JP2006135659A - 撮像素子モジュール及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 暗電流によるノイズの発生を抑えると共に感度に応じた撮像素子の温度制御ができ、使い易く、効率的な電力消費を行え、より鮮明な画像の取得を行うこと。
【解決手段】 光電変換により画像情報を取得可能な撮像素子10と、供給された電力量に応じて撮像素子10を冷却する熱電素子11と、撮像素子11の温度を測定する温度検知手段12と、撮像素子10に蓄積された電荷の転送タイミングを制御する制御手段13とを備え、該制御手段13が、撮像素子10が所望の感度に応じた温度範囲に達しているときに電荷を転送するよう、温度検知手段12により測定された温度に基づいて電力量を制御する撮像素子モジュール2及び該撮像素子モジュール2を有する電子機器1を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、CCD等の撮像素子を有する撮像素子モジュール及び該撮像素子モジュールを備える電子機器に関するものである。
現在、CCD等の撮像素子を内蔵したるデジタルカメラ等の電子機器が、各種提供されている。この種の電子機器は、小型、軽量であると共に使い易さ等の点から普及しており、今後の主流となるものである。
その反面、CCD等の撮像素子は、その作動に伴って温度が上昇してしまう不都合があった。温度が上昇すると、撮像素子から出力される信号に含まれる暗電流が増加してしまい、その結果、ノイズが発生してS/N比を低下させ、画質の低下を招いてしまっていた。
この暗電流に伴うノイズは、温度上昇に伴って増加し、また、感度が高くなるにつれて増加するものであった。
具体的に図4を参照して説明する。まず、図4に示すように、感度に関わらず、環境温度が上昇するほどノイズレベルが上昇する。そのため、長時間の使用を行う場合に影響を与えるものであった。
また、同じ環境温度で、且つ、同じシャッター時間の場合には、図4に示すように、感度が高くなるほどノイズレベルが上昇する。これは、感度が高くなると集光した電荷を増幅するため、結果的にノイズも増幅するためである。更に、同じ感度であっても、図4に示すように、シャッター時間を長くするほど、ノイズレベルが上昇する。これは、集光する電荷の量も増えるので、結果的にノイズの量も増えるためである。このように、より高感度での撮影を行う場合に影響を与えるものであった。
ここで、適正露出制御機能等によって最適感度及びシャッタースピードを設定するようなものがあるが、これは、F値(絞り値)や被写体の輝度で感度を決定している。ところが、これらF値や輝度は、撮像素子の駆動時間に関与しない値であるため、長時間の使用により、暗電流によるノイズの影響を受けてしまい最適な感度を得ることができなかった。
そこで、上述したような暗電流によるノイズ対策の1つとして、ペルチェ素子を有する冷却ユニットにより撮像素子を冷却する撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この撮像装置は、着脱自在な冷却ユニットを備えており、撮像素子の温度が上昇した際に、冷却ユニットを作動させて撮像素子を短時間で冷却する。これにより、画質の向上及び省電力化を図っている。
特開2003−304420号公報
しかしながら、上記従来の方法では、以下の課題が残されている。
即ち、上記特許文献1記載の撮像装置は、冷却ユニットを必要なときに適時作動させて撮像素子を冷却し、暗電流によるノイズの発生を抑えることができるが、単に撮像素子を冷却するだけのものである。よって、所望する感度に応じて撮像素子の温度を低下させるということはできなかった。
つまり、感度を高くすると暗電流によるノイズが図4に示すように、顕著に生じ易いので、例えば、より高感度な状態で撮影を希望する場合には、撮像素子の温度を極力低下させなければならない。一方、通常の感度で撮影を希望する場合には、高感度の場合に比べて撮像素子の温度を低下させる必要はない。
このように、上記従来の撮像装置は、感度に応じた撮像素子の温度制御を行うことができないので、使い難く、より鮮明な画像の取得を行うことが困難なものであり、また、効率的に電力を消費することが困難なものであった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、暗電流によるノイズの発生を抑えると共に感度に応じた撮像素子の温度制御ができ、使い易く、効率的な電力消費を行え、より鮮明な画像の取得を行うことができる撮像素子モジュール及び電子機器を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明の撮像素子モジュールは、光電変換により画像情報を取得可能な撮像素子と、供給された電力量に応じて前記撮像素子を冷却する熱電素子と、前記撮像素子の温度を測定する温度検知手段と、前記撮像素子に蓄積された電荷の転送タイミングを制御する制御手段とを備え、該制御手段が、前記撮像素子が所望の感度に応じた温度範囲に達しているときに前記電荷を転送するよう、前記温度検知手段により測定された温度に基づいて前記電力量を制御することを特徴とするものである。
この発明に係る撮像素子モジュールにおいては、撮像素子が、入射した光の強弱に応じて光電変換により電気信号に変え、被写体や風景等を画像情報として取得する。そして、制御手段が、撮像素子に蓄積された電荷をメモリ等に転送することで、メモリ内に電荷の強弱を記憶、即ち、画像情報の記録を行うことが可能である。
ここで、制御手段は、撮像素子に蓄積された電荷を転送する際に、撮像素子の温度制御を行った後に転送を行う。つまり、まず、制御手段は、温度検知手段より現在の撮像素子の温度を入手する。そして、制御手段は、撮像素子が現在の温度から、所望の感度に応じた最適な温度範囲に達するように、熱電素子に供給する電力量を決定して該撮像素子の冷却を行う。
これにより、撮像素子の温度上昇により発生する暗電流によるノイズを単に抑えるだけでなく、所望する感度に応じて撮像素子の温度制御を行える。つまり、感度を高くすればするほど、電荷を増幅するのでノイズの発生が顕著になるが、本発明においては、例えば、高感度での撮影を希望する場合は撮像素子の温度を極力低くでき、また、通常の感度で撮影を希望する場合は高感度の場合と比べて供給する電力量を抑えた状態で撮影を行える。
このように、感度に応じて撮像素子の温度制御を行うことで、各感度におけるノイズの発生を極力抑えることができる。従って、高感度でより鮮明な画像情報を取得することができる。また、感度変更に対応するので、使い易い。更に、所望する感度に応じて熱電素子に供給する電力量を適時制御するので、より効率的に電力を消費することができる。
また、本発明の撮像素子モジュールは、上記本発明の撮像素子モジュールにおいて、前記制御手段が、前記温度検知手段により測定された温度を予め設定された閾値と比較し、該比較結果に基づいて前記電力量を制御することを特徴とするものである。
この発明に係る撮像素子モジュールにおいては、制御手段が、温度検知手段で測定された撮像素子の温度を入手した後、該温度と閾値との比較を行う。そして、比較結果に基づいて、電力量を制御する。このように閾値を設けることで、電力量を決定する目安とすることができるので、より制御がし易くなる。
また、本発明の撮像素子モジュールは、上記本発明の撮像素子モジュールにおいて、所望する任意の値に前記感度を設定する感度設定部を備えていることを特徴とするものである。
この発明に係る撮像素子モジュールにおいては、感度設定部より、撮像素子の感度を任意の感度に容易且つ確実に設定できるので、使い易く、また、感度調整ミスを極力低減することができる。
また、本発明の撮像素子モジュールは、上記本発明のいずれかに記載の撮像素子モジュールにおいて、前記制御手段が、前記所望する感度に応じて、前記撮像素子のシャッタースピードを制御することを特徴とするものである。
この発明に係る撮像素子モジュールにおいては、制御手段が、感度に応じて撮像素子のシャッタースピードを制御するので、例えば、高感度のときにシャッタースピードを短くして撮像を行える。これにより、例えば、手動により撮影を行った場合に、手ぶれによるノイズを極力なくすことができ、さらに鮮明な画像情報を取得することができる。
また、本発明の撮像素子モジュールは、上記本発明のいずれかに記載の撮像素子モジュールにおいて、前記熱電素子が、ペルチェ素子であり、前記撮像素子の少なくとも近傍に設けられていることを特徴とするものである。
この発明に係る撮像素子モジュールにおいては、熱電素子としてペルチェ素子を利用し、撮像素子の少なくとも近傍に設ける、例えば、撮像素子の真下に直接接するように設けたり、また、基板等を間に挟んで設けたりすることで、瞬間的で確実な冷却を行うことができるので、信頼性の向上を図ることができる。
また、設置スペースを極力小さくでき、小型化を図れると共に設計の自由度を向上させることができる。
また、本発明の電子機器は、上記本発明のいずれかに記載の撮像素子モジュールと、該撮像素子モジュールを内部に収納すると共に前記撮像素子に対向配置された撮像光学系を有する筐体と、該筐体に設けられた操作部とを備え、前記制御手段が、前記操作部の入力に応じて制御を開始することを特徴とするものである。
この発明に係る電子機器においては、撮像素子モジュールが、撮像光学系を介して画像情報の取得を行う。そして、シャッターボタン等の操作部を押すことで、制御部を作動させて(制御を開始させて)画像情報の取り込みを行える。
特に、高感度でより鮮明な画像情報を取得可能な上記撮像素子モジュールを備えているので、撮像性能の向上化及び信頼性の向上化を図ることができる。また、感度変更に対応しながらノイズの発生を極力抑えるので、使い易く、また、効率的な電力消費を行えることからも信頼性が高い。
本発明に係る撮像素子モジュールによれば、感度に応じて撮像素子の温度を制御を行うことで、各感度におけるノイズの発生を極力抑えることができ、高感度でより鮮明な画像情報を取得することができる。また、感度変更に対応するので、使い易い。更に、所望する感度に応じて熱電素子に供給する電力量を適時制御するので、より効率的に電力を消費することができる。
また、本発明に係る電子機器によれば、撮像性能の向上化及び信頼性の向上化を図ることができ、感度変更に対応しながらノイズの発生を極力抑えるので、使い易く、また、効率的な電力消費を行えることからも信頼性が高い。
以下、本発明に係る電子機器及び撮像素子モジュールの一実施形態を、図1から図3を参照して説明する。
本実施形態のデジタルカメラ(電子機器)1は、図1に示すように、撮像素子モジュール2と、該撮像素子モジュール2を内部に収納すると共に後述するCCD(Charge Coupled device;電荷結合素子)(撮像素子)10に対向配置されたレンズ(撮像光学系)3を有する図示しないケーシング(筐体)と、該ケーシングに設けられた図示しないシャッタースイッチ(操作部)とを備えている。
上記撮像素子モジュール2は、光電変換により画像情報を取得可能なCCD10と、供給された電力量に応じてCCD10を冷却するペルチェ素子(熱電素子)11と、CCD10の温度を測定するサーミスタ(温度検知手段)12と、CCD10に蓄積された電荷を図示しないメモリに転送する転送タイミングを制御する制御部(制御手段)13と、所望する任意の感度にCCD10を設定する図示しない感度変更スイッチ(感度調整手段)とを備えている。
上記CCD10は、プラスチック等の材料により形成されたCCDパッケージ14内に設けられており、本実施形態においては、CCD10とCCDパッケージ14との間に上記ペルチェ素子11が設けられている。即ち、本実施形態においては、ペルチェ素子11がCCD10と直接的に接触している(CCD10の少なくとも近傍に設けられている)。
このペルチェ素子11は、アルミナや窒化アルミニウム等の電気絶縁性の一対の基板20、21と、該一対の基板20、21の間に配されたp型熱電材料22及びn型熱電材料23とを有している。また、p型熱電材料22とn型熱電材料23とは、図示しない電極によりPN接合され、直列に電気的接続されている。また、一対の基板20、21のうち、上記CCD10に接する一方の基板20の表面が冷却面となっており、CCDパッケージ14に接する他方の基板21の表面が放熱面となっている。
更に、ペルチェ素子11は、シリコンジェル等の熱伝導性グリスや、銀ペーストや、接着剤等によって冷却面及び放熱面が、それぞれCCD10及びCCDパッケージ14に接着されている。これにより、冷却面及び放熱面は、CCD10及びCCDパッケージ14に確実に面接触した状態となる。
また、上記CCDパッケージ14は、ケーシングに固定された回路基板25上に載置固定されている。また、回路基板25は、裏面側において、コネクタ26及び該コネクタ26に電気的に接続されたフレキシブル配線基板27を介して上記制御部13に電気的に接続されている。即ち、ペルチェ素子11は、フレキシブル配線基板27、コネクタ26及び回路基板25を介して制御部13に電気的に接続されており、冷却面を有する一方の基板20側が冷却するように、p型熱電材料22及びn型熱電材料23に流れる電子の方向が制御されている。
また、CCDパッケージ25の下方に位置する回路基板25の裏面には、放熱機構となるヒートスプレッダ28が取り付けられており、放熱面より放熱された熱を、CCDパッケージ14及び回路基板25を介して大気に放熱できるようになっている。
更に、CCDパッケージ14には、上記レンズ3を周囲から囲むように固定する鏡筒29が取り付けられており、該鏡筒29、レンズ3及びCCDパッケージ14により、CCD10を密閉状態にしている。なお、この鏡筒29は、ケーシングに固定されている。
上記サーミスタ12は、CCD10に直接的に接するように取り付けられており、測定した温度を図示しない配線、回路基板25、コネクタ26及びフレキシブル配線基板27を介して制御部13に出力するようになっている。
上記制御部13は、電荷をメモリに転送する際に、CCD10が所望の感度に応じた温度範囲に達しているときに電荷を転送するよう、サーミスタ12により測定された温度に基づいて、図示しない電源部からペルチェ素子11に供給する電力量を制御するようになっている。
また、本実施形態においては、制御部13は、サーミスタ12により測定された温度を予め設定された閾値と比較し、該比較結果に基づいて電力量を制御するようになっている。これについては、後に詳細に説明する。なお、閾値となる温度としては、40℃を例にして説明する。
更に、制御部13は、所望する感度に応じて、CCD10のシャッタースピードについても制御を行うようになっている。そして、制御部13は、シャッタースイッチの操作(外部からの入力操作)に応じて制御を開始するようになっている。
このように構成されたデジタルカメラ1及び撮像素子モジュール2により、所望する感度で画像情報の取得する場合を、図2を参照にして以下に説明する。なお、本実施形態においては、所望する感度として、ISO200及びISO400の2つの感度を例にして説明する。
まず、デジタルカメラ1の図示しない電源スイッチを入れて各構成品に電力を投入する(S1)。次いで、所望する感度、即ち、ISO200(ノーマルモード)で撮影するか、又は、ISO400(ファインモード)で撮影するかを選択し、感度変更スイッチにより選択した感度に設定する。選択した感度は、制御部13に知らされる。
次いで、作動したCCD10により撮影され、図示しない表示モニターを見ながら撮影したい風景や被写体の構図を決めた後、シャッタースイッチを押して撮影を開始する(S2)。シャッタースイッチが押されると、制御部13は、CCD10の温度制御を開始する。即ち、まず、制御部13は、最初に選択された感度モードが高感度モード、即ち、ISO400によるファインモードであるか否かを判断する(S3)。その結果、高感度モードであると判断した場合(S3におけるYESの場合)には、次にサーミスタ12より送られてくるCCD10の現在の温度を閾値と比較する。即ち、現在のCCD10の温度が40℃以上であるか否かを判断する(S4)。
CCD10の温度が40℃以上、例えば、50℃である場合(S4におけるYESの場合)、制御部13は、ペルチェ素子11に供給する電力量を0.3W(300mW)に決定(S5)し、図示しない電力部の制御を行う。ペルチェ素子11は、供給された電力量に比例した冷却率でCCD10を冷却する。特に、ペルチェ素子11を利用しているので、騒音等もなく瞬間的な冷却を行って、確実にCCD10の温度を下げることができる。よって、温度上昇により発生するノイズを極力減らすことができる。
一方、CCD10から吸収した熱は、放熱面からCCDパッケージ14及び回路基板25を介してヒートスプレッダ28に伝達された後、確実に大気に放熱される。特に、冷却面及び放熱面は、接着材等によりCCD10及びCCDパッケージ14に、それぞれ確実に面接触しているので、効率良く冷却及び放熱が行える。
ここで、ペルチェ素子11により冷却されたCCD10の温度は、図3に示すように、瞬間的に約14℃まで低下する。従って、高感度(ISO400)モードを選択(S6)したとしても、制御部13は、ノイズの影響を極力なくした状態でCCD10に蓄積された電荷をメモリに転送でき、鮮明な画像情報の取得を行える。
特に、制御部13は、高感度モード(ISO400)に応じて、シャッタースピードをより速く(例えば、1/128sec)なるように制御(S7)、即ち、集光量が増加したことに伴って、シャッターの解放時間を短縮(感度とシャッター解放時間との積が、CCD10の集光量に依存するため)しているので、手ぶれの影響を極力なくすことができる。よって、手ぶれを原因とするノイズの発生も極力抑えることができ、さらに鮮明な画像情報の取得を行える。
これにより、制御部13は、撮影を完了し(S8)、ペルチェ素子11の温度制御を終了する(S9)。
また、制御部13は、CCD10の温度が40℃以上であるか否かを判断(S4)する際に、サーミスタ12から送られてきたCCD10の温度が40℃以下、例えば、30℃である場合(S4におけるNOの場合)、ペルチェ素子11に供給する電力量を0.2W(300mW)に決定(S10)し、図示しない電力部の制御を行う。これにより、ペルチェ素子11は、供給された電力量に比例した冷却率でCCD10を冷却する。冷却後のCCD10の温度は、約10℃まで低下する。
上述したように、CCD10の温度に応じてペルチェ素子11に供給する電力量を適時制御するので、効率的に電力を消費することができる。
また、閾値を設けることで、ペルチェ素子11に供給する電力量を決定するための目安とすることができるので、より制御がし易い。
一方、感度変更スイッチにより、感度をノーマルモード(ISO200)に選択し、制御部13がノーマルモードであると判断した場合(S3におけるNOの場合)には、上述したと同様に、制御部13は、サーミスタ12より送られてくるCCD10の現在の温度を閾値と比較し、現在のCCD10の温度が40℃以上であるか否かを判断する(S11)。
そして、40℃以上である場合(例えば、50℃)には(S11におけるYESの場合)、ペルチェ素子11に0.2W(200mW)の電力を供給する(S12)。これにより、CCD10は、図3に示すように瞬間的に約17℃まで温度が低下する。また、CCD10の温度が40℃以下である場合(例えば、30℃)には(S11におけるNOの場合)、ペルチェ素子11に0.1W(100mW)の電力を供給する(S13)。これにより、CCD10は、瞬間的に約10℃まで温度が低下する。
そして、制御部13は、ノーマルモード(ISO200)に応じて(S14)、シャッタースピードを高感度モードより遅く(例えば、1/64sec)なるように制御(S15)、即ち、集光量が減少したことに伴って、シャッターの解放時間を長く(感度とシャッター解放時間との積が、CCD10の集光量に依存するため)することで、最適なシッタースピードで撮影を行うことができる。
上述したように、本実施形態の撮像素子モジュール2によれば、CCD10の温度上昇により発生する暗電流によるノイズを単に抑えるだけでなく、所望する感度に応じてCCD10の温度制御を行える。つまり、感度を高くすればするほど、電荷を増幅するのでノイズの発生が顕著になるが、本実施形態においては、ファインモード(高感度)での撮影を希望する場合は、CCD10の温度を極力低くでき、また、ノーマルモード(通常の感度)で撮影を希望する場合は、ファインモードの場合と比べてペルチェ素子11に供給する電力量を抑えた状態で撮影を行える。
このように、感度に応じてCCD10の温度制御を行うことで、各感度におけるノイズの発生を極力抑えることができる。従って、高感度でより鮮明な画像情報を取得することができる。また、感度変更に対応するので、使い易い。更に、所望する感度に応じてペルチェ素子11に供給する電力量を適時制御するので、より効率的に電力を消費することができる。
また、本実施形態においては、制御部13が、サーミスタ12によって測定された温度を閾値(40℃)と比較し、比較結果に基づいて電力量の制御を行う。このように閾値を利用するので、電力量を決定する目安とすることができ、より制御がし易くなる。
また、感度変更スイッチにより、CCD10の感度を所望する感度に容易且つ確実に設定できるので、使い易く、また、感度調整ミスを極力低減することができる。
また、制御部13は、感度に応じてCCD10のシャッタースピードを制御するので、ファインモードにときに、シャッタースピードを短くして撮影を行える。これにより、手ぶれによるノイズを極力なくすことができ、さらに鮮明な画像情報を取得することができる。
更に、本実施形態では、ペルチェ素子11を利用し、該ペルチェ素子11をCCD10の真下に直接接触するように取り付けているので、瞬間的で確実な冷却を行うことができ、信頼性の向上を図ることができる。また、設置スペースを極力小さくでき、小型化を図れると共に設計の自由度を向上させることができる。
また、本実施形態のデジタルカメラ1は、上述したように、高感度でより鮮明な画像情報を取得可能な撮像素子モジュール2を有しているので、撮像性能の向上化及び信頼性の向上化を図ることができる。また、感度変更に対応しながらノイズの発生を極力抑えるので、使い易く、また、効率的な電力消費を行えることからも信頼性が高い。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態においては、電子機器の一例としてデジタルカメラを採用したが、デジタルカメラに限られず、CCD等の撮像素子を有する携帯電話機等の電子機器でも構わない。
また、上記実施形態においては、撮像素子の一例としてCCDを採用したが、CCDに限られるものではない。例えば、CMOS等でも構わない。
また、熱電素子の一例として、ペルチェ素子を採用したが、ペルチェ素子に限らず、供給された電力量に応じて撮像素子を冷却できるものであれば構わない。但し、瞬間的な冷却が可能であること、また、小型化が可能でることからペルチェ素子が好ましい。
また、このペルチェ素子をCCDパッケージ内に設けた構成にしたが、CCDパッケージの外部に設けても構わない。この場合にが、CCDパッケージを介してCCDを冷却するよう、ペルチェ素子をCCDの少なくとも近傍に設ければ良い。また、本実施形態では、ヒートスプレッダを用いて、CCDが発生した熱を大気に放熱させたが、ヒートスプレッダを用いなくてよく、ペルチェ素子の放熱面から直接的に熱を放熱させても構わない。
更に、上記実施形態では、閾値として、40℃を採用したが、この温度に限定されるものではなく、任意の温度に設定しても構わない。また、感度についても、ISO200及び400を例にしたが、感度の値及び感度の種類は任意に設定して構わない。
本発明に係る電子機器及び撮像素子モジュールの一実施形態を示す構成図である。 図1に示す電子機器及び撮像素子モジュールにより、所望の感度で撮影を行う場合の一例を示すフローチャートである。 図1に示す撮像素子モジュールのCCDの初期温度が50℃である場合、ペルチェ素子に投入する電力量によりどの程度CCDの温度が低下するのかを示す、投入電力−冷却温度の関係図である。 感度、シャッター時間における環境温度−ノイズレベルの関係図である。
符号の説明
1 デジタルカメラ(電子機器)
2 撮像素子モジュール
10 CCD(撮像素子)
11 ペルチェ素子(熱電素子)
12 サーミスタ(温度検知手段)
13 制御部(制御手段)

Claims (6)

  1. 光電変換により画像情報を取得可能な撮像素子と、
    供給された電力量に応じて前記撮像素子を冷却する熱電素子と、
    前記撮像素子の温度を測定する温度検知手段と、
    前記撮像素子に蓄積された電荷の転送タイミングを制御する制御手段とを備え、
    該制御手段は、前記撮像素子が所望の感度に応じた温度範囲に達しているときに前記電荷を転送するよう、前記温度検知手段により測定された温度に基づいて前記電力量を制御することを特徴とする撮像素子モジュール。
  2. 請求項1記載の撮像素子モジュールにおいて、
    前記制御手段は、前記温度検知手段により測定された温度を予め設定された閾値と比較し、該比較結果に基づいて前記電力量を制御することを特徴とする撮像素子モジュール。
  3. 請求項1又は2記載の撮像素子モジュールにおいて、
    所望する任意の値に前記感度を設定する感度設定部を備えていることを特徴とする撮像素子モジュール。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像素子モジュールにおいて、
    前記制御手段は、前記所望する感度に応じて、前記撮像素子のシャッタースピードを制御することを特徴とする撮像素子モジュール。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像素子モジュールにおいて、
    前記熱電素子は、ペルチェ素子であり、前記撮像素子の少なくとも近傍に設けられていることを特徴とする撮像素子モジュール。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像素子モジュールと、
    該撮像素子モジュールを内部に収納すると共に前記撮像素子に対向配置された撮像光学系を有する筐体と、
    該筐体に設けられた操作部とを備え、
    前記制御手段は、前記操作部の入力に応じて制御を開始することを特徴とする電子機器。
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