JP2006135205A - 炭酸ガスレーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 経時変化によって部分反射鏡やミラー等の光学部品の光吸収率が増加し、それによる屈折率の変化が生じてビームの特性変化が生じるのを防ぐ炭酸ガスレーザ装置を得る。
【解決手段】 本発明の実施の形態1においては、真空容器1内に設けられた一対の放電電極4と、真空容器1内を充填された炭酸ガスであるレーザ媒質2と、一対の放電電極4の電位差によってレーザ媒質が放出した光を反射及び通過をさせるとともに、放電電極4と対向するセレン化亜鉛で構成された面が酸素を透過させない皮膜よって覆われた部分反射鏡6を備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は光学部品の劣化を防止し、安定で信頼性の高いビームを出すことができる炭酸ガスレーザ装置に関するものである。
従来技術の炭酸ガスレーザ装置は、10.6μmの波長の赤外線を出力するが、その赤外線だけではなく、炭酸ガス分子を励起する目的で実施している放電によって、可視光、紫外光も放射される。特にその紫外線が部分反射鏡に入射されると、内部に含まれる微細なゴミの影響により部分反射鏡に汚れが生じる。その汚れによって部分反射鏡がレーザ光のエネルギーを吸収する比率が増大するため、その熱により部分反射鏡の温度が上昇することにより屈折率変化が生じ、ビームの特性変化が生じる。
上記問題を解決するために、レーザ媒質と部分反射鏡の間の光路に可視・紫外線の光に対して反射率の低い波長選択性ミラーを配設して、部分反射鏡へ入射する紫外線を減少させる炭酸ガスレーザ装置が開示されている。(例えば、特許文献1参照)。
特開昭62−198181号公報(第1〜4頁、第1、4図)
特許文献1の炭酸ガスレーザ装置において、波長選択性ミラー自体がそのレーザ媒質中に含まれる微量なゴミを付着させることから部分反射鏡に付着するゴミを軽減させる効果はあるものの、ミラーに付着するゴミによってビームの特性変化自体は生じるという問題があった。
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、経時変化によって部分反射鏡やミラー等の光学部品の光吸収率が増加し、それによる屈折率の変化が生じてビームの特性変化が生じるのを防ぐ炭酸ガスレーザ装置を得ることを目的とする。
この発明は、真空容器内に設けられた一対の放電電極と、前記真空容器内を充填された炭酸ガスを含むレーザ媒質と、前記一対の放電電極の放電エネルギーによって励起された前記レーザ媒質が放出した赤外線を反射及び通過をさせるとともに、前記放電電極側のセレン化亜鉛で構成された面が酸素の透過を遮断する皮膜によって覆われた部分反射鏡を備えたものである。
この発明は、真空容器内に設けられた一対の放電電極と、前記真空容器内を充填された炭酸ガスを含むレーザ媒質と、前記一対の放電電極の放電エネルギーによって励起された前記レーザ媒質が放出した赤外線を反射及び通過をさせるとともに、前記放電電極側のセレン化亜鉛で構成された面が酸素の透過を遮断する皮膜によって覆われた部分反射鏡を備えたので、経時変化によって部分反射鏡の光吸収率が増加し、それによる屈折率の変化が生じてビームの特性変化が生じるのを防ぐことができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係わる炭酸ガスレーザ装置を示す構成図である。図1において、真空容器1の内部に充填されているレーザ媒質2のエネルギーを励起してレーザ光3を生成するための放電電極4が配設されている。放電電極4が生成したレーザ光3の光軸上に全反射鏡5、部分反射鏡6が配設されている。部分反射鏡の6の構造については後述する。尚、図1に示した構成は、レーザ光3と、放電が発生する方向と、レーザ媒質2が放電電極4の電極間を通過る方向とが、それぞれ垂直に交わるため、3軸直交型と呼ばれる。
全反射鏡5は、ブロック7、ブロック8、ブロック9によって固定されるとともに、全反射鏡5の外径部分とブロック8の内径部分とをOリング10によってシールし、全反射鏡5の外側面とブロック9の真空容器側面との間をOリング11よってシールすることで、真空容器1の内部の気密性を保ち、外部から空気が流入しないよう構成している。
同様に、部分反射鏡6は、ブロック12、ブロック13、ブロック14によって固定されるとともに、部分反射鏡6の外径部分とブロック13の内径部分とをOリング15によってシールし、部分反射鏡6の外側面とブロック14の真空容器側面との間をOリング16よってシールすることで、真空容器1の内部の気密性を保ち、外部から空気が流入しないよう構成している。
尚、全反射鏡5の真空容器1側面とブロック7の外側面との当接面同士、及び部分反射鏡6の真空容器1側面とブロック12の外側面との当接面同士は、それぞれ0.5μm程度の平面度を有する超精密加工が施されているので、外気と遮断する機能を有している。
また、真空容器1の内部には、炭酸ガスであるレーザ媒質2を循環する循環ブロア17と真空容器1内のレーザ媒質2の温度を冷却する熱交換器18とが配設されている。
熱交換器18の内部に冷却水を循環させてレーザ媒質2を冷却する冷却装置41が配設されている。尚、図示していないが、この冷却装置41は全反射鏡5及び部分反射鏡6を効果的に冷却するために全反射鏡5と当接しているブロック8や部分反射鏡6と当接しているブロック13の内部に冷却水を循環させる構造を採用することも出来る。
そして、電源盤19は、放電電極4に電位を与えて放電を発生させ、循環ブロア17の回転数を制御し、真空容器1内を真空にする。制御装置20は、起動信号、放電信号を電源盤19に出力することで炭酸ガスレーザ装置の動作の制御を行っている。
以下、炭酸ガスレーザ装置の動作について説明する。まず、真空容器1の内部において、制御装置20からの起動信号が電源盤19に入力されると、電源盤19は、循環ブロア17が回転させることで、内部に充填しているレーザ媒質2、例えば炭酸ガスレーザではCOガス(レーザガス)を循環させる。この状態で、制御装置20から出力信号が出力され、電源盤19に入力されると、電源盤19は、放電電極4の電極間を高電圧に印加させ、それによって放電電極4の電極間が所定の電位差を超えると放電現象が起こり、レーザ媒質2が励起される。励起されたレーザ媒質2は光を放出し、基底準位へと戻る。放出された光は部分反射鏡4と全反射鏡5との間で反射され、部分反射鏡4から一部は外部に出力され、残りはさらに全反射鏡5に反射されることにより、増幅が繰り返される。外部に出力されるレーザ光3は制御装置20が指令した出力値相当が出力されるよう構成され、また制御装置20自身もその出力となるよう制御している。取り出されたレーザ光3はたとえば、加工機や計測器(図示せず)上に焦点を結んで加工したり、測定したりするのに用いられる。
炭酸ガスレーザ装置の部分反射鏡6について説明する。
一般に、炭酸ガスレーザ装置の使用によって、部分反射鏡6の表面に付着物が付着するが、これはたとえば真空容器内部に存在する有機材料、組立て時に生じるごみ、手の油等が付着したものである。そしてその付着物は、炭酸ガスのレーザ光3の部分反射鏡6としての光吸収率を上昇させ、レーザ光3を出力する際に部分反射鏡6に熱を発生させ、部分反射鏡6の内部に温度差が生じることで屈折率の変化が生じさせ、熱レンズといわれるビーム特性変化を発生させる。
ビームの特性変化を小さくしようとした場合、真空容器1内に存在するゴミ等を少なくする手法が一般的である。そしてそのゴミ等を除去すべく、図示しないが、光触媒やサイクロン式の採用によって真空容器1内のゴミ除去を行うことができる。しかし、それでも経時変化によって部分反射鏡6の光吸収率が増加し、それによる屈折率の変化が生じてビームの特性変化が生じてしまうという問題があった。
この問題の究明するために、部分反射鏡6の表面状態をX線光電子分光法(X−ray Photoelectoron Spectroscopy 略してXPS)などの解析を実施したところ、次のことが判明した。
炭酸ガスをレーザ媒質とした赤外線領域のレーザ光3の光学部品の材料としては、一般にZnSe(セレン化亜鉛)が使用されている。
また、炭酸ガスレーザ装置のレーザ媒質にはCOが利用されるが、COは放電によりCO→CO+1/2・CO(式1)という化学変化により活性酸素が生成される。
部分反射鏡6の材料であるZnSeに紫外線が照射されると、活性酸素と結びついて、ZnSe+O+e→Zn+SeO(式2)という化学変化をして、酸化セレンが生じることが明らかになった。
また、紫外線は、炭酸ガスレーザ装置の放電によって観測することができる
図2は、本発明の実施の形態1に係わる炭酸ガスレーザ装置の放電により発光された光のスペクトル図である。縦軸はその出力、横軸は波長を示している。380nm未満の波長領域が紫外線となるが、スペクトル図には紫外線の波長領域の光エネルギーが検出されていることが示されている。
つまり、真空容器1内のゴミ等をいくら排除してもレーザ媒質2と部分反射鏡6の材質自体で化学変化が生じ、それによって部分反射鏡6に膜が形成させることになる。
酸化セレンは、ZnSeを材料とする光学部品である部分反射鏡6の表層に約数十nmの厚みで形成し、表層を完全に覆ってしまう。一般に真空容器1内生成されるゴミ等も含めた酸化膜自体はごく薄膜であるが、一般にZnSeの吸収率は0.05%/cmに対して、数十nmの酸化セレンの膜の吸収率は0.1%程度発生する。この極微量な吸収率変化でも高出力のレーザ光3に影響を与え、部分反射鏡6の内部に温度変化が生じる。
図3は、本発明の実施の形態1に係わる炭酸ガスレーザ装置の部分反射鏡6が酸化セレン膜に覆われた場合の動作時の温度分布を示す図である。上側の図は、下の部分反射鏡6の断面における温度分布を示しており、縦軸はその厚み方向で下側が放電面側、上側が大気側となり、横軸は部分反射鏡から径方向の位置を示し、左側が径の中心、右側が外側となり、長方形状に示された部分内の濃淡はその温度を示し、濃い方が高温側を示している。図3に示されるように、光のエネルギー密度がもっとも高い部分反射鏡6の中心付近でかつ酸化セレンが存在する放電面側の面側がもっとも高くなっている。
よって光学部品の部分反射鏡6が熱を帯びるといわゆる熱レンズと呼ばれるレーザ光3のビーム形状の変化が生じる。
図4は、部分反射鏡6が酸化セレン膜に皮膜される前後のレーザ光のビーム形状の変化を示す図である。
放電電極4の電極間の電位差に起因した放電によって、レーザ媒質2が光を放出する際に同時に紫外線が放出してセレン化亜鉛を材料とする部分反射鏡に到達する。すると式2の反応によって放電面側表面に酸化セレンが生成される。すると、酸化セレンとセレン化亜鉛の光の吸収率の差から部分反射鏡6の放電面側で光のエネルギー密度の大きい中心付近の温度が特に上昇し、それによってレーザ光3のビーム特性が変化し、初期には
実線で示されていたものが、酸化セレン膜に皮膜されると一点破線に示された形状となる。
従ってこの問題を解決するには、紫外線による酸化セレンの生成を防止をすれば、ビーム特性が安定した炭酸ガスレーザ装置を供給することができる。
図5は、本発明の実施の形態1に係わる炭酸ガスレーザ装置の部分反射鏡6の構造図である。部分反射鏡6の母材21であるZnSeに対し、大気側にAnti Reflection Coating(以下、ARコートと称す)膜22とARコート膜22の上にZnSe膜23を構成している。また、放電側は、部分反射鏡6の母材21であるZnSeに対し、ThF膜24を構成し、その上にZnSe膜23を施し、その上に皮膜である酸化防止コーティング膜25を施している。母材21であるZnSeに対して、さらにThF24とZnSe膜23を施すのは、部分反射鏡6が所望の透過率を得るためである。
酸化防止コーティング膜25の材料としては、たとえばダイヤモンドコーティング、ダイヤモンドライクカーボン(以下、DLCと称す)、金属性の極薄膜等がある。酸化防止コーティング膜25を施すことにより、酸化セレンの生成が抑制されるという効果がある。
従って、本発明の実施の形態1においては、真空容器1内に設けられた一対の放電電極4と、真空容器1内を充填された炭酸ガスを含むレーザ媒質2と、一対の放電電極4の放電エネルギーにより励起されたレーザ媒質が放出した光を反射及び通過をさせるとともに、放電電極4側のセレン化亜鉛で構成された面が酸素の透過を遮断する皮膜よって覆われた部分反射鏡6を備えたので、放電からの紫外線が部分反射鏡4に到達して、活性化されたとしても、部分反射鏡6の周辺に酸素原子が存在しても部分反射鏡最表面を守る酸化防止コーティング膜25を有するので酸化セレンの生成を防ぐことが出来、部分反射鏡6の光の吸収率が変化して、いわゆる熱変形によるビーム特性の変化を小さくすることができる炭酸ガスレーザ装置を供給することができる。
また、酸化防止コーティング膜25の材料としてダイヤモンドコーティング、ダイヤモンドライクカーボンを選択した場合、酸化防止コーティング膜25の熱拡散係数が非常に高いため、使用時における部分反射鏡6の温度分布がより均等化されるため、光学歪を少なくさせる効果があり、特に高出力の炭酸ガスレーザ装置においては有効である。
また、放電で生成される紫外線の多くは真空紫外線であり、放電と反対側の部分反射鏡の最表面には届かず、ほとんどが部分反射鏡の母材21やコーティングに吸収されてしまう。そのため、放電面側だけでも十分であるが、化学蒸着法(Chemical Vapor Deposition 略してCVDと称す)でコーティングを施す場合は、片面のみ化学蒸着させる場合にマスキングを行う必要があるため、マスキングを行わずに両側実施しても特に支障はない。
本例では、三軸直交形について記載したが、ガスレーザの軸流形や壁面冷却型などその他の方式であっても放電機構があり、放電により活性酸素が生じるガスレーザであり、酸化が発生する物質を使った透過型の光学部品を使用していれば全て大なり小なり発生するものである。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係わる炭酸ガスレーザ装置を示す構成図である。尚、表示していない部分については実施の形態1と同じであり、図6中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
図6において、実施の形態1におけるブロック12の代わりとして実施の形態2においては、真空容器1とブロック13との間に、ブロック26が配設されている。
ブロック26の内部には、円筒状の空洞部が構成され、その中に、ブロック26と真空容器1に対向した面とが密着する透過型光学部品27、透過型光学部品27の真空容器1に対向した面と接触して真空容器1に充填されたレーザ媒質1の漏れを防ぐOリング28、Oリング29を挟んで透過型光学部品27を固定するリングネジ30が構成されている。
ブロック26と透過型光学部品27との互いの接触面は超平面加工(例えば、ダイヤモンドターニング加工)が実施され、固定された状態でも光学部品にひずみが生じないよう配慮されている。ブロック26の透過型光学部品27より大気側は雌ネジが切ってあり、リングネジ30が螺合するように構成されている。リングネジ30は回転することで、透過型光学部品27との距離を縮めることができる。リングネジ30と透過型光学部品27との間にはOリング29が配設され、リングネジ30を締め付けたときのクッションとして、また線膨張や機械歪からのクッションとして使用されている。ブロック26の中央部はレーザ光3が通過するよう、ブロック26、リングネジ30の中央部は、レーザ光3が通過する円形の空洞が存在する。
ブロック26内の空洞には、400nm以下の紫外線を吸収できる媒質、たとえば紫外線吸収媒体であるオゾンガス31が封入され、放電電極4から放出されるブロック26内の空洞中のオゾンガス31にて吸収する。オゾンガス31は、透過型光学部品27とブロック26とが当接する面、及び部分反射鏡6とOリング15とが当接する面にて外界に漏れないように構成されている。特開平4-58202においては、10%濃度(90%は酸素)で厚さ2mm、大気圧力のオゾンガスで約94%の250nmの波長の光が吸収される。炭酸ガスレーザ装置の生成する放電による紫外光は、図2に記載のように290〜400nmであり、2mm程度の空間があれば十分吸収される。
また、特開平6−13678では放電によりオゾンガスが発生することの記載があるが、一般の炭酸ガスレーザ装置では1/10気圧で動作することと、放電により発生するオゾンガスは数十ppm程度しかないため、吸収率が低く、外部からの導入が不可欠となる。
したがって、本発明の実施の形態2においては、放電電極4と部分反射鏡6との間に設けられ、一対の放電電極4の放電エネルギーにより励起されたレーザ媒質2が放出した赤外線を通過させる透過型光学部品27と、透過型光学部品27と部分反射鏡6との間に設けられた、レーザ媒質が放出した紫外線を吸収する紫外線吸収媒体とを備えたので、部分反射鏡6に紫外線が到達する確率は減り、酸化セレンなどの生成物が部分反射鏡6上に生成されることをおさえることができ、それゆえ、光学部品の劣化が抑えられ、ビーム特性が安定したガスレーザ装置を供給することができる。
上記例では、ブロック26内の空洞の媒質は紫外線を吸収するオゾンで記載していたが、活性酸素がなければ光学部品の酸化は進まないため、紫外線吸収媒体でもある安価な窒素ガスでシールドする方法でも同様の効果が期待できる。
尚、透過型光学部品27は、直接レーザ光3をうけるためにその影響が大きく、素材としてはレーザ光3への熱レンズ作用の低い人工ダイヤモンドが使用される。透過型光学部品27は、部分反射鏡6に向かうレーザ光3と部分反射鏡6から反射されるレーザ光3と2度通過することになるが、透過型光学部品27の素材である人工ダイヤモンドは、その熱膨張率が赤外線レーザに使用されるZnSeに比べ約1/7であり、温度変化に対する屈折率変化が約1/6である。したがって、透過型光学部品27がレーザ光3に与える影響度は、実施の形態1の部分反射鏡6と比べて、(1/7×1/6)×2=1/21に小さくなる。実施の形態1の場合における、レーザ光3が直接、ZnSeを母材とする部分反射鏡6を通過及び反射する場合と比べて、一般にZnSeの吸収率は0.1%程度しか許容されないところ、透過型光学部品27の素材である人工ダイヤモンドに許容される吸収率は、影響度の逆数である21倍の2.1%程度まで許容される。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3に係わる炭酸ガスレーザ装置を示す構成図である。尚、表示していない部分については実施の形態1〜2と同じであり、図7中、図1及び図6と同一符号は同一又は相当部分を示す。
図7(a)は、本発明の実施の形態3に係わる炭酸ガスレーザ装置を示す構成を示している。実施の形態2と相違する点は、ブロック26と、ブロック13との間にブロック32は配設されている。ブロック32は、ガスとしてオゾンガス31を流入させる入口部32aと流出させる出口部32bとを有し、出口部32bと接続し、オゾンガス31を運ぶ配管33、配管33と接続してオゾンガス31を循環させるために圧力を与えるポンプ34、ポンプ34と、配管35を経由して接続され、オゾンを生成する生成機36、生成機と接続され入口部32aと接続された配管37が構成として追加されている。
次に動作について説明する。生成機36は、紫外線を吸収、または酸化を防止するオゾンガス31を生成する。たとえば、生成機36はオゾナイザーとなる。生成機36ではオゾンガス31を生成し、配管37から入口部32aに導かれる。入口部32aからブロック32の内部に導かれ、出口部32bから取出される。取出されたオゾンガス31は、配管33を通り、ポンプ34の圧力によって循環される。生成機36は、循環して戻ってきたオゾンガス31に対し、オゾンガス31以外の不純物をフィルターなどで取り除き、不足分のオゾンガス31を充填した上で、再度配管37に排出する。
図7(b)は、本発明の実施の形態3に係わる炭酸ガスレーザ装置の放電側からみたブロック32の断面図である。入口部32aからブロック32に導入されるオゾンガス31は、図7(b)のように、放電側から見て、部分反射鏡4を完全に覆うように放出させる構成とすることで、放電によって発生する紫外線をオゾンガス31で吸収し、部分反射鏡6に紫外線が到達する量を減らし、部分反射鏡6に生じる劣化を抑え、ビーム特性が安定したガスレーザ装置を供給することができる。
尚、赤外線は通過させ、紫外線の吸収に最も良い媒質として本実施の形態3ではオゾンを選択しているが、紫外線を吸収できれば他の物質でもよく、媒質として窒素を選択してもよい。その場合生成機36は、窒素発生機となる。
実施の形態4
図8は、本発明の実施の形態4に係わる炭酸ガスレーザ装置を示す構成図である。尚、表示していない部分については実施の形態1〜3と同じであり、図7中、図1、図6、図7と同一符号は同一又は相当部分を示す。
実施の形態3は、オゾンガス31を循環させる方式を記載しているが、実施の形態4は、図8のようにオゾンガス31を循環させず、ブロック32の内部に一定圧力で封入する方式を採用している。ブロック32の出口部32bからの配管と接続された電磁弁38を開け、電磁弁38の出口側に設けられた真空ポンプ39からオゾンガス31を排出する。オゾンガス31の排出が完了したら、電磁弁38と真空ポンプ39を停止させる。次に生成機36で新たなオゾンガス31を生成し、生成機36から配管を経由して接続された電磁弁40を開放し、電磁弁40の出口側の配管と接続されたブロック32の入口部32aを経由して、ブロック32の内部に一定圧力にてオゾンガス31を流入させる。ブロック32の内部の圧力は、真空容器1内のレーザ媒質2と圧力と同じすることで、透過型光学部品27に圧力変形が加わらないように、電磁弁38及び電磁弁40を制御している。特開平6−5952では光学部品の大気側にガスを満たすことの記載があるが、実施の形態4では、赤外線を出力する炭酸ガスレーザ装置のため、紫外線が光学部品を通過し、外面側で劣化させることはない。真空容器1側に透過光学部品を設け、圧力変形が加わらないことで、レーザ装置1内で形成されるビーム特性も安定化させることもできるという利点が生じる。
特に透過型光学部品27は放電電極4によって生成されたレーザ光3が部分反射鏡6に向かう場合と部分反射鏡6から反射される場合とで、二度通過し、ビーム特性の劣化に大きく作用する。素材自体の吸収率を低減させる意味でも光学部品の厚みは薄ければ薄いほうが良い。しかし、製造上の課題と、炭酸ガスレーザ場合、真空容器1の内部が1/10気圧で動作している理由とから、ブロック32の内部と真空容器1の内部との圧力差が透過型光学部品27に作用する力は大きい。そのため、ブロック32の内部と真空容器1の内部との圧力差を極力無くすことで、透過型光学部品27に作用する力を小さくすることができるため、極限まで透過型光学部品27を薄くする製造することが可能となり、それによってレーザ光3のビーム特性をより安定化させることができる。
実施の形態5
実施の形態1〜4では部分反射鏡6に独自のコーティングの膜を施して、酸化を防止することで、部分反射鏡6における光の吸収率変化を抑制する方法を述べた。しかし、ZnSe+O+e→Zn+SeO(式2)という化学反応は、紫外線と活性酸素が結びついて、酸化を発生させるには酸素と結びつく元素、すなわちセレンが最表面に存在していなければならない。
図9は、表面にセレン化亜鉛を有する部分反射鏡の吸収率変化を示す図である。縦軸が部分反射鏡の光吸収率、横軸がレーザ光3の照射時間である。照射時間が短い部分では、式2の反応が進んでおり、吸収率が照射時間とともに大幅に増加している。しかし、所定の照射時間以上では、酸化がほとんど進まなくなる。所定の照射時間によって部分反射鏡には数nmの酸化膜が生じるが、その所定時間以上照射した部分反射鏡をXPSや飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)にて調べてたところ、セレン化亜鉛は検出されないことから式2による反応は終了している。吸収率が漸増する原因は真空容器1内の不純物のみによるものとなる。
レーザ装置を産業用設備や分析用設備として用いる場合、一番の課題はビーム特性の変化である。ビーム特性の変化に大きく起因しているのが、光学部品の吸収率の変化である。所定の照射時間以下の変化は非常に大きく、所定の照射時間以降の変化と比べると3倍〜5倍以上である。そこで、装置の初期値として所定の照射時間以上レーザ光3を照射された部分反射鏡にあわせた装置設計をしておけば、部分反射鏡の吸収率変化による限界値が3倍〜5倍伸びることになる。つまり、式2の反応によって生成された酸化セレン膜を皮膜として使用することである。
図10は、本発明の実施の形態5に係わる炭酸ガスレーザ装置の部分反射鏡6の構造図である。部分反射鏡6は、コーティング膜のセレン化亜鉛が最表面にある場合に、最表面を赤外線照射によって酸化させることで、数nm程度の酸化セレンの皮膜を形成させることができる。無論、コーティング膜を酸化させず、直接部分反射鏡6の母材のセレン化亜鉛が最表面にあった場合でも同様である。光学部品を一定に酸化させる方法としては、エージング用のレーザ装置で酸化させたり、酸素雰囲気中で60℃以上の高温に加熱し、紫外線を照射することによって、表層部を酸化させることができる。
従って、実施の形態5においては、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
本発明の実施の形態1に係わる炭酸ガスレーザ装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態1に係わる炭酸ガスレーザ装置の放電により発光された光のスペクトル図である。 本発明の実施の形態1に係わる炭酸ガスレーザ装置の部分反射鏡6が酸化セレン膜に覆われた場合の動作時の温度分布を示す図である。 部分反射鏡6が酸化セレン膜に皮膜される前後のレーザ光のビーム形状の変化を示す図である。 本発明の実施の形態1に係わる炭酸ガスレーザ装置の部分反射鏡6の構造図である。 本発明の実施の形態2に係わる炭酸ガスレーザ装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態3に係わる炭酸ガスレーザ装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態4に係わる炭酸ガスレーザ装置を示す構成図である。 表面にセレン化亜鉛を有する部分反射鏡の吸収率変化を示す図である。 本発明の実施の形態5に係わる炭酸ガスレーザ装置の部分反射鏡6の構造図である。
符号の説明
1 真空容器、2 レーザ媒質、3 レーザ光、4 放電電極、5 全反射鏡、6 部分反射鏡、7 ブロック、8 ブロック、9 ブロック、10 Oリング、11 Oリング、12 ブロック、13 ブロック、14 ブロック、15 Oリング、16 Oリング、17 循環ブロア、18 熱交換器、19 電源盤、20 制御装置、21 母材、22 ARコート膜、23 ZnSe膜、24 ThF膜、25 酸化防止コーティング膜、26 ブロック、27 透過型光学部品、28 Oリング、29 Oリング、30 リングネジ、31 オゾンガス、32 ブロック、33 配管、34 ポンプ、35 配管、36 生成機、37 配管、38 電磁弁、39 真空ポンプ、40 電磁弁、41 冷却装置。

Claims (5)

  1. 真空容器内に設けられた一対の放電電極と、前記真空容器内を充填された炭酸ガスを含むレーザ媒質と、前記一対の放電電極の放電エネルギーによって励起された前記レーザ媒質が放出した赤外線を反射及び通過をさせるとともに、前記放電電極側のセレン化亜鉛で構成された面が酸素の透過を遮断する皮膜によって覆われた部分反射鏡を備えたことを特徴とする炭酸ガスレーザ装置。
  2. 前記皮膜は、ダイヤモンドコーティングまたはダイヤモンドライクカーボンから成ることを特徴とする請求項1に記載の炭酸ガスレーザ装置。
  3. 前記皮膜は、酸化セレンから成ることを特徴とする請求項1に記載の炭酸ガスレーザ装置。
  4. 前記放電電極と前記部分反射鏡との間に設けられ、前記一対の放電電極の電位差によって前記レーザ媒質が放出した赤外線を通過させる透過型光学部品と、前記透過型光学部品と前記部分反射鏡との間に設けられた、前記レーザ媒質が放出した紫外線を吸収する紫外線吸収媒体とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の炭酸ガスレーザ装置。
  5. 前記透過型光学部品はダイヤモンド構造体であることを特徴とする請求項4に記載の炭酸ガスレーザ装置。
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