以下に、本発明に係る光情報記録再生装置の最良の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
〔光情報記録再生装置の構成〕
図1は、本発明に係る光情報記録再生装置の実施形態の構成を示す側面図である。
この光情報記録再生装置は、図1に示すように、光学ピックアップ装置1と、この光学ピックアップ装置1からの出力信号に基づきフォーカス誤差信号S1を生成する演算回路30Aと、演算回路30Aが生成したフォーカス誤差信号S1のノイズ成分をキャンセルする高周波成分除去手段となるキャンセル回路30Bと、光学ピックアップ装置1におけるビームエキスパンダ16のレンズ間距離を変化させる駆動手段34を構成する駆動回路36と、この駆動回路36を制御するとともに光学ピックアップ装置1の対物レンズ22の光記録媒体に対する距離を制御する制御手段となる収差制御手段32とを備えている。この収差制御手段32は、例えば、マイクロコンピュータ等により構成されている。
光学ピックアップ装置1は、光源となる半導体レーザ素子4と、この半導体レーザ素子4から出射された光束が入射されるビームエキスパンダ16と、このビームエキスパンダ16を経た光束が入射されこの光束を光記録媒体Dの信号記録層に集光させる対物レンズ22と、この対物レンズ22及びビームエキスパンダ16を介して信号記録層からの反射光を受光する光検出器28とを有している。
すなわち、この光学ピックアップ装置1において、半導体レーザ素子4より出射されたレーザ光L0は、コリメータレンズ8を経て平行光束となされ、グレーティング10に入射される。このグレーティング10は、レーザ光L0をメインビーム及び2本のサイドビームの少なくとも3本の光束に分割し、いわゆる「3ビーム法」によるトラッキングサーボ動作を可能とするものである。このグレーティング10を経たレーザ光L0は、偏光ビームスプリッタ12に入射される。この偏光ビームスプリッタ12は、入射光の光軸に対して45°傾斜した偏光分離膜を有している。レーザ光L0は、偏光分離膜に対して大部分の成分がP偏光となっているため、この偏光分離膜を大部分が透過する。そして、レーザ光L0の一部は、偏光分離膜によって反射され、レーザモニタ検出器14に入射される。このレーザモニタ検出器14は、半導体レーザ素子4の発光出力をモニタするための光検出器である。
偏光ビームスプリッタ12を透過したレーザ光L0は、ビームエキスパンダ16に入射される。このビームエキスパンダ16は、光軸上に配置された第1凸レンズ16A及び第2凸レンズ16Bからなり、これら各凸レンズ16A,16B間の間隔に応じて、入射されたレーザ光L0のビーム径及び平行度の調整を行う。これら各凸レンズ16A,16B間の間隔は、駆動回路36により、駆動機構38を介して、可変されるようになっている。
すなわち、駆動回路36及び駆動機構38は、駆動手段34を構成している。この駆動手段34は、収差制御手段32から送られる後述する指示信号C1を受け、ビームエキスパンダ16のいずれかの凸レンズを移動操作する。この駆動手段34において、駆動回路36は、指示信号C1を受けて駆動信号C2を出力して、駆動機構38を制御する。駆動機構38は、駆動信号C2によって動作するステッピングモータ42を有している。このステッピングモータ42には、リードスクリュー40が連結されている。そして、このリードスクリュー40には、第1凸レンズ16A及び第2凸レンズ16Bのうちの一方(16B)を保持するレンズホルダ44のネジ部が螺合されている。すなわち、この駆動機構38においては、リードスクリュー40が回転操作されると、一方の凸レンズ16Bは、リードスクリュー40に沿って、このリードスクリュー40の回転方向に応じた方向に移動操作される。
そして、第1凸レンズ16A及び第2凸レンズ16Bの他方(16A)は、一方の凸レンズ16Bの移動を案内するガイドロッド46の一端に固定されている。したがって、一方の凸レンズ16Bが移動操作されると、これら第1凸レンズ16A及び第2凸レンズ16B間の間隔が可変される。なお、ガイドロッド46には、一方の凸レンズ16Bの原点位置を検出するための原点検出器48が設置されている。この原点検出器48としては、フォトインタラブタ(光学式検出器)やマイクロスイッチなどを使用することができる。
このビームエキスパンダ16を透過したレーザ光L0は、立ち上げミラー18によって立ち上げられ、1/4波長板20に入射される。この1/4波長板20は、直線偏光であったレーザ光L0を、円偏光状態に変換するものである。そして、この1/4波長板20を透過したレーザ光L0は、対物レンズ22に入射される。この対物レンズ22は、レーザ光L0を、光記録媒体である光ディスクDの信号記録層上に集光して照射し、この信号記録層上に光スポットを形成する。
光ディスクDの信号記録層上に照射されたレーザ光L0は、この信号記録層によって反射され、反射光束として、対物レンズ22、1/4波長板20、立ち上げミラー18、ビームエキスパンダ16を経て、偏光ビームスプリッタ12に戻る。この反射光束は、1/4波長板20を透過したとき、往路のレーザ光L0の偏光方向に対して直交する方向の直線偏光となされている。したがって、この反射光束は、偏光ビームスプリッタ12の偏光分離膜に対してS偏光となっており、この偏光分離膜によって反射され、検出レンズ24に入射される。
この検出レンズ24は、反射光束を収束させて、シリンドリカルレンズ26に入射させる。このシリンドリカルレンズ26は、反射光束に非点収差を付与して透過させる。シリンドリカルレンズ26を経た反射光束は、光検出器28の受光面上に集光される。この光検出器28は、複数の受光領域を有しており、これら各受光領域における各光検出信号S0を出力し、これに基づいて、フォーカス誤差信号S1、トラッキング誤差信号、RF信号等を生成できるようになっている。
フォーカス誤差信号S1を生成するには、光軸を中心として放射状に4分割された受光領域における光検出信号を用いて、いわゆる「非点収差法」によって生成する。また、トラッキング誤差信号を生成するには、グレーティング10によって分割されたサイドビームの反射光束を受光する受光領域における光検出信号を用いて、いわゆる「3ビーム法」によって生成する。このようなフォーカス誤差信号S1やトラッキング誤差信号の生成は、光検出器28からの光検出信号S0に基づいて、演算回路30Aによって行われる。
この光情報記録再生装置において、フォーカス誤差信号S1及びトラッキング誤差信号は、記録再生動作中において光学ピックアップ装置1の対物レンズ22の移動制御のために使用される。また、この光情報記録再生装置においては、光ディスクDが装着されたときに、フォーカス誤差信号S1がキャンセル回路30Bに送られ、このキャンセル回路30Bにおいて、フォーカス誤差信号S1におけるノイズ成分がキャンセル(除去)され、収差制御手段32に送られる。
〔光情報記録再生装置の動作〕
この光情報記録再生装置においては、光ディスクDが装着されたときには、収差制御手段32により、ビームエキスパンダ16の一方の凸レンズ16Bの位置が、光軸上の少なくとも3点の位置に移動され、このビームエキスパンダ16における各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離が第1乃至第3の3つの距離のいずれかに切替えられる。
また、光ディスクDが装着されたときには、収差制御手段32により、対物レンズ22が移動操作される。このときの対物レンズ22の移動操作は、この対物レンズ22が光ディスクDから最も離れた位置(最下点)を起点とし、この対物レンズ22が光ディスクDの表層に接近して所定の信号が得られる位置までに亘って、往復移動される。対物レンズ22が光ディスクDの表層に接近して得られる所定の信号とは、信号記録層から得られるフォーカス誤差信号S1の振幅を示す信号である。
この光情報記録再生装置においては、このように対物レンズ22を移動操作することによって、信号記録層から得られるフォーカス誤差信号S1の振幅の測定を行う。このフォーカス誤差信号S1の振幅の測定は、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離を第1の距離とした状態で測定され、次に、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離を第2の距離とした状態で測定され、さらに、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離を第3の距離とした状態で測定される。これらのフォーカス誤差信号S1の振幅の測定は、後述するように、キャンセル回路30Bによってノイズ成分をキャンセルされたフォーカス誤差信号S4に基づいて行われる。
以下、まず、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離が第1の距離となっている状態におけるフォーカス誤差信号S1の振幅測定について説明する。
図2は、この光情報記録再生装置において、表面にキズや、指紋、ゴミの付着等による凹凸がある光ディスクから得られるフォーカス誤差信号を波形図である。
光デバイスの表面にキズや、指紋、ゴミの付着等による凹凸がある場合には、対物レンズ22を移動操作したときに信号記録層から得られるフォーカス誤差信号S1には、図2に示すように、これら凹凸によるノイズ成分が含まれている。
図3は、この光情報記録再生装置におけるキャンセル回路の構成を示すブロック図である。
キャンセル回路30Bは、演算回路30Aにより得られたフォーカス誤差信号S1のノイズ成分をキャンセルする回路である。このキャンセル回路30Bは、図3に示すように、演算回路30Aにより生成されたフォーカス誤算信号S1の高周波成分を抽出するハイパスフィルタ51を有している。このハイパスフィルタ51の遮断周波数は、フォーカス誤算信号S1の周波数帯域よりも高く、光ディスクの表面のキズや、指紋、ゴミの付着等による凹凸によって生ずるフォーカス誤算信号S1のノイズ成分の周波数帯域よりも低い周波数である。このハイパスフィルタ51により抽出された高周波成分は、反転回路52に送られ、極性を反転される。一方、フォーカス誤算信号S1は、位相補正回路53に送られる。この位相補正回路53は、ハイパスフィルタ51における高周波成分の抽出及び反転回路52における極性の反転に要する時間に相当する時間だけ、フォーカス誤差信号S1を遅延させる。そして、反転回路52の出力S2と、位相補正回路53の出力S3とは、加算器54によって加算され、ノイズ成分がキャンセルされたフォーカス誤差信号S4として出力される。
図4は、収差制御手段において識別信号を発生する識別信号発生回路の構成を示すブロック図である。
図5は、識別信号発生回路における識別信号の生成についてのタイミングチャートである。
この識別信号発生回路は、キャンセル回路30Bを経たフォーカス誤差信号S4に基づいて、識層別信号を演算する回路である。この識別信号発生回路においては、図4に示すように、フォーカス誤差信号S4と、予め設定された第1の閾値61及び第2の閾値62とから、第1及び第2の2つのコンパレータ63,64により、図5中の(a)に示す第1のコンパレート信号65及び図4中の(b)に示す第2のコンパレート信号66が生成される。
図6は、フォーカス誤差信号S4と対物レンズの位置との関係を示すグラフである。
第1及び第2の閾値は、図6に示すように、互いに極性が異なり、絶対値が略々等しい値となっている。この実施形態においては、第1の閾値が正の値、第2の閾値が負の値であるものとして説明する。
第1のコンパレート信号65は、図4に示すように、第1の立ち上がり検出回路67に送られる。この第1の立ち上がり検出回路67は、第1のコンパレート信号65に基づき、フォーカス誤差信号S4が第1の閾値を超える立ち上がりエッジを検出し、立ち上がり検出信号68を出力する。この立ち上がり検出信号68は、フォーカス誤差信号S4の立ち上がりエッジにおいて極性反転する信号である。
また、第1のコンパレート信号65は、図4に示すように、第1の立ち下がり検出回路69に送られる。この第1の立ち下がり検出回路69は、第1のコンパレート信号65に基づき、フォーカス誤差信号S4が第1の閾値より下がる立ち下がりエッジを検出し、立ち下がり検出信号70を出力する。この立ち下がり検出信号70は、フォーカス誤差信号S4の立ち下がりエッジにおいて極性反転する信号である。
第2のコンパレート信号66は、図4に示すように、第2の立ち上がり検出回路71に送られる。この第2の立ち上がり検出回路71は、第2のコンパレート信号66に基づき、フォーカス誤差信号S4が第2の閾値を超える立ち上がりエッジを検出し、立ち上がり検出信号72を出力する。この立ち上がり検出信号72は、フォーカス誤差信号S4の立ち上がりエッジにおいて極性反転する信号である。
また、第2のコンパレート信号66は、図4に示すように、第2の立ち下がり検出回路73に送られる。この第2の立ち下がり検出回路73は、第2のコンパレート信号66に基づき、フォーカス誤差信号S4が第2の閾値より下がる立ち下がりエッジを検出し、立ち下がり検出信号74を出力する。この立ち下がり検出信号74は、フォーカス誤差信号S4の立ち下がりエッジにおいて極性反転する信号である。
第1の立ち上がり検出回路67からの立ち上がり検出信号68と、第2の立ち上がり検出回路71からの立ち上がり検出信号72とは、図4に示すように、第1の論理和回路75に送られる。この第1の論理和回路75からの出力は、第1のトグル回路76に送られる。
また、第1の立ち下がり検出回路69からの立ち下がり検出信号70と、第2の立ち下がり検出回路73からの立ち下がり検出信号74とは、第2の論理和回路77に送られる。この第2の論理和回路77からの出力は、第2のトグル回路78に送られる。
そして、図5中の(c)に示す第1のトグル回路76からの出力及び図5中の(d)に示す第2のトグル回路78からの出力は、第3の論理和回路79に送られる。この第3の論理和回路79からの出力は、図5中の(e)に示すように、フォーカス誤差信号S4の振幅を測定するための振幅測定区間を定める識別信号である。すなわち、フォーカス誤差信号S4の振幅測定区間は、フォーカス誤差信号S4の値が初めに(1回目に)第1の閾値となったとき(立ち上がり)から、このフォーカス誤差信号S4の値が2回目に第2の閾値となったとき(立ち上がり)までの区間となる。
フォーカス誤差信号S4の値は、図6に示すように、S字曲線を描いて増減するので、この振幅測定区間には、フォーカス誤差信号S4が極大値をとるときと、極小値をとるときとが含まれる。したがって、この振幅測定区間において、これら極大値と極小値との差、すなわち、フォーカス誤差信号S4の振幅を求めることができる。
フォーカス誤差信号S4の振幅測定は、識別信号に基づいて、収差制御手段32により行われる。この振幅測定は、各振幅測定区間において、フォーカス誤差信号S4の最大値及び最小値を計測し、〔振幅値=最大値−最小値〕によって求める。また、この振幅測定は、所定の回数を繰り返し行い、各測定結果を平均化することにより、測定された振幅値として保存(記憶)する。このようにして、信号記録層から得られるフォーカス誤差信号S4の振幅が測定され、測定値が保存される。
そして、この光情報記録再生装置においては、次に、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離を第2の距離として、前述と同様にして、フォーカス誤差信号S4の振幅測定を行う。
さらに、この光情報記録再生装置においては、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離を第3の距離として、前述と同様にして、フォーカス誤差信号S4の振幅測定を行う。
次に、この光情報記録再生装置においては、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離を第1乃至第3の距離としたときの3つの振幅値に基づいて、各凸レンズ16A,16B間の最適距離が求められる。この最適距離とは、フォーカス誤差信号S4の振幅値を最大とすることができる距離である。
図7は、ビームエキスパンダ16における各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離と、フォーカス誤差信号S4の振幅値との関係を示すグラフである。
前述のように、この光情報記録再生装置においては、ビームエキスパンダ16における各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離を変化させると、発生する球面収差量が変化し、さらに、図7に示すように、球面収差発生量が変化すると、フォーカス誤差信号S4の振幅値が変化する。したがって、ビームエキスパンダ16における各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離の変化と、フォーカス誤差信号S4の振幅値との間には、一定の関係がある。そして、フォーカス誤差信号S4の振幅値は、球面収差発生量が“0”になる位置で最大値をとる。
このような、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離に対するフォーカス誤差信号S4の振幅値の特性は、2次関数、3次関数、または、三角関数などの所定の関数によって近似できる。そのため、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離を任意の3つの距離として、それぞれについてフォーカス誤差信号S4の振幅値を測定し、2次関数等の所定の関数における変化率が0となる点を求めれば、この振幅値が最大値をとる位置を算出することができる。
例えば、図7において、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離が第1乃至第3の距離である3つの測定点が点P1、P2、P3であるとする。図7では、これら測定点において、測定された光ディスクDの信号記録層におけるフォーカス誤差信号の振幅値をプロットしている。この場合、3点P1、P2、P3の位置及び各点に対応する各振幅値から、以下の計算により、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16B間の最適距離を算出することができる。
3点P1、P2、P3のx座標上の位置及びy座標上の対応する振幅値を、それぞれ(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)とすると、フォーカス誤差信号S4の振幅値のビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離に対する特性を2次関数で近似した場合、以下の関係が成立する。
y1=Ax1 2+Bx1+C ・・・(式1)
y2=Ax2 2+Bx2+C ・・・(式2)
y3=Ax3 2+Bx3+C ・・・(式3)
まず、これら3つの式を解いて、3つの係数A,B,Cを求める。3つの係数A,B,Cが求まれば、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離(X)に対するフォーカス誤差信号S4の振幅値(Y)を以下の関数により表記することができる。
Y=AX2+BX+C ・・・(式4)
フォーカス誤差信号S1の振幅値(Y)の変化率(Y´)が0となる点(X0)は、以下のように求められる。
Y´=2AX0+B=0 ・・・(式5)
X0={−B/(2A)} ・・・(式6)
そして、球面収差を“0”にするビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16B間の最適距離XPは、以上のように求められた係数A、B及びX0に基づいて、以下の式により算出する。
XP=kX0=k{−B/(2A)} ・・・(式7)
ここで、kは補正係数である。この補正係数kは、フォーカス誤差信号S4の振幅値の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離に対する特性に起因する係数で、最大値を軸とした場合に前後が非対称であることによる計算誤差を補正する係数である。このような補正係数kは、光学ピックアップ装置1における光学系の特性によって定まるものなので、光学系の特性に応じて、予め求めておくことができる。
そして、このようにして得られた適正位置に基づいて、収差制御手段32は、駆動手段34の駆動回路36に向けて、指示信号C1を出力し、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離が求められた最適距離に設定されるように、第2凸レンズ16Bを移動させ、球面収差の補正操作が完了する。
〔2層ディスクを用いる場合の光情報記録再生装置の構成〕
図8は、本発明に係る光情報記録再生装置の2層ディスクを用いる場合の実施形態の構成を示す側面図である。
この光情報記録再生装置は、図8に示すように、前述の実施形態における光情報記録再生装置と同様に、光学ピックアップ装置1と、この光学ピックアップ装置1からの出力信号に基づきフォーカス誤差信号S1を生成する演算回路30Aと、演算回路30Aが生成したフォーカス誤差信号S1のノイズ成分をキャンセルするキャンセル回路30Bと、光学ピックアップ装置1におけるビームエキスパンダ16のレンズ間距離を変化させる駆動手段34を構成する駆動回路36と、この駆動回路36を制御するとともに光学ピックアップ装置1の対物レンズ22の光記録媒体に対する距離を制御する制御手段となる収差制御手段32とを備えている。光学ピックアップ装置1は、前述の実施形態と同様に構成されている。
図9は、2層ディスクの構成を示す断面図である。
2層ディスクDにおいては、図9に示すように、基板101の主面部に第2の信号記録層L2が形成され、この第2の信号記録層L2に対して、中間層102を介して、第1の信号記録層L1が形成されている。そして、第1の信号記録層L1は、カバー層103によって覆われている。光学ピックアップ装置1によるレーザ光L0の照射は、カバー層103の側から行われる。すなわち、第1の信号記録層L1に対しては、カバー層103を透過したレーザ光L0が照射される。また、第2の信号記録層L2に対しては、カバー層103、第1の信号記録層L1及び中間層102を透過したレーザ光L0が照射される。
この2層ディスクDの全体の厚さは、1.2mm程度である。そして、中間層102の厚さは、25μm程度であり、カバー層103の厚さは、75μm程度である。
光ピックアップ装置1により2層光ディスクDの信号記録層L1,L2上に照射されたレーザ光L0は、この信号記録層L1,L2によって反射され、反射光束として、光ピックアップ装置1に戻る。
この光情報記録再生装置においては、フォーカス誤差信号S1やトラッキング誤差信号の生成は、光検出器28からの光検出信号に基づいて、演算回路30Aによって行われる。この光情報記録再生装置において、フォーカス誤差信号S1及びトラッキング誤差信号は、記録再生動作中において光学ピックアップ装置1の対物レンズ22の移動制御のために使用される。また、この光情報記録再生装置においては、2層光ディスクDが装着されたときに、フォーカス誤差信号S1がキャンセル回路30Bに送られ、このキャンセル回路30Bにおいて、ノイズ成分をキャンセルされる。キャンセル回路30Bにおけるフォーカス誤差信号S1からのノイズ成分のキャンセルは、前述した実施形態におけると同様に行われる。
そして、この光情報記録再生装置においては、ノイズ成分をキャンセルされたフォーカス誤差信号S4は、層別信号発生回路30Cに送られる。この層別信号発生回路30Cにおいては、ノイズ成分をキャンセルされたフォーカス誤差信号S4に基づいて、層別信号S5が生成される。
〔2層ディスクを用いる場合の光情報記録再生装置の動作〕
この光情報記録再生装置においては、2層光ディスクDが装着されたときには、収差制御手段32により、ビームエキスパンダ16の一方の凸レンズ16Bの位置が、光軸上の少なくとも3点の位置に移動され、このビームエキスパンダ16における各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離が第1乃至第3の3つの距離のいずれかに切替えられる。
また、2層光ディスクDが装着されたときには、収差制御手段32により、対物レンズ22が移動操作される。このときの対物レンズ22の移動操作は、この対物レンズ22が2層光ディスクDから最も離れた位置(最下点)を起点とし、この対物レンズ22が2層光ディスクDの表層に接近して所定の信号が得られる位置までに亘って、往復移動される。対物レンズ22が2層光ディスクDの表層に接近して得られる所定の信号とは、後述するように、第2の信号記録層L2についてのフォーカス誤差信号S4の振幅を示す信号である。
この光情報記録再生装置においては、このように対物レンズ22を移動操作することによって、第1及び第2の信号記録層L1,L2についてのフォーカス誤差信号S4の振幅の測定を行う。このフォーカス誤差信号S4の振幅の測定は、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離を第1の距離とした状態で、第1及び第2の信号記録層L1,L2について測定され、次に、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離を第2の距離とした状態で、第1及び第2の信号記録層L1,L2について測定され、さらに、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離を第3の距離とした状態で、第1及び第2の信号記録層L1,L2について測定される。これらのフォーカス誤差信号S4の振幅の測定は、後述するように、層別信号発生回路30Cによって生成される層別信号S5に基づいて行われる。
以下、まず、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離が第1の距離となっている状態におけるフォーカス誤差信号S4の振幅測定について説明する。
図10は、層別信号発生回路30Cの構成を示すブロック図である。
図11は、層別信号S5の生成についてのタイミングチャートである。
この層別信号発生回路30Cは、演算回路30Aにより得られキャンセル回路30Bを経たフォーカス誤差信号S4に基づいて、層別信号S5を演算する回路である。この層別信号発生回路30Cにおいては、図10に示すように、フォーカス誤差信号S4と、予め設定された第1の閾値61及び第2の閾値62とから、第1及び第2の2つのコンパレータ63,64により、図11中の(a)に示す第1のコンパレート信号65及び図11中の(b)に示す第2のコンパレート信号66が生成される。
図12は、2層ディスクを用いる場合のフォーカス誤差信号S4と対物レンズの位置との関係を示すグラフである。
第1及び第2の閾値は、図12に示すように、互いに極性が異なり、絶対値が略々等しい値となっている。この実施形態においては、第1の閾値が正の値、第2の閾値が負の値であるものとして説明する。
第1のコンパレート信号65は、図10に示すように、第1の立ち上がり検出回路67に送られる。この第1の立ち上がり検出回路67は、第1のコンパレート信号65に基づき、フォーカス誤差信号S4が第1の閾値を超える立ち上がりエッジを検出し、立ち上がり検出信号68を出力する。この立ち上がり検出信号68は、フォーカス誤差信号S4の立ち上がりエッジにおいて極性反転する信号である。
また、第1のコンパレート信号65は、図10に示すように、第1の立ち下がり検出回路69に送られる。この第1の立ち下がり検出回路69は、第1のコンパレート信号65に基づき、フォーカス誤差信号S4が第1の閾値より下がる立ち下がりエッジを検出し、立ち下がり検出信号70を出力する。この立ち下がり検出信号70は、フォーカス誤差信号S4の立ち下がりエッジにおいて極性反転する信号である。
第2のコンパレート信号66は、図10に示すように、第2の立ち上がり検出回路71に送られる。この第2の立ち上がり検出回路71は、第2のコンパレート信号66に基づき、フォーカス誤差信号S4が第2の閾値を超える立ち上がりエッジを検出し、立ち上がり検出信号72を出力する。この立ち上がり検出信号72は、フォーカス誤差信号S4の立ち上がりエッジにおいて極性反転する信号である。
また、第2のコンパレート信号66は、図10に示すように、第2の立ち下がり検出回路73に送られる。この第2の立ち下がり検出回路73は、第2のコンパレート信号66に基づき、フォーカス誤差信号S4が第2の閾値より下がる立ち下がりエッジを検出し、立ち下がり検出信号74を出力する。この立ち下がり検出信号74は、フォーカス誤差信号S4の立ち下がりエッジにおいて極性反転する信号である。
第1の立ち上がり検出回路67からの立ち上がり検出信号68と、第2の立ち上がり検出回路71からの立ち上がり検出信号72とは、図10に示すように、第1の論理和回路75に送られる。この第1の論理和回路75からの出力は、第1のトグル回路76に送られる。
また、第1の立ち下がり検出回路69からの立ち下がり検出信号70と、第2の立ち下がり検出回路73からの立ち下がり検出信号74とは、第2の論理和回路77に送られる。この第2の論理和回路77からの出力は、第2のトグル回路78に送られる。
そして、図11中の(c)に示す第1のトグル回路76からの出力及び図11中の(d)に示す第2のトグル回路78からの出力は、第3の論理和回路79に送られる。この第3の論理和回路79からの出力は、図11中の(e)に示すように、フォーカス誤差信号S4の振幅を測定するための振幅測定区間を定める振幅測定区間信号となる。すなわち、フォーカス誤差信号S4の振幅測定区間は、フォーカス誤差信号S4の値が初めに(1回目に)第1の閾値となったとき(立ち上がり)から、このフォーカス誤差信号S4の値が2回目に第2の閾値となったとき(立ち上がり)までの区間となる。
フォーカス誤差信号S4の値は、図12に示すように、S字曲線を描いて増減するので、この振幅測定区間には、フォーカス誤差信号S4が極大値をとるときと、極小値をとるときとが含まれる。したがって、この振幅測定区間において、これら極大値と極小値との差、すなわち、フォーカス誤差信号S4の振幅を求めることができる。
そして、振幅測定区間信号は、図10に示すように、カウンタ回路80に送られる。このカウンタ回路80は、図11に示すように、振幅測定区間信号に対して、区間ごとに層別番号を付与して、層別信号S5として出力する。このカウンタ回路80によるカウントは、対物レンズ22の移動(フォーカスランプ)に対応して、対物レンズ22が2層光ディスクDから最も離れた位置(最下点)にあるときに0にリセットされ、対物レンズ22が2層光ディスクDに接近してゆくとき、この2層光ディスクDの表層についてのフォーカス誤差信号S4の振幅測定区間を“1”、第1の信号記録層L1についてのフォーカス誤差信号S4の振幅測定区間を“2”、第2の信号記録層L2についてのフォーカス誤差信号S4の振幅測定区間を“3”とカウントアップされる。
このように、第2の信号記録層L2についての振幅測定区間が終了したときに、収差制御手段32は、対物レンズ22の移動方向を反転させ、2層光ディスクDより離間させる方向への移動を開始する。そして、カウンタ回路によるカウントは、対物レンズ22が2層光ディスクDより離間してゆくとき、第2の信号記録層L2についてのフォーカス誤差信号S4の振幅測定区間を“4”、第1の信号記録層L1についてのフォーカス誤差信号S4の振幅測定区間を“5”、2層光ディスクDの表層についてのフォーカス誤差信号S4の振幅測定区間を“6”とカウントアップされる。そして、カウンタ回路によるカウントは、対物レンズ22が2層光ディスクDから最も離れた位置(最下点)に至ったときに0にリセットされる。
なお、図10に示すように、対物レンズ22が2層光ディスクDから最も離れた位置(最下点)に至ったことは、対物レンズ位置検出回路81が検出する。そして、この対物レンズ位置検出回路81からの検出信号(リセット信号)が、カウンタ回路80に送られる。
このようにして、図11に示すように、層別番号が“1”と“6”である2層光ディスクDの表層におけるフォーカス誤差信号S4の振幅測定区間、層別番号が“2”と“5”である第1の信号記録層L1におけるフォーカス誤差信号S4の振幅測定区間、及び、層別番号が“3”と“4”である第2の信号記録層L2におけるフォーカス誤差信号S4の振幅測定区間が定められる。このような層別信号S5の出力は、第1及び第2の信号記録層L1,L2についてのフォーカス誤差信号S4の振幅の検出が完了されるまで、繰り返し行われる。
そして、この光情報記録再生装置においては、層別番号が“2”と“5”である振幅測定区間において、収差制御手段32により、第1の信号記録層L1におけるフォーカス誤差信号S4の振幅の測定が行われる。また、層別番号が“3”と“4”である振幅測定区間において、収差制御手段32により、第2の信号記録層L2におけるフォーカス誤差信号S4の振幅の測定が行われる。この振幅測定は、各振幅測定区間において、フォーカス誤差信号S4の最大値及び最小値を計測し、〔振幅値=最大値−最小値〕によって求める。また、この振幅測定は、所定の回数を繰り返し行い、各測定結果を平均化することにより、測定された振幅値として保存(記憶)する。このようにして、第1及び第2の信号記録層L1,L2についてのフォーカス誤差信号S4の振幅が測定され、測定値が保存される。
そして、この光情報記録再生装置においては、次に、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離を第2の距離として、前述と同様にして、フォーカス誤差信号S4の振幅測定を行う。
さらに、この光情報記録再生装置においては、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離を第3の距離として、前述と同様にして、フォーカス誤差信号S4の振幅測定を行う。
次に、この光情報記録再生装置においては、第1の信号記録層L1についてビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離を第1乃至第3の距離としたときの3つの振幅値に基づいて、第1の信号記録層L1についての各凸レンズ16A,16B間の最適距離が求められ、また、第2の信号記録層L2についてビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離を第1乃至第3の距離としたときの3つの振幅値に基づいて、第2の信号記録層L2についての各凸レンズ16A,16B間の最適距離が求められる。これら最適距離とは、フォーカス誤差信号の振幅値を最大とすることができる距離である。
図13は、2層ディスクを用いる場合のビームエキスパンダ16における各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離と、フォーカス誤差信号S4の振幅値との関係を示すグラフである。
前述のように、この光情報記録再生装置においては、ビームエキスパンダ16における各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離を変化させると、発生する球面収差量が変化し、さらに、図13に示すように、球面収差発生量が変化すると、フォーカス誤差信号S4の振幅値が変化する。したがって、ビームエキスパンダ16における各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離の変化と、フォーカス誤差信号S4の振幅値との間には、一定の関係がある。そして、フォーカス誤差信号S4の振幅値は、球面収差発生量が“0”になる位置で最大値をとる。
このような、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離に対するフォーカス誤差信号S4の振幅値の特性は、2次関数、3次関数、または、三角関数などの所定の関数によって近似できる。そのため、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離を任意の3つの距離として、それぞれについてフォーカス誤差信号S4の振幅値を測定し、2次関数等の所定の関数における変化率が0となる点を求めれば、この振幅値が最大値をとる位置を算出することができる。
例えば、図13において、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離が第1乃至第3の距離である3つの測定点が点P1、P2、P3であるとする。図13では、これら測定点において、測定された2層光ディスクDの表層及び各信号記録層L1,L2におけるフォーカス誤差信号の振幅値をプロットしている。この場合、3点P1、P2、P3の位置及び各点に対応する各振幅値から、以下の計算により、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16B間の最適距離を算出することができる。
3点P1、P2、P3のx座標上の位置及びy座標上の対応する振幅値を、それぞれ(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)とすると、フォーカス誤差信号S4の振幅値のビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離に対する特性を2次関数で近似した場合、以下の関係が成立する。
y1=Ax1 2+Bx1+C ・・・(式8)
y2=Ax2 2+Bx2+C ・・・(式9)
y3=Ax3 2+Bx3+C ・・・(式10)
まず、これら3つの式を解いて、3つの係数A,B,Cを求める。3つの係数A,B,Cが求まれば、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離(X)に対するフォーカス誤差信号S4の振幅値(Y)を以下の関数により表記することができる。
Y=AX2+BX+C ・・・(式11)
フォーカス誤差信号S4の振幅値(Y)の変化率(Y´)が0となる点(X0)は、以下のように求められる。
Y´=2AX0+B=0 ・・・(式12)
X0={−B/(2A)} ・・・(式13)
そして、球面収差を“0”にするビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16B間の最適距離XPは、以上のように求められた係数A、B及びX0に基づいて、以下の式により算出する。
XP=kX0=k{−B/(2A)} ・・・(式14)
ここで、kは補正係数である。この補正係数kは、フォーカス誤差信号S4の振幅値の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離に対する特性に起因する係数で、最大値を軸とした場合に前後が非対称であることによる計算誤差を補正する係数である。このような補正係数kは、光学ピックアップ装置1における光学系の特性によって定まるものなので、光学系の特性に応じて、予め求めておくことができる。
そして、このようにして得られた適正位置に基づいて、収差制御手段32は、駆動手段34の駆動回路36に向けて、指示信号C1を出力し、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離が求められた最適距離に設定されるように、第2凸レンズ16Bを移動させ、球面収差の補正操作が完了する。
なお、この光情報記録再生装置において、電源投入後の初期準備においては、一方の凸レンズ16Bを原点まで移動させるとよい。このとき、原点検出器48が位置を検出するまで一方の凸レンズ16Bを移動させ、その後、逆方向に、原点検出器48が未検出状態となるまで移動させる。この位置において、一方の凸レンズ16Bの移動ステップ数を“0”にリセットする。また、原点検出器48の検出から未検出までのステップ数を、一方の凸レンズ16Bの移動操作に関するバックラッシュ量として保存する。このように、バックラッシュ量を保存しておくことにより、一方の凸レンズ16Bの移動方向が反転されたときにも、バックラッシュをキャンセルして、一方の凸レンズ16Bを正確な位置に移動させることができる。
そして、このリセット位置から、一方の凸レンズ16Bを、カバー層の厚さずれが0(設計基準である厚さ)である場合に対応する位置まで移動させる。この位置において、フォーカスランプを行う上で必要なパラメーターのキャリブレーションを行い、フォーカスランプ動作を開始することが望ましい。
なお、以上の各実施形態についての説明では、ビームエキスパンダ16の各凸レンズ16A,16Bのレンズ間距離を3つの異なる距離として、それぞれにおいてフォーカス誤差信号の振幅を測定するようにしているが、3つの距離に限らず、それ以上の数の距離において、フォーカス誤差信号の振幅を測定するようにしてもよい。
また、本発明は、情報の記録及び再生を行う装置及び方法に限らず、記録のみを行う記録装置及び記録方法、再生のみを行う再生装置及び再生方法としても適用できることは言うまでもない。