JP2006132048A - カップおよびカップ付き女性用衣類 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔らかく、重力により下垂して上部に削げが生じるような乳房に対し、乳房上部のボリュームを確実にアップさせて削げを解消すること。
【解決手段】カップ部11において、着用状態で、乳房下部の前中心側を覆う第1カップ部11aと、第1カップ部11aの脇側に位置する第2カップ部11bと、第2カップ部11bの上側に位置する第3カップ部11cと、を備え、カップ形状を保持する作用は、第1カップ部11aの方が第2カップ部11bおよび第3カップ部11cよりも大きい
【選択図】図2

Description

本発明は、カップおよびカップ付き女性用衣類に関する。
例えばブラジャーなどのカップ付き女性用衣類は、下着としての機能を果たすだけでなく、女性としての体型美を実現するため、乳房の形状を整えて美しいプロポーションを創り出す機能をも果たすことが要求されている。このような女性用衣類として、例えば、特許文献1には、脇側と前中心側とを乳房トップ側に向けて圧力を加え、これにより乳房トップ近傍にボリュームを集めるカップに係る技術が開示されている。さらに、特許文献2には、乳房下部を押し上げて乳房上部側に向けてボリュームを移動させるカップに係る技術が開示されている。ここで「上」「下」の記載は着用者の視点を基準としたものである(以下同様)。
実用新案登録第3039383号公報 実開平6−79707号公報
しかし、乳房が柔らかく、重力により下垂して上部に削げが生じるような乳房に対し、乳房形状を整形して、乳房上部のボリュームをアップして削げを解消しようとする場合、上記従来型のカップのように、単に、脇側と前中心側とに対して乳房トップ側に向けて圧力を加えたり、あるいは、乳房下部を押し上げたりするだけでは、乳房上部にまで十分にボリュームが集まらず、したがって乳房上部の削げの解消までには至らない場合が多い。
本発明の課題は、柔らかく、重力により下垂して上部に削げが生じるような乳房に対し、乳房上部のボリュームを確実にアップさせて削げの解消が可能なカップおよびカップ付き女性用衣類を提供することである。
本発明のカップは、乳房を覆うためのカップであって、着用状態で、乳房下部の前中心側を覆う第1カップ部と、上記第1カップ部の脇側に位置するとともに、乳房下部の脇側を覆う第2カップ部と、上記第2カップ部の上側に位置するとともに、乳房上部の脇側を覆う第3カップ部と、を備え、カップ形状を保持する作用は、上記第1カップ部の方が上記第2カップ部および上記第3カップ部よりも大きい、ことを特徴とする。
ここで、上記の「カップ形状を保持する作用」とは、外力がカップに加わる際に、カップ本来の形状を保とうとする作用(以下、保形作用、という)を表す。この保形作用は、カップの着用時においては、乳房に加えられる圧力となり、例えば、厚みや構成素材の圧縮の程度などによって調整可能なものである。この保形作用によって乳房形状の整形が可能となる。
本発明によれば、第2カップ部が、その保形作用によって乳房下部の脇側を包み込むようにして押さえつつ、第1カップ部が、さらに大きな保形作用で乳房下部の前中心側のボリュームを乳房トップ側に押し上げる。これにより、乳房下部のボリュームが、脇側に流れることなく乳房上部に向けて押し上げられる。そして、第3カップ部が、第2カップ部と同程度の保形作用で乳房上部の脇側を包み込むようにして押さえるため、上記のようにして乳房上部に押し上げられたボリュームが、乳房上部にあって脇側に流れることなく乳房トップ直上に集まることとなる。このため、柔らかく、重力により下垂して乳房上部に削げが生じるような乳房であっても、乳房上部にボリューム感を持たせることができ、乳房上部の削げを解消できる。
また、本発明では、着用状態で、乳房上部のうち、少なくとも乳房トップ直上から前中心側に至る領域を覆う第4カップ部をさらに備え、カップ形状を保持する作用は、上記第2カップ部および上記第3カップ部の方が上記第4カップ部よりも大きいのが好ましい。この場合、第1カップ部、第2カップ部および第3カップ部の方が第4カップ部よりも保形作用が大きいため、乳房上部のうち乳房トップ直上に移動したボリュームが、第4カップ部によって潰される(或いは、乳房下部側に戻される)ことなく、乳房トップ直上から前中心側にわたって分散される。これにより、第4カップ部は、乳房に対し、乳房トップ直上から前中心側にわたりほぼ満遍なくフィットした状態となるため、第4カップ部やその上縁部が乳房に食い込んだり、乳房表面から浮いたりする、という不具合が生じにくくなる。これにより、カップの安定性と着用感とが何れも良好となる。
本発明のカップは、乳房を覆うためのカップであって、着用状態で、乳房下部の前中心側を覆う第1カップ部と、上記第1カップ部の脇側に位置するとともに、乳房下部の脇側を覆う第2カップ部と、上記第2カップ部の上側に位置するとともに、乳房上部の脇側を覆う第3カップ部と、を備え、肌側の厚みは、上記第1カップ部の方が上記第2カップ部および前記第3カップ部よりも厚い、ことを特徴とする。
本発明によれば、第2カップ部が、肌側の厚みで乳房下部の脇側を包み込むようにして押さえつつ、第1カップ部が、第2カップ部より大きな厚みで乳房下部の前中心側のボリュームを乳房トップ側に押し上げる。これにより、乳房下部のボリュームが、脇側に流れることなく乳房上部に向けて押し上げられる。そして、第3カップ部が、第2カップ部と同程度の厚みで乳房上部の脇側を包み込むようにして押さえるため、上記のようにして乳房上部に押し上げられたボリュームが、乳房上部にあって脇側に流れることなく乳房トップ直上に集まることとなる。このため、柔らかく、重力により下垂して乳房上部に削げが生じるような乳房であっても、乳房上部にボリューム感を持たせることができ、乳房上部の削げを解消できる。
また、本発明では、着用状態で、乳房上部のうち、少なくとも乳房トップ直上から前中心側に至る領域を覆う第4カップ部をさらに備え、肌側の厚みは、上記第2カップ部および上記第3カップ部の方が上記第4カップ部よりも厚いのが好ましい。この場合、第1カップ部、第2カップ部および第3カップ部の方が第4カップ部よりも肌側に厚いため、乳房上部のうち乳房トップ直上に移動したボリュームが、第4カップ部によって潰される(或いは、乳房下部側に戻される)ことなく、乳房トップ直上から前中心側にわたって分散される。これにより、第4カップ部は、乳房に対し、乳房トップ直上から前中心側にわたりほぼ満遍なくフィットした状態となるため、第4カップ部やその上縁部が乳房に食い込んだり、乳房表面から浮いたりする、という不具合が生じにくくなる。これにより、カップの安定性と着用感とが何れも良好となる。
本発明のカップは、乳房を覆うためのカップであって、着用状態で、乳房下部の前中心側を覆う第1カップ部と、上記第1カップ部の脇側に位置するとともに、乳房下部の脇側を覆う第2カップ部と、上記第2カップ部の上側に位置するとともに、乳房上部の脇側を覆う第3カップ部と、を備え、肌側の構成素材は、上記第1カップ部の方が上記第2カップ部および上記第3カップ部より大きく圧縮されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、第2カップ部が乳房下部の脇側を包み込むようにして押さえつつ、第2カップ部よりも肌側の構成素材が大きく圧縮された第1カップ部が、乳房下部の前中心側のボリュームを乳房トップ側に押し上げる。これにより、乳房下部のボリュームが、脇側に流れることなく乳房上部に向けて押し上げられる。そして、第2カップ部と同程度に肌側の構成素材が圧縮された第3カップ部が乳房上部の脇側を包み込むようにして押さえるため、上記のようにして乳房上部に押し上げられたボリュームが、乳房上部にあって脇側に流れることなく乳房トップ直上に集まることとなる。このため、柔らかく、重力により下垂して乳房上部に削げが生じるような乳房であっても、乳房上部にボリューム感を持たせることができ、乳房上部の削げを解消できる。
また、本発明では、着用状態で、乳房上部のうち、少なくとも乳房トップ直上から前中心側に至る領域を覆う第4カップ部をさらに備え、肌側の厚みは、上記第2カップ部および上記第3カップ部の方が上記第4カップ部よりも大きく圧縮されているのが好ましい。この場合、第1カップ部、第2カップ部および第3カップ部の方が第4カップ部よりも肌側の構成素材が大きく圧縮されているため、乳房上部のうち乳房トップ直上に移動したボリュームが、第4カップ部によって潰される(或いは、乳房下部側に戻される)ことなく、乳房トップ直上から前中心側にわたって分散される。これにより、第4カップ部は、乳房に対し、乳房トップ直上から前中心側にわたりほぼ満遍なくフィットした状態となるため、第4カップ部やその上縁部が乳房に食い込んだり、乳房表面から浮いたりする、という不具合が生じにくくなる。これにより、カップの安定性と着用感とが何れも良好となる。
本発明のカップ付き女性用衣類は、請求項1〜6のうち何れか一項に記載のカップと、肩ストラップ部と、を各々一対ずつ備え、上記一対の肩ストラップ部の各々は、上記一対のカップの各々に対し脇側の上端に取り付けられている、ことを特徴とする。本発明によれば、上記のカップを備えるため、柔らかく、重力により下垂して上部に削げが生じるような乳房に対しても、装着時の安定性を維持しつつ、乳房上部のボリュームを確実にアップでき、乳房上部の削げの解消が可能となる。この場合、肩ストラップ部によって乳房が上方に支持されるため、乳房下部のボリュームが乳房上部側に移動し易くなる。このため、乳房上部のボリュームをアップさせるには大変効果的となる。
また、本発明では、上記カップのサイズは、5/8カップからフルカップまでの範囲にあるのが好ましい。このようにフルカップかそれに近いカップサイズのため、柔らかくてボリュームの流れが生じやすい乳房に対しても、十分効果的に乳房形状の整形が可能となる。
本発明によれば、柔らかく、重力により下垂して上部に削げが生じるような乳房に対し、乳房上部のボリュームを確実にアップでき、削げの解消が可能となる。
本発明に係るカップおよびカップ付き女性用衣類の詳細な構成や機能を、ブラジャーの実施形態により説明する。なお、図表面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複説明は省略する。
<本実施形態の狙いとコンセプト>
まず、本実施形態に係るブラジャーの「狙い」と「コンセプト」について説明する。女性の乳房は、一般に、年代に応じて形や硬さが大きく異なる。乳房の形状を整えて美しいプロポーションを創り出すためには、各年代の女性に特有の乳房の形や硬さに応じて乳房形状を整形するのが効果的である。ところで、概ね30歳代後半から40歳代前半の女性の乳房の多くは、柔らかく、重力により下垂して乳房上部に削げが生じる、という特徴を有することが知られている。このような、概ね30歳代後半から40歳代前半の女性の多くは、バストプロポーションか、あるいは、着用感の安定性か、の何れを重視するかに応じて、それぞれ、3/4カップブラジャーと、フルカップブラジャーと、を適宜使い分けして用いているのが現状である。すなわち、ブラジャーの装着頻度の高い女性は、装着時の安定性(付け心地)を重視するため、3/4カップブラジャーよりもフルカップブラジャーの方を選ぶ傾向にあり、ブラジャーの装着頻度がそれほど高くない女性については、バストプロポーションを重視するため、フルカップブラジャーよりも3/4カップブラジャーの方を選ぶ傾向にある。
しかし、上述のような特徴を有する乳房に対し、乳房上部のボリュームをアップして削げを解消し、バストプロポーションの向上を図ろうとしても、単に脇側と前中心側とに対して乳房トップ側に向けて圧力を加えたり、あるいは、乳房下部を押し上げたりするだけでは、乳房上部にまで十分にボリュームが集まらず、したがって乳房上部の削げの解消までには至らない場合が多い。さらに、乳房上部側へのボリュームの移動が十分でないため、カップが乳房上部にて肌から浮いてしまったり、また、乳房下部を押し上げるようなカップの場合には、押し上げられたボリュームが乳房の脇側や前中心側に流れる、といったことが生じ易くなる。このため、装着時の安定性が低下することとなる。
そこで、本実施形態に係るブラジャーの「狙い」とするところは、上記のような概ね30歳代後半から40歳代前半の女性に特有な、柔らかく、重力により下垂して乳房上部に削げが生じる乳房に対し、装着時の安定性を損なうことなく、乳房上部のボリュームを確実にアップして削げを解消し、美しいバストプロポーションを創り出すことである。
そして、本実施形態に係るブラジャーの「コンセプト」は、上記「狙い」とするとろのプロポーションを創り出すため、乳房下部の前中心側に位置する領域のボリュームを乳房トップ側に押し上げ、そして、この押し上げたボリュームが脇側に流れるのを塞き止めつつ、このボリュームを乳房上部に集める、というものである。
上記「コンセプト」は、上記「狙い」とするところのプロポーションを創り出すために本発明者らが鋭意検討した結果得られたものであり、以下、図1を参照してこれを説明する。図1は、本実施形態に係るブラジャーのコンセプトを説明するための図であり、柔らかく、重力により下垂して上部に削げが生じるような女性の右側乳房を表している。ここでは、右側乳房に対し四つの乳房領域A1〜A4を割り当てて説明する。乳房領域A1は乳房下部の前中心側に位置し、乳房領域A2は乳房下部の脇側に位置し、乳房領域A3は乳房上部の脇側に位置し、乳房領域A4は乳房上部にあって乳房トップ直上に位置する。
まず、乳房領域A1のボリュームを乳房トップ側に向かう方向の沿って押し上げるとともに、乳房領域A2を包み込むようにして押さえて、この押し上げられたボリュームが脇側に流れるのを塞き止める。これにより、下垂して乳房下部に集まっているボリュームが乳房上部に向けて押し上げられる。さらに、乳房領域A3を包み込むようにして押さえて、上記のようにして乳房上部に押し上げられたボリュームを、乳房上部にあって乳房トップ直上に位置する乳房領域A4に集める。このため、柔らかく、重力により下垂して乳房上部に削げが生じるような乳房であっても、乳房上部にボリューム感を持たせることが可能となり、上記「狙い」とするところのバストプロポーションが創出可能となる。
<本実施形態の構成と機能>
以下、図2を参照して、上述の「コンセプト」に基づく本実施形態に係るブラジャーの構成および機能について説明する。図2は、本実施形態に係るブラジャーの構成を示す表面側の斜視図である。
図2に示すように、本実施形態に係るブラジャー10は、左右乳房の各々を覆う左右一対のカップ部11と、各カップ部11の脇側から下側に延びる湾曲線に取り付けられた土台部12と、この土台部12の左右両端部にそれぞれ取り付けられた左右一対のバック部13と、左右それぞれのカップ部11およびバック部13に取り付けられて左右それぞれの側でカップ部11とバック部13とをかけ渡す左右一対の肩ストラップ部14と、を備える。ここで、カップ部11のカップサイズは、5/8カップからフルカップの範囲内にあるとする。以下、ブラジャー10は左右対称な形状となっているため、右側のみについて説明する。ここで「左」「右」の記載は着用者の視点を基準としたものである(以下同様)。
カップ部11は、第1カップ部11a、第2カップ部11b、第3カップ部11cおよび第4カップ部11dを有する。これら各カップ部は、何れも、布材(不織布を含む)によって構成され、縫着などにより接合されている。第1カップ部11aは、着用状態で、乳房下部の前中心側に位置する乳房領域A1を覆い、第2カップ部11bは、乳房下部の脇側に位置する乳房領域A2を包み込むようにして覆い、第3カップ部11cは、乳房上部の脇側に位置する乳房領域A3を包み込むようにして覆い、第4カップ部11dは、乳房上部にあって乳房トップ直上に位置する乳房領域A4の少なくとも下側部分を覆う(図1参照)。
そして、カップ部11には、前中心側の縁部から脇側の縁部にかけて延びる縫着ラインB1と、この縫着ラインB1の略中央から下側の縁部にかけて延びる縫着ラインB2と、肩ストラップ部14の取り付け箇所から上記縫着ラインB1に近づきつつ前中心側にかけて延びる縫着ラインB3と、が形成されている。縫着ラインB1は、第1カップ部11aおよび第2カップ部11bと、第3カップ部11cと、間の継ぎ目であり、縫着ラインB2は、第1カップ部11aと第2カップ部11bとの間の継ぎ目であり、縫着ラインB3は、第4カップ部11dと第3カップ部11cとの間の継ぎ目である。また、縫着ラインB1と縫着ラインB2との交点を含む領域B4は、着用状態で乳房トップを覆う領域となっている。
第1カップ部11a、第2カップ部11b、第3カップ部11cおよび第4カップ部11dは、何れも、外力が加わった際に、カップ部本来の形状を保とうとする作用(保形作用)を有している。この保形作用は、肌側の厚み(例えば平均値としての厚み)によって調整されており、肌側に厚いほど保形作用が大きい。そこで、本実施形態に係るカップ部11では、第1カップ部11aの肌側の厚みは、第2カップ部11bまたは第3カップ部11cの肌側の厚みの1.2〜3倍となっている。
なお、カップ部11は、保形作用の大きさが肌側の厚みで調整されたものとしたが、これに限らず、保形作用の大きさが肌側の構成素材に対する圧縮の程度(圧縮率)により調整されたものであっても良い。この場合、肌側の構成素材が大きく圧縮されているほど、クッション性(伸縮性)が低下して硬くなり、保形作用が大きい。そこで、第1カップ部11aの肌側の構成素材の圧縮率は、第2カップ部11bまたは第3カップ部11cの肌側の構成素材の圧縮率の1.2〜1.5倍となっている。
図2に戻って説明を続ける。土台部12は、伸縮性を有する布材(不織布を含む)によって構成され、カップ部11に縫着などにより取り付けられている。バック部13は、布材(不織布を含む)によって構成され、土台部12の左右各端部に縫着などにより取り付けられている。この左右一対のバック部13の各端部には、この各端部同士を互いに連結させてブラジャー10を身体に装着するための図示しない係合部材(例えば、雄型フックと雌型フック)がそれぞれ取り付けられている。
肩ストラップ部14は、布材(不織布を含む)によって構成され、上カップ部11aおよび土台部12に対し縫着などによって取り付けられている。そして、カップ部11に対する肩ストラップ部14の取り付け位置は、フルカップ〜5/8カップにおける取り付け位置となっている。したがって、肩ストラップ部14によって、乳房が上方に支持されるため、乳房下部のボリュームが乳房上部側に移動し易くなる。このため、肩ストラップ部14は、乳房上部のボリュームをアップさせるには大変効果的となる。このように、本実施形態に係るブラジャー10は、いわゆる肩ストラップ付きブラジャーに対し特に好適である。
以上説明したように、上記構成を有するブラジャー10では、第2カップ部11bが、その保形作用によって乳房領域A2を包み込むようにして押さえつつ、第1カップ部11aが、さらに大きな保形作用で乳房領域A1のボリュームを乳房トップ側に向かう方向に沿って押し上げる。これにより、下垂して乳房下部に集まっているボリュームが、脇側に流れることなく乳房上部に向けて押し上げられる。そして、第3カップ部11cが、第2カップ部11bと同程度の保形作用で乳房領域A3を包み込むようにして押さえるため、上記のようにして乳房上部に押し上げられたボリュームが、特に、乳房上部にあって乳房トップ直上に位置する乳房領域A4に集まることとなる。このようにして、柔らかく、重力により下垂して乳房上部に削げが生じるような乳房に対し、乳房上部にボリューム感を持たせ、乳房上部の削げを解消することが可能となる。さらに、乳房下部から押し上げられたボリュームが乳房上部に至らずに脇側や前中心側に流れて脇側や前中心側のボリュームが増大する、という現象が起こりにくくなるため、脇側や前中心側でカップ部11が乳房に食い込むといった不具合が生じにくく、良好な着用感が得られることとなる。さらに、第1カップ部11a、第2カップ部11bおよび第3カップ部11cの方が第4カップ部11dよりも保形作用が大きいため、乳房上部のうち乳房トップ直上に移動したボリュームが、第4カップ部11dによって潰される(或いは、乳房下部側に戻される)ことなく、乳房トップ直上から前中心側にわたって分散される。これにより、第4カップ部11dは、乳房に対し、乳房トップ直上から前中心側にわたってほぼ満遍なくフィットした状態となるため、第4カップ部11dやその上縁部が乳房に食い込んだり、乳房表面から浮いたりする、という不具合が生じにくくなる。これにより、カップ部11の安定性と着用感とが何れも良好となる。
<本実施形態のブラジャーに対する評価>
次に、本実施形態に係るブラジャーに対して行った評価試験の結果について説明する。本評価試験では、複数の女性モニターの各々に、本実施形態に係るブラジャー10(実施例のブラジャー、という)と、従来型のフルカップブラジャー(比較例1のブラジャー、という)および3/4カップブラジャー(比較例2のブラジャー、という)と、をそれぞれ装着させ、着用時における乳房上部の様子と、バストプロポーションと、をそれぞれ評価した。ここで、女性モニターは、柔らかく、重力により下垂して上部に削げが生じる乳房を有している。
まず、着用時における乳房上部の様子についての評価結果を図3を参照して説明する。図3は、着用時における乳房上部の様子を説明するための図である。図3に示す乳房領域C1は、図1に示す乳房領域A4の乳房トップ直上に位置する領域であり、乳房領域C2は、乳房領域A4の前中心側に位置する領域である。比較例1のブラジャーを装着した場合、乳房領域C1では削げが生じ、さらに、乳房領域C2では、ブラジャーの上縁(ブラジャー10の第4カップ部11dの上縁に対応する部分、以下同様)が乳房に食い込んでしまった。また、比較例2のブラジャーを装着した場合、乳房領域C1では目立った削げは生じなかったが、乳房領域C2では、ブラジャーの上縁が乳房表面から浮いてしまった。これに対し、実施例のブラジャーを装着した場合、領域C1では目立った削げは生じず、さらに、乳房領域C2では、ブラジャーの上縁が乳房に食い込んだり、または、乳房表面から浮いてしまう、といった不具合は生じなかった。
次に、バストプロポーションの評価結果について説明する。はじめに、実施例のブラジャーと比較例1のブラジャーとを上記女性モニターに装着させた後、「どちらのバストプロポーションが良いと感じるか」という質問を行った。これに対し、多くのモニターが「実施例1のブラジャーの方がかなり良い」と答えたが、「強いて言えば実施例1のブラジャーの方が良い」、「実施例1のブラジャーと比較例1のブラジャーのうち、どちらが良いとは言えない」あるいは「強いて言えば比較例1のブラジャーの方が良い」と答えたモニターもいた。しかし、「比較例1のブラジャーの方がかなり良い」と答えたモニターは一人もいなかった。そして、上記モニターの中には、実施例のブラジャーに対し「カップ上側に丸みが出る」、「自分のバストにピッタリ合っている」、「下から持ち上げられている」という感想を持った者や、比較例1のブラジャーに対し「上縁が乳房に食い込む」、「胸元が削げて見える」、「カップ上側に押さえ付けられる」という感想を持った者もいた。
次に、実施例のブラジャーと比較例2のブラジャーとを上記女性モニターに装着させた後、「どちらのバストプロポーションが良いと感じるか」という質問を行った。これに対し、多くのモニターが「実施例1のブラジャーの方がかなり良い」と答えたが、「強いて言えば実施例1のブラジャーの方が良い」、「実施例1のブラジャーと比較例1のブラジャーのうち、どちらが良いとは言えない」、「強いて言えば比較例1のブラジャーの方が良い」あるいは「比較例1のブラジャーの方がかなり良い」と答えモニターもいた。そして、上記モニターの中には、実施例のブラジャーに対し「上縁のラインがきれい」、「自分のバストにピッタリ合っている」、「バストアップしている」という感想を持った者や、比較例2のブラジャーに対し「寄せて上げている」、「ボリュームアップしている」、「作り物のバストに見える」、「カップに隙間ができる」という感想を持った者もいた。
なお、本発明のカップ付き女性用衣類としては、上述の本実施形態に係るブラジャーに限らず、ボディースーツなどの他のファンデーション衣類や、水着、レオタードなどに対しても適用可能である。また、本実施形態に係るブラジャー10は、カップ部11の下側にワイヤーが取り付けられたものであっても良いし、ワイヤーが取り付けられていないものであっても良い。
実施形態に係るブラジャーのコンセプトを説明するための図である。 実施形態に係るブラジャーの構成を示す斜視図である。 実施形態に係るブラジャーに対する評価結果を説明するために用いる図である。
符号の説明
10…ブラジャー、11…カップ部、11a…第1カップ部、11c…第3カップ部、11d…第4カップ部、11b…第2カップ部、12…土台部、13…バック部、14…肩ストラップ部、15…ワイヤー部

Claims (8)

  1. 乳房を覆うためのカップであって、
    着用状態で、乳房下部の前中心側を覆う第1カップ部と、
    前記第1カップ部の脇側に位置するとともに、乳房下部の脇側を覆う第2カップ部と、
    前記第2カップ部の上側に位置するとともに、乳房上部の脇側を覆う第3カップ部と、
    を備え、
    カップ形状を保持する作用は、前記第1カップ部の方が前記第2カップ部および前記第3カップ部よりも大きい、ことを特徴とするカップ。
  2. 着用状態で、乳房上部のうち、少なくとも乳房トップ直上から前中心側に至る領域を覆う第4カップ部をさらに備え、
    カップ形状を保持する作用は、前記第2カップ部および前記第3カップ部の方が前記第4カップ部よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載のカップ。
  3. 乳房を覆うためのカップであって、
    着用状態で、乳房下部の前中心側を覆う第1カップ部と、
    前記第1カップ部の脇側に位置するとともに、乳房下部の脇側を覆う第2カップ部と、
    前記第2カップ部の上側に位置するとともに、乳房上部の脇側を覆う第3カップ部と、
    を備え、
    肌側の厚みは、前記第1カップ部の方が前記第2カップ部および前記第3カップ部よりも厚い、ことを特徴とするカップ。
  4. 着用状態で、乳房上部のうち、少なくとも乳房トップ直上から前中心側に至る領域を覆う第4カップ部をさらに備え、
    肌側の厚みは、前記第2カップ部および前記第3カップ部の方が前記第4カップ部よりも厚い、ことを特徴とする請求項3に記載のカップ。
  5. 乳房を覆うためのカップであって、
    着用状態で、乳房下部の前中心側を覆う第1カップ部と、
    前記第1カップ部の脇側に位置するとともに、乳房下部の脇側を覆う第2カップ部と、
    前記第2カップ部の上側に位置するとともに、乳房上部の脇側を覆う第3カップ部と、
    を備え、
    肌側の構成素材は、前記第1カップ部の方が前記第2カップ部および前記第3カップ部より大きく圧縮されている、ことを特徴とするカップ。
  6. 着用状態で、乳房上部のうち、少なくとも乳房トップ直上から前中心側に至る領域を覆う第4カップ部をさらに備え、
    肌側の厚みは、前記第2カップ部および前記第3カップ部の方が前記第4カップ部よりも大きく圧縮されている、ことを特徴とする請求項5に記載のカップ。
  7. 請求項1〜6のうち何れか一項に記載のカップと、肩ストラップ部と、を各々一対ずつ備え、
    前記一対の肩ストラップ部の各々は、前記一対のカップの各々に対し脇側の上端に取り付けられている、ことを特徴とするカップ付き女性用衣類。
  8. 前記カップのサイズは、5/8カップからフルカップまでの範囲にある、ことを特徴とする請求項7に記載のカップ付き女性用衣類。
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