JP2006119021A - センサ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡素な構成により高感度に各種物理量を測定する全く新しい技術思想に基づくセンサ装置を実現する。
【解決手段】 基体1上に離間して設けられた一対の電極2,3と、電極2,3間に電圧又は電流を印加する電源4と、電極2,3間において、基体1上で当該電極2,3間を林立する複数の棒状導電体5からなる棒状導電体群6と、棒状導電体群6の近傍に設置されており、棒状導電体5を変形させ、棒状導電体5間の距離を変化させることを補助する変形補助機構7とからセンサ装置を構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、加速度、重量、角加速度、回転角、圧力、流量、音量、歪み伸縮等の各種物理量を測定するセンサ装置に関する。
近時では、LSIに設けられた加速度センサや圧力センサ等として、主にMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)と呼ばれる技術により、LSI上にセンサ装置が形成されてなるセンサシステムが注目されている。
このセンサシステムは、例えば加速度センサの場合、図25に示すように、単結晶のシリコン基板101の表層に半導体素子、例えばMOSトランジスタ等が形成されてなるトランジスタ領域111と、シリコン基板101の一部がくり抜かれてなる空洞102内に、その一端が固定されて他端が自由に動ける構造とされた可動体であるカンチレバー(片持ち梁)103を有するセンサ装置が作り込まれたMEMS領域112と、MEMS領域112に隣接して設けられ、カンチレバー103の電気抵抗値又は静電容量を測定するための電極及び配線等を備えた多層配線領域113とを含み構成されている。
このセンサシステムの動作原理は次の通りである。センサ装置に加速度が加わると、この加速度に応じた力がカンチレバー103に作用し、カンチレバー103が屈曲する。そして、カンチレバー103の動作を歪み抵抗(ピエゾ効果)又は基板電極間とのキャパシタ容量として測定することにより、加速度を計測する。
特開2003−247830号公報 特開2003−227808号公報
しかしながら、上記のようなセンサシステムでは、以下の問題が発生している。
上記のセンサシステムでは、シリコン基板101にカンチレバー103を形成するための空洞102を設けることが必須であることから、シリコン基板101にMEMS領域112を確保するために必然的にトランジスタ領域111及び多層配線領域113が狭くなる。従って、トランジスタ領域111及び多層配線領域113を十分確保するには、センサシステムのサイズを大きくせざるを得ないという問題がある。センサシステムのサイズが大きくなると、当該センサシステムの搭載される各種電子機器の小型化が困難となるばかりでなく、センサシステムの収穫個数が減少することから、製造コストが上昇する。
シリコン基板101に半導体素子を形成するためには、基板材料として単結晶シリコンを用いることが必要であることは周知の事実であるが、センサシステムには単結晶の基板材料は必ずしも必要では無いと考えられるかもしれない。事実、単結晶の基板材料を用いる代わりに、多結晶シリコンやアモルファルシリコン、シリコン以外の基板材料を用いてセンサシステムを構成した報告例もある。ところが実際の製品としてみた場合、多結晶シリコンやアモルファスシリコンでは基板材料の強度の点において問題がある。センサ装置の稼動部分は、繰り返し動作することが必要であるため、金属材料で稼動部分を形成すると金属疲労により短時間で折れてしまう。他方、多結晶シリコンやアモルファスシリコンで稼動部分を形成すると短時間で弾力性を失ってしまう。このように、センサ装置の特に稼動部分を形成するためには、単結晶の基板材料が必要不可欠と言える。
上記のセンサシステムに特有な構造であるMEMS領域112を形成するには、非常に深く精緻なエッチングを行い、形成された空洞102及びカンチレバー103を維持する工程が必要である。これらの工程は、通常のLSIの製造工程と比べて非常に特殊であり、微細加工が難しく、複雑で工程時間が長く、製造コストが高くなる点で問題となる。特に空洞102は、そのサイズがLSIの最小パターンサイズと比べると非常に大きく、エッチングの深さに依存在する表面起伏も非常に大きなものである。他方、空洞102の周辺には、微細加工で多くの半導体素子を集積化してトランジスタ領域111を形成する必要があり、このための高精度のリソグラフィーを行うには、基板表面を高精度の平坦に保つことが必要不可欠である。このように、当該センサシステムにおいて、トランジスタ領域111とMEMS領域112とでは、これらを形成するために要求される工程内容が大きく異なり、両者を同一基板に混載することは極めて困難である。上記の事実を無視して無理に混載しようとすると、互いの製造工程が影響し合うため、予め影響を考慮して製造工程を修正しておくことが必要となる。このことは、言わば長年に渡って築いてきたLSIの製造方法に関する膨大な資産を放棄することにつながり、大きな問題となる。
将来的には、1種類のセンサ装置のみでなく、多くの種類のセンサ装置をLSI上に集積してセンサシステムを構成することが望まれる。しかしながら、従来のMEMSの技術を用いたセンサシステムでは、センサ装置の種類毎に、異なる材料、構造、製造工程が必要になるため、多くの種類のセンサ装置を同一基板に作り込むことは現実的に不可能である。
本発明は、上記の諸問題に鑑みてなされたものであり、簡素な構成により高感度に各種物理量を測定する全く新しい技術思想に基づくセンサ装置を提供することを目的とする。このセンサ装置では、基本構成を共通として、測定対象となる各種物理量に対応して装置の一部構成を変更するだけで、各種物理量を高感度に測定することを可能とする。
また、本発明は、半導体素子や多層配線層の形成領域を狭めることなく、前記センサ装置をLSI上に集積してセンサシステムを構成することを目的とする。このセンサシステムでは、前記センサ装置を容易に各種物理量に対応した構成とすることができるため、サイズを増加させることなく多くの種類のセンサ装置を同一基板に作り込むことを可能とする。
本発明のセンサ装置は、一対の電極と、前記電極間に電圧又は電流を印加する電源と、前記電極間の領域に林立する複数の棒状導電体と、複数の前記棒状導電体の近傍又は少なくとも一部と接触するように設置されており、前記棒状導電体の変形及び前記棒状導電体間の距離の変化の少なくとも一方を補助する変形補助機構とを含む。
本発明のセンサシステムは、表層に半導体素子が形成されてなる基板と、前記基板の上方に設けられ、前記半導体素子の一部と接続されてなる前記センサ装置とを含む。
本発明では、前記棒状導電体として、炭素からなる棒状構造体を用いることが好ましい。
本発明によれば、簡素な構成により高感度に各種物理量を測定する全く新しい技術思想に基づくセンサ装置が実現し、基本構成を共通として、測定対象となる各種物理量に対応して装置の一部構成を変更するだけで、各種物理量を高感度に測定することが可能となる。
また、半導体素子や多層配線層の形成領域を狭めることなく、前記センサ装置をLSI上に集積してなるセンサシステムが実現し、前記センサ装置を容易に各種物理量に対応した構成とすることにより、サイズを増加させることなく多くの種類のセンサ装置を同一基板に作り込むことが可能となる。
−本発明の基本骨子−
本発明者は、簡素な構成により高感度に各種物理量を測定する構成として、図1(a)に示すように、基体1上に離間して設けられた一対の電極2,3と、電極2,3間に電圧又は電流を印加する電源4と、電極2,3間において、基体1上で当該電極2,3間の領域に林立する複数の棒状導電体5からなる棒状導電体群6と、棒状導電体群6の近傍又は少なくとも一部の棒状導電体5と接触するように設置されており、棒状導電体5を変形させ、棒状導電体5間の距離を変化させることを補助する変形補助機構7とを含むセンサ装置を提案する。図示の例では、棒状導電体群6の一端部分の棒状導電体5が電極2と、他端部分の棒状導電体5が電極3とそれぞれ接続されている。なお、図1(b)のように、電極2,3を基体1上から離間させるように形成しても良い。
ここで、棒状導電体5としては、円柱状、円筒状、角柱状、棒状、糸状、針金状、綿状、螺旋状等のものが利用できる。棒状導電体5の寸法は、棒状導電体のアスペクト比(高さ/幅)が1以上のものであれば利用できる。また、表面のみ(例えばメッキ等により)導電加工されたものや多孔質のものでも良い。更に、一部に蛇行、揺らぎ、曲がり、折れ等があるものでも良い。
棒状導電体は、具体的には自然発生的に形成されるもの(リソグラフィーや微細化加工技術を用いずに、自然法則により微細構造が形成されるもの)と、人工的に形成されるもの(リソグラフィーや微細加工技術を用いて微細構造が形成されるもの)との2種類がある。
前者の自然発生的に形成されるものとしては、フラーレン、炭素系自己組織的材料からなる棒状構造体のカーボン・ナノチューブ(Carbon NanoTube:以下、CNTと呼ぶ)のうちで単層CNT(SCNT)、2層CNT(DCNT)、多層CNT(MCNT)渦巻き型CNT、螺旋型CNT、内部が導電材等で充填されたCNT、内部に様々な粒子を取り込んだピーポット構造のCNTや、窒化ホウ素(BN)、BNの表面金属メッキ、貴金属系ナノチューブ(金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru))、ナノワイヤー(シリコン、銀、高分子)、ホイスカー(鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、 NbSe3 、亜鉛(Zn))、酸化物(シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、希土類元素などの酸化物)、有機材料系のナノチューブ(脂質分子+酸化ケイ素等)、DNAなどがある。
後者の人工的に形成されるものとしては、導電性材料からなるものであれば、金属、セラミックス、有機物、酸化物、化合物、シリサイド等如何なるものでも利用できる。
ここでは、棒状導電体5として自然発生的に形成されるものである炭素系自己組織的材料からなるCNTを例示する。
CNTは、単結晶でその強度が強く、引っ張り強度が鋼鉄の約5倍とも言われる非常に強い材料である。一方で非常にしなやかであり、繊維のように柔軟に「しなる」ことが知られている。CNTは繰り返し変形させても、疲労したり弾性を失うことは無いと考えられる。CNTは、結晶の巻き方や(カイラリティと言う)、CNTの層数により、半導体から金属まで自由に物性を変えることが可能である。必要に応じて適宜、半導体から金属的なものまで、最適なCNTを使用することができる。金属的なものを利用すれば、通常配線として利用されるCuの場合の約1000倍もの電流輸送量があり、またバリステック電導をするので、抵抗が極めて低く、寄生抵抗を削除することができ、センサとして非常に有利である。更に、CNTの表面は当然炭素であり、金属のように表面に酸化膜が形成されて電極間の接触抵抗値が高くなる心配もない。
変形補助機構7は、測定対象となる各種物理量に対応して様々な形態を採る。即ち本発明のセンサ装置は、基体1上の一対の電極2,3及び電極2,3間の棒状導電体5からなる構造体を基本構成とし、この基本構成に各種物理量に応じた変形補助機構7を備える。
なお、特許文献1にはCNTを用いたジャイロセンサが、特許文献2にはCNTを用いたガスセンサがそれぞれ開示されている。しかしながら、特許文献1においては、CNT自身を振動させることを要し、そのための機構を設けることが必須である。これに対して、本発明のセンサ装置では、CNTを駆動する機構は不要であり、上記の基本構成に各種測定対象に応じた変形補助機構を有する。また、特許文献2においては、ガス分子がCNTに付着したことによるCNTの物性変化を測定するものである。これに対して、本発明のセンサ装置では、各種測定対象に応じた変形補助機構を有し、測定時にCNTが変形することを必須構成とするものである。以上説明したように、本発明は特許文献1,2とは構成・目的が全く異なる別発明である。
本発明の各種センサへの適用例を図2,図3に示す。
加速度・重量センサでは、変形補助機構7を加速度又は重量を感知するための錘状部材11とし、この錘状部材11は、前記基本構成における棒状導電体群6の少なくとも一部の棒状導電体5上に、当該棒状導電体5の上端部と共に可動とされた状態に載置固定される(図2(a))。錘状部材11に加速度が加わると、錘状部材11が複数の棒状導電体5上で当該棒状導電体5と共に移動する。この移動により棒状導電体5が変形し、当該加速度に応じて棒状導電体5間の距離が変化する。
角加速度・回転角センサでは、変形補助機構7を角加速度又は回転角を感知するための錘状部材12とし、この錘状部材12は、前記基本構成における棒状導電体群6の少なくとも一部の棒状導電体5上に、当該棒状導電体5の上端部と共に可動とされた状態に載置固定される(図2(b))。錘状部材12が回転し、又は錘状部材12に角加速度が加わると、錘状部材12が複数の棒状導電体5上で当該棒状導電体5と共に回転移動する。この回転移動により棒状導電体5が捩れて変形し、当該回転量又は角加速度に応じて棒状導電体5間の距離が変化する。
圧力・気圧・指紋センサでは、圧力、気圧又は指紋を感知するため、変形補助機構7を絶縁部材13とし、この絶縁部材13により前記基本構成における棒状導電体群6を覆い外部と遮断された内部空間が形成される(図2(c),(d))。特に気圧センサの場合、絶縁部材13の内部の気密性を十分に確保することが必要である。絶縁部材13に圧力又は気圧が印加されると、絶縁部材13が変形すると共に棒状導電体5も変形し、印加された圧力又は気圧に応じて棒状導電体5間の距離が変化する。
曲がり・歪みセンサでは、曲がり・歪み量を感知するため、変形補助機構7を、電極2,3及び棒状導電体群6が形成される屈曲自在の基体14自体とする(図3(a))。基体14が外力を受けて屈曲すると、その変位量に応じて隣接する棒状導電体5間の距離が変化する。なお、図3(a)では飽くまで便宜的に図示されており、後述する図5(d)がより正確な(原理的な)様子を示す。
伸縮センサでは、伸縮量を感知するため、変形補助機構7を、電極2,3及び棒状導電体群6が形成される屈曲自在の基体15自体とする(図3(b))。基体15が外力を受けて伸縮すると、その変位量に応じて隣接する棒状導電体5間の距離が変化する。なお、図3(b)では飽くまで便宜的に図示されており、後述する図6(a)がより正確な(原理的な)様子を示す。
音センサでは、音量を感知するため、変形補助機構7を棒状導電体5に音波を伝達させるための例えばホーン状の集音部材16とし、この集音部材16は、前記基本構成における棒状導電体群6の少なくとも一部の棒状導電体5上に載置固定される(図3(c))。集音部材16により集音すると、その音量に応じて棒状導電体5が変形し、棒状導電体5間の距離が変化する。
流量センサでは、気体や液体等の流体の流量を感知するため、変形補助機構7を両端が開口してなる筒状部材17とし、この筒状部材17内に前記基本構成が載置固定される(図3(d))。筒状部材17内に例えばN2ガスの流れが形成されると、その流量に応じて棒状導電体5が変形し、棒状導電体5間の距離が変化する。
上記のように、各種センサに適用自在な本発明のセンサ装置の動作原理を、棒状導電体5としてCNTを成長形成した場合を例に採り説明する。
図4(a)に示すように、センサ装置の初期状態では、2つの電極2,3の間に多くのCNT21が林立している。しかしながら、CNT21は互いに離散して形成されており、(距離d)電極2,3間には殆ど電流は流れない。CNT21に何らかの力が加わると、図4(b)に示すように、CNT21は全体的に変形し、CNT21間の距離が狭められて(距離d')、電流路が形成されるようになる。
正確には、実際のCNT21は完全な棒状ではなく、若干の曲がりやうねりを有している。このため、多数のCNT21を統計的に考えると、図4(c)に示すように、CNT21の存在確率は、1本のCNT21の中心軸の周りにガウス分布的に広がる、即ち中心部が濃く、周辺に行くほど薄くなる雲上の円柱と考えることができる。このため、CNT21間の距離dが狭まると、デジタル的に短絡か否かに変わるだけでなく、CNT21間の距離に応じて接触面積が変化し、電気抵抗値が連続的に変化することになる。
CNT21の変形態様には、図5,図6に示すように様々なタイプのものがある。
図5(a)では、CNT群22の各CNT21の下端が固定され、上端が開放端(固定されていない)とされた場合を示す。具体的には、上記の流量センサが該当する。このCNT群22に横方向から外力が加わると、各CNT21は、あたかも風になびく稲穂のようにしなり、上端へ向かうほどCNT21間の間隔が狭くなる形状となる(下端付近のCNT21間の距離d>上端付近のCNT21間の距離d')。この結果、CNT群22の上端部分では、CNT21間を横断するような電流が流れ易くなり、CNT群22の電気抵抗値が低下する。なお、同じ外力が横方向から加わる場合でも、CNT21の長さが長いほど、先端部分のしなる距離が大きくなるため、隣接するCNT21同士の上端部分の重なり度合いも大きくなり、感度が向上する。この場合、CNT21が長いほど感度が高くなる。
CNT21は、実際には図4(c)のように分布しているが、その中央値を代表して便宜上1本の棒状体とみなし、CNT群22の抵抗を考察する。CNT群22の抵抗Rは、図7(a)に示すように、各CNT21の抵抗R1,R2,・・・,Riが直列接続されて、
R=R1+R2+・・・+Ri
となる。
ここで、CNT群22の電気抵抗値を測定する代わりにキャパシタ容量を測定するようにしても良い。この場合、CNT群22の容量Cは、各CNT21の容量C1,C2,・・・,Ciが直列接続されて、
C=1/C1+1/C2+・・・+1/Ci
となる。但しこの場合、最初のCNT21間の間隔を適切に設定しておくことが重要となる。なぜならば、CNT21間の多くにショートが形成され過ぎると、電極2,3間に多くのリーク電流が流れるので、キャパシタ容量の測定が困難になるからである。予めCNT21の動作範囲を予想し、CNT21間がショートし過ぎないように、CNT21間の間隔を広めに設定しておくことが必要となる。
図5(b)では、CNT群22の上端に錘状部材23が固定され、横方向から外力が加わる場合を示す。具体的には、上記の加速度センサが該当する。この場合、各CNT21は下端及び上端の双方で固定されている。CNT21と基体1との間、CNT21と錘状部材23との間の固定具合にもよるが、CNT21と基体1又は錘状部材23とが接する近傍においては、CNT21と基体1の表面又は錘状部材23の表面とは略垂直となっていると考えられる。従って、錘状部材23に横方向から外力が加わると、CNT21はS字状に曲がると考えられる。S字状に曲がったCNT21の中央付近では、CNT21間の間隔が狭められ(下端付近のCNT21間の距離d>上端付近のCNT21間の距離d')、CNT群22の電気抵抗値が低下する。この場合、CNT21が長いほど感度が高くなる。
図5(c)では、CNT群22の上端に錘状部材23が固定され、外力又は錘状部材23の自重によりCNT群22に押圧を与える場合を示す。具体的には、上記の重量センサが該当する。この場合、CNT21は、高さ方向の距離が狭められるため、右左のいずれかに湾曲することにより狭い空間に収まろうとする。これにより、隣接するCNT21間の距離が狭まり、CNT21同士が交差するようになる(下端又は上端のCNT21間の距離d>下端付近又は上端付近のCNT21間の距離d')。この結果、外力又は自重に応じてCNT21間に電流路が形成され、CNT群22の電気抵抗値が低下する。この場合、CNT21が長いほど感度が高くなる。
図5(d)では、CNT群22の形成された基体1自体を、一方を固定し、他方を上下方向に変位させて基体1全体を彎曲させる(歪ませる)。両端を変位させて基体1全体を彎曲させるようにしても良い。具体的には、上記の曲がり・歪みセンサが該当する。基体1を湾曲させると、基体1上のCNT群22は末広がりに広がるような形状になる。この結果、上端でCNT21間の間隔が広がり(下端付近のCNT21間の距離d>上端付近のCNT21間の距離d')、CNT21間の接触面積が少なくなってCNT群22の電気抵抗値が上昇する。なおこの場合、CNT21が長いほど末広がり度合いが大きくなるため、感度が高くなる。
図6(a)では、CNT群22の形成された基体1自体を左右に伸縮させる。具体的には、上記の伸縮センサが該当する。この場合、基体1の変形に伴ってCNT21間の間隔や角度が変化する。この結果、個々のCNT21間の間隔が変化し(変形前のCNT21間の距離d>変形後(基体1の伸長の場合)のCNT21間の距離d')、CNT群22の電気抵抗値が変化する。
図6(b)では、CNT群22の上端に錘状部材23が固定され、錘状部材23が回転する場合を示す。具体的には、上記の角加速度・回転センサが該当する。ここで、CNT群22の上端と錘状部材23とが接続されているため、連続して回転させることはできないが、小さな角度であれば回転させることができる。この場合、CNT群22は円周上に捩じられるように変形するため、結果としてCNT21間の間隔が狭まり、CNT群22の電気抵抗値が低下する。この構造を真上から見ると、図5(c)ようになる。錘状部材23の回転軸を中心にして、各CNT21が捩じられるように変形している様子が判る。この場合、CNT21が長いほど感度が高くなる。
本発明のセンサ装置では、電極2,3間の距離と、電極2,3の当該電極2,3間を結ぶ方向と交差する方向の幅とを調節することにより、感度を制御することができる。
以下、この感度の制御原理について図8を用いて説明する。図8において、実線で囲まれた領域がCNT群等の棒状導電体群の形成領域Sを、破線で囲まれた領域がCNT等の棒状導電体の形成領域であり、隣接する棒状導電体と接触(導通)可能である領域Bをそれぞれ示す。即ち、隣接する領域B間に重畳部分が存在すれば、隣接する棒状導電体間で導通可能となる。また、電極2,3間の距離をL、電極2,3の当該電極2,3間を結ぶ方向と交差する方向の幅をWとする。
棒状導電体が電極2,3間に非常に高い密度で形成されている場合、棒状導電体同士は極めて高い確率で接続されていると考えられるので、電極2,3間に、オームの法則に従う抵抗体が形成されていると考えることができる。従ってこの場合、電極2,3間の電気抵抗値は、棒状導電体の高さを一定と仮定すると、Lに比例し、Wに反比例することになる。他方、棒状導電体間の間隔が疎な場合には、棒状導電体間は絶縁分離された状態となって電流は流れない。棒状導電体が変形するようになると、多くの棒状導電体の中では棒状導電体同士が導通可能となる。しかし、領域B間で重畳部分が電極2,3間に僅かしかない場合には、電極2,3間の電流路は寸断されたままであるために電流は流れない。隣接する領域Bの一部同士が重なって電極2,3間に連続した電流路が形成されると、電流が流れはじめる。
そして、このような電流路が多数形成されるに従い、電流の通路は広がり、電気抵抗値が減少してゆく。各領域Bに電流ショートが形成される確率をpとすると、電極2,3間に電流路が形成される確率Pは、
P=p×p×p×p×・・・・・×p(乗するpの数は電極2,3間に存在する領域Bの数)
となり、Lが大きくなるほど、電極2,3間に連続した電流路が形成される可能性は少なくなる。
他方、Wを広くすると、電極間に電流路が形成される可能性はQは、
Q=p+p+p+p+・・・・・+p(加えるpの数は電極2,3間に存在する領域Bの数)
となり、Wが大きくなるほど電流路が形成され易くなる。
このように、W,Lを最適化することにより、センサ装置の感度を調整することができる。
ここで、本発明によるセンサ装置の基本構成の製造方法について説明する。棒状導電体としてCNTを形成する場合を例に採る。
(1)製造方法1
図9は、本発明によるセンサ装置の基本構成の製造方法1を工程順に示す概略断面図である。
先ず、基体上に一対の電極を形成する。
具体的には、図9(a)に示すように、基体1上に電極材をスパッタ、蒸着等の方法で形成した後、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより電極材を加工し、一対の電極2,3をパターン形成する。その他、印刷法で導電性材料のパターンを形成する方法、インクジェットで導電性インクを飛ばす方法等を適用して、電極2,3を形成することも可能である。
続いて、CNTを成長させるための核を形成する。
具体的には、図9(b)に示すように、基体1の表面でCNTの形成に必要な箇所のみを開口するレジストマスク101を形成し、核となる微粒子102を全面に形成する。その他、例えば、直接必要な箇所のみに光又は帯電粒子を照射する等して帯電させておき、帯電部分にのみ微粒子を付着させる方法や、印刷により必要な箇所に微粒子インクを付けてパターンを印刷する方法、必要な箇所に微粒子を含むインクを飛ばす方法等、適宜選択することができる。その後、レジストマスク101及びレジストマスク101上の微粒子102をリフトオフ法で除去し、レジストマスク101の開口部内にのみ微粒子102を残す。
ここで、微粒子を形成する代わりに、薄膜を形成するようにしても良い。例えば、TiやCo等の遷移金属の薄膜をスパッタ法、蒸着法、CVD法等により形成する。
続いて、核からCNTを成長させる。
具体的には、図9(c)に示すように、例えばCVD法により、微粒子102からCNT21を成長させ、複数のCNT21からなるCNT群22を形成する。
なお、必要箇所にCNTの核を予め形成し、必要箇所のみにCNTを形成する代わりに、逆に全面に上記の方法によりCNTを形成しておき、CNTを残したい部分をレジストや酸化膜等で覆った後、不要な部分を高温の酸素や酸素プラズマに曝して、レジストや酸化膜等で覆われていない部分のCNTを燃焼させ、必要箇所のみにCNTを残すようにしても良い。
以上の工程により、本発明によるセンサ装置の基本構成を完成させる。そして、製造するセンサ装置に応じて、CNT群22上や前記基本構成の近傍等に種々の変形補助機構を配置する。
(2)製造方法2
図10は、本発明によるセンサ装置の基本構成の製造方法2を工程順に示す概略断面図である。
先ず、基体表面にCNTを成長させる。
具体的には、図10(a)に示すように、基体1上の全面に、核となる微粒子102を形成する。そして、図10(b)に示すように、例えばCVD法により、微粒子102からCNT21を成長させ、複数のCNT21からなるCNT群22を形成する。
続いて、CNT群22上に一対の電極を形成する。
具体的には、図10(c)に示すように、CNT群22上に電極材をスパッタ、蒸着等の方法で形成した後、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより電極材を加工し、一対の電極2,3をパターン形成する。
以上の工程により、本発明によるセンサ装置の基本構成を完成させる。そして、製造するセンサ装置に応じて、CNT群22及び電極2,3上や前記基本構成の近傍等に種々の変形補助機構を配置する。
この製造方法2では、基体1の全面にCNT21を形成すれば良いため、CNTの形成箇所を画定するためのパターニング工程が不要となり、CNT成膜の際の制約条件を少なくすることができる。
−本発明を適用した具体的な諸実施形態−
[第1の実施形態]
本実施形態では、本発明を種々の物理量センサに適用した具体例について説明する。
(加速度センサ)
(1)二軸加速度センサ(X軸一方向、Z軸二方向)
この二軸加速度センサは、図11の例では、X軸に沿った左右方向の加速度量と、Z軸に沿った上下方向の加速度量及び加速度の正負(上方向又は下方向)とを測定するものである。また、図12の例では、X軸に沿った右方向の加速度量及び加速度の正負(右方向又は左方向)と、Z軸に沿った上下方向の加速度量及び加速度の正負(上方向又は下方向)とを測定するものである。
この二軸加速度センサは、基体1上に離間して設けられた一対の電極2,3と、電極間に電圧又は電流を印加する電源(不図示)と、電極2,3間の領域を含み電極2,3を覆うように、基体1上で当該電極2,3間を結ぶ方向(X軸方向)と交差する方向(Z軸方向)に林立する複数のCNT21からなるCNT群22と、加速度を感知するための錘状部材11とを備えて構成されている。
錘状部材11は、CNT群22上に、CNT21の上端部と共に可動とされた状態に載置固定される。ここで、錘状部材11は、その一端部位では一方の電極2上に形成されたCNT21と接続されており、その他端部位では電極2,3間で他方の電極3に近接、好ましくは最も近接するCNT21と接続される。即ち、図11(a),(b)の例では、錘状部材11は下方に電極2,3を内包するように設けられる。他方、図12(a),(b)の例では、錘状部材11は、CNT群22上の左方に偏った部位に設けられる。錘状部材11は、下方に電極2を内包し且つ当該錘状部材11の右端が電極2,3間の領域内で電極3付近の部位、望ましくは当該錘状部材11の右端が電極3の左端に可及的に近接する部位に位置するように設けられる。錘状部材11の設置位置の理想的状態、即ち電極2,3間に存在するCNT21が全て錘状部材11と接続され、電極3上のCNT21が錘状部材11と接続されていない状態を図13(a)に示す。なお、図13の各図では、説明の便宜上、CNT21間の間隔を強調して示している。
ここで、図示の例とは逆に、錘状部材11がCNT群22上の右方に偏った部位に設置される場合には、錘状部材11は、下方に電極3を内包し且つ当該錘状部材11の左端が電極2,3間の領域内で電極2寄りの部位、望ましくは当該錘状部材11の左端が電極2の右端に可及的に近接する部位に位置するように設けられる。
図11の二軸加速度センサでは、図11(c)に示すように、X軸に沿った図中左方向に錘状部材11に対して外力が加わった場合、錘状部材11の下部に存在するCNT21が錘状部材11の移動と共に左方向へなびく。このとき、CNT21間の間隔が狭められ、電極2,3間の電気抵抗値が低下する。この低下量(負の変化量)を測定することにより、加速度量が判る。他方、図11(d)に示すように、X軸に沿った図中右方向に錘状部材11に対して外力が加わった場合、図11(c)の場合と同様に加速度量が判る。但しこの二軸加速度センサでは、錘状部材11に加わる外力が左右方向で同一である場合、同一の電気抵抗値の低下量(負の変化量)として測定されるため、加速度の方向を検知することはできない。
また、図11の二軸加速度センサでは、図11(e)に示すように、Z軸に沿った図中上方向に錘状部材11に対して外力が加わった場合、例えば図5(c)と同様に、高さ方向の距離が狭められるため、右左のいずれかに湾曲することにより狭い空間に収まろうとする。これにより、隣接するCNT21間の距離が狭まり、CNT21同士が交差するようになる。この結果、CNT21間に電流路が形成され、CNT群22の電気抵抗値が低下する。この低下量(負の変化量)を測定することにより、上方向の加速度量が判る。他方、Z軸に沿った図中下方向に錘状部材11に対して外力が加わった場合、錘状部材11の自重のみ(重力加速度のみ)の場合よりも錘状部材11の見かけの重量が軽くなるため、錘状部材11の自重により湾曲していたCNT21が当該加速度に応じて直立し、CNT群22の電気抵抗値が上昇する。この上昇量(正の変化量)を測定することにより、下方向の加速度量が判る。なお、図11(e)では、図示の便宜上、CNT21を直立した状態で記載している。
このように、図11の二軸加速度センサでは、加速度量が上下方向で同一である場合でも、上述のように測定値は上下方向で異なるため、加速度量に加えて加速度の方向(上下いずれか)を検知することができる。
図12の二軸加速度センサでは、図12(c)及び図13(b)に示すように、X軸に沿った図中左方向に錘状部材11に対して外力が加わった場合、錘状部材11の下部に存在するCNT21が錘状部材11の移動と共に左方へなびく。このとき、CNT群22は、電極2を含む部分22aと、電極3を含む部分22bとに分断される。この分断により電流路が寸断されて、電極2,3間の電気抵抗値が無限大に近く大きく上昇する。この電気抵抗値の上昇を検知することにより、左方向に外力が加わったことが判る。他方、図12(d)及び図13(c)に示すように、X軸に沿った図中右方向に錘状部材11に対して外力が加わった場合、CNT群22のうち錘状部材11の下部に存在するCNT21が錘状部材11の移動と共に右方へなびく。このとき、CNT21間の間隔が狭められ、電極2,3間の電気抵抗値が低下する。この低下量(負の変化量)を測定することにより、右方向に外力が加わったことに加え、その加速度量が判る。
このように、図12の二軸加速度センサでは、錘状部材11に加わる外力が左右方向で同一である場合でも、電気抵抗値の変化量は上記のように異なる値として測定されるため、右方向の加速度量に加えて加速度の方向(左右いずれか)を検知することができる。
同様に、錘状部材11がCNT群22上の右方に偏った部位に設置された二軸加速度センサでは、錘状部材11に加わる外力が左右方向で同一である場合でも、電気抵抗値の変化量は相異なる値として測定されるため、左方向の加速度量に加えて加速度の方向を検知することができる。
また、図12の二軸加速度センサでは、図12(e)に示すように、Z軸に沿った図中上下方向に錘状部材11に対して外力が加わった場合、図11の二軸加速度センサと同様に、加速度量に加えて加速度の方向(上下いずれか)を検知することができる。なお、図12(e)では、図示の便宜上、CNT21を直立した状態で記載している。
ここで、図12の二軸加速度センサにおいて、錘状部材11の設置位置の合理性について説明する。錘状部材11がCNT群22の左方に偏った部位に設置する場合を例に採る。
図14(a)に示すように、錘状部材11の右端が電極2,3間の領域内で電極3からある程度離れた部位に位置する場合、錘状部材11の右端と電極3との間には多数のCNT21が介在する。
図14(a)の錘状部材11に左方向に外力が加わった場合、図14(b)に示すように、CNT群22が電極2を含む部分22aと電極3を含む部分22bとに分断される。部分22aではCNT21が変形して抵抗R1が変化(低下)するが、部分22bでは抵抗R2は変化しない。抵抗R2は、CNT群22の密度にもよるが、CNT21が離散して形成されている場合には無限大に近い高い電気抵抗値となる。従って、抵抗R1が少々変化するとともに、部分22aと部分22bとの間に大きな抵抗R3が形成されたとしても、抵抗R2が極めて大きいため、全体の電気抵抗値の変化割合は小さいものとなる。即ちこのセンサ装置は、加速度の方向は検知可能であるにしても、加速度センサとしての感度は低い。
これに対して、図15(a)に示すように、錘状部材11の右端が電極2,3間の領域内で電極3の左端に可及的に近接する部位に位置する場合、錘状部材11の右端と電極3との間には殆どCNT21が介在しない(図示の例では皆無)。
図15(a)の錘状部材11に左方向に外力が加わった場合、図15(b)に示すように、CCNT群22が電極2を含む部分22aと電極3を含む部分22bとに分断される。ここで、電極2,3間に存在するCNT21は殆ど(図示の例では全て)部分22aに含まれるため、部分22bの抵抗R2は測定に殆ど(図示の例では全く)影響を与えない。従ってこの場合、部分22aにおいてCNT21が変形して抵抗R1が変化(低下)するとともに、部分22aと部分22bとの間に大きな抵抗R3が形成され、全体の電気抵抗値の変化割合は極めて大きいものとなる。即ちこのセンサ装置は、加速度の方向が検知できるのみならず、加速度センサとしての感度は極めて高い。
本実施形態では、上述の根拠に基づき、錘状部材11がその一端部位では電極2上に形成されたCNT21と接続されており、その他端部位では電極2,3間で電極3に最も近接するCNT21と接続されている二軸加速度センサ、ここでは図13のように、錘状部材11の右端が電極2,3間の領域内で電極3の左端に可及的に近接する部位に位置する二軸加速度センサを採用した次第である。
(2)二軸加速度センサ(X軸二方向、Z軸二方向)
この二軸加速度センサは、図16に示すように、X軸に沿った左右方向の加速度量及び加速度の正負(右方向又は左方向)と、Z軸に沿った上下方向の加速度量及び加速度の正負(上方向又は下方向)とを測定するものである。
この二軸加速度センサは、図11及び図12の二軸加速度センサを応用したものであり、図16(a)に示すように、基体1上に各々所定間隔をもって設けられた5個の電極31,32,33,34,35と、電極31〜35に電圧又は電流を印加する電源(不図示)と、電極31〜35を連続的に覆うように、基体1上で当該電極31〜35間を結ぶ方向(X軸方向)と交差する方向(Z軸方向)に林立する複数のCNT21からなるCNT群22と、加速度を感知するための錘状部材36とを備えて構成されている。
錘状部材36は、CNT群22上でCNT21の上端部と共に可動とされた状態に載置固定される。錘状部材36は、下方に電極32,33,34を内包し、且つ当該錘状部材11の右端が電極34,35間の領域内で電極35付近の部位に、左端が電極31,32間の領域内で電極31付近の部位にそれぞれ位置するように設けられる。ここで、錘状部材36の端部については、当該錘状部材36の右端が電極35の左端に可及的に近接する部位に位置するように、左端が電極31の右端に可及的に近接する部位にそれぞれ位置することが望ましい。即ちこの二軸加速度センサでは、電極34,35を含む領域37が図12の二軸加速度センサに、電極32,33,34を含む領域38が図11の二軸加速度センサに、電極31,32を含む領域39が図12の二軸加速度センサで錘状部材11を右方に偏った部位に設置した場合にそれぞれ対応する。
この二軸加速度センサでは、X軸に沿った図中左方向に錘状部材36に対して外力が加わった場合、錘状部材36の下部に存在するCNT21が錘状部材36の移動と共に左方へなびく。このとき、領域38においては、CNT21間の間隔が狭められ、電極31,32間の電気抵抗値が低下する。この低下量(負の変化量)を測定することにより、その加速度量が判る。他方、領域38においては、図16(b)に示すように、CNT群22は、電極34を含む部分22aと、電極35を含む部分22bとに分断される。この分断により電流路が寸断されて、電極34,35間の電気抵抗値が無限大に近く大きく上昇する。この電気抵抗値の上昇を検知することにより、左方向に外力が加わったことが判る。
他方、この二軸加速度センサでは、X軸に沿った図中右方向に錘状部材36に対して外力が加わった場合、錘状部材36の下部に存在するCNT21が錘状部材36の移動と共に左方へなびく。このとき、領域38においては、CNT21間の間隔が狭められ、電極34,35間の電気抵抗値が低下する。この低下量(負の変化量)を測定することにより、その加速度量が判る。他方、領域39においては、図16(c)に示すように、CNT群22は、電極31を含む部分22aと、電極32を含む部分22bとに分断される。この分断により電流路が寸断されて、電極31,32間の電気抵抗値が無限大に近く大きく上昇する。この電気抵抗値の上昇を検知することにより、右方向に外力が加わったことが判る。
また、この二軸加速度センサでは、図16(d)に示すように、Z軸に沿った図中上下方向に錘状部材11に対して外力が加わった場合、図11の二軸加速度センサと同様に、加速度量に加えて加速度の方向(上下いずれか)を検知することができる。
(3)三軸加速度センサ(X軸二方向、Y軸二方向、Z軸二方向)
この三軸加速度センサは、図17に示すように、X軸に沿った左右方向の加速度量及び加速度の正負(X軸における右方向又は左方向)と、Y軸に沿った左右方向の加速度量及び加速度の正負(Y軸における右方向又は左方向)と、Z軸に沿った上下方向の加速度量及び加速度の正負(上方向又は下方向)とを測定するものである。
この三軸加速度センサは、図15の二軸加速度センサを応用したものであり、図15の二軸加速度センサの構造、即ち電極31〜35、CNT群22及び錘状部材36を備えてなるセンサ構造41,42を有しており、平面内で互いに直交するようにセンサ構造41,42が配置されてなるものである。ここで、図示のように、直交配置されたセンサ構造41,42の周囲には、センサ構造41,42の各電極31〜35とそれぞれ接続された電極パッド43が形成されている。
この三軸加速度センサでは、X軸に沿った左右方向に錘状部材36に対して外力が加わった場合には、センサ構造41により図16(a)〜(d)と同様に加速度量及び加速度の方向(X軸における右方向又は左方向)を検知する。また、Y軸に沿った左右方向に錘状部材36に対して外力が加わった場合には、センサ構造42により図16(a)〜(d)と同様に加速度量及び加速度の方向(Y軸における右方向又は左方向)を検知する。また、Z軸に沿った上下方向に錘状部材36に対して外力が加わった場合には、センサ構造41,42により図16(d)と同様に加速度量及び加速度の方向(上方向又は下方向)を検知する。
以上説明した各種の加速度センサにおいて、その感度を調節するには、CNTの長さや、図8で説明した電極間の距離L及び電極幅Wを制御すること以外に、錘状部材の質量を変えることでも調整することが可能である。加速度センサの場合、加速によって加わる外力Fは F=aM (a:加速度、M:質量)で決まることから、錘状部材を重くすれば感度を上げることが可能である。但し、錘状部材として、比重の大きなものを採用したり、サイズも大きくする必要がある。また、CNT間の間隔も重要である。当該間隔が狭すぎると常時電流が流れる状態になり、また間隔が広すぎると外力が加わっても電流が変化しないということになってしまう。
加速度センサの感度を調節する他の方法としては、CNT自体のバネ定数を変える方法もある。一般的に、太いCNTや層数の多いCNTを用いると、CNT自体が強化され、CNTの曲がりやしなりに大きな外力を要するようになる。センシングしようとする力に適したCNTの太さやCNTの層数(SNT、DNT、MNT等)を適切にすることにより、目的のバネ定数を持たせることができる。もちろん、カーボン以外の材料のナノチューブを用いることで、材質の違いによりバネ係数を変更し、調整を行うことも可能である。
ここで、本実施形態の加速度センサの製造方法について説明する。
図9の製造方法1による基本構成を利用する場合には、図9(a)〜(c)の工程を経て基本構成を完成させた後、図18(a)に示すように、CVD法、スパッタ法、塗布法等で全面に絶縁膜を形成した後、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより絶縁膜を加工し、CNT群22上に絶縁膜を残して錘状部材51を形成する。
また、図10の製造方法2による基本構成を利用する場合には、図10(a)〜(c)の工程を経て基本構成を完成させた後、図18(b)に示すように、CVD法、スパッタ法、塗布法等で全面に絶縁膜を形成した後、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより絶縁膜を加工し、電極2,3及びCNT群22上に絶縁膜を残して錘状部材51を形成する。
別の方法としては、予め錘状部材51として加工された材料を、CNT群22上、又は電極2,3及びCNT群22上に接合しても良い。この場合、接着材料を用いることもできるが、接着材料を用いずに、例えば熱処理による熱反応でCNT21と錘状部材51とを接合するようにしても良い。
また、以下のような方法で加速度センサを製造することもできる。
先ず、基板上にCNTを成長させる。
具体的には、図19(a)に示すように、錘状部材となる絶縁性の基板52上の全面に核となる微粒子を形成し、CVD法等により当該微粒子からCNT21を成長させ、複数のCNT21からなるCNT群22を形成する。この基板52は、図19(b)に示すように、上下を反転させて用いる。
他方、基体上に一対の電極を形成する。
具体的には、図19(c)に示すように、基体1上に絶縁膜53を形成し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより電極形状の一対の溝54を形成する。そして、溝54を埋め込むように絶縁膜53上に電極材をスパッタ、蒸着等の方法で形成し、化学機械研磨法により電極材を研磨して平坦化し、溝54を充填する電極2,3を形成する。ここでは、電極材の表面をなるべく平坦にするため、電極材を研磨して表面を平坦化しているが、電極材の表面の平坦化は必ずしも必要ではない。電極の厚さが薄く、電極による凸形状を無視できる場合には、はじめから電極材を形成し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより一対の電極を形成するようにしても良い。また、例えばAlのような導電膜を全面に形成した後、電極以外の部分を陽極酸化して、アルミナからなる絶縁膜に置換し、アルミナ電極に埋め込まれた一対のAl電極を形成しても良い。このような方法でも、比較的表面が平坦な電極を形成することができる。
そして、基体上に基板を接合する。
具体的には、図19(d)に示すように、基板52のCNT群22の先端部を導電性の接着材料55により電極2,3上に固定する。この場合、接着材料55を用いずに、例えば熱処理による熱反応でCNT21と基板52とを接合するようにしても良い。
図19(d)の加速度センサでは、基板52を錘状部材として利用しており、錘状部材を別途準備する必要がなく、構成の簡易化及び工程の削減が実現する。また、CNT群22の中央部を非導電性の接着材で、両端部を導電性の接着材で接合するようにすれば、例えばプリント基板上の任意の部位に当該加速度センサを形成することも可能である。
上記した加速度センサの各種製造方法は、主に図11の二軸加速度センサの構成に適用して好適である。
図12の二軸加速度センサの構成に適用するには、電極の端部に対して錘状部材の端部を正確に位置決めすることが必要である。この場合、以下のような方法を用いることで容易に精度良く位置合わせすることができる。
先ず、基体上に一対の電極及び絶縁膜を形成する。
具体的には、先ず図20(a)に示すように、基体1上に電極材をスパッタ、蒸着等の方法で形成した後、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより電極材を加工し、一対の電極2,3をパターン形成する。その後、電極2,3を覆うように基体1上にCVD法等により絶縁膜56を形成する。続いて、絶縁膜56上に電極材をスパッタ、蒸着等の方法で形成した後、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより電極材を加工し、絶縁膜56上の電極2,3間の領域に一対の電極8,9をパターン形成する。
続いて、図20(b)に示すように、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより絶縁膜56を加工し、絶縁膜56に電極2の表面の一部及び電極3の表面の一部をそれぞれ露出させる開口57,58を形成する。ここで、電極2,3間の領域には、絶縁膜56が隆起した形とされ、当該隆起部上に電極8,9が形成されている。
続いて、CNTを成長させるための核を形成する。
具体的には、図20(c)に示すように、基体1の表面でCNTの形成に必要な箇所のみを開口するレジストマスク101を形成し、核となる微粒子102を全面に形成する。その後、レジストマスク101及びレジストマスク101上の微粒子102をリフトオフ法で除去し、レジストマスク101の開口部内にのみ微粒子102を残す。
続いて、核からCNTを成長させる。
具体的には、図20(d)に示すように、例えばCVD法により、微粒子102からCNT21を成長させ、複数のCNT21からなるCNT群22を形成する。このとき、電極2,3間におけるCNT21の上端が電極2,3上におけるCNT21の上端よりも高く位置するように、段差Sが形成される。即ち、絶縁膜56の段差Sが反映して、CNT群22のうち、電極2,3上に形成された部分22cに対して、絶縁膜56上に形成された部分22dが凸状に突出することになる。
続いて、錘状部材を形成する。
具体的には、図20(e)に示すように、絶縁材料からなる錘状部材59をCNT群22のうちの部分22d上のみに接合し、CNT群22のうちの部分22cを当該部分22cにおけるCNT21の上端が錘状部材59と接触しない非接触領域として、加速度センサを完成させる。
この加速度センサでは、錘状部材59がCNT群22のうち部分22d上のみに接合されており、錘状部材59が接合されていない電極2,3上のCNT21(部分22c)と、錘状部材59が接続されているCNT21(部分22d)とが容易に峻別され、電極3の左端に対して錘状部材59の左右の両端が正確に位置決めされる。
そして、この加速度センサでは、図中左方向に錘状部材59に対して外力が加わった場合、CNT群22が左方向へなびき、電極3上のCNT21(電極3上の部分22c)と残りのCNT21(電極8,9上を含む部分22d及び電極2上の部分22c)とに分断され、加速度方向が左方向であることが判るとともに、電極8,9により加速度量が判る。他方、図中右方向に錘状部材59に対して外力が加わった場合、CNT群22が右方向へなびき、電極2上のCNT21(電極2上の部分22c)と残りのCNT21(電極8,9上を含む部分22d及び電極3上の部分22c)とに分断され、加速度方向が右方向であることが判るとともに、電極8,9により加速度量が判る。
(圧力・気圧・指紋センサ)
ここでは、圧力・気圧・指紋センサの具体的構成をその製造方法と共に説明する。
先ず、図9(a)〜(c)の工程を経て、図21(a)に示す基本構成を完成させる。
続いて、CNT群を覆う絶縁部材を形成する。
具体的には、図21(d)に示すように、CVD法やSOG法により、全面に絶縁膜61を堆積する。絶縁膜61の材料としては、シリコン酸化膜等の他、プラスチックのような有機系の材料を用いることも可能である。CNT21間の間隔は非常に狭く、絶縁膜61がこの隙間に完全に回りこむことは困難である。このため、CNT群22の表面が絶縁膜61で覆われ、内部には空洞62が形成される。そして、必要に応じて(下部でLSIに接続するような場合には上部に引き出す配線は不要である。)、絶縁膜61に電極2,3の表面の一部を露出させる開口63を形成する。
この圧力・気圧・指紋センサでは、外部から絶縁膜61に圧力が加わると、絶縁膜61が変形し、これに起因してCNT21が変形して、CNT21間の間隔が変化し、電極2,3間の電気抵抗値が変化する。複数の圧力・気圧・指紋センサをマトリックス状に配置し、このマトリックス部位に指の指紋を押し当てるようにして、指紋の起伏に応じて、個々のマトリックの交点に位置する本センサが圧力を感知するようにすれば、指紋センサとして用いることが可能である。
更に、図21(d)の工程を、圧力値が明確なガス中、あるいは真空中で行えば、空洞62内がこの圧力の状態で形成される。外部圧力との差により絶縁膜61が変形し、気圧センサとして用いることが可能となる。
(音センサ)
音センサでは、CNT群の表面に音波により振動する集音部材を押し当てれば、音波に応じてCNT群に圧力が加わり、CNTが変形を受け、CNT間の間隔が変化し、電極間の電気抵抗値が変化する。
このような機能を実現するには、CNTを用いた本実施形態のセンサ装置の基本構成(基体1上の一対の電極2,3と電源4、及びCNT群22)に加えて、集音機能を有する変形補助機構を設ければ良い。具体的には、図22(a)のように、ホーン状の集音部材16を前記基本構成におけるCNT群22上に直接的に載置固定する構成や、図22(b)のように、集音部材16を音波の伝達可能な支持台64を介して載置固定する構成が考えられる。更に、図22(c)のように、CNT群21の上部に単に開口65aが形成された板状部材65を配置し、CNT群22を外気に曝して開口65aから集音するようにする構成や、図22(d)のように、CNT群22上に支持台64を配置し、間接的に開口65aから集音するようにする構成も好適である。
(流量センサ)
流量センサは、図23((a):起立するCNT21と直交する平面による断面図、(b):起立するCNT21と平行な平面による断面図)に示すように、CNTを用いた本実施形態のセンサ装置の基本構成(基体1上の一対の電極2,3と電源4、及びCNT群22)に加えて、内部に気体の流路71aが形成された絶縁部材71を備え、この絶縁部材71の流路71a内に前記基本構成が収められて構成されている。
この流量センサでは、CNT群22に気体や液体等の流体を流せば、その流速に応じて、CNT21が変形を受ける。この結果、CNT21間の間隔が変化し、電極2,3間の電気抵抗値の変化として流速を読み取ることができる。但し、用いる流体がCNT21間にも浸透することから、流体の種類が変われば、電気抵抗値の変化態様も変わるので、流体毎に流速と電気抵抗との関係を修正する必要がある。
以上説明したように、本実施形態によれば、簡素な構成により高感度に各種物理量を測定する全く新しい技術思想に基づくセンサ装置が実現し、基本構成を共通として、測定対象となる各種物理量に対応して装置の一部構成を変更するだけで、各種物理量を高感度に測定することが可能となる。
なお、本実施形態では、棒状導電体としてCNTを例に採って説明したが、他の導電性材料で棒状導電体を形成しても良い。
例えば、先ず、全面に所望の導電性材料の膜を、スパッタ法、メッキ法、CVD法、蒸着法、塗布法等により形成する。続いて、所望の断面形状のレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして導電性材料の膜を異方性エッチングする。以上の工程により、所定の断面形状を有するアスペクト比が1以上の棒状導電体を林立させることができる。
逆に、全面に犠牲膜を形成しておき、必要な箇所にレジストパターンで開口部を形成し、異方性エッチングして多数の垂直な開口部を形成しておき、この開口部の内部のみを所望の導電性材料で埋め込み、しかる後に犠牲膜を除去する手法によっても、アスペクト比が1以上の棒状導電体を林立させることができる。
アルミニウムの膜を形成し、陽極酸化することにより、多数の6角形の垂直柱形状の開口が規則正しく形成されることが既に知られている。そこで上記の犠牲膜を用いる代わりにこの手法を用い、自然のメカニズムで形成された開口を用いても良い。この開口の形成されたアルミニウムの酸化膜は、開口に所望の導電材料を埋め込んだ後に、容易に選択的に除去することができる。
[第2の実施形態]
本実施形態では、第1の実施形態のセンサ装置をLSI上に集積してなるセンサシステムについて説明する。
図24は、第2の実施形態によるセンサシステムの主要構成を示す概略断面図である。
このセンサシステムは、図24(a)に示すように、単結晶のシリコン基板の表層に種々の半導体素子が形成されてなるトランジスタ領域81と、トランジスタ領域81上に積層された多層配線領域82と、多層配線領域82上に積層された第1の実施形態のセンサ装置、例えば加速度センサ83とを備えて構成されている。
トランジスタ領域81は、種々の半導体素子、図示の例では、シリコン基板上にゲート絶縁膜91を介してゲート電極92がパターン形成され、ゲート電極92の両側におけるシリコン基板の表層に不純物が導入されてなるソース/ドレイン93が形成されてなるMOSトランジスタ85を備えて構成されている。
多層配線領域82は、絶縁樹脂等からなる絶縁膜94内に配線95及びビア96が積層されてなり、配線95及びビア96の少なくとも一部がMOSトランジスタ85と接続されて構成されている。絶縁膜94の表面には、配線95及びビア96を介してMOSトランジスタ85と接続されてなる一対の電極2,3が形成されている。トランジスタ領域81には、電極2,3間に電圧又は電流を印加する電源(不図示)が設けられている。
加速度センサ83は、第1の実施形態で説明した基本構成、ここでは多層配線領域83の絶縁膜94を基体とし、絶縁膜94の表面に形成された一対の電極2,3と、電極2,3間に電圧又は電流を印加する電源(不図示)と、電極2,3間において、基体1上で当該電極2,3間を結ぶ方向と交差する方向に林立する複数の棒状導電体、ここではCNT21からなるCNT群22とを有する基本構成を備え、CNT群22上に絶縁材料からなる錘状部材97が設けられて構成されている。
なお、多層配線領域82上に設ける加速度センサとしては、第1の実施形態で説明した各種の二軸加速度センサや三軸加速度センサを適用することも当然に可能である。また、加速度センサ以外の各種センサ(角加速度・重量・回転角センサ、圧力・気圧・指紋センサ、曲がり・歪みセンサ、伸縮センサ、音センサ、流量センサ等)を適用することも当然に可能である。
また、多層配線領域82上に複数のセンサ装置を設けることもできる。例えば2種類のセンサ装置、ここでは加速度センサ及び音センサを設けた一例を図24(b)に示す。このセンサシステムでは、多層配線領域82上に加速度センサ83と、この加速度センサ83に隣接して、前記基本構成に加えてCNT群22上にホーン状の集音部材98が配置されてなる音センサ86とが設けられている。
第1の実施形態によるセンサ装置では、CNT自体が単結晶であり、機械的強度及び電気導電性に優れることから、CNTを成長させる基体に単結晶Si基板を使う必要がない。従って、絶縁膜上に一対の電極が形成された部位であれば、当該部位にCNTを成長させるだけで容易にその基本構成を形成することができる。本実施形態では、この特長をセンサシステムに適用し、多層配線領域82上に加速度センサ83等のセンサ装置を積層形成する。この場合、シリコン基板に形成された空洞内にカンチレバーを設けてなる従来構成のセンサシステムのようにチップ面積を増加させることがなく、高集積化が可能となる。
このセンサシステムでは、従来のセンサシステムと異なり、従前の半導体製造プロセスをそのまま使用することが可能であり、他の全てのLSI製造工程が終了した後に、低温でセンサ装置を積層形成するため、極めて容易にLSIに混載することができる。従って、長年に渡って築いてきたLSIの製造方法に関する膨大な資産を十分に活かすことが可能となる。
また、このセンサシステムでは、第1の実施形態によるセンサ装置の有する上記特長を利用して、前記基本構成を共通として多層配線領域82上に併設し、前記基本構成に異なる変形補助機構を設けることにより、様々な物理量を測定対象とする各種センサ装置を同一基板上で実現することが可能となる。
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)一対の電極と、
前記一対の電極間に電圧又は電流を印加する電源と、
前記一対の電極間の領域に林立する複数の棒状導電体と、
複数の前記棒状導電体の近傍又は少なくとも一部と接触するように設置されており、前記棒状導電体の変形及び前記棒状導電体間の距離の変化の少なくとも一方を補助する変形補助機構と
を含むことを特徴とするセンサ装置。
(付記2)前記一対の電極間の距離と、前記電極の当該電極間を結ぶ方向と交差する方向の幅とが調節されており、感度が制御されてなることを特徴とする付記1に記載のセンサ装置。
(付記3)前記棒状導電体は、炭素からなる棒状構造体であることを特徴とする付記1又は2に記載のセンサ装置。
(付記4)前記一対の電極間を結ぶ方向が互いに交差するように、一対の前記電極が2組設けられており、
各前記一対の電極において、複数の前記棒状導電体が当該電極間の領域に林立してなることを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載のセンサ装置。
(付記5)前記変形補助機構は、前記棒状導電体上に設けられており、一端部位では一方の前記電極上に形成された前記棒状導電体と接続され、他端部位では前記一対の電極間で他方の前記電極に近接する前記棒状導電体と接続されていることを特徴とする付記1〜4のいずれか1項に記載のセンサ装置。
(付記6)前記変形補助機構は、前記他端部位では前記一対の電極間で他方の前記電極に最も近接する前記棒状導電体と接続されていることを特徴とする付記5に記載のセンサ装置。
(付記7)一対の前記電極間に段差物が形成されるとともに、前記段差物上に他の電極が形成されており、
前記他の電極上を含む前記段差物上に形成された前記棒状導電体の上端が、前記一対の電極上に形成された前記棒状導電体の上端よりも高く位置し、
前記変形補助機構は、前記他の電極上を含む前記段差物上に形成された前記棒状導電体上に接続されていることを特徴とする付記5又は6に記載のセンサ装置。
(付記8)前記変形補助機構は、複数の前記棒状導電体の少なくとも一部の上部に物理的に接続されており、前記棒状導電体の上端部と共に可動とされた錘状部材であることを特徴とする付記1〜7のいずれか1項に記載のセンサ装置。
(付記9)前記変形補助機構は、複数の前記棒状導電体を覆い外部と遮断された内部空間を形成する気密性の絶縁部材であることを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載のセンサ装置。
(付記10)前記変形補助機構は、複数の前記棒状導電体の少なくとも一部の上部に物理的に接続されており、前記棒状導電体に音波を伝達させるための集音部材であることを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載のセンサ装置。
(付記11)前記変形補助機構は、複数の前記棒状導電体の下端部が接続されており、伸縮又は屈曲自在の基体部材であることを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載のセンサ装置。
(付記12)前記変形補助機構は、少なくとも複数の前記棒状導電体を覆い、両端が開口してなる筒状部材であることを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載のセンサ装置。
(付記13)表層に半導体素子が形成されてなる基板と、
前記基板の上方に設けられ、前記半導体素子の一部と接続されてなる付記1〜12のいずれか1項に記載のセンサ装置と
を含むことを特徴とするセンサシステム。
(付記14)前記基板上に配線が多層に積層されてなり、少なくとも一部が前記半導体素子と接続された多層配線構造を備えてなる多層配線層を更に含み、
前記センサ装置は、前記多層配線層上に設けられ、前記多層配線構造を介して前記半導体素子の一部と接続されていることを特徴とする付記13に記載のセンサシステム。
本発明のセンサ装置の主要構成を示す概略断面図である。 本発明の各種センサへの適用例を示す模式図である。 本発明の各種センサへの適用例を示す模式図である。 各種センサに適用自在な本発明のセンサ装置の動作原理を説明するための模式図である。 CNTの変形態様を示す模式図である。 CNTの変形態様を示す模式図である。 本発明のセンサ装置の動作原理を説明するための模式図である。 本発明のセンサ装置における感度の制御原理を説明するための模式図である。 本発明によるセンサ装置の基本構成の製造方法1を工程順に示す概略断面図である。 本発明によるセンサ装置の基本構成の製造方法2を工程順に示す概略断面図である。 本発明によるセンサ装置を加速度センサに適用した一例を示す模式図である。 本発明によるセンサ装置を加速度センサに適用した一例を示す模式図である。 図12の加速度センサの動作を説明するための模式図である。 図12の二軸加速度センサにおいて、錘状部材の設置位置の合理性について説明するための模式図である。 図12の二軸加速度センサにおいて、錘状部材の設置位置の合理性について説明するための模式図である。 本発明によるセンサ装置を加速度センサに適用した一例を示す模式図である。 本発明によるセンサ装置を加速度センサに適用した一例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態による加速度センサの製造方法を工程順に示す概略断面図である。 第1の実施形態の加速度センサの製造方法を工程順に示す概略断面図である。 第1の実施形態の加速度センサの製造方法を工程順に示す概略断面図である。 圧力・気圧・指紋センサの具体的構成をその製造方法と共に示す概略断面図である。 音センサの具体的構成を示す概略断面図である。 流量センサの具体的構成を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態によるセンサシステムの主要構成を示す概略断面図である。 従来のセンサシステムの主要構成を示す概略断面図である。
符号の説明
1,14,15 基体
2,3,8,9,31〜35 電極
4 電源
5 棒状導電体
6 棒状導電体群
7 変形補助機構
11,12,23,36,51,59,97 錘状部材
13,71 絶縁部材
16,98 集音部材
17 筒状部材
21 CNT
22 CNT群
22a〜22d 部分
37〜39 領域
41,42 センサ構造
43 電極パッド
52 基板
53,56,61,94 絶縁膜
54 溝
55 接着材料
57,58,63 開口
62 空洞
71a 流路
81 シリコン基板
82 トランジスタ領域
83 多層配線領域
84 加速度センサ
85 MOSトランジスタ
86 音センサ
91 ゲート絶縁膜
92 ゲート電極
93 ソース/ドレイン
95 配線
96 ビア

Claims (5)

  1. 一対の電極と、
    前記一対の電極間に電圧又は電流を印加する電源と、
    前記一対の電極間の領域に林立する複数の棒状導電体と、
    複数の前記棒状導電体の近傍又は少なくとも一部と接触するように設置されており、前記棒状導電体の変形及び前記棒状導電体間の距離の変化のうち少なくとも一方を補助する変形補助機構と
    を含むことを特徴とするセンサ装置。
  2. 前記変形補助機構は、複数の前記棒状導電体の少なくとも一部の上部に物理的に接続されており、前記棒状導電体の上端部と共に可動とされた錘状部材であることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
  3. 前記変形補助機構は、複数の前記棒状導電体を覆い外部と遮断された内部空間を形成する気密性の絶縁部材であることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
  4. 前記変形補助機構は、複数の前記棒状導電体の下端部が接続されており、伸縮又は屈曲自在の基体部材であることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
  5. 前記変形補助機構は、少なくとも複数の前記棒状導電体を覆い、両端が開口してなる筒状部材であることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
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