JP2006123384A - 耐摩耗性ホース - Google Patents

耐摩耗性ホース Download PDF

Info

Publication number
JP2006123384A
JP2006123384A JP2004315422A JP2004315422A JP2006123384A JP 2006123384 A JP2006123384 A JP 2006123384A JP 2004315422 A JP2004315422 A JP 2004315422A JP 2004315422 A JP2004315422 A JP 2004315422A JP 2006123384 A JP2006123384 A JP 2006123384A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
layer
reinforcing
fatty acid
hose
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004315422A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4457849B2 (ja
Inventor
Hideki Shinohara
英樹 篠原
Tomoyuki Matsumoto
智幸 松本
Koji Iwata
康志 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2004315422A priority Critical patent/JP4457849B2/ja
Publication of JP2006123384A publication Critical patent/JP2006123384A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4457849B2 publication Critical patent/JP4457849B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】耐摩耗性の向上による長寿命化および低コスト化が図られるとともに、作業性の低下を招くことのない耐摩耗性ホースを提供する。
【解決手段】ゴム製内層1の外周面に中間ゴム層2が形成され、ついで上記中間ゴム層2の外周面に第1の補強層3が形成され、この第1の補強層3の外周面に螺旋状補強線材4が形成され、さらに上記第2の補強層5が形成され、ついで上記第2の補強層5の外周面にゴム製外層6が形成された耐摩耗性ホースである。そして、上記ゴム製内層1が、脂肪酸アミドを含有するゴム組成物を用いて形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、生コンクリート、特に高性能生コンクリートを輸送管内を圧送して所定場所に打設する際に、上記輸送管の先端に接続して用いられる打設用先端ホースや、トンネルの土砂や泥水等の排出用ホース等に用いられる耐摩耗性ホースに関するものである。
従来から、コンクリートミキサー車により施工現場に輸送されてきた生コンクリートをポンプ車により輸送管を経由して所定の場所に打設する際に、その輸送管の先端に接続して圧送するための打設用先端ホースが用いられている。このようなホースとしては、例えば、生コンクリートを流通させる、断面環状のゴム製内層の外周に耐圧補強層、さらにゴム製外層を順次積層した構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。近年では、通常の生コンクリートよりも粘度が高い高性能生コンクリートと呼ばれる高粘度の生コンクリートを使用する機会が増えてきており、この場合は、通常の生コンクリートよりも、粘度が高く圧送し難いためにホース自身に大きな負荷が加わることとなる。すなわち、通常の生コンクリートを圧送する場合よりも、圧送元のポンプ圧を上げて圧送することから、生コンクリートとゴム製内層との摩擦および単位面積当たりに加わる圧力が大になりホースの耐久寿命が著しく短くなっているのが現状である。
特開平8−291886号公報
このような問題を解決する目的で、例えば、ホースのゴム製内層の厚みを厚くしたり、ゴム製内層のさらに内周面に耐摩耗性の良好な樹脂層を形成することにより、ホースの耐久寿命の向上が図られている。しかしながら、上記のようにゴム製内層の厚みを厚くすると、ホース全体の重量が増加するため、それを抱える等して扱う作業員の負担が大きくなって生コンクリート打設の作業性等が低下したり、またゴムの使用量が増加することによりホースのコストアップにもつながるという問題が生じる。また、上記樹脂層を形成すると、ホース自体の曲げ特性が著しく低下し扱い難くなるという問題が生じる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐摩耗性の向上による長寿命化および低コスト化が実現できるとともに、作業性の低下を招くことのない耐摩耗性ホースの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の耐摩耗性ホースは、ゴム製内層と、その外周に、直接もしくは他の層を介して補強層が形成されてなる耐摩耗性ホースであって、上記ゴム製内層が、下記の(A)成分を含有するゴム組成物を用いて形成されているという構成をとる。
(A)脂肪酸アミド。
すなわち、本発明者らは、ホースのゴム層の厚みを厚くしたり、新たに樹脂層を形成したりすることなく、ホースの耐摩耗性を向上させるべく、ホースの内層であるゴム層の形成材料を中心に鋭意研究を重ねた。その結果、上記内層を、脂肪酸アミドを配合したゴム組成物を用いて形成すると、ゴム層内周面の摩擦係数が小さくなり、ホース内部を流れる流体との摩擦が低減されて耐摩耗性が向上し、しかも流体の圧力損失が小さくなるため、高粘度の流体を圧送する際にポンプ圧力を極端に上げる必要が無くなることから、長寿命化が図られることを見いだし、本発明に到達した。
以上のように、本発明の耐摩耗性ホースは、ゴム製内層が、脂肪酸アミド〔(A)成分〕を含有するゴム組成物を用いて形成されている。このため、ゴム製内層の内周面の摩擦係数の低減が図られ、耐摩耗性が向上する。そして、低摩擦化の実現により、圧力損失が小さくなるため、圧送する際の圧力の上昇を抑制することが可能となり、長寿命化を実現することができる。また、低摩擦化により、例えば、生コンクリートを圧送させる際に骨材がホース表面に突き刺さったりすることに起因したホースの閉塞や層剥離による耐久性の低下を防止することができる。また、圧送圧力を小さくできることから、ホースの単位面積当たりに加わる圧力も小さくなり、高圧圧送の際のようなホースの破裂事故を防ぐことができる。したがって、ゴム層の厚みを厚くすることによるコストアップやホース重量の増大に伴う作業性の低下が回避可能となりホースの長寿命化が実現する。このようなことから、本発明の耐摩耗性ホースは、例えば、通常の生コンクリートより粘度の高い高性能生コンクリートを圧送して打設する際に用いられる打設用先端ホースや、トンネルの土砂や泥水等の排出用ホースに有用である。
そして、上記ゴム製内層と補強層との間に、上記脂肪酸アミド不含の中間ゴム層を介在し形成すると、その介在層が親和層として作用するため、ゴム製内層と補強層との接着性が向上し、ホースとしての信頼性および耐久性が一層が向上する。
また、上記脂肪酸アミド〔(A)成分〕の含有量を特定の範囲に設定すると、より一層優れた耐摩耗性の向上を実現することができる。
本発明の耐摩耗性ホースは、例えば、図1に示すように、ゴム製内層1の外周面に中間ゴム層2が形成され、この中間ゴム層2の外周面に第1の補強層3が形成され、この第1の補強層3の外周に螺旋状補強線材4が巻回され、さらにその外周に第2の補強層5が形成され、この第2の補強層5の外周面にゴム製外層6が形成され構成されている。そして、本発明においては、上記ゴム製内層1が、脂肪酸アミドを配合したゴム組成物を用いて形成されていることが最大の特徴である。
上記ゴム製内層1形成材料としては、脂肪酸アミド(A成分)を含有するゴム組成物が用いられる。
上記ゴム組成物を構成するマトリックス成分であるゴム成分としては、特に限定するものではなく従来公知の各種ゴム、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水添NBR、水添SBR、イソプレンゴム、アクリルゴム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、耐久性,低コスト,脂肪酸アミドとの濡れ性という観点から、天然ゴム(NR)およびブタジエンゴム(BR)の混合物を、NR/BR(重量比)=30/70〜70/30の範囲内で用いることが好ましい。
上記脂肪酸アミド(A成分)としては、不飽和脂肪酸アミド,N−置換不飽和脂肪酸アミド等が用いられる。
上記不飽和脂肪酸アミドは、一般式:RCONH2 (Rは不飽和脂肪酸アルキル基)で表されるものであり、より詳しくは上記R(不飽和脂肪酸アルキル基)は炭素数17〜21の不飽和脂肪酸アルキル基が好ましい。例えば、分子量250〜350、融点90℃以下のものが好ましく用いられ、具体的には、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記N−置換不飽和脂肪酸アミドは、一般式:R1 CONHR2 NHCOR1 (R1 は不飽和脂肪酸アルキル基、R2 はアルキレン基)で表されるものであり、より詳しくは上記R1 は炭素数10〜22の不飽和脂肪酸アルキル基、上記R2 は炭素数2〜6のアルキレン基が好ましい。例えば、分子量550〜650、融点100〜130℃のものが好ましく用いられ、具体的には、N,N′−エチレンビスオレイン酸アミド、N,N′−ジオレイルアジピン酸アミド等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
これら脂肪酸アミド(A成分)のなかでも、融点,ブリード性,滑性という観点から、オレイン酸アミド,エルカ酸アミドを用いることが好ましい。
上記脂肪酸アミド(A成分)の含有量は、マトリックス成分であるゴム成分100重量部に対して5〜30重量部の割合に設定することが好ましく、特に好ましくは10〜25重量部である。すなわち、5重量部未満では、ゴム製内層1における充分な耐摩耗性の向上効果が得られ難く、30重量部を超えると、中間ゴム層2もしくは補強層との接着性が低下する傾向がみられるからである。
上記ゴム製内層1形成材料であるゴム組成物には、ゴム成分および脂肪酸アミド(A成分)以外に、必要に応じて、補強剤、プロセスオイル、硫黄等の加硫剤、加硫促進助剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤等を適宜配合することができる。
上記補強材としては、従来公知の各種補強材料、例えば、カーボンブラック、ホワイトカーボン等があげられる。
上記加硫促進助剤としては、例えば、酸化亜鉛、活性亜鉛華、酸化マグネシウム等があげられる。
また、上記老化防止剤としては、例えば、カルバメート系老化防止剤、フェニレンジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、ワックス類等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオクチル(DOP),フタル酸ジ−n−ブチル(DBP)等のフタル酸系可塑剤、ジブチルカルビトールアジペート,ジオクチルアジペート(DOA)等のアジピン酸系可塑剤、セバシン酸ジオクチル(DOS),セバシン酸ジブチル(DBS)等のセバシン酸系可塑剤等があげられる。
また、上記加工助剤としては、例えば、ステアリン酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、炭化水素樹脂等があげられる。
つぎに、ゴム製内層1の外周面に形成される、上記脂肪酸アミド不含の中間ゴム層2形成材料としては、特に限定するものではなく従来公知のゴム、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水添NBR、水添SBR、イソプレンゴム、アクリルゴム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。ここでいう脂肪酸アミド不含とは、脂肪酸アミドを文字通り含まないことではなく、少量(数重量%程度)であれば含有していてもよいという趣旨である。そして、上記ゴム製内層1および第1の補強層3に対する接着性という観点から、天然ゴムもしくは天然ゴムおよびブタジエンゴムの混合物を用いることが好ましい。
なお、上記中間ゴム層2形成材料としては、上記ゴム成分以外に、上記ゴム製内層1形成材料と同様、他の添加剤として、必要に応じて、補強剤、硫黄等の加硫剤、加硫促進助剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
そして、上記中間ゴム層2の外周面に形成される第1の補強層3形成材料としては、例えば、ポリエステル糸、ビニロン糸、ナイロン糸、アラミド糸等の補強糸があげられる。また、上記補強糸の編み組み方法も特に限定はなく、例えば、スパイラル編み、ブレード編み等があげられる。あるいは、上記補強糸を長手方向に多数本引き揃えた状態でからみ糸にて拘束してなるシート状補強糸形成材料を準備し、このシート状補強糸形成材料を用いて多層構造に形成するとともにその層間を接着ゴム層(厚み0.2〜0.3mm程度)を用いて接着した、シート状補強糸形成材料と接着ゴム層とからなる多層構造により形成されてなる第1の補強層3があげられる。
上記接着ゴム層形成材料としては、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)等があげられる。
上記第1の補強層3の外周に巻回される螺旋状補強線材4としては、例えば、銅線等のワイヤが用いられる。
さらに、上記螺旋状補強線材4の外周に形成される第2の補強層5形成材料としては、上記第1の補強層3形成材料と同様、例えば、ポリエステル糸、ビニロン糸、ナイロン糸、アラミド糸等の補強糸があげられる。また、上記補強糸の編み組み方法も特に限定はなく、例えば、スパイラル編み、ブレード編み等があげられる。あるいは、上記補強糸を長手方向に多数本引き揃えた状態でからみ糸にて拘束してなるシート状補強糸形成材料を準備し、このシート状補強糸形成材料を用いて多層構造に形成するとともにその層間を接着ゴム層(厚み0.2〜0.3mm程度)を用いて接着した、シート状補強糸形成材料と接着ゴム層とからなる多層構造により形成されてなる第2の補強層5があげられる。
上記第2の補強層5の外周面に形成されるゴム製外層6形成材料としては、特に限定するものではなく、従来公知のゴム、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水添NBR、水添SBR、イソプレンゴム、アクリルゴム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、耐久性、柔軟性,摩耗性等の観点から、天然ゴム(NR)とブタジエンゴム(BR)の混合物を用いることが好ましい。
なお、上記ゴム製外層6形成材料としては、上記ゴム成分以外に、上記ゴム製内層1形成材料および中間ゴム層2形成材料と同様、他の添加剤として、必要に応じて、補強剤、硫黄等の加硫剤、加硫促進助剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
本発明の耐摩耗性ホースは、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、まず、ゴム製内層形成材料を、押出機を用いてシート状に押し出し成形して、マンドレルにスパイラル状に巻回する。ついで、上記シート状ゴム製内層形成材料を巻回した外周面に、中間ゴム層形成材料を押出機を用いてシート状に押し出し成形し、このシートを巻回する。つぎに、上記巻回により形成された上記中間層外周面に補強糸をスパイラル編みすることにより、あるいはシート状補強層形成材料を用いてスパイラル状に巻回することにより第1の補強層3を形成する。ついで、上記第1の補強層3の外周面に補強線材をスパイラル状に巻回し、さらにこの巻回してなる螺旋状補強線材上に上記と同様にして第2の補強層5を形成する。つぎに、上記第2の補強層5外周面に、ゴム製外層形成材料を押出機を用いてシート状に押し出し成形し、このシートを巻回する。そして、全体を所定条件(例えば、150〜180℃の温度条件)で加熱加硫することにより目的とする耐摩耗性ホース(図1参照)を作製することができる。
なお、上記製法においては、シート状ゴム製内層形成材料を巻回してゴム製内層1を形成した後、この表面に中間ゴム層2を巻回により形成し、ついでこの表面に第1の補強層3を形成して螺旋状補強線材4を形成し、さらに第2の補強層5を形成して、その後ゴム製外層6を形成する方法について説明したが、これに限定するものではなく、例えば、ゴム製内層1形成材料の巻回に続いて中間ゴム層2形成材料の巻回、そして第1の補強層3の形成、螺旋状補強線材4の形成、ついで第2の補強層5の形成、さらにゴム製外層6の形成を連続して行ってもよい。
このようにして得られる本発明の耐摩耗性ホース各層の厚みは、ゴム製内層1の厚みは、通常、1〜20mmであり、好ましくは1.5〜10mmである。上記中間ゴム層2の厚みは、通常、0.5〜5mmであり、好ましくは0.5〜3mmである。また、上記第1の補強層3および第2の補強層5の各厚みは、それぞれ、通常、0.5〜5mmであり、好ましくは0.5〜3mmである。上記ゴム製外層6の厚みは、通常、1〜10mmであり、好ましくは1〜5mmである。そして、本発明の耐摩耗性ホースの内径は、用途に応じて適宜設定されるが、通常、12〜1000mmであり、好ましくは20〜600mmである。
本発明の耐摩耗性ホースは、前記図1に示したような層構造に限定されるものではなく、ゴム製内層1および第1の補強層3からなる2層構造、もしくはゴム製内層1と中間ゴム層2と第1の補強層3と螺旋状補強線材4と第2の補強層5、さらにゴム製外層6を備えた多層構造であっても差し支えない。ただし、耐摩耗性ホースの少なくとも内層は、上記脂肪酸アミド(A成分)を含有するゴム組成物で形成されていなければならない。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
(1)ゴム製内層形成材料
〔ゴム成分〕
天然ゴム(豊田通商社製、RSS No.3)60重量部とブタジエンゴム(宇部興産社製、ウベポールBR−150)40重量部とを配合し、これらを二軸混練機を用いて混練りした混合ゴム材料。
〔脂肪酸アミドa〕
オレイン酸アミド
〔脂肪酸アミドb〕
エルカ酸アミド
〔他の内層形成材料〕
ステアリン酸 3重量部
酸化亜鉛 4重量部
カーボンブラック 70重量部
プロセスオイル 5重量部
加硫促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド:CBS)
1重量部
硫黄 2重量部
(2)中間ゴム層形成材料
〔ゴム成分〕
天然ゴム(豊田通商社製、RSS No.3) 100重量部
〔他の中間ゴム層形成材料〕
ステアリン酸 3重量部
酸化亜鉛 4重量部
カーボンブラック 70重量部
プロセスオイル 10重量部
加硫促進剤(CBS) 1重量部
硫黄 2重量部
(3)第1および第2の補強層形成材料
〔シート状補強層形成材料a〕
ポリエステル製補強糸(帝人社製、P900M)を長手方向に複数本引き揃えた状態でからみ糸にて拘束してなる第1の補強糸層に、下記に示す配合成分からなる接着用ゴムをトッピングしてなるシート状補強層形成材料(総厚み1mm)を準備した。
〔接着用ゴム配合成分〕
スチレン−ブタジエンゴム(JSR社製、SBR1500) 100重量部
ステアリン酸 3重量部
酸化亜鉛 4重量部
カーボンブラック 45重量部
炭酸カルシウム 100重量部
プロセスオイル 45重量部
加硫促進剤(ジベンゾチアジルジスルフィド:MBTS) 1重量部
硫黄 3重量部
〔シート状補強層形成材料b〕
ナイロン製補強糸(帝人社製、T−5)を長手方向に複数本引き揃えた状態でからみ糸にて拘束してなる第2の補強糸層に、上記シート状補強層形成材料aで用いた配合成分と同じ接着用ゴムをトッピングしてなるシート状補強層形成材料(総厚み0.6mm)を準備した。
(4)ゴム製外層形成材料
〔ゴム成分〕
天然ゴム(豊田通商社製、RSS No.3)50重量部とブタジエンゴム(宇部興産社製、ウベポールBR−150)50重量部とを配合し、これらを二軸混練機を用いて混練りした混合ゴム材料。
〔他のゴム製外層形成材料〕
ステアリン酸 3重量部
酸化亜鉛 4重量部
カーボンブラック 70重量部
プロセスオイル 10重量部
オゾン老化防止剤 2重量部
加硫促進剤(CBS) 1重量部
硫黄 3重量部
つぎに、上記材料を用いて、下記のようにして耐摩耗性ホースを作製した。
〔実施例1〕
まず、ゴム製内層形成材料として、後記の表1に示す材料を準備した。ついで、このゴム製内層形成材料を、押出機を用いてシート状に押し出し成形して、直径90mmの鉄製マンドレルの軸芯に対して60°の角度でかつ一定の間隔を設けスパイラル状に巻回した。ついで、後記の表1に示す中間ゴム層形成材料を押出機を用いてシート状に押し出し成形し、これを上記シート状ゴム製内層形成材料を巻回した外周面に、上記ゴム製内層形成時とは逆方向に鉄製マンドレルの軸芯に対して60°の角度でかつ一定の間隔を設けスパイラル状に巻回した。
つぎに、シート状補強層形成材料aを用い、これを上記シート状中間ゴム層形成材料を巻回した外周面に、上記中間ゴム層形成時とは逆方向に鉄製マンドレルの軸芯に対して60°の角度でかつ一定の間隔を設けスパイラル状に巻回し第1の補強層を形成した。そして、このシート状補強層形成材料aを巻回した外周面に直径2.6mmのワイヤ(銅線)をスパイラル状に巻回した。ついで、この外周面に、シート状補強層形成材料bを用い、これを上記ワイヤを巻回した外周面に、鉄製マンドレルの軸芯に対して85°の角度でかつ一定の間隔を設けスパイラル状に巻回し第2の補強層を形成した。このようにしてワイヤを介して2層の補強層を形成した。
ついで、後記の表1に示すゴム製外層形成材料を押出機を用いてシート状に押し出し成形し、これを上記第2の補強層の外周面に、上記第2の補強層形成時とは逆方向に鉄製マンドレルの軸芯に対して60°の角度でかつ一定の間隔を設けスパイラル状に巻回した。
そして、全体を加熱加硫(条件:150℃×60分間)することにより目的とする図1に示す多層構造の耐摩耗性ホース(内径90mm、外径105mm)を作製した。作製したホースの各層の厚みを後記の表1に併せて示す。
〔実施例2〜6、比較例1〜2〕
ゴム製内層形成材料、中間ゴム層形成材料、2層の補強層形成材料(第1および第2の補強層形成材料)およびゴム製外層形成材料として後記の表1〜表2に示すものを用いた。それ以外は実施例1と同様にして耐摩耗性ホース(内径90mm、外径105mm)を作製した。各層の厚みを後記の表1〜表2に併せて示す。
Figure 2006123384
Figure 2006123384
〔比較例3〕
実施例1のゴム製内層の内周に、さらにポリエチレン樹脂(作新工業社製、ニューライト)を用いてライニングして厚み0.1mmの樹脂層を形成した。それ以外は実施例1と同様にして耐摩耗性ホースを作製した。
このようにして得られた実施例品および比較例品の耐摩耗性ホースを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表3〜表4に併せて示す。
〔耐摩耗性〕
(1)静動摩擦係数の測定
静・動摩擦係数計DEPM(協和界面科学社製)を用い、摩擦子を直径3mmの鋼球で荷重500gの条件にて測定した。
(2)動摩擦係数の測定
上記静動摩擦係数の測定で用いた静・動摩擦係数計DEPM(協和界面科学社製)を用いて同様に測定した。
〔曲げ特性〕
長さ2mのホースを半径500mmのパイプに沿って180°曲げ、そのときのホースの片端の反発力をバネ秤で測定した。
Figure 2006123384
Figure 2006123384
上記結果から、全実施例品は、静動摩擦係数および動摩擦係数ともその値が低いことから耐摩耗性に優れていることがわかる。また、曲げ特性に関しても、その測定評価結果から、良好な値が得られており作業性に関しても優れていることがわかる。
これに対して、比較例1〜2品は、ゴム製内層形成材料として、脂肪酸アミドを含有しないゴム組成物を用いたため、摩擦係数が高く耐摩耗性に劣っていることがわかる。また、比較例3品は、ゴム製内層にポリエチレン樹脂をライニングしたため、耐摩耗性に関しては良好な結果が得られたが、曲げ特性に劣るものであった。
本発明の耐摩耗性ホースは、生コンクリート、特に高性能生コンクリートを輸送管内を圧送して所定場所に打設する際に、上記輸送管の先端に接続して用いられる打設用先端ホースや、トンネルの土砂や泥水等の排出用ホース等に好適に用いられる。
本発明の耐摩耗性ホースの一例を示す構成図である。
符号の説明
1 ゴム製内層
2 中間ゴム層
3 第1の補強層
4 螺旋状補強線材
5 第2の補強層
6 ゴム製外層

Claims (4)

  1. ゴム製内層と、その外周に、直接もしくは他の層を介して補強層が形成されてなる耐摩耗性ホースであって、上記ゴム製内層が、下記の(A)成分を含有するゴム組成物を用いて形成されていることを特徴とする耐摩耗性ホース。
    (A)脂肪酸アミド。
  2. 上記ゴム製内層と補強層の間に、上記脂肪酸アミド不含の中間ゴム層を形成してなる請求項1記載の耐摩耗性ホース。
  3. 上記(A)成分である脂肪酸アミドが、飽和脂肪酸アミドおよび不飽和脂肪酸アミドの少なくとも一方である請求項1または2記載の耐摩耗性ホース。
  4. 上記(A)成分である脂肪酸アミドの含有量が、マトリックス成分100重量部に対して5〜30重量部の割合に設定されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐摩耗性ホース。
JP2004315422A 2004-10-29 2004-10-29 耐摩耗性ホース Expired - Fee Related JP4457849B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004315422A JP4457849B2 (ja) 2004-10-29 2004-10-29 耐摩耗性ホース

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004315422A JP4457849B2 (ja) 2004-10-29 2004-10-29 耐摩耗性ホース

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006123384A true JP2006123384A (ja) 2006-05-18
JP4457849B2 JP4457849B2 (ja) 2010-04-28

Family

ID=36718576

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004315422A Expired - Fee Related JP4457849B2 (ja) 2004-10-29 2004-10-29 耐摩耗性ホース

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4457849B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101350042B1 (ko) * 2011-12-30 2014-01-13 정인선 내압용 호스

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101350042B1 (ko) * 2011-12-30 2014-01-13 정인선 내압용 호스

Also Published As

Publication number Publication date
JP4457849B2 (ja) 2010-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2311633B1 (en) Hose for transporting refrigerant
JP5662852B2 (ja) 冷媒輸送ホースおよびその製法
JP4781035B2 (ja) バキュームブレーキホースおよびその製法
US7849887B2 (en) Refrigerant transportation hose
JP6128550B2 (ja) ホース
JP6106824B2 (ja) 高圧油圧ホース
JP2004262244A (ja) 中空体形状の熱可塑性多層複合体
JPH0615914B2 (ja) 冷媒輸送用ホース
US20150075665A1 (en) Refrigerant hose with metal foil layer
EP1495857A1 (en) Air conditioning hose
US10955072B2 (en) Lightweight hoses
JP4457849B2 (ja) 耐摩耗性ホース
EP1156251A2 (en) Fuel transporting hose
EP3233469B1 (en) Low extractable curb pump hose
WO2023062879A1 (ja) 流体輸送用ホース
CA3005824C (en) Hose inner layer formed of eco blended with nbr/pvc
US10501609B2 (en) Hose rubber composition and hydraulic hose
JP2011190901A (ja) ホース
EP1108528A2 (en) Hose construction having inner core of hydrogenated nbr
JP4760114B2 (ja) ホース
JPH10267169A (ja) 耐摩耗性ホース
JP3146739B2 (ja) 自動車燃料配管用ホース
JP5706070B2 (ja) 冷媒輸送用ホース
CN112912632A (zh) 致动器
JP4691913B2 (ja) ジメチルエーテル輸送用ホース

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090807

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090915

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100119

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130219

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140219

Year of fee payment: 4

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees