JP2006133149A - 粒子分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
簡単な構造でありながら、イオン化するためのレーザを粒子に確実に照射できるようにすることである。
【解決手段】
測定対象である粒子Sを所定方向に移動させる粒子移動手段2と、前記粒子Sに対し、検出光Lを照射する光源31と、その検出光Lの照射によって生じる散乱光LSを検出する光検出器32と、その光検出器32から出力された光強度信号を受信し、その光強度信号の値に基づいて前記粒子Sの粒径を算出する粒径算出部51と、前記検出光Lが照射された粒子Sに対し、その移動方向とは対向する方向からエネルギ線ELを照射して、その粒子Sをイオン化し、質量分析を行う質量分析部4とを備えている。
【選択図】
図2

Description

この発明は、例えば大気中の粒子状物質やエアロゾル粒子あるいは自動車排気ガスの微小粉塵等(以下、いずれも粒子という。)の粒径や化学組成あるいは化学成分を分析するための粒子分析装置に関するものである。
近年、自動車特にディーゼル自動車の排気ガス中のスス微粒子が、健康に悪影響を及ぼす可能性が高いということが社会問題となっており、その規制が始まりつつある。
従来、スス微粒子のような粒子の分析を行う際には、粒子をフィルタ上に捕集した後、目的成分を選択的に溶解する条件で1日程度かけて抽出し、必要に応じて精製あるいは濃縮操作を行ってから機器分析を行う手法が用いられている。
ところが、上記のような分析法では、エンジンの運転条件による排気ガス中の粒子成分の変動や、浮遊粒子の成分の日内変動のように短時間での成分の変化を追跡することができない。すなわち粒径、化学組成あるいは化学成分の時間変動・空間分布などを正確且つ迅速に測定できないので、対象とする粒子の性質を正しく把握することができない。さらに、前記方法では、多数の粒子をフィルタ上に捕集するため1つ1つの粒子に関する情報が得られず、大きさによる成分の違いについても情報を得ることができない。
そこで近時では、特許文献1に示すように、レーザイオン化飛行時間型質量分析計と、回折/散乱式粒径測定装置とを組み合わせ、粒子の質量や大きさあるいはそれらから推定される組成や成分を非常に短時間で、ほぼリアルタイムで測定できるようなシステムも考えられつつある。
このシステムでは、通過する粒子により生じる散乱光を検出して粒子の存在を確認し、その粒子に対してレーザを当てるようにしている。
しかし、粒子の移動方向に対して直角又は斜め方向からレーザを照射してイオン化させるためには、移動している粒子に対してパルスレーザをピンポイントに正確に照射しなくてはならず、これには複雑な計算及び高精度の機器制御が必要になり、構造が複雑になってしまうという問題がある。
米国特許第4,383,171号明細書
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、簡単な構造でありながら、イオン化するためのレーザを粒子に確実に照射できるようにすることをその所期課題とするものである。
すなわち本発明に係る粒子分析装置は、測定対象である粒子を所定方向に移動させる粒子移動手段と、前記粒子に対し、検出用の光である検出光を照射する光源と、その検出光の照射によって生じる散乱光を検出する光検出器と、その光検出器から出力された光強度信号を受信し、その光強度信号の値に基づいて前記粒子の粒径を算出する粒径算出部と、前記検出光が照射された粒子に対し、その移動方向とは対向する方向からエネルギ線を照射して、その粒子をイオン化し、質量分析を行う質量分析部とを備えていることを特徴とするものである。
このようなものであれば、前述したレーザイオン化飛行時間型質量分析装置と回折/散乱式粒径測定装置とを組み合わせたものと同様に、粒子の質量や粒径あるいはそれらから推定される組成や成分を非常に短時間で、リアルタイムで測定できる。さらに、粒子の移動方向とイオン化するためのエネルギ線の入射方向とを対向させているので、エネルギ線の照射タイミングに関して複雑な計算及び高精度の機器制御を要せず粒子を確実にイオン化でき、装置構成の簡単化等を図れる。
具体的な実施の態様としては、前記質量分析部が、エネルギ線照射手段と、イオン化された粒子を加速させる加速電極と、加速された粒子が所定空間内を飛行する時間を測定し、その飛行時間に基づいて当該粒子の質量を算出する飛行時間型質量分析部とを備えていることが望ましい。
この場合、飛行移動された粒子に対して確実にエネルギ線を照射するため、エネルギ線照射手段の照射孔が、前記粒子移動手段から導入される導入孔に対し、ほぼ同一直線上であってかつ対向するように構成されているのが好ましい。
検出光を照射した同じ粒子を確実にイオン化するためには、イオン化された粒子を前記加速電極により加速可能な領域内において、前記光源が前記粒子に検出光を照射し、その散乱光の光強度信号を前記エネルギ線照射手段のトリガとして、直後あるいは時間間隔をおいて、前記粒子に対してエネルギ線を照射するようにしていることが望ましい。
また、正イオン及び負イオンの両方を同時に測定することができるためには、前記加速電極が、正イオンを加速させるための正イオン加速電極と、負イオンを加速させるための負イオン加速電極とから構成されているものであることが好ましい。これら正イオン加速電極と負イオン加速電極とは、粒子の移動方向に対して交差するように配置されるのが望ましく、例えば移動方向に垂直となるようにまたは斜めとなるように配置してもよい。
加えて、前記光源から照射される検出光の光軸の延長線上の位置に、前記検出光を外部へ放出するための光放出部または前記検出光を吸収するための光吸収部を設けるのが好ましい。このようにすることで、検出光がイオン化された粒子に対し照射した後にどこかで反射したりして装置内にもどり光検出器に入射するのを防止できる。
更に、前記光検出器は、前記検出光自体を常時入射しない位置であって、前方散乱光を受光できるように配置されているのが望ましい。仮に、粒子が比較的大きい場合粒子からの散乱光は、検出光の進行方向に近いほど強くなる(前方散乱という)。したがって、検出光の進行方向からわずかに反れたところの前方散乱光を検出するように光検出器を配置することで、粒子を効率よく検出することができる。
このように本発明によれば、レーザイオン化飛行時間型質量分析装置と回折/散乱式粒径測定装置とを組み合わせたものと同様に、粒子の質量や粒径あるいはそれらから推定される組成や成分を非常に短時間で、リアルタイムで測定できる。さらに、粒子の移動方向とイオン化するためのエネルギ線の入射方向とを対向させているので、エネルギ線の照射タイミングに関して複雑な計算及び高精度の機器制御を要せず粒子を確実にイオン化でき、装置構成の簡単化等を図れる。
<第1実施形態>
以下に本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る粒子分析装置1は、図1に模式的に示すように、試料である粒子Sを含む大気をイオン化室A内に導入するための試料導入部2と、イオン化室A内に導入された気体中に含まれる粒子Sの粒径を計測する粒径測定部3と、前記検出光Lが照射された粒子Sに対し、その移動方向とは対向する方向からエネルギ線ELを照射して、その粒子Sをイオン化し、質量分析を行う質量分析部4と、粒径測定部3及び質量分析部4からの信号を受信して粒子Sの粒径、化学組成及び化学成分を算出する演算装置5とからなる。
粒子移動手段である試料導入部2は、図2、3に示すように、3段階の差動排気システムを利用したエアロダイナミックレンズ21を用いたものであり、粒径測定及びイオン化が行われるイオン化室Aに、試料である粒子Sを含む大気が所定方向を通過するように導入するものである。ここでイオン化室A内の圧力は、図示しないロータリーポンプとターボ分子ポンプとを用いて10―3Pa程度に設定している。
次に、粒径測定部3は、図2に示すように、試料導入部2からイオン化室A内に導入された大気中に浮遊している粒子Sに対して検出光Lを照射するための光源31と、その検出光Lの照射によって生じる散乱光LSの光強度を検出する光検出器32と、当該光検出器32によって検出された散乱光強度信号を変換等の処理を行い演算装置5に出力するバッファ、増幅器等で構成されている信号処理器33とからなる。
光源31は、イオン化室A内に導入された大気中に含まれる粒子Sにコヒーレントな連続レーザ光である検出光Lを照射するものである。具体的には、イオン化室Aを形成している真空容器10に設けられた光導入孔11から検出光Lを照射する。すなわち、検出光Lの光軸を粒子Sの移動方向に対して一定角度(本実施形態では斜め)に設定するとともに、検出光Lの光軸が後述する加速可能領域Bの略中心を通るように設定している。本実施形態では、光源31はアルゴンイオンレーザ(514.5nm)である。なお、真空容器10には、透過光LTがイオン化室Aの内壁で反射して散乱光LSと混ざらないように光放出孔12を設けるようにしており、この光放出孔12から透過光LTは放出される。なお、光放出部としての光放出孔12の代わりに、透過光LTを吸収する光吸収部材を配置しても良い。
光検出器32は、光電子倍増管を用いており、粒子Sによる散乱光LSを検出するものである。そして、信号処理器33を介して演算装置5に出力する。また、散乱光LSを効率良く検出するために光電子倍増管とイオン化室Aとを連接する案内筒13には散乱光LSを集光するための集光レンズ14を設けるようにしている。前記光検出器32は、検出光L自体が常時入射しない位置であって、前方散乱光を受光できるように配置されている。
そして質量分析部4は、図3に示すように、パルスレーザ照射手段41と、イオン化された粒子を加速させる加速電極42と、加速された粒子Sが所定空間内を飛行する時間を測定し、その飛行時間に基づいて当該粒子Sの質量を算出する飛行時間型質量分析部43とからなる。
エネルギ線照射手段であるパルスレーザ照射手段41は、図3の左側から矢印方向に沿って飛行移動している粒子Sに対して確実にパルスレーザELを照射するために、粒子Sの移動方向(飛行経路)と対向するようにレーザ入射方向を設定している。すなわち、パルスレーザELをイオン化室A内に照射するための照射孔15を、試料導入部2の試料導入孔211と、パルスレーザELの照射通路と前記飛行通路が重畳的となるように、対向配置している。さらに、粒径を測定した粒子Sを確実にイオン化するため、パルスレーザELを照射するタイミングは、光検出器32が光強度信号を出力したことをトリガとして、図示していない制御装置により直後あるいは時間間隔をおいてパルスレーザ照射手段に制御信号を出力しパルスレーザELを粒子Sに照射するようにしている。
しかして、本実施形態のパルスレーザ照射手段41は、波長が193nm、パルス幅が20nsのエキシマレーザであり、このレーザELを粒子Sに照射することにより粒子のアブレーションとイオン化を同一パルス内で起こるようにしている。
加速電極42は、粒子Sの移動方向に対して垂直にイオンを加速するようにしており、正イオンを加速させるための正イオン加速電極421と、負イオンを加速させるための負イオン加速電極422とからなる。そして、正イオン加速電極421と負イオン加速電極422とが対向するように配置している。また、正イオン加速電極421及び負イオン加速電極422はそれぞれ中心孔を有する円盤を複数、軸を一致させて配置したものであり、各円盤の中心孔で形成される仮想円柱とイオン化室Aとの共通部分が、イオン化されたイオンを加速する加速可能領域Bを形成している。正イオン加速電極421の電圧を−1500V、負イオン加速電極422の電圧を1500Vに設定している。
なお、加速電極42は正イオン加速電極421と負イオン加速電極422とに分けることなく加速電圧の正負を変えて後述するイオン検出器432に向かって加速されるイオンの極性を逆転することにより、イオン化により生成した正イオン及び負イオンを測定することも考えられる。
飛行時間に基づいてイオン化された粒子の質量を分析する飛行時間型質量分析部43は、前記加速電極42により加速され、自由飛行中のイオンを跳ね返すリフレクトロン431と、該リフレクトロン431により跳ね返されたイオンを検出するイオン検出器432とから構成している。このときリフレクトロン431は加速電極42と対向する位置に設けており、イオン検出器432はリフレクトロン431と対向する位置、即ち加速されたイオンが自由飛行を開始する位置の近傍に設けている。さらに、本実施形態では飛行距離を700mmとしている。
イオン検出器432は、マイクロチャンネルプレート(MCP)を利用したものである。そして、イオン検出器432にイオンが到達したことにより生じる信号であるイオン信号を図示しない増幅器を介して演算装置5に出力するものである。
演算装置5は、図4に示すようにCPU501、メモリ502、入出力インターフェイス503等を備えた汎用乃至専用のコンピュータであり、前記メモリ502の所定領域に記憶させた所定のプログラムにしたがってCPU501、周辺機器等を協働させることにより、信号処理器33で処理された拡散散乱光強度信号の値に基づいて前記粒子Sの粒径分布を算出する粒径算出部51と、増幅器で処理されたイオン信号に基づいて加速後イオン検出器432に到達するまでの時間を算出し、質量スペクトル等を算出する質量算出部52として機能するものである。ここで、イオンの到達時間はイオンのm/eの平方根に比例するので、例えばm/e=100のものは、エキシマレーザ照射後およそ15μs後にイオン検出器432に到達する。
次に、このように構成した本実施形態に係る粒子分析装置1を用いて都市大気中に含まれる粒子Sを測定するときの動作を以下に述べる。
まず、差動排気システムを利用したエアロダイナミックレンズ21を用いて、都市大気を試料導入孔211からイオン化室Aに取り込む。
そして、取り込まれた大気が通過する経路に対して検出光であるアルゴンイオンレーザLを照射し、粒子Sがその検出光Lを横切るときに発生する散乱光LSを光検出器32が検出する。
このとき、光検出器32からの散乱光強度信号により演算装置5の粒径算出部51により粒径が算出されるとともに、図示しない制御装置が粒子Sの散乱光LSを検出した直後あるいは時間間隔(例えば1マイクロ秒)をおいてパルスレーザ照射装置41に制御信号を出力し、パルスレーザELを照射させる。これにより、粒子Sをアブレーション及びイオン化する。
その後、イオン化により生じた正イオンは正イオン加速電極421により、負イオンは負イオン加速電極422によりそれぞれ加速されたのち、所定の空間内を飛行してイオン検出器432により検出される。
最後にそのイオン検出器432からの電気信号を受信した演算装置5が飛行時間を算出し粒子Sの質量スペクトル等を算出する。
以上のように、本実施形態による粒子分析装置1によれば、測定対象である粒子Sを所定方向に移動させる粒子移動手段2と、前記粒子Sに対し、検出光Lを照射する光源31と、その検出光Lの照射によって生じる散乱光LSを検出する光検出器32と、その光検出器32から出力された光強度信号を受信し、その光強度信号に基づいて前記粒子Sの粒径を算出する粒径算出部51と、前記検出光Lが照射された粒子Sに対し、その移動方向とは対向する方向からパルスレーザを照射して、その粒子Sをイオン化し、質量分析を行う質量分析部4とから構成しているので、簡単な構造で、しかも粒子Sの速度等からパルスレーザELを照射する遅れ時間による粒子の検出後の粒子の移動距離を計算し、高精度な機器制御をする必要がなく、検出光Lが照射された粒子Sを好適にイオン化することができる。
さらに、光源31が領域Bのほぼ中心を通過するように検出光を照射し、前記光検出器32が前記粒子Sの散乱光LSを検出してから直後あるいは時間間隔をおいて、前記パルスレーザ照射手段41が前記粒子Sに対してパルスレーザELを照射するようにしたものであるので、粒径を測定した粒子を確実にイオン化することができる。
このようにイオン化のためのパルスレーザELの照射が、検出光の照射より遅くなることから、パルスレーザELの照射が散乱光LSの検出の妨害となるのを防止することができ、粒子Sの粒径を正確に検出することができる。また、パルスレーザELの照射が検出光Lの照射より遅れた分だけ、粒子Sが検出した位置から移動していることになるが、粒子Sの移動経路に対しレーザ光路が重畳的となるように、パルスレーザELが照射するので、粒子Sに対し正確に当たることになる。
その上、飛行時間型質量分析部43にイオンを導入するための加速電極42を正イオンを加速させるための正イオン加速電極421と、負イオンを加速させるための負イオン加速電極422とから構成しているので、正イオン及び負イオンの両方を同時に測定することができ、その結果リアルタイムに粒子Sの化学組成を測定することができる。
具体的に、本実施形態に係る粒子分析装置1を都市大気成分の分析に用いた場合には、1つ1つの大気中の粒子Sがスス粒子であるかどうか土壌粒子であるかどうかの判別、粒径またその化学組成についても情報を得ることができる。粒子Sの粒径が0.5ミクロンから測定できるので、現在呼吸器系疾患と関係があると言われているPM10(粒径が10マイクロメータ以下の粒子状物質)、PM2.5(粒径が2.5マイクロメータ以下の粒子状物質)、さらに細かい径の粒子Sの粒径と化学組成について情報を得ることができる。また、交通量の多い環境でのモニターや分析を行い、呼吸器系疾患と粒子Sとの化学成分との関係を明らかにし、効果的な対策を立てるために役立つと考えられる。また、中国から飛来する黄砂粒子に、大気汚染中の微量物質、エアロゾル等が付着した黄砂エアロゾルが生じ得るが、本実施の形態の粒子分析装置1でもって、これら黄砂エアロゾルの化学組成等を分析することが可能となる。
<第2実施形態>
以下に、図面を参照して第2実施形態を説明する。なお、前記第1実施形態に対応する部材には同一の符号を付している。
本実施形態に係る粒子分析装置1は、前記第1実施形態とは試料導入部2が異なり、ディーゼルエンジン排気ガスサンプリング装置22を取り付け、自動車の排気ガスをリアルタイムに成分分析する排気ガス分析装置としている。
そして、図5に示すように、排気ガス分析装置は粒子分析装置1に加えて、PM計7、加熱フィルタF1、F2、光イオン化質量分析計8、FID分析計9を用いて、総合的にディーゼルエンジンの排気ガス中の粒子Sの成分を分析できる装置としている。
各部を説明する。
PM計7は、排気ガスサンプリング装置22により取り込まれた排気ガス中に含まれる粒子Sの総量を測定するためのものである。
加熱フィルタF1は、粒子測定装置1の前に設けており、排気ガスサンプリング装置22からの排気ガス中に含まれる粒子Sのうち粒径が2μm以上の粒子Sを除去するためのものである。加熱フィルタF2は、粒子測定装置1の後ろに設けており、粒径が300nm以上の粒子Sを除去するためのものである。
粒子分析装置1は、加熱フィルタF1を通過した粒子Sに吸着したsulfateや多環芳香族炭化水素の測定を行うためのものである。
光イオン化質量分析計8は、ダイオキシン類、VOCs(揮発性有機化合物)、芳香族化合物の測定を行うためのものである。
FID分析計9は、全HC(炭化水素)量を測定するためのものである。
このように構成した排気ガス分析装置を用いることにより、ディーゼルエンジン排気ガス中に含まれる、発ガン性物質(ベンゾαペレンやニトロ化PAHs)を測定することができる。排気ガス中の未燃焼成分をリアルタイムで測定できるので、エンジンの燃焼効率を調べる際に有用であり、またエンジン排気ガス処理触媒の研究開発に最も有用であると考えられる。ディーセル自動車の排気ガス低減対策は、燃料噴射系の技術(例えば高圧噴射、パイロット燃料噴射、コモンレール噴射システム)を用いるときにそれぞれの細かい条件設定にはリアルタイム測定できる本装置が極めて有用である。
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記第1実施形態では、検出光の照射位置を、加速可能領域のほぼ中心に設定したがこれに限られるものではなく、加速可能領域内であればどこでも良い。これならば、散乱光検出直後にパルスレーザを照射することにより、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、検出光の照射位置は、前記第1実施形態の加速可能領域内に限られるものではなく、粒子が加速可能領域に進入する前に照射するようにしても良い。この場合、粒子を加速可能領域内でイオン化するために散乱光を検出してから所定時間後(すなわち粒子が領域B内にある時)にイオン化するためのパルスレーザを照射することになるが、パルスレーザ照射方向を粒子の移動方向に対向させているので、確実に粒子にレーザを照射することができる。
質量分析部は、飛行時間型でなくとも良く、磁場型、四重極型、イオントラップ型、イオンサイクロトロン型等を用いるものであっても良い。
また、例えばナノ粒子を測定する際には、そのナノ粒子からの散乱光LSは微弱でありその検出が困難であるため、図6に示すように検出光Lを照射する光源31からの光を光ファイバ34及び集光レンズ35で効率よくナノ粒子に照射し、さらに、散乱光LSをレンズ36により効率よく光ファイバ37に集光した後再び集光レンズ38で光検出器32に導くことが効果的である。
上記に加えて、パルスレーザ照射手段は、エキシマレーザを用いたものに限られず、連続レーザにおいて電流をオン−オフすることにより、あるいはチョッパーを用いることによりパルス化することも考えられる。
その上パルスレーザとしては、VUV(真空紫外)レーザと赤外パルスレーザとの組み合わせたものであっても良い。
検出光としては、アルゴンイオンレーザ以外の連続レーザを用いる場合がある。
試料導入部はエアロダイナミックレンズを用いたものに限られることはなく、例えばキャピラリタイプのものであっても良い。
その上前記第2実施形態においては、さらに潤滑油由来の金属化合物の成分を測定するようにしても良い。
その他、前記実施形態を含む前記した各構成を適宜組み合わせるようにしてもよく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
本発明の第1実施形態に係る粒子分析装置の模式的機器構成図。 同実施形態における粒径測定部を主として示す図。 同実施形態における質量分析部を主として示す図。 同実施形態における演算装置の機器構成図。 第2実施形態に係る粒子分析装置を用いた排気ガス分析装置の模式的機器構成図。 その他の変形実施形態に係る粒子分析装置の粒径測定部の模式図。
符号の説明
1・・・粒子分析装置
S・・・粒子
2・・・粒子移動手段(試料導入部)
31・・・光源
L・・・検出光(アルゴンイオンレーザ)
LS・・・散乱光
32・・・光検出器
B・・・加速可能領域
51・・・粒径算出部
EL・・・エネルギ線(パルスレーザ)
4・・・質量分析部
41・・・エネルギ線照射手段(パルスレーザ照射手段)
42・・・加速電極
421・・・正イオン加速電極
422・・・負イオン加速電極
43・・・飛行時間型質量分析部

Claims (6)

  1. 測定対象である粒子を所定方向に移動させる粒子移動手段と、
    前記粒子に対し、検出光を照射する光源と、
    その検出光の照射によって生じる散乱光を検出する光検出器と、
    その光検出器から出力された光強度信号を受信し、その光強度信号の値に基づいて前記粒子の粒径を算出する粒径算出部と、
    前記検出光が照射された粒子に対し、その移動方向と対向する方向からエネルギ線を照射して、その粒子をイオン化し、質量分析を行う質量分析部とを備えている粒子分析装置。
  2. 前記質量分析部が、前記粒子に対してエネルギ線を照射するエネルギ線照射手段と、イオン化された粒子を加速させる加速電極と、加速された粒子が所定空間内を飛行する時間を測定し、その飛行時間に基づいて当該粒子の質量を算出する飛行時間型質量分析部とを備えている請求項1記載の粒子分析装置。
  3. 前記加速電極がイオン化された粒子を加速できる加速可能領域内において、前記光源が前記粒子に検出光を照射し、その散乱光で生じた光強度信号をトリガとして直後あるいは時間間隔をおいて、前記エネルギ線照射手段が、前記粒子に対してエネルギ線を照射するようにしている請求項2記載の粒子分析装置。
  4. 前記加速電極が、正イオンを加速させるための正イオン加速電極と、負イオンを加速させるための負イオン加速電極とから構成されているものである請求項2又は3記載の粒子分析装置。
  5. 前記光源から照射される検出光の光軸の延長線上の位置に、前記検出光を外部へ放出するための光放出部または前記検出光を吸収するための光吸収部を設けることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の粒子分析装置。
  6. 前記光検出器は、前記検出光自体を常時入射しない位置であって、前方散乱光を受光できるように配置されていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の粒子分析装置。
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