JP2006120266A - 磁気転写方法、磁気記録媒体、及び磁気記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気転写を行う際の、転写用磁界の印加方向の許容範囲を規定して正確な磁化パターンの転写を行う。
【解決手段】被転写用ディスクの円周方向に磁界を加え、被転写用ディスクを円周方向に初期直流磁化させる工程と、初期直流磁化された被転写用ディスクと磁気パターンを有するマスターディスクとを密着させる工程と、磁界生成手段を設けるとともに、磁界生成手段に対し密着状態にある被転写用ディスクとマスターディスクとを相対移動させながら、円周方向に磁界を加え、マスターディスクの磁気パターンを被転写用ディスクに転写させる際に、円周方向の磁界のディスク表面に対し垂直な磁界強度がディスク、を備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、磁気転写方法、磁気記録媒体、及び磁気記録装置に係り、特に、ハードディスク装置等に用いられる磁気ディスクに、マスターディスクからフォーマット情報等の磁気情報パターンを転写するのに好適な磁気転写方法、該方法により製造される磁気記録媒体、及び該磁気記録媒体を備える磁気記録装置に関する。
近年、急速に普及しているハードディスクドライブに使用される磁気ディスク(ハードディスク)は、磁気ディスクメーカーよりドライブメーカーに納入された後、ドライブに組み込まれる前に、フォーマット情報やアドレス情報が書き込まれるのが一般的である。この書き込みは、磁気ヘッドにより行うこともできるが、これらのフォーマット情報やアドレス情報が書き込まれているマスターディスクより一括転写する方法が効率的であり、好ましい。
この磁気転写技術は、マスターディスクと被転写ディスク(スレーブディスク)とを密着させた状態で、片側又は両側に電磁石装置、永久磁石装置等の磁界生成手段を配設して転写用磁界を印加し、マスターディスクの有する情報(たとえばサーボ信号)に対応する磁化パターンの転写を行うものである。
従来、この種の磁気転写技術として各種の提案がなされている(たとえば、特許文献1等。)。この特許文献1の提案は、磁気転写を行う際に、転写用磁界の印加角度がスレーブディスク面に対して垂直方向で±30度以内とするものである。これにより、トラック方向に正確に転写用磁界を印加できる効果が得られるとされている。
特開2002−251723号公報
ところで、上記磁気転写方法では、マスターディスクの磁性層に形成した磁化パターンを、被転写ディスク(スレーブディスク)の記録面に転写する精度を向上させるために、マスターディスクの情報担持面と被転写ディスクの表面との密着性を確保した状態で、トラック方向に正確に転写用磁界を印加する必要がある。
しかしながら、このような従来技術において、転写用磁界のディスク表面に対し垂直な磁界強度と平行な磁界強度との強度比が空間的に変化するため、磁界生成手段とディスクとの相対移動に伴ってこの強度比が時系列的に変化する。その結果、被転写ディスクの再生信号のC/N比を低下させるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、磁気転写を行う際の、転写用磁界の印加方向の許容範囲を規定して正確な磁化パターンの転写が行えるようにした磁気転写方法、該方法により製造される磁気記録媒体、及び該磁気記録媒体を備える磁気記録装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、被転写用ディスクの円周方向に磁界を加え、該被転写用ディスクを円周方向に初期直流磁化させる初期磁化工程と、初期直流磁化された前記被転写用ディスクと磁気パターンを有するマスターディスクとを密着させる密着工程と、磁界生成手段を設けるとともに、該磁界生成手段に対し密着状態にある前記被転写用ディスクと前記マスターディスクとを相対移動させながら、前記被転写用ディスクと前記マスターディスクの円周方向に磁界を加え、前記マスターディスクの磁気パターンを前記被転写用ディスクに転写させる際に、前記円周方向の磁界のディスク表面に対し垂直な磁界強度がディスク表面に対し平行な磁界強度の40%以下になるようにして磁気転写を行う磁気転写工程と、を備えることを特徴とする磁気転写方法を提供する。
本発明によれば、円周方向の磁界の、ディスク表面に対し垂直な磁界強度をディスク表面に対し平行な磁界強度の40%以下とするので、磁界生成手段とディスクとの相対移動に伴ってこの垂直と平行との強度比が時系列的に変化しても、転写精度が受ける影響は少ない。その結果、被転写ディスクの再生信号のC/N比を低下させるということもない。
なお、ディスク表面に対し垂直な磁界強度とディスク表面に対し平行な磁界強度との比は、30%以下がより好ましく、20%以下が更に好ましい。
本発明の磁気記録方法において、前記円周方向の磁界による、密着状態にある前記被転写用ディスクと前記マスターディスクとへの磁界印加を円周方向に1周以上行った後に、磁界強度を所定値まで減少させ、その後に前記磁界生成手段に対する密着状態にある前記被転写用ディスクと前記マスターディスクとの相対移動を停止させることが好ましい。
このように、円周方向に1周分の転写後に、磁界強度を所定値まで漸減させ、しかる後に相対移動を停止させるのであれば、転写精度が受ける影響はより少なくなり、再生信号のC/N比は良好になる。
また、本発明は、前記磁気転写方法によってサーボ情報を記録したことを特徴とする磁気記録媒体を提供する。このような磁気転写方法によれば、C/N比の良好な磁気記録媒体が得られる。
本発明の磁気記録媒体において、反強磁性結合を生じる磁性層を有することが好ましい。このような反強磁性結合を生じる磁性層を有すれば、高記録密度が可能で、かつ、熱安定性が高いため、本磁気転写で微細なパターンを転写する媒体としてふさわしく、本発明の効果を一層発揮できる。
また、本発明は、前記の磁気記録媒体を備えたことを特徴とする磁気記録装置を提供する。このような磁気記録媒体を使用すれば、C/N比の良好な磁気記録装置(ハードディスクドライブ等)が得られる。
以上説明したように、本発明によれば、円周方向の磁界の、ディスク表面に対し垂直な磁界強度をディスク表面に対し平行な磁界強度の40%以下とするので、磁界生成手段とディスクとの相対移動に伴ってこの垂直と平行との強度比が時系列的に変化しても、転写精度が受ける影響は少ない。その結果、被転写ディスクの再生信号のC/N比を低下させるということもない。
以下、添付図面に従って、本発明に係る磁気転写方法、磁気記録媒体、及び磁気記録装置の好ましい実施の形態について詳説する。図1は、本発明に係る磁気転写方法を実施するための磁気転写装置10の要部斜視図である。図2及び図3は、転写用磁界の印加方法を示す図であり、図2は平面図であり、図3は断面図である。
図4は、磁気転写方法の基本工程を示す図である。図4のうち(a)は、磁場を一方向に印加してスレーブディスク40を初期直流磁化する工程を、(b)は、マスターディスク46とスレーブディスク40とを密着して反対方向に磁界を印加する工程を、(c)は、は磁気転写後の状態をそれぞれ示す。なお、各図は模式図であり各部の寸法は実際とは異なる比率で示している。
図1の磁気転写装置10において、磁気転写時には、図4(a)に示される後述する初期直流磁化を行った後の、スレーブディスク(被転写用ディスク)40のスレーブ面(磁気記録面)を、マスターディスク46の情報担持面に接触させ、所定の押圧力で密着させることができるようになっている。そして、このスレーブディスク40とマスターディスク46との密着状態で、磁界生成手段30により転写用磁界を印加してサーボ信号等の磁化パターンを転写記録することができるようになっている。
スレーブディスク40は、両面又は片面に磁気記録層が形成されたハードディスク、フレキシブルディスク等の円盤状磁気記録媒体であり、マスターディスク46に密着させる以前に、グライドヘッド、研磨体などにより表面の微小突起又は付着塵埃を除去するクリーニング処理(バーニッシィング等)が必要に応じて施される。また、スレーブディスク40には予め初期磁化が施される。この詳細は後述する。
スレーブディスク40としては、ハードディスク、高密度フレキシブルディスク等の円盤状磁気記録媒体が使用できる。スレーブディスク40の磁気記録層には、塗布型磁気記録層、メッキ型磁気記録層、又は金属薄膜型磁気記録層が採用できる。
金属薄膜型磁気記録層の磁性材料としては、Co、Co合金(CoPtCr、CoCr、CoPtCrTa、CoPtCrNbTa、CoCrB、CoNi等)、Fe、Fe合金(FeCo、FePt、FeCoNi)を用いることができる。これらは、磁束密度が大きいこと、磁界印加方向と同じ方向(面内記録なら面内方向)の磁気異方性を有していることより、明瞭な転写が行えるため好ましい。
そして磁性材料の下(支持体側)に必要な磁気異方性を付与するために、非磁性の下地層を設けることが好ましい。この下地層には、結晶構造と格子定数を磁性層に合わすことが必要である。そのためには、Cr、CrTi、CoCr、CrTa、CrMo、NiAl、Ru等を用いることが好ましい。
マスターディスク46は円盤状に形成され、基板47の片面に磁性層48(図4(b)参照)による微細凹凸パターンが形成された転写情報担持面が形成されており、基板47の反対側の面が不図示の密着手段に保持されている。このマスターディスク46の片面(転写情報担持面)は、スレーブディスク40と密着される。
基板47がNi等を主体とした強磁性体の場合には、この基板47のみで磁気転写が可能であり、磁性層48は被覆しなくてもよいが、転写特性のよい磁性層48を設けることにより、より良好な磁気転写が行える。基板47が非磁性体の場合には、磁性層48を設けることが必要である。マスターディスク46の磁性層48は、保磁力Hcが48kA/m(≒600Oe)以下の軟磁性層であることが好ましい。
マスターディスク46の基板47としては、ニッケル、シリコン、石英ガラス等各種組成のガラス、アルミニウム、合金、各種組成のセラミックス、合成樹脂等が使用できる。この基板47表面の凹凸パターンの形成は、フォトファブリケーション法や、フォトファブリケーション法等で形成した原盤によるスタンパー法、等によって行える。
スタンパー法における原盤の形成は、たとえば、以下のように行える。表面が平滑なガラス板(又は石英ガラス板)の上にスピンコート法等によりフォトレジストの層を形成し、プレベーク後に、このガラス板を回転させながら、サーボ信号に対応して変調したレーザー光(又は電子ビーム)を照射し、フォトレジスト層の略全面に所定のパターン、たとえば各トラックに回転中心から半径方向に線状に延びるサーボ信号に相当するパターンを円周上の各フレームに対応する部分に露光する。
その後、フォトレジストの層を現像処理し、露光部分が除去されたフォトレジストの層により形成された凹凸形状を有するガラス原盤を得る。次いで、ガラス原盤の表面の凹凸パターンを基に、この表面にメッキ(電鋳)を施し所定厚さまで形成することにより、表面にポジ状の凹凸パターンを有するNi基板を作成する。そして、この基板をガラス原盤から剥離する。
この基板をそのままプレス原盤とするか、凹凸パターン上に必要に応じて軟磁性層、保護膜等を被覆してプレス原盤とする。
また、ガラス原盤にメッキを施して、電鋳により第2の原盤を作成し、この第2の原盤に更にメッキを施して、電鋳によりネガ状凹凸パターンを有する反転原盤を作成してもよい。更に、第2の原盤にメッキを施して電鋳を行うか、低粘度の樹脂を押し付けて硬化させるかした、第3の原盤を作成し、第3の原盤にメッキを施して電鋳を行い、ポジ状凹凸パターンを有する基板を作成してもよい。
基板の材料としては、金属ではNi又はNi合金を使用することができる。この基板を作成するメッキ法としては、無電解メッキ、電鋳、スパッタリング、イオンプレーティングを含む各種の金属成膜法等が適用できる。
基板表面の凹凸パターンの深さ(突起の高さ)は、80〜800nmの範囲が好ましく、100〜600nmの範囲がより好ましい。この凹凸パターンはサーボ信号の場合は、半径方向に長く形成される。この場合、たとえば、半径方向の長さが0.05〜20μm、円周方向の長さが0.05〜5μmであることが好ましい。この範囲で半径方向の方が長いパターンを選ぶことが、サーボ信号の情報を担持するパターンとしては好ましい。
磁性層48(軟磁性層)の形成は、磁性材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜手段、メッキ法などにより成膜する。磁性層の磁性材料としては、Co、Co合金(CoNi、CoNiZr、CoNbTaZr等)、Fe、Fe合金(FeCo、FeCoNi、FeNiMo、FeAlSi、FeAl、FeTaN)、Ni、Ni合金(NiFe)を用いることができる。特に、FeCo、FeCoNiが好ましく用いることができる。磁性層の厚さは、50nm〜500nmの範囲が好ましく、100nm〜400nmの範囲が更に好ましい。
なお、磁性層48の上にダイヤモンドライクカーボン等の保護膜を設けることが好ましく、保護膜の上に更に潤滑剤層を設けてもよい。この場合、保護膜として厚さが5〜30nmのダイヤモンドライクカーボン膜と潤滑剤層とする構成が好ましい。また、磁性層48と保護膜との間に、Si等の密着強化層を設けてもよい。潤滑剤は、スレーブディスク40との接触過程で生じるずれを補正する際の、摩擦による傷の発生などの耐久性の劣化を改善する効果を有する。
マスターディスク46として、前記のプレス原盤を用いて樹脂基板を作製し、その表面に磁性層を設けて形成してもよい。樹脂基板の樹脂材料としては、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体などの塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィン及びポリエステルなどが使用できる。
このうち、耐湿性、寸法安定性及び価格などの点からポリカーボネートが好ましい。成形品にバリがある場合は、これをバーニシュ又は研磨加工により除去する。また、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂などを使用して、プレス原盤にスピンコート、バーコート等の塗布によりマスターディスク46を形成してもよい。樹脂基板のパターン突起の高さは、50〜1000nmの範囲が好ましく、100〜500nmの範囲が更に好ましい。
この樹脂基板の表面の微細パターンの上に磁性層48を被覆しマスターディスク46を得る。磁性層48の形成は、磁性材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜方法、メッキ法などによる成膜方法で行える。
一方、マスターディスク46の形成方法の1種であるフォトファブリケーション法は、以下の手順で行う。先ず、たとえば、平板状の基板の平滑な表面にフォトレジストを塗布し、サーボ信号のパターンに応じたフォトマスクを用いた露光、現像処理により、情報に応じたパターンを形成させる。
次いで、エッチング工程により、パターンに応じて基板のエッチングを行い、磁性層48の厚さに相当する深さの穴を形成する。次いで、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜方法、メッキ法等により、形成した穴に対応した厚さで基板の表面まで磁性材料を成膜する。
次いで、フォトレジストをリフトオフ法で除去し、表面を研磨して、ばりがある場合には、これを取り除くとともに、表面を平滑化する。
マスターディスク46による磁気転写は、図1に示されるように、スレーブディスク40の片面にマスターディスク46を密着させて片面に逐次転写を行う場合と、スレーブディスク40の両面にそれぞれマスターディスク46、46を密着させて両面で同時転写を行う場合とがある。なお、マスターディスク46には、スレーブディスク40と密着させる前に、付着した塵埃を除去するクリーニング処理が必要に応じて施される。
転写用磁界を印加する磁界生成手段30は、密着手段に保持されたスレーブディスク40及びマスターディスク46の半径方向に延びるギャップ31を有するコア32にコイル33が巻き付けられた電磁石装置34、34が上下両側に配設されてなり、上下で同じ方向にトラック方向と平行な磁力線G(図2、図3参照)を有する転写用磁界を印加できるようになっている。なお、図2において、αは、円周トラック40A、40A…の磁力線Gとのなす角度を示す。
磁界印加時には、スレーブディスク40及びマスターディスク46を一体に回転させつつ磁界生成手段30によって転写用磁界を印加し、マスターディスク46の転写情報をスレーブディスク40のスレーブ面に磁気的に転写記録できるように回転手段が設けられている。なお、この構成以外に、磁界生成手段30を回転移動させるように設ける構成も採用できる。
転写用磁界は、最適転写磁界強度範囲(スレーブディスク40の保磁力Hcの0.6〜1.3倍)の最大値を越える磁界強度がトラック方向のいずれにも存在せず、最適転写磁界強度範囲内の磁界強度となる部分が1つのトラック方向で少なくとも1カ所以上存在し、これと逆向きのトラック方向の磁界強度がいずれのトラック方向位置においても最適転写磁界強度範囲の最小値未満である磁界強度分布の磁界をトラック方向の一部分で発生させている。
磁界生成手段30は、図1の構成と異なり、スレーブディスク40の片側にのみ配設するように構成してもよい。また、磁界生成手段30としては、他の実施の形態として、図5(a)〜(c)に示されるような転写用磁界を生成する電磁石装置又は永久磁石装置を、スレーブディスク40の両側又は片側に配設してもよい。
図5(a)の磁界生成手段22は、スレーブディスク40の半径方向に延びる1つの電磁石90(又は永久磁石)のスレーブ面と平行な両側部が反対磁極に構成され、トラック方向に磁界を生成する。
図5(b)の磁界生成手段24は、所定間隔でスレーブディスク40の半径方向に延びる2つの平行電磁石92、93(又は永久磁石)のスレーブ面に向かう端面が反対磁極に構成され、トラック方向に磁界を生成する。
図5(c)の磁界生成手段26は、断面U字状で半径方向に延びる永久磁石94(又は電磁石)のスレーブ面に向かう2つの平行端面が反対磁極に構成され、トラック方向に磁界を生成する。
次に、上記のように構成された磁気転写装置10による磁気転写方法について説明する。
先ず、磁気転写の基本態様を示す既述の図4において、(a)に示されるように、スレーブディスク40に初期磁界Hiをトラック方向の一方向に印加して予め初期磁化(直流消磁)を行う。この初期磁化は、スレーブディスク40の保磁力Hc以上の磁界強度部分をトラック方向位置で少なくとも1カ所以上有する磁界、好ましくは、スレーブディスク40の保磁力Hc以上の磁界強度部分をトラック方向位置で一方向のみで有しており、逆方向の磁界強度はいずれのトラック方向位置でのスレーブディスク40の保磁力未満である磁界強度分布の磁界を使用する。この磁界を、トラック方向の一部分で発生させ、スレーブディスク40又は磁界をトラック方向に回転させることにより、全トラックの初期磁化(直流消磁)を行う。
次いで、図4(b)に示されるように、このスレーブディスク40のスレーブ面(磁気記録面)とマスターディスク46の基板47の微細凹凸パターンに磁性層48が被覆されてなる情報担持面とを密着させ、スレーブディスク40のトラック方向に初期磁界Hiとは逆方向に転写用磁界Hdを印加して磁気転写を行う。
その結果、図4(c)に示されるように、スレーブディスク40のスレーブ面(トラック)にはマスターディスク46の情報担持面の磁性層48の密着凸部と凹部空間との形成パターンに応じた磁化パターンが転写記録される。
なお、マスターディスク46の基板47の凹凸パターンが、図4のポジパターンと逆の凹凸形状のネガパターンの場合であっても、初期磁界Hiの方向及び転写用磁界Hdの方向をこれと逆方向にすることによって、同様の磁化パターンが転写記録できる。
その際に、重要であるのは、円周方向の転写用磁界Hdのうち、ディスク表面に対し垂直な磁界強度Hdvがディスク表面に対し平行な磁界強度Hdhの40%以下になるようにして磁気転写を行うことである。
図6は、図3の各平行位置における平行磁界強度Hdhと垂直磁界強度Hdvの分布を示すグラフである。この図6より、磁石のN極とS極との中間位置では、平行磁界強度Hdhが最大であり、垂直磁界強度Hdvが0となる。これに対し、磁石のN極とS極との中間位置より離れるにしたがって、平行磁界強度Hdhが減少するとともに、垂直磁界強度Hdvが増加していく。
このような転写用磁界Hdにより、図3の平行位置C(中央の円内)においてはHdv/Hdhは0であり、図3の平行位置R(右の円内)及び平行位置L(左の円内)においてはHdv/Hdh≠0である。
したがって、円周方向の転写用磁界Hdのうち、ディスク表面に対し垂直な磁界強度Hdvがディスク表面に対し平行な磁界強度Hdhの40%以下になるように磁界生成手段30の各構成(電磁石装置34のギャップ31、コア32、コイル33)や、磁界生成手段30とディスク表面の距離等を最適に設定する必要がある。
以上の構成によれば、円周方向の磁界Hdの、ディスク表面に対し垂直な磁界強度Hdvをディスク表面に対し平行な磁界強度Hdhの40%以下とするので、磁界生成手段30とディスクとの相対移動に伴ってこの垂直と平行との強度比が時系列的に変化しても、転写精度が受ける影響は少ない。その結果、スレーブディスク40の再生信号のC/N比を低下させるということもない。
このスレーブディスク40は、磁気記録装置(ハードディスクドライブ)に組み込んで好適に使用できる。これに使用されるハードディスクドライブとしては、各ドライブメーカーより販売されている公知の各種装置を使用すればよい。
以上、本発明に係る磁気転写方法、磁気記録媒体、及び磁気記録装置の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、上記実施形態においては、スレーブディスク40(密着したマスターディスク46も)を連続回転させながら、磁界生成手段30によりスレーブディスク40に磁気転写を行っているが、スレーブディスク40及びマスターディスク46への磁界印加を円周方向に1周以上行った後に、磁界強度を所定値まで減少させ、その後にスレーブディスク40及びマスターディスク46の回転を停止させる構成も採用できる。
このように、円周方向に1周分の転写後に、磁界強度を所定値まで漸減させ、しかる後に回転を停止させるのであれば、転写精度が受ける影響は非常に少なくなり、再生信号のC/N比は良好になる。
以下に説明する条件でスレーブディスク40及びマスターディスク46を作製し、磁界生成手段30を使用して磁気転写を行い、転写時の条件での垂直磁界強度Hdvと平行磁界強度Hdhとの比率を測定するとともに、各条件における転写後のスレーブディスク40の再生信号のC/N比を評価した。
マスターディスク46は、Niスタンパー法により作製した。先ず、円盤中心から半径方向20〜40mmの位置まで、幅0.5μmの等間隔放射状ラインで、ライン間隔が半径方向20mmの最内周位置で0.5μm間隔であるような、深さ0.2μmの円盤状パターンを有するNi基板を作成した。
真空成膜装置を使用して、室温下で1.33×10-5Pa(10-7Torr)まで減圧した後に、アルゴンガスを導入して0.4Pa(3×10-3Torr)とした条件下で、Ni基盤上に厚さ200nmのFeCo膜(軟磁性層)を形成し、マスターディスク46とした。このマスターディスク46の保磁力Hcは8kA/m(100Oe)、磁束密度Msは28.9T(23000Gauss)であった。
スレーブディスク40は、薄膜のガラスハードディスクとした。真空成膜装置を使用して、室温下で1.33×10-5Pa(10-7Torr)まで減圧した後に、アルゴンガスを導入して0.4Pa(3×10-3Torr)とした条件下で、ガラス板を200℃に加熱し、CrTi60nm、CoCrPt25nm、磁束密度Msが5.7T(4500Gauss)、保磁力Hcが199kA/m(2500Oe)の外径95mm(3.5インチ型)のハードディスクを作製した。
磁気転写は、図7に示される構成で行った。先ず、ピーク磁界強度がスレーブディスク40の表面において、スレーブディスク40の保磁力Hcの2倍の398kA/m(5000Oe)となるように、図1に示されるリング型ヘッド電磁石装置34を配置して、スレーブディスク40の初期直流磁化を行った。
次に、初期直流磁化したスレーブディスク40とマスターディスク46とを密着させて、ピーク磁界強度がスレーブディスク40の表面において207kA/m(2600Oe)となるように、電磁石装置34の電流を調整して配置した。
このとき、垂直磁界強度Hdvと平行磁界強度Hdhとの比率が変化するように、密着状態のスレーブディスク40とマスターディスク46とを図7の矢印方向に移動させて、電磁石装置34とのクリアランスを数段階に変化させた。そして、電磁石装置34により、初期直流磁化とは逆向きに転写磁界を印加して磁気転写を行った。なお、スレーブディスク40とマスターディスク46との密着は、ゴム板を挟んでアルミニウム板上から加圧した。
電磁変換特性測定装置(協同電子社製LS−90)によりスレーブディスク40の転写信号の評価を行った。ヘッドには、再生ヘッドギャップが0.06μm、再生トラック幅が0.14μmであるMRヘッドを使用した。読み込んだ信号をスペクトロアナライザーで周波数分解し、1次信号のピーク強度Cと外挿した媒体ノイズNの差(C/N)を測定した。
また、スレーブディスク40とマスターディスク46を取り外し、磁気測定端子と電磁石装置34とのクリアランスを数段階に変化させて、各条件における垂直磁界強度Hdvと平行磁界強度Hdhとをそれぞれ測定した。
実施例の結果を図8のグラフに示す。図8の横軸は、垂直磁界強度Hdvと平行磁界強度Hdhとの比であり、縦軸は、C/N比(単位:dB)である。図8より、強度比が0%のときC/N比が最も良好で、強度比が増大するにつれてC/N比が悪化していくことが解る。ただしその勾配は強度比が40%の点を境に傾斜を増している。そして、強度比が40%以下の範囲であれば−3dBより大きく、この範囲であれば転写精度が受ける影響は少ないことが解る。
このような範囲にあるスレーブディスク40を、ドライブメーカより販売されている磁気記録装置(ハードディスクドライブ)に組み込んで(既存のハードディスクと置き換えて)特性を評価したところ、良好なトラッキング特性が得られた。
本発明に係る磁気転写方法を実施するための磁気転写装置の要部斜視図 転写用磁界の印加方法を示す平面図 転写用磁界の印加方法を示す断面図 磁気転写方法の基本工程を示す図 磁界生成手段の他の構成を示す図 図3の各平行位置における平行磁界強度と垂直磁界強度の分布を示すグラフ 実施例における磁気転写の構成を示す図 実施例の結果を示すグラフ
符号の説明
10…磁気転写装置、22、24、26…磁界生成手段、30…磁界生成手段、31…ギャップ、32…コア、33…コイル、34…電磁石装置、40…スレーブディスク(被転写用ディスク)、46…マスターディスク

Claims (5)

  1. 被転写用ディスクの円周方向に磁界を加え、該被転写用ディスクを円周方向に初期直流磁化させる初期磁化工程と、
    初期直流磁化された前記被転写用ディスクと磁気パターンを有するマスターディスクとを密着させる密着工程と、
    磁界生成手段を設けるとともに、該磁界生成手段に対し密着状態にある前記被転写用ディスクと前記マスターディスクとを相対移動させながら、前記被転写用ディスクと前記マスターディスクの円周方向に磁界を加え、前記マスターディスクの磁気パターンを前記被転写用ディスクに転写させる際に、前記円周方向の磁界のディスク表面に対し垂直な磁界強度がディスク表面に対し平行な磁界強度の40%以下になるようにして磁気転写を行う磁気転写工程と、
    を備えることを特徴とする磁気転写方法。
  2. 前記円周方向の磁界による、密着状態にある前記被転写用ディスクと前記マスターディスクとへの磁界印加を円周方向に1周以上行った後に、磁界強度を所定値まで減少させ、その後に前記磁界生成手段に対する密着状態にある前記被転写用ディスクと前記マスターディスクとの相対移動を停止させる請求項1に記載の磁気転写方法。
  3. 前記請求項1又は2に記載の磁気転写方法によってサーボ情報を記録したことを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 反強磁性結合を生じる磁性層を有することを特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体。
  5. 前記請求項3又は4に記載の磁気記録媒体を備えたことを特徴とする磁気記録装置。
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