JP2006119980A - 化学物質情報集計装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境保全活動に資するべき信頼性の高い化学物質情報を取得するとともに、該化学物質情報を容易に集計し、かつ適正な情報管理を行うことが可能な化学物質情報集計装置の提供。
【解決手段】対象部材に含まれ、該対象部材加工後に、排出される化学物質の排出データ2を、有害性や法規制に該当する指定化学物質名ごとに区分けして集計する化学物質情報集計装置1において、前記対象部材および化学物質に関する各種データを入力する基礎データベース3と、前記化学物質の排出データ2を取得する排出データ取得手段と、前記排出データ2を、集計すべき指定化学物質名ごとに区分集計する区分集計手段と、この区分集計手段によって集計された指定化学物質の重量に基づいて、指定化学物質ごとの所定期間中における排出量を算出する算出手段と、この算出手段による算出結果を出力する出力手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、排出される化学物質の排出データを、有害性や法規制に該当する指定化学物質名ごとに区分けして集計する化学物質情報集計装置に関する。
近年、環境問題は多岐にわたり、省資源や省エネルギー、リサイクル活動の推進等、積極的な環境保全活動が求められており、有害化学物質を含む製品等の取り扱いにおいては、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(Pollutant Release and Transfer Register)」(以下、PRTR法)が施行されている。
このPRTR法は、事業者が、大気・水域・土壌を経由して環境へ排出される有害化学物質の排出量、あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出された化学物質のデータを算出して、所定の公的機関へ届け出ることを義務化したものである。
昨今では、化学物質の総合管理を目的とするシステム開発を始めとして、このPRTR法に準拠した様々な技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような技術を用いることによって、PRTR法に該当する指定化学物質の諸情報を得ることができ、得られた諸情報は「化学物質等安全データシート(Material Safety Data Sheet)」(以下、MSDS)として取りまとめられ、製品の流通とともに取引先に対して提供されるようになっている。
なお、このMSDSとは、事業者が化学物質や製品を他の事業者に出荷する際に、その相手方に対して、その化学物質に関する情報を提供するためのものであり、PRTR法では、政令で定める第一種指定化学物質、第二種指定化学物質及びこれらを含む一定の製品について、このMSDSを提供することが義務化されている。
特開2004−046749号公報
以上のように、有害化学物質を含む製品等の取り扱いについては、適正な情報管理等が求められており、このような要望を満たすような、より信頼性の高い情報を提供する技術の開発も強く望まれている。
本発明の課題は、環境保全活動に資するべき信頼性の高い化学物質情報を取得するとともに、該化学物質情報を容易に集計し、かつ適正な情報管理を行うことが可能な化学物質情報集計装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1または図2に示すように、対象部材に含まれ、該対象部材加工後に、排出される化学物質の排出データ2を、有害性や法規制に該当する指定化学物質名ごとに区分けして集計する化学物質情報集計装置1において、
前記対象部材の製品データ3aと、当該対象部材に含まれる化学物質の物質データ3bとが、対象部材名ごとに入力される基礎データベース3と、
前記基礎データベース3に入力された製品データ3aおよび物質データ3bに基づいて、前記対象部材に含まれる化学物質の排出データ2を取得する排出データ取得手段と、
前記排出データ2を、集計すべき指定化学物質名ごとに区分けするとともに集計する区分集計手段と、
この区分集計手段によって集計された指定化学物質の重量に基づいて、指定化学物質ごとの所定期間中における排出量を算出する算出手段と、
この算出手段による算出結果を出力する出力手段とを備えていることを特徴とする。
ここで、前記化学物質情報集計装置1は、図1に示すように、内部にCPU4(Central Processing Unit)と、RAM5(Random Access Memory)と、入力装置6と、出力装置7と、記憶装置8とを備え、これらはバス9を介して接続されている。
前記CPU4は、記憶装置8が有するプログラムや諸情報から入力される各種指示信号に応じた各種データ等をRAM5に格納し、この指示および入力データに応じてRAM5に格納したプログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果を一時的にRAM5に格納する。また、CPU4は、一部あるいは全部の処理結果情報を、前記記憶装置8に記憶させるようになっている。
前記RAM5は、前記CPU4が前記記憶装置8に格納されたプログラムを実行する際に各種データを展開するプログラム格納領域を形成するとともに、CPU4が実行する処理にかかわるデータを一時的に記憶する記憶領域、入力指示と入力データとによって処理される作業領域等を形成する。
前記入力装置6は、キーボードやマウス等を備えており、前記対象部材や化学物質情報を始めとする各種データの入力に用いる。
前記出力装置7は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)や、LCD(Liquid Crystal Display)、プリンター等により構成され、前記CPU4の制御にしたがい、出力プログラム13を実行させて、各種データや集計結果等を画面上に表示、または印刷する。
前記記憶装置8は、プログラムやデータ等が予め記憶されたハードディスク装置であり、このハードディスク装置のハードディスク(記憶装置8)には、データ部8aと、プログラム部8bとが設けられている。
前記データ部8aには、前記製品データ3aや物質データ3b、排出データ2等の諸情報が記憶され、前記プログラム部8bには、前記データ部8a内の諸情報を処理するための排出データ取得プログラム10や区分集計プログラム11、算出プログラム12、検索プログラム14等が記憶されている。
前記製品データ3aは、前記対象部材の一製品としての情報であり、品番や製品名、内容量、区分等を示している。前記品番は、納品された対象部材に便宜上付与するものであり、各対象部材に品番を付けておくことによって、対象部材ごとに容易に区分けすることが可能となる。
前記物質データ3bは、前記対象部材に含まれる化学物質に関する情報であり、PRTR指定化学物質の有無やPRTR指定化学物質番号、名称、毒性ランク、前記対象部材に対する含有率(含有量)、適用法令に関する区分等を示している。
前記排出データ2は、前記対象部材に含まれる化学物質の排出先の情報と、排出先ごとの排出量に関する情報とを有している。
前記排出先とは、前記化学物質が、事業所から環境中へと排出される際の行き先情報を指しており、大気、水域、土壌、移動量(廃棄物)、消費量、リサイクル量等の項目に区別されている。
すなわち、例えば、揮発等の状態で排出される場合には前記化学物質は大気への排出とされ、洗浄される場合には水域への排出とされ、土中に排出される場合には土壌への排出とされ、前記化学物質が含まれた廃棄物等の状態で事業所外に移動する場合には移動量とされ、前記化学物質が製品に含まれて事業所外に持ち出される場合には消費量とされ、再生を目的とした廃棄物を事業所外に移動する場合にはリサイクル量とされている。排出先を特定する際には、前記化学物質が使用される工程や各化学物質の性状等を考慮して特定する。
また、前記排出量とは、各化学物質が、前記排出先の何れかに排出された重量についての情報であり、この排出量を算出する際には、前記製品データ3aおよび物質データ3bの情報に基づき、前記対象部材を使用する工程や化学物質が処理される処理施設での除去割合等を加味して、排出データ取得手段によって算出する。
この排出データ取得手段は、前記排出データ取得プログラム10と前記CPU4、前記RAM5とから構成されており、前記排出データ取得プログラム10に入力された排出量の算出式「使用重量×含有率×α(前記除去割合等)」と、この算出式に入力すべき前記製品データ3aおよび物質データ3bの所定の数値とを、前記CPU4によって展開させることにより、対象部材ごとの排出量を取得するようになっている。
そして、前記排出データ2や前記基礎データベース3に入力された諸情報は、前記対象部材が納品元から納品された際に提供されるMSDSに記載すべき必要情報に則して入力している。
MSDSに記載すべき必要事項については、MSDS省令(通商産業省令第四百一号)で具体的に定められており、製品名、含有する化学物質の名称・政令上の号番号・種類、含有率(有効数字2桁)、MSDSを提供する事業者の名称、住所、担当者の連絡先、化学物質が漏出した際に必要な措置、取扱上及び保管上の注意、物理的・化学的性状、安定性・反応性、有害性・暴露性、廃棄上及び輸送上の注意、等の情報の記載が求められる。
その他、有害性・暴露性の概要、応急措置・火災時に必要な措置・労働者に対する暴露防止措置等、適用される法令、MSDSを提供する事業者が必要と認める事項、等の事項についても記載することができる。
前記区分集計手段は、前記区分集計プログラム11と前記CPU4、前記RAM5とから構成されており、データ部8aに設けられた集計フィールド15に、集計すべき各指定化学物質の名称を入力することによって、前記区分集計プログラム11が実行されて、前記排出データ2を始めとする必要な諸情報を指定化学物質名ごとに区分けするようになっている。
すなわち、前記対象部材ごとに算出された化学物質の排出量においても、このように指定化学物質ごとに区分けするようになっているので、多数の対象部材に共通して含まれる、一指定化学物質の重量(排出量)を集計することができるとともに、一指定化学物質の排出先ごとの排出量も集計することができる。また、このように一指定化学物質だけに限られず、事業所に納品された対象部材に含まれる全ての指定化学物質ごとに区分けして重量を集計するようになっている。
前記算出手段は、前記算出プログラム12と前記CPU4、前記RAM5とから構成されており、データ部8aに設けられた納品数量記憶部16に、各対象部材の所定期間中における納品数量を入力することによって、この所定期間中における納品数量と、前記区分集計手段によって集計された指定化学物質の重量とに基づいて、前記CPU4の制御により算出プログラム12が実行されて、指定化学物質ごとの所定期間中における排出量を算出するようになっている。
また、前記納品数量記憶部16には、納品数量記憶シート(図示せず)が設けられており、予め、前記対象部材の品番や製品名等をこの納品数量記憶シートの該当する入力欄に入力しておく。
そして、この納品数量記憶シートには前記対象部材の品番や製品名等を入力する欄の他に、前記対象部材の納品数量を入力すべき納品数量入力欄が設けられている。
この納品数量入力欄に各対象部材の所定期間中の総納品数量を入力することによって、前記排出データ取得手段と区分集計手段、算出手段、出力手段を実行させるための指示信号が前記CPU4に送られるので、このCPU4の制御により前記排出データ取得プログラム10と区分集計プログラム11と算出プログラム12と出力プログラム13とが展開されて、所定期間中に納品された全ての対象部材における指定化学物質の排出データ2を算出できるとともに、算出結果を表示できるようになっている。
前記出力手段は、前記出力装置7と、この出力装置7に設けられた出力プログラム13、前記CPU4、前記RAM5とから構成されており、前記CPU4の制御によって前記出力プログラム13を実行させ、前記算出手段による算出結果を、前記出力装置7であるLCDに表示したり、プリンターで印刷したりするようになっている。
請求項1に記載の発明によれば、環境保全活動に資するべき信頼性の高い化学物質情報を取得することができるとともに、該化学物質情報を容易に集計し、かつ適正な情報管理を行うことが可能となる。
すなわち、まず、納品された対象部材のMSDSを元に、品番や製品名、内容量、区分等の情報を有する前記製品データ3aと、PRTR指定化学物質の有無やPRTR指定化学物質番号、名称、毒性ランク、前記対象部材に対する含有率等の化学物質に関する情報を有する前記物質データ3bとを前記基礎データベース3に入力する。
また、この基礎データベース3に入力された製品データ3aおよび物質データ3bに基づき、前記対象部材に含まれる化学物質の排出データ2を、排出データ取得手段を実行させて取得する。
次に、前記排出データ2を、区分集計手段を実行させて集計すべき指定化学物質名ごとに区分けするとともに集計し、この区分集計手段によって集計された指定化学物質の重量に基づいて、指定化学物質ごとの所定期間中における排出量を、算出手段を実行させて算出する。
そして、この算出手段によって得られた算出結果を、出力手段を実行させて出力することから、前記製品データ3aや物質データ3b等、法規制に則する情報に基づいた信頼性の高い化学物質情報を取得できるとともに、また、このような信頼性の高い化学物質情報に基づいて、前記排出データ取得手段や区分集計手段、算出手段等の各手段を実行させるだけで、指定化学物質ごとに区分集計された所定調査期間中における排出データ2の算出結果を容易に、かつ確実に取得することができ、しかも、このような信頼性の高い化学物質情報を元にした算出結果を容易に取得することができるので、適正な情報管理が可能となり、さらには、この算出結果を所定の公共団体へ報告して、国民に対して公表することによって、延いては地球環境の保全活動に資するものとなる。
請求項2に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項1に記載の化学物質情報集計装置1において、
前記対象部材に含まれる化学物質が、有害性や法規制に該当する指定化学物質であるかを検索する検索手段を備えている。
請求項2に記載の発明によれば、前記対象部材に含まれる化学物質が、有害性や法規制に該当する指定化学物質であるかを検索する検索手段を備えていることによって、前記対象部材に含まれる指定化学物質の情報を検索することができるので、指定化学物質ごとの区分けや集計を容易に行うことが可能となる。
請求項3に記載の発明は、例えば図2に示すように、請求項1または2に記載の化学物質情報集計装置1において、
前記対象部材の製品データ3aは、各対象部材の単位発注ごとの内容量の情報が重量換算された内容量重量換算データを有している。
請求項3に記載の発明によれば、前記対象部材の製品データ3aは、各対象部材の単位発注ごとの内容量の情報が重量換算された内容量重量換算データを有していることから、前記基礎データベース3に入力される全ての対象部材の内容量を一定の重量単位に統一することができるので、指定化学物質ごとの区分けや集計を容易に行うことが可能となる。
請求項4に記載の発明は、例えば図2に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化学物質情報集計装置1において、
前記化学物質の物質データ3bは、各対象部材に含まれる指定化学物質の最大含有率の情報を有している。
請求項4に記載の発明によれば、前記化学物質の物質データ3bは、各対象部材に含まれる指定化学物質の最大含有率の情報を有していることから、法規制に基づいて指定化学物質の報告義務を履行する際に、一つの対象部材に対して最大含有率よりも大きい数値で集計されることがなく、集計結果の信頼性を向上させることができる。
すなわち、例えば、一対象部材に含まれる一指定化学物質の含有率が、10〜15%であった場合、前記物質データ3bに収められる含有率数値は15%となり、10〜14%の数値を含む情報となる。
逆に、前記物質データ3bに収めるべき含有率数値を最小含有率である10%として、実際の含有率が15%である場合には、法規制に則した集計を行うことができないので、集計結果の信頼性を低下させる場合があり、相応しくない。
請求項5に記載の発明は、例えば図3に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化学物質情報集計装置1において、
前記排出データ2は、前記対象部材に含まれる化学物質の排出先の情報と、この排出先ごとの排出量の情報とを有している。
請求項5に記載の発明によれば、前記排出データ2は、前記対象部材に含まれる化学物質の排出先の情報と、この排出先ごとの排出量の情報とを有していることから、前記化学物質ごとに、前記排出先および排出量を取りまとめることができるので、指定化学物質ごとの区分けや集計を容易に行うことが可能となる。
本発明によれば、前記製品データや物質データ等、法規制に則する情報に基づいた信頼性の高い化学物質情報を取得できるとともに、また、このような信頼性の高い化学物質情報に基づいて、前記排出データ取得手段や区分集計手段、算出手段等の各手段を実行させるだけで、指定化学物質ごとに区分集計された所定調査期間中における排出データの算出結果を容易に、かつ確実に取得することができ、しかも、このような信頼性の高い化学物質情報を元にした算出結果を容易に取得することができるので、適正な情報管理が可能となり、さらには、この算出結果を所定の公共団体へ報告して、国民に対して公表することによって、延いては地球環境の保全活動に資するものとなる。
以下、図面を参照して本発明に係る化学物質情報集計装置11の実施の形態について説明する。
本実施の形態の化学物質情報集計装置1は、図1または図2に示すように、対象部材に含まれ、該対象部材加工後に、排出される化学物質の排出データ2を、有害性や法規制に該当する指定化学物質名ごとに区分けして集計するものであり、
前記対象部材の製品データ3aと、当該対象部材に含まれる化学物質の物質データ3bとが、対象部材名ごとに入力される基礎データベース3と、
前記基礎データベース3に入力された製品データ3aおよび物質データ3bに基づいて、前記対象部材に含まれる化学物質の排出データ2を取得する排出データ取得手段と、
前記排出データ2を、集計すべき指定化学物質名ごとに区分けするとともに集計する区分集計手段と、
この区分集計手段によって集計された指定化学物質の重量に基づいて、指定化学物質ごとの所定期間中における排出量を算出する算出手段と、
この算出手段による算出結果を出力する出力手段とを備えている。
前記対象部材は、指定化学物質を1wt%(発ガン性物質は0.1wt%)以上含むものと定められており、環境中に指定化学物質を排出するおそれのないもの、例えば、開梱されずに直接現場に納品されるもの等は除外されている。
なお、wt%とは、重量換算パーセンテージを示し、1wt%とは、1,000kg中に10kg含むことを表している。
前記化学物質は、前記対象部材に含まれるものであり、その中には、PRTR法に該当し、所定の公共団体に報告義務のある指定化学物質が含まれている。
この指定化学物質は人の健康を損なうおそれがある等の性状があり、政令により第一種指定化学物質と、第二種指定化学物質とに分けられて指定されている。
第一種指定化学物質は、PRTR法およびMSDSの交付の対象となる化学物質であり、有害性・暴露性を考慮して、354物質が指定されている。
第二種指定化学物質は、MSDSの交付のみの対象となる化学物質であり、有害性・暴露性を考慮して、81物質が指定されている。
なお、本実施の形態では、PRTR法に則した集計を行うために、第一種指定化学物質に該当する指定化学物質のみを扱うが、これに限られず、例えば、一事業者の事業所内で排出される第二種指定化学物質の情報管理を目的とする場合には、同じように必要情報を集計・管理して、信頼性の高いMSDSを交付できるように努めることが望ましい。
前記排出データ2は、図3に示すように、前記対象部材に含まれる化学物質の排出先の情報と、排出先ごとの排出量に関する情報とを有している。
前記排出先とは、前記化学物質が、事業所から環境中へと排出される際の行き先情報を指しており、大気、水域、土壌、移動量(廃棄物)、消費量、リサイクル量等の項目に区別されている。
すなわち、例えば、揮発等の状態で排出される場合には前記化学物質は大気への排出とされ、洗浄される場合には水域への排出とされ、土中に排出される場合には土壌への排出とされ、前記化学物質が含まれた廃棄物等の状態で事業所外に移動する場合には移動量とされ、前記化学物質が製品に含まれて事業所外に持ち出される場合には消費量とされ、再生を目的とした廃棄物を事業所外に移動する場合にはリサイクル量とされている。排出先を特定する際には、前記化学物質が使用される工程や各化学物質の性状等を考慮して特定する。
また、前記排出量とは、各化学物質が、前記排出先の何れかに排出された重量についての情報であり、この排出量を算出する際には、前記製品データ3aおよび物質データ3bの情報に基づき、前記対象部材を使用する工程や化学物質が処理される処理施設での除去割合等を加味して、排出データ取得手段によって算出する。
前記製品データ3aは、図2に示すように、前記対象部材の一製品としての情報であり、品番や製品名、内容量、使用区分、調達区分等の情報が入力されている。この他にも、前記対象部材がどこで使用されるかを入力する経路入力欄や納品元の連絡先等の情報が入力されている。
また、前記品番は、納品された対象部材に便宜上付与するものであるが、各対象部材に品番を付けておくことによって、対象部材ごとに容易に区分けすることが可能となる。
さらに、前記内容量については、全ての対象部材の内容量が一定の重量単位に換算されて、内容量重量換算データに置き換えられるようになっており、このように、内容量重量換算データに置き換えられることによって、各対象部材の1つ1つの内容量情報が算出されるので、指定化学物質ごとの区分けや集計を容易に行うことができる。
前記物質データ3bは、図2に示すように、前記対象部材に含まれる化学物質の情報であり、PRTR指定化学物質の有無や指定化学物質番号、名称・毒性ランク、含有率、適用法令等の情報が入力されている。
また、図1に示すように、本実施の形態の化学物質情報集計装置1には、前記対象部材含まれる化学物質が、PRTR法に該当する指定化学物質であるかを検索する検索手段が設けられており、前記CPU4の制御により検索プログラム14を実行させることによって、前記物質データ3b内のPRTR指定化学物質の有無に関する情報が確認できるようになっている。
この検索に際しては、データ部8aに設けられている指定化学物質検索フィールド17に、検索したい化学物質のCAS(Chemical Abstracts Service)登録番号(以下、CAS番号)を入力することによって、データ部8aに設けられたリスト群18を前記検索手段が参照して、その化学物質がPRTR法に該当するかを判別するとともに、該当した場合の指定化学物質番号を取得するようになっている。
なお、前記リスト群18は、データ部8aに設けられており、基礎データベース3に情報を入力する上で、また、排出データ2を算出する上で必要な諸情報を有している。例えば、PRTR法で定められている指定化学物質の指定化学物質リスト(図示せず)や、排出データ2を算出するための処理施設除去割合情報や按分率算出表情報等がある。
さらに、前記含有率については、図2に示すように、各対象部材に含まれる指定化学物質の最大含有率の情報となっており、これによれば、PRTR法に基づいて指定化学物質の報告義務を履行する際に、一つの対象部材に対して最大含有率よりも大きい数値で集計されることがなく、集計結果の信頼性を向上させることができる。
なお、これら製品データ3aおよび物質データ3bは、納品された対象部材のMSDSにより得ることができる。この時、MSDSに記載すべき必要事項を満たしていない化学物質情報がある場合には、各納品元に必ず問い合わせ、対象部材の基本的な情報の漏れがないようにする。
前記基礎データベース3は、前記対象部材の製品データ3aおよび物質データ3bとから構成されている。
この基礎データベース3内の諸情報は、本実施の形態においては、前記対象部材の品番と品名、区分、内容量、内容量を重量換算するための重量換算係数、内容量重量換算データ、対象部材の用途、資材メーカー名、資材メーカーの連絡先、納品重量、PRTR指定化学物質の有無、指定化学物質番号、指定化学物質名称、毒性ランク、最大含有率、揮発性有機塩素化合物の中でPRTR指定化学物質に指定されている化学物質の一覧であるVOC(Volatile Organic Compounds)リスト、労働安全衛生法・引火性液体に該当するかの分類、有機溶剤予防規則に該当するかの分類、消防法・危険物分類に該当するかの分類、その他の適用法令に該当するかの分類、取扱上、保護具着用の必要性の区分、これらの情報が入力されている。
さらに、これら基礎データベース3内の諸情報の入力に際しては、データ部8aに設けられた区分・分類データベース19を参照して入力していく。すなわち、前記区分・分類データベース19には、使用区分や各種適用法令に関する区分等のシート(図示せず)が設けられており、これら使用区分や各種適用法令に関する区分等のシートは、各区分番号の項目に対応する分類情報が併記された構成となっている。そして、入力に際しては、区分番号を選択することによって分類情報が前記基礎データベース3の所定の項目に自動表記されるようになっており、例えば、使用区分データにおける区分番号「1」を選択することによって、前記基礎データベース3の使用区分の項目には「構造用接着剤」という分類が自動表記される。
また、前記区分・分類データベース19には、前記使用区分の他にも内容量重量換算データを算出するための重量換算係数表や労働安全衛生法・引火性液体に関する適用法令を始めとする諸々の適用法令の分類表等がある。
なお、必要に応じて、前記製品データ3aおよび物質データ3bに記憶させる情報の内容は、MSDSの規制の範囲で適宜変更可能であり、例えば、各事業所によって必要とする情報が異なる場合や、製品を扱う業種によって必要とする情報が異なる場合において、MSDSを提供する事業者が必要と認める事項を付け加えることができる。
前記排出データ取得手段は、前記排出データ取得プログラム10と前記CPU4、前記RAM5とから構成されており、図4に示すように、前記排出データ取得プログラム10に入力された排出量の算出式「使用重量×含有率×α(前記除去割合等)」と、この算出式に入力すべき前記製品データ3aおよび物質データ3bの所定の数値とを、前記CPU4によって展開させることにより、対象部材ごとの排出量を取得するようになっている。この算出式の「α」は、工場での工程を考慮した按分率もしくは除去割合であり、様々な事例を元にして「α」に該当する値を決定して、算出式を作成するようになっている。
前記区分集計手段は、前記区分集計プログラム11と前記CPU4、前記RAM5とから構成されており、図1に示すように、データ部8aに設けられた集計フィールド15に、集計すべき各指定化学物質の名称を入力することによって、前記区分集計プログラム11が実行されて、前記排出データ2を始めとする必要な諸情報を指定化学物質名ごとに区分けするようになっている。
すなわち、前記対象部材ごとに算出された化学物質の排出量においても、このように指定化学物質ごとに区分けするようになっているので、多数の対象部材に共通して含まれる、一指定化学物質の重量を集計することができるとともに、一指定化学物質の排出先ごとの排出量も集計することができる。また、このように一指定化学物質だけに限られず、事業所に納品された対象部材に含まれる全ての指定化学物質ごとに区分けして重量を集計するようになっている。
前記算出手段は、前記算出プログラム12と前記CPU4、前記RAM5とから構成されており、図1に示すように、データ部8aに設けられた納品数量記憶部16に、各対象部材の所定期間中における納品数量を入力することによって、この所定期間中における納品数量と、前記区分集計手段によって集計された指定化学物質の重量とに基づいて、前記CPU4の制御により算出プログラム12が実行されて、指定化学物質ごとの所定期間中における排出量を算出するようになっている。
また、前記納品数量記憶部16には、納品数量記憶シート(図示せず)が設けられており、予め、前記対象部材の品番や製品名等をこの納品数量記憶シートの該当する入力欄に入力しておく。
そして、この納品数量記憶シートには前記対象部材の品番や製品名等を入力する欄の他に、前記対象部材の納品数量を入力すべき納品数量入力欄が設けられている。
この納品数量入力欄に各対象部材の所定期間中の総納品数量を入力することによって、前記排出データ取得手段と区分集計手段、算出手段、出力手段を実行させるための指示信号が前記CPU4に送られるので、このCPU4の制御により前記排出データ取得手段と区分集計プログラム11と算出プログラム12と出力プログラム13とが展開されて、所定期間中に納品された全ての対象部材における指定化学物質の排出データ2を算出できるとともに、算出結果を表示できるようになっている。
前記出力手段は、前記出力装置7と、この出力装置7に設けられた出力プログラム13、前記CPU4、前記RAM5とから構成されており、前記CPU4の制御によって前記出力プログラム13を実行させ、前記算出手段による算出結果を、前記出力装置7であるLCDに表示したり、プリンターで印刷したりするようになっている。
また、前記算出結果は、図6に示すように、本実施の形態では、法規制に則した書式に対応させ、集計結果報告書20として出力することができる。しかも、この集計結果報告書20は法規制に則して結果表示されているので、そのまま所定の公共機関に報告することができる。
なお、この集計結果報告書20には、本実施の形態の化学物質情報集計装置1による集計作業が、どこの事業所で行われたか等、化学物質の集計情報の所在を明らかにするように、前記集計結果報告書20の表紙として、事業所の諸情報を入力した事業所情報シート(図示せず)が備えられている。
以上のような構成の化学物質情報集計装置1を用いて、複数の対象部材の集計を行うには、図4に示すように、まず、納品された対象部材の製品名や納品量、納品日等を納品実績情報として記録しておく(F100)。
なお、この納品実績情報を記録する記憶場所としては、例えば、本実施の形態の前記納品数量記憶部16の他に、外部のデータ記憶装置8等でも良く、納品された対象部材の納品実績情報を記憶するという趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。また、このような所定の記憶場所に納品実績情報を記憶する際には、月次報告書や資材購入帳票、在庫管理帳票等の日々の管理実績を元に、前記対象部材の納品情報を納品実績として情報化しておき、所定の集計調査時期になるまで常に管理できることが望ましい。
次に、前記対象部材のMSDSを各納品元から取り寄せておく。この時、MSDSに記載すべき必要事項を満たしていない化学物質情報がある場合には、各納品元に必ず問い合わせ、対象部材の基本的な情報の漏れがないようにする(F101)。
次に、前記対象部材の情報入力作業を進めていく(F102)。なお、この情報入力作業に際しては、例えば、諸情報を入力すべきシートの作成等のように予め作成できるものや、予め入力できる情報等を入力しておくことで、所定の調査時期における作業効率を向上させることができるので好ましい。
前記対象部材の情報入力作業の最初の段階として、集計情報の所在を明らかにするための前記事業所情報シートに、調査日や事業所名、担当者名、連絡先等の事業所の諸情報を入力しておく。
そして、前記製品データ3aおよび物質データ3bを、図2に示すように、各対象部材の納品元から得られたMSDSや前記区分・分類データベース19を元にして前記基礎データベース3に入力していく。
基礎データベース3内の諸情報の入力に際しては、製品名や内容量、含有率等のようにMSDSを参照しながら入力できる場合の他に、データ部8aに設けられた区分・分類データベース19の使用区分や各種適用法令に関する区分等のシートから必要な情報を選択して入力していく場合がある。このような場合には、例えば、使用区分データにおける区分番号「1」を選択することによって、前記基礎データベース3の使用区分の項目に「構造用接着剤」という分類が自動表記されるようになっているので、必要な分類情報が併記された区分番号の項目を選択して、基礎データベース3に必要な情報を入力する。
前記基礎データベース3への情報入力において、前記製品データ3aのうち、前記対象部材の内容量について説明する。
前記内容量に関しては、各対象部材によって量単位の表記の仕方が違う場合等がある。この時、例えば、内容量が1000mlもしくは1000ccであった場合には、1リットルに補正して入力する。そして、区分・分類データベース19の重量換算係数表(図示せず)を元に、対象部材ごとに重量換算係数を入力していく。このように、各対象部材の内容量と、この各対象部材に対応する重量換算係数とを入力することで、内容量重量換算データを得ることができる。
このようにして、前記内容量重量換算データは、各対象部材の量単位が統一されて、kg表記される。これによって、前記基礎データベース3に入力される全ての対象部材の内容量を一定の重量単位に統一することができるので、指定化学物質ごとの区分けや集計を容易に行うことが可能となる。
前記内容量に関する情報の他にも、図2に示すように、品番や製品名、区分、納品重量等を入力する項目があり、MSDSや区分・分類データベース19、リスト群18を参照して必要な情報を入力していく。
例えば、前記品番は、納品された対象部材に便宜上付与するものであり、各対象部材に品番を付けておくことによって、対象部材ごと、または指定化学物質ごとに容易に区分けすることが可能となる。
また、前記区分は、前記対象部材がどのような分類の製品に該当するかを区分・分類データベース19から選択して入力するようになっている。なお、本実施の形態においては、前記分類として、構造用接着剤や製品用塗料、コーキング材、洗浄液等が挙げられるが、例えば、各事業所や業種等によって異なる場合があるので、これに限られるものではない。
次に、前記基礎データベース3への情報入力において、前記化学物質の物質データ3bのうち、各対象部材に含まれる指定化学物質の含有率について説明する。
前記対象部材に含まれる化学物質の含有率は、MSDSに対して明確に表記される場合もあるが、例えば前記対象部材が接着剤であった場合、1つの接着剤に対して、一方の化学物質が25%含有し、他方の化学物質が30%含有しているというように構成が明記されていたならば、誰もが容易に同一の接着剤を作ることができるので、知的財産としての価値が失われてしまうおそれがある。
そこで、対象部材に含まれる化学物質の含有率を入力するに際しては、MSDSに明確な表記ができないものに限って、例えば、一化学物質は10〜15%含有している旨を表記している。
このような場合、化学物質の含有率が明らかではないので、PRTR法に基づいて指定化学物質の報告義務を履行する際には、前記物質データ3bに最大含有率の情報を備えさせる。これによって、一つの対象部材に対して最大含有率よりも大きい数値で集計されることがなく、集計結果の信頼性を向上させることができる。
すなわち、例えば、一対象部材に含まれる一指定化学物質の含有率が、上記のように10〜15%であった場合、前記物質データ3bに収められる含有率数値は15%となり、10〜14%の数値を含む情報となる。
逆に、前記物質データ3bに収めるべき含有率数値を最小含有率である10%として、実際の含有率が15%である場合には、PRTR法に則した集計を行うことができないので、集計結果の信頼性を低下させる場合があり、相応しくない。
前記含有率に関する情報の他にも、図2に示すように、PRTR指定化学物質の有無や指定化学物質番号、指定化学物質名称、毒性ランク、適用法令等を入力する項目があり、MSDSや区分・分類データベース19、リスト群18を参照して必要な情報を入力していく。
例えば、図1に示すように、本実施の形態の化学物質情報集計装置1には、前記対象部材含まれる化学物質が、PRTR法に該当する指定化学物質であるかを検索する検索手段が備えられており、これによって、前記物質データ3b内のPRTR指定化学物質の有無に関する情報が確認できるようになっている。
この検索に際しては、データ部8aに設けられている指定化学物質検索フィールド17に、検索したい化学物質のCAS番号を入力することによって、データ部8aに設けられたリスト群18を前記検索手段が参照して、その化学物質がPRTR法に該当するかを判別するとともに、該当した場合の指定化学物質番号を取得するようになっている。
また、前記指定化学物質番号を所定欄に入力することで、前記指定化学物質名称および毒性ランクが自動表示されるようになっている。
そして、前記適用法令に関する区分は、前記指定化学物質がどのような分類の適用法令に該当するかを、上述したように区分・分類データベース19から選択して、自動入力するようになっている。
前記基礎データベース3に諸情報を入力した後は、前記排出データ2を取得するための作業を行う。前記排出データ2は、上述のように、前記製品データ3aおよび物質データ3bに基づき、化学物質の排出先の特定および排出量・移動量を排出データ取得手段を実行させることによって算出して取得する。すなわち、前記排出データ取得手段を、前記排出データ取得プログラム10と前記CPU4、前記RAM5とから構成し、前記排出データ取得プログラム10に入力された排出量の算出式「使用重量×含有率×α(前記除去割合等)」と、この算出式に入力すべき前記製品データ3aおよび物質データ3bの所定の数値とを、前記CPU4によって展開させることにより、対象部材ごとの排出量を取得するようになっている。
このようにして、前記排出データ2を取得するには、まず、指定化学物質の排出先の特定を行う(F103)。特定に際しては、実務の流れとして指定化学物質の工程ごとにインプットとアウトプットとを明確にしたフローを便宜上作成する。
すなわち、例えば図5に示すように、木材加工工程(f1)から製品Cを生産する過程で、原料A(ここでは接着剤)を塗布工程(f2)に使用し、原料B(ここでは防腐剤)を防腐剤塗布工程(f5)に使用する。
その際、前記原料Aは、前記塗布工程(f2)において原料A廃容器と原料A洗浄水とにアウトプットされる。そして、前記原料A廃容器および原料A洗浄水は排出先として、廃棄物としての移動量、公共水域への排出量と公共下水道としての移動量とに特定される。
さらに、前記原料Aは、貼付・圧締工程(f3)において原料A溶剤としてアウトプットされ、この原料A溶剤は大気への排出量として特定される。また、原料Aは仕上げ工程(f4)において、原料A切り屑としてアウトプットされ、この原料A切り屑は廃棄物としての移動量に特定される。
次に、前記原料Bは、防腐剤塗布工程(f5)において、原料B廃容器としてアウトプットされて、この原料B廃容器は廃棄物としての移動量に特定される。
以上のような概念例を元にして、各対象部材に含まれる指定化学物質の排出先を詳細に特定する。
排出先の特定後、排出量を算出する算出式を作成する(F104)。作成する算出式は、図4に示すように、「使用重量×含有率×α」というように表されている。この算出式の「α」は、工場での工程を考慮した按分率もしくは除去割合であり、様々な事例を元にして「α」に該当する値を決定し、算出式を作成する。
そこで、対象部材として、指定化学物質を1wt%以上含有する接着剤を使用して、製品として出荷する場合の事例を一つ挙げる。この接着剤はトルエン含有接着剤である。このトルエンとはガス状有機化合物で、揮発性が高い。
また、前記接着剤の調査期間内の受入量は12tであり、調査期間前と調査期間終了後の在庫量は2tの増加がみられることから、すなわち、受入量が12tであったのに対して在庫が2t残っているので、この接着剤の使用量は10tとなる。
さらに、前記トルエンの含有率は40%となっており、このトルエンの除去割合として、排ガス処理施設の電気集塵機による除去が行われる。
そして、前記按分率として、接着剤の歩留まり率を「α」として算出式に加える。前記トルエンが含有された接着剤の場合、接着剤の歩留まり率は、前記トルエンが揮発性であることから、99%は大気へと揮発し、1%が廃容器、すなわち、廃棄物として純分換算される。
以上の事項を元にした場合、前記接着剤についての排出量および移動量等の排出データ2を算出する算出式を作成できる。この事例を、前記算出式「使用重量×含有率×α」に当て嵌めて考えた場合、大気への排出量は、「10t(接着剤の使用量)×40%(トルエン含有率)×99%(接着剤の歩留まり率)=3.96t」となる。
また、トルエンは揮発するため、排ガス処理での除去率が0%となり、水域、土壌への排出量も0%となる。
さらに、移動量は「10t(接着剤の使用量)×40%(トルエン含有率)×1%(接着剤のロス率)=0.04t」となる。
このような算出式によれば、前記接着剤に含有された前記トルエンが、3.96t分が大気へと排出され、0.04tが廃棄物として排出されることを算出することができる。
そして、このような算出式を、特定された排出先の該当する項目に入力する。この算出式を排出先の該当する項目に入力しておくことで、後工程にて、入力データがこの算出式によって展開されて、自動的に信頼性の高い排出データ2を取得することができ、指定化学物質ごとの区分けや集計も容易に行うことが可能となる。
本実施の形態では、前記トルエンが含まれた接着剤を使用して算出式の作成を行ったが、各対象部材の個々の情報や含有する指定化学物質の性状、処理施設による除去割合、按分率等によって、算出式に入力するべき数値がかわるので、これら様々な情報を考慮、勘考して正確な算出式を作成する。
次に、図4に示すように、以上のように取得した基礎データベース3内の情報や排出データ2等の諸情報を、指定化学物質ごとに区分集計するための前記区分集計手段を設ける(F105)。
この区分集計手段は、前記区分集計プログラム11と前記CPU4、前記RAM5とから構成されており、データ部8aに設けられた集計フィールド15に、集計すべき各指定化学物質の名称を入力することによって、前記区分集計プログラム11が実行されて、前記排出データ2を始めとする必要な諸情報を指定化学物質名ごとに区分集計するようになっている。
すなわち、前記対象部材ごとに算出された化学物質の排出量においても、このように指定化学物質ごとに区分けするようになっているので、多数の対象部材に共通して含まれる、一指定化学物質の重量(排出量)を集計することができるとともに、一指定化学物質の排出先ごとの排出量も集計することができる。また、このように一指定化学物質だけに限られず、事業所に納品された対象部材に含まれる全ての指定化学物質ごとに区分けして重量を集計するようになっている。
次に、図4に示すように、前記納品数量記憶部16に対象部材の登録ナンバーおよび品番を入力しておく(F106)。この品番を入力することで前記対象部材の製品名および使用区分とが自動表示されるようになっている。後工程で、全ての指定化学物質ごとの集計結果を集計する際に、前記納品数量入力欄に所定期間中の総納品数量を入力する。
そして、指定化学物質ごとに取りまとめた排出データ2等を表示する集計結果報告書20の作成も行っておく(F107)。この集計結果報告書20は、図1に示すように、データ部8aに設ける。
以上のように、納品された対象部材の基礎データベース3入力作業、および排出データ2の算出式の作成作業が完了した後は、前記算出手段として、図4に示すように、前記納品数量記憶部16の納品数量入力欄に対して、各対象部材の所定期間内の総納品数量を入力する(F108)。
このように、前記納品数量入力欄に総納品数量を入力すると、図1に示すように、前記対象部材の基礎データベース3に入力された製品データ3aや物質データ3b等の諸情報が、前記CPU4の制御にしたがって、プログラムされた算出式等の各手段によって展開されて、排出データ2を始めとする諸情報が指定化学物質ごとに区分けされるとともに、各指定化学物質の排出量等の数値が集計される。
そして、このように算出された算出結果は、前記出力手段によって、図6に示すように、前記集計結果報告書20の書式に合わせて表示する(F109)。本実施の形態の集計結果報告書20によれば、指定化学物質番号や指定化学物質名称、毒性ランク、総取扱量、排出先、排出量、移動量等のデータを得ることができる。
なお、以上のようにして得た算出結果は、図1に示すように、出力装置7であるプリンターによって印刷することも可能であり、他にも、例えば、ネットワーク装置等を用いることによって、第三者に対して、正確な情報を提供することが可能であることは言うまでもない。
このようにして得られた集計結果は、所定の公共団体へ報告する(F110)。なお、所定の公共団体とは、集計を行った事業者が所在する都道府県の地方公共団体であり、この地方公共団体を通じて国に報告されるようになっている。
また、このようにして国に報告された集計結果は、国民に対して公表されるようになっており、延いては地球環境の保全活動に資するものとなる。
本実施の形態の化学物質情報集計装置1によれば、前記基礎データベース3に入力された対象部材の製品データ3aおよび当該対象部材に含まれる化学物質の物質データ3bを元にして、有害性や法規制に該当する指定化学物質の排出データ2を取得するに際し、所定期間中における対象部材の納品数量を指示信号として前記CPU4に送ることによって、前記排出データ取得手段や区分集計手段、算出手段、出力手段等の各手段を、前記CPU4の制御により実行させることができるので、環境保全活動に資するべき信頼性の高い化学物質情報を取得することができるとともに、該化学物質情報を容易に集計し、かつ適正な情報管理を行うことが可能となる。
本発明の化学物質情報集計装置の要部構成を示したブロック図である。 基礎データベースの要部構成を示した概念図である。 排出データの構成を示した概念図である。 化学物質情報集計装置の処理を説明するためのフローチャートである。 排出先の特定についての一例を示す説明図である。 集計結果報告書の書式の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 化学物質情報集計装置
2 排出データ
3 基礎データベース
3a 製品データ
3b 物質データ

Claims (5)

  1. 対象部材に含まれ、該対象部材加工後に、排出される化学物質の排出データを、有害性や法規制に該当する指定化学物質名ごとに区分けして集計する化学物質情報集計装置において、
    前記対象部材の製品データと、当該対象部材に含まれる化学物質の物質データとが、対象部材名ごとに入力される基礎データベースと、
    前記基礎データベースに入力された製品データおよび物質データに基づいて、前記対象部材に含まれる化学物質の排出データを取得する排出データ取得手段と、
    前記排出データを、集計すべき指定化学物質名ごとに区分けするとともに集計する区分集計手段と、
    この区分集計手段によって集計された指定化学物質の重量に基づいて、指定化学物質ごとの所定期間中における排出量を算出する算出手段と、
    この算出手段による算出結果を出力する出力手段とを備えていることを特徴とする化学物質情報集計装置。
  2. 請求項1に記載の化学物質情報集計装置において、
    前記対象部材に含まれる化学物質が、有害性や法規制に該当する指定化学物質であるかを検索する検索手段が備えられていることを特徴とする化学物質情報集計装置。
  3. 請求項1または2に記載の化学物質情報集計装置において、
    前記対象部材の製品データは、各対象部材の単位発注ごとの内容量の情報が重量換算された内容量重量換算データを有していることを特徴とする化学物質情報集計装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の化学物質情報集計装置において、
    前記化学物質の物質データは、各対象部材に含まれる指定化学物質の最大含有率の情報を有していることを特徴とする化学物質情報集計装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の化学物質情報集計装置において、
    前記排出データは、前記対象部材に含まれる化学物質の排出先の情報と、この排出先ごとの排出量の情報とを有していることを特徴とする化学物質情報集計装置。
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