JP2006129617A - 超音波モータおよびヘリコプター - Google Patents

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Abstract

【課題】 2本のロータシャフトを同時に駆動する、より小型の超音波モータおよびこれを備えるヘリコプターを実現する。
【解決手段】 異なる2つの振動モードを同時に発生させて2つの出力端Aにそれぞれ略楕円振動を生じさせる1個または2個の超音波振動子3A,3Bと、該超音波振動子3A,3Bに対して相対移動可能な2つのホルダ7A,7Bに1本ずつ回転自在に支持された2本のロータシャフト2A,2Bと、2つのホルダ7A,7Bを相反する方向に同時に付勢して、2本のロータシャフト2A,2Bの外周面に、超音波振動子3A,3Bの2つの出力端Aをそれぞれ密着させる付勢手段4とを備える超音波モータ1を提供する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、超音波モータおよびヘリコプターに関するものである。
圧電アクチュエータを利用した飛行体としては、特許文献1に示される構造のものがある。
この特許文献1には、プロペラの回転軸に固定したロータ部に圧電アクチュエータを接触させて作動させることにより、ロータ部を回転させプロペラを回転軸回りに回転させる構造のプロペラ装置およびこれを備える飛行体が開示されている。圧電アクチュエータを採用することにより、小型のプロペラ装置および飛行体を製造することができるとされている。
特開2001−99049号公報
しかしながら、特許文献1にはプロペラ装置およびプロペラ飛行機についての開示がなされているが、ヘリコプターについての記載はない。
ヘリコプターは、2つのロータを回転させる必要があるが、特許文献1のプロペラ装置によって2つのロータを回転させる場合には、各ロータについて1個以上の圧電アクチュエータが必要となる。しかも、圧電アクチュエータによりロータを回転させるには、圧電アクチュエータをロータ部に押し付ける機構が必要となるが、特許文献1の構造では、このような押し付ける機構も各圧電アクチュエータ毎に必要となり、装置が大型化する不都合がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、2本のロータシャフトを同時に駆動する、より小型の超音波モータおよびこれを備えるヘリコプターを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、異なる2つの振動モードを同時に発生させて2つの出力端にそれぞれ略楕円振動を生じさせる1個または2個の超音波振動子と、該超音波振動子に対して相対移動可能な2つのホルダに1本ずつ回転自在に支持された2本のロータシャフトと、前記2つのホルダを相反する方向に同時に付勢して、前記2本のロータシャフトの外周面に、前記超音波振動子の2つの出力端をそれぞれ密着させる付勢手段とを備える超音波モータを提供する。
本発明によれば、1個または2個の超音波振動子の2つの出力端に、2本のロータシャフトを密着させる付勢手段を共通化することにより、部品点数を削減し、その占有空間を減らして、小型、軽量化を図ることができる。付勢手段、例えば、スプリングの作動により、2本のロータシャフトを回転自在に支持する2つのホルダが相反する方向に同時に付勢される。これにより、ホルダに回転自在に支持されている2本のロータシャフトが超音波振動子の2つの出力端に同時に押し付けられる。各出力端は異なる2つの振動モードがミックスされた略楕円振動を生ずるので、これに接触するロータシャフトは出力端によって周方向に蹴られるようにして、それらの軸線回りに回転させられるようになる。
上記発明においては、前記2つの出力端を外向きに配置した超音波振動子を挟んで、前記2つのホルダが配置され、前記付勢手段が、2つのホルダを相互に近接する方向に付勢することとしてもよい。
また、上記発明においては、前記2つの出力端を対向して配置した2個の超音波振動子の間に、前記2つのホルダが配置され、前記付勢手段が、2つのホルダを相互に離れる方向に付勢することとしてもよい。
いずれの場合においても、付勢手段を共通化して装置の小型軽量化を図ることができる。
また、上記発明においては、両端に出力端を有する単一の超音波振動子を挟んで、前記2つのホルダが配置されていることが好ましい。
単一の超音波振動子により2本のロータシャフトを駆動できるので、超音波振動子をも共通化して部品点数を低減し、さらなる小型軽量化を図ることができる。
また、本発明は、上記いずれかの超音波モータと、該超音波モータのロータシャフトにそれぞれ固定されたロータとを備えるヘリコプターを提供する。
超音波モータの駆動により、2本のロータシャフトがそれぞれ回転させられ、ロータシャフトに固定されているロータが旋回させられる。これにより、機体を旋回させることなく安定して飛行することが可能となる。超音波モータが小型、軽量に構成されているので、ヘリコプターも小型、軽量に構成することができる。
また、本発明は、上記いずれかの超音波モータと、該超音波モータの一のロータシャフトに固定された第1のロータと、該一のロータシャフトに、第1のロータと同軸に回転可能に支持された第2のロータと、該第2のロータに対し他のロータシャフトからの駆動力を伝達する動力伝達機構とを備えるヘリコプターを提供する。
本発明によれば、超音波モータの駆動により、2本のロータシャフトが回転させられる。一のロータシャフトには第1のロータが固定されているので、ロータシャフトの回転により第1のロータが旋回させられる。また、他のロータシャフトが回転させられると動力伝達機構を介して、該他のロータシャフトの回転駆動力が一のロータシャフトに回転可能に支持された第2のロータに伝達される。
すなわち、一のロータシャフトに同軸に取り付けられている2つのロータが、超音波モータの駆動により同時に逆方向に旋回させられることとなり、機体を旋回させることなく安定して飛行することが可能となる。また、上記と同様に、超音波モータが小型、軽量に構成されているので、ヘリコプターも小型、軽量に構成することができる。
本発明によれば、2本のロータシャフトを同時に回転させる超音波モータの部品点数を削減して小型、軽量化し、また製品コストをも低減することができる。したがって、2本のロータシャフトを回転させることが必要とされるヘリコプターを小型、軽量に、かつ安価に製造することができるという効果を奏する。
以下、本発明の第1の実施形態に係る超音波モータおよびヘリコプターについて、図1〜図6を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る超音波モータ1は、図1および図2に示されるように、2本のロータシャフト2A,2Bと、これらを回転させる2個の超音波振動子3A,3Bと、これら超音波振動子3A,3Bの出力端Aをそれぞれロータシャフト2A,2Bの外周面に押し付けた状態に保持する付勢手段4とを備えている。
また、本実施形態に係るヘリコプター5は、上記超音波モータ1と、その2本のロータシャフト2A,2Bの先端に固定された2つのロータ6A,6Bとを備えている。ロータ6A,6Bは互いに逆向きの翼形状に形成されている。これにより、ロータ6A,6Bは逆回転させられることによって、共に揚力を発生させることができるようになっている。
2本のロータシャフト2A,2Bは、それぞれ、別個のホルダ7A,7Bにベアリング8によって回転自在に支持されている。ホルダ7A,7Bには、ロータシャフト2A,2Bの外周面を露出させる貫通孔9が設けられており、該貫通孔9に挿入された超音波振動子3A,3Bの出力端がロータシャフト2A,2Bの外周面に接触させられるようになっている。2本のロータシャフト2A,2Bは平行に配置され、各ロータシャフト2A,2Bの軸線は、超音波振動子3A,3Bの振動平面に対して直交する方向に配置されている。図中、符号10はフレーム、符号10aはフレーム本体、符号10bはアームをそれぞれ示している。
超音波振動子3A,3Bは、例えば、図3および図4に示されるように、矩形板状の圧電セラミックスシート11の片側面にシート状の内部電極12を設けたものを複数枚積層してなる直方体状の圧電積層体13と、該圧電積層体13の長さ方向の一端に接着された摩擦接触子14(出力端)とを備えている。なお、摩擦接触子14を設けることなく、圧電積層体13の端面を直接出力端Aとすることにしてもよい。また、摩擦接触子14または圧電積層体13とロータシャフト2A,2Bとの接触面積を増大させるために、摩擦接触子14または圧電積層体13の表面をロータシャフト2A,2Bの外周面に面接触するように円弧凹面状に形成してもよい。
図3(a)に示される圧電セラミックスシート11は、そのほぼ全面に内部電極12を備えている。内部電極12は、圧電セラミックスシート11の長さ方向に所定の絶縁距離を開けて2つ配列されている。各内部電極12は、圧電セラミックスシート11の周縁から所定の隙間を空けて配置されるとともに、その一部が圧電セラミックスシート11の周縁まで延びている。
図3(b)に示される圧電セラミックスシート11は、その幅方向の略半分に内部電極12を備えている。内部電極12は、圧電セラミックスシート11の長さ方向に所定の絶縁距離を開けて2つ配列されている。各内部電極12は、圧電セラミックスシート11の周縁から所定の隙間を空けて配置されるとともに、その一部が圧電セラミックスシート11の周縁まで延びている。
これら内部電極12を備えた圧電セラミックスシート11は、図3(a)に示される内部電極12の大きいものと、図3(b)に示される内部電極12の小さいものとが交互に複数枚積層されることにより、直方体状の圧電積層体13を構成している。
圧電積層体13の長さ方向の両端面には2個ずつ、合計4個の外部電極15が設けられている。各外部電極15には、同種の圧電セラミックスシート11の同一位置に配される全ての内部電極12が接続されている。これにより、同種の圧電セラミックスシート11の同一位置に配される内部電極12は、同一の電位とされるようになっている。なお、外部電極15には図示しない配線が接続されている。配線は、リード線、フレキシブル基板等、可撓性を有する配線であれば任意のものでよい。
圧電積層体13は、例えば、以下の通りに製造される。
圧電積層体13を製造するには、まず、圧電セラミックスシート11を製造する。圧電セラミックスシート11は、例えば、PZTの仮焼粉末と所定のバインダとを混合して作成された泥しょうをドクターブレード法によってフィルム上にキャスティングした後に乾燥し、フィルムから剥離することにより製造する。
製造された圧電セラミックスシート11にはそれぞれ内部電極12のパターンを有するマスクを用いて内部電極材料を印刷する。そして、最初に、内部電極12を有しない圧電セラミックスシート11aを配置し、次いで、内部電極12を下向きにして正確に位置決めしつつ、形状の異なる内部電極12を有する圧電セラミックスシート11を交互に積層していく。積層された圧電セラミックスシート11は熱圧着した後に、所定の形状に裁断され、1200℃程度の温度で焼成されることにより圧電積層体13が製造される。
また、その後、圧電セラミックスシート11の周縁に露出している内部電極12を連結するように、それぞれ外部電極15となる銀を焼き付けて、外部電極15を形成する。
最後に、対向する内部電極12間に直流高電圧を加えることにより圧電セラミックスシート11を分極処理し、圧電的に活性化する。
次に、このようにして構成された圧電積層体13の動作について説明する。
圧電積層体13の長さ方向の一端に形成された2つの外部電極15をA相(A+,A−)、他端に形成された2つの外部電極15をB相(B+,B−)とする。A相およびB相に同位相で共振周波数に対応する交番電圧を加えると、図5に示されるような1次の縦振動が励起されるようになっている。また、A相とB相とに逆位相で共振周波数に対応する交番電圧を加えると、図6に示されるような2次の屈曲振動が励起されるようになっている。図5および図6は、有限要素法によるコンピュータ解析結果を示す図である。
前記摩擦接触子14は、前記圧電積層体13の一端に接着されている。これにより、圧電積層体13に1次の縦振動が発生したときには、摩擦振動子14が圧電積層体13の長さ方向(図4に示されるX方向)に変位させられるようになっている。一方、圧電積層体13に2次の屈曲振動が生じたときには、摩擦接触子14が、圧電積層体13の幅方向(図4に示されるY方向)に変位させられるようになっている。
したがって、超音波振動子3A,3BのA相とB相とに、位相が90°ずれた共振周波数に対応する交番電圧を加えることにより、1次の縦振動と2次の屈曲振動とが同時に発生して、図4に矢印Cで示されるように、摩擦接触子14の位置において時計回りまたは反時計回りの略楕円振動が発生するようになっている。
2個の超音波振動子3A,3Bは、フレーム10によって一体的に固定されている。フレーム10は各超音波振動子3A,3Bの長さ方向の略中央位置に固定され、各超音波振動子3A,3Bの長さ方向に対して直交する方向に延びる2本のアーム10bと、これらアーム10bを連結するフレーム本体10aとから構成されている、各アーム10bの先端と超音波振動子3A,3Bとは、例えば、接着剤により固定されている。超音波振動子3A,3Bの長さ方向の略中央位置は、1次の縦振動と2次の屈曲振動の両方の節の位置に近接しているので変位が少ない。したがって、この位置で超音波振動子3A,3Bを支持することによって、超音波振動子3A,3Bをより確実に固定した状態に保持することができる。また、超音波振動子3A,3Bの長手方向に直交する方向にアーム10bを延ばすことにより、アーム10bはねじり応力に耐えるだけで足り、過大な負荷がかからないようにすることができる。
フレーム10によって固定された2個の超音波振動子3A,3Bの出力端Aはそれぞれ外向きに配置されている。ロータシャフト2A,2Bを備えたホルダ7A,7Bは超音波振動子3A,3Bに外側から近接させられて、各出力端Aにロータシャフト2A,2Bの外周面を接触させている。
前記付勢手段4は、例えば、引っ張りコイルバネであり、2つのホルダ7A,7Bに設けられたピン16に掛け渡されている。これにより、2つのホルダ7A,7Bは引っ張りコイルバネ4の付勢力によって、相互に近接する方向に付勢され、ロータシャフト2A,2Bの外周面を超音波振動子3A,3Bの出力端Aに押し付けることができるようになっている。
また、フレーム10の下部には図示しない外部電源およびその制御回路が搭載されている。外部電源から供給され、制御回路によって、振幅、位相および周波数を調節された駆動信号が超音波振動子3A,3Bに供給されるようになっている。制御回路から供給される駆動信号は、2つの超音波振動子3A,3Bに対して逆位相となるように供給されるようになっている。
なお、外部電源や制御回路は比較的重量が重いので、フレーム10のできるだけ低い位置に固定することにより、ヘリコプター5を低重心化させることができる。
このように構成された本実施形態に係る超音波モータ1とヘリコプター5の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る超音波モータ1を作動させるには、外部電源を作動させて外部電極15に同周波数で強度、位相が可変の高周波電圧(A相およびB相)を供給する。
例えば、強度が等しく、位相が互いに90°異なる信号を供給すると、振幅の大きい楕円振動が得られることが多い。
これにより、各超音波振動子3A,3Bに接着された摩擦接触子14には、縦振動モードと屈曲振動モードとがミックスされた略楕円振動が発生する。超音波振動子3A,4Bは、ホルダ7A,7Bに回転自在に支持されたロータシャフト2A,2Bに付勢手段4によって押圧状態に接触させられているので、摩擦接触子14の略楕円振動の接線方向に沿ってロータシャフト2A,2Bとの間の生ずる摩擦力により、ロータシャフト2A,2Bの表面が周方向に推進される。すなわち、ロータシャフト2A,2Bがホルダ7A,7Bに対して回転させられる。これにより、本実施形態に係る超音波モータ1によれば、2つのロータシャフト2A,2Bを同時に回転させることができる。
また、2つの超音波振動子3A,3Bには各摩擦接触子14が互いに逆方向の楕円振動をするように駆動信号が送られているので、2つのロータシャフト2A,2Bは逆方向に回転させられることになる。ロータシャフト2A,2Bの先端にはそれぞれロータ6A,6Bが取り付けられているので、これらのロータ6A,6Bは逆方向に回転させられる。これにより、本実施形態に係るヘリコプター5は、フレーム10における回転トルクの発生を抑え、フレーム10が回転しないように安定させながら、揚力を発生させ、飛行することが可能となる。
すなわち、本実施形態に係る超音波モータ1およびヘリコプター5によれば、2つのロータシャフト2A,2Bを回転させる2つの超音波振動子3A,3Bをそれぞれロータシャフト2A,2Bに押し付ける付勢手段4を共通化しているので、部品点数が少なくて済み、小型軽量化することができるという利点がある。
また、超音波振動子3A,3Bをそれぞれ固定支持するフレーム10のアーム10bは、超音波振動子3A,3Bの振動平面に対して直交する方向に延び、しかも振動の節近傍において超音波振動子3A,3Bに固定されているので、超音波振動子3A,3Bの振動が伝わり難く、それ自体が振動しないようにすることができる。
なお、本実施形態に係る超音波モータ1およびヘリコプター5においては、超音波振動子3A,3Bを同軸に配置し、その両側に配置した引っ張りコイルバネ4によって、超音波振動子3A,3Bを相互に近接させる方向に付勢することとしたが、これに代えて、超音波振動子3A,3Bを同軸ではなく平行に配置してもよい。
引っ張りコイルバネ4に代えて、2つの超音波振動子3A,3B間に圧縮コイルバネあるいは皿バネのような付勢手段を配置して、出力端Aをロータシャフト2A,2Bに押圧させることにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態に係る超音波モータ20およびヘリコプター21について、図7および図8を参照して以下に説明する。
なお、本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る超音波モータ1およびヘリコプター5と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る超音波モータ20およびヘリコプター21は、図7および図8に示されるように、単一の超音波振動子3を採用している点において、第1の実施形態に係る超音波モータ1およびヘリコプター5と相違している。
単一の超音波振動子3には、図8に示されるように、その長さ方向の両端に出力端Aが設けられている。これらの出力端Aは、超音波振動子3が作動させられると、図8に矢印Cで示されるように、同一方向に略楕円振動させられるようになっている。
また、これらの出力端Aは、超音波振動子3の両端が2つのホルダ7A,7Bの各貫通孔9に挿入されることにより、各ホルダ7A,7Bに回転自在に支持されたロータシャフト2A,2Bの外周面に接触させられるようになっている。また、2つのホルダ7A,7Bは、引っ張りコイルバネ4によって相互に近接する方向に引き寄せられているので、超音波振動子3の両端の出力端Aが、各ロータシャフト2A,2Bの外周面に押圧状態に接触させられるようになっている。
また、本実施形態に係る超音波モータ20は、ロータシャフト2Aの外周に、ベアリング22によって回転自在に支持されたスリーブシャフト23を備えている。
また、スリーブシャフト23の外周面およびロータシャフト2Bの外周面には、それぞれ歯車24A,24Bが固定されている。これらの歯車24A,24Bは、超音波振動子3の両端の出力端Aに各ロータシャフト2A,2Bが接触させられたときに相互に噛み合う寸法に構成されている。
また、本実施形態に係るヘリコプター21においては、ロータシャフト2Aに一方のロータ6Aが固定されるとともに、該ロータシャフト2Aに同軸に回転自在に配置されたスリーブシャフト23にもう一方のロータ6Bが固定されている。
このように構成された本実施形態に係る超音波モータ20およびヘリコプター21の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る超音波モータ20によれば、超音波振動子3を作動させることにより、その長さ方向の両端に設けた2つの出力端Aに略楕円振動が生ずる。2つの出力端Aの略楕円振動は、上述したように同一方向に回転するように発生する。
超音波振動子3の出力端Aは、付勢手段4によってロータシャフト2A,2Bに押し付けられているので、出力端Aの略楕円振動の接線方向に沿ってロータシャフト2A,2Bとの間の生ずる摩擦力により、ロータシャフト2A,2Bの表面が周方向に推進される。すなわち、ロータシャフト2A,2Bがホルダ7A,7Bに対して回転させられる。これにより、本実施形態に係る超音波モータ1によれば、2つのロータシャフト2A,2Bを同時に回転させることができる。
この場合において、本実施形態に係る超音波モータ1によれば、歯車24A,24Bからなる伝達機構の作動により、ロータシャフト2Bの回転がロータシャフト2Aに同軸に回転自在に支持されているスリーブシャフト23に伝達されるので、ロータシャフト2Aの回転と同期してスリーブシャフト23も回転させられる。伝達機構が2つの歯車24A,24Bにより構成されているので、ロータシャフト2Bの回転は歯車24A,24Bによって逆方向の回転に変換されてスリーブシャフト23に伝達される。
その結果、ロータシャフト2Aに取り付けられているロータ6Aとスリーブシャフト23に取り付けられているロータ6Bとは、同軸に逆方向に回転させられることになる。ロータ6A,6Bの形状は異なる回転方向において揚力を生ずる形状に形成されているので、これらロータ6A,6Bが相互に逆回転させられることにより、いずれも揚力を発生するように回転させられ、ヘリコプター21が飛行することが可能となる。
この場合において、本実施形態に係る超音波モータ20およびヘリコプター21によれば、超音波振動子に2つのロータシャフト2A,2Bを押圧状態に接触させる付勢手段4を共通化しているので、部品点数が少なくて済み、小型軽量化することができるという第1の実施形態に係る超音波モータ1およびヘリコプター5と同様の利点がある。
本実施形態においては、さらに、超音波振動子3を1つにして、第1の実施形態において超音波振動子3を支持していたフレームをなくし、しかも、ロータシャフト2Aとスリーブシャフト23とを同軸に配して、2つのロータ6A,6Bを同軸にしたので、コンパクトかつ小型軽量に構成することができるという利点がある。
なお、脚部25も含めたヘリコプター21の全体構成例を図9に示す。
図9においては、第2の実施形態に係るヘリコプター21を示しているが、これに限定されるものではなく、第1の実施形態に係るヘリコプター5を用いてもよい。
図9において、ヘリコプター21には、4本の脚部25と、これら脚部25の間に配置され駆動系(電気回路)を搭載する駆動系搭載部26と、前記ロータ6A,6Bの軸2Aと直交する軸線2C回りに回転するロータ6Cとが備えられている。
前記脚部25は、例えばカーボンファイバのような柔軟な部材の先端に錘28を備えており、ホルダ7Aに固定されたブラケット29から、前記ロータ6A,6Bの軸と略同軸に延びる支持シャフト30から片持ち梁状に延びている。4本の脚部25は、支持シャフト30から同一の長さで等間隔をあけて延びている。また、4本の脚部25の先端に設けた錘28の重さは同一に設定されている。これにより、4本の脚部25を含めたヘリコプター21全体の重心位置が支持シャフト30の延長線上に配置され、機体が水平にバランスされるようになっている。
これら脚部25の長さ方向の途中位置と、前記支持シャフト30との間には、形状記憶合金からなるSMAファイバアクチュエータ31がそれぞれ配置されている。SMAファイバアクチュエータ31は、所定の電流を流すことにより縮む性質を有している。したがって、SMAファイバアクチュエータ31に電流を流してその長さを縮めることにより、脚部25を内側に湾曲させるように引きつけることができる。
そして、脚部25が内側に湾曲させられると、先端に取り付けた錘28が中央に近づくこととなるので、重心バランスが崩れ、駆動したSMAファイバアクチュエータ31とは反対側に重心位置が移動してロータ6A,6Bの軸2Aが傾くことにより、その方向に機体を進行させることができるようになっている。
すなわち、進行させたい方向とは逆方向のSMAファイバアクチュエータ31を駆動することにより、機体を傾けて推進力を発生させ、傾けた方向に向けてヘリコプター21を進行させることができる。
その結果、4本のSMAファイバアクチュエータ31のいずれか1本を駆動することにより、その逆方向に機体を進行させることができ、駆動するSMAファイバアクチュエータ31を切り替えることで4方向への移動が可能となる。また、2本以上のSMAファイバアクチュエータ31を駆動することにより、上記4方向の中間方向への移動も可能となる。
本発明の一実施形態に係る超音波モータおよびヘリコプターを示す斜視図である。 図1の超音波モータおよびヘリコプターの分解斜視図である。 図1の超音波モータに使用する超音波振動子を構成する圧電セラミックスシートを示す斜視図である。 図3の圧電セラミックスシートを積層した圧電積層体を有する超音波振動子を示す斜視図である。 図4の圧電積層体が1次の縦振動モードで振動する様子をコンピュータ解析により示す図である。 図4の圧電積層体が2次の屈曲振動モードで振動する様子をコンピュータ解析により示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る超音波モータおよびヘリコプターを示す斜視図である。 図7の超音波モータおよびヘリコプターの分解斜視図である。 図7のヘリコプターに脚部を付けた全体構成を示す図である。
符号の説明
A 出力端
1,20 超音波モータ
2A,2B ロータシャフト
3,3A,3B 超音波振動子
4 圧縮コイルバネ(付勢手段)
5,21 ヘリコプター
6A 第1のロータ(ロータ)
6B 第2のロータ(ロータ)
7A,7B ホルダ
24A,24B 歯車(動力伝達機構)

Claims (6)

  1. 異なる2つの振動モードを同時に発生させて2つの出力端にそれぞれ略楕円振動を生じさせる1個または2個の超音波振動子と、
    該超音波振動子に対して相対移動可能な2つのホルダに1本ずつ回転自在に支持された2本のロータシャフトと、
    前記2つのホルダを相反する方向に同時に付勢して、前記2本のロータシャフトの外周面に、前記超音波振動子の2つの出力端をそれぞれ密着させる付勢手段とを備える超音波モータ。
  2. 前記2つの出力端を外向きに配置した超音波振動子を挟んで、前記2つのホルダが配置され、
    前記付勢手段が、2つのホルダを相互に近接する方向に付勢する請求項1に記載の超音波モータ。
  3. 前記2つの出力端を対向して配置した2個の超音波振動子の間に、前記2つのホルダが配置され、
    前記付勢手段が、2つのホルダを相互に離れる方向に付勢する請求項1に記載の超音波モータ。
  4. 両端に出力端を有する単一の超音波振動子を挟んで、前記2つのホルダが配置されている請求項2に記載の超音波モータ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の超音波モータと、
    該超音波モータのロータシャフトにそれぞれ固定されたロータとを備えるヘリコプター。
  6. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の超音波モータと、
    該超音波モータの一のロータシャフトに固定された第1のロータと、
    該一のロータシャフトに、第1のロータと同軸に回転可能に支持された第2のロータと、
    該第2のロータに対し他のロータシャフトからの駆動力を伝達する動力伝達機構とを備えるヘリコプター。
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