JP2006126144A - 測定誤差の補正方法及び電子部品特性測定装置 - Google Patents

測定誤差の補正方法及び電子部品特性測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 標準試料の測定を減らすことできる、測定誤差の補正方法及び電子部品特性測定装置を提供する。
【解決手段】 試験治具と基準治具とに実装した状態で、対応する少なくとも1つのポート(以下、「特定ポート」という。)について、少なくとも3種類の補正データ取得用試料50,52,54をそれぞれ測定し、特定ポートについて試験治具及び基準治具の測定値を関係付ける第1の数式を決定する。試験治具と基準治具とに実装した状態で、特定ポートと他のポートとの間を接続する補正データ取得用スルーデバイス46,48をそれぞれ測定し、他のポートについて試験治具及び基準治具の測定値を関係付ける第2の数式を決定する。任意の電子部品を試験治具に実装した状態で測定し、第1の数式と第2の数式とを用いて、当該電子部品を基準治具に実装して測定したならば得られるであろう電子部品の電気特性の推定値を算出する。
【選択図】図6

Description

本発明は、測定誤差の補正方法及び電子部品特性測定装置に関し、詳しくは、電子部品の電気特性を、試験治具に実装した状態で測定した結果から、その電子部品を基準治具に実装して測定したならば得られるであろう電気特性の推定値を算出する、測定誤差の補正方法及び電子部品特性測定装置に関する。
従来、表面実装型電子部品などの同軸コネクタを有しない電子部品は、同軸コネクタを有する治具に実装し、治具と測定装置の間を同軸ケーブルを介して接続して、電気特性が測定されることがある。このような測定においては、個々の治具の特性のばらつきや、個々の同軸ケーブル及び測定装置の特性のばらつきが、測定誤差の原因となる。
同軸ケーブル及び測定装置については、基準特性を有する標準器を同軸ケーブルを介して測定装置に接続して測定することにより、標準器を接続した同軸ケーブル先端よりも測定装置側の誤差を同定することができる。
しかし、治具については、電子部品を実装する部分の接続端子と同軸ケーブルに接続するための同軸コネクタとの間の電気特性の誤差を精度よく同定することができない。また、治具間の特性が一致するように調整することは容易ではない。特に広い帯域幅で、治具間の特性が一致するように治具を調整することは、極めて困難である。
そこで、標準試料を複数の治具に実装して測定し、治具間における測定値のばらつきから、ある治具(以下、「基準治具」という。)と他の治具(以下、「試験治具」という。)との間の相対的な誤差を補正する数式を予め導出しておき、この数式を用いて、任意の電子部品を試験治具に実装した状態で測定した結果から、その電子部品を基準治具に実装して測定したならば得られるであろう電気特性の推定値を算出することが提案されている。例えば、基準治具はユーザに対して電気特性を保証するために用い、試験治具は電子部品の製造工程における良品選別のための測定に用いる。具体的には、各ポートについて、試験治具誤差を除去する散乱行列と基準治具誤差の散乱行列を合成した散乱行列(これを、「相対補正アダプタ」という。)をそれぞれ導出する。その相対補正アダプタを、試験治具測定値の散乱行列に対し合成することで基準治具測定値を推定する。相対補正アダプタは、各ポートについて、それぞれ少なくとも3つの標準試料を、基準治具と試験治具の両方で測定し、この測定結果から計算できる(例えば、非特許文献1、2参照)。
GAKU KAMITANI(Murata manufacturing Co.,Ltd.) "A METHOD TO CORRECT DIFFERENCE OF IN−FIXTURE MEASUREMENTS AMONG FIXTURES ON RF DEVICES" APMC Vol.2, p1094−1097, 2003 J.P.DUNSMORE, L.BETTS (Agilent Technologies) "NEW METHODS FOR CORRELATING FIXTURED MEASUREMENTS" APMC Vol.1, p568−571, 2003
相対補正アダプタを導出するために、基本的には、1ポートに対して少なくとも3つの標準試料を用意する必要がある。2ポート系では6つ、3ポート系では9つ、・・・Nポート系ではN×3つの標準試料が必要となる。ただし、対象デバイスが大きい場合には、標準試料の各ポートのアイソレーションが取れるため、標準試料のそれぞれのポートに対して特性を割り振ることができ、標準試料の個数を削減することができる。例えば図1(a)に示すように、3ポート系に対して、3つの標準試料2,3,4まで削減することができる。
しかし、対象デバイスの小型化、多ポート化により、各ポート電極間の距離が狭くなると、標準試料は、標準試料における各ポートのアイソレーションを確保するため、測定を行うポート以外のポートについてすべてシールドを施すなどの工夫が必要となる。SHORT、LOAD、OPENのアイソレーションの確保は容易でないので、例えば図1(b)に示すように、3ポート系では、9つの標準試料2a,2b,2c,3a,3b,3c,4a,4b,4cを用意する必要がある。
対象デバイスの小型化、多ポート化が進むと、OPENのアイソレーションも確保できなくなるため、最悪、標準試料は(ポート数×3)個必要となる。つまり、対象デバイスの小型化、多ポート化が進むにつれて、測定すべき標準試料の個数が激増し、標準試料の管理が煩雑になり、標準試料の測定に要する工数が増大する。
本発明は、上記実情に鑑み、標準試料の測定を減らすことできる、測定誤差の補正方法及び電子部品特性測定装置を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した測定誤差の補正方法を提供する。
測定誤差の補正方法は、電子部品を試験治具に実装した状態で測定した結果から、当該電子部品を基準治具に実装した状態で測定したならば得られるであろう前記電子部品の電気特性の推定値を算出するタイプの測定誤差の補正方法である。前記測定誤差の補正方法は、第1〜第6のステップを含む。前記第1のステップでは、前記試験治具に実装した状態と前記基準治具に実装した状態で、対応する少なくとも1つのポート(以下、「特定ポート」という。)について、少なくとも3種類の補正データ取得用試料をそれぞれ測定する。前記第2のステップでは、前記第1のステップで得られた測定結果から、前記特定ポートについて前記試験治具及び前記基準治具の測定値を関係付ける第1の数式を決定する。前記第3のステップでは、前記試験治具に実装した状態と前記基準治具に実装した状態で、前記特定ポートと前記特定ポート以外の他のポートとの間を接続する補正データ取得用スルーデバイスをそれぞれ測定する。前記第4のステップでは、前記第2のステップで得られた前記第1の数式を用いて、前記第3のステップで得られた測定結果から、前記他のポートについて前記試験治具及び前記基準治具の測定値を関係付ける第2の数式を決定する。前記第5のステップでは、任意の電子部品を前記試験治具に実装した状態で測定する。前記第6のステップでは、前記第5のステップで得られた測定結果に基づいて、前記第2のステップで決定した前記第1の数式と前記第4のステップで決定した前記第2の数式とを用いて、当該電子部品を前記基準治具に実装して測定したならば得られるであろう前記電子部品の電気特性の推定値を算出する。
上記方法によれば、特定ポートについては、従来と同様に、少なくとも3種類の標準試料(補正データ取得用試料)を測定し、試験治具実装状態での測定値と基準治具実装状態での測定値とを関係付ける第1の数式を導出する。他のポートについては、従来と異なり、1つの標準試料(補正データ取得用スルーデバイス)のみを測定するだけで、試験治具実装状態での測定値と基準治具実装状態での測定値とを関係付ける第2の数式を導出することができる。つまり、他のポート(2以上でもよい)について、従来は1ポートごとに少なくとも3種類の標準試料を測定する必要があったが、上記方法では特定ポート以外は1ポートごとに1つの標準試料を測定するだけでよい。
好ましくは、前記第4のステップで決定される前記第2の数式は、前記特定ポートが補正データ取得用スルーデバイスの測定を4端子網で表した場合における左手側のポート(以下、「Lポート」という。)であり、前記他のポートが前記補正データ取得用スルーデバイスの測定を4端子網で表した場合における右手側のポート(以下、「Rポート」という。)であるとき、前記試験治具の前記他のポートから前記基準治具の前記他のポートへの伝送行列を用いて表すことができる。該伝送行列の係数Tc22,Tc23,Tc32,Tc33は、前記第3のステップで得られた測定結果から、前記第2のステップで決定された前記第1の数式を用いて算出した、前記基準治具の前記特定ポートから前記試験治具の前記他のポートへの伝送行列の係数T11I,T12I,T21I,T22Iと、前記第3のステップで得られた測定結果から算出した、前記基準治具の前記特定ポートから前記基準治具の前記他のポートへの伝送行列の係数T11D,T12D,T21D,T22Dとを用いて、
Figure 2006126144
のように表される。前記特定ポートがRポートであり、前記他のポートがLポートであるとき、前記基準治具の前記他のポートから前記試験治具の前記他のポートへの伝送行列を用いて表すことができる。該伝送行列の係数Tc00,Tc01,Tc10,Tc11は、前記第3のステップで得られた測定結果から、前記第2のステップで決定された前記第1の数式を用いて算出した、前記試験治具の前記他のポートから前記基準治具の前記特定ポートへの伝送行列の係数T11I',T12I',T21I',T22I'と、前記第3のステップで得られた測定結果から算出した、前記基準治具の前記他のポートから前記基準治具の前記特定ポートへの伝送行列の係数T11D',T12D',T21D',T22D'とを用いて、
Figure 2006126144
のように表される。
試験治具と基準治具の対応するポート間に相対補正アダプタが配置された誤差モデルを考えると、特定ポートがLポートであり、前記他のポートがRポートであるとき、基準治具の特定ポートから試験治具の他のポートへの伝送行列Tと試験治具の他のポートから基準治具の他のポートへの伝送行列Tとの積が、基準治具の特定ポートから基準治具の他のポートへの伝送行列Tに等しいので、次式(2a)のようになる。
=T・T ・・・(2a)
この式(2a)の両辺に左から、伝送行列Tの逆行列T −1をかけると、次式(3a)のようになり、上記式(1a)が導出される。
−1・T=T −1・T・T=T ・・・(3a)
一方、特定ポートがRポートであり、前記他のポートがLポートであるとき、基準治具の他のポートから試験治具の他のポートへの伝送行列Tと基準治具の他のポートから試験治具の他のポートへの伝送行列T'との積が、基準治具の他のポートから基準治具の特定ポートへの伝送行列T'に等しいので、次式(2b)のようになる。
'=T'・T'・・・(2b)
この式(2b)の両辺に右から、伝送行列T'の逆行列T'−1をかけると、次式(3b)のようになり、上記式(1b)が導出される。
'・T −1=T'・T'・T'−1=T' ・・・(3a)
好ましくは、前記第3のステップにおいて測定する前記補正データ取得用スルーデバイスは、前記特定ポートと前記他のポートとの間の伝達係数が−10dB以上である。
この場合、ポート間で出力信号は入力信号より1桁小さくなる程度であるので、測定誤差の補正を精度よく行うことができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した電子部品特性測定装置を提供する。
電子部品特性測定装置は、電子部品を試験治具に実装した状態で測定した結果から、当該電子部品を基準治具に実装した状態で測定したならば得られるであろう前記電子部品の電気特性の推定値を算出するタイプのものである。前記電子部品特性測定装置は、前記試験治具に実装した状態で前記電子部品を測定する測定手段と、前記基準治具に実装した状態で、少なくとも1つのポート(以下、「特定ポート」という。)について、少なくとも3種類の補正データ取得用試料をそれぞれ測定した第1の測定結果と、前記基準治具に実装した状態で、前記特定ポートと前記特定ポート以外の他のポートとの間を接続する補正データ取得用スルーデバイスを測定した第2の測定結果とを格納する記憶手段と、前記記憶手段に格納された前記第1の測定結果と、前記測定手段により、前記試験治具に実装した状態で、前記特定ポートについて、少なくとも3種類の前記補正データ取得用試料をそれぞれ測定した測定結果とから、前記特定ポートについて前記試験治具及び前記基準治具の測定値を関係付ける第1の数式を決定する第1の数式決定手段と、前記記憶手段に格納された前記第2の測定結果と、前記測定手段により、前記試験治具に実装した状態で、前記補正データ取得用スルーデバイスを測定した測定結果とから、前記他のポートについて前記試験治具及び前記基準治具の測定値を関係付ける第2の数式を決定する第2の数式決定手段と、前記測定手段により、任意の電子部品を前記試験治具に実装した状態で測定した測定結果に基づいて、前記第1の数式決定手段が決定した前記第1の数式と前記第2の数式決定手段が決定した前記第2の数式とを用いて、当該電子部品を前記基準治具に実装して測定したならば得られるであろう前記電子部品の電気特性の推定値を算出する、電気特性推定手段とを備える。
上記構成によれば、特定ポートについては、従来と同様に、少なくとも3種類の標準試料(補正データ取得用試料)を測定し、試験治具実装状態での測定値と基準治具実装状態での測定値とを関係付ける第1の数式を導出する。他のポートについては、従来と異なり、1つの標準試料(補正データ取得用スルーデバイス)のみを測定するだけで、試験治具実装状態での測定値と基準治具実装状態での測定値とを関係付ける第2の数式を導出することができる。つまり、他のポート(2以上でもよい)について、従来は1ポートごとに少なくとも3種類の標準試料を測定する必要があったが、上記構成によれば、1ポートごとに1つの標準試料(補正データ取得用スルーデバイス)を測定するだけでよい。
好ましくは、前記第2の数式決定手段が決定する前記第2の数式は、前記特定ポートが前記補正データ取得用スルーデバイスの測定を4端子網で表した場合における左手側のポート(以下、「Lポート」という。)であり、前記他のポートが前記補正データ取得用スルーデバイスの測定を4端子網で表した場合における右手側のポート(以下、「Rポート」という。)であるとき、前記試験治具の前記他のポートから前記基準治具の前記他のポートへの伝送行列を用いて表すことができる。このとき、該伝送行列の係数Tc22,Tc23,Tc32,Tc33は、前記記憶手段に格納された前記第2の測定結果と、前記試験治具に実装した状態で前記補正データ取得用スルーデバイスを前記測定手段により測定した測定結果とから、前記第1の数式決定手段が決定した前記第1の数式を用いて算出した、前記基準治具の前記特定ポートから前記試験治具の前記他のポートへの伝送行列の係数T11I,T12I,T21I,T22Iと、前記記憶手段に格納された前記第2の測定結果である、前記基準治具の前記特定ポートから前記基準治具の前記他のポートへの伝送行列の係数T11D,T12D,T21D,T22Dとを用いて、
Figure 2006126144
のように表される。一方、前記特定ポートがRポートであり、前記他のポートがLポートであるとき、前記基準治具の前記他のポートから前記試験治具の前記他のポートへの伝送行列を用いて表すことができる。このとき、該伝送行列の係数Tc00,Tc01,Tc10,Tc11は、前記記憶手段に格納された前記第2の測定結果と、前記試験治具に実装した状態で前記補正データ取得用スルーデバイスを前記測定手段により測定した測定結果とから、前記第1の数式決定手段が決定した前記第1の数式を用いて算出した、前記試験治具の前記他のポートから前記基準治具の前記特定のポートへの伝送行列の係数T11I',T12I',T21I',T22I'と、前記記憶手段に格納された前記第2の測定結果である、前記基準治具の前記他のポートから前記基準治具の前記特定ポートへの伝送行列の係数T11D',T12D',T21D',T22D'とを用いて、
Figure 2006126144
のように表される。
好ましくは、前記補正データ取得用スルーデバイスは、前記特定ポートと前記他のポートとの間の伝達係数が−10dB以上である。
また、本発明は、以下のように構成した電子部品特性測定装置を提供する。
電子部品特性測定装置は、電子部品を試験治具に実装した状態で測定した結果から、当該電子部品を基準治具に実装した状態で測定したならば得られるであろう前記電子部品の電気特性の推定値を算出するものである。電子部品特性測定装置は、前記試験治具に実装した状態で前記電子部品を測定する測定手段と、前記基準治具に実装した状態で、少なくとも1つのポート(以下、「特定ポート」という。)について、少なくとも3種類の補正データ取得用試料をそれぞれ測定した第1の測定結果と、前記測定手段により、前記試験治具に実装した状態で、前記特定ポートについて、少なくとも3種類の前記補正データ取得用試料をそれぞれ測定した測定結果とから決定された、前記特定ポートについて前記試験治具及び前記基準治具の測定値を関係付ける第1の数式と、前記基準治具に実装した状態で、前記特定ポートと前記特定ポート以外の他のポートとの間を接続する補正データ取得用スルーデバイスを測定した第2の測定結果と、前記測定手段により、前記試験治具に実装した状態で、前記補正データ取得用スルーデバイスを測定した測定結果とから決定された、前記他のポートについて前記試験治具及び前記基準治具の測定値を関係付ける第2の数式とを記憶する数式記憶手段と、前記測定手段により、任意の電子部品を前記試験治具に実装した状態で測定した測定結果に基づいて、前記数式記憶手段に記憶された前記第1の数式及び前記第2の数式を用いて、当該電子部品を前記基準治具に実装して測定したならば得られるであろう前記電子部品の電気特性の推定値を算出する、電気特性推定手段とを備える。
好ましくは、前記数式記憶手段が記憶する前記第2の数式は、前記特定ポートが前記補正データ取得用スルーデバイスの測定を4端子網で表した場合における左手側のポート(以下、「Lポート」という。)であり、前記他のポートが補正データ取得用スルーデバイスの測定を4端子網で表した場合における右手側のポート(以下、「Rポート」という。)であるとき、前記試験治具の前記他のポートから前記基準治具の前記他のポートへの伝送行列を用いて表すことができる。このとき、該伝送行列の係数Tc22,Tc23,Tc32,Tc33は、前記試験治具に実装した状態で前記補正データ取得用スルーデバイスを前記測定手段により測定した測定結果から、前記数式記憶手段が記憶している前記第1の数式を用いて算出した、前記基準治具の前記特定ポートから前記試験治具の前記他のポートへの伝送行列の係数T11I,T12I,T21I,T22Iと、前記第2の測定結果である、前記基準治具の前記特定ポートから前記基準治具の前記他のポートへの伝送行列の係数T11D,T12D,T21D,T22Dとを用いて、
Figure 2006126144
のように表される。一方、前記特定ポートがRポートであり、前記他のポートがLポートであるとき、前記基準治具の前記他のポートから前記試験治具の前記他のポートへの伝送行列を用いて表すことができる。このとき、該伝送行列の係数Tc00,Tc01,Tc10,Tc11は、前記試験治具に実装した状態で前記補正データ取得用スルーデバイスを前記測定手段により測定した測定結果から、前記第1の数式を用いて算出した、前記試験治具の前記他のポートから前記基準治具の前記特定のポートへの伝送行列の係数T11I',T12I',T21I',T22I'と、前記第2の測定結果である、前記基準治具の前記他のポートから前記基準治具の前記特定ポートへの伝送行列の係数T11D',T12D',T21D',T22D'とを用いて、
Figure 2006126144
のように表される。
好ましくは、前記補正データ取得用スルーデバイスは、前記特定ポートと前記他のポートとの間の伝達係数が−10dB以上である。
本発明の測定誤差の補正方法及び電子部品特性測定装置は、標準試料の測定を減らすことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図2〜図10を参照しながら説明する。
図2(a)及び(b)に示すように、電子部品は、異なる測定系10,20で測定する。いずれの測定系10,20においても、治具16,26の実装部18,28に電子部品を実装した状態で、測定装置12,22を用いて電気特性の測定を行う。測定時には、治具16,26に設けられた同軸コネクタ17a,17b,17c;27a,27b,27cに、測定装置12,22に接続された同軸ケーブル13a,13b,13c;23a,23b,23cの先端に設けられた同軸コネクタ14a,14b,14c;24a,24b,24cを接続する。
図示していないが、治具16,26の実装部18,28には、電子部品の各端子にそれぞれ圧接する接続端子が設けられ、その接続端子が同軸コネクタ17a,17b,17c;27a,27b,27cにそれぞれ電気的に接続されている。
測定装置12,22は、予め、同軸コネクタ14a,14b,14c;24a,24b,24cに、既知の電気特性を有する標準器(例えば、同軸形状の電子部品)を接続してキャリブレーションを行う。
測定装置12,22には、例えばベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)を用いる。VNAは、複数のポートを有し高周波で用いられる電子部品の電気特性を単に測定するだけでなく、測定した生データを任意に設定したプログラムにより演算して出力する機能も備えている。
一方の測定系10の治具16(以下、「基準治具16」と言う。)は、例えばユーザに対して電気特性を保証するために用いる。他方の測定系20の治具26(以下、「試験治具26」と言う。)は、例えば電子部品の製造工程における良品選別のための測定に用いる。
基準治具16に実装して測定系10で測定したとき(以下、「基準状態」ともいう。)の電子部品の電気特性の測定結果と、試験治具26に実装して測定系20で測定したとき(以下、「試験状態」ともいう。)の電子部品の電気特性の測定結果とは、それぞれ測定誤差を含む。同軸コネクタ14a,14b,14c;24a,24b,24cよりも測定装置12,22側は、予めキャリブレーションを行っているので、治具16,26の測定誤差を相対補正法によって補正する。すなわち、予め、治具16,26間の相対的な測定誤差を補正する数式を導出しておく。そして、任意の電子部品について、試験治具26に実装して測定した結果から、導出した数式を用いて、その電子部品を基準治具16に実装して測定したならば得られるであろう電気特性を推定する。
次に、電子部品を試験治具26に実装した試験状態の測定結果から、基準治具16に実装した基準状態の電気特性を推定する方法の基本原理について、説明する。
以下では、簡単のため、2ポート間の電気特性について2端子対回路を例に説明するが、n端子対回路(nは、1、又は3以上の整数)に対しても拡張することができる。
図3(a)は、2ポートの電子部品(以下、「試料DUT」と言う。)を実装した基準治具16の2端子対回路を示す。試料DUTの特性を散乱行列(SDUT)で表している。基準治具16における同軸コネクタと試料DUTのポートとの間の誤差特性を散乱行列(ED1),(ED2)で表している。回路の両側の端子において、基準治具に試料DUTを実装した基準状態での測定値S11D,S21Dが得られる。
図3(b)は、試料DUTを実装した試験治具26の2端子対回路を示す。試料DUTの特性を散乱行列(SDUT)で表している。試験治具26における同軸コネクタと試料DUTのポートとの間の誤差特性を散乱行列(ET1),(ET2)で表している。回路の両側の端子において、試験治具に試料DUTを実装した基準状態での測定値S11T,S21Tが得られる。
図3(c)は、図3(b)の回路の両側に、誤差特性(ET1),(ET2)を中和するアダプタ(ET1−1,(ET2−1を接続した状態を示す。このアダプタ(ET1−1,(ET2−1は、理論上は、誤差特性の散乱行列(ET1),(ET2)を伝送行列に変換し、その逆行列を求め、再度散乱行列に変換することにより得られる。誤差特性(ET1),(ET2)とアダプタ(ET1−1,(ET2−1との間の境界部分30,32において、試験治具26に試料DUTを実装した試験状態の測定値S11T,S21Tが得られる。図3(c)の回路は、試験治具26の誤差が除去され、回路の両側の端子において、試料DUTそのものの測定値S11DUT,S21DUTが得られる。
図3(c)の回路は試料DUTのみと等価であるので、図3(a)と同様に、両側に、基準治具16の誤差特性の散乱行列(ED1),(ED2)を接続すると、図4(a)のようになる。
図4(a)において符号34で示した(ED1),(ET1−1を合成した散乱行列を(CA1)とし、符号36で示した(ET2−1,(ED2)を合成した散乱行列を(CA2)とすると、図4(b)のようになる。これらの散乱行列(CA1),(CA2)は、いわゆる「相対補正アダプタ」であり、試験状態の測定値S11T,S21Tと基準状態の測定値S11D,S21Dとを関係付ける。したがって、相対補正アダプタ(CA1),(CA2)が決まれば、任意の電子部品を試験治具に実装した状態での測定値S11T,S21Tから、相対補正アダプタ(CA1),(CA2)を用いて、基準治具に実装した状態の測定値S11D,S21Dを算出(推定)することができる。
各相対補正アダプタ(CA1),(CA2)は、それぞれ、4つの係数c00,c01,c10,c11;c22,c23,c32,c33を含むが、相反定理により、c01=c10、c23=c32となる。したがって、従来は、各ポートについて、特性の異なった3種類の1ポート標準試料を基準治具16と基準治具26とに実装して測定し、各係数c00,c01,c10,c11;c22,c23,c32,c33を決定していた。
これに対し、本発明では、一つのポート(以下、「特定ポート」という。)の相対補正アダプタについては、従来と同様に、3種類の標準試料を基準治具16と基準治具26とに実装して測定し、各係数を決定する。他のポートの相対補正アダプタは、1つの標準試料(特定ポートと他のポートとの間を接続するスルーデバイス)を、基準治具16と基準治具26とに実装して測定することにより、求める。
すなわち、スルーデバイスの測定時には、図4(b)に対応する回路は、図5a、図5bに示すようになる。図中、(STH)はスルーデバイスの散乱行列である。以下では、スルーデバイスの測定を4端子網で表した場合における左手側のポートを「Lポート」、右手側のポートを「Rポート」という。
Lポートが特定ポートである場合、図5aに示すように、スルーデバイスを試験治具に実装したときの測定値S11T,S21Tと、特定ポートの相対補正アダプタ(CA1)とから、基準治具のLポートから試験治具のRポートへの伝送行列Tの各係数T11I,T12I,T21I,T22Iを求めることができる。また、基準治具にスルーデバイスを実装したときの測定値から、基準治具のLポートから基準治具のRポートへの伝送行列Tの各係数T11D,T12D,T21D,T22Dを求めることができる。試験治具のRポートから基準治具のRポートへの伝送行列Tの各係数をTc22,Tc23,Tc32,Tc33とする。
基準治具のLポートから試験治具のRポートへの伝送行列Tと、試験治具のRポートから基準治具のRポートへの伝送行列Tとの積は、基準治具のLポートから基準治具のRポートへの伝送行列Tに等しいので、次式(4)のようになる。
・T=T ・・・(4)
この式(4)の両辺に左から、伝送行列Tの逆行列T −1をかけると、次式(5)のようになる。
=T −1・T ・・・(5)
つまり、次式(6)のようになる。
Figure 2006126144
この式(6)から伝送行列Tを求めて散乱行列に変換することにより、補正アダプタ(CA2)を求めることができる。補正アダプタ(CA2)は、特定ポートの補正アダプタ(CA1)と同様に、標準試料やスルーデバイスの真値が不明であっても、求めることができる。
スルーデバイスにて相対補正アダプタを導出するRポートについては、治具誤差要因に方向性(c23≠c32)があっても問題とならない。具体的には、治具にアンプが実装されている場合等にも相対補正法が実施できる。
一方、Rポートが特定ポートである場合、図5bに示すように、スルーデバイスを試験治具に実装したときの測定値S11T,S21Tと、特定ポートの相対補正アダプタ(CA2)とから、試験治具のLポートから基準治具のRポートへの伝送行列T'の各係数T11I',T12I',T21I',T22I'を求めることができる。また、基準治具にスルーデバイスを実装したときの測定値から、基準治具のLポートから基準治具のRポートへの伝送行列Tの各係数T11D,T12D,T21D,T22Dを求めることができる。基準治具のLポートから基準治具のRポートへの伝送行列Tの各係数をTc00,Tc01,Tc10,Tc11とする。
基準治具のLポートから試験治具のLポートへの伝送行列T'と試験治具のLポートから基準治具のRポートへの伝送行列T'との積は、基準治具のLポートから基準治具のRポートへの伝送行列Tに等しいので、次式(7)のようになる。
'・T'=T ・・・(7)
この式(4)の両辺に右から、伝送行列T'の逆行列T'−1をかけると、次式(8)のようになる。
'=T・T'−1 ・・・(8)
つまり、次式(9)のようになる。
Figure 2006126144
この式(9)から伝送行列T'を求めて散乱行列に変換することにより、補正アダプタ(CA1)を求めることができる。補正アダプタ(CA1)は、特定ポートの補正アダプタ(CA2)と同様に、標準試料やスルーデバイスの真値が不明であっても、求めることができる。
スルーデバイスにて相対補正アダプタを導出するLポートについては、治具誤差要因に方向性(c01≠c10)があっても問題とならない。具体的には、治具にアンプが実装されている場合等にも相対補正法が実施できる。
以上、2ポートを例に説明したが、3ポート以上の場合も同様の手順により、相対アダプタを求め、その相対アダプタを用いて、任意の電子部品について、試験治具に実装した状態での測定値から、基準治具に実装したならば得られるであろう測定値を算出(推定)することができる。
例えば3ポートの場合、図6に示したように、ポート1については、3種類の標準試料40,42,44について、試験治具と基準治具にそれぞれ実装して測定し、相対補正アダプタを算出する。ポート2については、ポート1,2間を接続する1種類の標準試料、すなわちスルーデバイス46について、試験治具と基準治具にそれぞれ実装して測定し、相対補正アダプタを算出する。ポート3については、ポート1,3間を接続する1種類の標準試料48について、試験治具と基準治具にそれぞれ実装して測定し、相対補正アダプタを算出する。なお、ポート2についての相対補正アダプタが求まれば、ポート3については、ポート2,3間を接続するスルーデバイスを用いても、相対補正アダプタを求めることができる。この場合、ポート1,3間を接続するスルーデバイス46を用いる場合よりも誤差が累積する。
次に、測定装置12,22の構成について、図10のブロック図を参照しながら説明する。
測定装置12,22は、表示部52と、操作部54と、測定部56と、制御部58と、記憶部60と、演算部62と、インターフェース部64とを備える。
表示部52は、表示パネル等を含み、測定装置12,22の動作状況や操作指示などを表示する。操作部54は、ボタンやスイッチなどを含み、オペレータからの電子部品測定装置12,22に対する操作を受け付ける。測定部56は、同軸ケーブル13a〜13c;23a〜23c及び治具16,26を介して電子部品の端子に接続され、電子部品の端子を適宜に選択して信号を入力し出力信号を測定する。制御部58は、測定装置12,22全体の制御を統括する。記憶部60には、制御部58や演算部62を動作させるためのプログラム、測定部56からの測定データ、演算部62の演算結果データなどが格納される。演算部62は、測定部56からのデータや記憶部60に格納されたデータを用い、所定のプログラムに従って演算を行う。インターフェース部64は、外部機器とデータを送受信するためのインターフェースであり、記憶部60に格納するためのデータやプログラムや、演算部62からの演算結果データなどを受け付け、入出力を行う。
測定装置12,22は、記憶部60に格納されたプログラムに従って動作する。測定装置12,22は、校正モードと測定モードを含む複数の動作モードで動作させることができる。
校正モードでは、基準治具16と試験治具26との間の相対的な測定誤差を補正するためのデータを取得し、電気特性を推定するための数式を決定する。すなわち、測定部56は、基準治具16や試験治具26に標準試料やスルーデバイスが実装された状態で、順次、電気特性の測定を行う。このとき、例えば表示部52に測定対象が表示される。オペレータは、表示された測定対象の準備が完了すると、操作部54を操作する。この操作を操作部54が受け付けると、測定部56は測定を開始し、測定データは記憶部60に格納される。演算部62は、記憶部60に格納された測定データを、適宜なタイミングで読み出して、補正アダプタ(CA1),(CA2)などについて演算し、電気特性を推定するための数式を決定する。このようにして決定されて数式は、記憶部60に格納される。
測定モードでは、試験治具26を用いた試験状態の測定データから、基準治具16を用いた基準状態での電気特性を推定する。すなわち、測定部56は、試験治具26に任意の電子部品が実装された状態で測定を行う。演算部62は、測定部56からの測定データから、その電子部品の電気特性の推定値を算出する。このとき、演算部62は、校正モードで決定された数式を記憶部60から読み出し、その数式を用いて、電子部品の電気特性の推定値を算出する。算出された推定値は、表示部52に表示されたり、インターフェース部64から外部機器に出力されたりする。
なお、標準試料やスルーデバイスを基準治具16に実装して測定したデータは、試験治具26を含む測定系20の測定装置22の記憶部60に記憶しておくようにしてもよい。この場合、校正モードにおいて、標準試料やスルーデバイスを試験治具26に実装したときの測定値は測定装置22を用いて測定し、基準治具16に実装したときの測定値については、記憶部60に記憶されているデータを用いる。個々の測定装置22で標準試料やスルーデバイスを基準治具16に実装して測定する必要がないので、測定装置22の台数を容易に増やすことができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
図7に示した3ポートの試料40を試験治具及び基準治具に実装し、ポート1に正弦波信号を印加し、ポート1の反射波S11と、ポート2の伝送波S21とを測定し、試験治具に実装したときの測定値を基準治具に実装したときの測定値に補正した結果を、試験治具に実装したときの実測値と比較した。実験結果を図8に示す。
実験条件は、以下の通りである。
(試料) 不平衡−平衡出力2.4GHz帯LCフィルタ
(測定装置) E8364B(Agilent Technologies製 50GHz ネットワークアナライザ)
(周波数範囲) 500MHz〜3.5GHz
(データ点数) 801点
(IF帯域幅) 1kHz
(基準治具) 2ポート系で測定するために、ポート3にOPENを取り付けたもの。(試験治具) 基準治具に対し、治具間差異として、ポート1及びポート2にそれぞれ3dBのATTを接続したもの。
(標準試料) ポート1は、OPEN、SHORT、LOADの3種類の1ポート標準試料。ポート2は、ポート1とポート2を接続したスルーデバイス標準試料。
比較例として、図9に、従来の方法による補正結果を示す。比較例では、6つの標準試料、すなわち、ポート1及びポート2についてそれぞれ3種類の1ポート標準試料を測定して相対補正アダプタを求め、それを用いて、試験治具に実装したときの測定値を基準治具に実装したときの測定値に補正した。
ポート1,2とも標準試料を3つずつ使用する従来法と、ポート1は3つの標準試料、ポート2は1つの標準試料を使用する本発明の方法とを比較すると、図8及び図9から、同程度の補正結果であることがわかる。これにより、本発明の方法によっても、補正アダプタが導出可能であることが確認できた。
以上に説明したように、本発明の測定誤差の補正方法及び電子部品特性測定装置は、標準試料の測定を減らすことできるので、デバイスが小型化、多ポート化しても、測定準備に要する工数を減らし、標準試料を管理する手間を軽減することができる。
なお、本発明は、上記実施形態や実施例に限定されるものではなく、種々の変形を加えて実施することができる。
標準試料の説明図である。(従来例) 測定系の構成図である。(実施例) 誤差補正の基本原理を示す2端子対回路図である。(実施例) 誤差補正の基本原理を示す2端子対回路図である。(実施例) 誤差補正の基本原理を示す2端子対回路図である。(実施例) 誤差補正の基本原理を示す2端子対回路図である。(実施例) 標準試料の説明図である。(実施例) 試料の端子配置図である。(実施例) 電子部品の特性図である。(実施例) 電子部品の特性図である。(比較例) 測定装置のブロック図である。(実施例)
符号の説明
12 測定装置(電子部品特性測定装置)
16 基準治具
26 基準治具
40,42,44 標準試料(補正データ取得用試料)
46,48 スルーデバイス(補正データ取得用スルーデバイス)
52 表示部
54 操作部
56 測定部(測定手段)
58 制御部
60 記憶部(記憶手段)
62 演算部(第1の数式決定手段、第2の数式決定手段、電気特性推定手段)
64 インターフェース部

Claims (9)

  1. 電子部品を試験治具に実装した状態で測定した結果から、当該電子部品を基準治具に実装した状態で測定したならば得られるであろう前記電子部品の電気特性の推定値を算出する、測定誤差の補正方法であって、
    前記試験治具に実装した状態と前記基準治具に実装した状態で、対応する少なくとも1つのポート(以下、「特定ポート」という。)について、少なくとも3種類の補正データ取得用試料をそれぞれ測定する第1のステップと、
    前記第1のステップで得られた測定結果から、前記特定ポートについて前記試験治具及び前記基準治具の測定値を関係付ける第1の数式を決定する第2のステップと、
    前記試験治具に実装した状態と前記基準治具に実装した状態で、前記特定ポートと前記特定ポート以外の他のポートとの間を接続する補正データ取得用スルーデバイスをそれぞれ測定する第3のステップと、
    前記第2のステップで得られた前記第1の数式を用いて、前記第3のステップで得られた測定結果から、前記他のポートについて前記試験治具及び前記基準治具の測定値を関係付ける第2の数式を決定する第4のステップと、
    任意の電子部品を前記試験治具に実装した状態で測定する第5のステップと、
    前記第5のステップで得られた測定結果に基づいて、前記第2のステップで決定した前記第1の数式と前記第4のステップで決定した前記第2の数式とを用いて、当該電子部品を前記基準治具に実装して測定したならば得られるであろう前記電子部品の電気特性の推定値を算出する第6のステップとを含むことを特徴とする、測定誤差の補正方法。
  2. 前記第4のステップで決定される前記第2の数式は、
    前記特定ポートが前記補正データ取得用スルーデバイスの測定を4端子網で表した場合における左手側のポート(以下、「Lポート」という。)であり、前記他のポートが前記補正データ取得用スルーデバイスの測定を4端子網で表した場合における右手側のポート(以下、「Rポート」という。)であるとき、前記試験治具の前記他のポートから前記基準治具の前記他のポートへの伝送行列を用いて表すことができ、該伝送行列の係数Tc22,Tc23,Tc32,Tc33は、
    前記第3のステップで得られた測定結果から、前記第2のステップで決定された前記第1の数式を用いて算出した、前記基準治具の前記特定ポートから前記試験治具の前記他のポートへの伝送行列の係数T11I,T12I,T21I,T22Iと、
    前記第3のステップで得られた測定結果から算出した、前記基準治具の前記特定ポートから前記基準治具の前記他のポートへの伝送行列の係数T11D,T12D,T21D,T22Dとを用いて、
    Figure 2006126144
    のように表され、
    前記特定ポートがRポートであり、前記他のポートがLポートであるとき、前記基準治具の前記他のポートから前記試験治具の前記他のポートへの伝送行列を用いて表すことができ、該伝送行列の係数Tc00,Tc01,Tc10,Tc11は、
    前記第3のステップで得られた測定結果から、前記第2のステップで決定された前記第1の数式を用いて算出した、前記試験治具の前記他のポートから前記基準治具の前記特定ポートへの伝送行列の係数T11I',T12I',T21I',T22I'と、
    前記第3のステップで得られた測定結果から算出した、前記基準治具の前記他のポートから前記基準治具の前記特定ポートへの伝送行列の係数T11D',T12D',T21D',T22D'とを用いて、
    Figure 2006126144
    のように表されることを特徴とする、請求項1に記載の測定誤差の補正方法。
  3. 前記第3のステップにおいて測定する前記補正データ取得用スルーデバイスは、前記特定ポートと前記他のポートとの間の伝達係数が−10dB以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の測定誤差の補正方法。
  4. 電子部品を試験治具に実装した状態で測定した結果から、当該電子部品を基準治具に実装した状態で測定したならば得られるであろう前記電子部品の電気特性の推定値を算出する、電子部品特性測定装置であって、
    前記試験治具に実装した状態で前記電子部品を測定する測定手段と、
    前記基準治具に実装した状態で、少なくとも1つのポート(以下、「特定ポート」という。)について、少なくとも3種類の補正データ取得用試料をそれぞれ測定した第1の測定結果と、前記基準治具に実装した状態で、前記特定ポートと前記特定ポート以外の他のポートとの間を接続する補正データ取得用スルーデバイスを測定した第2の測定結果とを格納する記憶手段と、
    前記記憶手段に格納された前記第1の測定結果と、前記測定手段により、前記試験治具に実装した状態で、前記特定ポートについて、少なくとも3種類の前記補正データ取得用試料をそれぞれ測定した測定結果とから、前記特定ポートについて前記試験治具及び前記基準治具の測定値を関係付ける第1の数式を決定する第1の数式決定手段と、
    前記記憶手段に格納された前記第2の測定結果と、前記測定手段により、前記試験治具に実装した状態で、前記補正データ取得用スルーデバイスを測定した測定結果とから、前記他のポートについて前記試験治具及び前記基準治具の測定値を関係付ける第2の数式を決定する第2の数式決定手段と、
    前記測定手段により、任意の電子部品を前記試験治具に実装した状態で測定した測定結果に基づいて、前記第1の数式決定手段が決定した前記第1の数式と前記第2の数式決定手段が決定した前記第2の数式とを用いて、当該電子部品を前記基準治具に実装して測定したならば得られるであろう前記電子部品の電気特性の推定値を算出する、電気特性推定手段とを備えたことを特徴とする、電子部品特性測定装置。
  5. 前記第2の数式決定手段が決定する前記第2の数式は、
    前記特定ポートが前記補正データ取得用スルーデバイスの測定を4端子網で表した場合における左手側のポート(以下、「Lポート」という。)であり、前記他のポートが前記補正データ取得用スルーデバイスの測定を4端子網で表した場合における右手側のポート(以下、「Rポート」という。)であるとき、前記試験治具の前記他のポートから前記基準治具の前記他のポートへの伝送行列を用いて表すことができ、該伝送行列の係数Tc22,Tc23,Tc32,Tc33は、
    前記記憶手段に格納された前記第2の測定結果と、前記試験治具に実装した状態で前記補正データ取得用スルーデバイスを前記測定手段により測定した測定結果とから、前記第1の数式決定手段が決定した前記第1の数式を用いて算出した、前記基準治具の前記特定ポートから前記試験治具の前記他のポートへの伝送行列の係数T11I,T12I,T21I,T22Iと、
    前記記憶手段に格納された前記第2の測定結果である、前記基準治具の前記特定ポートから前記基準治具の前記他のポートへの伝送行列の係数T11D,T12D,T21D,T22Dとを用いて、
    Figure 2006126144
    のように表され、
    前記特定ポートがRポートであり、前記他のポートがLポートであるとき、前記基準治具の前記他のポートから前記試験治具の前記他のポートへの伝送行列を用いて表すことができ、該伝送行列の係数Tc00,Tc01,Tc10,Tc11は、
    前記記憶手段に格納された前記第2の測定結果と、前記試験治具に実装した状態で前記補正データ取得用スルーデバイスを前記測定手段により測定した測定結果とから、前記第1の数式決定手段が決定した前記第1の数式を用いて算出した、前記試験治具の前記他のポートから前記基準治具の前記特定のポートへの伝送行列の係数T11I',T12I',T21I',T22I'と、
    前記記憶手段に格納された前記第2の測定結果である、前記基準治具の前記他のポートから前記基準治具の前記特定ポートへの伝送行列の係数T11D',T12D',T21D',T22D'とを用いて、
    Figure 2006126144
    のように表されることを特徴とする、請求項4に記載の電子部品特性測定装置。
  6. 前記補正データ取得用スルーデバイスは、前記特定ポートと前記他のポートとの間の伝達係数が−10dB以上であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の電子部品特性測定装置。
  7. 電子部品を試験治具に実装した状態で測定した結果から、当該電子部品を基準治具に実装した状態で測定したならば得られるであろう前記電子部品の電気特性の推定値を算出する、電子部品特性測定装置であって、
    前記試験治具に実装した状態で前記電子部品を測定する測定手段と、
    前記基準治具に実装した状態で、少なくとも1つのポート(以下、「特定ポート」という。)について、少なくとも3種類の補正データ取得用試料をそれぞれ測定した第1の測定結果と、前記測定手段により、前記試験治具に実装した状態で、前記特定ポートについて、少なくとも3種類の前記補正データ取得用試料をそれぞれ測定した測定結果とから決定された、前記特定ポートについて前記試験治具及び前記基準治具の測定値を関係付ける第1の数式と、前記基準治具に実装した状態で、前記特定ポートと前記特定ポート以外の他のポートとの間を接続する補正データ取得用スルーデバイスを測定した第2の測定結果と、前記測定手段により、前記試験治具に実装した状態で、前記補正データ取得用スルーデバイスを測定した測定結果とから決定された、前記他のポートについて前記試験治具及び前記基準治具の測定値を関係付ける第2の数式とを記憶する数式記憶手段と、
    前記測定手段により、任意の電子部品を前記試験治具に実装した状態で測定した測定結果に基づいて、前記数式記憶手段に記憶された前記第1の数式及び前記第2の数式を用いて、当該電子部品を前記基準治具に実装して測定したならば得られるであろう前記電子部品の電気特性の推定値を算出する、電気特性推定手段とを備えたことを特徴とする、電子部品特性測定装置。
  8. 前記数式記憶手段が記憶する前記第2の数式は、
    前記特定ポートが前記補正データ取得用スルーデバイスの測定を4端子網で表した場合における左手側のポート(以下、「Lポート」という。)であり、前記他のポートが前記補正データ取得用スルーデバイスの測定を4端子網で表した場合における右手側のポート(以下、「Rポート」という。)であるとき、前記試験治具の前記他のポートから前記基準治具の前記他のポートへの伝送行列を用いて表すことができ、該伝送行列の係数Tc22,Tc23,Tc32,Tc33は、
    前記試験治具に実装した状態で前記補正データ取得用スルーデバイスを前記測定手段により測定した測定結果から、前記数式記憶手段が記憶している前記第1の数式を用いて算出した、前記基準治具の前記特定ポートから前記試験治具の前記他のポートへの伝送行列の係数T11I,T12I,T21I,T22Iと、
    前記第2の測定結果である、前記基準治具の前記特定ポートから前記基準治具の前記他のポートへの伝送行列の係数T11D,T12D,T21D,T22Dとを用いて、
    Figure 2006126144
    のように表され、
    前記特定ポートがRポートであり、前記他のポートがLポートであるとき、前記基準治具の前記他のポートから前記試験治具の前記他のポートへの伝送行列を用いて表すことができ、該伝送行列の係数Tc00,Tc01,Tc10,Tc11は、
    前記試験治具に実装した状態で前記補正データ取得用スルーデバイスを前記測定手段により測定した測定結果から、前記第1の数式を用いて算出した、前記試験治具の前記他のポートから前記基準治具の前記特定のポートへの伝送行列の係数T11I',T12I',T21I',T22I'と、
    前記第2の測定結果である、前記基準治具の前記他のポートから前記基準治具の前記特定ポートへの伝送行列の係数T11D',T12D',T21D',T22D'とを用いて、
    Figure 2006126144
    のように表されることを特徴とする、請求項7に記載の電子部品特性測定装置。
  9. 前記補正データ取得用スルーデバイスは、前記特定ポートと前記他のポートとの間の伝達係数が−10dB以上であることを特徴とする、請求項7又は8に記載の電子部品特性測定装置。
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