JP2006120924A - マルチビーム半導体レーザー、マルチビーム半導体レーザーヘッド、製版装置、光走査装置、画像記録装置、マルチビーム半導体レーザーの製造方法 - Google Patents

マルチビーム半導体レーザー、マルチビーム半導体レーザーヘッド、製版装置、光走査装置、画像記録装置、マルチビーム半導体レーザーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の発光素子を有するマルチビーム半導体レーザーにおいて、熱干渉による発光素子の出力低下や寿命短縮等の弊害を招くことなくビームピッチを短縮することができるようにする。
【解決手段】本発明では、少なくともオーミック電極25とコンタクト層24と第一クラッド層23と活性層22と第二クラッド層21とを含む構造の複数の発光素子2と、該発光素子2より放出されたレーザー光を反射する複数の反射素子3と、それら複数の発光素子及び複数の反射素子を支持する基板1よりなるマルチビーム半導体レーザー4において、各発光素子2より放出されるレーザー光が平行になるようにし、且つ各反射素子3の反射面が平行であって、各発光素子2より放出され反射素子3により反射された後のレーザー光が前記基板1に対して平行になるように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、化合物半導体デバイスからなるマルチビーム半導体レーザーとその製造方法、そのマルチビーム半導体レーザーを用いたマルチビーム半導体レーザーヘッド、及び、そのマルチビーム半導体レーザーヘッドを用いた製版装置並びに画像記録装置、及び、前記マルチビーム半導体レーザーを用いた光走査装置、及び、その光走査装置を用いた画像形成装置に関する。
電子写真方式やオフセット印刷方式における画像記録において、高精細な画像品質を得るための画像形成手段として、レーザーを用いた画像形成方法が広く用いられている。電子写真方式の場合、像担持体である感光性を有するドラム(またはベルト)を回転させ(主走査(または副走査))つつ、その軸方向にポリゴンミラー等の走査手段を用いてレーザーを走査(副走査(または主走査))する方法が一般的である。また、印刷用版材に画像形成(製版)を行う場合、版ドラム上に固定された印刷用版材にレーザーを照射し、ドラムが1回転する毎にレーザー光を1ドット分だけ走査し、この操作を繰り返すことで所望のサイズの画像を形成している。
一方、電子写真方式やオフセット印刷方式の分野では共に画像の高精細化及び出力の高速化が求められている。これを実現するための方法として、主走査、副走査共に高速化し、同時にレーザーを高出力化するか、感光体もしくは印刷用版材を高感度化する方法が考えられるが、この方法により画像形成速度を向上させるには、レーザーの高出力化に伴う光源または高感度メディアの開発、主走査、副走査の高速化によるそれを支持する筐体の補強、更には高速走査時の位置制御方法の開発等多くの課題が発生し、多大なコストと時間を必要とする。また、画像の高精細化について、画像の解像度が2倍になった場合、主走査方向、副走査方向ともに2倍の時間が必要となるため、画像出力時においては4倍の時間が必要となる。従って画像の高精細化を実現するには、画像出力の高速化も同時に達成する必要がある。
画像出力の高速化を達成するための別の方法として、レーザーをマルチビーム化する方法が考えられ、実際、印刷用版材に対する画像形成においては複数本のレーザーを用いるのが一般的となっている。レーザーをマルチビーム化することにより、1本当たりのレーザーにより描画される領域が縮小され、理論的にはn本のレーザーを用いた場合の画像形成に必要な時間は、1本のレーザーを用いた場合の1/nとなる。
オフセット印刷においては1200dpi(ドット/インチ)以上の解像度が一般的で、それ以上の解像度が要求されている。また、近年のオンデマンド・ショートランプリンティングのニーズの増大により、製版に要する時間の短縮が一層望まれている。このようなニーズに対応するため、レーザー光源の更なるマルチビーム化が検討されているが、レーザー光源のサイズ以下にビームピッチを狭めることは不可能である。
これらの課題を同時に解決する手段として、1つのチップに複数の発光光源を有するマルチビーム半導体レーザーが提案されており、これによりビームピッチを縮小することが可能となるが、現在提案されているマルチビーム半導体レーザーのビームピッチは14μmで、定格出力は10mW以下であり、印刷用版材に対しては出力不足であり、電子写真分野においては今後進展するであろう画像出力の高速化に対応することはできない。
定格出力を抑制している主たる要因は各発光源より発生する熱であり、ビームピッチが狭いため隣接する素子の熱の影響を受けているためである。このような課題を解決するために特許文献1に記載の「光電変換素子およびその製造方法」や、特許文献2に記載の「半導体発光素子およびその製造方法」が提案されている。これらの発明においては、各発光素子間に放熱材料を埋め込むことによって、発光素子で発生した熱を外部に放出する手段を用いているが、これによっても熱の影響を十分に排除することは不可能で、定格出力を向上させるには至っていない。
また、特許文献3記載の「半導体レーザ装置」及び特許文献4記載の「マルチビーム半導体レーザ」においては、反射鏡を用い複数本のレーザー光を1つのチップより取り出す方法が提案されているが、これらの発明において提案されている手段ではレーザー光を一直線上且つ等間隔で取り出すことが可能なレーザー光は2本までであり、これらのチップを複数配列したとしてもビーム間隔を十分に狭めることは不可能で、前記の課題を解決することはできない。
特開平11−340570号公報 特開平11−354888号公報 特開平06−037395号公報 特開平06−104535号公報 特開平08−276663号公報 特開平09−315004号公報 特開2000−247026号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、複数の発光素子を有する場合にも、熱干渉による発光素子の出力低下や寿命短縮等の弊害を招くことなくビームピッチを短縮することができるマルチビーム半導体レーザーを提供することを目的とする。
また、本発明は、各発光素子で発生した熱を効果的に外部へ放出することができるマルチビーム半導体レーザーを提供することを目的とする。
さらに本発明は、複数の発光素子を有するマルチビーム半導体レーザーを組み合わせることによって、熱干渉による種々の弊害を招くことなくビームピッチを短縮することができるマルチビーム半導体レーザーヘッドを提供することを目的とする。
さらに本発明は、前記マルチビーム半導体レーザーヘッドを用いて短時間で印刷用版材に高精細な画像記録が可能な製版装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、前記マルチビーム半導体レーザーヘッドを用いて短時間で高精細な画像を高速に出力可能な画像記録装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、前記マルチビーム半導体レーザーを用いて短時間で走査可能な光走査装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、前記光走査装置を用いて高精細な画像を高速に出力可能な画像記録装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、前記マルチビーム半導体レーザーを容易に製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明では以下のような手段を採っている。
本発明の第1の手段は、少なくともオーミック電極とコンタクト層と第一クラッド層と活性層と第二クラッド層とを含む構造の複数の発光素子と、該発光素子より放出されたレーザー光を反射する複数の反射素子と、それら複数の発光素子及び複数の反射素子を支持する基板よりなるマルチビーム半導体レーザーにおいて、各発光素子より放出されるレーザー光が平行であり、且つ各反射素子の反射面が平行であって、各発光素子より放出され反射素子により反射された後のレーザー光が前記基板に対して平行であることを特徴とする(請求項1)。
また、本発明の第2の手段は、第1の手段のマルチビーム半導体レーザーにおいて、前記複数の発光素子及び複数の反射素子を支持する基板が、前記複数の発光素子以上の熱伝導率を有することを特徴とする(請求項2)。
本発明の第3の手段は、マルチビーム半導体レーザーヘッドであって、少なくとも二つ以上の第1または第2の手段のマルチビーム半導体レーザーと、該マルチビーム半導体レーザーを支持するステーよりなり、且つ前記マルチビーム半導体レーザーが等間隔で配置されており、同時に前記マルチビーム半導体レーザーより放出されるレーザー光が一直線上に照射されることを特徴とする(請求項3)。
本発明の第4の手段は、製版装置であって、第3の手段のマルチビーム半導体レーザーヘッドを搭載し、該マルチビーム半導体レーザーヘッドを用いて印刷用版材に画像を形成して製版することを特徴とする(請求項4)。
本発明の第5の手段は、画像記録装置であって、第3の手段のマルチビーム半導体レーザーヘッドを搭載し、該マルチビーム半導体レーザーヘッドを用いて記録体に潜像を形成し、該記録体上の潜像を現像手段で顕像化した後、該記録体上の顕像を直接または中間転写体を介して記録媒体に転写して画像記録を行うことを特徴とする(請求項5)。
また、本発明の第6の手段は、第5の手段の画像記録装置において、前記記録体は、前記マルチビーム半導体レーザーヘッドからのレーザー光の照射により加熱された領域または加熱されなかった領域のいずれかが撥液性となる性質を有し、前記記録体の撥液性でない領域に前記現像手段によりインクを付着させることにより顕像化し、そのインク画像を直接または中間転写体を介して記録媒体に転写して画像記録を行うことを特徴とする(請求項6)。
本発明の第7の手段は、光走査装置であって、第1または第2の手段のマルチビーム半導体レーザーと、該マルチビーム半導体レーザーより放出されたレーザー光を整形するための光学素子と、レーザー光を直線上に走査する走査手段と、該走査手段で走査されるレーザー光を被走査面に集光する走査光学系とを備えたことを特徴とする(請求項7)。
本発明の第8の手段は、画像記録装置であって、第7の手段の光走査装置を備え、像担持体の被走査面を前記光走査装置のレーザー光で走査して潜像を形成し、該像担持体上の潜像を現像手段で現像して顕像化した後、像担持体上の顕像を直接または中間転写体を介して記録媒体に転写して画像記録を行うことを特徴とする(請求項8)。
また、本発明の第9の手段は、第8の手段の画像記録装置において、前記像担持体は光導電性の感光体であり、該感光体の被走査面を前記光走査装置のレーザー光で走査して静電潜像を形成し、該感光体上の静電潜像を現像手段のトナーで現像して顕像化した後、該感光体上のトナー画像を直接または中間転写体を介して記録媒体に転写して画像記録を行うことを特徴とする(請求項9)。
本発明の第10の手段は、第1の手段のマルチビーム半導体レーザーを製造する製造方法であって、基板上に第二のクラッド層、活性層、第一クラッド層、コンタクト層を順次結晶成長させる工程と、前記各層を結晶成長した基板の表面にフォトレジストを塗布し、複数の発光素子及び複数の反射素子のパターンをパターニングする工程と、パターニングされたフォトレジストをマスクとしてドライエッチングにより第二クラッド層の下部までエッチングを施し、複数の発光素子及び複数の反射素子を形成する工程と、形成された発光素子の上部に第一オーミック電極を形成する工程と、必要に応じて基板の裏面に第二オーミック電極を形成する工程とを含むことを特徴とする(請求項10)。
本発明の第11の手段は、第2の手段のマルチビーム半導体レーザーを製造する製造方法であって、基板上にエッチストップ層、第一コンタクト層、クラッド層、活性層、第二クラッド層、第二コンタクト層を順次結晶成長させる工程と、前記各層を結晶成長した基板の表面に高熱伝導基板を張り合わせる工程と、前記結晶成長時に用いた基板とエッチストップ層を除去し第二コンタクト層を露出させる工程と、第二コンタクト層を露出させた基板表面にフォトレジストを塗布し、複数の発光素子及び複数の反射素子のパターンをパターニングする工程と、パターニングされたフォトレジストをマスクとしてドライエッチングにより第二コンタクト層の下部までエッチングを施し、複数の発光素子及び複数の反射素子を形成する工程と、形成された発光素子の上部に第一オーミック電極を形成する工程と、必要に応じて基板の裏面に第二オーミック電極を形成する工程とを含むことを特徴とする(請求項11)。
第1の手段のマルチビーム半導体レーザーでは、各発光素子より放出されるレーザー光が平行であり、且つ各反射素子の反射面が平行であって、各発光素子より放出され反射素子により反射された後のレーザー光が前記基板に対して平行であることにより、隣接する発光素子の熱干渉による弊害を引き起こすことなく、ビームピッチを短縮することができる。
また、第2の手段のマルチビーム半導体レーザーでは、第1の手段の構成及び効果に加え、複数の発光素子及び複数の反射素子を支持する基板が、前記複数の発光素子以上の熱伝導率を有することにより、複数の発光素子より発生した熱を効果的に外部へ放出することができ、より高出力なマルチビーム半導体レーザーを提供することができる。
第3の手段のマルチビーム半導体レーザーヘッドでは、少なくとも二つ以上の第1または第2の手段のマルチビーム半導体レーザーと、該マルチビーム半導体レーザーを支持するステーよりなり、且つ前記マルチビーム半導体レーザーが等間隔で配置されており、同時に前記マルチビーム半導体レーザーより放出されるレーザー光が一直線上に照射されることにより、短時間で画像記録が可能で且つ安価なマルチビーム半導体レーザーヘッドを実現することができる。
第4の手段の製版装置では、第3の手段のマルチビーム半導体レーザーヘッドを搭載し、該マルチビーム半導体レーザーヘッドを用いて印刷用版材に画像を形成して製版することにより、短時間で印刷用版材に画像の記録が可能な製版装置を実現することができる。
第5、第6の手段の画像記録装置では、第3の手段のマルチビーム半導体レーザーヘッドを搭載し、該マルチビーム半導体レーザーヘッドを用いて記録体に潜像を形成し、該記録体上の潜像を現像手段で顕像化した後、該記録体上の顕像を直接または中間転写体を介して記録媒体に転写して画像記録を行うことにより、短時間で記録体への画像記録が終了し、記録体の画像を顕像化して記録媒体に転写することにより、記録媒体への画像記録が可能となる画像記録装置を実現することができる。
第7の手段の光走査装置では、第1または第2の手段のマルチビーム半導体レーザーと、該マルチビーム半導体レーザーより放出されたレーザー光を整形するための光学素子と、レーザー光を直線上に走査する走査手段と、該走査手段で走査されるレーザー光を被走査面に集光する走査光学系とを備えたことにより、複数のレーザー光で複数のラインを同時に走査することが可能となり、広範囲を短時間で走査することができる。
第8、第9の手段の画像記録装置では、第7の手段の光走査装置を備え、像担持体の被走査面を前記光走査装置のレーザー光で走査して潜像を形成し、該像担持体上の潜像を現像手段で現像して顕像化した後、像担持体上の顕像を直接または中間転写体を介して記録媒体に転写して画像記録を行うことにより、光走査装置を用いて高精細な画像を高速に出力可能な電子写真方式の画像記録装置を実現することができる。
第10の手段のマルチビーム半導体レーザーの製造方法では、第1の手段の構成のマルチビーム半導体レーザーを容易に製造することができる。
また、第11の手段のマルチビーム半導体レーザーの製造方法では、第2の手段の構成のマルチビーム半導体レーザーを容易に製造することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は本発明の第1の実施形態を示すマルチビーム半導体レーザーの構成説明図であり、(a)はマルチビーム半導体レーザーの平面図、(b)はマルチビーム半導体レーザーの一部の発光素子を拡大して示す要部斜視図である。この図1は基板1上に複数の発光素子2と、その個々の発光素子2に対応する反射素子3を有するマルチビーム半導体レーザー4の構成例を示している。発光素子2の素子間隔については、各発光素子より発生する熱の干渉を抑制するため極力広く設定しなければならない。然るにマルチビーム半導体レーザー4より取り出されるレーザー光のビームピッチは、画像記録密度と記録速度を向上させるため極力狭められていることが望ましい。これらの目的に対し図1(a)の如く反射素子間隔B(=ビームピッチ)を反射素子間隔A(=発光素子間隔)より狭くすることによって、発光素子間隔を狭めることなくビームピッチを狭めることができ、これによって発光素子2で発生する熱の干渉を引き起こすことなくビームピッチを短縮することができる。また、本発明によれば1つのマルチビーム半導体レーザー4より取り出されるレーザー光の本数に制限はなく、任意の数のレーザー光を目的に応じて取り出すことができる。
図1(b)は図1(a)に示された発光素子2の詳細図であり、マルチビーム半導体レーザー4の各発光素子の構成を示している。各発光素子2は、基板1上に第二クラッド層21、活性層22、第一クラッド層23、コンタクト層24、第一オーミック電極25を積層した構成からなり、第一オーミック電極25と基板裏面に形成した図示しない第二オーミック電極に電圧を印加することによって各発光素子2よりレーザー光が平行に放出され、放出されたレーザー光は図1(a)に示すようにそれぞれ反射素子3により反射されるが、各反射素子3の反射面3aは平行であるため、反射されたレーザー光もそれぞれ平行である。
次に本実施形態におけるマルチビーム半導体レーザーの製造方法の一例について以下に説明する。
初めに図2の(1) のようにn-(p-)GaAsからなる基板1上に、n-(p-)クラッド層(第二クラッド層)21、活性層22、p-(n-)クラッド層(第一クラッド層)23、p-(n-)コンタクト層24を順次結晶成長させる。ここで結晶成長に用いる基板1としてはGaAs基板に限るものではなく、結晶成長させる材料と格子整合するのであればいかなる材料でも構わない。
次に基板表面にフォトレジスト26を塗布し、公知のフォトリソグラフィー法(フォトマスクあるいは描画装置を用いたパターン露光、現像、リンス、乾燥等の工程)によりパターニングを行い、図2の(2) のように発光素子と反射素子となる部分(図中の斜線部)を除いてフォトレジスト26を完全に除去した後、RIE(Reactive Ion Etching)等のドライエッチングにより、図2の(3) のようにn-(p-)クラッド層(第二クラッド層)21の下部までエッチングを施し、発光素子2と反射素子3を形成する。この時、反射素子3の反射面が平滑且つ基板1と垂直となるよう加工しなければならないため、ウェットエッチングは望ましくない。
図2の(3) で作製した発光素子2及び反射素子3の存在する表面にフォトレジスト27を塗布し、図2の(4) のように発光素子2上部のみ該フォトレジスト27を完全に除去した後、p-(n-)オーミック電極材料を真空蒸着やスパッタ等の方法を用いて一様に形成する。次にリフトオフ法により発光素子上部以外の電極材料をフォトレジストと共に除去して、図2の(5) のように各発光素子2の上にp-(n-)オーミック電極(第一オーミック電極)25を形成する。なお、電極材料の例としては、金(Au)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)及びそれらの合金等が挙げられる。
次に図示を省略するが、基板1の裏面にn-(p-)オーミック電極材料を真空蒸着やスパッタ等の方法を用いて一様に成膜し、n-(p-)オーミック電極(第二オーミック電極)を形成する。
以上の手順により、複数の発光素子間で発生する熱の干渉を引き起こすことなくビームピッチを短縮することのできるマルチビーム半導体レーザーを容易に製造することができる。
(実施形態2)
図3は本発明の第2の実施形態を示すマルチビーム半導体レーザーの構成説明図であり、(a)はマルチビーム半導体レーザーの平面図、(b)はマルチビーム半導体レーザーの一部の発光素子を拡大して示す要部斜視図である。この図3は高熱伝導基板11上に複数の発光素子12と、その個々の発光素子12に対応する反射素子13を有するマルチビーム半導体レーザー14の構成例を示している。本実施形態によれば、第1の実施形態の構成と比較して製造工程の煩雑さは増加するが、複数の発光素子12で発生した熱を高熱伝導基板11を介して効果的に外部へ放出することができ、各発光素子12の光出力をより向上させることができる。
図3(b)は図3(a)に示された発光素子2の詳細図で各発光素子の構成を示している。各発光素子12は、高熱伝導基板11上に第二コンタクト層31、第二クラッド層32、活性層33、第一クラッド層34、第一コンタクト層35、第一オーミック電極36を積層した構成からなり、第一オーミック電極36と基板裏面に形成した図示しない第二オーミック電極に電圧を印加することによって各発光素子よりレーザー光が平行に放出され、放出されたレーザー光は図3(a)に示すようにそれぞれ反射素子13により反射されるが、各反射素子13の反射面13aは平行であるため、反射されたレーザー光もそれぞれ平行である。
次に本実施形態におけるマルチビーム半導体レーザーの製造方法について以下に説明する。
初めに図4の(1) の如くGaAs基板37上にエッチストップ層38、n-(p-)コンタクト層(第一コンタクト層)35、n-(p-)クラッド層(第一クラッド層)34、活性層33、p-(n-)クラッド層(第二クラッド層)32、p-(n-)コンタクト層(第二コンタクト層)31を順次結晶成長させる。ここで結晶成長に用いる基板37としてはGaAs基板に限るものではなく、結晶成長させる材料と格子整合するのであればいかなる材料でも構わない。
結晶成長した基板37の表面(p-(n-)コンタクト層(第二コンタクト層)31)と高熱伝導基板11とを張り合わせる。この時、高熱伝導基板11を構成する材料として放熱及び各発光素子間の熱干渉の抑制のみを考慮する場合、該高熱伝導基板11を構成する材料としては、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ステンレス(SUS)、金(Au)、銀(Ag)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)等如何なる材料でも構わない。しかし、これらの材料は熱膨張係数において、発光素子12を構成する材料と著しく特性が異なるため、駆動中に発生した熱により発光素子に応力が生じ、素子寿命を低下させる恐れがある。従って素子寿命を維持することをも考慮するなら、高熱伝導材料の熱膨張係数が発光素子を構成する材料のそれに近いものを選択するのが望ましい。具体的な材料としては、CuW、AlN、SiC等が挙げられる。
次に結晶成長時に用いた基板37及びエッチストップ層38を、基板37側からエッチストップ層38までエッチングすることにより除去し、図4の(2) のようにn-(p-)コンタクト層(第二コンタクト層)31を露出させる(図4(2) では、図4(1) とは上下を逆にしている)。
次に基板表面にフォトレジスト39を塗布し、公知のフォトリソグラフィー法(フォトマスクあるいは描画装置を用いたパターン露光、現像、リンス、乾燥等の工程)によりパターニングを行い、図4の(3) のように発光素子と反射素子となる部分(図中の斜線部)を除いてフォトレジスト26を完全に除去した後、RIE(Reactive Ion Etching)等のドライエッチングにより図4の(4) のようにn-(p-)コンタクト層(第二コンタクト層)31の下部までエッチングを施し、発光素子と反射素子を形成する。この時、反射素子の反射面が平滑且つ基板と垂直となるよう加工しなければならないため、ウェットエッチングは望ましくない。
図4の(4) で作製した発光素子12及び反射素子13の存在する表面にフォトレジスト40を塗布し、図4の(5) のように発光素子12の上部のみフォトレジスト40を完全に除去した後、n-(p-)オーミック電極材料を真空蒸着やスパッタ等の方法を用いて一様に形成する。次にリフトオフ法により発光素子12の上部以外の電極材料をフォトレジストと共に除去し、n-(p-)オーミック電極(第一オーミック電極)36を形成する。なお、電極材料の例としては、金(Au)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)及びそれらの合金等が挙げられる。
次に、必要に応じて高熱伝導基板11の裏面にp-(n-)オーミック電極材料を真空蒸着やスパッタ等の方法を用いて成膜し、p-(n-)オーミック電極(第二オーミック電極)を形成する。
以上の手順により、複数の発光素子12で発生した熱を効果的に外部へ放出し、且つビームピッチを短縮することのできるマルチビーム半導体レーザー14を容易に製造することができる。
(実施形態3)
図5は本発明の第3の実施形態を示すマルチビーム半導体レーザーヘッドの構成説明図であり、(a)はマルチビーム半導体レーザーヘッドの概略構成図と、そのマルチビーム半導体レーザーヘッドの一部のマルチビーム半導体レーザー部分を拡大して示す要部拡大図であり、(b)はそのマルチビーム半導体レーザーヘッドの一部のマルチビーム半導体レーザー部分を上面側から見た要部平面図である。この図5は、実施形態1(または実施形態2)で説明した構成のマルチビーム半導体レーザー4(または14)を、ステー51上に等間隔に並ぶように複数配置したことを特徴とするマルチビーム半導体レーザーヘッド50を示している。ここで隣接するマルチビーム半導体レーザー4(または14)の反射素子3(または13)の間隔bは、各マルチビーム半導体レーザー上の反射素子間隔(ビームピッチ)aの整数倍(b=na、n:整数、n>1)になっている。
本実施形態のマルチビーム半導体レーザーヘッド50により画像記録を行う場合、ビームピッチの間隔だけマルチビーム半導体レーザーヘッド50を走査する。次にマルチビーム半導体レーザーヘッド50を、隣接するマルチビーム半導体レーザー4(または14)の反射素子間隔bから各マルチビーム半導体レーザー4(または14)のビームピッチaを引いた距離を移動させ、引き続きビームピッチaの間隔だけマルチビーム半導体レーザーヘッド50を走査する。このような操作を繰り返すことによって、所望の画像を得ることができる。
対象とする画像サイズ幅を300mm(A3縦)、ビームピッチaを1.5mm、隣接するマルチビーム半導体レーザー4(または14)の反射素子の間隔bを15mm、一つのマルチビーム半導体レーザー中に10個の発光素子2(または12)が含まれている場合、10個のマルチビーム半導体レーザーが必要となり、それらに含まれている発光素子数は100個であるため、それと同数の制御回路が必要である。
一方、対象とする画像サイズ幅を300mm(A3縦)、ビームピッチaを3.0mm、マルチビーム半導体レーザー4(または14)の反射素子の間隔bを30mm、一つのマルチビーム半導体レーザー中に10個の発光素子2(または12)が含まれている場合、5個のマルチビーム半導体レーザーが必要となり、それらに含まれている発光素子数は50個であるため、それと同数の制御回路が必要である。この場合の画像記録に要する時間は先に示した構成例の2倍であるが、発光素子数や制御回路数が1/2であるため、装置全体を安価にすることができる。
(実施形態4)
図6は本発明の第4の実施形態を示す製版装置の概略斜視図である。本実施形態は、実施形態3に示したマルチビーム半導体レーザーヘッド50を用いており、短時間で画像記録が可能な印刷用版材の製版装置である。
図6に示すように、本実施形態の製版装置60の主要部分は、画像記録媒体である印刷用版材61、該版材61を固定するドラム62、及びマルチビーム半導体レーザーヘッド50より構成されている。印刷用版材61はドラム62上に固定されており、該ドラム62は図示しない駆動手段により、図中の矢印S1で示す主走査方向に一定速度で回転している。また、マルチビーム半導体レーザーヘッド50は図示しない制御回路により駆動されており、画像データに応じて所定の出力にて発光している。
画像記録時においては、ドラム62が1回転するごとにマルチビーム半導体レーザーヘッド50は画像の解像度に対応した距離を図中の矢印S2で示す副走査方向に移動する(例えば、解像度が1270dpiでは0.02mm移動し、2540dpiでは0.01mm移動する)。引き続きドラム62が1回転した後、マルチビーム半導体レーザーヘッド50は同じ距離だけ副走査方向S2に移動する。実施形態3のマルチビーム半導体レーザーヘッド50を用いている場合は、これらの動作を繰り返し、ビームピッチと等しい距離を移動した後、または(1つのマルチビーム半導体レーザー素子上の発光素子数)×(ビームピッチ)で計算される距離を移動した後、同様の動作を繰り返す。そして一連の動作を繰り返し、全体の移動距離がマルチビーム半導体レーザー素子の配置している間隔と等しくなった時点で画像記録が終了する。以上の動作により印刷用版材61に画像を記録し、製版することができる。
(実施形態5)
図7は本発明の第5の実施形態を示す画像記録装置の概略構成図である。本実施形態は、実施形態3で示したマルチビーム半導体レーザーヘッド50を搭載し、該マルチビーム半導体レーザーヘッド50を用いて記録体72に潜像を形成し、記録体上の潜像を現像手段73で顕像化した後、該記録体上の顕像を直接または中間転写体74を介して記録媒体77に転写して画像記録を行う画像記録装置70の一例を示している。より具体的には、この画像記録装置70では、記録体72は、マルチビーム半導体レーザーヘッド50からのレーザー光の照射により加熱された領域または加熱されなかった領域のいずれかが撥液性となる性質を有し、記録体72の撥液性でない領域に現像手段73によりインクを付着させることにより顕像化し、そのインク画像を直接または中間転写体74を介して記録媒体77に転写して画像記録を行うものである。以下、より詳しく説明する
図7において、版胴71の外周面上には記録体72が固定されており、この記録体72は、例えば初期状態において撥液性を有し、インクが付着しない状態であり、マルチビーム半導体レーザーヘッド50から照射されるレーザー光を熱変換し、加熱された領域のみ親液性となり印刷用インクが付着する性質を有する構成である。なお、記録体の構成は上記に限らず、記録体は初期状態において親液性を有しインクが付着する状態であって、マルチビーム半導体レーザーヘッド50からレーザー光を照射し加熱された領域のみ撥液性となってインクが付着しない性質を有する構成であっても構わない。
上記の記録体72の性質を利用した方法でマルチビーム半導体レーザーヘッド50により画像(潜像)を形成した後、現像手段であるインキングユニット73により画像を現像すると、例えばレーザー光を照射した領域のみ親液性となり印刷用インクが付着する。このようにして現像され顕像化された画像(インク画像)は、中間転写体であるブランケット胴74に転写される。一方、記録媒体である印刷用紙77は給紙台76より供給され、給紙ローラ78Aにより転写部に向けて搬送される。そして転写部の圧胴75により印刷用紙77を画像が転写されたブランケット胴74へ圧着させることにより、インク画像が印刷用紙77上に転写される。画像転写後の印刷用紙77は、ガイドローラ78B,78Cにより搬送され、排紙ローラ78Dで排紙台79に排紙される。
以上のような構成の画像記録装置(印刷装置)70を用いることによって、高精細な画像を、画像記録開始後から迅速に出力することができる。また、この画像記録装置(印刷装置)は、同じ画像を多数枚の用紙に連続して記録するのに適している。
(実施形態6)
図8は本発明の第6の実施形態を示す光走査装置の概略構成図である。本実施形態では、実施形態1(または実施形態2)で説明した構成のマルチビーム半導体レーザー4(14)を搭載した光走査装置の例を示している。図8において、マルチビーム半導体レーザー4(14)上のn個の発光素子(図示せず)が紙面の垂直方向に配列している。マルチビーム半導体レーザー4(14)より照射されたn番目のレーザー光は、ビーム整形用の光学素子(例えばコリメートレンズやシリンドリカルレンズ等)81により整形され、光走査手段であるポリゴンミラー82によって反射・走査される。反射・走査されたレーザー光は、走査光学系(走査用光学素子(fθレンズ、fθミラー等)や面倒れ補正用光学素子(BTL等の補正用レンズ)、光路偏向用ミラー等により構成される)83により被走査面84に集光されるが、このとき、被走査面84の直線A上において常に焦点位置となるようになっており、直線A上を一定速度で移動している。
従来の光走査装置においては1本のレーザー光を同様の方法で走査していたため、一回の走査では1ラインしか走査することができなかったが、本実施形態においてはマルチビーム半導体レーザー4(14)よりn本のレーザー光が照射される場合、1本レーザーの場合の1/nの時間で同等の領域を走査することができる。また、現在市販されているマルチビーム半導体レーザーにおいては、発光素子間の熱干渉により十分な光出力が得られなかったため、高速にレーザー光を走査することは不可能で、マルチビームとしての特徴を生かすことはできなかった。これに対して本実施形態においては、実施形態1または実施形態2で説明した発光素子間の熱干渉を抑制しつつビームピッチを短縮したマルチビーム半導体レーザー4(14)を用いているため、従来のマルチビーム半導体レーザーと比較してより高速にレーザー光を走査することができる。
(実施形態7)
図9は本発明の第7の実施形態を示す画像記録装置の構成説明図であり、(a)は画像記録装置の書き込み系の概略構成図、(b)は画像記録装置の概略構成図である。
図9(a)は実施形態6で説明した図8に示す構成の光走査装置を用いた電子写真装置の書き込み系を示しており、光走査装置80のマルチビーム半導体レーザー4(14)は、n個の発光素子(図示せず)が画面垂直方向に配列された実施形態1(または実施形態2)で説明した構成のマルチビーム半導体レーザーである。
図9(a)において、ポリゴンミラー82は時計回りに回転しており、マルチビーム半導体レーザー4(14)より放出されたレーザー光は、紙面上を左→右へ走査されている。そしてポリゴンミラー82の反射面82Aで感光体ドラム85の被走査面84上を右端まで走査された後、ポリゴンミラー82の反射面82Bによって左端より走査が開始される。この時、感光体ドラム表面近傍に設置された光センサ86が反射面82Bにより反射されたレーザー光を検知し、感光体ドラム85が主走査方向に一定量走査される。このときの走査量はマルチビーム半導体レーザー4(14)に含まれる発光素子の数に比例し、n個の発光素子が含まれている場合、nライン分だけ走査される。
図9(b)は上記の光走査装置80を用いた画像記録装置のドラム周りの構成例を示しており、像担持体である光導電性の感光体ドラム85の周囲には、感光体ドラム85を帯電する帯電ユニット87、帯電された感光体ドラム85にレーザー光を照射し静電潜像を形成する上記の構成の光走査装置80、感光体ドラム85に形成された静電潜像をトナーTで現像して顕像化する現像ユニット88、感光体ドラム上の顕像(トナー像)を記録媒体である記録紙93に転写する転写ユニット89、画像転写後の感光体ドラム85を除電する除電ユニット90、除電後の感光体ドラム85をクリーニングするクリーニングユニット91が配設されている。また、転写ユニット89の記録紙搬送方向か下流側には、記録紙93に転写されたトナー画像を定着する定着ユニットが配設されている。この画像記録装置は電子写真方式の画像記録プロセスにより画像記録を行うものであり、以下、本実施形態の画像記録装置を用いた画像記録プロセスを示す。
図9(b)において、帯電ユニット87により感光体ドラム85上を一様に帯電した後、光走査装置80によりレーザー光を照射して静電潜像を形成する。潜像形成プロセスについては上記のとおりであるからここでは省略する。感光体ドラム85上に電荷により形成された静電潜像は、現像ユニット88のトナーTにより現像されて顕像化される。感光体ドラム85上のトナー画像は、図示しない給紙ユニットにより供給された記録紙93に、転写ユニット89により転写される。記録紙上に転写されたトナー画像は定着ユニット92に搬送され、定着ユニット92による熱定着が施されて画像が記録紙93に定着される。そして定着後の記録紙93は図示しない排紙部に搬送され、画像記録が完了する。一方、トナー画像を転写した後、感光体ドラム上の潜像は除電ユニット90により消去される。そして感光体ドラム85上に残留したトナーはクリーニングユニット91により除去される。以上の画像記録プロセスを繰り返し実行することで、記録画像を連続且つ高速に出力することができる。
次に本発明のより具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
第1の実施例はマルチビーム半導体レーザーを示しており、図1(a)及び図1(b)により説明される。コンタクト層24としてp−GaAs、第一クラッド層23としてp−Al0.6Ga0.4As、活性層22としてAl0.85Ga0.15As、第二クラッド層21としてn−Al0.6Ga0.4Asをそれぞれ用いる。
このような構成のマルチビーム半導体レーザーの製造方法を以下に述べる。初めに基板表面を洗浄・酸化膜除去を施したn−GaAS基板1を用意する。次に図2の(1) に示すように、n−GaAS基板1上にn型クラッド層21、活性層22、p型クラッド層23、p型コンタクト層24を順次結晶成長させる。結晶成長させる具体的な方法としては、分子線エピタキシ(MBE)法、有機金属気相成長(MOCVD)法等、いかなる方法でも構わない。
次にp型コンタクト層24の上にフォトレジスト26を塗布し、フォトリソグラフィ技術によりパターニングして図2の(2) に示すような発光素子と反射素子のレジストパターンを形成する。そしてドライエッチング法を用いて図2の(3) に示すようにドライエッチングを施し、図1(a)に示すような形状に加工した後、図2の(4) に示すように発光素子2の部分以外をフォトレジスト27で覆い、真空蒸着やスパッタによりオーミック電極を形成する。その後、発光素子部以外のオーミック電極をフォトレジストと共に除去し、図2の(5) に示すように発光素子2の上部にオーミック電極25を形成する。なお、詳細な製造方法については実施形態1で説明したとおりであり、以上の製造工程により図1(a),(b)に示す構成のマルチビーム半導体レーザーが作製される。
オーミック電極25の具体的な材料としては、Au、Pt、Zn、Al、Ge、Ni、Cr及びそれらの合金など、マルチビーム半導体レーザー駆動時に発光素子2より発生する熱により変形・変質しない材料が望ましく、オーミック電極25のパターニング方法としては、リフトオフ法等いかなる方法でも構わない。この時、図1(a)に示したビームピッチは用途によって決定され、電子写真用途であれば10〜100μm(2540dpi:20μm、1270dpi:40μm、600dpi:84μm)、印刷用途であれば0.5〜10mm程度が一般的である。
(実施例2)
第2の実施例は本発明におけるマルチビーム半導体レーザー4を用いた製版装置60を示しており、図6により説明される。図6において、主走査方向S1のドラム62の回転速度はレーザー出力、レーザー光のスポット径、印刷用版材61の該レーザー波長に対する書き込み感度及び印刷用版材61のサイズに依存して決まる。レーザー光のスポット径は書き込み画像の解像度と密接に関係しており、2540dpi(1ドット:10×10μm)での書き込みを想定すると、直径φ15μm程度のスポット径でなければならない。印刷用版材61として特許文献5、特許文献6、特許文献7に示されるフッ素系感熱材料を用いた場合、画像記録に必要なエネルギー密度は約340mJ/cmである。また1つの発光素子より放出されるレーザー光の出力を50mWとすると、印刷用版材61がA2サイズであるとすると、ドラム62の回転速度はおよそ50rpmとなる。
従来より用いられているシングルビーム半導体レーザーを用いた場合、より大出力が得られる反面、CANの大きさやクリアランスを確保するため、ビームピッチは10mm(1000ステップ)以下にすることは極めて困難である。レーザー光の出力が100mWとすると、ドラム回転速度は100rpmまで向上させることができるが、その条件下の画像書き込み所要時間は10分である。また、ドラム回転速度を向上させるためには、それを支持する筐体補強、より高トルクなドラム駆動モーターを採用する必要があり、これにより大幅なコストアップは避けられない。
これに対しマルチビーム半導体レーザーヘッド50の一つのマルチビーム半導体レーザー4の幅を10mm、マルチビーム半導体レーザー4の間隔を10mmとすると、30個の素子でA2幅をカバーすることができる。そのとき書き込みに必要な所要時間は4分+α(副走査方向S2へのから送り時間)となるが、その場合であってもシングルビーム半導体レーザーを用いて画像書き込みを行う場合より遥かに短時間で画像書き込みを終了させることができる。
(実施例3)
第3の実施例はマルチビーム半導体レーザーを用いた電子写真方式の画像記録装置を示しており、図9によって説明される。現在の電子写真方式の画像記録装置における画像解像度は600dpi程度が一般的であるが、今後は1200dpi以上の高解像度化が進行することが予想されている。画像解像度が1270dpiの場合、ドットピッチは20μmで、実施例1に示したようにこれに対応するマルチビーム半導体レーザー4のビームピッチは40μmで、これを組み合わせることによりビームピッチ20μmのマルチビーム半導体レーザー4が得られる。
図9(a)においてポリゴンミラー82が正六角形であり36000rpmで回転している場合、ポリゴンミラー82の一つの反射面により反射したレーザー光は副走査方向に1回走査されるから、ポリゴンミラー1回転につき6ライン走査される。従ってA3サイズの画像(21500ライン)を走査するには約6秒必要であり、このときの出力速度はA3サイズで1分当たり10枚(10sheet/min(A3))となる。これに対し、実施例1で示したマルチビーム半導体レーザー4(発光素子数:n個)を用いた場合、同時にnラインを走査することができるので、出力速度は10×n sheet/min(A3)となる。
このように、本実施例においては、レーザー光源を変更するだけで容易に出力速度を向上させることができ、感光体材料や、ポリゴンミラー回転数等を一切変更する必要はない。なお、感光体材料としては、従来と同様にa−Se、a−Si、あるいは有機物感光体(OPC)などを用いることができる。
以上説明したように、本発明によれば、複数の発光素子を有する場合にも、熱干渉による発光素子の出力低下や寿命短縮等の弊害を招くことなくビームピッチを短縮することができるマルチビーム半導体レーザーを実現することができる。また、本発明によれば、各発光素子で発生した熱を効果的に外部へ放出することができるマルチビーム半導体レーザーを実現することができる。
さらに本発明によれば、複数の発光素子を有するマルチビーム半導体レーザーを組み合わせることによって、熱干渉による種々の弊害を招くことなくビームピッチを短縮することができるマルチビーム半導体レーザーヘッドを実現することができる。
そして本発明によれば、上記のマルチビーム半導体レーザーヘッドを利用して短時間で印刷用版材に高精細な画像記録が可能な製版装置を実現することができる。
さらに本発明によれば、上記のマルチビーム半導体レーザーヘッドを利用して短時間で高精細な画像を高速に出力可能な画像記録装置(印刷装置、製版印刷装置、プリンタ等)を実現することができる。
さらに本発明によれば、上記のマルチビーム半導体レーザーを利用して短時間で走査可能な光走査装置を実現することができる。
そして本発明によれば、上記の光走査装置を利用して高精細な画像を高速に出力可能な電子写真方式の画像記録装置を実現することができ、複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリや、これらの複合機等として好適に利用することができる。
本発明の第1の実施形態を示すマルチビーム半導体レーザーの構成説明図であり、(a)はマルチビーム半導体レーザーの平面図、(b)はマルチビーム半導体レーザーの一部の発光素子を拡大して示す要部斜視図である。 図1に示す構成のマルチビーム半導体レーザーの製造工程の説明図である。 本発明の第2の実施形態を示すマルチビーム半導体レーザーの構成説明図であり、(a)はマルチビーム半導体レーザーの平面図、(b)はマルチビーム半導体レーザーの一部の発光素子を拡大して示す要部斜視図である。 図3に示す構成のマルチビーム半導体レーザーの製造工程の説明図である。 本発明の第3の実施形態を示すマルチビーム半導体レーザーヘッドの構成説明図であり、(a)はマルチビーム半導体レーザーヘッドの概略構成図と、そのマルチビーム半導体レーザーヘッドの一部のマルチビーム半導体レーザー部分を拡大して示す要部拡大図であり、(b)はそのマルチビーム半導体レーザーヘッドの一部のマルチビーム半導体レーザー部分を上面側から見た要部平面図である。 本発明の第4の実施形態を示す製版装置の概略斜視図である。 本発明の第5の実施形態を示す画像記録装置の概略構成図である。 本発明の第6の実施形態を示す光走査装置の概略構成図である。 本発明の第7の実施形態を示す画像記録装置の構成説明図であり、(a)は画像記録装置の書き込み系の概略構成図、(b)は画像記録装置の概略構成図である。
符号の説明
1:基板
2、12:発光素子
3、13:反射素子
4、14:マルチビーム半導体レーザー
11:高熱伝導基板
21、32:第二クラッド層
22、33:活性層
23、34:第一クラッド層
24:コンタクト層
25、36:第一オーミック電極
31:第二コンタクト層
35:第一コンタクト層
50:マルチビーム半導体レーザーヘッド
51:ステー
60:製版装置
61:印刷用版材
62:ドラム
70:画像記録装置(印刷装置)
71:版胴
72:記録体
73:インキングユニット(現像手段)
74:ブランケット胴(中間転写体)
75:圧胴
76:給紙台
77:印刷用紙(記録媒体)
78A:給紙ローラ
78B、78C:ガイドローラ
78D:排紙ローラ
79:排紙台
80:光走査装置
81:ビーム整形用光学素子
82:ポリゴンミラー(光走査手段)
83:走査光学系
84:被走査面
85:感光体ドラム(像担持体)
86:光センサ
87:帯電ユニット
88:現像ユニット(現像手段)
89:転写ユニット
90:除電ユニット
91:クリーニングユニット
92:定着ユニット

Claims (11)

  1. 少なくともオーミック電極とコンタクト層と第一クラッド層と活性層と第二クラッド層とを含む構造の複数の発光素子と、該発光素子より放出されたレーザー光を反射する複数の反射素子と、それら複数の発光素子及び複数の反射素子を支持する基板よりなるマルチビーム半導体レーザーにおいて、
    各発光素子より放出されるレーザー光が平行であり、且つ各反射素子の反射面が平行であって、各発光素子より放出され反射素子により反射された後のレーザー光が前記基板に対して平行であることを特徴とするマルチビーム半導体レーザー。
  2. 請求項1記載のマルチビーム半導体レーザーにおいて、
    前記複数の発光素子及び複数の反射素子を支持する基板が、前記複数の発光素子以上の熱伝導率を有することを特徴とするマルチビーム半導体レーザー。
  3. 少なくとも二つ以上の請求項1または2記載のマルチビーム半導体レーザーと、該マルチビーム半導体レーザーを支持するステーよりなり、且つ前記マルチビーム半導体レーザーが等間隔で配置されており、同時に前記マルチビーム半導体レーザーより放出されるレーザー光が一直線上に照射されることを特徴とするマルチビーム半導体レーザーヘッド。
  4. 請求項3記載のマルチビーム半導体レーザーヘッドを搭載し、該マルチビーム半導体レーザーヘッドを用いて印刷用版材に画像を形成して製版することを特徴とする製版装置。
  5. 請求項3記載のマルチビーム半導体レーザーヘッドを搭載し、該マルチビーム半導体レーザーヘッドを用いて記録体に潜像を形成し、該記録体上の潜像を現像手段で顕像化した後、該記録体上の顕像を直接または中間転写体を介して記録媒体に転写して画像記録を行うことを特徴とする画像記録装置。
  6. 請求項5記載の画像記録装置において、
    前記記録体は、前記マルチビーム半導体レーザーヘッドからのレーザー光の照射により加熱された領域または加熱されなかった領域のいずれかが撥液性となる性質を有し、前記記録体の撥液性でない領域に前記現像手段によりインクを付着させることにより顕像化し、そのインク画像を直接または中間転写体を介して記録媒体に転写して画像記録を行うことを特徴とする画像記録装置。
  7. 請求項1または2記載のマルチビーム半導体レーザーと、該マルチビーム半導体レーザーより放出されたレーザー光を整形するための光学素子と、レーザー光を直線上に走査する走査手段と、該走査手段で走査されるレーザー光を被走査面に集光する走査光学系とを備えたことを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項7記載の光走査装置を備え、像担持体の被走査面を前記光走査装置のレーザー光で走査して潜像を形成し、該像担持体上の潜像を現像手段で現像して顕像化した後、像担持体上の顕像を直接または中間転写体を介して記録媒体に転写して画像記録を行うことを特徴とする画像記録装置。
  9. 請求項8記載の画像記録装置において、
    前記像担持体は光導電性の感光体であり、該感光体の被走査面を前記光走査装置のレーザー光で走査して静電潜像を形成し、該感光体上の静電潜像を現像手段のトナーで現像して顕像化した後、該感光体上のトナー画像を直接または中間転写体を介して記録媒体に転写して画像記録を行うことを特徴とする画像記録装置。
  10. 請求項1記載のマルチビーム半導体レーザーを製造する製造方法であって、
    基板上に第二のクラッド層、活性層、第一クラッド層、コンタクト層を順次結晶成長させる工程と、前記各層を結晶成長した基板の表面にフォトレジストを塗布し、複数の発光素子及び複数の反射素子のパターンをパターニングする工程と、パターニングされたフォトレジストをマスクとしてドライエッチングにより第二クラッド層の下部までエッチングを施し、複数の発光素子及び複数の反射素子を形成する工程と、形成された発光素子の上部に第一オーミック電極を形成する工程と、必要に応じて基板の裏面に第二オーミック電極を形成する工程とを含むことを特徴とするマルチビーム半導体レーザーの製造方法。
  11. 請求項2記載のマルチビーム半導体レーザーを製造する製造方法であって、
    基板上にエッチストップ層、第一コンタクト層、クラッド層、活性層、第二クラッド層、第二コンタクト層を順次結晶成長させる工程と、前記各層を結晶成長した基板の表面に高熱伝導基板を張り合わせる工程と、前記結晶成長時に用いた基板とエッチストップ層を除去し第二コンタクト層を露出させる工程と、第二コンタクト層を露出させた基板表面にフォトレジストを塗布し、複数の発光素子及び複数の反射素子のパターンをパターニングする工程と、パターニングされたフォトレジストをマスクとしてドライエッチングにより第二コンタクト層の下部までエッチングを施し、複数の発光素子及び複数の反射素子を形成する工程と、形成された発光素子の上部に第一オーミック電極を形成する工程と、必要に応じて基板の裏面に第二オーミック電極を形成する工程とを含むことを特徴とするマルチビーム半導体レーザーの製造方法。
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