JP2006130675A - Cfrp成形型、cfrp成形体、及びcfrp成形体の製造方法 - Google Patents

Cfrp成形型、cfrp成形体、及びcfrp成形体の製造方法 Download PDF

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栄樹 津島
Michiyasu Karasuyama
倫靖 烏山
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Abstract

【課題】 歩留まりの高い高精度のCFRP成形体を製造できるCFRP成形型、CFRP成形体、及びCFRP成形体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 熱膨張率が6(×10−6/℃)以下のカーボンを用いて、CFRP成形体を成形する際に用いられるCFRP成形型を成形する。そして、CFRP成形体の成形時の加熱温度に耐熱可能な樹脂材で、型表面のカーボンの細孔を閉塞する。このように構成されたCFRP成形型を用いてCFRP成形体を製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、CFRP材(炭素繊維強化樹脂)を成形する際に用いられるCFRP成形型、CFRP成形体、及びCFRP成形体の製造方法に関する。
昨今、プラズマディスプレイ、液晶テレビ等の映像表示装置は、周知の通り、大型化が進んでいるが、この映像表示装置の製造過程において、ガラス液晶基板を搬送装置のアームに載置させて所要位置へ搬送する工程がある。
このとき、ガラス液晶基板を搬送させるアームは、金属や樹脂で中空角パイプ状のものが用いられているが、薄板状のガラス液晶基板を破損することなく搬送するために、アームには以下の条件が要求される。
(1)まず、高精度に製造されていること。
(2)捻れや撓みなどが発生することなく、高剛性であること。
(3)軽量であること。
である。
映像表示装置のさらなる大型化を達成するためには、搬送装置のアームの長尺化は必須ではあるが、しかしながら、従来の金属や樹脂等からなるアームでは上記した条件を満足することができない。そこで見出されたのが、軽くて高強度なCFRP材(炭素繊維強化樹脂)である。このCFRP材を用いた立体的な構造体、すなわちCFRP成形体は、上記したアームも含め、オートクレープと呼ばれる高温高圧釜を用いて製造される。
この製造方法を詳述すると、まず、CF(カーボンファイバー)に樹脂(未硬化)が含浸されたプリプレグと呼ばれるシートを所定のCFRP成形型に積層あるいは巻き付け等をし、バキュームバッグで被装し、オートクレープに入れる。
そして、オートクレープ内を5〜10気圧ほどに加圧、130〜180℃に加熱すると同時にバキュームバッグ内を吸引する。これによって、プリプレグがCFRP成形型へ密着して、ボイドなどの無いCFRP成形体が製造される。
このプリプレグをセットするCFRP成形型は、その材質として、主にアルミや鉄、ステンレス、あるいは材料低融点合金などの金属製の材質が使用されている。
たとえば、ハンダ(すず−鉛合金)等の低融点合金を用いたCFRP成形型で、屈曲中空パイプを成形する方法が開示されている。この方法によれば、低融点合金で所要形状のオス型を作り、このオス型に熱硬化性樹脂をマトリックスとした強化繊維プリプレグ複合材を積層し、このプリプレグ複合材層をオートクレープ等で熱硬化した後、オス型を熱融解して除去することにより複合材製品である屈曲中空パイプを成形するというものである(例えば特許文献1参照)。
特開平6−106632号公報(第2頁、図1)
しかしながら、CFの熱膨脹率が極めてゼロに近いのに対し、ハンダ等の低融点合金を含めた金属の熱膨脹率は大きい。したがって、金属製のCFRP成形型では、オートクレープの加熱によって熱膨脹による誤差が生じてしまい、その結果、CFRP成形体の寸法の狂い、捻れ、反りなどの有害な変形が発生してしまう。
特に、上記したような、ガラス液晶基板などの搬送用ハンドなどに使用する大型のCFRP成形体では、その寸法の狂いが大きく、使用に耐え得る良好な製品を成形することが極めて困難となる。
そこで、本発明は、歩留まりの高い高精度のCFRP成形体を製造できるCFRP成形型、CFRP成形体、及びCFRP成形体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明にかかるCFRP成形型、CFRP成形体、及びCFRP成形体の製造方法は、下記の技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1にかかるCFRP成形型は、CFRP成形体を成形する際に用いられるCFRP成形型であって、熱膨張率が6(×10−6/℃)以下のカーボンを用いてなることを特徴とする。
請求項2にかかるCFRP成形型は、請求項1において、前記CFRP成形体の成形時の加熱温度に耐熱可能な樹脂材で、型表面のカーボンの細孔が閉塞されていることを特徴とする。
請求項3にかかるCFRP成形体は、請求項1または2に記載のCFRP成形型を用いて所要形状に成形されたことを特徴とする。
請求項4にかかるCFRP成形体の製造方法は、熱膨張率が6(×10−6/℃)以下のカーボンを用いてCFRP成形型を成形し、そのCFRP成形型で所要形状のCFRP成形体を成形することを特徴とする。
請求項5にかかるCFRP成形体の製造方法は、請求項4において、前記CFRP成形体の成形時の加熱温度に耐熱可能な樹脂材で、型表面のカーボンの細孔を閉塞して前記CFRP成形型を成形することを特徴とする。
本発明によれば、熱膨張率が6(×10−6/℃)以下といった熱膨脹率が極めて小さいカーボンを用いてCFRP成形型を構成したから、CFRP成形体の成形時に、高温高圧にCFRP成形型を晒しても熱膨脹による誤差が生じることがない。したがって、このCFRP成形型を用いてCFRP成形体を製造することで、歩留まりの高い高精度のCFRP成形体が製造できる。
また、CFRP成形体の成形時の加熱温度に耐熱可能な樹脂材で、型表面のカーボンの細孔を閉塞したことで、加熱時に液化したプリプレグ中のエポキシ樹脂のしみ込みを抑制して、脱型の容易性を高めたり、また、樹脂不足や重量の変化を防止して、より歩留まりの高い高精度のCFRP成形体が製造できる。
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明をする。
図中、符号1はCFRP成形型を示しており、プラズマディスプレイ、液晶テレビ等の映像表示装置の製造過程において、ガラス液晶基板を所要位置へ搬送させる搬送装置の搬送アームのCFRP成形型1を例示している。
まず、本実施の形態にかかるCFRP成形型1は、熱膨張率が6(×10−6/℃)以下のカーボンで、フラットバー状の上型11と、その上型11と係合する断面凹状の下型12とが着脱可能に構成されており、押出成形や、CIP成形、型込み成形等で成形された成形体を機械加工によって加工されてなる。
さらに、この上型11と、下型12との内側表面には、エポキシ樹脂、あるいは、カーボン粉末とエポキシ樹脂との混合物等のCFRP成形体成形時の加熱温度(130〜180℃)に耐熱可能な樹脂材111、121が含浸・固化されて、カーボン特有の細孔が閉塞されている。
次に、このように構成されたCFRP成形型1を用いた搬送アーム(CFRP成形体)の製造方法を説明する。
まず、カーボンファイバーに未硬化の樹脂が含浸されてなるプリプレグを、係合させた上型11と下型12の内側に環状となるように所要枚数巻き付けてプリプレグ層2を形成し、さらに巻き付けた内側にバキュームバッグ3(耐熱性及び可撓性を有するシート)でプリプレブ層2を被装する。
そして、このCFRP成形型1ごとオートクレープ(図示せず)に入れ、オートクレープ内を5〜10気圧ほどに加圧、130〜180℃に加熱すると同時にバキュームバッグ内3のプリプレブ層2を吸引する。
これによって、プリプレグ層2が上型11と下側12の内側に密着しながら焼き固って、従来の型では得られなかった、高精度、高剛性、しかも軽量な中空角状の搬送アームが製造される。
以上、本実施の形態を説明したが、上述した実施の形態及び実施例は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
本実施の形態にかかるCFRP成形型の縦断面図である。
符号の説明
1 CFRP成形型
11 上型
12 下型
111、121 樹脂材
2 プリプレグ層
3 バキュームバッグ

Claims (5)

  1. CFRP成形体を成形する際に用いられるCFRP成形型であって、熱膨張率が6(×10−6/℃)以下のカーボンを用いてなることを特徴とするCFRP成形型。
  2. 前記CFRP成形体の成形時の加熱温度に耐熱可能な樹脂材で、型表面のカーボンの細孔が閉塞されていることを特徴とする請求項1に記載のCFRP成形型。
  3. 請求項1または2に記載のCFRP成形型を用いて所要形状に成形されたことを特徴とするCFRP成形体。
  4. 熱膨張率が6(×10−6/℃)以下のカーボンを用いてCFRP成形型を成形し、そのCFRP成形型で所要形状のCFRP成形体を成形することを特徴とするCFRP成形体の製造方法。
  5. 前記CFRP成形体の成形時の加熱温度に耐熱可能な樹脂材で、型表面のカーボンの細孔を閉塞して前記CFRP成形型を成形することを特徴とする請求項4に記載のCFRP成形体の製造方法。
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