JP2002251724A - 磁気転写方法および磁気転写装置 - Google Patents

磁気転写方法および磁気転写装置

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JP2002251724A
JP2002251724A JP2001047813A JP2001047813A JP2002251724A JP 2002251724 A JP2002251724 A JP 2002251724A JP 2001047813 A JP2001047813 A JP 2001047813A JP 2001047813 A JP2001047813 A JP 2001047813A JP 2002251724 A JP2002251724 A JP 2002251724A
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transfer
magnetic
slave medium
slave
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JP2001047813A
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English (en)
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Kazunori Komatsu
和則 小松
Shoichi Nishikawa
正一 西川
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスター担体とスレーブ媒体を密着させて転
写用磁界を印加して磁気転写を行う際の、転写用磁界の
漏れ磁界強度の許容範囲を規定して正確な磁化パターン
の転写が行えるようにする。 【解決手段】 スレーブ面のトラック方向に磁界を印加
し予めスレーブ媒体2をトラック方向に初期直流磁化し
た後、マスター担体3とスレーブ媒体2を密着させ、ス
レーブ面のトラック方向に転写用磁界を印加させ、磁気
転写を行う際に、転写用磁界の前記トラック方向Dと逆
向きの成分dの磁界強度をスレーブ媒体2の記録面全領
域においてスレーブ媒体2の保磁力Hcsの1/2以下に
規定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報が担持された
マスター担体からスレーブ媒体へ磁気転写する磁気転写
方法および磁気転写装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気転写方法は、マスター担体とスレー
ブ媒体を密着させた状態で、転写用磁界を印加してマス
ター担体に担持した情報(例えばサーボ信号)に対応す
る磁化パターンの転写を行うものである。この磁気転写
方法としては、例えば特開昭63−183623号公
報、特開平10−40544号公報、特開平10−26
9566号公報等に開示されている。
【0003】また、転写用磁界は、スレーブ媒体の片面
または両面にマスター担体を密着させた状態で、その片
側または両側に電磁石装置、永久磁石装置による磁界生
成手段を配設して印加する。その際、スレーブ媒体とマ
スター担体を密着したものまたは磁界を相対的に回転さ
せて、円盤状のスレーブ媒体の円周上のトラックに磁化
パターンを転写している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記磁気転
写方法では、マスター担体の情報担持面に磁性層を凹凸
パターンに形成した転写情報に正確に対応した磁化パタ
ーンを、スレーブ媒体の記録面に転写記録して転写精度
を高めるためには、マスター担体の情報担持面とスレー
ブ媒体のスレーブ面との密着性を確保した状態でトラッ
ク方向に正確に転写用磁界を印加する必要がある。
【0005】しかし、実際の磁界生成手段により生成さ
れる磁界は、スレーブ媒体の内周部から外周部の全体で
トラック方向と平行に印加するもののみとするのは困難
であり、周囲に漏れ磁界が発生している。この転写用磁
界の漏れ磁界の強度が大きいと、転写用磁界によってス
レーブ媒体に転写記録した正規の磁化パターンが乱れて
最終的に精度の良い磁気転写が行えず、転写情報がサー
ボ信号の場合にはトラッキング機能が十分に得られず信
頼性が低下するという問題がある。
【0006】特に、磁化パターンが記録されたスレーブ
媒体の単体では、その保磁力Hcs程度の強度の磁界が作
用しないと磁化パターンが乱れないが、マスター担体の
転写用凹凸パターンを有する情報担持面と密着させてい
ると、凹凸パターンにより磁界が集中して保磁力Hcsの
1/2程度の磁界強度でも磁化パターンが乱れることが
判明した。
【0007】本発明はこのような問題に鑑みなされたも
ので、マスター担体とスレーブ媒体を密着させて転写用
磁界を印加して磁気転写を行う際の、転写用磁界の印加
方向の逆向きに作用する漏れ磁界の許容範囲を規定して
正確な磁化パターンの転写が行えるようにした磁気転写
方法および磁気転写装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気転写方法
は、基板の表面の情報信号に対応する部分に磁性層が形
成された磁気転写用マスター担体と転写を受けるスレー
ブ媒体である磁気記録媒体とを密着させて転写用磁界を
印加する磁気転写方法において、スレーブ面のトラック
方向に磁界を印加し予めスレーブ媒体をトラック方向に
初期直流磁化した後、マスター担体と上記初期直流磁化
したスレーブ媒体を密着させ、スレーブ面のトラック方
向に転写用磁界を印加させ、磁気転写を行う際に、転写
用磁界の前記トラック方向と逆向きの磁界強度がスレー
ブ媒体の記録面全領域においてスレーブ媒体の保磁力H
csの1/2以下であることを特徴とするものである。
【0009】また本発明の磁気転写装置は、基板の表面
の情報信号に対応する部分に磁性層が形成された磁気転
写用マスター担体と転写を受けるスレーブ媒体である磁
気記録媒体とを密着させて転写用磁界を印加し磁気転写
を行う磁気転写装置において、マスター担体と密着した
スレーブ媒体に対してトラック方向に転写用磁界を印加
する磁界生成手段を備え、該磁界生成手段による転写用
磁界の前記トラック方向と逆向きの磁界強度がスレーブ
媒体の記録面全領域においてスレーブ媒体の保磁力Hcs
の1/2以下であることを特徴とするものである。
【0010】前記転写用磁界を印加する磁界生成手段と
しては、電磁石装置または永久磁石装置が使用される
が、磁界強度等の条件を設定調整する点からは電磁石装
置を使用するのが好ましい。
【0011】前記スレーブ媒体の片面にマスター担体を
密着させて片面逐次転写を行う場合と、スレーブ媒体の
両面にそれぞれマスター担体を密着させて両面同時転写
を行う場合とがある。その際、スレーブ媒体の片面また
は両面にマスター担体を密着させ、その片側または両側
に磁界生成手段を配設して転写用磁界を印加する。磁界
生成手段はスレーブ媒体の半径方向に延びる範囲にトラ
ック方向と平行に磁界を発生させ、スレーブ媒体とマス
ター担体を密着させたものまたは磁界生成手段を相対的
に回転させて、円盤状のスレーブ媒体の全面に磁化パタ
ーンを転写する。
【0012】スレーブ媒体はハードディスク、フレキシ
ブルディスクなどの円盤状磁気記録媒体に対して行うの
が好適である。マスター担体の磁性層は保磁力Hcmが4
8kA/m(≒600Oe)以下である軟磁性層が好ま
しい。
【0013】上記磁気転写方法は、基本的に、最初にス
レーブ媒体をトラック方向に直流磁化する初期磁化を施
し、このスレーブ媒体と転写する情報に対応する微細凹
凸パターンに磁性層が形成されたマスター担体とを密着
させてスレーブ面の初期直流磁化方向と略逆向きの方向
に転写用磁界を印加して磁気転写を行うものが好まし
い。前記情報としてはサーボ信号が好適である。
【0014】スレーブ媒体の初期磁化は、スレーブ媒体
の保磁力Hcs以上の磁界強度部分をトラック方向位置で
少なくとも1カ所以上有する磁界強度分布の磁界をトラ
ック方向の一部分で発生させ、スレーブ媒体あるいは磁
界をトラック方向に回転させることにより行う。また
は、スレーブ媒体の保磁力Hcs以上の磁界強度部分をト
ラック方向位置で一方向のみで有しており、逆方向の磁
界強度はいずれのトラック方向位置でのスレーブ媒体の
保磁力未満である磁界強度分布の磁界をトラック方向の
一部分で発生させて行うのが好ましい。
【0015】また、転写用磁界の印加は、最適転写磁界
強度範囲の最大値を越える磁界強度がトラック方向のい
ずれにも存在せず、最適転写磁界強度範囲内の磁界強度
となる部分が1つのトラック方向で少なくとも1カ所以
上存在し、これと逆向きのトラック方向の磁界強度がス
レーブ媒体の記録面全領域においていずれのトラック方
向位置においてもスレーブ媒体の保磁力Hcsの1/2以
下である磁界強度分布の磁界をトラック方向の一部分で
発生させ、磁気転写用マスター担体と初期直流磁化した
スレーブ媒体を密着させた状態でトラック方向に回転さ
せるか、あるいは磁界をトラック方向に回転させること
により行う。最適転写磁界強度範囲はスレーブ媒体の保
磁力Hcsの0.6〜1.3倍である。
【0016】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、磁気転写
を行う部分で印加する転写用磁界のトラック方向と逆向
きの磁界強度がスレーブ媒体の記録面全領域においてス
レーブ媒体の保磁力Hcsの1/2以下であることによ
り、密着した凹凸パターンによる磁界集中があっても、
漏れ磁界の影響を受けて磁化パターンが乱れることなく
スレーブ媒体の全面で均等な特性で正確な磁化パターン
の転写が行え、サーボ信号の場合には良好なトラッキン
グ機能が確保でき信頼性の向上が図れる。
【0017】また、磁気転写装置を構成する際に、磁気
転写用磁界の漏れ磁界の強度を上記のような許容範囲内
に規定することにより、良好な磁気転写が行えるので、
装置全体の組立精度、磁界生成手段の磁界強度、分布な
どの設計が容易に行える。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。図1は本発明の一つの実施の形態にかかる
磁気転写方法を実施する磁気転写装置の要部斜視図であ
る。また、図2は転写用磁界の漏れ磁界の規定を示す
図、図3は磁界生成手段の他の実施の形態を示す概略
図、図4は磁気転写方法の基本工程を示す図である。な
お、各図は模式図であり各部の寸法は実際とは異なる比
率で示している。
【0019】図1の磁気転写装置1において、磁気転写
時には、後述の初期直流磁化を行った後のスレーブ媒体
2(磁気記録媒体)のスレーブ面(磁気記録面)を、マ
スター担体3の情報担持面に接触させ、所定の押圧力で
密着させる。このスレーブ媒体2とマスター担体3との
密着状態で、磁界生成手段5により転写用磁界を印加し
てサーボ信号等の磁化パターンを転写記録する。
【0020】スレーブ媒体2は、両面または片面に磁気
記録層が形成されたハードディスク、フレキシブルディ
スク等の円盤状磁気記録媒体であり、マスター担体3に
密着させる以前に、グライドヘッド、研磨体などにより
表面の微小突起または付着塵埃を除去するクリーニング
処理が必要に応じて施される。
【0021】また、スレーブ媒体2には予め初期磁化を
行っておく。この初期磁化は、スレーブ媒体2の保磁力
Hcs以上の磁界強度部分をトラック方向位置で少なくと
も1カ所以上有する磁界強度分布の磁界を、好ましく
は、スレーブ媒体2の保磁力Hcs以上の磁界強度部分を
トラック方向位置で一方向のみで有しており、逆方向の
磁界強度はいずれのトラック方向位置でのスレーブ媒体
2の保磁力未満である磁界強度分布の磁界を、トラック
方向の一部分で発生させ、スレーブ媒体2あるいは磁界
をトラック方向に回転させることにより全トラックの初
期磁化(直流消磁)を行う。
【0022】マスター担体3はディスク状に形成され、
その片面に磁性層32(図4参照)による微細凹凸パタ
ーンが形成された転写情報担持面を有し、これと反対側
の面が不図示の密着手段に保持され、搬送されたスレー
ブ媒体2と密着される。図示のように、スレーブ媒体2
の片面にマスター担体3を密着させて片面逐次転写を行
う場合と、スレーブ媒体2の両面にそれぞれマスター担
体3を密着させて両面同時転写を行う場合とがある。マ
スター担体3は、スレーブ媒体2と密着させる以前に、
付着した塵埃を除去するクリーニング処理が必要に応じ
て施される。
【0023】転写用磁界を印加する磁界生成手段5は、
密着手段に保持されたスレーブ媒体2およびマスター担
体3の半径方向に延びるギャップ51を有するコア52
にコイル53が巻き付けられた電磁石装置50,50が
上下両側に配設されてなり、上下で同じ方向にトラック
方向と平行な磁力線G(図2参照)を有する転写用磁界
を印加する。
【0024】磁界印加時には、スレーブ媒体2およびマ
スター担体3を一体に回転させつつ磁界生成手段5によ
って転写用磁界を印加し、マスター担体3の転写情報を
スレーブ媒体2のスレーブ面に磁気的に転写記録する。
磁界生成手段5を回転移動させるように設けてもよい。
【0025】転写用磁界は、最適転写磁界強度範囲(ス
レーブ媒体2の保磁力Hcsの0.6〜1.3倍)の最大
値を越える磁界強度がトラック方向のいずれにも存在せ
ず、最適転写磁界強度範囲内の磁界強度となる部分が1
つのトラック方向で少なくとも1カ所以上有する。さら
に、これと逆向きのトラック方向の磁界強度がスレーブ
媒体の記録面全領域においていずれのトラック方向位置
においてもスレーブ媒体の保磁力Hcsの1/2以下であ
る。
【0026】つまり、図2に示すように平面から見て、
スレーブ媒体2の同心円状に形成される円周トラック2
1に対し、磁界生成手段5のギャップ51に発生する磁
力線Gの方向に沿うトラック方向Dに転写用磁界を印加
する。このトラック方向Dは円周方向であり、中心線の
反対側位置(図で下方位置)のトラック21では実線の
ように平面で見て反対方向となり、90度位置(図の左
右位置)のトラック21では直交方向となる。そして、
ギャップ51以外の部分に発生する漏れ磁界は、上記ト
ラック方向Dと逆向きの破線で示す成分dがスレーブ媒
体2の記録面全領域においてスレーブ媒体2の保磁力H
csの1/2以下となるように規定される。この転写用磁
界の漏れ磁界の強度を上記のような範囲に規定する理由
は後述する。
【0027】前記磁界生成手段5は、片側にのみ配設す
るようにしてもよい。また、磁界生成手段5としては、
他の実施の形態として、図3(a)〜(c)に示すような転
写用磁界を生成する電磁石装置または永久磁石装置を、
両側または片側に配設してもよい。
【0028】図3(a)の磁界生成手段5は、スレーブ媒
体2の半径方向に延びる1つの電磁石55(または永久
磁石)のスレーブ面と平行な両側部が反対磁極に構成さ
れ、トラック方向に磁界を生成する。図3(b)の磁界生
成手段5は、所定間隔でスレーブ媒体2の半径方向に延
びる2つの平行電磁石56,57(または永久磁石)の
スレーブ面に向かう端面が反対磁極に構成され、トラッ
ク方向に磁界を生成する。図3(c)の磁界生成手段5
は、断面U字状で半径方向に延びる永久磁石58(また
は電磁石)のスレーブ面に向かう2つの平行端面が反対
磁極に構成され、トラック方向に磁界を生成する。
【0029】上記のような各実施の形態における磁界生
成手段5においても、磁界生成手段5による正規の磁界
印加部分における転写用磁界を印加したトラック方向と
逆向きの漏れ磁界強度が、スレーブ媒体2の記録面全領
域においてスレーブ媒体2の保磁力Hcsの1/2以下と
なるように規定される。
【0030】次に、図4は磁気転写の基本態様を示す図
である。(a)は磁場を一方向に印加してスレーブ媒体2
を初期直流磁化する工程、(b)はマスター担体3とスレ
ーブ媒体2とを密着して反対方向に磁界を印加する工
程、(c)は磁気転写後の状態をそれぞれ示す図である。
【0031】まず図4(a)に示すように、スレーブ媒体
2に初期磁界Hinをトラック方向の一方向に印加して予
め初期磁化(直流消磁)を行う。その後、図4(b)に示す
ように、このスレーブ媒体2のスレーブ面(磁気記録
面)とマスター担体3の基板31の微細凹凸パターンに
磁性層32が被覆されてなる情報担持面とを密着させ、
スレーブ媒体2のトラック方向に前記初期磁界Hinとは
逆方向に転写用磁界Hduを印加して磁気転写を行う。そ
の結果、図4(c)に示すように、スレーブ媒体2のスレ
ーブ面(トラック)にはマスター担体3の情報担持面の
磁性層32の密着凸部と凹部空間との形成パターンに応
じた磁化パターンが転写記録される。
【0032】なお、上記マスター担体3の基板31の凹
凸パターンが図4のポジパターンと逆の凹凸形状のネガ
パターンの場合であっても、初期磁界Hinの方向および
転写用磁界Hduの方向を上記と逆方向にすることによっ
て同様の磁化パターンが転写記録できる。
【0033】前記基板31がNiなどによる強磁性体の
場合はこの基板31のみで磁気転写は可能で、前記磁性
層32は被覆しなくてもよいが、転写特性の良い磁性層
32を設けることでより良好な磁気転写が行える。基板
31が非磁性体の場合は磁性層32を設けることが必要
である。マスター担体3の磁性層32は、保磁力Hcmが
48kA/m(≒600Oe)以下の軟磁性層が好まし
い。
【0034】マスター担体3の基板31としては、ニッ
ケル、シリコン、石英板、ガラス、アルミニウム、合
金、セラミックス、合成樹脂等を使用する。凹凸パター
ンの形成は、スタンパー法、フォトファブリケーション
法等によって行われる。
【0035】スタンパー法は、表面が平滑なガラス板
(または石英板)の上にスピンコート等でフォトレジス
トを形成し、このガラス板を回転させながらサーボ信号
に対応して変調したレーザー光(または電子ビーム)を
照射し、フォトレジスト全面に所定のパターン、例えば
各トラックに回転中心から半径方向に線状に延びるサー
ボ信号に相当するパターンを円周上の各フレームに対応
する部分に露光する。その後、フォトレジストを現像処
理し、露光部分を除去しフォトレジストによる凹凸形状
を有する原盤を得る。次に、原盤の表面の凹凸パターン
をもとに、この表面にメッキ(電鋳)を施し、ポジ状凹
凸パターンを有するNi基板を作成し、原盤から剥離す
る。この基板をそのままマスター担体とするか、または
凹凸パターン上に必要に応じて軟磁性層、保護膜を被覆
してマスター担体とする。
【0036】また、前記原盤にメッキを施して第2の原
盤を作成し、この第2の原盤を使用してメッキを行い、
ネガ状凹凸パターンを有する基板を作成してもよい。さ
らに、第2の原盤にメッキを行うか樹脂液を押し付けて
硬化を行って第3の原盤を作成し、第3の原盤にメッキ
を行い、ポジ状凹凸パターンを有する基板を作成しても
よい。
【0037】一方、前記ガラス板にフォトレジストによ
るパターンを形成した後、エッチングしてガラス板に穴
を形成し、フォトレジストを除去した原盤を得て、以下
前記と同様に基板を形成するようにしてもよい。
【0038】金属による基板の材料としては、Niもし
くはNi合金を使用することができ、この基板を作成す
る前記メッキは、無電解メッキ、電鋳、スパッタリン
グ、イオンプレーティングを含む各種の金属成膜法が適
用できる。基板の凹凸パターンの深さ(突起の高さ)
は、80nm〜800nmの範囲が好ましく、より好ま
しくは100nm〜600nmである。この凹凸パター
ンはサーボ信号の場合は、半径方向に長く形成される。
例えば、半径方向の長さは0.05〜20μm、円周方
向は0.05〜5μmが好ましく、この範囲で半径方向
の方が長いパターンを選ぶことがサーボ信号の情報を担
持するパターンとして好ましい。
【0039】前記磁性層32(軟磁性層)の形成は、磁
性材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレー
ティング法等の真空成膜手段、メッキ法などにより成膜
する。磁性層の磁性材料としては、Co、Co合金(C
oNi、CoNiZr、CoNbTaZr等)、Fe、
Fe合金(FeCo、FeCoNi、FeNiMo、F
eAlSi、FeAl、FeTaN)、Ni、Ni合金
(NiFe)が用いることができる。特に好ましくはF
eCo、FeCoNiである。磁性層の厚みは、50n
m〜500nmの範囲が好ましく、さらに好ましくは1
00nm〜400nmである。
【0040】なお、磁性層の上にDLC等の保護膜を設
けることが好ましく、潤滑剤層を設けても良い。また保
護膜として5〜30nmのダイヤモンドライクカーボン
(DLC)膜と潤滑剤層が存在することがさらに好まし
い。また、磁性層と保護膜の間に、Si等の密着強化層
を設けてもよい。潤滑剤は、スレーブ媒体との接触過程
で生じるずれを補正する際の、摩擦による傷の発生など
の耐久性の劣化を改善する。
【0041】前記原盤を用いて樹脂基板を作製し、その
表面に磁性層を設けてマスター担体としてもよい。樹脂
基板の樹脂材料としては、ポリカーボネート・ポリメチ
ルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル
・塩化ビニル共重合体などの塩化ビニル樹脂、エポキシ
樹脂、アモルファスポリオレフィンおよびポリエステル
などが使用可能である。耐湿性、寸法安定性および価格
などの点からポリカーボネートが好ましい。成形品にバ
リがある場合は、バーニシュまたはポリッシュにより除
去する。また、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂などを
使用して、原盤にスピンコート、バーコート塗布で形成
してもよい。樹脂基板のパターン突起の高さは、50〜
1000nmの範囲が好ましく、さらに好ましくは10
0〜500nmの範囲である。
【0042】前記樹脂基板の表面の微細パターンの上に
磁性層を被覆しマスター担体を得る。磁性層の形成は、
磁性材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法等の真空成膜手段、メッキ法などにより成
膜する。
【0043】一方、フォトファブリケーション法は、例
えば、平板状の基板の平滑な表面にフォトレジストを塗
布し、サーボ信号のパターンに応じたフォトマスクを用
いた露光、現像処理により、情報に応じたパターンを形
成する。次いで、エッチング工程により、パターンに応
じて基板のエッチングを行い、磁性層の厚さに相当する
深さの穴を形成する。次いで、磁性材料を真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成
膜手段、メッキ法により、形成した穴に対応した厚さで
基板の表面まで磁性材料を成膜する。次いで、フォトレ
ジストをリフトオフ法で除去し、表面を研磨して、ばり
がある場合は取り除くと共に、表面を平滑化する。
【0044】スレーブ媒体2としては、ハードディス
ク、高密度フレキシブルディスクなどの円盤状磁気記録
媒体が使用され、その磁気記録層は塗布型磁気記録層あ
るいは金属薄膜型磁気記録層が形成されている。金属薄
膜型磁気記録層の磁性材料としては、Co、Co合金
(CoPtCr、CoCr、CoPtCrTa、CoP
tCrNbTa、CoCrB、CoNi等)、Fe、F
e合金(FeCo、FePt、FeCoNi)を用いる
ことができる。これは磁束密度が大きいこと、磁界印加
方向と同じ方向(面内記録なら面内方向)の磁気異方性
を有していることが、明瞭な転写が行えるため好まし
い。そして磁性材料の下(支持体側)に必要な磁気異方
性をつけるために非磁性の下地層を設けることが好まし
い。結晶構造と格子定数を磁性層に合わすことが必要で
ある。そのためにはCr、CrTi、CoCr、CrT
a、CrMo、NiAl、Ru等を用いる。
【0045】ここで、転写用磁界の漏れ磁界強度を前述
のような範囲とする実験結果を説明する。実験に使用し
たマスター担体、スレーブ媒体および磁気転写方法は次
の通りである。
【0046】<マスター担体の作製>Niスタンパー法
により、円盤中心から半径方向20〜40mmの位置ま
で、幅0.5μmの等間隔放射状ラインで、ライン間隔
が半径方向20mmの最内周位置で0.5μm間隔であ
るような、深さ0.2μmの円盤状パターンを有するN
i基板を作成した。真空成膜装置において、室温にて
1.33×10-5Pa(10-7Torr)まで減圧した後
に、アルゴンを導入して0.4Pa(3×10-3Torr)
とした条件下で、Ni基盤上に厚さ200nmのFeC
o膜(軟磁性層)を形成し、マスター担体とした。保磁
力Hcmは8kA/m(100Oe)、磁束密度Msは2
8.9T(23000 Gauss)であった。
【0047】<スレーブ媒体の作製>真空成膜装置にお
いて、室温にて1.33×10-5Pa(10-7Torr)ま
で減圧した後に、アルゴンを導入して0.4Pa(3×
10-3Torr)とした条件下で、ガラス板を200℃に加
熱し、CrTi60nm、CoCrPt25nm、磁束
密度Ms:5.7T(4500 Gauss)、保磁力Hcs:
199kA/m(2500Oe)の3.5インチ型の円
盤状磁気記録媒体(ハードディスク)を作製した。
【0048】<磁気転写試験方法>ピーク磁界強度がス
レーブ媒体の表面において、スレーブ媒体保磁力Hcsの
2倍の398kA/m(5000Oe)となるように、
図1に示したようなリング型ヘッド電磁石を配置して、
スレーブ媒体の初期直流磁化を行った。次に初期直流磁
化したスレーブ媒体とマスター担体とを密着させて、ピ
ーク磁界強度がスレーブ媒体の表面において207kA
/m(2600Oe)となるように、リング型ヘッド電
磁石の電流を調整して配置した。
【0049】このとき、上下の電磁石の間隔を変え、転
写磁界強度は常に207kA/m(2600Oe)を保
ちつつ、漏れ磁界強度だけを変化させた。転写方向と逆
方向の漏れ磁界強度が最も強くなるのは、中心を挟んで
転写磁界印加位置と180゜反対方向の内周位置であ
り、下記表1に示すように上下電磁石の上下方向の間隔
を20〜40mmまで変化させるのに応じて電流を18
から40Aに調整することにより、この位置での逆向き
の漏れ磁界強度を40kA/m(500Oe),64k
A/m(800Oe),96kA/m(1200O
e),119kA/m(1500Oe)に変化させて磁
気転写を行った。なお、マスター担体とスレーブ媒体の
密着は、ゴム板を挟んでアルミニウム板上から加圧し
た。
【0050】<電磁変換特性評価方法>電磁変換特性測
定装置(協同電子社製SS−60)によりスレーブ媒体
の転写信号の評価を行った。ヘッドには、再生ヘッドギ
ャップ:0.24μm、再生トラック幅:1.9μm、
記録ヘッドギャップ:0.4μm、記録トラック幅:
2.4μmであるMRヘッドを使用した。読み込み信号
をスペクトロアナライザーで周波数分解し、1次信号の
ピーク強度Cと外挿した媒体ノイズNの差(C/N)を
測定した。漏れ磁界強度が40kA/m(500Oe)
での値を0dBとし、相対値(ΔC/N)で評価を行っ
た。この相対値(ΔC/N)が−6dBより小さく(マ
イナス方向に大きく)なると、信号強度が小さく転写不
良の状態となるので、この値を許容値として評価した。
その結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1から分かるように、間隔が40mmの
比較例1では、漏れ磁界強度が119kA/m(150
0Oe)とスレーブ媒体保磁力Hcs:199kA/m
(2500Oe)の1/2すなわち100kA/m(1
250Oe)より大きく、転写不良となった。これに対
し、実施例1〜実施例3では漏れ磁界強度がそれより小
さく良好な磁気転写が行えた。その結果、転写用磁界強
度の逆向きの漏れ磁界強度がスレーブ媒体の記録面全領
域においてスレーブ媒体の保磁力Hcsの1/2以下とす
る必要性を確認した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係る磁気転写方法
を実施する磁気転写装置の要部斜視図
【図2】転写用磁界の漏れ磁界強度の規定を示す平面図
【図3】磁界生成手段の他の実施の形態を示す概略図
【図4】磁気転写方法の基本工程を示す図
【符号の説明】
1 磁気転写装置 2 スレーブ媒体 3 マスター担体 5 磁界生成手段 21 円周トラック 32 磁性層 50 電磁石装置 D トラック方向 d 漏れ磁界成分

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面の情報信号に対応する部分に
    磁性層が形成された磁気転写用マスター担体と転写を受
    けるスレーブ媒体である磁気記録媒体とを密着させて転
    写用磁界を印加する磁気転写方法において、 スレーブ面のトラック方向に磁界を印加し予めスレーブ
    媒体をトラック方向に初期直流磁化した後、マスター担
    体と上記初期直流磁化したスレーブ媒体を密着させ、ス
    レーブ面のトラック方向に転写用磁界を印加させ、磁気
    転写を行う際に、転写用磁界の前記トラック方向と逆向
    きの磁界強度がスレーブ媒体の記録面全領域においてス
    レーブ媒体の保磁力Hcsの1/2以下であることを特徴
    とする磁気転写方法。
  2. 【請求項2】 基板の表面の情報信号に対応する部分に
    磁性層が形成された磁気転写用マスター担体と転写を受
    けるスレーブ媒体である磁気記録媒体とを密着させて転
    写用磁界を印加し磁気転写を行う磁気転写装置におい
    て、 マスター担体と密着したスレーブ媒体に対してトラック
    方向に転写用磁界を印加する磁界生成手段を備え、該磁
    界生成手段による転写用磁界の前記トラック方向と逆向
    きの磁界強度がスレーブ媒体の記録面全領域においてス
    レーブ媒体の保磁力Hcsの1/2以下であることを特徴
    とする磁気転写装置。
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