JP2006123352A - 建築用板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】無機質建築用板の表層部の早期硬化現象を防止して予め設定された比重を与える。
【構成】無機質繊維a、無機質粉体bおよび熱硬化性結合剤cを必須成分とする混合物2を均一に散布堆積させて混合物層5を形成した後、この混合物層によるマット7の少なくとも表面に水8を添加することによりマットの表面側の含水率を高め、このマットを加熱盤で熱圧して成形体を形成することにより、建築用板を製造する。芯層の少なくとも片面に外層が設けられる複数層の建築用板を製造する場合は、芯層マットを形成した後、その少なくとも片面に、上記と同様にして外層マットを形成して積層マットとし、その少なくとも表面に水を添加することにより表面側の含水率を高め、この積層マットを加熱盤で熱圧する。
【選択図】図1

Description

本発明は建築用板の製造方法に関する。
無機質繊維を主成分とする建築用無機板の製造方法として、下記特許文献1に記載された従来技術がある。この方法は、スラリーから湿潤無機板を抄造する湿式工程により建築用板の上層部および下層部を形成している。より具体的には、上記湿式工程により抄造した下層部用湿潤無機板の上に、中層部用混合物を散布堆積し、この上にさらに上記湿式工程により抄造した上層部用湿潤無機板を積層し、得られた積層体を加熱圧締一体化して無機建築板を製造するものである。
特許第2801493号公報
ところが、スラリーから抄造される湿潤無機板は含水率が高く、このままでは熱圧に不適であるので、脱水後乾燥させる必要がある。乾燥した湿潤無機板においては、その表層は含水率が低下しているが、内部は依然として高い含水率を維持している。したがって、これを熱圧すると、熱圧盤が湿潤無機板の表面に接触し、最終厚み設定になる前の初期の段階で、言い換えれば圧力が十分に高まらないため十分に圧縮されないうちに、プレスの熱により結合剤(接着剤)が硬化してしまう。このため、最終厚みを与えようとしてさらにプレスの圧力を高めても、表層部で既に結合剤が硬化してしまっているので、目標とする高比重層が形成されないという問題がある(早期硬化現象)。
また、結合剤が既に硬化している表層部が加圧されることになるため、該表層部が少なくとも部分的に破壊されながら圧縮される。このようにして形成された成形板の表面は荒れた面となり、比重も小さく、建築用板としての良好な物性が得られない。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、表層部における早期硬化現象を防止し、表層部に予め設定された比重を与えることができる新規な方法を提供することにある。
上記の課題を達成するため、請求項1に係る本発明は、無機質繊維、無機質粉体および熱硬化性結合剤を必須成分とする混合物を均一に散布堆積させて混合物層を形成した後、この混合物層からなるマットの少なくとも表面に水を添加することにより該表面側の含水率が高められたマットを形成するマット形成工程と、加熱盤で上記マットを熱圧して成形体を形成する熱圧工程と、を含む建築用板の製造方法である。
請求項2に係る本発明は、芯層マットを形成し、その少なくとも片面に、無機質繊維、無機質粉体および熱硬化性結合剤を必須成分とする混合物を均一に散布堆積させて外層マットを形成し、この外層マットの少なくとも表面に水を添加することにより該外層マットの表面側の含水率を高め、芯層マット上に表面側の含水率が高められた外層マットが積層されてなる積層マットを加熱盤で熱圧することを特徴とする建築用板の製造方法である。この方法により製造される建築用板は、芯層の片面に外層を設けた二層構造のもの、芯層の表裏両面に外層を設けた三層構造のものなどである。
請求項3に係る本発明は、請求項1または請求項2の建築用板の製造方法において、上記マット形成工程においてマットの表面に100〜600g/mの水を添加することを特徴とする。
本発明方法によれば、マットを形成する際に、その少なくとも表面に水が添加されて、該マットの表面側の含水率が高められる。水が添加されたマットの表面は、その表面から板厚方向内部に向かって含水率が漸次小さくなる含水率傾斜を有する。このマットを加熱盤で熱圧すると、熱圧盤はまずマットの表面に接触する。この熱圧初期の段階においては、マットに含まれる水分が蒸発し拡散するので、マットの表面温度が直ちに上昇することはないが、圧力は徐々に高くなっていく。
さらにマットが加圧されると、温度の上昇とともに圧縮が進行する。圧力が加わり圧縮された段階で、表面側部分の温度は熱硬化性結合剤の硬化開始温度を越えるので、熱硬化性結合剤が硬化するとともに表面側部分が圧縮された状態で硬化し、表面側部分の比重低下を抑制する。また、表面側の水分移動に伴って熱硬化性結合剤が広い範囲に流動して硬化するため、表面側の結合力が高められる。
マットの成分と組成は、無機質繊維、無機質粉体および熱硬化性結合剤を必須成分とするが、このほか有機質繊維、カップリング剤を含むと良い。
マットの表面に添加または散布する水の量は、好ましくは100〜600g/m、より好ましくは150〜500g/mとする。マット表面に添加または散布する水量が100g/mに満たないようであると、マット表面の含水率低下を抑制する上で有意な効果が見られず、この観点からより好ましくは150g/m以上の水量をマット表面に添加または散布する。また、マット表面に添加または散布する水量が600g/mを越えると、マット表面部分の含水率が高くなりすぎてマットに含まれる熱硬化性結合剤の硬化不良を来たし、かえってマット表面部分の比重を低下させてしまい、この観点からより好ましくはマット表面に添加または散布する水量の上限を500g/mとする。
無機質繊維は、ロックウール、スラグ繊維、シリカ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカチタニア繊維、シリコンカーバイト繊維、ガラス繊維、炭素繊維、窒化ホウ素繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、金属繊維などである。無機質繊維としてロックウールを使用する場合、その解繊後のかさ比重は0.02〜0.04を目処とする。
無機質粉体は、ペーパースラッジ焼却灰(PS灰)、スラグ、フライアッシュ、炭化カルシウム、アルミナなどである。PS灰としてはかさ比重0.29前後のものを使用することが好ましい。
熱硬化性結合剤は、フェノール系樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、尿素系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの結合剤の中から、単体または複数を必要に応じて使用する。
有機質繊維は、パルプ、木質繊維、木粉などのほか、ビニロン繊維、アクリル繊維、ポリアミド繊維などの合成樹脂繊維を使用することができる。木質繊維としては、松、杉、桧などの針葉樹またはラワン、カポール、栗、ポプラなどの広葉樹をチップにした後、常法に従い解繊したものを使用することができる。木質繊維のかさ比重は、木粉を含む場合0.020〜0.024、木粉を含まない場合0.016〜0.018程度のものを使用し、その繊維長さは0.5〜40mm、直径は0.05〜0.5mm(アスペクト比400以下)程度である。また、アスペクト比10未満で繊維長さがたとえば50〜80μmのものを木粉とする。
カップリング剤は、無機質発泡体と有機質繊維との結合を促進させるものであるが、一般にX〜Si(OR)の化学式で表される化合物であり、このうちのXはアミノ基、ビニル基、エポキシ基など、ORはメトキシ基、エトキシ基などの反応基からなり、分子中に2個以上の異なった反応基をもった化合物である。具体的には、ビニルトリメトキシシラン、β−3,4(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのシラン系カップリング剤を使用すると良い。
混合物においては、無機質繊維の量を無機質粉体の量よりも多くする。各成分の混合割合は、無機質繊維50〜70重量%、無機質粉体10〜35重量%、有機質繊維5〜20重量%、結合剤5〜15重量%を目安とする。さらに、カップリング剤として0.1重量%程度を添加する。
無機質繊維の混合割合については、70重量%を越えると、成形体の形状安定性と硬さが向上するが、脆くなり曲げに対する抵抗力が減少し割れ易くなり、50重量%未満であると、形状安定性と基材としての硬さが不足するようになる。したがって、混合物中の無機質繊維量は上述のように50〜70重量%とすることが好ましい。
無機質粉体の混合割合については、35重量%を越えると、熱圧成形後の収縮が小さく形状を保持するが、脆くなり曲げ強度が小さくなり、10重量%未満であると、熱圧成形後の収縮が大きく形状、寸法の保持が劣るようになる。したがって、混合物中の無機質粉体量は上述のように10〜35重量%とすることが好ましい。
有機質繊維の混合割合については、20重量%を越えると、有機質繊維の増加により不燃性能の低下を来すとともに無機質繊維の比率が小さくなり形状安定性に欠けるようになり、5重量%未満であると、無機質繊維に対する有機質繊維の割合が小さく、機械的強度、特に曲げ強度が小さくなる。したがって、混合物中の有機質繊維量は上述のように5〜20重量%とすることが好ましい。
結合剤の混合割合については、15重量%を越えると、熱圧成形後の収縮量が大きくなり形状、寸法の保持が劣るようになり、5重量%未満であると、無機質繊維と有機質繊維との結合が弱く、成形体としての機械的強度が劣るようになる。したがって、混合物中の結合剤量は上述のように5〜15重量%とすることが好ましい。
熱圧は一回(ワンショット)で行うものとし、圧力は10〜30kgf/cm、温度は110〜220°Cの各範囲で行うことが好ましいが、熱圧成形時の加圧力、温度、時間などの選定は、無機質繊維などの種類、結合剤の種類、マットの厚みなど原材料、寸法、使用目的などにより最適の条件を決定する。
芯層の少なくとも片面に外層を設けた複数層の建築用板を製造する場合、芯層に対応する混合物の成分と組成は、無機質発泡体、無機質粉体、有機質繊維、熱硬化性結合剤およびカップリング剤などである。無機質発泡体は、パーライト、シラス発泡体、シリカ発泡体、ガラス発泡体などである。無機質粉体、有機質繊維、熱硬化性結合剤およびカップリング剤については、前述の記載を参照されたい。また、芯層の外側に形成される表層や裏層の成分組成、厚さなどは、必ずしも同一のものでなくても良く、予め目標とした比重または厚みが得られれば良い。
芯層に対応する混合物の成分割合は、無機質発泡体の量を無機質粉体および有機質繊維の量よりも多くする。各成分の混合割合は、無機質発泡体50〜70重量%、無機質粉体15〜40重量%、有機質繊維2〜20重量%、結合剤5〜10重量%を目安とする。さらに、カップリング剤として0.1重量%程度を添加する。
無機質発泡体の混合割合が70重量%を越えると、成形体の形状安定性が増すが、脆くなり曲げに対する抵抗力が減少し割れ易くなり、50重量%未満であると、形状安定性が不足するようになるとともに軽量化が図られなくなる。したがって、芯層用混合物中の無機質発泡体量は上述のように50〜70重量%とすることが好ましい。
無機質粉体の混合割合が40重量%を越えると、熱圧成形後の収縮が小さく形状を保持するが、脆くなり曲げ強度が小さくなり、15重量%未満であると、熱圧成形後の収縮が大きく形状、寸法の保持が劣るようになる。したがって、芯層用混合物中の無機質粉体量は上述のように15〜40重量%とすることが好ましい。
有機質繊維の混合割合が20重量%を越えると、有機質繊維の増加により不燃性能の低下を来し、2重量%未満であると、無機質発泡体に対する有機質繊維の割合が小さく曲げ強度が小さくなる。したがって、芯層用混合物中の有機質繊維量は上述のように2〜20重量%とすることが好ましい。
結合剤の混合割合が10重量%を越えると、熱圧成形後の収縮量が大きくなり形状、寸法の保持が劣るようになり、5重量%未満であると、無機質発泡体と無機質繊維との結合が弱く、成形体としての機械的強度、特に曲げ強度が劣るようになる。したがって、芯層用混合物中の結合剤量は上述のように5〜10重量%とすることが好ましい。
本発明を、複数層の積層構成を有する建築用板の製造に適用する場合、ワンショット法または練り合せ法のどちらを採用しても良い。ワンショット法によるときは、上下熱圧盤の間に各層を形成するマットを順次重ね合わせて積層マットを得、これを適宜圧縮して形状の安定した積層マットとした後、前述のようにしてその少なくとも表面に水を添加して該表面部分の含水率を高め、ホットプレスの上下熱盤間に載置して所定の熱圧条件により熱圧することにより積層体としての建築用板を製造する。芯層の片面に外層を積層した二層構造の建築用板を製造するときは、芯層用マット上に外層用マットを重ねて二層積層マットとしてこれを適宜圧縮した後、その表面、すなわち外層用マットの上面に水を添加する。芯層の両面に各々外層(表層と裏層)を積層した三層構造の建築用板を製造するときは、裏層用マット上に芯層用マットおよび表層用マットを順次に重ねて三層積層マットとしてこれを適宜圧縮した後、その表裏面、すなわち表層用マットの上面および裏層用マットの下面に各々水を添加する。この場合、予め個々に形成した各層のマットを重ね合わせ積層マットとしても良いし、最下層の成分から順次混合物を散布することにより積層マットを形成しても良い。
練り合せ方法を採用する場合は、各層を形成するマットごとに熱圧成形して各々に対応する板素材を製造した後、各板素材を接着剤を介して重ね合わせ、熱圧または単に加圧することにより建築用板を製造する。あるいは、上記のようにしてマットを熱圧成形した板素材を表裏層に用い、表裏層に挟まれる芯層には、合板、木質繊維板(MDFなど)、木削片板、単板積層板などの木質系、スチロール樹脂、塩化ビニル樹脂、強化プラスチック、発泡スチロール樹脂、発泡ウレタン樹脂などの各種合成樹脂板、あるいは木質系や合成樹脂系の複合積層板など適宜の板素材を使用して積層一体化して建築用板としても良い。この場合は、外層となる板素材の製造において、建築用板の表面(または裏面)となるマット面に水を添加する。
複数層の建築用板の場合、表裏層と、この表裏層に挟まれた芯層の比重を調整することにより建築用板として最適な比重の板を形成することができる。たとえば、表層または表裏層の比重を1、芯層の比重を0.55とし、建築用板としての比重を0.7〜0.85となるように形成することができる。
請求項1に係る発明によれば、マット形成工程において、形状安定化後のマットの少なくとも表面に水が添加されて、該マットの表面側の含水率が高められるので、表面側部分の比重低下が抑制され、該表面側部分が予め設定された比重を有する建築用板を製造することができる。
請求項2に係る発明によれば、複数層の建築用板において外層の表面側の比重低下が抑制されることになるので、外層の比重が高く維持された建築用板が製造され、釘の引き抜き抵抗性、耐損傷性、軽量性などに優れた建築用板を提供することができる。
本発明による建築用板の製造方法におけるマット形成工程を実施するための装置構成例を示す図1を参照して、まず、ホッパー1に投入した混合物2を、ホッパー1の下部に設けられたダンパー3を開いてコンベヤー4上に均一に散布堆積させて混合物層5を形成する。混合物2は、無機質繊維としてのロックウールa、無機質粉体としてのPS灰bおよび熱硬化性結合剤としてのフェノール樹脂結合剤cを含み、このほかに木質繊維dとカップリング剤eを含む。カップリング剤eとしては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのシラン系を使用する。散布堆積された混合物層5の表面は凹凸があり厚みが均一でないので、ロール6にて混合物層5の凹凸部分を除去して平坦にする。
次に、混合物層5をコンベヤー4で移送する過程で、その厚み方向に圧縮して、形状の安定したマット7とする。このときの圧縮率は一般に20〜60%程度であり、たとえば50%程度とすることができる。マットの圧縮は、図示しないが、たとえばコンベヤー4の途中に設けたプレスコンベヤーにより行うことができる。プレスコンベヤーは、移送方向と直交する軸を持つ複数の圧縮用ロールが間隔をおいて水平に並べられてなる下側ロール群と、同じく移送方向と直交する軸を持つ複数の圧縮用ロールが間隔をおいて並べられてなる上側ロール群とが、コンベヤーにより移送されるマットの上下に対向配置されて構成されており、且つ、上側ロール群は下側ロール群との間の間隔が移送方向前方に向かうにつれて徐々に小さくなるように傾斜して配置されている。マットは、これら上側ロール群と下側ロール群とに挟まれた状態でコンベヤー4により搬送されることにより、徐々に圧縮されて厚みが減少する。
次に、マット7の表裏面に水8を噴霧(添加)する。これによりマット7の表裏面側部分7a,7bの含水率が高くなる。
次に、マット7をコンベヤー9上に移し、鋸10で一定の長さ(L)に切断した後、コンベヤー11上に移載する。なお、図1ではマット7の裏面に水を添加するに当たって表面側と同様に水を噴霧するものとしているが、これに代えて、たとえばコンベヤー9をベルト式とし、このベルトの表面に水を付着させ、この上にマット7を載せることによって該マットの裏面の含水率を高めるようにしても良い。
図1に続いて行う熱圧工程について図2を参照して説明すると、コンベヤー11により移送されたマット7を、図2(a)に示すように、熱圧プレス12の下側熱圧盤上12aに載置した後、上側熱圧盤12bを下降させて、図2(b)に示すように、マット7を規定の厚みの成形体13に熱圧成形する。熱圧された成形体13に寸法切断その他の仕上げ処理を施して建築用板が得られる。
裏層用マットの上に芯層用マットおよび表層用マットを順次に重ね合わせて三層積層マットとし、その表裏面に各々208g/mの水を散布した後に上記熱圧工程により熱圧することにより厚さ9mmの三層構造の建築用板を製造(ワンショット法)し、その板厚方向比重分布を測定したところ、図3に示す通りであった。また、水の散布量を各々448g/mとした他は上記と同一の条件で製造した三層構造の建築用板の板厚方向比重分布曲線を図4に示す。さらに、比較例として、マットに水を噴霧せず、その他は上記と同一の条件で製造した三層構造の建築用板の板厚方向比重分布曲線を図5に示す。いずれの場合も、芯層の比重を0.55とし、表裏層の比重は1.0となることを目的とした。
図3において、三層積層マット表裏面に1m当り208gの水を噴霧することにより、該マットの表裏面から各々約1.2mmの厚さ範囲にわたって含水率が高くなっているものと推測する(水を添加しない場合の図5との比較による)と、この厚さ範囲の表裏部分の含水率増加は計算上17%となり、散水しない状態の熱圧前のマットの含水率は一般に4〜6%程度であるから、該表裏部分の含水率は21〜23%となっている。この積層マットを熱圧すると、建築用板の表面側の比重は内側の比重1.0とほぼ同じ値を示し、比重分布はほぼ一定であった。
図4において、マット表裏面に1m当り448gの水を噴霧した該マット表裏部分の含水率増加は計算上37%となるから41〜43%の含水率となっており、この積層マットを熱圧すると、建築用板の表面側の比重は1.0より大きく、表面から内側に0.6mm入った位置までは漸次低下して該位置で比重1.0となる比重分布を示した。
図5において、水を噴霧しないときのマット表面側の含水率は4〜6%であり、この積層マットを熱圧すると、建築用板の比重は表面から内側に1.2mm入った位置まで表面から漸次上昇して該位置で比重1.0となる比重分布を示した。
本発明方法におけるマット形成工程を示す説明図である。 マット形成工程に続く熱圧工程を示す説明図である。 積層マットの表裏面に水を噴霧して熱圧して製造した本発明実施例による三層構造の建築用板の板厚方向比重分布曲線を示す図である。 水の噴霧量を変えて製造した本発明の別の実施例による三層構造の建築用板の板厚方向比重分布曲線を示す図である。 表面に水を噴霧せずに熱圧して製造した比較例による三層構造の建築用板の板厚方向比重分布曲線を示す図である。
符号の説明
1 ホッパー
2 混合物
a ロックウール(無機質繊維)
b PS灰(無機質粉体)
c フェノール樹脂結合剤
d 木質繊維
e カップリング剤
3 ダンパー
4 コンベヤー
5 混合物層
6 ロール
7 マット
7a,7b 高含水率とされた表裏面側部分
8 水
9 コンベヤー
10 鋸
11 コンベヤー
12 熱圧プレス
12a 下側熱圧盤
12b 上側熱圧盤
13 成形体

Claims (3)

  1. 無機質繊維、無機質粉体および熱硬化性結合剤を必須成分とする混合物を均一に散布堆積させて混合物層を形成した後、この混合物層からなるマットの少なくとも表面に水を添加することにより該表面側の含水率が高められたマットを形成するマット形成工程と、加熱盤で上記マットを熱圧して成形体を形成する熱圧工程と、を含む建築用板の製造方法。
  2. 芯層マットを形成し、その少なくとも片面に、無機質繊維、無機質粉体および熱硬化性結合剤を必須成分とする混合物を均一に散布堆積させて外層マットを形成し、この外層マットの少なくとも表面に水を添加することにより該外層マットの表面側の含水率を高め、芯層マット上に表面側の含水率が高められた外層マットが積層されてなる積層マットを加熱盤で熱圧することを特徴とする建築用板の製造方法。
  3. 上記マット形成工程においてマットの表面に100〜600g/mの水を添加することを特徴とする請求項1または請求項2の建築用板の製造方法。
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