JP2006126563A - 光部品並びにその調芯方法及び製造方法 - Google Patents

光部品並びにその調芯方法及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、光部品並びにその調芯方法及び製造方法に関し、良好な光学特性を安定して得られ、安価かつ小型の光部品並びにその調芯方法及び製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】レンズ付き光ファイバ31を保持する保持部材22をベース部材21の表面部21aに対して摺動させて移動及び回転させ、レンズ付き光ファイバ32を保持する保持部材23をベース部材21の表面部21bに対して摺動させて移動及び回転させ、レンズ付き光ファイバ31、32を調芯する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光通信システムに用いられる光部品並びにその調芯方法及び製造方法に関する。
光通信システムには、光アイソレータや可変光アッテネータ等の光部品が用いられる。これらの光部品には、例えば入射側及び出射側の2本の光ファイバが調芯接続される。光ファイバとしては、シングルモード光ファイバの先端部にグレーデッドインデックス(GI)ファイバが接続されたレンズ付き光ファイバ(例えば、特許文献1参照)等が用いられる。
特許文献2には、光ファイバの先端部に球レンズが接続されたレンズ付き光ファイバを用いた光部品の構成が開示されている。この光部品は、2本のレンズ付き光ファイバの間のX、Y軸調整が可能であることに加え、Z軸方向の長さ可変機能を有する金属部材本体を備えている。これにより、光ファイバ間の結合損失が低減され、良好な光学特性が得られるようになっている。しかしながらこの光部品は、多数の金属部材が用いられているため、高価でかつ小型化が困難という問題を有している。
また、特許文献3には、レンズ付き光ファイバを用いた光アイソレータの構成が開示されている。この光アイソレータは、アイソレータブロックが配設される凹部と、凹部を挟んで入射側及び出射側のレンズ付き光ファイバ(ファイバコリメータ)がそれぞれ挿入されるV溝とを備えた基板を有している。入射側及び出射側のレンズ付き光ファイバをV溝に無調芯で配置することにより、互いの光軸がほぼ一直線上に配置されるようになっている。この光アイソレータは、部材点数が少ないため、安価でかつ小型化が可能になっている。しかしながら、この光アイソレータで入射側及び出射側のレンズ付き光ファイバの光軸を精度良く一致させるためには、基板のV溝や凹部、光学素子、レンズ付き光ファイバなどを極めて高精度に作製する必要がある。これらの作製精度が低いと入射側及び出射側のレンズ付き光ファイバの光軸が一致しないため、この光アイソレータは、良好な光学特性を安定して得ることができないという問題を有している。
米国特許第4701011号明細書 特開平5−273439号公報 特開2004−157318号公報
本発明の目的は、良好な光学特性を安定して得られ、安価かつ小型の光部品並びにその調芯方法及び製造方法を提供することにある。
上記目的は、互いに平行でない第1及び第2の表面部を有するベース部材と、第1の光導波部を保持し、前記第1の表面部に対し摺動可能な第1の保持部材と、第2の光導波部を保持し、前記第2の表面部に対し摺動可能な第2の保持部材とを用い、前記第1の保持部材を前記第1の表面部に対して摺動させて移動又は回転させ、前記第2の保持部材を前記第2の表面部に対して摺動させて移動又は回転させ、前記第1の光導波部と前記第2の光導波部とを調芯することを特徴とする光部品の調芯方法によって達成される。
また上記目的は、第1の光導波部と第2の光導波部とを調芯し、調芯した前記第1及び第2の光導波部を固定する光部品の製造方法であって、前記第1の光導波部と前記第2の光導波部とを調芯する工程に、請求項1記載の光部品の調芯方法を用いることを特徴とする光部品の製造方法によって達成される。
上記本発明の光部品の製造方法であって、前記第1の表面部と前記第1の保持部材との間、及び前記第2の表面部と前記第2の保持部材との間に光硬化性材料層をそれぞれ形成する工程をさらに有し、前記第1及び第2の光導波部を固定する工程は、前記光硬化性材料層に光を照射して硬化させ、前記第1及び第2の保持部材と前記ベース部材とをそれぞれ固定する工程を含み、前記第1及び第2の保持部材と前記ベース部材とのうち少なくとも一方は、前記光に対して透明であることを特徴とする。
上記本発明の光部品の製造方法であって、前記第1及び第2の保持部材と前記ベース部材とのうち少なくとも一方は、ガラスを用いて作製されていることを特徴とする。
さらに上記目的は、互いに平行でない第1及び第2の表面部を有するベース部材と、第1の光導波部を保持し、前記第1の表面部にほぼ接して固定された第1の保持部材と、前記第1の光導波部に対して調芯された第2の光導波部を保持し、前記第2の表面部にほぼ接して固定された第2の保持部材とを有することを特徴とする光部品によって達成される。
上記本発明の光部品であって、前記第1及び第2の保持部材は、光により硬化する光硬化性材料を用いて前記第1及び第2の表面部にそれぞれ固定され、前記第1及び第2の保持部材と前記ベース部材とのうち少なくとも一方は、前記光に対して透明であることを特徴とする。
上記本発明の光部品であって、前記第1及び第2の保持部材と前記ベース部材とのうち少なくとも一方は、ガラスを用いて作製されていることを特徴とする。
上記本発明の光部品であって、前記第1及び第2の表面部は互いにほぼ垂直であることを特徴とする。
上記本発明の光部品であって、前記第1及び第2の光導波部は、光ファイバと前記光ファイバの先端部に直接固定されたレンズとを有することを特徴とする。
本発明によれば、良好な光学特性を安定して得られ、安価かつ小型の光部品を実現できる。
本発明の一実施の形態による光部品並びにその調芯方法及び製造方法について図1乃至図6を用いて説明する。図1は、本実施の形態による透過型の光部品1の構成を模式的に示している。図1では、光の進む方向にZ軸をとり、Z軸に直交して互いに直交する方向にX軸及びY軸をとっている。図1に示すように、光部品1は、ベース部材21と2つの保持部材22、23とを有している。ベース部材21と保持部材22との間、及びベース部材21と保持部材23との間は、所定の波長範囲の光(紫外光又は可視光)により硬化する光硬化性樹脂等によってそれぞれ固定されている。ベース部材21及び/又は保持部材22、23は、光硬化性樹脂を硬化させる波長の光に対して透明であり、例えばガラスを用いて作製されている。
ベース部材21は、表面部21aと、表面部21aに平行でない表面部21bとを有している。表面部21a、21bは例えば共に平坦になっている。例えば、表面部21aはYZ面にほぼ平行であり、表面部21bはXZ面にほぼ平行であり、表面部21a及び表面部21bは互いにほぼ垂直である。ここで、表面部21a、21bには突起や穴部、溝部等が形成されていてもよい。なお本願明細書中では、表面部21a、21bが互いに平行でないという表現は、表面部21a、21bが平坦でない場合に、表面部21aが一直線上にない少なくとも3点で支持する仮想平面と、表面部21bが一直線上にない少なくとも3点で支持する仮想平面とが互いに平行でないことも含む。ベース部材21には、例えば偏光板や複屈折板等の偏光子41、ファラデー回転子42及び偏光子43がこの順に配置された光学素子が固定されている。
保持部材22は、例えばほぼ平坦でYZ面にほぼ平行な表面部22aを有している。保持部材22は光硬化性樹脂等を用いてベース部材21に固定され、表面部22aはベース部材21の表面部21aに直接又は光硬化性樹脂層を介してほぼ接している。表面部22aは、光硬化性樹脂により固定される前の保持部材22が表面部21aの支持する仮想平面内で表面部21aに対して摺動可能であれば、平坦でなく突起や穴部、溝部等が形成された凹凸状であってもよい。また保持部材22は、光部品1に対して外部からの光が入射する入射側のレンズ付き光ファイバ(光導波部)31を保持している。レンズ付き光ファイバ31は、例えばシングルモード光ファイバ35の先端部に、シングルモード光ファイバ35と同軸のGIファイバ36が直接融着固定された構成を有している。
保持部材23は、例えばほぼ平坦でXZ面にほぼ平行な表面部23aを有している。保持部材23は光硬化性樹脂等を用いてベース部材21に固定され、表面部23aはベース部材21の表面部21bに直接又は光硬化性樹脂層を介してほぼ接している。保持部材22の表面部22aと同様に表面部23aは、光硬化性樹脂により固定される前の保持部材23が表面部21bに対して表面部21bの支持する仮想平面内で摺動可能であれば、平坦でなく凹凸状であってもよい。また保持部材23は、外部に光が出射する出射側のレンズ付き光ファイバ32を保持している。レンズ付き光ファイバ32はレンズ付き光ファイバ31と同様の構成を有し、偏光子41、ファラデー回転子42及び偏光子43を挟んでレンズ付き光ファイバ31に対向して配置され、レンズ付き光ファイバ31に対して調芯されている。
ここで、図1ではベース部材21及び保持部材22、23を単純な直方体で示しているが、ベース部材21が表面部21a、21bを有し、保持部材22、23が表面部22a、23aをそれぞれ有していれば、ベース部材21及び保持部材22、23は種々の形状を有していてもよい。例えば、保持部材22、23には光ファイバを位置決めする断面V字状のV溝部を形成し、レンズ付き光ファイバ31、32をV溝部内にそれぞれ保持させるのが好ましい。また、ベース部材21には偏光子41、ファラデー回転子42及び偏光子43等を位置決めするための溝加工を施してもよい。さらに、偏光子41、ファラデー回転子42及び偏光子43等を相対的に位置合わせするために、スペーサ用のガラス部材を用いて互いに接着固定してもよい。また、本実施の形態では偏光子41、ファラデー回転子42及び偏光子43をベース部材21に固定しているが、保持部材22、23のいずれかに固定するようにしてもよい。
本実施の形態によれば、部材点数を削減できるとともに、安価なガラス製の部材を用いているため、安価で小型の光部品を実現できる。また、表面部21a、21b、22a、23aをほぼ平坦にできるため、ベース部材21及び保持部材22、23の加工も容易である。また本実施の形態によれば、ベース部材21及び(又は)保持部材22、23がガラス製であるため、材質を適切に選択することにより、同様にガラス製であるレンズ付き光ファイバ31、32との間の線膨張係数の差を小さくできる。したがって、熱衝撃に対して特性の変化が生じず、良好な光学特性を安定して得られる信頼性の高い光部品を実現できる。
次に、本実施の形態による光部品の調芯装置について説明する。図2は、本実施の形態による光部品の調芯装置を模式的に示している。図2に示すように、調芯装置3は、定盤51と、定盤51に固定され、ベース部材21が載置される載置台52とを有している。また調芯装置3は、保持部材22を保持可能な治具53と、治具53をYZ面に平行な面内で移動及び/又は回転させる移動機構61と、保持部材23を保持可能な治具54と、治具54をXZ面に平行な面内で移動及び/又は回転させる移動機構62とを有している。移動機構61は、Y軸方向に移動可能なYステージ55とZ軸方向に移動可能なZステージ56と、YZ面内でX軸回りに回転可能なθyz回転ステージ57とを有している。移動機構62は、X軸方向に移動可能なXステージ58と、Z軸方向に移動可能なZステージ59と、XZ面内でY軸回りに回転可能なθxz回転ステージ60とを有している。これにより、治具53に保持される保持部材22の備えるレンズ付き光ファイバ31は、YZ面に平行な面内での移動及び/又は回転によってY、Z、θyzの3自由度での調整が可能になり、治具54に保持される保持部材23の備えるレンズ付き光ファイバ32は、XZ面に平行な面内での移動及び/又は回転によってX、Z、θxzの3自由度での調整が可能になる。すなわち、レンズ付き光ファイバ31とレンズ付き光ファイバ32とは、相対的にX、Y、Z、θxz、θyzの5自由度での調整が可能になる。
次に、本実施の形態による光部品の調芯方法及び製造方法について図1及び図2を参照しつつ説明する。まず、偏光子41、ファラデー回転子42及び偏光子43等の光学素子をベース部材21の一表面(例えば表面部21a)上に固定する。偏光子41、43の偏光軸の相対角度は0°又は90°等の所定角度に調整される必要がある。本実施の形態ではベース部材21の一表面を基準面として用いることにより、偏光子41、43の偏光軸を当該表面に対してそれぞれ垂直又は平行に配置するのが容易であるため、偏光子41、43の偏光軸の相対角度調整が容易になっている。次に、偏光子41、ファラデー回転子42及び偏光子43を固定したベース部材21を載置台52上に載置する。また、レンズ付き光ファイバ31を固定した保持部材22を治具53に保持させ、レンズ付き光ファイバ32を固定した保持部材23を治具54に保持させる。次に、ベース部材21の表面部21a、21b、又は保持部材22、23の各表面部22a、23aに光硬化性樹脂を塗布する。続いて、保持部材22の表面部22aをベース部材21の表面部21aにほぼ接触させ、保持部材23の表面部23aをベース部材21の表面部21bにほぼ接触させる。これにより、表面部21aと表面部22aとの間、及び表面部21bと表面部23aとの間には未硬化の光硬化性樹脂層が形成され、表面部21aと表面部22a、及び表面部21bと表面部23aは光硬化性樹脂層を介してそれぞれ接触する。このとき、保持部材22は表面部21aに対してYZ面に平行な面内で摺動可能になっており、保持部材23は表面部21bに対してXZ面に平行な面内で摺動可能になっている。次に、レンズ付き光ファイバ31、32が大まかに位置合わせされるように、保持部材22、23を表面部21a、21bに対して摺動させ、ベース部材21に対してそれぞれ位置決めする。
次に、レンズ付き光ファイバ31の光入射端に光源63からの光を入射させ、レンズ付き光ファイバ32の光射出端に接続された光パワーメータ64により透過光の強度を測定する。続いて、光パワーメータ64により測定される透過光の強度が最大となるように、レンズ付き光ファイバ31、32の調芯を行う。レンズ付き光ファイバ31の位置調整は、表面部21a、22aが互いにほぼ接した状態を維持しながら、移動機構61によって保持部材22をYZ面内で移動及び/又は回転させることにより行われる。これによりレンズ付き光ファイバ31は、YZ面に平行な面内での移動及び/又は回転によって、ベース部材21に対してY、Z、θyzの3自由度で位置調整される。レンズ付き光ファイバ32の位置調整は、表面部21b、23aが互いにほぼ接した状態を維持しながら、移動機構62によって保持部材23をXZ面内で移動及び/又は回転させることにより行われる。これによりレンズ付き光ファイバ32は、XZ面に平行な面内での移動及び/又は回転によって、ベース部材21に対してX、Z、θxzの3自由度で位置調整される。ここで、レンズ付き光ファイバ31、32の一方については、Z軸に対する調整を省略することもできる。レンズ付き光ファイバ31、32は、相対的にX、Y、Z、θxz、θyzの5軸に対して調芯されることになる。本実施の形態では、XY面内の回転軸であるθxy軸に対する調芯が困難であるが、入射側及び出射側のレンズ付き光ファイバ31、32がそれぞれ1本ずつである1対1の調芯ではθxy軸に対する調芯が不要であるため問題は生じない。
次に、光硬化性樹脂層に光(紫外光又は可視光)を照射して硬化させ、保持部材22、23をベース部材21に対してそれぞれ固定する。ベース部材21及び/又は保持部材22、23は、照射される光に対して透明なガラスを用いて作製されているため、表面部21a、22a間、及び表面部21b、23a間の光硬化性樹脂層を確実に硬化させることができる。例えばベース部材21のみが透明で保持部材22、23が透明でない場合には、光硬化性樹脂層に対してベース部材21側から光を照射するのが望ましい。以上の工程を経て、本実施の形態による光部品1が完成する。
図3(a)〜(c)は、角度ずれ又は軸ずれに対する波長1.55μmの光の結合損失の変化を示すグラフである。図3(a)の横軸はθxz軸(又はθyz軸)の角度ずれΔθxz(deg)を表し、図3(b)の横軸はX軸(又はY軸)方向の軸ずれΔX(μm)を表し、図3(c)の横軸はZ軸方向の軸ずれΔZ(μm)を表している。図3(a)〜(c)の縦軸は、それぞれ結合損失(dB)を表している。また、図3(a)〜(c)の線Aはシングルモード光ファイバ同士を調芯する場合(ビーム径2w=10μm)の結合損失を示し、線Bはレンズ付き光ファイバ同士を調芯する場合(ビーム径2w=60μm)の結合損失を示し、線Cは一般的なコリメータ同士を調芯する場合(ビーム径2w=300μm)の結合損失を示している。なお、ここで、ビーム径は、ビームウエストにおいて光強度が1/eとなる直径として定義されている。また、図3は、ガウシアンビームを仮定したときの計算結果である。
図3(a)〜(c)に示すように、シングルモード光ファイバ同士を調芯する場合(線A)には、θxz軸の許容誤差(トレランス)は比較的大きく、X軸及びZ軸の許容誤差は比較的小さい。したがってこの場合、X、Y、Zの各軸に対して精密な調芯が必要であるが、θxz、θyzの各軸に対する調芯は必ずしも必要ではない。一方、コリメータ同士を調芯する場合(線C)には、θxz軸の許容誤差は比較的小さく、X軸及びZ軸の許容誤差は比較的大きい。したがってこの場合、θxz、θyzの各軸に対して精密な調芯が必要であるが、X、Y、Zの各軸に対する調芯は必ずしも必要ではない。
これらに対し、レンズ付き光ファイバ同士を調芯する場合(線B)には、θxz軸の許容誤差はシングルモード光ファイバ同士を調芯する場合よりも大きく、コリメータ同士を調芯する場合よりも小さい。またX軸及びZ軸の許容誤差は、コリメータ同士を調芯する場合よりも大きく、シングルモード光ファイバ同士を調芯する場合よりも小さい。すなわち、レンズ付き光ファイバ同士を調芯する場合には、一般にX、Y、Z、θxz、θyzの5軸に対する調芯が必要になるが、各軸の調芯は高精度でなくてもよい。結合損失を0.1dB以下にするためには、θxz軸(又はθyz軸)の角度ずれΔθxzの大きさを0.14deg以下とし、X軸(又はY軸)方向の軸ずれΔXの大きさを4.6μm以下とし、Z軸方向の軸ずれΔZの大きさを560μm以下とすればよい。本実施の形態による光部品の調芯方法では精密な調芯は比較的困難であるが、X、Y、Z、θxz、θyzの5軸に対する調芯が可能であるため、特にレンズ付き光ファイバ同士の調芯に本実施の形態を適用することによって良好な光学特性を安定して得ることができる。
軸ずれΔXに対する結合損失は、結合損失(dB)=4.34(ΔX/w)で算出でき、角度ずれΔθxzに対する結合損失は、結合損失(dB)=0.013(wΔθxz/λ)で算出できる(ここでΔθxzの単位はdeg、ΔX,wおよび波長λの単位はμm)。本発明の方法を適用するには、それぞれのトレランスが厳しくないことが望ましい。0.1dBの結合損失のトレランスを、軸ずれΔXに対しては1μm以上、角度ずれΔθxzに対しては0.05deg以上確保するためには、ビーム径2wが、14μm以上で、110λ以下であればよい。例えば、波長λ=1.55μmの場合であれば、ビーム径2wが、14μm以上で、170μm以下であるレンズ付き光ファイバを用いるのが好ましい。
さらに望ましい場合として、0.1dBの結合損失のトレランスを、軸ずれΔXに対しては2μm以上、角度ずれΔθxzに対しては0.1deg以上確保するためには、ビーム径2wが、28μm以上で、55λ以下であればよい。例えば、波長λ=1.55μmの場合であれば、ビーム径2wが、28μm以上で、85μm以下であるレンズ付き光ファイバを用いるのが好ましい。
本実施の形態によれば、ベース部材21及び/又は保持部材22、23が透明であるため、表面部21aと表面部22aとの間、及び表面部21bと表面部23aとの間に形成された光硬化性樹脂層に光を照射して硬化させるのが容易であり、ベース部材21と保持部材22、23との間を確実に固定できる。
次に、本実施の形態による光部品の構成の変形例について図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態による光部品の変形例として反射型の光部品2の構成を模式的に示している。図4に示すように、光部品2は、ベース部材21と2つの保持部材22、23とを有している。保持部材22に保持されたレンズ付き光ファイバ31と、保持部材23に保持されたレンズ付き光ファイバ32とは、互いにほぼ並列して配置されている。ベース部材21には、偏光子44及びファラデー回転子45や、レンズ付き光ファイバ31、32の一方側からの光を他方側に反射する反射ミラー46等の光学素子が配置されている。例えばレンズ付き光ファイバ31の光射出端から射出した光は、偏光子44及びファラデー回転子45をこの順に透過し、反射ミラー46で反射した後に再度ファラデー回転子45及び偏光子44をこの順に透過してレンズ付き光ファイバ32の光入射端に入射できるようになっている。
ベース部材21と保持部材22との間、及びベース部材21と保持部材23との間は、光硬化性樹脂等によってそれぞれ固定されている。ベース部材21及び/又は保持部材22、23は、光硬化性樹脂を硬化させる波長の光に対して透明であり、例えばガラスを用いて作製されている。
ベース部材21は、表面部21aと、表面部21aに平行でない表面部21bとを有している。表面部21a、21bは例えば共に平坦になっている。例えば、表面部21aはYZ面にほぼ平行であり、表面部21bはXZ面にほぼ平行であり、表面部21a及び表面部21bは互いにほぼ垂直である。表面部21a、21bには突起や穴部、溝部等が形成されていてもよい。
保持部材22は、例えばほぼ平坦でYZ面にほぼ平行な表面部22aを有している。保持部材22は光硬化性樹脂等を用いてベース部材21に固定され、保持部材22の表面部22aはベース部材21の表面部21aに直接又は光硬化性樹脂層を介してほぼ接している。表面部22aは、光硬化性樹脂により固定される前の保持部材22が表面部21aに対して摺動可能であれば、平坦でなく凹凸状であってもよい。
保持部材23は、例えばほぼ平坦でXZ面にほぼ平行な表面部23aを有している。保持部材23は光硬化性樹脂等を用いてベース部材21に固定され、保持部材23の表面部23aはベース部材21の表面部21bに直接又は光硬化性樹脂層を介してほぼ接している。表面部23aは、光硬化性樹脂により固定される前の保持部材23が表面部21bに対して摺動可能であれば、平坦でなく凹凸状であってもよい。なお、本変形例による光部品2の調芯方法及び製造方法については、既に説明した光部品1の調芯方法及び製造方法と同様であるのでその説明を省略する。本変形例によれば、図1に示した光部品1と同様の効果が得られるとともに、レンズ付き光ファイバ31、32を互いにほぼ並列して配置できるため、より小型化が可能である。
次に、本実施の形態による光部品の他の変形例について図5及び図6を用いて説明する。図5は、本実施の形態による光部品の他の変形例として透過型の光部品4の構成を模式的に示している。図5に示すように、光部品4は、2つの部材211、212を備えたベース部材21を有している。部材211はガラス等を用いて作製され、例えばほぼ平坦でYZ面に平行な表面部211aを有している。部材212はガラス等を用いて作製され、例えばほぼ平坦でXZ面に平行な表面部212bを有している。表面部211a、212bは、共に光路側に向いて配置されている。部材211、212は、互いに接着固定されている。例えば、部材211を部材212の表面部212bに接着固定してもよいし、部材212を部材211の表面部211aに接着固定していてもよい。部材211、212の接着固定は、レンズ付き光ファイバ31、32を調芯する工程より前に行われる。
保持部材22は光硬化性樹脂等を用いて部材211に固定され、保持部材22の表面部22aは表面部211aに直接又は光硬化性樹脂層を介してほぼ接している。また、保持部材23は光硬化性樹脂等を用いて部材212に固定され、保持部材23の表面部23aは表面部212bに直接又は光硬化性樹脂層を介してほぼ接している。偏光子41、43及びファラデー回転子42等の光学素子は、例えば部材211に固定されている。
保持部材22、23は、レンズ付き光ファイバ31、32をそれぞれ保持するための穴部22c、23c又はV溝部等を有している。保持部材22、23の少なくとも一面(表面部22a、23a)は、光硬化性樹脂により部材211、212に固定される前の保持部材22、23が表面部211a、212bに対して摺動可能となる構成を有している。表面部211a、212b、22a、23aが平坦ではなく凹凸状でもよいことは、光部品1、2と同様である。
図1に示した光部品1では、ベース部材21のX軸方向の厚さが薄くなると、保持部材23との接触面積が減少して固定強度が低くなるおそれがあるため、ベース部材21の薄型化が困難であった。本変形例の光部品4では、保持部材22に接触する部材211と保持部材23に接触する部材212とを用いることにより、部材211のX軸方向の厚さ及び部材212のY軸方向の厚さの双方を薄くしても、保持部材22、23との接触面積を十分に確保することができる。したがって本変形例によれば、ベース部材21と保持部材22、23との間の固定強度を低下させることなく光部品4をさらに小型化することができる。また本変形例の光部品4では、図1に示した光部品1と異なり、表面部211a、212bは共に光路側に向いて配置されているため、保持部材22、23として同一部材を用いるのが容易である。
図6は、ベース部材の構成の変形例を示している。図5に示した構成では、部材211、212が互いに接着固定されて作製されたベース部材21が用いられているが、図6に示すように、光路側に向いて配置されYZ面に平行な表面部24aと、光路側に向いて配置されXZ面に平行な表面部24bとを有し、所定の加工により一体的に作製された例えば断面略L字状のベース部材24を用いてもよい。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、光導波部としてレンズ付き光ファイバ31、32を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、光ファイバとレンズとを別に設けてもよいし、光ファイバに代えて光導波路を用いることもできる。
また、上記実施の形態では、ベース部材21及び/又は保持部材22、23がガラスを用いて作製されている構成を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、光硬化性樹脂を硬化させる波長の光に対して透明であれば、ベース部材21及び/又は保持部材22、23を樹脂等の他の材料を用いて作製してもよい。
さらに、上記実施の形態では、ベース部材21と保持部材22、23との少なくとも一方が、光硬化性樹脂を硬化させる波長の光に対して透明である構成を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、ベース部材21と保持部材22、23との双方が光に対して透明でなくてもよい。この場合、ベース部材21の表面部21aと保持部材22の表面部22a、及びベース部材21の表面部21bと保持部材23の表面部23aとをそれぞれ直接接触させ、外部からの光の照射が可能な部分に光硬化性樹脂を塗布すればよい。
本発明の一実施の形態による光部品の構成を模式的に示す図である。 本発明の一実施の形態による光部品の調芯装置の構成を模式的に示す図である。 角度ずれ又は軸ずれに対する光の結合損失の変化を示すグラフである。 本発明の一実施の形態による光部品の構成の変形例を模式的に示す図である。 本発明の一実施の形態による光部品の構成の他の変形例を模式的に示す図である。 図5に示す光部品におけるベース部材の変形例を示す図である。
符号の説明
1、2、4 光部品
3 調芯装置
21、24 ベース部材
211、212 部材
21a、211a、21b、212b、22a、23a、24a、24b 表面部
22、23 保持部材
22c、23c 穴部
31、32 レンズ付き光ファイバ
35 シングルモード光ファイバ
36 GIファイバ
41、43、44 偏光子
42、45 ファラデー回転子
46 反射ミラー
51 定盤
52 載置台
53、54 治具
55 Yステージ
56、59 Zステージ
57 θyz回転ステージ
58 Xステージ
60 θxz回転ステージ
61、62 移動機構
63 光源
64 光パワーメータ

Claims (9)

  1. 互いに平行でない第1及び第2の表面部を有するベース部材と、第1の光導波部を保持し、前記第1の表面部に対し摺動可能な第1の保持部材と、第2の光導波部を保持し、前記第2の表面部に対し摺動可能な第2の保持部材とを用い、
    前記第1の保持部材を前記第1の表面部に対して摺動させて移動又は回転させ、
    前記第2の保持部材を前記第2の表面部に対して摺動させて移動又は回転させ、
    前記第1の光導波部と前記第2の光導波部とを調芯すること
    を特徴とする光部品の調芯方法。
  2. 第1の光導波部と第2の光導波部とを調芯し、
    調芯した前記第1及び第2の光導波部を固定する光部品の製造方法であって、
    前記第1の光導波部と前記第2の光導波部とを調芯する工程に、請求項1記載の光部品の調芯方法を用いること
    を特徴とする光部品の製造方法。
  3. 請求項2記載の光部品の製造方法であって、
    前記第1の表面部と前記第1の保持部材との間、及び前記第2の表面部と前記第2の保持部材との間に光硬化性材料層をそれぞれ形成する工程をさらに有し、
    前記第1及び第2の光導波部を固定する工程は、前記光硬化性材料層に光を照射して硬化させ、前記第1及び第2の保持部材と前記ベース部材とをそれぞれ固定する工程を含み、
    前記第1及び第2の保持部材と前記ベース部材とのうち少なくとも一方は、前記光に対して透明であること
    を特徴とする光部品の製造方法。
  4. 請求項3記載の光部品の製造方法であって、
    前記第1及び第2の保持部材と前記ベース部材とのうち少なくとも一方は、ガラスを用いて作製されていること
    を特徴とする光部品の製造方法。
  5. 互いに平行でない第1及び第2の表面部を有するベース部材と、
    第1の光導波部を保持し、前記第1の表面部にほぼ接して固定された第1の保持部材と、
    前記第1の光導波部に対して調芯された第2の光導波部を保持し、前記第2の表面部にほぼ接して固定された第2の保持部材と
    を有することを特徴とする光部品。
  6. 請求項5記載の光部品であって、
    前記第1及び第2の保持部材は、光により硬化する光硬化性材料を用いて前記第1及び第2の表面部にそれぞれ固定され、
    前記第1及び第2の保持部材と前記ベース部材とのうち少なくとも一方は、前記光に対して透明であること
    を特徴とする光部品。
  7. 請求項6記載の光部品であって、
    前記第1及び第2の保持部材と前記ベース部材とのうち少なくとも一方は、ガラスを用いて作製されていること
    を特徴とする光部品。
  8. 請求項5乃至7のいずれか1項に記載の光部品であって、
    前記第1及び第2の表面部は互いにほぼ垂直であること
    を特徴とする光部品。
  9. 請求項5乃至8のいずれか1項に記載の光部品であって、
    前記第1及び第2の光導波部は、光ファイバと前記光ファイバの先端部に直接固定されたレンズとを有すること
    を特徴とする光部品。
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