JP2006124648A - 樹脂組成物、樹脂層、樹脂層付きキャリア材料および回路基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の樹脂組成物は、回路基板の樹脂層を構成する樹脂組成物であって、環状オレフィン系樹脂と、ビニルエーテル基を有する化合物とを含む。また、本発明の樹脂層は、上記に記載の樹脂組成物で構成されている。また、本発明の樹脂層付きキャリア材料は、上記に記載の樹脂層が、キャリア材料の少なくとも片面に形成されている。また、本発明の回路基板は、上記に記載の樹脂層を有する。
【選択図】 図1
Description
また、各種被着体への密着性が低いため、実装信頼性や接続信頼性等も課題となっている。そのため環状オレフィン系樹脂の接着性を向上させるため、プライマー処理を施し被着体の表面処理する方法がある。(例えば、特許文献2参照)
また、本発明の目的は、誘電特性および密着性に優れる樹脂層を提供することにある。
また、本発明の目的は、誘電特性および密着性に優れる樹脂層付きキャリア材料を提供することにある。
また、本発明の目的は、誘電特性、実装信頼性および層間接続信頼性に優れた回路基板を提供することにある。
[1] 回路基板の樹脂層を構成する樹脂組成物であって、
環状オレフィン系樹脂と、ビニルエーテル基を有する化合物とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
[2] 前記樹脂組成物は、さらに無機充填材を含むものである[1]項に記載の樹脂組成物。
[3] 前記ビニルエーテル基を有する化合物は、ビニルエーテル基を有する脂環式炭化水素である[1]または[2]項に記載の樹脂組成物。
[4] 前記ビニルエーテル基を有する化合物は、下記式(1-1)および(1-2)で表されるものの中から選ばれる1種以上である[1][2]または[3]項に記載の樹脂組成物。
[6] 前記ビニルエーテル基を有する化合物は、ビニルエーテル基を有する芳香族化合物である[1]または[2]項に記載の樹脂組成物。
[7] 前記ビニルエーテル基を有する化合物は、下記式(1-3)で表されるものである[1][2]または[6]項に記載の樹脂組成物。
[9] 前記ビニルエーテル基を有する化合物の沸点が、180℃以上である[1]ないし[8]項のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10] 前記ビニルエーテル基を有する化合物の含有量は、前記環状オレフィン系樹脂100重量部に対して3〜50重量部である[1]ないし[9]項のいずれかに記載の樹脂組成物。
[11] 前記環状オレフィン系樹脂は、エポキシ基を有するものを含むものである[1]ないし[10]項のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12] 前記環状オレフィン系樹脂は、ノルボルネン系樹脂を含むものである[1]ないし[11]項のいずれかに記載の樹脂組成物。
[13] 前記ノルボルネン系樹脂は、下記式(3)で表される繰り返し単位を有するものである[12]項に記載の樹脂組成物。
[15] [14]項に記載の樹脂層が、キャリア材料の少なくとも片面に形成されていることを特徴とする樹脂層付きキャリア材料。
[16] [15]項に記載の樹脂層を有することを特徴とする回路基板。
また、本発明によれば、誘電特性および密着性に優れる樹脂層を提供することができる。
また、本発明によれば、誘電特性、密着性および加工性に優れる樹脂層付きキャリア材料を提供することができる。
また、本発明によれば、誘電特性、実装信頼性および層間接続信頼性に優れた回路基板を提供することができる。
また、前記環状オレフィン系樹脂としてノルボルネン系樹脂の付加(共)重合体を用いた場合、特に耐熱性および電気特性に優れる。
また、前記ビニルエーテル基を有する化合物がビニルエーテル基を有する脂環式炭化水素である場合、環状オレフィン系樹脂との相性性および耐熱性を特に向上することができる。
また、前記ビニルエーテル基を有する化合物が、ビニルエーテル基を有するアダマンタン誘導体である場合、特に電気特性に優れる。
また、前記ビニルエーテル基を有する化合物が、数平均分子量が500〜5000の範囲にあるオリゴマーである場合、特に加工性を向上することができる。
本発明の樹脂組成物は、回路基板の樹脂層を構成する樹脂組成物であって、環状オレフィン系樹脂と、ビニルエーテル基を有する化合物とを含むことを特徴とする。
また、本発明の樹脂層は、上記に記載の樹脂組成物で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の樹脂層付きキャリア材料は、上記に記載の樹脂層が、キャリア材料の少なくとも片面に形成されていることを特徴とする。
また、本発明の回路基板は、上記に記載の樹脂層を有することを特徴とする。
本発明の樹脂組成物は、回路基板の樹脂層を構成するものである。電気信号の高速伝送化が要求される回路基板に、電気特性が優れる樹脂層を提供するためである。
前記樹脂組成物は、環状オレフィン系樹脂を含む。これにより樹脂層を形成した場合に、電気特性および耐熱性が優れる。
前記環状オレフィン系樹脂を構成する環状オレフィンモノマーとしては、例えばシクロヘキセン、シクロオクテン等の単環体、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、トリシクロペンタジエン、ジヒドロトリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン、ジヒドロテトラシクロペンタジエン等の多環体が挙げられる。これらのモノマーに官能基が結合した置換体も用いることができる。
配位重合に用いる金属触媒として代表的なニッケルと白金触媒は、PCT WO 9733198とPCT WO 00/20472に述べられている。配位重合用金属触媒の例としては、(トルエン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(メシレン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(ベンゼン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(テトラヒドロ)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(エチルアセテー
ト)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(ジオキサン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル等の公知の金属触媒が挙げられる。
一般的にはラジカル重合はラジカル開始剤の存在下、温度を50℃〜150℃に上げ、モノマーを溶液中で反応させる。ラジカル開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル、アゾビスイソカプトロニトリル、アゾビスイソレロニトリル、t-ブチル過酸化水素等である。
前記ノルボルネン系樹脂の付加(共)重合体としては、下記式(3)で表される繰り返し単位を有するものが好ましい。これにより、特に耐熱性を向上することができる。
ル基、アントラセニル基等が挙げられる。前記アラルキル基の具体例としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられるが、本発明は何らこれらに限定されない。
きる。
前記環状オレフィン系樹脂と、前記ビニルエーテル基を有する化合物とを併用すると樹脂層の密着性が向上するのは、以下の理由と考えられる。(1)前記ビニルエーテル基を有する化合物は、低分子量モノマーなので、接着界面に一部染み出し硬化するためプライマー処理と同じ効果を発現する。(2)前記ビニルエーテル基を有する化合物のエーテル部位の極性により金属などの被着体との密着に優れる。
これらの中でも、ビニルエーテル基を有する脂環式炭化水素が好ましい。これにより、密着性に加え、耐熱性を向上することもできる。
前記無機充填材としては、例えばタルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカおよびガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカおよび溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよびハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウムおよび亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウ
ム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウムおよびホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素および窒化ケイ素等の窒化物等を挙げることができる。これらの中でもシリカが好ましい。これにより、特に樹脂層の誘電率を低くすることができる。前記シリカとしては、ゾル−ゲル法により合成されたシリカフィラー、気相法により合成されたシリカフィラー、溶融シリカフィラー、結晶シリカフィラーなどがある。特に、気相法により合成されたシリカフィラー、ゾル-ゲル法により合成されたシリカフィラーが好ましい。
前記無機充填材の平均粒子径は、例えば動的光散乱式粒度分布測定装置で測定することができる。
前記シランカップリング剤としては、例えば1分子中にアルコキシシリル基と、アルキル基、エポキシ基、ビニル基、フェニル基等の有機官能基を有するシラン化合物が挙げられる。具体的には、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシランなどのアルキル基を有するシラン、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、フェネチルトリエトキシシランなどのフェニル基を有するシラン、ブテニルトリエトキシシラン、プロペニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル基を有するシラン、γ-(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン等のメタクリル基を有するシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独でも混合して用いても良い。
ルアントラキノン類等を挙げることができる。
また、アゾビスイソブチロニトリル、イソブチリルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカルボナート、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物を挙げることができる。
物であるがこれに限定されない。オニウム塩の光酸発生剤としては、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロフォスフェート、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロサルフェート、4-チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロボレート、4-チオフェノキシジフェニルスルフォニウムテトラフルオロアンチモネート、4-t-ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムテトラフルオロアンチモネート、4-t-ブチルフェニルジフェニルスルフォニウムトリフルオロフォスフォネート、トリス(4-メチルフェニル)スルフォニウムトリフルオロボレート、トリス(4-メチルフェニル)スルフォニウムテトラフルオロボレート、トリス(4-メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオロアーセネート、トリス(4-メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルフォスフェート、トリス(4-メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオロスルフォネート、トリス(4-メトキシフェニル)スルフォニウムテトラフルオロボレート、トリス(4-メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオアンチモネート、トリス(4-メチルフェニル)スルフォニウムヘキサフルオフォスフェート、トリフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、トリフェニルヨードニウムトリフルオロスルフォネート、3,3-ジニトロジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、3,3-ジニトロジフェニルヨードニウムトリフルオロサルフォネート、4,4-ジニトロジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4,4-ジニトロジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアーセネイト、4,4-ジニトロジフェニルヨードニウムトリフルオロサルフォネート、4,4'-ジ-t-ブチルフェニルヨードニウムトリフレート、4,4',4"-トリス(t-ブチルフェニル)スルフォニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルフォニウムジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4'-ジ-t-ブチルフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(t-ブチルフェニル)スルフォニムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(4-メチルフェニル)(4-(1-メチルエチル)フェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4-(2-メチルプロピル)フェニル(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェイトなどが挙げられる。これらを単独で使用しても混合して使用しても良い。
4,4'-ジ-t-ブチルフェニルヨードニウムトリフレート、4,4',4"-トリス(t-ブチルフェニル)スルフォニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルフォニウムジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4'-ジ-t-ブチルフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(t-ブチルフェニル)スルフォニムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(4-メチルフェニル)(4-(1-メチルエチル)フェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4-(2-メチルプロピル)フェニル(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェイトとそれらの混合物である。
に0.1〜100重量部が好ましく、最も0.5〜50重量部が好ましい。
図1は、上述の樹脂組成物で構成されている樹脂層3が、キャリア材料2の片面に形成されている樹脂層付きキャリア材料1を示す断面図である。
サーを用いる方法等が挙げられる。これらの中でもダイコーターを用いる方法が好ましい。これにより、所定の厚さを有する樹脂層3を安定して生産できる。また、樹脂層3をキャリア材料等に塗布した後、ドライフィルムの状態で得ることもできる。
図2は、本発明の回路基板の一例を示す断面図である。
図2に示すように、回路基板10は、コア基板5と、コア基板5の両面に設けられた樹脂層3とで構成されている。
コア基板5には、ドリル機で開口された開口部51が形成されている。また、コア基板5の両表面には導体回路52が形成されている。
開口部51の内部はメッキ処理されており、コア基板5の両表面の導体回路52は導通されている。
また、樹脂層3の両表面には、導体回路32が形成されている。
開口部31の内部はメッキ処理されており、導体回路52と、導体回路32とは導通されている。
更に、樹脂組成物を含む溶剤をスピンコーティング、印刷、およびバーコーティングにより直接塗布した後、溶剤を乾燥させて樹脂層3を形成する方法も挙げられる。
また、キャリア材料2として金属層を用いた場合、該金属層を導体回路として加工することができる。
また、一層目の樹脂層3を加熱、半硬化させた樹脂層3上に、さらに一層または複数の樹脂層3を形成し、半硬化の樹脂層3を実用上問題ない程度に再度加熱硬化させることにより、樹脂層3間および樹脂層3と導体回路52との間の密着性を向上させることができる。この場合の半硬化の温度は、特に限定されないが、100〜250℃が好ましく、特に150〜200℃がより好ましい。
また、樹脂層3を形成後に、樹脂層3の表面にプラズマ処理を施すことで樹脂層3間および樹脂層3と導体回路52との間の密着力を向上させることができる。プラズマ処理のガスとしては、例えば酸素、アルゴン、フッ素、フッ化炭素、窒素等を一種もしくは複数種混合して用いることができる。前記プラズマ処理は、複数回実施しても良い。
次に、導体回路32を形成する。導体回路32の形成方法としては、公知の方法であるセミアディティブ法等で形成することができる。これらの方法により、回路基板を得ることができる。
(実施例1)
1.樹脂ワニスの調製
環状オレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂A)として、5-デシル-2-ノルボルネン/5-メチルグリシジルエーテル-2-ノルボルネン(70/30)モノマーの付加(共)重合体(Mw=75,000)を用いた。なお、ノルボルネン系樹脂Aは、下記の方法で合成した。
(ノルボルネン系樹脂Aの合成)
重合系の雰囲気を不活性ガスの窒素で十分に満たした反応容器中に、5-デシル-2-ノルボルネン16.4g(0.07mol)、5-メチルグリシジルエーテル-2-ノルボルネン5.41g(0.03mol)、重合溶剤としてエチルアセテート130g、シクロヘキサン115g(0.53M)を仕込んだ。次いで、遷移金属触媒(η6-トルエンニッケルビス(ペンタフルオロフェニル)0.69g(1.4×10-3mol)をトルエン5gに溶解させた触媒溶液を反応容器に投入した。室温で4時間攪拌重合させた後、氷酢酸47ml、30%過酸化水素水87ml、純水300mlの混合液に前記重合溶液を投入し、2時間攪拌した。水層の遷移金属触媒と樹脂溶液の有機層とに分離した溶液の水層を除去した。更に有機層を数回純水で洗浄した、そして、樹脂溶液をメタノール中に投入しノルボルネン系樹脂を析出させた。固形分を濾過後、減圧乾燥し溶剤を除き、ノルボルネン系樹脂Aを得た。
ノルボルネン系樹脂Aを10g(100重量部)と、ビニルエーテル基を有する化合物としてトリシクロデカンビニルエーテル(沸点270℃)を2g(20重量部)と、架橋開始剤として(4-メチルフェニル)(4-(1-メチルエチル)フェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニルボレートを0.2g(2重量部)と、レーザー加工性付与剤として2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールを0.1g(1重量部)を、メシチレン100gに溶解させて樹脂ワニスを得た。
上述の樹脂ワニスをキャリアフィルムとしてポリエステルフィルム(ダイヤホイル社製、MRX-50、厚さ50μm)上にロールコーターで、厚さが25μmになるように塗布した。その後、80℃で10分、140℃で10分乾燥を行い、樹脂層付きキャリア材料を得た。
3.1 内層回路および樹脂層の形成
総厚さが0.3mmで銅箔厚さが12μmの両面銅張り積層板(住友ベークライト(株)製ELC-4781)を用いて、ドリル機で開孔後、無電解めっきで上下銅箔間の導通を図り、前記両面の銅箔をエッチングすることにより内層導体回路を両面に形成した。
次に内層導体回路に過酸化水素水と硫酸を主成分とする薬液(旭電化工業(株)製テックSO-G)をスプレー吹きつけすることにより粗化処理による凹凸形成を行い、前記で得られた樹脂層付きキャリア材料を、真空ラミネーターを使用して配線を埋め込み、200℃で60分間のベーキング処理を行い、樹脂層を形成した。
次に、UV-YAGレーザー装置(三菱電機(株)製ML605LDX)を用いてφ40μmの開口部(ブラインド・ヴィアホール)を形成し、デスミア処理(日本マクダーミッド(株)製マキュダイザーシリーズ)を施した後、無電解銅めっき(上村工業(株)製スルカップPRX)を15分間行い、厚さ0.5μmの給電層を形成した。次に、この給電層表面に、厚さ25μmの紫外線感光性ドライフィルム(旭化成(株)製AQ-2558)をホットロールラミネーターにより貼り合わせ、最小線幅/線間が20/20μmのパターンが描画されたクロム蒸着マスク((株)トウワプロセス製)を使用して、位置合わせ、露光装置(ウシオ電機(株)製UX-1100SM-AJN01)により露光した。炭酸ソーダ水溶液にて現像し、めっきレジストを形成した。
ビニルエーテル基を有する化合物として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
ビニルエーテル基を有する化合物として、1,3-ベンゼンジカルボン酸ビス(4-エテニロキシブチル)エステル(沸点310℃)を用いた。
ビニルエーテル基を有する化合物として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
ビニルエーテル基を有する化合物として、ブタンジオールジビニルエーテル(沸点170℃)を用いた。
レーザー加工性付与剤として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
レーザー加工性付与剤として、2,6-ビス(4´-アジドベンザル)-4-メチル-シクロヘキサノンに変更した以外は、実施例1と同様にした。
更に無機充填材としてシリカ(平均粒径20〜30nm、シーアイ化成社製)を全固形分の30重量%になるように混合分散した以外は、実施例1と同様にした。
ビニルエーテル基を有する化合物の配合量を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ビニルエーテル基を有する化合物を0.5g(5重量部)添加した。
ビニルエーテル基を有する化合物の配合量を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ビニルエーテル基を有する化合物を4.0g(40重量部)添加した。
環状オレフィン系樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
環状オレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂B)として、2-ノルボルネン/5-メチルグリシジルエーテル-2-ノルボルネン(90/10)モノマーの付加共重合体(Mw=190,000)を用いた。なお、ノルボルネン系樹脂Bは、下記の方法で合成した。
(ノルボルネン系樹脂Bの合成)
重合系の雰囲気を不活性ガスの窒素で十分に満たした反応容器中に、2-ノルボルネン12.71g(0.135mol)、5-メチルグリシジルエーテル-2-ノルボルネン2.7g(0.015mol)、重合溶剤としてエチルアセテート170g、シクロヘキサン147g(0.53M)を仕込んだ。次いで、遷移金属触媒(η6-トルエンニッケルビス(ペンタフルオロフェニル)1.04g(2.14×10-3mol)をトルエン5gに溶解させた触媒溶液を反応容器に投入した。室温で4時間攪拌重合させた後、氷酢酸47ml、30%過酸化水素水87ml、純水300mlの混合液に前記重合溶液を投入し、
2時間攪拌した。水層の遷移金属触媒と樹脂溶液の有機層とに分離した溶液の水層を除去した。更に有機層を数回純水で洗浄した、そして、樹脂溶液をメタノール中に投入しノルボルネン系樹脂を析出させた。固形分を濾過後、減圧乾燥し溶剤を除き、ノルボルネン系樹脂Bを得た。
環状オレフィン系樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
環状オレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂C)として、テトラシクロドデセンと8-メチルテトラシクロドデセンとを特開平4-363312号公報に記載の方法により重合して開環重合体を得た。続いてt-ブチルヒドロパーオキシドを用いて一部エポキシ化した後、水素化した重合体(Mw=52,000、水素化率95%)を用いた。
ビニルエーテル基を有する化合物として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
ビニルエーテル基を有する化合物として、下記式(9)で表されるものを用いた。
ビニルエーテル基を有する化合物として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
ビニルエーテル基を有する化合物として、ビニルエーテルオリゴマー(Morflex社製、VE−1312、ビニル価:370g/eq)を用いた。
ビニルエーテル基を有する化合物を用いなかった以外は、実施例1と同様にした。
1.電気特性(誘電率、誘電正接)
周波数10GHzにおける誘電特性を測定した。測定機器は、円筒空洞共振機(アジレント・テクノロジー社製、マイクロ波ネットワークアナライザ HP8510B)を用いた。
具体的には、樹脂層付きキャリア材料よりキャリア材料を除去して得た樹脂層を、窒素雰囲気下の乾燥機により200℃で1時間熱処理してサンプルとした。
重量0.5gのサンプルを恒温・恒湿槽中で温度85℃、湿度85%で168時間吸水処理を行い、吸水処理前重量と吸水処理後の重量変化率を吸水率とした。
回路基板の樹脂層を180℃で2時間熱処理を行ったものより、剥離してサンプルとした。
回路基板を作成する際のレーザー加工性をSEM観察にて評価した。
各符号は、以下の通りである。
◎:ビア底にクラック、樹脂の溶融等がなく、良好なビアを形成できる。
○:ビア底にクラックはないが、樹脂の溶融が見られ、樹脂表面を汚染している。
△:ビアを形成することができるが、ビア底にクラックあり
×:ビアを形成することができない。
耐熱性を示差熱量分析(TG-DTA)を用いて、5%重量減少する温度で評価した。
各符号は、以下の通りである。
◎:5%重量減少する温度が、350℃以上
○:5%重量減少する温度が、300℃〜350℃未満
△:5%重量減少する温度が、260℃〜300℃未満
×:5%重量減少する温度が、260℃未満
上記で得た樹脂層付きキャリア材料を最高到達温度170℃、圧力1.96×10-2MPa(20Kgf/cm2)の条件で真空プレスにより銅箔(3ECVLP三井金属鉱山社製、75μmの粗化処理品、平均2μm)上へラミネートした後、キャリア材料を剥離して樹脂層を得た。この樹脂層を窒素雰囲気下の乾燥機により200℃で1時間熱処理して、硬化させた。そして、樹脂層と銅箔との間の90°ピール強度測定を行った。
各符号は、以下の通りである。
◎:ピール強度が、0.6kN/m以上
○:ピール強度が、0.4〜0.6kN/m未満
△:ピール強度が、0.3〜0.4kN/m未満
×:ピール強度が、0.3kN/m未満
接続信頼性は、得られた回路基板を温度30℃、湿度70%の雰囲気下で1965時間放置後260℃リフローを3回行い、温度サイクル試験(-40℃、125℃各30分、さらしなし)を行い、100サイクル毎に導通テストして、不良発生サイクルで評価した。
各符号は、以下の通りである。
◎:800サイクル以上でも不良発生せず。
○:500〜800サイクル未満で不良発生した。
△:100〜500サイクル未満で不良発生した。
×:100サイクル未満で不良発生した。
絶縁信頼性は、得られた回路基板を温度85℃、湿度85%の雰囲気下で100時間放
置後の導体間の絶縁抵抗値をデジタル絶縁抵抗値で評価した。
各符号は以下の通りである。
◎:絶縁抵抗値が、1010Ω以上
○:絶縁抵抗値が、108〜109Ω未満
△:絶縁抵抗値が、107〜108Ω未満
×:絶縁抵抗値が、107未満
また、実施例1、5、6および8は、吸水率も低かった。
また、実施例1、2、4〜6および8〜11は、耐熱性にも優れていた。
また、実施例10は、接続信頼性および絶縁信頼性にも優れていた。
本発明の樹脂組成物を回路基板の層間絶縁膜として使用する際、回路基板上へ塗布もしくはキャリアフィルム上に塗布された樹脂層付キャリアフィルムをプレスするなどの方法が考えられるが、層間絶縁層における厚みの均一性が求められるため、キャリアフィルムに樹脂層を形成し、該樹脂層付キャリアフィルムをプレスにより埋め込むほうが好ましい。
2 キャリア材料
3 樹脂層
31 開口部
32 導体回路
5 コア基板
51 開口部
52 導体回路
10 回路基板
Claims (16)
- 回路基板の樹脂層を構成する樹脂組成物であって、
環状オレフィン系樹脂と、ビニルエーテル基を有する化合物とを含むことを特徴とする樹脂組成物。 - 前記樹脂組成物は、さらに無機充填材を含むものである請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記ビニルエーテル基を有する化合物は、ビニルエーテル基を有する脂環式炭化水素である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 前記ビニルエーテル基を有する化合物は、ビニルエーテル基を有するアダマンタン誘導体である請求項1、2または3に記載の樹脂組成物。
- 前記ビニルエーテル基を有する化合物は、ビニルエーテル基を有する芳香族化合物である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 前記ビニルエーテル基を有する化合物は、数平均分子量が500〜5000の範囲にあるオリゴマーであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記ビニルエーテル基を有する化合物の沸点が、180℃以上である請求項1ないし8のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記ビニルエーテル基を有する化合物の含有量は、前記環状オレフィン系樹脂100重量部に対して3〜50重量部である請求項1ないし9のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記環状オレフィン系樹脂は、エポキシ基を有するものを含むものである請求項1ないし10のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記環状オレフィン系樹脂は、ノルボルネン系樹脂を含むものである請求項1ないし11のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1ないし13のいずれかに記載の樹脂組成物で構成されていることを特徴とする樹脂層。
- 請求項14に記載の樹脂層が、キャリア材料の少なくとも片面に形成されていることを特徴とする樹脂層付きキャリア材料。
- 請求項15に記載の樹脂層を有することを特徴とする回路基板。
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- 2005-08-10 JP JP2005231737A patent/JP2006124648A/ja active Pending
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