JP2004179175A - 配線基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】半田の這い上がりにより、配線基板を外部電気回路基板に強固に接合することができない。
【解決手段】上面に電子部品搭載部および該搭載部を取り囲む枠状の金属層3を有し、下面の外周部に接続パッド4を有する絶縁基体1と、前記絶縁基体1の側面に前記接続パッド4と枠状の金属層3とを接続するようにして形成され、内壁面に導体6が被着された溝状の凹部5aとを具備する配線基板であって、前記溝状の凹部5aの一部に、内径が他の部分より小さい小径部5bが形成されており、かつ前記接続パッド4は、外辺が波形をなす。
【選択図】図1
【解決手段】上面に電子部品搭載部および該搭載部を取り囲む枠状の金属層3を有し、下面の外周部に接続パッド4を有する絶縁基体1と、前記絶縁基体1の側面に前記接続パッド4と枠状の金属層3とを接続するようにして形成され、内壁面に導体6が被着された溝状の凹部5aとを具備する配線基板であって、前記溝状の凹部5aの一部に、内径が他の部分より小さい小径部5bが形成されており、かつ前記接続パッド4は、外辺が波形をなす。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子や圧電振動子等の電子部品を搭載するための配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子や圧電振動子等の電子部品を搭載するための配線基板は、一般に、略四角板状のセラミックス材料から成り、上面に電子部品搭載部を有する絶縁基体と、該絶縁基体の電子部品搭載部より絶縁基体内部を介して側面に導出されている複数個の配線層と、前記絶縁基体の上面で、前記電子部品搭載部を取り囲むように形成されている枠状の金属層と、前記絶縁基体の下面外周部に形成されている複数個の接続パッドと、前記絶縁基体の側面に形成されるとともに内壁面に導体が被着され、該導体(キャスタレーション導体)により各配線層と各接続パッドとを電気的に接続する複数個の溝状の凹部とにより構成されており、絶縁基体の電子部品搭載部に電子部品を搭載するとともに、電子部品の信号用、接地用等の各電極を各配線層にボンディングワイヤ等の導電性接続部材を介して電気的に接続し、しかる後、絶縁基体上面の枠状金属層に電子部品を覆うようにして鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等から成る金属製の蓋体をロウ材等を介して接合し電子部品を封止することによって電子装置となる。
【0003】
かかる電子装置は、絶縁基体下面の外周部に形成した接続パッドを外部電気回路基板の配線導体に錫−鉛半田等の半田を介して接続することによって外部電気回路基板に実装され、同時に電子部品の各電極は配線層と凹部内壁面の導体(キャスタレーション導体)と接続パッドとを介して外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
【0004】
なお、前記凹部内壁面の導体(キャスタレーション導体)のうち、少なくとも電子部品の接地用の電極が接続されるもの(通常、全接続パッド中約20〜50%)は、一部が絶縁基体上面に形成されている枠状の金属層まで導出されており、枠状金属層を接地できるようになっている。
【0005】
また、前記導体が被着される溝状の凹部は、絶縁基体の側面に、通常は半円形の横断面で、ほぼ同一の内径で垂直方向に形成されており、枠状金属層と接続される導体が被着されるものは絶縁基体の側面で下面部から上面部にかけて形成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−50355号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近時、各種電子装置は環境、人体に対する悪影響を防止するため従来使用されている錫−鉛半田に代わり、錫−銀−ビスマス系、錫−銀−銅−ビスマス系等の鉛を含有しない、いわゆる鉛フリー半田を用いて外部電気回路基板に接続されるようになってきており、かかる鉛フリー半田は、従来の錫−鉛半田に比べて溶融時に流れやすいため電子装置を外部電気回路基板に実装するとき、半田が導体の被着された凹部内壁面を伝って絶縁基体上面の枠状金属層や枠状金属層に取着されている金属製蓋体にまで這い上がり、その結果、絶縁基体の接続パッドと、外部電気回路の配線導体との間に介在する半田の量が極めて少量となり、電子装置を外部回路基板に強固に実装することができないという欠点を有していた。
【0008】
また錫−銀−ビスマス系等の鉛フリー半田は、従来の錫−鉛半田に比べて、ビスマス等の成分の偏析により接続パッド等に対する接合強度が低くなりやすいこと、配線基板の小型化により接続パッドも小さくなり、半田接合の面積が小さくなってきていること等から、外部電気回路基板の配線導体に電子装置の接続パッドを錫−銀−ビスマス系等の鉛フリー半田を介して接続し外部電気回路基板に電子装置を実装させた後、電子装置と外部電気回路基板に熱が作用すると電子装置の絶縁基体と外部電気回路基板との間に両者の熱膨張係数の相違に起因する熱応力が発生するとともにこれが鉛フリー半田および鉛フリー半田と接続パッドとの接合界面に作用し、その結果、特に熱応力が集中する接続パッドの外周付近から、鉛フリー半田と接続パッドとの接合界面に亀裂等の機械的な破壊を招来させて電子装置の外部電気回路基板に対する接続信頼性を低いものにしてしまうという欠点も有していた。
【0009】
本発明は、上記欠点に鑑み案出されたものであり、その目的は、接続パッドを外部電気回路基板の配線導体に鉛フリー半田を介して強固に接合し、それにより外部電気回路基板に強固にかつ高信頼性で実装することが可能な配線基板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、上面に電子部品搭載部および該搭載部を取り囲む枠状の金属層を有し、下面の外周部に接続パッドを有する絶縁基体と、前記絶縁基体の側面に前記接続パッドと枠状の金属層とを接続するようにして形成され、内壁面に導体が被着された溝状の凹部とを具備する配線基板であって、前記溝状の凹部の一部に、内径が他の部分より小さい小径部が形成されており、かつ前記接続パッドは、外辺が波形をなすことを特徴とするものである。
【0011】
また本発明の配線基板は、前記小径部の内径が75μm以下であることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の配線基板によれば、絶縁基体の側面に形成され、枠状金属層と接続パッドとを電気的に接続する導体(キャスタレーション導体)が内壁面に被着された溝状の凹部の一部に小径部が形成されていることから、接続パッドと外部電気回路の配線導体とを鉛フリー半田を用いて接合し、鉛フリー半田が凹部内壁面を伝って這い上がろうとしたとしても、この鉛フリー半田は前記小径部で遮られ、枠状金属層や金属製蓋体にまで多量に這い上がることはなく、その結果、接続パッドと外部電気回路基板の配線導体との間に十分な量の半田を介在させることができ、配線基板(電子装置)を外部電気回路基板に極めて強固に接合することができる。
【0013】
また同時に、本発明の配線基板によれば、接続パッドを、外辺が波形をなすものとしたことから、絶縁基体と外部電気回路基板との間に両者の熱膨張係数の相違に起因する熱応力が発生するとともにこれが鉛フリー半田および鉛フリー半田と接続パッドとの界面付近、特に接合界面の外縁部に集中して作用したとしても、その熱応力は波形の接合界面外縁に沿って分散されて小さなものとなり、鉛フリー半田の接続パッドとの接合界面に亀裂等が発生することを効果的に防止することができ、配線基板(電子装置)を外部電気回路基板により一層強固に接合させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1(a)乃至(c)は、本発明の配線基板を半導体素子を収容する半導体素子収納用パッケージに適用した場合の一実施例を示し、1は絶縁基体、2は配線層、3は枠状金属層、4は接続パッド、5は絶縁基体1の側面に形成され、内壁面に導体6が形成された溝状の凹部である。この絶縁基体1、配線層2、枠状金属層3、接続パッド4、溝状の凹部5および導体6により半導体素子7を搭載するための配線基板8が形成される。
【0015】
前記絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、ガラスセラミック焼結体等の電気絶縁材料から成り、その上面に半導体素子7を搭載する搭載部を有し、該搭載部に半導体素子7がガラス、樹脂、ロウ材等の接着材を介して接着固定される。
【0016】
前記絶縁基体1は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体から成る場合には、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の原料粉末に適当な有機バインダー、溶剤を添加混合して泥漿状のセラミックスラリーとなし、次に前記セラミックスラリーを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のシート成形技術によりシート状となして所定形状のセラミックグリーンシート(セラミック生シート)を得る、最後に前記セラミックグリーンシートを複数枚積層するとともに還元雰囲気中、約1600℃の温度で焼成することによって製作される。
【0017】
また前記絶縁基体1はその上面の半導体素子7が搭載される搭載部周囲から絶縁基体1の内部を介し側面にかけて複数個の配線層2が形成されており、該配線層2は半導体素子7の信号用、接地用の各電極を接続パッド4に接続するための導電路として作用し、搭載部側の一端には半導体素子7の信号用、接地用等の電極がボンディングワイヤ9を介して電気的に接続される。
【0018】
前記配線層2はタングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、金、パラジウム等の金属粉末から成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダーや溶剤を添加混合して得た金属ペーストを絶縁基体1となるセラミックグリーンシートに予め従来周知のスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておくことによって絶縁基体1の上面から絶縁基体1の内部を介し側面にかけて被着形成される。
【0019】
また前記絶縁基体1はその上面で、半導体素子7が搭載される搭載部を取り囲むようにして枠状の金属層3が被着されており、該枠状の金属層3は後述する金属製蓋体10を絶縁基体1に取着させる際の下地金属層として作用し、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、金、パラジウム等の金属粉末により形成されている。
【0020】
前記枠状金属層3には金属製蓋体10がロウ材を介してロウ付け取着され、これによって絶縁基体1の半導体素子搭載部に搭載されている半導体素子7は大気から気密に封止されることとなる。
【0021】
なお、前記枠状金属層3は前述の配線層2と同様の方法によって絶縁基体1の上面で、半導体素子搭載部を取り囲むように形成される。
【0022】
更に前記絶縁基体1の下面外周部には複数個の接続パッド4が形成されており、該接続パッド4は外部電気回路基板の配線導体に鉛フリー半田を介して接続され、半導体素子7の信号用、接地用の各電極を外部電気回路に電気的に接続する作用をなす。
【0023】
前記接続パッド4は、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、金、パラジウム等の金属粉末より成り、前述の配線層2と同様の方法によって絶縁基体1の下面外周部に所定形状に形成される。
【0024】
また更に前記絶縁基体1はその側面に複数個の溝状の凹部5(通常は、断面半円状)が形成されているとともに、その内壁面に導体(キャスタレーション導体)6が被着されており、該凹部5内壁面の導体(キャスタレーション導体)6は配線層2と接続パッド4とを電気的に接続する作用をなす。
【0025】
前記凹部5内壁面の導体6はタングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、金、パラジウム等の金属粉末より成り、絶縁基体1となるセラミックグリーンシートの側面に打ち抜き加工法により半円形の凹部を形成するとともに該凹部内にタングステン等の金属粉末に適当な有機バインダーや溶剤を添加混合して得た金属ペーストを予め従来周知のスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておくことによって絶縁基体1の側面に所定形状に形成される。
【0026】
前記凹部5内壁面の導体(キャスタレーション導体)6はまた半導体素子7の接地用の電極と導通する配線層2に接続されるものについては一部が絶縁基体1上面の枠状金属層3にまで導出されており、枠状金属層3を接地するようになっており、また、このような、半導体素子7の接地用の電極と導通する配線層2に接続される導体6が被着される溝状の凹部5は絶縁基体1の下面から上面にかけて、接続パッド4と枠状の金属層3とを接続するようにして形成されている。
【0027】
なお、前記配線層2、枠状の金属層3、接続パッド4及び(キャスタレーション)導体6は、その露出する表面に、ニッケル、金等の耐蝕性やボンディングワイヤ9のボンディング性、半田の濡れ性等が良好な金属から成るめっき層を被着させておくと配線層2や枠状の金属層3等の酸化腐食を有効に防止することができるとともに枠状金属層3への金属製蓋体10の取着、接続パッド4の外部電気回路基板への接続が確実、強固となる。従って、前記配線層2、枠状金属層3、接続パッド4及び凹部5内壁面の導体(キャスタレーション導体)6は、その露出する表面に、ニッケル、金等の耐蝕性やボンディング性、半田の濡れ性等が良好な金属をめっき法により被着させておくことが好ましく、特に、例えば、厚さ1〜10μmのニッケルめっき層、0.05〜3μmの厚さの金めっき層を順次被着させておくことが好ましい。
【0028】
この場合、金めっき層の厚みは、被着する部位や金めっき層の結晶配向等に応じて異なる厚みとしてもよく、例えば、金めっき層のX線回折における結晶配向を極力(111)面に揃えるようにするとともに、ボンディングワイヤ9が接続される領域も含め、全域で約0.3〜1μmとするようにしてもよく、半田付け用の領域のみ約0.3μm以下の薄いものとし、錫−金の脆い金属間化合物の生成を抑えて半田付けの信頼性を高めるようにしてもよい。
【0029】
かくして本発明の配線基板8によれば、絶縁基体1上面の搭載部に半導体素子7を搭載するとともに半導体素子7の信号用、接地用の各電極を配線層2にボンディングワイヤ9を介して接続し、しかる後、絶縁基体1上面の枠状金属層3に鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等からなる金属製蓋体10をロウ材等を介して接合させ、金属製蓋体10で半導体素子7を気密に封止することによって製品としての電子装置(半導体装置)が完成する。
【0030】
なお、この半導体装置は絶縁基体1下面外周部の接続パッド4を外部電気回路基板の配線導体に鉛フリー半田を介して接合することによって外部電気回路基板上に実装され、同時に半導体素7の信号用、接地用の各電極が外部電気回路基板の配線導体に電気的に接続される。
【0031】
本発明の配線基板8においては、図2および図3に示すように、凹部5のうち枠状金属層3と接続パッド4とを接続している導体6が被着された凹部5aについて、内径が他の部分より小さい小径部5bを設けておくことが重要である。
【0032】
前記枠状金属層3と接続パッド4とを接続している導体6が内壁面に被着された凹部5aについて、他の部分よりも内径の小さい小径部5bを設けておくと、接続パッド4と外部電気回路の配線導体とを鉛フリー半田を用いて接合し、鉛フリー半田が凹部5aの内壁面を伝って這い上がろうとしたとしても、この鉛フリー半田は前記小径部5bで遮られて、枠状金属層3や金属製蓋体10にまで多量に這い上がることはなく、その結果、接続パッド4と外部電気回路基板の配線導体との間に十分な量の半田を介在させることができ、配線基板(電子装置)を外部電気回路基板に極めて強固に接合することができる。
【0033】
この場合、前記小径部5bは、その内径が75μmを超えると鉛フリー半田の這い上がりを遮ることが難しくなり、接続パッド4と外部電気回路基板の配線導体との間に十分な量の半田を介在させることが困難となる。従って、溝状の凹部5aの小径部5bは、深さおよび幅を75μm以下としておくことが好ましく、生産性を考慮すれば、25μm〜75μmの範囲とすることがより一層好ましい。
【0034】
また前記小径部5bは、溝状の凹部5aの中央部よりも上側に設けた場合、鉛フリー半田の凹部5a内への這い上がり量が多くなり、接続パッド4と外部電気回路基板の配線導体との間に介在する半田量が少なくなり、配線基板の接合強度が低下する傾向がある。従って、前記小径部5bは、凹部5aの中央部乃至下部に設けることが好ましい。
【0035】
また前記小径部5bは、その幅を絶縁基体1の厚みに対し10〜20%の範囲としておくと鉛フリー半田の這い上がりを効果的に遮断して、かつ接続パッド4と外部電気回路基板の配線導体との間に介在する半田量が適量となって外部電気回路基板の配線導体に対する配線基板の接合強度を強くすることができる。従って、前記小径部5bは、その幅を絶縁基体1の厚みに対し10〜20%の範囲としておくことが好ましい。
【0036】
また本発明の配線基板8においては、図3に示すように、前記接続パッド4の外辺を波形としておくことが重要である。
【0037】
前記接続パッド4の外辺を波形としておくと、配線基板8と外部電気回路基板に熱が作用し、両者間に両者の熱膨張係数の相違に起因する熱応力が発生するとともにこれが両者を接合している鉛フリー半田、特に接続パッド4との接合界面の外縁部に集中して作用したとしても、この熱応力は波形の接合界面外縁に沿って分散されて小さなものとなり、その結果、鉛フリー半田と接続パッド4との接合界面に亀裂等の機械的な破壊が発生することはほとんどなく、接続パッド4を外部電気回路基板の配線導体により一層強固に、かつ高信頼性で接続することができる。
【0038】
なお、前記接続パッド4は、隣接する接続パッド4の外辺間の距離が50μm未満になると、隣接する接続パッド4間の電気絶縁性が低下し、絶縁不良や電気的短絡等の不具合を発生させるおそれがある。したがって、前記接続パッド4は、隣接する接続パッド4の外辺間の距離が50μm以上となるようにしておくことが好ましい。
【0039】
また前記接続パッド4は、接続パッド4と鉛フリー半田との接合強度を確保するため、外辺の波底部の位置を接続パッド4の幅の1/3以下の位置としておくことが好ましい。
【0040】
更に、前記接続パッド4はその外辺の波形の部分が図3に示すような円弧状に限らず、楕円円弧状としてもよい。
【0041】
また更に、前記凹部5、5aは、図4に示すように、その内側に突出する突出部11を形成しておくとともに、突出部11の表面にも導体6を延在させるようにしておけば接続パッド4を外部電気回路基板の配線導体に半田を介して接合するとき、前記突出部11が半田の中に食い込むようにして接合されて接合強度がより一層強固となる。従って、前記凹部5、5aは、図4に示すように、その内側に突出する突出部11を形成しておくことが好ましい。
【0042】
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能であり、例えば、上述の実施例では本発明の配線基板を半導体素子を収容する半導体素子収納用パッケージに適用したが、混成集積回路基板等の他の用途に適用してもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、絶縁基体の側面に形成され、枠状金属層と接続パッドとを電気的に接続する導体(キャスタレーション導体)が内壁面に被着された溝状の凹部の一部に小径部が形成されていることから、接続パッドと外部電気回路の配線導体とを鉛フリー半田を用いて接合し、鉛フリー半田が凹部内壁面を伝って這い上がろうとしたとしても、この鉛フリー半田は前記小径部で遮られ、枠状金属層や金属製蓋体にまで多量に這い上がることはなく、その結果、接続パッドと外部電気回路基板の配線導体との間に十分な量の半田を介在させることができ、配線基板(電子装置)を外部電気回路基板に極めて強固に接合することができる。
【0044】
また同時に、本発明の配線基板によれば、接続パッドを、外辺が波形をなすものとしたことから、絶縁基体と外部電気回路基板との間に両者の熱膨張係数の相違に起因する熱応力が発生するとともにこれが鉛フリー半田および鉛フリー半田と接続パッドとの接合界面付近、特に接合界面の外縁部に集中して作用したとしても、その熱応力は波形の接合界面外縁に沿って分散されて小さなものとなり、鉛フリー半田の接続パッドとの接合界面に亀裂等が発生することを効果的に防止することができ、配線基板(電子装置)を外部電気回路基板により一層強固に接合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)(c)は本発明の配線基板の一実施例を示す側面図、平面図、底面図である。
【図2】本発明の配線基板の要部拡大側面図である。
【図3】本発明の配線基板の要部拡大底面図である。
【図4】本発明の配線基板の他の実施例の要部拡大図である。
【符号の説明】
1・・・・・絶縁基体
2・・・・・配線層
3・・・・・枠状の金属層
4・・・・・接続パッド
5・・・・・凹部
5a・・・・接続パッドと枠状金属層とを接続している導体が被着された凹部
5b・・・・小径部
6・・・・・導体
7・・・・・半導体素子
8・・・・・配線基板
9・・・・・ボンディングワイヤ
10・・・・蓋体
11・・・・突出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子や圧電振動子等の電子部品を搭載するための配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子や圧電振動子等の電子部品を搭載するための配線基板は、一般に、略四角板状のセラミックス材料から成り、上面に電子部品搭載部を有する絶縁基体と、該絶縁基体の電子部品搭載部より絶縁基体内部を介して側面に導出されている複数個の配線層と、前記絶縁基体の上面で、前記電子部品搭載部を取り囲むように形成されている枠状の金属層と、前記絶縁基体の下面外周部に形成されている複数個の接続パッドと、前記絶縁基体の側面に形成されるとともに内壁面に導体が被着され、該導体(キャスタレーション導体)により各配線層と各接続パッドとを電気的に接続する複数個の溝状の凹部とにより構成されており、絶縁基体の電子部品搭載部に電子部品を搭載するとともに、電子部品の信号用、接地用等の各電極を各配線層にボンディングワイヤ等の導電性接続部材を介して電気的に接続し、しかる後、絶縁基体上面の枠状金属層に電子部品を覆うようにして鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等から成る金属製の蓋体をロウ材等を介して接合し電子部品を封止することによって電子装置となる。
【0003】
かかる電子装置は、絶縁基体下面の外周部に形成した接続パッドを外部電気回路基板の配線導体に錫−鉛半田等の半田を介して接続することによって外部電気回路基板に実装され、同時に電子部品の各電極は配線層と凹部内壁面の導体(キャスタレーション導体)と接続パッドとを介して外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
【0004】
なお、前記凹部内壁面の導体(キャスタレーション導体)のうち、少なくとも電子部品の接地用の電極が接続されるもの(通常、全接続パッド中約20〜50%)は、一部が絶縁基体上面に形成されている枠状の金属層まで導出されており、枠状金属層を接地できるようになっている。
【0005】
また、前記導体が被着される溝状の凹部は、絶縁基体の側面に、通常は半円形の横断面で、ほぼ同一の内径で垂直方向に形成されており、枠状金属層と接続される導体が被着されるものは絶縁基体の側面で下面部から上面部にかけて形成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−50355号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近時、各種電子装置は環境、人体に対する悪影響を防止するため従来使用されている錫−鉛半田に代わり、錫−銀−ビスマス系、錫−銀−銅−ビスマス系等の鉛を含有しない、いわゆる鉛フリー半田を用いて外部電気回路基板に接続されるようになってきており、かかる鉛フリー半田は、従来の錫−鉛半田に比べて溶融時に流れやすいため電子装置を外部電気回路基板に実装するとき、半田が導体の被着された凹部内壁面を伝って絶縁基体上面の枠状金属層や枠状金属層に取着されている金属製蓋体にまで這い上がり、その結果、絶縁基体の接続パッドと、外部電気回路の配線導体との間に介在する半田の量が極めて少量となり、電子装置を外部回路基板に強固に実装することができないという欠点を有していた。
【0008】
また錫−銀−ビスマス系等の鉛フリー半田は、従来の錫−鉛半田に比べて、ビスマス等の成分の偏析により接続パッド等に対する接合強度が低くなりやすいこと、配線基板の小型化により接続パッドも小さくなり、半田接合の面積が小さくなってきていること等から、外部電気回路基板の配線導体に電子装置の接続パッドを錫−銀−ビスマス系等の鉛フリー半田を介して接続し外部電気回路基板に電子装置を実装させた後、電子装置と外部電気回路基板に熱が作用すると電子装置の絶縁基体と外部電気回路基板との間に両者の熱膨張係数の相違に起因する熱応力が発生するとともにこれが鉛フリー半田および鉛フリー半田と接続パッドとの接合界面に作用し、その結果、特に熱応力が集中する接続パッドの外周付近から、鉛フリー半田と接続パッドとの接合界面に亀裂等の機械的な破壊を招来させて電子装置の外部電気回路基板に対する接続信頼性を低いものにしてしまうという欠点も有していた。
【0009】
本発明は、上記欠点に鑑み案出されたものであり、その目的は、接続パッドを外部電気回路基板の配線導体に鉛フリー半田を介して強固に接合し、それにより外部電気回路基板に強固にかつ高信頼性で実装することが可能な配線基板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、上面に電子部品搭載部および該搭載部を取り囲む枠状の金属層を有し、下面の外周部に接続パッドを有する絶縁基体と、前記絶縁基体の側面に前記接続パッドと枠状の金属層とを接続するようにして形成され、内壁面に導体が被着された溝状の凹部とを具備する配線基板であって、前記溝状の凹部の一部に、内径が他の部分より小さい小径部が形成されており、かつ前記接続パッドは、外辺が波形をなすことを特徴とするものである。
【0011】
また本発明の配線基板は、前記小径部の内径が75μm以下であることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の配線基板によれば、絶縁基体の側面に形成され、枠状金属層と接続パッドとを電気的に接続する導体(キャスタレーション導体)が内壁面に被着された溝状の凹部の一部に小径部が形成されていることから、接続パッドと外部電気回路の配線導体とを鉛フリー半田を用いて接合し、鉛フリー半田が凹部内壁面を伝って這い上がろうとしたとしても、この鉛フリー半田は前記小径部で遮られ、枠状金属層や金属製蓋体にまで多量に這い上がることはなく、その結果、接続パッドと外部電気回路基板の配線導体との間に十分な量の半田を介在させることができ、配線基板(電子装置)を外部電気回路基板に極めて強固に接合することができる。
【0013】
また同時に、本発明の配線基板によれば、接続パッドを、外辺が波形をなすものとしたことから、絶縁基体と外部電気回路基板との間に両者の熱膨張係数の相違に起因する熱応力が発生するとともにこれが鉛フリー半田および鉛フリー半田と接続パッドとの界面付近、特に接合界面の外縁部に集中して作用したとしても、その熱応力は波形の接合界面外縁に沿って分散されて小さなものとなり、鉛フリー半田の接続パッドとの接合界面に亀裂等が発生することを効果的に防止することができ、配線基板(電子装置)を外部電気回路基板により一層強固に接合させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1(a)乃至(c)は、本発明の配線基板を半導体素子を収容する半導体素子収納用パッケージに適用した場合の一実施例を示し、1は絶縁基体、2は配線層、3は枠状金属層、4は接続パッド、5は絶縁基体1の側面に形成され、内壁面に導体6が形成された溝状の凹部である。この絶縁基体1、配線層2、枠状金属層3、接続パッド4、溝状の凹部5および導体6により半導体素子7を搭載するための配線基板8が形成される。
【0015】
前記絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、ガラスセラミック焼結体等の電気絶縁材料から成り、その上面に半導体素子7を搭載する搭載部を有し、該搭載部に半導体素子7がガラス、樹脂、ロウ材等の接着材を介して接着固定される。
【0016】
前記絶縁基体1は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体から成る場合には、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の原料粉末に適当な有機バインダー、溶剤を添加混合して泥漿状のセラミックスラリーとなし、次に前記セラミックスラリーを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のシート成形技術によりシート状となして所定形状のセラミックグリーンシート(セラミック生シート)を得る、最後に前記セラミックグリーンシートを複数枚積層するとともに還元雰囲気中、約1600℃の温度で焼成することによって製作される。
【0017】
また前記絶縁基体1はその上面の半導体素子7が搭載される搭載部周囲から絶縁基体1の内部を介し側面にかけて複数個の配線層2が形成されており、該配線層2は半導体素子7の信号用、接地用の各電極を接続パッド4に接続するための導電路として作用し、搭載部側の一端には半導体素子7の信号用、接地用等の電極がボンディングワイヤ9を介して電気的に接続される。
【0018】
前記配線層2はタングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、金、パラジウム等の金属粉末から成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダーや溶剤を添加混合して得た金属ペーストを絶縁基体1となるセラミックグリーンシートに予め従来周知のスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておくことによって絶縁基体1の上面から絶縁基体1の内部を介し側面にかけて被着形成される。
【0019】
また前記絶縁基体1はその上面で、半導体素子7が搭載される搭載部を取り囲むようにして枠状の金属層3が被着されており、該枠状の金属層3は後述する金属製蓋体10を絶縁基体1に取着させる際の下地金属層として作用し、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、金、パラジウム等の金属粉末により形成されている。
【0020】
前記枠状金属層3には金属製蓋体10がロウ材を介してロウ付け取着され、これによって絶縁基体1の半導体素子搭載部に搭載されている半導体素子7は大気から気密に封止されることとなる。
【0021】
なお、前記枠状金属層3は前述の配線層2と同様の方法によって絶縁基体1の上面で、半導体素子搭載部を取り囲むように形成される。
【0022】
更に前記絶縁基体1の下面外周部には複数個の接続パッド4が形成されており、該接続パッド4は外部電気回路基板の配線導体に鉛フリー半田を介して接続され、半導体素子7の信号用、接地用の各電極を外部電気回路に電気的に接続する作用をなす。
【0023】
前記接続パッド4は、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、金、パラジウム等の金属粉末より成り、前述の配線層2と同様の方法によって絶縁基体1の下面外周部に所定形状に形成される。
【0024】
また更に前記絶縁基体1はその側面に複数個の溝状の凹部5(通常は、断面半円状)が形成されているとともに、その内壁面に導体(キャスタレーション導体)6が被着されており、該凹部5内壁面の導体(キャスタレーション導体)6は配線層2と接続パッド4とを電気的に接続する作用をなす。
【0025】
前記凹部5内壁面の導体6はタングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、金、パラジウム等の金属粉末より成り、絶縁基体1となるセラミックグリーンシートの側面に打ち抜き加工法により半円形の凹部を形成するとともに該凹部内にタングステン等の金属粉末に適当な有機バインダーや溶剤を添加混合して得た金属ペーストを予め従来周知のスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておくことによって絶縁基体1の側面に所定形状に形成される。
【0026】
前記凹部5内壁面の導体(キャスタレーション導体)6はまた半導体素子7の接地用の電極と導通する配線層2に接続されるものについては一部が絶縁基体1上面の枠状金属層3にまで導出されており、枠状金属層3を接地するようになっており、また、このような、半導体素子7の接地用の電極と導通する配線層2に接続される導体6が被着される溝状の凹部5は絶縁基体1の下面から上面にかけて、接続パッド4と枠状の金属層3とを接続するようにして形成されている。
【0027】
なお、前記配線層2、枠状の金属層3、接続パッド4及び(キャスタレーション)導体6は、その露出する表面に、ニッケル、金等の耐蝕性やボンディングワイヤ9のボンディング性、半田の濡れ性等が良好な金属から成るめっき層を被着させておくと配線層2や枠状の金属層3等の酸化腐食を有効に防止することができるとともに枠状金属層3への金属製蓋体10の取着、接続パッド4の外部電気回路基板への接続が確実、強固となる。従って、前記配線層2、枠状金属層3、接続パッド4及び凹部5内壁面の導体(キャスタレーション導体)6は、その露出する表面に、ニッケル、金等の耐蝕性やボンディング性、半田の濡れ性等が良好な金属をめっき法により被着させておくことが好ましく、特に、例えば、厚さ1〜10μmのニッケルめっき層、0.05〜3μmの厚さの金めっき層を順次被着させておくことが好ましい。
【0028】
この場合、金めっき層の厚みは、被着する部位や金めっき層の結晶配向等に応じて異なる厚みとしてもよく、例えば、金めっき層のX線回折における結晶配向を極力(111)面に揃えるようにするとともに、ボンディングワイヤ9が接続される領域も含め、全域で約0.3〜1μmとするようにしてもよく、半田付け用の領域のみ約0.3μm以下の薄いものとし、錫−金の脆い金属間化合物の生成を抑えて半田付けの信頼性を高めるようにしてもよい。
【0029】
かくして本発明の配線基板8によれば、絶縁基体1上面の搭載部に半導体素子7を搭載するとともに半導体素子7の信号用、接地用の各電極を配線層2にボンディングワイヤ9を介して接続し、しかる後、絶縁基体1上面の枠状金属層3に鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等からなる金属製蓋体10をロウ材等を介して接合させ、金属製蓋体10で半導体素子7を気密に封止することによって製品としての電子装置(半導体装置)が完成する。
【0030】
なお、この半導体装置は絶縁基体1下面外周部の接続パッド4を外部電気回路基板の配線導体に鉛フリー半田を介して接合することによって外部電気回路基板上に実装され、同時に半導体素7の信号用、接地用の各電極が外部電気回路基板の配線導体に電気的に接続される。
【0031】
本発明の配線基板8においては、図2および図3に示すように、凹部5のうち枠状金属層3と接続パッド4とを接続している導体6が被着された凹部5aについて、内径が他の部分より小さい小径部5bを設けておくことが重要である。
【0032】
前記枠状金属層3と接続パッド4とを接続している導体6が内壁面に被着された凹部5aについて、他の部分よりも内径の小さい小径部5bを設けておくと、接続パッド4と外部電気回路の配線導体とを鉛フリー半田を用いて接合し、鉛フリー半田が凹部5aの内壁面を伝って這い上がろうとしたとしても、この鉛フリー半田は前記小径部5bで遮られて、枠状金属層3や金属製蓋体10にまで多量に這い上がることはなく、その結果、接続パッド4と外部電気回路基板の配線導体との間に十分な量の半田を介在させることができ、配線基板(電子装置)を外部電気回路基板に極めて強固に接合することができる。
【0033】
この場合、前記小径部5bは、その内径が75μmを超えると鉛フリー半田の這い上がりを遮ることが難しくなり、接続パッド4と外部電気回路基板の配線導体との間に十分な量の半田を介在させることが困難となる。従って、溝状の凹部5aの小径部5bは、深さおよび幅を75μm以下としておくことが好ましく、生産性を考慮すれば、25μm〜75μmの範囲とすることがより一層好ましい。
【0034】
また前記小径部5bは、溝状の凹部5aの中央部よりも上側に設けた場合、鉛フリー半田の凹部5a内への這い上がり量が多くなり、接続パッド4と外部電気回路基板の配線導体との間に介在する半田量が少なくなり、配線基板の接合強度が低下する傾向がある。従って、前記小径部5bは、凹部5aの中央部乃至下部に設けることが好ましい。
【0035】
また前記小径部5bは、その幅を絶縁基体1の厚みに対し10〜20%の範囲としておくと鉛フリー半田の這い上がりを効果的に遮断して、かつ接続パッド4と外部電気回路基板の配線導体との間に介在する半田量が適量となって外部電気回路基板の配線導体に対する配線基板の接合強度を強くすることができる。従って、前記小径部5bは、その幅を絶縁基体1の厚みに対し10〜20%の範囲としておくことが好ましい。
【0036】
また本発明の配線基板8においては、図3に示すように、前記接続パッド4の外辺を波形としておくことが重要である。
【0037】
前記接続パッド4の外辺を波形としておくと、配線基板8と外部電気回路基板に熱が作用し、両者間に両者の熱膨張係数の相違に起因する熱応力が発生するとともにこれが両者を接合している鉛フリー半田、特に接続パッド4との接合界面の外縁部に集中して作用したとしても、この熱応力は波形の接合界面外縁に沿って分散されて小さなものとなり、その結果、鉛フリー半田と接続パッド4との接合界面に亀裂等の機械的な破壊が発生することはほとんどなく、接続パッド4を外部電気回路基板の配線導体により一層強固に、かつ高信頼性で接続することができる。
【0038】
なお、前記接続パッド4は、隣接する接続パッド4の外辺間の距離が50μm未満になると、隣接する接続パッド4間の電気絶縁性が低下し、絶縁不良や電気的短絡等の不具合を発生させるおそれがある。したがって、前記接続パッド4は、隣接する接続パッド4の外辺間の距離が50μm以上となるようにしておくことが好ましい。
【0039】
また前記接続パッド4は、接続パッド4と鉛フリー半田との接合強度を確保するため、外辺の波底部の位置を接続パッド4の幅の1/3以下の位置としておくことが好ましい。
【0040】
更に、前記接続パッド4はその外辺の波形の部分が図3に示すような円弧状に限らず、楕円円弧状としてもよい。
【0041】
また更に、前記凹部5、5aは、図4に示すように、その内側に突出する突出部11を形成しておくとともに、突出部11の表面にも導体6を延在させるようにしておけば接続パッド4を外部電気回路基板の配線導体に半田を介して接合するとき、前記突出部11が半田の中に食い込むようにして接合されて接合強度がより一層強固となる。従って、前記凹部5、5aは、図4に示すように、その内側に突出する突出部11を形成しておくことが好ましい。
【0042】
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能であり、例えば、上述の実施例では本発明の配線基板を半導体素子を収容する半導体素子収納用パッケージに適用したが、混成集積回路基板等の他の用途に適用してもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、絶縁基体の側面に形成され、枠状金属層と接続パッドとを電気的に接続する導体(キャスタレーション導体)が内壁面に被着された溝状の凹部の一部に小径部が形成されていることから、接続パッドと外部電気回路の配線導体とを鉛フリー半田を用いて接合し、鉛フリー半田が凹部内壁面を伝って這い上がろうとしたとしても、この鉛フリー半田は前記小径部で遮られ、枠状金属層や金属製蓋体にまで多量に這い上がることはなく、その結果、接続パッドと外部電気回路基板の配線導体との間に十分な量の半田を介在させることができ、配線基板(電子装置)を外部電気回路基板に極めて強固に接合することができる。
【0044】
また同時に、本発明の配線基板によれば、接続パッドを、外辺が波形をなすものとしたことから、絶縁基体と外部電気回路基板との間に両者の熱膨張係数の相違に起因する熱応力が発生するとともにこれが鉛フリー半田および鉛フリー半田と接続パッドとの接合界面付近、特に接合界面の外縁部に集中して作用したとしても、その熱応力は波形の接合界面外縁に沿って分散されて小さなものとなり、鉛フリー半田の接続パッドとの接合界面に亀裂等が発生することを効果的に防止することができ、配線基板(電子装置)を外部電気回路基板により一層強固に接合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)(c)は本発明の配線基板の一実施例を示す側面図、平面図、底面図である。
【図2】本発明の配線基板の要部拡大側面図である。
【図3】本発明の配線基板の要部拡大底面図である。
【図4】本発明の配線基板の他の実施例の要部拡大図である。
【符号の説明】
1・・・・・絶縁基体
2・・・・・配線層
3・・・・・枠状の金属層
4・・・・・接続パッド
5・・・・・凹部
5a・・・・接続パッドと枠状金属層とを接続している導体が被着された凹部
5b・・・・小径部
6・・・・・導体
7・・・・・半導体素子
8・・・・・配線基板
9・・・・・ボンディングワイヤ
10・・・・蓋体
11・・・・突出部
Claims (2)
- 上面に電子部品搭載部および該搭載部を取り囲む枠状の金属層を有し、下面の外周部に接続パッドを有する絶縁基体と、前記絶縁基体の側面に前記接続パッドと枠状の金属層とを接続するようにして形成され、内壁面に導体が被着された溝状の凹部とを具備する配線基板であって、前記溝状の凹部の一部に、内径が他の部分より小さい小径部が形成されており、かつ前記接続パッドは、外辺が波形をなすことを特徴とする配線基板。
- 前記小径部の内径が75μm以下であることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002339916A JP2004179175A (ja) | 2002-11-22 | 2002-11-22 | 配線基板 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8270077B2 (en) | 2004-01-16 | 2012-09-18 | Carl Zeiss Smt Gmbh | Polarization-modulating optical element |
-
2002
- 2002-11-22 JP JP2002339916A patent/JP2004179175A/ja active Pending
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US8270077B2 (en) | 2004-01-16 | 2012-09-18 | Carl Zeiss Smt Gmbh | Polarization-modulating optical element |
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