JP2006119126A - 血液凝固因子の不活化方法及び血液凝固因子不活化試料 - Google Patents

血液凝固因子の不活化方法及び血液凝固因子不活化試料 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 試料をイミノジ酢酸型陽イオン交換樹脂と接触させて、該試料中の第V因子及び第VIII因子の少なくともいずれか一方を活性型変換不能タイプに変化させる工程を含む不活化方法。この不活化方法を利用して製造される、不活化型第V因子及び不活化型第VIII因子を含有する血液凝固因子不活化血漿を用いて、血液検体中に含まれる血液凝固因子の活性を測定する。
【効果】 特定のイオン交換樹脂との接触処理だけで第V因子及び第VIII因子を不活化しているだけなので、短時間で処理でき、しかもVWF等の他の因子への影響がない血液試料を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、血液凝固因子の不活化方法、及び不活化型の血液凝固因子を含有する血液凝固因子不活化試料に関する。また本発明は、前記血液凝固因子不活化試料を用いた血液凝固因子活性の測定方法、及び当該測定方法に用いる検体処理用血漿に関する。
先天性又は後天性血液凝固異常を検査するために血液凝固検査が行なわれる。ここで、先天的な凝固異常として有名な血友病は、血液凝固第VIII因子又は第IX因子の欠乏によって起る疾患である。
血液凝固異常の検査としては、APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)、PT(プロトロンビン時間)、フィブリノゲンの定量などがある。血液凝固異常の原因を明らかにするためには、各々の血液凝固因子を測定する必要がある。その方法として、APTTやPTに基づいて、血液凝固因子の活性を測定する方法が挙げられる。
ここで、APTTやPTに基づく凝固因子の活性測定は、各凝固因子欠乏血漿に検査しようとする血液検体を加えて、凝固時間の延長の有無、程度を測定する方法であることから、血液凝固検査には、検査対象とする凝固因子が欠乏している血漿が必要とされる。
APTTやPTの測定に用いる凝固因子欠乏血漿としては、先天的欠乏症のヒト等のほ乳動物の血漿、あるいは正常血漿に所定の凝固因子と結合する抗体を用いた免疫吸着法により所定の凝固因子を除去した人工的欠乏血漿が用いられている。
取得容易という点から、人工的欠乏血漿の利用が高まっているが、免疫吸着法による凝固因子の人為的除去は、使用する抗体の調製が困難であったり、第V因子又は第VIII因子あるいはフォンヴィルブラント因子(VWF)が除去されたり、大量の抗体を用いて長時間の吸着除去処理することが必要であるため、製造コストが高いという問題がある。
免疫吸着法以外に、特許文献1(特開2002−90361)に、ヒト血漿と合成ポリマーとを混合させて、凝固因子を吸着除去する方法が提案されている。しかし、この方法では、第V因子又は第VIII因子あるいはフォンヴィルブラント因子(VWF)が除去されるという問題がある。
特開2002−90361号
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の血液凝固因子を吸着除去する方法とは全く異なる新規な方法、すなわち、試料中の血液凝固因子の不活化を、短時間で効率よく行なうことができる方法を提供することにある。また、本発明の目的は、従来の凝固因子欠乏血漿のような血液凝固因子が欠乏している試料とは全く異なる新規な試料、すなわち、不活化型の血液凝固因子を含有する血液凝固因子不活化試料を提供することにある。さらに、本発明の血液凝固因子不活化試料を用いた血液凝固因子の活性測定方法及び当該方法に用いる検体処理用血漿を提供する。
本発明の血液凝固因子の不活化方法は、第V因子及び第VIII因子の少なくともいずれか一方を含む試料をイミノジ酢酸基(−N(CHCOOR)、Rが水素又は金属イオンを示す)を有する化合物と接触させて、該試料中の第V因子及び第VIII因子の少なくともいずれか一方を不活化型に変化させる工程を含む。
前記イミノジ酢酸基のRは一価の金属イオンであることが好ましく、前記一価の金属イオンはナトリウムイオンであることが好ましい。
前記イミノジ酢酸基を有する化合物は、前記イミノジ酢酸基を有する担体であってもよく、この場合、前記イミノジ酢酸基を有する陽イオン交換樹脂又は前記イミノジ酢酸基を有する顆粒状アガロースゲルであることが好ましい。また、担体を用いる場合の前記接触処理は、前記試料に対して前記担体を5w/v%以上となる割合で行なうことが好ましい。
本発明の不活化方法で用いられる前記試料は、血漿であることが好ましい。
本発明の血液凝固因子不活化試料は、不活化型の第V因子及び不活化型の第VIII因子の少なくともいずれか一方を含有するものである。
さらに、フォンヴィルブラント(von willebrandt)因子を含有することが好ましく、前記フォンヴィルブラント因子は、リストセチンコファクター活性を有していることが好ましい。
本発明の血液凝固因子活性の測定方法は、不活化型の第V因子及び不活化型の第VIII因子を含有する血液凝固因子不活化血漿を含む検体処理用血漿を用いて、血液検体に含まれる血液凝固因子の活性を測定する方法であって、血液検体、凝固時間を測定するための測定試薬及び検体処理用血漿を混合して測定用試料を調製する工程;当該測定用試料における凝固時間を測定する工程;及び当該凝固時間に基づいて血液凝固因子の活性を算出する工程を含む。
前記血液凝固因子不活化血漿は、イミノジ酢酸基(−N(CHCOOR)、Rは水素又は金属イオンを示す)を有する化合物と血漿を接触させる処理により得られたものであることが好ましく、前記血液検体が血漿であることが好ましい。
本発明の血液凝固因子活性の測定方法の具体的態様としては、
(1)前記測定試薬がプロトロンビン時間測定試薬であって、前記血液凝固因子の活性を算出する工程において、第V因子の活性を算出する方法;
(2)前記検体処理用血漿は、さらに活性型に変化可能な第VIII因子を含み、前記測定試薬がプロトロンビン時間測定試薬であり、前記血液凝固因子の活性を算出する工程において、第V因子の活性を算出する方法;
(3)前記検体処理用血漿は、さらに活性型に変化可能な第V因子を含み、前記測定試薬が、活性化部分トロンボプラスチン時間測定試薬であり、前記血液凝固因子の活性を算出する工程において、第V因子の活性を算出する方法;
(4)前記検体処理用血漿は、さらに活性型に変化可能な第VIII因子を含み、前記測定試薬が活性化部分トロンボプラスチン時間測定試薬であり、前記血液凝固因子の活性を算出する工程において、第V因子の活性を算出する方法が挙げられる。
本発明の検体処理用血漿は、不活化型の第V因子及び不活化型の第VIII因子を含有する血液凝固因子不活化血漿に、活性型変換可能な凝固第V因子又は活性型変換可能な凝固第VIII因子が添加されてなるものである。
本発明の血液凝固因子の不活化方法は、試料とイミノジ酢酸基を有する化合物とを接触させる接触処理により、試料に含まれる第V因子及び第VIII因子の少なくともいずれか一方を不活化型に変化させることができるので、簡便で効率的である。
また、前記血液凝固因子の不活化方法を利用することで、少なくともVWFに実質的に影響を与えることなく、第V因子又は第VIII因子が不活化型に変化した状態で残存する試料を得ることができる。つまり、得られた血液凝固因子不活化試料には、従来の吸着除去により得られる凝固因子欠乏血漿とは異なり、第VIII因子及び/又は第V因子が不活化型に変化した状態で含まれており、さらに、VWFについては実質的に影響を受けることなく、残存している。
さらに、このような血液凝固因子不活化試料を、従来の凝固因子欠乏血漿に代えて、血液凝固因子活性の測定方法に使用することができる。これにより、別途VWFを添加しなくても、フォンビルブラント病と血友病Aを区別して判定することができる。
〔血液凝固因子の不活化方法〕
本発明の血液凝固因子の不活化方法は、試料をイミノジ酢酸基(−N(CHCOOR)、Rが水素又は金属イオンを示す)を有する化合物と接触させて、該試料中の第V因子及び第VIII因子の少なくともいずれか一方を、不活化型に変化させる工程を含む。
本発明で用いられる試料としては、第V因子又は第VIII因子の少なくとも一方を含有するものであれば特に限定されず、例えば、ヒト等のほ乳動物の血漿、血清、全血などが挙げられる。さらに、第V因子、第VIII因子、第VIII因子−VWF複合体等の血液凝固因子製剤を含む溶液が挙げられる。尚、血液凝固因子製剤には、血液から抽出又は精製されたものと遺伝子組み換え技術により調製されるものがある。
本発明で接触処理に用いられる前記イミノジ酢酸基(−N(CHCOOR))は、式中のRがH又は金属イオンであり、好ましくは金属イオンであり、より好ましくは一価の金属イオンである。一価の金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオンやカリウムイオンが挙げられる。
前記化合物は、前記イミノジ酢酸基を官能基として有するものであれば特に限定されず、有機化合物であっても無機化合物であってもよい。また、前記化合物には、官能基を導入する種々の方法により、直接的に又はスペーサーやカップリング剤などを介して間接的にイミノジ酢酸基が結合している化合物も含まれる。要するに、接触処理に用いた際に第V因子及び第VIII因子の少なくともいずれか一方を不活化することが可能な、イミノジ酢酸基を有する化合物であればよい。このような化合物としては、例えば担体が挙げられる。具体的には、陽イオン交換樹脂や顆粒状アガロースゲルなど有機化合物より構成される担体、磁性ビーズ、シリカ粒子、モノリス型シリカカラムなど無機化合物より構成される担体が挙げられる。
イミノジ酢酸基を有する陽イオン交換樹脂とは、水や溶媒に不溶な三次元網状樹脂に、官能基としてイミノジ酢酸基(−N(CHCOOH))を含む陽イオン交換できる樹脂で、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属等を選択的に吸着できる樹脂である。
陽イオン交換樹脂は、多孔性球状粒子(ビーズタイプ)でもよいし、微視的空孔を有するフィルム状(イオン交換膜)であってもよい。陽イオン交換樹脂の基礎となる高分子母体は、特に限定しないが、一般にスチレン−ジビニルベンゼン共重合体が用いられる。イオン交換膜の場合には、陽イオン交換樹脂の微粉末を造膜性の結合剤(ポリエチレン、ポリスチレン、フェノール樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂)を用いてコロイド状に分散させた状態で膜状に成型した不均質型;膜状を維持するための高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂など)と陽イオン交換性基をもつ高分子(ポリスチレン誘導体、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン誘導体など)とを混合したり、橋かけさせた半均質型;スチレン−ブタジエン共重合体膜に陽イオン交換基を導入したものや、陽イオン交換基を含む熱可塑性高分子を成型し成膜したものである均質型のいずれでもよい。要するに、短時間で原料となる試料に含まれる凝固因子に、活性型変換を不能とするような化学的変化を与え得るように、十分な接触面積が確保されていればよい。
前記イミノジ酢酸基を有する顆粒状アガロースゲルとは、顆粒状に形成されたアガロースゲルであり、官能基としてイミノジ酢酸を有するアガロースゲルである。具体的には、Amersham Biosciences社製のセファロースやBio Rad社製のバイオゲルなどが挙げられる。
試料と上記イミノジ酢酸基を有する化合物とを接触させる接触処理の方法は、特に限定しないが、例えば、イミノジ酢酸基を有する担体の場合、容器中にイオン交換樹脂と試料をいれて、所定時間攪拌混合する方法、イオン交換樹脂を充填したカラムに試料を流す方法などが挙げられる。
接触処理に使用するイミノジ酢酸基を有する化合物の量は、その種類に応じて適宜設定される。例えば、イミノジ酢酸基を有する化合物がイミノジ酢酸基を有する担体の場合、接触処理は、試料(体積)に対して担体(質量)が5w/v%以上となる量で行なうことが好ましい。5w/v%未満では、血液凝固因子の不活化型への変化が不十分であったり、処理に長時間を要する可能性がある。
さらに、接触処理の時間は、使用するイミノジ酢酸基を有する化合物の種類、量によって適宜設定される。例えば、イミノジ酢酸基を有する化合物がイミノジ酢酸基を有する陽イオン交換樹脂の場合、試料に対する担体が5w/v%程度であれば2〜6時間、10w/v%程度であれば1〜4時間程度で、接触処理しない場合と比べて、活性を1%以下にまで不活化することができる。また、イミノジ酢酸基(Rがナトリウムイオン)を有するセファロースでは、試料に対する担体が10〜20w/v%程度であれば3〜4時間で活性を1%以下にまで不活化することができる。
以上のような接触処理により、試料に含まれる第V因子及び第VIII因子の少なくともいずれか一方を、不活化型に変化させることができる。試料として、第V因子及び第VIII因子の双方を含む試料、例えば正常血漿を用いた場合は、第V因子及び第VIII因子の双方が不活化型となる。ここで、不活化型の血液凝固因子とは、活性化型に変化することができない血液凝固因子のことである。
上記不活化方法における接触処理は、第V因子、第VIII因子に対する影響は互いに独立的である。従って、この不活化方法を採用することにより、他の因子に影響を与えることなく、第V因子のみ、第VIII因子のみが不活化型に変化した試料(血液凝固因子不活化試料)を得ることができる。
第V因子とは、分子量33万の糖タンパクで、Xa因子、プロトロンビン、リン脂質、Ca2+とともにプロトロンビナーゼ複合体を形成し、Xa因子によるプロトロンビンの活性化を上昇させる補酵素として働く。第V因子は、トロンビンによりArg(709番)、Arg(1018番)、Arg(1545番)のC末端側が開裂して、活性型V因子となる。しかし、上記不活化方法で不活化された第V因子は、活性型へ変換できない。イミノジ酢酸基を有する化合物との接触処理により、第V因子がいかなる化学変化を受けるかは明らかではないが、おそらく、因子の活性型へ変換する部分が化学的又は立体構造的に変化したため、あるいは活性型へ変換する部分の一部が脱落したため、あるいはその他の部分の化学的変化若しくは一部脱落のために活性化しようとする部分が変化したためと考えられる。
また、第VIII因子は、分子量33万の糖タンパクで、IXa因子、X因子、リン脂質、Ca2+とともにテンナーゼ複合体を形成し、IXa因子によるX因子の活性化を上昇させる補酵素として働く。トロンビンによりArg(372番)、Arg(740番)、Arg(1689番)のC末端側が開裂して、活性型VIII因子となる。しかし、上記不活化方法で不活化された第VIII因子は、活性型へ変換できない。イミノジ酢酸基を有する化合物との接触処理により、第VIII因子がいかなる化学変化を受けるかは明らかではないが、おそらく、因子の活性型へ変換する部分が化学的又は立体構造的に変化したため、あるいは活性型へ変換する部分の一部が脱落したため、あるいはその他の部分の化学的変化若しくは一部脱落のために活性化しようとする部分が変化したためと考えられる。しかし、接触処理により、第VIII因子におけるVWF結合能には影響を与えないと考えられる。試料として、VWFを含む血漿等を用いて、接触処理を行なった試料(処理済血漿)では、VWFが含まれ、そのVWFは第VIII因子が正常である血液と同様に、リストセチンコファクター活性(Rco活性)を示すことができるからである。
このように、本発明の血液凝固因子不活化方法では、試料中に含まれる第V因子及び第VIII因子を活性型に変換できない、所謂不活型に変化させることにより、試料中の第V因子、第VIII因子が活性を示さなくなる。つまり、従来の免疫吸着法による第V因子、第VIII因子の吸着除去とは異なり、第V因子、第VIII因子が変化した状態で残存し、第V因子又は第VIII因子に対する抗体が反応できる形で試料中に存在する。
〔血液凝固因子不活化試料〕
本発明の血液凝固因子不活化試料は、上記本発明の不活化方法を利用して得られるもので、第V因子及び第VIII因子の少なくともいずれか一方が不活化型の試料である。
試料として血漿を用いる場合、第V因子及び第VIII因子の少なくともいずれか一方が不活化型に変化した血漿を得ることができる。また、試料として正常血漿(第V因子及び第VIII因子を含む血漿)を用いた場合、第V因子及び第VIII因子が不活化した血液凝固因子不活化血漿を得ることができる。正常血漿を試料として用いた血液凝固因子不活化血漿は、従来の免疫吸着除去法による第V因子、第VIII因子の吸着除去とは異なり、正常血漿中に含まれていた第V因子及び第VIII因子が不活化型に変化した状態で残存している。さらに、第V因子又は第VIII因子に対する抗体が反応できる形で存在する。さらにまた、この血液凝固因子不活化血漿にはVWFが残存しており、血液凝固因子不活化血漿中の第VIII因子はVWFと結合して複合体を形成することが可能であり、Rco活性を有している。
ここで、VWFとは、血小板膜タンパク質GPIbと血管内皮下組織の間に介在して結合させる接着因子として、止血初期の血小板粘着にかかわる。また、循環血液中では第VIII因子と非共有結合による複合体を形成し、第VIII因子の安定化に寄与する。
尚、本発明の血液凝固因子不活化試料がVWFを含む場合、第VIII因子が正常である血漿と同様に、Rco活性を示すVWFを含んでもよいし、VWFがRco活性を有していなくてもよいし、VWFが化学的又は立体構造的に変化したものや一部脱落したものを含んでいるものも包含する。
〔血液凝固因子活性の測定方法〕
本発明の血液凝固因子不活化方法を正常血漿に適用して得られる、第V因子及び第VIII因子の双方とも不活化された本発明の血液凝固因子不活化血漿を用いて、血液検体に含まれる血液凝固因子の活性を測定することができる。
すなわち、本発明の血液凝固因子活性の測定方法は、不活化型の第V因子及び不活化型の第VIII因子を含有する血液凝固因子不活化血漿を含む検体処理用血漿を用いて、血液検体に含まれる血液凝固因子の活性を測定する方法であって、血液検体、凝固時間を測定するための測定試薬及び検体処理用血漿を混合して測定用試料を調製する工程;前記測定用試料における凝固時間を測定する工程;及び前記凝固時間に基づいて血液凝固因子の活性を算出する工程を含む。
前記血液凝固因子の活性は、測定しようとする特定の凝固因子について正常な血液検体又は血液検体の標準品とを比較することにより算出することができる。正常な血液検体としては、例えば、健常人より採取した血液、該血液から調製された血漿などが挙げられる。また、血液検体の標準品としては、例えば、市販されている標準血液や標準血漿などが挙げられる。算出された血液凝固因子の活性の有無により、血液検体中の血液凝固因子の有無を知ることができる。また、血液凝固因子の活性の値により、血液検体中の血液凝固因子の存在量を知ることができる。さらに血液凝固因子の有無や存在量により、血液検体中の血液凝固因子の異常の有無を知ることができる。
前記測定試薬としては、プロトロンビン時間(PT)を測定するPT測定試薬、又は活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を測定するAPTT測定試薬を用いることができる。
前記血液検体としては、全血や血漿を用いることができる。全血と血漿のいずれを用いるかは、測定で使用する試薬や装置などに応じて適宜選択すればよい。なお、吸光度などの光学的情報に基づいて凝固時間を測定する場合、血液検体としては血漿を用いることが望ましい。
PTとは、血液検体に組織トロンボプラスチンとカルシウムを加えて凝固するまでの時間で、組織トロンボプラスチンとカルシウムの添加により、第V因子、第VII因子、第X因子の関与のもと、プロトロンビンがトロンビンとなり、フィブリノーゲンをフィブリンに転化して凝塊が形成される。従って、プロトロンビン、第V因子、第VII因子、第X因子の欠損又は異常、フィブリノゲンの減少によって凝固時間が延長する。
PT測定試薬とは、主成分として、血液凝固誘因のための組織トロンボプラスチン及びカルシウムイオンを含んでいる試薬である。組織トロンボプラスチンとしては、ウサギ、ウシ、ヒトなどの脳、胎盤から抽出もしくは精製したもの又は遺伝子組み換え技術により調製したものが用いられ得る。また、組織トロンボプラスチン及びカルシウムの他、緩衝液、防腐剤、安定化剤などが添加されていてもよい。
APTTとは、血液検体に、リン脂質、活性化剤及びカルシウムイオンを添加して凝固するまでの時間で、第VIII因子、第V因子の欠損、異常により凝固時間が延長する。また、PTの測定結果とあわせて、PTが正常でAPTTが延長の場合には第VIII因子欠損、PT及びAPTTの双方が延長の場合には第V因子欠損と判定することができる。
APTT測定試薬とは、主成分として、血液凝固誘因のためのリン脂質、活性化剤およびカルシウムイオンを含有している。リン脂質の由来としては、合成リン脂質、ウサギ、ウシなどの脳やヒトの胎盤などから有機溶媒で抽出したものや大豆由来のものを用いることができる。APTT試薬における活性化剤とは、第XI因子や第XII因子を活性化するものであり、例えばカオリン、セライト、シリカ、エラジン酸を挙げることができる。また、上記主成分のほかに緩衝剤、防腐剤、安定化剤が添加されていてもよい。
本発明の測定方法の具体的態様としては、下記a)〜d)の態様が挙げられる。なお、ここでは、血液検体として血漿を用いる場合の具体的態様を示す。
a)検体処理用血漿として、不活化型の第V因子及び不活化型の第VIII因子を含有する血液凝固因子不活化血漿(第V&VIII不活化血漿)を使用し、前記測定試薬としてPT測定試薬を用いて、第V因子の活性を測定する。
具体的には、第V&VIII不活化型血漿と正常血漿を混合し、この混合液に測定用試薬であるPT測定試薬を添加し、凝固時間を測定する。この混合液において段階的に希釈した正常血漿を用いて、因子活性と凝固時間の関係を示す検量線を作成する。一方、被検血漿と前記第V&VIII不活化血漿とを混合してなる混合液(被検血漿含有混合液)に、PT測定試薬を添加し、凝固時間を測定する。先に作成した検量線と前記混合液の凝固時間に基づいて、被検血漿に含まれる第V因子の活性を算出することができる。
b)検体処理用血漿として、第V&VIII不活化血漿に、活性型に変化可能な凝固第VIII因子を添加してなる検体用処理血漿を使用し、測定試薬としてPT測定試薬を用いて、第V因子の活性を測定する。
第V&VIII不活化血漿に、活性型に変化可能な凝固第VIII因子を添加してなる検体処理用血漿は、第V因子不活化型で、第VIII因子は活性型に変化可能な血漿である。この検体処理用血漿と被検血漿とを混合してなる混合液(被検血漿含有混合液)に、PT測定試薬を添加し、凝固時間を測定する。段階的に希釈した正常血漿を用いて作成した検量線及び被検血漿含有混合液の凝固時間に基づいて、被検血漿に含まれる第V因子の活性を算出することができる。
c)検体処理用血漿として、第V&VIII不活化血漿に、活性型に変化可能な凝固第V因子を添加してなる検体処理用血漿を使用し、測定試薬としてAPTT測定試薬を用いて、第VIII因子の活性を測定する。
すなわち、第V&VIII不活化血漿に、活性型に変化可能な第V因子を添加してなる検体処理用血漿は、第VIII因子が不活化型で、第V因子は活性型に変化可能な血漿である。この検体処理用血漿と被検血漿とを混合してなる混合液(被検血漿含有混合液)に、APPT測定試薬を添加し、凝固時間を測定する。段階的に希釈した正常血漿を用いて作成した検量線及び被検血漿含有混合液の凝固時間に基づいて、被検血漿に含まれる第V因子の活性を算出することができる。
d)検体処理用血漿として、第V&VIII不活化型血漿に、活性型に変化可能な凝固第VIII因子を添加してなる検体処理用血漿を使用し、測定試薬としてAPTT測定試薬を用いて、第V因子の活性を測定する。
すなわち、第V&VIII不活化型血漿に、活性型に変化可能な第VIII因子を添加してなる検体処理用血漿は、第V因子が不活型で、第VIII因子は活性型に変化可能な血漿である。この検体処理用血漿と被検血漿とを混合してなる混合液(被検血漿含有混合液)に、APPT測定試薬を添加し、凝固時間を測定する。段階的に希釈した正常血漿を用いて作成した検量線及び被検血漿含有混合液の凝固時間に基づいて、被検血漿に含まれる第V因子の活性を算出することができる。
以上のような態様の測定方法は、従来から使用されている凝固因子欠乏血漿を用いて血液凝固因子の活性測定方法に代えて、採用することができる。
本発明の測定方法で検体処理用血漿として使用する血液凝固因子不活化血漿又は検体処理用血漿の調製に使用する血液凝固因子不活化血漿においては、上述のように、第V因子、第VIII因子が不活化型となっているが、第VIII因子におけるVWF結合部位に関する実質的影響が少ない、ないしはほとんどないためか、VWFが残存し、しかもRco活性を有している。従って、従来の凝固因子欠乏血漿を用いた活性測定方法と比べて、以下のような有利な点がある。
VWFの質的、量的異常に基づくフォンヴィルブラント病では、第VIII因子の安定性が失われ、その血中濃度が低下するため、検査では、出血時間の延長、第VIII因子活性、VWF量の低下ないし異常、Rco活性の低下及びリストセチンを用いた血小板凝集能の低下といった症状を示し、第VIII因子欠損、活性の低下を原因とする血友病Aとは異なるものである。従って、第VIII因子欠損による血友病の正確な判定のためには、フォンヴィルブラント因子が活性を失うことなく、血液凝固因子不活化血漿中に存在し、且つ第VIII因子のみが欠乏又は活性型への変換不能であるものであることが好ましい。この点、免疫吸着除去法で製造された凝固因子欠乏血漿を凝固因子活性測定に用いられる検体処理用血漿として使用する場合、別途VWFを添加して測定に使用する必要があったのに対し、本発明の検体処理用血漿では、Rco活性を有するままでVWFが残存しているので、別途VWFを添加しなくてもよい。
尚、本発明の活性測定方法に用いられる検体処理用血漿又は検体処理用血漿の調製に使用する血液凝固因子不活化血漿としては、第V因子、第VIII因子が100%不活化されたものでなくてもよい。検体処理用血漿中の第V因子又は第XIII因子の不活化の程度は、接触処理前の試料に含まれる活性型の因子を100%としたとき、80%以上であればよく、好ましくは95%以上であり、より好ましくは99%以上である。
さらに、本発明の活性測定方法に用いられる検体処理剤又は血液凝固因子不活化血漿と、従来のPT試薬とを組合わせて、PT測定試薬キットとして使用することができる。また、本発明の活性測定方法に用いられる検体処理剤又は血液凝固因子不活化血漿と、従来のAPTT試薬とを組み合わせ、APTT時間測定試薬キットとして使用することができる。
〔測定方法〕
(1)第V因子の活性(%)測定
測定試料5μl及びオーレンベロナール緩衝液45μlをキュベットにとり、これに、第V因子欠乏血漿(シスメックス社、神戸)を50μl添加混合して、37℃で1分間加温した。
この混合物に、プロトロンビン時間測定試薬として、トロンボチェックPT(シスメックス社、神戸)100μlを添加混合して、凝固時間を血液凝固分析装置コアグレックス800(島津製作所、京都)で測定した。
(2)第VIII因子の活性(%)測定
測定試料10μl及びオーレンベロナール緩衝液40μlをキュベットにとり、これに、第VIII因子欠乏血漿(シスメックス社、神戸)50μlを添加混合して、37℃、1分間加温した。
この混合物に、活性化部分トロンボプラスチン時間測定試薬として、トロンボチェックAPTT−SLA(シスメックス社、神戸)50μlを混合し、37℃、3分間加温し、20mMのCaClを50μl添加後、凝固時間をコアグレックス800(島津製作所、京都)で測定した。
(3)第VIII因子の検出
第VIII因子の存在有無の確認は、British Journal of Haematology,1994,86,106−111に記載された方法に従って行った。ここに記載されている方法では、第VIII因子に対するポリクローナル抗体を用いたELIZA法により、測定サンプル中の第VIII因子を検出する。
(4)VWFの検出
測定試料10μlをキュベットにとり37℃で3分加温した後、VWF試薬緩衝液(RI)(Dade−Behring社、ドイツ)を200μl添加し、37℃、5分加温した。次いで、VWF試薬ラテック液(R2)(Dade−Behring社、ドイツ)を100μl添加して得られた混合液の吸光度700nmをコアグレックス800(島津製作所、京都)で測定した。
(5)VWFのRco活性の測定
測定試料100μlをスライド判定板に採取し、これにVWFリストセチンコファクター活性測定用試薬(Dade−Behring社、ドイツ)200μlを滴下した。スライド判定板を3分間撹拌し、凝集を認めたときに陽性(活性有り)と判定する。
ブランクには生理食塩水を用いた。標準品には、ヒト正常血漿SHP(Dade−Behring社、ドイツ)を用い、生理食塩水で順次2倍、4倍、8倍、および16倍に希釈したときの凝集度合いを目視により観察し、以下の基準に従って判定した。すなわち、ヒト正常血漿SHP原液と同程度の凝集を示したものを「4+」、ヒト正常血漿SHPの2倍希釈液と同程度の凝集を示したものを「3+」、ヒト正常血漿SHPの4倍希釈液と同程度の凝集を示したものを「2+」、ヒト正常血漿SHPの8倍希釈液と同程度の凝集を示したものを「1+」、ヒト正常血漿SHPの16倍希釈液同程度もしくはそれ以下の凝集を示したものを「−」と判定した。
〔陽イオン交換樹脂の種類と第V因子、第VIII因子に対する影響〕
表1に示すような陽イオン交換樹脂を用いた。
ヒト新鮮血漿10mlを、表1に示す陽イオン交換樹脂(ビーズタイプ)の1種1g(10w/v%)と混合し、室温で2時間撹拌を行い、接触処理済血漿を得た。
この処理済血漿の第V因子の活性、第VIII因子の活性を、上記方法に従って測定した。第V因子の活性、第VIII因子の活性は、接触処理していない標準品(シスメックス社製のコアグトロールN)を測定した場合に得られる凝固時間に基づく活性を100%としたときの割合として算出した。測定結果を図1に示す。図中、縦軸は、第VIII因子の活性(%)を示す。
図1から、スルホン酸型陽イオン交換樹脂では、第V因子、第VIII因子いずれも活性が大部分残っていた。また、カルボン酸型陽イオン交換樹脂では、凝固第V因子については10%程度まで活性を低減させることができたが、凝固第VIII因子については40%程度活性が残っていた。一方、イミノジ酢酸型陽イオン交換樹脂では、第V因子、第VIII因子のいずれに対しても、活性がほとんど消失していた。
また、イミノジ酢酸型陽イオン交換樹脂との接触処理済血漿については、第VIII因子の活性測定、第VII因子の検出、VWFの検出、Rco活性の測定を行なった。第VIII因子の活性は、接触処理していないヒト血漿を測定した場合の凝固時間に基づく活性を100%として、各接触処理済血漿の活性を算出した。また、第VIII因子の検出及びVWFの検出においては、接触処理していないヒト血漿を測定した場合に得られる各測定結果を100%含有の場合として、接触処理済血漿の第V因子の含有率(%)、VWF含有率(%)を示した。測定結果を表2に示す。
表2から、第VIII因子活性がほとんど失われているのに対し、第VIII因子は残存していた。またVWFも残存し、しかもRco活性を示していた。
〔イミノジ酢酸イオン交換型樹脂の濃度と接触時間の関係〕
ヒト新鮮血漿100mlと、イミノジ酢酸型イオン交換樹脂(ムロマック A−1)を、イオン交換樹脂濃度0w/v%、2.5w/v%、5.0w/v%、7.5w/v%、10.0w/v%となるように混合し、処理前、接触処理時間を0.5時間、1.0時間、1.5時間、2.0時間とした場合の、第VIII因子の活性、第V因子の活性を調べた。第VIII因子の活性、第V因子の活性は、接触処理していない標準品(シスメックス社製のコアグトロールN)を測定した場合に得られる凝固活性を100%として算出した。それぞれ測定結果を図2及び図3に示す。図中、縦軸は活性(%)、横軸は接触処理時間を示す。
図2及び図3から、5w/v%以上の条件で、30分以上、好ましくは2時間以上処理すると、第V因子及び第VIII因子のいずれの活性も1%以下にまで低下した。
〔接触処理における第V因子、第VIII因子の独立性の確認〕
先天的に第V因子のみ欠乏した血漿中の第VIII因子、先天的に第VIII因子のみ欠乏の血漿中の第V因子が、イミノジ酢酸型陽イオン交換樹脂との接触処理により直接的に不活化されるかどうかを検討した。
第V因子欠乏血漿(4例:患者1〜4)ならびに第VIII因子欠乏血漿(4例:患者1〜4)は、ジョージ キングバイオメディカル(USA)より購入した。
各血漿サンプル1mlに、イミノジ酢酸型イオン交換樹脂(ムロマック A−1)を10w/v%となるように混合して、2時間攪拌処理した。
得られた処理済血漿について、第VIII因子の活性、第V因子の活性を測定した。第V因子の活性、第VIII因子の活性は、接触処理していない標準品(シスメックス社製のコアグトロールN)の凝固時間を活性100%の場合として算出した。測定結果をそれぞれ図4及び図5に示す。
図4から、第V因子欠乏血漿中の第VIII因子活性は接触処理1時間で正常レベル(100%)から10%付近まで低下し、以後2時間から4時間で1%未満となった。また、図5からわかるように、第VIII因子欠乏血漿中の第V因子活性は接触処理1時間で正常レベル(100%)から10%付近まで低下し、以後4時間までにはすべての血漿試料で1%未満となった。
従って、本発明のイミノジ酢酸型陽イオン交換樹脂との接触処理による方法では、第V因子、第VIII因子を独立的に不活化型に変化することがわかった。
〔イミノジ酢酸型イオン交換樹脂との接触処理による第V因子、第VIII因子残存の確認〕
純品の第VIII因子(Kogenate FS:バイエル薬品:250U/ml)を生理活性食塩水に溶解させてなる溶液(25000%)、及びこの生理活性食塩水溶液を20%イミノジ酢酸型陽イオン交換樹脂で4時間、接触処理した溶液(処理済溶液)を、還元下及び非還元下の条件でSDS電気泳動にかけた。
また、ヒト第V因子(50μg/ml:Hematologic Technology Inc.,米国)を生理活性食塩水で溶解させてなる溶液(15000%)、及びこの第V因子含有溶液を20%イミノジ酢酸型陽イオン交換樹脂で4時間処理して得られた溶液(処理済溶液)を、それぞれ還元下及び非還元下の条件で、SDS電気泳動にかけた。
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(以下、SDS―PAGE)はMINI−PROTEIN II電気泳動装置(日本バイオラッド)を用いて行なった。還元下の条件では、試料を1w/v%SDS溶液で4倍に希釈した試料溶液を、5w/v%2−メルカプトエタノール溶液と共に、56℃で30分間処理し、0.1w/v%SDSを含む7.5%ポリアクリルアミドゲル上で60V、2.5時間展開させた。一方、非還元下の条件では、同様に試料を1w/v%SDS溶液で4倍に希釈した溶液を、0.1w/v%SDSを含む7.5%ポリアクリルアミドゲル上で同様に60V、2.5時間展開させた。緩衝液には0.02w/v%SDSを含む25mMトリス−192mMグリシン緩衝液(pH7.5)を用いた。染色には2D銀染色試薬II(第一化学薬品)を用いた。
図6(a)は非還元下の条件で電気泳動して得られた電気泳動写真であり、図6(b)は還元下の条件で電気泳動して得られた電気泳動写真である。
写真において、レーン1は分子量マーカー、レーン2は接触処理前の第VIII因子(Kogenate FS)を含む溶液、レーン3及びレーン4は第VIII因子含有溶液の処理済溶液、レーン5は接触処理前のヒト第V因子を含む溶液、レーン6はヒト第V因子溶液の処理済溶液である。
図6(a)及び図6(b)の写真中のレーン3、4及び6において、蛋白質のバンドを確認できた。従って、接触処理によっても、第V因子、第VIII因子が残存していることが確認できた。
〔イミノジ酢酸型陽イオン交換樹脂処理による第VIII因子の活性への影響〕
生理食塩水に、第VIII因子とVWF複合体である化血研のCofactor F(100U/ml)を溶解させた第VIII因子複合体溶液(10000%、1U/mlが100%に相当)を、イミノジ酢酸型イオン交換樹脂20%と4時間接触させた。処理済溶液について、第VIII因子の活性測定、第VIII因子の検出、VWFの検出、Rco活性の測定を、上記測定方法に従って行なった。
一方、ヒトの正常血漿について、同様の処理を行ない、処理済血漿について第VIII因子の活性測定、第VIII因子の検出、VWFの検出、Rco活性の測定を行なった。これらの結果を併せて表3に示す。
ここで、第VIII因子複合体溶液の第VIII因子活性は、接触処理していない第VIII因子複合体溶液を測定した場合に得られる凝固活性を100%として、接触処理した第VIII因子複合体溶液中の第VIII因子の活性(%)を算出し、その活性値が1%以上の場合は「+」、1%未満の場合は「−」と判定した。ヒト正常血漿の第VIII因子活性は、接触処理していないヒト正常血漿を測定した場合に得られる凝固活性を100%として、接触処理したヒト正常血漿中の第VIII因子の活性(%)を算出し、その活性値が1%以上の場合は「+」、1%未満の場合は「−」と判定した。また、第VIII因子複合体溶液の第VIII因子及びVWFは、接触処理していない第VIII因子複合体溶液を測定した場合に得られる各測定結果を100%として、接触処理した第VIII因子複合体溶液の第VIII因子含有率(%)及びVWF含有率(%)を算出し、それらの値が70%以上の場合は「+」、70%未満の場合は「−」と判定した。ヒト正常血漿の第VIII因子及びVWFは、接触処理していないヒト正常血漿を測定した場合に得られる各測定結果を100%として、接触処理したヒト正常血漿の第VIII因子含有率(%)及びVWF含有率(%)を算出し、それらの値が70%以上の場合は「+」、70%未満の場合は「−」と判定した。
表3から、第VIII因子活性は失われているが、第VIII因子が残存していることがわかる。また、VWFについては残存しており、そのVWFがRco活性を有していることがわかった。つまり、第VIII因子とVWFの複合体に対する影響は、正常ヒト血漿による影響と同様の挙動を示すことを確認できた。
〔イヌの血友病モデル〕
血液試料として、健常のビーグル犬より採血した血漿を用いた。
このイヌ正常血漿を、イミノジ酢酸型陽イオン交換樹脂(ムロマック A−1)(20w/v%)と4.5時間接触処理させた。
得られた処理済血漿の第VIII因子活性(FVIII因子:C)、及び第V因子活性(FV因子:C)を上記測定方法で測定した。接触処理していない標準品(シスメックス社製のコアグトロールN)を測定した場合に得られる凝固活性を100%として、各測定サンプル中の第VIII因子の活性(%)又は第V因子の活性(%)を算出した。正常血漿(原料血漿)の結果を図7、処理済血漿の結果を図8に示す。各図の縦軸は各血液凝固因子の活性(%)を示す。
正常イヌ血漿の第VIII因子活性は560%、第V因子活性は876%を示し、その活性はヒトの場合と比較して、それぞれ約6倍および約9倍高かった。しかしながら、処理済血漿では、第VIII因子活性5.7%、第V因子活性15.9%まで低下した。
以上のことから、ヒトの血漿に限らず、イヌの血漿においても、接触処理によって第VIII因子や第V因子が不活化型に変化することがわかった。
〔イミノジ酢酸基を有するセファロースを用いた接触処理〕
生理食塩水に、第VIII因子とVWFの複合体である化血研のConfact F(財団法人化学及血清治療研究所:100U/ml)を溶解させた第VIII因子複合体溶液(10000%、1U/mlが100%に相当)を、イミノジ酢酸基を有するセファロース20%(w/v)と4時間接触処理させた。この接触処理により得られた溶液について、第VIII因子の活性測定、第VIII因子の検出、VWFの検出及びRco活性の測定を、前記測定方法に従って行なった。一方、ヒトの正常血漿について、同様の接触処理を行ない、得られた血漿について第VIII因子の活性測定、第VIII因子の検出、VWFの検出及びRco活性の測定を行なった。
第VIII因子複合体溶液の第VIII因子活性は、接触処理していない第VIII因子複合体溶液を測定した場合に得られる凝固活性を100%として、接触処理した第VIII因子複合体溶液中の第VIII因子の活性(%)を算出し、その活性値が1%以上の場合は「+」、1%未満の場合は「−」と判定した。ヒト正常血漿の第VIII因子活性は、接触処理していないヒト正常血漿を測定した場合に得られる凝固活性を100%として、接触処理したヒト正常血漿中の第VIII因子の活性(%)を算出し、その活性値が1%以上の場合は「+」、1%未満の場合は「−」と判定した。また、第VIII因子複合体溶液の第VIII因子及びVWFの検出は、接触処理していない第VIII因子複合体溶液を測定した場合に得られる各測定結果を100%として、接触処理した第VIII因子複合体溶液の第VIII因子含有率(%)及びVWF含有率(%)を算出し、それらの値が70%以上の場合は「+」、70%未満の場合は「−」と判定した。ヒト正常血漿の第VIII因子及びVWFの検出は、接触処理していないヒト正常血漿を測定した場合に得られる各測定結果を100%として、接触処理したヒト正常血漿の第VIII因子含有率(%)及びVWF含有率(%)を算出し、それらの値が70%以上の場合は「+」、70%未満の場合は「−」と判定した。測定結果を表4に示す。
表4から、イミノジ酢酸基を有するセファロースを用いた接触処理により得られた第VIII因子複合体溶液及びヒト正常血漿においても、第VIII因子活性は失われているが、第VIII因子が残存していることがわかった。また、VWFについては残存しており、それらVWFがRco活性を有していることがわかった。つまり、第VIII因子とVWFの複合体に対する接触処理の影響は、ヒト正常血漿に対する影響と同様の挙動を示すことを確認できた。
〔イミノジ酢酸基を有するセファロースを用いた接触処理:接触処理時間と活性の変化〕
イミノジ酢酸基を有する化合物として、イミノジ酢酸基を有するセファロースであるChelating Sepharose Fast Flow(Amersham Biosciences社)を水酸化ナトリウム溶液で前処理したものを用いて、ヒト正常血漿を接触処理した。
水酸化ナトリウム水溶液の前処理により、セファロースが有するイミノジ酢酸基(−N(CHCOOR))のRがHからナトリウムイオンに変わる。
接触処理は、ヒト正常血漿100mlと、イミノジ酢酸基を有するセファロースを、セファロースの濃度が0w/v%、5.0w/v%、10.0w/v%、20.0w/v%となるように混合して行った。そして、接触処理前及び各処理時間(接触処理の時間が1.0、2.0、4.0時間)における、第VIII因子の活性及び第V因子の活性を前記測定方法に従って測定した。接触処理していない標準品(シスメックス社製のコアグトロールN)を測定した場合に得られる凝固活性を100%として、各測定サンプル中の第VIII因子の活性(%)又は第V因子の活性(%)を算出した。
第VIII因子の活性の測定結果を図9に示し、第V因子の活性の測定結果を図10に示す。なお、図中、縦軸は、第VIII因子又は第V因子の活性(%)を示し、横軸は接触処理した時間を示す。
図9において、第VIII因子活性は接触処理1時間で10%付近まで低下し、以後2時間から4時間で1〜5%までに低下した。また、図10において、第VIII因子欠乏血漿中の第V因子活性は接触処理1時間で20〜60%付近まで低下し、以後4時間までにはセファロースの濃度が5.0w/v%の場合には20%にまで低下し、10.0w/v%及び20.0w/v%の場合には1%未満にまで低下した。これにより、イミノジ酢酸基を有するセファロースとの接触処理により、血漿中の第V因子、第VIII因子の活性が低下することがわかった。
次に、水酸化ナトリウム溶液による前処理を行なわずに、すなわちイミノジ酢酸基のRがHの場合のセファロースを用いて、上記と同様に接触処理し、第VIII因子の活性及び第V因子の活性を測定した。前処理したイミノジ酢酸基を有するセファロースを用いて接触処理した場合に得られる測定結果と、前処理していないイミノジ酢酸基を有するセファロースを用いて接触処理した場合に得られる測定結果とを比較すると、第V因子及び第VIII因子のいずれの活性も、前処理する場合のほうがより短時間でより低いレベルに活性を低下させる(図示せず)。以上のことから、接触処理に用いるイミノジ酢酸基を有するセファロースについては、イミノジ酢酸基(−N(CHCOOR))のRがHであるものよりもナトリウムイオンであるもののほうが、接触処理においてより効果的に第V因子及び第VIII因子を不活化型へ変化することができることがわかる。
本発明の不活化方法によれば、第V因子、第VIII因子の活性型への変換を不能とするだけで、第V因子、第VIII因子は実質的に残存しているので、第VIII因子と共同で安定して存在するVWFに影響を与えずに済む。従って、第V因子又は第VIII因子だけを不活化した血液凝固因子不活化試料を製造できる。
しかも本発明の不活化方法では、原料としての血漿をイミノジ酢酸型陽イオン交換樹脂と接触処理するだけで不活化できるので、従来の免疫吸着法による凝固因子欠乏血漿の製造方法と比べても、短時間で効率的に血液凝固因子不活化試料を製造できる。
さらにまた、従来の因子吸着除去の方法により製造される第V因子、第VIII因子欠乏血漿では、VWFを別途添加する必要があったが、本発明の不活化方法を用ることにより、VWFが活性可能な状態で残存している血液凝固因子不活化試料を得ることができる。
従って、本発明の血液凝固因子不活化試料を用いることにより、従来よりも効率的に、しかも低コストで、血液検体における第V因子、第VIII因子の有無、活性を測定でき、ひいては凝固因子欠損・異常症の診断測定に利用できる。
陽イオン交換樹脂の種類と第V因子、第VIII因子の活性との関係を測定した結果を示すグラフである。 イミノジ酢酸型陽イオン交換樹脂の濃度及び接触時間と第VIII因子活性との関係の測定結果を示すグラフである。 イミノジ酢酸型陽イオン交換樹脂の濃度及び接触時間と第V因子活性との関係の測定結果を示すグラフである。 第V因子欠乏血漿の接触処理と第VIII因子活性の関係の測定結果を示すグラフである。 第VIII因子欠乏血漿の接触処理と第V因子活性の関係の測定結果を示すグラフである。 SDS電気泳動の結果を示す写真である。 イヌの正常血漿の第V因子活性及び第VIII因子活性及び第V因子活性の測定結果を示すグラフである。 イヌの処理済血漿の第V因子活性及び第VIII因子活性の測定結果を示すグラフである。 イミノジ酢酸基を有するセファロースを用いた接触処理と第VIII因子の活性の測定結果を示すグラフである。 イミノジ酢酸基を有するセファロースを用いた接触処理と第V因子の活性の測定結果を示すグラフである。

Claims (19)

  1. 第V因子及び第VIII因子の少なくともいずれか一方を含む試料をイミノジ酢酸基(−N(CHCOOR)、Rが水素又は金属イオンを示す)を有する化合物と接触させて、該試料中の第V因子及び第VIII因子の少なくともいずれか一方を、不活化型に変化させる工程を含む血液凝固因子の不活化方法。
  2. 前記イミノジ酢酸基のRが、一価の金属イオンである請求項1に記載の不活化方法。
  3. 前記一価の金属イオンが、ナトリウムイオンである請求項2に記載の不活化方法。
  4. 前記イミノジ酢酸基を有する化合物が、前記イミノジ酢酸基を有する担体である請求項1〜3のいずれかに記載の不活化方法。
  5. 前記イミノジ酢酸基を有する担体が、前記イミノジ酢酸基を有する陽イオン交換樹脂又は前記イミノジ酢酸基を有する顆粒状アガロースゲルである請求項4に記載の不活化方法。
  6. 前記接触処理は、前記試料に対して、前記担体を5w/v%以上となる割合で行なう請求項4又は5に記載の不活化方法。
  7. 前記試料が血漿である請求項1〜6のいずれかに記載の不活化方法。
  8. 不活化型の第V因子及び不活化型の第VIII因子の少なくともいずれか一方を含有する血液凝固因子不活化試料。
  9. さらに、フォンヴィルブラント(von willebrandt)因子を含有する請求項8に記載の血液凝固因子不活化試料。
  10. 前記フォンヴィルブラント因子は、リストセチンコファクター活性を有している請求項9に記載の血液凝固因子不活化試料。
  11. 不活化型の第V因子及び不活化型の第VIII因子の少なくともいずれか一方を含有する血漿である請求項8〜10のいずれかに記載の血液凝固因子不活化試料。
  12. 検体処理用血漿を用いて、血液検体に含まれる血液凝固因子の活性を測定する方法であって、
    血液検体、凝固時間を測定するための測定試薬及び検体処理用血漿を混合して測定用試料を調製する工程;
    前記測定用試料における凝固時間を測定する工程;及び
    前記凝固時間に基づいて血液凝固因子の活性を算出する工程;
    を含み、
    前記検体処理用血漿が、不活化型の第V因子及び不活化型の第VIII因子を含有する血液凝固因子不活化血漿を含む血液凝固因子活性の測定方法。
  13. 前記血液凝固因子不活化血漿が、イミノジ酢酸基(−N(CHCOOR)、Rは水素又は金属イオンを示す)を有する化合物と血漿を接触させる処理により得られたものである請求項12に記載の測定方法。
  14. 前記測定試薬がプロトロンビン時間測定試薬であって、
    前記血液凝固因子の活性を算出する工程において、第V因子の活性を算出する請求項12又は13の測定方法。
  15. 前記検体処理用血漿は、さらに活性型に変化可能な第VIII因子を含み、
    前記測定試薬がプロトロンビン時間測定試薬であり、
    前記血液凝固因子の活性を算出する工程において、第V因子の活性を算出する請求項12又は13に記載の測定方法。
  16. 前記検体処理用血漿は、さらに活性型に変化可能な第V因子を含み、
    前記測定試薬が、活性化部分トロンボプラスチン時間測定試薬であり、
    前記血液凝固因子の活性を算出する工程において、第V因子の活性を算出する請求項12又は13に記載の測定方法。
  17. 前記検体処理用血漿は、さらに活性型に変化可能な第VIII因子を含み、
    前記測定試薬が、活性化部分トロンボプラスチン時間測定試薬であり、
    前記血液凝固因子の活性を算出する工程において、第V因子の活性を算出する請求項12又は13に記載の測定方法。
  18. 前記血液検体が、血漿である請求項12〜18のいずれかに記載の測定方法。
  19. 不活化型の第V因子及び不活化型の第VIII因子を含有する血液凝固因子不活化血漿に、活性型変換可能な第V因子又は活性型変換可能な第VIII因子が添加されてなる検体処理用血漿。
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