JP2006123466A - 易接着ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 インキや接着剤、粘着剤に代表される光硬化型樹脂に対する密着性に優れたポリエステルフィルムを提供する
【解決手段】 易接着層を少なくとも一層有するポリエステルフィルムであって、前記易接着層はビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体またはその部分水素添加物であり、前記共役ジエンの炭素−炭素二重結合がエポキシ化されたエポキシ変性ブロック重合体で構成され、かつ前記易接着層が、導電性酸化金属微粒子と、アクリル・スチレン共重合体とを含有することを特徴とする易接着ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光硬化型樹脂層との密着性に優れ、かつ帯電防止性、易滑性、透明性に優れた易接着ポリエステルフィルムに関する。
ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフテレートやポリエチレンナフタレートの二軸延伸フィルムは優れた機械的性質、耐熱性、耐薬品性、透明性を有するため、磁気テープ、写真フィルム、包装フィルム、電子部品用フィルム、光学用フィルム、表面保護フィルム等の素材として幅広く用いられている。これらのフィルムは、磁性層、感光層、保護層、中間層、着色層等を積層して、別の被着体へ接着または粘着により貼付し使用されることが多い。最近、特に半導体製造工程において、半導体ウェハの支持・保護および不要時の離型性向上の為、ポリエステルフィルムを基材層とし、これに紫外線硬化型の粘着剤層を積層した積層フィルムが用いられている。
一般に、粘着剤層を構成する成分は、ポリエステルフィルムに対する密着性が低いので、ポリエステルフィルム上に粘着剤を積層する場合には、ポリエステルフィルム面上に表面処理が行われてきた。この表面処理としては、コロナ処理等の物理的処理が知られているが、これらの処理では紫外線硬化型の粘着剤の密着性は不十分である。また、ポリエステルフィルムからなる粘着剤を設ける方法があるが、過酷な環境条件、例えば急激な温度変化(熱衝撃)の環境で使用すると、粘着剤層とフィルム層の密着力が低下し剥がれる場合がある。さらに、積層する粘着剤層の樹脂成分によっても密着性低下が起こり、十分満足できるものではない。
さらに、層間の密着性を向上させる方法として、基材フィルム上に、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体もしくはその部分水素添加物であって、共役ジエンの炭素−炭素二重結合がエポキシ化されたエポキシ変性ブロック重合体を、易接着層として形成しておき、この易接着層上に目的とする層を積層する方法がある(例えば特許文献1参照)。しかしながら、この易接着層上に、紫外線硬化型の粘着剤層を積層した場合、粘着剤層と易接着層との相溶性が良好でなく、充分な易接着効果が得られないことがあった。また、静電気の発生により、粘着剤塗工時の加工が困難になったり、半導体に欠陥を生じる可能性があり、その改良が求められていた。
特開2000−191989号公報
本発明の目的は、かかる従来技術の問題を解消し、インキや接着剤、粘着剤に代表される光硬化型樹脂に対する密着性に優れたポリエステルフィルムを提供することである。
本発明者は、これらの問題を解決すべく鋭意検討した結果、基材であるポリエステルフィルム上に、特定の成分からなる易接着層を設けることで、上記問題が解決できることを見出した。
すなわち本発明の要旨は下記のとおりである。
易接着層を少なくとも一層有するポリエステルフィルムであって、前記易接着層はビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体またはその部分水素添加物であり、前記共役ジエンの炭素−炭素二重結合がエポキシ化されたエポキシ変性ブロック重合体で構成され、かつ前記易接着層が、導電性酸化金属微粒子と、アクリル・スチレン共重合体とを含有することを特徴とする易接着ポリエステルフィルムである。
本発明の易接着ポリエステルフィルムは、易接着層が硬化収縮並びに熱処理による接着性の低下を押さえ、なおかつ易滑剤・ブロッキング防止剤・帯電防止剤として用いる導電性酸化金属微粒子の分散状態を良好に保つので、透明性を確保しつつ、紫外線硬化型粘着剤等の光硬化型樹脂層に対する密着性、および帯電防止性を著しく改善できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の易接着ポリエステルフィルムにおいて、基材フィルムを構成するポリエステルとは、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから重縮合して得られる線状飽和ポリエステルである。ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6ナフタレンジカルボキシレート等が挙げられ、これらの共重合体またはこれと小割合の他樹脂とのブレンド物等も含まれる。
ポリエステルフィルムは、従来から知られている方法で製造することができる。例えば、二軸延伸ポリエステルフィルムは、ポリエステルを乾燥後、Tm〜(Tm+70)℃の温度(Tm:ポリエステルの融点)で押出機にて溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、I−ダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、40〜90℃で急冷して未延伸フィルムを製造し、ついで該未延伸フィルムを(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で縦方向に2.5〜8.0倍の倍率で延伸し、横方向に2.5〜8.0倍の倍率で延伸し、必要に応じて180〜250℃の温度で1〜60秒間熱固定することにより製造できる。
フィルムの厚みは5〜250μmの範囲が好ましい。フィルムの厚みが5μm未満であると高温域での耐変形性(寸法安定性)に劣り、また250μmを超えると剛性が高すぎるという問題がある。
また必要により、ポリエステルフィルムに適当なフィラーを含有させることができる。このフィラーとしては、従来ポリエステルフィルムの滑り性付与剤として知られているものが挙げられ、その具体例としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、シリカ、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、カーボンブラック、炭化珪素、酸化錫、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子等が挙げられる。さらにポリエステル中には、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、触媒なども適宜添加することができる。
本発明の易接着ポリエステルフィルムは、上記基材ポリエステルフィルム上に少なくとも一層易接着層を有する。この易接着層は、エポキシ変性ブロック重合体で構成され、さらに易接着層は、導電性酸化金属微粒子と、アクリル・スチレン共重合体とを含有するものである。そして前記エポキシ変性ブロック重合体は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体またはその部分水素添加物であり、前記共役ジエンの炭素−炭素二重結合がエポキシ化された重合体である。
本発明においてブロック共重合体とは、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体であり、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物の共重合比は5/95〜70/30、特に10/90〜60/40が好ましい。共重合比がこの範囲を超えると塗膜が固くもろくなり、耐久性が低下することがある。
重合体ブロック(A)を構成するビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3級ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、1,1−ジフェニルスチレン等のうちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。
また、重合体ブロック(B)を構成する共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、フェニル−1,3−ブタジエン等のうちから1種、または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好ましい。
また、ブロック共重合体の数平均分子量は5000〜600000、好ましくは10000〜500000の範囲であり、分子量分布[重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)]は10以下であることが好ましい。数平均分子量が5000より小さいと塗膜がもろく、タックが生じる可能性があり、600000を超える塗剤の粘度が高くなりレベリングが悪化しやすい。また、分子量分布が10を超えるとタックやブロッキングの問題が生じる。
ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組み合わせのいずれであってもよい。例えば、A−B−A、B−A−B−A、(A−B)4Si、A−B−A−B−A等の構造が挙げられる。
上記ブロック共重合体は、共役ジエンの炭素−炭素二重結合が部分的に水素添加されてもよい。水素添加することによって、耐光性が向上するという効果が得られる。
ブロック重合体の製造方法としては、上記した構造を有するもの製造できればどのような製造方法もとることもできる。例えば、特公昭40−23798号、特公昭47−3252号、特公昭48−2423号、特願昭49−105970号、特願昭50−27094号、特公昭46−32415号、特開昭59−166518号、特公昭49−36957号、特公昭43−17979号、特公昭46−32415号、特公昭56−28925号公報に記載された方法により、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中でビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成することができる。
さらにブロック共重合体を部分水素添加する方法として、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、あるいは特開昭59−133203号公報に記載された方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加する方法が挙げられる。
本発明におけるエポキシ変性ブロック共重合体は、上記のブロック共重合体またはその部分水素添加物を、不活性溶媒中で過酸類、ハイドロパ−オキサイド類などのエポキシ化剤と反応させることにより得ることができる。過酸類としては過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢酸などが挙げられる。このうち、過酢酸は工業的に大量に製造されており、安価に入手でき、安定度も高いので好ましい。ハイドロパーオキサイド類としては過酸化水素、ターシャリブチルハイドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド等が挙げられる。
エポキシ化の際には必要に応じて触媒を用いることができる。例えば、過酸の場合、炭酸ソーダ等のアルカリや硫酸などの酸を触媒として用い得る。また、ハイドロパーオキサイド類の場合、タングステン酸と苛性ソーダの混合物を過酸化水素と、あるいは有機酸を過酸化水素と、あるいはモリブデンヘキサカルボニルをターシャリブチルハイドロパーオキサイドと併用して触媒効果を得ることができる。
エポキシ化剤の量に厳密な規制がなく、それぞれの場合における最適量は、使用する個々のエポキシ化剤、所望されるエポキシ化度、使用する個々のブロック共重合体等のごとき可変要因によって決めることができる。
不活性溶媒は、原料粘度の低下、エポキシ化剤の希釈による安定化などの目的で使用され、過酢酸の場合であれば芳香族化合物、エーテル類、エステル類などが用いられる。特に好ましい溶媒は、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ベンゼン、酢酸エチル、四塩化炭素、クロロホルムである。
エポキシ化反応条件には厳密な規制はない。用いるエポキシ化剤の反応性によって使用できる反応温度域は定まる。例えば、過酢酸についていえば0〜70℃が好ましく、0℃未満では反応が遅く、70℃を超えると過酢酸の分解が起こる。又、ハイドロパーオキサイドの1例であるターシャルブチルハイドロパーオキサイド/モリブデン二酸化物ジアセチルアセトナート系では同じ理由で20〜150℃が好ましい。反応混合物の特別な操作は必要なく、例えば混合物を2〜10時間攪拌すればよい。得られたエポキシ変性共重合体の単離は適当な方法、例えば貧溶媒で沈殿させる方法、重合体を熱水中に攪拌の下で投入し溶媒を蒸留除去する方法、直接脱溶媒法などで行うことができる。
本発明において、易接着層はエポキシ変性ブロック重合体で構成され、これに導電性酸化金属微粒子を含有する必要がある。易接着層にエポキシ変性ブロック重合体を単独で用いた場合には塗膜にタックがあり、巻き取り時のブロッキング、後加工時の滑り不良、ロールへの巻き付き等を引き起こすため使用が難しい。また、エポキシ変性ブロック重合体は一般的に絶縁性が高いため、静電気が発生しやすく、半導体製造等、静電気発生が製品の品質に重大な影響を及ぼす場合には問題になる。本発明では、これらの問題を解決するために導電性酸化金属微粒子を帯電防止剤・ブロッキング防止剤として易接着層に配合する。
本発明で用いる導電性酸化金属微粒子の種類は特に制限されるものではないが、例えば、錫ドープ酸化インジウム、アンチモンドープ酸化錫、酸化錫、アンチモン酸亜鉛、酸化インジウム、五酸化アンチモン、酸化亜鉛等の1種または2種以上の組み合わせが挙げられる。これらの導電性酸化金属微粒子のうち、優れた導電性および透明性が容易に得られることから、アンチモンドープ酸化錫を使用することがより好ましい。
導電性酸化金属微粒子の平均粒径は、0.005〜2μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることがさらに好ましい。平均粒径が0.005μm未満であると、所望の表面抵抗率を得るためには、導電性酸化金属微粒子の含有量を多くする必要があり、その結果、易接着層の密着性能が低下する場合がある。一方、平均粒径が2μmを超えると、導電性酸化金属微粒子の沈降等が生じやすくなって、取り扱いが困難となったり、あるいは、得られる易接着ポリエステルフィルムの透明性が低下したりする場合がある。特にアンチモンドープ酸化錫を使用する場合、その平均粒径は、0.1〜0.5μmの範囲であることがさらに好ましい。
導電性酸化金属微粒子の含有量は、エポキシ変性ブロック重合体100質量部に対して、50〜400質量部、さらに80〜200質量部であることが好ましい。導電性酸化金属微粒子の含有量が50質量部未満であると、隣接する導電性酸化金属微粒子間の電気抵抗が高くなり、結果として、表面抵抗率の値が大きくなる場合がある。一方、含有量が400質量部を超えると、得られる易接着層の密着性能、透明性が低下する場合がある。
また、導電性酸化金属微粒子の体積抵抗(粉体抵抗)値は1000Ωcm以下であることが好ましい。導電性酸化金属微粒子の体積抵抗が1000Ωcmを超えると、隣接する導電性酸化金属微粒子間の電気抵抗が高くなり、結果として、表面抵抗率の値が大きくなる場合があり、また、所定の表面抵抗率を得るために、多量に添加しなければならず、全光線透過率が低下する場合がある。
本発明における易接着層は、上記エポキシ変性ブロック重合体と導電性酸化金属微粒子とに加え、アクリル・スチレン共重合体を含有することが必要である。一般的に極性の低いエポキシ変性ブロック重合体と、極性の高い導電性酸化金属微粒子を混合すると、これらは相溶しないために、これらからなる溶液をポリエステルフィルムに塗工した際に、塗布面が白濁し、著しく透明性を損ねることがある。本発明においてはこの問題を解決するために、アクリル・スチレン共重合体を相溶化剤として易接着層に配合する。
本発明において用いるアクリル・スチレン系樹脂とは、スチレンモノマーとアクリル酸系モノマーを重合することにより得られる樹脂である。
スチレンモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルトルエン、クロロスチレンなどが挙げられる。
アクリル酸系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体、(メタ)アクリル酸グリシジル等のエチレン性不飽和酸のグリシジルエステルなどが挙げられる。なお、本明細書において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。これらの重合性単量体を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
アクリル・スチレン共重合体の含有量は、エポキシ変性ブロック重合体100質量部に対して、30〜200質量部、さらに50〜150質量部であることが好ましい。アクリル・スチレン共重合体の含有量が30質量部未満であると、光硬化性樹脂との相溶性が良好でなく、密着性が低下する。さらに導電性酸化金属微粒子とエポキシ変性ブロック共重合体との相溶性も良好でなく、塗布面が白濁することがある。一方、含有量が200質量部を超えるとポリエステルフィルムとの密着性が低下し、光硬化性樹脂の硬化後にフィルムと易接着層との間で剥離することがある。
アクリル・スチレン系樹脂の重量平均分子量は500〜500000の範囲にあることが好ましい。重量平均分子量が500未満であると、当該物質の易接着層表面への析出による密着性の低下が起きる可能性がある。一方、重量平均分子量が500000を超えると、溶液の取り扱いが難しく、また、エポキシ変性ブロック重合体との相溶性や、あるいは導電性金属微粒子の分散性が悪化し、その結果、密着性能、帯電防止性能の低下を起こす可能性がある。
本発明において、ポリエステルフィルムの片面もしくは両面に易接着層を形成する方法としては、エポキシ変性ブロック重合体、導電性酸化金属微粒子、およびアクリル・スチレン共重合体を含有する溶液をポリエステルフィルムに塗工する方法が挙げられる。易接着層を構成する上記成分を溶解する溶媒としては、MEK、トルエン等が挙げられる。溶液の固形分濃度は5〜20質量%が好ましい。固形分濃度が5質量%未満であると、溶媒の気化むらによる外観不良や帯電防止性能の低下を起こしやすい。一方、20質量%を超えると塗工スジ、グラビア版目跡など、塗工外観の不良を起こしやすい。溶液の塗工方法としては、ダイレクトグラビア方式、マイヤーバー方式、スピンコーティング方式、キスグラビア方式、コーティングダイ方式などが挙げられる。溶媒を除去する方法としては、熱風乾燥機、赤外線ヒーターなどにより、110〜150℃で、10〜30秒間加熱する方法が挙げられる。
ポリエステルフィルム面上に形成する易接着層の厚さは0.3〜3.0μmであることが好ましい。厚みが3.0μmを超えると易接着層の透明性が低下し、厚みが0.3μm未満であると表面固有抵抗値が上昇し、密着性が低下することがある。
本発明の易接着ポリエステルフィルムにおいて、易接着層面に設けられる光硬化型樹脂層としては特に規定されないが、汎用性、取り扱い性の点で紫外線硬化型樹脂層、さらには紫外線硬化型ラジカル重合型樹脂層が望ましい。なかでも本発明の易接着ポリエステルフィルムは、紫外線硬化型樹脂からなるハードコート層のベースフィルムとして好適である。
紫外線硬化型樹脂としては、例えばウレタン−アクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステル−アクリレート系などの紫外線硬化性組成物を挙げることができる。特に、ハードコート層樹脂自身が基材の伸縮に追従するためには、ウレタン成分をソフトセグメントとして含んだアクリレート系の光硬化性樹脂が好ましい。
さらに、塗膜の耐摩耗性の向上と硬化時の体積収縮率の減少のために、無機微粒子を含有するのが望ましい。無機微粒子の含有量は20〜60質量%が好ましく、無機微粒子の平均粒径は100nm以下のものが好ましい。また、ハードコート性向上のために、無機微粒子表面に光重合反応性を有する感光性基を導入したものが好ましい。感光性基としては単官能性または多官能性アクリレートが好ましい。無機微粒子の含有量が20質量%未満であると耐摩耗性不良および紫外線硬化時の体積収縮率が高くなりフィルムにカールが発生する。60質量%以上であると、ハードコート樹脂の伸縮性不良となり、屈曲によるクラックが入りやすくなる。無機微粒子としては、シリカまたはチタン等の金属酸化物よりなる微粒子が好ましい。
以下、実施例により、本発明をさらに説明するが、これに限定されるものではない。
なお、塗剤調製に使用した液は、下記のとおりである。
A液:エポキシ基含有スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(重量平均分子量=30000、エポキシ当量=1000g/equiv.)の固形分30質量%溶液(溶媒:トルエン)
B1液:アクリル−スチレン共重合体(重量平均分子量=8000)の固形分30質量%溶液(溶媒:トルエン/MEK(1/1))
B2液:アクリル−スチレン共重合体(重量平均分子量=16000、水酸基価=94mg−KOH/g)の固形分30%溶液(溶媒:トルエン/MEK(1/1))
B3液:アクリル−スチレン共重合体(重量平均分子量=150000)の固形分30質量%溶液(溶媒:トルエン/MEK(1/1))
B4液:アクリル−スチレン共重合体(重量平均分子量=270000)の固形分30質量%溶液(溶媒:トルエン/MEK(1/1))
C液:アンチモンドープ酸化錫微粒子分散体(平均粒径=110nm)の33質量%溶液(溶媒:MEK)
得られたフィルムの物性の測定法を以下に示す。なお、原理が同じであれば機械、装置等が異なってもよい。
(1)耐ブロッキング性:
易接着層を有するフィルムをA4版にカットした後、易接着層同士が接するように10枚重ねたものについて、一週間室温で放置した。ブロッキングが生じていない場合を○、ブロッキングしている場合を×とした。
(2)紫外線硬化型樹脂層との密着性:
紫外線硬化型樹脂層として、積水化学工業社製粘着テープ「セルファ」を用い、これを易接着層面に貼り付け、紫外線照射前後の剥離試験を行った。紫外線照射前後それぞれにポリエステルフィルム/易接着層間の界面剥離や、易接着層の凝集破壊が見られなかったものを○、界面剥離や凝集破壊が見られたものを×とした。
(3)透明性:
易接着層を設けたフィルムの表面を目視で確認し、易接着層が白化し、不透明になっているものを×、透明であるものを○とした。
(4)表面固有抵抗値:
JIS−K6911に準拠し、ダイアインスツルメンツ社製高抵抗計ハイレスタIP、MCP−HT260を用いて、易接着層の表面固有抵抗値を23℃×50%RHの環境下で測定した。
実施例1
A液10g、B1液10g、およびC液30gを混合したのち、ポリエステルフィルム(ユニチカ社製エンブレットS−50)のコロナ面に塗布後、120℃で乾燥し易接着フィルムを得た。表1に得られた易接着ポリエステルフィルムの特性を示した。
実施例2
A液15gにB1液5g、およびC液30g混合したのち、ユニチカ社製ポリエステルフィルムエンブレットS−50のコロナ面に塗布後120℃で乾燥し易接着フィルムを得た。
実施例3
B1液に代えてB2液を使用した以外は実施例1と同様にして易接着フィルムを得た。
実施例4
B1液に代えてB2液を使用した以外は実施例2と同様にして易接着フィルムを得た。
実施例5
A液10g、B3液10g、およびC液30g混合したのち、ユニチカ社製ポリエステルフィルムエンブレットS−50のコロナ面に塗布後120℃で乾燥し易接着フィルムを得た。
実施例6
B3液に代えてB4液を使用した以外は実施例5と同様にして易接着フィルムを得た。
比較例1
B1液20gにC液30g混合したのち、ユニチカ社製ポリエステルフィルムエンブレットS−50のコロナ面に塗布後120℃で乾燥し易接着フィルムを得た。
比較例2
B1液に代えてA液を使用した以外は比較例1と同様にして易接着フィルムを得た。
比較例3
A液10gにB1液10gを混合したのち、ユニチカ社製ポリエステルフィルムエンブレットS−50のコロナ面に塗布後120℃で乾燥し易接着フィルムを得た。
比較例4
ユニチカ社製ポリエステルフィルムエンブレットS−50のコロナ面を易接着処理層として使用した。

Claims (5)

  1. 易接着層を少なくとも一層有するポリエステルフィルムであって、前記易接着層はビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体またはその部分水素添加物であり、前記共役ジエンの炭素−炭素二重結合がエポキシ化されたエポキシ変性ブロック重合体で構成され、かつ前記易接着層が、導電性酸化金属微粒子と、アクリル・スチレン共重合体とを含有することを特徴とする易接着ポリエステルフィルム。
  2. 導電性酸化金属微粒子がアンチモンドープ酸化錫からなる微粒子であることを特徴とする請求項1記載の易接着ポリエステルフィルム。
  3. 導電性酸化金属微粒子の含有量が、エポキシ変性ブロック重合体100質量部に対して、50〜400質量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の易接着ポリエステルフィルム。
  4. アクリル・スチレン共重合体の含有量が、エポキシ変性ブロック重合体100質量部に対して、30〜200質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の易接着ポリエステルフィルム。
  5. 易接着層の上に、光硬化型樹脂層を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
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JP2009224375A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Unitika Ltd 半導体製造工程用フィルム
JP2010083934A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Unitika Ltd 易接着ポリエステルフィルム

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