JP2006123619A - ブレーキディスクの錆除去システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキディスクの錆除去システムにおいて、錆の発生認識やそれに伴う錆除去制御の改良を行う。
【解決手段】ブレーキディスクの錆除去システムのECU18は、条件認識部24において、仮にブレーキディスク16aに錆が発生する条件が整ってしまったと判断した場合でも、回避判断部34において錆発生を回避することができると判断した場合には、錆除去処理を禁止し、車両10が走行を再開したときに、不要な錆除去制御を防止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ブレーキディスクの錆除去システム、特に錆除去システムの制御形態の改良に関する。
車両の制動装置として、ディスクブレーキ機構を搭載するものが多い。ディスクブレーキ機構は、車輪と共に回転するブレーキディスクに摩擦材であるブレーキパッドを押圧させてブレーキディスクを制動することにより車輪自体を制動するものである。通常、ディスクブレーキ機構は、運転者が操作するブレーキペダルの踏み込み量に応じて、マスタシリンダが駆動され、このマスタシリンダで発生する油力をそのままディスクブレーキ機構に供給し、ブレーキパッドに押圧力を発生させている。
近年では、ディスクブレーキ機構に供給する油圧を電気的に制御する電子制御ブレーキ(ECB)システムが用いられるようになってきている。ECBシステムは、運転者によりブレーキペダルが踏み込まれると、制御装置がブレーキペダルの踏み込み量に応じて増圧弁の開閉量を制御し、アキュムレータから所定の油圧を各ディスクブレーキ機構に導入するようになっている。言い換えれば、運転者のブレーキペダルの踏み込み状態に関わらず、走行状態に応じた最適な制動力を電気的に制御することができる。例えば、年配者でブレーキペダルの踏み込み力が弱い場合には、制動力をアシストし最適な制動を実現することができる。また、急ブレーキを踏み車輪が滑り出すような場合には、制動力を適宜制御し車両が不安定になることを回避することができる。
ところで、上述のようなディスクブレーキ機構は、ブレーキ操作時に発生する摩擦熱の放熱を効率的に行うために、空冷構造を採用している。つまり、ブレーキディスクが外気に接触し易いようにハウジングなどに収納されることなく露出していることが一般的である。そのため、走行中または停止中に雨や雪などに晒され、ブレーキディスクの表面に水分が残留した状態で長時間放置されると金属製のブレーキディスクに錆が発生する。この錆は、制動時にブレーキパッドを押圧することことにより徐々に削り取ることができる。そのため、錆を除去する制御が種々提案されている。
そこで、例えば、特許文献1に記載された装置では、水濡れなどの異物の混入を検出した場合、走行に影響を及ぼさない範囲で、ブレーキディスクにブレーキパッドを押圧し引き摺りを行わせて、異物を除去するようにしている。また、特許文献2においては、ブレーキディスクに発生した錆を検出した場合、ブレーキパッドに対し、ブレーキディスクの周方向にずれた位置に研磨手段を押圧し錆除去を行う除去装置が記載されている。
特開2000−326838号公報 実開昭63−49033号公報
上記各特許文献に記載された装置においては、錆などの異物除去を良好に行うことができるが、錆の発生認識やそれに伴う錆除去制御に関しては、さらに改良の余地がある。
そこで、本発明は、上述の事情を鑑みてなされたものであり、ブレーキディスクの錆除去システムのさらなる改良を提供することを目的とする。
本発明は、ブレーキディスクに摩擦材を押圧させて車輪の回転を制動するディスクブレーキ機構と、アキュムレータに蓄えられた圧力により摩擦材の押圧力を制御するブレーキ制御手段と、ブレーキディスクに錆が発生する条件が揃った後にブレーキディスクの錆の発生が回避されるか否かの判断を行う回避判断手段と、を含み、ブレーキ制御手段は、回避判断手段による回避判断が行われず所定時間経過したと認識した場合には、車両走行時の非ブレーキング時に摩擦材の押圧制御により錆除去を行い、回避判断手段の判断により錆発生が回避されたと認識した場合には、非ブレーキング時の摩擦材の押圧制御を禁止することを特徴とする。
この構成によれば、仮にブレーキディスクに錆が発生する条件が整ってしまった場合でも、その後に錆発生を回避することができると判断した場合に、ブレーキ制御部による錆除去処理を禁止するので、車両が走行を再開したときに、不要な錆除去制御を防止することができる。
また、上記態様において、回避判断手段は、錆の発生条件が揃った後、ブレーキディスクの温度状態が所定温度以上、所定時間以上継続した場合に、錆発生が回避されたと判断するようにすることができる。
ブレーキディスクに、例えば水分が付着し錆発生の条件が整ってしまった場合でも、ブレーキディスクの温度が高い場合、付着した水分は蒸発し錆発生に至らない。ブレーキディスクはブレーキパッドの押圧により制動を行うと摩擦熱により高温になる。走行などによる積極的な空冷が行われない限り、高温になったブレーキディスクの温度が下がるにはある程度時間がかかる。例えば、ブレーキディスクの温度が高温状態から90℃になるまでの時間が1時間以上あれば、ブレーキディスクに付着した水分の蒸発は十分に行える。
したがって、ブレーキディスクの温度状態が所定温度以上、所定時間以上継続した場合には、錆発生が回避されたと判断することが可能になる。その結果、錆検出用の検出器を用いることなく容易に錆発生回避の判断を行うことができる。
また、上記態様において、回避判断手段は、錆の発生条件が揃った後、車両の停止が所定時間以上継続しない場合に、錆発生が回避されたと判断するようにしてもよい。
ブレーキディスクに、例えば水分が付着し錆発生の条件が整ってしまった場合でも、その状態で長時間放置されない場合は、錆の発生はない。つまり、錆が発生する前に、車両が走行を始めた場合には、車輪に発生する遠心力やブレーキングによるブレーキパッドの接触によりブレーキディスクに付着した水分は除去されてしまう。
したがって、車両の停止が所定時間以上継続しない場合、例えば、停車から3時間以内に走行を再開してしまった場合には、錆発生が回避されたと判断することが可能になり、錆検出用の特別な検出器を用いることなく容易に錆発生回避の判断を行うことができる。
また、上記態様において、回避判断手段は、ブレーキディスクに錆が発生する条件が整ったことを、ワイパーが所定時間駆動したことと、その後車両が停止したことにより認識することようにしてもよい。
ワイパーが所定時間駆動した場合には、降雨環境または降雪環境などで車両を走行させていたと判断することができる。つまり、ブレーキディスクに水分が付着してしまったと判断することができる。その状態で、車両が停止した場合、ブレーキディスクに付着した水分により錆が発生する。したがって、ワイパーの駆動と車両停止に基づいて、特別な検出器を設けることなく、錆の発生予測を行うことができる。
本発明によれば、ブレーキディスクの錆除去システムにおいて、仮にブレーキディスクに錆が発生する条件が整ってしまった場合でも、錆発生を回避することができると判断した場合に、ブレーキ制御部による錆除去処理を禁止するので、車両が走行を再開したときの不要な錆除去制御を防止するので、新たな錆除去システムの制御形態を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に基づいて説明する。
本実施形態において、ブレーキディスクの錆除去システムは、ブレーキディスクに錆が発生したと予測した場合、その錆を除去するために、車両の走行中で非ブレーキング時にブレーキディスクに摩擦材であるブレーキパッドを押圧する制御を行う。そして、この錆除去制御において、ブレーキディスクに錆が発生する条件が整ってしまった後に、錆の発生が回避できることが認識された場合に、錆除去制御を禁止することにより、車両が走行を再開した場合に、不要な錆除去制御が行われることを防止するものである。
図1には、本実施形態のブレーキディスクの錆除去システムを搭載する車両10の構成概念図が示されている。前輪12a,12b及び後輪14a,14bには、それぞれ、ディスクブレーキ機構16が組み込まれている。なお、前輪12a,12b及び後輪14a,14bは、単に車輪12または車輪14と記する場合もある。このディスクブレーキ機構16は、車輪12,14と共に回転するブレーキディスク16aに摩擦材であるブレーキパッド(不図示)を押圧させて当該ブレーキディスク16aを制動することにより車輪12,14自体を制動するものである。本実施形態においては、ディスクブレーキ機構16は、ディスクブレーキ機構16に供給する油圧をブレーキ制御手段として機能するECU18によって、電気的に制御する電子制御ブレーキ(ECB)システムを採用するものである。
ECBシステムは、運転者が操作するブレーキペダル20の踏み込み量がストロークセンサや加速度センサなどによって検出され、その検出信号がECU18に供給される。ECU18は、ブレーキペダル20の踏み込み量や、車両の現在の状態に応じて、アクチュエータ22の増圧弁の開閉量を制御し、アクチュエータ22から所定の油圧を各ディスクブレーキ機構16に導入する。言い換えれば、運転者のブレーキペダル20の踏み込み状態に関わらず、走行状態に応じた最適な制動力を電気的に制御するものである。ECBシステムの詳細に関しては後述する。
ECU18には、ブレーキディスク16aに錆が発生する条件が揃ったか否かを認識する条件認識部24が接続されている。条件認識部24は、車両10が雨や雪などに晒されていること、またその状態で、停車していることにより、錆が発生する条件が整ったと判断している。そのため、条件認識部24は、例えばステアリング装置26に配置されるワイパースイッチ28からの動作情報と、各車輪12,14に配置された車輪速センサ30からの車輪速情報とを取得している。つまり、ワイパーが所定時間以上駆動され、その後車輪12,14が停止した場合、ブレーキディスク16aに錆が発生する可能性があると判断する。また、条件認識部24は、ワイパースイッチ28からの駆動情報に代えて雨滴センサ32からの情報により車両10が雨や雪に晒されていることを認識してもよい。また、車輪速センサ30からの情報に代えて、車速センサからの情報により車輪12,14の停止を認識してもよい。また、図示しないエンジンECUからエンジン停止情報を取得することにより、車両10が駐車されたことを認識してもよい。
ECU18には、ブレーキディスク16aに錆が発生する条件が揃った後に、当該ブレーキディスク16aの錆の発生が回避されるか否かの判断を行う回避判断手段として機能する回避判断部34が接続されている。この回避判断部34は、ブレーキディスク16aに付着した水分が早急に蒸発可能な場合や、錆が発生し始める前に、ブレーキディスク16aが回転を始める場合、すなわち車両10が動き始めブレーキディスク16aに付着した水分がはじき飛ばされる場合に、錆発生が回避されると判断し、ECU18のその旨の制御信号を供給する。
このため、回避判断部34には、ブレーキディスク16aが回転を始めたか否かを判断するために、車輪速センサ30からの車輪速情報が提供される。また、ブレーキディスク16aに付着した水分が早急に蒸発可能か否かを判断するために、ブレーキディスク16aの温度を推定する温度推定部36が接続されている。温度推定部36は、ECU18から例えば、車両10が停止する直前までのブレーキング回数や、ブレーキングによる減速度、ブレーキング時間の積算情報などを取得すると共に、ブレーキディスク16aやブレーキパッドの特性を考慮し、車両10が停車したときのブレーキディスク16aの表面温度を推定する。その表面温度は、回避判断部34に供給され、回避判断部34では、その表面温度に基づきブレーキディスク16aに付着した水分が早急に蒸発可能か否かを判断する。例えば、車両10が停止したときにブレーキディスク16aの表面温度が200℃であったとすると、自然冷却には、ある程度時間がかかる。したがって、ブレーキディスク16aの冷却の間に、ブレーキディスク16aの表面に付着した水分は十分に蒸発することが可能となる。現実的には、例えば、90℃以上の温度が60分以上維持されれば、ブレーキディスク16aの表面は十分に乾燥状態になることができる。
なお、回避判断部34は、温度推定部36を用いることなく、ディスクブレーキ機構16に設けられた温度センサ38でブレーキディスク16aの温度を直接測定したり、間接的に推定して、ブレーキディスク16aの水分が蒸発するか否かの判断を行ってもよい。もちろん、この場合温度推定部36は省略することができる。
図2には、ECBシステムの一例を示す構成概念図が示されている。ECBシステム40は主に、ブレーキペダル20により動作するマスタシリンダ42と、モータ44やアキュムレータ46が接続されたアクチュエータ22と、ディスクブレーキ機構16とで構成されている。ECBシステム40においては、マスタシリンダ42から配管48が、例えば、符号Fを付したフロント側のディスクブレーキ機構16に延び、ECBシステム40が電子制御を行っていない時にマスタシリンダ42からの油圧が接続されている。従って、もし、ECBシステム40のECU18がフェール等を起こした場合には、ブレーキペダル20の操作によってマスタシリンダ42で発生する油圧を直接フロント側のディスクブレーキ機構16に導入し、良好な制動力を得られるようになっている。
一方、ECBシステム40が正常に動作する状態、つまり、電子的なブレーキ制御が行える状態の時、運転者によりブレーキペダル20が踏み込まれると、配管48中に配置されたカット弁50が閉動作すると共に、ブレーキペダル20の踏み込み量がストロークセンサや加速度センサなどを含む操作検出部52を介してECU18に提供される。ECU18は提供されたブレーキペダル20の踏み込み量に応じて増圧弁(制御弁)54の開閉量を制御し、アキュムレータ46から所定の油圧を各ディスクブレーキ機構16に導入し、所定の油圧で符号Fを付したフロント側のディスクブレーキ機構16や符号Rを付したリア側のディスクブレーキ機構16のブレーキパッド16bをブレーキディスク16aに押圧する。言い換えれば、ECBシステム40は、ECU18の制御によりブレーキペダル20の踏み込み量に関わらず、車両10を安定して走行させるため、また安定して制動させるために、最適な油圧を各ディスクブレーキ機構16それぞれに供給することができる。なお、アキュムレータ46は、モータ44を駆動することにより所望の圧力が常時出力できるようになっている。
上述のように構成されるECBシステム40を搭載する本実施形態の車両10は、ブレーキディスク16aに錆が発生した場合、車両10の走行中に運転者の操作を伴うことなく、非ブレーキング時に、ブレーキパッド16bをブレーキディスク16aに押圧して錆の削り取り除去を行うことができる。すなわち、走行時に強制的にブレーキパッドの引き摺りを行って錆除去を行うことができる。もちろん、この引き摺りは、車両10の走行性能に影響を及ぼすことなく、また、運転者に違和感を与えない程度の押圧力で行われる。
本実施形態においては、条件認識部24の認識結果により、ブレーキディスク16aに錆が発生する条件が整った後、つまり、雨や雪によりブレーキディスク16aが濡れ、その後車両10が停車して錆が発生する条件が整った場合、ECU18は、回避判断部34による回避判断が行われず所定時間経過した場合には、ブレーキディスク16aに錆が発生したと判断し、上述のように強制的なブレーキパッドの引き摺りを行い錆除去を行う。一方、回避判断部34の判断結果により錆発生が回避されたと認識した場合には、その時点で、ECU18は走行を再開した場合の非ブレーキング時の錆除去の制御を禁止する。
上述のように構成されるECBシステム40が搭載された車両10において、本実施形態のブレーキディスクの錆除去システムの動作を図3のフローチャートを用いて説明する。
車両10が走行状態にあるとき、条件認識部24は、ワイパースイッチ28から得られる動作情報と車輪速センサ30からの情報に基づき、ワイパーが所定時間以上、例えば、10分以上駆動した直後に停止したか否かの判断を行う(S100のYまたはN)。もしこの条件が成立しない場合(S100のN)、今後この条件が成立するか否かの監視を継続する。一方、ワイパーを10分以上駆動した直後に停止したと判断した場合(S100のY)、条件認識部24は、ブレーキディスク16aに錆が発生する条件が整ったと判断し、その情報をECU18に提供する。ECU18では、車両10が走行を再開する場合に錆除去制御を行う錆除去モードに移行する(S101)。
ECU18は、錆除去モードに移行した場合、回避判断部34に、錆除去モードに移行したことを通知する。回避判断部34では、錆除去モードに移行後、すなわち、錆が発生する条件が整ってしまった後に、錆の発生が回避されるか否かの監視を始める。例えば、錆が発生する条件が整った後、車両10の停止が所定時間以上継続したか否かの監視を行う(S102のYまたはN)。錆が発生する条件が整った後、車両10の停止が所定時間以上継続した場合、例えば、停車が3時間以上継続した場合(S102のY)、回避判断部34は、さらに、温度推定部36からの情報に基づき、ブレーキディスク16aに付着した水分が蒸発可能状態であったか否かの判断を行う。つまり、ディスクブレーキ機構16による制動を行った場合、ブレーキディスク16aはブレーキパッド16bとの摩擦により高温になる。例えば200℃になった場合、その状態から自然冷却するにはある程度時間がかかる。その冷却中にブレーキディスク16aの水分は蒸発する。したがって、仮に錆発生条件が整い、その状態で錆発生に十分な時間が経過してまったとしても、蒸発によりブレーキディスク16a上に水分が存在しなくなれば、錆の発生は回避される。つまり、回避判断部34は、ブレーキディスク16aに付着した水分の蒸発に十分な温度状態、例えば、90℃以上の状態を60分以上維持していたか否か判断を行う(S103のYまたはN)。
このように、制動摩擦によりブレーキディスク16aの温度が上昇し、所定の温度状態が十分維持できれば、ブレーキディスク16aに付着した水分を蒸発させることができる。しかし、制動の仕方によっては、ブレーキディスク16aの温度が十分に上昇せず、付着した水分の蒸発を十分に行えない場合がある。また、車両10の停止した周囲温度が低かったり、風が強かったりする場合、ブレーキディスク16aの放熱が促進され、付着した水分の蒸発を十分に行えない場合がある。すなわち、所定温度、例えば90℃以上を所定時間、例えば60分以上維持できない場合がある(S103のN)。
この場合、ブレーキディスク16aに付着した水分により錆が発生してしまうと判断し、回避判断部34はECU18に錆発生回避不能の通知を行う。その結果、ECU18は錆除去モードの維持を行い、車両10が走行を再開した場合に、非ブレーキング時にECBシステム40を駆動し、所定圧力、例えば、0.5MPaの油圧をディスクブレーキ機構16のブレーキパッド16bに供給し、錆除去処理を行う(S104)。なお、通常、中型乗用車が法定速度、例えば40km/hで走行していて、赤信号の直前で十分余裕を持って停止する場合に発生させる油圧は、例えば2MPa程度なので、ブレーキディスク16aの錆除去のために、0.5MPa程度の油圧を供給しても、車両10の走行には影響はない。また、厳密には、ブレーキディスク16aとブレーキパッド16bが接触することにより燃費の低下が発生するが、この燃費低下は、燃費測定値にほとんど影響を与えない程度である。さらに、ブレーキディスク16aとブレーキパッド16bとの接触は極僅かであるので、車両10の搭乗者に気付かれたり違和感を与えることはない。
ECU18は、車両10が走行を再開し、錆除去処理を開始した場合、錆除去処理が所定距離の走行期間中行われたか否かの監視を行う(S105のYまたはN)。例えば、0.5MPaの油圧供給による錆除去処理を5km以上継続して行った場合、ブレーキパッド16bの押圧によりブレーキディスク16aに発生している錆が削り取れたと判断し、非ブレーキング時の加圧を終了する(S106)。つまり、錆除去処理を終了し、ECU18はECBシステム40を通常制動制御状態、つまり、車両10を安定的に走行させ、また制動させるための制御に移行する(S107)。そしてステップS100に移行し、次に錆発生の条件が整うタイミングの監視を行う。なお、錆除去処理が終了した時点で、条件認識部24が認識しているワイパー駆動時間の積算値はリセットされ、再度ワイパーが駆動された場合には「ゼロ」から積算を開始する。
一方、ステップS102で、車両10の停止が所定時間以上継続しなかった場合、例えば、停車が3時間以上継続しなかった場合(S102のN)、回避判断部34は、車両10は錆が発生する前に走行を開始し、ブレーキディスク16aの回転により錆発生の原因になる水分が遠心力により吹き飛ばされたり、走行後必ず行われる制動により水分がブレーキディスク16aから除去されると判断する。つまり、この時点で回避判断部34は、錆発生は回避されると判断し、ECU18に通知する。ECU18は、錆発生回避の通知に基づき、錆除去モードを禁止する(S108)。したがって、ECU18は車両10が走行を再開した場合、ECBシステム40が通常制動制御、すなわち、車両10を安定的に走行させ、また制動させるための制御に移行する(S107)。さらに、ステップS100に移行し、次に錆発生の条件が整うタイミングを監視する。なお、錆除去モードが禁止された時点で、条件認識部24が認識しているワイパー駆動時間の積算値はリセットされ、再度ワイパーが駆動された場合に「ゼロ」から積算を開始する。
また、ステップS103において、回避判断部34がブレーキディスク16aに付着した水分の蒸発に十分な温度状態、例えば、90℃以上の状態を60分以上維持できたと判断した場合(S103のY)、仮に錆発生条件が整い、その状態で錆発生に十分な時間が経過してまったとしても、蒸発によりブレーキディスク16a上の水分が存在しなくなるので錆発生は回避される。したがって、回避判断部34は、錆発生は回避されると判断し、ECU18にその通知を行う。ECU18は、錆発生回避の通知に基づき、ステップS108に移行し錆除去モードを禁止すると共に、ステップS107に移行し通常制動制御を行うようにする。その後、ブレーキディスクの錆除去システムは、ステップS100の監視を継続し、次に錆発生の条件が整うタイミングを監視する。なお、錆除去モードが禁止された時点で、条件認識部24が認識しているワイパー駆動時間の積算値はリセットされ、再度ワイパーが駆動された場合に「ゼロ」から積算を開始する。
このように、本実施形態のブレーキディスクの錆除去システムにおいては、仮にブレーキディスクに錆が発生する条件が整ってしまった場合でも、その後に錆発生を回避することができると判断した場合に、ECUによる錆除去処理を禁止するので、車両が走行を再開したときに、不要な錆除去制御の防止が可能になり、ECBシステムの制御形態をシンプル化することができる。また、新たな錆除去システムの制御形態を得ることができる。
なお、ブレーキディスク16aに錆が発生した場合、その放置時間によって錆の量が増えると共に錆の耐性が強くなる。したがって、例えば、車両10の放置時間をECU18が認識し、放置時間に応じて錆除去処理時に供給する油圧の強さや供給時間、つまり錆除去処理を行う走行距離を変化してもよい。ただし、油圧を強くしすぎると走行性能に影響を及ぼしたり、燃費低下の原因になるので、油圧は走行性能や燃費に影響しない範囲で調整することが望ましい。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。したがって、図1、図2に示す構成は、一例であり、ブレーキディスクに錆が発生する条件が揃った後にブレーキディスクの錆の発生が回避されるか否かの判断を行う回避判断手段を有し、ブレーキ制御手段が回避判断手段による回避判断が行われず所定時間経過したと判断した場合に、車両走行時の非ブレーキング時に摩擦材の押圧制御により錆除去を行い、回避判断手段による判断により錆発生が回避されたと判断した場合には、非ブレーキング時の摩擦材の押圧制御を禁止する動作を行うものであれば、各構成を適宜変更しても本実施形態と同様な効果を得ることが可能であり、本発明の範囲に含まれうるものである。例えば、図1においては、条件認識部24、回避判断部34、温度推定部36などを独立して設けているが、任意の機能を適宜統合し一つまたは複数の処理部で処理するようにしてもよい。もちろん、ECU18で全ての機能を処理するようにしてもよい。
また、図2に示すECBシステム40も一例であり、電気的に油圧制御を行えるシステムであれば、他の形態のシステムも利用可能であり、本実施形態と同様な効果を得ることができる。
本実施形態に係るブレーキディスクの錆除去システムを具備する車両の構成概念図である。 本実施形態に係るブレーキディスクの錆除去システムに用いるECBシステムの一例を説明する構成概念図である。 本実施形態に係るブレーキディスクの錆除去システムの動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
10 車両、12,14 車輪、16 ディスクブレーキ機構、16a ブレーキディスク、16b ブレーキパッド、18 ECU、20 ブレーキペダル、22 アクチュエータ、24 条件認識部、26 ステアリング装置、28 ワイパースイッチ、30 車輪速センサ、32 雨滴センサ、34 回避判断部、36 温度推定部、38 温度センサ、40 ECBシステム、42 マスタシリンダ、44 モータ、46 アキュムレータ。

Claims (4)

  1. ブレーキディスクに摩擦材を押圧させて車輪の回転を制動するディスクブレーキ機構と、
    アキュムレータに蓄えられた圧力により前記摩擦材の押圧力を制御するブレーキ制御手段と、
    前記ブレーキディスクに錆が発生する条件が揃った後に前記ブレーキディスクの錆の発生が回避されるか否かの判断を行う回避判断手段と、
    を含み、
    前記ブレーキ制御手段は、前記回避判断手段による回避判断が行われず所定時間経過したと認識した場合には、車両走行時の非ブレーキング時に前記摩擦材の押圧制御により錆除去を行い、前記回避判断手段の判断により錆発生が回避されたと認識した場合には、非ブレーキング時の前記摩擦材の押圧制御を禁止することを特徴とするブレーキディスクの錆除去システム。
  2. 前記回避判断手段は、錆の発生条件が揃った後、ブレーキディスクの温度状態が所定温度以上、所定時間以上継続した場合に、錆発生が回避されたと判断することを特徴とする請求項1記載のブレーキディスクの錆除去システム。
  3. 前記回避判断手段は、錆の発生条件が揃った後、車両の停止が所定時間以上継続しない場合に、錆発生が回避されたと判断することを特徴とする請求項1記載のブレーキディスクの錆除去システム。
  4. 前記回避判断手段は、前記ブレーキディスクに錆が発生する条件が整ったことを、ワイパーが所定時間駆動したことと、その後車両が停止したことにより認識することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のブレーキディスクの錆除去システム。
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