JP2006128264A - 配線基板および電子装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 搭載された電子部品を封止するときに、電子部品に大きな熱が作用することがなく、誤作動等の問題を生じることが効果的に防止された配線基板、および電子装置の製造方法を提供することにある。
【解決手段】 配線基板9は、上面に電子部品7の搭載部1aを有する絶縁基体1と、絶縁基体1の搭載部1aから側面または下面に導出された配線導体2と、絶縁基体1の上面に搭載部1aを囲むように形成された、金属製の蓋体5を接合するための帯状導体3と、絶縁基体1の内部に帯状導体3に沿って形成された線状導体4とを具備している。
【選択図】図1

Description

本発明は、IC,LSI等の半導体集積回路素子、LD(半導体レーザ),LED(発光ダイオード),PD(フォトダイオード),CCD,ラインセンサ,イメージセンサ等の光半導体素子、圧電振動子,水晶振動子等の振動子、その他の種々の電子部品を搭載する配線基板、および、その配線基板を用いた電子装置の製造方法に関する。
IC,LSI等の半導体集積回路素子、LD(半導体レーザ),LED(発光ダイオード),PD(フォトダイオード),CCD,ラインセンサ,イメージセンサ等の光半導体素子、圧電振動子,水晶振動子等の振動子、その他の種々の電子部品が搭載される配線基板は、一般に酸化アルミニウム質焼結体やガラスセラミック焼結体、窒化アルミニウム質焼結体等の絶縁材料から成り、上面に電子部品の搭載部を有する絶縁基体と、絶縁基体に形成された配線導体とを備えた構造である。
絶縁基体の搭載部に電子部品を搭載するとともに、電子部品の電極を配線導体の露出部分に電気的に接続し、電子部品を覆うようにして蓋体を絶縁基体の上面の外周部に取着することにより蓋体と絶縁基体との間に電子部品が気密封止されて電子装置となる。
蓋体の絶縁基体に対する取着は、蓋体の下面の外周部と絶縁基体の上面の外周部とを、半田等の接合材を介して位置合わせし、リフロー炉等を用いて接合材を加熱溶融し、蓋体と絶縁基体とを接合させることにより行なわれる。
特開2001−196519号公報 特開2000−277646号公報
しかしながら、上記従来技術の配線基板、およびそれを用いた電子装置の製造方法においては、接合材を溶融させるために、電子部品が搭載された配線基板をリフロー炉中で加熱する必要があるため、熱に弱い電子部品に炉の中で大きな熱が加わり、誤作動等の問題を生じるおそれがあった。
また、接合材の凝固点が高いため、接合位置の位置ずれ,作動不良等の不良品を生じたときに、いったん接合した電子部品を外して代わりの電子部品を搭載すること、いわゆるリワークが難しいという問題もあった。
本発明は、上記問題点に鑑み案出されたもので、その目的は、搭載された電子部品を封止するときに、電子部品に過度に大きな熱が作用することがなく、誤作動等の問題を生じることが有効に防止された配線基板、および電子装置の製造方法を提供することにある。
本発明の配線基板は、上面に電子部品が搭載される搭載部を有した絶縁基体と、該絶縁基体の前記搭載部から側面または下面に導出された配線導体と、金属製の蓋体を接合すべく前記絶縁基体の上面に前記搭載部を囲むように形成された帯状導体と、前記絶縁基体の内部に前記帯状導体に沿って形成された線状導体とを具備していることを特徴とするものである。
また本発明の配線基板は、前記絶縁基体の上面または下面で、前記帯状導体の外側に、前記線状導体の一端および他端にそれぞれ形成された接続パッドが設けられていることを特徴とするものである。
そして本発明の配線基板の製造方法は、上述した配線基板の前記搭載部に電子部品を搭載するとともに前記配線導体に電気的に接続し、次に前記電子部品を封止するように前記帯状導体に前記蓋体を接合材を介して載置し、次に前記接続パッドに通電することによって前記線状導体を発熱させ前記接合材を加熱溶融させて前記蓋体を前記帯状導体に接合させることを特徴とするものである。
本発明の配線基板によれば、上面に電子部品が搭載される搭載部を有した絶縁基体と、該絶縁基体の前記搭載部から側面または下面に導出された配線導体と、金属製の蓋体を接合すべく前記絶縁基体の上面に前記搭載部を囲むように形成された帯状導体と、前記絶縁基体の内部に前記帯状導体に沿って形成された線状導体とを具備していることから、線状導体を高抵抗の発熱体として作用させることにより帯状導体部分を局所的に加熱することができ、帯状導体に蓋体を接合材を介して加熱接合させること等により電子部品を気密封止することができる。この場合、熱が主に作用するのは、絶縁基体のうち線状導体から帯状導体にかけての部分や、その周辺の狭い範囲に限定されるため、電子部品に大きな熱が作用することはなく、電子部品に誤作動等の問題を生じることは有効に防止される。
また、接合材の凝固点が高い場合でも、帯状導体の部分を凝固点以上に高い温度に加熱することが容易であるため、接合位置の位置ずれ等の不良品を生じたときに再生すること(リワーク)が容易である。
さらに、本発明の配線基板によれば、前記絶縁基体の上面または下面で、前記帯状導体の外側に、前記線状導体の一端および他端にそれぞれ形成された接続パッドを設けておくことにより、配線導体や帯状導体に余計な電流を流すことなく、接続パッドを介して直接線状導体に、発熱するに十分な電流を供給することができる。これにより、搭載される電子部品に熱で不具合を生じることが有効に防止されるとともに、電気的な特性に優れた配線基板を提供することができる。
そして、本発明の電子装置の製造方法によれば、上述した配線基板の前記搭載部に電子部品を搭載するとともに前記配線導体に電気的に接続し、次に前記電子部品を封止するように前記帯状導体に前記蓋体を接合材を介して載置し、次に前記接続パッドに通電することによって前記線状導体を発熱させ前記接合材を加熱溶融させて前記蓋体を前記帯状導体に接合させることによって電子装置を製造することにより、電子部品に過度に大きな熱が作用することはなく、誤作動等の問題を生じることが有効に防止された電子装置を製造することができる。
以下、本発明を添付の図面に基づき詳細に説明する。図1(a)は本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す上面図、(b)は上面透視図、(c)は断面図であり、1は絶縁基体、2は配線導体、3は帯状導体、4は線状導体である。
図1の配線基板9は、主に、絶縁基体1、配線導体2、帯状導体3、線状導体4により構成されている。
絶縁基体1は、ガラスセラミック焼結体,酸化アルミニウム質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,窒化珪素質焼結体,炭化珪素質焼結体等の電気絶縁材料から成る。
絶縁基体1は、例えば、ガラスセラミック焼結体から成る場合であれば、酸化珪素,酸化アルミニウム等のガラスセラミック原料粉末に適当な有機バインダ,溶剤を添加混合して泥漿状となすとともに、これをドクターブレード法を採用してシート状となすことにより複数枚のセラミックグリーンシートを得て、しかる後、セラミックグリーンシートを切断加工や打ち抜き加工により適当な形状とするとともにこれを複数枚積層し、最後に積層されたセラミックグリーンシートを還元雰囲気中、約1000℃の温度で焼成することによって製作される。
絶縁基体1は、IC,LSI等の半導体集積回路素子、LD(半導体レーザ),LED(発光ダイオード),PD(フォトダイオード),CCD,ラインセンサ,イメージセンサ等の光半導体素子、圧電振動子,水晶振動子等の振動子、その他の種々の電子部品(図示せず)を搭載し支持するための基体として機能し、その上面に電子部品が搭載される搭載部1aを有している。
また、絶縁基体1の搭載部1aから側面または下面にかけて配線導体2が導出されている。
配線導体2は、搭載部1aに搭載される電子部品7と電気的に接続され、電子部品7を搭載部1aの外側に導出させる導電路として機能する。絶縁基体1の側面や下面への配線導体1の導出は、配線導体2を絶縁基体1の上面から側面、下面にかけて、表面に沿って引き回すことや、絶縁基体1の内部に貫通導体(図示せず)を形成したり、絶縁基体1の側面に側面導体(図示せず)を形成したりしておいて、その貫通導体や側面導体を介して導出させること等の手段により行われる。なお、図1(c)において、図を見やすくするために、配線導体2は、絶縁基体1の側面や下面に導出される部分を省略して示している。
配線導体2は、銅や銀,パラジウム,金,タングステン,モリブデン,マンガン等の金属材料からなり、例えば銅から成る場合であれば、銅の粉末を有機溶剤、バインダとともに混練して作製した金属ペーストを、絶縁基体1となるセラミックグリーンシートに印刷しておくこと等により形成される。
また、絶縁基体1の上面には、搭載部1aを取り囲むように帯状導体3が形成されている。
帯状導体4は、搭載部1aを気密封止するためのものである。すなわち、帯状導体3に蓋体5を、接合材6を用いて接合させて搭載部1aを覆うことにより搭載部1aが気密封止される。
帯状導体3は、配線導体2と同様の金属材料を用い、同様の形成手段で形成することができる。
また、絶縁基体1の内部には、帯状導体3に沿って線状導体4が形成されている。
線状導体4は、例えば、高抵抗の金属材料から成る発熱体として機能し、帯状導体3を局所的に加熱するためのものである。
帯状導体3に接合材6を介して接合するとき、線状導体4に電流を流して発熱させることにより、線状導体4の上側にある帯状導体3が加熱される。この熱により接合材6が加熱溶融されて蓋体5が絶縁基体1(帯状導体3)に接合される。
以上のように、線状導体3を高抵抗の発熱体として作用させることにより帯状導体3を局所的に加熱することができ、帯状導体3に蓋体5を接合材6を介して加熱接合させること等により電子部品7を気密封止することができる。この場合、熱が主に作用するのは、絶縁基体1のうち線状導体4から帯状導体3にかけての部分であることから、電子部品7に過度に大きな熱が作用することはなく、電子部品7に熱に弱い電子部品に誤作動等の問題を生じることは有効に防止される。
また、接合材の凝固点が高い場合でも、帯状導体の部分を凝固点以上に高い温度に加熱することが容易であるため、接合位置の位置ずれ等の不良品を生じたときに再生すること(リワーク)が容易である。
線状導体4は、タングステン,モリブデン,マンガン等の材料により形成される。
線状導体4は、例えば、タングステンから成る場合であれば、タングステンの粉末を有機溶剤、バインダとともに混練して作製した金属ペーストを、絶縁基体1となるセラミックグリーンシートに印刷しておくこと等により形成される。
また、線状導体4は、効率よく発熱させるために、コイル状やらせん状、折り畳みパターン等で形成することが好ましい。
線状導体4は、体積抵抗率1〜3×10−6Ω・m、厚さ10〜20×10−6m程度が好ましい。
また、線状導体4の幅、長さは、線状導体4の上側にある帯状導体3の大きさに適宜合わせる。
線状導体4は、帯状導体3から離れた絶縁基体4の深い位置にあると、線状導体4を加熱したとき、絶縁基体1全体に熱が伝わってしまい、搭載部1aに搭載された不良でない電子部品を破壊してしまう恐れがあるため、帯状導体3だけを効率よく加熱する上では、絶縁基体1の上面に近い深さに形成されていることが好ましい。
セラミック焼結体や酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、絶縁基体1の上面から50μm〜200μm程度の深さに形成することが好ましい。
この場合、絶縁基体1は、平面視で上面または下面の帯状導体3の外側の部位に、線状導体4の一端および他端にそれぞれ形成された接続パッド8が設けられていることが好ましい。
これにより、配線導体2や帯状導体3に余計な電流を流すことなく接続パッド8を介して線状導体に十分な電流を直接供給することができる。そのため、搭載される電子部品7に熱で不具合を生じることが有効に防止されるとともに、電気的な特性に優れた配線基板を提供することができる。
接続パッド8は、図1(a)に示した四角形状のように平面面積が大きいほど、電流を供給するための外部電源からの端子の接続を容易に行なわせることができる。したがって、接続パッド8は、接続パッド8同士や、帯状導体3、配線導体2との間の電気絶縁性を確保できる範囲で、大きく形成することが好ましい。
また、生産性やコストを考慮すると、直径4mm以下の円の範囲に収まる形状,寸法であることがより好ましい。
そして、上述した配線基板9に電子部品7を搭載し、これを気密封止することにより電子装置が形成される。
本発明の電子装置の製造方法は、配線基板9の搭載部1aに電子部品7を搭載するとともに配線導体2に電気的に接続し、次に電子部品7を封止するように帯状導体3に蓋体5を接合材6を介して載置し、次に接続パッド8に通電することによって線状導体4を発熱させ接合材6を加熱溶融させて蓋体5を帯状導体3に接合させる各工程を備える。
電子部品7と配線導体2との電気的な接続は、ボンディングワイヤやはんだ等の接続材を介して行なわれる。
また、接合材が錫鉛共晶半田の場合、線状導体を220℃程度に発熱させて、帯状導体3の所定の部分を210℃程度に加熱する。
以上のような工程を経て電子装置を製造することにより、電子部品に過度に大きな熱が作用することはなく、電子部品に誤作動等の問題を生じることが効果的に防止された電子装置を製造することができる。
なお、本発明は上述の実施の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更は可能である。
(a)は本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す上面図、(b)は線状導体の上面透視図、(c)は(a)(b)の断面図である。
符号の説明
1・・・・絶縁基体
2・・・・配線導体
3・・・・帯状導体
4・・・・線状導体
5・・・・蓋体
6・・・・接合材
7・・・・電子部品
8・・・・接続パッド
9・・・・配線基板

Claims (3)

  1. 上面に電子部品が搭載される搭載部を有した絶縁基体と、該絶縁基体の前記搭載部から側面または下面に導出された配線導体と、金属製の蓋体を接合すべく前記絶縁基体の上面に前記搭載部を囲むように形成された帯状導体と、前記絶縁基体の内部に前記帯状導体に沿って形成された線状導体とを具備していることを特徴とする配線基板。
  2. 前記絶縁基体の上面または下面で、前記帯状導体の外側に、前記線状導体の一端および他端にそれぞれ形成された接続パッドが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  3. 請求項1または請求項2に記載の配線基板の前記搭載部に電子部品を搭載するとともに前記配線導体に電気的に接続し、次に前記電子部品を封止するように前記帯状導体に前記蓋体を接合材を介して載置し、次に前記接続パッドに通電することによって前記線状導体を発熱させ前記接合材を加熱溶融させて前記蓋体を前記帯状導体に接合させることを特徴とする電子装置の製造方法。
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