JP2004061772A - 光デバイスと光ファイバの結合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光導波路と光ファイバの光軸合わせを簡単に、迅速且つ高精度に行なうと共に結合を高い精度で容易にする。サブミクロンのアライメント精度を確保する。
【解決手段】光デバイスに形成される光導波路2と光ファイバ3とを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法である。光導波路2と光ファイバ3との間に中空導波路4を挿入し、中空導波路4を介して光導波路2と光ファイバ3の各々のコア2a,3aの端面の光軸合わせを行なう。
【選択図】 図12
【解決手段】光デバイスに形成される光導波路2と光ファイバ3とを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法である。光導波路2と光ファイバ3との間に中空導波路4を挿入し、中空導波路4を介して光導波路2と光ファイバ3の各々のコア2a,3aの端面の光軸合わせを行なう。
【選択図】 図12
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光デバイスと光ファイバの結合方法に関し、詳しくは光デバイスに形成される光導波路と光ファイバとを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバ同士を接続するに際しては、光ファイバのコアの中心を合わせる必要があった。その一例として特開平6−148537号公報には、図24に示す方法がある。この方法はLDを発光させながら、ステッピングモータの駆動によって光ファイバ3,3の光軸の調芯を行なうものである。
【0003】
一方、光デバイスに形成される光導波路と光ファイバとを結合する場合にあっては、光ファイバのコアの中心と光導波路のコアの中心を合わす必要がある。このとき、図25に示すように、光導波路基板1’に形成される光導波路2のコアの断面形状は長方形若しくは台形であり、光ファイバ3のコアの断面形状は円形である。そのため断面形状の異なることによる損失を防止するために、両者を1μm以下の精度で光軸合わせする必要がある。その一例として特開昭57−119314号公報には、図25に示すように、光導波路基板1’の光ファイバ3を結合する箇所にV溝30を形成し、光ファイバ3をV溝30内に配列することで、光導波路2のコアの端面と光ファイバ3のコアの端面とを突き合わせる方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが前者のようにLDを発光させながら、ステッピングモータの駆動によって光ファイバ3,3同士の光軸の調芯を行なう従来方法では、調芯に時間を要するという問題があった。
【0005】
また、後者のように、光導波路基板1’のV溝30内に光ファイバ3を配列する従来方法では、V溝30の精度は機械的な加工精度に依存するため、高精度の機械的加工が要求され、特にサブミクロンのアライメント精度を確保することは困難であるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、断面形状の異なる光導波路と光ファイバとの結合であっても光軸合わせを簡単に、迅速且つ高精度に行なえると共に、光導波路と光ファイバのコア同士の結合を高い精度で容易にでき、これにより従来のように時間を要さず、しかも高精度の機械的加工を行なうことなく、サブミクロンのアライメント精度を確保することができる光デバイスと光ファイバの結合方法を提供することにあり、さらに他の目的とするところは、接続損失を生じることがなく、しかもコア同士の高精度な光軸合わせが不要であり、さらに非接触で微小な変位を調芯可能とした光デバイスと光ファイバの結合方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、光デバイスに形成される光導波路2と光ファイバ3とを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法において、光導波路2と光ファイバ3との間に中空導波路4を挿入し、中空導波路4を介して光導波路2と光ファイバ3の各々のコア2a,3aの端面の光軸合わせを行なうことを特徴としており、このように構成することで、断面形状の異なる光導波路2と光ファイバ3との結合であっても、中空導波路4を利用して光軸合わせを簡単に、迅速且つ高精度に行なえると共に、光導波路2と光ファイバ3のコア2a,3a同士の結合を高い精度で容易にできる。また、中空導波路4を光ファイバ3を保持するキャピラリとして使用することが可能となる。
【0008】
また本発明は、光デバイスに形成される光導波路2と光ファイバ3とを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法において、光導波路2の光ファイバ3との結合部にエッチング若しくはリソグラフィーなどにより凹所5を形成すると共に、一端が光ファイバ3に接続される中空導波路4の他端を凹所5内に挿入することで光導波路2と光ファイバ3の各々のコア2a,3aの端面の光軸合わせを行なうことを特徴としており、このように構成することで、断面形状の異なる光導波路2と光ファイバ3との結合であっても、中空導波路4を利用して光軸合わせを簡単に、迅速且つ高精度に行なえると共に、光導波路2と光ファイバ3のコア2a,3a同士の結合を高い精度で容易にできる。しかも中空導波路4の他端を光導波路2の凹所5内に挿入するだけで、光導波路2と光ファイバ3との結合が容易にできるので、光導波路2と光ファイバ3とを高い精度で結合できるようになる。
【0009】
また本発明は、光デバイスに形成される光導波路2と光ファイバ3とを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法において、光導波路2の光ファイバ3との結合部に形成される凹所5の内面に反射膜6を施してなる中空導波凹所4Aと、光ファイバ3の先端の中空導波キャピラリ4Bとで中空導波路4が構成され、光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bを光導波路2の中空導波凹所4A内に挿入することで光導波路2と光ファイバ3の各々のコア2a,3aの端面の光軸合わせを行なうことを特徴としており、このように構成することで、中空導波凹所4Aの反射膜6によって光を光導波路2のコア2aに集光でき、接続損失を低減できると共に、光ファイバ3と光導波路2とを高い精度で容易に結合可能となる。また、断面形状の異なる光導波路2と光ファイバ3との結合であっても、光導波路2の中空導波凹所4Aと光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bとを利用して光軸合わせを簡単に、迅速且つ高精度に行なえると共に、光導波路2と光ファイバ3のコア2a,3a同士の結合を高い精度で容易にできる。
【0010】
また上記中空導波路4を円錐形に形成するのが好ましく、この場合、中空導波路4を光導波路2内に容易に挿入可能となり、しかも光を光導波路2のコア2aに集光でき、接続損失を生じることがなく、しかもコア2a,3a同士の高精度な光軸合わせも不要となる。
【0011】
また上記光導波路2の中空導波凹所4Aに、入口が広く奥が狭くなるようなテーパー角度θをつけるのが好ましく、この場合、光導波路2の中空導波凹所4A内への光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bの挿入と結合とがそれぞれ容易となり、しかも挿入の際に両者の中心軸が多少ずれていても、スムーズに光ファイバ3を中空導波凹所4A内に挿入することができる。そのうえテーパー角度θによって光を光導波路2のコア2aに集光できるので、接続損失を低減できると共に、コア2a,3a同士の高精度な光軸合わせが不要となる。
【0012】
また上記光導波路2の中空導波凹所4Aの断面形状を円形にするのが好ましく、この場合、異方性を考える必要がないので、中空導波凹所4Aへの光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bの挿入が一層容易となる。
【0013】
また上記光導波路2の光ファイバ3との結合部に円錐形の凹所5を設けると共に凹所5の内面に反射膜6を施して中空導波凹所4Aを形成し、この中空導波凹所4A内に光ファイバ3に保持された円錐形の中空導波キャピラリ4Bを挿入するのが好ましく、この場合、異方性を考える必要がないので、中空導波凹所4A内への光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bの挿入が一層容易となる。
【0014】
また上記中空導波路4が金属パイプからなるのが好ましく、この場合、結合の強度を増すことができると共に、レーザーフォーミングによる調芯加工時において、中空導波路4にレーザーを吸収させることができ、調芯が容易となる。
【0015】
また上記中空導波路を構成するパイプの表面にコーティング剤8を塗布するのが好ましく、この場合、レーザーフォーミングによる調芯加工時において、コーティング剤8によって中空導波キャピラリ4Bのレーザーの吸収効果が一層向上し、調芯が一層容易となる。
【0016】
また上記光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bにレーザーを照射して、温度勾配により発生する熱ひずみによって微小に変位を与えることで、光軸を調芯するのが好ましく、この場合、非接触で微小な変位を調芯できるものとなる。
【0017】
また光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bと光導波路2とを光学接着剤7によって接合した後に、レーザー照射による調芯を行なうのが好ましく、この場合、固定のときに発生した位置ずれを補正でき、結合精度を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0019】
本実施形態では、光デバイスAに形成される光導波路2と光ファイバ3とを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定するに際して、図1、図2に示すように、光導波路2と光ファイバ3との間に中空導波路4を介在する点に特徴を有しており、さらに、中空導波路4を光ファイバ3を保持するキャピラリとして使用する点に特徴を有している。
【0020】
ここで、光デバイスAとは、光スプリッター若しくは光スイッチをさす。図4(a)にその一例を示している。光スプリッターは、光導波路基板1に形成される光導波路2の入口2cから入射した光が分岐されて2つの出口2d,2eから出射される(逆の場合もある)。その光の波長は、1310nm若しくは1550nmである。一方、光スイッチは、スイッチOFF時は入口2cから入射した光が出口2dから出射されるが、スイッチON時は、入口2cから入射した光は出口2eから出射される。ここにおいて、光導波路基板1は図4(a)の下クラッド2b1と上クラッド2b2の間に光導波路2となるコア2aが形成されたものであり、光導波路2の光の出入口となる2c、2d,2eの各部分に光ファイバ3を接続する必要がある。
【0021】
このとき、図5に示すように、光導波路2のコア2aの断面は四角形状であり、一方、光ファイバ3のコア3aの断面は円形であるため、互いのコア2a,3aの端面同士を1μm以下の精度で光軸を合わせる必要がある。図6は、本発明の中空導波路4を使用しない場合における光導波路基板1と光ファイバ3との光軸合わせの参考例をそれぞれ示している。ポリマーで形成された光導波(以下、ポリマー光導波路2という。)と光ファイバ3との結合は、ポリマー光導波路2のコア2aの端面と光ファイバ3のコア3aの端面とがサブミクロン以下という高精度で完全に一致しなければならない。光軸の座標系はX、Y、Z、θX、θY、θZの6軸であるが、θZ方向の異方性がない場合は5軸となり、図6(a)のようなX、Y方向の位置ずれ(軸ずれ)、図6(b)のようなθX、θY方向の角度ずれ、図6(c)のようなZ方向の間隔ずれなどがある。このとき光ファイバ3の光軸を調整して結合する技術を調芯といい、本発明では以下で述べるように、中空導波路4を用いて調芯位置決めを行なうものである。なお以下の各実施形態ではポリマー光導波路2と光ファイバ3との結合を例示しているが、勿論これに限らず、光ファイバ3,3同士の結合にも本発明の中空導波路4を使用した結合方法を実施できるのは言うまでもない。
【0022】
図3(a)(b)は中空導波路4として使用される中空ファイバの一例を示している。一般の中空ファイバは、汎用の石英ファイバに比較して、伝送損失が大きいため、本例では、コア4a(空気層)に面したクラッド4cの内面にキャピラリの薄膜4bを形成しており、これにより赤外光から紫外光までの光を伝送することが可能となっている。すなわち、図3(a)に示す中空ファイバ(長さ1〜2m)を短くカットした中空導波路4を、図1に示すように、ポリマー光導波路2と光ファイバ3との間に挿入することにより、ポリマー光導波路2と光ファイバ3の間に中空導波路4が介在されて、両者2,3のそれぞれのコア2a,3aの端面の光軸合わせを行なえるようになっている。
【0023】
しかして、図1、図2に示すように、光デバイスAに形成されるポリマー光導波路2と光ファイバ3との結合に際して、ポリマー光導波路2と光ファイバ3との間に中空導波路4を挿入することによって、中空導波路4を用いて図5(b)に示す光ファイバ3のコア3aの中心とポリマー光導波路2のコア2aの中心とを合わすことができる。従って、断面形状の異なるもの同士の光軸合わせを、1μm以下の高精度で行なうことが可能となる。しかも、中空導波路4を用いてポリマー光導波路2のコア2aと光ファイバ3のコア3aとの結合を容易に、しかも高い精度で行なうことができる。この結果、従来よりも調芯を短時間で、しかも高精度の機械的加工を行なうことなく、サブミクロンのアライメント精度を確保することができる。また、中空導波路4を光ファイバ3を保持するキャピラリとして使用することができるので、光ファイバ3の接合状態をより安定化させることができ、結合精度を一層向上させることができるものである。
【0024】
図7は本発明の他の実施形態であり、ポリマー光導波路2の光ファイバ3との結合部にエッチング若しくはリソグラフィーなどにより凹所5を形成すると共に、光ファイバ3の先端に中空導波キャピラリ4Bを保持し、中空導波キャピラリ4Bを中空導波凹所4A内に挿入することでポリマー光導波路2と光ファイバ3の各々のコア2a,3aの端面の光軸合わせを行なうものである。他の構成は図1、図2の実施形態と同様である。本例では、ポリマー光導波路2の凹所5は断面コ字状に形成され、この凹所5内に中空導波キャピラリ4Bが挿入されることにより、ポリマー光導波路2と光ファイバ3との調芯及び結合が中空導波路4を介して容易に、高い精度で行なうことができる。さらに加えて図8に示すように、ポリマー光導波路2の凹所5の内面に金属薄膜(反射膜6)を形成するのが望ましい。この場合、凹所5の内面を反射膜6とすることで中空導波凹所4Aとなり、接続損失を低減できる構造となる。
【0025】
図9は、上記光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bを円錐形にした場合の例を示している。また本例では、円錐形の金属のキャピラリ4c内面に金属薄膜4bを形成して、中空導波キャピラリ4Bとしている。この中空導波キャピラリ4Bの材質はNiが望ましいがステンレスでも可能である。また金属薄膜4cはAlが望ましいがAgでも可能である。この円錐形の中空導波キャピラリ4Bを図10に示すように、光ファイバ3の先端に接続する。このとき、中空導波キャピラリ4Bの小径側端部を光ファイバ3のコア3aの形状と同一とする。また中空導波キャピラリ4Bをポリマー光導波路2の中空導波凹所4Aに挿入する場合にあっては、図11のように中空導波キャピラリ4Bの大径側端部をポリマー光導波路2の中空導波凹所4Aの径よりも小さくする。これにより挿入がしやすくなる。ここで、図9に示すように、ポリマー光導波路2の中空導波凹所4Aには、入口が広く奥が狭くなるようなテーパー角度θが設けられている。具体的には、ポリマー光導波路2の端部を円錐の中空状に除去して凹所5とし、この凹所5の内面に金属薄膜(反射膜6)を形成して中空導波凹所4Aとし、図12に示すように、中空導波凹所4A内に光ファイバ3の円錐形の中空導波キャピラリ4Bを挿入することによって、光ファイバ3とポリマー光導波路2との調芯位置決め及び結合が容易となる。またこのとき中空導波凹所4Aの内面がテーパ構造であるため、中空導波キャピラリ4Bを中空導波凹所4A内に挿入する際に、両者の中心軸が多少ずれていても、スムーズに光ファイバ3を中空導波凹所4A内に挿入することができる。しかも中空導波凹所4Aにテーパー角度θをつけることによって、光がポリマー光導波路2のコア2aに集光できるようになり、接続損失が低くなり、またコア2a,3a同士の高精度な光軸合わせも不要となる。つまり、光ファイバ3から入射した光は、円錐形の中空導波凹所4A内を伝搬して、ポリマー光導波路2に至る。本例では、通常1310nmと1550nmの波長の光が使用されるため、中空導波路4の内面にAl(或いはAg)をコートした反射膜6を形成する。反射膜6の厚みは、例えば320nm〜400nmとする。
【0026】
図13は、ポリマー光導波路2の中空導波凹所4Aを円錐形に形成した場合の一例を示している。ここでは、円錐の内面にAl(若しくはAg)の薄膜(反射膜6)を形成する。薄膜の厚みは3200Å〜4000Åとする。さらに反射膜6の表面には誘電体の薄膜を形成する場合もある。このように中空導波凹所4Aを円錐形に形成することで、異方性を考える必要がないので、光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bの挿入が一層容易となる。
【0027】
図14はポリマー光導波路2の中空導波凹所4Aを円錐形とした場合の一例を示し、図15は、中空導波凹所4Aと光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bの両方を円錐形とした場合の例を示している。ここで図14においては、ポリマー光導波路2から光が入射した場合にあっては、中空導波凹所4Aから光ファイバ3に伝送する過程で、円錐形の中空導波路4では光が集光しないため、損失が大きくなる。そこで、図15に示すように、光ファイバ3の先端には逆円錐形の中空導波キャピラリ4Bを設ける。このときポリマー光導波路2の中空導波凹所4Aの先端の口径を中空導波キャピラリ4Bの先端の口径よりも大きくしておく。これにより、中空導波凹所4A内に中空導波キャピラリ4Bを容易に挿入できると共に、円錐形の中空導波凹所4Aと逆円錐形の中空導波キャピラリ4Bとの結合によって、光ファイバ3とポリマー光導波路2の各コア2a,3aの光軸を完全に一致させる必要がなくなる。つまり、2つの円錐形の中空導波凹所4A、中空導波キャピラリ4Bによって、ポリマー光導波路2から入射してきた光は、損失なく光ファイバ3へ伝送され、逆に、光ファイバ3から入射してきた光も損失なくポリマー光導波路2へ伝送されることとなる。従って、接続損失を生じることなく、双方向の光の伝送が可能になる。また本例では中空導波凹所4Aと中空導波キャピラリ4Bを特殊な形状(本例では扇型を互いに突きあわせた形状)とすることで、ポリマー光導波路2のコアの端面と光ファイバ3のコアの端面の光軸を容易且つ高精度で合わせることができ、高精度に位置決めする作業が不要となる。
【0028】
更に他の実施形態として、図16に示すように、中空導波路4を金属パイプで構成してもよい。ここでは、中空導波キャピラリ4Bの母材(クラッド4c)を金属にしている。これにより結合の強度を増すことができると共に、後述のレーザーフォーミングによる調芯加工時において、金属パイプからなるクラッド4cにレーザーを吸収させることができ、調芯が容易となる。さらに図17に示すように、金属パイプ製のクラッド4c表面にコーティング剤8を塗布してもよい。例えばクラッド4cの母材を黒でコーティングする。これによって中空導波路4のレーザーの吸収効果を一層高めることができる。なお、中空導波路4は金属に限らず、レーザーを吸収するプラスチック材料でも可能である。
【0029】
図18は光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bにレーザーを線状に照射して、温度勾配による熱ひずみによって、微小に変位を与えて光軸を調芯する場合の例を示している。ここでは、レーザーフォーミングという原理を利用して調芯を行なう。レーザーフォーミングの加工メカニズムは、温度軟化によるBM(Buckling−Mechanism)と、温度勾配によるTGM(Temperature−Gradient−Mechanism)とに大別される。TGMは、図19(a)のW1に示すように、金属板10の厚み方向に温度分布が生じるようにレーザーを照射する。これにより、金属板10の表面と裏面との温度差に応じた膨張が発生し、図19(b)のように熱膨張した形状、若しくは塑性変形した形状となる。このとき金属板10の降伏応力が低下すると共に、温度差がなくなると収縮して、最終的に図19(c)のような形状になる。一方、BMは図20(a)のW2に示すように、金属板10の厚み方向に均一な温度分布が生じるようにレーザーを照射する。従って、自重や外力などによって図20(b)のようにレーザー照射方向と反対側に曲がった形状、若しくは同(c)のようにレーザー照射方向に向かって曲がった形状になる。この場合、どちらの形状になるのかわからないので、例えば図21に示すように、治具12上の金属板10の一端を固定治具11で押さえ、金属板10の自由端部を所望の方向に変位させて保持したままの状態で屈曲部に加熱用ビームを照射する。このとき金属板10の曲げ部にレーザーを照射して、熱ひずみを発生させることにより、調芯を行なう方法等がある。
【0030】
上記のように、中空導波路4を構成する金属板10(例えば、光ファイバ3の中空導波キャピラリ4B)にレーザーを照射して、温度勾配により発生する熱ひずみによって微小に変位を与えることで、光軸を調芯するので、非接触で微小な変位を調芯できるものとなる。
【0031】
図22、図23は、上記レーザーフォーミング加工によりレーザー照射にて調芯を行なう前に、光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bと光導波路2とを光学接着剤7によって接合し、その後、レーザーを照射して、変位を変え、光軸を調芯する場合の例を示している。ちなみにポリマー光導波路2と光ファイバ3とを固着するときに、光軸がX方向又はY方向に1μm程度にずれる場合がある。そこで、ポリマー光導波路2と光ファイバ3とを光学接着剤7によって固着した後に、レーザーを照射して再度、光軸を調整する。これによって固定のときに発生した位置ずれを補正でき、結合精度を向上させることができる。
【0032】
【発明の効果】
上述のように請求項1記載の発明にあっては、光デバイスに形成される光導波路と光ファイバとを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法において、光導波路と光ファイバとの間に中空導波路を挿入し、中空導波路を介して光導波路と光ファイバの各々のコアの端面の光軸合わせを行なうので、断面形状の異なる光導波路と光ファイバとの結合であっても、中空導波路を利用して光軸合わせを簡単に、迅速且つ高精度に行なえると共に、光導波路と光ファイバのコア同士の結合を高い精度で容易にできる。この結果、従来よりも調芯を短時間で、しかも高精度の機械的加工を行なうことなく、サブミクロンのアライメント精度を確保することが可能となる。また、中空導波路を光ファイバを保持するキャピラリとして使用することが可能となり、この場合、光ファイバの接合状態をより安定化させることができ、結合精度を一層向上させることができる。
【0033】
また請求項2記載の発明は、光デバイスに形成される光導波路と光ファイバとを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法において、光導波路の光ファイバとの結合部にエッチング若しくはリソグラフィーなどにより凹所を形成すると共に、一端が光ファイバに接続される中空導波路の他端を凹所内に挿入することで光導波路と光ファイバの各々のコアの端面の光軸合わせを行なうので、断面形状の異なる光導波路と光ファイバとの結合であっても、中空導波路を利用して光軸合わせを簡単に、迅速且つ高精度に行なえると共に、光導波路と光ファイバのコア同士の結合を高い精度で容易にできる。この結果、従来よりも調芯を短時間で、しかも高精度の機械的加工を行なうことなく、サブミクロンのアライメント精度を確保することが可能となる。しかも中空導波路の他端を光導波路の凹所内に挿入するだけで、光導波路と光ファイバとの結合が容易にできるので、光導波路と光ファイバとを高い精度で結合できるものである。
【0034】
また請求項3記載の発明は、光デバイスに形成される光導波路と光ファイバとを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法において、光導波路の光ファイバとの結合部に形成される凹所の内面に反射膜を施してなる中空導波凹所と、光ファイバの先端の中空導波キャピラリとで中空導波路が構成され、光ファイバの中空導波キャピラリを光導波路の中空導波凹所内に挿入することで光導波路と光ファイバの各々のコアの端面の光軸合わせを行なうので、中空導波凹所の反射膜によって光を光導波路のコアに集光でき、接続損失を低減できると共に、光ファイバと光導波路とを高い精度で容易に結合可能となる。また、断面形状の異なる光導波路と光ファイバとの結合であっても、光導波路の中空導波凹所と光ファイバの中空導波キャピラリとを利用して光軸合わせを簡単に、迅速且つ高精度に行なえると共に、光導波路と光ファイバのコア同士の結合を高い精度で容易にできる結果、調芯を短時間で、しかも高精度の機械的加工を行なうことなく、サブミクロンのアライメント精度を確保することが可能となる。
【0035】
また請求項4記載の発明は、請求項1又は2又は3記載の効果に加えて、中空導波路を円錐形に形成するので、中空導波路を光導波路内に容易に挿入可能となり、しかも円錐形にすることで光を光導波路のコアに集光でき、接続損失を生じることがなく、しかもコア同士の高精度な光軸合わせが不要となる。
【0036】
また請求項5記載の発明は、請求項2又は3又は5記載の効果に加えて、光導波路の中空導波凹所に、入口が広く奥が狭くなるようなテーパー角度をつけるので、光導波路の中空導波凹所内への光ファイバの中空導波キャピラリの挿入と結合とがそれぞれ容易となり、しかも挿入の際に両者の中心軸が多少ずれていても、スムーズに光ファイバを中空導波凹所内に挿入することができる。しかもテーパー角度によって光を光導波路のコアに集光できるので、接続損失を低減できると共に、コア同士の高精度な光軸合わせが不要となる。
【0037】
また請求項6記載の発明は、請求項2又は3又は4記載の効果に加えて、光導波路の中空導波凹所の断面形状を円形にするので、異方性を考える必要がないので、中空導波凹所への光ファイバの中空導波キャピラリの挿入が一層容易となる。
【0038】
また請求項7記載の発明は、請求項2又は3記載の効果に加えて、光導波路の光ファイバとの結合部に円錐形の凹所を設けると共に凹所の内面に反射膜を施して中空導波路を形成し、この中空導波凹所内に光ファイバに保持された円錐形の中空導波キャピラリを挿入するので、異方性を考える必要がないので、中空導波凹所内への光ファイバの中空導波キャピラリの挿入が一層容易となる。
【0039】
また請求項8記載の発明は、請求項1又は2又は3記載の効果に加えて、中空導波路が金属パイプからなるので、結合の強度を増すことができると共に、レーザーフォーミングによる調芯加工時において、中空導波路にレーザーを吸収させることができ、調芯が容易となる。
【0040】
また請求項9記載の発明は、請求項1又は2又は3又は8記載の効果に加えて、光ファイバの中空導波キャピラリの表面にコーティング剤を塗布するので、レーザーフォーミングによる調芯加工時において、コーティング剤によってキャピラリのレーザーの吸収効果が一層向上し、調芯が一層容易となる。
【0041】
また請求項10記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の効果に加えて、光ファイバの中空導波キャピラリにレーザーを照射して、温度勾配により発生する熱ひずみによって微小に変位を与えることで、光軸を調芯するので、非接触で微小な変位を調芯できるものとなる。
【0042】
また請求項11記載の発明は、請求項10記載の効果に加えて、光ファイバの中空導波キャピラリと光導波路とを光学接着剤によって接合した後に、レーザー照射による調芯を行なうので、固定のときに発生した位置ずれを補正でき、結合精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す斜視図である。
【図2】同上の中空導波路を光ファイバと光導波路に結合した状態の斜視図である。
【図3】(a)は同上の中空導波路を構成する中空ファイバの斜視図、(b)は断面図である。
【図4】(a)は光導波路基板の斜視図、(b)は光ファイバと光導波路の斜視図である。
【図5】(a)は光導波路基板と光ファイバの斜視図、(b)は光ファイバと光導波路の光軸合わせの説明図である。
【図6】(a)は光導波路基板と光ファイバの位置ズレを示し、(b)は角度ズレを示し、(c)は間隔ズレを示す説明図である。
【図7】他の実施形態であり、(a)は同上の光導波路基板の斜視図、(b)は断面図、(c)は光ファイバとの結合状態の説明図である。
【図8】更に他の実施形態の説明図である。
【図9】更に他の実施形態であり、(a)は中空導波キャピラリの側面図、(b)は側面断面図、(c)は正面断面図である。
【図10】同上の中空導波キャピラリを光ファイバに接続した状態の断面図である。
【図11】更に他の実施形態の断面図である。
【図12】更に他の実施形態の断面図である。
【図13】更に他の実施形態の断面図であり、(a)は光導波路基板の断面図、(b)は正面図、(c)は光ファイバとの結合状態の説明図である。
【図14】更に他の実施形態の説明図である。
【図15】更に他の実施形態の説明図である。
【図16】同上の中空導波路が金属パイプの場合の説明図である。
【図17】同上の金属パイプの表面にコーティング剤を塗布する場合の説明図である。
【図18】同上の中空導波キャピラリをレーザーフォーミングによって調芯する場合の説明図である。
【図19】(a)〜(c)は温度勾配型のレーザーフォーミング加工例の説明図である。
【図20】(a)〜(c)は温度軟化型のレーザーフォーミング加工例の説明図である。
【図21】板材の折り曲げによる曲げ加工例の説明図である。
【図22】同上の光学接着剤による光ファイバと光導波路の結合状態の説明図である。
【図23】図22の場合の中空導波キャピラリをレーザーフォーミングによって調芯する場合の説明図である。
【図24】従来例の説明図である。
【図25】(a)は他の従来例の斜視図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
1 光導波路基板
2 光導波路
2a コア
3 光ファイバ
3a コア
4 中空導波路
4A 中空導波凹所
4B 中空導波キャピラリ
5 凹所
6 反射膜
7 光学接着剤
8 コーティング剤
θ テーパー角度
【発明の属する技術分野】
本発明は、光デバイスと光ファイバの結合方法に関し、詳しくは光デバイスに形成される光導波路と光ファイバとを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバ同士を接続するに際しては、光ファイバのコアの中心を合わせる必要があった。その一例として特開平6−148537号公報には、図24に示す方法がある。この方法はLDを発光させながら、ステッピングモータの駆動によって光ファイバ3,3の光軸の調芯を行なうものである。
【0003】
一方、光デバイスに形成される光導波路と光ファイバとを結合する場合にあっては、光ファイバのコアの中心と光導波路のコアの中心を合わす必要がある。このとき、図25に示すように、光導波路基板1’に形成される光導波路2のコアの断面形状は長方形若しくは台形であり、光ファイバ3のコアの断面形状は円形である。そのため断面形状の異なることによる損失を防止するために、両者を1μm以下の精度で光軸合わせする必要がある。その一例として特開昭57−119314号公報には、図25に示すように、光導波路基板1’の光ファイバ3を結合する箇所にV溝30を形成し、光ファイバ3をV溝30内に配列することで、光導波路2のコアの端面と光ファイバ3のコアの端面とを突き合わせる方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが前者のようにLDを発光させながら、ステッピングモータの駆動によって光ファイバ3,3同士の光軸の調芯を行なう従来方法では、調芯に時間を要するという問題があった。
【0005】
また、後者のように、光導波路基板1’のV溝30内に光ファイバ3を配列する従来方法では、V溝30の精度は機械的な加工精度に依存するため、高精度の機械的加工が要求され、特にサブミクロンのアライメント精度を確保することは困難であるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、断面形状の異なる光導波路と光ファイバとの結合であっても光軸合わせを簡単に、迅速且つ高精度に行なえると共に、光導波路と光ファイバのコア同士の結合を高い精度で容易にでき、これにより従来のように時間を要さず、しかも高精度の機械的加工を行なうことなく、サブミクロンのアライメント精度を確保することができる光デバイスと光ファイバの結合方法を提供することにあり、さらに他の目的とするところは、接続損失を生じることがなく、しかもコア同士の高精度な光軸合わせが不要であり、さらに非接触で微小な変位を調芯可能とした光デバイスと光ファイバの結合方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、光デバイスに形成される光導波路2と光ファイバ3とを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法において、光導波路2と光ファイバ3との間に中空導波路4を挿入し、中空導波路4を介して光導波路2と光ファイバ3の各々のコア2a,3aの端面の光軸合わせを行なうことを特徴としており、このように構成することで、断面形状の異なる光導波路2と光ファイバ3との結合であっても、中空導波路4を利用して光軸合わせを簡単に、迅速且つ高精度に行なえると共に、光導波路2と光ファイバ3のコア2a,3a同士の結合を高い精度で容易にできる。また、中空導波路4を光ファイバ3を保持するキャピラリとして使用することが可能となる。
【0008】
また本発明は、光デバイスに形成される光導波路2と光ファイバ3とを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法において、光導波路2の光ファイバ3との結合部にエッチング若しくはリソグラフィーなどにより凹所5を形成すると共に、一端が光ファイバ3に接続される中空導波路4の他端を凹所5内に挿入することで光導波路2と光ファイバ3の各々のコア2a,3aの端面の光軸合わせを行なうことを特徴としており、このように構成することで、断面形状の異なる光導波路2と光ファイバ3との結合であっても、中空導波路4を利用して光軸合わせを簡単に、迅速且つ高精度に行なえると共に、光導波路2と光ファイバ3のコア2a,3a同士の結合を高い精度で容易にできる。しかも中空導波路4の他端を光導波路2の凹所5内に挿入するだけで、光導波路2と光ファイバ3との結合が容易にできるので、光導波路2と光ファイバ3とを高い精度で結合できるようになる。
【0009】
また本発明は、光デバイスに形成される光導波路2と光ファイバ3とを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法において、光導波路2の光ファイバ3との結合部に形成される凹所5の内面に反射膜6を施してなる中空導波凹所4Aと、光ファイバ3の先端の中空導波キャピラリ4Bとで中空導波路4が構成され、光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bを光導波路2の中空導波凹所4A内に挿入することで光導波路2と光ファイバ3の各々のコア2a,3aの端面の光軸合わせを行なうことを特徴としており、このように構成することで、中空導波凹所4Aの反射膜6によって光を光導波路2のコア2aに集光でき、接続損失を低減できると共に、光ファイバ3と光導波路2とを高い精度で容易に結合可能となる。また、断面形状の異なる光導波路2と光ファイバ3との結合であっても、光導波路2の中空導波凹所4Aと光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bとを利用して光軸合わせを簡単に、迅速且つ高精度に行なえると共に、光導波路2と光ファイバ3のコア2a,3a同士の結合を高い精度で容易にできる。
【0010】
また上記中空導波路4を円錐形に形成するのが好ましく、この場合、中空導波路4を光導波路2内に容易に挿入可能となり、しかも光を光導波路2のコア2aに集光でき、接続損失を生じることがなく、しかもコア2a,3a同士の高精度な光軸合わせも不要となる。
【0011】
また上記光導波路2の中空導波凹所4Aに、入口が広く奥が狭くなるようなテーパー角度θをつけるのが好ましく、この場合、光導波路2の中空導波凹所4A内への光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bの挿入と結合とがそれぞれ容易となり、しかも挿入の際に両者の中心軸が多少ずれていても、スムーズに光ファイバ3を中空導波凹所4A内に挿入することができる。そのうえテーパー角度θによって光を光導波路2のコア2aに集光できるので、接続損失を低減できると共に、コア2a,3a同士の高精度な光軸合わせが不要となる。
【0012】
また上記光導波路2の中空導波凹所4Aの断面形状を円形にするのが好ましく、この場合、異方性を考える必要がないので、中空導波凹所4Aへの光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bの挿入が一層容易となる。
【0013】
また上記光導波路2の光ファイバ3との結合部に円錐形の凹所5を設けると共に凹所5の内面に反射膜6を施して中空導波凹所4Aを形成し、この中空導波凹所4A内に光ファイバ3に保持された円錐形の中空導波キャピラリ4Bを挿入するのが好ましく、この場合、異方性を考える必要がないので、中空導波凹所4A内への光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bの挿入が一層容易となる。
【0014】
また上記中空導波路4が金属パイプからなるのが好ましく、この場合、結合の強度を増すことができると共に、レーザーフォーミングによる調芯加工時において、中空導波路4にレーザーを吸収させることができ、調芯が容易となる。
【0015】
また上記中空導波路を構成するパイプの表面にコーティング剤8を塗布するのが好ましく、この場合、レーザーフォーミングによる調芯加工時において、コーティング剤8によって中空導波キャピラリ4Bのレーザーの吸収効果が一層向上し、調芯が一層容易となる。
【0016】
また上記光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bにレーザーを照射して、温度勾配により発生する熱ひずみによって微小に変位を与えることで、光軸を調芯するのが好ましく、この場合、非接触で微小な変位を調芯できるものとなる。
【0017】
また光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bと光導波路2とを光学接着剤7によって接合した後に、レーザー照射による調芯を行なうのが好ましく、この場合、固定のときに発生した位置ずれを補正でき、結合精度を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0019】
本実施形態では、光デバイスAに形成される光導波路2と光ファイバ3とを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定するに際して、図1、図2に示すように、光導波路2と光ファイバ3との間に中空導波路4を介在する点に特徴を有しており、さらに、中空導波路4を光ファイバ3を保持するキャピラリとして使用する点に特徴を有している。
【0020】
ここで、光デバイスAとは、光スプリッター若しくは光スイッチをさす。図4(a)にその一例を示している。光スプリッターは、光導波路基板1に形成される光導波路2の入口2cから入射した光が分岐されて2つの出口2d,2eから出射される(逆の場合もある)。その光の波長は、1310nm若しくは1550nmである。一方、光スイッチは、スイッチOFF時は入口2cから入射した光が出口2dから出射されるが、スイッチON時は、入口2cから入射した光は出口2eから出射される。ここにおいて、光導波路基板1は図4(a)の下クラッド2b1と上クラッド2b2の間に光導波路2となるコア2aが形成されたものであり、光導波路2の光の出入口となる2c、2d,2eの各部分に光ファイバ3を接続する必要がある。
【0021】
このとき、図5に示すように、光導波路2のコア2aの断面は四角形状であり、一方、光ファイバ3のコア3aの断面は円形であるため、互いのコア2a,3aの端面同士を1μm以下の精度で光軸を合わせる必要がある。図6は、本発明の中空導波路4を使用しない場合における光導波路基板1と光ファイバ3との光軸合わせの参考例をそれぞれ示している。ポリマーで形成された光導波(以下、ポリマー光導波路2という。)と光ファイバ3との結合は、ポリマー光導波路2のコア2aの端面と光ファイバ3のコア3aの端面とがサブミクロン以下という高精度で完全に一致しなければならない。光軸の座標系はX、Y、Z、θX、θY、θZの6軸であるが、θZ方向の異方性がない場合は5軸となり、図6(a)のようなX、Y方向の位置ずれ(軸ずれ)、図6(b)のようなθX、θY方向の角度ずれ、図6(c)のようなZ方向の間隔ずれなどがある。このとき光ファイバ3の光軸を調整して結合する技術を調芯といい、本発明では以下で述べるように、中空導波路4を用いて調芯位置決めを行なうものである。なお以下の各実施形態ではポリマー光導波路2と光ファイバ3との結合を例示しているが、勿論これに限らず、光ファイバ3,3同士の結合にも本発明の中空導波路4を使用した結合方法を実施できるのは言うまでもない。
【0022】
図3(a)(b)は中空導波路4として使用される中空ファイバの一例を示している。一般の中空ファイバは、汎用の石英ファイバに比較して、伝送損失が大きいため、本例では、コア4a(空気層)に面したクラッド4cの内面にキャピラリの薄膜4bを形成しており、これにより赤外光から紫外光までの光を伝送することが可能となっている。すなわち、図3(a)に示す中空ファイバ(長さ1〜2m)を短くカットした中空導波路4を、図1に示すように、ポリマー光導波路2と光ファイバ3との間に挿入することにより、ポリマー光導波路2と光ファイバ3の間に中空導波路4が介在されて、両者2,3のそれぞれのコア2a,3aの端面の光軸合わせを行なえるようになっている。
【0023】
しかして、図1、図2に示すように、光デバイスAに形成されるポリマー光導波路2と光ファイバ3との結合に際して、ポリマー光導波路2と光ファイバ3との間に中空導波路4を挿入することによって、中空導波路4を用いて図5(b)に示す光ファイバ3のコア3aの中心とポリマー光導波路2のコア2aの中心とを合わすことができる。従って、断面形状の異なるもの同士の光軸合わせを、1μm以下の高精度で行なうことが可能となる。しかも、中空導波路4を用いてポリマー光導波路2のコア2aと光ファイバ3のコア3aとの結合を容易に、しかも高い精度で行なうことができる。この結果、従来よりも調芯を短時間で、しかも高精度の機械的加工を行なうことなく、サブミクロンのアライメント精度を確保することができる。また、中空導波路4を光ファイバ3を保持するキャピラリとして使用することができるので、光ファイバ3の接合状態をより安定化させることができ、結合精度を一層向上させることができるものである。
【0024】
図7は本発明の他の実施形態であり、ポリマー光導波路2の光ファイバ3との結合部にエッチング若しくはリソグラフィーなどにより凹所5を形成すると共に、光ファイバ3の先端に中空導波キャピラリ4Bを保持し、中空導波キャピラリ4Bを中空導波凹所4A内に挿入することでポリマー光導波路2と光ファイバ3の各々のコア2a,3aの端面の光軸合わせを行なうものである。他の構成は図1、図2の実施形態と同様である。本例では、ポリマー光導波路2の凹所5は断面コ字状に形成され、この凹所5内に中空導波キャピラリ4Bが挿入されることにより、ポリマー光導波路2と光ファイバ3との調芯及び結合が中空導波路4を介して容易に、高い精度で行なうことができる。さらに加えて図8に示すように、ポリマー光導波路2の凹所5の内面に金属薄膜(反射膜6)を形成するのが望ましい。この場合、凹所5の内面を反射膜6とすることで中空導波凹所4Aとなり、接続損失を低減できる構造となる。
【0025】
図9は、上記光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bを円錐形にした場合の例を示している。また本例では、円錐形の金属のキャピラリ4c内面に金属薄膜4bを形成して、中空導波キャピラリ4Bとしている。この中空導波キャピラリ4Bの材質はNiが望ましいがステンレスでも可能である。また金属薄膜4cはAlが望ましいがAgでも可能である。この円錐形の中空導波キャピラリ4Bを図10に示すように、光ファイバ3の先端に接続する。このとき、中空導波キャピラリ4Bの小径側端部を光ファイバ3のコア3aの形状と同一とする。また中空導波キャピラリ4Bをポリマー光導波路2の中空導波凹所4Aに挿入する場合にあっては、図11のように中空導波キャピラリ4Bの大径側端部をポリマー光導波路2の中空導波凹所4Aの径よりも小さくする。これにより挿入がしやすくなる。ここで、図9に示すように、ポリマー光導波路2の中空導波凹所4Aには、入口が広く奥が狭くなるようなテーパー角度θが設けられている。具体的には、ポリマー光導波路2の端部を円錐の中空状に除去して凹所5とし、この凹所5の内面に金属薄膜(反射膜6)を形成して中空導波凹所4Aとし、図12に示すように、中空導波凹所4A内に光ファイバ3の円錐形の中空導波キャピラリ4Bを挿入することによって、光ファイバ3とポリマー光導波路2との調芯位置決め及び結合が容易となる。またこのとき中空導波凹所4Aの内面がテーパ構造であるため、中空導波キャピラリ4Bを中空導波凹所4A内に挿入する際に、両者の中心軸が多少ずれていても、スムーズに光ファイバ3を中空導波凹所4A内に挿入することができる。しかも中空導波凹所4Aにテーパー角度θをつけることによって、光がポリマー光導波路2のコア2aに集光できるようになり、接続損失が低くなり、またコア2a,3a同士の高精度な光軸合わせも不要となる。つまり、光ファイバ3から入射した光は、円錐形の中空導波凹所4A内を伝搬して、ポリマー光導波路2に至る。本例では、通常1310nmと1550nmの波長の光が使用されるため、中空導波路4の内面にAl(或いはAg)をコートした反射膜6を形成する。反射膜6の厚みは、例えば320nm〜400nmとする。
【0026】
図13は、ポリマー光導波路2の中空導波凹所4Aを円錐形に形成した場合の一例を示している。ここでは、円錐の内面にAl(若しくはAg)の薄膜(反射膜6)を形成する。薄膜の厚みは3200Å〜4000Åとする。さらに反射膜6の表面には誘電体の薄膜を形成する場合もある。このように中空導波凹所4Aを円錐形に形成することで、異方性を考える必要がないので、光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bの挿入が一層容易となる。
【0027】
図14はポリマー光導波路2の中空導波凹所4Aを円錐形とした場合の一例を示し、図15は、中空導波凹所4Aと光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bの両方を円錐形とした場合の例を示している。ここで図14においては、ポリマー光導波路2から光が入射した場合にあっては、中空導波凹所4Aから光ファイバ3に伝送する過程で、円錐形の中空導波路4では光が集光しないため、損失が大きくなる。そこで、図15に示すように、光ファイバ3の先端には逆円錐形の中空導波キャピラリ4Bを設ける。このときポリマー光導波路2の中空導波凹所4Aの先端の口径を中空導波キャピラリ4Bの先端の口径よりも大きくしておく。これにより、中空導波凹所4A内に中空導波キャピラリ4Bを容易に挿入できると共に、円錐形の中空導波凹所4Aと逆円錐形の中空導波キャピラリ4Bとの結合によって、光ファイバ3とポリマー光導波路2の各コア2a,3aの光軸を完全に一致させる必要がなくなる。つまり、2つの円錐形の中空導波凹所4A、中空導波キャピラリ4Bによって、ポリマー光導波路2から入射してきた光は、損失なく光ファイバ3へ伝送され、逆に、光ファイバ3から入射してきた光も損失なくポリマー光導波路2へ伝送されることとなる。従って、接続損失を生じることなく、双方向の光の伝送が可能になる。また本例では中空導波凹所4Aと中空導波キャピラリ4Bを特殊な形状(本例では扇型を互いに突きあわせた形状)とすることで、ポリマー光導波路2のコアの端面と光ファイバ3のコアの端面の光軸を容易且つ高精度で合わせることができ、高精度に位置決めする作業が不要となる。
【0028】
更に他の実施形態として、図16に示すように、中空導波路4を金属パイプで構成してもよい。ここでは、中空導波キャピラリ4Bの母材(クラッド4c)を金属にしている。これにより結合の強度を増すことができると共に、後述のレーザーフォーミングによる調芯加工時において、金属パイプからなるクラッド4cにレーザーを吸収させることができ、調芯が容易となる。さらに図17に示すように、金属パイプ製のクラッド4c表面にコーティング剤8を塗布してもよい。例えばクラッド4cの母材を黒でコーティングする。これによって中空導波路4のレーザーの吸収効果を一層高めることができる。なお、中空導波路4は金属に限らず、レーザーを吸収するプラスチック材料でも可能である。
【0029】
図18は光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bにレーザーを線状に照射して、温度勾配による熱ひずみによって、微小に変位を与えて光軸を調芯する場合の例を示している。ここでは、レーザーフォーミングという原理を利用して調芯を行なう。レーザーフォーミングの加工メカニズムは、温度軟化によるBM(Buckling−Mechanism)と、温度勾配によるTGM(Temperature−Gradient−Mechanism)とに大別される。TGMは、図19(a)のW1に示すように、金属板10の厚み方向に温度分布が生じるようにレーザーを照射する。これにより、金属板10の表面と裏面との温度差に応じた膨張が発生し、図19(b)のように熱膨張した形状、若しくは塑性変形した形状となる。このとき金属板10の降伏応力が低下すると共に、温度差がなくなると収縮して、最終的に図19(c)のような形状になる。一方、BMは図20(a)のW2に示すように、金属板10の厚み方向に均一な温度分布が生じるようにレーザーを照射する。従って、自重や外力などによって図20(b)のようにレーザー照射方向と反対側に曲がった形状、若しくは同(c)のようにレーザー照射方向に向かって曲がった形状になる。この場合、どちらの形状になるのかわからないので、例えば図21に示すように、治具12上の金属板10の一端を固定治具11で押さえ、金属板10の自由端部を所望の方向に変位させて保持したままの状態で屈曲部に加熱用ビームを照射する。このとき金属板10の曲げ部にレーザーを照射して、熱ひずみを発生させることにより、調芯を行なう方法等がある。
【0030】
上記のように、中空導波路4を構成する金属板10(例えば、光ファイバ3の中空導波キャピラリ4B)にレーザーを照射して、温度勾配により発生する熱ひずみによって微小に変位を与えることで、光軸を調芯するので、非接触で微小な変位を調芯できるものとなる。
【0031】
図22、図23は、上記レーザーフォーミング加工によりレーザー照射にて調芯を行なう前に、光ファイバ3の中空導波キャピラリ4Bと光導波路2とを光学接着剤7によって接合し、その後、レーザーを照射して、変位を変え、光軸を調芯する場合の例を示している。ちなみにポリマー光導波路2と光ファイバ3とを固着するときに、光軸がX方向又はY方向に1μm程度にずれる場合がある。そこで、ポリマー光導波路2と光ファイバ3とを光学接着剤7によって固着した後に、レーザーを照射して再度、光軸を調整する。これによって固定のときに発生した位置ずれを補正でき、結合精度を向上させることができる。
【0032】
【発明の効果】
上述のように請求項1記載の発明にあっては、光デバイスに形成される光導波路と光ファイバとを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法において、光導波路と光ファイバとの間に中空導波路を挿入し、中空導波路を介して光導波路と光ファイバの各々のコアの端面の光軸合わせを行なうので、断面形状の異なる光導波路と光ファイバとの結合であっても、中空導波路を利用して光軸合わせを簡単に、迅速且つ高精度に行なえると共に、光導波路と光ファイバのコア同士の結合を高い精度で容易にできる。この結果、従来よりも調芯を短時間で、しかも高精度の機械的加工を行なうことなく、サブミクロンのアライメント精度を確保することが可能となる。また、中空導波路を光ファイバを保持するキャピラリとして使用することが可能となり、この場合、光ファイバの接合状態をより安定化させることができ、結合精度を一層向上させることができる。
【0033】
また請求項2記載の発明は、光デバイスに形成される光導波路と光ファイバとを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法において、光導波路の光ファイバとの結合部にエッチング若しくはリソグラフィーなどにより凹所を形成すると共に、一端が光ファイバに接続される中空導波路の他端を凹所内に挿入することで光導波路と光ファイバの各々のコアの端面の光軸合わせを行なうので、断面形状の異なる光導波路と光ファイバとの結合であっても、中空導波路を利用して光軸合わせを簡単に、迅速且つ高精度に行なえると共に、光導波路と光ファイバのコア同士の結合を高い精度で容易にできる。この結果、従来よりも調芯を短時間で、しかも高精度の機械的加工を行なうことなく、サブミクロンのアライメント精度を確保することが可能となる。しかも中空導波路の他端を光導波路の凹所内に挿入するだけで、光導波路と光ファイバとの結合が容易にできるので、光導波路と光ファイバとを高い精度で結合できるものである。
【0034】
また請求項3記載の発明は、光デバイスに形成される光導波路と光ファイバとを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法において、光導波路の光ファイバとの結合部に形成される凹所の内面に反射膜を施してなる中空導波凹所と、光ファイバの先端の中空導波キャピラリとで中空導波路が構成され、光ファイバの中空導波キャピラリを光導波路の中空導波凹所内に挿入することで光導波路と光ファイバの各々のコアの端面の光軸合わせを行なうので、中空導波凹所の反射膜によって光を光導波路のコアに集光でき、接続損失を低減できると共に、光ファイバと光導波路とを高い精度で容易に結合可能となる。また、断面形状の異なる光導波路と光ファイバとの結合であっても、光導波路の中空導波凹所と光ファイバの中空導波キャピラリとを利用して光軸合わせを簡単に、迅速且つ高精度に行なえると共に、光導波路と光ファイバのコア同士の結合を高い精度で容易にできる結果、調芯を短時間で、しかも高精度の機械的加工を行なうことなく、サブミクロンのアライメント精度を確保することが可能となる。
【0035】
また請求項4記載の発明は、請求項1又は2又は3記載の効果に加えて、中空導波路を円錐形に形成するので、中空導波路を光導波路内に容易に挿入可能となり、しかも円錐形にすることで光を光導波路のコアに集光でき、接続損失を生じることがなく、しかもコア同士の高精度な光軸合わせが不要となる。
【0036】
また請求項5記載の発明は、請求項2又は3又は5記載の効果に加えて、光導波路の中空導波凹所に、入口が広く奥が狭くなるようなテーパー角度をつけるので、光導波路の中空導波凹所内への光ファイバの中空導波キャピラリの挿入と結合とがそれぞれ容易となり、しかも挿入の際に両者の中心軸が多少ずれていても、スムーズに光ファイバを中空導波凹所内に挿入することができる。しかもテーパー角度によって光を光導波路のコアに集光できるので、接続損失を低減できると共に、コア同士の高精度な光軸合わせが不要となる。
【0037】
また請求項6記載の発明は、請求項2又は3又は4記載の効果に加えて、光導波路の中空導波凹所の断面形状を円形にするので、異方性を考える必要がないので、中空導波凹所への光ファイバの中空導波キャピラリの挿入が一層容易となる。
【0038】
また請求項7記載の発明は、請求項2又は3記載の効果に加えて、光導波路の光ファイバとの結合部に円錐形の凹所を設けると共に凹所の内面に反射膜を施して中空導波路を形成し、この中空導波凹所内に光ファイバに保持された円錐形の中空導波キャピラリを挿入するので、異方性を考える必要がないので、中空導波凹所内への光ファイバの中空導波キャピラリの挿入が一層容易となる。
【0039】
また請求項8記載の発明は、請求項1又は2又は3記載の効果に加えて、中空導波路が金属パイプからなるので、結合の強度を増すことができると共に、レーザーフォーミングによる調芯加工時において、中空導波路にレーザーを吸収させることができ、調芯が容易となる。
【0040】
また請求項9記載の発明は、請求項1又は2又は3又は8記載の効果に加えて、光ファイバの中空導波キャピラリの表面にコーティング剤を塗布するので、レーザーフォーミングによる調芯加工時において、コーティング剤によってキャピラリのレーザーの吸収効果が一層向上し、調芯が一層容易となる。
【0041】
また請求項10記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の効果に加えて、光ファイバの中空導波キャピラリにレーザーを照射して、温度勾配により発生する熱ひずみによって微小に変位を与えることで、光軸を調芯するので、非接触で微小な変位を調芯できるものとなる。
【0042】
また請求項11記載の発明は、請求項10記載の効果に加えて、光ファイバの中空導波キャピラリと光導波路とを光学接着剤によって接合した後に、レーザー照射による調芯を行なうので、固定のときに発生した位置ずれを補正でき、結合精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す斜視図である。
【図2】同上の中空導波路を光ファイバと光導波路に結合した状態の斜視図である。
【図3】(a)は同上の中空導波路を構成する中空ファイバの斜視図、(b)は断面図である。
【図4】(a)は光導波路基板の斜視図、(b)は光ファイバと光導波路の斜視図である。
【図5】(a)は光導波路基板と光ファイバの斜視図、(b)は光ファイバと光導波路の光軸合わせの説明図である。
【図6】(a)は光導波路基板と光ファイバの位置ズレを示し、(b)は角度ズレを示し、(c)は間隔ズレを示す説明図である。
【図7】他の実施形態であり、(a)は同上の光導波路基板の斜視図、(b)は断面図、(c)は光ファイバとの結合状態の説明図である。
【図8】更に他の実施形態の説明図である。
【図9】更に他の実施形態であり、(a)は中空導波キャピラリの側面図、(b)は側面断面図、(c)は正面断面図である。
【図10】同上の中空導波キャピラリを光ファイバに接続した状態の断面図である。
【図11】更に他の実施形態の断面図である。
【図12】更に他の実施形態の断面図である。
【図13】更に他の実施形態の断面図であり、(a)は光導波路基板の断面図、(b)は正面図、(c)は光ファイバとの結合状態の説明図である。
【図14】更に他の実施形態の説明図である。
【図15】更に他の実施形態の説明図である。
【図16】同上の中空導波路が金属パイプの場合の説明図である。
【図17】同上の金属パイプの表面にコーティング剤を塗布する場合の説明図である。
【図18】同上の中空導波キャピラリをレーザーフォーミングによって調芯する場合の説明図である。
【図19】(a)〜(c)は温度勾配型のレーザーフォーミング加工例の説明図である。
【図20】(a)〜(c)は温度軟化型のレーザーフォーミング加工例の説明図である。
【図21】板材の折り曲げによる曲げ加工例の説明図である。
【図22】同上の光学接着剤による光ファイバと光導波路の結合状態の説明図である。
【図23】図22の場合の中空導波キャピラリをレーザーフォーミングによって調芯する場合の説明図である。
【図24】従来例の説明図である。
【図25】(a)は他の従来例の斜視図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
1 光導波路基板
2 光導波路
2a コア
3 光ファイバ
3a コア
4 中空導波路
4A 中空導波凹所
4B 中空導波キャピラリ
5 凹所
6 反射膜
7 光学接着剤
8 コーティング剤
θ テーパー角度
Claims (11)
- 光デバイスに形成される光導波路と光ファイバとを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法において、光導波路と光ファイバとの間に中空導波路を挿入し、中空導波路を介して光導波路と光ファイバの各々のコアの端面の光軸合わせを行なうことを特徴とする光デバイスと光ファイバの結合方法。
- 光デバイスに形成される光導波路と光ファイバとを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法において、光導波路の光ファイバとの結合部にエッチング若しくはリソグラフィーなどにより凹所を形成すると共に、一端が光ファイバに接続される中空導波路の他端を凹所内に挿入することで光導波路と光ファイバの各々のコアの端面の光軸合わせを行なうことを特徴とする光デバイスと光ファイバの結合方法。
- 光デバイスに形成される光導波路と光ファイバとを、一方から他方へ入射する光量が最大光量になる相対位置に位置決めして、固定する結合方法において、光導波路の光ファイバとの結合部に形成される凹所の内面に反射膜を施してなる中空導波凹所と、光ファイバの先端に形成される中空導波キャピラリとで中空導波路を構成し、光ファイバの中空導波キャピラリを光導波路の中空導波凹所内に挿入することで光導波路と光ファイバの各々のコアの端面の光軸合わせを行なうことを特徴とする光デバイスと光ファイバの結合方法。
- 中空導波路を円錐形に形成することを特徴とする請求項1又は2又は3記載の光デバイスと光ファイバの結合方法。
- 光導波路の中空導波凹所に、入口が広く奥が狭くなるようなテーパー角度をつけることを特徴とする請求項2又は3又は4記載の光デバイスと光ファイバの結合方法。
- 光導波路の中空導波凹所の断面形状を円形にすることを特徴とする請求項2又は3又は5記載の光デバイスと光ファイバの結合方法。
- 光導波路の光ファイバとの結合部に円錐形の凹所を設けると共に凹所の内面に反射膜を施して中空導波凹所を形成し、この中空導波凹所内に光ファイバに保持された円錐形の中空導波キャピラリを挿入することを特徴とする請求項2又は3記載の光デバイスと光ファイバの結合方法。
- 中空導波路が金属パイプからなることを特徴とする請求項1又は2又は3記載の光デバイスと光ファイバの結合方法。
- 中空導波路を構成するパイプの表面にコーティング剤を塗布することを特徴とする請求項1又は2又は3又は8記載の光デバイスと光ファイバの結合方法。
- 光ファイバの中空導波キャピラリにレーザーを照射して、温度勾配により発生する熱ひずみによって微小に変位を与えることで、光軸を調芯することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の光デバイスと光ファイバの結合方法。
- 光ファイバの中空導波キャピラリと光導波路とを光学接着剤によって接合した後に、レーザー照射による調芯を行なうことを特徴とする請求項10記載の光デバイスと光ファイバの結合方法。
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JP2002218840A JP2004061772A (ja) | 2002-07-26 | 2002-07-26 | 光デバイスと光ファイバの結合方法 |
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Cited By (6)
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JP2008145800A (ja) * | 2006-12-12 | 2008-06-26 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 出力光モニタ付光導波路型光変調器 |
JP2011100154A (ja) * | 2011-01-04 | 2011-05-19 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 出力光モニタ付光導波路型光変調器 |
CN108873143A (zh) * | 2017-05-09 | 2018-11-23 | 中国科学院苏州纳米技术与纳米仿生研究所 | 背光模组及其光源调整装置 |
CN112327420A (zh) * | 2020-11-03 | 2021-02-05 | 中航光电科技股份有限公司 | 一种波导通过光纤对准耦合传输结构及生产工艺 |
JP2022137280A (ja) * | 2016-09-29 | 2022-09-21 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 光スキャンデバイス、光受信デバイス、および光検出システム |
WO2022249903A1 (ja) * | 2021-05-24 | 2022-12-01 | 住友電気工業株式会社 | 光接続部品及び光接続構造 |
-
2002
- 2002-07-26 JP JP2002218840A patent/JP2004061772A/ja active Pending
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