、払出モータ制御処理を実行する(ステップS753)。払出モータ制御処理では、払出モータ289を駆動すべきときには、払出モータφ1〜φ4のパターンを出力ポート0に出力するための処理が行われる。そして、カードユニット50と通信を行うプリペイドカードユニット制御処理を実行する(ステップS754)。
【0188】
次いで、払出制御用CPU371は、主基板31の遊技制御手段と通信を行う主制御通信処理を実行する(ステップS755)。さらに、カードユニット50からの球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行い、また、主基板からの払出個数信号が示す個数の賞球を払い出す制御を行う払出制御処理を実行する(ステップS756)。
【0189】
そして、払出制御用CPU371は、各種のエラーを検出するエラー処理を実行する(ステップS757)。また、遊技機外部に出力される賞球情報や球貸し情報を出力するための情報出力処理を実行する(ステップS758)。また、エラー処理の結果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行うとともに、賞球LED51および球切れLED52を点灯するための表示制御処理を実行する(ステップS759)。なお、払出制御用CPU371は、表示制御処理において、賞球REQ信号がオン状態であるときに、賞球LED51を点灯するための制御を行う。また、賞球REQ信号がオフ状態になったら、賞球LED51を消灯するための制御を行う。
【0190】
また、遊技制御手段の場合と同様に、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられ、払出制御用CPU371は、出力ポートバッファの内容を出力ポートに出力する。(ステップS760:出力処理)。ただし、出力ポート0の下位4ビット(発射モータφ1〜φ4)については、ステップS750で実行されているので、出力処理においては、出力ポート0の下位4ビットについての出力を行わない。出力ポートバッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)、プリペイドカード制御処理(ステップS754)、主制御通信処理(ステップS755)、情報出力処理(ステップS758)および表示制御処理(ステップS759)で更新される。
【0191】
図39は、ステップS752の発射モータ制御処理を示すフローチャートである。発射モータ制御処理において、払出制御用CPU371は、カードユニット50からのVL信号がオフ状態である場合(プリペイドカード未接続)、主基板31からの電源確認信号がオフ状態である場合(主基板未接続)、または満タンスイッチ48がオン状態である場合(下皿満タン)には、ステップS518に移行する(ステップS511,S512,S513)。プリペイドカード未接続でなく、主基板未接続でなく、下皿満タンでもない場合にはステップS514に移行する。ステップS514では、払出制御用CPU371は、タッチセンサ信号がオン状態になっているか否か確認する。オン状態になっていればステップS515に移行し、オン状態になっていなければステップS518に移行する。以上のように、払出制御手段は、遊技制御手段が制御可能状態になったことを電源確認信号により検知する遊技制御可能状態検知手段(ステップS512を実行する部分)を含み、さらに、遊技制御手段が制御可能状態になったことを遊技制御可能状態検出手段が検知したことを条件として、発射モータ94を動作可能状態にする発射制御手段(ステップS512の結果に応じてステップS515〜S517の処理を実行する部分)を含む。
【0192】
ステップS515では、払出制御用CPU371は、発射モータ励磁パターンカウンタを+1する。そして、ROMに格納されている発射モータ励磁パターンテーブルから、励磁パターンカウンタの値に応じたデータを読み出す(ステップS516)。さらに、読み出したデータを、発射モータ励磁パターンバッファにセットする(ステップS517)。上述したように、発射モータ励磁パターンバッファの内容は、ステップS750において出力ポートに出力される。なお、発射モータ励磁パターンテーブルには、発射モータ94を回転させるための各ステップの励磁パターン(発射モータφ1〜φ4)のデータが順次設定されている。
【0193】
ステップS518では、未回転データ(発射モータ94を回転させないための励磁パターン)を発射モータ励磁パターンバッファにセットする。
【0194】
以上のように、主基板未接続エラーの通信エラーが発生すると発射モータ94が不能動化されるので、通信エラーが発生しているにも関わらず遊技が進行してしまうことはない。なお、この実施の形態では、主基板未接続エラーの通信エラーが発生した場合に、発射モータ94が不能動化され遊技球の遊技領域7への発射ができない状態になるが、不正なタイミングで賞球REQ信号がオンまたはオフした賞球REQ信号エラーが発生した場合にも、発射モータ94を不能動化するようにしてもよい。
【0195】
図40は、ステップS753の払出モータ制御処理を示すフローチャートである。払出モータ制御処理において、払出制御用CPU371は、払出モータ制御コードの値に応じて、ステップS521〜S526のいずれかの処理を実行する。
【0196】
払出モータ制御コードの値が0の場合に実行される払出モータ通常処理(ステップS521)では、払出制御用CPU371は、ポインタを、ROMに格納されているテーブルの先頭アドレスにセットする。払出モータ通常処理設定テーブルには、球払出時の払出モータ289を回転させるための各ステップの励磁パターン(払出モータφ1〜φ4)のデータが順次設定されている払出モータ励磁パターンテーブルが格納されている。
【0197】
払出モータ制御コードの値が1の場合に実行される払出モータ起動準備処理(ステップS522)では、払出制御用CPU371は、出力ポート0の出力状態に対応した出力ポートバッファのビット4〜7に励磁パターンの初期値を設定する等の処理を行う。
【0198】
払出モータ制御コードの値が2の場合に実行される払出モータスローアップ処理(ステップS523)では、払出制御用CPU371は、払出モータ289を滑らかに回転開始させるために、定速処理の場合よりも長い間隔で、かつ、徐々に定速処理の場合の時間間隔に近づくような時間間隔で、払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポートバッファのビット4〜7に設定する。読み出しに際して、ポインタが指すアドレスの払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出すとともに、ポインタの値を+1する。
【0199】
払出モータ制御コードの値が3の場合に実行される払出モータ定速処理(ステップS524)では、払出制御用CPU371は、定期的に払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポートバッファのビット4〜7に設定する。
【0200】
払出モータ制御コードの値が4の場合に実行される払出モータブレーキ処理(ステップS525)では、払出制御用CPU371は、払出モータ289を滑らかに停止させるために、定速処理の場合よりも長い間隔で、かつ、徐々に定速処理の場合の時間間隔から遠ざかるような時間間隔で、払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポートバッファのビット4〜7に設定する。
【0201】
払出モータ制御コードの値が5の場合に実行される球噛み時払出モータブレーキ処理(ステップS526)では、払出制御用CPU371は、球噛みを解除するための回転の場合に、払出モータ289を滑らかに停止させるために、球噛みを解除するための払出モータ289の回転の場合よりも長い間隔で、かつ、徐々に定速処理の場合の時間間隔から遠ざかるような時間間隔で、払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポートバッファのビット4〜7に設定する。
【0202】
図41は、ステップS755の主制御通信処理を示すフローチャートである。主制御通信処理では、払出制御用CPU371は、主制御通信制御コードの値に応じて、ステップS531〜S533のいずれかの処理を実行する。
【0203】
図42は、主制御通信制御コードの値が0の場合に実行される主制御通信通常処理(ステップS531)を示すフローチャートである。主制御通信通常処理において、払出制御用CPU371は、エラービットがオンしている場合には、以降の処理を実行せずに処理を終了する(ステップS541)。エラービットとは、各種のエラーが発生したことが検出されたときにセットされるエラーフラグにおけるビットである。ステップS541では、エラーフラグ中のビットが1つでもセットされていたら、エラービットがセットされていると判断する。
【0204】
また、払出制御用CPU371は、BRDY信号がオン状態であれば、以降の処理を実行せずに処理を終了する(ステップS542)。BRDY信号がオン状態であるということは、カードユニット50から球貸し要求が発生していることを意味する。すなわち、球貸し要求が発生しているときには、主基板31の遊技制御手段との通信(賞球払出に関する通信)が進行しない。さらに、球払出動作中である場合すなわち後述する球貸し動作中フラグがセットされている場合にも、以降の処理を実行せずに処理を終了する(ステップS543)。従って、球払出動作中である場合にも、主基板31の遊技制御手段との通信(賞球払出に関する通信)が進行しない。また、主基板31からの電源確認信号がオフ状態である場合には、以降の処理を実行せずに処理を終了する(ステップS544)。
【0205】
ステップS541〜S543の条件が成立せず、電源確認信号がオン状態である場合には、払出制御用CPU371は、賞球REQ信号がオン状態になっているか否か確認する(ステップS545)。オン状態になっている場合には、払出個数信号が示す賞球数を未払出個数カウンタにセットし(ステップS546)、払出BUSY信号をオン状態にするための処理を行う(ステップS547)。具体的には、出力ポート1の出力状態に対応した出力ポートバッファにおける払出BUSY信号に対応したビットをオン状態に設定する。そして、主制御通信制御コードの値を1にして(ステップS548)、処理を終了する。なお、未払出個数カウンタは、揮発性(電源バックアップされない)のRAM領域に形成されている。
【0206】
図43は、主制御通信制御コードの値が1の場合に実行される主制御通信中処理(ステップS532)を示すフローチャートである。主制御通信中処理において、払出制御用CPU371は、賞球REQ信号がオフ状態になっていたら(ステップS551)、エラーフラグのうち賞球REQ信号エラービットをセットする(ステップS552)。この段階で、直ちに賞球REQ信号がオフ状態になってしまうのはおかしいからである。
【0207】
次いで、払出制御用CPU371は、払出BUSY信号をオフ状態にするための処理を行う。具体的には、賞球動作中フラグがリセットされていれば(ステップS553)、出力ポート1の出力状態に対応した出力ポートバッファにおける払出BUSY信号に対応したビットをオフ状態に設定する(ステップS554)。なお、賞球動作中フラグは、払出制御処理(ステップS756)において、賞球払出が完了したらリセットされる。また、主制御通信制御タイマに賞球REQ信号オフ監視時間をセットする(ステップS555)。主制御通信制御タイマは、主基板31の遊技制御手段との通信に関わる時間の監視等に使用されるタイマであるが、この段階では、賞球REQ信号がオフするのを監視するための賞球REQ信号オフ監視時間がセットされる。そして、主制御通信制御コードの値を2にして(ステップS556)、処理を終了する。
【0208】
図44は、主制御通信制御コードの値が2の場合に実行される主制御通信終了処理(ステップS533)を示すフローチャートである。主制御通信中処理において、払出制御用CPU371は、賞球REQ信号がオフ状態になったか否かを確認する(ステップS561)。オフ状態になったらステップS565に移行する。オフ状態になっていない場合には、主制御通信制御タイマの値を−1する(ステップS562)。そして、主制御通信制御タイマの値が0になっていたら(ステップS563)、賞球REQ信号がオフしなかったとして、エラーフラグのうち賞球REQ信号エラービットをセットし(ステップS564)、ステップS565に移行する。
【0209】
ステップS565では、主制御通信制御コードの値を0にして(ステップS565)、処理を終了する。
【0210】
図45は、ステップS756の払出制御処理を示すフローチャートである。払出制御処理において、払出制御用CPU371は、払出カウントスイッチ301の検出信号がオン状態になったことを確認したら、未払出個数カウンタの値を1減らす。その後、払出制御コードの値に応じてステップS610〜S612のいずれかの処理を実行する。
【0211】
図46は、払出制御コードが0の場合に実行される払出開始待ち処理(ステップS610)を示すフローチャートである。払出開始待ち処理において、払出制御用CPU371は、エラービットがセットされていたら、以降の処理を実行しない(ステップS621)。また、BRDY信号がオン状態でなければ、ステップS631以降の賞球払出のための処理を実行する。BRDY信号がオン状態であって、さらに、球貸し要求信号であるBRQ信号がオン状態になっていたら球貸し動作中フラグをセットする(ステップS623,S624)。そして、未払出個数カウンタに「25」をセットし(ステップS625)、払出モータ回転回数バッファに未払出個数カウンタに「25」をセットする(ステップS626)。
【0212】
払出モータ回転回数バッファは、払出モータ制御処理(ステップS723)において参照される。すなわち、払出モータ制御処理では、払出モータ回転回数バッファにセットされた値に対応した回転数分だけ払出モータ289を回転させる制御が実行される。
【0213】
その後、払出制御用CPU371は、払出モータ制御処理で実行される処理を選択するための払出モータ制御コードに、払出モータ起動準備処理(ステップS522)に応じた値(具体的は「1」)をセットし(ステップS634)、払出制御コードの値を1にして(ステップS635)、処理を終了する。
【0214】
ステップS631では、払出制御用CPU371は、未払出個数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS631)。0であれば処理を終了する。未払出個数カウンタには、主制御通信通常処理におけるステップS546において、すなわち、主基板31の遊技制御手段から賞球REQ信号を受けたときに、0でない値(払出個数信号が示す数)がセットされている。従って、未払出個数カウンタの値が0でない場合には、賞球動作中フラグをセットし(ステップS632)、払出モータ回転回数バッファに未払出個数カウンタの値をセットする(ステップS633)。そして、ステップS634に移行する。
【0215】
図47は、払出制御コードが1の場合に実行される払出モータ停止待ち処理(ステップS611)を示すフローチャートである。払出モータ停止待ち処理において、払出制御用CPU371は、払出動作が終了したか否か確認する(ステップS641)。払出制御用CPU371は、例えば、払出モータ制御処理における払出モータブレーキ処理(ステップS525)が終了するときにその旨のフラグをセットし、ステップS641においてそのフラグを確認することによって払出動作が終了したか否かを確認することができる。
【0216】
払出動作が終了した場合には、払出制御用CPU371は、払出制御監視タイマに払出通過監視時間をセットする(ステップS642)。払出通過監視時間は、最後の払出球が払出モータ289によって払い出されてから払出カウントスイッチ301を通過するまでの時間に、余裕を持たせた時間である。そして、払出制御コードの値を2にして(ステップS643)、処理を終了する。
【0217】
図48は、払出制御コードの値が2の場合に実行される払出通過待ち処理(ステップS612)を示すフローチャートである。払出通過待ち処理において、払出制御用CPU371は、まず、払出制御タイマの値を−1する(ステップS651)。そして、払出制御タイマの値を確認し、その値が0になっていなければ、すなわち払出制御タイマがタイムアウトしていなければ処理を終了する。
【0218】
払出制御タイマがタイムアウトしていれば、未払出個数カウンタの値を確認する(ステップS653)。払出動作が正常に実行されれば、払出制御タイマがタイムアウトする前に、払出モータ289によって払い出された遊技球は全て払出カウントスイッチ301を通過し、ステップS601,S602の処理によって未払出個数カウンタの値は0になっている。未払出個数カウンタの値が正の値を示している場合には、実際に払い出された遊技球が払出予定数よりも少ない(払出不足)ことを意味する。また、未払出個数カウンタの値が負の値を示している場合には、実際に払い出された遊技球が払出予定数よりも多い(払出過多)ことを意味する。
【0219】
払出制御用CPU371は、未払出個数カウンタの値が正の値になっていない場合(払出不足でない場合)には、払出処理中であることを示す内部状態を、そうでない状態に変更する。具体的には、球貸し動作を実行中であったときには、すなわち、球貸し動作中フラグがセットされている場合には、球貸し動作中フラグをリセットする(ステップS654,S655)。また、賞球動作を実行中であったときには、すなわち、賞球動作中フラグがセットされている場合には、賞球動作中フラグをリセットする(ステップS654,S656)。その後、再払出動作カウンタをクリアし(ステップS667)、払出制御コードの値を0にして(ステップS658)、処理を終了する。なお、払出動作が正常に実行された場合にはステップS657の処理は不要であるが、後述する補正払出処理が実行された後にはステップS657の処理が必要になる。また、この実施の形態では、払出過多の場合にも払出処理が正常に終了したとみなすが、払出過多の場合には、エラーが生じたとしてその旨を報知するようにしてもよい。
【0220】
ステップS653で未払出個数カウンタの値が正の値になっていることを確認すると、払出制御用CPU371は、ステップS661〜ステップS666の補正払出処理のための制御を行う。ここでは、払出予定数分の遊技球が払い出されるまで、最大2回の再払出動作を行う。2回の再払出動作を行っても払出予定数分の遊技球が払い出されない場合には、エラービットをセットする。
【0221】
払出制御用CPU371は、ステップS661において、再払出動作カウンタの値が2になっているか否か確認する。2になっていなければ、払出モータ回転回数バッファに未払出個数カウンタの値をセットし(ステップS662)、払出モータ制御コードに払出モータ起動準備処理に応じた値(「1」)をセットする(ステップS663)。また、再払出動作カウンタの値を+1し(ステップS664)、払出制御コードの値を1にして(ステップS665)、処理を終了する。なお、ステップS662,S663,S665の処理は、払出モータ回転回数バッファにセットされる値が異なるものの、払出開始待ち処理におけるステップS633〜S635の処理と同じである。
【0222】
ステップS661において、再払出動作カウンタの値が2になっていることを確認したら、払出制御用CPU371は、エラーフラグのうち、払出カウントスイッチ未通過エラービット(払出ケースエラービット)をセットして(ステップS666)、処理を終了する。
【0223】
従って、この実施の形態では、払出制御手段における景品遊技媒体払出制御手段は、払出検出手段としての払出カウントスイッチ301からの検出信号にもとづいて、揮発性記憶手段(この例では未払出個数カウンタ)に記憶された払出数に満たない景品遊技媒体の払い出しが行われたことを検出したときに、あらかじめ決められた所定回(この例では2回)を限度として、払出手段に不足分の景品遊技媒体の払い出しを行わせる。なお、この実施の形態では、不足分の景品遊技媒体を払い出すためのリトライ動作を2回行っても払出不足が解消されない場合には、払出ケースエラービットをセットしてエラー発生中状態になるが(ステップS666)、払出不足を初めて検知したときに払出ケースエラービットをセットしてもよい。
【0224】
図49は、払出モータ制御処理(ステップS753)において実行される球噛み検出処理を説明するためのタイミング図である。払出モータ制御処理における払出モータ定速処理(ステップS524)では、払出制御用CPU371は、払出モータ位置センサ295の検出信号を監視している。払出モータ位置センサ295の検出信号は、例えば、カム292が1回転する毎に2回オン状態になる。カム292が1回転する毎に検出信号が2回出力されるようにするために、カム292において、払出モータ位置センサ295における発光部からの光を受ける部分における2箇所(軸に対して対称な位置)に反射体が設けられている。そして、払出モータ位置センサ295における受光部の出力を検出信号とする。
【0225】
従って、払出制御用CPU371は、払出モータ289に対して1/2回転以上のステップ数の励磁パターンを与えたにもかかわらず、払出モータ位置センサ295の検出信号がオン状態にならない場合には、実際には、カム292の部分にごみなどの異物が付着して遊技球が詰まった(球噛みが生じた)こと等に起因して払出モータ289が回転せず、その結果、カム292が回転していないと判断することができる。
【0226】
この実施の形態では、払出モータ289は、16ステップ分の励磁パターンを受けると1回転する。そして、払出制御用CPU371は、例えば、図49に示すように、払出制御用CPU371は、払出モータ289に対して8ステップ分の励磁パターンを与える毎に払出モータ位置センサ295の検出信号を確認して、払出モータ289が回転しているか否か判定する。そして、5回連続して同一状態(払出モータ位置センサ295の検出信号がオフ状態が5回連続、またはオン状態が5回連続)であったら、球噛みが生じたとして、払出モータ制御処理において球噛み解除処理を実行する。
【0227】
払出制御用CPU371は、球噛み解除処理において、図50に示すように、払出モータ289を高速回転させる処理と低速回転させる処理とを所定回(例えば9回)繰り返す。そして、払出モータ289に対して8ステップ分の励磁パターンを与える毎に払出モータ位置センサ295の検出信号を確認して、払出モータ289が回転しているか否か判定する。検出信号によって払出モータ289の回転が復旧したと判断される場合には、球噛み解除処理を終了して、通常の球払出処理に戻る。
【0228】
高速回転させる処理と低速回転させる処理とを所定回実行しても払出モータ位置センサ295の検出信号に変化が生じなかった場合には、エラーフラグのうち、球噛みエラービット(払出ケースエラービット)をセットする。なお、払出ケースエラービットがセットされている場合には、払出制御用CPU371は、払出モータ289を駆動しない。
【0229】
このように、払出制御手段は、払出手段の動作状態を監視する駆動状態監視手段と、駆動状態監視手段が払出手段の動作不良を検出したときに払出手段の駆動を停止させる駆動停止手段とを含む。
【0230】
次に、エラー処理について説明する。図51は、エラーの種類とエラー表示用LED374の表示との関係等を示す説明図である。図51に示すように、主基板31からの電源確認信号がオフ状態になった場合には、払出制御用CPU371は、主基板未接続エラーとして、エラー表示用LED374に「1」を表示する制御を行う。払出カウントスイッチ301の断線または払出カウントスイッチ301の部分において球詰まりが発生した場合には、払出スイッチ異常検知エラー1として、エラー表示用LED374に「2」を表示する制御を行う。なお、払出カウントスイッチ301の断線または払出カウントスイッチ301の部分において球詰まりが発生したことは、払出カウントスイッチ301の検出信号がオフ状態にならなかったことによって判定される。
【0231】
遊技球の払出動作中でないにも関わらず払出カウントスイッチ301の検出信号がオン状態になった場合には、払出スイッチ異常検知エラー2として、エラー表示用LED374に「3」を表示する制御を行う。払出モータ289の回転異常または遊技球が払い出されたにも関わらず払出カウントスイッチ301の検出信号がオン状態にならない場合には、払出ケースエラーとして、エラー表示用LED374に「4」を表示する制御を行う。不正なタイミングで賞球REQ信号がオン状態になった場合、または不正なタイミングで賞球REQ信号がオフ状態になった場合には、賞球REQ信号エラーとして、エラー表示用LED374に「5」を表示する制御を行う。
【0232】
また、下皿満タン状態すなわち満タンスイッチ48がオン状態になった場合には、満タンエラーとして、エラー表示用LED374に「6」を表示する制御を行う。補給球の不足状態すなわち球切れスイッチ187がオン状態になった場合には、球切れエラーとして、エラー表示用LED374に「7」を表示する制御を行う。
【0233】
さらに、カードユニット50からのVL信号がオフ状態になった場合には、プリペイドカードユニット未接続エラーとして、エラー表示用LED374に「8」を表示する制御を行う。不正なタイミングでカードユニット50と通信がなされた場合には、プリペイドカードユニット通信エラーとして、エラー表示用LED374に「9」を表示する制御を行う。なお、プリペイドカードユニット通信エラーは、プリペイドカードユニット制御処理(ステップS754)において検出される。具体的には、払出制御用CPU371は、正規のタイミング(図36参照)とは異なるタイミングで、BRDY信号やBRQ信号がオン状態になったりオフ状態になったりしたことを検出したら、プリペイドカードユニット通信エラーの発生を検知する。
【0234】
以上のエラーのうち、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーまたは賞球REQ信号エラーが発生した後、エラー解除スイッチ375が操作されエラー解除スイッチ375から操作信号が出力されたら(オン状態になったら)、払出制御手段は、エラーが発生する前の状態に復帰する。
【0235】
図52は、ステップS757のエラー処理を示すフローチャートである。エラー処理において、払出制御用CPU371は、エラーフラグをチェックし、そのうちのセットされているビットが、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのみ(3つのうちのいずれかのビットのみ、もしくは3つのうちの2ビットのみ、またはそれら3ビットのみ)であるか否か確認する(ステップS671)。セットされているビットがそれらのみである場合には、エラー解除スイッチ375から操作信号がオン状態になったか否か確認する(ステップS672)。操作信号がオン状態になったら、エラー復帰時間をエラー復帰前タイマにセットする(ステップS673)。エラー復帰時間は、エラー解除スイッチ375が操作されてから、実際にエラー状態から通常状態に復帰するまでの時間である。
【0236】
エラー解除スイッチ375から操作信号がオン状態でない場合には、エラー復帰前タイマの値を確認する(ステップS674)。エラー復帰前タイマの値が0であれば、すなわち、エラー復帰前タイマがセットされていなければ、ステップS678に移行する。エラー復帰前タイマがセットされていれば、エラー復帰前タイマの値を−1し(ステップS675)、エラー復帰前タイマの値が0になったら(ステップS676)、エラーフラグのうちの、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのビットをリセットする(ステップS677)。
【0237】
このように、エラー解除スイッチ375が操作されたことにもとづいてエラー状態(図46のステップS621に示すように払出禁止状態である)が解除されるので、速やかに払出禁止状態を解除して払出処理を能動化させることができる。
【0238】
ステップS678では、払出制御用CPU371は、満タンスイッチ48の検出信号を確認する。満タンスイッチ48の検出信号が出力されていれば(オン状態であれば)、エラーフラグのうちの満タンエラービットをセットする(ステップS679)。満タンスイッチ48の検出信号がオフ状態であれば、満タンエラービットをリセットする(ステップS680)。
【0239】
また、払出制御用CPU371は、球切れスイッチ187の検出信号を確認する(ステップS681)。球切れスイッチ187の検出信号が出力されていれば(オン状態であれば)、エラーフラグのうちの球切れエラービットをセットする(ステップS682)。球切れスイッチ187の検出信号がオフ状態であれば、球切れエラービットをリセットする(ステップS683)。なお、球切れエラービットをセットされているときには、ステップS759の表示制御処理において、出力ポートバッファにおける球切れLED52に対応したビットを点灯状態に対応した値にする。
【0240】
さらに、払出制御用CPU371は、主基板31からの電源確認信号の状態を確認し(ステップS685)、電源確認信号が出力されていなければ(オフ状態であれば)、主基板未接続エラービットをセットする(ステップS686)。また、電源確認信号が出力されていれば(オン状態であれば)、主基板未接続エラービットをリセットする(ステップS687)。
【0241】
また、払出制御用CPU371は、各スイッチの検出信号の状態が設定される各スイッチタイマのうち払出カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値を確認し、その値がスイッチオン最大時間(例えば「240」)を越えていたら(ステップS688)、エラーフラグのうち払出スイッチ異常検知エラー1のビットをセットする(ステップS689)。また、払出カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン最大時間以下であれば、払出スイッチ異常検知エラー1のビットをリセットする(ステップS690)。なお、各スイッチタイマの値は、ステップS751のスイッチ処理において、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がスイッチオン状態であれば+1され、オフ状態であれば0クリアされる。従って、払出カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン最大時間を越えていたということは、スイッチオン最大時間を越えて払出カウントスイッチ301がオン状態になっていることを意味し、払出カウントスイッチ301の断線または払出カウントスイッチ301の部分で遊技球が詰まっていると判断される。
【0242】
また、払出制御用CPU371は、払出カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン判定値(例えば「2」)になった場合に、球貸し動作中フラグおよび賞球動作中フラグがともにリセット状態であれば、払出動作中でないのに払出カウントスイッチ301を遊技球が通過したとして、エラーフラグのうち払出スイッチ異常検知エラー2のビットをセットする(ステップS693)。また、球貸し動作中フラグまたは賞球動作中フラグがセットされていれば、払出スイッチ異常検知エラー2のビットをリセットする(ステップS694)。
【0243】
さらに、払出制御用CPU371は、カードユニット50からのVL信号の入力状態を確認し(ステップS695)、VL信号が入力されていなければ(オフ状態であれば)、エラーフラグのうちプリペイドカードユニット未接続エラービットをセットする(ステップS696)。また、VL信号が入力されていれば(オン状態であれば)、プリペイドカードユニット未接続エラービットをリセットする(ステップS697)。
【0244】
なお、ステップS759の表示制御処理では、エラーフラグ中のエラービットに応じた表示(数値表示)による報知をエラー表示用LED374によって行う。この実施の形態では、主基板31に搭載された遊技制御手段と払出制御基板37に搭載された払出制御手段とが賞球払出に関して双方向通信を行うのであるが、通信エラーをエラー表示用LED374によって報知することができる。なお、通信エラーとして、主基板31からの電源確認信号がオフしたことによる主基板未接続エラーと、不正なタイミングで賞球REQ信号がオンまたはオフした賞球REQ信号エラー(ステップS561〜S564およびステップS551,S552参照)とがあるが、主基板未接続エラーの通信エラーが発生した場合には、発射モータ94が不能動化される。すなわち、遊技球の遊技領域7への発射ができない状態になる。従って、主基板未接続エラーの通信エラーが発生しているにも関わらず遊技が進行してしまうことはない。
【0245】
また、通信エラーは、払出制御手段の側で検出されるので、遊技制御手段と払出制御手段とが賞球払出に関して双方向通信を行うようにしても、遊技制御手段の負担を増すことなく通信エラーを検出できる。
【0246】
なお、この実施の形態では、主基板未接続エラーは電源確認信号がオン状態になると自動的に解消されるが(ステップS685,S687参照)、さらにエラー解除スイッチ375の操作を条件にエラー状態が解消されるようにしてもよい。
【0247】
また、この実施の形態では、通信エラーが、カードユニット50との間の通信エラー(プリペイドカードユニット未接続エラーおよびプリペイドカードユニット通信エラー)やその他のエラーと区別可能に報知される(図51参照)。従って、遊技制御手段と払出制御手段との間の通信エラーが容易に特定される。
【0248】
さらに、この実施の形態では、エラー表示用LED374によって視覚的にエラー報知を行うようにしたが、報知の態様は視覚的なものに限られない。例えば、払出制御基板37にブザー等の音発生手段を搭載したり、払出制御基板37と電気的に接続されブザー等を搭載したブザー基板を設け、ブザー等によってエラー報知を行うようにしてもよい。また、スピーカ等の音声出力手段を用いて、音声によってエラーが発生したこととエラーの種類とを報知するようにしてもよい。
【0249】
図54は、払出制御基板37からの試験信号の出力の一例を示すブロック図である。図54には、試験端子基板200と試験装置210も示されている。図54示すように、払出制御基板37において、払出カウントスイッチ301からの検出信号と、主基板31に出力される払出BUSY信号とがそれぞれ分岐され、分岐されたそれぞれの信号が論理積回路(AND回路)376に入力される。従って、AND回路376は、払出BUSY信号の出力中に払出カウントスイッチ301が遊技球の払い出しを検出した場合に、賞球の払い出しを検出したことを示す賞球カウント信号を出力することができる。
【0250】
払出制御基板37において、賞球カウント信号は、払出制御基板37に設けられているコネクタ377に出力される。なお、コネクタ377には、賞球カウント信号以外の他の試験用の信号も出力される。また、コネクタ377は、試験に用いられる遊技機にのみ搭載される。すなわち、試験に用いられない遊技機は、配線パターンやスルーホールなどの試験信号出力用の経路を有しているが、コネクタ377は搭載されていない。よって、全ての払出制御基板37にコネクタ377を設ける必要がなく、遊技機の試験のために費やされるコストが低減される。また、全ての払出制御基板37に対してコネクタを半田付けなどによって取り付ける必要がないので、遊技機の試験を行うための作業効率が向上する。さらに、試験信号出力用の配線パターンやスルーホールは全ての遊技機に設けられているので、遊技店に設置されていたあとに検査を行う場合に、コネクタ377を取り付けて試験端子基板200を接続することは容易である。
【0251】
試験端子基板200は、払出制御基板37に搭載されているコネクタ377からの試験信号を入力するためのコネクタ202と、試験信号出力回路203と、試験装置210と接続するためのコネクタ204とを備えている。試験信号出力回路203は、コネクタ204に設けられている複数の試験端子から信号出力に用いる試験端子を選択するためのICやバッファ回路などを備えている。
【0252】
試験装置210は、各種試験信号を収集する。試験時には、試験装置210に、例えばパーソナルコンピュータ等が接続される。従って、試験装置210に入力された各種試験用信号によるデータをパーソナルコンピュータで収集し、払い出された賞球の数などの試験に用いるための情報をパーソナルコンピュータの表示部に表示させたり、各種のデータの演算等を行うことができる。
【0253】
球払出装置97は賞球払出と貸し球払出の双方を行うように構成され、払出カウントスイッチ301は、賞球払出による遊技球と貸し球払出による遊技球の双方を検出するのであるが、図54に示されたように、賞球動作中に出力される払出BUSY信号がオン状態であるときに払出カウントスイッチ301の検出信号を通過させるAND回路376を設置することによって、払出制御用CPU371が関与することなく、試験信号としての賞球カウント信号を作成することができる。
【0254】
図55は、本発明の概要を示す概念図である。遊技機は、主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ56Aと、遊技媒体を遊技領域に向けて発射する発射手段94Aと、景品遊技媒体の払い出しを行う払出手段97Aと、払出手段97Aを制御する払出制御用マイクロコンピュータ371Aとを備えている。遊技制御用マイクロコンピュータ56Aは、払出条件の成立にもとづいて、所定数の景品遊技媒体の払出数を指定する払出指令信号を送信する払出指令信号送信処理56dを実行する。払出制御用マイクロコンピュータ371Aは、遊技制御用マイクロコンピュータ56Aが払出指令信号送信処理56dを実行することによって指定された景品遊技媒体の払出数の景品遊技媒体を払出手段97Aを制御して払い出させる景品遊技媒体払出制御処理371aと、景品遊技媒体払出制御処理371aに関わる信号を遊技制御用マイクロコンピュータ56Aに送信する信号送信処理371bと、遊技制御用マイクロコンピュータ56Aと払出制御用マイクロコンピュータ371Aとの間の信号の通信に関する異常を検出する通信異常検出処理371cと、発射手段94Aに供給される駆動信号を制御するとともに、通信異常検出処理371cによって異常が検出されると発射手段94Aの動作を停止させるための制御を行う発射停止処理371dとを実行する。
【0255】
また、上記の実施の形態では、以下のような構成の遊技機が開示されている。
【0256】
(1)遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えばCPU56等)が搭載された主基板31と、景品遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば球払出装置97)を制御する払出制御手段(例えば払出制御用CPU371等)を搭載した払出制御基板37とを備え、遊技制御手段は、所定の払出条件の成立(例えば入賞領域への遊技球の入賞)にもとづいて景品遊技媒体数を指令する払出指令信号を払出制御手段に送信し、払出制御手段は、払出指令信号の受信にもとづいて、指令された数の景品遊技媒体を払出手段に払い出させるとともに、指令された数の景品遊技媒体の払出が終了すると遊技制御手段に対して払出完了信号を送信する遊技機。そのような構成によれば、遊技制御手段が景品遊技媒体の払出が終了したことを認識することができる。また、払出完了信号を受信してから次の払出指令信号を送信することができ、景品遊技媒体数の払出管理が確実になる。
【0257】
(2)遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えばCPU56等)が搭載された主基板31と、景品遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば球払出装置97)を制御する払出制御手段(例えば払出制御用CPU371等)を搭載した払出制御基板37と、遊技媒体を遊技領域に向けて発射する発射手段(例えば発射モータ94を含む打球発射装置)とを備え、払出制御手段が、遊技制御手段と払出制御手段との間の遊技媒体の払出に関する信号の通信の異常を検出する通信異常検出手段(例えば払出制御手段における電源確認信号のオフを検出する部分や不正なタイミングで賞球REQ信号がオフまたはオンしたことを検出する部分)と、通信異常検出手段が異常を検出すると、発射手段の動作を停止させるための制御を行う発射停止手段(例えば払出制御手段におけるステップS512,S518を実行する部分)とを含む遊技機。そのような構成によれば、遊技媒体の払出を行えない状況が発生した場合に発射手段の動作を停止させることができる。
【0258】
(3)遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えばCPU56等)が搭載された主基板31と、景品遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば球払出装置97)を制御する払出制御手段(例えば払出制御用CPU371等)を搭載した払出制御基板37と、遊技媒体を遊技領域に向けて発射する発射手段(例えば発射モータ94を含む打球発射装置)とを備え、払出制御手段が、遊技制御手段が制御可能状態になったこと(例えば電源確認信号がオン状態になったこと)を検知する遊技制御可能状態検知手段(例えば払出制御手段におけるステップS512を実行する部分)と、遊技制御手段が制御可能状態になったことを遊技制御可能状態検出手段が検知すると、発射手段を動作可能状態にする発射制御手段(例えば払出制御手段におけるステップS515〜S517を実行する部分)とを含む遊技機。そのような構成によれば、遊技制御手段は、発射手段を不能動化したいときには制御可能状態になったことを示す払出制御手段に対する情報をオフ状態にするだけで、発射手段を不能動化させることができる。
【0259】
(4)遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えばCPU56等)が搭載された主基板31と、景品遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば球払出装置97)を制御する払出制御手段(例えば払出制御用CPU371等)を搭載した払出制御基板37とを備え、遊技制御手段が、払出条件の成立にもとづいて払い出される景品遊技媒体の総数を特定可能に記憶する景品遊技媒体数記憶手段(例えば総賞球数格納バッファ)と、景品遊技媒体数記憶手段に記憶されている景品遊技媒体数にもとづいて払出制御手段に対して所定数の景品遊技媒体の払出数を指定する払出指令信号(例えば払出個数信号)を送信する払出指令信号送信手段(例えば遊技制御手段におけるステップS232の賞球送信処理を実行する部分)とを含み、払出制御手段が、払出指令信号を受信したことを示す指令受付信号(例えば払出BUSY信号のオン)を遊技制御手段に送信する指令受付信号送信手段(例えば払出制御手段におけるステップS531の主制御通信通常処理を実行する部分)とを含み、遊技制御手段が、さらに、指令受付信号を受信したときに、景品遊技媒体数記憶手段に記憶されている景品遊技媒体数から払出指令信号で指定した払出数を減算する減算処理を実行する景品遊技媒体数記憶数減算手段(例えば遊技制御手段におけるステップS261,S263,S264,S265を実行する部分)を含む遊技機。そのような構成によれば、賞球払出中に不正に遊技機の電力供給を停止させた後に電力供給を復旧させるような不正行為によって不正に多数の賞球払出が行われてしまうことを防止できる。
【0260】
(5)遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えばCPU56等)が搭載された主基板31と、景品遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば球払出装置97)を制御する払出制御手段(例えば払出制御用CPU371等)を搭載した払出制御基板37と、払出手段による景品遊技媒体の払い出しおよび貸し遊技媒体の払い出しを検出する払出検出手段(例えば払出カウントスイッチ301)とを備え、払出制御手段は、遊技制御手段に対して景品遊技媒体の払出処理中であることを示す景品遊技媒体払出処理中信号(例えば払出BUSY信号)を出力する払出処理中信号出力手段(例えば払出制御手段におけるステップS531,S532の主制御通信通常処理および主制御通信中処理を実行する部分)を含み、払出制御基板に、景品遊技媒体払出処理中信号の出力中に払出検出手段からの検出信号の入力があったことを条件として、景品遊技媒体の払い出し数を特定可能とするための景品遊技媒体払出信号(例えば賞球カウント信号)を作成する信号作成部(例えばAND回路376)と、景品遊技媒体払出信号を遊技機の外部に出力ための信号出力経路(例えばAND回路376の出力を外部に出力するための配線パターン)とが設けられた遊技機。そのような構成によれば、払出検出手段が景品遊技媒体の払い出しと貸し遊技媒体の払い出しとをともに検出する場合でも、ソフトウェアを介在させずに、容易に景品遊技媒体払出信号を作成することができる。
【0261】
(6)遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えばCPU56等)が搭載された主基板31と、景品遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば球払出装置97)を制御する払出制御手段(例えば払出制御用CPU371等)を搭載した払出制御基板37と、遊技機への電力供給が停止した場合に、少なくとも、変動データ記憶手段(例えばRAM)に記憶されている遊技状態を少なくとも所定期間保存させるための変動データ保存手段(例えばバックアップRAM)とを備え、遊技制御手段が、払出条件の成立にもとづいて払い出される景品遊技媒体の総数を特定可能に記憶するとともに、遊技機への電力供給が停止した場合に変動データ保存手段により記憶内容を少なくとも所定期間保存する景品遊技媒体数記憶手段を含み、払出制御手段が、遊技機と通信可能に接続された遊技用装置(例えばカードユニット50)からの貸出要求、および遊技制御手段から指定された景品遊技媒体の払出数を揮発性記憶手段(例えばRAM領域に形成された未払出個数カウンタ)に記憶するとともに、揮発性記憶手段に記憶された払出数の景品遊技媒体を払出手段を制御して払い出させる払出処理を実行する景品遊技媒体払出制御手段(例えば払出制御手段におけるステップS756の払出制御処理を実行する部分)を含む遊技機。そのような構成によれば、遊技制御手段のみにおいて電源バックアップがなされることによって、停電等によって遊技者に不利益が与えられることを防止できる。
【0262】
(7)遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えばCPU56等)が搭載された主基板31と、景品遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば球払出装置97)を制御する払出制御手段(例えば払出制御用CPU371等)を搭載した払出制御基板37とを備え、遊技制御手段が、払出条件の成立にもとづいて払い出される景品遊技媒体の総数を特定可能に記憶する景品遊技媒体数記憶手段と、景品遊技媒体数記憶手段に記憶されている景品遊技媒体数にもとづいて払出制御手段に対して所定数(例えば最大15個)の景品遊技媒体の払出数を指定する払出指令信号を送信する払出指令信号送信手段とを含み、払出制御手段が、遊技制御手段から払出指令信号で指定された景品遊技媒体の払出数を揮発性記憶手段(例えばRAM領域に形成された未払出個数カウンタ)に記憶するとともに、揮発性記憶手段に記憶された払出数の景品遊技媒体を払出手段を制御して払い出させる払出処理を実行する景品遊技媒体払出制御手段(例えば払出制御手段におけるステップS756の払出制御処理を実行する部分)を含む遊技機。すなわち、払出制御手段は、1回の賞球払出で払い出される遊技媒体数のみを記憶する。そのような構成によれば、遊技機全体として、景品遊技媒体の払出数を記憶するための記憶容量を節減できる。
【0263】
(8)遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えばCPU56等)が搭載された主基板31と、景品遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば球払出装置97)を制御する払出制御手段(例えば払出制御用CPU371等)を搭載した払出制御基板37と、遊技機で用いられる所定の電源の状態を監視して、遊技機への電力の供給停止に関わる検出条件が成立した場合に検出信号(例えば電源断信号)を出力する電源監視手段(例えば電源監視回路920)と、遊技機への電力供給が停止した場合に、少なくとも、変動データ記憶手段(例えばRAM)に記憶されている遊技状態を少なくとも所定期間保存させるための変動データ保存手段(例えばバックアップRAM)とを備え、電源監視手段からの検出信号が遊技制御手段の入力ポートに入力され、遊技制御手段が、制御処理における所定箇所に配置された電力供給確認処理によって入力ポートの入力状態を定期的に確認し(例えばステップS20の電源断検出処理)、入力ポートに電源監視手段からの検出信号が入力されたことに応じて、制御状態を復旧させるために必要な情報を変動データ記憶手段に保存させるための処理である電力供給停止時処理を実行する電力供給停止時処理手段(例えば遊技制御手段におけるステップS452〜S481を実行する部分)を含む遊技機。そのような構成によれば、不正に大当りを狙うような行為を効果的に防止することができる。
【0264】
(9)(8)のように構成され、さらに、遊技制御手段が、電源監視手段からの検出信号の入力に応じて、遊技の進行を制御する状態から遊技状態を保存させるための電力供給停止時処理を実行する状態に移行するとともに、電力供給停止時処理を実行した後に検出信号がオフ状態になったときには、遊技の進行を制御する状態に戻る(例えばステップS482,S483の処理)ように構成された遊技機。そのような構成によれば、電源の瞬断が生じても、遊技の進行の制御を続行することができ、遊技者に不利益が与えられないようにすることができる。
【0265】
(10)(8)または(9)のように構成され、さらに、電源監視手段が、主基板に搭載された遊技機。そのような構成によれば、遊技制御手段が電力供給の停止を迅速に認識することができる。
【0266】
(11)遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えばCPU56等)が搭載された主基板31と、景品遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば球払出装置97)を制御する払出制御手段(例えば払出制御用CPU371等)を搭載した払出制御基板37とを備え、払出制御手段が、遊技媒体の払出に関するエラーを検出するエラー検出手段(例えば払出制御手段のうちステップS551、S563、S653,S661、S691,S692を実行する部分)と、エラー解除スイッチ手段(例えばエラー解除スイッチ375)からのエラー解除信号(例えば操作に応じた操作信号)を監視して、エラー検出手段がエラーを検出した後にエラー解除信号に入力を検出したらエラー状態を解除するエラー解除手段(例えば払出制御手段のうちステップS671〜S677を実行する部分)とを含む遊技機。そのような構成によれば、払出制御手段がエラー解除信号を認識することによってエラー解除されるので、払出制御手段の記憶内容がクリアされないようにすることができ、その結果、エラー解除のためのスイッチ操作によって遊技者に不利益がもたらされてしまうことを防止することができる。
【0267】
(12)遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えばCPU56等)が搭載された主基板31と、景品遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば球払出装置97)を制御する払出制御手段(例えば払出制御用CPU371等)を搭載した払出制御基板37と、遊技媒体を遊技領域に向けて発射する発射手段(例えば発射モータ94を含む打球発射装置)とを備え、払出制御手段は発射手段の駆動制御を行う遊技機。そのような構成によれば、遊技媒体の発射制御に関するコストを低減させることができる。
【0268】
(13)遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えばCPU56等)が搭載された主基板31と、景品遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば球払出装置97)を制御する払出制御手段(例えば払出制御用CPU371等)を搭載した払出制御基板37とを備え、払出制御手段が、払出手段の動作状態を監視する駆動状態監視手段(例えば払出制御手段におけるステップS524の払出モータ定速処理を実行する部分、特に、図49に例示された球噛み判定の処理を実行する部分)と、駆動状態監視手段が払出手段の動作不良(例えば球噛み)を検出したときに払出手段の駆動を停止させる駆動停止手段(例えば払出制御手段におけるステップS526の球噛み時払出モータブレーキ処理を実行する部分)とを含む遊技機。そのような構成によれば、払出手段による遊技媒体の払出ができない状態であるにもかかわらず、払出手段が駆動されてしまうことが防止される。
【0269】
(14)遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えばCPU56等)が搭載された主基板31と、景品遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば球払出装置97)を制御する払出制御手段(例えば払出制御用CPU371等)を搭載した払出制御基板37と、払出手段から払い出された遊技媒体を検出して払出検出信号を出力する払出検出手段(例えば払出カウントスイッチ301)とを備え、払出制御手段が、払出検出手段からの払出検出信号にもとづいて、払出数に満たない景品遊技媒体の払い出しが行われたことを検出したときに(例えばステップS653の処理)、あらかじめ決められた所定回(例えば2回)を限度として、払出手段に不足分の景品遊技媒体の払い出しを行わせる(例えばステップS661〜S666の処理)ように構成された遊技機。そのような構成によれば、払出制御に関して復旧可能なエラーを自動的に復旧させて遊技を続行させることができる。
【0270】
(15)遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えばCPU56等)が搭載された主基板31と、景品遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば球払出装置97)を制御する払出制御手段(例えば払出制御用CPU371等)を搭載した払出制御基板37と、遊技機に設けられている演出用の電気部品を制御する演出制御手段(例えば演出制御用CPU101等)が搭載された演出制御基板80とを備え、演出制御手段が、複数種類の演出用の電気部品(例えば可変表示装置9、スピーカ27およびランプ・LED)を制御するように構成された遊技機。そのような構成によれば、それぞれの演出手段を制御する複数の演出制御手段が設けられている場合に比べて、遊技機のコストを低減することができる。
【0271】
(16)遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えばCPU56等)が搭載された主基板31と、景品遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば球払出装置97)を制御する払出制御手段(例えば払出制御用CPU371等)を搭載した払出制御基板37とを備え、払出制御手段が、記録媒体に記録されている情報により特定される価値を遊技機での遊技に使用できる遊技使用価値に変換するための処理を行う記録媒体処理装置(例えばカードユニット50)と通信可能に接続され、遊技使用価値にもとづく貸し遊技媒体を払出手段に払い出させる機能を有し、払出制御手段と記録媒体処理装置との間の通信が、払出制御手段が設けられる払出制御基板とは異なる中継基板(例えばインタフェース基板66)を介して行われるように構成された遊技機。そのような構成によれば、記録媒体処理装置に生じた異常が払出制御基板に伝達されることを防止することができる。
【0272】
(17)遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えばCPU56等)が搭載された主基板31と、景品遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば球払出装置97)を制御する払出制御手段(例えば払出制御用CPU371等)を搭載した払出制御基板37とを備え、払出手段は、貸出要求にもとづく貸し遊技媒体を払い出す機能を有し、払出手段から払い出された景品遊技媒体の検出と貸し遊技媒体の検出とが同一の払出検出手段により行われるように構成された遊技機。そのような構成によれば、部品点数が削減され遊技機のコストが低減する。
【0273】
また、上記の(1)〜(17)の構成を任意に組み合わせても、それぞれの構成にもとづく効果を発揮する遊技機を構成することができる。
【0274】
なお、遊技制御手段は、払出指令信号の送信に関連して(具体的には払出指令信号の送信に応じた払出BUSY信号のオン)未払出景品遊技媒体数の減算処理(図31のステップS261,S263,S265参照)を行うので、停電等によって不測の電力供給停止が生じても遊技者に与えられる不利益を最小限に止めることができるとともに、不正行為を効果的に防止できる。つまり、未払出景品遊技媒体数が設定されている総賞球数格納バッファは遊技制御手段においてバックアップRAMに形成されているので、遊技機への電力供給が停止しても所定期間(バックアップ電源の持続時間)内ではその内容が保存され、電力供給が復旧したときに、保存されている総賞球数格納バッファの内容にもとづいて、遊技制御手段は、賞球処理を再開することができる。すなわち、保存されていた総賞球数格納バッファの内容が0でなければ払出制御手段に対して払出指令信号を出力することができる。
【0275】
例えば、未払出景品遊技媒体数の減算処理を、払出完了信号の受信にもとづいて実行すると、払出制御手段が払出指令信号にもとづいて賞球払出を開始後払出完了信号を送信する前に、不正に電力供給停止状態にした後電力供給を復旧させる状態を作成したり、遊技制御手段を不正に一旦リセットするような行為がなされた場合には、減算処理がなされていない未払出景品遊技媒体数にもとづいて二重に賞球払出を実行してしまう。しかし、払出完了信号の受信にもとづいて未払出景品遊技媒体数の減算処理を実行すれば、そのような不正行為がなされても二重に賞球払出を実行してしまうことはない。
【0276】
さらに、上記の実施の形態では、払出カウントスイッチ301の出力は払出制御基板37のみに入力されている。従って、払出カウントスイッチ301の出力を主基板31と払出制御基板37との双方に供給する場合に比べて、回路構成が簡略化されコストを低減することができる。
【0277】
また、上記の実施の形態では、払出制御手段が、賞球REQ信号にもとづく払出処理の実行中であることを示す制御信号(払出BUSY信号)を遊技制御手段に対して出力するように構成されているので、払出処理の実行中であることを遊技制御手段に認識させることができる。
【0278】
また、払出制御手段が、払出個数信号が示す個数の賞球の払出処理が終了したことを示す制御信号としての払出完了信号を遊技制御手段に対して出力しているので、具体的には払出BUSY信号をオフ状態にしているので、払出制御手段の払出処理が終了したことを遊技制御手段が認識することができる。
【0279】
また、遊技制御手段は、電源監視回路920からの電源断信号の入力に応じて、電源断が発生したことを示す供給停止検出信号としての制御信号(電源確認信号)を出力することができ、電源断が発生したことを払出制御手段に認識させることができる。なお、具体的には、電源確認信号をオフ状態にすることによって供給停止検出信号が出力された状態になる。
【0280】
また、遊技制御手段は、電力供給開始時に、払出制御手段に対して、遊技機への電力供給が開始したことを示す制御信号(電源確認信号)を出力するように構成されているので、電力供給が開始して遊技制御手段の制御動作が開始したことを払出制御手段に認識させることができる。
【0281】
なお、上記の実施の形態では、払出制御基板37に設けられているRAMは電源バックアップされていないが、主基板31の場合と同様にRAMの一部または全部が電源バックアップされていてもよい。
【0282】
また、上記の実施の形態では、賞球REQ信号によって払出要求を行い、払出個数信号によって払出数が指定されたが、払出個数信号によって払出要求および払出数の指定を行うように構成してもよい。その場合、払出制御手段は、払出個数信号が出力されているときは、同時に払出要求がなされていると判定すればよい。そのような構成によれば、賞球REQ信号を用いる必要はない。
【0283】
また、上記の実施の形態では、賞球の払出処理中に払出BUSY信号が出力されたが、貸し球の払出処理中にも払出BUSY信号を出力するようにしてもよい。そのように構成すれば、遊技制御手段が球貸し処理中であることを認識することができる。従って、遊技制御手段は、払出BUSY信号のオン状態にもとづいて、球貸し処理が所定期間以上継続して実行されていると認識したような場合に、エラーが発生したと判定することができる。
【0284】
また、上記の実施の形態では、払出制御手段は、払出モータ289が払出予定数分回転したことを検出したら賞球払出の終了と決定したが、払出モータ位置センサによる検出回数が払出予定数に達したら賞球払出の終了と決定してもよい。すなわち、払出制御手段は、払出手段の動作量(この例では、払出モータ289の回転量または払出モータ位置センサによる検出回数)を検出することによって払い出しが完了したか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0285】
さらに、上記の実施の形態では、払出制御手段は、払出カウントスイッチ301の検出信号にもとづいて払出が完了したか否かを確認したが、払出モータ位置センサの出力信号にもとづいて払出が完了したか否かを確認するようにしてもよい。
【0286】
また、払出制御手段が、払出手段の駆動部(例えば払出モータ289、カム等)の動作量を検出し、その検出にもとづいて払い出しに関わる異常(払出ユニットエラー)が発生したか否かを判定するように構成されていてもよい。そのように構成すれば、払い出しに関わる異常を確実に検出することができる。
【0287】
また、上記の実施の形態では、球払出装置97は球貸しも賞球払出も実行可能な構成であったが、球貸しを行う機構と賞球払出を行う機構とが独立していても本発明を適用することができる。
【0288】
また、上述した実施の形態では、球切れ状態や下皿満タン状態である場合などに払出禁止状態にしたが、他の払い出しを行うことが好ましくない場合や払い出しを行うことができない場合にも払出禁止状態に設定してもよい。例えば、ガラス扉枠2が開状態となってドア開放スイッチ161A,161Bから検出信号が出力されているときなどにも払出禁止状態に設定されるようにしてもよい。
【0289】
また、上述した各実施の形態では、記録媒体処理装置(カードユニット50)で使用される記録媒体が磁気カード(プリペイドカード)であったが、磁気カードに限られず、非接触型あるいは接触型のICカードであってもよい。また、記録媒体処理装置が識別符号にもとづいて記録情報を特定できる構成とされている場合には、記録媒体は、記録情報を特定可能な識別符号などの情報を少なくとも記録媒体処理装置が読み取り可能に記録できるようなものであってもよい。さらに、記録媒体は、例えばバーコードなどの所定の情報記録シンボル等が読み取り可能にプリントされたものであってもよい。また、記録媒体の形状は、カード状のものに限られず、例えば円盤形状や球状、あるいはチップ形状など、どのような形状とされていてもよい。
【0290】
上記の各実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。
【0291】
さらに、遊技媒体が遊技球であるパチンコ遊技機に限られず、スロット機等においても、遊技媒体の払い出しを行う電気部品が備えられている場合には本発明を適用することができる。
【0292】
次に、本発明を適用可能な遊技機の他の実施の形態を説明する。以下の説明においては、遊技機(以下、弾球遊技機という。)1001の遊技者側を表,表面,前面,前方で表わし、弾球遊技機1001を挟んで遊技者と反対側を裏,裏面,後面,後方,奥,背面で示す。まず、図56〜図61を参照して実施形態に係る弾球遊技機1001の全体の構成について説明する。図56は、本実施形態に係る弾球遊技機1001の正面図であり、図57は、弾球遊技機1001の側面図であり、図58は、弾球遊技機1001の平面図であり、図59は、弾球遊技機1001の正面斜視図であり、図60は、弾球遊技機1001の背面図であり、図61は、弾球遊技機1001の背面斜視図である。
【0293】
弾球遊技機1001は、図56〜図61に示すように、縦長な方形状に枠組み形成される外枠1002と、外枠1002の一側に開閉自在に軸支されかつ弾球遊技機1001の主要構成部のほぼすべてが集約して設けられる枠基体1003と、枠基体1003の前面上部に開閉自在に設けられる透明板保持枠1004と、枠基体1003の前面下部に開閉自在に設けられる上皿開閉枠1011と、から構成されている。また、枠基体1003に設けられる主要構成部としては、上記した透明板保持枠1004、遊技盤1040、下皿1027、灰皿ユニット1029、操作ハンドル1030、機構板1140、打球発射装置1130がある。また、図示の実施形態では、弾球遊技機1001の側方に遊技者に遊技球を貸し出す(球貸しする)ためのカードユニット装置1031が付設されている。
【0294】
透明板保持枠1004には、後述する遊技盤1040の遊技領域1041をほぼ透視し得る遊技開口としての円形透視窓1005が開設され、円形透視窓1005の裏面から複層ガラス板が装着されるようになっている。この円形透視窓1005および複層ガラス板は、いずれも縦長な円形状に形成されるものである。透明板保持枠1004の周縁には、後方に向かって補強周枠リブ1199が立設され、透明板保持枠1004の強度の向上を図っている。また、透明板保持枠1004の前面側には、円形透視窓1005の外周に沿って、上部に装飾部材としての上部装飾ユニット1022が、左側方に被覆部材としての左装飾ユニット1023が、右側方に被覆部材としての右装飾ユニット1024が、下部に前面構成部材としての下部装飾ユニット1025がそれぞれ設けられている。上部装飾ユニット1022の内部に、発光部材としての遊技効果LED1013,1014a,1014cおよび遊技効果ランプ1014b,1014d(図67参照)が臨むように透明板保持枠1004の前面側に備えられ、左装飾ユニット1023および右装飾ユニット1024の内部に、それぞれ発光部材としての遊技効果ランプ1016a,1016b(図67参照)および遊技効果ランプ1017a,1017b(図67参照)が臨むように透明板保持枠1004の前面側に備えられている。この遊技効果LED1013,1014a,1014c、遊技効果ランプ1014b,1014d,1016a,1016b,1017a,1017bは、遊技状態に応じて点灯または点滅されるものであり、特別の遊技状態の発生時や継続時を遊技者に報知すると共に遊技の雰囲気を盛り上げるものである。
【0295】
また、上部装飾ユニット1022の左右に、遊技の進行に応じた効果音(音声なども含む)を発生するスピーカ1012a,1012bが透明板保持枠1004に設けられている。なお、スピーカ1012a,1012bは、遊技球の貸出異常が生じたとき、あるいは遊技球の貸出時(例えば、100円相当の遊技球が払い出される毎)に、その旨を報知する報知音も発生するようにしてもよい。また、左装飾ユニット1023の上部右側方に、入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球が払い出されたことを報知する遊技関連情報発光部材としての賞球LED1010(なお、賞球未払出分がある場合に報知するものでもよい。具体的には、賞球未払出があるときは点灯し、賞球未払出がないときは消灯するなど)が透明板保持枠1004に設けられ、右装飾ユニット1024の上部左側方に、払い出すべく賞球が不足したこと(後述する球切れスイッチ1157により球切れを検出したとき)を報知する遊技関連情報発光部材としての球切れLED1009が透明板保持枠1004に設けられている。この賞球LED1010および球切れLED1009は、弾球遊技機1001において行なわれる遊技演出とは別に遊技に関する情報に関連して発光する遊技関連情報発光部材であり、遊技効果LEDや遊技効果ランプとは別に設けられるものである。また、左装飾ユニット1023および右装飾ユニット1024のそれぞれ左側および右側には、装飾するための前面装飾部1006が設けられている。更に、下部装飾ユニット1025の両側方には、遊技盤1040に貼付される証紙を視認するための透視窓1018が設けられている。なお、上部装飾ユニット1022、左装飾ユニット1023、右装飾ユニット1024および下部装飾ユニット1025の構成については後に詳述する。
【0296】
上記した遊技効果LED1013,1014a,1014c、遊技効果ランプ1014b,1014d,1016a,1016b,1017a,1017b、球切れLED1009、賞球LED1010は、図67に示すように、それぞれプリント配線基板で構成されるLED基板1190、LEDランプ基板1191,1192、ランプ基板1193〜1196、球切れLED基板1197、賞球LED基板1198に実装されて枠基体1003の前面側に取り付けられている。なお、遊技効果LED1013,1014a,1014c、遊技効果ランプ1016a,1016b,1017a,1017b、球切れLED1009、賞球LED1010は、各プリント基板にそれぞれ複数個ずつ実装され、遊技効果ランプ1014b,1014dは、各プリント基板にそれぞれ1個ずつ実装されている。そして、図64に示すように、各基板1190〜1198およびスピーカ1012a,1012bは、保持枠中継基板1100に接続され、この保持枠中継基板1100は、枠基体1003の裏面下部に取り付けられる中継基板取付台1383に止着される枠基体中継基板1099に接続された後、後述する電飾制御基板1092に接続されている。電飾制御基板1092は、後述する主基板1120(遊技制御基板)から表示制御基板1090を経由して送信される情報信号の種類に応じて上記した遊技効果LED1013,1014a,1014c、遊技効果ランプ1014b,1014d,1016a,1016b,1017a,1017b、球切れLED1009、賞球LED1010の表示制御およびスピーカ1012a,1012bの駆動制御をするものである。なお、保持枠中継基板1100は、透明板保持枠1004の裏面上部に取り付けられている。
【0297】
また、枠基体1003には、透明板保持枠1004と枠基体1003とが開放したことを検出するための保持枠開放スイッチ1111(図75参照)および枠基体1003と外枠1002とが開放したことを検出するための枠基体開放スイッチ1112(図76参照)が設けられており、枠基体中継基板1099を介して枠用外部端子基板1102に接続されている。このように、保持枠開放スイッチ1111および枠基体開放スイッチ1112が備えられているため、外枠1002,枠基体1003および透明板保持枠1004の開放状態を外部装置等によって確認することができる。なお、この保持枠開放スイッチ1111および枠基体開放スイッチ1112の配線は、枠基体中継基板1099に接続された後、電飾制御基板1092に接続され、表示制御基板1090を経由して主基板1120に接続するようにし、そして、主基板1120からの情報信号に基づいて電飾制御基板1092によって一部または全部のLEDあるいはランプ1009,1010,1013,1014a〜1014d,1016a,1016b,1017a,1017bを点灯制御することにより枠基体1003あるいは透明板保持枠1004が開放されたことを報知するようにしてもよい。
【0298】
次に、透明板保持枠1004の透視窓1005の下方に位置する上皿開閉枠1011に形成された上皿1019の構成について説明すると、上皿1019は、複数の合成樹脂製部材を組合せた皿部材を固着することにより構成されている。上皿1019の開放側の上方には、球抜き操作レバー1021が設けられている。この球抜き操作レバー1021は、左右方向に移動可能に設けられ、後述するスプリング1466の付勢力に抗して一方向に移動させることにより、上皿1019に貯留されていた球を裏面側に形成される球抜き路(図示しない)および球抜き穴1444(図74参照)を流下させて下皿1027に誘導するものである。
【0299】
上記した上皿1019について、さらに詳細に説明すると、上皿1019は、その上流側に形成される賞球払出口1020から払い出された賞球を貯留し、かつ発射位置に球を供給するものである。また、上皿1019には、弾球遊技機1001に隣接して設けられるカードユニット装置1031を介して遊技球を借り受ける際に操作する操作部(残高表示部)が設けられている。この操作部は、球貸スイッチ1036と返却スイッチ1037と各表示LED1038,1039(いずれも図64に符号のみ記載)が実装される残高表示基板1104(図64に符号のみ記載)からなり、残高表示基板1104が上皿1019の上面に臨むように設けられている。なお、表示LED1038は、カード残高を7セグメントLEDで表示する残高表示LEDであり、表示LED1039は、球貸しが可能か否かを表す球貸可表示LEDである。球貸スイッチ1036は、カードユニット装置1031によって遊技球を借り受ける際に操作(球貸し操作)するものであり、返却スイッチ1037は、遊技終了の際にカードユニット装置1031のカード挿入口1034に差し込まれたカードを返却するためのものである。なお、上皿1019に設けられて上記した球貸スイッチ1036、返却スイッチ1037、および表示LED1038,1039が実装される残高表示基板1104から延びる上皿配線は、枠基体1003の軸支側の下部に形成される配線通し開口1332(図75参照)から枠基体1003の裏側に引き出され、機構板1140の裏面下部に取り付けられるインタフェース基板1103を経由して後述する払出制御基板1098に接続されている。また、上皿1019の右側方には、透明板保持枠1004を枠基体1003に対して施錠しかつ枠基体1003を外枠1002に対して施錠する施錠装置1128を操作するためのシリンダー錠1026が臨んでいる。
【0300】
また、枠基体1003の下部に取り付けられる下皿1027は、上皿1019から溢れた賞球であって機構板1140の裏面下部に形成される余剰球通路1711および接続樋1392を介して排出される余剰球を貯留する余剰球貯留皿(余剰球受皿)であり、その下皿1027の下方には、球抜き操作レバー1028がスライド可能に取付けられるようになっている。この球抜き操作レバー1028を操作することにより、下皿1027に貯留されていた球(賞球)を下方に球抜きして持ち運び可能な球箱に移し替えることができる。また、下皿1027の左側には、灰皿ユニット1029が設けられ、右側には、操作ハンドル1030が設けられている。操作ハンドル1030は、図58に示す打球発射装置1130のステッピングモータ1601の駆動を停止させるための単発発射スイッチ1109(ストップスイッチ)およびタッチリング1110(タッチセンサ)に接続されるタッチ配線(図示しない)が組み付けられていると共に、弾発力を調節するものである。なお、タッチ配線は、単発発射スイッチ1109からの配線と共に束ねられる。
【0301】
弾球遊技機1001の正面構造は、概ね上記した通りであるが、図示の実施形態では、図60に示すように、弾球遊技機1001にカードユニット装置1031が隣接されている。このカードユニット装置1031は、上皿1019の上面に設けられる前述した球貸スイッチ1036や返却スイッチ1037等の操作部を操作することにより作動されるものである。しかして、カードユニット装置1031の表面側には、使用可能状態であるか否かを表示する使用可能表示器(図示しない)と、カードユニット装置1031がいずれの側の弾球遊技機1001に対応しているか否かを表示する連結台方向表示器(図示しない)と、記録媒体としての磁気カードを挿入するカード挿入口(図示しない)とが設けられている。そして、このように構成されるカードユニット装置1031は、独自の制御回路によって制御されるものであるが、後述するインタフェース基板1103とカードユニット配線1035を介して接続され、このカードユニット配線1035からインタフェース基板1103を経由して後述する払出制御基板1098に接続されている(図60参照)。なお、カードユニット装置1031を弾球遊技機1001に内蔵しても良いし、カードユニット装置1031を付設せず、カードによる球貸し機能を有しない弾球遊技機でもよい。また、本実施形態においては、遊技者に遊技球を貸し出す(球貸しする)ためのユニット装置としてカードユニット装置1031を例示したが、例えば、紙幣等を挿入し得るユニット装置であっても良い。
【0302】
一方、弾球遊技機1001の背面には、図60および図61に示すように、入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球を払い出すための各種の機構を装備した機構板1140が設けられると共に、操作ハンドル1030に対応する裏面には、ステッピングモータ1601および打球槌1600(図80および図81参照)を有する打球発射装置1130が固着され、その打球発射装置1130の側方には、機構板1140の余剰球通路1711を流下する賞球を下皿1027に誘導する接続樋1392(図60参照)が固着されている。更に、接続樋1392の側方に中継基板取付台1383が取り付けられ、外枠1002に対する枠基体1003の開放側裏面には、外枠1002の掛止片1129に対する枠基体1003の施錠および枠基体1003に対する透明板保持枠1004の施錠を行う施錠装置1128が設けられている。
【0303】
上記した構成のうち、打球発射装置1130には、発射制御基板1107(図64に符号のみ記載)が付設されており、この発射制御基板1107によって打球発射装置1130が駆動制御されるようになっている。発射制御基板1107は、基板ボックス1640内に収容されると共に、枠基体中継基板1099を介して払出制御基板1098と接続されており(図64参照)、所定の状態(例えば、カードユニット未接続、それだけでもよいが、他に下皿満タン、球切れ時などのとき)となったときに払出制御基板1098から停止信号をうけて打球の発射を行えないようになっている。
【0304】
以上で、弾球遊技機1001の全体の概略構成を説明したが、以下、弾球遊技機1001を構成する要素のうち、遊技盤1040と、機構板1140の詳細な構成について順次説明する。まず、図60,図62および図63を参照して遊技盤1040について説明する。図62は、遊技盤1040の拡大正面図であり、図63は、遊技盤1040の拡大背面図である。
【0305】
遊技盤1040は、枠基体1003の裏面側に一体的に形成される遊技盤収納枠部1393(図76参照)に収容固定されるべく、ほぼ正方形状の合板により形成され、その表面には、円形うず巻き状に誘導レール1042が取り付けられ、誘導レール1042の内側が縦長の円形状に形成された遊技領域1041とされて発射された打球が落下するものである。遊技領域1041には、図示の場合、特別可変表示装置1044、特別可変入賞球装置1048、普通可変入賞球装置1058、普通可変表示装置1063等が設けられると共に、単に打球を入賞とする入賞口、打球の流下方向,速度を変化せしめる風車または多数の障害釘が設けられ、また、遊技領域1041の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない打球が取り込まれるアウト口1069が設けられている。
【0306】
遊技領域1041の構成をより詳細に説明すると、普通可変入賞球装置1058の左右の両側方には、それぞれ通過球検出器1062a,1062bが内蔵された通過ゲート1061a,1061bが設けられている。この通過球検出器1062a,1062bは、通過球検出器1062a,1062b内を通過する打球を検出すると、その検出信号に基づいて特別可変入賞球装置1048の右側方に備えられた普通可変表示装置1063で普通図柄を可変表示(具体的には上下2箇所で「○」「×」を交互に点灯させる)して表示結果を導出する(上下2箇所でそれぞれ「○」「×」のいずれか一方を点灯させる)。即ち、普通可変表示装置1063で「×」が点灯した場合には、普通可変表示装置1063がハズレの表示結果を導出したことになる。一方、普通可変表示装置1063で「○」が点灯した場合には、普通可変表示装置1063が当りの表示結果を導出したことになり、普通可変入賞球装置1058が所定時間開放される。また、普通可変表示装置1063の可変時間は、通常確率モードのときに相対的に長く(例えば、30秒)、確率変動モードのときに相対的に短く(例えば、3〜5秒)設定されている。また、表示領域1080には、特別図柄の可変動作中に後述する始動球検出器1060によって検出された球数を記憶表示する特別図柄始動記憶表示部1046(最高4個まで記憶表示する)が表示される。なお、表示領域1080に表示される特別図柄始動記憶表示部1046においては、始動記憶数の上限値を一定の4個としているが、これに限らず、予め定めた所定条件の成立に伴って始動記憶数の上限値を変更可能(例えば、確変大当りした場合には、20個に増加する等)に構成してもよい。また、特別図柄始動記憶表示部1046を構成する点灯部のうち消灯状態のものは輪郭「○」を表示するようにしてもいいし、輪郭「○」も何も表示しないようにしてもよい。
【0307】
普通可変入賞球装置1058は、遊技領域1008のほぼ中央に配置される特別可変表示装置1044と、アウト口1069の上方に配置される特別可変入賞球装置1048との間に配置され、ソレノイド1059によって開閉駆動される電動チューリップタイプの可変入賞球装置である。そして、普通可変入賞球装置1058には、始動球検出器1060が内蔵され、開放中または閉成中に受け入れた入賞球を検出するようになっている。しかして、打球が始動球検出器1060によって検出されると特別可変表示装置1044が可変表示を開始する。なお、普通可変入賞球装置1058の開放時間は、通常確率モードのときに相対的に短く(例えば、0.5秒)、確率変動モードのときに相対的に長く(例えば、2秒)設定されている。また、普通可変入賞球装置1058が開放していない場合でも打球を受け入れるようになっている。
【0308】
特別可変表示装置1044は、左・中・右の特別図柄を個々に可変表示する可変表示領域を備えた表示領域1080が形成された液晶タイプの表示器であり、その前方外周には、縦長形状の窓枠部1078が開設された装飾部材1066が設けられる。そして、特別可変表示装置1044の変動停止時における図柄の組合せが予め定めた大当り図柄の組合せ(例えば、同一の図柄が当りラインのいずれかに揃った場合)である場合に、所定の遊技価値の付与として特定遊技状態を発生して、特別可変入賞球装置1048を次に説明する所定の表示態様で開閉駆動するものである。但し、大当り図柄の組合せの一部は、確率変動図柄として設定され、この確率変動図柄で特定遊技状態となったときには、その特定遊技状態終了後における普通可変表示装置1063での普通図柄の変動時間の短縮や当り(当りの点灯)の出現確率や特別可変表示装置1044における大当り図柄の出現確率が高くなる確率変動モードとなるように設定されている。また、特別可変表示装置1044の下方には、普通可変表示装置1063の可変表示中に通過球検出器1062a,1062bを通過した打球数を記憶表示する普通図柄始動記憶LED1064(最高4個まで記憶表示する)が設けられている。
【0309】
また、装飾部材1066の上側には、演出に用いられる扇形状の可動部材1071aが設けられ、装飾部材1066の右側には、演出に用いられるキャラクタの意匠が施された可動部材1072が設けられている。なお、装飾部材1066の左側方には、サイド飾り1077が設けられている。可動部材1072は、キャラクタの顔部分となる可動部1073aと、キャラクタの両腕部分となる可動部1074aと、から構成されている。そして、各可動部材1071a,1072(可動部1073a,1074a)は、特別可変表示装置1044の表示態様に対応して可動するようになっている。具体的には、可動部材1071aは、ソレノイド1071bの駆動によって左右に揺動し(扇を左右に振るように動き)、可動部材1072の可動部1073aは、ソレノイド1073bの駆動によって左右に揺動し(キャラクタが顔を左右に振るように動き)、可動部材1072の可動部1074aは、ソレノイド1074bの駆動によって左右に揺動する(キャラクタが両腕を広げたり狭めたりするように動く)。なお、可動部1074aは、図示しない連結部材を介してソレノイド1074bに接続されており、これによってソレノイド1074bの駆動は、可動部1074aを構成する両腕部分に個々に伝達されるようになっている。
【0310】
また、装飾部材1066の上端から右側端(可動部材1072の右端部)に亘る部分には、可動部材1072側への遊技球の侵入を防止する規制フランジ部1075が延設されており、規制フランジ部1075と遊技領域1041の上端から右側端を区画形成する誘導レール1042との間には、誘導通路1076が形成されている。また、遊技領域1041の右上部分を区画形成する誘導レール1042には、緩衝部材1070(例えば、ゴム等)が設けられており、緩衝部材1070への遊技球の衝突によって誘導通路1076内を通過する遊技球の勢いを弱めるようになっている。
【0311】
特定遊技状態となったときに駆動制御される特別可変入賞球装置1048は、ソレノイド1065によって開閉駆動される開閉板1049を有し、その開閉板1049に受け入れられた打球を検出する入賞個数検出器1052が設けられている。また、特別可変入賞球装置1048内(開閉板1049の内側)には、打球の検出(V入賞検出)に伴って特定遊技状態の継続権を成立させる特定球検出器1051が設けられており、特定球検出器1051の上方には、一旦V入賞検出があると次に開閉板1049を開放するまでは打球が特定球検出器1051を通過しないようにするVシャッター(図示しない)が設けられている。このVシャッターは、ソレノイド1050によって開閉駆動が行われる。しかして、特定遊技状態となった場合には、一定時間(例えば、28秒)が経過するまでまたはその一定時間内に所定個数(例えば、10個)の入賞球が入賞するまで開閉板1025を開放(以下、この開放を開放サイクルという)し、その開放サイクル中に受け入れられた打球が特定球検出器1051によって検出されたときに継続権が成立して、再度上記した開放サイクルが実行され、各開放サイクルにおいて継続権が成立していることを条件に最高16回の開放サイクルを繰り返すことができるようになっている。
【0312】
なお、本発明の特定遊技状態は、上記に限らず以下に示す▲1▼〜▲5▼の制御のうちいずれか1つの制御または組合せた制御を実行する状態であればよい。
【0313】
▲1▼ 打球の入賞を容易にする第一の状態と、打球が入賞できないまたは入賞し難い第二の状態と、に変化可能な可変入賞球装置に対して所定時間連続的または間欠的に第一の状態にする制御
▲2▼ 特定の入賞または通過領域での打球の検出を介在させ、打球の入賞を容易にする第一の状態と、打球が入賞できないまたは入賞し難い第二の状態と、に変化可能な可変入賞球装置に対して所定時間連続的または間欠的に第一の状態にする制御
▲3▼ 打球の入賞に関わらず所定数の景品球を直接排出する制御
▲4▼ 有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御
▲5▼ 得点があることに基づいて遊技可能な弾球遊技機に対して得点を付与する制御
また、特別可変入賞球装置1048の左右両側には、それぞれ入賞球検出器1056a,1056bを内蔵する通常入賞口1054a,1054bが設けられ、通常入賞口1054a,1054bの外側上方には、それぞれ入賞球検出器1055a,1055bを内蔵する通常入賞口1053a,1053bが設けられている。
【0314】
上記したように、打球が入賞するすべての入賞口および入賞装置には、入賞球を検出する入賞球検出器としての各スイッチ1052,1055a,1055b,1056a,1056b,1060が設けられているが、これは、これらの検出信号に基づいて所定個数の賞球を払い出すために使用されるものである。なお、入賞球を検出するが、賞球を払い出さない各スイッチ1051,1062a,1062bも設けられている。しかして、これらのスイッチ(入賞球検出器)1051,1052,1055a,1055b,1056a,1056b,1062a,1062bは、図64に示すように、次に説明するスイッチ中継基板1095を介して主基板1120に接続され、主基板1120では、これらの検出器からの検出信号により未払出数として対応した個数を加算すると共に順次払出制御基板1098に賞球個数信号を導出する。そして、払出制御基板1098は、その賞球個数信号に基づいて所定個数の賞球を払い出すように後述する球払出装置1154を駆動制御するようになっている。なお、スイッチ(特定球検出器)1051は、継続権の成立を検出する機能を兼用しており、スイッチ(入賞球個数検出器)1052は、開閉板1049の開放を規制するための計数機能を兼用している。また、スイッチ(始動球検出器)1060は、特別可変表示装置1044の可変表示をさせるための始動機能を兼用している。
【0315】
また、始動球検出器1060は、図64に示すように、スイッチ中継基板1095を介することなく直接主基板1120と接続されている。(ただし、他の入賞球検出器1051,1052,1055a,1055b,1056a,1056b,1062a,1062bによって導出される賞球個数信号は、相対的に多い個数、例えば、13個や15個であるのに対し、始動球検出器1060に基づく賞球個数信号は、相対的に少ない個数、例えば、5個や7個である)これは、始動球検出器1060からの配線を直接主基板1120に接続することにより、その途中に不正な回路基板を組み込んだ配線(ぶら下がり基板等と称されている)が接続されているか否かの発見を容易にするためである。また、始動球検出器1060と主基板1120とを直接接続する配線は、他の配線の色と明らかに異なる色(本実施形態の場合には、ピンクと黄の蛍光色)としたので、この点からも始動球検出器1060からの配線に不正が行われているか否かを見分け易い。さらに、その始動球検出器1060と主基板1120とを接続する配線を遊技機裏面側から見て視認できるようにしているので、より不正を発見し易い。
【0316】
また、遊技盤1040には、装飾効果を高めるための装飾LEDが複数備えられている。具体的には、可動部材1071a部分に装飾LED1770が、装飾部材1066の右斜め上方に装飾LED1771が、可動部材1072の上方に装飾LED1772が、可動部材1072の右側方に装飾LED1773が、可動部材1071aの両側方下方に装飾LED1774が、特別可変表示装置1044の両側方に装飾LED1775が、サイド飾り1077部分に装飾LED1776が、通常入賞口1054a,1054bの下方に装飾LED1777が、それぞれ装飾LED基板1770a〜1777a(図64に符号のみ記載)に実装されて備えられている。
【0317】
遊技盤1040には、上記したようにスイッチやソレノイド、あるいは装飾ランプや装飾LED等が多数設けられるが、これらは、電飾制御基板1092やあるいはスイッチ中継基板1095を介して主基板1120に接続されるようになっている。即ち、図64に示すように、遊技盤1040に設けられる各スイッチ1051,1052,1055a,1055b,1056a,1056b,1062a,1062bおよび各ソレノイド1050,1059,1065は、スイッチ中継基板1095を介して主基板1120に接続され、遊技盤1040に設けられる装飾LED1770〜1777(を実装している装飾LED基板1770a〜1777a)、普通図柄可変表示装置1063およびソレノイド1071b,1073b,1074bは、盤用電飾中継基板1093を介して電飾制御基板1092に接続されている。
【0318】
一方、遊技盤1040の裏面には、図63に示すように、遊技盤1040の裏面側の中央部分には、裏面カバー体1081が取り付けられている。裏面カバー体1081の中央には、特別可変表示装置1044が臨む開口(図示しない)が形成されており、この裏面カバー体1081に対して、特別可変表示装置1044の裏面が突出して設けられている。また、裏面カバー体1081の右側方は、その端部が裏面側に向けて延設され、配線を通すための配線通し部1083として形成されている。この特別可変表示装置1044の裏面部分の右側には、音声制御基板1094が音声制御基板ボックス1125内に収容して取り付けられている。この音声制御基板1094は、スピーカ1012a,1012bを駆動制御するものであり、主基板1120からの情報信号に応じて遊技内容に対応した効果音を発生させるものである。また、音声制御基板1094には、音量を切り替える音量切替スイッチ1127が設けられている。また、音声制御基板1094の下方には、後述する表示制御基板1090から特別可変表示装置1044へ送信される信号を中継するための表示中継基盤1091が備えられている。
【0319】
また、特別可変表示装置1044の裏面部分の左側には、盤用電飾中継基板1093が取り付けられている。この盤用電飾中継基板1093は、前述したように遊技盤1040に設けられる装飾LED基板1045a、可変表示装置1063、ソレノイド1071b,1073b,1074bと電飾制御基板1092との接続を中継するものである。また、盤用電飾中継基板1093の下方には、スイッチ中継基板1095が取り付けられている。このスイッチ中継基板1095は、前述したように、遊技盤1040に設けられる各スイッチ1051,1052,1055a,1055b,1056a,1056b,1062a,1062bおよび各ソレノイド1050,1059,1065と主基板1120との接続を中継するものである。また、盤用電飾中継基板1093の左側方には、裏面カバー体1081上に盤用外部端子基板1096が取り付けられている。この盤用外部端子基板1096は、弾球遊技機1001の営業管理上必要な遊技情報(例えば、大当り遊技状態中である旨を報知する大当り1情報、確率変動図柄で大当り遊技状態となり、その大当り状態中およびその大当りによる確率変動中である旨を報知する大当り2情報(大当り中と確率変動中に出力され続ける信号)、確率変動図柄による大当り状態終了後の確率変動中である旨を報知する確率変動情報、始動球検出器をONした打球の数を報知する始動口情報、特別可変表示装置の可変動作回数を報知する図柄確定回数1情報、普通可変表示装置の可変動作回数を報知する図柄確定回数2情報、および普通可変入賞球装置の開閉回数を報知する役物回数2情報等)を遊技場に設置される管理コンピュータに出力するための外部接続端子(図示しない)を有し、これらの情報が主基板1120から与えられるようになっている。更に、どの図柄で大当りしたか、どの図柄で停止したか等の情報を出力するようにしてもよい。
【0320】
また、裏面カバー体1081の下方には、遊技盤1040に設けられる各入賞口から入賞した入賞球を誘導する入賞球誘導路(図示しない)がその前面に形成される入賞球誘導カバー体1082が取り付けられている。入賞球カバー体1082には、表示制御基板1090および電飾制御基板1092が表示制御基板ボックス1124内に収容して取り付けられている。表示制御基板1090は、特別可変表示装置1044の可変表示動作を主基板1120からの情報信号の種類に応じて駆動制御するものであり、電飾制御基板1092との情報信号のやり取りを行なうものである。また、電飾制御基板1092は、図64に示すように、遊技盤1040に設けられる装飾LED、普通可変表示装置1063、ソレノイド、および透明板保持枠1004に設けられる遊技効果LEDや遊技効果ランプ等を主基板1120からの情報信号に応じて一括して駆動制御するものである。
【0321】
以上、遊技盤1040の構成について詳細に説明してきたが、上記のように構成される遊技盤1040は、図76に示すように、枠基体1003の裏面側に形成される遊技盤収納枠部1393に収納固定されるようになっている。遊技盤収納枠部1393は、周知のように、ほぼ正方形状に構成される遊技盤1040を収容するように枠基体1003の裏面に段差状に形成され、収容した遊技盤1040の裏面を押圧固定するための遊技盤係止レバー1366が遊技盤収納枠部1393の左側方に2箇所および右側方に1箇所に取り付けられている。なお、遊技盤係止レバー1366の取付位置は、このような位置に限られるものではなく、適宜箇所に設けられるものであればよい。また、遊技盤収納枠部1393の下方部は、平板状の支持板となって遊技盤1040の下辺を載置するようになっており、その支持板のほぼ中央にアウト球を誘導するアウト球連通口1333が形成されている。また、遊技盤1040を遊技盤係止レバー1366によって収容固定した状態においては、その裏面から機構板1140が被覆されることとなるが、その機構板1140は、遊技盤収納枠部1393の一側側面上下に固定されるヒンジ金具1314の上に突設される軸ピン1315に機構板1140の一側に固定される補強ヒンジ部材1176の掛止穴1177a(図66参照)を係止することにより、開閉自在に軸支され、また、遊技盤収納枠部1393の適宜位置に植立される機構板固定用突起1364と機構板1140に設けられる機構板係止レバー1167とを係合させることにより、機構板1140を閉じた状態で保持することができるようになっている。なお、機構板1140は、枠基体1003に対して固定されて開閉できないものであってもよい。
【0322】
次に、弾球遊技機1001の背面に設けられる機構板1140の構成について図65および図66を参照して説明する。図65は、機構板1140の背面図であり、図66は、機構板1140の分解斜視図である。図65および図66において、機構板1140は、主として賞球を貯留する賞球タンク1147と賞球タンク1147に貯留された賞球を下流側に整列しながら誘導する球整列レール部材1148およびカーブレール部材1150とが設けられる上部構成部と、カーブレール部材1150からの球を誘導する球通路部材1156a,1156bと入賞に基づく賞球を払い出す球払出装置1154(本実施形態では、貸球も払い出すが、賞球のみ払い出すものでもよい)とが設けられる中間構成部と、主として遊技盤1040に打ち込まれた入賞球を含む打球を処理するための構成、および賞球を上皿1019および下皿1027に導くための構成が設けられる下部構成部と、が開口窓1146を構成するように機構板主体1141上に一体的に形成されている。機構板主体1141は、機構板主体1141のそれぞれ上部および右側部(弾球遊技機1001の背面側から見て),左側部(弾球遊技機1001の背面側から見て),および下部をそれぞれ構成する上部板1142,左側板1143および下部板1144を取付ネジ1141aによって連結することにより構成されている。
【0323】
また、機構板1140の強度を高めるために開口窓1146の軸支側に上部構成部と下部構成部とに亘って取り付けられる補強ヒンジ部材1176が取付ネジ1176aによって取り付けられている。補強ヒンジ部材1176は、金属からなると共に、その上下両端に折曲形成された取付片1177の掛止穴1177aにヒンジ金具1314の軸ピン1315が係止されることで、機構板1140を枠基体1003に対して開閉自在に軸支するようになっている。
【0324】
そこで、以下、機構板1140の構成について、各構成部毎に説明する。まず、上部構成部には、多量の賞球を貯留する賞球タンク1147と、賞球タンク1147から供給される賞球を仕切壁1178によって複数列(本実施形態の場合、2列)に整列して流下させる球整列レール部材1148と、球整列レール部材1148によって誘導された賞球を後述する球払出装置1154に向けて左右方向から上下方向へ方向転換するカーブレール部材1150と、カーブレール部材1150の上方に設けられた枠用外部端子基板1102がそれぞれ上部板1142の所定の位置に設けられている。
【0325】
賞球タンク1147は、その左右両側に突設された取付片1164によって上部板1142の上端側に突設された取付ボス1179に取付ネジ1164aで取り付けられるようになっている。また、賞球タンク1147は、上面が開放したボックス状に形成されると共に、傾斜して底面1165が形成されている。賞球タンク1147の下流側に配置される球整列レール部材1148は、上部構成部の一端から他端に向けて傾斜状に取付ボス1180に取付ネジ1148aで取り付けられ、その内部中央に仕切壁1178が立設されている。この仕切壁1178は、賞球タンク1147の落下口から流出した賞球を下流に向かうにしたがって確実に2列に整列させるために徐々に高く形成されている。
【0326】
また、球整列レール部材1148の下流側上部には、球ならし部材1149が取付ボス1181を支点として取付ネジ1149aによって揺動自在に垂下され、球整列レール部材1148上を上下2段となって流下する球を球ならし部材1149に埋設される重錘(符号なし)の作用によって1段とするようになっている。なお、球整列レール部材1148の下流側には、カーブレール部材1150が接続されるが、このカーブレール部材1150は、上部構成部と中間構成部とに跨がって構成されるので、次の中間構成部の説明箇所で詳細に説明する。なお、球整列レール部材1148の下流側の上部で機構板主体1141に突設される球ならし片1161は、球ならしするためのものである。
【0327】
上記した球整列レール部材1148の下流側上部には、外部との信号線が接続される外部接続端子1118を有する枠用外部端子基板1102が取付ボス1182に取付ネジ1102a止めして設けられる。なお、図示しないが枠用外部端子基板1102の取付部分は凹んでおり、ハンダ面の突出部分が接触しないようにしている。枠用外部端子基板1102に設けられる外部接続端子1118としては、外部(例えば、管理コンピュータ)と弾球遊技機1001との間の信号線を接続する球切れ情報出力端子と球貸情報出力端子と賞球情報出力端子があり、枠用外部端子基板1102には、更に、枠基体中継基板1099および機構板中継基板1101が個々に接続されるコネクタが設けられている。また、枠用外部端子基板1102の近傍となる機構板1140の裏面には、電源コード1117を束ねておくためのフック1160が形成されている。これにより、運搬時における電源コード1117の破損を防止することができ、また、電源コード1117が弾球遊技機1001の裏側でぶら下がる等して、各制御基板にノイズがのることを防止することができる。また、枠用外部端子基板1102の下方には、電源コード1117を機構板主体1141の前面側から裏面側に導くための配線通し開口1166が開設されており、枠用外部端子基板1102の側方には、枠用外部端子基板1102が接続される外部の情報を記す外部情報シール1183a,1183bが貼付して設けられている。
【0328】
上部板1142に位置する上部構成部には、上記した構成以外に、その開放端部および枠用外部端子基板1102の上部に対応する位置の取付ボス1184に機構板係止レバー1167が一端を取付ネジ1167aによって回動自在に支持されて設けられている。機構板係止レバー1167には、遊技盤収納枠部1393の所定の位置に植立固定される機構板固定用突起1364の先端部と係合する溝が形成されており、この溝と係止ピンとの係合を解除するように回動させることにより、機構板1140の遊技盤収納枠部1393への固定状態を解除することができる。なお、機構板係止レバー1167は、上部構成部の開放端部および上部構成部の開閉軸側上部に設けられているため、機構板1140の遊技盤収納枠部1393への固定状態を堅固に安定化させることができるようになっている。なお、機構板係止レバー1167は、下部構成部の開放端部にもう一つあり、計3つ設けられている。
【0329】
次に、上部板1142に位置する中間構成部の構成について説明する。中間構成部は、その側方に垂直状に突設される中間部補強リブ1185a,1185bが形成されている。また、中間構成部の表面側には、通路カバー1186が取付ネジ1186aによって取り付けられることにより、球が通過する球抜き通路(図示しない)が形成されている。この球抜き通路は、後述する基体枠球抜き通路1394(図76参照)および球抜き通路下流部1712と連通しており、カーブレール部材1150より上流側の球整列レール部材1148および賞球タンク1147に待機する球を誘導して弾球遊技機1001の外側(弾球遊技機1001を設置する島の回収樋)に導くものである。この球抜き通路への球の誘導は、カーブレール部材1150に設けられる球抜きストッパー1151を解除することにより行なわれる。この球抜きストッパー1151は、取付ボス1700を支点として取付ネジ1151aによって揺動自在に取り付けられている。また、取付ボス1700の斜め下方には、球抜き通路内へ球を導入するための導入口1701が形成されている。しかして、カーブレール部材1150のガイド穴1702に沿って球抜きストッパー1151を上方に移動させることにより、球が導入口1701から球抜き通路に導入されることとなる。
【0330】
上記した球抜きの構造について更に詳述すると、カーブレール部材1150内には、球抜弁(図示しない)が取り付けられており、その上端部分が軸支部として回動自在に取り付けられている。一方、球抜きストッパー1151は、その下端部分が上記したように、取付ボス1700を支点として回動自在に取り付けられている。そして、球抜きストッパー1151を操作しない通常時(球抜きストッパー1151が横方向に倒れた状態)においては、球抜きストッパー1151の先端部が球抜弁の側壁部分を押圧して球抜弁がロック状態となり、球払出装置1154側に誘導されるようになっている。一方、球抜きストッパー1151を操作したとき(球抜きストッパー1151が起立した状態)には、球抜きストッパー1151による球抜弁の押圧状態を解除することで、球抜弁のロック状態が解除され、球整列レール部材1148からの遊技球の自重によって球抜弁が押しやられる。これにより、流路は、球抜き通路に切り換えられ、遊技球は導入口1701から球抜き通路側に流れるようになっている。
【0331】
また、中間構成部の上部には、上記した球整列レール部材1148の下流側に接続されるカーブレール部材1150が取付ボス1703に取付ネジ1150aによって取り付けられている。このカーブレール部材1150は、球整列レール部材1148から流下する球を球抜き通路あるいは、下述する球通路部材1156a,1156bのいずれかに分岐するものである。カーブレール部材1150の下流側には、球通路部材1156a,1156bと球払出装置1154とが配置されている。球通路部材1156bは、機構板1140の裏面側(枠基体1003側)から取付ネジ(図示しない)によって取り付けられる一方、球通路部材1156aは、機構板1140の前面側から取付ネジ1704によって取付ボス1705に取り付けられ、球通路部材1156a,1156b間が球通路を構成する。具体的には、球通路部材1156a,1156b間の球通路は、カーブレール部材1150によって前後方向(機構板1100の背面から見て)2列に流下される球を左右方向(同じく機構板1100の背面から見て)2列に流下するように方向転換するものである。なお、球通路部材1156bは、頻繁に球が通過して摩耗し易いものであるため、交換できるように取付ネジにより上部板1142に取り付けられている。また、カーブレール部材1150下部には、球切れスイッチ1157が係止爪1708によって着脱自在に装着されており、この係止爪1708の係止を変形させて解除することにより、球切れスイッチ1157を取り外しできる。この球切れスイッチ1157は、機構板中継基板1101に接続されるようになっている(図64参照)。そして、球切れスイッチ1157は、機構板中継基板1101を介して払出制御基板1098および主基板1120に入力され、球を検出しなくなったときには、後に説明する球払出装置1154の払出モータ1115の作動を停止して賞球の払出を不能動化させるようになっている。(主基板1120からの払出停止コマンドを払出制御基板1098が受信することで、払出制御基板1098が払出停止制御を行う。)
また、球通路部材1156aの下部には、取付ネジ1159aによって球ストッパー部材1159が取り付けられている。この球ストッパー部材1159は、金属の打ち抜き加工で形成されて下端部を円弧状に形成した当接部となっており、しかもその上部前方に2つのストッパー片(図示しない)が突設されている。当接部は、球払出装置1154のケース1155と当接する部分であり、ストッパー片は、球通路部材1156a,1156b間の球通路の下方部に対応して球通路部材1156aに穿設される挿通穴(図示しない)に挿入し得るものである。しかして、球払出装置1154を装着した状態では、球払出装置1154のケース1155と球ストッパー部材1159の当接部とが当接して球ストッパー部材1159の下端部が後方に向かって弾性変形するので、ストッパー片は、挿通穴から退避して球通路部材1156a,1156b間の球通路を流下する球を球払出装置1154に供給するようになっているが、球払出装置1154を取り外したときには、球ストッパー部材1159が元の形状に戻るので、ストッパー片が挿通穴に挿入して自動的に球通路部材1156a,1156b間の球通路を閉塞して球を流下させないようになっている。このように、球ストッパー部材1159を設けることにより、球払出装置1154を交換する必要が生じた場合でも、球払出装置1154より上の球が零れ出ることがないので、球抜き操作を行う必要がない。また、カーブレール部材1150の下端部分には、後述する払出装置カバー1168の係合穴1169と係合する係止爪1706が設けられている。また、係止爪1706の下方両側方には、払出装置カバー1168の軸支穴1707が挿通される軸支突起1162が突設されている。
【0332】
上記した球通路部材1156a,1156bの下方に取着される球払出装置1154は、ほぼ直方体形状をなすケース1155の内部に収容されて機構板主体1141に着脱自在に取り付けられるようになっている。球払出装置1154の構造について図64および図66を参照して簡単に説明すると、ケース1155内には、球通路部材1156a,1156b間の左右2列の球通路と個々に連通する2条の通路部1155aが形成され、その通路部1155aの経路途中には、球払出装置1154内(通路部1155a)の球を1個づつ区切って通路部1155a下端の球排出口から排出するスプロケット(図示しない)が設けられている。なお、スプロケットは、払出モータ1115の駆動によって回転するようになっている。また、球排出口は、1つの排出口からなり、球払出装置1154から排出する球を貸球として払い出す貸球排出口と景品球として払い出す景品球排出口とを兼用した形で構成されている。また、前後の排出口には、それぞれの排出口から排出される球数(貸球数および賞球数)を検出するための払出個数カウントスイッチ1116が設けられている。また、球の払出動作を確実に行うために払出モータ1115の停止位置(正確には、回転部材としてのスプロケットの停止位置)を検出するモータ位置センサが備えられたセンサ基板1114が設けられている。
【0333】
また、ケース1155には、上記した払出モータ1115、払出個数カウントスイッチ1116、センサ基板1114が内蔵されていると共にそれらが接続される中継基板1113も内蔵されている。なお、本実施形態における球払出装置1154は、2条を1条に変換するようにしているが、2条(複数条)を2条(複数条)のまま払い出すようにしてもよいし、2条を1条にした後に再び2条とするものでもよい。但し、本実施形態では、2条で受けるのは、払出スピードを向上するのが目的で、それを1条にするのは、カウントスイッチの数を少なくしてコストダウンを図るためである。この中継基板1113は、図64に示すように、払出制御基板1098を介して主基板1120に接続されている。具体的には、球払出装置1154から主基板1120に入力されるのは、払出個数カウントスイッチ1116の信号だけである。
【0334】
なお、上記した球通路部材1156a,1156bおよび球払出装置1154は、払出装置カバー1168によって被覆されるようになっている。払出装置カバー1168は、その上端両側に穿設された軸支穴1707がカーブレール部材1150の軸支突起1162に回動自在に軸支して取り付けられ、払出装置カバー1168の上方には、係止爪1706との係合によって払出装置カバー1168の開放状態を保持する係合穴1169が形成されている。また、払出装置カバー1168の下側外壁面には、球払出装置1154のケース1155の取り外し作業における説明事項を記したシール1187が貼付されている。
【0335】
以上で、機構板1140の中間構成部についての説明を終了し、次に、機構板1140の下部構成部(下部板1144)について説明すると、下部構成部は、図66に示すように、背面から見てその右側部分に払出制御基板1098を収容する払出制御基板ボックス1123が取り付けられ、背面から見てその左側部分に電源ユニット基板1097を収容する電源基板ボックス1122が取り付けられている。払出制御基板ボックス1123が取り付けられる下部構成部の前面側(機構板主体1141の遊技盤1040と対面する内側)には、入賞球を誘導する入賞球誘導通路(図示しない)とアウト球を誘導するアウト球通路(図示しない)とが形成され、下部構成部の背面側(機構板主体1141の外側)には、賞球通路1709、連絡通路1710、余剰球通路1711が形成されると共に球抜き通路下流部1712も形成されている。なお、払出制御基板ボックス1123には、払出制御基板1098に備えられたエラー解除スイッチ(図示しない)のエラー内容を記したエラー表示シール1735が貼付され、電源基板ボックス1122には、電源ユニット基板1097に備えられる電源部品の名称を記した部品名称シールおよびバックアップのクリア方法の手順を記した手順シール1737が貼付されている。
【0336】
そこで、まず、機構板1140の下部構成部の背面から見て右側部分(以下、右側下部構成部という)の構成について説明する。機構板1140の右側下部構成部の一側上部に賞球通路1709が形成され、賞球通路1709の下端に上皿連通口1713が形成されている。この上皿連通口1713は、弾球遊技機1001の前面に設けられる上皿1019に賞球を導くものである。上皿連通口1713の一側側方には、連絡通路1710が形成され、その連絡通路1710の下流に余剰球通路1711が接続されている。
【0337】
しかして、入賞に基づく賞球が多数払い出されて上皿1019が賞球で満杯となり、遂には上皿連通口1713に到達してさらに賞球が払出続けられたときには、賞球は、連絡通路1710を介して余剰球通路1711に導かれ、その後、接続樋1392を介して下皿1027に排出される。そして、さらに賞球が払出続けられたときには、下皿1027も満杯になるが、余剰球通路1711の一側側壁に設けられた満タン検知レバー1714部分にまで到達すると、満タン検知レバー1714が押圧されて満タンスイッチ1158がONされ、球払出装置1154の払出モータ1115の駆動を停止して賞球および貸球の払出動作を不能動化する。(主基板1120からの払出停止コマンドを払出制御基板1098が受信することで、払出制御基板1098が払出停止制御を行う。)このとき、打球発射装置1130のステッピングモータ1601の駆動も停止するが、停止しないものであってもよい。満タン検知レバー1714は、その上端が軸突起に軸支されて揺動自在に設けられ、その満タン検知レバー1714の後方に満タンスイッチ1158のアクチュエータを位置させて満タン検知レバー1714の揺動動作を検出するものである。満タンスイッチ1158は、その上部の止着穴1715によって機構板1140側の取付ボス1716に取付ネジ1158a止めされる。
【0338】
また、上記した賞球通路1709、球抜き通路下流部1712、および余剰球通路1711の後面は、機構板主体1141の取付ボス1717に取付ネジ1170a止めされる下部通路カバー体1170によって覆われている。そして、満タンスイッチ1158は、下部通路カバー体1170に形成される開口1171から挿入されて所定の位置に取付ネジ1158aで固定し得るようになっている。
【0339】
下部通路カバー体1170の配線を通すための開口1171の側方には、機構板中継基板1101を取り付ける基板取付部1718が、機構板中継基板1101を囲むように形成されており、機構板中継基板1101は、この基板取付部1718の内側に突設された取付ボス1719に取付ネジ1101aによって取り付けられる。基板取付部1718の側方には、インタフェース基板1103を取り付ける基板取付部1720が、インタフェース基板1103を囲むように形成されており、インタフェース基板1103は、この基板取付部1720の内側に突設された取付ボス1722に取付ネジ1103aによって取り付けられている。この基板取付部1720の下部は、インタフェース基板1103上のコネクタが臨むように形成されると共に、その一側側方には、インタフェース基板1103に実装されるヒューズが臨むヒューズ穴1721aおよびインタフェース基板1103に実装されるコネクタの受け口であるコネクタ穴1721bが形成されている。この基板取付部1720の上部には、段差部が形成されており、この段差部の前面側には、取付ネジ1723aによって誘導突起部材1723が取り付けられている。この誘導突起部材1723は、上皿連通口1713に臨むものである。
【0340】
また、下部通路カバー体1170の右側方には、取付ベース1727を取り付けるための取付ボス1725と、取付ベース1730を取り付けるための取付ボス1724と、が突設されている。取付ベース1727は、取付ネジ1727aによって取付ボス1725に取り付けられ、取付ベース1730は、取付ネジ1730aによって取付ボス1724に取り付けられる。なお、取付ベース1730は、下部板1144に突設された取付ボス1733にも取り付けられる。
【0341】
取付ベース1727には、払出制御基板ボックス1123に形成された係合片(図示しない)が係合するスライド穴1728と、払出制御基板ボックス1123を固定するための係止片1729が形成されている。しかして、払出制御基板ボックス1123の係合片をスライド穴1728に挿入した後、払出制御基板ボックス1123を左側にスライドさせることにより、係止片1729が払出制御基板ボックス1123に形成された係止穴(図示しない)に係止され、これによって、払出制御基板ボックス1123が下部通路カバー体1170の背面側、即ち、機構板1140の下部一側に止着される。なお、係止片1729を撓ませることにより、払出制御基板ボックス1123を取り外すことができる。
【0342】
また、取付ベース1730には、主基板1120を収納する主基板ボックス1121(図60参照)に形成された係合片(図示しない)が係合するスライド穴1731と、主基板ボックス1121を固定するための係止片1732が形成されている。しかして、主基板ボックス1121の係合片をスライド穴1731に挿入した後、主基板ボックス1121を右側にスライドさせることにより、係止片1732が主基板ボックス1121に形成された係止穴(図示しない)に係止され、これによって、主基板ボックス1121が下部通路カバー体1170の背面側、即ち、機構板1140の下部一側に止着される(図60参照)。この主基板1121は、後述する電源基板ボックス1122の背面側に位置することとなる。なお、係止片1732を撓ませることにより、主基板ボックス1121を取り外すことができる。また、取付ベース1730の一側には、後面側に突出してフランジが形成されており、その先端に錠取付穴1745が穿設されている。この錠取付穴1745は、取付ベース1730に主基板ボックス1121を固定した際、主基板ボックス1121の一側方に形成されたフランジに穿設された錠取付穴1121a(図60参照)とその位置が合うようになっている。これは、それぞれの錠取付穴1121a,1745に南京錠等の錠前をかけることにより主基板ボックス1121が取付ベースから取り外せないようにするためのものであり、主基板1121に対する不正行為を防止するものである。
【0343】
一方、右側下部構成部の機構板主体1141の前面側(遊技盤1040に当接する側)には、入賞球を誘導する入賞球誘導通路(図示しない)とアウト球を誘導するアウト球通路(図示しない)とが形成されている。入賞球誘導通路の上方は、入賞球落下入口1740となっており、入賞球誘導カバー体1082から放出される入賞球を受け入れるようになっており、その受け入れた入賞球を入賞球誘導通路が一側側方に向かって誘導し、機構板主体1141に形成された連通口(図示しない)から機構板主体1141の背面側に導き、さらにその連通口から球抜き通路下流部1712に導くようになっている。球抜き通路下流部1712は、右側下部構成部の外周縁に沿って逆L字状に屈曲され、下部構成部のほぼ中央背面側に形成される余剰球通路1711の右側方に形成される合流排出通路1741に最終的に合流するようになっている。したがって、入賞球落下入口1740から受け入れられた入賞球は、入賞球誘導通路、連通口、球抜き通路下流部1712、および合流排出通路1741を介して弾球遊技機1001の外部に誘導されるようになっている。なお、入賞球誘導通路は、その背面を機構板主体1141で構成しているが、その前面は、枠基体1003に取り付けられた後述する閉塞板1386で構成されている。
【0344】
また、アウト球通路は、入賞球落下入口1740の側方に形成される凹部1742の下方に入賞球誘導通路と上下方向に重複するように形成され、その流下端の機構板主体1141に連通口が開設されて下部板1144の背面側に形成される合流排出通路1741に連通するようになっている。なお、上記した凹部1742は、遊技盤1040の下部を裏面から固定するために遊技盤収納枠部1393の下部ほぼ中央に取り付けられる遊技盤係止レバー1366を収容するためのものである。
【0345】
しかして、遊技盤1040のアウト口1069から取り込まれたアウト球が遊技盤1040の裏面に刻設されるアウト球排出通路(図示しない)に導かれ、さらに遊技盤収納枠部1393の下部の板状部分に形成されるアウト球連通口1333(図76参照)を経由して上記したアウト球通路に導かれ、連通口、合流排出通路1741を通って弾球遊技機1001の外部に導かれる。つまり、上記した合流排出通路1741は、球抜き通路下流部1712からの抜き球、アウト球通路からのアウト球、入賞球誘導通路からの入賞球をすべて合流して弾球遊技機1001の外部に誘導するものである。なお、右側下部構成部の下部板1144の前面側には、配線を押えるための配線押え1744が取付ネジ1744a止めされている。また、左側板1143にも、同様に配線掛止部材1739(ワイヤーラグといわれている)が取付ネジ1739a止めされている。
【0346】
一方、下部構成部のうち、上記した余剰球通路1711より背面から見て左側部分(以下、左側下部構成部という)は、電源基板ボックス1122を取り付けるための空間として利用されている。より具体的に説明すると、電源基板ボックス1122を取り付ける領域は、やや前面側に向かって凹状に形成されている。即ち、電源基板ボックス1122の取付空間の後面壁を構成する後面壁1743は、右側下部構成部の機構板主体1141よりもやや前面側に奥まった位置(遊技盤1040に近づく位置)となっており、その後面壁1743の四隅には、スライド穴1726が形成されると共に、右側方には、係止変1734が形成されている。なお、後面壁1743の下部は、背面側に突出して形成され、その先端には、取付ボス1733が形成されている。
【0347】
しかして、上記のように構成される取付空間に電源基板ボックス1122を取り付けるには、電源基板ボックス1122の下部両側に突設される係合突起(図示しない)をスライド穴1726に差し込んだ後に、電源基板ボックス1122を左側にスライドさせることにより、係止片1734が電源基板ボックス1122に係止され、これによって、電源基板ボックス1122が後面壁1743、即ち、機構板1140の下部一側に止着される。なお、係止片1734を撓ませることにより、電源基板ボックス1122を取り外すことができる。そして、この場合、電源基板ボックス1122が下部構成部の機構板主体1141よりも前面側(遊技盤1040に近い側)に奥まって取り付けられているので、電源基板ボックス1122の背面側への突出量を抑制することができる。特に、電源ユニット基板1097は、他の制御基板と比べて高さ(厚み)を有するヒートシンクや大型のコンデンサが実装されるので、その電源ユニット基板1097を収容する電源基板ボックス1122も厚みがあるが、このような厚みのある電源基板ボックス1122を取り付けても背面側の突出量を抑制することができるものである。
【0348】
ところで、電源基板ボックス1122は、内部に複数の電圧の異なる電源を生成する電源ユニット基板1097を収容するものである。電源ユニット基板1097には、図57に示すように、弾球遊技機1001全体の電源をON・OFFするための電源スイッチ1131、弾球遊技機1001のすべての動作をクリアするためのクリアスイッチ1132および管ヒューズ1133が実装されている。また、電源ユニット基板1097は、電源コード1117が接続される電源コネクタが実装されている。電源コネクタに接続される電源コード1117は、枠用外部端子基板1102の側方に形成される配線通し開口1166から機構板主体1141の前面側に形成される配線通し1189および配線通し1188に沿って左側板1143側を通って機構板1140の下部まで引き通され、機構板主体1141に設けられる開口および開口1171から機構板主体1141の裏側に引き出されて電源コネクタに接続される。電源コード1117によって供給される電圧は、AC24Vの電圧であり、電源ユニット基板1097で生成される複数の電圧は、DC30V、DC21V、DC12V、DC5Vの4種類である。(但し、他の基板に対してAC24Vも供給する。)また、電源ユニット基板1097は、主基板1120および払出制御基板1098の各CPUに駆動電源が供給されていない間、各基板1120,1098のRAMの記憶内容をバックアップ(保持)するために各基板1120,1098にバックアップ電源を供給するようになっている。なお、電源ユニット基板1097から電源断信号が出力されることによって主基板1120は、バックアップをするための処理を行うようになっている。なお、払出制御基板1098にもバックアップする処理を行ってもよい。
【0349】
ところで、以上説明した機構板1140(機構板主体1141)は、帯電防止持続性樹脂である透明なABS樹脂で成形されている。従来では、乾燥した状態において遊技球が循環使用されているうちに、機構板に静電気が帯電し、その静電気が遊技動作を制御する制御回路に悪影響を及ぼして誤動作を生じさせるという欠点があった。これに対して、本実施形態では、機構板1140を帯電防止持続性樹脂で成形することで、機構板1140に静電気が帯電するのを防止し、ひいては静電気による制御回路の誤動作を防止するようになっている。帯電防止持続性樹脂は、ポリエチレングリコールとポリアミドとからなるポリエーテルエステルアミドエラストマー7〜20重量%を、スチレン系樹脂93〜80重量%に配合することにより得られる。このようにして得られた帯電防止持続性樹脂は、帯電防止剤を練り込んだ樹脂と比較して、樹脂の表面を拭き取る等の作業を行っても、その帯電防止効果が劣化せず、長期間に亘って帯電防止効果が持続する。また、機構板1140を成形する帯電防止持続性樹脂は透明(詳しくは青色透明)なため、機構板1140に形成された各球通路(例えば、球抜き通路1112等)を遊技球が流下する場合、その遊技球の流れが外部から視認できるようになっている。
【0350】
また、本実施形態では、上記した機構板主体1141のみならず、機構板1140で使用する所定の合成樹脂部品(例えば、賞球タンク1147、球整列レール部材1148、カーブレール部材1150など)を透明なABS樹脂でありかつ帯電防止持続性樹脂で成形している。このように機構板主体1141や球整列レール部材1148などの構成部材を帯電防止持続性樹脂でありながらかつ透明にしているのは、球の流れが確認できるようにするためである。なお、透明な帯電防止持続性樹脂は、その樹脂の原料に着色顔料をねり込むことでつくられる。また、本実施形態では、帯電防止持続性樹脂の透明色を青色透明としているが、着色しない透明の場合、黄ばんだ透明色になってしまい美観が損なわれるため(タバコのヤニなどで汚れたような感じになってしまう)、青色透明とすることでその点を解消している。また、球通路部材1156aは、透明のポリカーボネイトで成形されており、耐磨耗性を向上している。また、ケース1155および各種基板ボックスも同様に透明のポリカーボネイトで成形されているが、これは、ケース1155内あるいはボックス内が外部から確認できるようにするためで不正防止を目的としている。
【0351】
以上、弾球遊技機1001の構成、遊技盤1040の構成、および機構板1140の構成について説明してきたが、次に、配線接続される回路構成について、図64を参照して説明する。図64は、主基板1120と各種制御基板および電気部品との関係を示すブロック図である。主基板1120には、遊技盤1040に設けられる各スイッチ1051,1052,1055a,1055b,1056a,1056b,1062a,1062bからの信号がスイッチ中継基板1095を介して入力されると共に始動球検出器1060からの信号も入力され、また、満タンスイッチ1158および球切れスイッチ1157からの信号が機構板中継基板1101および払出制御基板1098を介して入力される。更に、主基板1120には、中継基板1113および払出制御基板1098を介して払出個数カウントスイッチ1116からの信号が入力されるものである。
【0352】
上記した入力信号のうち、遊技盤1040に設けられる各スイッチ1051,1052,1060,1062a,1062bからの入力信号に基づいて主基板1120は、遊技盤1040に設けられるソレノイド1050,1059,1065を駆動制御すると共に、遊技状態に応じた電飾信号を表示制御基板1090を介して電飾制御基板1092に出力し、遊技状態に応じた効果音信号を表示制御基板1090および電飾制御基板1092を介して音声制御基板1094に出力し、更に、大当り表示制御信号あるいはリーチ表示制御信号または外れ表示制御信号を表示制御基板1090に出力し、盤用外部端子基板1096に各種の遊技情報を出力する。電飾制御基板1092は、主基板1120から入力される電飾信号の種類に応じて、装飾LED1045、普通可変表示装置1063、各種LED1009,1010,1013,1014a,1014c,1014b,1014dおよび記憶表示LED1064を表示駆動制御すると共にソレノイド1071b,1073b,1074bを駆動制御し、音制御基板1082は、主基板1120から入力される効果音信号の種類に応じて電飾制御基板1092を介してスピーカ1012a,1012bを駆動制御する。また、表示制御基板1090は、主基板1120から入力される表示制御信号の種類に応じて特別可変表示装置1044の表示結果を導出するように制御する。
【0353】
また、満タンスイッチ1158からの入力信号に基づいて主基板1120は、払出制御基板1098に満タン信号(払出停止コマンド)を出力し、その満タン信号に基づいて払出制御基板1098は、払出モータ1115の駆動を停止させる。また、その満タン信号に基づいて、ステッピングモータ1601の駆動を停止する。なお、満タンスイッチ1158からの入力信号があったときには、電飾制御基板1092に満タン信号を出力して所定のランプまたはLEDを表示駆動してその旨を報知するようにしてもよい。また、満タン信号を払出制御基板1098に出力するので、例えば、払出制御基板1098上のエラー表示器等でその旨を報知するようにしてもよい。
【0354】
また、遊技盤1040に設けられる通過球検出器1062a,1062bを除く各スイッチ1051,1052,1055a,1055b,1060,1056a,1056bからの入力信号に基づいて主基板1120は、払出制御基板1098に賞球個数信号を出力し、払出制御基板1098は、その賞球個数信号の入力に基づいて払出モータ1115を駆動して所定個数の賞球を払い出す。また、払出個数カウントスイッチ1116からの入力信号に基づいて主基板1120は、未払出数があるか否かを判定する。また、払出個数カウントスイッチ1116からの入力信号に基づいて主基板1120は、枠用外部端子基板1102に賞球個数情報(10個で1パルス)を出力し、この信号を枠用外部端子基板1102から外部の管理コンピュータの出力する。更に、各スイッチ1051,1052,1055a,1055b,1060,1056a,1056bからの入力信号に基づいて主基板1120は、電飾制御基板1092(および音声制御基板1094)に賞球信号を出力し、賞球LED1010(またはスピーカ1012a,1012b)を表示駆動してその旨を報知する。
【0355】
更に、球切れスイッチ1157からの入力信号に基づいて主基板1120は、払出モータ1115を駆動停止させるために払出制御基板1098に球切れ信号(払出停止コマンド)を出力したり、電飾制御基板1092に賞球切れ信号を出力して球切れLED1009を所定の態様で表示駆動する。なお、満タンスイッチ1158または球切れスイッチ1157のいずれかがONすることで賞球停止信号(払出停止コマンド)を主基板1120から払出制御基板1098に出力して賞球しないようにし、いずれのスイッチ1158,1157ともOFFであれば賞球可能信号(払出停止解除コマンド)を出力するというものでもよい。また、賞球LED1010に換えて未払出がある場合、点灯する未払出報知ランプなどを設けてもよい。
【0356】
主基板1120には、遊技動作を制御するためのスイッチ入力、賞球の払出動作を制御するためのスイッチ入力しか入力されず、主基板1120と払出制御基板1098を除く他の制御基板1090,1092,1094との関係においては、主基板1120から制御基板1090,1092,1094に向かって一方向の通信関係となる。このため、制御基板に不法な処理プログラムを組み込んで主基板1120で不正な処理を施そうとしても実行することができないという利点があり、また、主基板1120の制御の一部を他の制御基板1090,1092,1094,1098で担当しているので、主基板1120の負担が軽減されると共に、主基板1120の検査の容易化を図ることも可能である。
【0357】
また、払出制御基板1098には、センサ基板1114のモータ位置センサおよび払出個数カウントスイッチ1116からの信号が中継基板1113を介して入力され、残高表示基板1104の球貸スイッチ1036および返却スイッチ1037からの信号が入力され、カードユニット装置1031から各種の情報が入力されている。更に、前述したように、主基板1120から賞球個数信号、満タン信号、球切れ信号が入力されるものである。上記した入力信号のうち、モータ位置センサからの入力信号に基づいて払出制御基板1098は、貸球および賞球の払出動作において払出モータ1115の停止位置、即ち球払出装置1154のスプロケットの停止位置を正確に制御すると共にスプロケットが回転しているか否かを検出できる。また、払出個数カウントスイッチ1116からの入力信号に基づいて払出制御基板1098は、貸球および賞球の正確な払出数を払い出すように払出モータ1115を駆動制御すると共に、枠用外部端子基板1102に貸球数情報(100円分の球25個で1パルス)を出力する。なお、賞球数情報を主基板1120から出力するようにしてもよい。
【0358】
また、払出制御基板1098は、球貸スイッチ1036からの入力信号に基づいてカードユニット装置1031から貸球要求信号が出力されると払出モータ1115を駆動し、また、返却スイッチ1037からの入力信号は、インタフェース基板1103を経由してカードユニット装置1031に伝達される。また、カードユニット装置1031からの各種の情報信号もインタフェース基板1103を経由して残高表示基板1104の度数表示LED(図示しない)に伝達される。更に、主基板1120からの球切れ信号、賞球個数信号、満タン信号等に基づいて払出制御基板1098は、前述したように中継基板1113を介して賞球の払出動作を実行せしめたり、発射制御基板1107にステッピングモータ1601の停止信号を出力したりする。なお、枠用外部端子基板1102に接続される球切れスイッチ1107からの入力信号は、球切れ情報として外部の管理コンピュータ等に出力される。
【0359】
また、上記した払出制御基板1098には、接続線(図示しない)を介して補強ヒンジ部材1176が接続されており、この補強ヒンジ部材1176あるいは補強ヒンジ部材1176と係合する枠基体1003の下側のヒンジ金具1314に接続されるアース板1425(図74参照)から遊技球の静電気を受け、これをカードユニット装置1031から放電するようになっている。具体的に、アース板1425(補強板)は、上皿1019に貯留された遊技球と接触した際にその遊技球に帯電した静電気を受ける。そして、アース板1425で受けた静電気は、各種導電部材(補強ヒンジ部材1176、上部ヒンジ金具1254、下部ヒンジ金具1256(いずれも図68参照)、ヒンジ金具1314、接続線)を介して払出制御基板1098に送られ、最終的には払出制御基板1098とカードユニット配線1035で接続されたカードユニット装置1031から外部に放電される。
【0360】
次に、透明板保持枠1004の構成および透明板保持枠1004に取り付けられる各種構成部材について、図67〜図73を参照して説明する。図67は、正面からの透明板保持枠1004の分解斜視図であり、図68は、背面からの透明板保持枠1004の分解斜視図であり、図69は、従来の遊技機の透視窓におけるカバー部材の取付構造を示す断面図であり、図70は、図56におけるA−Aでの概略断面図であり、図71は、図56におけるB−Bでの概略断面図であり、図72は、上部装飾ユニット1022の正面からの分解斜視図であり、図73は、図56におけるC−Cでの概略断面図である。透明板保持枠1004は、その外形がほぼ角型に形成されると共に、ほぼ中央には、遊技盤1040の遊技領域1041を透視し得る複層ガラス板が取り付けられる円形透視窓1005が形成されている。また、透明板保持枠1004の周縁には、後方に向かって補強周枠リブ1199が立設され、透明板保持枠1004の強度の向上を図っている。
【0361】
透明板保持枠1004の上部中央には、遊技効果LED1013が実装された遊技効果LED基板1190が取り付けられる基板取付部1238が突設されており、この基板取付部1238表面の両側方には、基板取付ボス1239が突設されると共に、左側方には、遊技効果LED基板1190からの配線を通すための配線通し穴1240が形成されている。しかして、遊技効果LED基板1190は、基板取付ボス1239に取付ネジ1190aによって取り付けられ、配線が配線通し穴1240から透明枠保持板1004の裏面側に通される。
【0362】
基板取付部1238の左側方には、遊技効果LED1014aおよび遊技効果ランプ1014bが実装された遊技効果LEDランプ基板1191が、右側方には、遊技効果LED1014cおよび遊技効果ランプ1014dが実装された遊技効果LEDランプ基板1192が取り付けられるようになっており、それぞれの基板1191,1192を取り付けるための取り付けボス1241および配線を通すための配線通し穴1242が透明保持枠1004の縦中心線に対して左右対称の位置に形成されている。また、配線通し窓の下方には、遊技効果ランプ1014b,1014dの後部が挿通される後部挿通穴1243が同じく左右対称の位置に形成されている。しかして、遊技効果LEDランプ基板1191,1192は、基板取付ボス1241にそれぞれ取付ネジ1191a,1192aによって取り付けられ、配線が配線通し穴1242から透明枠保持板1004の裏面側に通される。また、このとき、遊技効果ランプ1014b,1014dの後部が後部挿通穴1243に挿通される。
【0363】
また、遊技効果LEDランプ基板1191の左側方には、スピーカ1012aを取り付けるためのスピーカ取付部1248aが、遊技効果LEDランプ基板1192の右側方には、スピーカ1012bを取り付けるためのスピーカ取付部1248bが、角型形状で形成されており、このスピーカ取付部1248a,1248bの中央には、スピーカ1012a,1012bが臨むスピーカ開口が形成されている。1248bは、図68で示すように、透明板保持枠1004の裏面から表面に向かって凹状に形成されており、裏面側から取付ネジ1209によってスピーカ1012a,1012bが取り付けられるようになっている。
【0364】
また、遊技効果LED基板1190,遊技効果LEDランプ基板1191,1192,スピーカ1012a,1012bが取り付けられる部分の透明板保持枠1004の裏面側には、各基板1190,1191,1192およびスピーカ1012a,1012bからの配線を束ねるためのフック1249が形成されている。なお、この各基板1190,1191,1192およびスピーカ1012a,1012bが取り付けられる部分を覆うように、透明板保持枠1004の上部には、後述する上部装飾ユニット1022が取り付けられる。上部装飾ユニット1022は、取付ネジ1259によって、透明板保持枠1004の裏面側から取り付けられるようになっている。
【0365】
透明板保持枠1004表面側のスピーカ取付部1248aの下方には、賞球LED1010が実装された賞球LED基板1198が取り付けられる賞球LED基板取付部1219が、スピーカ取付部1248bの下方には、球切れLED1009が実装された球切れLED基板1197が取り付けられる球切れLED基板取付部1218が形成されている。しかして、賞球LED基板1198は、取付ネジ1198aにより賞球LED基板取付部1219に取り付けられ、球切れLED基板1197は、1197aにより球切れLED基板取付部1218に取り付けられる。
【0366】
上記した賞球LED基板取付部1219の左側方から透明板保持枠1004の下部に亘って、装飾ランプ基板1193,1194が上方からこの順で縦長方向に取付ネジ(図示しない)によって取り付けられている。この装飾ランプ基板1193,1194は、それぞれ遊技効果ランプ1016a,1016bが実装されると共に、左上から右下に亘って傾斜して取り付けられるものである。また、上記した球切れLED基板取付部1218の右側方から透明板保持枠1004の下部に亘って、装飾ランプ基板1195,1196が上方からこの順で縦長方向に取付ネジ(図示しない)によって取り付けられている。この装飾ランプ基板1195,1196は、それぞれ遊技効果ランプ1017a,1017bが実装されると共に、右上から左下に亘って傾斜して取り付けられるものである。
【0367】
上記した遊技効果ランプ1016a,1016bの前面側には、遊技効果ランプ1016a,1016bを覆うように被覆部材としての左装飾ユニット1023が着脱可能に取り付けられ、遊技効果ランプ1017a,1017bの前面側には、遊技効果ランプ1017a,1017bを覆うように被覆部材としての右装飾ユニット1024が着脱可能に取り付けられている。以下に、この左装飾ユニット1023および右装飾ユニット1024の構成について説明するが、左装飾ユニット1023および右装飾ユニット1024は、互いに対称形状であるため、左装飾ユニット1023を代表に説明する。なお、上記した遊技効果ランプ1016a,1016b,1017a,1017bは、遊技の演出を行う場合にのみ発光するものである。
【0368】
左装飾ユニット1023は、無色透明で透光性を有する合成樹脂により形成された第1のカバー部材である左第1カバー部材1201の後面側から、有色透明で透光性を有する合成樹脂により形成された第2のカバー部材である左第2カバー部材1203を係合固定することにより構成されている。左第1カバー部材1201は、なだらかな曲線でほぼ円弧状に形成されており、その上部右側方には、左装飾ユニット1023を透明板保持枠1004に取り付けた際に賞球LED1010の前面側を被覆する位置に、左第2カバー部材1203と重ならない非重合部1200が形成されている。この非重合部1200の内側面には、賞球LED1010の前面側を被覆する賞球LEDカバー部材1207が取り付けられる。また、左第1カバー部材1201の外周面には、左第2カバー部材1203の後述する係止突起1205が係止される係止穴1202が形成されている。
【0369】
一方、左第2カバー部材1203は、左第1カバー部材1201と同様に、なだらかな曲線でほぼ円弧状に形成されており、その上部および下部両側方には、左装飾ユニット1023を透明板保持枠1004に取り付けるための係止片1204が形成されると共に、その外周面には、左第1カバー部材1201の係止穴1202に係止される係止突起1205が形成されている。また、上部右側方には、左装飾ユニット1023を組み立てた際に、賞球LEDカバー部材1207を押圧するための押圧片1206が突設されている。
【0370】
また、左第2カバー部材1203の前面全体には、発光部材としての遊技効果ランプ1016a,1016bからの光を拡散するための光拡散処理が施されている。この光拡散処理は、左第2カバー部材1203の左第1カバー部材1201と対向する前面側と、遊技効果ランプ1016a,1016bと対向する左第2カバー部材1203の後面側と、で異なる形状で施されているローレット加工である。具体的には、左第2カバー部材1203の左第1カバー部材1201と対向する前面側には、上下方向のローレット加工が施され、遊技効果ランプ1016a,1016bと対向する左第2カバー部材1203の後面側には、左右方向のローレット加工が施されている。なお、光拡散処理は、このようなローレット加工に限らず、左第2カバー部材1203に貼付された光拡散シートであってもよい。
【0371】
上記した左第1カバー部材1201および左第2カバー部材1203は、弾球遊技機1001の中央側に位置する側面の長さが弾球遊技機1001の側方側に位置する側面の長さよりも短く形成され、弾球遊技機1001の中央側に位置する側面の前方端部と弾球遊技機1001の側方側に位置する側面の前方端部とを結ぶ面が、遊技効果ランプ1016a,1016bからの光を弾球遊技機1001の内側に向かせるための傾斜面1201a,1203aとして形成されている。具体的には、図71に示すように、左第1カバー部材1201と左第2カバー部材1203を組み付けた状態での側面の長さは、弾球遊技機1001の中央側に位置する側面よりも弾球遊技機1001の側方側に位置する側面の方が長く形成され、左第1カバー部材1201および左第2カバー部材1203を透明板保持枠1004の平坦な取付面に取り付けたときに、傾斜面1201aが内側、つまり遊技者側を向くようになっている。なお、右第1カバー部材1211および右第2カバー1213は、左第1カバー部材1201および左第2カバー部材1203と対称形状であるため、同様である。
【0372】
しかして、左装飾ユニット1023を透明板保持枠1004に取り付けるには、まず、左第1カバー部材1201の非重合部1200の裏面側から賞球LEDカバー部材1207を挿入した後、左第1カバー部材1201の裏面側から左第2カバー部材1203を重ね合わせる。このとき左第2カバー部材1203の係止突起1205が左第1カバー部材1201の係止穴1202に係止されることにより、左第2カバー部材1203が左第1カバー部材1201に固定される。このとき、左第2カバー部材1203の押圧片1206が賞球LEDカバー部材1207を押圧するため、賞球LEDカバー部材1207も同時に左第1カバー部材1201に固定される。このように左装飾ユニット1023を組み立てた後、左第2カバー部材1203の係止片1204を透明板保持枠1004の係止穴1227(図71参照)に係止させ、透明板保持枠1004の裏面側から取付ネジ1260を螺着することにより、左装飾ユニット1023が透明板保持枠1004に取り付けられる。
【0373】
なお、上記のように、左装飾ユニット1023について説明したが、左装飾ユニット1023における、非重合部1200,左第1カバー部材1201,傾斜面1201a,係止穴1202,左第2カバー部材1203,傾斜面1203a,係止片1204,係止突起1205,押圧片1206,賞球LEDカバー部材1207,取付ネジ1260が、右装飾ユニット1024における、非重合部1210,左第1カバー部材1211,傾斜面1211a,係止穴1212,左第2カバー部材1213,傾斜面1213a,係止片1214,係止突起1215,押圧片1216,賞球LEDカバー部材1217,取付ネジ1261に対応するものである。
【0374】
上記した左装飾ユニット1023の左側方には、台形状の装飾カバー1230a,同じく台形状の装飾カバー1230b,三角形状の1230cが、透明板保持枠1004の下方からこの順に備えられている。また、右装飾ユニット1024の右側方には、左装飾ユニット1023の場合と同様に、台形状の装飾カバー1230d,同じく台形状の装飾カバー1230e,三角形状の1230fが、透明板保持枠1004の下方からこの順に備えられている。装飾カバー1230a〜1230fは、透明板保持枠1004に形成されたカバー嵌入部1234a〜1234fにそれぞれ嵌入されるものであり、装飾カバー1230a〜1230fとカバー嵌入部1234a〜1234fとの間には、装飾シート1232a〜1232fがそれぞれ挟持されている。具体的には、装飾カバー1230a〜1230fの係合部1231a〜1231fに装飾シート1232a〜1232fの凹部1233a〜1233fを係合させながら、装飾シート1232a〜1232fを装飾カバー1230a〜1230fの裏面に当接させ、この状態で係合部1231a〜1231fをカバー嵌入部1234a〜1234f内に形成された係合穴1235a〜1235fに係合させることにより装飾カバー1230a〜1230f(無色透明)がカバー嵌入部1234a〜1234fに取り付けられる。なお、装飾シート1232a〜1232f(白色)は、装飾効果を向上させるためのものである。
【0375】
上記した装飾ランプ基板1194の下端部の右側方および、装飾ランプ基板1196の下端部の左側方には、遊技盤1040に貼付された証紙(証明手段;図示せず)を透視し得る後面透視窓1263が形成されている。また、後面透視窓1263の外周縁には、透視窓凸部1244が突設されている。また、左右の後面透視窓1263の透明板保持枠1004中心側の側方には、後述するガラスシャフト1245が嵌入されるシャフト挿入穴1246が穿設されている。
【0376】
上記した後面透視窓1263やシャフト挿入穴1246は、円形透視窓1005の下方に位置するものであるが、この円形透視窓1005の下方には、前面構成枠としての下部装飾ユニット1025が取り付けられている。この下部装飾ユニット1025は、有色の化粧部材である下部第2カバー部材1224の前面に透明の化粧部材である下部第1カバー部材1221を重ねることにより形成されている。下部第1カバー部材1221は、ほぼ円弧状に形成されるものであり、その両側方の下部は、下部第2カバー部材1224の後述する透視窓1225の前面側を被覆する透視窓被覆部1222として形成されている。また、両側方の上部には、下部第1カバー部材1221を透明板保持枠1004に取り付けるための取付穴1223が穿設されている。また、下部第1カバー部材1221の裏面側には、下部装飾ユニット1025を透明板保持枠1004に取り付けるための取付ボス(図示しない)が突設されている。
【0377】
下部第2カバー部材1224は、下部第1カバー部材1221と同様にほぼ円弧状に形成されるものであり、その両側方下部には、証紙を透視し得る透視窓1225が形成されている。この透視窓1225は、下部第2カバー部材1224の両側方に透視窓凸部1244の外周に沿った形状で形成されている。また、透視窓1225の近傍であって下部第1カバー部材1221の取付ボスと対応する位置には、下部第1カバー部材1221との位置決めをするための位置決め部1226が、形成されている。しかして、下部第1カバー部材1221の裏面側に下部第2カバー部材1224に重ね、透明板保持枠1004の裏面から取付ネジ1262によってねじ止めすることにより、下部装飾ユニット1024が透明板保持枠1004に取り付けられる。なお、下部第1カバー部材1221の裏面側に下部第2カバー部材1224に重ねた際、図70に示すように、下部第2カバー部材1224の透視窓1225の内側壁面と下部第1カバー部材1221の後面とにより透視窓凹部1264が形成され、この透視窓凹部1264の内側には、透視窓凸部1244が嵌合するようになっている。なお、従来は、例えば、図69に示すように、表側のカバー部材Aに形成された証紙を透視し得る透視窓Bの裏面側から、透明のカバー部材Cを取り付ける構造となっていた。
【0378】
透明板保持枠1004の裏面側には、上述したように、その上部にスピーカ1012a,1012bが取り付けられるが、スピーカ1012a,1012bの他にも保持枠中継基板1100や、配線を束ねて押えるための配線押え1258が取り付けられている。保持枠中継基板1100は、スピーカ1012aの左側方に位置しており、透明板保持枠1004の裏面側上部に突設された基板取付ボス1247に対して、取付ネジ1100aによって取り付けられ、配線押え1258は、下部右側方に取付ネジ1258aによって取り付けられている。
【0379】
更に、前面開閉枠1004の裏面における上辺および左右辺の補強周枠リブ1199の内側および下端面の内側には、補強防犯金具1250,1251,1252,1253が前面開閉枠4の裏面周回に穿設される取付穴1257(一部の取付穴1257にのみ符号を付してある)に補強防犯金具1250,1251,1252,1253の水平面に穿設される取付穴を対応させて取付穴1257に取付ネジ1266により止着されている。より具体的には、開放側に取着される補強防犯金具1252は、断面L字状であって、その水平面が取付穴1257に取り付けられる一方、その垂直面が補強周枠リブ1199の外側に突出する防犯立片1252aとして形成されると共にその防犯立片1252aの上下2か所から水平方向に係合片1265が突設されている。この係合片1265は、施錠装置1128の枠用フック1389と係合するものである。また、上辺に止着される補強防犯金具1250も、断面L字状であって、その水平面が取付穴1257に取り付けられる一方、その垂直面は、補強周枠リブ1199の外側に突出する防犯立片1250aとして形成される。同様に軸支側に取着される補強防犯金具1251も、断面L字状であって、その水平面が取付穴1257に取り付けられる一方、その垂直面は、補強周枠リブ1199の外側に突出する防犯立片1251aとして形成される。更に、同様に下辺に止着される補強防犯金具1253も、断面L字状であって、その水平面が取付穴1257に取り付けられる一方、その垂直面は、防犯立片1253aとして形成される。
【0380】
また、補強防犯金具1251の上端と補強防犯金具1250の右側端部との間には、上部ヒンジ金具1254が取付ネジ1254aによって共締めされており、補強防犯金具1251の下端と補強防犯金具1253の右側端部との間には、下部ヒンジ金具1256が取付ネジ1266によって共締めされている。上部ヒンジ金具1254には、軸支ピン1255が突設されており、この軸支ピン1255は、枠基体1003の後述する枠上部ヒンジ1306の挿通穴1307に挿通されるものである。また、上部ヒンジ金具1254を透明板保持枠1004に取り付けた際には、軸支ピン1255部分が透明板保持枠1004の表面上部左側方に設けられた上部ヒンジカバー部1208a内に収納されるようになっている。また、下部ヒンジ金具1256には、軸支穴1256aが穿設されており、この軸支穴1256aは、枠基体1003の後述する枠下部ヒンジ1318の軸支ピン1319が挿通されるものである。また、下部ヒンジ金具1256を透明板保持枠1004に取り付けた際には、軸支穴1256a部分が透明板保持枠1004の表面下部左側方に設けられた下部ヒンジカバー部1208b内に収納されるようになっている。
【0381】
また、前述したように、透明板保持枠1004の上部には、図72に示す上部装飾ユニット1022が取り付けられるが、次に、この上部装飾ユニット1022の構成について説明する。上部装飾ユニット1022は、主として上部装飾ユニット1022内に位置する遊技効果LED1013,1014a,1014c、遊技効果ランプ1014b,1014dからの光を反射する反射部材1270と、遊技効果LED1013,1014a,1014c、遊技効果ランプ1014b,1014dおよび反射部材1270を被覆する保護カバー1271と、から構成されている。また、反射部材1270の両側方には、透光レンズ1272が備えられている。
【0382】
まず、反射部材1270は、遊技効果LED1013,1014a,1014c、遊技効果ランプ1014b,1014dからの光をより反射し易くするために、その表面全体に亘って銀メッキが施されている。また、反射部材1270は、表面全体が複雑な凹凸形状をなしており、その中央部分が前面側に隆起した隆起部分としての隆起部1276として形成され、隆起部1176の前面側中央には、遊技効果LED1013が臨むLED穴1274が縦方向に一列に形成されている。このLED穴1274の両側方には、後述する前面飾り1289の取付ボス1290が挿通されるボス挿通穴1281が穿設されている。また、隆起部1276の側面は、図73に示すように、傾斜を持った隆起部側面1277として形成されている。
【0383】
隆起部1276の両側方には、半球状に形成されたランプ凹部1278が形成されており、このランプ凹部1278の両側方には、半球状のランプキャップ1282の係止片1283が係止される係止穴1279が形成されている。また、ランプ凹部1278の中央には、ランプ穴1275が穿設されており、左側のランプ凹部1278のランプ穴1275には、遊技効果ランプ1014bが、右側のランプ凹部1278のランプ穴1275には、遊技効果ランプ1014dが臨むようになっている。
【0384】
左側のランプ凹部1278の左側方および右側のランプ凹部1278の右側方は、反射部材1270の中央側に向けて湾曲して湾曲部1280が形成されている。また、この湾曲部1280の上方であって、反射部材1270の側方上端部には、反射部材1270および透光レンズ1272を保護カバー1271に取り付ける際に、透光レンズ1272を保護カバー1271と反射部材1270との間で挟持するための挟持片1273が形成されている。
【0385】
次に、保護カバー1271は、上部装飾ユニット1022を組み立てた際に、反射部材1270を視認可能な無色透明(うすく着色したものであってもよい)な材料で形成されると共に、反射部材1270全体を被覆する形状に形成されている。保護カバー1271の表面中央には、ほぼV字形状の前面飾り1289が取り付けられるようになっており、取り付けるためのボス挿通穴1285が穿設されている。また、表面両側方には、スピーカ穴1284が形成されており、このスピーカ穴1284は、上部装飾ユニット1022を透明板保持枠1004に取り付けた際にスピーカ1012a,1012bの前面側に臨むようになっている。また、保護カバー1271の上面両側方には、上部装飾ユニット1022を透明板保持枠1004に取り付けるための係止片1286が突設されている。更に、保護カバー1271の反射部材1270の隆起部側面1277を被覆する部分である側面被覆部1292(図73参照)には、遊技効果LED1013,1014a,1014c、遊技効果ランプ1014b,1014dからの光を拡散するための光拡散処理が施されている。この光拡散処理は、例えば、側面被覆部1292の表面に施されたローレット加工あるいは、側面被覆部1292の表面に貼付された光拡散シート等である。
【0386】
次に、透光レンズ1272は、有色の合成樹脂(第2カバー部材1203,1213と同じ色、例えば、黄色、オレンジ色等)により形成され、上部装飾ユニット1022内に位置する遊技効果LED1013,1014a,1014c、遊技効果ランプ1014b,1014dの光が透過するものである。透光レンズ1272は、一側方が湾曲して湾曲部1288として形成されると共に、その前面側には、光拡散処理としてローレット加工が施されている。また湾曲部1288の上方には、反射部材1270および透光レンズ1272を保護カバー1271に取り付ける際に、反射部材1270の挟持片1273によって押圧される押圧部1287が形成されている。
【0387】
しかして、保護カバー1271の裏面両側方に透光レンズ1272を挿入した後、同じく裏面側から反射部材1270を当接させる。このとき反射部材1270の挟持片1273が透光レンズ1272の押圧部1287を押圧する。この状態で、取付ボス1290をボス挿通穴1285,1281に挿通することにより、前面飾り1289を保護カバー1271に取り付け、反射部材1270の裏面側から取付ネジ1291を取付ボス1290に螺着することにより、上部装飾ユニット1022全体が組み立てられる。組み立てられた上部装飾ユニット1022は、図73で示すように、反射部材1270の隆起部側面1277と保護カバー1271の裏面側との間に空間が形成され、この空間によって、遊技効果LED1013,1014a,1014c、遊技効果ランプ1014b,1014dから発光されて保護カバー1271の裏面側で反射した光が反射部材1271の隆起部側面1277で反射することとなる。
【0388】
次に、上皿開閉枠1011について図74を参照して説明する。図74は、上皿開閉枠1011の正面からの分解斜視図である。上皿開閉枠1011は、主として上皿開閉枠1011のベースとなる上皿装飾部材1400と、上皿装飾部材1400に取り付けられる上皿1019とから構成されている。上皿1019は、主として透明の合成樹脂製の上皿第1カバー体1401と有色の合成樹脂製の上皿第2カバー体1409と同じく有色の合成樹脂製の上皿本体1420とを取付ネジ1413,1447で取り付けることにより構成されると共に、上皿装飾部材1400に対して取付ネジ1448で取り付けられている。なお、上皿装飾部材1400と上皿1019との間には、透明の合成樹脂製の第1ベース板1429および有色の合成樹脂製の第2ベース1433が挟持されて取り付けられている。この第1ベース板1429および第2ベース1433は、取付ネジ1449によって、上皿装飾部材1400に取り付けられると共に、取付ネジ1450によって上皿1019と共締めされている。
【0389】
上皿装飾部材1400には、その開放側の上部に球抜きレバー用開口1445が開設され、この球抜きレバー用開口1445には、球抜き操作レバー1021が臨むレバー装飾部材1426が第1ベース板1429の第1レバー開口1430と第2ベース1433の第2レバー開口1434とを介して取付ネジ1426a,1469によって取り付けられるようになっている。この球抜き操作レバー1021は、レバーベース1464の取付穴1464aに挿通され、レバー装飾部材1426の挿入穴1427を貫通した取付ネジ1465によりレバーベース1464に取り付けられるものである。レバーベース1464は、その上部(取付穴1464aが穿設されている部分)がスプリング1466と共に球抜きレバー収納部材1467に収納されて上皿装飾部材1400の裏面に取り付けられるものであるが、その取付構造は、球抜きレバー用開口1445の左右に突設される取付ボス(図示しない)に、球抜きレバー収納部材1467の左右に突設される取付片1468を対応させて取付ネジ1469で止着されるものである。また、レバーベース1464の下部の一側には、下方に向けて連結片1479が突設されている。この連結片1479は、第1ベース板1429の第1球抜き弁用開口1432と第2ベース1433の第2球抜き弁用開口1436と上皿装飾部材1400の装飾部材球抜き弁用開口1480とを貫通する球抜き弁1423の挟持片1424と係合するものである。球抜き弁1423は、上皿本体1420の後述する整列部1481の流下端底面を開閉自在に閉塞するもので、上皿本体1420の内部空間に設けられるものである。
【0390】
しかして、遊技者が球抜き操作レバー1021をスプリング1466の付勢力に抗して一方向に移動させることにより、レバーベース1464および球抜き弁1423が移動して上皿本体1420の後述する貯留部1482に貯留されていた球を整列部1481から上皿本体1420の内部に形成される球抜き路(図示しない)を流下させ、上皿装飾部材1400の下部中央に穿設される球抜き穴1444から後述する誘導ボックス部材1342の抜き球転動面1398に導き、抜き球転動面1398から溢れ球入口1397を介して排出口1335から接続樋1392を介して下皿1027に誘導するものである。なお、上記した球抜きレバー収納部材1467およびレバーベース1464は、球抜き用カバー1476によって覆われているが、その球抜き用カバー1476は、上皿装飾部材1400の裏面に突設される取付ボス(図示しない)に取付ネジ1477,1478で止着されるようになっている。また、上皿本体1420は、上皿装飾部材1400の左側上部に形成される賞球払出口1020と上皿装飾部材1400の右側下部に形成される球送り部材用開口1446とを連絡するように貯留部1482と整列部1481とを有して形成されている。なお、第1ベース板1429および第2ベース板1433には、賞球払出口1020と対応する位置にそれぞれ第1切欠部1431および第2切欠部1435が形成されている。
【0391】
上記した賞球払出口1020の裏面には、賞球接続樋1455が取り付けられている。この賞球接続樋1455は、賞球払出口1020の左右外側に突設される取付ボス(図示しない)に左右の取付片1456に対応させて取付ネジ1459,1478で止着するものである。なお、取付ネジ1478は、球抜き用カバー1476と共締めに使用されるものである。また、このとき、賞球接続樋1455の上壁面および左右側壁面を被覆する金属製の被覆部材1457も一体的に取り付けられるようになっている。具体的には、被覆部材1457に形成された取付片1458が賞球接続樋1455の取付片1456と共に取付ボスに取付ネジ1459,1478止めされることで取り付けられる。これにより、金属製の被覆部材1457が賞球接続樋1455を被覆する構成となり、タバコ、ライター、熱線等の発熱具によって不正に合成樹脂製の賞球接続樋1455に穴を開けてピアノ線などをその穴から挿入するような不正行為を防止するようになっている。
【0392】
また、上記した球送り部材用開口1446には、揺動部材1472を有する球送り部材1470が臨むようになっている。この球送り部材1470は、その左右部に一体的に形成される嵌合取付ボス1471を上皿本体1420の下流端に形成される取付ボス1421に嵌合させて取り付け、球送り部材用開口1446の近傍に突設される取付ボス(図示しない)に取付ネジ1475によって揺動自在に止着される止め金1473によってその背面が押圧されて脱落しないように取り付けられるものである。しかして、球送り部材1470は、整列部1481から供給される打球を受け入れ、後に詳述する打球発射装置1130の打球槌1600の往復動作に連動して揺動する揺動部材1472の動作に応じて打球を1個ずつ発射レール1345(図75参照)の発射位置に供給するものである。
【0393】
また、上皿装飾部材1400の左側方には、台形状の装飾カバー1438aが備えられ、上皿装飾部材1400の右側方には、台形状の装飾カバー1438bが備えられている。装飾カバー1438a,1438bは、上皿装飾部材1400に形成されたカバー嵌入部1442a,1442bにそれぞれ嵌入されるものであり、装飾カバー1438a,1438bとカバー嵌入部1442a,1442bとの間には、装飾シート1440a,1440bがそれぞれ挟持されている。具体的には、装飾カバー1438a,1438bの係合部1439a,1439bに装飾シート1440a,1440bの凹部1441a,1441bを係合させながら、装飾シート1440a,1440bを装飾カバー1438a,1438bの裏面に当接させ、この状態で係合部1439a,1439bをカバー嵌入部1442a,1442b内に形成された係合穴1443a,1443bfに係合させることにより装飾カバー1438a,1438b(無色透明)がカバー嵌入部1442a,1442b取り付けられる。なお、装飾シート1440a,1440b(白色)は、装飾効果を向上させるためのものである。
【0394】
また、上皿装飾部材1400の軸支側の裏面には、上皿装飾部材1400を枠基体1003に対して開閉自在に軸支するための上皿ヒンジ1451が取付ネジ1454によって取り付けられている。上皿ヒンジ1451は、上部が前面側に向けて直角に折り曲げられると共に、その先端には、挿通穴1452が穿設されている。また、下部には、L字形のヒンジピン1453が備えられている。挿通穴1452には、枠基体1003の後述する枠下部ヒンジ1318の軸支ピン1319が挿通され、ヒンジピン1453は、同じく枠基体1003の後述する下皿枠ヒンジ1322の挿通穴1323に挿通されるものである。この軸支ピン1319およびヒンジピン1453を中心に上皿装飾部材1400が枠基体1003に対して開閉自在に軸支される。
【0395】
また、上皿装飾部材1400の開閉側の裏面には、上皿開閉枠1011を枠基体1003に対して開閉するための上皿ロック1460が取付ネジ1463によって取り付けられている。上皿ロック1460には、枠基体1003の後述する上皿ロック板1352に係止される係止片1462と、上皿開閉枠1011を開閉する際に下方に押すことにより上皿ロック板1352と係止片1462との係止が解除される操作片1461が備えられている。
【0396】
次に、上皿1019を構成する上皿第1カバー体1401,上皿第2カバー体1409および上皿本体1420について説明する。上皿本体1420は、賞球を貯留する貯留部1482と貯留部1482に連通して賞球を一列に整列して発射位置に導く整列部1481とが合成樹脂によって一体的に形成されたものである。整列部1481の底面には、流下する球によって底面が摩耗しないように金属製の補強板(アース板)1425が取り付けられていると共にその下流部に球抜き弁1423が設けられている。なお、補強板1425は、接続線を介して上皿ヒンジ1451に接続され、上皿ヒンジ1451が補強ヒンジ部材1176に接続されることで、整列部1481に整列される遊技球の静電気を放電するようになっている。即ち、補強板1425は、アース板としても作用するようになっている。
【0397】
また、上皿本体1420の下部辺に沿って複数の取付穴1422が一体的に形成されると共に、一側端部に取付ボス1421が後方に向かって突設されている。取付穴1422は、次に説明する上皿第2カバー体1409を組み付けるためのものであり、取付ボス1421は、球送り部材1470を取り付けるためのものである。また、上皿本体1420の上部縁に沿って係合凹部1483が形成され、上皿第2カバー体1409を組み付けたときに上皿第2カバー体1409の上端縁に沿って形成される係合凸部1484が嵌合されるようになっている。更に、上皿本体1420の前面側には、球抜き弁1423によって球抜きされた球を後述する誘導ボックス部材1342の抜き球転動面1398に導くための球抜き路(図示しない)が形成されている。
【0398】
一方、上記した上皿本体1420の前方および下方を覆う上皿第2カバー体1409は、その上部に上皿本体1420の前端部の外形と合致する係合凸部1484が形成されると共に、その前面に上皿第1カバー体1401を取り付けるための取付穴1412が穿設されている。また、裏面側には、上皿第2カバー体1409を上皿装飾部材1400に取り付けるための取付ボス1411が突設されている。また、上皿本体1420を組み付けたときの整列部1481に対応する部分の上皿第2カバー体1409の上面には、取付開口1410が開設されている。この取付開口1410には、透光性のある半透明合成樹脂(スモーク)で形成される透視レンズ板1414が装着されるようになっている。透視レンズ板1414には、その周辺に周辺鍔部1415が段差状に形成されている。周辺鍔部1415は、透視レンズ板1414を下皿カバー体1233の内側から取付開口1410に嵌め込むように装着したときに取付開口1410の開口縁と当接するものである。
【0399】
ところで、透視レンズ板1414は、その裏面側に残高表示基板1104(図64に符号のみ記載)が取り付けられるようになっている。即ち、透視レンズ板1414の裏面には、一対の基板取付ボス(図示しない)が垂下され、この基板取付ボスの下端に残高表示基板1104が取付ネジ(図示しない)によって止着されている。残高表示基板1104には、その上面に球貸スイッチ1036(図64に符号のみ記載)、返却スイッチ1037(図64に符号のみ記載)、度数表示LED1105(図64に符号のみ記載)、球貸可表示LED1106(図64に符号のみ記載)が実装されていると共にその裏面に配線がコネクタ接続されている。これらのスイッチ1024,1025および表示LED1105,1106は、弾球遊技機1001に隣接して設けられるカードユニット装置1031を介して遊技球を借り受ける際に操作する操作部を構成するものである。球貸スイッチ1036は、球貸可表示LED1106が点灯しているときにカードユニット装置1031によって遊技球を借り受ける際に操作するものであり、返却スイッチ1037は、遊技終了の際にカードユニット装置1031のカード挿入口に差し込まれたカードを返却するためのものである。また、度数表示LED1105は、カードユニット装置1031のカード挿入口に差し込まれたカードの残額が表示されるものである。
【0400】
また、透視レンズ板1414には、球貸スイッチ1036および返却スイッチ1037に対応する位置に操作ボタン用開口1417が形成され、この開口1417に球貸ボタン1418aと返却ボタン1418bとがそれぞれバネ1419a,1419bを介して摺動可能に取り付けられ、各ボタン1418a,1418bの裏面中央に突設される押圧突起(図示しない)によって各スイッチ1024,1025を押圧するようになっている。なお、カードユニット装置1031が隣接しない弾球遊技機にこの構造の上皿1019を適用する場合には、その裏面側に残高表示基板1104の取付をせず、操作ボタン用開口1417に予備ボタンを埋め込んだ透視レンズ板を使用しても良いし、あるいは開口1417および基板取付ボスのない透視レンズ板を使用しても良い。また、上皿1019を取り付けた状態で整列部1482に対応する部分には、流下する打球によって透明板保持枠1004の前面側が摩耗しないように摩耗防止部材1437(ナイロンシート)が取り付けられるようになっている。
【0401】
また、上記した上皿第2カバー体1409の前面側には、上皿第2カバー体1409を覆うように上皿第1カバー体1401が備えられている。この上皿第1カバー体1401は、透明の合成樹脂によってほぼ上皿第2カバー体1409の外形に沿った形状で形成されているが、上皿第2カバー体1409とは異なり、その両双方上下には、後述する上皿レンズ1405〜1408が挿入されるレンズ挿入部1485a〜1485dが形成されている。また、その前面ほぼ中央に合成樹脂製のネーム装飾板1404を取り付けるための取付凹部1403が形成されている。ネーム装飾板1404には、製造元のロゴが表示され、取付凹部1403に貼付するようになっている。なお、ネーム装飾板1404は、その取付部分となる上皿第1カバー体1401とは個別の部材で構成されているので、ネーム装飾板1404の色彩を透明板保持枠1004の他の部材の色彩と異ならせることにより、製造元の表示にインパクトを持たせることもできる。
【0402】
上記した上皿第1カバー体1401は、取付ネジ1413によって上皿第2カバー体1409と組み付けられると共に、取付ネジ1448を取付ボス1402に螺着することによって上皿装飾部材1400に取り付けられる。なお、上皿装飾部材1400に取り付ける際に、有色の合成樹脂により形成される上皿レンズ1405〜1408をそれぞれレンズ挿入部1485a〜1485dに挿入することにより、上皿レンズ1405〜1408が上皿第1カバー体1401と上皿装飾部材1400とで挟持されるように取り付けられる。
【0403】
次に、枠基体1003の構成および枠基体1003に取り付けられる各種構成部材について、図75〜図79を参照して説明する。図75は、枠基体1003の正面からの分解斜視図であり、図76は、枠基体1003の背面からの分解斜視図であり、図77は、下皿1022の正面からの分解斜視図であり、図78は、灰皿ユニット1029の正面からの分解斜視図であり、図79は、操作ハンドル1030の正面からの分解斜視図である。枠基体1003は、合成樹脂によって一体成型されるものであり、図75に示すように、上部の透明板保持枠1004に対応する透明板保持枠対応板部1300と、下皿1027、灰皿ユニット1029、および操作ハンドル1030に対応する下皿対応板部1301と、から構成されている。透明板保持枠対応板部1300と下皿対応板部1301とは、僅かな段差をもって形成されており、また、透明板保持枠対応板部1300のほぼ中央には、遊技盤1040の遊技領域1041が臨む開口1302が開設されている。開口1302は、ほぼ角型に形成されるが、その下部一側には、遊技盤1040の下部側方に貼付される各種団体の証明用の証紙が臨むための証紙用開口1303となっている。また、透明板保持枠対応板部1300の上部両側方には、透明板保持枠1004の上部に取り付けられるスピーカ1012a,1012bの後部と枠基体1003が緩衝しないように、スピーカ逃げ穴1486が形成されている。
【0404】
また、透明板保持枠対応板部1300の一側上部には、枠上部ヒンジ1306を取り付けるための枠上部ヒンジ取付面1305が、この枠上部ヒンジ取付面1305の下方には、枠下部ヒンジ1318を取り付けるための枠下部ヒンジ取付面1317が、更に、この枠下部ヒンジ取付面1317の下方には、下皿枠ヒンジ1322を取り付けるための下皿枠ヒンジ取付面1321が形成されている。枠上部ヒンジ取付面1305には、上記のように枠上部ヒンジ1306が取り付けられる他に、枠上部ヒンジ1306の前面側に枠上部ヒンジ1306を被覆する枠上部ヒンジカバー1308が取り付けられる。また、枠上部ヒンジ取付面1305の裏面側には、枠基体上部ヒンジ1311が取り付けられる。これら、枠上部ヒンジ1306,枠上部ヒンジカバー1308,枠基体上部ヒンジ1311は、枠基体1003に対して共締めされるものであり、具体的には、枠基体1003の裏面側から枠基体上部ヒンジ1311当接させ、表面側から枠上部ヒンジ1306,枠上部ヒンジカバー1308の順に当接させた後に、枠基体1003の裏面側から枠上部ヒンジカバー1308の取付ボス1309に対して取付ネジ1313を取付穴1310を介して螺着することにより取り付ける。また、枠下部ヒンジ1318は、取付ネジ1320によって枠下部ヒンジ取付面1317に取り付けられ、下皿枠ヒンジ1322は、取付ネジ1324によって下皿枠ヒンジ取付面1321に取り付けられる。枠上部ヒンジ1306は、L字形状に折り曲げられて形成され、折り曲げられて形成された水平部分の先端には、挿通穴1307が穿設されており、この挿通穴1307には、透明板保持枠1004の上部ヒンジ金具1254の軸支ピン1255が挿通されるものである。また、枠下部ヒンジ1318は、L字形状に折り曲げられて形成され、折り曲げられて形成された水平部分の先端には、軸支ピン1319が挿通されており、この軸支ピン1319には、透明板保持枠1004の下部ヒンジ金具1256の軸支穴1156aに挿通されるものである。 上記した軸支ピン1255および軸支ピン1319を中心に透明板保持枠1004が枠基体1003に対して開閉自在に軸支される。
【0405】
また、枠基体1003裏面の一側下端には、取付ボス1370に対し取付ネジ1379によって枠基体下部ヒンジ1377が取り付けられている。この枠基体下部ヒンジ1377は、上記した枠基体上部ヒンジ1311と共に、枠基体1003を外枠1002に対して開閉自在に軸支するためのものである。枠基体上部ヒンジ1311の上面および枠基体下部ヒンジ1377の下面が前方に突出していてその突出部に挿通穴1312,1378がそれぞれ形成され、その挿通穴1312,1378に外枠1002に固着される軸支金具1488の軸支ピン1489(図61参照)が貫通して枠基体1003が外枠1002に開閉自在に軸支されるものである。
【0406】
一方、透明板保持枠対応板部1300の下辺を除く外周には、防犯溝1487が刻設されている。この防犯溝1487は、透明板保持枠1004の補強防犯金具1250〜1252の防犯立片1250a〜1252aが挿入されるものであり、透明板保持枠1004を閉じたときに、防犯立片1250a〜1252aを防犯溝1487に侵入せしめることにより、透明板保持枠1004と枠基体1003との境目からピアノ線等の細い針金を差し込む不正を防止することができるものである。
【0407】
また、開放側の防犯溝1487に隣接する上下部には、フック連通穴1327が形成されている。フック連通穴1327は、後述する施錠装置1128の開閉枠用フック部が貫通するものであり、フック連通穴1327から前方に突出した開閉枠用フック部が透明板保持枠1004の後述する係合片1265と係脱し得るものである。下方のフック連通穴1327の側方には、スイッチ取付穴1304が形成されており、このスイッチ取付穴1304には、透明板保持枠1004を開放した際にその旨を知らせる信号を発振する保持枠開放スイッチ1111が取り付けられている。
【0408】
また、開放側の透明板保持枠対応板部1300の下方は、シリンダー錠装飾部材1032が取り付けられる装飾部材取付面1757として形成されている。装飾部材取付面1757上方および下方には、装飾部材取付面1757を取り付けるための取付ネジ1356が挿通される取付穴1355が形成され、上方の取付穴1355の下方には、シリンダー錠1026が挿通されるシリンダー錠穴1758が穿設されている。また、装飾部材取付面1757に取り付けられるシリンダー錠装飾部材1032にもシリンダー錠穴1354が穿設されている。
【0409】
ところで、上記透明板保持枠対応板部1300の奥側の部分は、凹んだ状態の板状の支持板部1326として形成されており、その支持板部1326の一側上部に上皿流出用開口1325が形成され、上皿流出用開口1325の下部前方に誘導ボックス部材1342が取着されている。上皿流出用開口1325の前端面の上部および側部に沿って立壁が立設され、立壁の上端から前方に防犯用水平リブ1329が立設される。この防犯用水平リブ1329によって囲まれた空間には、透明板保持枠1004が閉じた状態で透明板保持枠1004の賞球払出口1020の裏面に止着される賞球接続樋1253の後端部が侵入し得るようになっており、賞球接続樋1455の後端と上皿流出用開口1325との間からピアノ線等の不正具を挿入させないようにしている。なお、上皿流出用開口1325の後端上面には、後方に伸びる突出片部1331が突設され、この突出片部1331が機構板1140の上皿連通口1713内に侵入して、賞球払出口1020から侵入せしめられるピアノ線等の不正具が枠基体1003と機構板1140との隙間から侵入しないように防止している。
【0410】
一方、上皿流出用開口1325の反対側の支持板部1326の上部にも防犯用立壁1330が立設され、防犯用立壁1330の上部にも防犯用水平リブ1329が前方に向かって延設されている。この防犯用水平リブ1329も透明板保持枠1004と枠基体1003の側部からの不正具の侵入を阻止するためのものである。また、防犯用立壁1330の裏面には、遊技盤1040を載置したときに遊技盤1040に形成される位置決め穴と係合する位置決め突起1358が突設されている。
【0411】
また、支持板部1326の前面には、誘導ボックス部材1342および発射レール1345がそれぞれ支持板部1326に穿設された各取付穴1336a,1336bに取付ネジ1344,1351で取り付けられている。発射レール1345は、上皿1019から供給された打球であって球送り部材1470から1個ずつ供給される打球をその下流端の発射位置に載置し、打球発射装置1130の打球槌1600によって打ち出された打球を遊技盤1040の誘導レール1042に導くものである。なお、発射レール1345の上流端と遊技盤1040の誘導レール1042の下流端との間は、ファウル球口1399となっており、遊技領域1041に到達することなく誘導レール1042を逆走した打球が誘導ボックス部材1342に導かれるようになっている。
【0412】
上記した発射レール1345は、球の発射位置を形成するレール部材1346と、上皿1019から供給された球を発射位置に誘導する誘導片1347と、が取付基板1348に取り付けられて構成されている。取付基板1348には、レール部材1346をビス止めするための取付ボス1349と、誘導片1347をビス止めするための取付穴(図示しない)と、取付基板1348を支持板部1326に取付ネジ1351止めするための取付穴1350と、が形成されている。レール部材1346は、くノ字状に折曲形成されたステンレス鋼(SUS304BA、SUS301、3/4Hなど)からなる。また、レール部材1346のくノ字状の折曲部分には、打球発射装置1130の打球槌1600を挿通するための挿通穴(図示しない)が穿設され、その部分が球の発射位置を形成するようになっている。なお、ステンレス鋼からなるレール部材1346の肉厚を薄くしてその表面に硬質クロムメッキの処理を施すようにしてもよい。こうした場合には、材料(ステンレス鋼)を薄くすることができ、コストダウンが招来できる。一方、誘導片1347は、合成樹脂で形成されており、これによって供給時の球の衝撃を和らげて球を発射位置に安定させるようになっている。
【0413】
また、誘導ボックス部材1342は、透明板保持枠1004を開放したときに上皿流出用開口1325から溢れ落ちる賞球が受け入れられる溢れ球入口1397と、ファウル球口1399と、上皿1019から球抜きされた球を受け入れる抜き球転動面1398と、を有し、それぞれの入口から流入してきた球を支持板部1326に形成される排出口1335に取り込み、枠基体1003の裏面下部に止着される接続樋1392を介して下皿1027に誘導するものである。なお、誘導ボックス部材1342の上辺一側には、発射球誘導板1343が突設され、遊技盤1040の誘導レール1042下流端を走行する打球が複層ガラス板に衝突しないように案内している。また、支持板部1326には、上記した誘導ボックス部材1342の側方に配線通し開口1332が開設されている。この配線通し開口1332には、上皿1019内に設けられる残高表示基板1104に実装される電気部品等からの配線、および透明板保持枠1004に設けられる電気部品(スピーカ1012a,1012bなど)からの配線をまとめて枠基体1003の裏側に導くものである。
【0414】
また、支持板部1326の右側方には、上皿ロック板1352が取付ネジ1353によって取り付けられている。この上皿ロック板1352は、上皿開閉枠1011を閉塞した際に、上皿ロック1460の係止片1462が係止されるものである。
【0415】
また、支持板部1326の上端辺は、遊技盤1040を載置し得るように遊技盤1040とほぼ同じ幅を有するように形成されるが、そのほぼ中央には、図76に示すように、押え部材取付凹部1357とアウト球連通口1333とが形成されている。押え部材取付凹部1357には、遊技盤1040の裏面下部を遊技盤収納枠部1393に収納して支持板部1326の上辺に載置した際に押圧固定するための遊技盤係止レバー1366を取り付ける取付ボス1334が突設形成されている。また、アウト球連通口1333は、その下流にアウト球連絡通路1359が連通され、そのアウト球連絡通路1359の下流端に遊技盤1040に形成されるアウト口1069に取り込まれたアウト球を機構板1140のアウト球通路にスムーズに導くためのアウト球誘導リブ1750が形成されている。また、アウト球連絡通路1359の右側方には、段差形状の枠基体球抜き通路1394が形成されている。枠基体球抜き通路1394は、その上部が機構板1140の球抜き通路に連通されると共に、その下部は、後述する閉塞板1386に形成される球抜き通路口1396に連通している。
【0416】
なお、支持板部1326の裏面は、取付穴1387に係止片1368を係止することにより止着される閉塞板1386によって閉塞されており、アウト球誘導リブ1750が形成される部分に対応する閉塞板1386には、アウト球出口1388が形成されている。また、閉塞板1386の右側方には、枠基体球抜き通路1394と対応する部分に通路カバー部1395が突出して形成されており、通路カバー部1395の下方には、球抜き通路口1396が形成されている。球抜き通路口1396は、機構板1140の球抜き通路下流部1712に臨んでいる。
【0417】
また、図示しないが、支持板部1326と閉塞板1386との間は、アウト球連絡通路1333が形成されるように中空状になっているが、その中空部には、発射レール1345、誘導ボックス部材1342、閉塞板1386をビスで止着するための取付ボス1751が多数突設されている。
【0418】
枠基体1003の透明板保持枠対応板部1300の構造は、概ね上記した通りであるが、下皿対応板部1301においては、図75に示すように、そのほぼ中央に余剰球排出口1338が開設され、軸支側に灰皿用凹部1337が形成され、開放側に配線通し穴1340が形成されている。余剰球排出口1338は、下皿1027に余剰の賞球を払い出すための開口であり、灰皿用凹部1337は、灰皿ユニット1029の回動動作が行えるようにするためのものであり、配線通し穴1340は、操作ハンドル1030の内部に設けられる各種スイッチ類の配線を枠基体1003の裏側に通すための開口である。なお、下皿対応板部1301には、後述する下皿第2セット板1540を取り付けるための下皿取付穴1339も多数形成されている。
【0419】
一方、枠基体1003の裏面構造においては、図76に示すように、遊技盤収納枠部1393が合成樹脂によって一体的に成型されている。しかして、遊技盤収納枠部1393は、遊技盤1040を内側に収納支持しかつ固定するものであるため、遊技盤1040を支持する構造および遊技盤1040を正確に固定するための部品を有する。また、遊技盤収納枠部1393は、遊技盤1040の裏面に設けられて所定個数の景品球を払い出すための各種の機構が設けられる機構板1140を正確に取り付けるための部品も有する。具体的には、遊技盤1040を収納支持する構造として遊技盤1040の左右前面と当接する内側当接段部1752と、複数(2個)の位置決め突起1429,1453とがある。2つの位置決め突起1358,1361のうち、一方の位置決め突起1358は、上述したように防犯用立壁1330の裏面側に突設されるが、他方の位置決め突起1361は、枠基体1003の上部中央に突設される。
【0420】
上記のような遊技盤収納構造においては、遊技盤1040の下部は、支持板部1326の上面に載置されると共に位置決め突起1358によって位置決めされ、左右を遊技盤収納枠部1393および内側当接段部1752(リブ)とによって規制され、更に、上部を位置決め突起1361と内側当接段部1752とによって当接位置決めすることにより遊技盤1040を正確な位置に収納されるようになっている。なお、上部位置には、外枠当接リブ1362が突設されているが、この外枠当接リブ1362は、外枠1002と枠基体1003の内側との間隔を狭くして、枠基体1003の上動範囲を小さくするものであり、これによって枠基体1003を外枠1002に対して閉じたときにガタ付きのないようしている。
【0421】
また、遊技盤1040を固定するための部品として複数(4個)の遊技盤係止レバー1366,1753がある。遊技盤係止レバー1366は、遊技盤1040を遊技盤収納枠部1393に隣接した位置に形成されるレバー取付穴1360に装着した状態で回動することにより遊技盤1040の裏面から押圧して遊技盤1040を遊技盤収納枠部1393内に堅固に収納支持固定するものである。一方、遊技盤係止レバー1753は、支持板部1326の押え部材取付凹部1357に突設される取付ボス1334に取付ネジ1367で固着されるものである。
【0422】
また、機構板1140を取り付けるための部品として複数(3個)の機構板固定用突起1364がある。しかして、1つの機構板固定用突起1364は、支持板部1326の裏面を被覆する閉塞板1386の左側方上部であって枠基体1003の開放側に取付ネジ1365で着脱自在に取り付けられるものである。また、他の2つの機構板固定用突起1364は、開放側の上部と軸支側の上辺とに取付ネジ1365で着脱自在に取り付けられる。また、枠基体1003の開放側に位置する機構板固定用突起1364の下方には、スイッチ取付部1759が形成されており、このスイッチ取付部1759には、枠基体1003を開放した際にその旨を知らせる信号を発振する枠基体開放スイッチ1111が取り付けられている。また、遊技盤収納枠部1393の一側上下には、機構板1140を開閉自在に軸支するためのヒンジ金具1314が取付ボス1369に取付ネジ1316で強固に止着されている。
【0423】
枠基体1003の裏面構造において、上記した以外の構成として、開放側の裏面に施錠装置1128が取付ネジ1391で取付ネジ1363に固着され、下皿対応板部1301の裏面に接続樋1392(図60参照)、打球発射装置1130、中継基板取付台1383が固着または装着され、軸支側上下に枠基体上部ヒンジ1311および枠基体下部ヒンジ1377が固着され、更に、中継基板取付台1383の一側方に後述する灰皿ユニット1029が回動可能あるいは回動不可のいずれかに切り換えるための灰皿固定板1380が取付ネジ1381で固着されている。この灰皿固定板1380には、灰皿ユニット1029を回動可能あるいは回動不可とするために灰皿固定板1380をいずれの方向に移動させるかの説明を記した灰皿シール1381が貼付されている。なお、中継基板取付台1383は、その外周端部に突設された取付片1384が枠基体1003裏面の取付ボス1754に取付ネジ1385止めして取り付けられる。また、枠基体1003裏面の軸支側下部には、上下一対の取付ボス1755が形成されおり、取付ボス1755に補強金具1371が取付ネジ1372で止着されるようになっている。この補強金具1371には、配線を束ねるための配線束ね1373が取り付けられている。なお、この補強金具1371は、外枠1002と係合するようになっていて、ガタつき防止の役目をしている。
【0424】
上記した施錠装置1128は、従来から使用されているもので、シリンダー錠1026を一方向に回動させることにより、前面枠用フック1389を上動せしめて外枠1002の側板内側上下に止着される掛止片1129(図60参照)との係合を解除して枠基体1003を外枠1002から開放でき、シリンダー錠1026を他方向に回動させることにより、開閉枠用フック部(図示しない)を下動せしめて透明板保持枠1004の裏面開放側上下に取り付けられる係合片1265との係合を解除して透明板保持枠1004を枠基体1003から開放することができるものである。なお、施錠装置1128には、外枠1002に対して枠基体1003を開放した状態で開閉枠用フック部の係合を解除するためのガラス枠開放レバー1390がその中程に設けられている。また、接続樋1392は、機構板1140の余剰球通路1711の下流端に臨む賞球受開口(図示しない)と、誘導ボックス部材1342に誘導された球が排出される排出口1756の裏側を覆う誘導樋部(図示しない)とが前後方向に重複状に設けられて構成されるものである。そして、余剰球通路1711に流出した余剰の賞球、および誘導ボックス部材1342に受け入れられた溢れ球、ファール球、球抜き球を下皿1027に誘導するものである。
【0425】
次に、下皿対応板部1301の前面側には、そのほぼ全域を被覆する下皿1027が取り付けられる。この下皿1027の構成について図77を参照して詳細に説明する。下皿1027は、図77に示すように、下皿第2セット板1540と、下皿第2セット板1540の前面側を被覆する下皿第1セット板1534と、下皿第1セット板1534の前面側に取り付けられる下皿本体1519と、下皿本体1519の前面および左右を覆う下皿第2カバー部材1528と、下皿第2カバー部材1528の前面側を被覆する下皿第1カバー部材1513と、下皿1027の前面部分を構成する下皿カバー体1490と、から構成されている。なお、下皿第1カバー部材1513と下皿第2カバー部材1528との間には、下皿中央レンズ1525,下皿左レンズ1526および下皿右レンズ1527が挟持されている。
【0426】
下皿第2セット板1540は、有色の樹脂材料によって形成されるものであり、そのほぼ中央に賞球出口1541が形成され、その賞球出口1541の後方に賞球誘導筒部1547が後方に突出されている。この賞球誘導筒部1547は、前述したように下皿対応板部1301のほぼ中央に開設される余剰球排出口1338を貫通して接続樋1392に接続されるものであり、賞球誘導筒部1547の両側には、接続樋1392の位置決めピン(図示しない)を差し込んで位置決めを行う位置決め穴(図示しない)が形成されている。また、賞球出口1541の両側方上部には、差し込み溝1548が形成されており、この差し込み溝1548に下皿第1カバー部材1513の両側方に形成された挿入片1558が挿入されて下皿第2セット板1540を下皿第1カバー部材1513に対して位置決めするようになっている。また、賞球出口1541の下方に位置決め突起1549が突設されると共に一側下方に位置決め突起1545が突設されており、位置決め突起1549,1545が下皿第2カバー部材1528の位置決め穴1550および位置決め穴1539にそれぞれ差し込まれて下皿第1カバー部材1513が下皿第2カバー部材1528に対して位置決めするようになっている。
【0427】
また、下皿第2セット板1540の前面には、複数の取付ボスが突設されている。このうち取付ボス1542は、下皿本体1519の取付片1521と対応させ、下皿第1セット板1534の取付穴1536を介して取付ネジ1523で裏面から止着することにより、下皿第1セット板1534および下皿第2セット板1540と下皿本体1519とを組み付けるものである。また、取付ボス1543は、下皿カバー体1490の取付ボス1496および下皿第2カバー部材1528の取付ボス1530と対応させ、下皿第1セット板1534の取付穴1537を介して取付ネジ1531で裏面から止着することにより、下皿第1セット板1534および下皿第2セット板1540と下皿カバー体1490および下皿第2カバー部材1528とを組み付けるものである。また、取付ボス1544は、下皿カバー体1490の取付ボス(図示しない)と対応させ、下皿第1セット板1534の取付穴1538を介して取付ネジ1546で裏面から止着することにより、下皿第1セット板1534および下皿第2セット板1540と下皿カバー体1490とを組み付けるものである。
【0428】
また、賞球出口1541の下方には、取付穴1551が穿設されているが、この取付穴1551は、下皿本体1519の取付穴(図示しない)と対応させ、下皿第1セット板1534の取付穴1552を介して取付ネジ1524で裏面から止着することにより、下皿第1セット板1534および下皿第2セット板1540と下皿本体1519とを組み付けるものである。
【0429】
また、下皿第1セット板1534は、透明の合成樹脂により形成されるものである。下皿第1セット板1534には、下皿第2セット板1540と同様にそのほぼ中央に賞球出口1535が形成され、その賞球出口1535の後方には、下皿第2セット板1540の賞球誘導筒部1547の表面を覆うように賞球誘導筒被覆部1554が後方に突出されている。また、下皿第1セット板1534には、前述のように、下皿第2セット板1540の取付ボス1542,1543,1544、位置決め突起1545、差し込み溝1548、位置決め突起1549に対応する位置に、取付穴1536,1537,1538、位置決め穴1539、差し込み溝1553、位置決め穴1550が形成されている。
【0430】
上記した下皿第1セット板1534の前方に取り付けられる下皿本体1519は、賞球出口1541から流出する賞球を貯留する貯留部を有するように後方が開放された凹状に形成されている。また、下皿本体1519の貯留部底面には、円形状の球抜き穴(図示しない)が開設され、その球抜き穴を下皿本体1519の裏面に取り付けられる球抜き弁1505によって開閉自在に閉塞されている。したがって、下皿本体1519の底面の裏側には、球抜き弁1505のスライド動作を案内する(球抜き弁1505が水平移動し易いようにその上面と摺動する)ための球抜き弁案内リブ(図示しない)と、球抜き弁1505を収納する球抜き弁収納箱1508を取り付けるための取付ボス1522とが突設形成されている。球抜き弁1505に係る構造については、次に説明する。また、下皿本体1519の上端前面には、当接鍔部1520が前方に向かって突設され、下皿本体1519を組み付けたときに下皿第1カバー部材1513の後述する当接載置部1515下方に嵌入されるようになっている。
【0431】
次に、上記した下皿本体1519の底面の裏側に取り付けられる球抜き弁1505について説明すると、球抜き弁1505は、長方形状の球抜き弁収納箱1508内にスライド可能に収納されている。具体的には、球抜き弁収納箱1508には、その一側に球抜き穴に対応する開口1509が開設され、その四隅に取付ボス1522が嵌合する嵌合穴1510が形成されている。一方、球抜き弁1505は、球抜き弁収納箱1508の長手方向の側壁内側に当接しながらスライドするように構成され、球抜き弁収納箱1508の他側中央に突設されるスプリング係合突起1511と球抜き弁1505の裏面に形成されるスプリング係合部(図示しない)との間に差し渡されるスプリング1507によって常に球抜き弁1505が球抜き穴を閉塞する方向に付勢されている。また、球抜き弁1505には、球抜き弁収納箱1508の外側に突出する係合片1506が一体的に形成されている。
【0432】
しかして、上記のように球抜き弁1505が収納された球抜き弁収納箱1508を下皿本体1519の下部裏面から嵌合穴1510が取付ボス1522に嵌合するように取り付け、その後、裏面側から取付ネジ1512を螺着することにより、球抜き弁1505を下皿本体1519の底面裏側に取り付けることができる。そして、取り付けた状態では、球抜き弁1505は、スプリング1507の付勢力により球抜き穴を閉塞するようになっているが、係合片1506をスプリング1507の付勢力に抗して移動させることにより、球抜き穴を開放して下皿本体1519の貯留部に貯留される賞球を下方に球抜きすることができる。なお、係合片1506を移動させる機構は、次に説明する下皿カバー体1490に組み付けられている。
【0433】
上記のように球抜き弁1505が装着された下皿本体1519は、下皿カバー体1490に組み付けられるものである。下皿カバー体1490は、前方中央部分が膨出状に突出すると共に、両サイドが下皿対応板部1301と対応するように平板状に透明の合成樹脂材料によって形成されている。前方中央部分は、下方に向けて湾曲して形成されており、その端部は、下皿第1カバー部材1513の下部当接部1514が当接する当接載置部1491として形成されている。また、膨出状に突出した部分の先端には、球抜き操作レバー1028が取り付けられるレバー開閉口1492が形成されている。また、下皿カバー体1490の裏面側には、下皿カバー体1490を下皿第2カバー部材1528および下皿第1セット板1534と共に下皿第2セット板1540に取り付けるための取付ボス1496と、下皿カバー体1490に下皿第1カバー部材1513および下皿第2カバー部材1528を取り付けるための取付ボス1494と、下皿カバー体1490を下皿第1セット板1534と共に下皿第2セット板1540に取り付けるための取付ボス(図示しない)が突設されている。また、膨出状に突出した部分の下方には、球抜き弁収納箱1508が貫通される長方形状の開口1555が形成されている。
【0434】
また、下皿カバー体1490の左側方には、灰皿ユニット1029が取り付けられる灰皿取付部1495が、右側方には、操作ハンドル1030が取り付けられるハンドル固定穴1493が形成されている。更に、灰皿取付部1495の左側方には、目隠しカバー1498が取り付けられるようになっている。これは、灰皿取付部1495の左側方には、スイッチ等が取り付けられる空間が形成されているが、このスイッチ等を取り付けないときに、その空間を覆い隠すために目隠しカバー1498を取り付けるものである。この目隠しカバー1498は、係止片1499を下皿カバー体1490の係止穴(図示しない)に係止することにより取り付けるものである。なお、この下皿カバー体1490には、後述するように、下皿本体1519の他に下皿第1カバー体1513、下皿中央レンズ1525、および下皿第2カバー部材1528が取り付けられるようになっている。
【0435】
上記した下皿第1カバー体1513は、透明な合成樹脂材料によって、中央部分が前面に膨出する円弧状に形成されており、その前面側上端部が下皿本体1519の前面側端部と当接する当接載置部1515として形成され、また、前面側下端部が下皿カバー体1490の当接載置部1491と当接する下部当接部1514として形成されている。また、下皿第1カバー体1513の裏面側両側方には、下皿第2カバー部材1528を取り付けるための取付ボス(図示しない)が突設され、また、下部両側方には、下皿第1カバー体1513を下皿第2カバー部材1528と共に下皿カバー体1490に取り付けるための取付片1516が下方に向けて突設されている。
【0436】
また、下皿中央レンズ1525は、有色の合成樹脂材料によって平板で円弧状に形成されている。また、下皿左レンズ1526および下皿右レンズ1527も有色の合成樹脂材料によって断面がL字状に形成され、その正面側には、ローレット加工が施されている。
【0437】
更に、下皿第2カバー部材1528は、有色の合成樹脂材料によって、中央部分が前面に膨出する円弧状に形成されており、その前面側上端部が下皿本体1519の前面側端部と当接する当接部1529として形成されている。下皿第2カバー部材1528の両側方には、下皿第2カバー部材1528を下皿第1セット板1534および下皿第2セット板1540と共に下皿カバー体1490に取り付けるための取付ボス1530が形成され、この取付ボス1530の下皿第2カバー部材1528中央側の側方には、下皿第2カバー部材1528と下皿第1カバー体1513とを取り付けるための取付ボス1533が形成され、更に、下皿第2カバー部材1528の下部両側方には、下皿第2カバー部材1528を下皿第1カバー体1513と共に下皿カバー体1490に取り付けるための取付片1532が下方に向けて突設されている。
【0438】
しかして、下皿第1カバー体1513中央の湾曲部分と下皿第2カバー部材1528中央の湾曲部分との間に下皿中央レンズ1525を、また、下皿第1カバー体1513の両側方と下皿第2カバー部材1528の両側方との間に、それぞれ下皿左レンズ1526および下皿右レンズ1527を挟持した後、取付ネジ1518によって下皿第1カバー体1513に下皿第2カバー部材1528を組み付ける。そして、組み立てられた下皿第1カバー体1513および下皿第2カバー部材1528は、下皿第1カバー体1513の取付片1516および下皿第2カバー部材1528の取付片1532に挿通した取付ネジ1517を下皿カバー体1490の取付ボス1494に螺着することにより下皿カバー体1490に取り付けられる。
【0439】
上記のようにして下皿第1カバー体1513および下皿第2カバー部材1528が取り付けられた下皿カバー体1490と下皿本体1519とを組み付けた際には、下皿第1カバー体1513,下皿第2カバー部材1528および下皿カバー体1490によって下皿本体1519の前方および下部を覆うような形状となる。
【0440】
次に、球抜き操作レバー1028の取付構造について説明する。球抜き操作レバー1028は、遊技者が操作する指掛部1500と操作レバー1028の基体となるレバー基体1501とから構成されている。指掛部1500は、遊技者が指掛部1500を左方に移動させ易いように左半分が操作部分として突出して形成され、この操作部分の右側面がほぼ平面状に形成されている。また、指掛部1500の裏面側には、レバー基体1501の後述する挿入穴1557に挿入される挿入片1556が突設されている。また、レバー基体1501は、下皿カバー体1490の前面部に沿った円弧状に形成され、その前面中央には、指掛部1500の挿入片1556が挿入される挿入穴1557が形成されている。この挿入穴1557の裏面側は、球抜き弁1505の係合片1506と係合する係合片1502として形成されている。また、表面一側には、硬貨を挿入することが可能なコイン挿入溝1503が形成されている。しかして、指掛部1500の挿入片1556を下皿カバー体1490の前面側からレバー開閉口1492に挿入し、挿入片1556に対して下皿カバー体1490の裏面側からレバー基体1501の挿入穴1557を嵌合させる。この状態で取付ネジ1504により指掛部1500とレバー基体1501を固定することにより、球抜き操作レバー1028が組み立てられると同時に下皿カバー体1490に対して取り付けられる。
【0441】
上記のようにして予め球抜き操作レバー1028を下皿カバー体1490の膨出部に装着した状態において、上皿主体1481を斜め上方から球抜き弁収納箱1508が開口1555に貫通するように入れる。このとき、係合片1506が図77の最も右側に位置するように球抜き操作レバー1028を右側に移動させておく。そして、下皿本体1519の当接鍔部1520を下皿第1カバー部材1513の当接載置部1515の下方に挿入した状態で下皿本体1519と下皿カバー体1490が組み付けられる。そして、この組み付け状態においては、球抜き弁1505の係合片1506が球抜き操作レバー1028の係合片1502の図77に示す左側に位置して当接した状態となっているので、球抜き操作レバー1028の指掛部1500に指を掛けて図77の左側方向にスライドさせることにより、係合片1502と係合片1506とが係合して球抜き弁1505をスプリング1507の付勢力に抗して移動させ球抜き穴を開放する。一方、指掛部1500から指を離すとスプリング1507の付勢力により球抜き弁1505が球抜き穴を閉塞すると共に球抜き操作レバー1028を右側に移動させる。ただし、このとき遊技者がコイン挿入溝1503に硬貨(例えば、100円玉でも500円玉でもよい)を差し込むと、硬貨とレバー用開口1492の側壁とが当接して球抜き弁1505および球抜き操作レバー1028を元の位置まで戻すことができないので、球抜き操作レバー1028から手を離した状態でも球抜き穴の一部が開放したままとなって貯留されている賞球を球抜き穴から下方に落下させることができる。
【0442】
しかして、下皿本体1519を下皿カバー体1490に組み付けた後に、下皿第1セット板1534および下皿第2セット板1540をこの順番で後方からあてがって取付ボス1543,1530,1496を一致させて下皿第2セット板1540の後方から取付ネジ1531を取付ボス1496に螺着し、取付ボス1544と下皿カバー体1490の取付ボス(図示しない)を一致させて下皿第2セット板1540の後方から取付ネジ1546を下皿カバー体1490の取付ボスに螺着し、取付ボス1542と取付片1521を一致させて下皿第2セット板1540の後方から取付ネジ1523を取付片1521に螺着し、取付穴1551,1550と下皿本体1519の取付穴(図示しない)を一致させて下皿第2セット板1540の後方から取付ネジ1524を下皿本体1519の取付穴に螺着することにより、下皿1027が組み立てられる。このとき下皿第1セット板1534の差し込み溝1553および下皿第2セット板1540の差し込み溝1548に下皿第1カバー部材1513の挿入片1558が挿入される。
【0443】
ところで、下皿カバー体1490の両サイドには、灰皿ユニット1029と操作ハンドル1030とが組み付けられるようになっている。そこで、まず、灰皿ユニット1029の取付構造について説明すると、下皿カバー体1490の正面から見て左側には、上記したように、下皿1027を組み付けるための凹状の灰皿取付部1495が形成されている。この灰皿取付部1495は、下皿第2セット板1540の後面よりも後方に突出しており、その突出した部分が枠基体1003の灰皿用凹部1337に収納されるようになっている。一方、灰皿ユニット1029は、図78に示すように、灰皿ユニットの基体となる灰皿本体1670と、上部を構成する上部部材1672と、灰皿本体1670の下面を被覆するカバー部材1064と、取付ベースとなるベース部材1677と、灰皿ユニット1029を下皿1027に取り付けるためのキャップ1682と、から構成されている。灰皿本体1670は、前面側がほぼ半球状に形成されると共に、後面側には、ベース部材1677の中央に形成された挿入穴1678に挿入される突出部1671が形成されている。全体がほぼ蒲鉾形状をしており、前面側が凹状に形成されると共に、後面側には、ベース部材1677の中央に形成された挿入穴1678に挿入される突出部1673が形成されている。カバー部材1674は、灰皿本体1670の下面に沿った形状に形成され、その底面部には、カバー部材1674を灰皿本体1670に取り付けるための取付穴1675が穿設されると共に、後面側には、灰皿ユニット1029の下皿1027に対する位置決めをするための固定突起1676が突設されている。ベース部材1677は、ほぼ円形状に形成され、その中央部には、灰皿本体1670および上部部材1672の突出部1671,1673が挿入される挿入穴1678が穿設されると共に、挿入穴1678の下方には、カバー部材1674の固定突起1676が挿入される挿入穴1680が形成されている。また、その裏面中央には、灰皿ユニット1029の回転中心となる回転軸部1679が突設されると共に、裏面の両側方(図中、右側方側のみ図示)には、後述する灰皿ストッパ1684によって係止される係止片1685が突設されている。
【0444】
しかして、灰皿本体1670の下面に取付ネジ1687によってカバー部材1674を取り付けると共に、灰皿本体1670の上部に上部部材1672を載置する。この状態で突出部1671,1673をベース部材1677の挿入穴1678に挿入した後、取付ネジ1681で固定することにより組み立てられる。このとき、挿入穴1680にカバー部材1674の固定突起1676が挿入される。このようにして組み立てた後、ベース部材1677の回転軸部1679を下皿カバー体1490の灰皿取付部1495内に形成された挿通穴(図示しない)に挿通し、下皿カバー体1490の裏面側から回転軸部1679に対して取付ネジ1683によってキャップ1682を取り付けることにより、灰皿ユニット1029が回動可能に下皿カバー体1490に組み付けられる。また、灰皿取付部1495内の挿通穴の上下には、カバー部材1674の固定突起1676が挿入され、灰皿ユニット1029の位置を決めるための上固定穴と下固定穴(いずれも図示しない)が穿設されている。更に、下皿カバー体1490裏面であって灰皿取付部1495一側方には、灰皿ストッパ1684が取り付けられている。
【0445】
しかして、下皿カバー体1490に組み付けられた灰皿ユニット1029は、灰皿ユニット1029を使用する位置(図78に示す位置)と使用しない位置とにその方向を変換することができ、更に、それぞれの位置で固定することができる。具体的には、灰皿ユニット1029を使用する位置にした状態で、灰皿ユニット1029を奥側に押し込んだ場合、係止片1685(図中に示す係止片1685とは、反対側に位置するもの)が灰皿ストッパ1684の係止部1686に係止され、更に灰皿ユニット1029を押し込むことにより、係止片1685と共に係止部1686が停止位置まで押し込まれる。そして、係止部1686が停止位置まで移動することで灰皿ユニット1029も停止する。このように、灰皿ストッパ1684によって、灰皿ユニット1029が押し込まれた位置で固定される。このとき、固定突起1676が下固定穴に挿入されるため、これによっても灰皿ユニット1029の位置を決めることができる。
【0446】
上記のように灰皿ユニット1029が使用される位置で固定されている状態で、再び灰皿ユニット1029を押し込むことにより、灰皿ストッパ1684の停止状態が解除されて前方に移動し得る状態となる。灰皿ストッパ1684の内部には、係止部1686を前方に押し出す方向に付勢するスプリングが備えられているため、灰皿ストッパ1684の停止状態が解除されると、係止部1686と共に灰皿ユニット1029も前方に押し出されることとなる。そして、灰皿ユニット1029は、前方に押し出されて回転軸部1679を中心に回動可能な状態となる。
【0447】
このように灰皿ユニット1029が回動可能な状態で、灰皿ユニット1029を180°回転させることにより、灰皿ユニット1029が使用できない状態となるが、この状態で奥側に押し込むことにより、係止片1685(図中に示すもの)が灰皿ストッパ1684の係止部1686に係止されて、前述と同様に灰皿ユニット1029が押し込まれた位置で固定される。このとき、固定突起1676が上固定穴に挿入されるため、これによっても灰皿ユニット1029の位置を決めることができる。
【0448】
なお、前述のように、枠基体1003の裏面下部一側には、灰皿ユニット1029が回動可能あるいは回動不可のいずれかに切り換えるための灰皿固定板1380が取り付けられているが、この灰皿固定板1380は、灰皿ユニット1029側にスライドさせることにより、灰皿ユニット1029の一側が係止片1685に係止されて、灰皿ユニット1029の回動ができないようにするためのものである。このように、回動可能あるいは回動不可の切り換えを枠基体1003の裏面側で行なうことで、遊技者に灰皿ユニット1029の回動操作ができないようにすることができる。
【0449】
一方、下皿カバー体1490の正面から見て右側には、操作ハンドル1030を取り付けるためのハンドル固定穴1493が形成されている。このハンドル固定穴1493は、後述する回転軸1571およびスイッチ配線1591だけが貫通する貫通孔が形成された有底穴であり、その底部分に形成される取付穴(図示しない)と有底面に当接する次に詳述する後握持部材1584の端部肉厚内に形成される取付穴1559とを合致させて取付ネジ1497で止着することにより、操作ハンドル1030をハンドル固定穴1493に固定する。ただし、操作ハンドル1030の固定位置は、後握持部材1584の端部面に突設される位置決め突起1588を有底面に形成される位置決め穴(図示しない)に係合させることにより行われる。
【0450】
また、ハンドル固定穴1493に装着される操作ハンドル1030は、図79に示すように、ハンドル固定穴1493に固着される後握持部材1584と、後握持部材1584前面側の取付ボス1589に取付ボス1577で止着されかつその外周にタッチリング1110が周設固定されるタッチリング周設部材1576と、同じく後握持部材1584の前方に突設される連結ボス1585に前方から取付ネジ1569で止着される挟持部材1568と、タッチリング周設部材1576と挟持部材1568とに挟持されて回転自在に設けられる回動操作部材1570と、回動操作部材1570に付勢力を与えるスプリング1567と、挟持部材1568の前方に下から螺着される取付ネジ1562によって固着される前握持部材1560と、前握持部材1560に穿設された装飾穴1561にレンズ凸部1564が挿入されるハンドルレンズ1563と、前握持部材1560に取付ネジ1566止めされることで前握持部材1560との間でハンドルレンズ1563を挟持する取付板1565と、から構成されている。回動操作部材1570には、回転軸1571の前端が係合しているが、その係合状態は、回転軸1571の片面だけを切り欠いたいわゆるD型カット面1572である。これに対し、回転軸1571の後端は、後握持部材1584の後端から外部に飛び出しかつ枠基体1003の下皿対応板部1301に開設されるハンドル軸貫通穴1341を貫通するが、その端部には、回転軸1571の両端面を切り欠いた両側カット面1573となっており、この両側カット面1573が後述する打球発射装置1130の主動ローラ1632に係合するようになっている。なお、回転軸1571は、後握持部材1584の内部後端に嵌入される軸受部材1575によってその中程を支持されている。軸受部材1575は、回転軸1571に取り付けられた止め輪1574によって取り付け位置が規制されている。また、単発発射スイッチ1109に接続される配線とタッチリング1110に接続されるタッチ配線(図示しない)とが、スイッチ配線1591を構成し、このスイッチ配線1591が枠基体1003の下皿対応板部1301に開設される配線通し穴1340を貫通して打球発射装置1130に設けられる発射制御基板1107に接続されるようになっている。タッチリング1110には、タッチ配線が接続された接続端子1579が取付ボス1590に取付ネジ1580止めされる。
【0451】
上記のように構成される操作ハンドル1030においては、回動操作部材1570を回動操作することにより、回転軸1571の回転動作が打球発射装置1130の主動ローラ1632を回転せしめて弾発力を調節する。また、遊技者が回動操作部材1570を操作しているときには、遊技者の指がタッチリング1110に接触するので、その接触信号も導出される。その接触信号によりタッチ回路がON状態となり、かつ単発発射スイッチ1109がOFFになって打球発射されると共に、その回動量によって発射強さが調節される。なお、単発発射スイッチ1109をON、OFFするには揺動部材1581(ストップボタン)を押圧操作することで行える。また、上記した単発発射スイッチ1109および揺動部材1581は、それぞれ後握持部材1584の前方に突設された取付ボス1587,1586に取付ネジ1583,1582で取り付けられている。
【0452】
以上、下皿カバー体1490の両サイドに組み付けられる灰皿ユニット1029および操作ハンドル1030について説明してきたが、これらおよび下皿1027は、下皿第1セット板1534の後面に突設される図示しない取付ボスと下皿カバー体1490の後面側に突設される取付ボス1592とを枠基体1003の下皿対応板部1301に開設される下皿取付穴1339(この穴も有底である)に嵌合して裏面からビスを止着することにより、下皿1027を枠基体1003の下部前面に取付固定することができるものである。
【0453】
次に、上記した操作ハンドル1030が操作されたときに駆動する打球発射装置1130について図80および図81を参照して説明する。図80は、打球発射装置1130の背面からの分解斜視図であり、図81は、打球発射装置1130の組立図および正面からの分解斜視図である。打球発射装置1130は、図80および図81に示すように、パチンコ球を打撃して発射する打球槌1600と、打球槌1600の駆動源をなすステッピングモータ(発射装置電動機)1601と、パチンコ球の発射毎に球送り部材1470の揺動部材1472(図74参照)を揺動させて順次パチンコ球を打球発射装置1130に送り込ませる昇降杵1602と、打球槌1600によるパチンコ球の打球力を調整する発射強度調整部1603と、発射強度調整部1603に操作ハンドル1030の回転操作力を伝達する操作伝達部1604と、ステッピングモータ1601の駆動を制御する発射制御部1605(発射制御基板1107とこれを収容する基板ボックス1640とから構成される)と、が取付基板1606に取り付けられて構成されている。取付基板1606の周縁部には、打球発射装置1130を枠基体1003の裏面側に取付ネジ1654で取り付けるためのネジ止め穴1607が4箇所に穿設されている。また、取付基板1606には、各種構成部材を取り付けるための取付穴が複数穿設されると共に、発射強度調整部1603を構成する各種部材を取り付けるための円筒突起(図示しない)が形成されている。円筒突起の内部は、取付基板1606の一側面と他側面の両側を連通する連通穴として形成され、連通穴を貫通する駆動軸1609が軸受け(図示しない)により回転自在に支持されている。
【0454】
打球槌1600は、アーム形状をなし、その一端側には、軸穴1600aが穿設されると共に後述する昇降杵1602のロッドローラ1622と係合する係合部1610が形成され、打球槌1600の他端には、パチンコ球を打撃する槌部がスプリング1611によって形成されている。そして、打球槌1600は、その軸穴1600aに駆動軸1609の一端部が挿通された状態でワッシャ1651を介してナット1608によって固着されることにより、駆動軸1609を回動中心として回動自在に取付基板1606に取り付けられる。また、このような打球槌1600の取り付けにおいて、先端部分に回動自在なアームローラ1612aを取り付けたヒットアーム1612が打球槌1600と共に駆動軸1609に固着され、そのヒットアーム1612が打球槌1600と一体的に駆動軸1609を回動中心として回動するようになっている。なお、打球槌1600の図81中における反時計方向への回転は、杵受ゴム1613a,1613bによって規制されるようになっている。杵受ゴム1613aは、ゴムホルダー1614を介して取付基板1606にボルト1615aおよびナット1653aで固着されている。また、杵受ゴム1613bは、ワッシャ1659を介して取付基板1606にボルト1615bおよびナット1653bで固着されている。
【0455】
ステッピングモータ1601は、取付片部1616を取付基板1606に取付ネジ1617止めすることで、出力軸1601aが取付基板1606を貫通した状態で取付基板1606に取り付けられる。出力軸1601aには、ステッピングモータ1601の駆動力をヒットアーム1612(アームローラ1612a)を介して打球槌1600に伝達する駆動カム1618が一体的に取り付けられている。
【0456】
昇降杵1602は、ロッドバネ1629を備えるためのバネ設置穴1646がその中央に形成されたロッドケース1624と、ロッドケース1624の上端部に取付ネジ1620止めされたロッドピン1621と、ロッドケース1624内に備えられるロッドバネ1629と、ロッドケース1624の下端部に回動自在に取り付けられたロッドローラ1622と、から構成されている。昇降杵1602は、取付基板1606に取り付けられた補強板1637に突設された取付ボス1636に対し、ワッシャ1619を介してバネ設置穴1646に挿通した取付ネジ1623を螺着することによって、上下方向にスライド自在に取り付けられる。但し、ロッドバネ1629は、ロッドケース1624内で上方への移動が規制され、常に昇降杵1602を下方に付勢するようになっている。そして、昇降杵1602は、打球槌1600が図81中における時計方向に回転した場合、ロッドバネの付勢力に抗してロッドローラ1622が係合部1610で押し上げられることで上方に突出し、ロッドピン1621が球送り部材1470の揺動部材1472を作動させて上皿1019から発射レール1345(図75参照)上に球を送り込むようになっている。なお、昇降杵1602が最上部に上がった状態が打球槌1600による球の打ち込み待機状態となる。つまり、昇降杵1602が一旦上昇してから下降することで球が発射レール1345上に供給されると共に、打球槌1600が発射方向と反対方向に回動した状態から発射方向に回動することで、発射レール1345上の球が発射され、誘導レール1042に沿って遊技盤1040の遊技領域に打ち込まれるわけである。
【0457】
発射強度調整部1603は、外周の一部にギア部1625aが形成された回動リング1625、ねじれ量によって打球の発射強度を調整するコイル状の強度調整バネ1626、保持キャップ1627、ラチェットカバー1628、ラチェットアーム(図示しない)、等から構成されている。回動リング1625には、強度調整バネ1626の端部が係止される強度調整溝1639が複数箇所形成されており、強度調整バネ1626の端部をいずれの強度調整溝1639に係止するかによって杵の戻る力が変化し、これにより打球の発射強度を調整することができる。回動リング1625のギア部1625aの端には、取付基板1606に突設された規制突起1630が当接され、これによって回動リング1625の図81中における時計方向への回転が規制されるようになっている。また、保持キャップ1627およびラチェットカバー1628は、ワンウェイネジ1631によって一体的に組み付けられると共に、駆動軸1609の回動に合わせて一体的に回動するようになっている。なお、ワンウェイネジ1631は、ネジ締め方向にしか回らない特殊なネジであり、一旦締め付けると取り外すことができないようになっている。
【0458】
また、ラチェットカバー1628には、エンドキャップ(図示しない)が嵌合して取り付けられ、そのエンドキャップによって発射強度調整部1603の内部空間(ラチェットアームの操作溝(発射強度を調整するための溝)が収容される空間)が封止状態に被覆されるようになっている。このため、エンドキャップやラチェットカバー1628を破壊してラチェットカバー1628からエンドキャップを取り外さない限り、発射強度調整部1603の内部空間は開放できないようになっている。つまり、発射強度を調整すべく、操作溝によって回動操作できないようになっている。また、エンドキャップは、不透明な黒色の合成樹脂からなり、エンドキャップをラチェットカバー1628に取り付けた状態では、発射強度調整部1603の内部空間が外部から視認できないようになっている。つまり、操作溝が視認できないようになる。このため、発射強度調整部1603の操作部(操作溝)が覆われていることが分らなくなるので、発射強度調整部1603の操作部を不正に操作しようと試みたときにはその不正を行い難くすることができる。
【0459】
操作伝達部1604は、一側に連結凹部1632aが形成されると共に外周にギア部1632bが形成された主動ローラ1632、外周にギア部1633aが形成された従動ローラ1633、各ローラ1632・1633のギア部1632b・1633a間に巻架されるギアベルト1634、従動ローラ1633の回転軸に一体的に取り付けられる連結ギア1635、等から構成されている。主動ローラ1632および従動ローラ1633は、それぞれ各ギア部1632b・1633aを打球槌1600が取り付けられる取付基板1606の一側面に配した状態(図81に示す状態)で取り付けられる。主動ローラ1632の連結凹部1632aには、操作ハンドル1030の回転軸1571が挿入状態で連結される。従動ローラ1633と一体的に回動する連結ギア1635には、回動リング1625のギア部1625aが歯合される。これにより、発射ハンドル1030を回動操作させれば、その回動が主動ローラ1632、ギアベルト1634、従動ローラ1633、および連動ギア1635を介して回動リング1625に伝達され、回動リング1625を回動変位させることができる。そして、このように回動変位した回動リング1625は、その回動によって強度調整バネ1626のねじれ量を調節する。なお、主動ローラ1632は、ブッシュ1655およびワッシャ1657を介して取付基板1606に取付ネジ1656で回動自在に取り付けられ、従動ローラ1633は、連結ギア1635と共に取付ネジ1658によって取付基板1606に回動自在に取り付けられる。
【0460】
発射制御部1605は、各種電子部品(CPUを搭載するものでも、搭載しないものでもよい)および複数のコネクタ(図示しない)を実装してなる発射制御基板1107、発射制御基板1107を収容する基板ボックス1640、から構成されている。複数のコネクタには、発射制御電源中継基板1099からの配線、ステッピングモータ1601からの配線、発射制御信号中継基板1098からの配線、操作ハンドル1030からのスイッチ配線等が接続される。
【0461】
上記した発射制御基板1107を収容する基板ボックス1640は、図80および図81に示すように、取付基板1606に取付ネジ1638止めされるボックス主体1641と、ボックス主体1641に取り付けられてボックス主体1641との間で発射制御基板1107を挟持するカバー体1642と、を備えている。ボックス主体1641およびカバー体1642は、それぞれ収容する発射制御基板1107を外部から視認可能なように透明な合成樹脂で形成されている。ボックス主体1641の上端左方および下端左右2箇所には、それぞれ脚部1643が立設されており、脚部1643の先端部分には、ボックス主体1641を取付基板1606に取付ネジ1638止めするための取付穴1644が穿設されている。なお、取付基板1606側には、これらの取付穴1644と個々に対応した位置に取付穴1660が穿設されている。また、脚部1643はそれぞれ円筒形状をなし、その円筒内に取付ネジ1638を挿入することで、ボックス主体1641側から取付基板1606に取付ネジ1638止めを行うようになっている。このため、本実施形態のように取付面部を打球発射装置1130の取付基板1606から構成するような場合でも、取付基板1606を弾球遊技機1001から取り外すことなく、基板ボックス1640の取り外しを行うことができる。
【0462】
そして、ボックス主体1641(基板ボックス1640)は、ステッピングモータ1601および発射強度調整部1603を取り付けた取付基板1606の一側面に脚部1643を介して取り付け固定される。このため、基板ボックス1640内に収容される発射制御基板1107は、取付基板1606の基板面(取付面)から所定の間隔(脚部1643の高さ)を置いた状態(浮いた状態)で取り付けられることになる。従って、ステッピングモータ1601周りの空気の流動性が向上でき、ステッピングモータ1601の発熱が低減できると共に、ステッピングモータ1601からのノイズや熱による悪影響を発射制御基板1107が受け難くすることができる。また、このような取り付け構造によれば、取付基板1606にそのまま発射制御基板1107の大きさの取付スペースを設ける必要がないので、発射制御基板1107の配置設計において省スペース化を招来することができる。なお、基板ボックス1640を取り付ける取付面部は、打球発射装置の取付基板に限定せず、打球発射装置に関わらない弾球遊技機の裏面部分であってもよい。但し、実施形態中のように、基板ボックス1640を打球発射装置1130(取付基板1606)に取り付けた構成とした方が、より一層の省スペース化を招来することができる。
【0463】
また、ボックス主体1341の上端に立設された脚部1643の上辺部分には、それぞれボックス主体1641(基板ボックス1640)を取付基板1606に取り付けた状態で、ステッピングモータ1601および発射強度調整部1603の一部分を被覆する被覆片1645が形成されている。ボックス主体1641の内壁面には、複数の位置決め片(図示しない)が形成されており、位置決め片は、カバー体1642との間で発射制御基板1107を挟持する際、その先端部分で発射制御基板1107の基板面と当接することで、基板ボックス1640内における発射制御基板1107の位置決めを行うようになっている。
【0464】
ボックス主体1641の外周壁部分には、発射制御基板1107の各コネクタと対応する位置および大きさに形成された切欠部1647と、カバー体1642を取り付けるための係止溝1648と、が穿設されており、切欠部1647は、ボックス主体1641とカバー体1642の組み付け状態で各コネクタの接続用開口となる。
【0465】
一方、カバー体1642には、ボックス主体1641の係止溝1648との係合によってカバー体1642をボックス主体1641に着脱可能に取り付ける係合突起(図示しない)が形成されている。また、カバー体1642は、発射制御基板1107の外形形状とほぼ同一の大きさで形成されて発射制御基板1107を内嵌するようになっている。即ち、発射制御基板1107を基板ボックス1640内に収容する際には、先ず、発射制御基板1107をカバー体1642に内嵌し、そのカバー体1642を係合突起と係止溝1648の係合によってボックス主体1641に取り付けることで、発射制御基板1107が基板ボックス1640内に収容される。なお、このような係合突起および係止溝1648の係合部を設けることで、カバー部材1342を基板ボックス1640として組み付ける際の組み付け作業が容易になる。また、発射制御基板1107の基板ボックス1640内への収容は、カバー体1642とボックス主体1641との挟持によって行われるため、発射制御基板1107をビス止めする必要がなく、基板ボックス1640に対する発射制御基板1107の着脱作業が容易になる。そして、発射制御基板1107を収容した基板ボックス1640を前述したように取付基板1606に取付ネジ1638止めすることで、発射制御基板1107が打球発射装置1130の構成部材として組み付けられる。しかして、基板ボックス1640を一旦取付基板1606から取り外さなければ、カバー体1642をボックス主体1641から取り外すことができない構成となるので、発射制御基板1107の不正改造をし難くでき、発射制御基板1107に対する不正が防止できる。
【0466】
以上、打球発射装置1130の構成について説明したが、打球発射装置1130による打球の発射動作は以下に示すように行われる。即ち、遊技者が操作ハンドル1030を操作するとこれに伴ってステッピングモータ1601が駆動し、駆動カム1618が図81中における反時計方向へ回転する。次に、駆動カム1618の回転によってヒットアーム1612並びに打球槌1600を図81中における時計方向へ回転させると、発射強度調整部1603の強度調整バネ1626をさらにねじれ変化させることになる。その後、駆動カム1618がさらに回転して駆動カム1618がヒットアーム1612(アームローラ1612a)から離脱すると、ヒットアーム1612並びに打球槌1600は、強度調整バネ1626の復原力によって駆動軸1609と共に反時計方向に回転する。そして、反時計方向に回転した打球槌1600は、昇降杵1602の作動によって球送り部材1470の揺動部材1472から送り込まれた球を槌部(スプリング1611)で打撃して遊技領域に発射させる。また、このとき、発射ハンドル1030の操作によって発射強度調整部1603の回動リング1625を回動させれば、打球槌1600の後退駆動(時計方向への回転)に伴う強度調整バネ1626のねじれ量を調節することができる。つまり、打球槌1600の打撃力(発射力)を調節することができる。
【0467】
以上、実施形態にかかる弾球遊技機1001について詳細に説明してきたが、本実施形態においては、発光部材としての遊技効果ランプ1016a,1016b,1017a,1017bと発光部材としての遊技効果ランプ1016a,1016b,1017a,1017bの前面側を被覆する被覆部材としての左装飾ユニット1023および右装飾ユニット1024とがその前面側に備えられた弾球遊技機1001において、被覆部材としての左装飾ユニット1023および右装飾ユニット1024は、透光性を有する第1のカバー部材としての左第1カバー部材1201および右第1カバー部材1211の後面側から透光性を有する第2のカバー部材としての左第2カバー部材1203および右第2カバー部材1213を係合固定することにより構成され、被覆部材としての左装飾ユニット1023および右装飾ユニット1024を発光部材としての遊技効果ランプ1016a,1016b,1017a,1017bの前面側から弾球遊技機1001に対して着脱可能に取り付けたことにより、第1のカバー部材としての左第1カバー部材1201および右第1カバー部材1211に第2のカバー部材としての左第2カバー部材1203および右第2カバー部材1213を係合させて固定するだけで被覆部材としての左装飾ユニット1023および右装飾ユニット1024を組み立てることができるため、ネジ等の螺着部品が不要となり、部品点数を削減することができる。また、第1のカバー部材としての左第1カバー部材1201および右第1カバー部材1211と第2のカバー部材としての左第2カバー部材1203および右第2カバー部材1213を別々に着脱することなく、ユニットとして組み立てた状態で弾球遊技機1001から着脱できるため、第1のカバー部材としての左第1カバー部材1201および右第1カバー部材1211や第2のカバー部材としての左第2カバー部材1203および右第2カバー部材1213が破損したり汚れたりした場合であっても、その交換や清掃のための着脱を容易に行なうことができるので、新しいものと交換したときには交換が容易なので美観を保つことができる。更に、第1のカバー部材としての左第1カバー部材1201および右第1カバー部材1211と第2のカバー部材としての左第2カバー部材1203および右第2カバー部材1213を係合固定することにより被覆部材としての左装飾ユニット1023および右装飾ユニット1024を組み立てることができるため、ネジ等の別部材が不要となる。このため、被覆部材としての左装飾ユニット1023および右装飾ユニット1024を弾球遊技機1001に組み付けて発光部材としての遊技効果ランプ1016a,1016b,1017a,1017bを発光させた場合に、ネジ等の別部材による影ができないため、発光部材としての遊技効果ランプ1016a,1016b,1017a,1017bによる光の演出の効果を向上させることができる。
【0468】
また、本実施形態においては、第2のカバー部材としての左第2カバー部材1203および右第2カバー部材1213の前面全体には、発光部材としての遊技効果ランプ1016a,1016b,1017a,1017bからの光を拡散するための光拡散処理が施されていることにより、発光部材としての遊技効果ランプ1016a,1016b,1017a,1017bによって被覆部材としての左装飾ユニット1023および右装飾ユニット1024の前面全体を均等に発光させることができ、被覆部材としての左装飾ユニット1023および右装飾ユニット1024の一部だけが偏って発光することがないため、光の効果を向上させることができ、弾球遊技機1001の前面側の意匠性を損ねることがない。また、発光部材としての遊技効果ランプ1016a,1016b,1017a,1017bがどこにあるのかが分かりにくくなるので、美観を保つことができる。更に、光拡散処理が第1のカバー部材としての左第1カバー部材1201および右第1カバー部材1211の内側に位置する第2のカバー部材としての左第2カバー部材1203および右第2カバー部材1213に施されているため、外部からの塵やほこりなどが付着しにくくなり、長期間に亘って光拡散処理の効果を維持することができ、美観を保つことができる。
【0469】
また、本実施形態においては、光拡散処理は、第2のカバー部材としての左第2カバー部材1203および右第2カバー部材1213に施されたローレット加工あるいは第2のカバー部材としての左第2カバー部材1203および右第2カバー部材1213に貼付された光拡散シートであることにより、第2のカバー部材としての左第2カバー部材1203および右第2カバー部材1213にローレット加工を施すか、あるいは光拡散シートを貼付するだけの簡単な構造で発光部材の発光を効果的に拡散することができ、意匠性を向上させることができる。
【0470】
また、本実施形態においては、第2のカバー部材のとしての左第2カバー部材1203および右第2カバー部材1213のローレット加工は、第1のカバー部材としての左第1カバー部材1201および右第1カバー部材1211と対向する前面側と、発光部材としての遊技効果ランプ1016a,1016b,1017a,1017bと対向する後面側と、で異なる形状で施されていることにより、第2のカバー部材としての左第2カバー部材1203および右第2カバー部材1213の前面および後面に同じ形状でローレット加工を施した場合に比べ、より発光部材としての遊技効果ランプ1016a,1016b,1017a,1017bの発光を効果的に拡散することができ、さらに発光部材としての遊技効果ランプ1016a,1016b,1017a,1017bがどこにあるか分かりにくくなるので美観を保つことができ、意匠性を向上させることができる。
【0471】
また、本実施形態においては、被覆部材としての左装飾ユニット1023および右装飾ユニット1024は、弾球遊技機1001の左右に設けられると共に、遊技機中央側に位置する側面の長さが弾球遊技機1001側方側に位置する側面の長さよりも短く形成され、弾球遊技機1001中央側に位置する側面の前方端部と弾球遊技機1001側方側に位置する側面の前方端部とを結ぶ面が、発光部材としての遊技効果ランプ1016a,1016b,1017a,1017bからの光を弾球遊技機1001の内側に向かせるための傾斜面1201a,1211aとして形成されていることにより、発光部材としての遊技効果ランプ1016a,1016b,1017a,1017bからの光を遊技者が明確に視認することができ、光の演出の効果を向上させることができる。
【0472】
また、本実施形態においては、第1のカバー部材としての左第1カバー部材1201および右第1カバー部材1211は、無色透明で透光性を有する合成樹脂により形成され、第2のカバー部材としての左第2カバー部材1203および右第2カバー部材1213は、有色透明で透光性を有する合成樹脂により形成されていることにより、第1のカバー部材としての左第1カバー部材1201および右第1カバー部材1211および第2のカバー部材としての左第2カバー部材1203および右第2カバー部材1213の両方を着色された材料で形成した場合のように、透光量が減少してしまうことを防止することができるため、被覆部材としての左装飾ユニット1023および右装飾ユニット1024を十分な明るさで発光させることができる。
【0473】
更に、本実施形態においては、遊技の演出に関連して発光する発光部材としての遊技効果ランプ1016a,1016b,1017a,1017bとは別に遊技情報に関連して発光する遊技関連情報発光部材としての球切れLED1009あるいは賞球LED1010が設けられ、第1のカバー部材としての左第1カバー部材1201および右第1カバー部材1211には、第2のカバー部材としての左第2カバー部材1203および右第2カバー部材1213と重ならない非重合部1200,1210が形成されており、被覆部材としての左装飾ユニット1023および右装飾ユニット1024を弾球遊技機1001に取り付けた際に非重合部1200,1210が遊技関連情報発光部材としての球切れLED1009あるいは賞球LED1010の前面側を被覆することにより、1つの被覆部材としての左装飾ユニット1023および右装飾ユニット1024で発光部材としての遊技効果ランプ1016a,1016b,1017a,1017bおよび遊技関連情報発光部材としての球切れLED1009あるいは賞球LED1010の両方を被覆することができるため、部品点数を削減することができる。また、遊技演出に用いられる発光部材としての遊技効果ランプ1016a,1016b,1017a,1017bと遊技に関する情報に用いられる遊技関連情報発光部材としての球切れLED1009あるいは賞球LED1010とが混同することなく、確実にそれぞれの発光を識別することができる。
【0474】
そして、以上に説明した構成の弾球遊技機1001における主基板1120に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ、および払出制御基板1098に搭載される払出制御用マイクロコンピュータについて、本発明を適用することができる。
【0475】
なお、上記した実施形態では、特別可変表示装置1044をLCD表示器で構成しているが、特にこれに限定するものではなく、CRT、LED、VFD、EL、あるいはプラズマによる表示器や、ドラム式またはリール式で構成することも可能である。また、弾球遊技機の構成として、始動玉検出器の入賞球の検出に伴って可変表示装置での識別情報の変動を開始し、識別情報が所定の表示結果となると特定遊技状態が発生して可変入賞球装置を開放する弾球遊技機(これを第1種という)を例示しているが、特にこれに限定するものではなく、始動玉検出器の入賞球の検出に伴って可変入賞球装置を開放し、可変入賞球装置内の特定領域への打玉の入賞により特定遊技状態を発生する弾球遊技機(これを第2種という)や、始動玉検出器の入賞球の検出に伴って可変表示装置での識別情報の変動を開始し、識別情報が所定の表示結果となると権利発生状態となり、この状態で特定領域に打玉が入賞すると特定遊技状態が発生する弾球遊技機(これを第3種という)であってもよい。
【0476】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明によれば、遊技機を、遊技制御用マイクロコンピュータと払出制御用マイクロコンピュータとの間の信号の通信に関する異常を検出する通信異常検出手段を備え、遊技制御用マイクロコンピュータが、払出条件の成立にもとづいて景品遊技媒体の払出数を指定する払出指令信号を送信する払出指令信号送信処理を実行し、払出制御用マイクロコンピュータが、遊技制御用マイクロコンピュータからの払出指令信号により指定された払出数の景品遊技媒体を、払出手段を制御して払い出させる景品遊技媒体払出制御処理と、景品遊技媒体払出制御処理に関わる信号を遊技制御用マイクロコンピュータに送信する信号送信処理と、通信異常検出手段が異常を検出すると発射手段の動作を停止させるため電気的駆動源に供給される駆動信号を制御する発射手段制御処理とを実行するように構成したので、景品遊技媒体の未払出数を確実に管理することができるとともに、景品遊技媒体払い出しができない可能性がある場合には発射を停止させて、正常な賞球払い出しができない状態であるにも関わらず遊技が続行されてしまうことを確実に防止できる効果がある。さらに、遊技媒体の発射制御に関するコストを低減させることができ、遊技機のコストが低減する。
【0477】
請求項2記載の発明では、通信異常検出手段が、払出制御用マイクロコンピュータが通信に関する異常を検出する通信異常検出処理を実行することにより実現されているので、遊技制御用マイクロコンピュータの通信エラー検出に関わる負担を増大させないようにすることができる。
【0478】
請求項3記載の発明では、通信異常検出手段が、遊技制御用マイクロコンピュータからの接続確認信号の状態を監視して、遊技制御用マイクロコンピュータと払出制御用マイクロコンピュータとの間の信号の通信に関して異常が発生したことを検出するので、払出制御用マイクロコンピュータは、遊技制御用マイクロコンピュータとの間の信号の通信に関して異常が発生したことを確実に検出することができる。
【0479】
請求項4記載の発明では、通信異常検出手段が異常を検出したとき、その旨を報知する報知手段を備えているので、遊技機の外部から通信に関する異常が生じたことを認識することができる。
【0480】
請求項5記載の発明では、記録媒体処理装置と遊技機との間の通信に関する異常を検出する外部機器異常検出手段を備え、報知手段が、通信異常検出手段が検出した異常と外部機器異常検出手段が検出した異常とを区別可能に報知するように構成されているので、記録媒体処理装置との間の通信に関する異常と、遊技制御用マイクロコンピュータと払出制御用マイクロコンピュータとの間の信号の通信に関する異常とのうち、いずれの異常が生じたのかを容易に特定することができる。
【0481】
請求項6記載の発明では、遊技者が遊技機に設けられた操作手段に触れているか否かを検出するためのタッチセンサ回路が、払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている払出制御基板と異なる基板に搭載され、タッチセンサ回路が搭載される基板は払出制御基板より操作手段に近い位置に配置され、払出制御用マイクロコンピュータが、タッチセンサ回路からの信号により遊技者が操作手段に触れていることが検出されたときに発射手段を能動化するように構成されているので、タッチセンサ回路まで払出制御基板に設けられている場合に比べて、タッチセンサ回路が遊技者が操作手段に触れていると誤って判断する可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】ガラス扉枠を取り外した状態での遊技盤の前面を示す正面図である。
【図3】遊技機を裏面から見た背面図である。
【図4】各種部材が取り付けられた機構板を遊技機背面側から見た背面図である。
【図5】球払出装置を示す正面図および断面図である。
【図6】球払出装置を示す分解斜視図である。
【図7】遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。
【図8】払出制御基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図9】演出制御基板、ランプドライバ基板および音声出力基板の構成例を示すブロック図である。
【図10】電源基板の構成例を示すブロック図である。
【図11】電源基板の構成例を示すブロック図である。
【図12】主基板におけるCPU、リセット回路および電源監視回路を示すブロック図である。
【図13】遊技制御手段における出力ポートのビット割り当て例を示す説明図である。
【図14】遊技制御手段における出力ポートのビット割り当て例を示す説明図である。
【図15】遊技制御手段における入力ポートのビット割り当て例を示す説明図である。
【図16】主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図17】タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図18】電源断検出処理を示すフローチャートである。
【図19】電源断検出処理を示すフローチャートである。
【図20】RAMにおけるスイッチタイマの形成例を示す説明図である。
【図21】スイッチ処理の一例を示すフローチャートである。
【図22】スイッチチェック処理の一例を示すフローチャートである。
【図23】制御信号の内容の一例を示す説明図である。
【図24】制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。
【図25】賞球処理を示すフローチャートである。
【図26】賞球個数テーブルの構成例を示す説明図である。
【図27】賞球個数加算処理を示すフローチャートである。
【図28】賞球制御処理を示すフローチャートである。
【図29】賞球待ち処理1を示すフローチャートである。
【図30】賞球送信処理を示すフローチャートである。
【図31】賞球待ち処理2を示すフローチャートである。
【図32】賞球待ち処理3を示すフローチャートである。
【図33】制御信号の出力状態の例を示すタイミングチャートである。
【図34】払出制御手段における出力ポートのビット割り当て例を示す説明図である。
【図35】払出制御手段における入力ポートのビット割り当て例を示す説明図である。
【図36】プリペイドカードユニットと遊技機との間の通信を説明するためのタイミング図である。
【図37】払出制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図38】払出制御用CPUが実行するタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図39】発射モータ制御処理を示すフローチャートである。
【図40】払出モータ制御処理を示すフローチャートである。
【図41】主制御通信処理を示すフローチャートである。
【図42】主制御通信通常処理を示すフローチャートである。
【図43】主制御通信中処理を示すフローチャートである。
【図44】主制御通信終了処理を示すフローチャートである。
【図45】払出制御処理を示すフローチャートである。
【図46】払出開始待ち処理を示すフローチャートである。
【図47】払出モータ停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図48】払出通過待ち処理を示すフローチャートである。
【図49】球噛み検出処理を説明するためのタイミング図である。
【図50】球噛み解除処理を説明するためのタイミング図である。
【図51】エラーの種類とエラー表示用LEDの表示との関係等を示す説明図である。
【図52】エラー処理を示すフローチャートである。
【図53】エラー処理を示すフローチャートである。
【図54】試験信号の出力の一例を示すブロック図である。
【図55】本発明の概要を示す概念図である。
【図56】本実施形態に係る弾球遊技機の正面図である。
【図57】弾球遊技機の側面図である。
【図58】弾球遊技機の平面図である。
【図59】弾球遊技機の正面斜視図である。
【図60】弾球遊技機の背面図である。
【図61】弾球遊技機の背面斜視図である。
【図62】遊技盤の拡大正面図である。
【図63】遊技盤の拡大背面図である。
【図64】主基板と各種制御基板及び電気部品との関係を示すブロック図である。
【図65】機構板の背面図である。
【図66】機構板の分解斜視図である。
【図67】正面からの透明板保持枠の分解斜視図である。
【図68】背面からの透明板保持枠の分解斜視図である。
【図69】従来の遊技機の透視窓におけるカバー部材の取付構造を示す断面図である。
【図70】図56におけるA−Aでの概略断面図である。
【図71】図56におけるB−Bでの概略断面図である。
【図72】上部装飾ユニットの正面からの分解斜視図である。
【図73】図56におけるC−Cでの概略断面図である。
【図74】上皿開閉枠の正面からの分解斜視図である。
【図75】枠基体の正面からの分解斜視図である。
【図76】枠基体の背面からの分解斜視図である。
【図77】下皿の正面からの分解斜視図である。
【図78】灰皿ユニットの正面からの分解斜視図である。
【図79】操作ハンドルの正面からの分解斜視図である。
【図80】打球発射装置の背面からの分解斜視図である。
【図81】打球発射装置の組立図及び正面からの分解斜視図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
31 遊技制御基板(主基板)
37 払出制御基板
50 プリペイドカードユニット(カードユニット)
56 CPU
66 インタフェース基板(中継基板)
80 演出制御基板
91 タッチセンサ基板
94 発射モータ
97 球払出装置
301 払出カウントスイッチ
371 払出制御用CPU
374 エラー表示用LED
375 エラー解除スイッチ
917 コンデンサ(バックアップ電源)
920 電源監視回路
1001 弾球遊技機(遊技機)
1098 払出制御基板
1120 主基板(遊技制御基板)
Claims (6)
- 遊技領域に発射される遊技媒体を用いて遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、遊技により払出条件が成立したことにもとづいて景品として景品遊技媒体を払い出す遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御用マイクロコンピュータと、
前記遊技媒体を前記遊技領域に向けて発射する発射手段と、
前記発射手段を駆動する電気的駆動源と、
前記景品遊技媒体の払い出しを行う払出手段と、
前記払出手段を制御する払出制御用マイクロコンピュータと、
前記遊技制御用マイクロコンピュータと前記払出制御用マイクロコンピュータとの間の信号の通信に関する異常を検出する通信異常検出手段とを備え、
前記遊技制御用マイクロコンピュータは、
前記払出条件の成立にもとづいて、景品遊技媒体の払出数を指定する払出指令信号を送信する払出指令信号送信処理を実行し、
前記払出制御用マイクロコンピュータは、
前記遊技制御用マイクロコンピュータからの払出指令信号により指定された払出数の景品遊技媒体を、前記払出手段を制御して払い出させる景品遊技媒体払出制御処理と、
前記景品遊技媒体払出制御処理に関わる信号を前記遊技制御用マイクロコンピュータに送信する信号送信処理と、
前記通信異常検出手段が異常を検出すると、前記発射手段の動作を停止させるため前記電気的駆動源に供給される駆動信号を制御する発射手段制御処理とを実行する
ことを特徴とする遊技機。 - 通信異常検出手段は、払出制御用マイクロコンピュータが通信に関する異常を検出する通信異常検出処理を実行することにより実現される
請求項1記載の遊技機。 - 遊技制御用マイクロコンピュータは、電力供給の開始により遊技の進行を制御可能な状態となったときに接続確認信号を払出制御用マイクロコンピュータに送信し、
通信異常検出手段は、前記接続確認信号の状態を監視し、前記遊技制御用マイクロコンピュータと前記払出制御用マイクロコンピュータとの間の信号の通信に関して異常が発生したことを検出する
請求項2記載の遊技機。 - 通信異常検出手段が異常を検出したとき、その旨を報知する報知手段を備えた
請求項1から請求項3のうちのいずれかに記載の遊技機。 - 遊技機は記録媒体に記録されている情報により特定される価値を遊技機での遊技に使用できる遊技使用価値に変換するための処理を行う記録媒体処理装置と通信可能に接続され、
前記記録媒体処理装置と遊技機との間の通信に関する異常を検出する外部機器異常検出手段を備え、
報知手段は、通信異常検出手段が検出した異常と前記外部機器異常検出手段が検出した異常とを区別可能に報知する
請求項4記載の遊技機。 - 遊技者が遊技機に設けられた操作手段に触れているか否かを検出するためのタッチセンサ回路が、払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている払出制御基板と異なる基板に搭載され、
前記タッチセンサ回路が搭載される基板は、前記払出制御基板より前記操作手段に近い位置に配置され、
前記払出制御用マイクロコンピュータは、前記タッチセンサ回路からの信号により遊技者が前記操作手段に触れていることが検出されたときに発射手段を能動化する
請求項1から請求項5のうちのいずれかに記載の遊技機。
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